JP2013002538A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ソレノイド駆動回路の異常箇所に応じた適切な対策処置を提供する。
【解決手段】信号判定手段62aは、指令信号S1cの信号レベルの異常を判定する。異常がないとき、駆動回路62は、CPU61からの指令信号S1cに応じてソレノイドS1への通電を制御する。一方、異常があるとき、駆動回路62は、バックアップ信号S1bに応じてソレノイドS1への通電を制御する。この結果、指令線に異常がある場合でも、通常の制御が継続される。回路判定手段61aは、指令信号S1cとモニタ信号S1mとを対比し、指令線とモニタ線とを含む電気回路の異常を検出する。機能判定手段61bは、変速比が正常か否かを判定し、指令線とモニタ線とのどちらに異常が生じているのかを推測する。指令線が異常の場合は制御が停止され、モニタ線が異常の場合は制御が継続される。これにより過剰な対策処置が回避される。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関する。
特許文献1は、自動変速機のソレノイドを駆動するための回路における電気的な故障を検出する装置を開示している。この装置は、故障が検出されると、ソレノイドへの通電を遮断する。この技術では、マイコンからの指令信号と、ソレノイドの駆動回路からのモニタ信号とを照合することにより電気的な故障を検出している。
特開平1−169159号公報
従来技術の構成では、マイコンから駆動回路への指令信号のための回路における故障と、駆動回路からマイコンへのモニタ信号のための回路における故障とが区別されない。このため、モニタ信号のための回路だけに故障があるときにも、ソレノイドへの通電が遮断される。モニタ信号のための回路だけに故障があるときには、自動変速機はその本来の機能を発揮できる場合がある。つまり、従来の技術では、過剰に自動変速機の機能を制限するおそれがあった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、自動変速機のソレノイドを駆動するための回路の異常箇所を特定し、異常箇所に応じた適切な対策処置をとることができる自動変速機の制御装置を提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、制御手段(61、261)から出力される指令信号(S1c)に応じて自動変速機のアクチュエータ(5)の通電状態を調節するとともに、アクチュエータ(5)への通電状態を示すモニタ信号(S1m)を制御手段に向けて出力する駆動回路(62、262)を備える自動変速機の制御装置において、指令信号(S1c)とモニタ信号(S1m)とに基づいて、指令信号の信号伝達回路とモニタ信号の信号伝達回路とを含む電気回路の異常を判定する回路判定手段(61a)と、アクチュエータの機能が正常か異常かを判定する機能判定手段(61b)と、電気回路の異常が判定され、かつアクチュエータの機能の異常が判定される場合と、電気回路の異常が判定され、かつアクチュエータの機能の正常が判定される場合とに応じて、それぞれ異なる対策処置を提供する対策処置手段(61c)とを備えることを特徴とする。
この構成によると、自動変速機の制御装置は、制御手段と、駆動回路と、自動変速機のアクチュエータとを備える。制御手段は、指令信号を出力する。駆動回路は、指令信号に応じて自動変速機のアクチュエータの通電状態を調節する。さらに、駆動回路は、アクチュエータへの通電状態を示すモニタ信号を制御手段に向けて出力する。制御手段は、回路判定手段と、機能判定手段と、対策処置手段とを備えることができる。回路判定手段は、指令信号とモニタ信号とに基づいて、指令信号の信号伝達回路とモニタ信号の信号伝達回路とを含む電気回路の異常を判定する。機能判定手段は、アクチュエータの機能が正常か異常かを判定する。対策処置手段は、異常の場合に応じて、それぞれ異なる対策処置を提供する。ここでは、電気回路の異常が判定され、かつアクチュエータの機能の異常が判定される場合と、電気回路の異常が判定され、かつアクチュエータの機能の正常が判定される場合とに応じて、それぞれ異なる対策処置が提供される。この結果、回路判定と、機能判定との組み合わせによって、異常状態を識別し、異常状態に応じた対策処置を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、対策処置手段は、電気回路の異常が判定され、かつアクチュエータの機能の異常が判定される場合には、指令信号の信号伝達回路の異常に対応した第1の対策処置(108)を提供し、電気回路の異常が判定され、かつアクチュエータの機能の正常が判定される場合には、モニタ信号の信号伝達回路の異常に対応した第2の対策処置(105)を提供することを特徴とする。この構成によると、指令信号の信号伝達回路に異常があると予測される場合には、その異常に対応した第1の対策処置が提供される。また、モニタ信号の信号伝達回路に異常があると予測される場合には、その異常に対応した第2の対策処置が提供される。
請求項3に記載の発明は、第1の対策処置(108)は、指令信号による自動変速機の制御の停止であり、第2の対策処置(105)は、指令信号による自動変速機の制御の継続であることを特徴とする。この構成によると、指令信号の信号伝達回路に異常があると予測される場合には、指令信号による自動変速機の制御が停止される。また、モニタ信号の信号伝達回路に異常があると予測される場合には、電気回路の異常にもかかわらず、指令信号による自動変速機の制御が継続される。この結果、自動変速機の通常の制御が停止されるような対策処置が過剰にとられることが回避される。
