JP2013012260A - Hdd用ガラス基板の検品・選別方法、hdd用情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

Hdd用ガラス基板の検品・選別方法、hdd用情報記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】化学強化工程を施したガラス基板を破壊することなく、該化学強化層のばらつきを基板全体に対して一様に評価することのできるHDD用ガラス基板の検品・選別方法を提供することを目的としており、更には、この検品・選別方法により、長期間使用された場合においても読み取りエラーの発生が少ないHDD用情報記録媒体を製造可能な製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明は、化学強化工程によって表層に圧縮応力層が付与されたHDD用ガラス基板を検品・選別する工程において、前記HDD用ガラス基板の径方向において、中心孔の径端から0.5mmの位置から、前記HDD用ガラス基板の外径端から0.5mmの位置までの位相差の最大値が、5.0nm未満であるものを選択することを特徴とするHDD用ガラス基板の検品・選別方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、HDD用ガラス基板の検品・選別方法、及び、HDD用情報記録媒体の製造方法に関する。
磁気ディスクなどの情報記録媒体は、コンピュータなどにHDD(Hard Disk Drive)として搭載される。情報記録媒体は、基板の表面上に、磁気、光、または光磁気などの性質を利用した記録層を含む磁気薄膜層が形成されて製造される。記録層が磁気ヘッドによって磁化されることによって、所定の情報が情報記録媒体に記録される。
情報記録媒体用の基板としては、従来アルミニウム基板が用いられてきたが、記録密度の向上に伴い、アルミニウム基板に比較して基板表面の平滑性および強度に優れるガラス基板に徐々に置き換わりつつある。
このガラス基板に、機械的強度を向上させるため、一般に化学強化処理が施される。この化学強化処理とは、ガラス基板中のイオン(例えばLi、Naイオン)を、よりイオン半径の大きなもの(例えばNaイオン、Kイオン)に置き換えることにより内部応力を持たせることによって、ガラス基板を強化させる処理のことである。当該置換によって、ガラス基板の表面に圧縮歪みを発生させ、化学強化層が形成される。
なお、前記化学強化処理としては、例えばKNOとNaNOとの混合粉末を300〜400℃に加熱し液状化させた化学強化液中にて、固定治具を用いてガラス基板を保持させて行う(特許文献1)。
しかしながら、化学強化処理工程を施したとしても、磁気記録媒体として過酷な熱変動環境化で使用された場合には、化学強化層による応力のバラツキによりガラス基板の形状が変形し、磁気記録媒体の形状の経時変化の原因となることがあり、それによりHDDの読み取りエラーの原因となる場合がある。特に、近年の記録密度の増加に伴い記録ヘッドのフライングハイトが小さくなってきたことから、従来以上に当該化学強化層に対する厳密な評価が重要となってきた。
化学強化層に対する評価としては、例えば、SEM−EDXなどの走査型分析電子顕微鏡の分析により、アルカリ成分の変化量による化学強化層の確認を行っていた。図1は、化学強化処理を行ったガラス基板のイオン交換状態について、前記分析によってガラス基板の深さ方向に対する酸化リチウムの含有量を示したものである。しかし、この分析確認には、逐一ガラス基板を破壊して検査しなければならず、また基板全体を一様に評価することが困難であった。また、ポーラリメーターを用いることによって化学強化層の評価を行ったり、偏光顕微鏡によって断面観察を行うことは可能であるが、基板の主面全体を一様に評価できず、基板全面に対する化学強化層の厚みのばらつきを確かめることはできなかった。
特許第31625558号
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、その解決すべき課題は、化学強化工程を施したガラス基板を破壊することなく、該化学強化層のばらつきを基板全体に対して一様に評価することのできるHDD用ガラス基板の検品・選別方法を提供することを目的としており、更には、この検品・選別方法により、長期間使用された場合においても読み取りエラーの発生が少ないHDD用情報記録媒体を製造可能な製造方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決するために、本発明者らは、HDD用ガラス基板の製造工程において、化学強化工程によって付与された化学強化による内部応力のばらつきにより発生する位相差に着目し、鋭意検討を行った。この結果、化学強化工程の後に検品・選別工程を施し、化学強化処理されたガラス基板に白色光を照射し、その透過光の位相差の量が一定のものを検品し、そのばらつきのないものを選定することで、内部応力の均一性に優れたHDD用ガラス基板を破壊することなく検出することができることを見出した。さらに、このような検品・選別工程によって得られたガラス基板を用いた情報記録媒体であれば、残留応力のバラツキが小さく、過酷な環境下で長期間使用された場合においても、内部応力のバラツキに起因した変形が発生せず、読み取りエラーの発生を抑制することが可能となることを見出した。
すなわち、本発明は、化学強化工程によって表層に圧縮応力層が付与されたHDD用ガラス基板を検品・選別する工程において、前記HDD用ガラス基板の径方向において、中心孔の径端から0.5mmの位置から、前記HDD用ガラス基板の外径端から0.5mmの位置までの位相差を測定し、前記位相差の最大値が、5.0nm未満であるものを選択することを特徴とするHDD用ガラス基板の検品・選別方法である。
また、前記HDD用ガラス基板の検品・選別方法において、前記圧縮応力層の厚さが20μm以上であるHDD用ガラス基板の場合には、前記位相差の最大値が、4.0nm未満であるものを選択することが好適である。
