JP2013012134A - 手書き入力機能付表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】手書き文字、および手書き線画を表示し得る表示部と、前記表示部に触れられた位置が時間とともに移動するときその位置を手書き軌跡として検出する検出部と、前記検出部および前記表示部を制御し、前記手書き軌跡に対応する線を前記表示部に表示させかつジェスチャーとして予め定められたパターンとその手書き軌跡が一致すると判断したとき、そのジェスチャーに対応付けられた処理を実行する制御部とを備え、前記制御部は、手書き軌跡が新たに検出されたとき、その手書き軌跡が、消去ジェスチャーのパターンと一致すると判断したときにその手書き軌跡に重なる線を消去し、異なるパターンであると判断したときは、前記手書き軌跡に重なる線を表示させることを特徴とする手書き入力機能付表示装置。
【選択図】図4
Description
例えば、携帯情報端末の発展形ともいえるスマートフォンや電子書籍端末への用途がある。また、従来のポスターや看板の発展形ともいえるインフォメーションあるいはデジタルサイネージへの用途がある。さらに、タッチパネル等を備えた大型の表示装置を用いた、いわゆる電子黒板の発展形といえるシステムが提案されている。
このような手書き入力では、表示部に触れられた箇所に対応した線を表示させて、ユーザーの入力が受付けられたことを示すことが通常である。さらに、書き間違いがあった場合に消去または修正を行うための、いわゆる消しゴム機能を備えるのが通常である。しかし、この消しゴム機能を使うために、従来は入力のモードを切り換える必要があった。
また、表示部に触れられた領域の大きさを検出し、入力用の専用ペンのペン先の大きさより大きい場合は、ペンとして線を描く機能から消しゴムとして線を消去する機能に切り換える技術がある。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、直感的かつ簡便な操作で表示部に表示された線の消去をユーザーが指示できる表示装置を提供するものである。
また、手書き線画は、ユーザーがフリーハンドで入力した線で構成される画像である。表示部に表示される態様が、ユーザーがフリーハンドで描いた通りの線か、あるいはゆがみの補正などある程度整形を行って表示される線であるかを問わない。
また、検出部は、表示部に触れられたことおよび触れられた箇所を検出し、前記箇所の経時的変化を検出するものである。その具体的な態様は、例えば、タッチパネルセンサとその信号を処理する処理回路である。検出の原理は静電式、光学式などの方式を問わない。
また、軌跡に対応する箇所とは、具体的には、表示部が縦横に並ぶ複数の画素から構成されるとき、表示部に触れられた箇所に該当する画素を指す。軌跡は表示部に触れられた箇所が時間とともに移動した跡といえる。しかし、一つの画素がカバーする領域は微少であるため、ある時点において触れられた箇所には複数の画素が対応する。さらに、その箇所が時間と共に移動した跡としての軌跡には、より多くの画素が対応する。
前記制御部は、前記手書き軌跡が描き始めてから描き終えるまでの期間が所定の時間内であるときに限りその手書き軌跡が消去ジェスチャーのパターンと一致するかを判断し、所定時間内に描かれていないときは消去ジェスチャーとしないようにしてもよい。このようにすれば、消去ジェスチャーとパターンが一致し、かつ、その線が描かれてから所定の時間内に描かれたものであると判断したときにその線を消去することができる。即ち、形態的、時間的条件を組みあわせた判定により通常の書き込みと判別しているので、よりユーザーの意図に沿った処理が実現される。
前記消去ジェスチャーのパターンは、所定数以上の折り返しを有する屈曲線であってもよい。このようにすれば、従来の黒板や白板と同様、消したい部分の表示部を指でこするという操作を一筆書きされた屈曲線、即ち、折り返し点を含む折り返し線として検出し、消去ジェスチャーと判断することができる。即ち、従来の白板や黒板に描かれた線を消そうとするときは通常、その線が既に描かれている白板や黒板のうえを鋸歯状の屈曲線を描くようにユーザーがこするところ、制御部は、そのようなユーザーによる直感的あるいは反射的な操作の検出に応答して、ユーザーの意図に沿った線の消去を行うことができる。
