JP2013001957A - アルミニウム陽極酸化皮膜の封孔処理液及びこれを用いた封孔処理方法 - Google Patents

アルミニウム陽極酸化皮膜の封孔処理液及びこれを用いた封孔処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウム及びアルミニウム合金表面に電気的に生成させた多孔質な陽極酸化皮膜を封孔処理するための、ニッケル・コバルト・フッ素化合物及びクロムを含まず、低温処理が可能で、地球環境に優しく、省エネルギーな封孔処理液及び封孔処理方法を提供する。
【解決手段】リチウムイオンを0.1g/L以上含有し、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等から選択された反応促進剤(A)とポリビニルアルコール等から選択された反応促進剤(B)とを、それぞれ処理液中の合計濃度が0.5〜10.0g/Lとなる割合で含有する封孔処理液を用い、好ましくは封孔処理液をpH8.0〜10.0、液温55℃以下に保持して、これにアルミニウム陽極酸化皮膜を浸漬する。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金表面に電気的に生成させたアルミニウム陽極酸化皮膜の多孔質層の封孔処理方法に関する。特に、多孔質陽極酸化皮膜の特性である耐食性・耐久性・装飾性および意匠性をより向上させると共に、地球環境に優しい封孔処理液及び封孔処理方法に関する。
従来から、アルミニウム又はアルミニウム合金の耐食性、特にモルタル接触等に対するアルカリ耐食性を向上させる目的で、酸性あるいはアルカリ性の電解質中で、アルミニウム又はアルミニウム合金表面に、電気化学的に陽極酸化処理が行われている。得られた陽極酸化皮膜は、バリヤー層と多孔質層との二層から成り、この二層のうち外気と直接接触する層が多孔質層である。
この多孔質層の孔中に、染料等で染色したり、二次電解着色等することにより、陽極酸化皮膜に装飾性や意匠性を付与することができる。この装飾性や意匠性が付与された陽極酸化皮膜を天候による劣化や、その他の腐食性媒体から保護し、耐食性、耐久性及び耐汚染性等を向上させる為に、多孔質層の孔を塞ぐ封孔処理が施されている。特に完全に孔を塞ぐ封孔処理を施した場合、建材のように厳しい環境での長期耐食性が必要な分野でも対応可能となる。
従来から行われているアルミニウム陽極酸化皮膜の封孔処理方法は、2つに大別できる。その1つは、孔内に水分子を取り込み、孔中での体積膨張で多孔質の孔を塞ぐ水和封孔法である。水和封孔法の代表的な方法としては、加圧水蒸気封孔型(温度:110〜140℃)と沸騰水封孔型(温度:95℃以上)がある。
もう1つは、ニッケル、コバルト、クロム等の金属塩やこれら金属塩のフッ化物が、孔の開口部付近に金属塩の水酸化物として吸着されて孔を塞ぐ、無機物充填による封孔方法である。無機物充填封孔方法の代表例としては、金属塩を用いた二段封孔型と金属塩にフッ化物を共存させた低温封孔型とが挙げられる。
金属塩を用いた二段封孔型とは、第一工程で、ニッケル、コバルト又はクロムイオンの1種又は2種以上を含有する水溶液(pH5.0〜7.0)を50℃〜80℃に加温して、これにアルミニウム陽極酸化皮膜処理した製品を10分〜20分間浸漬し、第二工程で封孔助剤を含む水溶液(pH5.0〜8.0)を80℃〜100℃に加温して、これに15分〜30分間浸漬することにより封孔処理を行う方法である。
また、金属塩にフッ化物を共存させた低温封孔型とは、ニッケル及びコバルトのフッ化物を含有する水溶液(pH5.0〜7.0)を20℃〜40℃に加温して、これにアルミニウム陽極酸化皮膜処理した製品を10分〜20分間浸漬することにより封孔処理を行う方法である。
しかし、上記のような従来から行われているアルミニウム陽極酸化皮膜の封孔処理に用いられる封孔処理液は、主剤であるニッケルやフッ素化合物を取り巻く法規制が厳しくなってきていることから代替品の開発が急務となっている。
