JP2013015715A - 現像ローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の、イオン導電剤や導電性カーボン、金属粉末などを用いた場合のような種々の問題を生ずることなく、ローラに導電性を付与することができる技術を提供する。また、これにより、所望の導電性を有するとともに、通電耐久性にも優れた現像ローラを提供する。
【解決手段】シャフト1と、シャフト1の外周に順次配設された弾性層2、中間塗膜層3および表層塗膜層4と、を備える現像ローラ10である。中間塗膜層3が、アゾ系金属錯体を、樹脂成分100質量部に対し0.1〜5質量部含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は現像ローラ(以下、単に「ローラ」とも称する)に関し、詳しくは、複写機、プリンタ等の電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置において用いられる現像ローラに関する。
近年、電子写真技術の進歩に伴い、各電子写真プロセスにおいて用いられる導電性部材に対する要求も高まってきている。中でも、現像プロセスに用いられる現像ローラには、所定の電気抵抗値のみならず、現像機構に対応した種々の特性を備えていることが必要とされる。
従来、現像剤(トナー)として非磁性一成分現像剤を用いる場合の現像方法としては、静電潜像を保持した感光ドラム等の像担持体にトナーを供給し、像担持体上の潜像にトナーを付着させて潜像を可視化する現像方法(加圧現像法)が知られている。この方法によれば、磁性材料が不要であるため装置の簡素化、小型化が容易であるとともに、トナーのカラー化が容易となる。加圧現像法は、トナーを担持した現像ローラを静電潜像を保持した像担持体に接触させて、像担持体上の潜像にトナーを付着させることにより現像を行うものであるため、この方法に用いる現像ローラは、導電性を有する弾性体で形成する必要がある。
図2に、加圧現像法を用いた現像装置の一構成例を示す。図示する現像装置においては、現像ローラ10が、トナーを供給するためのトナー供給ローラ11と静電潜像を保持した感光ドラム12との間に、感光ドラム12に接触した状態で配置され、これら現像ローラ10、感光ドラム12およびトナー供給ローラ11がそれぞれ図中の矢印方向に回転することにより、トナー13がトナー供給ローラ11により現像ローラ10の表面に供給される。供給されたトナーは成層ブレード14により均一な薄層に整えられ、この状態で現像ローラ10が感光ドラム12と接触しながら回転することにより、薄層に形成されたトナーが現像ローラ10から感光ドラム12の潜像に付着して、潜像が可視化されるようになっている。なお、図中の符号15は転写部を示し、ここで紙等の記録媒体にトナー画像が転写される。また、符号16はクリーニング部を示し、転写後に感光ドラム12表面に残留するトナーをクリーニングブレード17により除去している。さらに、符号18は、感光ドラム12に当接して感光ドラム12を帯電させる帯電ローラである。
この場合、現像ローラ10は、感光ドラム12に密着した状態を確実に保持しつつ回転しなければならないため、通常、金属等の良導電性材料からなるシャフトの外周に、導電剤を配合することにより導電性を付与した導電性のゴムや高分子エラストマー、高分子フォーム等からなる弾性層を形成した構造を基本構造として、所望の表面粗さや導電性、硬度などを得るために、その外周に一層または複数層の塗膜を設けたものが使用されている。
かかる現像ローラに係る改良技術として、例えば、特許文献1には、軸芯体と、その周囲に設けられた樹脂層を有し、樹脂層が樹脂成分と、ピラゾロン骨格を有する染料化合物と、導電性微粒子とを含有する現像ローラが開示されている。また、特許文献2には、導電性シャフトのまわりに導電性弾性層を設け、外周面を表面層で被覆してなり、導電性弾性層が、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し主鎖を構成する繰り返し単位が主にオキシアルキレン単位または飽和炭化水素単位からなる重合体、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤、ヒドロシリル化触媒、および、導電性付与剤を主成分とする硬化性導電性組成物の反応硬化物から構成され、表面層が、荷電制御剤または荷電制御微粒子を含有する合成樹脂組成物から構成されてなる現像ローラが開示されている。
特開2008−111951号公報(特許請求の範囲等) 特開平10−186836号公報(特許請求の範囲等)
従来より、ローラの表層を構成するウレタン樹脂やゴムなどの高分子材料に導電性を付与する際には、イオン導電剤や導電性カーボン、金属粉末を配合することが一般的であるが、いずれも十分なものではなかった。例えば、導電性カーボンは通電耐久性が悪く、イオン導電剤では低抵抗化が困難であった。また、金属粉末は、多量に添加しなければ導電性を発現せず、多量に添加するとゴム物性が低下してしまうという難点があった。さらに、導電性カーボンや金属粉末は、層形成用の塗料に分散することが技術的に難しく、分散剤や分散機、分散プロセス等の調整が困難であった。
