JP2013007684A - 時刻精度測定装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】標準時情報に基づく時刻の精度をミリ秒単位で測定できる時刻精度測定装置を提供する。
【解決手段】標準時に同期した周波数情報を含む電波を受信して復調パルスの立ち上がりエッジを抽出した受信エッジ信号Srecを生成し、一定周期の基準パルス信号Srefを基準にして互いに異なる監視期間を設定可能な複数の監視タイマ55−nを用いて、各々の監視期間内に、受信エッジ信号が出現するか否かを監視し、その結果を基に選択した監視期間の分割と再設定を繰り返し行うことにより、ノイズを含んだ受信電波より高い精度で1秒信号Sairを抽出し、その1秒信号のタイミングに対する誤差を検出することで測定対象の時刻の精度をミリ秒単位で測定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、標準時情報に基づく時刻の精度を測定する時刻精度測定装置および方法に関する。
家庭等で利用される様々な電化製品には時計機能を備えたものが普及しており、また、情報通信に用いられる端末装置や交換機、交通機関の各種管制システムなども、通常、時計機能を備えている。このような時計機能を備えた各種の機器は、例えば図1に示すように、通信ネットワーク2に接続された時刻情報取得装置3を使用して現在時刻の確認および設定を行うものがある。時刻情報取得装置3は、標準時に同期した時刻サーバ1から送信される標準時情報をネットワーク経由で取得し、該標準時情報に従って自装置内の時計を較正する。そして、時刻情報取得装置3は、較正された時計の現在時刻を示す時刻情報を配下の各機器4に通知する。
上記のような時刻情報取得装置3については、時刻サーバ1から標準時情報を取得する際に、通信ネットワーク2における伝送遅延および該伝送遅延の揺らぎに起因して発生する誤差が問題になる。この誤差を補正する技術としては、例えば、ネットワーク接続機器の時刻同期方式として標準的に用いられているNTP(Network Time Protocol)がある。NTPでは、時刻情報取得装置3が時刻サーバ1に接続すると、該時刻サーバ1との間でのネットワーク通信の遅延時間が継続的に計測され、その計測結果に応じて時刻サーバ1からの標準時情報の補正が行われる。
また、標準時情報の取得に関しては、通信ネットワーク上の時刻サーバを利用する方法の他にも、標準電波(standard time and frequency signal)またはGPS(Global Positioning System)信号などを利用する方法が知られている。この方法では、標準電波やGPS信号などに含まれる外来ノイズの影響が問題になる。この外来ノイズを除去する技術としては、例えば、標準電波やGPS信号などの復調処理の際に、包絡線検波を実施する、または、アナログのフィルタを適用するなどの手法がよく知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−292613号公報
ところで、上記図1に示した時刻情報取得装置3が配下の各機器4に通知する時刻情報に関しては、標準時に対してミリ秒単位の精度が要求される場合がある。前述したようなNTPなどの従来技術を適用して、通信ネットワーク2での遅延時間の計測結果に応じた誤差の補正を行うことにより、時刻情報取得装置3は、時刻サーバ1からの標準時情報をある程度の精度で取得することが可能にある。しかし、時刻サーバ1と時刻情報取得装置3の間を接続する通信ネットワーク2は多様化しており、例えば、IP(Internet Protocol)ネットワークおよびSONET/SDHネットワークなどが混在するような複雑な通信ネットワークの場合、該通信ネットワークにおける遅延時間を充分な精度で計測することが困難になる可能性がある。また、標準時に対してミリ秒単位の精度が要求されるようになると、通信ネットワーク2における伝送遅延だけでなく、時刻情報取得装置3の内部における遅延も無視できなくなる。
また、標準電波やGPS信号などに含まれる外来ノイズを包絡線検波やフィルタにより除去して標準時情報を取得する場合にも、包絡線検波回路やフィルタに依存した位相ずれが生じる。この位相ずれは、例えば、電波時計やカーナビゲーション装置などの時刻合わせのように秒単位程度の時刻精度が要求される用途では特に問題にならないが、情報通信に使用される交換機や交通機関の各種管制システムなどのようなミリ秒単位の時刻精度が要求される用途では、上記位相ずれが無視できない問題になる。
本発明は上記の点に着目してなされたもので、標準時情報に基づく時刻の精度をミリ秒単位で測定することのできる時刻精度測定装置および方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために提案する時刻精度測定装置の一態様は、標準時情報に基づく時刻の精度を測定する時刻精度測定装置であって、標準時に同期した周波数情報を含む電波を受信し、当該受信電波を復調してパルス信号を生成する受信回路と、前記受信回路で生成されたパルス信号の立ち上がりエッジを抽出して受信エッジ信号を生成するエッジ抽出回路と、一定周期の基準パルス信号を生成する基準パルス生成回路と、前記基準パルス生成回路で生成された基準パルス信号を基準にして、前記一定周期内に互いに異なる監視期間を設定可能であり、該監視期間内に、前記エッジ抽出回路で生成された受信エッジ信号が出現するか否かをそれぞれ監視する、複数の監視タイマと、前記各監視タイマの監視結果に基づいて、前記各監視タイマの監視期間のうちで前記受信エッジ信号が出現する監視期間を選択し、該選択した監視期間を前記監視タイマの設置数で分割した新たな監視期間を前記各監視タイマに再設定し、該各監視タイマによる前記受信エッジ信号の監視を、前記新たな監視期間の継続時間が要求精度を満たす長さになるまで繰り返し行うことで、前記受信エッジ信号に含まれるノイズ成分を除去し、前記電波の周波数情報に同期した1秒信号を生成する制御回路と、前記制御回路で生成された1秒信号のタイミングに対する、測定対象の時刻に同期した1秒信号のタイミングの誤差を検出し、該誤差に従って前記測定対象の時刻の精度を測定する比較回路と、を備える。
