JP2013014087A - 記録装置、記録方法、記憶媒体及び記録システム - Google Patents

記録装置、記録方法、記憶媒体及び記録システム Download PDF

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Abstract

【課題】搬送の際に生じる搬送量のずれについて、これを補正することができる記録装置、記録方法、記憶媒体及び記録システムを提供する。
【解決手段】搬送手段による上流側から下流側への搬送及び下流側から上流側への搬送のいずれの搬送の際にも、ロール紙におけるシートの端部が搬送された距離を累積させた累積搬送距離を計測する累積搬送距離取得手段を有し。また、理論上のシートの端部の位置と、搬送されたシートの端部の実際の位置とを検出して、搬送誤差を算出する搬送誤差算出手段を有し。また、搬送誤差と、累積搬送距離とから、単位搬送量当たり搬送誤差算出手段を有している。また、単位搬送量当たり搬送誤差と、その時点でのシートの搬送距離とから、その時点で生じていると予想される予想搬送ずれ量を算出する予想搬送ずれ量算出手段を有している。そして、記録装置は、予想搬送ずれ量の分、シートの搬送を補正する補正手段を有している。
【選択図】図11

Description

本発明は、記録装置、記録方法、記憶媒体及び記録システムに関し、特に、ロール紙の搬送が行われる記録装置、記録方法、記憶媒体及び記録システムに関するものである。
インクジェット記録装置には、ロール紙に記録が行われるものがある。ロール紙がロール状に巻かれたロール部から、ロール紙の一端が巻き解かれながら搬送方向へ搬送されつつ、ロール紙へ記録が行われる。ロール紙へ記録が行われる場合、通常、ロール紙の一端は搬送方向の下流側へと搬送されながら、ロール紙へ記録が行われる。しかしながら、場合によっては、ロール紙の一端が、搬送方向の上流側へ搬送されることがある(以下、バックフィードとも言うものとする)。通常の搬送方向とは逆方向への搬送であるバックフィードによって記録が行われると、通常の搬送方向下流側への搬送が行われる場合に比べ、搬送量のずれが比較的大きくなることがある。ロール紙がロール部から巻き解かれながら下流方向に搬送されるときと、ロール紙がロール部に巻き取られながら上流方向に搬送されるときとでは、搬送条件が異なるからである。従って、例えば搬送ローラの駆動によってロール紙が搬送される場合には、同じ駆動量の搬送であっても、下流側への搬送と上流側への搬送との間で実際のロール紙の移動量に差異が生じることがある。
このように搬送方向の下流側への搬送と上流側への搬送との間で生じるロール紙の搬送量のずれについて、これを補正する記録装置が特許文献1に開示されている。特許文献1の記録装置では、バックフィードによる搬送の際に搬送量にずれが生じた場合、目視によってずれ量を確認し、このずれ量に応じてバックフィードの搬送量を補正する記録装置が開示されている。
特開平6−336063号公報
特許文献1の記録装置では、バックフィードによる搬送量の補正は、ロール紙を切断後、ロール紙を記録ヘッドによる記録位置に戻すときのバックフィードによる搬送量について補正することが開示されている。この場合には、ロール紙の所定領域に対して記録が行われる記録工程において、記録開始時のみ、搬送量の補正が行われる。
しかしながら、このように記録開始時のみに搬送量の補正が行われる記録装置では、所定領域への記録が行われる間に行われるその他の動作によって生じるずれについては、これを補正することができない場合がある。例えば、所定領域への記録の途中でロール紙上における記録位置を調節するために搬送方向の下流側あるいは上流側へロール紙の搬送を行う場合、この操作によって搬送量にずれが生じる可能性がある。このように、ロール紙を記録位置に戻す際のバックフィード以外の他の操作により生じたずれが記録に影響し、記録画像における品質を低下させる可能性がある。
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、搬送の際に生じる搬送量のずれについて、より多種に亘ってこれを補正することができる記録装置、記録方法、記憶媒体及び記録システムを提供することを目的とする。
本発明の記録装置は、シートが巻回されたロール紙のロール部と共に回転可能な回転軸と、前記回転軸に搭載されたロール紙におけるシートの端部を搬送させる搬送手段と、前記ロール紙に記録を行う記録手段とを有する記録装置であって、前記搬送手段による搬送の、搬送方向における上流側から下流側への搬送及び下流側から上流側への搬送のいずれの搬送の際にも、ロール紙におけるシートの端部が搬送された距離を累積させた累積搬送距離を取得する第1の累積搬送距離取得手段と、所定位置における理論上のシートの端部の位置と、搬送されたシートの端部の実際の位置とを検出して、前記理論上のシートの端部の位置と、前記シートの端部の実際の位置との間の搬送誤差を算出する搬送誤差算出手段と、前記搬送誤差算出手段によって得られた前記搬送誤差と、前記第1の累積搬送距離取得手段によって得られた前記所定位置における前記累積搬送距離とから、単位搬送量当たりの搬送誤差を算出する単位搬送量当たり搬送誤差算出手段と、前記単位搬送量当たり搬送誤差算出手段によって算出された前記単位搬送量当たり搬送誤差と、前記第1の累積搬送距離取得手段によって取得されるその時点でのシートの搬送距離とから、その時点で生じていると予想される予想搬送ずれ量を算出する予想搬送ずれ量算出手段と、前記予想搬送ずれ量の分、シートの搬送を補正する補正手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、搬送の際に生じる搬送量のずれについて、より多種の搬送に亘って補正することができるので、より多くの場合に亘って搬送の補正を行うことができ、記録によって得られる画像の品質を高く維持できる。
本発明の第一実施形態における記録装置及びホストコンピュータによって形成された記録システムの構成について示したブロック図である。 図1の記録装置におけるプリンタドライバで行われる画像処理を説明するための構成を示すブロック図である。 図1の記録装置における制御系の構成について示したブロック図である。 図1の記録装置についての斜視図である。 図4の記録装置において、カット紙を搬送する場合について示した断面図である。 図4の記録装置において、ロール紙を搬送する場合について示した断面図である。 図4の記録装置におけるロール紙スプール、ロール紙ホルダ及びトルクリミッタについて示した斜視図である。 図4の記録装置において、ロール紙の先端位置の検知について説明するための説明図である。 (a)〜(c)は、図4の記録装置において、ロール紙の先端位置の検知の際におけるロール紙の移動及びロール紙の位置について説明するための説明図である。 図4の記録装置において、ロール紙の延べ搬送量を算出する際の制御フローについて示したフローチャートである。 図4の記録装置によってロール紙への記録が行われる際に記録前処理が行われる際の制御フローについて示したフローチャートである。 図11の記録前処理が行われる際の制御フローにおけるロール紙先端検知・更新処理についての制御フローを示したフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態に係る記録装置における記録システムの構成について模式的に示したブロック図である。
図1において、参照符号100は本実施形態に係る記録装置で、インクジェット方式により画像を記録するインクジェット記録装置である。記録装置100は、プリンタエンジン120を備えている。このプリンタエンジン120は、本実施形態ではカラー記録用のプリンタエンジンで、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色に対応したインクを吐出する複数の記録ヘッド(インクジェット記録ヘッド)を備えている。これらの複数の記録ヘッドを往復走査させて記録ヘッドからインクが吐出されることで記録シート上に画像が記録される。この記録装置100の構成は、図4〜図6を参照して後述する。
