JP2012533713A - トルク制限連結要素とトルク制限連結のための方法 - Google Patents
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Abstract
それぞれが共通の回転軸の回りに回転可能に取り付けられた入力部及び出力部と、少なくとも一つの接続手段と、を備えるトルク制限連結要素が記載される。入力部と出力部の間に作用する予め定められる制限トルクを超えると、接続手段によって入力部及び出力部が相対的に回転不能に接続されて確実に係合される第一の位置から、入力部及び出力部が相対的に回転可能に取り付けられる第二の位置へ少なくとも一つの接続手段が移動される。さらに、トルク制限連結要素のための方法やこのような連結要素の使用が記載される。本発明は、第一の位置における少なくとも一つの接続手段が、磁性流体で満たされたチャンバの内部で移動可能に取り付けられた変位体に間接的又は直接的に非確実に作動接続され、チャンバ内部における変位体の位置が、磁性流体によってもたらされる変位力によって支持されており、チャンバの領域上又は領域内に磁場を発生させるユニットが設けられていて、それを用いて磁性流体の変位力が影響され、制限トルクを超えると、変位体が、磁性流体によってもたらされる変位力に逆らってチャンバ内でその方向を変えることができることを特徴とする。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
本発明は、それぞれが共通の回転軸の回りに回転可能に取り付けられた入力部及び出力部と、少なくとも一つの接続手段と、を備えるトルク制限連結要素であって、入力部と出力部の間に作用する予め定められる制限トルクを超えると、接続手段によって入力部と出力部が確実に係合されて双方が固定されて回転されるように相互接続される第一の位置から、入力部と出力部が相対的に回転されるように取り付けられる第二の位置へ少なくとも一つの接続手段が移動されるようになっているトルク制限連結要素に関するものである。連結要素の好ましい利用方法の他、入力部と出力部の間のトルク制限連結のための方法がさらに記載されている。
トルク制限連結要素は、例えばトルクレンチ、優先的には、いわゆる自己トリガー式のトルクレンチに使用され、規定の予め定められるトルクによって手動で又は作動的に(actuatorily)ねじ接続を締め付けることを可能とする。このようなトルクレンチは、DE 31 40 288 A1から得ることができ、トルクレンチはスリーブ状のツールハウジングを提供し、このツールハウジングに沿って内部で回転されてばね特性を可変的に調節可能なコイルばねが取り付けられ、このコイルばねは、出力側で二つのハウジング内の中央に取り付けられた中央のボールを支持し、次に中央のボールは、等しい角度分布で配置された三つの連結用のボールを軸方向と径方向で押圧し、連結用のボールは、ケージ構造内で径方向に案内され、確実に係合して出力側に設けられたケージ構造を径方向に囲むツールブッシュに対して動作可能に接続されるようになる。駆動端部のツールスリーブと出力端部のツールスリーブの間の可変的に調節可能なばね特性によって予め定められるトルクを超えると、連結用のボールが案内溝付きのリンクを介して径方向内側に押圧され、連結用のボールと出力端部のツールブッシュの間の確実な係合が解放されて、トルクレンチを介してそれ以上の力が伝達されなくなる。
開発の第二の段階では、トルク伝達用の装置に対して、キャリア流体中の磁気的に分極した粒子の懸濁液を構成する磁性流体の使用が可能となり、磁性流体の粘性や他の流動学的特性が、磁場の存在下で迅速且つ可逆的に可変的に調節されるようになる。このような磁気流動学的なトルク伝達装置は、DE 10 2007 019 584 Aから得ることができ、このトルク伝達装置は、特定の方法において、連結、遮断、係止又は閉塞用の装置の形成や、マン-マシンインターフェース要素として適している。この装置は、共通の回転軸の回りに回転可能に相対的に取り付けられた少なくとも二つのデバイス部を備えており、そのデバイス部は、磁性流体で満たされ、且つ可変的に調節可能な磁場が入り込む少なくとも一つのトルク伝達ギャップによって分離されている。磁場が制御されて増大する場合には、磁性流体の粘性が増大すると共に、回転軸の回りに回転可能に取り付けられて、その間の最大トルクが最終的には磁場によって定まる双方のデバイス部の間の摩擦も伝達され得る。対照的に、連結用のボールを使用する前述の純粋に機械的な解決策は、現在では力伝達要素としての磁性流体によって置き換えられている。一方において、これは、移動可能に取り付けられた力の伝達要素を回避する簡単な設計の実施形態の利点を有するものの、他方において、磁性流体は高い機械的な剪断負荷を受けて、流体の機能的な特性に持続的に影響し得る劣化を受けることとなる。