上記のような時刻精度測定装置によれば、外来ノイズを含んだ受信電波より高い精度で1秒信号を抽出することができるようになり、その1秒信号のタイミングに対する誤差を検出することで測定対象の時刻の精度をミリ秒単位で測定することが可能になる。
従来のネットワーク経由で標準時情報を取得する時刻取得装置の一例を示す図である。 時刻精度測定装置を用いた時刻情報取得システムの概略構成を示す図である。 時刻精度測定装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。 上記実施形態における処理の一例を示すフローチャートである。 標準電波の受信について説明する図である。 上記実施形態の各部における信号のタイミングチャートである。 上記実施形態で初回に設定される監視期間に対応した管理テーブルの具体例を示す図である。 上記実施形態で2回目に設定される監視期間に対応した管理テーブルの具体例を示す図である。 上記実施形態で3回目に設定される監視期間に対応した管理テーブルの具体例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は、本発明の一実施形態による時刻精度測定装置を用いた時刻情報取得システムの概略構成を示す図である。
図2において、本実施形態の時刻精度測定装置5は、時刻情報取得装置3に接続されている。時刻情報取得装置3は、上述の図1に示した従来構成と同様に、標準時に同期した時刻サーバ1から送信される標準時情報を、通信ネットワーク2を経由して取得する。
上記時刻精度測定装置5は、例えば、標準周波数報時局6から発信される標準電波を受信し、該受信電波から抽出した1秒信号を基に、時刻情報取得装置3においてネットワーク経由で取得された標準時情報に従う現在時刻の精度を測定し、その測定結果を時刻情報取得装置3に通知する。時刻情報取得装置3は、時刻精度測定装置5での測定結果に応じて自装置内の時計の時刻補正を行い、該補正後の現在時刻を示す時刻情報を配下の各機器4に通知する。
上記標準周波数報時局6から発信される標準電波は、例えば、協定世界時(UTC:Universal Time, Coordinated)に基づく日本標準時(JST:Japan Standard Time)を示す長波帯の電波であり、正確な周波数および時刻の情報を含んでいる。この標準電波に対しては、図2の左上に示すように、標準周波数報時局6から発信された後、時刻精度測定装置5で受信されるまでの間に様々なノイズが重畳される。なお、標準電波の波形等の詳細については後述する。
図3は、上記時刻精度測定装置5の具体的な構成を示すブロック図である。
図3において、時刻精度測定装置5は、例えば、アンテナ50、受信回路51、エッジ抽出回路52、固定発振器53、基準パルス生成回路54、n個の監視タイマ55−1,55−2,…55−n、CPU56、メモリ57、ゲート回路58および比較回路59を有する。
アンテナ50は、標準周波数報時局6から発信された標準電波を受信し、該受信電波を受信回路51に出力する。受信回路51は、アンテナ50からの受信電波を復調することにより、受信電波の振幅変化に対応したパルス信号を生成する。エッジ抽出回路52は、受信回路51で生成されたパルス信号の立ち上がりエッジを抽出した信号(以下、「受信エッジ信号」とする)Srecを生成する。該エッジ抽出回路52で生成された受信エッジ信号Srecは、各監視タイマ55−1〜55−nにそれぞれ与えられる。
固定発振器53は、高精度の一定周波数で発振動作することで時刻精度測定装置5の内部クロックを生成し、該内部クロックを基準パルス生成回路54に出力する。基準パルス生成回路54は、固定発振器53から出力される内部クロックを用いて、短パルスが1秒間隔で正確に立ち上がるパルス信号(以下、「基準パルス信号」とする)Srefを生成する。該基準パルス生成回路54で生成された基準パルス信号Srefは、各監視タイマ55−1〜55−nにそれぞれ与えられる。なお、基準パルス生成回路54には、後で詳しく説明するようにゲート回路58から出力される1秒信号Sairがフィードバックされ、該1秒信号Sairに従って基準パルス信号Srefの位相調整が行われる。
監視タイマ55−k(ただし、k=1〜nとする)は、例えば、第1タイマ55A−k、第2タイマ55B−k、論理積回路(AND)55C−k、フリップフロップ回路(FF)55D−kおよびゲート回路55E−kを含む。
第1タイマ55A−kは、基準パルス生成回路54から出力される基準パルス信号Srefが入力され、該基準パルス信号Srefの各短パルスの立ち上がりを基準にして、C
PU56により指示される監視開始時間Tw−kが経過するタイミング(以下、「監視開始タイミング」とする)を計測し、該監視開始タイミングを第2タイマ55B−kに伝える。各第1タイマ55A−1〜55A−nの監視開始時間Tw−1〜Tw−nは、後述するように、互いに異なる値が設定され、かつ、監視の回数が増える度に該各設定値が更新される。
第2タイマ55B−kは、第1タイマ55A−kから伝えられる監視開始タイミングを基準にして、CPU56により指示される監視継続時間Tgが経過するタイミング(以下、「監視終了タイミング」とする)を計測する。そして、第2タイマ55B−kは、監視開始タイミングから監視終了タイミングに亘る期間を当該監視タイマ55−kが担う監視期間に設定し、該監視期間で論理値「1」となり、その他の期間で論理値「0」となる監視期間信号を論理積回路55C−kに出力する。上記監視継続時間Tgは、後述するように、各第2タイマ55B−1〜55B−nに共通の値が設定され、かつ、監視の回数が増える度に該共通の設定値が更新される。
論理積回路55C−kは、一方の入力端子に与えられるエッジ抽出回路52からの受信エッジ信号Srecと、他方の入力端子に与えられる第2タイマ55B−kからの監視期間信号との論理積を演算し、該演算結果を示す信号をフリップフロップ回路55D−kに出力する。
フリップフロップ回路55D−kは、論理積回路55C−kからの出力信号をラッチする。このフリップフロップ回路55D−kは、CPU56からのリセット指示に従ってリセットされる。ゲート回路55E−kは、CPU56がフリップフロップ回路55D−kの出力レベルを読み取るタイミングを制御するための回路である。