例えば、ニッケルの場合、皮膚に対するアレルギー反応を起こす有害性や毒性(日本衛生学会では、人間に対して発がん性のある物質として第1群に分類)が指摘されている。また、化学物質管理促進法(PRTR)では、酢酸ニッケルが特定第1種指定化学物質に指定され、労働安全衛生法においては、粉末状ニッケル化合物が特定化学物質第2類物質に指定されている。
また、フッ素に関しては、排水基準を定める総理府令で、フッ素及びフッ素化合物が有害物質として指定され、厳しい排水基準が設定されている。
上記の課題に対して、特許文献1には、ニッケル等の重金属を使用しない封孔処理方法として、第一工程で温度15〜35℃及びpH値5.0〜6.5に調整し、0.1〜3g/Lのリチウムイオン及び0.1〜5g/Lのフッ化物イオンを含有する水溶液に、3〜30分間接触させ、第二工程において温度80〜100℃及びpH5.5〜8.5のシーリングフィルム防止剤の水溶液に接触させる方法が開示されている。しかし、この方法はフッ化物を必須の構成要素とする点で、なお解決すべき課題を有している。
また、特許文献2には、0.02〜20g/Lのリチウムイオンを含む封孔処理液のpH値を10.5以上とし、封孔処理液温度を65℃以下として、0.5〜5分間封孔処理を行う方法が開示されている。この方法はpH値10.5以上という高アルカリ処理液を用いるためにアルミニウム表面が溶解するという点で問題を有する。
さらに、従来の方法では、一段の封孔工程のみでは、日本工業規格(JIS H 8601−1999)に規定されたアルカリ耐食性や封孔度等の封孔性能を満足させることは困難であり、これらの性能を満足させるためには、沸騰水封孔処理等の後処理(以下、これを後封孔処理という)が必要であり、手間がかかり費用も嵩むという問題もあった。
特表平11−509579号公報 特開2010−77532号公報
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、アルミニウム及びアルミニウム合金表面に電気的に生成させた陽極酸化皮膜の多孔質層の新規な封孔処理液及び封孔処理方法を提供することを目的とする。
特に、厳しい法規制に対応してニッケル・コバルト・フッ素化合物及びクロムを含まない封孔処理液を用い、かつ低温での処理が可能なため、地球環境に優しく、省エネルギーにも寄与する封孔処理液及び封孔処理方法を提供することを目的とする。
また、55℃以下という低温に保持された封孔処理液に1度浸漬することにより封孔処理しただけでも、陽極酸化皮膜の性能として、日本工業規格(JIS H 8601−1999)に示されたアルカリ耐食性が5秒/μm以上、リン酸−クロム酸水溶液浸漬試験による封孔度が30mg/dm以下、及びキャス耐食性が対応皮膜厚別試験時間で腐食程度評価水準(レイティングナンバー)9以上を満足させ、沸騰水封孔処理等の後封孔処理工程を必要としない封孔処理液及び封孔処理方法を提供することを目的とする。
本発明の封孔処理液は、アルミニウム又はアルミニウム合金表面に形成された陽極酸化皮膜の表面を封孔処理する封孔処理液であって、上記課題を解決するために、リチウムイオンを0.1g/L以上含有し、ポリ(オキシエチレン)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジステアレート、アゾベンゼン、ステアリン酸塩、グルタミン酸、及びグルコン酸からなる群から選択された1種又は2種以上の反応促進剤(A)を、処理液中の合計濃度が0.5〜10.0g/Lとなる割合で含有し、アセチレンアルコール、ポリビニルアルコール、芳香族スルホン酸、及びジアルキルスルホコハク酸塩からなる群から選択された1種又は2種以上の反応促進剤(B)を、処理液中の合計濃度が合計濃度0.5〜10.0g/Lで含有し、かつ ニッケル、コバルト、クロム及びこれらの元素のフッ化物のうちのいずれも含有しないものとする。
上記封孔処理液は、反応促進剤(A)が、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエテレンオレイルエーテル、ポリエチレングリコールジステアレート、アゾベンゼン、ステアリン酸ナトリウム、及びグルタミン酸からなる群から選択された2種以上からなり、かつ反応促進剤(B)がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、及びヘキシルベンゼンスルホン酸アンモニウムからなる群から選択された2種以上からなることが好ましい。