また、前記HDD用ガラス基板の検品・選別方法において、圧縮応力層の厚さが20μm未満であるHDD用ガラス基板の場合には、前記位相差の最大値が、3.0nm未満であるものを選択することが好適である。
また、上述の検品・選別方法は、化学強化工程によって表層に20μm以上の圧縮応力層が付与されたHDD用ガラス基板の検品・選別する工程に特に好適に用いられる。
また、本発明における別の態様は、上述のHDD用ガラス基板の検品・選別方法により選択されたガラス基板にのみ磁性層を設けることを特徴とするHDD用情報記録媒体の製造方法である。
本発明によれば、化学強化工程を施したガラス基板を破壊することなく、該化学強化による内部応力のバラツキを基板全体に対して一様に評価することのできるHDD用ガラス基板の検品・選別方法を提供することができ、更に、この検品・選別方法により選択されたHDD用ガラス基板にのみ磁性層を設けてHDD用情報記録媒体を製造することにより、長期間過酷な環境下で使用された場合においても、読み取りエラーの発生が抑制されたHDD用情報記録媒体を提供することが可能となる。
化学強化処理を施したHDD用ガラス基板のイオン交換状態を示す図である。 本実施形態に係るHDD用ガラス基板の検品・選別方法における測定解析範囲を示す図である。 HDD用ガラス基板の製造における工程を説明する製造工程図である。 本実施形態に係るHDD用ガラス基板の製造方法により製造されるHDD用ガラス基板を示す上面図である。 本実施形態に係るHDD用ガラス基板の製造方法におけるダイレクトプレス法の工程を示す概略図である。 本実施形態に係るHDD用ガラス基板の製造方法におけるフロート法の工程を示す概略断面図である。 本実施形態に係るHDD用ガラス基板の製造方法における粗研磨工程や精密研磨工程で用いる研磨装置の一例を示す概略断面図である。 本実施形態に係るHDD用ガラス基板の製造方法により製造されたHDD用ガラス基板を用いた磁気記録媒体の一例である磁気ディスクを示す一部断面斜視図である。 本実施形態に係るHDD用ガラス基板の検品・選別方法におけるエラー収率の結果を表した図である。 本実施形態に係るHDD用ガラス基板の検品・選別方法におけるエラー収率の結果を表した図である。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本実施形態に係るHDD用ガラス基板の検品・選別方法は、化学強化工程によって表層に圧縮応力層が付与されたHDD用ガラス基板を検品・選別する工程において、前記HDD用ガラス基板の径方向において、中心孔の径端から0.5mmの位置から、前記HDD用ガラス基板の外径端から0.5mmの位置までの位相差が、5.0nm未満であるものを選択することを特徴とする。
また、本実施形態に係るHDD用ガラス基板の検品・選別方法による位相測定工程は、化学強化工程の後に備えていること以外は、特に限定されず、何れの工程の間に行われてもよい。
HDD用ガラス基板の製造方法としては、上記位相測定工程、化学強化工程の他に、円盤加工工程、端面研磨工程、両面研削工程、両面研磨工程、洗浄工程、形状検査工程等を備える方法等が挙げられる。そして、前記各工程を、この順番で行うものであってもよいし、研磨工程(2次研磨工程)と洗浄工程の順番が入れ替わったものであってもよい。さらに、これら以外の工程を備える方法であってもよい。例えば、両面研削工程と研磨工程との間に、端面研磨工程を行うものを備えてもよい。
特に、洗浄工程については、研磨工程の前に行っても、研磨工程の後に行ってもよく、さらに研磨工程の前後にそれぞれ一度ずつ行ってもよい。
始めに、本発明の製造方法における化学強化工程について詳述する。
<化学強化工程>
本発明の製造方法における化学強化工程は、公知の方法であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、後述する円盤加工工程等を施したガラス素板を化学強化処理液に浸漬させる工程等が挙げられる。このように浸漬させることによって、ガラス素板の表面に化学強化層を形成することができる。そして、化学強化層を形成することで耐衝撃性、耐振動性及び耐熱性等を向上させることができる。
本発明において、化学強化工程に付与された圧縮応力層は、その圧縮応力値が2kg/mm以上である層とする。圧縮応力が強すぎると、平面度が悪化する場合があるため、圧縮応力値は、2kg/mm以上15kg/mm以下であることが好ましい。なお、従来のHDD用ガラス基板に施されていた化学強化処理による圧縮応力層の厚みは100〜200μmであったが、近年においてはガラス基板の平面度に対する要求がより厳しくなり、圧縮応力層の厚みは50μm以下であることが好ましい。
化学強化工程は、加熱された化学強化処理液にガラス素板を浸漬させることによって、ガラス素板に含まれるリチウムイオンやナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンをそれよりイオン半径の大きなカリウムイオン等のアルカリ金属イオンに置換するイオン交換法によって行われる。イオン半径の違いによって生じる歪みにより、イオン交換された領域に圧縮応力が発生し、ガラス素板の表面が強化される。
本実施形態では、ガラス基板の原料であるガラス素板として、上記のようなガラス組成のものを用いることによって、この化学強化工程により、強化層が好適に形成されると考えられる。具体的には、ガラス素板のアルカリ成分であるLiO、NaO、及びKOのうち、NaOの含有量が多く、このNaOのナトリウムイオンが、化学強化処理液に含まれるカリウムイオンに交換されやすいためと考えられる。さらに、化学強化工程を施す前の研磨工程、ここでは粗研磨工程で用いる研磨剤が、上記のような組成の研磨剤であるので、ガラス素板の表面に付着しているアルカリ土類金属の量が少なく、化学強化が均一になされると考えられる。