参照符号200はホストコンピュータで、各種アプリケーションプログラム220、及び記録装置100用のプリンタドライバ221等を不図示のハードディスクに記憶している。本実施形態では、記録の行われる際の記録装置100の制御は、記録装置100により実行されても、あるはプリンタドライバ221により実行されても良い。本実施形態では、プリンタドライバ221が、ホストコンピュータ200のハードディスクにインストールされている。そして、実行時にホストコンピュータ200のRAM223にロードされ、CPU222の制御の下に実行される。
記録装置100は、このプリンタドライバ221から送られてくる記録データを受信し、指示された記録方法、例えばマルチパスにより画像を記録する。なお、この記録装置100は、各走査において記録するドット位置を決定するためのマスク情報を備えており、このマスク情報に従って、各パスで記録するドット位置(ノズル)を決定している。但し、このマスク情報をホストコンピュータ200に設け、記録装置100は単に受信した記録データに基づいて記録するように構成されていてもよい。
図2は、本実施形態に係るプリンタドライバ221による画像処理について説明するためのブロック図である。
図2において、301は入力補正部で、例えばアプリケーションプログラム220などから入力されるRGB各8ビットで表される画像データを入力し、それぞれを記録で使用するC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の8ビットデータに変換する。302は色調補正部で、入力補正部301で補正されたCMYデータに基づいてCMYK(黒)データを生成して出力する。303は本実施の形態の特徴部である出力補正部で、記録装置100で記録する際、各パスで記録される画像データの値を決定している。この場合、補正用テーブル113の補正データに基づいて、各パスで記録するデータを補正しても良い。304は量子化部で、出力補正部303から出力されるCMYK各8ビットの画像データを、例えば誤差拡散法などを用いて量子化し、その量子化の結果であるCMYK各1ビットデータ(記録データ)を出力している。
図3は、本発明の実施の形態に係る記録装置100の基本構成を示すブロック図である。なお、ここでの記録装置100の説明では、記録装置100自体が前述の図2に示すような画像処理機能を備えている場合について説明する。しかしながら、画像処理機能は、ホスト側のプリンタドライバ221に備えられていることとしても良い。その場合には、記録装置100の構成において画像処理を行う構成を省略することができ、記録装置100をより簡易な構成とすることができる。
図3において、参照符号101は、記録装置全体の動作を制御する制御部である。参照符号102はヘッドドライバで、制御部101からの記録データに基づいて記録ヘッド11を駆動している。参照符号103、104はモータドライバで、それぞれ対応するキャリッジモータ106、LFモータ(ラインフィードモータ)107を回転駆動する。参照符号108は入力部で、例えばホストコンピュータ200などの外部機器より画像データを入力して制御部101に供給している。
次に制御部101の構成について説明する。参照符号222は例えばマイクロプロセッサ等のCPUであり、参照符号111はCPU222により実行されるプログラム等を記憶しているプログラムメモリである。参照符号115はRAMで、CPU222の動作時に各種データを記録するワークエリアを有するとともに、記録データを格納するプリントバッファ116も備えている。参照符号112は、プリントバッファコントローラ(PBC)で、プリントバッファ116からプリントすべき記録データの取り出しを行うように制御する。参照符号113は前述した補正用テーブル(図2)、参照符号114はマスクデータで、記録ヘッド11の各走査時において記録すべき記録データを決定するために使用される。
図4は、本発明の実施形態に係る記録装置100の斜視図である。図4において、参照符号11は記録ヘッド、参照符号12は記録ヘッド11を搭載して往復移動するキャリッジである。記録ヘッド11における記録媒体と対向する面には複数の吐出口列が形成され、それぞれの吐出口列からは異なるインクが吐出される。各吐出口列は、複数の吐出口を所定ピッチで配列して構成されている。記録装置100には、インクタンク14が装着されている。インクタンク14には複数色のインクが収納されており、インクタンク14から記録ヘッド11の各吐出口列に対し、各色ごとのインク供給チューブ13を通してインクが供給される。
キャリッジ12は、ガイド部材であるガイドシャフト16及びガイドレール(不図示)に沿って摺動可能に案内支持されている。ガイドシャフト16及びガイドレールは互いに平行に配置されている。また、ガイドレール16は、両端部がフレーム15に固定されている。紙等のシート状の記録媒体が記録ヘッド11による記録位置まで搬送されると、キャリッジ12を主走査方向に往復移動させながら記録ヘッド11から記録媒体へインクを吐出することにより記録媒体に記録が行われる。なお、キャリッジ12の動きは、不図示のキャリッジモータ106、タイミングベルト及びリニアエンコーダなどにより制御される。記録が行われる際には、キャリッジ12の速度が一定に保たれる。このとき、キャリッジ12の速度は、リニアエンコーダの信号により確認される。キャリッジ12の移動中に何らかの負荷によってリニアエンコーダの信号が変化すると、速度を一定にするためにキャリッジモータ106への供給電流が増減される。
図5は、図4の画像記録装置でカット紙を搬送するときの縦断面図である。図6は、図4の画像記録装置でロール紙を搬送するときの縦断面図である。図7は、ロール紙供給用のスプールの分解斜視図である。次に、図4〜図7を用いて本実施形態に係る画像記録装置の給紙搬送機構について説明する。本実施形態では、記録装置100における本体の底部に装着されたカセット2からカット紙Pを給紙する給紙機構と、装置本体100に取り付けられたロール紙スプール(回転軸)32からロール紙Rを給紙する給紙機構が設けられている。記録装置100の底部には、カット紙Pを収納するカセット2が着脱自在に装着されている。
まず、図5を参照して、カット紙Pを搬送する際の給紙搬送機構について説明する。カセット2のシート送り出し部には、カット紙を1枚ずつ分離して送り出すための給紙ローラ5及び分離ローラからなるローラ対が配置されている。カセット2には、複数枚のカット紙を矢印Dの方向に押圧可能に積載支持するための圧板3が設けられている。圧板3は、カセット2に揺動可能に取り付けられ、不図示のバネにより矢印D方向に付勢されている。圧板カム等によりカット紙の位置を調節することで、カット紙が給紙ローラ5に当接される。この状態で不図示のモータにより給紙ローラ5が図5の反時計回りに回転することにより、圧板3上のカット紙Pの最上層の1枚が送り出される。この際、2枚目以降の下位のシートは分離ローラ6の摩擦抵抗により搬送を阻止される。
分離ローラ6の回転軸部分には、搬送方向とは逆方向に所定の回転負荷トルクを発生させるトルクリミッタが設けられている。このため、分離ローラ6は、所定の回転負荷トルクを超えたトルクが回転部分に作用したときに、給紙ローラ5と共にカット紙を挟持して搬送力を発生させるニップローラとしても機能する。すなわち、給紙ローラ5とシートPの間の摩擦力をF1、シート同士の間の摩擦力をFp、シートPと分離ローラ6の間の摩擦力(回転負荷トルクの接線力)をF3とすると、これらの関係は「F1>F3>Fp」となっている。よって、最上位のシートのみがカセット2から搬送路Aへ送り出され、やがて搬送路中の搬送ローラ7aとピンチローラ7bのニップに到達する。
さらに、シートPは、搬送ローラ対7a、7bの搬送力によって搬送され、搬送ローラ9及びピンチローラ10によるニップ位置に到達する。
搬送ローラ9及びピンチローラ10の上流側には、後述するロール紙Rの搬送路との切り替えを行うためのフラップ18と、ロール紙Rの搬送の際にロール紙Rを給紙するための搬送ローラ対8a、8bが配置されている。フラップ18及び搬送ローラ対8a、8bは、カット紙Pを給紙搬送するときは、図5に示されるように退避位置にあり、カット紙の搬送路が確保されている。記録ヘッド11と対向する位置にはプラテン19が配置されており、カット紙Pは搬送ローラ9、10に挟持された状態でプラテン19上へ搬送される。そして、カット紙Pの記録面に対する記録が開始される。記録されたカット紙Pは、搬送ローラ20a及び拍車20bからなる2組のローラ対を通して排紙トレイ22上へ排出される。
