JP2013010164A - 電動ハンド制御装置およびその制御方法 - Google Patents

電動ハンド制御装置およびその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】停電時にも把持力を失うことなく、把持の柔軟性と把持力の正確な検出とを両立させつつ、電動ハンドの移動時でも把持対象物の落下が低減される電動ハンド制御装置およびその制御方法を提供する。
【解決手段】把持力補正部65は、記憶部63から取得した電動ハンドの移動方向および加速度を用いて、把持部材による把持対象物の把持力を落下制限把持力Fcに補正する。また、把持力判断部66は、この把持力補正部65で補正された落下制限把持力Fcが、記憶部63に記憶されている破壊把持力Fdよりも小さいか否かを判断する。位置制御部67は、把持力判断部66で落下制限把持力Fcが破壊把持力Fdよりも小さいと判断されたとき、把持部材を駆動する。これにより、把持部材の把持力は、電動ハンドが移動する前に、電動ハンドの移動にともなって加わる加速度を考慮した大きさに変更される。
【選択図】図4

Description

本発明は、モータにより一対の把持部材を開閉動作させて把持対象物を把持する電動ハンドの制御装置およびその制御方法に関する。
モータにより一対の把持部材を開閉動作させる電動ハンドとしては、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に開示されている電動ハンドは、ステッピングモータ、回転軸、直動部材、開閉機構および伝動軸などを備えている。回転軸は、ステッピングモータの出力軸に直結され先端にねじ部を有している。直動部材は、この回転軸のねじ部と噛み合うねじを有している。開閉機構は、一対の把持部材に開閉動作を行わせる。伝動軸は、直動部材の駆動力を開閉機構に伝動する。この伝動軸は、直動部材に対して一定距離だけ移動可能であり、把持部材に対して把持動作を行わせる方向へばねで押し付けられて直動部材に組み付けられている。これにより、把持部材が把持対象物を把持するとき、把持対象物はこのばねを利用して把持部材に把持される。この特許文献1の電動ハンドの場合、把持部材が把持対象物を把持するとき、ばねの力で把持対象物を把持した状態となる。そのため、停電によってステッピングモータに電力が供給されていないときでも、把持力を保持することができる。
ところで、破損が生じやすい把持対象物の場合、電動ハンドは、適度な柔軟性が要求される。一方、柔軟性を有する電動ハンドの場合、柔軟な電動ハンドは容易に変形する。そのため、柔軟性を有する電動ハンドの場合、一対の把持部材の移動量の正確な把握が困難となる。また、柔軟性を有する電動ハンドの場合、電動ハンドの移動や移動の停止にともなって加速度が加わると、把持力に変化が生じ、把持していた把持対象物の落下を招くおそれがある。そのため、把持対象物が破損しやすい場合、把持の柔軟性と把持力の正確な検出とを両立させつつ、電動ハンドの移動時に把持力を適切に補正する必要がある。
特開2001−113486号公報
そこで、本発明の目的は、停電時にも把持力を失うことなく、把持の柔軟性と把持力の正確な検出とを両立させつつ、電動ハンドの移動時でも把持対象物の落下が低減される電動ハンド制御装置およびその制御方法を提供することにある。
請求項1または3記載の発明では、把持力補正手段は、記憶手段に記憶されている電動ハンド移動時の加速度を取得して、取得した加速度から把持対象物を把持する把持力を落下制限把持力に補正している。電動ハンドは、直動部材と連結部材との間に弾性部材を備えている。この弾性部材は、直動部材と連結部材とが接近するとき圧縮され、直動部材と連結部材との離間によって伸張する。このように、直動部材と連結部材との間に弾性部材を設けることにより、把持部材から把持対象物へ加わる力の一部は弾性部材の変形によって吸収される。したがって、把持対象物が破損しやすい場合でも、把持対象物を柔軟に把持することができる。
そして、請求項1または3記載の発明では、直動部材と連結部材との間の相対的な移動距離を検出する変位量センサを備えている。把持部材の把持力は、弾性部材の変位に相関する。すなわち、把持部材の把持力は、直動部材と連結部材との間に挟み込まれる弾性部材に加わる力と一致する。そのため、把持力は、弾性部材の変位量を検出することにより、弾性部材のばね定数に基づいて算出される。この弾性部材の変位は、変位量センサで検出した直動部材と連結部材との相対的な移動距離に基づいて取得される。したがって、直動部材と連結部材との間に弾性部材を挟み込むことにより把持対象物の柔軟な把持を図りつつ、把持対象物に加わる把持力を正確に検出することができる。
ところで、電動ハンドの移動にともなって電動ハンドに加速度が加わると、弾性部材は加わる加速度によって圧縮または伸張する。ここで、加速度とは、移動開始時における正方向の加速度、および移動終了時つまり停止時における負方向の加速度を含むものとする。このように弾性部材が圧縮または伸張すると、把持部材の位置に変化が生じ、把持対象物を把持する把持部材の把持力にも変化が生じる。これにより、把持の柔軟性を持たせるために弾性部材を設けると、電動ハンドに加速度が加わったとき、加わった加速度によって弾性部材は変形する。その結果、弾性部材の変形に応じて把持部材の把持力が変化し、把持部材の把持力が不足して把持対象物が落下するおそれがある。
