JP2013006810A - 睫用化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間に渡って優れた性能、例えば、高いカール力、まつ毛のまとまり、ツヤ、ハリを維持する性能を発揮することができ、従来のコラーゲンの優れた特性、例えば保湿性等を有するとともに安全性が高く、臭気を生じさせることのない睫用化粧料を提供する。
【解決手段】式Pro-Y-Gly(式中、YはHypまたはProを示す)で表されるアミノ酸配列を有し、コラーゲン様の構造を形成する合成ポリペプチドを睫用化粧料に含有させることにより、本課題を解決した。
【選択図】図3

Description

本発明は、透明マスカラ、下地マスカラを含むマスカラ等の睫用化粧料に関し、特に、コラーゲン様の構造を有する合成ポリペプチドを含む睫用化粧料に関する。
透明マスカラ、下地マスカラを含むマスカラ等の睫用化粧料には、まつ毛への塗布後にカール力を発揮し、まつ毛のまとまり、ツヤ、ハリ等を維持することが必要とされる。しかしながら、まつ毛のカール、まとまり等を良好に保ち続けることは困難であり、従来の一般的なマスカラをまつ毛に塗布した場合、比較的短い時間が経過すると、まつ毛のカール、まとまりが失われてしまう。このため、長時間に渡って、カール力、まつ毛のまとまり、ツヤ、ハリ等を維持することができる睫用化粧料が必要とされていた。
また、コラーゲンは、高い保湿効果を有しており、基礎化粧料、メークアップ用化粧料などを始め、多くの化粧料用途で広く用いられている(特許文献1および2)。コラーゲンは、あらゆる多細胞動物にみられる繊維状蛋白質であり、皮膚や骨の主成分として哺乳類では全蛋白質の25%を占める。典型的なコラーゲン分子は、3本のコラーゲンポリペプチド鎖が三重らせん構造と呼ばれるロープ状の超らせん構造をとる。上記3重らせん構造を形成したポリペプチド鎖が自己集合して、直径が数nm〜数十nmの原線維を形成し、さらにこれらの原線維が配列して直径が数μm〜数十μmの繊維構造を形成することができる。一般に、化粧品ではウシやブタ由来のコラーゲンを原料として用いることが多い。中でも、牛由来のコラーゲンは、物理化学的特性に優れ、原料臭が少ないため多用されてきた。
しかし、哺乳動物由来コラーゲンに対する危険性が指摘されている。例えば、ウシの海綿状脳症やヒツジの振戦病の原因物質が、プリオンと呼ばれる伝染性蛋白質であり、この伝染性タンパク質がヒトのクロイツフェルドーヤコブ病伝染の原因の一つと言われている。プリオンは、蛋白質であり、通常の滅菌、殺菌方法では失活し難く、しかも種を越えて感染することが指摘されている(非特許文献1)。そのため、通常の滅菌、殺菌方法では除去できないプリオンなどの病原体(又は病原性因子)の感染(又は伝達)の危険性が常に存在している。
このような病原体の感染の危険性を回避するため、特許文献3には、動物又は人間由来のコラーゲン中のプリオンを除去するために、コラーゲン溶液中の細胞および組織の断片を除去し、アルカリ処理する方法およびこの方法により得られるコラーゲンが記載されている。しかし、このような方法は、安全性の確認を必要とし、煩雑でコスト高となる。
また、牛由来コラーゲンなどの代替品として、魚類由来のコラーゲンなどが提案されている。例えば、特許文献4には、牛や豚などの骨、皮、腱、あるいは魚皮由来のコラーゲン成分又はゼラチン成分を、コラゲナーゼ酵素を用いて特異的に分解して得られる特定のアミノ酸配列を有するトリペプチドが、高い皮膚浸透性を有し、化粧品などの外用剤として有用であることが開示されている。
しかし、魚類由来のコラーゲンでは、化粧料の組成などによっては異臭を発生する場合がある。特許文献5では、魚由来のコラーゲンと親油化処理粉体とシリコーンとを含有する化粧料において、コラーゲン上にシリコーンの被膜を形成することにより、異臭の発生を防いでいる。しかし、このような方法では、コラーゲンの周囲に被膜が形成されているため、コラーゲンの保湿力を有効利用できない。また、粉体が必須であるため、コラーゲンの用途が限られる。
特開2005−60314号公報 特開2003−321500号公報 特開平08−041425号公報 特開2001−302690号公報 特開2003−146835号公報
Nature Review, Vol.2, pp.118-126, 2001年
従って、本発明の目的は、長期間に渡って優れた性能、例えば、高いカール力、まつ毛のまとまり、ツヤ、ハリを維持する性能を発揮することができ、従来のコラーゲンの優れた特性、例えば保湿性等を有するとともに安全性が高く、臭気を生じさせないといった特性を有する睫用化粧料を提供することである。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の合成ポリペプチドが、コラーゲン様の特性を有しつつ、安全性に優れていて臭気を生じさせず、さらに、睫用化粧料に用いると長時間持続可能な優れた性能を発揮させることを見いだし、本発明を完成した。本発明は、以下の睫用化粧料を提供する。
<1> 式Pro-Y-Gly(式中、YはHypまたはProを示す)で表されるアミノ酸配列を有し、コラーゲン様の構造を形成する合成ポリペプチドを15重量ppm〜0.4重量%含む、睫用化粧料。
<2> 合成ポリペプチドが、下記式(1)〜(3)
(式中、mは1〜18の整数を表し、pおよびqは0または1であり、YはHypまたはProを表し、nは1〜20の整数を表し、Zは1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチド鎖を表し、rは1〜20の整数を表し、Rは直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を表し、a、b、およびcは式(1)〜(3)のそれぞれの比率(モル数)を示し、aとbとの割合(モル比)はa/b=100/0〜30/70であり、p=1およびq=0であるときc=aであり、p=0およびq=1であるときc=bであり、p=1およびq=1であるときc=a+bであり、p=0およびq=0であるときc=0である)で表されるペプチドユニットで構成されたポリペプチド(I)、および
下記式(4)
(式中、Yは上記と同じ)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニットと、
下記式(5)
(式中、VはGln、Asn、Leu、Ile、ValまたはAla、WはIleまたはLeuを表す)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニットとを含むポリペプチド(II)から選択された少なくとも一種のポリペプチドである上記<1>に記載の睫用化粧料。
<3> ポリペプチド(I)において、mが2〜12の整数、nが2〜15の整数、Zが、Gly、Sar、Ser、Glu、Asp、Lys、His、Ala、Val、Leu、Arg、Pro、Tyr、Ileから選択された1〜10個のアミノ酸残基から構成されているペプチド鎖、rが1〜10の整数、RがC2〜C12アルキレン基である、上記<2>に記載の睫用化粧料。
<4> ポリペプチド(II)において、式(4)のアミノ酸配列が-Pro-Hyp-Gly-で表される、上記<2>に記載の睫用化粧料。
<5> 合成ポリペプチドが、円二色性スペクトルにおいて、波長220〜230nmに正のコットン効果を示し、波長195〜205nmに負のコットン効果を示す、上記<1>に記載の睫用化粧料。
<6> 合成ポリペプチドの少なくとも一部が3重らせん構造を形成可能である、上記<1>に記載の睫用化粧料。
<7> 合成ポリペプチドを25重量ppm〜0.2重量%含む、上記<1>に記載の睫用化粧料。
<8> 20〜95重量%の水性基材をさらに含む、上記<1>に記載の睫用化粧料。
<9> 0.5〜10重量%の保湿剤をさらに含む、上記<1>に記載の睫用化粧料。
<10> 保湿剤が、C〜C10のアルキレングリコールを含む、上記<9>に記載の睫用化粧料。
<11> 0.1〜5.0重量%の防腐剤をさらに含む、上記<1>に記載の睫用化粧料。
<12> 1.0〜20重量%の皮膜形成剤をさらに含む、上記<1>に記載の睫用化粧料。
<13> 0.1〜10重量%のゲル基材をさらに含む、上記<1>に記載の睫用化粧料。
本発明においては、コラーゲン様特性を有する特定の合成ポリペプチドを含み、長時間持続可能な優れたカール力等を有し、保湿性及び安全性が高く、臭気を生じさせることがない睫用化粧料を提供できる。
実施例1のマスカラと実施例2のマスカラを、左右のまつ毛にそれぞれ塗布した試験1におけるまつ毛の経時変化をそれぞれ示す図である。 試験1のマスカラにボリュームマスカラを重ねて塗布した試験2におけるまつ毛の経時変化を示す図である。 実施例2のマスカラと、実施例2のマスカラおよび汎用のマスカラを、左右のまつ毛にそれぞれ塗布したときのまつ毛の経時変化をそれぞれ示す図である。
1.合成ポリペプチド
本発明の睫用化粧料に含まれる合成ポリペプチドは、特許文献1の段落[0012]〜[0073]、実施例、特許文献2の段落[0022]〜[0066]、実施例等に記載されている。合成ポリペプチドは、少なくとも式Pro-Y-Gly(式中、YはHypまたはProを示す)で表されるアミノ酸配列を有している。なお、本明細書においては、各種アミノ酸残基を次の略号で記述する。