次に、図6、7を参照してロール紙スプール32にセットされたロール紙Rの搬送の際の給紙搬送機構について説明する。図7に示されるように、ロール紙Rには、円筒状のロール紙Rにおける径方向の中心位置に、両端部の間を貫通するように形成されている貫通孔Sが形成されている。貫通孔Sに、ロール紙スプール32が挿通され、ロール紙Rがロール紙スプール32に取り付けられる。また、ロール紙スプール32の一端には、ロール紙ホルダ30が取り付けられている。ロール紙ホルダ30のフランジ部30bとロール紙スプール32との間には、ロック部30aが設けられている。ロール紙Rに挿通されたロール紙スプール32は、ロック部30aを貫通孔Sの内面に不図示のバネによるバネ力によって食い込ませることにより固定保持される。また、ロール紙スプール32の他端部は、ロール紙ホルダ31に固定される。これにより、ロール紙Rは、ロール紙スプール32との間で相対的に回転量に差が生じることが抑えられ、ロール紙Rを回転させたときにロール紙スプール32が共に回転可能なように、ロール紙R及びロール紙スプール32がそれぞれ配置されている。このように、ロール紙Rがロール紙スプール32に巻き出し可能にセットされる。つまり、ロール紙スプール32を記録装置100に回転自在に装着することにより、ロール紙Rがロール紙スプール32から巻き出し可能にセットされる。このように、シートが巻回されたロール紙Rのロール部が、ロール紙スプール32に相対移動不能に装着される。
なお、ロール紙Rの搬送動作においては、ロール紙自身による慣性力を考慮する必要がある。このため、図7に示されるように、ロール紙スプール32には、トルクリミッタ33が設けられている。これにより、ロール紙Rの回転(巻き出し及び巻き取り)の際に、搬送方向とは逆方向へ一定の負荷トルクを与えている。かかる構成によれば、搬送ローラ9の搬送後、回転の惰性によってロール紙Rが自転を始め、その後搬送ローラ9が停止した際に、ロール紙スプール32にはトルクリミッタ33による搬送方向とは逆方向の負荷トルクが作用する。従って、ロール紙Rの慣性力による自転を、搬送方向とは逆方向の負荷トルクによって阻止されるので、ロール紙Rの自転を早急に収束させることができる。このように、搬送中のロール紙Rに、慣性力によって弛みが生じることを抑えることができる。
図6に示されるように、ロール紙Rの搬送の際には、装置内にセットされたロール紙Rは搬送路Bを通して送り出される。送り出されたロール紙Rは、フラップ18が押し下げられると共に搬送ローラ8a、8bがニップ解除されていることで、そこに形成されたスペースを通過する。これによってロール紙Rからのシートが、搬送ローラ9の手前に配置された用紙検出手段(不図示)まで送り出される。本実施形態では、フラップ8は回転軸部8cを中心に軸支されており、搬送ローラ8aは振り子アーム式のフラップ8の揺動に伴って移動する。ここまでのロール紙のシートの送り出しは、本実施形態では記録装置100の制御によって行われるが、ユーザーの操作によって行われても良い。用紙検出手段によってロール紙Rが検出されると、フラップ8が回動することで、搬送ローラ8aがピンチローラ8bに圧接される。これにより、ロール紙Rが搬送ローラ8a及びピンチローラ8b(搬送手段)によってニップ(挟持)される。そして、搬送ローラ8aを回転駆動することで、ロール紙Rが搬送ローラ9へ自動的に繰り出されていく。
次いで、ロール紙Rは搬送ローラ9、10に挟持された状態でプラテン19上へ搬送され、ロール紙Rに対する記録が行われる。記録されたロール紙Rは、搬送ローラ20a及び拍車20bからなる2組のローラ対を通して搬送され、その後端をカッター21で裁断されて排紙トレイ22上へ排出される。
また、搬送路Bはロール紙Rだけでなく、カット紙を搬送することも可能である。上述のロール紙Rの搬送と同様に、装置内にセットされたカット紙は搬送路Bを通して送り出されても良い。以降、ロール紙Rの搬送と同様にしてプラテン19上へ搬送される。そして、プラテン19上に搬送されたロール紙Rは、図5におけるカット紙Pの搬送と同様に記録と排出が行われる。搬送路Aを通して送り出すのに比べて緩やかな形状で構成されているので、比較的厚手のカット紙を搬送することが可能である。また、カセット2に収まらないような長尺のカット紙を搬送することも可能である。
次に、記録ヘッド11による記録動作について説明する。本実施形態では、プラテン19上へ搬送された記録媒体(カット紙Pまたはロール紙R)に対し、記録ヘッド11からのインク吐出によって記録が行われる。キャリッジ12の移動に同期した記録ヘッド11による1ライン分(1走査分)の記録が終了すると、一旦記録動作を中断し、プラテン19上に位置する記録媒体を搬送ローラ9により所定量だけ搬送する。そして、再び記録ヘッド11をガイド部材16に沿って移動させながら次の1ライン分の画像を記録する。このような1ライン分の記録と記録媒体の搬送を繰り返し実行することで、記録媒体全体の画像記録が行われる。
図4において、キャリッジ12の移動範囲であって記録領域を外れた位置(通常、ホームポジション)には、記録ヘッド11のインク吐出性能を維持回復するための回復ユニット23が配設されている。記録動作の待機中、記録の前後、もしくは1ライン分の記録の合間に、記録ヘッド11を回復ユニット23と対向する位置へ移動させ、所望の回復動作が行われる。回復動作としては、記録ヘッド11の吐出口をキャップで密閉するキャッピング、吐出口からインクを吸引する吸引回復、記録ヘッドの吐出面をクリーニングするワイピングなどがある。これらの回復動作により、吐出口の目詰まり等を防止し、記録によって得られる記録画像の品質を維持することができる。
プラテン19上で順次記録ヘッド11による画像形成が行われた後、記録媒体が一枚一枚のカット紙Pの場合には搬送ローラ20a及び拍車20bで搬送され、排紙トレイ22上へ排出される。一方、記録媒体が連続的なロール紙Rの場合には、画像形成が終了した後、搬送ローラ対9、19によってさらに下流へ搬送し、搬送ローラ20aと拍車20bでニップした状態でカッター21により裁断されて、排紙トレイ22上へ排出される。なお、記録媒体がロール紙の場合には、裁断及び排出を終了した後、搬送ローラ対9、10及びロール紙スプール32を逆回転させて巻き取り動作が行われ、ロール紙の先端を所定の位置まで後退させることにより、記録装置100が次の記録に備える。
次に、ロール紙Rの搬送が行われる際に、理論上のロール紙Rにおけるシートの位置と実際のシートの位置との間で生じるずれについて説明する。
図8及び図9は、図6における記録装置100の搬送路をロール紙Rが搬送される様子を模式的に示した図である。図8には、記録装置100がロール紙Rの先端位置を検出している様子について示されている。記録装置100にセットされたロール紙を記録可能な状態に給紙するとき、画像形成が終了して画像形成部分をロール紙から切り離したとき、などの先端位置を確認する必要があるときに、ロール紙の実際の先端位置の検出(以降、“用紙先端検知”と呼ぶ)を行う。
用紙先端検知は、記録ヘッド11が搭載されるキャリッジ12の側面に設けられた用紙先端検知センサ40によって行う。用紙先端検知センサ40は、光学センサであって、用紙先端検知センサ40による検知動作の行われる検知部がプラテン19の方向を向いて設置されている。用紙先端検知センサ40は、内蔵する光源(LED)から発せられた光が、プラテン19もしくは記録媒体の表面から反射し、その反射光が受光部で捕らえられて検知が行われる。ここでは、プラテン19もしくは記録媒体の表面から反射した光の受光量を検知することで、ロール紙におけるシートの有無の検知が行われる。反射光による用紙先端検知センサ40への入力レベルは、表面が黒色に形成されたプラテン19からの反射のときは小、表面が白色の記録媒体からの反射のときは大となる。
検知が行われる際には、プラテン19に給紙されているロール紙Rを、用紙先端検知センサ40よりも下流の位置から上流方向に搬送させて、この移動の間の反射光による用紙先端検知センサ40への入力レベルを監視する。ロール紙Rの用紙先端が用紙先端検知センサ40を通過するときには、ロール紙Rがプラテン19を覆った状態(入力レベル大)から、プラテン19を覆わない状態(入力レベル小)に変化する。この反射光による入力レベルの変化があったときに、用紙先端検知センサ40の位置に用紙先端がある状態だと判断される。