化学強化処理液としては、磁気情報記録媒体用ガラス基板の製造方法における化学強化工程で用いられる化学強化処理液であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、カリウムイオンを含む溶融液、及びカリウムイオンやナトリウムイオンを含む溶融液等が挙げられる。
これらの溶融液としては、例えば、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び炭酸ナトリウム等を溶融させて得られた溶融液等が挙げられる。この中でも、硝酸カリウムを溶融させて得られた溶融液と硝酸ナトリウムを溶融させて得られた溶融液とを組み合わせて用いることが、融点が低く、ガラス素板の変形を防止する観点から好ましい。その際、硝酸カリウムを溶融させて得られた溶融液と硝酸ナトリウムを溶融させて得られた溶融液とを、ほぼ同量ずつの混合させた混合液であることが好ましい。
次に、本発明の製造方法における検品・選別工程について詳述する。
<検品・選別工程>
検品・選別工程は、前述の化学強化工程を経た後に施され、化学強化工程後であれば、複数回施されていてもよい。
図2(a)は、従来のHDD用ガラス基板の製造における工程を説明する製造工程図である。従来のガラス基板の製造方法は、本発明のように相測定による検品・選別行程位が存在せず、化学強化による内部応力の均一性を調べることができず、基板毎に化学強化による内部応力にばらつきが生じていた。
また、ガラス基板に化学強化処理を行うと、内部応力のバラツキによってはガラス基板の反り具合にもばらつきが発生する場合がある。また化学強化処理後に精密研磨を施したとしても、このようなばらつきは修正することは困難である。
一方で、図2(b)は、本発明のHDD用ガラス基板の製造工程図であるが、前述したように、化学強化処理工程の後に検品・選別行程を施しているので、化学強化による内部応力の均一性を確認することが可能である。また、図2(c)は、化学強化処理工程後に一回目の検品・選別行程を行い、さらに、両面研磨工程後に2回目の検品・選別行程を行っていることから明らかなように、複数回の検品・選別行程を行うことによって、より厳密な検品・選別を行うことが可能である。
化学処理工程に付与された圧縮応力層は光学的な「ひずみ層」と捉えることができ、透過光に対して光学軸に平行な方向と垂直な方向で有効屈折率が異なる複屈折が発生する。よって、電界成分が平行なTE偏光と、格子の線に電界成分が垂直なTM偏光の伝搬速度に差が生じ、透過光に位相差(リタデーションともいう)が発現する。このようなガラス基板の厚み方向と平面方向における複屈折は、ガラス基板から切片を切り出し、その断面の位相差を測定することで、圧縮応力層の厚みを測定することが可能である。しかし、化学強化による圧縮応力がガラス基板の平面方向に均一に発生した場合においては、ガラス基板の表面方向から透過光による位相差の測定を行った場合においては、複屈折は発生せず、位相差(リタデーション)は検知されない。しかしながら、圧縮応力にバラツキがある場合は、そのバラツキを位相差として検出することができる。
具体的には、化学強化処理されたガラス基板に白色光を照射し、ガラス基板の複数箇所における透過光の位相差の量を測定する。その位相差を測定することで、内部応力のバラツキを評価することが可能である。
本発明における前記位相差は、PA−100(フォトニックラティス社製)を用いて測定することが可能である。本発明における位相差の測定解析位置は、HDD用ガラス基板の中心孔の径端より0.5mmの位置から、前記HDD用ガラス基板の外径端より0.5mmの位置である。
図3は、ガラス基板の断面図であり、本発明の位相差の測定解析位置を表した図である。一般に、HDD用ガラス基板は、外径が65mmであり、中心孔の内径が20mmであるものが用いられる。また、端面加工工程を施した場合、端面の幅は0.15mmであり、これらを除いたガラス基板主面での圧縮応力層の位相差を測定することが好ましい。端面の位相差を測定しない理由としては、端面のエッジが原因となって光が透過しなくなる場合があり、素子側でエッジによる暗部か複屈折による暗部か区別できず、ガラス基板の主面に比べて高い数値が測定されるためである。
以上のように測定された位相差の最大値が5.0nm未満であれば、内部歪みの小さいガラス基板を検品・選定することができる。つまり、この位相測定工程によって得られた位相差がこのような範囲にないものは、ガラス基板内において圧縮応力値のバランスが悪いものであると判断できる。そして、この圧縮応力値バランスの悪いガラス基板を、その後磁気膜を形成させるHDD用ガラス基板から除くことで、圧縮応力層が一様に付与された内部歪みのないガラス基板をより確実に生産することができる。
なお、本発明の位相測定工程においては、他の応力計測に比べ、測定時間が大幅に短く、かつ広範囲にわたるガラス基板の測定が可能である。他の一般的な応力測定装置としてはポーラリメーター等が挙げられるが、これらは測定範囲が数mm単位であることから、生産性が悪化してしまう。
また、化学強化工程によって圧縮応力値が2kg/mm以上である層が20μm以上である場合、前記測定範囲位置における位相差の最大値が4.0nmであるものを選択することが好ましい。圧縮応力層が20μm以上であるガラス基板の検品・選別工程においては、このような位相差範囲を選別基準とすれば、よりエラー頻度の低いガラス基板を選別することが可能となる。
一方、化学強化工程によって圧縮応力値が2kg/mm以上である層が20μm未満である場合、前記測定範囲位置における位相差の最大値が、3.0nm以下であるものを選択することが好ましい。圧縮応力層が20μm未満であるガラス基板の検品・選別工程においては、このような位相差範囲を選別基準とすれば、よりエラー頻度の低いガラス基板を選別することが可能となる。
次に、本発明の製造方法における円盤加工工程について詳述する。
<円盤加工工程>