そこで、請求項1または3記載の発明では、把持力補正手段は、記憶手段に記憶されている加速度を取得する。この加速度は、予め設定された電動ハンドの移動工程に基づいて、電動ハンドの移動時に電動ハンドに加わる加速度として設定されている。把持力補正手段は、記憶手段から取得した加速度を用いて、落下制限把持力に補正する。落下制限把持力は、電動ハンドに加速度が加わっても、把持対象物の落下が制限される把持力である。すなわち、把持力補正手段は、取得した加速度から、この加速度が電動ハンドに加わっても把持対象物の落下が制限される把持力を落下制限把持力として算出する。そして、把持力判断手段は、この把持力補正手段で補正された落下制限把持力が、記憶手段に記憶されている破壊把持力よりも小さいか否かを判断する。この破壊把持力は、把持対象物が破壊に至る把持力であり、把持対象物に固有の値である。そのため、破壊把持力は、把持対象物が決定すると、この把持対象物に固有の値として記憶手段に記憶されている。一方、把持力補正手段で補正した落下制限把持力がこの破壊把持力を超えると、把持対象物は破壊を招くおそれがある。すなわち、落下制限把持力が破壊把持力を超えると、電動ハンドに加速度が加わった際に、把持対象物の落下は制限できても、把持対象物の破壊を招くことになる。そこで、把持力判断手段は、把持力補正手段で補正した落下制限把持力が破壊把持力よりも小さいか否かを判断する。
位置制御手段は、把持力判断手段で落下制限把持力が破壊把持力よりも小さいと判断されたとき、把持部材を駆動する。具体的には、位置制御手段は、モータを駆動して、把持力が落下制限把持力に相当する位置まで把持部材を移動させる。このとき、位置制御手段は、変位量センサで弾性部材の変位量を参照しながら把持部材を移動させる。これにより、把持部材の把持力は、電動ハンドが移動する前に、電動ハンドの移動にともなって加わる加速度を考慮した大きさに変更される。したがって、把持対象物を柔軟に把持する場合に、電動ハンドの移動時であっても、把持対象物の落下を低減することができる。
請求項2記載の発明では、停止手段は、把持力判断手段で落下制限把持力が破壊把持力以上であると判断されたとき、電動ハンドの作動を停止する。これにより、補正した落下制限把持力が破壊把持力以上であるとき、把持部材は把持力を変更しない。したがって、電動ハンドに加わる加速度によって把持力が変更されたときでも、把持対象物の破壊を低減することができる。
一実施形態による電動ハンドにおいて閉じ方向で把持する場合を示す図であり、(a)は断面図、(b)は(a)のア−ア線に沿う断面図 一実施形態による電動ハンドにおいて開き方向で把持する場合を示す図であり、(a)は断面図、(b)は(a)のイ−イ線に沿う断面図 図1の要部を拡大した断面図 一実施形態による電動ハンド制御装置の概略的な構成を示すブロック図 一実施形態による電動ハンドの制御の流れを示す概略図
以下、一実施形態による電動ハンドをロボットのアームの先端に取り付けた例について図面に基づいて説明する。なお、本実施形態にいうロボットは、直角座標型ロボット、垂直多関節型ロボット、水平多関節型ロボットのほか、一本のレールに移動体を往復移動可能に設け、この移動体に直動軸としてのアームを移動体の移動方向と直交する方向に移動可能に設けた構成も含むものとする。
図1は、電動ハンドの全体を示している。電動ハンドは、例えばサーボモータ1を電動駆動源としている。このサーボモータ1の回転は、一本の回転軸2に伝達される。回転軸2の回転運動は、変換手段によって一対の直動部材3および直動部材4の直線運動に変換される。つまり、回転軸2が一方向へ回転するとき、一対の直動部材3および直動部材4は互いに接近する方向へ直線的に移動する。これに対し、回転軸2が上記一方向と逆の他方向へ回転するとき、一対の直動部材3および直動部材4は互いに離間する方向へ直線的に移動する。これにより、一対の直動部材3および直動部材4は、一対の把持部材を開閉駆動する。なお、一対の直動部材3および直動部材4は、本実施形態のように直動部材3と直動部材4とが同期して移動する構成としてもよく、固定されたいずれか一方の直動部材3に対し他方の直動部材4のみが移動する構成としてもよい。
一実施形態による電動ハンドは、一対の把持部材の閉じ方向すなわち接近方向への移動によって把持対象物を把持するとともに、一対に把持部材の開き方向すなわち離間方向への移動によっても把持対象物を把持する。また、一実施形態による電動ハンドは、一対の直動部材3および直動部材4が互いに接近する方向または互いに離間する方向のうちのいずれか一方、例えば互いに接近する方向へ一対の直動部材3および直動部材4に押し付け力を加えるばね部材を備えている。さらに、一実施形態による電動ハンドは、このばね部材の力が加わる方向へ一対の直動部材3および直動部材4が移動するとき、一対の直動部材3および直動部材4と一対の把持部材との連結の仕方によって、一対の把持部材を閉じ方向または開き方向のいずれにも移動させることができる。これにより、一対の把持部材の閉じ方向への移動によって把持対象物を把持した場合、または一対の把持部材の開き方向への移動によって把持対象物を把持した場合のいずれも、ばね部材の押し付け力を把持力として活用することができる。
一対の把持部材の開き方向への移動によって把持対象物を把持する事例としては、把持対象物に例えば穴が形成されている場合が考えられる。この場合、把持対象物に形成されている穴に一対に把持部材を挿入し、この一対の把持部材を開き方向へ移動させることによって、一対の把持部材は穴の内周面の互いに反対側に押し当てられる。これにより、把持対象物は、一対の把持部材によって把持される。その他にも、把持対象物に一対の凸部が存在する場合も、一対の把持部材を一対の凸部の間に挿入して開き方向へ移動させることにより、把持対象物は一対の把持部材によって把持される。一対の把持部材は、閉じ方向で把持する場合と開き方向で把持する場合とで兼用するものであってもよく、異なるものであってもよい。
電動ハンドの構成の詳細について説明する。サーボモータ1は、出力軸9の回転位置を検出する回転センサとしてのロータリエンコーダ10を備えている。ロータリエンコーダ10は、電動ハンドの箱状の本体11の内側に取り付けられている。後述の制御部は、ロータリエンコーダ10から出力される回転位置検出信号をフィードバック信号としてサーボモータ1を制御する。