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、従来のような種々の問題を生ずることなくローラに導電性を付与することができる技術を提供することにあり、これにより、通電耐久性に優れた現像ローラを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、シャフトの外周に少なくとも弾性層、中間塗膜層および表層塗膜層を備える現像ローラにおいて、中間塗膜層にアゾ系金属錯体を所定量にて配合することで、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、シャフトと、該シャフトの外周に順次配設された弾性層、中間塗膜層および表層塗膜層と、を備える現像ローラにおいて、
前記中間塗膜層が、アゾ系金属錯体を、樹脂成分100質量部に対し0.1〜5質量部含有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記構成としたことにより、従来のような種々の問題を生ずることなくローラに導電性を付与することができ、これにより、通電耐久性に優れた現像ローラを実現することが可能となった。
本発明の現像ローラの一例を示す長手方向断面図である。 加圧現像法を用いた現像装置の一構成例を示す概略図である。 (a),(b)は、実施例における抵抗上昇幅の測定方法を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明の現像ローラの一例を示す長手方向断面図を示す。図示するように、本発明の現像ローラ10は、シャフト1と、その外周に順次配設された弾性層2、中間塗膜層3および表層塗膜層4と、を備えている。
本発明においては、中間塗膜層3が、アゾ系金属錯体を、樹脂成分100質量部に対し0.1〜5質量部、好適には0.5〜3質量部含有する点が重要である。これにより、従来一般的なイオン導電剤や導電性カーボンでは達成が難しかった塗料への導電性付与を、ゴム物性の低下等の問題を生ずることなく実現することが可能となった。また、ローラの弾性層/塗膜間の抵抗制御が容易となって、ローラ表面の帯電性や表面電位の減衰挙動を制御することもできるものとなった。さらに、通電耐久性が改善されたことで、耐久時における、かぶりやゴースト、階調性の悪化等の画像不具合の発生を改善することも可能となった。さらにまた、アゾ系金属錯体は、ウレタン樹脂やゴムなどの高分子材料への配合が可能であり、極性溶剤に可溶であるので、塗料化の点でも優れている。
アゾ系金属錯体の配合量が、0.1質量部よりも少ないと、十分な導電性が付与できず、一方、5質量部を超えて添加量を増やしても、導電性には変化がない。アゾ系金属錯体の金属としては、クロム、コバルト、鉄等が挙げられる。具体的なアゾ系金属錯体としては、アゾベンゼンのオルト位に水酸基、アミン基、カルボキシル基を有する骨格を有するアゾ化合物を挙げることができる。本発明においては、アゾ系金属錯体の1種または2種以上を、適宜混合して用いることができる。
本発明の現像ローラにおいては、アゾ系金属錯体を上記所定量にて中間塗膜層に配合する点のみが重要であり、これにより本発明の所期の効果を得ることができるものである。それ以外のローラの具体的構成や各層の構成材料については、常法に従い適宜選定することができ、特に制限されるものではない。
シャフト1としては、良好な導電性を有するものであれば特に制限はなく、いずれのものも使用し得るが、例えば、硫黄快削鋼などの鋼材にニッケルや亜鉛等のめっきを施したものや、鉄、ステンレススチール、アルミニウム等の金属製の中実体からなる芯金、内部を中空にくりぬいた金属製円筒体等の金属製シャフトを用いることができる。
弾性層2は、ローラの用途に応じて、ゴム若しくは樹脂、またはこれらの発泡体(フォーム)で形成することができ、具体的には例えば、ポリウレタンや、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム等を基材ゴムとするゴム組成物およびこれらの発泡体が挙げられる。
本発明においては、中でも特に、ポリウレタンフォームを用いることが好ましい。かかるポリウレタンフォームを形成するための原料としては、樹脂中にウレタン結合を含むものであれば、特に制限はない。
ポリオール成分としては、例えば、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、酸成分とグリコール成分を縮合したポリエステルポリオール、カプロラクトンを開環重合したポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール等を用いることができる。