Ala :L−アラニン残基
Arg :L−アルギニン残基
Asn :L−アスパラギン残基
Asp :L−アスパラギン酸残基
Cys :L−システイン残基
Gln :L−グルタミン残基
Glu :L−グルタミン酸残基
Gly :グリシン残基
His :L−ヒスチジン残基
Hyp :L−ヒドロキシプロリン残基
Ile :L−イソロイシン残基
Leu :L−ロイシン残基
Lys :L−リジン残基
Met :L−メチオニン残基
Phe :L−フェニルアラニン残基
Pro :L−プロリン残基
Sar :サルコシン残基
Ser :L−セリン残基
Thr :L−トレオニン残基
Trp :L−トリプトファン残基
Tyr :L−チロシン残基
Val :L−バリン残基
また、本明細書においては、常法に従って、N末端のアミノ酸残基を左側に示し、C末端のアミノ酸残基を右側に示してペプチド鎖のアミノ酸配列を記述する。
本発明の睫用化粧料は、コラーゲン様の構造を形成する上述の合成ポリペプチドを含む。コラーゲン様の構造とは、コラーゲンの構造と同様の3重らせん構造であり、本発明で用いられる合成ポリペプチドの少なくとも一部は、3重らせん構造を形成する。本発明で用いられる合成ポリペプチドにおける式Pro-Y-Gly(式中、YはHypまたはPro を示す)で表されるアミノ酸配列は、3重らせん構造の安定性向上に寄与する。この合成ポリペプチドとして、コラーゲン組織(コラーゲン状の組織)又はコラーゲン様の構造を形成する種々のポリペプチドが使用できる。
(A)ポリペプチド(I)
合成ポリペプチドには、上述のポリペプチド(I)とポリペプチド(II)とが含まれる。ポリペプチド(I)は、下記式(1)〜(3)のペプチドユニットを含む。
このポリペプチド(I)を構成する式(1)のペプチドユニット(以下、ペプチドユニット(1))[-(OC-(CH2)m-CO)p-(Pro-Y-Gly)n-]は、Pro-Y-Glyの繰返し配列を含むことが必要である。Pro-Y-Glyの繰返し数が、少ないと3重らせん構造の安定性が減少し、繰返し数が多すぎるとペプチドの合成が困難になる。従って、繰返し数nは、1〜20、好ましくは2〜15(例えば、3〜15)、さらに好ましくは5〜15程度である。
式(1)において、Yは、Pro又はHypのいずれであってもよいが、3重らせん構造の安定性からHypであることがより好ましい。なお、Hypは、通常、4Hyp(例えば、trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン)残基である。
さらに、メチレン鎖(CH2)の繰り返し数を示すmは、ポリペプチドの物理的及び生物学的性質を損なわない範囲であればよいが、通常、1〜18、好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜10(特に2〜6)程度である。pは0または1である。
また、式(2)のペプチドユニット(以下、ペプチドユニット(2))(2)[-(OC-(CH2)m-CO)q-(Z)r-]において、Zは1〜10個のアミノ酸残基で構成された任意の配列のペプチド鎖を表す。Zは、得られるポリペプチドの物理的及び生物学的性質を損なわない限り、どのような配列でもよい。ポリペプチドが有用な物理的及び生物学的性質を発揮するためには、例えば、ペプチド鎖Zは、通常、Gly、Sar、Ser、Glu、Asp、Lys、His、Ala、Val、Leu、Arg、Pro、Tyr、Ileから選択された1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチド鎖(すなわち、これらのアミノ酸から選択されたアミノ酸残基、又はこれらのアミノ酸から選択された2〜10個のアミノ酸残基からなるペプチド鎖)、特に、Gly、Sar、Ser、Glu、Asp、Lys、Arg、Pro、Valから選択された1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチド鎖を有していることが好ましい。ペプチド鎖Zは、Gly、Sar、Ser、Glu、Asp、Lys、Arg-Gly-Asp、Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg、Ile-Lys-Val-Ala-Val、Val-Pro-Gly-Val-Gly、Asp-Gly-Glu-Ala、Gly-Ile-Ala-Gly、His-Ala-Val、Glu-Arg-Leu-Glu、Lys-Asp-Pro-Lys-Arg-Leu、Arg-Ser-Arg-Lysで示される配列を含むことが好ましい。
ペプチド鎖Zの繰り返し数を示すrは、得られる合成ポリペプチドが物理的及び生物学的性質を発揮する範囲であればよい。繰返し数rが多すぎると合成が困難になり、また得られる合成ポリペプチドの物理的性質が変化しやすい。従って、繰返し数rは、通常、1〜20、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5程度である。
メチレン鎖(CH2)の繰り返し数を示すmは、式(1) と同様に、1〜18、好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜10(特に2〜6)程度である。qは0又は1である。
式(1)及び(2)において、p及びqのうち少なくとも一方が1であるとき、合成ポリペプチドは、式(3)で表されるペプチドユニット[-HN-R-NH-]を含んでいる。このペプチドユニット(3)において、Rで表される直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基は、ポリペプチドの物理的及び生物学的性質を損なわない範囲であればよく、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレンなどのC1〜C18アルキレン基が例示できる。このアルキレン基Rは、直鎖状のメチレン鎖(CH2)s(sは1〜18の整数を表す)であってもよい。好ましいRは、C2〜C12アルキレン基(さらに好ましくはC2〜C10アルキレン基,特にC2〜C6アルキレン基)である。
ペプチドユニット(1)とペプチドユニット(2)との割合(a/b)は、100/0〜30/70(モル比)、好ましくは100/0〜40/60(モル比)、さらに好ましくは100/0〜50/50(モル比)程度である。
さらに、ペプチドユニット(1)および(2)に対するペプチドユニット(3)の割合は、式(1)のpの値、式(2)のqの値に応じて選択され、p=1及びq=0であるとき、c=aであり、p=0及びq=1であるとき、c=bである。また、p=1及びq=1であるときc=a+bであり、p=0及びq=0であるときc=0である。
すなわち、ポリペプチド(I)には、(a)式(1)でp=0であるペプチドユニット(1)[-(Pro-Y-Gly)n-]の繰り返し単位で構成されたポリペプチド、(b)式(1)でp=0であるペプチドユニット(1)[-(Pro-Y-Gly)n-]と式(2)でq=0であるペプチドユニット(2)[-(Z)r-]とをa:bの割合(モル比)で含む繰り返し単位で構成されたポリペプチド、(c)式(1)でp=1であるペプチドユニット(1)[-(OC-(CH2)m-CO)-(Pro-Y-Gly)n-]とペプチドユニット(3)[-HN-R-NH-]とを1:1の割合(モル比)で含む繰り返し単位で構成されたポリペプチド、(d)式(1)でp=1であるペプチドユニット(1)[-(OC-(CH2)m-CO)-(Pro-Y-Gly)n-]と式(2)でq=1であるペプチドユニット(2)[-(OC-(CH2)m-CO)-(Z)r-]とペプチドユニット(3)[-HN-R-NH-]とをa:b:(a+b)の割合(モル比)で含む繰り返し単位で構成されたポリペプチドが含まれる。
(B)ポリペプチド(II)
一方、ポリペプチド(II)は、下記式(4)
で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニット(4)を含むことが必要である。-Pro-Y-Gly-で表される配列は、3重らせん構造の安定性に寄与するため、この配列の割合が高いと3重らせん構造の安定性が特に向上する。
さらに、このペプチドユニット(4)は、3重らせん構造の安定性の点から、ポリペプチド中において、-(Pro-Y-Gly)d-で表される繰返し構造を形成してもよい。この配列の繰返し数dは、例えば、2〜5000、好ましくは2〜4000、さらに好ましくは3〜3000程度である。Yは、HypまたはPro のいずれであってもよいが、3重らせん構造の安定性からHyp[通常、4Hyp(例えば、trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン)残基]であることがより好ましい。
また、本発明におけるポリペプチド(II)は、下記式(5)