回転軸2は、本体11の内側にサーボモータ1の出力軸9と平行となるように設けられている。回転軸2の両端部は、軸受12によって回転可能に支持されている。この回転軸2およびサーボモータ1の出力軸9は、いずれも一方の端部が本体11の側面から外側へ突出している。この突出している回転軸2および出力軸9の一方の端部の相互間は、例えばベルト伝動機構13などの伝動機構によって連結されている。つまり、回転軸2および出力軸9の一方の端部には、それぞれ歯付きプーリ14および歯付きプーリ15が取り付けられている。そして、これらの歯付きプーリ14と歯付きプーリ15との間には、歯付きベルト16が取り付けられている。これにより、サーボモータ1が起動すると、その出力軸9の回転はベルト伝動機構13によって回転軸2に伝達される。このベルト伝動機構13は、本体11に取り付けられたカバー17によって覆われている。
回転軸2は、変換手段としての右ねじ18および左ねじ19が形成されている。そして、この回転軸2の右ねじ18および左ねじ19には、直動部材3および直動部材4が取り付けられている。直動部材3は、ボールナットであり、内側に回転軸2の右ねじ18が噛み合っている。また、直動部材4は、ボールナットであり、内側に回転軸2の左ねじ19が噛み合っている。これにより、回転軸2が回転すると、直動部材3および直動部材4は、互いに反対方向すなわち離間する方向へ直線的に移動する。
直動部材3および直動部材4は、互いに対向する端部側にそれぞれ径大部3aおよび径大部4aを有している。そして、直動部材3にはばね部材としての圧縮コイルばね20が取り付けられており、直動部材4にはばね部材としての圧縮コイルばね21が取り付けられている。直動部材3側の圧縮コイルばね20は、一方の端部が径大部3aに接し、他方の端部が軸受12に接している。また、直動部材4側の圧縮コイルばね21は、一方の端部が径大部4aに接し、他方の端部が軸受12に接している。これより、圧縮コイルばね20および圧縮コイルばね21は、いずれも直動部材3および直動部材4を互いに反対方向である接近方向へ向けて押し付けている。
本体11は、直動部材3および直動部材4の近傍の外側面に案内部材22を有している。この案内部材22は、直動部材3および直動部材4の移動方向と同一の方向へ延びる案内溝23を形成している。一対のスライダ24およびスライダ25は、この案内溝23に摺動可能な状態で嵌め込まれている。本体11の外側面および案内部材22は、本体11の内側と案内溝23とを接続する細長い開口部26および開口部27を有している。
スライダ24、25は、一対の第一連結部材28、29または図2に示す一対の第二連結部材30、31によって直動部材3、4にそれぞれ連結される。具体的には、第一連結部材28および第一連結部材29を用いる場合、図1に示すように一方の直動部材3は第一連結部材28によって一方のスライダ24に連結され、他方の直動部材4は第一連結部材29によって他方のスライダ25に連結される。また、第二連結部材30および第二連結部材31を用いる場合、図2に示すように一方の直動部材3は第二連結部材30によって他方のスライダ25に連結され、他方の直動部材4は第二連結部材31によって一方のスライダ24に連結される。
ここで、第一連結部材28および第一連結部材29、ならびに第二連結部材30および第二連結部材31の形態について説明する。第一連結部材28および第一連結部材29は、いずれも図1に示すようにレッグ部28a、29aの一方の端部に連結部28b、29bを有している。また、第二連結部材30および第二連結部材31は、いずれも図2に示すようにレッグ部30a、31aの一方の端部側に連結部30b、31bを有している。図1に示すように、第一連結部材28および第一連結部材29のうち、一方の第一連結部材28の連結部28bは直動部材3に着脱可能に取り付けられ、他方の第一連結部材29の連結部29bは他方の直動部材4に着脱可能に取り付けられている。また、図2に示すように、第二連結部材30および第二連結部材31のうち、一方の第二連結部材30の連結部30bは一方の直動部材3に着脱可能に取り付けられ、他方の第二連結部材31の連結部31bは他方の直動部材4に取り付けられている。
図1に示すように、第一連結部材28のレッグ部28aの他端部および第一連結部材29のレッグ部29aの他端部は、直動部材3および直動部材4に取り付けられた状態にあるとき、案内部材22の開口部27の内側に位置している。これらレッグ部28aの他端部およびレッグ部29aの他端部は、互いに離れる方向へ延びる短いL字形状の取付部28cおよび取付部29cを有している。そして、この取付部28cはねじ33によってスライダ24に着脱可能に取り付けられ、取付部29cは別のねじ33によってスライダ25に着脱可能に取り付けられている。一方、図2に示すように、第二連結部材30のレッグ部30aの他端部および第二連結部材31のレッグ部31aの他端部は、直動部材3および直動部材4に取り付けられた状態にあるとき、案内部材22の開口部27の内側に位置している。このとき、レッグ部30aの他端部およびレッグ部31aの他端部は、開口部27の内側において互いに干渉しないように開口部27の幅方向の一方側または他方側に偏って位置している。これらレッグ部30aの他端部およびレッグ31aの他端部は、互いに接近する方向へ延びる長いL字形状の取付部30cおよび取付部31cを有している。そして、取付部30cはねじ33によってスライダ25に着脱可能に取り付けられ、取付部31cは別のねじ33によってスライダ24に着脱可能に取り付けられている。
以上のような第一連結部材28および第一連結部材29、または第二連結部材30および第二連結部材31を選択的に用いて一対の直動部材3および直動部材4と一対のスライダ24およびスライダ25とを連結することにより、直動部材3および直動部材4の互いに接近する方向への移動によって、第一連結部材28および第一連結部材29を用いるとスライダ24およびスライダ25が互いに接近する方向へ移動し、第二連結部材30および第二連結部材31を用いるとスライダ24およびスライダ25が互いに離間する方向へ移動する。これらのスライダ24およびスライダ25は、第一把持部材5および第一把持部材6、または第二把持部材7および第二把持部材8が選択的に取り付けられる。つまり、直動部材3および直動部材4とスライダ24およびスライダ25とを第一連結部材28および第一連結部材29を用いて連結したとき、スライダ24に第一連結部材28、スライダ25に第一連結部材29をそれぞれ取り付ける。一方、直動部材3および直動部材4とスライダ24およびスライダ25とを第二連結部材30および第二連結部材31を用いて連結したとき、スライダ25に第二連結部材30、スライダ24に第二連結部材31をそれぞれ取り付ける。