請求項4に記載の発明は、機能判定手段(61b)は、自動変速機(4)の実際の変速比が、目標とする変速比にあるか否かを判定することを特徴とする。この構成によると、自動変速機の実際の変速比と目標とする変速比とに基づいてアクチュエータが異常か正常かが判定される。
請求項5に記載の発明は、さらに、駆動回路(62、262)に設けられ、駆動回路に入力された指令信号の異常を判定する信号判定手段(62a)と、
駆動回路に設けられ、指令信号の異常が判定されると、指令信号に応じることなく、代替的な制御によってアクチュエータの通電状態を制御させる制御切換手段(62b)とを備えることを特徴とする。この構成によると、駆動回路において指令信号の異常が判定される。さらに、駆動回路において、指令信号に依存しない代替的な制御への切換えが実行される。このため、アクチュエータの制御が中断されることなく、指令信号に応じた駆動から、代替的な駆動へ切換えることができる。また、指令信号の異常時に、代替的な制御によってアクチュエータの駆動を継続できるから、自動変速機の通常の制御が停止されるような対策処置が過剰にとられることが回避される。
請求項6に記載の発明は、信号判定手段(62a)は、指令信号の電圧レベルに基づいて異常を判定することを特徴とする。この構成によると、指令信号の電圧レベルに基づいて指令信号の異常を判定することができる。
請求項7に記載の発明は、指令信号に対応するバックアップ信号(S1b)が制御手段から駆動回路へ与えられるように構成されており、制御切換手段(62b)は、バックアップ信号に応じてアクチュエータの通電状態を制御させることを特徴とする。この構成によると、駆動回路において指令信号の異常が判定されると、バックアップ信号に応じてアクチュエータの通電状態が制御される。このため、アクチュエータの制御が中断されることなく、指令信号に応じた駆動から、バックアップ信号に応じた駆動へ切換えることができる。
なお、特許請求の範囲および上記手段の項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本発明を適用した第1実施形態に係る車両用自動変速機システムを示すブロック図である。 第1実施形態の制御装置の全体を示すブロック図である。 第1実施形態の制御装置の一部を示すブロック図である。 第1実施形態の制御装置の作動を示すフローチャートである。 第1実施形態の各部の信号状態を示す表である。 第1実施形態の自動変速機の変速状態を示す表である。 第1実施形態の駆動回路の作動を示す波形図である。 第1実施形態の制御装置の作動を示す波形図である。 本発明を適用した第2実施形態に係る制御装置の全体を示すブロック図である。 第2実施形態の制御装置の一部を示すブロック図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。また、後続の実施形態においては、先行する実施形態で説明した事項に対応する部分に百の位だけが異なる参照符号を付加することにより対応関係を示し、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用した第1実施形態に係る車両用自動変速機システム1を示すブロック図である。車両用自動変速機システム1は、4輪車などの車両に搭載されている。動力源2は、内燃機関および/または電動機を含むことができる。車両は、駆動輪3を備える。動力源2が出力する動力は、駆動輪3に伝達され、車両を走行させる。動力源2と車輪3との間の動力伝達経路には、自動変速機4が設けられている。自動変速機4は、動力源2の出力軸の回転を変速して駆動輪3に伝達する。自動変速機4は、トルクコンバータと、多段型または無段型の減速機とを備えることができる。自動変速機4は、複数の係合要素の係合状態を調節するための複数の油圧を制御するための油圧制御系統を備える。自動変速機4は、油圧制御系統を制御し、変速比を変化させるための複数のバルブを含むアクチュエータ5を備える。アクチュエータ5には、油圧制御系統のライン圧を制御するリニアソレノイドとの油圧を切換えるオンオフ型のソレノイドとが含まれる。自動変速機4は、機械的なフェールセーフバルブを備えない、いわゆるフェールセーフバルブレス型の自動変速機である。
車両用自動変速機システム1は、制御装置6を備える。制御装置6は、電子制御装置である。制御装置6は、乗員の指示に応じた変速比を提供するように、また、車両の走行状態に応じた変速比を提供するように自動変速機4を制御する。制御装置6は、目標とする変速比が得られるようにアクチュエータ5を制御する。具体的には、制御装置6は、目標とする変速比が得られるように複数のソレノイドへの通電状態を調節する。さらに、制御装置6は、複数のソレノイドの駆動回路における異常を検出する異常検出手段と、検出された異常に応じた対策処置を実行するフェールセーフ手段とを提供する。車両用自動変速機システム1は、動力源2から自動変速機4へ伝達される回転数、すなわち自動変速機4の入力回転数Ninを検出するための回転数センサ7を備える。また、車両用自動変速機システム1は、自動変速機4から駆動輪3へ伝達される回転数、すなわち自動変速機4の出力回転数Noutを検出するための回転数センサ8を備える。これら回転数センサ7、8により検出された入力回転数Ninと出力回転数Noutは、制御装置6に入力される。
図2は、第1実施形態の制御装置6の全体を示すブロック図である。制御装置6は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを格納している。記憶媒体は、メモリによって提供されうる。プログラムは、制御装置6によって実行されることによって、制御装置6をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される制御方法を実行するように制御装置6を機能させる。制御装置6が提供する手段は、所定の機能を達成する機能的ブロック、またはモジュールとも呼ぶことができる。