このようにして、用紙先端検知センサ40によって検知された用紙先端位置を、実際の用紙先端位置(以降、“物理用紙先端位置”とも言うものとする)とする。また、このとき取得された用紙先端位置を、論理上の用紙先端位置(以降、“論理用紙先端位置”とも言うものとする)とする。論理用紙先端位置は、一旦用紙の先端位置が検知された基準位置から、ロール紙におけるスプール軸の回転量や、LFモータ107の回転量から取得される、論理上の用紙先端位置のことである。ロール紙Rの搬送の際には、実施した搬送内容(搬送量及び搬送方向)に応じて論理用紙先端位置が更新されていく。よって、ロール紙Rの搬送処理によって実際の物理用紙先端位置が移動したときに、論理用紙先端位置もそれに応じて移動させる。
後述するロール紙記録前処理におけるロール紙の位置ずれを補正するときには、この用紙先端検知を実施して、論理用紙先端位置を物理用紙先端に合わせるように修正が行われる。
図9(b)には、記録装置100がロール紙Rを搬送するときの、用紙の位置ずれの無い状態について示され、図9(c)には、用紙の位置ずれの生じている状態について示されている。記録装置100にセットされ、プラテン19上に給紙されたロール紙Rは、図9(a)に示されるように、“用紙送り”機能によって搬送方向の下流方向及び上流方向に移動される。“用紙送り”機能は、操作者が任意にロール紙の位置を移動させるもので、記録装置の操作部に設けられたキーによってその操作が行われる。
図9(a)には、画像形成のために待機しているときのロール紙Rの停止位置である記録待機位置から、操作部のキー操作による指示によってロール紙Rが下流方向に任意の用紙引き出し量で移動したときの状態が示されている。LFモータ107の作用で搬送ローラ9を駆動してロール紙Rは所望の位置に移動する。記録装置100では、画像形成動作に使用する下流方向の搬送は良好な精度で行えるように構成されている。従って、搬送方向の上流側から下流側への移動によっては、ロール紙の位置は顕著な位置ずれは生じ難い。位置ずれが生じ難いので、この方向へのロール紙の搬送では、物理用紙先端位置と論理用紙先端位置とが一致していると考えられる。
図9(b)には、一旦下流方向に引き出されたロール紙Rが上流方向に移動して記録待機位置に移動したときの状態が示されている。図9(b)には、物理用紙先端位置と論理用紙先端位置との間でずれの無い状態について、それぞれの位置関係が示されている。図9(b)に示されるように、ロール紙Rが上流方向に移動したときにそれぞれの位置の間にずれが生じないような理想的な構成では、このように物理用紙先端位置と論理用紙先端位置とが一致している。従って、この場合においては、このまま論理用紙先端位置にロール紙Rの用紙先端があるものとして記録が行われる。
図9(c)には、図9(b)と同様に、ロール紙Rが記録待機位置に移動したときの状態が示されている。図9(c)には特に、ロール紙Rが、上流方向に移動したときに、物理用紙先端位置が論理用紙先端位置に対して上流方向に位置ずれが生じている場合について示されている。図9(c)では、図9(a)の位置から記録ヘッドが記録前に待機する記録待機位置にロール紙Rの用紙先端を搬送方向の上流側に移動させた際に、記録位置から上流方向にずれた位置でロール紙Rの先端が停止している。このように、記録データによるロール紙Rの先端部における目標の停止位置に対して実際に停止した位置のずれた量を“位置ずれ量”と言うものとする。図9(c)では、論理用紙先端位置は記録待機位置にあるのに対して、物理用紙先端位置は記録待機位置から位置ずれ量だけずれた上流方向の位置にある。従って、このまま論理用紙先端位置にロール紙Rの用紙先端があるものとして記録が行われると、実際の用紙先端としての物理用紙先端位置は論理用紙先端位置に対して上流方向にずれた状態のまま、記録ヘッド11に対向する記録位置80に搬送される。図9(c)では、記録位置80へ搬送される実際の搬送量が、記録の指示等に応じて搬送されたと認識されている理論上の搬送量に対して少ないので、記録画像におけるロール紙先端の先端余白量が必要とされる量よりも少なくなっている。
次に、図10〜図12のフローチャートを参照して、本実施形態の用紙搬送処理について説明する。
図10には、記録装置100におけるロール紙搬送処理が行われる際のフローチャートが示されている。ロール紙搬送処理は、ロール紙Rの先端部を、記録位置80に形成されたプラテン19上に搬送することで記録動作を行うことのできる位置まで搬送させる処理である。ロール紙搬送処理は、例えば、記録における記録待機位置までロール紙の先端部を移動させるラインフィード動作や、操作者が任意の位置に用紙を移動させる用紙送り動作などが挙げられる。
ロール紙搬送処理が行われる際には、まず、ロール紙を搬送する方向が判断される(S101)。ロール紙を搬送する方向は、ロール紙を搬送方向の下流方向に搬送するフォワードフィードか、あるいはロール紙を搬送方向の上流方向に搬送するバックフィードの何れかである。
搬送がフォワードフィードと判断された場合には、ロール紙Rの先端部が搬送方向の下流側へ搬送されるように、LFローラ9が正転方向に駆動される(S103)。フォワードフィードが行われる際には、搬送ローラ対9、10による搬送力によってロール紙Rのロール部分が巻き解かれながら先端部分のシートを下流方向に搬送させるのでロール部分は駆動されず、ロール紙RはLFローラ9単独の駆動によって搬送される。
バックフィードの搬送が行われる場合には、LFローラ9を下流への搬送とは逆転方向に駆動させる。また、LFローラ9の駆動と共にスプール32を不図示の駆動手段で駆動させ、ロール紙Rのロール部分を、シートの先端部がロール部分に巻き取られる方向へ回転させる(S102)。スプール32の駆動量は、LFローラ9の駆動量に応じて決定される。スプール32では、ロール部分の巻き径が最も小さいときでもロール紙Rに弛みが生じないように駆動量が決定される。
続いて、今回の搬送で行われた搬送量が検知される。そして、その検知された今回の搬送の際の搬送量が“延べ搬送量”(累積搬送距離)に加算される(S104)(累積搬送距離取得工程)。延べ搬送量は、初期化されて以降のロール紙の移動距離が累積された搬送量である。延べ搬送量は、例えば、ロール紙における基準となる位置からのスプール軸の回転量が検知されることで取得することができる。ロール紙におけるスプール軸の回転量については、例えばスプール軸に取り付けられたロータリーエンコーダによってスプール軸の回転角度の変位が検出されることによって検知することができる。また、LFローラ9を回転駆動させるLFモータ107における回転量を検知することにより、延べ搬送量を検知することができる。ここでは、フォワードフィードあるいはバックフィードの搬送方向に関わらず、いずれの方向への搬送においても、その都度行われた搬送での搬送量が延べ搬送量に加算されて累積される。このように、本実施形態の記録装置100は、搬送において、搬送方向における上流側から下流側への搬送及び下流側から上流側への搬送のいずれの搬送の際にも、ロール紙におけるシートの端部が搬送された距離を累積させた延べ搬送距離が計測される。すなわち、本実施形態における延べ搬送量の累積においては、搬送方向の上流方向あるいは下流方向にかかわらず、搬送の行われた搬送量の絶対値が、それまでの延べ搬送量に加算される。本実施形態では、CPU222が、累積搬送距離を取得する累積搬送距離取得手段(第1の累積搬送距離取得手段)として機能する。
次に、図11を参照して、ロール紙記録前処理について説明する。図11には、記録装置100におけるロール紙記録前処理が行われる際のフローチャートが示されている。ロール紙記録前処理は、記録装置の外部から記録データを受信して記録が開始される際に、その直前に実施される処理である。