次に、図3を参照して本実施形態による電動ハンドの要部を説明する。図3では、直動部材3側について第一連結部材28を用いる例について説明する。なお、直動部材4側も、直動部材3側と同一の構造である。また、電動ハンドは、第二連結部材30、31を連結してもよい。
図3に示す場合、第一連結部材28は、連結部28bから筒状に延びる筒部28dを有している。筒部28dは、連結部28bと一体に、連結部28bから軸受12側へ筒状に延びている。直動部材3の径大部3aは、この筒部28dの内側に挿入されている。これにより、直動部材3は、径大部3aが筒部28dの内側において回転軸2の軸方向へ往復移動可能である。この直動部材3と第一連結部材28との間には、弾性部材50が挟み込まれている。弾性部材50は、直動部材3の径大部3a側の端面と、第一連結部材28の筒部28dの連結部28b側の端面との間に挟み込まれている。弾性部材50は、例えばゴムや発泡樹脂などの弾性を有する柔軟な材料で形成されている。これにより、直動部材3の径大部3aが第一連結部材28の筒部28dへ押し込まれる方向へ移動するとき、弾性部材50は圧縮される。一方、直動部材3の径大部3aが第一連結部材28の筒部28dから抜き出る方向へ移動するとき、弾性部材50は伸張する。
第一連結部材28は、ボルト51によって直動部材3に着脱可能に取り付けられている。ボルト51は、第一連結部材28の連結部28bおよび弾性部材50を貫いて、端部が直動部材3の径大部3aにねじ込まれている。これにより、直動部材3が対向する直動部材4側へ移動するとき、直動部材3は弾性部材50を圧縮しつつ移動する。これとともに、ボルト51の直動部材4側の端部は、直動部材3の移動にともなって第一連結部材28の連結部28bから対向する直動部材4側へ突出する。一方、直動部材3が直動部材4と反対側へ移動するとき、直動部材3と第一連結部材28との距離が拡大するため、直動部材3から弾性部材50へ加わる力は減少し、弾性部材50は自身の弾性力により伸張する。これとともに、ボルト51の直動部材4側の端部は、直動部材3の移動にともなって連結部28bの直動部材4側の端面に向けて移動する。
上記の構成により、第一把持部材5と第一把持部材6とで図示しない把持対象物を把持するとき、直動部材3と直動部材4とは互いに接近する。そして、第一把持部材5および第一把持部材6の双方が把持対象物に接することにより、第一把持部材5および第一把持部材6は把持対象物を把持する。ここで、把持対象物が脆弱あるいは柔軟な材料で形成されているとき、第一把持部材5と第一把持部材6とがさらに接近すると、把持対象物を破損させる原因となる。本実施形態の場合、第一把持部材5および第一把持部材6の双方が把持対象物に接して把持しているときに直動部材3および直動部材4にさらなる移動が生じると、直動部材3および直動部材4は第一連結部材28と第一連結部材29との間に挟み込まれている弾性部材50を圧縮する。つまり、弾性部材50が把持対象物よりも柔軟であれば、把持対象物を把持した状態で直動部材3および直動部材4にさらなる移動が生じても、直動部材3および直動部材4は弾性部材50を変形させるだけである。そのため、直動部材3および直動部材4の移動は、第一連結部材28および第一連結部材29、ならびに第一把持部材5および第一把持部材6を経由して把持対象物へ伝達されず、把持対象物の破損が回避される。
一方、直動部材3と直動部材4とが後退すなわち互いに離間する方向へ移動するとき、弾性部材50が圧縮されていれば、ボルト51の端部と連結部28bおよび連結部29bとが接するまで第一連結部材28および第一連結部材29ならびに第一把持部材5および第一把持部材6は移動しない。ボルト51の端部と連結部28bおよび連結部29bとが接すると、直動部材3および直動部材4の駆動力は第一連結部材28および第一連結部材29へ伝わる。そのため、第一連結部材28および第一連結部材29、ならびに第一把持部材5および第一把持部材6は、直動部材3および直動部材4とともに移動する。
次に、上記の構成による電動ハンドの制御機構および制御について図4に基づいて説明する。以下では、図1に示すように第一把持部材5、6を備える電動ハンドを例に説明する。なお、以下の電動ハンドの制御機構および制御は、図2に示すように第二把持部材7、8を備える電動ハンドにも当然適用することができる。
上記の電動ハンドは、電動ハンド制御装置としての制御装置60によって制御される。また、電動ハンドは、上記の機械的な構成に加えて、変位量センサ61を備えている。変位量センサ61は、直動部材3と第一連結部材28、および直動部材4と第一連結部材29との間の相対的な移動距離に基づいて、弾性部材50の変位量を検出する。変位量センサ61は、一方の端部が直動部材3および直動部材4に取り付けられ、他方の端部が第一連結部材28および第一連結部材29に取り付けられている。変位量センサ61は、直動部材3および直動部材4と第一連結部材28および第一連結部材29との間の相対的な移動距離に基づいて、この移動距離に対応する弾性部材50の変位量を検出する。図3に示す直動部材3側の具体的な例の場合、変位量センサ61は、一方が直動部材3に取り付けられ、他方が第一連結部材28に取り付けられている。変位量センサ61は、この直動部材3と第一連結部材28との間の相対的な距離の変化を検出するリニアセンサである。