磁場に依存する磁性流体の可変的な粘性の調節を力の伝達に利用する他の連結の実施形態の多くは、同じ連結の原理に基づいている。これに関連して、国際公開第2006/086807 A1号、DE 10 2007 015 053 A1、及びDE 698 05 483 T2の出願が参照される。
また、DE 11 2005 001 458 T2は、解放可能な連結装置が連結の駆動要素と直列に設けられ、必要な場合には入力部と出力部の間のトルク伝達を妨げることによって、相対的に回転する連結の入力部と出力部の間で前述の連結のタイプに関して磁性流体に生じる剪断負荷の不都合な劣化の影響を最小限に抑えることを試みる、回転流体連結について記載している。
入力部と出力部の間のトルク伝達のための連結装置の周知の実現形態から始まるものの、一方における目的は、特に最大の制限トルクを予め定めることが必要である場合に、入力部と出力部の間のトルク伝達ができるだけ量的に正確になるように調節可能であることを保証することであり、他方における目的は、力の伝達が磁性流体に基づく際にこれまでに知られている連結システムに関する、特に磁性流体の劣化が現出することに関する不都合を回避することである。
本発明が基本とする目的を解決するために、トルク制限連結要素が請求項に記載される。また、請求項の主題は、トルク制限連結に対する解決策による方法であり、請求項では、そうした連結要素の好ましい使用が述べられる。また、従属請求項の主題は、本発明の有利なさらなる発展形態であり、それは同時に、特に例示的な実施形態を参照する他の記述から得られる。
解決策によるトルク制限連結要素は、入力部と出力部の間のトルクの一般的な伝達に対する、確認されている純粋に機械的な連結の概念を利用するという考え方に基づいており、その考え方を可変的に調節可能な磁性流体の伝達特性と組み合わせ、それを用いて入力部と出力部の間で伝達され、且つ最大になるように予め定められる制限トルクを純粋に量的に基準化することが可能となる。解決策による連結の概念によれば、磁性流体は、相対的に回転移動可能に取り付けられた二つの連結部の間で力を発生する媒体として使用されるわけではないため、流体は、いずれにしても劣化を起こす(degradating)剪断負荷を受けない。さらに、この方法では、従来の流体連結で発生することが知られている、磁性流体とのそれぞれの接触による入力部と出力部の間の寄生的な滑りを回避することが可能となり、連結要素による不要なエネルギー損失が回避される。これにより、解決策による連結の原理は、二つのタイプの連結技術の利点、すなわち、純粋に機械的な連結の概念による技術と流体連結の技術を組み合わせると共に、それらの不都合を回避することができる。
解決策によれば、それぞれが共通の回転軸の回りに回転可能に取り付けられた入力部及び出力部と、少なくとも一つの接続手段と、を備え、入力部と出力部の間に作用する予め定められる制限トルクを超えると、接続手段によって入力部及び出力部が相互に確実に係合されて相互接続される第一の位置から、入力部及び出力部が相対的に回転されるように取り付けられる第二の位置へ少なくとも一つの接続手段が移動されるようになっているトルク制限連結要素は、第一の位置における少なくとも一つの接続要素が変位体と間接的又は直接的に非確実に作動接続しており、この変位体が、磁性流体で満たされたチャンバ内に移動可能に取り付けられていて、チャンバ内におけるその位置が磁性流体によってもたらされる変位力によって支持されていることを特徴とする。磁性流体の粘性に影響を及ぼすために、チャンバの領域上又は領域内に磁場を発生させるユニットが設けられていて、それを介して磁性流体の変位力が影響され得る。入力部と出力部の間の制限トルクを超えた場合には、変位体が、磁性流体によってもたらされる変位力に逆らってチャンバ内でその方向を変えることができ、接続手段と入力部及び出力部の間の非確実な接続が解放されて、トルク伝達が突然中断されるようになる。