で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニット(5)を含むことが有用である。この配列を含まない場合やこの配列が少なすぎる場合には、コラゲナーゼによる分解性が低下する。一方、この配列が多すぎると3重らせん構造の安定性が低下する。
VはGln、Asn、Leu、Ile、ValまたはAlaのいずれであってもよいが、Gln、Asn、Leu、Val、Ala、特にGln、Leuがより好ましい。WはIleまたはLeuのいずれでもよいが、Ileがより好ましい。
VとWとの組み合わせについては、例えば、VがGln、Asn、Leu、Ile、Val及びAlaから選択された一種(例えば、Gln又はLeu)であってWがIleであり、または、VがGln、Asn、Leu、Ile、Val及びAlaから選択された一種(例えば、Gln又はLeu)であってWがLeuである。
YとVとWとの組み合わせについては、例えば、YがHyp、VがGln、Asn、Leu、Ile、Val及びAlaから選択された一種(例えば、Gln又はLeu)、WがIle又はLeuであり、または、YがPro、VがGln、Asn、Leu、Ile、Val及びAlaから選択された一種(例えば、Gln又はLeu)、WがIle又はLeuである。
さらに、得られるポリペプチドの物理的及び生物学的性質を損なわない限り、このポリペプチド(II)は他のアミノ酸残基やペプチド鎖(ユニット)を含んでいてもよい。他のアミノ酸残基又はペプチド鎖としては、ペプチドユニット(2)の-(Z)r-で表されるペプチド鎖などが挙げられる。すなわち、このポリペプチド(II)が有用な物理的及び生物学的性質を発揮するためには、例えば、Gly、Sar、Ser、Glu、Asp、Lys、His、Ala、Val、Leu、Arg、Pro、Tyr、Ileから選択された1〜10個のアミノ酸残基から構成されているペプチド鎖(すなわち、これらのアミノ酸から選択されたアミノ酸残基、又はこれらのアミノ酸から選択された2〜10個のアミノ酸残基から構成されているペプチド鎖)、特に、Gly、Sar、Ser、Glu、Asp、Lys、Arg、Pro、Valから選択された1〜10個のアミノ酸残基から構成されているペプチド鎖を有することが好ましい。具体的には、例えば、Gly、Sar、Ser、Glu、Asp、Lys、Arg-Gly-Asp、Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg、Ile-Lys-Val-Ala-Val、Val-Pro-Gly-Val-Gly、Asp-Gly-Glu-Ala、Gly-Ile-Ala-Gly、His-Ala-Val、Glu-Arg-Leu-Glu、Lys-Asp-Pro-Lys-Arg-Leu、Arg-Ser-Arg-Lysで示されるアミノ酸残基やペプチド鎖を含むことが好ましい。
ポリペプチド(II)において、ペプチドユニット(4)とペプチドユニット(5)との割合(モル比)は、(4)/(5)=99/1〜30/70、好ましくは98/2〜40/60、さらに好ましくは95/5〜50/50程度である。
ペプチドユニット(4)及びペプチドユニット(5)の合計量と、他のペプチドユニットとの割合(モル比)は、((4)+(5))/(他のペプチドユニット)=100/0〜50/50、好ましくは100/0〜60/40、さらに好ましくは100/0〜70/30程度である。
(C)合成ポリペプチドの構造と性質
このようなポリペプチド(I)及び(II)は、環化により6員環を形成することなく、鎖状のポリペプチドを形成しており、溶媒(水、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどの親水性溶媒又はそれらの混合溶媒)に可溶である。ポリペプチド(I)及び(II)は、水系ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)において、球状蛋白質換算で、例えば、分子量5×103〜500×104、好ましくは分子量1×104〜300×104、好ましくは3×104〜200×104、さらに好ましくは5×104〜100×104程度の範囲にピークを示す。
ポリペプチドが3重らせん構造を形成することは、通常、ポリペプチドの溶液について、円二色性スペクトルを測定することにより立証できる。3重らせん構造を形成する天然のコラーゲン及びペプチド鎖が、波長220nm〜230nmに正のコットン効果、及び波長195nm〜205nmに負のコットン効果を特徴的に示すことが報告されている(J. M. Biol., Vol.63 pp.85-99, 1972年)。ポリペプチド(I)及び(II)は、円二色性スペクトルにおいて、波長220〜230nmに正のコットン効果を示し、波長195〜205nmに負のコットン効果を示す。このため、ポリペプチド(I)及び(II)のそれぞれ少なくとも一部(すなわち、一部または全部)が3重らせん構造を形成可能であり、コラーゲン様ポリペプチドを形成するといえる。なお、コットン効果とは、旋光性物質において特定の波長で左右の円偏光に対する吸収係数が異なるために起こる現象をいう。
ポリペプチド(I)及び(II)は、コラーゲン組織(コラーゲン状の組織)を形成可能である。上記3重らせん構造を形成したポリペプチド鎖が自己集合して、数nm〜数十nmの原線維を形成し、さらにこれらの原線維が配列して数nm〜数十nmの繊維構造を形成することができる。これらは、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、あるいは原子間力顕微鏡により観察することができる。
ポリペプチド(I)及び(II)は、生分解性、特に生体内分解性を有していてもよい。このような生分解性ポリペプチドはコラゲナーゼ分解性を有している。特に、ポリペプチド(II)は高い生分解性を示す。
ポリペプチド(I)及び(II)は、生理学的又は薬理学的に許容される塩であってもよく、例えば、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸など)、有機酸(酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、リンゴ酸、クエン酸、オレイン酸、パルミチン酸など)、金属(ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムなど)、有機塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミン、t−ブチルアミン、ベンジルアミン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、アルギニンなど)との塩であってもよい。これらの塩形成化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの塩は、通常の塩形成反応によって得ることができる。
(D)合成ポリペプチドの製造方法
ポリペプチド(I)及び(II)は、アミノ酸やペプチドセグメントを縮合反応に供する慣用の方法により得ることができ、最終的にペプチドユニット(1)〜(5)がポリペプチド(I)または(II)中に含まれている限り、ポリペプチド(I)及び(II)の製造方法は特に制限されず、例えば、アミノ酸を縮合反応する方法や、ペプチドセグメントとアミノ酸を縮合する方法により得てもよい。ただし、予め、アミノ酸配列を有するペプチド又はその誘導体などのペプチド成分を調製し、このペプチド成分を縮合する製造方法が好ましい。
予め調製したペプチド成分を縮合する方法において、ペプチド成分のペプチド鎖の合成は、通常のペプチド合成方法に従って行うことができる。ペプチドは、例えば、固相合成法または液相合成法によって調製できるが、固相合成法が操作上簡便である〔例えば、日本生化学会編「続生化学実験講座2 タンパク質の化学(下)」(昭和62年5月20日 株式会社東京化学同人発行)、第641−694頁参照〕。ペプチド合成には、慣用の方法、例えば、縮合剤を用いるカップリング方法、活性エステル法(p−ニトロフェニルエステル(ONp)、ペンタフルオロフェニルエステル(Opfp)などのフェニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(ONSu)などのN−ヒドロキシジカルボン酸イミドエステル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル(Obt)など)、混合酸無水物法、アジド法などが利用できる。好ましい方法では、少なくとも縮合剤(好ましくは後述する縮合剤、特に後述する縮合剤と縮合助剤との組合せ)を用いる場合が多い。