制御装置60は、上述のロータリエンコーダ10および変位量センサ61に接続する制御部62を有している。ロータリエンコーダ10は、検出したサーボモータ1の回転位置を電気信号として制御部62へ出力する。また、変位量センサ61は、検出した弾性部材50の変位量を電気信号として制御部62へ出力する。また、制御部62は、サーボモータ1と接続し、サーボモータ1の回転角度を制御する。制御部62は、図示しないCPU、ROMおよびRAMからなるマイクロコンピュータで構成されている。制御部62は、ROMに記憶されているコンピュータプログラムにしたがってサーボモータ1をはじめとする電動ハンドの全体を制御する。制御部62は、記憶手段としての記憶部63に接続している。記憶部63は、例えば磁気的もしくは光学的な記録媒体、または不揮発性メモリなどで構成されている。なお、記憶部63は、制御部62のROMやRAMと共用してもよい。
制御部62は、ROMに記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、把持力算出部64、把持力補正部65、把持力判断部66、位置制御部67および停止部68をソフトウェア的に実現している。なお、これら把持力算出部64、把持力補正部65、把持力判断部66、位置制御部67および停止部68は、ハードウェア的に実現してもよい。
把持力算出部64は、変位量センサ61で検出した弾性部材50の変位量にもとづいて、第一把持部材5および第一把持部材6による把持対象物の把持力を算出する。具体的には、第一把持部材5および第一把持部材6による把持対象物の把持力F(N)は、以下の式(1)から算出される。
F=x×k (1)
式(1)において、xは弾性部材50の変位量(m)であり、kは弾性部材50のばね定数(N/m)である。このように、把持力Fは、変位量センサ61で検出した弾性部材50の変位量xに基づいて、弾性部材50について既知のばね定数kから算出される。弾性部材50の変位量は、弾性部材50が変位を開始してからの直動部材3と第一連結部材28との間、および直動部材4と第一連結部材29との間の相対的な移動量に一致する。すなわち、弾性部材50が変位を開始する位置が既知であれば、そこからの直動部材3と第一連結部材28との相対的な移動量、および直動部材4と第一連結部材29との相対的な移動量は弾性部材50の変位量となる。この弾性部材50の変位量は、第一連結部材28、29によって直動部材3、4と連結される第一把持部材5、6の移動量に一致する。その結果、把持力Fは、上記の式(1)から算出することができる。このように、把持力算出部64は、変位量センサ61で検出した弾性部材50の変位量xに基づいて、把持力Fを算出する。
記憶部63は、電動ハンドの移動方向、電動ハンドに加わる加速度、ならびに把持対象物の破壊把持力Fdおよび設定把持力Fmを予め記憶している。具体的には、記憶部63は、電動ハンドの移動方向、すなわち電動ハンドの動作軌跡を記憶している。この電動ハンドの移動方向は、ロボットのアームの移動をもとにした動作プログラムにしたがって予め設定されている。つまり、動作プログラムによって電動ハンドを備えるロボットの動作が決定されると、このロボットの動作によって電動ハンドの移動方向も決定される。記憶部63は、この予め設定された電動ハンドの移動方向を記憶している。また、記憶部63は、電動ハンドの加速度を記憶している。上述のように、電動ハンドは、予め設定されたロボットの動作によって移動方向が決定するとともに、単位時間当たりの移動速度すなわち加速度も決定される。つまり、電動ハンドは、移動方向とその移動に必要な時間が予め決定される。これにより、電動ハンドに移動によって生じる電動ハンドの加速度も決定される。記憶部63は、この電動ハンドの移動の際に加わる加速度を記憶している。言い換えると、ロボットのアームの動作手順が決定すると、このロボットに備えられた電動ハンドの移動方向および電動ハンドの加速度が決定される。記憶部63は、この電動ハンドの移動方向、およびその移動方向における加速度をそれぞれ記憶している。さらに、記憶部63は、破壊把持力Fdを記憶している。把持対象物は、電動ハンドから過大な力を受けると破壊する。そのため、記憶部63は、把持対象物が破壊するときに第一把持部材5、6から把持対象物へ加わる力を、破壊把持力Fdとして記憶している。
把持力補正部65は、把持対象物を把持する第一把持部材5、6の把持力を、把持対象物の落下が制限される落下制限把持力に補正する。第一把持部材5、6は、把持対象物の破壊を防止するために、予め設定された設定把持力Fmで把持対象物を把持する。この設定把持力Fmは、把持対象物の種類、例えば把持対象物の材質や硬さなどに応じて予め設定されており、記憶部63に記憶されている。把持力補正部65は、この設定把持力Fmを落下制限把持力Fcに補正する。具体的には、把持力補正部65は、記憶部63に記憶されている電動ハンドの移動方向、およびこの移動時に電動ハンドに加わる加速度を記憶部63から取得する。そして、把持力補正部65は、記憶部63から取得した電動ハンドの移動方向および加速度から、第一把持部材5、6に加わる外力を算出する。
電動ハンドは、予め設定された移動方向へ所定の加速度で移動することにより、力つまり慣性力を受ける。この慣性力は、把持力とは別の外力として第一把持部材5、6に加わる。そのため、把持対象物を把持する第一把持部材5、6の把持力Fは、第一把持部材5、6による把持力Fを設定把持力Fmに調整しても、電動ハンドの移動時に生じる加速度によって変化する。特に、本実施形態のように弾性部材50を備える電動ハンドは、慣性力を原因とする外力によって弾性部材50の変形を招き、把持対象物を把持する把持力が不足することになる。その結果、把持対象物は、第一把持部材5、6から落下するおそれがある。そこで、把持力補正部65は、予め設定されている設定把持力Fmを、記憶部63から取得した電動ハンドの移動方向および加速度に基づいて算出した外力を用いて補正する。具体的には、把持力補正部65は、把持対象物に応じて予め設定されている設定把持力Fmを、把持対象物が第一把持部材5、6から落下しない程度の落下制限把持力Fcに補正する。つまり、把持力補正部65は、設定把持力Fmを、外力に相関する補正値αで補正することにより、落下制限把持力FcをFc=Fm+αとして算出する。この補正値αは、電動ハンドの移動時における加速度から導かれる外力に応じた関数として算出、またはその外力に応じた値として予め記憶部63されている。