原則として、解決策によるトルク制限連結要素は、入力部と出力部の間のトルク伝達に純粋に機械的な力伝達機構を使用するものであり、それは、入力部と出力部の間の非確実及び確実な接続が径方向の位置を変えることができる連結用のボールによって確立される、最初に示したDE 31 40 288 A1に記載されるトルクレンチに対応するものと対比することができる。DE 31 40 288 A1の場合に制限トルクを量的に予め定めるばね要素は、解決策による連結要素の場合には磁性流体で満たされたチャンバで置き換えられ、そのチャンバ内には、変位体が移動可能に、優先的には線形移動可能に取り付けられており、この変位体は、液密のチャンバ開口部を貫通して突出する網状連続体を介して接続要素と作動接続され、それによって、入力部と出力部の間の非確実及び確実な接続が保証される。連結が開放する、すなわち接続要素がその力が負荷された非確実な接続を解放する、入力部と出力部の間に作用するトルクの大きさを調節可能とするために、チャンバ内での磁性流体による変位体の調節可能な可動性に起因して生じる、接続要素で方向付けられた調節可能な制限力を発生させなければならない。ここでは、変位体が、チャンバの幾何形状に適合したその本体の形状によってチャンバのボリュームを二つのチャンバ部に分割し、双方のチャンバ部が、接続チャネルを介して相互に流体的に相互接続される。好ましい実施形態では、チャンバは円筒形状のボリュームを囲み、その内部では、同様に円筒形状の変位体がチャンバを前部のチャンバ部と後部のチャンバ部に分割し、その双方が、変位体とチャンバの内壁によって制限される環状ギャップによって相互接続される。
好ましい方法で接続チャネル又は環状ギャップの領域内に磁場が印加されると、この領域内では磁性流体の粘性が大きく影響され、その磁場の作用によって、一方のチャンバ部から環状ギャップを通して他方のチャンバ部へ流体を押し込むことが困難に又は容易になる。これにより、変位体が、軸方向にチャンバに沿って容易に又は困難を伴って変位され得るようになり、磁場の強さを調節することによって、接続要素と連結の入力部及び出力部との非確実な接続を維持するための基準化可能な保持力や支持力が発生されるようになる。動作によって制限トルクを超えた場合には、変位体が、チャンバ内でそれに対して作用する変位力に逆らってその位置から変位されて非確実な接続が解放される。このケースが発生する場合には、特に接続要素が受ける連結内での材料を摩耗する摩擦力の大部分を排除するために、有効な磁場を遮断すると有利である。
磁場を遮断した段階において、磁性流体はその最も低い粘性を示し、大きな力を消費することなく、変位体がチャンバ内のその軸方向の開始位置へ戻される。これは、変位体と相互作用する再設定用のばねを用いて実施される。その場合、連結は、主にばねの再設定する力によって生成される、きわめて低いトルクしか伝達されない状態となる。
また、解決策による連結の概念は、共通の回転軸の回りに回転可能に取り付けられた入力部と出力部の間のトルク制限連結のための方法に基づいており、入力部と出力部がトルク伝達のために少なくとも一つの接続手段と解放可能に固定されるように非確実に係合して接続され、入力部と出力部の間に作用する予め定められる制限トルクを超えると、接続手段によって入力部及び出力部が非確実に接続されて双方が固定されて回転されるように相互接続される第一の位置から、入力部及び出力部が相対的に回転する第二の位置へ少なくとも一つの接続手段が移動され、解決策による方法は、制限トルクが、磁場と相互作用する磁性流体によって影響されることを特徴とする。
特に有利な方法では、解決策によるトルク制限連結要素は、それによってねじに対する最大の締め付けトルクが正確に予め定められるトルクレンチを実現するのに適している。これにより、意図しないねじの過剰な締め付けを防止することができる。さらに、入力部と出力部の間に実際に加えられたトルクを検知するために、トルク制限連結要素に適切なセンサ装置を追加することができる。例えば、このために、連結用のハウジングの適切な位置に設けられたDMS測定ストリップが適当である。
例えば、ある特定の制限トルクに達したときに出力側に設けられたツールから運動性の駆動装置を切り離すための特に有利な方法において、工作機械の駆動ラインに解決策による連結要素を組み込むこともできる。時間で変動して用途に依存する磁場の発生によって、磁性流体の粘性を遅滞なく別個に調節することができ、例えば、入力部と出力部の間の注意深い連結や切り離しに利用可能な個々のスイッチング特性を実現することもできる。