CPU56は、図1中の太線で示すバスを介して、各監視タイマ55−1〜55−n、メモリ57およびゲート回路58にそれぞれ接続されており、該CPU56からの指示に従って各部の動作が制御される。メモリ57には、CPU56により読み取られた各監視タイマ55−1〜55−nにおける監視結果を管理するための管理テーブルが記録される。該管理テーブルの詳細については後述する。
ゲート回路58は、ここでは監視タイマ55−1の論理積回路55C−1からフリップフロップ回路55D−1に出力される信号の一部が入力信号として与えられる。このゲート回路58は、CPU56からの出力指示に従って、上記入力信号を標準電波に同期した1秒信号Sairとして比較回路59に出力する。1秒信号Sairは、その一部が基準パルス生成回路54にフィードバックされる。
比較回路59は、ゲート回路58から出力される標準電波に同期した1秒信号Sairのタイミングと、時刻情報取得装置3(図2)から出力されるネットワーク経由の標準時情報に同期した1秒信号Snetのタイミングとを比較する。そして、比較回路59は、標準電波に同期した1秒信号Sairに対する、ネットワーク経由の標準時情報に同期した1秒信号Snetの誤差を検出し、該誤差を補正するための補正信号Cを時刻情報取得装置3に出力する。時刻情報取得装置3では、従来と同様にしてネットワーク経由の標準時情報に従い較正された自装置内の時計が示す現在時刻が、時刻精度測定装置5のからの補正信号Cに従って補正される。
次に、上記のような時刻情報取得システムの動作について時刻精度測定装置5を中心に詳しく説明する。
上記図2に示した時刻情報取得システムでは、まず、時刻情報取得装置3において、上
述の図1に示した従来の場合と同様に、標準時に同期した時刻サーバ1から送信される標準時情報が通信ネットワーク2を経由して取得され、該標準時情報に従って時刻情報取得装置3内の時計が較正される。
このとき、NTPなどの適用により、通信ネットワーク2での遅延時間の計測結果に応じた誤差の補正が行われるが、上述したように時刻サーバ1と時刻情報取得装置3の間を接続する通信ネットワーク2の多様化によって、該通信ネットワーク2における遅延時間を充分な精度で計測することが困難な場合が生じる。また、標準時に対してミリ秒単位の精度が要求される場合、時刻情報取得装置3の内部における遅延も無視できなくなる。
このため、ネットワーク経由の標準時情報に従い較正された時刻情報取得装置3の時計が示す現在時刻は、要求精度を満たすことができていない可能性がある。この時刻情報取得装置3における時刻精度の不足を補うために、時刻精度測定装置5により標準電波を利用して時刻情報取得装置3の時刻精度が測定され、該測定結果に応じて時刻補正が行われる。
図4は、時刻精度測定装置5における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4のステップ10(図中S10で示し、以下同様とする)において、標準周波数報時局6から発信される標準電波が、時刻精度測定装置5のアンテナ50により受信され、当該受信電波の復調処理が受信回路51で実施される。
標準周波数報時局6から発信される標準電波は、例えば図5上側の1段目に示すように、タイムコード情報に従って長波帯の搬送波を振幅変調したパルス波形を有し、各パルスの時間幅に応じて信号区分が定義されている。図5の例では、パルス幅が0.2秒で「先頭マーカ」、0.8秒で「0」、0.5秒で「1」がそれぞれ定義されており、1周期60秒(60ビット)によって、時、分、年、曜日等の時刻情報を表すタイムコード情報が配信される。また、標準電波の各パルスの立ち上がりが標準時の1秒信号に同期している。
上記のような標準電波は、標準周波数報時局6から発信され時刻精度測定装置5で受信されるまでの間に様々なノイズが重畳される。このため、時刻精度測定装置5のアンテナ50における受信電波は、図5下側の1段目に示すように、ランダムに発生するノイズを含んだ波形となる。このような受信電波が受信回路51で復調処理されることにより、図5下側の2段目に示すような復調パルス信号が生成され、該復調パルス信号がエッジ検出回路52に与えられる。
図4のステップ20では、エッジ検出回路52において、復調パルス信号の各パルスの立ち上がりが検出される。これにより、図5下側の3段目に示すような受信エッジ信号Srecが生成される。この受信エッジ信号Srecは、標準電波に同期した1秒間隔の成分の他に、ノイズに対応した成分を含む。このため、受信エッジ信号Srecより1秒信号を直接検出しようとすると、標準電波には同期していない1秒信号を誤って検出してしまう可能性がある。
上記のようなノイズによる1秒信号の誤検出は、通常、受信電波の復調処理において包絡線検波を行うか、または、アナログのフィルタを適用するなどして回避される。しかし、上述したようにミリ秒単位の時刻精度が要求される用途では、包絡線検波回路やフィルタに依存する位相ずれが問題になる。そこで、本実施形態の時刻精度測定装置5では、n個の監視タイマ55−1〜55−nを利用し、該各監視タイマ55−1〜55−nが担う監視期間をCPU56により制御しながら、ノイズ成分を含んだ受信エッジ信号Srecの出現タイミングを監視することによって、標準電波に同期した1秒信号Sairが高い
精度で抽出されるようにしている。
この標準電波に同期した1秒信号Sairの抽出処理としては、まず、図4のステップ30において、固定発振器53から出力される内部クロックが、基準パルス生成回路54で分周等されることにより、短パルスが1秒間隔で正確に立ち上がる基準パルス信号Srefが生成さる。図6に示すタイミングチャートの1段目は、基準パルス信号Srefの波形を示している。この基準パルス信号Srefは、各監視タイマ55−1〜55−nにそれぞれ与えられる。
続いて、図4のステップ40では、基準パルス生成回路54からの基準パルス信号Srefにおける短パルスの立ち上がりタイミングを基準にして、各監視タイマ55−1〜55−nが担う監視期間の設定が行われる。図6の2段目は、監視タイマ55−1に対応した監視期間信号の波形を表しており、論理値「1」の期間が監視タイマ55−1に設定される監視期間に該当する。また、図6の3段目は、監視タイマ55−2に対応した監視期間信号の波形を表しており、論理値「1」の期間が監視タイマ55−2に設定される監視期間に該当する。