さらに、ペプチドの合成では、アミノ酸又はペプチドフラグメントの種類に応じて、アミノ基、カルボキシル基、他の官能基(グアニジノ基、イミダゾリル基、メルカプト基、ヒドロキシル基、ω−カルボキシル基など)の保護基による保護と、接触還元や強酸処理(無水フッ化水素、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸など)による保護基の脱離・除去とが繰り返し行われる。例えば、アミノ基の保護基には、ベンジルオキシカルボニル基(Z)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基(Z(OMe))、9−フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc)、t−ブトキシカルボニル基(Boc)、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基(Npys)などが利用でき、カルボキシル基の保護基には、ベンジルオキシ基(OBzl),フェナシルオキシ基(OPac)、t−ブトキシ基(OBu)、メトキシ基(OMe)、エトキシ基(OEt)などが利用できる。なお、ペプチド合成には自動合成装置を利用してもよい。
より具体的には、ペプチド鎖の固相合成法による調製は、慣用の方法で行うことができる。固相樹脂(又は担体)としては、反応溶媒に不溶性の重合体、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、例えば、クロロメチル化樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ヒドロキシメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂などが利用できる。
固相合成法では、通常、(i)重合体(樹脂)に対して、目的とするペプチドのC末端からN末端の方向に向かって、遊離のα−COOH基を有するとともに官能基(少なくともN末端のα−アミノ基など)が保護基で保護されたアミノ酸又はペプチド断片を結合させる操作と、(ii)結合したアミノ酸又はペプチド断片のうちペプチド結合を形成するα−アミノ基の保護基を除去する操作と、(iii)上記結合操作と除去操作とを順次繰り返すことにより、ペプチド鎖を伸長させて目的ペプチドに対応するペプチド鎖を形成する工程と、(iv)ペプチド鎖を重合体(樹脂)から脱離させ、かつ保護されている官能基から保護基を除去することにより、目的とするペプチドを生成させ、生成したペプチドを精製することにより、ペプチドを製造できる。アミノ酸又はペプチド断片を結合させる操作(i)では、ペプチド鎖のC末端に対応し、かつ遊離のα−COOH基を有するとともに少なくともN末端が保護基で保護されたアミノ酸(例えば、Fmoc−アミノ酸、Boc−アミノ酸など)が使用される。なお、ペプチド鎖の重合体からの脱離及び保護基の除去は、トリフルオロ酢酸を用いて同時に行うのが副反応を抑制する観点から好ましい。また、生成したペプチドの精製は、逆相液体クロマトグラフィーやゲルパーミエイションクロマトグラフィーなどの分離精製手段を利用して行うことができる。
ポリペプチド(I)は、例えば、少なくとも下記式(1a)で表されるペプチド又はその誘導体(A)を縮合し、ポリペプチドを調製する。
X-(Pro-Y-Gly)n-OH (1a)
(式中、XはH又はHOOC-(CH2)m-CO-(mは前記に同じ)を表し、Y及びnは前記に同じ)。
式(1a)で表されるペプチド又はその誘導体(A)は、下記式(2a)で示されるペプチド又はその誘導体(B)と共縮合させて、ポリペプチドを調製してもよい。
X-(Z)r-OH (2a)
(式中、XはH又はHOOC-(CH2)m-CO-(mは前記に同じ)を表し、Z及びrは前記に同じ)。
なお、X=HOOC-(CH2)m-CO-に対応する化合物としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC3〜C20の脂肪族ジカルボン酸又はそれらの酸無水物などが例示できる。これらの化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの化合物も慣用のアミド結合生成法(例えば、後述する第三級アミンなどを触媒とする反応など)反応やペプチド合成法に従って反応させることにより、式(1a)及び(2a)で示される化合物を得ることができる。
ペプチド又はその誘導体(A)とペプチド又その誘導体(B)との使用割合は、例えば、(A)/(B)=100/0〜30/70(モル比)、好ましくは100/0〜40/60(モル比)、さらに好ましくは100/0〜50/50(モル比)程度である。
さらに、式(1a)及び/又は式(2a)においてXがHである場合には必要ではないが、XがHOOC-(CH2)m-CO-(mは前記に同じ)であるとき、ペプチド又はその誘導体(A)及び/又はペプチド又はその誘導体(B)は、アミド基を形成するため、下記式(3a)で表される化合物(C)との共縮合反応に供される。
H2N-R-NH2(3a)
(式中、Rは前記に同じ。)
式(3a)で表される化合物としては、式(3)に対応するジアミン類、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのC1〜C18アルキレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンテトラミンなどのポリアルキレンポリアミン類などが例示できる。これらの化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ジアミン化合物(C)の使用量は、例えば、ペプチド又はその誘導体(A)および(B)のうち一方のペプチド又はその誘導体がX=HOOC-(CH2)m-CO-(mは前記に同じ)を有する場合、このような基を有するペプチド又はその誘導体1モルに対して、ジアミン化合物(C)の使用量は、実質的に1モル(例えば、0.95〜1.05モル程度)用いる必要がある。
ポリペプチド(II)の調製において、前記アミノ酸配列を有するペプチドを少なくとも含むペプチド成分を反応させる方法には、(i)式(4)及び(5)で表される双方のアミノ酸配列を有するペプチド(すなわち、ペプチドユニット(4)と、ペプチドユニット(5)との双方のユニットを有するペプチド)を少なくとも含むペプチド成分を縮合する方法と、(ii)式(4)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドと、式(5)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドとを少なくとも含むペプチド成分を縮合する方法とが含まれる。
前者の方法(i)において、式(1)及び(2)で表される双方のアミノ酸配列を有するペプチドは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、この方法において、ペプチド成分としては、前記ペプチドに加え、目的のポリペプチドに応じて他のペプチドを用いてもよい。他のペプチドとしては、例えば、式(1)で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、式(2)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドの他、前述の他のアミノ酸残基やペプチド鎖を含むペプチドなどが挙げられる。これらの他のペプチドも、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、この方法において、式(1)又は(2)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドを共縮合することにより、容易にペプチドユニット(1)又は(2)の割合を調整することができる。
後者の方法(ii)においても、式(1)で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、式(2)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドは、それぞれ、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、この方法においても、ペプチド成分として、これらのペプチド(1)及び(2)に加え、目的のポリペプチドに応じて他のペプチド、例えば、前述の他のアミノ酸残基やペプチド鎖を含むペプチドなどを用いてもよい。これらの他のペプチドも、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのペプチド成分の縮合反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒は、上記ペプチド成分を溶解又は懸濁(一部または全部を溶解)可能であればよく、通常、水及び/又は有機溶剤が使用できる。溶媒としては、例えば、水、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホロアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、窒素含有環状化合物(N−メチルピロリドン、ピリジンなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなど)、及びこれらの混合溶媒が例示できる。これらの溶媒のうち、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが繁用される。