同様に、連結動作を実現するために、この連結要素を自動車のドライブトレイン(drive train)に使用することもできる。特にハイブリッド車両の場合には、燃焼機関や電気モータのドライブシャフトへの迅速な連結、ドライブシャフトからの迅速な切り離しのいずれの場合にも、解決策による連結の原理を有利に使用することができる。例えば、発電機などの自動車における補助ユニットを、本発明による連結の概念によって迅速に連結する又は切り離すことができる。
以下、二つの具体的且つ例示的な実施形態を参照して、解決策による連結の概念をさらに詳しく説明する。
以下、一般的な発明の概念の制約なく、図面を参照して本発明を例示的な実施形態として例示的に記述する。
図1の断面図で示す連結要素は、共通の回転軸Dの回りに配置され、回転可能に取り付けられた入力部1及び出力部2を備えている。入力の部分1に対するトルクMを出力2へ伝達するために、双方の部分1、2は、機械的な係止機構によって実現され、ボール形状の接続手段Vが設けられて、相互に力が負荷されて非確実に接続された状態にあり、その接続手段Vは、駆動端部と出力端部でボールの外形に適合した対応する陥凹部の内部へ突出し、各ケースにおいてそのそれぞれと確実な接続を形成する。ボールに代えて、その円筒の軸が回転軸Dに対して径方向に向けられた円筒形状の転動体を適用することもできる。優先的には、入力部1から出力部2への非確実なトルク伝達のために、回転軸Dの回りに均一に分配されて配置された、二つ、三つ、又はさらに多くの接続手段Vが設けられる。
入力部1と出力部2の間を確実に結束するために、双方の部分を共に軸方向で保持する軸方向を向いた保持力FHが発生され、最終的には入力部と出力部の間で伝達される最大の制限トルクMmaxが規定される。作動によって入力部と出力部の間の最大トルクMmaxを超えた場合には、回転方向に向けられた横力が球形状の接続手段Vに作用し、この球形状の接続手段Vが、最終的には入力部と出力部の部分の相対的な輪郭の陥凹部から回転方向へ方向を変えられ、同時に入力部と出力部の間に軸方向に向けられた変位力が発生され、最終的には双方の部分の間でトルクを伝達する確実な接続が無効となる。
接続手段Vと入力及び出力との非確実及び確実な係合状態において、入力部と出力部の間に作用する軸方向の保持力FHを実現するために、例えば、張力を発生させるばねの形の機械的な引張り要素とは対照的に、チャンバ3が設けられ、このチャンバ内には、回転軸Dに対して軸方向で長手方向に変位可能な変位体4が配置され、チャンバ3を二つのチャンバ部31、32に分割し、双方のチャンバ領域31、32が接続チャネル33を介して相互接続される。図1で示す例示的な実施形態では、入力部1と出力部2が回転軸Dに対して回転対称に設計され、接続チャネル33としてのチャンバ3の内壁との環状ギャップを囲む変位体4も、回転軸Dに対して回転対称に設計されると考えられる。チャンバ3は磁性流体MRFで完全に満たされ、磁性流体MRFは変位体4に対してすべての面で流通する。
図1で示す例示的な実施形態では、変位体4は電磁石ユニット5をさらに備え、その磁気コイルの巻線51はそれぞれ、リング状ギャップ33に直接的に面するように配置される。明らかに、磁石ユニットを駆動ユニット1(さらに詳しくは図示されない)のチャンバハウジングに組み込むこと、又は磁石ユニットを永久磁石ユニットの形で設計することも考えられるが、永久磁石ユニットは、磁場の変動に対して適切に方向を変えられなければならない。
チャンバ3内に配置された変位体4は、液密開口部8を貫通していて軸方向の面端部のチャンバ壁7を越えて突出する網状連続体6を備えている。網状連続体6の面端部は、プレート形状に設計された力伝達ユニット9で終端し、この力伝達ユニット9は、捩りによって切り離される、すなわち実質的に緩い形で駆動側に設けられたハウジング壁10の内壁を支持し、駆動端部のハウジング10は、対応する軸方向の力の作用により、プレート形状の力伝達ユニット9によって出力ユニットの方向へ引張られる又は押圧される。回転軸Dに対して軸方向に作用する保持力FHを発生させるために、変位体4は、磁性流体によってチャンバ3内での位置が安定した状態に保たれることが好ましく、磁性流体は、有効な磁場によって予め定められる粘性のため、リング状ギャップを介して極めてゆっくりと、すなわち困難を伴って流動することしかできない。変位体4によって補償される保持力FHによって、磁性流体MRFは、右側のチャンバ部31から左側のチャンバ部32内へ逃げるようになる。右側のチャンバ部32内への流体の流れが生じないほど粘性が高い場合には、連結が閉じられている。チャンバ3内の磁性流体はもっぱら、軸方向に作用する保持力FHを発生させるように機能し、いずれにしても回転によって誘発される剪断力に曝されないことは明らかである。