上記のような監視期間の設定は、CPU56が、各監視タイマ55−1〜55−n内の第1タイマ55A−1〜55A−nに対して互いに異なる監視開始時間Tw−1〜Tw−nを指示すると共に、第2タイマ55B−1〜55B−nに対して共通の監視継続時間Tgを指示することにより行われる。
具体的に、上記図6の例を参照して詳しく説明すると、監視タイマ55−1の監視期間(2段目)に関しては、CPU56により、第1タイマ55A−1に対して監視開始時間Tw−1=0秒、第2タイマ55B−1に対して監視継続時間Tg=1/n秒が指示される。これにより、監視タイマ55−1の監視期間は、基準パルス信号Sref(1段目)の各短パルスの立ち上がりと同時に開始され、その後の1/n秒の経過で終了となる。
また、監視タイマ55−2の監視期間(3段目)に関しては、CPU56により、第1タイマ55A−2に対して監視開始時間Tw−2=(Tw−1)+(1/n)=1/n秒、第2タイマ55B−2に対して監視継続時間Tg=1/n秒が指示される。これにより、監視タイマ55−2の監視期間は、基準パルス信号Sref(1段目)の各短パルスの立ち上がりから1/n秒が経過するタイミングで開始され、その後の1/n秒の経過で終了となる。
上記のようにして各監視タイマ55−1〜55−nに対応した監視期間が設定されると、図4のステップ50に進む。ステップ50では、各監視タイマ55−1〜55−nの論理積回路55C−1〜55C−nにおいて、エッジ抽出回路52からの受信エッジ信号Srecと、第2タイマ55Bからの監視期間信号との論理積が演算される。そして、各論理積回路55C−1〜55C−nの演算結果を示す信号が各フリップフロップ回路55D−1〜55D−nでラッチされる。
図6の4段目は、エッジ抽出回路52から各論理積回路55C−1〜55C−nに与えられる受信エッジ信号Srecの一例を示している。この受信エッジ信号Srecは、エッジ抽出回路52および各論理積回路55C−1〜55C−nの間にノイズ除去のためのアナログ回路が存在しないので、受信電波に含まれる周波数情報に実質的な位相ずれは生じていない。
図6の5段目は、監視タイマ55−1における論理積回路55C−1の出力信号、すなわち、エッジ抽出回路52からの受信エッジ信号Srec(4段目)と、第2タイマ55
B−1からの監視期間信号(2段目)との論理積の演算結果を示している。この例では、監視タイマ55−1の監視期間内に受信エッジ信号Srecが生じているので、該受信エッジ信号Srecと同じタイミングで論理積回路55C−1の出力レベルが「1」になる。そして、この論理積回路55C−1の出力信号がフリップフロップ回路55D−1でラッチされる。これにより、フリップフロップ回路55D−1の出力レベルは、図6の7段目に示すように「1」にセットされる。このフロップ回路55D−1の出力レベルは、当該監視期間の終了後、予め定めた時間が経過した後に、CPU56からフロップ回路55D−1に伝えられるリセット指示に従って「0」にリセットされる。
一方、図6の6段目に示している、監視タイマ55−2における論理積回路55C−2の出力信号は、第2タイマ55B−2からの監視期間信号(3段目)が「1」になる監視期間内に、エッジ抽出回路52からの受信エッジ信号Srec(4段目)が生じていないので、出力レベルが「1」になることはなく「0」を維持する。このため、フリップフロップ回路55D−2の出力レベルも、図6の8段目に示すように「0」のままとなる。
上記のようにして各監視タイマ55−1〜55−nにおける論理積回路55C−1〜55C−nの演算結果(受信エッジ信号Srecの監視結果)が各フリップフロップ回路55D−1〜55D−nにラッチされると、図4のステップ60に進んで、各フリップフロップ回路55D−1〜55D−nの出力レベルが、各ゲート回路55E−1〜55E−nを介してCPU56により読み取られる。そして、CPU56は、各フリップフロップ回路55D−1〜55D−nの出力レベルに従って、受信エッジ信号Srecがいずれの監視期間で生じているかを判断し、その結果をメモリ57の管理テーブルに記録する。
ここで、メモリ57の管理テーブルについて具体例を挙げて詳しく説明する。
図7は、監視タイマ55−1〜55−nの設置数をn=4とし、かつ、標準電波に同期した1秒信号Sairの抽出誤差を1/n=1/64秒(≒15.6ミリ秒)以下とする場合の管理テーブルの一例を示している。この場合、メモリ57の管理テーブルとしては、例えば、n=64ビットのデータ領域を用意しておく。この管理テーブルの個々のデータ領域は、記録されるビット値に応じて「トリガあり」および「トリガなし」のいずれかを表す。図7に示した管理テーブルの例では、斜線を施したデータ領域が「トリガあり」を表しており、全てのデータ領域の初期値はここでは「トリガあり」に設定されている(図7の中段)。なお、ここでの「トリガ」は、受信エッジ信号Srecの発生に対応する。
図7の例では、4個の監視タイマ55−1〜55−4が使用されているので、各監視タイマ55−1〜55−4に対して初回に設定される監視期間は、1秒を4分割した期間が順番に割り当てられる。すなわち、図7の上段および中段に示すように、監視タイマ55−1の監視期間として、基準パルス信号Srefの各短パルスの立ち上がりから1/4秒までの期間(監視開始時間Tw−1=0秒、監視継続時間Tg=1/4秒)が設定される。この監視タイマ55−1の監視期間に対応する管理テーブルの領域A1としては、1〜16番目のデータ領域が割り当てられる。また、監視タイマ55−2の監視期間として、1/4秒から1/2秒までの期間(監視開始時間Tw−2=1/4秒、監視継続時間Tg=1/4秒)が設定される。この監視タイマ55−2の監視期間に対応する管理テーブルの領域A2としては、17〜32番目のデータ領域が割り当てられる。さらに、監視タイマ55−3の監視期間として、1/2秒から3/4秒までの期間(監視開始時間Tw−3=1/2秒、監視継続時間Tg=1/4秒)が設定される。この監視タイマ55−3の監視期間に対応する管理テーブルの領域A3としては、33〜48番目のデータ領域が割り当てられる。加えて、監視タイマ55−4の監視期間として、3/4秒から1秒までの期間(監視開始時間Tw−4=3/4秒、監視継続時間Tg=1/4秒)が設定される。この監視タイマ55−4の監視期間に対応する管理テーブルの領域A4としては、49〜6
