JP2013012510A - 導電パターンの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精細であり且つ配線抵抗の増加が十分に抑制された導電パターンを形成できる導電パターンの形成方法を提供すること。
【解決手段】凹版胴40の凹溝42の内壁面に離型剤44を塗布する離型剤塗布工程と、凹版胴40の凹溝42内に導電ペースト1を充填する充填工程と、凹溝42内の導電ペースト41をブランケット胴50に受理させる受理工程と、ブランケット胴50に受理された導電ペースト41を被印刷物20へ転写する転写工程とを有する導電パターン10の形成方法であって、充填工程と受理工程との間において、凹溝42内の導電ペースト10に赤外線を照射する赤外線照射工程を含むことを特徴とする導電パターンの形成方法。
【選択図】図2
【解決手段】凹版胴40の凹溝42の内壁面に離型剤44を塗布する離型剤塗布工程と、凹版胴40の凹溝42内に導電ペースト1を充填する充填工程と、凹溝42内の導電ペースト41をブランケット胴50に受理させる受理工程と、ブランケット胴50に受理された導電ペースト41を被印刷物20へ転写する転写工程とを有する導電パターン10の形成方法であって、充填工程と受理工程との間において、凹溝42内の導電ペースト10に赤外線を照射する赤外線照射工程を含むことを特徴とする導電パターンの形成方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、導電パターンの形成方法に関する。
近年、タッチパネルなどの電子機器の小型化、高機能化に伴い、電子機器に使用される配線基板において配線パターンの高精細化が求められるようになってきている。
配線パターンを高精細化するためには配線幅を狭くする必要があるが、配線パターンの幅を狭くしても厚さが小さくなってしまうと、配線抵抗が増加することとなる。このため、配線パターンの幅を狭くしながら十分な厚さを確保することが重要となる。
配線パターンの形成には、スクリーン印刷法が一般に用いられる。しかし、スクリーン印刷法では、配線パターンの幅を30μm以下まで狭くすることが可能であるものの、厚さについては2〜5μm程度とすることが限界であり、厚さを十分に確保することが難しい。ここで、スクリーン印刷法により配線パターンを複数回重ねて印刷することで厚さを確保することも知られているが、この場合、高精細な配線パターンを形成することが困難であるだけでなく生産効率も悪くなる。
そこで、スクリーン印刷法に代わってオフセット印刷法を用いることが提案されている(例えば下記特許文献1参照)。下記特許文献1には、凹溝が形成された凹版胴の凹溝にペーストインキを充填した後、ペーストインキをブランケット胴に受理させ、次いでブランケット胴に受理された導電ペーストをブランケット胴と圧胴との間に通された透明フィルム上に転写する透光性電磁波シールド部材の製造方法が開示されている。
しかし、上記特許文献1に記載の透光性電磁波シールド部材の製造方法では、凹版胴の凹溝を深く形成すると、ペーストインキをブランケット胴に受理させる際、ペーストインキが分断される場合があった。すなわち、ペーストインキの一部のみがブランケット胴に受理され、残部は凹版胴の凹溝に残る場合があった。このため、ブランケット胴に受理された一部のペーストインキを透明フィルムに転写して硬化させ、透明フィルム上に配線パターンを形成しても、配線パターンの厚さを十分に確保することが困難であった。その結果、配線抵抗が増加するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高精細であり、且つ配線抵抗の増加が十分に抑制された導電パターンを形成できる導電パターンの形成方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、凹版胴の凹溝の内壁面に離型剤を塗布すると共に、凹版胴の凹溝にペーストインキを充填した後、ブランケット胴に受理させる前に、予めペーストインキを赤外線によって乾燥させることにより上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は、凹版胴の凹溝の内壁面に離型剤を塗布する離型剤塗布工程と、前記凹版胴の前記凹溝内に導電ペーストを充填する充填工程と、前記凹溝内の導電ペーストをブランケット胴に受理させる受理工程と、前記ブランケット胴に受理された導電ペーストを被印刷物へ転写する転写工程とを有する導電パターンの形成方法であって、前記充填工程と前記受理工程との間において、前記凹溝内の導電ペーストに赤外線を照射する赤外線照射工程を含むことを特徴とする導電パターンの形成方法である。