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとしては、例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、メチルグルコジット、芳香族ジアミン、ソルビトール、ショ糖、リン酸等を出発物質とし、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加重合したものを挙げることができるが、特に、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールを出発物質としたものが好適である。付加するエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの比率やミクロ構造については、エチレンオキサイドの比率が好ましくは2〜95質量%、より好ましくは5〜90質量%であり、末端にエチレンオキサイドが付加しているものが好ましい。また、分子鎖中のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの配列は、ランダムであることが好ましい。
なお、かかるポリエーテルポリオールの分子量としては、水、プロピレングリコール、エチレングリコールを出発物質とする場合は2官能となり、重量平均分子量で300〜6000の範囲のものが好ましく、400〜3000の範囲のものがより好ましい。また、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールを出発物質とする場合は3官能となり、重量平均分子量で900〜9000の範囲のものが好ましく、1500〜6000の範囲のものがより好ましい。更に、2官能のポリオールと3官能のポリオールとを適宜ブレンドして用いることもできる。
また、ポリテトラメチレンエーテルグリコールは、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合によって得ることができ、重量平均分子量が400〜4000の範囲、特には、650〜3000の範囲にあるものが好ましく用いられる。また、分子量の異なるポリテトラメチレンエーテルグリコールをブレンドすることも好ましい。さらに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを共重合して得られたポリテトラメチレンエーテルグリコールを用いることもできる。
さらに、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとをブレンドして用いることも好ましい。この場合、これらのブレンド比率が、重量比で95:5〜20:80の範囲、特には90:10〜50:50の範囲となるよう用いることが好適である。
また、上記ポリオール成分とともに、ポリオールをアクリロニトリル変性したポリマーポリオール、ポリオールにメラミンを付加したポリオール、ブタンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパンなどのポリオール類やこれらの誘導体を併用することもできる。
また、ポリウレタンフォームを構成するイソシアネート成分としては、芳香族イソシアネートまたはその誘導体、脂肪族イソシアネートまたはその誘導体、脂環族イソシアネートまたはその誘導体が用いられる。これらの中でも芳香族イソシアネートまたはその誘導体が好ましく、特に、トリレンジイソシアネート(TDI)またはその誘導体、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)またはその誘導体が好適に用いられる。
トリレンジイソシアネートまたはその誘導体としては、粗製トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物、これらのウレア変性物、ビュレット変性物、カルボジイミド変性物、ポリオール等で変性したウレタン変性物等が用いられる。ジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体としては、例えば、ジアミノジフェニルメタンまたはその誘導体をホスゲン化して得られたジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体が用いられる。ジアミノジフェニルメタンの誘導体としては多核体などがあり、ジアミノジフェニルメタンから得られた純ジフェニルメタンジイソシアネート、ジアミノジフェニルメタンの多核体から得られたポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートなどを用いることができる。ポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートの官能基数については、通常、純ジフェニルメタンジイソシアネートと様々な官能基数のポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物が用いられ、平均官能基数が好ましくは2.05〜4.00、より好ましくは2.50〜3.50のものが用いられる。また、これらのジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体を変性して得られた誘導体、例えば、ポリオール等で変性したウレタン変性物、ウレチジオン形成による二量体、イソシアヌレート変性物、カルボジイミド/ウレトンイミン変性物、アロハネート変性物、ウレア変性物、ビュレット変性物なども用いることができる。また、数種類のジフェニルメタンジイソシアネートやその誘導体をブレンドして用いることもできる。