4番目のデータ領域が割り当てられる。
上記のように各監視タイマ55−1〜55−4に設定された監視期間に対して、図7の上段に示した受信エッジ信号Srecは、監視タイマ55−1の監視期間内に発生している。この場合、監視タイマ55−1のフリップフロップ回路55D−1の出力レベルが「1」となり、他の監視タイマ55−2〜55−4のフリップフロップ回路55D−2〜55D−4の出力レベルが「0」となる。このような各フリップフロップ回路55D−2〜55D−4の出力レベルに対応させて、メモリ57の管理テーブルは、図7の下段に示すように、1〜16番目の領域A1が「トリガあり」とされ、17〜64番目の領域A2〜A4が「トリガなし」とされる。なお、図7には示していないが、受信エッジ信号Srecにおいてランダムに発生するノイズに起因した成分に関しても、上記と同様にして管理テーブルの対応する領域に「トリガあり」として記録される。
続いて、図4のステップ70では、CPU56により、メモリ57の管理テーブルに記録された情報に基づいて、監視対象として、「トリガあり」の領域に対応する監視期間が選択され、「トリガなし」の領域に対応する監視期間が除外される。そして、ステップ80では、ステップ70で選択された監視期間の継続時間(Tg)が1秒信号Sairの抽出誤差以下になっているか否かの判定が行われる。抽出誤差以下が判定された場合には次のステップ90に進む。一方、抽出誤差よりも長いと判定された場合には、前述したステップ40に戻り、新たな監視期間の再設定が行われる。
上記監視期間の再設定は、ステップ70で選択された監視期間を、監視タイマの設置数nで更に分割した新たな監視期間を想定する。そして、その新たな監視期間が各監視タイマ55−1〜55−nに順番に割り当てられるように、CPU56が各監視タイマ55−1〜55−nに指示する、監視開始時間Tw−1〜Tw−nおよび監視継続時間Tgが更新される。
図8は、前述した図7の具体例における監視期間の再設定(2回目の設定)の様子を示している。ここでは、初回の設定において1〜16番目のデータ領域A1が「トリガあり」に該当しているので、監視タイマ55−1に設定されていた監視期間、すなわち、基準パルス信号Srefの各短パルスの立ち上がりから1/4秒までの監視期間が、ステップ70で選択される。この監視期間の継続時間(Tg)は1/4秒であり、これは1秒信号Sairの抽出誤差として設定されている1/64秒よりも長いので、再設定の対象となる。このため、各監視タイマ55−1〜55−4に対して2回目に設定される新たな監視期間は、基準パルス信号Srefの各短パルスの立ち上がりから1/4秒までの間を4分割した期間が、各監視タイマ55−1〜55−4に対して順番に割り当てられる。
具体的には、図8の上段および中段に示すように、監視タイマ55−1の新たな監視期間として、基準パルス信号Srefの各短パルスの立ち上がりから1/16秒までの期間(Tw−1=0秒、Tg=1/16秒)が再設定され、当該期間に対応する管理テーブルの領域A1が1〜4番目のデータ領域に変更される。また、監視タイマ55−2の新たな監視期間としては、1/16秒から1/8秒までの期間(Tw−2=1/16秒、Tg=1/16秒)が再設定され、当該期間に対応する管理テーブルの領域A2が5〜8番目のデータ領域に変更される。さらに、監視タイマ55−3の新たな監視期間としては、1/8秒から3/16秒までの期間(Tw−3=1/8秒、Tg=1/16秒)が再設定され、当該期間に対応する管理テーブルの領域A3が9〜12番目のデータ領域に変更される。加えて、監視タイマ55−4の新たな監視期間としては、3/16秒から1秒までの期間(Tw−4=3/16秒、Tg=1/16秒)が再設定され、当該期間に対応する管理テーブルの領域A4が13〜16番目のデータ領域に変更される。
上記のように各監視タイマ55−1〜55−4に再設定された監視期間に対して、図8の例では受信エッジ信号Srecが監視タイマ55−3の監視期間内に発生している。このため、監視タイマ55−3のフリップフロップ回路55D−3の出力レベルが「1」となり、他の監視タイマ55−1,55−2,55−4のフリップフロップ回路55D−1,55D−2,55D−4の出力レベルが「0」となる(図4のステップ50)。このような各フリップフロップ回路55D−1〜55D−4の出力レベルに対応させて、メモリ57の管理テーブルは、図8の下段に示すように、9〜12番目の領域A3が「トリガあり」とされ、1〜8番目および13〜64番目の領域が「トリガなし」とされる(図4のステップ60)。
なお、初回の設定においてノイズに起因した成分により「トリガあり」となった監視期間については、ノイズのランダム性により、2回目の設定で4分割された監視期間の全てで受信エッジ信号Srecなしとなる可能性が高く、その可能性は監視期間を再設定する回数が増える程高まる。このため、受信エッジ信号Srecのノイズに起因した成分は監視対象から除外されて行くことになる。
上記のようなメモリ57の管理テーブルに記録された情報に基づいて、監視タイマ55−3に再設定されていた監視期間、すなわち、基準パルス信号Srefの各短パルスの立ち上がり後の経過時間で1/8秒から3/16秒までの監視期間が、CPU56により監視対象として選択される(図4のステップ70)。この監視期間の継続時間(Tg)は1/16秒であるため監視期間の再々設定が判定される(ステップ80)。
図9は、前述した図7の具体例における監視期間の再々設定(3回目の設定)の様子を示している。各監視タイマ55−1〜55−4に対して3回目に設定される新たな監視期間は、基準パルス信号Srefの各短パルスの立ち上がり後の経過時間で1/8秒から3/16秒までの間を4分割した期間が、各監視タイマ55−1〜55−4に対して順番に割り当てられる。
