JP2013007079A - 耐サワー性能に優れた調質型低降伏比厚鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐サワー性能に優れた調質型低降伏比厚鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明では、耐サワー性能を低下させることなく、降伏比が低く冷間〜熱間における加工性に優れた厚鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 C:0.03%以上0.08%未満、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜1.5%、P:0.010%以下、S:0.0030%以下、Al:0.005〜0.050%、Ti:0.005〜0.025%、B:0.0003%以下、Ca:0.0005〜0.0050%、O:0.0030%以下を含有し、さらにCu:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.5%以下、Nb:0.10%以下、V:0.10%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有し、Ceqを0.28以上、PHICを1.00以下、ACRを1.0〜4.0とし、残部Feおよび不可避的不純物からなる厚鋼板であり、板厚中央部の組織がポリゴナルフェライトおよび擬ポリゴナルフェライトを主体とする組織で、これらの平均粒径を10〜40μm、平均アスペクト比を2.0以下とし、硬質第2相の体積分率を20vol%以下、平均アスペクト比を2.0以下とすることを特徴とする耐サワー性能に優れた調質型低降伏比厚鋼板。
【選択図】なし

Description

本発明は、湿潤硫化水素腐食環境下にある石油精製プラントの圧力容器などに使用される厚鋼板およびその製造方法に関し、特に耐サワー性能と低降伏比を両立した350〜550MPa級厚鋼板およびその製造方法に関する。
原油の品質は年々低下し、硫化水素濃度が高くなってきている。そのため、石油精製プラントの圧力容器にも湿潤硫化水素腐食応力下に対する抵抗力、すなわち優れた耐水素誘起割れ(HIC)性および耐硫化物応力腐食割れ(SSC)性(これら両者を合せて耐サワー性という)が求められている。また、圧力容器は一般に冷間、熱間加工により作製されるため、それに用いられる厚鋼板は加工時のスプリングバックを抑制するために低降伏比(降伏応力/引張強さ×100)である方が望ましく、さらに、構造部材として用いる際に溶接によって接合される周囲の部材に対して著しく降伏応力が高いと、地震などの振動を受けた際に周囲の部材の塑性化を助長することになるため、破壊安全性を確保するためにも低降伏比であることが望ましい。一般的に降伏比が85%以下の厚鋼板であれば、これらの特性に優れるとされている。
耐サワー性能の確保のための検討は、主にラインパイプ分野で数多くなされており、HIC特性の改善のためには、低C化による第2相組織の生成量低減、低Mn−低S化による伸長MnSの低減、低Mn−低P化による中央偏析の低減、Ca添加量の最適化によるMnSの球状化およびCaクラスタの生成抑制などの手法が一般的に用いられる。一方、SSC特性の改善のためには、母材、HAZ、溶接金属の表層硬さを低減することが有効とされ、合金元素の低減による焼入性の低下や加速冷却や焼入条件の最適化、焼戻による表層硬さの低減などが一般的に行われる。
また、圧力容器分野においても様々な検討が行われている。例えば、特許文献1および2では母材強度の低下を少なくしつつ、HAZ硬さを効果的に低減する成分系として低C−Bフリー系を選択し、またNbを添加し制御圧延後ただちに加速冷却もしくは、直接焼入+焼戻を行うことによって、析出強化により強度の不足を補う方法が開示されている。
