JP2013007392A - 携帯端末装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クローズ状態で第1のユニットと第2のユニットを相対的に平行摺動させると、自動オープンするトルクを発生する携帯端末装置を提供すること。
【解決手段】携帯端末装置100は、上ユニット110と下ユニット120と連結ユニット200を備え、連結ユニット200は、第1回転部材210と第2回転部材220とを有し、上ユニット110と下ユニット120は軸運動を制御するストッパー111,121を備える。スライド操作力は第1回転部材の回転トルクτB0(-)と第2回転部材の回転トルクτA0(-)との絶対値差分で設定する。
【選択図】図10
【解決手段】携帯端末装置100は、上ユニット110と下ユニット120と連結ユニット200を備え、連結ユニット200は、第1回転部材210と第2回転部材220とを有し、上ユニット110と下ユニット120は軸運動を制御するストッパー111,121を備える。スライド操作力は第1回転部材の回転トルクτB0(-)と第2回転部材の回転トルクτA0(-)との絶対値差分で設定する。
【選択図】図10
Description
本発明は、折畳み式携帯電話機などの携帯端末装置に関する。
折畳み式携帯電話機は、第1筐体と第2筐体とをヒンジ部で回動自在に接続し、折り畳んだり広げたりして使用する。
特許文献1には、回転して広げられたり折りたたまれたり折りたたんだ状態でスライドできる2つのユニットを備える携帯装置及びその携帯装置に使用されるヒンジ装置が記載されている。
図1は、特許文献1記載のヒンジ装置の構成を示す側面図であり、図1(a)はクローズ状態を示し、図1(b)はスライド操作完了状態を示し、図1(c)はオープン状態を示す。
図1に示すように、携帯装置10は、上ユニット11と、下ユニット12と、上ユニット11と下ユニット12とを回動自在に連結するヒンジ装置(以下、連結ユニットという)20とを備える。
連結ユニット20は、第1回転部材21と、第2回転部材22とを有する。
第1回転部材21は、カム機構及び圧縮コイルバネなどを有し、上ユニット11と連結ユニット20とを回動する。
第2回転部材22は、カム機構及び圧縮コイルバネなどを有し、下ユニット12と連結ユニット20とを回動する。
上記連結ユニット20は、スライド操作力Fを受けて上ユニット11をスライド操作方向に直線移動させる。
連結ユニット20は、上ユニット11と下ユニット12とが折り畳まれた状態で2つのユニットの間の相対的な摺動が一部区間内で行われるように許容し、上ユニット11と下ユニット12とに連結され、広げられる方向への自動回転区間を有する。
連結ユニット20は、上ユニット11と下ユニット12とが完全に折り畳まれた状態で所定の距離以上の2つのユニットの間の相対的な摺動により回転部材が自動回転区間に進入し、上ユニット11と下ユニット12とを広げる方向に力を作用する。
しかしながら、特許文献1記載の構成は、以下のような課題がある。図1を参照して説明する。
図1矢印に示すように、上ユニット11は、第1回転部材21(以下の説明において、第1回転部材21は、A軸と略記する。)の回転軸線を中心として回動する。
連結ユニット20に対する上ユニット11のA軸のオープン角度(以下の説明において、A軸オープン角度と略記する)φAは、上ユニット11の開き方向(図1では時計方向)を正方向とすると、0°(クローズ状態)〜−φs(スライド操作完了状態)〜0°(オープン状態)と遷移する角度で表される。上ユニット11に対し連結ユニット20からA軸が相対的に出力するオープン回転トルクをτA(+)、クローズ回転トルクをτA(-)と表記する。以下の説明において、τA(+)及びτA(-)は、総じてA軸回転トルクと略記する。
連結ユニット20は、下ユニット12に対し第2回転部材22(以下の説明において、第2回転部材22は、B軸と略記する。)の回転軸線を中心として回動する。
下ユニット12に対する連結ユニット20のB軸オープン角度(以下の説明において、B軸オープン角度と略記する)φBは、連結ユニット20の開き方向(図1では時計方向)を正方向とすると、0°(クローズ状態)〜φs(スライド操作完了状態)〜φE(オープン状態)と遷移する角度で表される。連結ユニット20に対し下ユニット12からB軸が相対的に出力するオープン回転トルクをτB(+)、クローズ回転トルクをτB(-)と表記する。以下の説明において、τB(+)及びτB(-)は、総じてB軸回転トルクと略記する。
図1(a)は、上ユニット11と下ユニット12のクローズ状態を示す。A軸オープン角度φAは0°、B軸オープン角度φBは0°であり、A軸及びB軸の合計のセットオープン角度(以下の説明において、セットオープン角度と略記する)θは、0°である。
また、A軸回転トルクはτA0(+)、B軸回転トルクはτB0(-)が発生する。
上ユニット11には、スライド操作力Fが加えられる。
図1(b)は、上ユニット11と下ユニット12のスライド操作完了状態を示す。
A軸オープン角度φAは−φs、B軸のオープン角度φBはφsであり、セットオープン角度θは、0°である。
また、A軸回転トルクはτA1(+)、B軸回転トルクはτB1(+)が発生する。
図1(c)は、上ユニット11と下ユニット12のオープン状態を示す。
A軸オープン角度φAは0°、B軸オープン角度φBはφEであり、セットオープン角度θは、φEである。
また、A軸回転トルクはτA0(+)、B軸回転トルクはτB2(+)が発生する。
特許文献1記載の構成は、図1(a)のクローズ状態、図1(b)のスライド操作完了状態、図1(c)のオープン状態の、それぞれにおいて、下記(1)〜(5)のような課題がある。
(1)携帯装置10を一般的な携帯電話機に適用した場合、LCDなどを有する上ユニット11の重量は、機能増に比例して増えていく傾向にある。