また、イソシアネートをポリオールによりあらかじめプレポリマー化してもよく、その方法としては、ポリオールとイソシアネートを適当な容器に入れ、充分に攪拌し、30〜90℃、より好ましくは40〜70℃に、6〜240時間、より好ましくは24〜72時間保温する方法が挙げられる。この場合、ポリオールとイソシアネートとの分量の比率は、得られるプレポリマーのイソシアネート含有率が4〜30質量%となるように調節することが好ましく、より好ましくは6〜15質量%である。イソシアネートの含有率が4質量%未満であると、プレポリマーの安定性が損なわれ、貯蔵中にプレポリマーが硬化してしまい、使用に供することができなくなるおそれがある。また、イソシアネートの含有率が30質量%を超えると、プレポリマー化されていないイソシアネートの含有量が増加し、このポリイソシアネートは、後のポリウレタン硬化反応において用いるポリオール成分と、プレポリマー化反応を経ないワンショット製法に類似の反応機構により硬化するため、プレポリマー法を用いる効果が薄れる。イソシアネートをあらかじめポリオールによりプレポリマー化したイソシアネート成分を用いる場合のポリオール成分としては、上記ポリオール成分に加えて、エチレングリコールやブタンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパンやソルビトール等のポリオール類やそれらの誘導体を用いることもできる。
ポリウレタンフォーム原料中には、これらポリオール成分およびイソシアネート成分に加えて、所望に応じ、導電剤や発泡剤(水、低沸点物、ガス体等)、架橋剤、界面活性剤、触媒、整泡剤等を添加することができ、これにより所望に応じた弾性層とすることができる。
導電剤としては、イオン導電剤と電子導電剤とがあり、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム(例えば、ステアリルトリメチルアンモニウム)、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウムなどの過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩などが挙げられる。また、電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン;酸化処理を施したインク用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物;ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属などを挙げることができる。これらの導電剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、その配合量には特に制限はなく、所望に応じ適宜選定可能であるが、例えば、弾性層を構成する樹脂成分100質量部に対し、1〜20質量部とすることができる。
ポリウレタンフォームの硬化反応に用いる触媒としては、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン等のモノアミン類、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルヘキサンジアミン等のジアミン類、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン等のトリアミン類、トリエチレンジアミン、ジメチルピペラジン、メチルエチルピペラジン、メチルモルホリン、ジメチルアミノエチルモルホリン、ジメチルイミダゾール等の環状アミン類、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、メチルヒドロキシエチルピペラジン、ヒドロキシエチルモルホリン等のアルコールアミン類、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス(ジメチル)アミノプロピルエーテル等のエーテルアミン類、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マーカプチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫ジマレエート、ジオクチル錫マーカプチド、ジオクチル錫チオカルボキシレート、フェニル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛等の有機金属化合物などが挙げられる。