また、特許文献3および4では、制御圧延で組織を均一微細化させた厚鋼板に焼準を行うことによって、耐サワー性能と熱間加工性を両立させる方法が開示されている。また、特許文献5では、B添加鋼の圧延加熱温度を最適化することによって焼入焼戻処理後の表層硬さを低減することにより、耐SSC特性を向上させる方法が開示されている。また、特許文献6では制御圧延後に2相域焼入+焼戻処理を行うことにより、優れた靱性と耐HIC性能を確保している。
特開平2−8322号公報 特開平2−263918号公報 特開平8−283839号公報 特開平8−283840号公報 特開昭59−74219号公報 特開昭56−90921号公報
しかしながら、特許文献1および2で開示されている直接焼入やTMCPによって作製される厚鋼板は熱間加工を行った際に、圧延により微細化させた組織が再変態してしまうため、熱間加工後に熱処理を行っても、当初得られていた強度−靱性バランスが得られないこと、および制御圧延により形成された伸展組織はHICのき裂伝播経路となるため、HIC特性を確保することが難しいという問題がある。
特許文献3および4では、焼準処理により全厚に渡って微細均一組織にすることで耐HIC性能と熱間加工性能を両立しているが、強度の確保がし難い製造方法であり、強度確保のためには多量の合金添加を必要とし、コストの増大を招くばかりでなく、HAZ硬さの増大により耐SSC性能の劣化が問題となる。
特許文献5では母材の表層硬さを効果的に低減することができるが、最適とするC量が高くまたB添加を必須としているため、この範囲ではHAZ硬さを低減することが困難であり、HAZを起点としたSSCの発生をさけることができない。
特許文献6の製造方法や成分範囲では、人工海水、100%HS(通称、BPサワー条件)では所望の特性が得られるとされるが、本発明で課題とするCHCOOH+5%NaCl溶液、100%HS(通称、NACEサワー条件)では、成分をさらに厳格に制御し、第2相分率や介在物の量や形態を制御しなれけば割れを防ぐことができない。
また、降伏比の低い厚鋼板は主に建築分野を対象とした検討で多く開示されているが、これらの検討では耐サワー性能を確保するための方策が開示されていない。
このように、これまでの発明では、耐サワー性能を低下させることなく、降伏比が低く冷間〜熱間における加工性に優れた厚鋼板を製造することは難しかった。
そこで、本発明では、耐サワー性能を低下させることなく、降伏比が低く冷間〜熱間における加工性に優れた厚鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、熱間加工性に優れるとされる焼準および焼入焼戻処理を行う厚鋼板を対象に、前記の課題を解決するために鋼材の化学成分、製造方法および組織形態について鋭意検討し、以下の知見を得た。
まず、優れた耐HIC性能を得るためには、従来からいわれているように低C−低Mn−低S−低P−Ca添加量の最適化を行うことが有効であると確認した。とくに、Caの最適添加量については、式(3)で規定されるACRを1.0〜4.0に制御することにより伸長MnSの球状化による板厚中央部(以下1/2tと呼ぶ)でのHIC割れおよびCaクラスタの生成による板厚の1/4部(以下1/4tと呼ぶ)でのHIC割れを抑制することができることが分かった。
また、伸長MnSがほとんどなくなった場合においても1/2tでは中央偏析部の硬さが高い場合にNbCなどの微細析出物や気包などの欠陥を起点にHIC割れが発生することがわかった。
本発明では中心偏析の硬さに及ぼす成分の影響を合理的に評価する指標として式(2)で規定されるPHICを用いることで中央偏析部に起因する1/2tのHIC割れに及ぼす合金成分の影響を評価することを可能にした。PHICが大きくなるほど中央偏析部の硬さが増大し、割れが発生しやすくなるが、焼入焼戻処理を行うことにより、(1)等軸組織化によるHIC割れの伝播抑制、(2)焼戻処理による中央偏析部の硬さ低減を行うことができ、ラインパイプのようなTMCPによって作製される厚鋼板に比べて、HIC割れ限界の上限値が大きくなることがわかった。
また、焼入焼戻処理は、焼準処理に比べて低成分で母材強度を確保することができるため、HAZ硬さを低減でき、耐SSC特性に優れていることが分かった。また、成分の影響としては従来からいわれているように低C−Bフリー化が望ましいことをあらためて確認した。