ロール紙記録前処理が行われる際には、まずメモリ上のデータ記憶領域から“延べ搬送量閾値”(累積搬送距離についての閾値、以下、累積搬送距離閾値とも言う)が読み出される(S201)。延べ搬送量閾値は、ロール紙の搬送動作によって生じる位置ずれ量が許容範囲内に収まる延べ搬送量のうち、限界の延べ搬送量である。延べ搬送量が、この延べ搬送量閾値を超えている場合には、許容できないような位置ずれが生じている可能性がある。例えば、ロール紙の先端部に形成される先端余白量に求められる精度が±1mmである場合には、予め1mmの位置ずれが生じる延べ搬送量を調べておき、これを延べ搬送量閾値とする。続いて、この時点での延べ搬送量と、取得された延べ搬送量閾値とを比較する(S202)。本実施形態では、記録装置100は、延べ搬送量と、延べ搬送量閾値(累積搬送距離についての閾値)とを比較する延べ搬送量閾値比較手段(累積搬送距離閾値比較手段)を有している。記録装置100では、CPU222が搬送量閾値比較手段として機能する。ここで、延べ搬送量についての閾値は、回転軸に搭載されるロール紙ごとに異なる値が設定される。従って、記録装置100におけるロール紙が取り付けられたロール紙スプール32に同一のロール紙が取り付けられている間は、同一の延べ搬送量についての閾値が用いられる。ロール紙がロール紙スプール32から取外されたときには、シートの延べ搬送量閾値が初期化される。また、ロール紙がロール紙スプール32から取外されたときに、シートの延べ搬送量も初期化される。本実施形態では、CPU222が、シートの延べ搬送量を初期化する初期化手段(第1の初期化手段)として機能する。
延べ搬送量が延べ搬送量閾値を超えているときには、続いて、“位置ずれ補正情報”が取得済みであるかを確認する(S203)。位置ずれ補正情報は、後述する位置ずれ処理に使用するデータ群である。位置ずれ補正情報は、一度取得されればそのデータがメモリ上のデータ記憶領域に保存される。そして、それ以降に位置ずれ補正情報が用いられる際には、データ記憶領域から位置ずれ補正情報が読み出される。異なるロール紙の間で取得された位置ずれ補正情報同士は共通して利用することができないので、ロール紙Rが交換された際には、データ記憶領域の保存された位置ずれ補正情報は一旦消去されて初期化される。従って、ロール紙Rが記録装置100に取り付けられたときには、位置ずれ補正情報が取得されていない状態でフローが開始される。このように、本実施形態では、記録装置100が、後述のように搬送量が補正される際の位置ずれ補正情報を記憶する記憶手段としてのデータ記憶領域を有している。ロール紙についての位置ずれ補正情報が取得されると、そのロール紙についての位置ずれ補正情報がデータ記憶領域に記憶される。位置ずれ補正情報が取得済みでないときには、位置ずれ補正情報を使っての位置ずれ補正処理を行う前に位置ずれ補正情報の取得が行われる。
ここで取得される位置ずれ補正情報の一例として、単位距離当たりの位置ずれ量がある。単位距離当たりの位置ずれ量の検出が行われる際には、用紙先端位置の検出が行われる。用紙先端位置の検知については、図8に示されるように行われる。
用紙先端位置の検知では、まず、ロール紙Rの用紙先端を用紙先端検知センサ40の十分下流に搬送される(S204)。次に、ロール紙Rの先端位置の検知処理が実施され、実際の用紙先端位置が検出される(S205)。そして、実際のロール紙における用紙先端位置の検出が行われると、そこで実際のロール紙先端位置と理論上のロール紙先端位置との間で生じる位置ずれ量が検出される。このときの理論上のロール紙先端位置については、ロール紙の搬送と共に、スプール軸の回転量あるいは搬送モータの回転量等から検知される。この位置ずれ量が、延べ搬送量によって除算されることで“単位距離当たりの位置ずれ量”が導出される(S206)(搬送誤差算出工程)。本実施形態では、単位距離当たりの位置ずれ量は、取得した位置ずれ量を、搬送量100mm当たりの位置ずれ量に換算されたものが用いられる。この位置ずれ量は、後述する位置ずれ補正処理で利用されるので、“位置ずれ補正情報”としてデータ記憶手段に保存される。また、単位搬送距離当たりの位置ずれ量が算出されると、ここで実際のロール紙先端部の位置が検出されているので、このときのロール紙先端部の位置を基準とし、延べ搬送量を0とする(S213)。この時点では、実際のロール紙先端位置と記録データから取得される理論上のロール紙先端位置との間で生じる位置ずれ量を0とし、延べ搬送量が初期化される。このように、記録装置100は、搬送誤差の算出の際にシートの端部の実際の位置が検出されたときには、延べ搬送距離を初期化する初期化手段(第3の初期化手段)を有している。
このように、本実施形態の記録装置100では、所定位置における記録データから取得される理論上のシートの端部の位置と、その所定位置でのシートの端部の実際の位置とが検出される。そして、取得された理論上のシートの端部の位置と、シートの端部の実際の位置とから、これらの間の搬送誤差が算出される。本実施形態では、CPU222が搬送誤差を算出する搬送誤差算出手段として機能する。そして、その所定位置における理論上のシートの端部の位置とシートの端部の実際の位置との間の搬送誤差と、そこまでの累積搬送距離とから、単位搬送量当たりの搬送誤差が算出される。本実施形態では、CPU222が、単位搬送量当たりの搬送誤差を算出する単位搬送量当たり搬送誤差算出手段として機能する。
また、本実施形態では、累積搬送距離が累積搬送距離についての閾値よりも大きくなったときに、単位搬送量当たり搬送誤差と、その時点でのシートの延べ搬送量とから、その時点で生じていると予想される予想搬送ずれ量が算出される。記録装置100では、CPU222が、その時点で生じていると予想される予想搬送ずれ量を算出する予想搬送ずれ量算出手段として機能する。
その後、記録及び搬送動作が繰り返し行われていくなかで、一度初期化された延べ搬送距離が、再び延べ搬送距離についての閾値に到達することになる。ここに至るまで、位置ずれ補正情報が取得済みではない場合と同様に、S201で延べ搬送量閾値が取得され、S202で述べ搬送量が延べ搬送量閾値を超えたかどうかの判断が行われ、S203で位置ずれ補正情報が取得済みであるかどうかの判断が行われる。延べ搬送距離が延べ搬送距離についての閾値に到達すると、ここでは位置ずれ補正情報は既に取得済みであるので、既に取得している位置ずれ補正情報を利用して位置ずれが補正される。また、位置ずれ補正情報としての単位搬送距離当たりの位置ずれ量が既に取得されているので、フローはS207に進む。そして、既に取得され保存されていた単位距離当たりの位置ずれ量が、位置ずれ補正情報のデータ記憶領域から取得される(S207)。そして、データ記憶領域から読み出された単位距離当たりの位置ずれ量に、延べ搬送量を乗算することで、“予想位置ずれ量”(予想搬送ずれ量)が導出される(S208)(予想搬送ずれ量算出工程)。この予想位置ずれ量は、この時点で生じていると予想される位置ずれ量である。同じロール紙が同じ搬送条件で使用される限りにおいて、位置ずれ量は搬送距離に比例する関係にある。従って、実際の位置ずれ量が取得され、単位距離当たりの位置ずれ量が一旦算出されれば、以降はこれまでに行われた記録データ上の搬送距離を基に計算を行うことでそこまでの位置ずれ量を予想することができる。このように、本実施形態では、搬送の補正の際には、搬送誤差が算出されたロール紙と同一のロール紙へ記録が行われる場合に、データ記憶領域から読み出された単位搬送量当たりの搬送誤差が用いられる。そして、一旦位置ずれ補正情報が取得された後には、延べ搬送距離が延べ搬送距離についての閾値を超える度に、一度取得した位置ずれ補正情報が繰り返し用いられて位置ずれの補正が行われる。
次に、これから記録動作の行われる記録データ上の先端余白量を取得して、その先端余白量の大小を評価する(S209)。先端余白量が所定の閾値よりも大きく、十分に大きいと考えられる場合には、視覚上、先端余白量の位置精度の正確さはあまり問題にならない。従って、先端余白量には、許容される範囲内での最低限の精度を持たせていればよい。そのため、S209の先端余白量の評価で先端余白量が大きいときには、位置ずれ量についての確認が行われずに、既に取得していた単位距離当たりの位置ずれ量がそのまま用いられて予想位置ずれ量が算出される。そして、そこで算出された予想位置ずれ量が利用されて、位置ずれの補正が行われる(S212)。