この上ユニット11の重量増に対応しようとすると、クローズ状態を保持するためにB軸回転トルクτB0(-)、またオープン状態を保持するためにA軸回転トルクτA0(+)及びB軸回転トルクτB2(+)の絶対値を上げる必要がある。しかし、かかる回転トルクの絶対値を上げるためには、スライド操作力Fを高くせざるを得ず、通常操作可能な許容操作力(1kgf程度)を超えてしまう。スライド操作力Fは、次式で示される。
F≒(τA0(+)−τB0(-))/b=(|τA0(+)|+|τB0(-)|)/b …(1)
b:A軸とB軸の軸間距離
F≒(τA0(+)−τB0(-))/b=(|τA0(+)|+|τB0(-)|)/b …(1)
b:A軸とB軸の軸間距離
スライド操作力F≪1kgfが実現できないと、一般的な携帯電話機に適用するのは困難である。
(2)セットオープン角度θを決定する上で、連結ユニット20のうち一方の回転部材(B軸の第2回転部材22)しか寄与していない。すなわち、最大セットオープン角度θ=B軸最大オープン角度φEである。このため、最大セットオープン角度θを大きくしようとすると、ヒンジ設計上の不都合が生じる。具体的には、ヒンジバネ・カムの大型化やカム形状の複雑化である。ヒンジサイズの大型化、加工・組立性悪化などにつながる。
最大セットオープン角度は使い勝手から168°程度が求められる。
(3)中間オープン停止機能の実現が困難である。
卓上置きを可能にする中間オープン停止機能を付加させようとすると、B軸の第2回転部材22のヒンジカムに緻密な加工を施す必要がある。上記(2)課題の状況をさらに悪化させることになる。
卓上置きを可能にする中間オープン停止機能を簡素な構成で実現することが求められる。
(4)スライド操作による自動オープンにおいて、下記の条件があり条件を満たさなければ、安定した自動オープンが実現しない。
図1(b)に示すスライド操作完了後の動作は、A軸回転トルクτA1(+)、B軸回転トルクτB1(+)による2軸自由運動が始まる。その後、A軸が閉じ状態に戻ると、B軸による1軸運動となる。
2軸自由運動の自動オープン条件は、スライド操作によりB軸回転トルクτB1が開回転方向(+)にあり、かつ「τB1(+)−τA1(+)>0」という条件である(次式(2)参照)。
自動オープン条件:τB1=τB1(+)、かつ、τB1(+)−τA1(+)>0 …(2)
式(2)の自動オープン条件が揃わなければ、自動オープンが開始しない。上記自動オープン条件を満たすためには、B軸回転トルクτB1(+)を大きくせざるを得ず、効率が悪い。
式(2)の自動オープン条件が揃わなければ、自動オープンが開始しない。上記自動オープン条件を満たすためには、B軸回転トルクτB1(+)を大きくせざるを得ず、効率が悪い。
軸トルク活用の効率化が求められる。
(5)仮に、上記(1)においてスライド操作力Fを適度に設定することができたと想定する。上述したようにスライド操作力Fを適度に設定するには、式(1)から明らかなように閉じ状態におけるB軸回転トルクτB0(-)及びA軸回転トルクτA0(+)の絶対値を必要最低限に下げる必要がある。
一方、オープン後のクローズ操作において、上ユニット11及び下ユニット12をスムーズに初期状態に戻すには、B軸がA軸に先行して閉じなければならないため、式(3)の条件が必要である。
A軸とB軸オープン状態保持トルクの関係:τA0(+)≫τB2(+) …(3)
A軸とB軸オープン状態保持トルクの関係:τA0(+)≫τB2(+) …(3)
しかし、閉じ状態におけるB軸回転トルクτB0(-)及びA軸回転トルクτA0(+)の絶対値を必要最低限に下げた上で、式(3)の関係を付加するためには、B軸のオープン状態保持トルクτB2(+)が不足してしまう。
スムーズなクローズ操作の実現には、τA0(+)≫τB2(+)を満たす必要がある。
以上述べた課題に対し、本発明は、クローズ状態で第1のユニットと第2のユニットを相対的に平行摺動させると、オープン回転トルクを効率よく発生し、セットの重量増や中間オープン停止機能付加に簡素な構成で対応できる携帯端末装置を提供することを目的とする。
本発明の携帯端末装置は、第1ユニットと、第2ユニットと、第1回転部材と第2回転部材とを有する連結ユニットと、を備え、前記連結ユニットは、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを互いに向かい合う折り畳み状態及び前記第1ユニットと前記第2ユニットとが互いに離れる開き状態にするとともに、前記折り畳み状態において前記第1ユニットを前記第2ユニットに対して平行に摺動させ、前記第1回転部材は、前記第1ユニットと接続し、前記連結ユニットに対して前記第1ユニットを回動自在に連結し、前記第2回転部材は、前記第2ユニットと接続し、前記連結ユニットに対して前記第2ユニットを回動自在に連結し、前記折り畳み状態において、前記第1回転部材の回転トルクは、前記連結ユニットに対して前記第1ユニットを折り畳む方向に設定され、前記第2回転部材の回転トルクは、前記第2ユニットに対して前記連結ユニットを折り畳む方向に設定される構成を採る。
本構成により、従来例では、重量増対策などでクローズ状態の保持力をアップするために、副作用としてスライド操作力Fを高くせざるを得なかったのに対して、本実施の形態では、クローズ状態の保持力をアップするとともに、スライド操作力Fを適度に抑えることができる。
さらに、本発明の携帯端末装置は、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを互いに向かい合う折り畳み状態から前記第1ユニットと前記第2ユニットとが互いに離れる開き状態に遷移する際に、前記第1回転部材の回転トルクは、前記連結ユニットに対して前記第1ユニットを開く方向に遷移し、前記第2回転部材の回転トルクは、前記第2ユニットに対して前記連結ユニットを開く方向に遷移する構成を採る。