一方、焼入焼戻鋼の降伏比は、Cを低減するほど高くなることが知られており、耐サワー性能との両立が困難とされている。そこで、本発明では、焼入焼戻によって得られた組織の形態と降伏比の関係を調査した。その結果、主体とする組織がポリゴナルフェライトもしくは擬ポリゴナルフェライトであり、その粒間に硬質第2相を含むような組織形態の場合に降伏比が低く、ポリゴナルフェライトもしくは擬ポリゴナルフェライトの平均粒径が大きいほど、硬質第2相の分率が大きいほどより降伏比が小さくなることがわかった。また、耐HIC性能との両立のためには、両組織を等軸組織にすることが重要で、平均アスペクト比を2以下にすることで両特性を両立できることがわかった。
本発明は、上記した知見にさらに検討を加えてなされたもので、本発明の要旨は以下の通りである。
第一の発明は、C:0.03%以上0.08%未満、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜1.5%、P:0.010%以下、S:0.0030%以下、Al:0.005〜0.050%、Ti:0.005〜0.025%、B:0.0003%以下、Ca:0.0005〜0.0050%、O:0.0030%以下を含有し、さらにCu:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.5%以下、Nb:0.10%以下、V:0.10%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有し、式(1)で規定されるCeqを0.28以上、式(2)で規定されるPHICを1.00以下、式(3)で規定されるACRを1.0〜4.0とし、残部Feおよび不可避的不純物からなる厚鋼板であり、板厚中央部の組織がポリゴナルフェライトおよび擬ポリゴナルフェライトを主体とする組織で、これらの平均粒径が10〜40μm、平均アスペクト比が2.0以下であり、硬質第2相の体積分率を20vol%以下、平均アスペクト比を2.0以下とすることを特徴とする耐サワー性能に優れた調質型低降伏比厚鋼板である。
Figure 2013007079
Figure 2013007079
Figure 2013007079
第二の発明は、第一の発明に記載の成分組成を有する連続鋳造鋳片を再加熱し熱間圧延した後、室温からAc点以上の温度まで加熱、保持した後、800〜500℃までの冷却速度を1℃/s以上25℃/s以下で水冷し、再び室温から550℃以上Ac点以下の温度に再加熱、保持した後に空冷することを特徴とする耐サワー性能に優れた調質型低降伏比厚鋼板である。
本発明により、湿潤硫化水素腐食環境下にある石油精製プラントの圧力容器などに使用される厚鋼板およびその製造方法に関し、特に耐サワー性能と低降伏比を両立した350〜550MPa級厚鋼板の製造が可能となり、産業上極めて有効である。
以下に本発明の各構成要件の限定理由について説明する。
1.成分組成について
はじめに、本発明の鋼の成分組成を規定した理由を説明する。なお、成分%は、すべて質量%を意味する。
C:0.03%以上0.08%未満
Cは、焼入処理時の焼入性を高め母材強度を高めるのに最も有効な元素である。Cが0.03%未満では十分な強度を確保できず、0.08%以上では第2相組織の分率や硬さが上昇しHIC性能が劣化する。また、HAZ硬さも上昇するため、C量は0.03%以上0.08%未満の範囲とする。好ましくは、0.03%以上0.05%未満の範囲である。
Si:0.5%以下
Siは脱酸のために添加するがSi量が0.5%を超えて添加すると靱性や溶接性が劣化するため、Si量は0.5%以下とする。好ましくは0.3%以下である。
Mn:0.5〜1.5%
Mnは母材の強度、靱性の向上のために添加するが、0.5%未満では効果が十分でなく、1.5%を超えて添加すると中央偏析部の硬さの上昇やMnSの生成に起因してHIC性能が劣化するためよりMn量は0.5〜1.5%の範囲とする。好ましくは、1.0〜1.4%の範囲である。
P:0.010%以下