本発明のアルミニウム陽極酸化皮膜の封孔処理方法は、アルミニウム又はアルミニウム合金表面に形成された陽極酸化皮膜の表面を、リチウムイオンを含む封孔処理液で処理する工程を含むアルミニウム陽極酸化皮膜の封孔処理方法であって、上記本発明の封孔処理液をpH8.0〜10.0、液温55℃以下に保持して、アルミニウム陽極酸化皮膜を浸漬処理する工程を含むものとする。
本発明の封孔処理方法は、上記封孔処理液にアルミニウム陽極酸化皮膜を一度のみ浸漬し、後封孔処理工程を有さないものとすることができる。
本発明の封孔処理液によれば、アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の封孔処理を行うに当たり、特定の反応促進剤を用いることにより、非ニッケル化・非フッ素化・非クロム化した封孔処理液でも低温度での処理が可能となる。従って、厳しい法規制に対応し、地球環境に優しく、省エネルギーに寄与しつつ、優れた陽極酸化皮膜性能を維持することができる。
本発明の封孔処理液は、リチウムイオンを含有する。非ニッケル化・非フッ素化・非クロム化を進める為に使用する金属としては、元素周期表のアルカリ金属及びアルカリ土類金属群から、リチウム、カルシウム又はマグネシウムが選択可能であり、また陽極酸化皮膜処理品の皮膜性能として、アルカリ耐食性を向上させるために、封孔処理液自体を塩基性にすることが望まれる。従って、水酸化リチウム、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウムの使用が考えられるが、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムは水に対して難溶なことから、水酸化リチウムが好適に用いられる。
封孔処理液中のリチウムイオン濃度としては、0.1〜4.0g/Lが望ましい。0.1g/L未満の場合は、陽極酸化皮膜表面での反応が遅く、求める封孔性能が得られ難い。4.0g/Lを超える場合は性能上は問題ないが、塩基性が強くなり過ぎ、pH調整に多量の薬品を使用する必要が生じる。
封孔処理液のpH値は、8.0〜10.0が望ましい。pH8.0未満であると、封孔性能のアルカリ耐食性が得られ難い。pH10.0を超えると、陽極酸化皮膜を封孔液に浸漬していると、浸漬時間の経過とともに、陽極酸化皮膜表面が溶解しはじめ、陽極酸化皮膜表面が溶解ムラ状になってしまう。pH8.0未満の場合は、水酸化リチウム水溶液で調整を行うのが好ましい。その際、pH補正により封孔処理液の液量が増加するのを防止するという観点からは、水酸化リチウムの溶解度である120g/Lの濃度に調整した水溶液を用いることが望ましい。pH10.0を超える場合は、硫酸、シュウ酸、酢酸、リン酸、ギ酸、アミノ酸等でpH調整を行うのが好ましい。
本発明の封孔処理液は、以下に述べるように反応促進剤(A)及び(B)をそれぞれ所定の濃度で含有することにより、55℃以下という低温でも所望の封孔処理を行うことが可能となる。
反応促進剤(A)は、ポリ(オキシエチレン)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、アゾベンゼン、ステアリン酸、グルタミン酸、及びグルコン酸からなる群から選択された1種又は2種以上で構成する。
ここで、ポリ(オキシエチレン)は、ポリエチレングリコール(分子量2万未満)又はポリエチレンオキシド(分子量2万以上)のいずれも使用可能である。
また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が好適に用いられる。
反応促進剤(A)の中の高分子系化合物の分子量は特に限定されず、水に溶解させて封孔処理液が調整できる範囲であればよい。
反応促進剤(A)としては、上記化合物の中のいずれか1種のみでも使用可能であるが、極性の異なるもの2種以上を組み合わせて使用することにより、反応促進効果がより向上する。