入力と出力の間に保持力FHを上回るトルクが生じた場合には、変位体4は、それに作用する変位力に逆らってその位置から入力部1の方向で軸方向に移動し、この場合には、もはや連結によって入力部と出力部の間でトルクを伝達することができなくなる。
有利には、この状態において、球形状の接続手段Vやボールの外形に適合した陥凹部で摩耗を増大させるような残存する軸方向に作用する保持力を低減又は回避するために、リング状の空間33内の磁場の強さが低減される又は完全に遮断される。
解放された又は開放された連結を最初に説明した開始状態へ戻すために、リング状ギャップ33内で有効な磁場が遮断され、粘性が低減されて変位体が軸方向の開始位置へ戻され、優先的には、小さな軸方向の調節力の消費を条件としてチャンバに対して中央に配置されるようになる。再設定する力を発生させるに、小さいばね力を有する戻しばね11で十分であり、図1で示す例示的な実施形態では、そのばねはチャンバ3の外側に配置され、変位体4の後部に取り付けられており、液密式に後部のチャンバ壁13を貫通して突出する他の網状連続体12を介して動作可能に接続される。このような実施形態の型の別法として、不要な液密のチャンバ開口部を回避し、再設定用のばね11を、チャンバ内、例えば、チャンバ壁7と変位体4の間のチャンバ部31の領域内に網状連続体6と同軸に設けることも同様に可能である。
図2は、スリーブ状に設計された入力部1の部分に対するトルクMを、径方向で内側に同軸に配置された出力部2へ伝達し得るトルク制限連結要素について、他の例示的な実施形態を示している。図1による例示的な実施形態に類似した配置の出力部2は、磁性流体MRFで満たされたチャンバ3を備え、このチャンバ内には、回転軸Dに対して軸方向で双方向に方向を変えることができる変位体4が導入される。変位体4は、チャンバ3を同様に左側と右側のチャンバ部31、32に分割し、双方のチャンバ部31、32が、細いリング状チャネル33を介して流体的に相互接続される。図1による例示的な実施形態と同様に、変位体4には、リング状ギャップ33に面する磁石コイル51を有する電磁石装置が設けられる。有利な方法では、変位体4は磁石コアからなり、その周りに磁石コイル51が巻き付けられる。変位体4に接続された網状連続体6は、この場合には、面端部のチャンバ壁7と液密開口部8を貫通して突出していて、円錐構造形状の本体14を有しており、その円錐溝付きのリンク面に沿って球形状の接続手段Vが支持され、接続手段Vは、その開始位置において円錐構造形状の本体14を通して径方向外側へ押圧されており、球形状の接続手段Vは、スリーブ状に設計された入力部1に沿った球形状の陥凹部15で終端し、入力部1と力が負荷されて確実に接続される。入力部と出力部の間で有効なトルクMとスリーブ状の駆動部1内の球形状の陥凹部15の幾何形状に応じて、回転軸Dの回りで回転方向の力が発生され、球形状の接続要素Vの径方向の変位が生じる。その変位がボールの直径や個々のボールがスリーブ状の駆動部1の球形状の陥凹部15で終端する出現深さ(emersion depth)よりも大きい場合には、入力部1が出力部2に対して滑動し始める。この場合では、もはやトルクが伝達されず、トルクによって制限された安全な連結の機能が満たされる。
変位体4をチャンバ3内で元の開始位置へ戻すためには、有効な磁場を遮断し、磁性流体が低粘性となり、最終的には変位体4が、この場合にはチャンバ壁7の面端部の内側と変位体4の間に配置される再設定用のばね11の有効になる力によって戻される。
解決策の基本となるトルク制限連結要素は、前述の動作の目的に加えて、例えば工作機械、例えばボール盤などの手持ち式の機械、車両、農業設備の駆動ラインにおける連結の形、任意のタイプの建設機械における安全な連結のために、他の技術的な装置でもトルクレンチを実現するために使用することが可能である。
1 入力部
1’ スリーブ要素
2 出力部
3 チャンバ
31 第一のチャンバ部
32 第二のチャンバ部
33 リング状ギャップ
4 変位体
5 電磁石装置
51 磁石コイル
6 網状連続体
7 面端部のチャンバ壁
8 液密開口部
9 プレート形状の力伝達ユニット
10 駆動端部のチャンバ壁
11 再設定用のばね
12 後部の網状連続体
13 後部のチャンバ壁
14 円錐構造形状の本体
15 球形状の陥凹部
V 接続手段
D 回転軸
1’ スリーブ要素
2 出力部
3 チャンバ
31 第一のチャンバ部