制御装置6は、アクチュエータ5としての複数のソレノイドSL1、SL2、SL3、SL4、S1、S2への通電状態を調節する。ソレノイドSL1、SL2、SL3、SL4は、リニアソレノイドである。ソレノイドS1、S2は、オンオフ型のソレノイドである。ソレノイドS1、S2は、フェールセーフソレノイドを兼用する。フェールセーフソレノイドは、それを所定の通電状態とすることによって、自動変速機4を所定のフェールセーフ状態に制御することができる。フェールセーフ状態では、自動変速機4の変速比は所定の変速比に固定される。制御装置6は、CPU61と、複数の駆動回路62とを備える。複数のソレノイドSL1−SL4、S1、S2のそれぞれに対応して、駆動回路62が設けられている。駆動回路62は、パッケージ化された半導体集積回路である。
CPU61は、対象となるソレノイドの通電状態の指令信号を出力するための端子COMを有する。CPU61は、指令信号を出力する制御手段を提供する。それぞれの駆動回路62は、指令信号を受信し、対応するソレノイドに指令信号に応じた通電状態を提供する。例えば、リニアソレノイドSL1の駆動回路は、CPU61から出力された指令信号に応じた電流をリニアソレノイドSL1に通電する。例えば、オンオフ型のソレノイドS1の駆動回路は、CPU61から出力された指令信号に応じて、ソレノイドS1への通電をオン状態、またはオフ状態にする。
駆動回路62は、対応するソレノイドへの通電状態を示すモニタ信号を生成し、出力する。CPU61は、駆動回路62から出力されるモニタ信号を受信し入力するための端子MONを有する。
さらに、CPU61は、バックアップ信号を出力するための端子BAKを有する。バックアップ信号は、指令信号に対応する信号である。この実施形態では、指令信号は、1.0Vがオフ状態(0%)に対応し、4.0Vがオン状態(100%)に対応するアナログ信号として端子COMから出力される。一方、バックアップ信号は、0.0Vがオフ状態(0%)に対応し、5.0Vがオン状態(100%)に対応するデジタル信号として端子BAKから出力される。
図3は、第1実施形態の制御装置6の一部を示すブロック図である。図中には、オンオフ型のソレノイドS1に対応するCPU61の構成部分と、駆動回路62と、電源回路とが図示されている。以下、オンオフ型のソレノイドS1を代表例としてフェールセーフのための構成と機能とを説明する。以下に述べる説明は、適用可能な範囲で、他のソレノイドSL1−SL4、S2にも適用されている。
CPU61は、要求された変速状態を提供するために必要なソレノイドS1の通電状態を指令信号S1cとして端子COMから出力する基本制御手段を備える。さらに、CPU61は、指令信号S1cに対応するバックアップ信号S1bを生成し、端子BAKから出力するバックアップ制御手段を備える。
また、CPU61は、回路判定手段61aを備える。回路判定手段61aは、指令信号S1cの信号伝達回路とモニタ信号S1mの信号伝達回路とを含む電気回路が正常であるか異常であるかを判定する。回路判定手段61aは、端子COMから出力された指令信号S1cと端子MONに入力されたモニタ信号S1mとに基づいて、それらが所定の対応関係にあるか否かによって、上記電気回路が正常であるか異常であるかを判定する。回路判定手段61aは、例えば、指令信号S1cがオン状態を示し、モニタ信号S1mがオン状態を示している場合には、電気回路は正常であると判定する。指令信号S1cがオフ状態を示し、モニタ信号S1mがオフ状態を示している場合にも、電気回路は正常であると判定される。一方、指令信号S1cがオン状態を示し、モニタ信号S1mがオフ状態を示している場合には、電気回路は異常であると判定される。指令信号S1cがオフ状態を示し、モニタ信号S1mがオン状態を示している場合にも、電気回路は異常であると判定される。ただし、この回路判定手段61aは、指令信号S1cの信号伝達回路とモニタ信号S1mの信号伝達回路とのいずれに異常が生じているのかを識別することはできない。
CPU61は、機能判定手段61bを備える。機能判定手段61bは、駆動回路62によって制御対象となっているアクチュエータ5が正常に機能を発揮しているか否かを判定する。すなわち、機能判定手段61bは、ソレノイドS1が要求された機能を発揮しているか否か、さらに言い換えるとソレノイドS1、および駆動回路62を含むその駆動系統の全体が正常に機能しているか否かを判定する。ここでは、自動変速機4が要求された変則比を提供しているか否かによって機能判定が実行される。すなわち、機能判定手段61bは、CPU61によって指令されたアクチュエータ5の作動状態によって提供されるべき変速比と、自動変速機4によって実際に提供されている変速比とが等しい場合には、アクチュエータ5およびそれに含まれるソレノイドS1が正常であると判定する。一方、機能判定手段61bは、提供されるべき変速比と、実際に提供されている変速比とが異なる場合には、アクチュエータ5およびそれに含まれるソレノイドS1が異常であると判定する。