Pは不可避的不純物であり、中心偏析部の硬さを顕著に上昇させ、その結果HIC性能を劣化させる。この傾向は0.010%を超えると顕著になるため、P量は0.010%以下とする。好ましくは、0.008%以下である。
S:0.0030%以下
Sは鋼中においては一般にMnS系介在物となるが、Ca添加によりMnSから球状のCa(O、S)系介在物に形態制御される。しかしながら、S量が多いとCa(O、S)系介在物の総量が増加し、HIC割れの起点となるため、S量は0.0030%以下とする。好ましくは、0.0010%以下である。
Al:0.005〜0.050%
Alは脱酸剤として添加され、酸化物を固定するために0.005%以上の含有を必要とするが、0.050%を超えると清浄度が低下して延性が低下するためAl量は、0.005〜0.050%の範囲とする。
Ti:0.005〜0.025%
TiはTiNを形成して焼入前の加熱保持中のγ粒の粗大化を抑制して、母材靱性を確保するために必須の元素である。また、TiNは高温でも安定であるため溶接を行った際に形成されるCGHAZを微細化し、靱性の向上とHAZ硬さの低減が実現される。これらの効果を得るためには、0.005%以上の添加が必要であるが、0.025%超える添加によりTiNが粗大化しピンニング力が飽和し、また、熱間加工やSRなどの処理中にTiCとして析出し靱性を劣化させるため、Ti量は0.005〜0.025%の範囲とする。好ましくは、0.005〜0.015%の範囲である。
B:0.0003%以下
Bは、耐SSC性に有害な元素であり、本発明においてはBの混入を極力抑えるため製鋼原料を吟味して、0.0003%以下とする。
Ca:0.0005〜0.0050%
Caは酸硫化物系介在物の形態を制御して、延性の改善と耐HIC性能の向上に有効な元素であるが、0.0005%未満ではその効果は小さく、0.0050%を越える添加ではCaクラスタの生成によりHIC割れの発生起点や変形時の延性き裂の発生起点となるため、Ca量は0.0005〜0.0050%の範囲とする。
O:0.0030%以下
Oは、AlやCaなどと酸化物を形成し鋼中に不可避的介在物として存在する。Oが0.0030%を超えるほどの酸化物が生成するとHICの割れの発生起点や延性き裂の発生起点となるため、O量は0.0030%以下とする。
以上が本発明の基本成分であるが、所望の強度、靭性を得るために以下に示すCu、Ni、Cr、Mo、Nb、Vの中から選ばれる1種または2種以上を含有してもよい。
Cu:0.5%以下
Cuは、靱性の改善と強度の上昇のために有効な元素であるが、0.5%を超えて添加すると溶接性が劣化するため、Cuを添加する場合は、Cu量は0.5%以下とすることが好ましい。
Ni:0.5%以下
Niは、靱性の改善と強度の上昇のために有効な元素であるが、0.5%を超えて添加すると溶接性が劣化するため、Niを添加する場合は、Ni量は0.5%以下とすることが好ましい。
Cr:0.5%以下
Crは焼入性を高め、また焼戻軟化抵抗を向上させるため焼戻後の強度低下を小さくする両方の効果から、焼入焼戻処理鋼の強度確保のために有効な元素であるが、0.5%を超える添加により溶接性が劣化するため、Crを添加する場合は、Cr量は0.5%以下とすることが好ましい。
Mo:0.5%以下
Moは焼入性を高め、また焼戻軟化抵抗を向上させるため焼戻後の強度低下を小さくする両方の効果があり、その効果はCrよりも大きく、焼入焼戻処理鋼の強度確保のためには最も有効な元素であるが、0.5%を超える添加により溶接性が劣化するため、Moを添加する場合は、Mo量は0.5%以下とすることが好ましい。
Nb:0.10%以下
Nbは焼入性を高める効果及び焼戻処理時のNbCの析出の両方の効果により、強度上昇に有効であるが、0.10%を超える添加により析出脆化を引き起こし靱性が劣化することおよび、HAZ硬さを上昇させることによるSSC性能の劣化を引き起こすため、Nbを添加する場合は、Nb量は0.10%以下とすることが好ましい。
V:0.10%以下