この導電パターンの形成方法によれば、充填工程の前に、凹版胴の凹溝の内壁面に離型剤を塗布するため、導電ペーストをブランケット胴に受理させる際、凹溝からの導電ペーストの脱離が容易な状態となっている。加えて、充填工程と受理工程との間において、凹溝内の導電ペーストに赤外線が照射される。このとき、赤外線は、導電ペーストに入射され、赤外線によって導電ペーストが凹溝の内奥まで十分に乾燥され、導電ペーストの凝集力が高められる。このため、受理工程において、導電ペーストがブランケット胴に受理される際、導電ペーストが分断されることが十分に抑制される。その結果、導電ペーストが厚さを減じられることなくブランケット胴に受理されることとなる。従って、ブランケット胴に受理された導電ペーストが被印刷物に転写され、被印刷物上に導電パターンが形成される場合に、高精細であるとともに配線抵抗の増加が十分に抑制された導電パターンを形成することができる。
上記導電パターンの形成方法において、赤外線の波長が0.7μm〜2.5μmの範囲であることが好ましい。
この場合、赤外線の波長が上記範囲を外れる場合に比べて、凹溝内に充填された導電ペーストをより効果的に乾燥させることが可能となる。その結果、得られる導電パターンの配線抵抗の増加がより十分に抑制される。
ここで、波長とは、赤外線源からの放射エネルギーが最大となる波長(以下、「最大エネルギー波長」と呼ぶ)のことを言うものとする。
上記導電パターンの形成方法は、前記離型剤塗布工程と前記充填工程との間に、前記離型剤を赤外線の照射により乾燥させる離型剤乾燥工程をさらに含むことが好ましい。
この場合、凹溝に導電ペーストを充填する前に予め、離型剤が赤外線の照射により乾燥されているため、離型剤中に含まれる溶剤が、後に凹溝に充填される導電ペーストに浸透することを十分に抑制することができる。よって、導電ペーストをブランケット胴に受理させる際、導電ペーストが分断されることをより十分に抑制することができる。
本発明によれば、高精細であるとともに配線抵抗の増加が十分に抑制された導電パターンを形成できる導電パターンの形成方法が提供される。
以下、本発明に係る導電パターンの実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る導電パターンの形成方法の一実施形態により形成された導電パターンとしての配線パターンを示す部分断面図である。図1に示すように、配線パターン10は、二点鎖線で示される基材フィルム(被印刷物)20上に形成されている。なお、配線パターン10と基材フィルム20とにより配線基板30が構成されている。
次に、配線パターン10の形成方法について説明する。
まず配線パターン10の形成方法の説明に先立ち、配線パターン10の形成方法を実施するための配線パターン形成装置100について図2を参照しながら説明する。図2は、配線パターン10の形成方法を実施するための配線パターン形成装置の一例を示す概略図である。
図2に示すように、配線パターン形成装置100は、配線パターン10を形成するための導電ペースト41を充填する凹溝42が形成されたロール状の凹版胴40と、凹版胴40から導電ペースト41を受理するロール状のブランケット胴50と、ブランケット胴50とともに基材フィルム20を挟みながら搬送する圧胴60とを備えている。凹版胴40、ブランケット胴50及び圧胴60はいずれも回転可能となっている。また、凹版胴40の表面40aにはドクターブレード43が接触しており、ドクターブレード43により凹版胴40の表面40a、具体的には隣接する凹溝42同士の間の表面に塗布された導電ペースト41が除去されるようになっている。さらに凹版胴40に対向する位置には、導電ペースト41に赤外線を照射する赤外線照射装置70が配置されている。
次に、配線パターン形成装置100を用いた配線パターン10の形成方法について図2〜図7を参照しながら説明する。図3〜図7は、配線パターン10の形成方法の一連の工程を示す部分拡大断面図である。
まず凹版胴40、ブランケット胴50及び圧胴60を回転させる。
そして、図3に示すように、凹版胴40の凹溝42の内壁面に離型剤44を塗布する(離型剤塗布工程)。
離型剤44の塗布方法としては、例えばスプレー塗布法及びバーコート法が挙げられる。中でも、スプレー塗布法が、凹溝42の内壁面に離型剤44を良好な被覆性をもって塗布できることから好ましい。
次に、離型剤44を赤外線の照射により乾燥させる(離型剤乾燥工程)。
このとき、離型剤44への赤外線の照射は、図4に示すように、赤外線照射装置70によって行うことが可能である。
そして、ドクターブレード43と凹版胴40の表面40aとの間に導電ペースト41を供給し、図5に示すように、凹版胴40の凹溝42内に導電ペースト41を充填する(充填工程)。隣接する凹溝42同士の間の表面40aに塗布された導電ペースト41は、ドクターブレード43により除去される。