前記円盤加工工程は、所定の組成のガラス素材から板状に成形したガラス素板から、図4に示すように、内周及び外周が同心円となるように、中心部に貫通孔10aが形成された円盤状のガラス素板10に加工する工程である。具体的には、ダイレクトプレス法、フロート法などを用いて加工する。
(ダイレクトプレス法)
図5は、前記ダイレクトプレス法によるガラス素板の加工工程を示す模式図である。
図5(a)は、成形型を構成する、下型3、上型4である。上型4には、型締め時に成形面を囲むように下型3に当接しており、成形面の間隔を規制するためのストッパーが設けられている。図5(b)はキャスト工程であり、流出パイプ5から流出された溶融ガラス流6は、下型成形面の中央に供給されている。なお、図5(a)等に示すように、下型3の成形面が形成されている上面は、平坦になっている(ガラスブランクの肉厚部を成形する部分を除く。)。次の図5(c)における切断工程では、溶融ガラスを切断刃7で切断し、下型成形面上にゴブ2を得ている。続いて、図5(d)にて、該ゴブを上型4と下型3にてプレスを行っているが、型締め時には上記ストッパーによって上下型成形面の間隔が規制されている。ゴブ2は上下型により加圧されて、上下型によって形成されるキャビティ内に押し広げられて、プレス成形品であるガラス素板10に成形される。成形品の周縁部は、上型4、下型3のいずれにも接触せず、自由表面としてガラス素板10に残る。プレス成形後、上型4は下型3上のガラス素板10から離されて上方へ退避する。プレス成形品1の外径は、成形品が上型4から離型されて下型3上にある時点においては、例えば、非接触式測定法による光学的手段を用いて測定される。外径測定後、図5(e)のように、ガラス素板10が取り出しのための力を加えても変形しない温度まで冷却されてから、下型3からガラス素板10を取り出す工程を経る。
前述のように取り出したガラス素板の表面粗さRaは、10μm以下、Rmaxが50μm以下が好ましい。前記切出し工程後のガラス素板の表面粗さRaや最大高さ粗さRzが高すぎると研削ダメージが大きく、低すぎると研削工程が行えなくなる。
また、前述のように取り出したガラス素板において、金型に先に接する面、すなわち下型に接する面の表面うねりは、金型に後から接する面、すなわち上型に接する面に比べて大きいことが分かっている。これは、金型に先に接する面と、金型に後から接する面とのガラスの熱膨張係数が異なるため、その応力バランスが崩れ、各面に異なるうねりが発生するからである。すなわち、うねりの大きい面の表面うねりWa1とうねりの小さい面の表面うねりWa2との比が1:1.5〜1:2.5である。
(フロート法)
図6は、前記フロート法による加工工程を示す断面図である。
前記フロート法加工工程は、溶融金属の上で板状に形成されたガラス素材の片面に切筋を入れ、この切筋に沿って切断する切出し工程を含むものである。前記切出し工程は、前記ガラス素材の前記溶融金属に接触したガラス素板表面に対して切筋を形成した後、該切筋をガラス素板の厚み方向に進行させて円盤状のガラス素板を切り出すことをいう。
図6(a)は板状のガラス素材1の断面図である。
前記ガラス素材は、フロート法で製造される板状のガラス素材を用いる。フロート法とは、例えば、ガラス素材を溶融させた溶融液を、溶融したスズの上に流し、そのまま固化させる方法である。得られたガラス素板は、一方の面がガラスの自由表面(以下、自由面という。)であり、他方の面(以下、接触面という。)が、ガラスとスズとの界面であるため、平滑性の高いものとなる。そして、その厚みとしては、例えば、0.95mmのものが挙げられる。なお、ガラス素板やガラス基板の表面粗さ、例えばRaは、一般的な表面粗さ測定機を用いて測定することができる。
このため、ガラス素材は溶融金属に接した面と、他方の面とが生じる。図6(a)に示すガラス素材1の場合では、上側の面が接触面1Aで、下側の面が自由面1Bである。
上記ガラス素材1の接触面1Aに対して、磁気ディスク用ガラス基板となされる領域の略周縁をなす曲線を描く切筋を形成する。本実施の形態では、図6(b)に示すように、ガラス素材1の接触面1Aにガラスカッター15で、円盤状の外周側及び内周側を描くそれぞれ円形の切筋8,9を形成する。
この場合の外周側及び内周側の切筋8,9はガラス板の厚み方向に対して斜めに形成している。また、本実施の形態では、ガラス素材1の接触面1Aから自由面1B側に向かって外側へ斜めに切筋8,9を形成し、図6(b)の断面図で見ると、左右の切筋8,8及び切筋9,9がそれぞれハの字状になるように形成させる。また、本実施の形態では、ガラス素材1の接触面1Aから自由面1B側に向かって外側へ斜めに切筋8,9を形成したが、これに限らず、例えばガラス素材1の接触面1Aから自由面1B側に向かって内側へ斜めに切筋8,9を形成し、図6(b)で見ると、左右の切筋8,8及び切筋9,9がそれぞれ逆ハの字状になるように形成しておき、この切筋を進行させて切筋で囲まれる内側部分を上方へ抜き取るようにしてもよい。
次に、図6(c)に示すように、ガラス素材1の接触面1Aに形成した前記切筋8,9を自由面1B側に向かって進行させる。これにより、切筋8で囲まれる内側の領域10aはガラス素材1から分離された状態となる。また、切筋9で囲まれる内側部分10bは上記切筋8で囲まれる領域10aから分離された状態となる。
このようにガラス素材1の接触面1Aに形成した前記切筋8,9を自由面1B側に向かって進行させる手段としては、ガラス素材1に熱膨張差を生じさせる手段、例えばガラス素材1の片側面を加熱する方法が好ましく挙げられる。ガラス素材1を加熱することにより、ガラス素材1の板厚方向に熱膨張差が生じ、ガラス素材を目的の円盤状に容易に切断できる。
続いて、図6(d)に示すように、切筋8で囲まれた内側の領域10a、10bを下方に押し出し、さらに切筋9で囲まれた領域10bを押し出すことにより、中心部に円孔を備えた円盤状のガラス素板10が得られる。
また、前記切出し工程後のガラス素板の表面粗さRaが5nm以上50nm以下、最大高さ粗さRzが20nm以上100nm以下であることが好ましい。前記切出し工程後のガラス素板の表面粗さRaや最大高さ粗さRzが高すぎると研削ダメージが大きく、低すぎると研削工程が行えなくなる。