ここで、機能判定手段61bは、回路判定手段61aによって電気回路の異常が判定された場合に、その判定処理を実行する。回路判定手段61aの判定結果と、機能判定手段61bの判定結果とを組み合わせることにより、2つの場合を識別することができる。第1の場合は、電気回路の異常が判定されているにもかかわらず、アクチュエータ5が正常に機能して要求された変速比が実際に提供されている場合である。この場合、指令信号S1cが正常に伝達されて、駆動回路62とソレノイドS1とが正常に機能していると考えられる。よって、電気回路の異常は、モニタ信号S1mの信号伝達回路の異常に起因すると考えられる。第2の場合は、電気回路の異常が判定されていると同時に、アクチュエータ5が正常に機能せず、要求された変速比が実際に提供されていない場合である。この場合、指令信号S1cが正常に伝達されずに、駆動回路62とソレノイドS1とが正常に機能していないと考えられる。よって、電気回路の異常は、指令信号S1cの信号伝達回路の異常に起因すると考えられる。このように、指令信号S1cの信号伝達回路とモニタ信号S1mの信号伝達回路とのいずれに異常が生じているのかを識別することができる。
CPU61は、回路判定手段61aの判定結果と、機能判定手段61bの判定結果とを組み合わせることにより識別された異常状態に応じた対策処置を実行する対策処置手段61cを備える。ここでは、指令信号S1cの信号伝達回路に異常がある場合と、モニタ信号S1mの信号伝達回路に異常がある場合とで、異なる対策処置が実行され、提供される。対策処置手段61cは、指令信号S1cの信号伝達回路に異常がある場合には、指令信号S1cの出力を停止する。さらに、CPU61は、自動変速機4の通常の制御を停止し、自動変速機4をフェールセーフモードに移行させる。一方、対策処置手段61cは、モニタ信号S1mの信号伝達回路に異常がある場合には、指令信号S1cの出力を継続する。この結果、モニタ信号S1mの信号伝達回路に異常があっても、自動変速機4の通常の制御が継続される。ただし、対策処置手段61cは、車両の運転者に警告を与える。例えば、車両の診断、修理を促す表示、または異常の存在を知らせる通報を実行する。
駆動回路62は、車両に搭載されたバッテリから電源+Bを供給されている。電源回路には、平滑化用のコンデンサC、プルアップ用の抵抗器R、逆接続ダイオードDが含まれている。電源+Bは、駆動回路62の複数の電源端子VCCに電力を供給する。駆動回路62の端子GNDは、接地電位に接続されている。
駆動回路62は、指令信号S1cを入力するための端子IN1と、バックアップ信号S1bを入力するための端子IN2とを有する。さらに、駆動回路62は、モニタ信号S1mを出力するための端子DGと、ソレノイドS1へ電力を供給する電力用の端子OUTとを有する。上述のように、駆動回路62は、指令信号S1cに応じた出力電流S1outを端子OUTから出力する基本機能を提供する基本駆動回路を備える。さらに、駆動回路62は、端子OUTから出力された出力電流S1outの状態を示すモニタ信号S1mを端子DGから出力するモニタ機能を提供するモニタ回路を備える。
さらに、この実施形態では、駆動回路62は、指令信号S1cの異常を判定する信号判定手段62aを備える。駆動回路62は、信号判定手段62aから提供される判定結果に応じて、指令信号S1cとバックアップ信号S1bとのいずれかを選択して基本駆動回路に提供する制御切換手段62bを備える。制御切換手段62bは、指令信号S1cが正常である場合、指令信号S1cを基本駆動回路に与え、指令信号S1cに異常がある場合、バックアップ信号S1bを基本駆動回路に与える。よって、駆動回路62は、指令信号S1cが正常である場合、指令信号S1cに応じた通電状態をソレノイドS1に提供し、指令信号S1cに異常がある場合、バックアップ信号S1bに応じた通電状態をソレノイドS1に提供する。
図4は、第1実施形態の制御装置6の作動を示すフローチャートである。図中には、回路判定手段61a、機能判定手段61b、および対策処置手段61cを提供するための処理が示されている。処理101は所定の周期で繰り返して実行される。ステップ102では、指令信号S1cが端子COMから出力される。ステップ103では、モニタ信号S1mが端子MONから入力される。ステップ104では、端子COMの信号状態と、端子MONの信号状態とが一致しているか否かが判定される。端子COMの信号状態と、端子MONの信号状態とが一致している場合、すなわち指令信号S1cとモニタ信号S1mとが所定の対応関係にある場合、ステップ105へ進み、指令信号S1cの出力を継続する。この結果、自動変速機4の通常の制御が継続される。端子COMの信号状態と、端子MONの信号状態とが一致していない場合、すなわち指令信号S1cとモニタ信号S1mとが所定の対応関係にない場合、ステップ106へ進む。
ステップ106では、実際の変速比を検出する。実際の変速比は、回転数センサ7、8によって検出される回転数Nin、Noutから検出することができる。回転数Nin、Noutの比Nout/Ninが、実際の変速比を示す検出比として算出される。ステップ107では、CPU61において要求された変速比である要求比と検出比とが比較される。
要求比と検出比とが等しい場合、すなわち要求された変速比が実際に提供されている場合には、ステップ105へ進む。この場合には、電気回路に異常があるにもかかわらず、アクチュエータ5が正常に機能しているから、モニタ信号S1mの信号伝達回路に異常があると考えられる。ステップ105では、指令信号S1cの出力を継続し、通常の自動変速機4の制御を継続する。この結果、モニタ信号S1mの信号伝達経路という付加的な回路の異常だけに起因して自動変速機4の通常の制御が停止されることが回避される。言い換えると、過剰なフェールセーフを回避することができる。
要求比と検出比とが等しくない場合、すなわち要求された変速比が実際に提供されていない場合には、ステップ108へ進む。この場合には、電気回路に異常があり、しかも、アクチュエータ5が正常に機能していないから、指令信号S1cの信号伝達回路に異常があると考えられる。ステップ108では、指令信号S1cの出力を停止し、上述のフェーセーフ制御を実行する。