この反応促進剤(A)は、処理液中の上記化合物の合計濃度が0.5〜10.0g/Lとなる割合で含有させることが望ましい。合計濃度が0.5g/L未満の場合、又は10.0g/Lを超える場合は、封孔処理後の製品表面に干渉色が発生するおそれが生じる。
反応促進剤(B)は、アセチレンアルコール、ポリビニルアルコール、芳香族スルホン酸塩、及びジアルキルスルホコハク酸ナトリウムらなる群から選択された1種又は2種以上で構成する。
アセチレンアルコールは、アセチレン基を有する界面活性剤であり、例えば、アセチレングリコール等のアセチレンジオールや、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等が好適に用いられる。
芳香族スルホン酸塩としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、n−プロピルベンゼンジスルホン酸ナトリウム、ヘキシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、及びアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムが好適に用いられる。
この反応促進剤(B)も、上記化合物1種のみでも使用可能であるが、極性の異なるもの2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
反応促進剤(B)も、陽極酸化皮膜の仕上がり表面状態に良好な透明感が得られる点で、処理液中の合計濃度が0.5〜10.0g/Lとなるように調整することが望ましい。0.5g/L未満の場合、又は10.0g/Lを超える場合は、陽極酸化皮膜の仕上がり表面が白っぽい状態になり、外観(意匠性)が低下する。
本発明の封孔処理液の調製方法は特に限定されるものではないが、水酸化リチウム水溶液、反応促進剤(A)及び反応促進剤(B)をそれぞれ上記所定の濃度となるように配合して混合することにより調製することができる。
本発明のアルミニウム陽極酸化皮膜の封孔処理方法においては、アルミニウム又はアルミニウム合金表面に形成された陽極酸化皮膜の表面を、上記本発明の封孔処理液に接触させることにより封孔処理を行う。封孔処理液に接触させる方法としては、塗布又はスプレー等の方法も使用可能であるが、封孔処理液にアルミニウム陽極酸化皮膜を浸漬するのが好ましい。
アルミニウム陽極酸化皮膜を浸漬処理する工程では、上記配合調整された封孔処理液の温度を55℃以下に保持するのが好ましく、より好ましくは25〜45℃の範囲内に保持する。
封孔処理液に浸漬する時間は特に限定されないが、目安としては陽極酸化皮膜厚1μm当り2〜3分間浸漬処理するのが好ましい。浸漬後は、常法に従い、水洗して、乾燥させればよい。
従来の本発明の封孔処理液にアルミニウム陽極酸化皮膜を一度のみ浸漬処理し、水洗し、自然乾燥させて得られた陽極酸化皮膜封孔処理品は、後封孔処理工程なしで、日本工業規格JIS H 8601に規定される封孔性能を満足するものとなる。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下において「部」又は「%」とあるのは、特に指定しない限り「重量部」又は「重量%」とする。また、陽極酸化皮膜封孔処理品の封孔性能試験方法は以下のとおりである。
アルカリ耐食性試験:日本工業規格のJIS H 8681−1(アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐食性試験方法−第1部:耐アルカリ試験)に準ずる。
キャス耐食性試験:日本工業規格のJIS H 8681−1(アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐食性試験方法−第2部:キャス試験)に準ずる。
封孔度試験:日本工業規格のJIS H 8683−2(アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の封孔度試験方法−第2部:リン酸−クロム酸水溶液浸漬試験)に準ずる。
[実施例1]