Vは焼入性を高める効果及び焼戻処理時のVCの析出の両方の効果により、強度上昇に有効であるが、0.10%を超える添加により析出脆化を引き起こし靱性が劣化することおよび溶接性を劣化させるためVを添加する場合は、V量は0.10%以下とすることが好ましい。
本発明では、さらに、式(1)〜(3)に規定するCeq、PHIC、ACRの範囲を定める。
Ceq:0.28以上
Ceqは値が高いほど焼入性が高まり高強度が得られる。本発明で対象とする350〜550MPa級の強度を得るためにCeqは0.28以上とする。
Figure 2013007079
PHIC:1.00以下
PHICは各合金元素の含有量から中心偏析部の材質を推定するために考案された式であり、PHICが高いほど中心偏析部の濃度が高くなり、中心偏析部硬度が上昇する。本発明では焼戻処理を行うことにより中心偏析部硬さの低減を図っているが、PHICが1.00を超えると中心偏析部の硬化に起因したHIC割れが発生するため、PHICは1.00以下とする。
Figure 2013007079
ACR:1.0〜4.0
CaはOとの親和性が高く、まずCaOを生成し、残ったCaがSと結合しCaSを形成する。ACRはこれらの鋼中のOとSとCaの存在形態を表す指標であり、ACRが1.0未満の場合は、Caに対して、OとSが過剰に存在するため、SがMnSとなり1/2tのHIC割れを助長する。一方、4.0を超えると過剰に添加されたCaがクラスタ状になり1/4tのHIC割れを助長する、よって、ACRは1.0〜4.0の範囲とする。好ましくは、1.5〜3.5の範囲である。
Figure 2013007079
2.組織について
本発明では、厚鋼板の1/2tでの金属組織の体積分率、粒径、アスペクト比を規定する。
ポリゴナルフェライトおよび擬ポリゴナルフェライトの平均粒径:10〜40μm
本発明鋼板の主体組織であるポリゴナルフェライトおよび擬ポリゴナルフェライトの平均粒径はこれらの軟質フェライトの粒径が大きいほど降伏比は低下するが、平均粒径が10μm未満では、上降伏点が過度に大きくなり、その結果、降伏比が高くなる、また、40μm超えでは靱性が劣化するため、平均粒径の範囲を10〜40μmとする。
好ましくは、10〜30μmである。
主体とするとは、ポリゴナルフェライトおよび擬ポリゴナルフェライトを80vol%以上含むことをいい、最大95vol%とするのが良い。ポリゴナルフェライトと擬似ポリゴナルフェライトが95vol%を超えると強度確保が困難な上、降伏比が高くなる。また、80vol%未満では、HIC試験を行った際に、硬質第2相をき裂が伝播し、優れたHIC性能が確保できない。
なお、ポリゴナルフェライトは塊状のフェライトのことでナイタールエッチングした際に光学顕微鏡で白く観察される組織のことである。一方、擬ポリゴナルフェライトはポリゴナルフェライトにくらべてやや角ばった形状をしており、ポリゴナルフェライトよりもやや焼きの入った組織のことをさす。なお、両組織とも粒内にラス状の炭化物を含まないことも組織の判別基準をして挙げられる。
硬質第2相の体積分率:20vol%以下
ベイナイトのような低温変態組織や島状マルテンサイト(MA)やセメンタイトのような高C組織からなる硬質第2相を軟質なフェライト母相中に点在させることによって、母相界面でひずみが集中し、降伏応力が低下することに起因して低降伏比が実現される。ただし、20vol%を越えて硬質第2相を含むと耐サワー特性を低下させるので、硬質第2相の体積分率は20vol%以下とする。なお、低降伏比の効果は5vol%未満では得られないため、下限は5vol%とするのが良い。
なお、硬質第2相とは、上記軟質フェライトよりも硬度が高いベイナイトやマルテンサイトなどの低温変態組織、島状マルテンサイト(MA)、セメンタイト、パーライトなどの高C組織のことを指す。
ポリゴナルフェライト、擬ポリゴナルフェライトおよび硬質第2相の平均アスペクト比
:2.0以下
ポリゴナルフェライト、擬ポリゴナルフェライトおよび硬質第2相は等軸であるほど、HIC割れに対する伝播抵抗が高まるため好ましいが、アスペクト比が2.0を超えると伝播抵抗が弱まりHIC特性が劣化するため、ポリゴナルフェライト、擬ポリゴナルフェライトおよび第2相の平均アスペクト比は2.0以下とする。