本構成により、従来例では、第1回転部材の役割がスライド相当回転角の確保だけであったのに対して、本実施の形態では、セットオープン角の確保を含めた役割を持たせることができる。これにより、両軸とも適度な回転角を有する簡易型カム小型ヒンジによる製作が容易になる。
また、本発明の携帯端末装置は、前記折り畳み状態において前記第1ユニットを前記第2ユニットに対して平行に摺動した後に、前記第1ユニットを回転規制するストッパーを前記連結ユニットに備え、前記第2回転部材の回転トルクが前記第2ユニットに対して前記連結ユニットを開く方向に遷移した後に前記第1回転部材の回転トルクが前記連結ユニットに対して前記第1ユニットを開く方向に遷移する構成を採る。
本構成により、従来例では、前記式(2)の自動オープン条件が揃わなければ、自動オープンが開始せず、第2回転部材のオープン回転トルクも大きくせざるを得なかったのに対して、本実施の形態では、第2回転部材の回転トルクが閉じる方向にあっても自動オープンを開始することができ、かつ効率のよい軸トルク活用で回転運動を制御できる。
また、本発明の携帯端末装置は、前記第1ユニットと前記第2ユニットとが互いに離れる最大開き状態の中間状態で停止させる中間オープン保持角を有する構成を採る。
本構成により、第1回転部材及び第2回転部材に緻密な加工を施すことなく、卓上置きに適した仰角に保持できる中間オープン停止機能を付加させることができる。
また、本発明の携帯端末装置は、前記連結ユニットは、前記第1回転部材のオープン状態保持トルクを第2回転部材のオープン状態保持トルクよりも大きく設定する。
本構成により、フルオープン後のクローズ操作において、スムーズに初期のクローズ状態に戻すことができる。
本発明によれば、クローズ状態で第1のユニットと第2のユニットを相対的に平行摺動させると、自動オープンする回転トルクを発生する携帯端末装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
〔実施の形態〕
図2は、本発明の実施の形態に係る折畳み式携帯端末装置の外観図であり、図2(a)は、上記携帯端末装置の背面から見た斜視図、図2(b)は、上記携帯端末装置の側面図である。なお、図2(b)は、ヒンジ装置の構成を示すためこの部分を透視して示す。また、図3は、上記携帯端末装置のオープン状態を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る折畳み式携帯端末装置の外観図であり、図2(a)は、上記携帯端末装置の背面から見た斜視図、図2(b)は、上記携帯端末装置の側面図である。なお、図2(b)は、ヒンジ装置の構成を示すためこの部分を透視して示す。また、図3は、上記携帯端末装置のオープン状態を示す斜視図である。
本実施の形態は、折畳み式携帯端末装置として携帯電話機/PHS(Personal Handy-Phone System)に適用した例である。また、PDA(Personal Digital Assistants:携帯情報端末)、携帯ゲーム機などの携帯機器に適用できる。
図2及び図3に示すように、携帯端末装置100は、上ユニット110と、下ユニット120と、上ユニット110と下ユニット120とを回動自在に連結するヒンジ装置(以下、連結ユニットという)200とを備える。
連結ユニット200は、第1回転部材210と、第2回転部材220とを有する。
連結ユニット200は、上ユニット110と下ユニット120とを互いに向かい合う折り畳み状態及び上ユニット110と下ユニット120とが互いに離れる開き状態にするとともに、前記折り畳み状態において上ユニット110を下ユニット120に対してほぼ平行に摺動させることができる。
具体的には、スライド操作力Fを受け、連結ユニット200が第2回転部材220を軸に回動することで、上ユニット110に下ユニット120に沿った平行移動に近い摺動をさせる。
第1回転部材210は、カム機構及び圧縮コイルバネなどを有し、上ユニット110と連結ユニット200とを相対的に回動させる。
第1回転部材210は、上ユニット110と接続し、連結ユニット200に対して上ユニット110を回動自在に連結する。
第2回転部材220は、カム機構及び圧縮コイルバネなどを有し、下ユニット120と連結ユニット200とを相対的に回動させる。
第2回転部材220は、下ユニット120と接続し、下ユニット120に対して連結ユニット200を回動自在に連結する。
ここで、前記折り畳み状態において、第1回転部材210の回転トルクは、連結ユニット200に対して上ユニット110を折り畳む方向に設定され、第2回転部材220の回転トルクは、下ユニット120に対して連結ユニット200を折り畳む方向に設定される。
また、上ユニット110と下ユニット120とを互いに向かい合う折り畳み状態から上ユニット110と下ユニット120とが互いに離れる開き状態に遷移する際に、第1回転部材210の回転トルクは、連結ユニット200に対して上ユニット110を開く方向に遷移し、第2回転部材220の回転トルクは、下ユニット120に対して連結ユニット200を開く方向に遷移する。
また、第2回転部材220の回転トルクが下ユニット120に対して連結ユニット200を開く方向に遷移した後に第1回転部材210の回転トルクが連結ユニット200に対して上ユニット110を開く方向に遷移する。
上ユニット110及び下ユニット120は、絶縁体である樹脂の成型品、例えば非導電性のABS樹脂により構成される。
図3に示すように、上ユニット110は、大画面LCDの表示部141、及びレシーバ142を備える。また、下ユニット120は、十字キー,機能キー,テンキー等の操作部151、及びマイク152を備える。
本実施の形態は、スライド初期のスライド操作力Fが、連結ユニット200に対し下ユニット120から第2回転部材220(以下、B軸と略記する)が相対的に出力する回転トルクτB0(-)と、上ユニット110に対し連結ユニット200から第1回転部材210(以下、A軸と略記する)が相対的に出力する回転トルクτA0(-)の絶対値差分となる設定とする。