アルミニウム板(A1100P)を用いて、硫酸電解液中で、陽極酸化皮膜厚10μmに陽極酸化処理したアルミニウム板を試験材として使用した。
封孔処理液は、リチウムイオン濃度(但し、調製された後の処理液中の濃度、以下同様)が0.5g/Lとなる水酸化リチウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(30部)とステアリン酸ナトリウム(70部)からなり、濃度が0.5g/Lになる反応促進剤(A)と、ポリビニルアルコール(70部)とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(30部)からなり、濃度が10.0g/Lになる反応促進剤(B)とを配合して撹拌し、硫酸を用いてpH8.0に調整した。
調整された封孔処理液の液温を25℃に設定し、陽極酸化皮膜処理を施された試験片を30分間浸漬処理後、水洗し、1昼夜自然乾燥させた後に、封孔性能を確認した結果、日本工業規格JIS H 8601に示す性能を満足するものであった。結果を表1に示す。
[実施例2]
アルミニウム板(A1100P)を用いて、硫酸電解液中で、陽極酸化皮膜厚10μmに陽極酸化処理したアルミニウム板を試験材として使用した。
封孔処理液は、リチウムイオン濃度が0.5g/Lとなる水酸化リチウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(50部)とグルタミン酸(50部)からなり、濃度が10.0g/Lになる反応促進剤(A)と、ポリビニルアルコール(40部)とヘキシルベンゼンスルホン酸アンモニウム(60部)からなり濃度が0.5g/Lになる反応促進剤(B)とを配合した封孔処理液を酢酸を用いてpH8.0に調整した。
調整された封孔処理液の液温を25℃に設定し、陽極酸化皮膜処理を施された試験片を30分間浸漬処理後、水洗し、1昼夜自然乾燥させた後に、封孔性能を確認した結果、日本工業規格JIS H 8601に示す性能を満足するものであった。結果を表1に示す。
[実施例3]
アルミニウム合金押出材(A6063S)を用いて、硫酸電解液中で、陽極酸化皮膜厚10μmに陽極酸化処理したアルミニウム板を試験材として使用した。
封孔処理液は、リチウムイオン濃度が2.0g/Lとなる水酸化リチウム、ポリエチレングリコールジステアレート(40部)とアゾベンゼン(60部)からなり、濃度0.5g/Lになる反応促進剤(A)と、アセチレングリコール(40部)とドデシルベンゼンスルホン酸(60部)からなり濃度10.0g/Lになる反応促進剤(B)とを配合した封孔処理液をリン酸を用いてpH9.0に調整した。
調整された封孔処理液の液温を35℃に設定し、陽極酸化皮膜処理を施された試験片を30分間浸漬処理後、水洗し、1昼夜自然乾燥させた後に、封孔性能を確認した結果、日本工業規格JIS H 8601に示す性能を満足するものであった。結果を表1に示す。
[実施例4]
アルミニウム合金押出材(A6063S)を用いて、硫酸電解液中で、陽極酸化皮膜厚10μmに陽極酸化処理したアルミニウム板を試験材として使用した。
封孔処理液は、リチウムイオン濃度が2.0g/Lとなる水酸化リチウム、グルタミン酸(50部)とポリ(オキシエチレン)(50部)からなり、濃度10.0g/Lになる反応促進剤(A)と、ポリビニルアルコール(30部)とジアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(70部)からなり、濃度0.5g/Lになる反応促進剤(B)とを配合した封孔処理液をギ酸を用いてpH8.0に調整した。
調整された封孔処理液の液温を45℃に設定し、陽極酸化皮膜処理を施された試験片を30分間浸漬処理後、水洗し、1昼夜自然乾燥させた後に、封孔性能を確認した結果、日本工業規格JIS H 8601に示す性能を満足するものであった。結果を表1に示す。
[実施例5]
アルミニウム板(A1100P)を用いて、硫酸電解液中で、陽極酸化皮膜厚10μmに陽極酸化処理したアルミニウム板を試験材として使用した。