また、前記切出し工程後のガラス素板において、自由面の表面うねりは、溶融金属接触面に比べて大きいことが分かっている。これは、フロート法においては、溶融金属と接触する界面が、空気との界面より安定しているためにうねりの発生を抑えることができるからだと考えられる。すなわち、うねりの大きい面の表面うねりWa1とうねりの小さい面の表面うねりWa2との比が1:1.2〜1:3.0である。なお、自由面の表面うねりWaは、1〜5nmであり、溶融金属接触面の表面うねりWaが0.6〜3nmである。
また、本発明の円盤加工工程は、前記切出し工程後に、各切筋の角(端面)を研磨する工程を含んでもよい。この端面研磨工程によって、切筋が原因となって生じたガラス基板上のクラックを減少させることができる。
この円盤加工工程で、例えば、外径r1が2.5インチ(約64mm)、1.8インチ(約46mm)、1インチ(約25mm)、0.8インチ(約20mm)等で、厚みは最終的に製造されるガラス基板の厚みに0.3mm程度を加えた厚みの円盤状のガラス素板に加工される。前記厚みを超えると加工取り代が増えるため製造効率が悪くなってしまう。最終的に製造されるガラス基板の厚さは決まっているため、そこから逆算し、該円盤加工工程において加工する厚みは決定される。
<両面研削行程>
前記両面研削工程は、前記ガラス素板を所定の板厚に加工する工程である。具体的には、ガラス素板の両面を研削(両面研削)加工する工程等が挙げられる。このように加工することによって、ガラス素板の平行度、平坦度及び厚みを調整することができる。
両面研削工程で用いる研削装置は、ガラス基板の製造に用いる研削装置であれば、特に限定されない。具体的には、図7に示すような研削装置11が挙げられる。なお、図7は、本発明の実施形態に係る磁気情報記録媒体用ガラス基板の製造方法における両面研削工程で用いる研削装置の一例を示す概略断面図である。
図7に示すような研削装11は、両面同時研削可能な装置である。また、この研削装置11は、装置本体部11aと、装置本体部11aに冷却液であるクーラントを供給するクーラント供給部11bとを備えている。
装置本体部11aは、円盤状の上定盤12と円盤状の下定盤13とを備えており、それらが互いに平行になるように上下に間隔を隔てて配置されている。そして、円盤状の上定盤12と円盤状の下定盤13とが、互いに逆方向に回転する。
この円盤状の上定盤12と円盤状の下定盤13との対向するそれぞれの面にガラス素板10の表裏の両面を研削するために、ダイヤモンド粒子を含有する固定砥粒14が配備されている。この両面研削工程で使用するダイヤモンド粒子を含む固定砥粒14は、複数のダイヤモンド粒子を樹脂で結合させてペレット状のものでもよいし、樹脂を用いた接着又は電着によって、上定盤12及び下定盤13にダイヤモンド粒子を平面的に接着させたシート状のものを用いてもよい。
前記固定砥粒8と定盤12、13との間にはキャリアを挟んでいてもよい。このキャリアは複数のガラス素板10を保持した状態で、自転しながら定盤12,13の回転中心に対して下定盤13と同じ方向に公転する。なお、円盤状の上定盤12と円盤状の下定盤13とは、別駆動で動作することができる。このように動作している研削装置11において、クーラント17を固定砥粒14とガラス素板10との間、及び固定砥粒14とガラス素板10との間、夫々に供給することでガラス素板10の研削処理を行うことができる。
クーラント供給部11bは、クーラント17を入れた容器とポン16とを備えている。すなわち、容器内のクーラント17をポンプ16によって定盤12,13内に供給し、循環させる。該循環中に生じる、上下の定盤12,13の研削面が削られた切子を、それぞれの研削面から除去する。具体的には、クーラント17を循環させる際に、下定盤13内に設けられたフィルタで濾過し、そのフィルタに切子を滞留させる。
また、ガラス素板の算術平均粗さRaを複数個所測定した際に、得られたRaの最小値と最大値との差が0.01〜0.4μm程度にすることが好ましい。
前記両面研削行程を施すと、後述する粗研磨行程にて行われる研磨を効率良く行うことができる。また、両面研削行程によって施された研磨工程に用いるガラス素板の表面粗さRaは0.5μm以下で好ましく、0.3μm以下であることがより好ましい。表面粗さRaが0.5μmより大きいと、その後の研磨工程を経ても大きなうねりが残ってしまう可能性がある。また、最大高さ粗さRzは3μm以下が好ましい。これは研磨工程を行いやすくするためである。
また、前記両面研削工程におけるガラス素板の取り代は、50μm以上200μm以下であることが好ましい。前取り代が50μmよりうねりを十分に取りきれない場合があり、200μmより大きいと加工時間が長くなり、結果製造方法の効率が悪くなる。
さらに、本発明の両面研削工程において、研削されるガラス素板は複数枚でなければならず、具体的には80枚以上であることが好ましく、100枚以上であることがさらに好ましい。研削されるガラス基板が80枚より少ないと、うねり除去が効率的に行えなくなる。これは、上下の加工バランスがさらに悪くなることにより、新たな内部応力の変化が生じ、結果平坦度が悪化してしまう。平坦度が悪化すると加工レートに影響を及ぼし加工行えなくなる。
また、この両面研削工程は、1回であってもよいし、2回以上であってもよい。例えば、2回行う場合、1回目の両面研削工程(第1両面研削工程)で、ガラス素板の平行度、平坦度及び厚みを予備調整し、2回目の両面研削工程(第2両面研削工程)で、ガラス素板の平行度、平坦度及び厚みを微調整することが可能となる。
<両面研磨工程>
両面研磨工程は、ガラス素板の主面を、酸化セリウムを含有する研磨スラリーにて研磨し、上述した両面研削工程で残留した傷や歪みの除去を目的とするものである。前記両面研磨工程は、粗研磨工程(一次研磨工程)と精密研磨工程(二次研磨工程)に分けて施されることもあり、下記の研磨方法を用いて実施する。