この発明の好ましい態様は、ここで示した複数の態様のうち何れかを組み合わせたものも含む。
≪表示装置の構成≫
図1は、この発明の表示装置の外観を示す説明図である。図1に示すように、この発明の表示装置11は、表示部としての液晶ディスプレイ13、液晶ディスプレイ13上に配置された検出部としてのタッチパネル15を備える。さらに、液晶ディスプレイ13を指示するスタンド17、制御部および記憶部としてのコントロール・ユニット(図1に図示せず)を備える。前記コントロール・ユニットは、液晶ディスプレイ13の背面に配置されている。
図2は、図1に示す表示装置11の電気的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、表示装置11は、液晶ディスプレイ13、タッチパネル15、制御部19および記憶部21を備える。制御部19のハードウェア構成としては、記憶部21に格納された制御プログラムを実行するCPU、前記CPUのワークエリアを提供するRAMおよび液晶ディスプレイ13への映像信号を生成する表示制御回路を含んでなる。さらに、液晶ディスプレイ13およびタッチパネル15との間の信号が接続される入出力回路やタイマーを含んでなる。記憶部21のハードウェア構成は、前記CPUが実行すべき制御プログラム、ジェスチャーに係るパターンと処理の定義および液晶ディスプレイ13の表示データ、その他のデータを格納する不揮発性メモリである。
図3および図4は、制御部19がユーザーの操作に応じて液晶ディスプレイ13に表示させる内容の例を示す説明図である。図3および図4に示すように、液晶ディスプレイ13の表示領域は、ツールバー33と作業領域35に大別される。ツールバー33は、表示装置が受付ける指示が複数のボタンとして表示されている。前記ボタンの例は次のとおりである。電子黒板としてのアプリケーションの終了を指示する「終了」ボタンがある。また、電子黒板アプリケーションのファイルを開く「開く」ボタンがある。さらに、前記ファイルを保存する「保存」ボタンがある。そして、線を描く「ペン」ボタンがある。さらに、描かれた線を消す「消しゴム」ボタンがある。また、描かれたオブジェクトを選択する「選択」ボタンがある。そして、作業領域35を印刷する「印刷」ボタンがある。また各種設定を行うための「設定」ボタンがある。ユーザーにより各ボタンがタッチされると、制御部19は、タッチパネル15の検出信号に基づいてタッチされたボタンを認識し、そのボタンに対して予め定義された指示を実行する。
ジェスチャーと一致する場合、制御部19は、そのジェスチャーに対して予め定義された処理を実行する。ジェスチャーの一例は、後述するように線の消去である。一方、手書き軌跡がどのジェスチャーとも一致しない場合、制御部19は、手書き軌跡に対応する線を液晶ディスプレイ13に表示させるように制御する。その結果、手書きの線として文字が描かれる。好ましくは、制御部19は、各線すなわち各手書き軌跡をオブジェクトとして記憶部21にそれぞれ格納する。
図3の(a)は、制御部19が、手書き軌跡に対応する手書きの文字を作業領域35に表示させた例を示している。(b)は、ユーザーがさらに「と」の文字を書いた状態を示している。このときユーザーは、最後に書いた「と」の文字は誤りであることに気づいたものとする。勿論、「消しゴム」ボタンにタッチした後に「と」の文字を拭けば、制御部19はその部分を消去する。しかしこの場合、ユーザーは、慌てて「消しゴム」ボタンにタッチすることなく「と」の文字を拭いたものとする。
なお、ユーザーの選択によっていずれかの態様を選択できるようにしてもよい。選択を行う手段としては、次のものが考えられる。ツールバー33中の「設定」ボタンがタッチされると、それに応答して制御部19は、設定メニューを実行する。その設定メニューに、前記選択を受付けるメニューが用意されている。ユーザーが、作業領域35に表示されるメニューの画面を見ながら選択を行うと、制御部19は、タッチパネル15からの検出信号に基づいてユーザーの選択を認識する。ユーザーの指示により設定メニューを終了した後、制御部19は、選択された態様に従って消去の処理を行う。