封孔処理液は、リチウムイオン濃度が4.0g/Lとなる水酸化リチウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(60部)とグルコン酸ナトリウム(40部)からなり、濃度5.0g/Lになる反応促進剤(A)と、ポリビニルアルコール(40部)とジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(60部)からなり、濃度10.0g/Lになる反応促進剤(B)を配合した封孔処理液を硫酸を用いてpH10.0に調整した。
調整された封孔処理液の液温を25℃に設定し、陽極酸化皮膜処理を施された試験片を30分間浸漬処理後、水洗し、1昼夜自然乾燥させた後に、封孔性能を確認した結果、日本工業規格JIS H 8601に示す性能を満足するものであった。結果を表1に示す。
[比較例1]
アルミニウム板(A1100P)を用いて、硫酸電解液中で、陽極酸化皮膜厚10μmに陽極酸化処理したアルミニウム板を試験材として使用した。
反応促進剤の効果確認をする目的で、反応促進剤無添加の封孔処理液を調整した。封孔処理液としては、リチウムイオン濃度4.0g/Lとなる水酸化リチウム水溶液を硫酸でpH12.0に調整した。封孔処理液の液温を25℃にし、試験片を1分間浸漬処理した結果、陽極酸化皮膜の表層部で皮膜溶解が発生し、表面が白くムラのある仕上がりとなり、通常の陽極酸化皮膜封孔品として使用できる仕上がりにならなかった。
Figure 2013001957
本発明の封孔処理液又は封孔処理方法は、例えば建材・器物・自動車や産業機器部品及び家電品関係等に用いられるアルミニウム又はアルミニウム合金表面に形成された陽極酸化皮膜の表面処理に幅広く利用可能である。

Claims (4)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金表面に形成された陽極酸化皮膜の表面を封孔処理する封孔処理液であって、
    リチウムイオンを0.1g/L以上含有し、
    ポリ(オキシエチレン)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジステアレート、アゾベンゼン、ステアリン酸塩、グルタミン酸、及びグルコン酸からなる群から選択された1種又は2種以上の反応促進剤(A)を、処理液中の合計濃度が0.5〜10.0g/Lとなる割合で含有し、
    アセチレンアルコール、ポリビニルアルコール、芳香族スルホン酸、及びジアルキルスルホコハク酸塩からなる群から選択された1種又は2種以上の反応促進剤(B)を、処理液中の合計濃度が合計濃度0.5〜10.0g/Lで含有し、かつ
    ニッケル、コバルト、クロム及びこれらの元素のフッ化物のうちのいずれも含有しない
    ことを特徴とするアルミニウム陽極酸化皮膜の封孔処理液。
  2. 前記反応促進剤(A)が、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエテレンオレイルエーテル、ポリエチレングリコールジステアレート、アゾベンゼン、ステアリン酸ナトリウム、及びグルタミン酸からなる群から選択された2種以上からなり、かつ反応促進剤(B)がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、及びヘキシルベンゼンスルホン酸アンモニウムからなる群から選択された2種以上からなることを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウム陽極酸化皮膜の封孔処理液。
  3. アルミニウム又はアルミニウム合金表面に形成されたアルミニウム陽極酸化皮膜の封孔処理方法であって、
    請求項1又は2に記載の封孔処理液をpH8.0〜10.0、液温55℃以下に保持して、この封孔処理液にアルミニウム陽極酸化皮膜を浸漬する工程を含むことを特徴とする、アルミニウム陽極酸化皮膜の封孔処理方法。
  4. 前記封孔処理液にアルミニウム陽極酸化皮膜を浸漬する工程において一度のみ浸漬し、後封孔工程を有さないことを特徴とする、請求項3に記載のアルミニウム陽極酸化皮膜の封孔処理方法。
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