32 第二のチャンバ部
33 リング状ギャップ
4 変位体
5 電磁石装置
51 磁石コイル
6 網状連続体
7 面端部のチャンバ壁
8 液密開口部
9 プレート形状の力伝達ユニット
10 駆動端部のチャンバ壁
11 再設定用のばね
12 後部の網状連続体
13 後部のチャンバ壁
14 円錐構造形状の本体
15 球形状の陥凹部
V 接続手段
D 回転軸
Claims (18)
- それぞれが共通の回転軸(D)の回りで回転可能に取り付けられた入力部及び出力部(1、2)と、少なくとも一つの接続手段(V)と、を備えるトルク制限連結要素であって、前記入力部と前記出力部(1、2)の間に作用する予め定められる制限トルク(Mmax)を超えると、前記接続手段(V)によって前記入力部及び前記出力部(1、2)が確実に係合されて双方が固定されて回転されるように相互接続される第一の位置から、前記入力部及び前記出力部(1、2)が相対的に回転されるように取り付けられる第二の位置へ、前記少なくとも一つの接続手段(V)が移動されるようになっているトルク制限連結要素において、
前記第一の位置における前記少なくとも一つの接続手段(V)は、変位体(4)と間接的又は直接的に非確実に作動接続しており、該変位体(4)は、磁性流体(MRF)で満たされたチャンバ(3)内に移動可能に取り付けられていて、前記チャンバ(3)内におけるその位置が前記磁性流体(MRF)によってもたらされる変位力によって支持されており、
前記チャンバ(3)の領域上又は領域内に磁場発生ユニット(5)が設けられていて、該磁場発生ユニット(5)を介して前記磁性流体(MRF)の前記変位力が影響され得るようになっており、
前記制限トルク(Mmax)を超えると、前記変位体(4)は、前記磁性流体(MRF)によってもたらされる前記変位力に逆らって前記チャンバ(3)内でその方向を変えることができるようになっていることを特徴とするトルク制限連結要素。 - 前記変位体(4)は、前記チャンバ(3)を少なくとも一つの接続チャネル(33)を介して相互接続される二つのチャンバ部(31、32)に分離しており、
磁場を発生させるための前記磁場発生ユニット(5)は、前記少なくとも一つの接続チャネル(33)の領域内に形成されて配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のトルク制限連結要素。 - 前記変位体(4)は、直線状の軸に沿って前記チャンバ(3)内で双方向に変位可能に確実に案内され、前記直線状の軸に沿った前記二つのチャンバ部(31、32)が、前記変位体(4)に対して反対側に配置されており、前記変位体(4)は、前記チャンバの内壁とともに、前記二つのチャンバ部(31、32)を相互接続する中間ギャップの形の前記接続チャネル(33)を囲んでいることを特徴とする、請求項2に記載のトルク制限連結要素。
- 前記変位体(4)は、電磁石装置(5)及び/又は永久磁石装置を備えていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のトルク制限連結要素。
- 前記変位体(4)が再設定用ばね(11)と作動接続しており、該再設定用ばね(11)は、前記少なくとも一つの接続手段(V)が前記第一の位置にある位置へ前記変位体(4)を押しやるようになっていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のトルク制限連結要素。
- 前記変位体(4)には少なくとも一つの網状連続体(6)が設けられており、該少なくとも一つの網状連続体(6)は、前記チャンバ(3)のチャンバ壁(7)を液密式に貫通して突出していて、前記少なくとも一つの接続手段(V)と間接的又は直接的に接触していることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のトルク制限連結要素。
- 前記網状連続体(6)は、前記チャンバ(3)の外側でプレート状要素(10)と作動接続していて、該プレート状要素(10)は前記チャンバ壁(7)とともに分離ギャップを囲んでおり、