次に、導電ペースト41は、凹版胴40の回転により、赤外線照射装置70に対向配置される。このとき、図6に示すように、導電ペースト41には、赤外線照射装置70により赤外線が照射される。
赤外線を照射された導電ペースト41は図7の(a)に示すように、やがて、凹版胴40の回転により、ブランケット胴50に接触した後、図7の(b)に示すように、ブランケット胴50の表面に受理される(受理工程)。
一方、ブランケット胴50と圧胴60との間に基材フィルム20を挿入すると、基材フィルム20は、ブランケット胴50と圧胴60により搬送される(図2参照)。
そして、基材フィルム20の表面には、ブランケット胴50に受理された導電ペースト41が転写される(転写工程)。
こうして、基材フィルム20上に導電ペースト41が設けられる。導電ペースト41は必要に応じて硬化される。こうして配線パターン10が形成される。
上述した配線パターン10の形成方法によれば、凹版胴40の凹溝42の内壁面に離型剤44を塗布するため、導電ペースト41をブランケット胴50に受理させる際、凹溝42からの導電ペースト41の脱離が容易な状態となっている。加えて、導電ペースト41を凹版胴40の凹溝42に充填した後、ブランケット胴50に導電ペースト41を受理させるまでの間に、赤外線照射装置70により凹溝42内の導電ペースト31に赤外線が照射される。このとき、赤外線は、導電ペースト41に入射される。その結果、赤外線によって導電ペースト41が凹溝42の内奥まで十分に乾燥され、導電ペースト31の凝集力が高められる。このため、導電ペースト41がブランケット胴50に接触した後、ブランケット胴50に受理されるまでの間に、導電ペースト41が分断されることが十分に抑制される。その結果、導電ペースト41が厚さを減じられることなくブランケット胴50に受理されることとなる。従って、ブランケット胴50に受理された導電ペースト41が基材フィルム20に転写され、基材フィルム20上に配線パターン10が形成される場合に、高精細であり、且つ配線パターン10の配線抵抗の増加が十分に抑制された導電パターンを形成することができる。
また上述した配線パターン10の形成方法においては、凹溝42に導電ペースト41を充填する前に予め、離型剤44が赤外線により乾燥されているため、離型剤44中に含まれる溶剤が、後に凹溝42に充填される導電ペースト41に浸透することを十分に抑制することができる。よって、離型剤44が赤外線により乾燥されない場合に比べて、導電ペースト41をブランケット胴50に受理させる際、導電ペースト41が分断されることをより十分に抑制することができる。特に離型剤44が液状で、導電ペースト41よりも多くの溶剤を含む場合、上記のように離型剤塗布工程の後、導電ペースト41を凹版胴40の凹溝42に充填する前に離型剤44を赤外線によって乾燥させることは極めて有効である。
次に、基材フィルム20、離型剤44、導電ペースト41、凹版胴40、ブランケット胴50、圧胴60及び赤外線照射装置70について説明する。
(離型剤)
離型剤44は、導電ペースト41をブランケット胴50に受理させる際、凹溝42から導電ペースト41を取り出しやすくするものであればよい。離型剤44は通常、固形分と、溶剤とを含んでおり、固形分としては、例えばシリコーン樹脂が挙げられる。溶剤は、固形分を溶解させることが可能な溶剤であればよく、溶剤としては、例えばメチルエチルケトン(MEK)、トルエン、酢酸エチル又は酢酸ブチルなどが用いられる。
離型剤44は、導電ペースト41をブランケット胴50に受理させる際、凹溝42から導電ペースト41を取り出しやすくするものであればよい。離型剤44は通常、固形分と、溶剤とを含んでおり、固形分としては、例えばシリコーン樹脂が挙げられる。溶剤は、固形分を溶解させることが可能な溶剤であればよく、溶剤としては、例えばメチルエチルケトン(MEK)、トルエン、酢酸エチル又は酢酸ブチルなどが用いられる。
離型剤44への赤外線の照射は、離型剤44中の溶剤の一部を除去するように行っても全部を除去するように行ってもよいが、全部を除去するように行う方がより好ましい。この場合、離型剤44中に含まれる溶剤が、後に凹溝42に充填される導電ペースト41に浸透することを防止することができる。離型剤44の乾燥は赤外線照射装置70による乾燥の代わりに、熱風乾燥であってもよい。
(基材フィルム)
基材フィルム20としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリビニルアルコール(PVA)などの樹脂フィルムを用いることができる。中でも、配線基板30がタッチパネルの配線基板として使用される場合には、基材フィルム20は、耐久性及び耐熱性の点からPET又はPENであることが好ましい。