これらのペプチド成分の反応は、通常、少なくとも脱水剤(脱水縮合剤)又は縮合剤の存在下で行うことができ、脱水縮合剤と縮合助剤との存在下で反応させると、二量化や環化を抑制しつつ、円滑にポリペプチドを生成できる。
脱水縮合剤の種類は、上記溶媒中で脱水縮合を効率よく行える限り特に制限されず、例えば、カルボジイミド系縮合剤[ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC=WSCI)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(WSCI・HCl)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)など]、フルオロホスフェート系縮合剤[O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩(BOP)など]、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)などが用いられる。これらの脱水縮合剤は単独で又は二種以上組み合わせて混合物として使用できる。好ましい脱水縮合剤は、カルボジイミド系縮合剤[例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩]である。
縮合助剤は、上記縮合剤の反応を促進する限り特に制限されず、例えば、N−ヒドロキシ多価カルボン酸イミド類[例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド(HONSu)、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド(HONB)などのN−ヒドロキシジカルボン酸イミド類]、N−ヒドロキシトリアゾール類[例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)などのN−ヒドロキシベンゾトリアゾール類]、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)などのトリアジン類、2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸エチルエステルなどが例示できる。これらの縮合助剤も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい縮合助剤は、N−ヒドロキシジカルボン酸イミド類[HONSuなど]、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール又はN−ヒドロキシベンゾトリアジン類[HOBtなど]である。
上記脱水縮合剤と縮合助剤とは適当に組み合わせて使用できる。脱水縮合剤と縮合助剤との組合せとしては、例えば、DCC-HONSu(HOBt又はHOObt)、WSCI-HONSu(HOBt又はHOObt)などが例示できる。
脱水縮合剤の使用量は、上記ペプチド成分(上記ジアミン化合物も含む)の総量1モルに対して、通常、水を含まない非水系溶媒を用いる場合0.7〜5モル、好ましくは0.8〜2.5モル、さらに好ましくは0.9〜2.3モル(例えば1〜2モル)程度である。水を含む溶媒(水系溶媒)においては、水による脱水縮合剤の失活があるので、脱水縮合剤の使用量は、上記ペプチド成分の総量1モルに対して、通常、2〜500モル(例えば、2〜50モル)、好ましくは5〜250モル(例えば、5〜25モル)、さらに好ましくは10〜125モル(例えば、10〜20モル)程度である。縮合助剤の使用量は、溶媒の種類に関係なく、上記ペプチド成分の総量1モルに対して、例えば、0.5〜5モル、好ましくは0.7〜2モル、さらに好ましくは0.8〜1.5モル程度である。
縮合反応において、反応系のpHを調節してもよく、反応に関与しない塩基を添加してもよい。pHの調節は、通常、無機塩基[水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど]、有機塩基、無機酸[塩酸など]や有機酸を用いて行うことができ、通常、反応溶液が中性付近(pH=6〜8程度)にpH調整される。縮合反応に関与しない塩基としては、第三級アミン類、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミン類、N−メチルモルホリン、ピリジンなどの複素環式第三級アミン類などが例示できる。このような塩基の使用量は、通常、ペプチドの総モル数の1〜2倍程度の範囲から選択できる。
(E)合成ポリペプチドの特徴
上記の合成ポリペプチドは、哺乳動物由来のコラーゲンと異なり、病原体や病原性因子[例えば、病原性に転化したタンパク質(例えば、異常型プリオンなど)など]の感染や伝達の危険性がない。そのため、本発明で用いられる合成ポリペプチドは、安全性が高い。さらに、合成ポリペプチドは、熱安定性に優れていて、加熱されても安定な状態を維持することができるため、比較的相溶性の低い成分を溶解させる場合においても、ゼラチン化等の変質が防止される。また、合成ポリペプチドは、広いpH範囲で使用可能であり、また、不純物を含まないことから異臭の発生を防止できる。しかも、高い保湿性及び安定性を有しており、化粧料の成分として適当である。
2.睫用化粧料
本発明の睫用化粧料は、少なくとも上記の合成ポリペプチドを含んでいればよく、液状基剤(水性又は油性基剤)を含む液状化粧料、固形又は半固形状基剤(水性基剤、ゲル基剤、又は油性基剤)を含む固形又は半固形状化粧料のいずれであってもよい。また、睫用化粧料は、通常、基剤(又は担体)と有効成分(保湿剤など)と添加剤とを含む。本発明の睫用化粧料は、透明マスカラ、カラーマスカラ、下地マスカラ、トリートメントマスカラ、マスカラ美容液等として特に好適に用いられる。
合成ポリペプチドの含有量は、睫用化粧料の種類に応じて、例えば、15重量ppm〜0.4重量%から選択される。合成ポリペプチドの含有量は、より好ましくは、25重量ppm〜0.2重量%、特に好ましくは40重量ppm〜0.1重量%程度であり、上限値は、0.05重量%(500重量ppm)、あるいは0.025重量%(250重量ppm)程度であってもよい。合成ポリペプチドの含有量が少ない場合、睫用化粧料の保湿性等が低下し、合成ポリペプチドの含有量が多くなると、睫用化粧料の製造コストが増大する。なお、基剤として用いる場合、合成ポリペプチドの割合は、睫用化粧料全体に対して、例えば、0.5重量%水溶液として10〜99重量%、好ましくは20〜99重量%、さらに好ましくは30〜95重量%程度であってもよい。添加剤として用いる場合、合成ポリペプチドの割合は、例えば、0.5重量%水溶液として0.001〜40重量%、好ましくは0.01〜30重量%、さらに好ましくは0.1〜20重量%程度であってもよい。
(A)基材
睫用化粧料においては、様々な基材が使用可能である。これらの基剤のうち、液状基剤としては、油性基剤(ホホバ油、オリーブ油、やし油、つばき油、マカデミアンナッツ油、ひまし油、スクアランなど)、鉱物系油性基剤(流動パラフィン、ポリブテン、シリコーン油など)、合成系油性基剤(合成エステル油、合成ポリエーテル油など)などの油性基剤;水性基剤、例えば、水、水溶性有機溶媒[低級脂肪族アルコール(例えば、C〜Cのアルキルアルコールであるエタノール、イソプロパノールなど);アルキレングリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエステルなどの低分子量のポリオキシアルキレングリコール又はそのモノアルキルエステルなど);グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール類;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなどのカルボン酸類]などが挙げられる。基剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。例えば、水と、低級脂肪族アルコール等を組み合わせてもよい。