下ユニット120は、クローズ状態において機能する、B軸上方に突出する連結ユニット200のストッパー121を有する。
上ユニット110は、スライド操作で機能する、A軸下方に突出する連結ユニット200のストッパー111を有する。
図4は、携帯端末装置100のフルオープン条件設定を説明する側面図であり、図4(a)はクローズ状態を、図4(b)はフルオープン状態をそれぞれ示す。
図4(a)に示すように、携帯端末装置100が水平状態から20°以内の傾き状態にある場合、スライド操作により自動オープンできること、かつ、図4(b)に示すように、上ユニット110が、168°までオープンすることをフルオープン条件として設定する。このフルオープン条件設定は、通常使用時における自動オープンを想定している。フルオープン状態で見易さ及び操作性向上を実現することができる。
図5は、携帯端末装置100の中間オープン条件設定を説明する側面図であり、図5(a)はクローズ状態を、図5(b)は中間オープン状態をそれぞれ示す。
図5(a)に示すように、携帯端末装置100が水平状態から35°以上の傾き状態において、スライド操作により中間オープンできること、かつ、図5(b)に示すように、上ユニット110が、125°までオープンすることを中間オープン条件として設定する。従来、このような中間オープンを実現することは極めて困難であった。特に、自動オープン、フルオープン、さらにクローズ操作をスムーズに実現した上で、図5に示す中間オープンを自動オープンで実現したものはなかった。
〔オープン操作〕
まず、携帯端末装置100の自動オープンの全体動作について説明する。
まず、携帯端末装置100の自動オープンの全体動作について説明する。
図10は、携帯端末装置100のオープン操作を説明する図であり、図10(a)はクローズ状態を、図10(b)はスライド操作途中を、図10(c)はスライド操作限界を、図10(d)はオープン途中を、図10(e)はオープン状態をそれぞれ示す。
閉じ状態で上下ユニットを相対的に平行摺動させると、自動オープンするトルクを発生する。
図10に示すように、上ユニット110は、連結ユニット200に対して、A軸210の回転軸線を中心として回動する。A軸オープン角度φAは、上ユニット110の開き方向(図10では時計方向)を正方向とし、0°(クローズ状態)〜−φ°(スライド操作途中)〜−20°(スライド操作限界)〜−20°(オープン途中)〜23°(オープン状態)と遷移する角度で表される。上ユニット110に対し連結ユニット200からA軸が相対的に出力するオープン回転トルクをτA(+)、クローズ回転トルクをτA(-)と表記する。以下の説明において、総じてA軸回転トルクと略記する。
連結ユニット200は、下ユニット120に対して、B軸220の回転軸線を中心として回動する。B軸オープン角度φBは、連結ユニット200の開き方向(図10では時計方向)を正方向とすると、0°(クローズ状態)〜φ°(スライド操作途中)〜20°(スライド操作限界)〜145°(オープン途中)〜145°(オープン状態)と遷移する角度で表される。連結ユニット200に対し下ユニット120からB軸が相対的に出力するオープン回転トルクをτB(+)、クローズ回転トルクをτB(-)と表記する。以下の説明において、総じてB軸回転トルクと略記する。
本実施の形態では、図10(e)のオープン状態で、A軸オープン角度φAが0°でなく、23°を有する。すなわち、オープン状態では、B軸オープン角度φBがすべてのセットオープン角度θを担うのではなく、A軸も一定のオープン角度φAを分担する。A軸及びB軸の合計のセットオープン角度(以下、セットオープン角度と略す)θは、168°に設定している。
図10(c)(e)に示すように、スライド操作完了状態とフルオープン完了状態において、上ユニット110の閉及び開ストッパーをA軸近傍の連結ユニット200で構成し、A軸の役割をスライド相当回転角の確保だけでなく、セットオープン角の確保を含めた構成とする。この構成により、両軸とも適度な回転角を有する簡易型カム小型ヒンジにより製作することができる。A軸動作範囲、B軸動作範囲、及び最大セットオープン角度は、次式(4)の条件を設定する。
A軸動作範囲:「スライド角φA1(-)<φA0=0<オープン角φA2(+)」
B軸動作範囲:「φB0=0<スライド角φB1(+)<オープン角φB2(+)」
最大セットオープン角度θ:「φA2(+)+φB2(+)」 …(4)
A軸動作範囲:「スライド角φA1(-)<φA0=0<オープン角φA2(+)」
B軸動作範囲:「φB0=0<スライド角φB1(+)<オープン角φB2(+)」
最大セットオープン角度θ:「φA2(+)+φB2(+)」 …(4)
(クローズ状態 図10(a))
図10(a)は、上ユニット110と下ユニット120のクローズ状態を示す。A軸オープン角度φAは0°、B軸オープン角度φBは0°であり、A軸及びB軸合計のセットオープン角度θは、0°である。
図10(a)は、上ユニット110と下ユニット120のクローズ状態を示す。A軸オープン角度φAは0°、B軸オープン角度φBは0°であり、A軸及びB軸合計のセットオープン角度θは、0°である。
また、A軸回転トルクτA0(-)、B軸回転トルクτB0(-)が発生する。
本実施の形態は、スライド初期のスライド操作力Fが、B軸回転トルクτBとA軸回転トルクτAの絶対値差分となるように、B軸回転トルクτB、A軸回転トルクτAとも閉じ方向に当たる(-)回転トルクの設定とする。
図10(a)に示すように、クローズ状態において、連結ユニット200の閉じストッパーとして、B軸近傍の下ユニット120にストッパー121を構成し、上ユニット110のストッパーとして、セット先端の下ユニット120にストッパー122を構成する。