(粗研磨工程)
粗研磨工程で用いる研磨装置は、ガラス基板の製造に用いる研磨装置であれば、特に限定されない。
前記粗研磨工程で研磨する表面は、主表面である。主表面とは、ガラス素板の面方向に平行な面である。
次に、本発明の研磨工程において用いられる研磨剤は、主成分として酸化セリウムを含有するものである。酸化セリウムの含有量は、研磨スラリー全量に対して3〜15質量%であることが好ましい。このような範囲にすることで、より平滑性の高い磁気情報記録媒体用ガラス基板を製造することができる。
また、研磨スラリーとは、前記研磨剤、分散剤等を水に分散させた状態の液体、すなわち、スラリー液のことである。前記研磨剤を水に分散させた状態では、水にアルカリ土類金属が含有されていても、アルカリ土類金属が溶解しているため、ガラス素板の表面に付着しにくく、研磨剤に含まれるアルカリ土類金属が、ガラス素板の表面に付着しやすい。このような理由で、前記研磨剤として、アルカリ土類金属の少ないものを用いることによって、研磨後のガラス素板に対するアルカリ土類金属の付着を充分に抑制できる。
(精密研磨工程)
精密研磨工程は、前記粗研磨工程で得られた平坦平滑な主表面を維持しつつ、例えば、主表面の表面粗さ(Rmax)が6nm程度以下である平滑な鏡面に仕上げる鏡面研磨処理である、この精密研磨工程は、例えば、上記粗研磨工程で使用したものと同様の研磨装置を用い、研磨パッドを硬質研磨パッドから軟質研磨パッドに取り替えて行われる。なお、前記精密研磨工程で研磨する表面は、前記粗研磨工程で研磨する表面と同様、主表面である。
また、精密研磨工程で用いる研磨剤としては、粗研磨工程で用いた研磨剤より、研磨性が低くても、傷の発生がより少なくなる研磨剤が用いられる。具体的には、例えば、粗研磨工程で用いた研磨剤より、粒子径が低いシリカ系の砥粒(コロイダルシリカ)を含む研磨剤等が挙げられる。このシリカ系の砥粒の平均粒子径としては、20nm程度であることが好ましい。そして、前記研磨剤を含む研磨スラリー液をガラス素板に供給し、研磨パッドとガラス素板とを相対的に摺動させて、ガラス素板の表面を鏡面研磨する。
<ガラス素板組成>
まず、ガラス素板の各成分についてさらに詳述する。
まず、SiO、Al、及びBが、ガラス素板の骨格成分である。また、LiO、NaO、及びKOが、ガラス素板のアルカリ成分である。MgO、CaO、BaO、SrO、及びZnOが、ガラス素板のアルカリ土類成分である。
次に、ガラス素板の骨格成分について説明する。
本実施形態で使用するガラス素板の骨格成分としては、上記のように、SiOが58〜70質量%、Alが12〜18質量%、Bが0〜3質量%(ただし、0を含む)であって、それらの合計、すなわちSiOとAlとBとの合計が72〜85質量%である。
SiOは、ガラスの骨格(マトリックス)を形成する成分である。SiOの含有量が少なすぎると、ガラスの構造が不安定となり化学的耐久性が劣化するとともに、溶融時の粘性特性が悪くなり成形性に支障を来す場合がある。また、SiOの含有量が多すぎると、溶融性が悪くなり生産性が低下するとともに、充分な剛性が得られなくなる場合がある。そこで、SiOの含有量としては、58〜70質量%であることが好ましい。
Alも、ガラスの骨格を形成する成分であり、ガラスの耐久性向上や強度および表面硬度の向上に資するものである。Alの含有量が少なすぎると、磁気情報記録媒体用ガラス基板としてその耐久性および強度が充分ではない場合がある。また、Alの含有量が多すぎると、ガラスの失透傾向が強まり、安定したガラス形成が困難である場合がある。そこで、Alの含有量としては、12〜18質量%であることが好ましい。
は、溶融性を改善し生産性を向上させるとともに、ガラスの骨格中に入りガラス構造を安定化させ、化学的耐久性を向上させる効果を奏する。しかしながら、Bは、溶融時に揮発しやすく、ガラス成分比率が不安定になりやすい傾向がある。また、強度を低下させるため硬度が低くなり、ガラス基板に傷が入りやすくなるとともに、破壊靭性値が小さくなり、基板が破損しやすい傾向を示す。これらの理由から、Bの含有量は、3質量%以下にすることが好ましい。また、Bを含まない組成とすること可能である。上記において、Bの含有量0〜3質量%における0質量%とは、Bを含まない態様を含み得ることを意味する。なお、本出願書類のガラス組成における「0質量%」の表記は、これと同意であり、その成分を含まない態様を含み得ることを意味する(以下、同様の表記において同意とする)。
そして、SiOとAlとBとの合計量w(FMO)が、70〜85質量%であることが好ましい。これは、ガラスの構造を安定化させるためである。この合計量が少なすぎると、ガラス構造が不安定化する傾向がある。また、この合計量が多すぎると、溶融時の粘性特性が悪化し生産性が低下する傾向がある。
次に、ガラス素板のアルカリ成分について説明する。
本実施形態で使用するガラス素板のアルカリ成分としては、上記のように、LiOが1〜8質量%、NaOが2〜13質量%、KOが0.2〜2質量%であって、それらの合計、すなわちLiOとNaOとKOとの合計が3.2〜23質量%である。
LiOは、アルカリ金属元素の中でも特異な性質を有しており、ガラスの溶解性を改善する作用を有しつつ、ガラスの構造におけるイオン充填率を向上させることでヤング率を大きく向上させる効果を有している。LiOの含有量が、少なすぎると、溶解性の改善およびヤング率の向上に対して充分な効果を発揮させることができない傾向がある。また、LiOの含有量が、多すぎると、上述したように、情報記録媒体の記録層の表面に非常に微小かつ薄い反応析出物のトリガーとなる場合がある。そこで、LiOの含有量としては、1〜8質量%であることが好ましい。