図5は、第1実施形態の各部の信号状態を示す表である。図中には、電気回路の断線または故障といった異常ごとに、各端子の信号状態が示されている。ここでは、指令信号S1cの信号伝達回路は、指令線と呼ばれる。モニタ信号S1mの信号伝達回路は、モニタ線と呼ばれる。図示されるように、指令線、またはモニタ線に、断線(開放)および/またはショート(短絡)が生じると、端子COMの信号状態と、端子MONの信号状態とに不一致が生じる場合がある。よって、上述の回路判定手段61aおよびステップ104では、図示されるような信号状態の不一致を検出することにより、指令線およびモニタ線を含む電気回路の異常が判定される。
図6は、第1実施形態の自動変速機4の変速状態を示す表である。図中には、変速比ごと、すなわち1速から6速の変速状態におけるソレノイドSL1−SL4、S1、S2の通電状態が示されている。図中○印は通電のオン状態を示し、×印は通電のオフ状態を示す。図示されるように、変速比ごとに、ソレノイドの通電状態の組み合わせが異なる。CPU61では、自らが要求し、指令信号によって指示した変速比、すなわち変速段がわかっている。一方、検出比は、実際の変速比、すなわち変速段を示している。よって、これらを比較することにより、駆動回路62を含む電気回路などが正常に機能しているのか否かが判明する。このような判定は、ステップ106およびステップ107により提供される機能に相当する。よって、このような判定は、端子COMの信号状態と、端子MONの信号状態とが一致していない場合、すなわち指令信号S1cとモニタ信号S1mとが所定の対応関係にない場合に実行される。指令信号S1cとモニタ信号S1mとが所定の対応関係にない場合、すなわち何らか信号線における異常が検出されている場合に、例えば、以下のような判定が可能となる。CPU61により3速での運転が要求されているときに、検出比が3速における変速比を示している場合、指令信号は正常に伝達されているが、モニタ信号が正常に伝達されていない、すなわちモニタ線に異常があると判定できる。逆に、CPU61により3速での運転が要求されているときに、検出比が5速における変速比を示している場合、指令信号は正常に伝達されていない可能性が高く、すなわち指令線に異常がある可能性が高いと判定できる。
図7は、第1実施形態の駆動回路62に設けられた信号判定手段62aの作動を示す波形図である。指令信号S1cは、電気回路が正常であるときには、オン電圧Vonとオフ電圧Voffとの間で切換えられる。一方、電気回路に異常があると、指令信号S1cの電圧は、電気回路の上限値と下限値とに到達する。例えば指令信号S1cが上限電圧である5.0V、または下限電圧である0.0Vに到達すると、電気回路に異常があることを判定できる。信号判定手段62aは、オン電圧Vonと上限電圧との間に設定された閾値VHと、オフ電圧Voffと下限電圧との間に設定された閾値VLとを有する。信号判定手段62aは、指令信号S1cの電圧が閾値VHを上回ると、指令信号S1cの異常、すなわち電気回路の異常を判定する。信号判定手段62aは、指令信号S1cの電圧が閾値VLを下回ると、指令信号S1cの異常、すなわち電気回路の異常を判定する。このように、信号判定手段62aは、指令信号S1cの電圧レベルが所定範囲VL−VH内にあるか否かによって、電気回路の異常を判定する。
図8は、第1実施形態の制御装置6の作動例を示す波形図である。図8Aは、端子COMの電圧レベル、すなわちCPU61から出力される指令信号S1cを示す。図8Bは、端子IN1の電圧レベル、すなわち駆動回路62に入力される指令信号S1cを示す。図8Cは、端子BAKの電圧レベル、すなわちCPU61から出力されるバックアップ信号S1bを示す。図8Dは、端子DGの電圧レベル、すなわち駆動回路62から出力されるモニタ信号S1mを示す。図8Eは、端子OUTの電圧レベル、すなわち駆動回路62からソレノイドS1に供給される出力電流S1outを示す。
時刻t0から時刻t1の間では、機器は正常に機能している。このとき、駆動回路62は、指令信号S1cに応答してソレノイドS1への通電を実行する。
時刻t1において、指令信号S1cの信号伝達回路(指令線)に断線が発生する。これにより、端子IN1の電圧レベルは0.0Vに低下する。端子IN1の電圧レベルの低下は、信号判定手段62aによって検出される。これに応答して、制御切換手段62bは、駆動回路62がバックアップ信号S1bに応答してソレノイドS1への通電を実行するように、駆動回路62の内部機能を切換える。この結果、出力電流S1outは、バックアップ信号S1bに合わせて制御される。また、モニタ信号S1mは、指令信号S1cおよびバックアップ信号S1bに一致するように変化する。例えば、時刻t2において指令信号S1c、バックアップ信号S1bが切換えられると、出力電流S1outもそれに追従して切換えられる。
時刻t3において、断線が修復され、正常状態に復帰する。このとき、信号判定手段62aは、端子IN1の電圧レベルの復帰を検出する。これに応答して、制御切換手段62bは、駆動回路62が指令信号S1cに応答してソレノイドS1への通電を実行するように、駆動回路62の内部機能を切換える。この結果、出力電流S1outは、指令信号S1cに合わせて制御される。この結果、時刻t3から時刻t4の間では、機器は正常に機能する。