これらの触媒は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、ポリウレタンフォーム配合中にシリコーン整泡剤や各種界面活性剤を配合することが、フォーム材のセルを安定させるために好ましい。シリコーン整泡剤としては、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合物等が好適に用いられ、分子量350〜15000のジメチルポリシロキサン部分と分子量200〜4000のポリオキシアルキレン部分とからなるものが特に好ましい。ポリオキシアルキレン部分の分子構造は、エチレンオキサイドの付加重合物やエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共付加重合物が好ましく、その分子末端をエチレンオキサイドとすることも好ましい。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性等のイオン系界面活性剤や各種ポリエーテル、各種ポリエステル等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。シリコーン整泡剤や各種界面活性剤の配合量は、ポリオール成分とイソシアネート成分との総量100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.5〜5質量部とすることが更に好ましい。
本発明におけるポリウレタンフォーム原料の発泡方法としては、従来から用いられているメカニカルフロス法、水発泡法、発泡剤フロス法等の方法を用いることができるが、特には、不活性ガスを混入しながら機械的攪拌により発泡させるメカニカルフロス法を用いることが好ましい。ここで、メカニカルフロス法において用いる不活性ガスは、ポリウレタン反応において不活性なガスであればよく、ヘリウム、アルゴン、キセノン、ラドン、クリプトン等の狭義の不活性ガスの他、窒素、二酸化炭素、乾燥空気等のウレタンフォーム原料と反応しない気体が挙げられる。なお、本発明において、かかるポリウレタンフォーム原料からなる弾性層の成形条件については特に制限はなく、通常の条件に従えばよい。
表層塗膜層4は、ローラ物性を調整するために設けるものであり、ウレタン系、アクリル系、アクリルウレタン系、フッ素系等の各種溶剤系塗料により形成することができ、ウレタン、アクリル、シリカ等からなる微粒子を含有させることで、表面粗さを調整することができる。表層塗膜層4には、導電剤や、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤などを適宜添加することが可能である。表層塗膜層4は、中間塗膜層3上に、ディップ塗布、スプレー塗布、ロールコーター塗布などの公知の手法を用いて、所定の溶剤系塗料を塗工し、乾燥して、所望に応じ加熱硬化させることにより、形成することが可能である。
中間塗膜層3は、弾性層2と表層塗膜層4との間の密着性や、抵抗安定性を向上するために設けられる。中間塗膜層3は、表層塗膜層4と同様に、ウレタン系、アクリル系、アクリルウレタン系、フッ素系等の各種溶剤系塗料により形成することができる。また、中間塗膜層3については、上記アゾ系金属錯体を配合することが必要であるが、導電剤として、前述したイオン導電剤や電子導電剤を適宜含有させることで、所望の導電性を付与することができ、所望に応じ、加硫剤や加硫促進剤、老化防止剤などを適宜添加することも可能である。中間塗膜層3は、弾性層2上に、ディップ塗布、スプレー塗布、ロールコーター塗布などの公知の手法を用いて、所定の溶剤系塗料を塗工し、乾燥して、所望に応じ加熱硬化させることにより、形成することが可能である。
本発明において、弾性層2の厚みは、特に制限されるものではないが、通常1〜8mmの範囲内とすることができる。また、表層塗膜層4の厚みは、通常、5〜50μmの範囲内とすることができる。さらに、中間塗膜層3の厚みは、通常、5〜200μmの範囲内とすることができる。なお、表層塗膜層の表面粗さとしては、JIS算術平均粗さRaで、通常2μm以下、特には0.5〜1.5μmの範囲内とすることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<塗膜の作製>
無限鎖長のウレタンプレポリマー100質量部と、イソシアヌレート化HDIの15質量部と、下記表中に示す導電剤と、メチルエチルケトン(MEK)300質量部とを配合して、中間塗膜層用の塗料を調製した。これを横150×縦80mmのトレーに注いで、1日乾燥、120℃1時間にて熱硬化を行い、膜厚0.2mmのシートを作製した。この塗膜の体積抵抗率および抵抗上昇幅を測定した結果を、下記の表中に併せて示す。