図5〜図8は、制御部19が実行する処理を示すフローチャートである。フローチャートに沿って、処理の手順を説明する。なお、フローチャートは、同時に触れられる箇所が1箇所のみの態様を示しているが、これを複数箇所に拡張する場合は、図5〜図8の処理をそれらの箇所の数だけ並列に処理すればよい。また、フローチャートはこの発明の特徴を分かり易くするために描画処理のみを逐次処理的に記載しているが、制御部19は、ツールバー33のボタンが押されたか否かのモニタ等、他の処理をマルチタスクで行っている。
新たな線が描かれ始めたと判断すると(ステップS11のYes)、次に制御部19は、折り返し線が描かれるとき、折り返し点で区分される線数を数えるための変数nに初期値として1をセットする(ステップS13)。変数nは、ワークエリアを提供するRAMに、特定の記憶領域として確保される。そして、折り返し線が描かれるときに描画の開始から終了までの時間を得るためのタイマーをスタートさせる(ステップS15)。
さらに制御部19は、前記ステップS11の判断を行った時点でタッチパネルから得た検出信号に基づいて、タッチされた位置を求める(ステップS17)。その位置を、始点座標として記憶部21に格納する(ステップS19)。
また、前述のステップS29で、変数nの値が3であると判断した場合、制御部19は、以下の処理を実行する。まず、現在の座標を、終点座標として記憶部に格納する(ステップS40)。そして、終点座標を最初のスイッチバックの時点で記憶部21に格納されている折り返し点座標の位置と比較する(ステップS41)。この比較は、前述のステップS35に対応している。もし、終点座標が折り返し点座標から所定の範囲内になく、離れた位置であれば、消去ジェスチャーに該当しないと判断し(ステップS41のNo)、ルーチンは前述のステップS21へ戻る。即ち、消去ジェスチャーでないと判断し、手書き軌跡を得る処理を継続する。
一方、所定時間内であれば、制御部19は、現在の座標を終点座標として記憶部21に格納する(ステップS44)。次に制御部19は、始点座標と終点座標の間の距離を求め、所定の距離と比較する。所定距離未満の場合(ステップS45のNo)、消去ジェスチャーが楕円状であると判断する。そして、ルーチンは図8のステップS53へ進む。前記所定距離は、例えば、始点と終点の距離の10%といったように予め定めておけばよい。
ステップS49で、制御部19は、始点と折り返し点を結んでこれまで描かれた手書き軌跡に属する領域を抽出する。前記領域の具体的な抽出のやり方はいくつかの態様が考えられる。これについては、後述する。制御部19は、抽出された領域に描かれている線を消去する。即ち、前記手書き軌跡を削除し、さらに、その手書き軌跡と交わるように描かれた線を消去する(ステップS51)。そして、ルーチンはステップS11へ戻る。
領域の大きさの差異が閾値以内かを判断する(ステップS57)。
ここでは、手書き軌跡が消去ジェスチャーであると判断した場合、制御部19が消去すべき線を決定するいくつかの態様を説明する。
まず、折り返し線状の消去ジェスチャーの場合について説明する。
制御部19は、前述した図7のステップS49で述べたように、手書き軌跡がカバーする領域を抽出する。この領域を決定する第1の態様は、2つの折り返し点で区分される3本の線が重なる部分を前記領域として抽出するものである。つまり、3回ともなぞった部分を抽出する態様である。
何れの態様を適用するかを、ユーザーが設定メニューを用いて選択できるようにしてもよい。
制御部19が消去対象を決定するに際して、いくつかの態様が挙げられる。第1の態様は、前記ステップS49の処理で抽出された領域と交わる部分の画素みを消去する態様である。
ただし、この態様によれば、一文字が複数の孤立した線(連結成分)で構成される場合は文字の一部が消去される。
これら第1〜3の態様の何れを適用するかを、ユーザーが設定メニューを用いて選択できるようにしてもよい。