上記トルク設定により、スライド初期のスライド操作力Fは、次式(5)で示される。
F≒(τA0(-)−τB0(-))/b=(|τB0(-)|−|τA0(-)|)/b
かつ
|τB0(-)|>|τA0(-)| …(5)
F≒(τA0(-)−τB0(-))/b=(|τB0(-)|−|τA0(-)|)/b
かつ
|τB0(-)|>|τA0(-)| …(5)
上記式(5)に示すように、スライド操作力Fは、回転トルクτA0(-)及びτB0(-)の絶対値そのものの大きさでは定まらず、「|τB0(-)|>|τA0(-)|」の条件下での絶対値差分により設定することができる。すなわち、従来例では、前記式(1)で表されるように、スライド操作力Fは、回転トルクの絶対値|τA0(+)|及び|τB0(-)|の和であったため、重量増対策などでクローズ状態保持力アップに通じる軸トルクの絶対値アップを図るには、副作用としてスライド操作力Fを高くせざるを得なかった。これに対して、本実施の形態では、式(5)で表されるように、スライド操作力Fは、|τB0(-)|>|τA0(-)|」の条件下での絶対値差分により設定することができる。よって、上ユニット110の重量増に起因して、クローズ状態保持力を大きくしたい場合でも、スライド操作力Fは適度に抑えることができる。
上記クローズ状態から、上ユニット110と下ユニット120との相対的なスライド操作により、図10(b)に示すスライド操作途中を経て、スライド操作限界(図10(c))まで、上ユニット110をスライドさせる。
(スライド操作途中 図10(b))
スライド操作途中は、A軸オープン角度をφとすると、B軸オープン角度は-φであらわせ、セットオープン角度φは、0°である。また、A軸回転トルクτA(-)、B軸回転トルクτBが発生する。B軸回転トルクは(-)から(+)に切り替わることになる。
スライド操作途中は、A軸オープン角度をφとすると、B軸オープン角度は-φであらわせ、セットオープン角度φは、0°である。また、A軸回転トルクτA(-)、B軸回転トルクτBが発生する。B軸回転トルクは(-)から(+)に切り替わることになる。
(スライド操作限界 図10(c))
図10(c)に示すように、スライド操作による連結ユニット200の作用で上ユニット110はスライド操作限界までスライドする。B軸オープン角度φBが20°、A軸オープン角度φAが−20°まで移動したとき、スライド操作限界となる。スライド操作限界において、A軸の閉ストッパーONである。
図10(c)に示すように、スライド操作による連結ユニット200の作用で上ユニット110はスライド操作限界までスライドする。B軸オープン角度φBが20°、A軸オープン角度φAが−20°まで移動したとき、スライド操作限界となる。スライド操作限界において、A軸の閉ストッパーONである。
また、A軸回転トルクτA1(-)、B軸回転トルクτB1(+)が発生する。
スライド操作限界後、自動オープンを開始する。
図10(d)に示すように、自動オープンは、B軸オープン角度φB125°(図10(d))までB軸主動作による自動オープン(その1)、オープン途中(図10(d))からA軸主動作による自動オープン(その2)に移る。
(オープン途中 図10(d))
オープン途中のA軸オープン角度φAは−20°、B軸オープン角度φBは145°であり、セットオープン角度θは、125°である。また、オープン途中において、B軸の開ストッパーON,A軸の閉ストッパーONである。
オープン途中のA軸オープン角度φAは−20°、B軸オープン角度φBは145°であり、セットオープン角度θは、125°である。また、オープン途中において、B軸の開ストッパーON,A軸の閉ストッパーONである。
オープン途中から、A軸動作により自動オープン(その2)となる。オープン途中からフルオープンまでA軸は、43°回転する。
(オープン状態 図10(e))
図10(e)に示すように、オープン状態のA軸のオープン角度φAは23°、B軸のオープン角度φBは145°であり、セットオープン角度θは、168°である。
図10(e)に示すように、オープン状態のA軸のオープン角度φAは23°、B軸のオープン角度φBは145°であり、セットオープン角度θは、168°である。
また、このオープン状態を保持するため、A軸の開ストッパーON,B軸の開ストッパーONであり、連結ユニット200の開きストッパーをB軸近傍の下ユニット120で構成し、上ユニット110の開きストッパーをA軸近傍の連結ユニット200で構成する。
[自動オープン条件]
上記式(4),(5)に示した構成により、スライド操作時の自動オープン挙動は、下記の1軸運動となる。
上記式(4),(5)に示した構成により、スライド操作時の自動オープン挙動は、下記の1軸運動となる。
スライド操作限界(図10(c)参照)での開放による場合には、A軸は閉ストッパーが掛かかるため、B軸トルクτB1(+)による1軸運動である。
スライド操作途中での開放(図10(b)参照)による場合は、A軸回転トルクτA(-)による上ユニット110の回転と、合成トルク(τB−τA(-))による連結ユニット200の回転の2軸自由運動から始まるので、「τB−τA(-)>0」という条件が揃えば、B軸回転トルクが(−)であっても自動オープンを開始する。この場合は、2軸自由運動により即座にA軸に閉ストッパーが掛かかり、B軸回転トルクτB1(+)による1軸運動に移ることになる。自動オープン条件は、次式(6)で示される。
自動オープン条件:τB−τA(-)>0 …(6)
自動オープン条件:τB−τA(-)>0 …(6)
[2軸自由運動、B軸による1軸運動、A軸による1軸運動]
図11は、運動方程式の諸元及び記号の説明である。
図11は、運動方程式の諸元及び記号の説明である。