抵抗上昇幅の測定は、ADVANTEST社製の抵抗測定機R8340を用いて、23℃55%RH環境下で、図3(a),(b)に示すようにして行った。すなわち、ローラ10については、同図(a)に示すように金属板21上に載置して、両端に荷重500gを負荷し、金属軸1と金属板21との間に100Vを印加して、5秒後の抵抗Rt=5および秒後の抵抗Rt=600を抵抗測定機22により測定した。また、シート20については、同図(b)に示すように金属板21上に載置して、その上に500gの金属製の重り23を載せ、金属板21と金属製の重り23との間に100Vを印加して、5秒後の抵抗Rt=5および600秒後の抵抗Rt=600を抵抗測定機22により測定した。これらの結果から、下記式に基づき、抵抗幅を算出した。
抵抗変化(抵抗幅)logΩ・cm=log(Rt=600−Rt=5
Figure 2013015715
*1)オリエント化学工業(株)製, VALIFAST BLACK 3817(ソルベントブラック29 スルホン酸基 Crが配位)
*2)オリエント化学工業(株)製, BONTRON S−44S(主成分:ソルベントバイオレット21,ビス[1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニルアゾ)−2−ナフトラト)クロム(III)酸)
*3)オリエント化学工業(株)製,BONTRON S−34(主成分:ソルベントバイオレット21,ビス[1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニルアゾ)−2−ナフトラト)クロム(III)酸)
*4)オリエント化学工業(株)製,SOM−1−0307(鉄錯体+アミンオニウム塩)
*5)オリエント化学工業(株)製, BONTRON P−51(ベンジルトリブチルアンモニウム−4−ヒドロキシナフタレン−1−スルフォネート)
*6)オリエント化学工業(株)製,VALIFAST BLACK 1807(C.I.Acid ブラック52)
Figure 2013015715
*7)日本カーリット(株)製,PEL46
*8)自社製
上記表中に示すように、アゾ系金属錯体を塗料中に含有させることで、塗膜抵抗を良好に制御できるとともに、抵抗上昇を抑制できることが確かめられた。
<ローラの作製>
図1に示すような、シャフト(金属軸)の外周に弾性層、中間塗膜層および表層塗膜層が順次担持された現像ローラを、下記に従い、作製した。
エーテル系ポリオール(旭硝子(株)製,EL430)10質量部と、エステル系ポリオール(クラレ(株)製,F510)12質量部と、整泡剤(東レダウコーニング(株)製,SF2937F)3質量部と、触媒(日東化成(株)製,U−100)0.05質量部と、KS48(花王(株)製,脂肪族第四級アンモニウムサルフェート)1質量部とを配合したポリオール成分、および、プレポリマー化TDI(旭硝子(株)製,試作品)100質量部とデンカブラック(電気化学工業(株)製)2質量部とを配合したイソシアネート成分を混合し、メカニカルフロス法で発泡させて、金属軸がセットされた金型に注入した。その後、この混合物を120℃40分にて加熱硬化させて、金属軸の外周に厚み6mmの弾性層を形成した。
次に、無限鎖長のウレタンプレポリマー100質量部と、イソシアヌレート化HDIの15質量部と、下記表中に示す導電剤3質量部と、MEK300質量部とを配合して、中間塗膜層用の塗料を調製した。この塗料をディッピングにより上記弾性層上に塗装して、30分間室温で乾燥させ、その後、110℃1時間で熱硬化させて、厚み25μmの中間塗膜層を形成した。
次に、ポリテトラメチレングリコール100質量部と、イソシアヌレート化HDIの45質量部と、アクリル粒子(MBX−8,積水化成品工業(株)製)25質量部と、シリカ(SS20,東ソー・シリカ(株)製)25質量部と、デンカブラック(電気化学工業(株)製)のMEK分散体(20%濃度)15質量部と、MEK300質量部とを配合して、表層塗膜層用の塗料を調製した。この塗料を、ディッピングにより上記中間塗膜層上に塗装し、105℃120分にて乾燥して、厚み20μmの表層塗膜層を形成した。
得られた現像ローラの体積抵抗率および抵抗上昇幅を測定した結果を、下記の表中に併せて示す。
Figure 2013015715
*9)電気化学工業(株)製
*10)花王(株)製,脂肪族第四級アンモニウムサルフェート
上記表中に示すように、アゾ系金属錯体を中間塗膜層に含有させることで、ローラの抵抗を良好に制御できるとともに、通電耐久時の抵抗上昇を抑制できることが確かめられた。
1 シャフト
2 弾性層
3 中間塗膜層
4 表層塗膜層
10 現像ローラ
20 シート
21 金属板
22 抵抗測定機
23 金属製の重り

Claims (1)

  1. シャフトと、該シャフトの外周に順次配設された弾性層、中間塗膜層および表層塗膜層と、を備える現像ローラにおいて、
    前記中間塗膜層が、アゾ系金属錯体を、樹脂成分100質量部に対し0.1〜5質量部含有することを特徴とする現像ローラ。
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