前記プレート状要素(10)及び前記チャンバ壁(7)には、いずれの場合も、前記分離ギャップの領域内に少なくとも一つの転動体と適合された陥凹部(15)が設けられており、双方の陥凹部(15)によって囲まれた転動体の形の少なくとも一つの接続要素(V)が、前記プレート状要素(10)と前記チャンバ壁(7)の間に緩くて確実な接続を確立しており、前記プレート状要素(10)が、前記チャンバ壁(7)に対して前記網状連続体(6)の長手方向の延長部の周りに回転可能に取り付けられていて、前記プレート状要素(6)が回転すると、前記少なくとも一つの接続手段(V)が前記陥凹部(15)から現れ、前記分離ギャップが広げられて前記チャンバ(3)内の前記変位体(4)が方向を変えられるようになっていることを特徴とする、請求項6に記載のトルク制限連結要素。 - プレート状要素(9)が前記入力部(1)の一部であり、前記網状連続体(6)に加えて内部に前記変位体(4)が設けられた前記チャンバ(3)が前記出力部(2)の一部であり、或いはその逆も同様であることを特徴とする、請求項7に記載のトルク制限連結要素。
- 前記網状連続体(6)が、その長手方向の延長部であって前記チャンバ(3)の外側に円錐構造の案内溝付きリンク(14)を備えていて、その周りに、少なくとも二つ、優先的には三つ、又はより多くの球形状に具現化された接続手段(V)が分散されて設けられており、そのそれぞれがスリーブ要素(1)内の陥凹部(15)で緩く終端し、該スリーブ要素(1)が、前記円錐構造の案内溝付きリンク(14)とスリーブ要素(1’)の間で確実に接続された前記球形状の接続手段(V)を径方向で囲んでおり、
前記スリーブ要素(1’)は、前記網状連続体(6)の長手方向の延長部の周りに回転可能に取り付けられていて、該スリーブ要素(1’)が回転すると、前記少なくとも二つの球形状の接続要素(V)は、前記網状連続体(6)の方向で径方向に前記陥凹部(15)から変位し、前記網状連続体(6)とそれに接続された前記変位体(4)が、前記チャンバ(3)内において前記網状連続体(6)の長手方向の延長部でその方向を変えられるようになっていることを特徴とする、請求項6に記載のトルク制限連結要素。 - 前記スリーブ要素(1’)が前記入力部(1)の一部であり、内部に前記変位体(4)が設けられた前記チャンバ(3)と前記網状連続体(6)が前記出力部(2)の一部であり、或いはその逆も同様であることを特徴とする、請求項9に記載のトルク制限連結要素。
- 共通の回転軸の回りで回転可能に取り付けられた入力部と出力部の間のトルク制限連結のための方法であって、前記入力部と前記出力部がトルク伝達のために少なくとも一つの接続手段と解放可能に固定されるように確実に係合して接続され、前記入力部と前記出力部の間に作用する予め定められる制限トルクを超えると、前記接続手段によって前記入力部と前記出力部が確実に接続されて双方が固定されて回転されるように相互接続される第一の位置から、前記入力部及び前記出力部が相対的に回転する第二の位置へ前記少なくとも一つの接続手段が移動される方法において、
前記制限トルクは、磁場と相互作用する磁性流体によって影響されることを特徴とする方法。 - 前記磁場の強さが可変的に調節されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
- 前記制限トルクを超えると、前記有効な磁場が遮断される又は少なくとも低減されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 前記入力部と前記出力部の間の有効なトルクが、センサによって(sensorically)検知されることを特徴とする、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
- 前記トルク伝達のために、前記少なくとも一つの接続手段に保持力が作用して確実な係合接続が維持されており、前記保持力は、前記磁性流体で満たされたチャンバ内で移動可能に取り付けられた変位体によって吸収されるようになっており、前記変位体が、前記チャンバ内で有効な力と前記変位体に作用する力の釣り合いによって幾何的に安定した位置に保持されていて、前記制限トルクを超えると、前記力の釣り合いが乱され、前記変位体が前記チャンバ内でその方向を変えられて前記確実な係合接続が解放されることを特徴とする、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記力の釣り合いが、前記磁場の磁場強さによって影響される前記磁性流体に特有の粘性によって定められることを特徴とする請求項15に記載の方法。
- トルクレンチにおける請求項1から10のいずれか一項に記載のトルク制限連結要素の使用。
- 工作機械の安全な連結における請求項1から10のいずれか一項に記載のトルク制限連結要素の使用。
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