また、固形又は半固形基剤としては、動植物由来の固形又は半固形油性基剤(蜜ろう、木ろう、カルナバろう、キャンデリラろう、カカオ脂、牛脂;ラノリンなど)、鉱物由来の固形又は半固形油性基剤(固形パラフィン、セレシン、ミクロクリスタリンワックス;ワセリンなど)の他、脂肪酸エステル(2−エチルヘキサン酸セチルなどの飽和又は不飽和脂肪酸アルキルエステル;リンゴ酸イソステアリルなどの飽和又は不飽和オキシ酸アルキルエステル;グリセリルモノステアレート、エチレングリコールジステアリン酸エステルなどの飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステルなど)、高級アルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの飽和脂肪族アルコールなど)、高級脂肪酸(ステアリン酸、オレイン酸など)、ゲル基剤(粘液質など)などが挙げられる。ゲル基剤の粘液質としては、動植物系粘液質(クインシードガム、トラガントガム、キサンタンガムなどのガム類;ペクチン、デンプンなどの糖類;アイリッシュモス;アルギン酸ナトリウム、プロピレングリコールアルギネートなどのアルギン酸類;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コンドロイチンヘパリンなどの多糖類;カゼイン、ビトロネクチン、フィブロネクチン、ケラチン、エラスチン、ローヤルゼリーなどのタンパク質類など)、セルロース又はその誘導体(セルロース;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなど)、合成ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、高分子量のポリオキシアルキレングリコール(ポリエチレングリコールなど)など)、無機系粘液質(ビーガム、ベントナイト、有機変性ベントナイト、膨潤性ベントナイト、ケイ酸(ナトリウム/マグネシウム)など)などが挙げられる。
上述の水性基材と、他の基材、例えばゲル基材を併用してもよい。例えば、水および/または低級アルコールと、粘液質であるキサンタンガムなどのガム類等を組み合わせてもよい。
水性基剤の割合は、睫用化粧料全体に対して、20〜95重量%、好ましくは30〜90重量%、さらに好ましくは40〜85重量%程度であってもよい。また、固形基材の割合は、0〜30重量%、ゲル基材の割合は、0.1〜10重量%、好ましくは1.0〜10重量%程度である。また、合成ポリペプチドの割合は、基剤100重量部に対して、0.001〜500重量部、好ましくは0.01〜300重量部、さらに好ましくは0.1〜100重量部(例えば、1〜50重量部)程度であってもよい。
合成ポリペプチドは、他の有効成分と組み合わせてもよい。有効成分としては、保湿剤、防腐剤又は保存料、皮膜形成剤、顔料、収れん剤(クエン酸、乳酸、酒石酸などのオキシ酸又はこれらの塩など;塩化アルミニウムなどのアルミニウム化合物;硫酸亜鉛、スルホフェノキソ亜鉛などの亜鉛化合物;プロアントシアニジン類;ハマメリス、白樺などのタンニン含有植物抽出物;ガイヨウエキス、ダイオウエキス、スギナエキスなど)、エモリエント剤(トリグリセリド油、スクワラン、エステル油などの油性成分を、モノグリセリドなどの非イオン乳化剤などにより乳化した乳化物など)、皮膚軟化剤(サリチル酸又はその誘導体、乳酸、尿素など)、抗酸化剤(トコフェロール又はその誘導体;アントシアニンなどのポリフェノール類など)、紫外線吸収剤や紫外線を散乱する無機顔料、美白剤(アスコルビン酸又はその誘導体、システイン、プラセンタエキス、アルブチン、コウジ酸、ルシノール、エラグ酸、カミツレ抽出物など)、制汗剤(アルミニウム化合物、亜鉛化合物、タンニンなどの収れん剤など)、肌荒れ防止剤(グリチルリチン酸塩、ビタミン類など)、抗炎症剤(アラントイン、グアイアズレン、グリチルリチン酸又はその塩、グリチルレチン酸又はその塩、ε−アミノカプロン酸、トラネキサム酸、イブプロフェン、インドメタシン、酸化亜鉛、或いはこれらの誘導体;アルニカ抽出物などの植物抽出物など)、殺菌剤又は抗菌剤(塩化ベンザルコニウム、塩化ジステアリルメチルアンモニウムなどの第四級アンモニウム塩;安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステルなどの安息香酸類;サリチル酸、サリチル酸ナトリウムなどのサリチル酸類;トリクロロカルバニリド、トリクロサンなど)、酵素(プロテアーゼ、リパーゼなど)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなど)、アミノ酸(トリプトファン、システインなど)、細胞賦活剤(リボフラビン、ピリドキシン、ニコチン酸、パントテン酸、α−トコフェロール、又はこれらの誘導体;ユキノシタエキスなどの植物抽出物など)などが挙げられる。
(B)保湿剤
保湿剤としては、合成ポリペプチドの他に、アルキレングリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等のC2〜C10アルキレングリコール、あるいは、ジエチレングリコールモノエチルエステルなどのポリアルキレングリコール又はそのモノアルキルエステルなど)、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール類;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム;アミノ酸類(セリン、グリシン、スレオニン、アラニンなど);糖類(ソルビトールなどの糖アルコール;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コンドロイチンヘパリンなどの多糖類など);タンパク質(ビトロネクチン、フィブロネクチン、ケラチン、エラスチン、ローヤルゼリーなど)などが挙げられる。
(C)防腐剤又は保存料
防腐剤又は保存料として、フェノキシエタノール、パラベン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウムなどが用いられる。
(D)皮膜形成剤
皮膜形成剤として、アクリル系ポリマー、例えば、(メタクリル酸エチルベタイン・アクリレーツ)コポリマーの他に、ポリビニル系ポリマー(PVP、PVAなど)などが用いられる。より具体的な例としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル・メタクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体、アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド・アモジメチコン共重合体、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、アクリル酸アミド・スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸・アクリル酸2−エチルヘキシル・スチレン共重合体、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸・アクリル酸アミド・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸アルキル・(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル共重合体、アクリル酸アルキル・メタクリル酸・シリコン共重合体、アクリレーツ/アクリル酸ヒドロキシエステル共重合体、ビニルメチルエーテル/マレイン酸エチル共重合体、ビニルメチルエーテル/マレイン酸ブチル共重合体などを例示することができる。本発明においては、上記した共重合体を水性媒体に分散したエマルションを用いてもよい。これら成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。好適な(B)成分としては、化粧もちに優れる観点から、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド共重合体を用いることが好ましい。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および「メタクリル」の双方を意味する。
(E)顔料
任意の配合成分である顔料として、黄酸化鉄、あるいは黒酸化鉄等の酸化鉄、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、シリカ、酸化アルミニウム、ベンガラ、酸化チタン、酸化亜鉛、雲母チタン、結晶セルロース、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、シリコン樹脂粉末等が用いられる。顔料および粉末の1種または2種以上を任意に選択し、これを睫用化粧料中に配合できる。
紫外線吸収剤としては、オキシベンゾン、オキシベンゾンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウムなどのベンゾフェノン系吸収剤;メトキシケイ皮酸オクチル、ジイソプロピルケイ皮酸メチル、ジイソプロピルケイ皮酸エチル、p−メトキシケイ皮酸イソプロピル、ジ−p−メトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリルなどのケイ皮酸系吸収剤;p−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸オクチル、p−ジメチルアミノ安息香酸オクチルなどのp−アミノ安息香酸系吸収剤;サリチル酸オクチルなどのサリチル酸系吸収剤;4−t−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタンなどのジベンゾイルメタン系吸収剤;ウロカニン酸又はそのエステル;β−イソプロピルフラノン;β−カロチンなどが挙げられる。紫外線を散乱する無機顔料としては、酸化チタン(二酸化チタン)、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄などが挙げられる。また、有効成分には、用途に応じて、毛髪用化粧料の有効成分(コンディショニング剤、ふけ抑制剤など)、しみそばかす用化粧料の有効成分(チロシナーゼ活性阻害剤、メラニン還元剤など)、ニキビ用化粧料の有効成分(硫黄などの角質軟化剤、消炎剤、副腎皮質ホルモン、皮脂分泌抑制剤など)なども含まれる。これらの有効成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(F)有効成分の割合