具体的には、図9の上段および中段に示すように、監視タイマ55−1の新たな監視期間として、1/8秒から9/64秒までの期間(Tw−1=1/8秒、Tg=1/64秒)が再設定され、当該期間に対応する管理テーブルの領域A1が9番目のデータ領域に変更される。また、監視タイマ55−2の新たな監視期間としては、9/64秒から5/32秒までの期間(Tw−2=9/64秒、Tg=1/64秒)が再設定され、当該期間に対応する管理テーブルの領域A2が10番目のデータ領域に変更される。さらに、監視タイマ55−3の新たな監視期間としては、5/32秒から11/64秒までの期間(Tw−3=5/32秒、Tg=1/64秒)が再設定され、当該期間に対応する管理テーブルの領域A3が11番目のデータ領域に変更される。加えて、監視タイマ55−4の新たな監視期間としては、11/64秒から3/16秒までの期間(Tw−4=11/66秒、Tg=1/64秒)が再設定され、当該期間に対応する管理テーブルの領域A4が12番目のデータ領域に変更される。
上記のように各監視タイマ55−1〜55−4に再々設定された監視期間に対して、図9の例では受信エッジ信号Srecが監視タイマ55−2の監視期間内に生じている。このため、監視タイマ55−2のフリップフロップ回路55D−2の出力レベルが「1」となり、他の監視タイマ55−1,55−3,55−4のフリップフロップ回路55D−1,55D−3,55D−4の出力レベルが「0」となる(図4のステップ50)。このような各フリップフロップ回路55D−1〜55D−4の出力レベルに対応させて、メモリ57の管理テーブルは、図9の下段に示すように、10番目の領域A3が「トリガあり」とされ、1〜9番目および11〜64番目の領域が「トリガなし」とされる(図4のステップ60)。
上記のようなメモリ57の管理テーブルに記録された情報に基づいて、監視タイマ55−2に再々設定されていた監視期間、すなわち、基準パルス信号Srefの各短パルスの立ち上がり後の経過時間で9/64秒から5/32秒までの監視期間が、CPU56により監視対象として選択される(図4のステップ70)。この監視期間の継続時間(Tg)は1/64秒であり、これは図4のステップ80の判定条件(1秒信号Sairの抽出誤差以下)を満たしているので、次のステップ90に進む。
ステップ90では、CPU56により、メモリ57の管理テーブルに記録された情報に基づいて、最終的に「トリガあり」となった領域に対応する監視期間が特定される。そして、n個の監視タイマ55−1〜55−nのうちでゲート回路58(図3)に入力信号を与えている監視タイマ55−1に対して上記特定された監視期間が設定されるように、CPU56が監視タイマ55−1に指示する監視開始時間Tw−1および監視継続時間Tgが更新される。なお、この段階における他の監視タイマ55−2〜55−nの監視期間は任意であり、例えば、初期値に戻しておいてもよい。
上記図9の例では、監視タイマ55−2に対して3回目に設定されていた監視期間、すなわち、基準パルス信号Srefの各短パルスの立ち上がり後の経過時間で9/64秒から5/32秒までの監視期間が特定され、該監視期間が監視タイマ55−1に設定されるように、監視タイマ55−1の監視開始時間Tw−1=9/64秒、監視継続時間Tg=1/64秒がCPU56により指示される。
上記ステップ90による監視タイマ55−1の監視期間の設定が完了すると、続くステップ100で、CPU56によりゲート回路58が開放される。これにより、監視タイマ55−1内で論理積回路55C−1からフリップフロップ回路55D−1に出力される信号の一部が、標準電波に同期した1秒信号Sairとして、比較回路59に与えられるようになる。また、ゲート回路58から比較回路59に出力される1秒信号Sairの一部が、基準パルス生成回路54にフィードバックされる。
ステップ110では、基準パルス生成回路54において、固定発振器53からの内部クロックを用いて生成する基準パルス信号Srefのタイミングと、ゲート回路58からフィードバックされる1秒信号Sairのタイミングとが一致するように、基準パルス信号Srefの位相調整が行われる。そして、基準パルス信号Srefの位相調整が完了すると、監視タイマ55−1の監視開始時間Tw−1の設定が、Tw−1=−(Tg/2)=−1/128秒に変更される。ただし、監視タイマ55−1の監視継続時間はTg=1/64秒を維持する。
これにより、監視タイマ55−1の監視期間は、図6の最終段に示しているように、1秒信号Sairと同じタイミングに調整された基準パルス信号Srefの各短パルスを中心にして±1/128秒の期間が設定されることになる。したがって、監視タイマ55−1の論理積回路55C−1からゲート回路58を介して比較回路59に送られる1秒信号Sairは、標準電波の周波数に対して1/128秒(≒7.8ミリ秒)の精度を有している。
続いて、図4のステップ120では、比較回路59において、ゲート回路58を通過した1秒信号Sairのタイミングと、時刻情報取得装置3から送られてくる1秒信号Snetのタイミングとの比較が行われる。これにより、標準電波に同期した1秒信号Sairに対する、ネットワーク経由の標準時情報に同期した1秒信号Snetの誤差が検出される。つまり、標準電波から抽出した1秒信号Sairを基準して、ネットワーク経由の標準時情報に従う現在時刻の精度が測定される。そして、検出された誤差を補正するため
の補正信号Cが比較回路59で生成されて時刻情報取得装置3に出力される。
時刻精度測定装置5からの補正信号Cを受けた時刻情報取得装置3では、該補正信号Cに従って、自装置内の時計(ネットワーク経由の標準時情報に従い較正済み)の現在時刻が補正される。これにより、時刻情報取得装置3は、標準時に対してミリ秒単位の精度を持つ時刻情報を配下の各機器4に通知できるようになる。
上述したように本実施形態の時刻精度測定装置5によれば、n個の監視タイマ55−1〜55−nにそれぞれ設定する監視期間をCPU56により制御して受信エッジ信号Srecの監視を行うようにしたことで、ノイズを含む標準電波より高い精度で1秒信号Sairを抽出することができる。そして、この時刻精度測定装置5を時刻情報取得装置3に接続し、上記標準電波に同期した1秒信号Sairを基準にして、ネットワーク経由で取得した標準時情報に従う現在時刻の誤差を補正するようにしたことで、時刻情報取得装置3は、標準時に対してミリ秒単位の精度を持つ時刻情報を配下の各機器4に通知することが可能になる。