一方、先端余白量が所定の閾値よりも小さいときには、先端余白量が適正であることが求められるので、十分な精度であることが望まれる。本実施形態では、先端余白量が10mm以下であるときには先端余白量が小さいと判断され、先端余白量が10mmを超えるときには先端余白量が十分に大きいと判断される。
先端余白量が比較的小さいときには、記録画像が十分な精度を有していることが求められるので、位置ずれ補正情報での位置ずれ補正によって十分な精度で位置ずれが補正できるかの確認が行われる。
まず、データ上の記録領域から“予想位置ずれ量閾値”(予想搬送ずれ量閾値)を取得する(S210)。本実施形態では、予想位置ずれ量閾値は、予想位置ずれ量が十分な精度を保てる上限を示している。単位距離当たりの位置ずれ量には、実際の位置ずれ量を取得するときの検出誤差や演算誤差などが含まれている可能性がある。そのため、導出された予想位置ずれ量が、予想位置ずれ量閾値を用いて評価される(S211)。予想位置ずれ量が比較的大きくなると、そのような誤差が多く含まれている可能性がある。そのため、予想位置ずれ量が予想位置ずれ量閾値を超えている場合には、搬送における位置精度は低いものと考えられる。そのため、そのような場合には、予想位置ずれ量は採用されずに、S204からS206で再び位置ずれ補正情報が取得されて記憶領域に記憶される。このように、本実施形態では、予想搬送ずれ量が、予想搬送ずれ量閾値に達しているかどうかを判定する予想搬送ずれ量判定手段を有している。記録装置100では、CPU222が、予想搬送ずれ量が、予想搬送ずれ量閾値に達しているかどうかを判定する予想搬送ずれ量判定手段として機能する。
予想位置ずれ量が予想位置ずれ量閾値を超えているときには、前述のように予想位置ずれ量を利用して位置ずれの補正を行なっても十分な位置精度が得られない可能性があるので、S204以降の用紙先端検知による補正情報の取得が行われる。このように、判定で予想搬送ずれ量が予想搬送ずれ量閾値に達したときには、データ記憶領域に単位搬送量当たりの搬送誤差が記憶されている場合であっても、再び搬送誤差が算出され、単位搬送量当たりの搬送誤差が新たに算出される。そして、算出された単位搬送量当たりの搬送誤差と、記録の際のシートの搬送距離とから、記録が行われる際の予想搬送ずれ量が新たに算出される。それから、新たに算出された予想搬送ずれ量の分のシートの搬送が補正される。
予想位置ずれ量が予想位置ずれ量閾値を超えていないときには、導出した予想位置ずれ量でロール紙Rの論理用紙先端位置を補正する(S212)(補正工程)。具体的には、現在の論理用紙先端位置に予想位置ずれ量を加算して用紙先端位置をずらすことで、物理用紙先端位置に近づける。このように、本実施形態では、予想搬送ずれ量の分、シートの搬送が補正される。記録装置100では、CPU222が、シートの搬送を補正する補正手段として機能する。本実施形態では、特に、シートの搬送の補正は、記録のためのシートの搬送が開始される際のシートの位置が調節されることで行われている。
次に、予想位置ずれ量を用いて位置ずれが補正されたときには、位置ずれの補正が実施されているので、延べ搬送量を初期化する(S213)。このように本実施形態では、記録装置100は、シートの搬送が補正された際に、シートの延べ搬送量を初期化する初期化手段(第2の初期化手段)を有している。
最後に、ロール紙Rの用紙先端を記録開始位置に移動する(S214)。記録開始位置は、ロール紙Rの用紙先端を画像データの先端余白量だけ記録ヘッド11に対向した位置よりも下流に移動した位置である。
次に、図11のフローにおけるロール紙先端検知処理(S205)について、図12を参照して説明する。ロール紙先端検知処理は、位置ずれ量を検出する際に実際のロール紙先端位置である物理用紙先端位置を検出するために行われる。図12には、記録装置100におけるロール紙先端検知処理が行われる際のフローチャートが示されている。ロール紙先端検知処理は、ロール紙Rの先端位置を検知する処理である。
ロール紙先端検知処理が行われる際には、まず、用紙先端検知センサよりも下流側にロール紙のシートの先端部分を移動させ、それからシートの先端部分を用紙先端検知センサよりも上流側に移動させる。そのとき、シートの先端部分を搬送方向の上流方向に移動させる際には、記録装置では、シートが上流側に移動する方向へのLFローラ9の回転駆動と不図示のロール紙の巻き取り手段の駆動とが行われる(S301)。LFローラ対9、10の回転駆動によってロール紙Rの上流方向への移動が開始されると共に、ロール紙Rではシートがロール部分に巻き取られていく。ロール紙Rの移動が開始されると、用紙先端検知センサ40の出力の変化が検知され、用紙先端位置が用紙先端検知センサ40に到達したときにそのときの用紙先端位置が取得される(S302)。本実施形態では、用紙先端検知センサ40からの出力レベルが所定の閾値を超えたときに、用紙先端位置が用紙先端検知センサ40に対応した位置に到達したことを検出する(S303)。
ロール紙Rの用紙先端が検出されていないときは、S302に戻り、用紙先端位置が検出されるまで用紙先端の検出処理を繰り返す。
ロール紙Rの用紙先端が検出されたときは、LFローラ9の駆動とロール紙の巻き取り手段の駆動とを停止して(S304)、ロール紙Rの移動を停止させる。
続いて、ロール紙Rの用紙先端が検知されたときの論理用紙先端位置が読み出される(S305)。さらに、ロール紙Rの用紙先端が検知されたときの物理用紙先端位置が取得される(S306)。取得された物理用紙先端位置から論理用紙先端位置が減算されて、位置ずれ量が導出される(S307)。
そして、取得された物理用紙先端位置を使用して、論理用紙先端位置が更新される(S308)。これによって、実際に検出した用紙先端位置が論理用紙先端位置とされるので、物理用紙先端位置と論理用紙先端位置とが一致して位置ずれの無い状態になる。
最後に、延べ搬送量を初期化する(S309)。ロール紙先端検知処理によって、実際の物理用紙先端位置に論理用紙先端位置が更新されるので、延べ搬送量が初期化されて0となる。
このように、本実施形態では、延べ搬送量とそこまでの位置ずれ量とから、単位搬送距離当たりの位置ずれ量が算出され、以後、その単位搬送距離当たりの位置ずれ量を基に、これから行われる記録での位置ずれ量が予想される。そして、その予想された位置ずれ量の分だけ補正されて搬送が行われる。従って、搬送工程が行われるごとに、これから行われる搬送距離に応じて搬送が補正されるので、より正確なロール紙の搬送を行うことができる。そのため、記録によって得られる記録画像の品質を高く維持することができる。また、記録工程開始時の記録開始位置の調節以外の搬送の際にもロール紙におけるシートの搬送ずれが生じることを抑えることができる。そのため、搬送工程の種類によらず、搬送が行われるごとに位置ずれの補正が行われるので、より多種の搬送に亘って搬送を補正することができる。従って、より多くの場合に亘って搬送の補正を行うことができる。また、本実施形態では、同一のロール紙が用いられている間は、一度取得した単位搬送量当たりの位置ずれ量が繰り返し用いられる。従って、仮に搬送の補正が行われるごとに単位搬送量当たりの位置ずれ量が算出されるような場合と比較すると、搬送の補正を短時間で行うことができる。これにより、記録のスループットを向上させることができる。
(第二実施形態)
次に、第二実施形態に係る記録装置について説明する。なお、上記第一実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第一実施形態においては、ロール紙Rが交換されたときには位置ずれ補正情報が初期化される。そして、別のロール紙が記録装置100に取り付けられたときには、そのロール紙についての位置ずれ補正情報が再び取得されることとされている。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。