本実施の形態では、自動オープン条件:τB−τA(-)>0を与えている。このため、B軸回転トルクが(−)であっても自動オープンを開始することができる。この場合、2軸自由運動による自動スライドから始まり即座にA軸に閉ストッパーが掛かる。つまり自動でスライド操作限界状態まで動作する。その後はB軸トルクτB1(+)による1軸運動に移ることになる。このように、1軸運動に必要なτB1(+)を確保すれば、自動オープンを開始することができ、効率のよい軸トルク活用ができることになる。因みに、従来例では、前記図1(b)に示すスライド操作完了後、図1(c)に示すオープン状態に至るオープン動作そのものが2軸自由運動で始まる運動となる。前記式(2)の自動オープン条件が揃わなければ、自動オープンが開始しない。上記自動オープン条件を満たすためには、B軸回転トルクτB2(+)を大きくせざるを得ず、効率が悪い。
〔中間ストップ操作〕
図6は、携帯端末装置100の卓上置き状態を説明する側面図であり、中間ストップ状態を示す。
図6は、携帯端末装置100の卓上置き状態を説明する側面図であり、中間ストップ状態を示す。
図6に示す携帯端末装置100の卓上置き状態をつくるには、図5に示すようにセットを任意の角度以上の仰角(図中では3°に設定)に傾けた状態でスライド操作を行うことで、図10(d)の自動オープン途中の状態に中間ストップさせる。仰角に関係なく「スライド操作」→「手動オープン操作」でも作ることはできる。
卓上置き状態で上ユニット110の角度は、図6に示すように下ユニット120が水平面から3°傾斜するため、中間オープン保持角を125°に設定した場合は水平面から122°の傾きとなる。携帯端末装置100を卓上置きにする場合、上ユニット110を開いた仰角は、120〜130°が良いとされている。
中間オープン保持角=スライド角φA1(-)+オープン角φB2(+):約120〜130°
…(10)
中間オープン保持角=スライド角φA1(-)+オープン角φB2(+):約120〜130°
…(10)
本実施の形態では、スライド操作からの中間オープン保持角は、前記式に従って、スライド限界に相当するA軸オープン角φA1(-)=−20°とB軸最大オープン角φB2(+)=145°との合計となり、125°になる。
A軸及びB軸のヒンジカムに緻密な加工を施すことなく卓上置きに適度な中間オープン停止機能を付加させることができる。特に、自動オープン、フルオープン、さらにクローズ操作をスムーズに実現した上で、図6に示す卓上置き状態を実現することができる。
〔クローズ操作〕
図12は、携帯端末装置100のクローズ操作を説明する図であり、図12(a)はフルオープン状態を、図12(b)はクローズ途中を、図12(c)はクローズ状態をそれぞれ示す。
図12は、携帯端末装置100のクローズ操作を説明する図であり、図12(a)はフルオープン状態を、図12(b)はクローズ途中を、図12(c)はクローズ状態をそれぞれ示す。
クローズ操作は、手動操作である。
(オープン状態 図12(a))
図12(a)に示すように、前記自動オープン(その1)のB軸動作によりB軸オープン角度φBは125°、前記自動オープン(その2)のA軸動作によりA軸オープン角度φAは43°となって、セットオープン角度θは、168°のフルオープン状態となっている。
図12(a)に示すように、前記自動オープン(その1)のB軸動作によりB軸オープン角度φBは125°、前記自動オープン(その2)のA軸動作によりA軸オープン角度φAは43°となって、セットオープン角度θは、168°のフルオープン状態となっている。
さらにA軸のオープン状態保持トルクτA2(+)及びB軸のオープン状態保持トルクτB2(+)を、次式(11)の関係が成り立つように設定する。
オープン状態保持トルク:τA2(+)≫τB2(+) …(11)
オープン状態保持トルク:τA2(+)≫τB2(+) …(11)
上記式(11)が成り立つように設定にすることによって、フルオープン後のクローズ操作において、「B軸回転→A軸回転」を誘導することができ、スムーズに初期状態に戻すことができる。
(クローズ途中 図12(b))
フルオープン後のクローズ操作は、手動操作であり、まず手動クローズその1となる。手動クローズその1は、クローズ途中(図12(b))までB軸回転となる。すなわち、手動クローズその1は、A軸オープン角度φAがオープン状態(図12(a))の23°を保ったまま、B軸のオープン角度φBが−145°になるまでB軸が回転する。このクローズ途中において、A軸の開ストッパーON,B軸の閉ストッパーONとなる。
フルオープン後のクローズ操作は、手動操作であり、まず手動クローズその1となる。手動クローズその1は、クローズ途中(図12(b))までB軸回転となる。すなわち、手動クローズその1は、A軸オープン角度φAがオープン状態(図12(a))の23°を保ったまま、B軸のオープン角度φBが−145°になるまでB軸が回転する。このクローズ途中において、A軸の開ストッパーON,B軸の閉ストッパーONとなる。
(クローズ状態 図12(c))
前記回転トルク:τA2(+)≫τB2(+)が成立していることで、クローズ操作がクローズ途中(図12(b))まで達すると、手動クローズその1のB軸回転から、手動クローズその2のA軸回転でクローズ状態(図12(c))に移行する。手動クローズその2は、B軸のオープン角度φBがクローズ状態(図12(b))の0°を保ったまま、A軸のオープン角度φAが0°になるまでA軸が回転する。手動クローズその2ではB軸の閉ストッパーON状態であり、A軸のオープン角度φAが0°になるとセット先端ストッパーONでクローズ状態が完了する。
前記回転トルク:τA2(+)≫τB2(+)が成立していることで、クローズ操作がクローズ途中(図12(b))まで達すると、手動クローズその1のB軸回転から、手動クローズその2のA軸回転でクローズ状態(図12(c))に移行する。手動クローズその2は、B軸のオープン角度φBがクローズ状態(図12(b))の0°を保ったまま、A軸のオープン角度φAが0°になるまでA軸が回転する。手動クローズその2ではB軸の閉ストッパーON状態であり、A軸のオープン角度φAが0°になるとセット先端ストッパーONでクローズ状態が完了する。