基材フィルム20としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリビニルアルコール(PVA)などの樹脂フィルムを用いることができる。中でも、配線基板30がタッチパネルの配線基板として使用される場合には、基材フィルム20は、耐久性及び耐熱性の点からPET又はPENであることが好ましい。
基材フィルム20の厚さは特に制限されるものではないが、例えば25〜188μmとすればよい。
(導電ペースト)
導電ペースト41は通常、導電粒子と、バインダ樹脂と、溶剤とを含む。
導電ペースト41は通常、導電粒子と、バインダ樹脂と、溶剤とを含む。
導電粒子は、導電性を有する粒子であればよく、通常は、銀、銅などの金属粒子が用いられる。
導電粒子は通常、バインダ樹脂と導電粒子との合計100質量部に対し、80〜95質量部の割合で配合され、好ましくは85〜90質量部の割合で配合される。
バインダ樹脂としては、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などを用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエステル樹脂が用いられ、熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂又はフェノール樹脂が用いられる。紫外線硬化性樹脂としては、例えばウレタンアクリレートが用いられる。
溶剤は、バインダ樹脂を溶解させることが可能なものであればよく、溶剤としては、例えばカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート又はイソホロン等を用いることができる。
溶剤は通常、バインダ樹脂と導電粒子との合計100質量部に対し、10〜25質量部の割合で配合され、好ましくは15〜20質量部の割合で配合される。
(凹版胴)
凹版胴40は、例えば銅、または、鉄芯やアルミ芯の表面に金属膜を形成してなるもので構成される。金属膜は、例えば銅、クロム又はニッケルで構成される。金属膜は、鉄芯やアルミ芯をめっき処理することにより形成することができる。この場合、赤外線が凹版胴40の凹溝42の内壁面で反射されるため、導電ペースト41をより効果的に乾燥させることができる。
凹版胴40は、例えば銅、または、鉄芯やアルミ芯の表面に金属膜を形成してなるもので構成される。金属膜は、例えば銅、クロム又はニッケルで構成される。金属膜は、鉄芯やアルミ芯をめっき処理することにより形成することができる。この場合、赤外線が凹版胴40の凹溝42の内壁面で反射されるため、導電ペースト41をより効果的に乾燥させることができる。
凹版胴40の回転速度は、特に制限されないが、好ましくは5〜25rpmである。凹版胴40の回転速度が上記範囲内にあると、上記範囲を外れる場合に比べて、加熱による導電ペースト41の変形をより十分に抑制しながら、より効果的に導電ペースト41を乾燥させることができる。
(ブランケット胴)
ブランケット胴50は、凹版胴40から導電ペースト41を受理するためのものであればよく、ブランケット胴50の材質は特に限定されるものでないが、最表面側に、シリコーン樹脂からなる表層を有することが好ましい。
ブランケット胴50は、凹版胴40から導電ペースト41を受理するためのものであればよく、ブランケット胴50の材質は特に限定されるものでないが、最表面側に、シリコーン樹脂からなる表層を有することが好ましい。
(圧胴)
圧胴60は、基材フィルム20をブランケット胴50とともに搬送すると共に導電ペースト41を基材フィルム20の表面上に転写するものである。圧胴60の材質は特に限定されるものではないが、例えば金属やゴムなどからなる。
圧胴60は、基材フィルム20をブランケット胴50とともに搬送すると共に導電ペースト41を基材フィルム20の表面上に転写するものである。圧胴60の材質は特に限定されるものではないが、例えば金属やゴムなどからなる。
(赤外線照射装置)
赤外線照射装置70は、凹溝42に収容されている導電ペースト41に赤外線を照射するものであり、赤外線照射装置70としては、例えば赤外線ヒータが用いられる。
赤外線照射装置70は、凹溝42に収容されている導電ペースト41に赤外線を照射するものであり、赤外線照射装置70としては、例えば赤外線ヒータが用いられる。
ここで、赤外線は、0.7〜1000μmの波長を有する電磁波である。赤外線の波長(最大エネルギー波長)は0.7〜2.5μmであることが好ましい。赤外線の波長が上記範囲内にあると、上記範囲を外れる場合に比べて、凹溝42内に充填された導電ペースト41に赤外線をより効果的に吸収させることができ、導電ペースト41を効果的に乾燥させることができる。その結果、得られる配線パターン10の配線抵抗の増加がより十分に抑制される。