有効成分の割合は、睫用化粧料全体に対して、0.001〜90重量%、好ましくは0.01〜80重量%、さらに好ましくは0.1〜60重量%程度であってもよい。例えば、保湿剤は、睫用化粧料中に、0.5〜10重量%、好ましくは1.0〜7.0重量%含まれ、防腐剤又は保存料は、0.1〜5.0重量%、好ましくは0.2〜1.0重量%含まれる。顔料は、3.0〜30重量%、好ましくは5.0〜20重量%含まれる。また、皮膜形成剤は、睫用化粧料中に、例えば1.0〜20重量%、好ましくは2.0〜10重量%含まれる。
なお、合成ポリペプチドを保湿剤として用いる場合、他の保湿剤(上記の保湿剤)に対する割合(重量比)は、ポリペプチド/他の保湿剤=0.1/99.9〜100/0、好ましくは1/99〜90/10、さらに好ましくは5/95〜80/20程度であってもよい。
(G)添加剤
合成ポリペプチドは、他の添加剤と併用してもよい。添加剤としては、界面活性剤、無機塩類(硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウムなど)、着色剤、繊維(ナイロン繊維などの合成繊維、天然繊維など)、研磨剤(リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、無水ケイ酸など)、発泡剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)、湿潤剤(ソルビット、グリセリンなど)、粘結剤(例示の粘液質、例えば、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナンなど)、不透明化剤、香料(合成香料、精油、精油成分など)、甘味剤(サッカリンナトリウムなど)、植物抽出物などが挙げられる。
界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤(アルキル硫酸塩;アルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどのアルキルエーテル硫酸塩;アシルメチルタウリン塩;アシルグルタミン酸ナトリウムなどのアシルグルタミン酸塩;アミドエーテル硫酸塩;ソルビタンセスキオレイン酸エステルなどのソルビタン脂肪酸エステル類;グリセリルモノステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレングリセリルモノステアレートなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルなど)、両性界面活性剤(アルキル酢酸ベタイン、アミド酢酸ベタイン、イミダゾリニウムベタイン(アミンオキシド型半極性界面活性剤)など)、非イオン性界面活性剤(ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸アルカノールアミド;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体;ポリオキシエチレン硬化ひまし油エステルなど)、陽イオン界面活性剤(塩化アルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム塩など)などが挙げられる。
着色剤(染顔料)としては、合成又は天然顔料(染料、色素)、例えば、タール色素、酸化鉄系無機顔料、黒酸化鉄レーキ、二酸化チタンなどの白色顔料;パール顔料(雲母チタン系、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔など);赤色223号、橙色201号などの染料;天然色素(コチニール、カルサミンなど)などが挙げられる。
さらに添加剤には、pH調整剤(炭酸水素ナトリウムなどの塩基;リン酸一水素ナトリウムなどの酸;ホウ砂など)、キレート剤(クエン酸などのオキシカルボン酸、メタリン酸などのリン酸など)、金属イオン封鎖剤(ポリリン酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩など)、固化剤((A)基剤の項で例示の高級アルコール、飽和脂肪酸、ワックス類など)、可溶化剤(ポリオキシエチレン硬化ひまし油など)、可塑剤(カンファー、フタル酸ジブチルなどのフタル酸エステル、アセチルクエン酸トリブチルなどの脂肪族多塩基酸エステルなど)、ゲル化剤(有機変性ベントナイトなど)、増粘剤(基剤の項で例示の粘液質など)、有機溶剤(エタノール、ブタノールなどのアルコールなど)、還元剤(チオグリコール酸又はその塩、システインなど)、塩基性剤(アンモニア水、炭酸アンモニウム、エタノールアミンなど)、酸化剤(臭素酸ナトリウム、過酸化水素、過ホウ素酸ナトリウムなど)清涼剤(メントールなど)なども含まれる。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの添加剤の割合は、睫用化粧料全体に対して、0.001〜40重量%、好ましくは0.01〜30重量%、0.1〜20重量%程度であってもよい。
(H)基材等の形態
基剤、有効成分及び添加剤は、塩の形態で用いてもよい。このような塩としては、生理的又は薬学上許容できる塩が好ましく、例えば、有機酸塩(例えば、酢酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩などのカルボン酸塩;メタンスルホン酸塩などの有機スルホン酸塩など)、無機酸塩(例えば、塩酸塩など)、有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン塩、エタノールアミン塩などの第三級アミンとの塩など)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩;ナトリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩など)が挙げられる。
なお、基剤、有効成分及び添加剤は、合成ポリペプチドの特性を損なわない限り、合成ポリペプチドに対して相互作用性を有していてもよいが、通常、相互作用性(反応性、分解性など)を有していないことが好ましい。
(I)睫用化粧料の形態
睫用化粧料の形態は、特に制限されず、例えば、液剤(ローション、乳剤、懸濁液など)、半固形剤(ゲル剤、軟膏剤、硬膏剤、クリーム剤など)、固形剤(ケークなど)などが挙げられる。液剤及び半固形剤は、基材(不織布、織布、紙、ポリマーフィルムなど)に含浸又は塗布した形態でもよい。
液剤は、溶液、又は分散液(水性液剤に粉末が分散した分散液、水−非水系有機溶媒の二層系液剤の分散液、水−非水系有機溶媒の二層系液剤に粉末が分散した分散液など)であってもよい。
本発明の睫用化粧料の用法及び用量は、使用形態などに応じて選択でき、例えば、1日あたり1、2回程度、所定部位に適用できる。また、睫用化粧料を適用後、水や湯などにより洗い落としてもよい。
本発明の化粧料は、特定の合成ポリペプチドを含んでいるため、安全性に優れ、臭気の発生を防止できる睫用化粧料の用途に有用である。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
合成ポリペプチドの製法について、以下に説明する。合成ポリペプチドは、例えば、特許文献1(特開2005−60314号公報)の製造例7に準じて、以下のように調製される。式:H-(Pro-Hyp-Gly)1-OHで示されるペプチド((株)ペプチド研究所製)1kgを20Lの10mMリン酸塩緩衝液(pH7.4)に溶解し、473gの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3.35kgの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩を加えて、4℃で2時間、その後20℃で46時間撹拌を続ける。反応液をミリQ水(超純水)に対して48時間透析する。
得られた透析後の溶液の一部を水で50倍に希釈し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superdex 200 HR 10/30、流速:0.5mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM phosphate buffer(pH7.4))に供すると、分子量10万〜60万の範囲にポリペプチドのピークが認められる。
また、透析後の溶液の一部を水で100倍に希釈し、円二色性スペクトルを測定すると、225nmに正のコットン効果、198nmに負のコットン効果が観測され、3重らせん構造を形成していることが確認される。