なお、上述した実施形態では、時刻精度測定装置5が標準周波数報時局6から発信される標準電波を受信する一例について説明したが、本発明において時刻精度測定装置が受信する電波は上記一例に限定されるものではなく、例えば、GPS衛星から発信されるGPS信号などの高精度な周波数情報を含む任意の電波を受信して時刻精度測定を行うことが可能である。また、電波の受信に関して、標準周波数報時局やGPS衛星などの発信元の位置情報を利用して受信電波の遅延補正を行うようにしてもよい。これにより、受信電波から一層高い精度で1秒信号を抽出することが可能になる。
さらに、上述した実施形態の説明では、監視タイマの設置数をn=4とし、かつ、標準電波に同期した1秒信号Sairの抽出誤差を1/n=1/64秒以下とする具体例を示したが、監視タイマの設置数と抽出誤差との関係は上記に限定されない。例えば、同じ抽出誤差を実現するために、より多くの監視タイマを設置するようにすれば、各監視タイマに対して監視期間を再設定する回数を減少させることができるので、時刻精度の測定(誤差の検出)に要する時間を短縮することが可能になる。これとは逆に、監視タイマの設置数を減らして監視期間の再設定回数を増やすようにすれば、装置構成の簡略化を図ることができる。
また、メモリ57の管理テーブルについて、1/64秒以下の抽出誤差に対し64ビットのデータ領域を用意する具体例を示したが、例えば、個々の監視タイマに対応したトリガの有無を記録するための第1領域として監視タイマの設置数nと同じビット数のデータ領域を用意すると共に、監視対象として選択された監視期間を特定するための情報を記録するための第2領域を用意しておき、各監視タイマの監視期間を再設定する都度、第1および第2の領域のデータを書き換えるようにして、受信エッジ信号Srecの監視結果を管理することも可能である。このような管理テーブルを用いることにより、メモリ57の容量を減少させることができる。加えて、上述した実施形態では、CPU56により各監視タイマを制御する一例を説明したが、CPU56に代えてシーケンサーを使用することも勿論可能である。
以上の実施形態に関して、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) 標準時情報に基づく時刻の精度を測定する時刻精度測定装置であって、
標準時に同期した周波数情報を含む電波を受信し、当該受信電波を復調してパルス信号を生成する受信回路と、
前記受信回路で生成されたパルス信号の立ち上がりエッジを抽出して受信エッジ信号を
生成するエッジ抽出回路と、
一定周期の基準パルス信号を生成する基準パルス生成回路と、
前記基準パルス生成回路で生成された基準パルス信号を基準にして、前記一定周期内に互いに異なる監視期間を設定可能であり、該監視期間内に、前記エッジ抽出回路で生成された受信エッジ信号が出現するか否かをそれぞれ監視する、複数の監視タイマと、
前記各監視タイマの監視結果に基づいて、前記各監視タイマの監視期間のうちで前記受信エッジ信号が出現する監視期間を選択し、該選択した監視期間を前記監視タイマの設置数で分割した新たな監視期間を前記各監視タイマに再設定し、該各監視タイマによる前記受信エッジ信号の監視を、前記新たな監視期間の継続時間が要求精度を満たす長さになるまで繰り返し行うことで、前記受信エッジ信号に含まれるノイズ成分を除去し、前記電波の周波数情報に同期した1秒信号を生成する制御回路と、
前記制御回路で生成された1秒信号のタイミングに対する、測定対象の時刻に同期した1秒信号のタイミングの誤差を検出し、該誤差に従って前記測定対象の時刻の精度を測定する比較回路と、
を備えたことを特徴とする時刻精度測定装置。
(付記2) 付記1に記載の時刻精度測定装置であって、
前記各監視タイマは、それぞれ、
前記基準パルス信号を基準にして、前記制御回路により指示される監視開始時間が経過する監視開始タイミングを計測する第1タイマと、
前記第1タイマで計測された監視開始タイミングを基準にして、前記制御回路により指示される監視継続時間が経過する監視終了タイミングを計測し、前記監視開始タイミングから前記監視終了タイミングに亘る監視期間を設定して、該監視期間で論理値「1」となり、その他の期間で論理値「0」となる監視期間信号を出力する第2タイマと、
前記エッジ抽出回路で生成された受信エッジ信号、および、第2タイマから出力される監視期間信号の論理積を演算する論理積回路と、
前記論理積回路の出力信号をラッチするフリップフロップ回路と、
を含むことを特徴とする時刻精度測定装置。
(付記3) 付記1または2に記載の時刻精度測定装置であって、
前記基準パルス生成回路は、前記制御回路で生成された前記1秒信号がフィードバックされ、該1秒信号のタイミングに一致するように、前記基準パルス信号の位相調整を行うことを特徴とする時刻精度測定装置。
(付記4) 付記1〜3のいずれか1つに記載の時刻精度測定装置であって、
前記測定対象の時刻は、時刻サーバより通信ネットワークを経由して取得された標準時情報に従う時刻であることを特徴とする時刻精度測定装置。
(付記5) 付記1〜4のいずれか1つに記載の時刻精度測定装置であって、
前記受信回路は、標準周波数報時局から発信される標準電波を受信することを特徴とする時刻精度測定装置。
(付記6) 付記1〜4のいずれか1つに記載の時刻精度測定装置であって、
前記受信回路は、GPS衛星から発信されるGPS信号を受信することを特徴とする時刻精度測定装置。
(付記7) 付記1〜6のいずれか1つに記載の時刻精度測定装置であって、
前記比較回路は、前記検出した誤差に従って前記測定対象の時刻を補正する補正信号を生成することを特徴とする時刻精度測定装置。
(付記8) 標準時情報に基づく時刻の精度を測定する時刻精度測定方法であって、
標準時に同期した周波数情報を含む電波を受信し、当該受信電波を復調してパルス信号を生成し、
前記パルス信号の立ち上がりエッジを抽出して受信エッジ信号を生成し、
一定周期の基準パルス信号を生成し、
前記基準パルス信号を基準にして、前記一定周期内に互いに異なる監視期間を設定可能な複数の監視タイマを用いて、各々の監視期間内に、前記受信エッジ信号が出現するか否かをそれぞれ監視し、