なお、電動ハンドが加速度を受けると、慣性力による弾性部材50の変形によって一般に第一把持部材5、6の把持力Fは減少する。そのため、補正値αは、通常、α>0に設定される。しかし、弾性部材50や把持対象物の特性、あるいは電動ハンドの移動方向によっては、電動ハンドが加速度を受けると、把持力Fが増大することもある。そのため、このように電動ハンドの移動によって把持力Fが増大するとき、補正値αは、α<0に設定される。
把持力判断部66は、把持力補正部65で補正した補正後の落下制限把持力Fcと、記憶部63に記憶されている破壊把持力Fdとを比較する。すなわち、把持力判断部66は、落下制限把持力Fcと破壊把持力Fdとを比較して、落下制限把持力Fcが破壊把持力Fdよりも小さいか、つまりFc<Fdであるか否かを判断する。
位置制御部67は、ロータリエンコーダ10で検出したサーボモータ1の回転位置、および変位量センサ61で検出した弾性部材50の変位量に基づいて、サーボモータ1の回転位置を制御して、第一把持部材5および第一把持部材6の変位量を制御する。把持対象物が柔軟である場合、ロータリエンコーダ10で検出したサーボモータ1の回転位置と、変位量センサ61で検出した第一把持部材5および第一把持部材6の実際の変位量に対応する変位量xとの間にはずれが生じる。そこで、位置制御部67は、このロータリエンコーダ10で検出したサーボモータ1の回転位置と、変位量センサ61で検出した変位量xに基づいて、第一把持部材5および第一把持部材6の位置をフィードバック制御する。具体的には、位置制御部67は、把持力判断部66において落下制限把持力Fcが破壊把持力Fdよりも小さい、つまりFc<Fdであると判断されると、サーボモータ1を駆動し、第一把持部材5、6による把持力が落下制限把持力Fcに相当する位置まで第一把持部材5、6を移動させる。
一方、停止部68は、把持力判断部66において落下制限把持力Fcが破壊把持力Fd以上である、つまりFc≧Fdであると判断されると、サーボモータ1の駆動を停止する。すなわち、停止部68は、Fc≧Fdであるとき、サーボモータ1の駆動を停止し、電動ハンドの作動を停止させる。
次に、上記の構成の電動ハンドの制御手順について図5に基づいて説明する。この説明においても、第一把持部材5および第一把持部材6を備える電動ハンドを例に説明する。なお、第二把持部材7および第二把持部材8を備える電動ハンドについても、同様の制御手順で電動ハンドを制御することができる。
電動ハンドの運転が開始されると、把持力補正部65は、電動ハンドの移動方向および電動ハンドに加わる加速度を取得する(S101)。すなわち、把持力補正部65は、動作プログラムとして予め設定されたロボットの動作に対応して記憶部63に記憶されている電動ハンドの移動方向、およびこの電動ハンドの移動にともなって電動ハンドに加わる加速度を記憶部63から取得する。把持力補正部65は、例えば記憶部63に記憶されているロボットの動作プログラムにしたがって、電動ハンドの動作軌道を生成し、生成した動作軌道から移動方向および加速度を取得する構成としてもよい。
把持力補正部65は、記憶部63から取得した電動ハンドの移動方向および電動ハンドに加わる加速度から落下制限把持力Fcを算出する(S102)。すなわち、把持力補正部65は、記憶部63に記憶されている電動ハンドの移動方向、およびこの移動によって電動ハンドに加わる加速度を記憶部63から取得する。そして、把持力補正部65は、取得した移動方向および加速度に基づいて、電動ハンドの移動によって第一把持部材5、6に加わる外力を算出する。さらに、把持力補正部65は、算出した外力を用いて補正値αを設定する。把持力補正部65は、算出された外力に応じた補正値αを記憶部63から取得、または算出された外力に対応する補正値αを予め設定された関数を用いて設定する。把持力補正部65は、設定した補正値αを用いて、把持対象物に応じて設定されている設定把持力Fmを補正する。具体的には、把持力補正部65は、第一把持部材5、6からの把持対象物の落下が制限される落下制限把持力Fcを、設定把持力Fmおよび補正値αを用いてFc=Fm+αとして算出する。
S102において落下制限把持力Fcが算出されると、把持力判断部66は、落下制限把持力Fcが破壊把持力Fdよりも小さいか否かを判断する(S103)。具体的には、把持力判断部66は、記憶部63に記憶されている破壊把持力Fdを取得する。そして、把持力判断部66は、S102で算出した落下制限把持力Fcと記憶部63から取得した破壊把持力Fdとを比較して、Fc<Fdであるか否かを判断する。
S103において落下制限把持力Fcが破壊把持力Fdより小さい、すなわちFc<Fdであると判断されると(S103:Yes)、位置制御部67は、把持変位量Lfを算出する(S104)。ここで把持変位量Lfは、落下制限把持力Fcを達成するための第一把持部材5、6の変位量であり、本実施形態のように弾性部材50を備える電動ハンドの場合、弾性部材50の変位量に相当する。そこで、位置制御部67は、把持変位量Lfを、S102で算出した落下制限把持力Fc、および弾性部材のばね定数kを用いて、Lf=Fc/kとして算出する。
位置制御部67は、把持変位量Lfを算出すると、サーボモータ1に通電し、第一把持部材5および第一把持部材6を駆動する(S105)。これにより、サーボモータ1は回転し、第一把持部材5および第一把持部材6は互いに接近する。そのため、ロータリエンコーダ10で検出されるサーボモータ1の回転位置つまり位相は、徐々に変化する(S106)。位置制御部67は、サーボモータ1の回転、ならびに第一把持部材5および第一把持部材6の移動を、ロータリエンコーダ10からサーボモータ1の変位量dnとして取得するとともに、変位量センサ61から弾性部材50の変位量xnとして取得する(S107)。