導電ペースト41における赤外線の照射強度を制御することで、凹版胴40の表面温度を調整することができる。
赤外線の照射は、配線パターン10の形成効率を高める観点からは、凹版胴40を回転させながら行うことが好ましい。但し、凹版胴40の回転を停止させてから導電ペースト41に赤外線を照射してもよい。また赤外線の照射は、導電ペースト41をブランケット胴50に容易に受理させるために、導電ペースト41に含まれる溶剤の一部が残るように行われることが好ましい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、凹溝42の内壁面に離型剤44を塗布した後、凹溝42内に導電ペースト41を充填する前に、離型剤44に赤外線を照射して離型剤44を乾燥させているが、離型剤44への赤外線照射は必ずしも必要ではない。凹溝42に導電ペースト41を充填すると、離型剤44に含まれている溶剤が導電ペースト41側へ浸透することがある。この場合、導電ペースト41は凹溝42の内奥ほど溶剤量が多くなり、その量によっては導電ペースト41の凝集力が弱まってしまうことがある。しかし、このような事態においても、導電ペースト41に赤外線を照射することで凹溝42の内奥まで照射エネルギーが到達し、導電ペースト41を乾燥させることは可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示す配線パターン形成装置100を用いて、以下のようにして基材フィルム上に導電ペーストを形成した。
図2に示す配線パターン形成装置100を用いて、以下のようにして基材フィルム上に導電ペーストを形成した。
このとき、配線パターン形成装置100の構成は下記の通りとした。
(1)凹版胴
材質:銅
直径:20cm
凹溝:幅30μm、深さ15μm、長さ10cm
(2)ブランケット胴
材質:金属
直径:20cm
(3)圧胴
材質:金属
直径:20cm
(4)赤外線照射装置
赤外線ヒータ(製品名:超小型近赤外線塗装乾燥機、トーコー社製)
赤外線の最大エネルギー波長:1.2μm
(1)凹版胴
材質:銅
直径:20cm
凹溝:幅30μm、深さ15μm、長さ10cm
(2)ブランケット胴
材質:金属
直径:20cm
(3)圧胴
材質:金属
直径:20cm
(4)赤外線照射装置
赤外線ヒータ(製品名:超小型近赤外線塗装乾燥機、トーコー社製)
赤外線の最大エネルギー波長:1.2μm
まず凹版胴40の凹溝42内に離型剤(商品名:KF−96SP、信越化学社製)をスプレー法により塗布した。その後、赤外線照射装置70により離型剤に赤外線を照射して離型剤を乾燥させた。このとき、離型剤中の溶剤の全てが除去される程度に赤外線の照射を行った。
次に、凹版胴40、ブランケット胴50及び圧胴60を回転させ、ドクターブレード43と凹版胴40の表面40aとの間に導電ペースト41を供給し、凹版胴40の凹溝42内に導電ペースト41を充填した。このとき、導電ペーストは、銀粒子(製品名:S−603、大研化学社製)と、ポリエステル樹脂(商品名:バイロン300、東洋紡社製)からなるバインダ樹脂と、カルビトールアセテートからなる溶剤とを図1に示す割合(単位は質量部)で混合することにより準備した。
そして、凹版胴40の回転により、導電ペースト41を赤外線照射装置70に対向配置させ、導電ペースト41に対し、赤外線照射装置70により赤外線を照射した。このとき、導電ペースト41中の溶剤の全てが除去されない程度に赤外線の照射を行った。
そして、赤外線を照射された導電ペースト41を、ブランケット胴50に接触させ、ブランケット胴50の表面に受理させた。
一方、ブランケット胴50と圧胴60との間にPETからなる厚さ75μmの基材フィルム20を挿入し、基材フィルム20をブランケット胴50と圧胴60により搬送させ、基材フィルム20の表面に、ブランケット胴50に受理された導電ペースト41を転写させ、基材フィルム20上に導電ペーストを形成した。最後に、導電ペーストを赤外線乾燥(IR)炉の中で150℃×4分の条件で乾燥させた。こうして、基材フィルム20上に配線パターン10を形成した。なお、配線パターンの予定寸法は、下記の通りであった。
配線パターン幅:30μm
配線パターンの厚さ:7μm
配線パターン幅:30μm
配線パターンの厚さ:7μm
(比較例1)
導電ペースト41を凹版胴40の凹溝42に充填した後、ブランケット胴50に受理させる前に赤外線を照射しなかったこと以外は実施例1と同様にして基材フィルム20上に配線パターンを形成した。
導電ペースト41を凹版胴40の凹溝42に充填した後、ブランケット胴50に受理させる前に赤外線を照射しなかったこと以外は実施例1と同様にして基材フィルム20上に配線パターンを形成した。
(比較例2)