このように、フルオープン後のクローズ操作において、「B軸回転→A軸回転」を誘導することができ、スムーズに初期状態に戻すことができる。
〔トルク構成〕
次に、クローズ状態で上下ユニットを相対的に平行摺動させると、自動オープンするトルクを発生する条件について、より詳細に説明する。
次に、クローズ状態で上下ユニットを相対的に平行摺動させると、自動オープンするトルクを発生する条件について、より詳細に説明する。
図7乃至図9は、携帯端末装置100のカム構成を説明する図である。図7は、A軸カム位置と回転トルクを示す図、図8は、B軸カム位置と回転トルクを示す図、図9は、各状態におけるA軸B軸カム位置と回転トルクを示す図である。
図7乃至図9に示すように、A軸B軸カムは、基本的には2つの山部と、その山部を形成する傾斜面と、この山部及び傾斜面に沿って移動する従動突起(図7及び図8の○印参照)とを有する。A軸B軸カムは、山部及び傾斜面に沿って従動突起(図7及び図8の○印参照)が移動することで、A軸回転トルクτA、B軸回転トルクτBが発生する。
図7に示すように、A軸カムは、(-)トルクを生み出す傾斜面の山頂直下がA軸のクローズ角度φA0、この傾斜面を滑り落ちたところがA軸のスライド操作限界(図10(c)参照)でスライド角φA1(-)、頂上を越え(+)トルクを生み出す傾斜面の途中がA軸の最大オープン角度φA2(+)である。A軸のスライド操作限界φA1(-)と最大オープン角度φA2(+)との間が、A軸動作設定範囲である。
図8に示すように、B軸カムは、(-)トルクを生み出す傾斜面途中がB軸のクローズ角度φB0、頂上を越え(+)トルクを生み出す傾斜面の山頂直下がB軸のスライド操作限界(図10(c)参照)角度φB1(+)、この傾斜面の最も底部がB軸の最大オープン角度φB2(+)(オープン途中(図10(d)参照))である。B軸のクローズ角度φB0とB軸の最大オープン角度φB2(+)との間が、B軸動作設定範囲である。
図9の[クローズ状態]では、A軸オープン角度φAは0°、B軸オープン角度φBは0°、A軸及びB軸の合計のセットオープン角度θは0°である。A軸回転トルクτA0(-)、B軸回転トルクτB0(-)が発生している。
上記[クローズ状態]から次の[スライド操作限界]までが、スライド操作力Fによるスライド操作可能範囲として設定している。
図9の[スライド操作途中]では、A軸オープン角度φA、B軸オープン角度φB、セットオープン角度θは、φA+φB≒0°である。A軸回転トルクτA(-)、B軸回転トルクτBが発生している。
この[スライド操作途中]の操作解放でも、[自動スライド]→[自動オープン]が開始する。その自動スライド概略条件は、τB−τA(-)>0であり、2軸運動となる。τBが(-)であってもこの条件が満足すれば自動スライドは開始する。
図9の[スライド操作限界]では、A軸のオープン角度φAは−20°、B軸のオープン角度φBは20°と設定した例であり、セットオープン角度θは、0°である。また、A軸回転トルクτA1(-)、B軸回転トルクτB1(+)が発生する。スライド操作限界後の自動オープンは、B軸主運動である。スライド操作途中で2軸連動であった状態が自動オーブン開始とともに、後述するようにB軸主運動に移る。その後、B軸主運動はさらにA軸主運動に移って自動オープン完となる。
図9の[オープン途中]まではB軸主運動であり、A軸オープン角度φAを−20°、B軸オープン角度φBを145°と設定した例であり、セットオープン角度θは、125°である。オープン途中からA軸主連動に移る。
図9の[オープン状態]では、A軸オープン角度φAは23°、B軸オープン角度φBは145°と設定した例であり、セットオープン角度θは、168°である。この[オープン状態]で自動オープンが完了する。
クローズ操作は、[オープン状態]から手動操作により行われる。
図9の[オープン状態]では、B軸オープン角度φBは125°、A軸オープン角度φAは43°となって、セットオープン角度θは、168°のフルオープン状態となっている。
[オープン状態]からのクローズ操作において、B軸先行回転条件は、τA2(+)≫τB2(+)である。
図9の[クローズ途中]では、A軸オープン角度φAは23°、B軸オープン角度φBは0°となって、セットオープン角度θは、23°である。
図9の[クローズ状態]では、B軸オープン角度φB=0°を保ったまま、A軸オープン角度φAが0°になるまでA軸が回転する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、携帯端末装置100は、上ユニット110と下ユニット120と連結ユニット200を備え、連結ユニット200は、A軸210とB軸220とを有し、上ユニット110と下ユニット120は軸運動を制御するストッパー111,121を備える。スライド操作力Fは、B軸回転トルクτB0(-)とA軸回転トルクτA0(-)との絶対値差分(但し、|τB0(-)|>|τA0(-)|)により設定することができるので、上ユニット110の重量増に起因して、クローズ及びオープン状態保持トルクを大きくしたい場合でも、スライド操作力Fは適度に抑えることができる。この構成により、クローズ状態で上下ユニット110,120を相対的に平行摺動させると、自動オープンするトルクを効率よく発生させることができる。
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。
上記実施の形態では、携帯端末装置という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、携帯端末、ヒンジユニット、ヒンジ装置等であってもよいことは勿論である。