時刻t4において、指令信号S1cの信号伝達回路(指令線)にショートが発生する。これにより、端子IN1の電圧レベルは5.0Vに上昇する。端子IN1の電圧レベルの上昇は、信号判定手段62aによって検出される。これに応答して、制御切換手段62bは、駆動回路62がバックアップ信号S1bに応答してソレノイドS1への通電を実行するように、駆動回路62の内部機能を切換える。この結果、出力電流S1outは、バックアップ信号S1bに合わせて制御される。また、モニタ信号S1mは、指令信号S1cおよびバックアップ信号S1bに一致するように変化する。例えば、時刻t5において指令信号S1c、バックアップ信号S1bが切換えられると、出力電流S1outもそれに追従して切換えられる。
時刻t6において、ショートが修復され、正常状態に復帰する。このとき、信号判定手段62aは、端子IN1の電圧レベルの復帰を検出する。これに応答して、制御切換手段62bは、駆動回路62が指令信号S1cに応答してソレノイドS1への通電を実行するように、駆動回路62の内部機能を切換える。この結果、出力電流S1outは、指令信号S1cに合わせて制御される。この結果、時刻t6の後は、機器は正常に機能する。
このように、この実施形態では、指令信号S1cに加えて、指令信号S1cと同じ情報をもつが信号の性質が異なり、かつ信号伝達回路も異なるバックアップ信号S1bがCPU61から駆動回路62に出力されるように構成した。さらに、駆動回路62に指令信号S1cの異常を判定する信号判定手段62aを設け、指令信号S1cの異常時には、指令信号S1cに代えてバックアップ信号S1bに応答してソレノイドS1を駆動するように構成した。これにより、指令信号S1cの信号伝達回路に異常が発生した場合であっても、バックアップ信号S1bに応答してソレノイドの駆動を継続することができる。
また、駆動回路62内において指令信号S1cとバックアップ信号S1bとの切換えが可能となり、その結果、素早い切換えが可能となる。もし、CPU61において異常を検出し、CPU61から駆動回路62へ指令信号S1cからバックアップ信号S1bへの切換えを指令する場合、それらの処理に要する長時間の間、出力は指令に対応しない値をとることとなる。より具体的には、CPU61には、(1)指令信号S1cとモニタ信号S1mとの不一致を検出する処理ステップと、(2)上記不一致に基づいて回路の異常を判定する処理ステップと、(3)上記異常判定に基づいてCPU61から駆動回路62へ指令信号S1cからバックアップ信号S1bへの切換えを指令するためのトリガ信号を送信する処理ステップとが設けられる。また、駆動回路62には、上記トリガ信号を受信して、指令信号S1cからバックアップ信号S1bへの切換えを実行する回路が設けられる。このような構成においては、CPU61は、アクチュエータの作動状態である出力電流S1outを示し、端子MONに入力されるモニタ信号S1mが、端子COMから出力している指令信号S1cと異なるようになるまで異常を認識できない。さらに、CPU61がトリガ信号を送信し、駆動回路62が指令信号S1cからバックアップ信号S1bへの切換えを実行するまで、端子COMに出力する指令信号S1cと出力電流S1outとが不一致の状態が継続する。なお、トリガ信号は、トリガ信号専用の信号線を設けてもよいし、既存の信号線、例えばバックアップ信号S1bのための信号線を利用してもよい。これに対して、この実施形態によると、駆動回路62内においてIN1に入力される指令信号S1cのアナログ信号レベルに基づいて異常が検出されるから、出力電流S1outが指令信号S1cに対応しない状態にならなくても、駆動回路62で異常検出が可能である。なお、指令信号S1cの信号伝達回路が正常の時は、CPU61が端子COMに出力する指令信号S1cとアクチュエータの作動状態を示す出力電流S1outとは、所定の対応関係にある。一方、指令信号S1cの信号伝達回路が異常の時は、駆動回路62内において信号が切換えらえる。よって、CPU61が端子BAKに出力するバックアップ信号S1bとアクチュエータの作動状態を示す出力電流S1outとが、上記の所定の対応関係となる。なお、駆動回路62に設けられた信号判定手段62aと制御切換手段62bとは、指令信号S1cの信号伝達回路が異常になっても、CPU61が端子COMに出力する指令信号S1cおよびCPU61が端子BAKに出力するバックアップ信号S1bとアクチュエータの作動状態を示す出力電流S1outとが異なることがないように、十分に速い応答性をもって指令信号S1cからバックアップ信号S1bへの切換えを実行する。これにより、より早く異常検出が可能となり、CPU61が端子COMに出力する指令信号S1cとアクチュエータの作動状態を示す出力電流S1outとが異なることなく、指令信号S1cからバックアップ信号S1bへの切換えを実行することができる。
さらに、CPU61では、指令信号S1cとモニタ信号S1mとの対比に基づく電気回路の異常判定に加えて、さらに自動変速機4が正常に変速されて正常な機能を発揮しているか否かを判定する機能判定を併用して電気回路の異常個所を推定している。この結果、異常個所に応じて異なる適切な対策処置をとることができる。特に、実施形態においては、指令信号S1cの信号伝達回路(指令線)に異常がある場合には、指令信号S1cの出力を停止し、自動変速機4の通常の制御を停止する。これに対して、モニタ信号S1mの信号伝達回路に異常がある場合には、指令信号S1cの出力を停止することなく、自動変速機4の通常の制御を継続する。これにより、電気回路の異常個所に応じた適切な対策処置を実行することができる。
また、この実施形態では、指令線に異常があっても、駆動回路62に設けた信号判定手段62aと制御切換手段62bとによってバックアップ信号S1bに応じた駆動が継続されるから、駆動回路62の端子DGからは正常なモニタ信号S1mが出力される。このため、CPU61における回路判定手段61aによって指令信号S1cが停止されることが回避される。この結果、電気回路の異常によって過剰に対策処置がとられることを回避できる。