3.製造方法について
連続鋳造
本発明で規定したACRは連続鋳造で最適とされる範囲であり、造塊法ではMnSやCaクラスタの生成を適切に抑制できないため、連続鋳造に限定する。
焼入温度:Ac点以上
焼入温度はAc点以上とする。焼入温度は低いほど組織が微細化して降伏比が上昇する。また、Ac点以下になると強度が著しく低下し、所望の強度が得られなくなるため、Ac点を下限とする。好ましくは、Ac点〜950℃である。なお、Ac点はフォーマスタ試験などで求めることが望ましいが、式(5)で求めてもさしつかえない。
Figure 2013007079
焼入冷却速度:1℃/s以上25℃/s以下
焼入時の800℃から500℃までの冷却速度は1℃/s以上25℃/s以下とする。焼入時の冷却速度が遅いほど、粗大かつ軟質なフェライトが得られる。一方で、冷却速度が25℃/s以上となるとベイナイトを主体とする組織となり降伏比が上昇し、1℃/s未満ではフェライト粒径が粗大化しすぎて所望の強度−靱性が得られないため、1℃/s以上25℃/s以下とする。好ましくは、3℃/s以上20℃/s以下である。
焼戻温度:550℃以上Ac点以下
焼戻温度は550℃以上Ac点以下とする。焼戻処理を行うことで、中央偏析部の硬さが低下しHIC性能が向上する。また、表層硬さも低減し、SSC特性が向上する。この効果は550℃未満では得られず、また、Ac点を超えると逆変態を起こし、高Cの逆変態組織が靱性を劣化させるため、上限をAc点とする。なお、Ac点は、フォーマスタ試験などで求めることが望ましいが、式(4)で求めてもさしつかえない。
Figure 2013007079
表1に示す化学成分の鋼(A〜J)を連続鋳造法によりスラブとし、再加熱して板厚が15〜120mmになるように高温(950℃以上)で熱間圧延して、その後室温まで空冷した。続いて、ショットブラストで表面スケールを除去後、表2に示す条件で焼入焼戻処理を行い、厚鋼板No.1〜No.14を製作した。焼入および焼戻の保持温度は炉の保持温度を、保持時間は炉温度が目標温度−20℃に達してから炉から厚鋼板を取り出すまでの時間を採用した。焼入時の冷却速度は、厚鋼板No.1を作製する際に、焼入まま(焼戻処理前)の厚鋼板から一部サンプルを採取し、1/2tの硬さと930℃10min保持のCCT線図の硬さを比較することで各板厚毎の冷却速度を推定した。焼戻の冷却は、空冷によって行った。
また、比較として厚鋼板No.15は、連続鋳造スラブを1150℃に再加熱して、950℃以下50%の圧下圧延を行い、760℃で圧延を終了し、板厚30mmとした後、720℃から400℃まで10℃/sで水冷し、室温まで空冷することによって作製した(TMCPと呼ぶ)。
Figure 2013007079
Figure 2013007079
これらの鋼板について以下に示す方法で特性評価試験およびミクロ組織の定量化を行った。引張試験は、ASTMA370−07aに準拠した直径12.7mmの丸棒引張試験片を1/2t位置で圧延直角方向から採取して行った。このとき、引張強度が415MPa(A516−Gr.60の下限値相当)を超えるものおよび降伏比(0.5%降伏応力/引張強さ×100)が85%以下のものを合格とした。
シャルピー試験は、1/2t位置で圧延直角方向から採取した2mmV切欠き試験片を−50℃で各3本試験しその平均値を用い、27J以上を合格とした。
HIC特性は、NACE Standard TM0284−2003に基づいて、各3個のサンプルを採取して、pHが約3の硫化水素を飽和させた5%NaCl+0.5%CHCOOH水溶液中に試験片を96時間浸漬した後、超音波探傷により試験片全面の割れの有無を調査し、割れ面積率(CLR)で評価した。ここで、それぞれの鋼板の最大値をその鋼板のCLRとしてCLR≦6%を合格とした。
SSC特性は、NACE Standard TM0177に基づいて、各2個の丸棒引張型サンプルを採取して、負荷応力を母材の80%かけて、pHが約3の硫化水素を飽和させた5%NaCl+0.5%CHCOOH水溶液中に試験片を720時間浸漬して破断するか否か評価した。このとき2本とも破断しなかった場合は、No cack、1本でも破断した場合は、Crackと評価した。