NaOは、ガラスの溶融温度を低下させる作用を有し、線膨張係数を増大させる効果を奏する。さらに、化学強化工程における化学強化の効果に大きく影響を与える成分であると考えられる。すなわち、NaOの含有量が少なすぎると、充分に溶融温度を低下させることができない傾向があるだけではなく、化学強化工程により充分に強度を高めることができない傾向がある。また、NaOの含有量が多すぎると、その溶出量が増大し記録層に悪影響を及ぼす場合がある。そこで、NaOの含有量としては、2〜13質量%であることが好ましい。なお、この含有量は、一般的なガラス基板における含有量より多いものである。
Oは、ガラスの溶融温度を低下させる作用を有し、線膨張係数を増大させる効果を奏する。KOの含有量が少なすぎると、充分に溶融温度を低下させることができない傾向がある。また、KOの含有量が多すぎると、その溶出量が増大し記録層に悪影響を及ぼす場合があるだけではなく、化学強化工程により充分に強度を高めることができない傾向がある。このことは、化学強化工程が、NaOのナトリウムイオンの代わりにカリウムイオンに置き換わることによって、強化層が形成されると考えられ、この交換を阻害することによると考えられる。そこで、KOの含有量としては、0.2〜2質量%であることが好ましい。
そして、LiOとNaOとKOとの合計量w(R2O)が、3.2〜23質量%であることが好ましい。この合計量が少なすぎると、充分に溶融温度を低下させることができない傾向があり、また、この合計量が少ないと、NaOの含有量も少ないことになり、化学強化が充分に発揮しにくい傾向がある。また、この合計量が多すぎると、その溶出量が増大し記録層に悪影響を及ぼす場合がある。
また、ガラス素板のアルカリ土類成分であるMgO、CaO、BaO、SrO、及びZnOは、熱膨張係数や剛性等を高めるとともに溶融性を改善する効果を奏する。MgOとCaOとBaOとSrOとZnOとの合計量w(MgO+CaO+BaO+SrO+ZnO)が1〜10質量%であることが好ましい。この合計量が少なすぎると、剛性を上げると共に溶融性を改善する効果が充分ではない傾向がある。また、この合計量が多すぎると、ガラス構造が不安定となり溶融生産性が低下するとともに化学的耐久性が低下する傾向がある。
また、ガラス素板としては、上記以外の成分を含有してもよい。具体的には、例えば、ZrOや酸化セリウムを含有してもよい。そして、ZrOの含有量としては、0〜5質量%であることが好ましい。また、酸化セリウムの含有量としては、0〜2質量%が好ましい。なお、酸化セリウムは、酸化セリウムを含有する研磨剤を用いて、ガラス素板を研磨する際、微細な凹凸の発生を抑制する効果を有する。
そして、上記実施形態に係る磁気情報記録媒体用ガラス基板の製造方法により製造された磁気情報記録媒体用ガラス基板を用いた磁気記録媒体について説明する。
図8は、本実施形態に係る磁気情報記録媒体用ガラス基板の製造方法により製造された磁気情報記録媒体用ガラス基板を用いた磁気記録媒体の一例である磁気ディスクを示す一部断面斜視図である。この磁気ディスクDは、円形の磁気情報記録媒体用ガラス基板101の主表面に形成された磁性膜102を備えている。磁性膜102の形成には、公知の常套手段による形成方法が用いられる。例えば、磁性粒子を分散させた熱硬化性樹脂を磁気情報記録媒体用ガラス基板101上にスピンコートすることによって磁性膜102を形成する形成方法(スピンコート法)や、磁気情報記録媒体用ガラス基板101上にスパッタリングによって磁性膜102を形成する形成方法(スパッタリング法)や、磁気情報記録媒体用ガラス基板101上に無電解めっきによって磁性膜102を形成する形成方法(無電解めっき法)等が挙げられる。
磁性膜102の膜厚は、スピンコート法による場合では、約0.3〜1.2μm程度であり、スパッタリング法による場合では、約0.04〜0.08μm程度であり、無電解めっき法による場合では、約0.05〜0.1μm程度である。薄膜化および高密度化の観点から、スパッタリング法による膜形成が好ましく、また、無電解めっき法による膜形成が好ましい。
磁性膜102に用いる磁性材料は、公知の任意の材料を用いることができ、特に限定されない。磁性材料は、例えば、高い保持力を得るために結晶異方性の高いCoを基本とし、残留磁束密度を調整する目的でNiやCrを加えたCo系合金等が好ましい。より具体的には、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPtCr、CoNiPt、CoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtB、CoCrPtSiO等が挙げられる。
磁性膜102は、ノイズの低減を図るために、非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、CrV等)で分割された多層構成(例えば、CoPtCr/CrMo/CoPtCr、CoCrPtTa/CrMo/CoCrPtTa等)であってもよい。磁性膜102に用いる磁性材料は、上記磁性材料の他、フェライト系や鉄−希土類系であってもよく、また、SiO、BN等からなる非磁性膜中にFe、Co、FeCo、CoNiPt等の磁性粒子を分散した構造のグラニュラー等であってもよい。また、磁性膜102への記録には、内面型および垂直型のいずれかの記録形式が用いられてよい。
また、磁気ヘッドの滑りをよくするために、磁性膜102の表面には、潤滑剤が薄くコーティングされてもよい。潤滑剤として、例えば液体潤滑剤であるパーフロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶媒で希釈したものが挙げられる。
さらに必要により磁性膜102に対し下地層や保護層が設けられてもよい。磁気ディスクDにおける下地層は、磁性膜102に応じて適宜に選択される。下地層の材料として、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、Ni等の非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料が挙げられる。例えば、Coを主成分とする磁性膜102の場合には、下地層の材料は、磁気特性向上等の観点からCr単体やCr合金であることが好ましい。