さらに、指令信号S1cとモニタ信号S1mとが不一致となるような事態が生じても、それでもなお機能判定手段61bによって機能的な正常性が判定される場合には、指令信号S1cの出力が継続され、自動変速機4の通常の制御が継続される。このため、CPU61によって指令信号S1cが停止されることが回避される。この結果、電気回路の異常によって過剰に対策処置がとられることを回避できる。
その一方で、指令信号S1cとモニタ信号S1mとが不一致となるような事態が生じ、さらに、機能判定手段61bによって機能的な異常が判定される場合には、対策処置手段61cによって出力停止といった適切な処置がとられる。
さらに、この実施形態では、ソレノイドS1は、フェールセーフソレノイドを兼用する。よって、モニタ線だけが異常であるような場合には、フェールセーフソレノイドS1に対する過剰な対策処置が回避され、ソレノイドS1の駆動が継続される。この結果、フェールセーフソレノイドの機能停止が抑制され、その機能が維持される場合を増やすことができる。
以上に述べたように、制御装置6は、制御手段61から出力される指令信号S1cに応じて自動変速機4のアクチュエータ5の通電状態を調節するとともに、アクチュエータ5への通電状態を示すモニタ信号S1mを制御手段61に向けて出力する駆動回路62を備える。さらに、制御装置6は、回路判定手段61aと、機能判定手段61bと、対策処置手段61cとを備えることができる。回路判定手段61aは、指令信号S1cとモニタ信号S1mとに基づいて、指令信号S1cの信号伝達回路とモニタ信号S1mの信号伝達回路とを含む電気回路の異常を判定する。機能判定手段61bは、アクチュエータ5の機能が正常か異常かを判定する。対策処置手段61cは、異常の場合に応じて、それぞれ異なる対策処置を提供する。ここでは、電気回路の異常が判定され、かつアクチュエータ5の機能の異常が判定される場合と、電気回路の異常が判定され、かつアクチュエータ5の機能の正常が判定される場合とに応じて、それぞれ異なる対策処置が提供される。この結果、回路判定と、機能判定との組み合わせによって、異常状態を識別し、異常状態に応じた対策処置を提供することができる。
対策処置手段61cは、電気回路の異常が判定され、かつアクチュエータ5の機能の異常が判定される場合には、指令信号S1cの信号伝達回路の異常に対応した第1の対策処置108を提供する。対策処置手段61cは、電気回路の異常が判定され、かつアクチュエータ5の機能の正常が判定される場合には、モニタ信号S1mの信号伝達回路の異常に対応した第2の対策処置105を提供する。第1の対策処置108は、指令信号S1cによる自動変速機4の制御の停止であり、第2の対策処置105は、指令信号S1cによる自動変速機4の制御の継続である。機能判定手段61bは、自動変速機4の実際の変速比(検出比)が、目標とする変速比(要求比)にあるか否かによって、アクチュエータ5の機能が正常か異常かを判定する。
さらに、駆動回路62には、駆動回路62に入力された指令信号S1cの異常を判定する信号判定手段62aを設けることができる。駆動回路62には、指令信号S1cの異常が判定されると、指令信号S1cに応じることなく、代替的な制御によってアクチュエータ5の通電状態を制御させる制御切換手段62bを設けることができる。これにより、アクチュエータ5の制御が中断されることなく、指令信号S1cに応じた駆動から、代替的な駆動へ切換えることができる。また、指令信号S1cの異常時に、代替的な制御によってアクチュエータ5の駆動を継続できるから、自動変速機4の通常の制御が停止されるような対策処置が過剰にとられることが回避される。
信号判定手段62aは、指令信号S1cの電圧レベルに基づいて異常を判定するように構成することができる。また、指令信号S1cに対応するバックアップ信号S1bが制御手段61から駆動回路62へ与えられるように構成し、制御切換手段62bは、バックアップ信号S1bに応じてアクチュエータ5の通電状態を制御させるように構成することができる。
(第2実施形態)
図9は、本発明を適用した第2実施形態に係る制御装置206の全体を示すブロック図である。図10は、第2実施形態の制御装置206の一部を示すブロック図である。
先行する実施形態では、指令信号S1cとバックアップ信号S1bとを利用することにより、高い信頼性を実現した。これに代えて、この実施形態では、バックアップ信号S1bを採用しない構成を採用する。
この実施形態では、CPU261と複数の駆動回路262が採用されている。CPU261はバックアップ信号を出力しない。CPU261は、端子BAKを備えない。また、駆動回路262はバックアップ信号に応答する構成を備えない。駆動回路262は、端子IN2を備えない。さらに、駆動回路262は、信号判定手段と制御切換手段とを備えない。
CPU61は、図4と同じ処理を実行する。この結果、異常個所に応じて異なる適切な対策処置をとることができる。特に、この実施形態においては、指令信号S1cの信号伝達回路(指令線)に異常がある場合には、指令信号S1cの出力を停止し、自動変速機4の通常の制御を停止する。これに対して、モニタ信号S1mの信号伝達回路に異常がある場合には、指令信号S1cの出力を停止することなく、自動変速機4の通常の制御を継続する。これにより、電気回路の異常個所に応じた適切な対策処置を実行することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