導電ペースト41を凹版胴40の凹溝42に充填した後、ブランケット胴50に受理させる前に赤外線を照射せず、導電ペーストを凹溝42に充填する前に離型剤を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にして基材フィルム20上に配線パターンを形成した。
導電ペースト41を凹版胴40の凹溝42に充填した後、ブランケット胴50に受理させる前に赤外線を照射せず、導電ペーストを凹溝42に充填する前に離型剤を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にして基材フィルム20上に配線パターンを形成した。
(比較例3)
導電ペースト41を凹溝42に充填する前に離型剤を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にして基材フィルム20上に配線パターンを形成した。
導電ペースト41を凹溝42に充填する前に離型剤を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にして基材フィルム20上に配線パターンを形成した。
表1に示す結果より、実施例1の配線パターンの形成方法では、比較例1〜2の配線パターンの形成方法に比べて、配線パターンの厚さを大きくすることができることから配線抵抗がより十分に低下することが分かった。なお、導電ペーストに赤外線を照射したものの、凹溝の内壁面に離型剤を塗布しなかった比較例3においては、印刷を行うことが不可能であった。
このことから、本発明の導電性パターンの形成方法によれば、高精細であり且つ配線抵抗の増加が十分に抑制された導電パターンを形成できることが確認された。
10…配線パターン(導電パターン)
20…基材フィルム(被印刷物)
40…凹版胴
41…導電ペースト
42…凹溝
44…離型剤
50…ブランケット胴
20…基材フィルム(被印刷物)
40…凹版胴
41…導電ペースト
42…凹溝
44…離型剤
50…ブランケット胴
Claims (3)
- 凹版胴の凹溝の内壁面に離型剤を塗布する離型剤塗布工程と、
前記凹版胴の前記凹溝内に導電ペーストを充填する充填工程と、
前記凹溝内の導電ペーストをブランケット胴に受理させる受理工程と、
前記ブランケット胴に受理された導電ペーストを被印刷物へ転写する転写工程と、
を有する導電パターンの形成方法であって、
前記充填工程と前記受理工程との間において、前記凹溝内の導電ペーストに赤外線を照射する赤外線照射工程を含むことを特徴とする導電パターンの形成方法。 - 前記赤外線の波長が0.7μm〜2.5μmの範囲である請求項1に記載の導電パターンの形成方法。
- 前記離型剤塗布工程と前記充填工程との間に、前記離型剤を赤外線の照射により乾燥させる離型剤乾燥工程をさらに含む請求項1又は2に記載の導電性パターンの形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011142547A JP2013012510A (ja) | 2011-06-28 | 2011-06-28 | 導電パターンの形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011142547A JP2013012510A (ja) | 2011-06-28 | 2011-06-28 | 導電パターンの形成方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014138151A (ja) * | 2013-01-18 | 2014-07-28 | Fujikura Ltd | 回路形成装置及び回路形成方法 |
JP2017061056A (ja) * | 2015-09-24 | 2017-03-30 | 富士フイルム株式会社 | 印刷方法および印刷装置 |
CN114126241A (zh) * | 2020-08-27 | 2022-03-01 | 北京梦之墨科技有限公司 | 一种印刷电路及其制作方法 |
-
2011
- 2011-06-28 JP JP2011142547A patent/JP2013012510A/ja not_active Withdrawn
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JP2014138151A (ja) * | 2013-01-18 | 2014-07-28 | Fujikura Ltd | 回路形成装置及び回路形成方法 |
JP2017061056A (ja) * | 2015-09-24 | 2017-03-30 | 富士フイルム株式会社 | 印刷方法および印刷装置 |
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