ミクロ組織の体積分率およびアスペクトはそれぞれの厚鋼板の1/2t位置から採取したL面観察サンプルを鏡面研磨後、3%ナイタールエッチングして、光学顕微鏡で400倍の写真を3枚撮影して、画像解析を行うことで求めた。このとき、ポリゴナルフェライトおよび擬ポリゴナルフェライトの体積分率は、面積率が体積率と同じと仮定して、全視野と当該組織部との比をとることで求めた。また、ポリゴナルフェライトおよび擬ポリゴナルフェライトの平均粒径は各結晶粒の円相当径の平均値を、アスペクト比は各結晶粒の長辺/短辺の平均値を採用した。硬質第2相の体積分率は、ポリゴナルフェライトおよび擬ポリゴナルフェライト以外の部分の体積分率を、アスペクト比は各組織および組織群の長辺/短辺の平均値を採用した。
表3に得られた試験結果を示す。
Figure 2013007079
厚鋼板No.1〜6はいずれも本発明の成分範囲、組織形態範囲、製造方法範囲を満たすため、所望の強度、靱性、耐HICおよび耐SSC特性が得られている。一方、厚鋼板No.7〜No.15は比較例で本発明の範囲外であるため、強度、靭性等のいずれかの特性を満たしていない。No.7は、焼入冷却速度が速いため、ベイナイト主体の組織となり降伏比が高くなっている。No.8は、焼入冷却速度が遅いため、軟質フェライトが粗大化しすぎて、強度および靱性が劣化している。No.9は、フェライト主体の金属組織ではあるがフェライト粒径が細かすぎるため、降伏比が高くなっている。No.10は、MnおよびPHICが上限を超えているため、HICで多くの割れがみられる。No.11は、ACRが低いため、HICで多くの割れがみられる。No.12は、Cが上限を超えているため、HICで多くの割れがみられ、SSCでも割れが発生している。No.13は、Tiが添加されていないため、フェライト粒が粗大化し靱性が劣化している。No.14は、Bが添加されているため、SSCで割れが発生している。No.15は、TMPCで製造されており、軟質フェライトおよび硬質第2相のアスペクト比が大きいため、HICで割れが多くみられる。

Claims (2)

  1. C:0.03%以上0.08%未満、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜1.5%、P:0.010%以下、S:0.0030%以下、Al:0.005〜0.050%、Ti:0.005〜0.025%、B:0.0003%以下、Ca:0.0005〜0.0050%、O:0.0030%以下を含有し、さらにCu:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.5%以下、Nb:0.10%以下、V:0.10%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有し、式(1)で規定されるCeqを0.28以上、式(2)で規定されるPHICを1.00以下、式(3)で規定されるACRを1.0〜4.0とし、残部Feおよび不可避的不純物からなる厚鋼板であり、板厚中央部の組織がポリゴナルフェライトおよび擬ポリゴナルフェライトを主体とする組織で、これらの平均粒径を10〜40μm、平均アスペクト比を2.0以下とし、硬質第2相の体積分率を20vol%以下、平均アスペクト比を2.0以下とすることを特徴とする耐サワー性能に優れた調質型低降伏比厚鋼板。
    Figure 2013007079
    Figure 2013007079
    Figure 2013007079
  2. 請求項1に記載の成分組成を有する連続鋳造鋳片を再加熱し熱間圧延した後、室温からAc点以上の温度まで加熱、保持した後、800〜500℃までの冷却速度を1℃/s以上25℃/s以下で水冷し、再び室温から550℃以上Ac点以下の温度に再加熱、保持した後に空冷することを特徴とする耐サワー性能に優れた調質型低降伏比厚鋼板の製造方法。
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