また、上記携帯端末装置を構成する各部、例えばヒンジ部のカム構造・バネ定数・材質、その数及び接続方法などはどのようなものでもよい。また、第1及び第2の回路部材の相互の設置位置等は適宜変更が可能である。
本発明に係る携帯端末装置は、二つ折り携帯電話機、PDA等の携帯情報端末、パーソナルコンピュータ又はその融合された装置、さらにはMP3プレーヤ、HDDプレーヤ、携帯型ゲーム機などの携帯機器に適用可能である。
100 携帯端末装置
110 上ユニット
111,121,122 ストッパー
120 下ユニット
200 連結ユニット
210 第1回転部材(A軸)
220 第2回転部材(B軸)
110 上ユニット
111,121,122 ストッパー
120 下ユニット
200 連結ユニット
210 第1回転部材(A軸)
220 第2回転部材(B軸)
Claims (5)
- 第1ユニットと、
第2ユニットと、
第1回転部材と第2回転部材とを有する連結ユニットと、を備え、
前記連結ユニットは、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを互いに向かい合う折り畳み状態及び前記第1ユニットと前記第2ユニットとが互いに離れる開き状態にするとともに、前記折り畳み状態において前記第1ユニットを前記第2ユニットに対して平行に摺動させ、
前記第1回転部材は、前記第1ユニットと接続し、前記連結ユニットに対して前記第1ユニットを回動自在に連結し、
前記第2回転部材は、前記第2ユニットと接続し、前記連結ユニットに対して前記第2ユニットを回動自在に連結し、
前記折り畳み状態において、前記第1回転部材の回転トルクは、前記連結ユニットに対して前記第1ユニットを折り畳む方向に設定され、前記第2回転部材の回転トルクは、前記第2ユニットに対して前記連結ユニットを折り畳む方向に設定される携帯端末装置。 - 前記第1ユニットと前記第2ユニットとを互いに向かい合う折り畳み状態から前記第1ユニットと前記第2ユニットとが互いに離れる開き状態に遷移する際に、前記第1回転部材の回転トルクは、前記連結ユニットに対して前記第1ユニットを開く方向に遷移し、前記第2回転部材の回転トルクは、前記第2ユニットに対して前記連結ユニットを開く方向に遷移する請求項1記載の携帯端末装置。
- 前記折り畳み状態において前記第1ユニットを前記第2ユニットに対して平行に摺動した後に、前記第1ユニットを回転規制するストッパーを前記連結ユニットに備え、前記第2回転部材の回転トルクが前記第2ユニットに対して前記連結ユニットを開く方向に遷移した後に、前記第1回転部材の回転トルクが前記連結ユニットに対して前記第1ユニットを開く方向に遷移する請求項2記載の携帯端末装置。
- 前記第1ユニットと前記第2ユニットとが互いに離れる最大開き角の中間で停止保持させる中間オープン角度を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
- 前記連結ユニットは、前記第1回転部材のオープン状態保持トルクを第2回転部材のオープン状態保持トルクよりも大きく設定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
Priority Applications (2)
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JP2009241009A JP2013007392A (ja) | 2009-10-20 | 2009-10-20 | 携帯端末装置 |
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009241009A JP2013007392A (ja) | 2009-10-20 | 2009-10-20 | 携帯端末装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=43900049
Family Applications (1)
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JP2009241009A Pending JP2013007392A (ja) | 2009-10-20 | 2009-10-20 | 携帯端末装置 |
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WO (1) | WO2011048805A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014192398A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-06 | Fujitsu Ltd | 電子機器 |
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2009
- 2009-10-20 JP JP2009241009A patent/JP2013007392A/ja active Pending
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2010
- 2010-10-19 WO PCT/JP2010/006206 patent/WO2011048805A1/ja active Application Filing
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014192398A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-06 | Fujitsu Ltd | 電子機器 |
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