前記各監視タイマの監視結果に基づいて、前記各監視タイマの監視期間のうちで前記受信エッジ信号が出現する監視期間を選択し、
前記選択した監視期間を前記監視タイマの設置数で分割した新たな監視期間を前記各監視タイマに再設定し、
前記各監視タイマによる前記受信エッジ信号の監視を、前記新たな監視期間の継続時間が要求精度を満たす長さになるまで繰り返し行うことで、前記受信エッジ信号に含まれるノイズ成分を除去し、前記電波の周波数情報に同期した1秒信号を生成し、
前記電波の周波数情報に同期した1秒信号のタイミングに対する、測定対象の時刻に同期した1秒信号のタイミングの誤差を検出し、該誤差に従って前記測定対象の時刻の精度を測定することを特徴とする時刻精度測定方法。
1…時刻サーバ
2…通信ネットワーク
3…時刻情報取得装置
5…時刻精度測定装置
6…標準周波数報時局
50…アンテナ
51…受信回路
52…エッジ抽出回路
53…固定発振器
54…基準パルス生成回路
55−1〜55−n…監視タイマ
55A−1〜55A−n…第1タイマ
55B−1〜55B−n…第2タイマ
55C−1〜55C−n…論理積回路
55D−1〜55D−n…フリップフロップ回路
55E−1〜55E−n,58…ゲート回路
56…CPU
57…メモリ
59…比較回路
Sref…基準パルス信号
Srec…受信エッジ信号
Sair…1秒信号(標準電波に同期)
Snet…1秒信号(ネットワーク経由の標準時情報に同期)

Claims (6)

  1. 標準時情報に基づく時刻の精度を測定する時刻精度測定装置であって、
    標準時に同期した周波数情報を含む電波を受信し、当該受信電波を復調してパルス信号を生成する受信回路と、
    前記受信回路で生成されたパルス信号の立ち上がりエッジを抽出して受信エッジ信号を生成するエッジ抽出回路と、
    一定周期の基準パルス信号を生成する基準パルス生成回路と、
    前記基準パルス生成回路で生成された基準パルス信号を基準にして、前記一定周期内に互いに異なる監視期間を設定可能であり、該監視期間内に、前記エッジ抽出回路で生成された受信エッジ信号が出現するか否かをそれぞれ監視する、複数の監視タイマと、
    前記各監視タイマの監視結果に基づいて、前記各監視タイマの監視期間のうちで前記受信エッジ信号が出現する監視期間を選択し、該選択した監視期間を前記監視タイマの設置数で分割した新たな監視期間を前記各監視タイマに再設定し、該各監視タイマによる前記受信エッジ信号の監視を、前記新たな監視期間の継続時間が要求精度を満たす長さになるまで繰り返し行うことで、前記受信エッジ信号に含まれるノイズ成分を除去し、前記電波の周波数情報に同期した1秒信号を生成する制御回路と、
    前記制御回路で生成された1秒信号のタイミングに対する、測定対象の時刻に同期した1秒信号のタイミングの誤差を検出し、該誤差に従って前記測定対象の時刻の精度を測定する比較回路と、
    を備えたことを特徴とする時刻精度測定装置。
  2. 請求項1に記載の時刻精度測定装置であって、
    前記各監視タイマは、それぞれ、
    前記基準パルス信号を基準にして、前記制御回路により指示される監視開始時間が経過する監視開始タイミングを計測する第1タイマと、
    前記第1タイマで計測された監視開始タイミングを基準にして、前記制御回路により指示される監視継続時間が経過する監視終了タイミングを計測し、前記監視開始タイミングから前記監視終了タイミングに亘る監視期間を設定して、該監視期間で論理値「1」となり、その他の期間で論理値「0」となる監視期間信号を出力する第2タイマと、
    前記エッジ抽出回路で生成された受信エッジ信号、および、第2タイマから出力される監視期間信号の論理積を演算する論理積回路と、
    前記論理積回路の出力信号をラッチするフリップフロップ回路と、
    を含むことを特徴とする時刻精度測定装置。
  3. 請求項1または2に記載の時刻精度測定装置であって、
    前記基準パルス生成回路は、前記制御回路で生成された前記1秒信号がフィードバックされ、該1秒信号のタイミングに一致するように、前記基準パルス信号の位相調整を行うことを特徴とする時刻精度測定装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の時刻精度測定装置であって、
    前記測定対象の時刻は、時刻サーバより通信ネットワークを経由して取得された標準時情報に従う時刻であることを特徴とする時刻精度測定装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の時刻精度測定装置であって、
    前記受信回路は、標準周波数報時局から発信される標準電波を受信することを特徴とする時刻精度測定装置。
  6. 標準時情報に基づく時刻の精度を測定する時刻精度測定方法であって、
    標準時に同期した周波数情報を含む電波を受信し、当該受信電波を復調してパルス信号
    を生成し、
    前記パルス信号の立ち上がりエッジを抽出して受信エッジ信号を生成し、
    一定周期の基準パルス信号を生成し、
    前記基準パルス信号を基準にして、前記一定周期内に互いに異なる監視期間を設定可能な複数の監視タイマを用いて、各々の監視期間内に、前記受信エッジ信号が出現するか否かをそれぞれ監視し、
    前記各監視タイマの監視結果に基づいて、前記各監視タイマの監視期間のうちで前記受信エッジ信号が出現する監視期間を選択し、
    前記選択した監視期間を前記監視タイマの設置数で分割した新たな監視期間を前記各監視タイマに再設定し、
    前記各監視タイマによる前記受信エッジ信号の監視を、前記新たな監視期間の継続時間が要求精度を満たす長さになるまで繰り返し行うことで、前記受信エッジ信号に含まれるノイズ成分を除去し、前記電波の周波数情報に同期した1秒信号を生成し、
    前記電波の周波数情報に同期した1秒信号のタイミングに対する、測定対象の時刻に同期した1秒信号のタイミングの誤差を検出し、該誤差に従って前記測定対象の時刻の精度を測定することを特徴とする時刻精度測定方法。
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