例えば、上記実施形態では、ソレノイドS1に関連する構成に本発明を適用した。これに代えて、またはこれに加えて、ソレノイドSL1、SL2、SL3、SL4、S2などに本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、機械的なフェールセーフバルブを備えない自動変速機4に本発明を適用した。これに代えて、機械的なフェールセーフバルブを備える自動変速機に本発明を適用してもよい。フェールセーフバルブは、アクチュエータ5が制御されない場合に、自動変速機4をフェールセーフ状態に制御するものである。フェールセーフ状態では、例えば、油圧制御系統は所定の状態に切換えられ、自動変速機4は所定の変速状態に制御される。この構成においては、指令信号S1cの出力が停止されると、自動変速機4の変速状態は、油圧制御系統に設けられた機械的なフェールセーフバルブによって所定の変速状態に制御される。しかし、上記実施形態の構成を採用することにより、モニタ信号S1mの信号伝達回路だけに異常がある場合には、指令信号S1cの出力停止に至ることなく、通常の制御が継続されるから、機械的なフェールセーフバルブによるフェールセーフ状態に至ることが回避される。
また、上記実施形態では、指令信号S1cの電圧レベルによって指令信号S1cの異常を判定した。これに代えて、指令信号S1cを周期的に切り替わる高周波信号とし、指令信号S1cの周波数によって指令信号S1cの異常を判定してもよい。
また、制御装置が提供する手段と機能は、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置をアナログ回路によって構成してもよい。
1 車両用自動変速機システム、 2 動力源、 3 駆動輪、 4 自動変速機、 5 アクチュエータ(ソレノイド)、 SL1、SL2、SL3、SL4、S1、S2 ソレノイド、 6 制御装置、 61 CPU、 62 駆動回路、 61a 回路判定手段、 61b 機能判定手段、 61c 対策処置手段、 62 駆動回路、 62a 信号判定手段、 62b 制御切換手段、 7 回転数センサ、 8 回転数センサ、 S1c 指令信号、 S1b バックアップ信号、 S1m モニタ信号、 S1out 出力電流、 Nin 入力回転数、 Nout 出力回転数。

Claims (7)

  1. 制御手段(61、261)から出力される指令信号(S1c)に応じて自動変速機のアクチュエータ(5)の通電状態を調節するとともに、前記アクチュエータ(5)への通電状態を示すモニタ信号(S1m)を前記制御手段に向けて出力する駆動回路(62、262)を備える自動変速機の制御装置において、
    前記指令信号(S1c)と前記モニタ信号(S1m)とに基づいて、前記指令信号の信号伝達回路と前記モニタ信号の信号伝達回路とを含む電気回路の異常を判定する回路判定手段(61a)と、
    前記アクチュエータの機能が正常か異常かを判定する機能判定手段(61b)と、
    前記電気回路の異常が判定され、かつ前記アクチュエータの機能の異常が判定される場合と、前記電気回路の異常が判定され、かつ前記アクチュエータの機能の正常が判定される場合とに応じて、それぞれ異なる対策処置を提供する対策処置手段(61c)とを備えることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記対策処置手段は、
    前記電気回路の異常が判定され、かつ前記アクチュエータの機能の異常が判定される場合には、前記指令信号の信号伝達回路の異常に対応した第1の対策処置(108)を提供し、
    前記電気回路の異常が判定され、かつ前記アクチュエータの機能の正常が判定される場合には、前記モニタ信号の信号伝達回路の異常に対応した第2の対策処置(105)を提供することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記第1の対策処置(108)は、前記指令信号による前記自動変速機の制御の停止であり、
    前記第2の対策処置(105)は、前記指令信号による前記自動変速機の制御の継続であることを特徴とする請求項2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記機能判定手段(61b)は、前記自動変速機(4)の実際の変速比が、目標とする変速比にあるか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の制御装置。
  5. さらに、前記駆動回路(62、262)に設けられ、前記駆動回路に入力された前記指令信号の異常を判定する信号判定手段(62a)と、
    前記駆動回路に設けられ、前記指令信号の異常が判定されると、前記指令信号に応じることなく、代替的な制御によって前記アクチュエータの通電状態を制御させる制御切換手段(62b)とを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  6. 前記信号判定手段(62a)は、前記指令信号の電圧レベルに基づいて異常を判定することを特徴とする請求項5に記載の自動変速機の制御装置。
  7. 前記指令信号に対応するバックアップ信号(S1b)が前記制御手段から前記駆動回路へ与えられるように構成されており、
    前記制御切換手段(62b)は、前記バックアップ信号に応じて前記アクチュエータの通電状態を制御させることを特徴とする請求項5または請求項6のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
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