式:(Pro-Hyp-Gly)10で示されるペプチド((株)ペプチド研究所)の215nmにおける吸光度から検量線を作成し、上記の方法で得られる、3重らせん構造を形成するポリペプチドの濃度を測定すると約20mg/mLとなる。
(実施例1)透明マスカラ
上記の製法と同様の方法で得られた合成ポリペプチド(Ia)粉末の0.5重量%水溶液を用いて、表1の配合量の各成分を含有する実施例1の透明マスカラを以下のように調整した。まず、1.0gの合成ポリペプチド0.5重量%水溶液、10.0gの30重量%アクリル系コポリマーエタノール溶液(三菱化学株式会社製)、2.0gのペンチレングリコール(シムライズ株式会社製)、1.5gのキサンタンガム(大日本住友製薬株式会社製)、1.0gの1,3−ブチレングリコール(ダイセル化学工業株式会社製)、及び4.5gのエタノールを、79.5mLの精製水に添加し、十分撹拌して、溶液を調製した。この溶液に、さらに0.5gのフェノキシエタノール(四日市合成株式会社製)を加え、十分撹拌し、透明マスカラを調製した。
(実施例2)透明マスカラ
実施例1と同様の方法により、表2に示されるように、ポリペプチド(Ia)(合成ポリペプチド)の0.5重量%水溶液の配合量が3.0重量%である点が実施例1と異なる実施例2の透明マスカラを得た。
(実施例3)カラーマスカラ
表3に示されるように、ポリペプチド(Ia)(合成ポリペプチド)の0.5重量%水溶液の配合量が3.0重量%である点で実施例2と共通するものの、その他の成分が実施例1および2とは異なる実施例3のカラーマスカラを得た。
実施例3のカラーマスカラは、以下の方法により調製した。
40gの精製水、3.0gの合成ポリペプチド0.5重量%水溶液、6.0gの1,3-ブチレングリコール(ダイセル化学工業社製)、4.0gのステアリン酸PEG-15グリセリル(日本エマルジョン製)、1.0gのジステアリン酸スクロース(三菱化学フーズ製)、1.0gのベントナイト(クニミネ工業製)、及び10.0gの酸化鉄(チタン工業製)を十分攪拌して、溶液を調製した。さらにこの溶液に、5.5gのミツロウ(三木化学製)、5.0gのカルナウバロウ(セラリカ野田製)、1.0gのステアリン酸(日油製)、2.0gのベヘニルアルコール(高級アルコール製)、及び0.2gのAMP(ダウ・ケミカル日本製)を加熱乳化したのち、0.3gのフェノキシエタノール(四日市合成製)、及び15.0gの45重量%アクリル系コポリマー水溶液(アクゾノーベル製)を加え、十分攪拌後、全体が100gになるように精製水で希釈することによりカラーマスカラを調製した。
実施例1(合成ポリペプチド50重量ppm)および実施例2(合成ポリペプチド150重量ppm)のマスカラについて、以下の試験1〜3を行った。
(試験1)
試験1では、実施例1のマスカラを被験者の右目のまつ毛に、実施例2のマスカラを同じ被験者の左目のまつ毛に、それぞれ塗布した。その後、3時間ごとのまつ毛の経時変化を観察し、被験者のまつ毛を撮影した。この試験の結果を図1に示す。
実施例1のマスカラでは、試験開始後、試験前に比べて、右目のまつ毛のカール、ツヤ、ハリが良好になった。3時間経過した頃からカール力がやや低下し、6時間経過後にはまつ毛のまとまりも若干低下した。しかしながら、実施例1のマスカラにおいても、右目のまつ毛を9時間以上に渡って上向きに維持するという効果が認められた。
一方、実施例2のマスカラでは、試験開始後、試験前に比べて、左目のまつ毛のカール、ツヤ、ハリが良好になった。さらに、9時間以上経過しても、これらはいずれも良好なまま維持された。さらに試験開始から12時間経過後もまつ毛の状態が良好であることが、目視により確認された。
(試験2)
試験2では、実施例1および実施例2のマスカラに、それぞれボリュームマスカラを重ねて塗布した。他、この試験の結果を図2に示す。
試験2の結果は、試験1とほぼ同様であった。すなわち、実施例1のマスカラでは、右目のまつ毛を9時間以上に渡って上向きに維持するという効果が認められ、実施例2のマスカラでは、左目のまつ毛のカール、ツヤ、ハリを良好なまま12時間以上、維持することができた。
(試験3)
試験3では、被験者の右目のまつ毛に実施例2のマスカラのみを塗布し、被験者の左目のまつ毛に実施例2のマスカラと汎用品のマスカラを重ね塗りした。その後、3時間ごとのまつ毛の経時変化を観察し、被験者のまつ毛を撮影した。この試験の結果を図3に示す。
試験3においては、いずれのまつ毛もカール、ツヤ、ハリが良好な状態で、12時間以上が経過した。さらに、15時間経過後もまつ毛の状態が良好であることが、目視により確認された。
以上の試験(1)〜(3)の結果から、以下のことが明らかとなった。まず、合成ポリペプチドを50重量ppm、および150重量ppm含む本発明のマスカラ(睫用化粧料)は、いずれも良好な結果を示した。このため、合成ポリペプチドを添加することにより、睫用化粧料の性能向上が可能であるといえる。特に、合成ポリペプチドを150重量ppm含む実施例2のマスカラ(睫用化粧料)は、合成ポリペプチドを50重量ppm含む実施例1よりもさらに、良好な結果を示した。
また、実施例1および2のいずれの睫用化粧料も、そのままで使用されても、あるいは下地マスカラとして重ね塗りされても、好適に使用可能である。さらに、実施例3のカラーマスカラについても、同量(150重量ppm)の合成ポリペプチドを含む実施例2の透明マスカラと同等の効果が認められた。
また、実施例1〜3のいずれのマスカラにおいても、異臭は認められなかった。これは、主として、魚類由来のコラーゲン等を用いることなく、不純物を含まない合成ポリペプチドを使用したためであると考えられる。

Claims (13)

  1. 式Pro-Y-Gly(式中、YはHypまたはProを示す)で表されるアミノ酸配列を有し、コラーゲン様の構造を形成する合成ポリペプチドを15重量ppm〜0.4重量%含む、睫用化粧料。
  2. 前記合成ポリペプチドが、下記式(1)〜(3)で表されるペプチドユニットで構成されたポリペプチド(I)、および
    下記式(4)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニットと、下記式(5)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドユニットとを含むポリペプチド(II)から選択された少なくとも一種のポリペプチドである請求項1記載の睫用化粧料。
    (式中、mは1〜18の整数を表し、pおよびqは0または1であり、YはHypまたはProを表し、nは1〜20の整数を表し、Zは1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチド鎖を表し、rは1〜20の整数を表し、Rは直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を表し、a、b、およびcは式(1)〜(3)のそれぞれのモル数を示し、aとbとの割合(モル比)はa/b=100/0〜30/70であり、p=1およびq=0であるときc=aであり、p=0およびq=1であるときc=bであり、p=1およびq=1であるときc=a+bであり、p=0およびq=0であるときc=0である)
    (式中、Yは前記に同じ)
    (式中、VはGln、Asn、Leu、Ile、ValまたはAla、WはIleまたはLeuを表す。)
  3. 前記ポリペプチド(I)において、mが2〜12の整数、nが2〜15の整数、Zが、Gly、Sar、Ser、Glu、Asp、Lys、His、Ala、Val、Leu、Arg、Pro、Tyr、Ileから選択された1〜10個のアミノ酸残基から構成されているペプチド鎖、rが1〜10の整数、RがC2〜C12アルキレン基である、請求項2に記載の睫用化粧料。
  4. 前記ポリペプチド(II)において、式(4)のアミノ酸配列が-Pro-Hyp-Gly-で表される、請求項2に記載の睫用化粧料。
  5. 前記合成ポリペプチドが、円二色性スペクトルにおいて、波長220〜230nmに正のコットン効果を示し、波長195〜205nmに負のコットン効果を示す、請求項1に記載の睫用化粧料。
  6. 前記合成ポリペプチドの少なくとも一部が3重らせん構造を形成可能である、請求項1に記載の睫用化粧料。
  7. 前記合成ポリペプチドを25重量ppm〜0.2重量%含む、請求項1に記載の睫用化粧料。
  8. 20〜95重量%の水性基材をさらに含む、請求項1に記載の睫用化粧料。
  9. 0.5〜10重量%の保湿剤をさらに含む、請求項1に記載の睫用化粧料。
  10. 前記保湿剤が、C〜C10のアルキレングリコールを含む、請求項9に記載の睫用化粧料。
  11. 0.1〜5.0重量%の防腐剤をさらに含む、請求項1に記載の睫用化粧料。
  12. 1.0〜20重量%の皮膜形成剤をさらに含む、請求項1に記載の睫用化粧料。
  13. 0.1〜10重量%のゲル基材をさらに含む、請求項1に記載の睫用化粧料。
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