また、下地層は、単層とは限らず、同一または異種の層を積層した複数層構造であってもよい。このような複数層構造の下地層は、例えば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、NiAl/CrV等の多層下地層が挙げられる。磁性膜102の摩耗や腐食を防止する保護層として、例えば、Cr層、Cr合金層、カーボン層、水素化カーボン層、ジルコニア層、シリカ層等が挙げられる。これら保護層は、下地層および磁性膜102と共にインライン型スパッタ装置で連続して形成することができる。また、これら保護層は、単層としてもよく、あるいは、同一または異種の層からなる複数層構成であってもよい。
なお、上記保護層上に、あるいは、上記保護層に代えて、他の保護層が形成されてもよい。例えば、上記保護層に代えて、Cr層の上にSiO層が形成されてもよい。このようなSiO層は、Cr層の上にテトラアルコキシシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成することによって形成される。
このような本実施形態における磁気情報記録媒体用ガラス基板101を基体とした磁気記録媒体は、磁気情報記録媒体用ガラス基板101が上述した組成により形成されるので、情報の記録再生を長期に亘り高い信頼性で行うことができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
ガラス基板を用い、フロート法を用いてガラス基板を作製し、図3(b)に記載の方法に順じ、円盤加工工程、両面研削工程、両面研磨工程、化学強化処理工程、最終洗浄工程を施し、ガラス基板の製造を1000枚行った。なお、化学強化処理工程において、ガラス基板主面の圧縮応力層が30μmとなるように製造した。
そして、各基板の位相差を測定した。
次いで、前記ガラス基板に対して、5℃・50%RH×30分、80℃・90%RH×30分を1サイクルとして500サイクルのヒートショック試験を行った。
(エラー収率試験)
以上のように製造された1000枚のガラス基板に磁性膜を製膜後、ハードディスクに搭載した際にエラーの発生率を求め、その各発生率による位相差との関係を図9に記した。
以下のエラー判定においては、エラー発生率が5%以上の場合は、性能上許容できないものとして×として表す。エラー発生率が5%未満であれば△と表し、エラー発生率が、3%未満であれば○、エラー発生率が1%未満であれば◎とする。
上記実施例1の評価を行った結果を表1に示す。
Figure 2013012260
(実施例2)
ガラス基板を用い、フロート法を用いてガラス基板を作製し、図3(c)の方法に準じて(但し、1回目の位相差測定は行わず)、円盤加工工程、両面研削工程、化学強化処理工程、洗浄工程、両面研磨工程、最終洗浄工程を施し、ガラス基板の製造を1000枚行った。なお、化学強化処理工程後の両面研磨工程において、ガラス基板主面の圧縮応力層が10μmとなるように製造した。
そして、各基板の位相差を測定した。
次いで、前記ガラス基板に対して、5℃・50%RH×30分、80℃・90%RH×30分を1サイクルとして500サイクルのヒートショック試験を行った。
(エラー収率試験)
以上のように製造された1000枚のガラス基板を製膜後、ハードディスクに搭載した際にエラーの発生率を求め、その各発生率による位相差との関係を図10に記した。
上記実施例2の評価を行った結果を表2に示す。
Figure 2013012260
以上の結果により、位相差の最大値が5nm未満となるガラス基板を選別することで、圧縮応力層の厚みが10μmの場合であっても、30μmの場合であっても、エラー発生率を5%未満とすることができた。
また、エラー収率を3%未満とする為には、圧縮応力層が30μmのガラス基板の場合には、位相差の最大値は4nm未満であるものを選定すればよいことが明らかとなった。また、圧縮応力層が10μmのガラス基板の場合には、位相差の最大値は3nm未満であるものを選定すればよいことが明らかとなった。
1 ガラス板
2 ゴブ
3 下型
4 上型
5 流出パイプ
6 溶融ガラス
7 切断刃
8,9 切筋
10 ガラス基板
11 研削機
12 上定盤
13 下定盤
14 固定砥粒
15 ガラスカッター
16 ポンプ
101 磁気情報記録媒体用ガラス基板

Claims (5)

  1. 化学強化工程によって表層に圧縮応力層が付与されたHDD用ガラス基板を検品・選別する工程において、
    前記HDD用ガラス基板の径方向において、中心孔の径端から0.5mmの位置から、前記HDD用ガラス基板の外径端から0.5mmの位置までの位相差の最大値が、5.0nm未満であるものを選択することを特徴とするHDD用ガラス基板の検品・選別方法。
  2. 化学強化工程によって表層に20μm以上の圧縮応力層が付与されたHDD用ガラス基板の検品・選別方法において、
    前記位相差の最大値が、4.0nm未満であるものを選択することを特徴とする請求項1に記載のHDD用ガラス基板の検品・選別方法。
  3. 化学強化工程によって表層に20μm未満の圧縮応力層が付与されたHDD用ガラス基板を検品・選別する工程において、
    前記位相差の最大値が、3.0nm未満であるものを選択することを特徴とする請求項1に記載のHDD用ガラス基板の検品・選別方法。
  4. 化学強化工程によって表層に20μm以上の圧縮応力層が付与されたHDD用ガラス基板の検品・選別することを特徴とする請求項1に記載のHDD用ガラス基板の検品・選別方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のHDD用ガラス基板の検品・選別方法により選択されたガラス基板にのみ磁性層を設けることを特徴とするHDD用情報記録媒体の製造方法。
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