制御部19は、前述した図8のステップS59で、楕円に囲まれた領域を抽出する。この際、手書き軌跡の始点と終点が少し離れており完全な閉鎖領域が形成されていなくても、それを結ぶ直線または曲線で補完して閉鎖領域を決定する。また、楕円の最も外側の領域により構成される閉鎖領域を、前記領域の境界とすればよい。異なる態様として、最も内側の領域により構成される閉鎖領域を前記領域の境界とすることもできる。何れを適用するかを、ユーザーが設定メニューを用いて選択できるようにしてもよい。
これまでに述べた実施形態の変形例を幾つか挙げておく。
まず、消去ジェスチャーの折り返し点は2つに限定されず、3つや4つなど異なる自然数であってもよい。折り返し点の数をユーザーが設定できるようにしてもよい。
また、制御部19は、消去ジェスチャーと判断された手書き軌跡と交わる線が、いずれも手書き軌跡が描かれた時点から遡って所定時間より前に描かれたものである場合、手書き軌跡を消去ジェスチャーでないと判断し、通常の書き込みとして扱うようにしてもよい。これは、線を描いた直後にそれを消そうとしてとっさにその線の上をなぞったアクションでないと判断するためである。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
13:液晶ディスプレイ
15:タッチパネル
17:スタンド
19:制御部
21:記憶部
19a:表示制御部
19b:入力検出部
21a:入力座標記憶部
21b:図形描画情報記憶部
21c:時間記憶部
31:手指
33:ツールバー
35:作業領域
37:カバー領域
Claims (7)
- 手書き文字、および手書き線画を表示し得る表示部と、
前記表示部に触れられた位置が時間とともに移動するときその位置を手書き軌跡として検出する検出部と、
前記検出部および前記表示部を制御し、前記手書き軌跡に対応する線を前記表示部に表示させかつジェスチャーとして予め定められたパターンとその手書き軌跡が一致すると判断したとき、そのジェスチャーに対応付けられた処理を実行する制御部とを備え、
前記ジェスチャーは、表示部に既に表示されている線を消去する消去ジェスチャーを含み、
前記制御部は、手書き軌跡が新たに検出されたとき、
その手書き軌跡が、消去ジェスチャーのパターンと一致すると判断したときにその手書き軌跡に重なる線を消去し、前記手書き軌跡が消去ジェスチャーと異なるパターンであると判断したときは、前記手書き軌跡に重なる線を表示させることを特徴とする手書き入力機能付表示装置。 - 前記制御部は、前記手書き軌跡が描き始めてから描き終えるまでの期間が所定の時間内であるときに限りその手書き軌跡が消去ジェスチャーのパターンと一致するかを判断し、所定時間内に描かれていないときは消去ジェスチャーとしない請求項1に記載の表示装置。
- 前記消去ジェスチャーのパターンは、所定数以上の折り返しを有する屈曲線である請求項1または2に記載の表示装置。
- 前記検出部は、太さを有する手書き軌跡を検出し、
前記制御部は、前記手書き軌跡と重なると判断された線のうち、前記太さを有する手書き軌跡と重なる部分を消去し重ならない部分は消去しない請求項1〜3のいずれか一つに記載の表示装置。 - 前記制御部は、前記手書き軌跡と重なると判断された部分に連結する線の全体を消去する請求項1〜3のいずれか一つに記載の表示装置。
- 前記検出部は、太さを有する手書き軌跡を検出し、
前記制御部は、前記手書き軌跡と重なると判断された線のうち、前記太さを有する手書き軌跡と重なる部分を消去し重ならない部分は消去しない態様か、あるいは、前記手書き軌跡と重なると判断された部分に連結する線の全体を消去する態様かの選択を受付け、選択された態様で線を消去する請求項1〜3のいずれか一つに記載の表示装置。 - 前記制御部は、前記手書き軌跡が描き始められてから描き終えられるまでの時間が、予め定められた期間より短いときに限ってその手書き軌跡が消去ジェスチャーと一致するかを判断し、前記期間より長いときは前記手書き軌跡に対応する箇所に線を表示させる請求項1〜6のいずれか一つに記載の表示装置。
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