位置制御部67は、サーボモータ1を駆動しながら、把持対象物の把持が完了したか否か、すなわちxn=Lfであるか否かを判断する(S108)。具体的には、位置制御部67は、S107において変位量センサ61で検出した弾性部材50の変位量xnと、S104で算出した把持変位量Lfとを比較する。そして、位置制御部67は、変位量xnと把持変位量Lfとが一致、つまりxn=Lfであると、把持対象物の把持が完了したと判断する。すなわち、xn=Lfのとき、第一把持部材5および第一把持部材6は、これらによる把持対象物の把持力が落下制限把持力Fcに相当する位置に移動したことになる。位置制御部67は、把持対象物の把持が完了していない、すなわちxn=Lfでないと判断すると(S108:No)、S106へリターンし、サーボモータ1の駆動を継続する。
S108において把持対象物の把持が完了した、すなわちxn=Lfであると判断されると(S108:Yes)、制御部62は、電動ハンドが設けられたロボットのアームを駆動する(S109)。そして、制御部62は、電動ハンドが設けられたロボットのアームが移動を停止したか否かを判断する(S110)。制御部62は、ロボットのアームが移動を停止したと判断すると(S110:Yes)、把持力を補正する処理を終了する。一方、制御部62は、ロボットのアームが移動を停止していないと判断すると(S110:No)、S109へリターンして移動を停止するまで処理を継続する。
ところで、S103において落下制限把持力Fcが破壊把持力Fd以上である、すなわちFc≧Fdであると判断されると(S103:No)、停止部68は、電動ハンドの作動を停止する(S120)。落下制限把持力Fcが破壊把持力Fd以上であるとき、落下制限把持力Fcに相当する位置まで把持部材および把持部材を駆動すると、把持対象物の破壊を招くおそれがある。そこで、停止部68は、Fc≧Fdであるとき、電動ハンドの作動を停止し、把持対象物の破壊を招く前に電動ハンドの移動軌道の見直しを促す。
以上説明したように、電動ハンドは、一対の直動部材3、4と第一把持部材5、6または第二把持部材7、8に連結している第一連結部材28、29または第二連結部材30、31との間には弾性部材50が設けられている。この弾性部材50の変位量は、直動部材3、4と第一連結部材28、29、または直動部材3、4と第二連結部材30、31との間の相対的な移動距離として変位量センサ61で検出される。そのため、第一把持部材5、6または第二把持部材7、8から把持対象物へ加わる力の一部は、弾性部材50の変形によって吸収される。したがって、把持対象物が破損しやすい場合でも、把持対象物を柔軟に把持することができる。また、第一把持部材5、6または第二把持部材7、8の把持力は、直動部材3、4と第一連結部材28、29または第二連結部材30、31との間に挟み込まれる弾性部材50に加わる力と一致する。そのため、把持力は、変位量センサ61で弾性部材50の変位量を検出することにより、弾性部材50のばね定数kに基づいて算出される。したがって、直動部材3、4と第一連結部材28、29または第二連結部材30、31との間に弾性部材50を挟み込むことにより把持対象物の柔軟な把持を図りつつ、把持対象物に加わる把持力を正確に検出することができる。
以上の一実施形態では、把持力補正部65は、記憶部63に記憶されている電動ハンド移動時の加速度を取得して、取得した加速度から把持対象物を把持する把持力を落下制限把持力Fcに補正している。第一把持部材5、6および第二把持部材7、8による把持対象物の把持力は、直動部材3、4と第一連結部材28、29または第二連結部材30、31との間に挟み込まれる弾性部材50に加わる力と一致する。そのため、把持力は、弾性部材50の変位量を検出することにより、弾性部材50のばね定数に基づいて算出される。この弾性部材50の変位は、変位量センサ61で検出した直動部材3、4と第一連結部材28、29または第二連結部材30、31との相対的な移動距離に基づいて取得される。
ここで、本実施形態の場合、弾性部材65は、直動部材3、4と第一連結部材28、29または第二連結部材30、31との間に配置されている。弾性部材65をこの位置に配置することにより、弾性部材65の変位量は、直動部材3、4と第一連結部材28、29または第二連結部材30、31の移動量から直接的に検出される。例えば第一把持部材5、6または第二把持部材7、8に弾性部材65を配置すると、弾性部材65の変形量の検出は難しくなる。これは、第一把持部材5、6または第二把持部材7、8は把持対象物を把持するため、この把持部材に弾性部材65の変位量を検出するセンサなどを設けると把持に支障が生じるからである。その結果、第一把持部材5、6または第二把持部材7、8に弾性部材65を配置する場合、弾性部材65の変位量は、直接的な検出が難しくなり、間接的な検出に頼ることとなる。上述の通り、把持対象物は、わずかな力加減の変化で破損や落下を招くそれがあることから、間接的に検出した弾性部材65の変位量に基づいて把持力を検出するのは好ましくない。したがって、本実施形態のように弾性部材65を直動部材3、4と第一連結部材28、29または第二連結部材30、31との間に配置することにより、把持対象物の把持を妨げることなく、弾性部材65の変位に基づく把持力を精度よく検出することができる。
このように弾性部材50を備える電動ハンドの場合、電動ハンドの移動にともなって電動ハンドに加速度が加わると、弾性部材50は電動ハンドに加わる加速度によって圧縮または伸張する。弾性部材50が加速度によって圧縮または伸張すると、第一把持部材5、6または第二把持部材7、8の位置に変化が生じ、把持対象物を把持する第一把持部材5、6または第二把持部材7、8の把持力にも変化が生じる。その結果、弾性部材50の変形に応じて第一把持部材5、6または第二把持部材7、8の把持力が不足して把持対象物が落下するおそれがある。