同一のロール紙であっても、ロール紙が消費されていくうちにロール部分の径が小さくなり、これによって搬送の際のずれの生じ方が変化する場合がある。このように、同一のロール紙であっても、搬送特性が変化する場合がある。予め補正情報が取得されたときから補正情報が大きく変化した場合、最初の補正情報を基に搬送を補正したとしても、搬送量を正確に補正できなくなる場合がある。従って、第二実施形態では、搬送特性が比較的大きく変化した場合には位置ずれ補正情報を初期化するようにして、変化した搬送特性に合わせた位置ずれ補正情報が再度取得される。このようにすることで、同一のロール紙が使用されているうちに搬送特性が変化してしまった場合であっても位置ずれ補正情報が随時更新されていくので、位置ずれの補正を適正に行い続けることができる。このとき、例えば、ロール紙の径についての閾値が定められ、ロール紙の径が閾値よりも小さくなったときに位置ずれ補正情報が再度取得されることとすれば良い。このように、本実施形態では、ロール紙スプールに搭載されたロール紙の径が、ロール紙の径についての所定の閾値に達しているかどうかを判定するロール紙径判定手段を有している。
例えば、紙送り調整を実施したことでロール紙の搬送特性が変化したとき、あるいは、ロール紙の残量が減少したことで搬送特性や巻き取り力が変化したときなどには、同じロール紙であっても生じる位置ずれ量に差異が発生することがある。このように、紙送り調整を実施したときや、ロール紙の残量が所定量減少したときに、位置ずれについての補正情報を初期化することで、次回位置ずれ補正処理のときに位置ずれ補正情報が再度取得される。従って、そのときのロール紙における搬送特性に応じて位置ずれの補正を行うことができる。このように、本実施形態では、ロール紙の径が閾値以下となったときに、位置ずれ補正情報としての単位搬送量当たりの搬送誤差の算出が行われる。
(第三実施形態)
次に、第三実施形態に係る記録装置について説明する。なお、上記第一実施形態及び第二実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第一実施形態及び第二実施形態においては、ロール紙記録前処理において、延べ搬送量閾値は、予めメモリ上のデータ記憶領域に保存されている単一の値が取得され、延べ搬送量を評価している。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。
ロール紙を搬送したときに生じる位置ずれの程度は、用紙の種類(普通紙、コート紙、光沢紙など)によって異なる。従って、ロール紙の種類毎に延べ搬送量閾値を用意しておき、搬送するロール紙Rの種類に対応したものを選択するようにする。このようにすることで、記録装置100が用紙種類ごとに適切なタイミングで位置ずれの補正処理を実施することができる。
例えば、コート紙は普通紙に比べて用紙の表面は滑らかであり、摩擦係数が低い傾向がある。このため、同じ条件で搬送したときでも、コート紙は普通紙に比べて生じる位置ずれ量が大きくなる。従って、コート紙では普通紙よりも少ない延べ搬送量で位置ずれの補正が必要になる。ところが、普通紙に適正化された延べ搬送量閾値を利用していると、位置ずれが生じているのにも関わらず位置ずれの補正処理が実施されない可能性がある。このように、本実施形態では、延べ搬送量についての閾値は、回転軸に搭載されるロール紙の種類ごとに異なる値が設定される。ロール紙の種類に合わせた延べ搬送量閾値を利用することで、ロール紙の種類に応じた位置ずれの補正処理を実施することができる。
(第四実施形態)
次に、第四実施形態に係る記録装置について説明する。なお、上記第一実施形態ないし第三実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第一実施形態ないし第三実施形態においては、記録装置100で実施される全ての装置動作に含まれるロール紙Rの搬送動作における搬送量を、延べ搬送量に累積させているが、本発明はこれに限られるものではない。
記録装置100において生じる位置ずれのほとんどが、バックフィードによるものであると予め判明しているときには、バックフィードでの搬送動作のみを延べ搬送量を累積する処理の対象とするようにする。このようにすることで、より正確な位置ずれ補正情報を取得できるので、位置ずれ情報による位置ずれの補正の精度も向上する。
このように、記録装置100は、搬送方向における下流側から上流側への搬送の際のみ、ロール紙におけるシートの端部が搬送された距離を累積させた延べ搬送距離を取得する延べ搬送距離取得手段(第2の累積搬送距離取得手段)を有している。
また、記録装置100において生じる位置ずれのほとんどが、特定の装置動作によるものであると判明しているときには、その装置動作に含まれるロール紙Rの搬送動作のみを延べ搬送量に累積させるようにする。例えば、位置ずれが、図9示されるロール紙Rのシートの位置の変更で主に生じるのであれば、そのシート位置の変更工程で生じる位置ずれのみを延べ搬送量に累積させる。このように、本実施形態では、延べ搬送量に累積させる対象の工程の種類が限定される。記録装置100では、所定の種類の搬送動作の際のみ、ロール紙におけるシートの端部が搬送された距離を累積させた延べ搬送距離を取得する延べ搬送距離取得手段(第3の累積搬送距離取得手段)を有している。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態においては、記録装置100に配置されたCPU222が、制御における各工程を行うものとしている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、記録装置100に各制御工程を行わせるように、記録装置100による記録動作を制御するプログラムが記憶媒体に格納されていることとしても良い。
また、上記実施形態においては、各制御工程は記録装置100に行わせることとしているが、本発明はこれに限定されず、記録装置100の外部のホストコンピュータに行わせることとしても良い。記録装置100及びホストコンピュータによって、各制御工程を行わせるような記録システムが形成されることとしても良い。
8a、8b、9 搬送ローラ
32 ロール紙スプール
100 記録装置
222 CPU
R ロール紙

Claims (14)

  1. シートが巻回されたロール紙のロール部と共に回転可能な回転軸と、
    前記回転軸に搭載されたロール紙におけるシートの端部を搬送させる搬送手段と、
    前記ロール紙に記録を行う記録手段とを有する記録装置であって、
    前記搬送手段による搬送の、搬送方向における上流側から下流側への搬送及び下流側から上流側への搬送のいずれの搬送の際にも、ロール紙におけるシートの端部が搬送された距離を累積させた累積搬送距離を取得する第1の累積搬送距離取得手段と、
    所定位置における理論上のシートの端部の位置と、搬送されたシートの端部の実際の位置とを検出して、前記理論上のシートの端部の位置と、前記シートの端部の実際の位置との間の搬送誤差を算出する搬送誤差算出手段と、
    前記搬送誤差算出手段によって得られた前記搬送誤差と、前記第1の累積搬送距離取得手段によって得られた前記所定位置における前記累積搬送距離とから、単位搬送量当たりの搬送誤差を算出する単位搬送量当たり搬送誤差算出手段と、
    前記単位搬送量当たり搬送誤差算出手段によって算出された前記単位搬送量当たり搬送誤差と、前記第1の累積搬送距離取得手段によって取得されるシートの搬送距離とから、生じていると予想される予想搬送ずれ量を算出する予想搬送ずれ量算出手段と、
    前記予想搬送ずれ量の分、シートの搬送を補正する補正手段と
    を有することを特徴とする記録装置。
  2. 前記補正手段による前記シートの搬送の補正は、記録のための前記シートの搬送が開始される際の前記シートの位置が調節されることで行われることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記補正手段によって搬送量が補正される際の前記単位搬送量当たりの搬送誤差を記憶する記憶手段を有し、
    ロール紙についての前記単位搬送量当たりの搬送誤差が取得されると、そのロール紙についての前記単位搬送量当たりの搬送誤差が前記記憶手段に記憶され、前記補正手段による搬送の補正の際には、前記搬送誤差算出手段によって搬送誤差が算出されたロール紙と同一のロール紙へ記録が行われる場合に、前記記憶手段から読み出された単位搬送量当たりの搬送誤差が用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記予想搬送ずれ量算出手段によって算出される前記予想搬送ずれ量が、予想搬送ずれ量についての閾値に達しているかどうかを判定する予想搬送ずれ量判定手段を有し、