そこで、把持力補正部65は、記憶部63から取得した電動ハンドの移動方向および加速度を用いて、第一把持部材5、6または第二把持部材7、8による把持対象物の把持力を落下制限把持力Fcに補正する。また、把持力判断部66は、この把持力補正部65で補正された落下制限把持力Fcが、記憶部63に記憶されている破壊把持力Fdよりも小さいか否かを判断する。位置制御部67は、把持力判断部66で落下制限把持力Fcが破壊把持力Fdよりも小さいと判断されたとき、第一把持部材5、6または第二把持部材7、8を駆動する。具体的には、位置制御部67は、サーボモータ1を駆動して、把持力が落下制限把持力Fcに相当する位置まで第一把持部材5、6または第二把持部材7、8を移動させる。このとき、位置制御部67は、変位量センサ61で弾性部材50の変位量を参照しながら第一把持部材5、6または第二把持部材7、8を移動させる。これにより、第一把持部材5、6または第二把持部材7、8の把持力は、電動ハンドが移動する前に、電動ハンドの移動にともなって加わる加速度を考慮した大きさに変更される。したがって、把持対象物を柔軟に把持する場合に、電動ハンドの移動時であっても、把持対象物の落下を低減することができる。
また、一実施形態では、停止部68は、把持力判断部66で落下制限把持力Fcが破壊把持力Fd以上であると判断されたとき、電動ハンドの作動を停止する。これにより、補正した落下制限把持力Fcが破壊把持力Fd以上であるとき、第一把持部材5、6または第二把持部材7、8は把持力を変更することなく作動を停止する。したがって、電動ハンドに加わる加速度によって把持力が変更されたときでも、把持対象物の破壊を低減することができる。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
図面中、1はサーボモータ、2は回転軸(回転軸部材)、3、4は直動部材、5、6は第一把持部材(把持部材)、7、8は第二把持部材(把持部材)、11は本体、13はベルト伝動機構(伝達機構部)、18は右ねじ、19は左ねじ、20、21は圧縮コイルばね(ばね部材)、28、29は第一連結部材(連結部材)、30、31は第二連結部材(連結部材)、50は弾性部材、60は制御装置(電動ハンド制御装置)、61は変位量センサ、62は制御部、63は記憶部(記憶手段)、65は把持力補正部(把持力補正手段)、66は把持力判断部(把持力判断手段)、67は位置制御部(位置制御手段)、68は停止部(停止手段)を示す。

Claims (3)

  1. モータを有するハンド本体と、
    前記ハンド本体に、前記モータの出力軸と平行に回転可能に設けられ、外壁に右ねじおよび左ねじを有する回転軸部材と、
    前記出力軸の回転を前記回転軸部材に伝達する伝達機構部と、
    前記回転軸部材の前記右ねじおよび前記左ねじにそれぞれ噛み合うねじ部を有し、前記回転軸の一方向の回転および前記一方向とは逆の他方向の回転にともなって互いに接近または互いに離間する方向へ相対的に移動する一対の直動部材と、
    一対の前記直動部材を互いに接近または互いに離間する方向のうちのいずれか一方に押し付けるばね部材と、
    一対の前記直動部材にそれぞれ設けられている連結部材と、
    前記連結部材により、前記直動部材の一方および他方にそれぞれ連結される把持部材と、
    前記直動部材と前記連結部材との間に設けられ、前記直動部材と前記連結部材との接近によって圧縮され、前記直動部材と前記連結部材との離間によって伸張する弾性部材と、
    前記直動部材と前記連結部材との間の相対的な移動距離に基づいて、前記弾性部材の変位量を検出する変位量センサと、
    を備え、前記ハンド本体に設けられた前記モータの回転を一対の前記把持部材の開閉動作に変換して把持対象物を把持する電動ハンドの作動を制御する電動ハンド制御装置であって、
    予め設定されている前記電動ハンドの移動方向、前記電動ハンドの移動時に前記電動ハンドに加わる加速度、および前記把持部材によって前記把持対象物が破壊する破壊把持力を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている前記電動ハンドの移動方向および前記電動ハンドに加わる加速度を取得して、この移動方向および加速度から前記把持部材に加わる外力を算出し、算出した外力を用いて前記把持部材によって前記把持対象物を把持する把持力を、前記把持対象物の落下が制限される落下制限把持力に補正する把持力補正手段と、
    前記把持力補正手段で補正した前記落下制限把持力が前記記憶手段から取得した前記破壊把持力よりも小さいか否かを判断する把持力判断手段と、
    前記把持力判断手段で前記落下制限把持力が前記破壊把持力よりも小さいと判断すると、前記変位量センサで検出した前記弾性部材の変位量に基づいて前記モータを駆動して、前記把持部材の把持力が前記落下制限把持力に相当する位置まで前記把持部材を移動する位置制御手段と、
    を備える電動ハンド制御装置。
  2. 前記把持力判断手段で前記落下制限把持力が前記破壊把持力以上であると判断すると、前記電動ハンドの作動を停止する停止手段をさらに備える請求項1記載の電動ハンド制御装置。
  3. 請求項1または2記載の電動ハンドの制御装置による電動ハンドの制御方法であって、
    予め設定されている前記電動ハンドの移動方向、および前記電動ハンドの移動時に前記電動ハンドに加わる加速度を前記記憶手段から取得する手順と、
    前記記憶手段から取得した前記電動ハンドの移動方向および前記電動ハンドに加わる加速度から、前記把持部材に加わる外力を算出し、算出した外力を用いて前記把持部材にその外力が加わっても前記把持部材からの前記把持対象物の落下が制限される前記落下制限把持力を算出する手順と、
    算出した前記落下制限把持力が前記記憶手段に記憶されている前記破壊把持力よりも小さいとき、前記把持部材の把持力が前記落下制限把持力に相当する位置までの前記把持部材の変位量を把持変位量として算出する手順と、
    前記把持変位量に基づいて、前記変位量センサで検出した前記弾性部材の変位量が前記把持変位量に到達するまで前記サーボモータを駆動する手順と、
    を含む電動ハンドの制御方法。
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