    前記予想搬送ずれ量判定手段による判定で予想搬送ずれ量が前記予想搬送ずれ量についての閾値に達したときには、前記記憶手段に前記単位搬送量当たりの搬送誤差が記憶されている場合であっても、前記搬送誤差算出手段による前記搬送誤差と、前記単位搬送量当たり搬送誤差算出手段による前記単位搬送量当たりの搬送誤差が新たに算出され、算出された単位搬送量当たりの搬送誤差と、記録の際のシートの搬送距離とから、記録が行われる際の予想搬送ずれ量が新たに算出されて、前記補正手段によって新たに算出された予想搬送ずれ量の分のシートの搬送が補正されることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記累積搬送距離についての閾値が設定されており、
    取得された前記累積搬送距離が、前記累積搬送距離についての閾値よりも大きくなったときに、前記搬送誤差算出手段によって、理論上のシートの端部の位置と、搬送されたシートの端部の実際の位置との間の差が算出され、その差と前記累積搬送距離とから単位搬送量当たりの搬送誤差が算出され、
    前記累積搬送距離についての閾値は、前記回転軸に搭載されるロール紙の種類ごとに異なる値が設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記ロール紙が前記回転軸から取外されたときに、前記シートの前記累積搬送距離を初期化する第1の初期化手段を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. 前記補正手段によってシートの搬送が補正された際に、前記シートの前記累積搬送距離を初期化する第2の初期化手段を有していることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 前記搬送誤差算出手段による搬送誤差の算出の際に、シートの端部の実際の位置が検出されたときには、前記累積搬送距離を初期化する第3の初期化手段を有していることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 前記回転軸に搭載されたロール紙の径が、ロール紙の径についての所定の閾値に達しているかどうかを判定するロール紙径判定手段を有し、
    ロール紙の径が前記ロール紙の径についての閾値以下となったときに、搬送誤差算出手段による単位搬送量当たりの搬送誤差の算出が行われることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. シートが巻回されたロール紙のロール部が相対移動不能に装着される回転軸と、
    前記回転軸に搭載された前記ロール紙におけるシートを搬送させる搬送手段とを有する記録装置であって、
    前記搬送手段による搬送の、搬送方向における下流側から上流側への搬送の際のみ、ロール紙におけるシートの端部が搬送された距離を累積させた累積搬送距離を取得する第2の累積搬送距離取得手段と、
    所定位置における理論上のシートの端部の位置と、搬送されたシートの端部の実際の位置とを検出して、前記理論上のシートの端部の位置と、前記シートの端部の実際の位置との間の搬送誤差を算出する搬送誤差算出手段と、
    前記搬送誤差算出手段によって得られた前記搬送誤差と、前記第2の累積搬送距離取得手段によって得られた前記所定位置における前記累積搬送距離とから、単位搬送量当たりの搬送誤差を算出する単位搬送量当たり搬送誤差算出手段と、
    前記単位搬送量当たり搬送誤差算出手段によって算出された前記単位搬送量当たり搬送誤差と、前記第2の累積搬送距離取得手段によって取得されるシートの搬送距離とから、生じていると予想される予想搬送ずれ量を算出する予想搬送ずれ量算出手段と、
    前記予想搬送ずれ量の分、シートの搬送を補正する補正手段と
    を有することを特徴とする記録装置。
  11. シートが巻回されたロール紙のロール部が相対移動不能に装着される回転軸と、
    前記回転軸に搭載された前記ロール紙におけるシートを搬送させる搬送手段とを有する記録装置であって、
    前記搬送手段による搬送のうち、所定の種類の搬送動作の際のみ、ロール紙におけるシートの端部が搬送された距離を累積させた累積搬送距離を取得する第3の累積搬送距離取得手段と、
    所定位置における理論上のシートの端部の位置と、搬送されたシートの端部の実際の位置とを検出して、前記理論上のシートの端部の位置と、前記シートの端部の実際の位置との間の搬送誤差を算出する搬送誤差算出手段と、
    前記搬送誤差算出手段によって得られた前記搬送誤差と、前記第3の累積搬送距離取得手段によって得られた前記所定位置における前記累積搬送距離とから、単位搬送量当たりの搬送誤差を算出する単位搬送量当たり搬送誤差算出手段と、
    前記単位搬送量当たり搬送誤差算出手段によって算出された前記単位搬送量当たり搬送誤差と、前記第3の累積搬送距離取得手段によって取得されるシートの搬送距離とから、生じていると予想される予想搬送ずれ量を算出する予想搬送ずれ量算出手段と、
    前記予想搬送ずれ量の分、シートの搬送を補正する補正手段と
    を有することを特徴とする記録装置。
  12. シートが巻回されたロール紙のロール部が相対移動不能に装着される回転軸と、
    前記回転軸に搭載されたロール紙におけるシートを搬送させる搬送手段とを有する記録装置によって記録を行う記録方法であって、
    前記搬送手段による搬送において、ロール紙におけるシートの端部が搬送された距離を累積させた累積搬送距離を取得する累積搬送距離取得工程と、
    前記累積搬送距離取得工程で計測された前記累積搬送距離と、前記累積搬送距離についての閾値とを比較し、前記累積搬送距離が閾値よりも大きいときには、記録データから取得される理論上のシートの端部の位置と、搬送されたシートの端部の実際の位置との間の差が算出され、その差と前記累積搬送距離とから単位搬送量当たりの搬送誤差を算出する搬送誤差算出工程と、
    前記搬送誤差算出工程で算出された前記搬送誤差と、前記累積搬送距離取得工程で取得されたシートの搬送距離とから、生じていると予想される予想搬送ずれ量を算出する予想搬送ずれ量算出工程と、
    前記予想搬送ずれ量算出工程で算出された前記予想搬送ずれ量の分、シートの搬送を補正する補正工程と
    を有することを特徴とする記録方法。
  13. 請求項12に記載の記録方法によって記録が行われるように、前記記録装置による記録動作を制御するプログラムが格納されていることを特徴とする記憶媒体。
  14. シートが巻回されたロール紙のロール部が相対移動不能に装着される回転軸と、
    前記回転軸に搭載されたロール紙におけるシートを搬送させる搬送手段と、
    前記ロール紙に記録を行う記録手段とを有する記録装置に記録を行わせる記録システムであって、
    前記搬送手段による搬送の、搬送方向における上流側から下流側への搬送及び下流側から上流側への搬送のいずれの搬送の際にも、ロール紙におけるシートの端部が搬送された距離を累積させた累積搬送距離を取得する第1の累積搬送距離取得手段と、
    所定位置における記録データから取得される理論上のシートの端部の位置と、搬送されたシートの端部の実際の位置とを検出して、前記理論上のシートの端部の位置と、前記シートの端部の実際の位置との間の搬送誤差を算出する搬送誤差算出手段と、
    前記搬送誤差算出手段によって得られた前記搬送誤差と、前記第1の累積搬送距離取得手段によって得られた前記所定位置における前記累積搬送距離とから、単位搬送量当たりの搬送誤差を算出する単位搬送量当たり搬送誤差算出手段と、
    前記単位搬送量当たり搬送誤差算出手段によって算出された前記単位搬送量当たり搬送誤差と、前記第1の累積搬送距離取得手段によって取得されるその時点でのシートの搬送距離とから、その時点で生じていると予想される予想搬送ずれ量を算出する予想搬送ずれ量算出手段と、
    前記予想搬送ずれ量の分、シートの搬送を補正する補正手段と
    を有することを特徴とする記録システム。
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