語「例示的な」は、本明細書では「一例、事例または例示として働く」を意味する。本明細書で「例示的な」として記載されている態様は、必ずしも他の態様よりも好ましいかあるいは有利な態様とみなされるわけではない。
この説明では、用語「アプリケーション」には、オブジェクトコード、スクリプト、バイトコード、マークアップ言語ファイル、およびパッチのような実行可能なコンテンツを有するファイルを含めてもよい。また、本明細書で引用される「アプリケーション」には、開くことが必要になりうるドキュメントまたはアクセスする必要がある他のデータファイルのような実行可能性を有さないファイルを含めてもよい。
用語「コンテンツ」は、オブジェクトコード、スクリプト、バイトコード、マークアップ言語ファイル、およびパッチのような実行可能なコンテンツを有するファイルを含めてもよい。また、本明細書で引用される「コンテンツ」には、開くことが必要になりうるドキュメントまたはアクセスする必要がある他のデータファイルのような実行可能性を有さないファイルを含めてもよい。
本明細書では、用語「コンポーネント」、「データベース」、「モジュール」、「システム」などは、ハードウェアであるか、ファームウェアであるか、ハードウェアとソフトウェアと組み合わせであるか、ソフトウェアであるか、または実行中のソフトウェアであるかにかかわらず、コンピュータに関連するエンティティを指すことが意図されている。たとえば、コンポーネントは、プロセッサ上で動作するプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであってよいが、それらに限らない。一例として、コンピューティングデバイス上で動作するアプリケーションとそのコンピューティングデバイスはどちらもコンポーネントである。1つまたは複数のコンポーネントが実行プロセスおよび/または実行スレッド内に常駐してよく、コンポーネントは1つのコンピュータ上に局在化されても及び/あるいは2つ以上のコンピュータ間に分散されてよい。また、これらのコンポーネントは、様々なデータ構造が記憶された様々なコンピュータ読み取り可能媒体から実行することができる。これらのコンポーネントは、ローカルプロセスおよび/またはリモートプロセスを介して、たとえば、1つまたは複数のデータパケット(たとえば、ローカルシステム、分散システム内の他のコンポーネントと対話するか、ならびに/あるいはインターネットのようなネットワークを介し信号を介して他のシステムと対話するあるコンポーネントからのデータ)を有する信号に従って通信することができる。
この説明では、用語「通信デバイス」、「ワイヤレスデバイス」、「ワイヤレス電話」、「ワイヤレス通信デバイス」、および「ワイヤレスハンドセット」は交換可能に使用される。第3世代(3G)ワイヤレス技術が出現し、より広い帯域幅が利用可能になったため、ワイヤレス機能を有するより多くの電子デバイスが実現されている。したがって、ワイヤレスデバイスは、携帯電話、ページャ、PDA、スマートフォン、ナビゲーションデバイス、またはワイヤレス接続を有するコンピュータであってよい。
まず、図1を参照すると、ワイヤレスディスプレイシステムが、全体的に100で示されている。図示のように、ワイヤレスディスプレイシステム100は、ホストシステム102とクライアントシステム104とを含んでよい。ホストシステム102は、携帯電話、ポータブルデジタルアシスタント(PDA)、または他のあるモバイルデバイスのようなワイヤレスデバイスであってよい。クライアントシステム104は、ワイヤレスディスプレイ、ワイヤレスオーバヘッドプロジェクタ、または他のあるワイヤレスディスプレイデバイスであってよい。
図示のように、ホストシステム102は、ビデオデコーダ110と、スケーラ/フレームインターポレータ112と、組み込みディスプレイ114とを含んでよい。再構成ピクチャバッファ116は、ビデオデコーダ110をスケーラ/フレームインターポレータ112に接続することができる。また、ディスプレイバッファ118は、スケーラ/フレームインターポレータ112を組み込みディスプレイ114に接続することができる。図1に示されているように、スケーラ/フレームインターポレータはグラフィックス処理ユニット(GPU)から信号を受け取ることができる。また、スケーラ/フレームインターポレータはオーバレイ画像を受け取ることができる。
図1は、ワイヤレスデバイス(WD)ビデオエンコーダ120をディスプレイバッファ118に接続してよいことも示している。WDトランスポートエンカプスレータ122をWDビデオエンコーダ120に接続してよい。さらに、WD媒体アクセス制御(MAC)プロトコルユニット124をWDトランスポートエンカプスレータ122に接続してよい。図1に示されているように、共通バッファ126をWDビデオエンコーダ120、WDトランスポートエンカプスレータ122、およびWD MACプロトコルユニット124に接続してよい。共通バッファ126は共有バッファとみなされてもよい。さらに、共通バッファ126は、WDビデオエンコーダ120、WDトランスポートエンカプスレータ122、WD MACプロトコルユニット124、またはそれらの組み合わせが、本明細書で説明する方法ステップのうちの1つまたは複数に従ってデータを書き込むことができるメモリであってよい。
たとえば、WD MACプロトコルユニット124は第1のMACヘッダ128を共通バッファ126に書き込むことができる。その後、WDトランスポートエンカプスレータ122が第1のトランスポートヘッダ130を共通バッファ126に書き込むことができる。さらに、WDビデオエンコーダ120が第1のコーディング済みビデオデータセグメント132を共通バッファ126に書き込むことができ、それによって、第1のMACヘッダ128、第1のトランスポートヘッダ130、および第1のコーディング済みビデオセグメント132が共通バッファ126の連続する位置に書き込まれる。また、WD MACプロトコルユニット124は、N番目のMACヘッダ134を共通バッファ126に書き込むことができる。WDトランスポートエンカプスレータ122は、N番目のMACヘッダ134に続いて、N番目のトランスポートヘッダ136を共通バッファ126に書き込むことができる。その後、WDビデオエンコーダ120は、N番目のコーディング済みビデオデータセグメント138を共通バッファ126に書き込むことができ、それによって、N番目のMACヘッダ134、N番目のトランスポートヘッダ136、およびN番目のコーディング済みビデオセグメント138が共通バッファ126の連続する位置に書き込まれる。
図1に示されているように、変調器140を共通バッファ126に接続してよい。変調器140は、インナーコーディングモジュール142を含んでよい。インナーコーディングモジュール142はデジタルモジュールであってよい。変調器140は、無線周波数(RF)モジュール144を含んでもよい。特定の態様では、変調器140は共通バッファ126からデータのストリームを受信することができる。たとえば、変調器140は、1つまたは複数のMACヘッダ128、134、1つまたは複数のトランスポートヘッダ130、136、1つまたは複数のコーディング済みビデオデータセグメント132、138、またはそれらの組み合わせを受信することができる。図1に示されているように、アンテナ146を変調器140に接続してよい。アンテナ146は、変調器140からデータ、たとえば共通バッファ126から受信されたデータを送信するのに使用されてよい。
特定の態様では、WDビデオエンコーダ120はメモリ管理ユニット148を含んでよい。WDトランスポートエンカプスレータ122もメモリ管理ユニット150を含んでよい。また、WD MACプロトコルユニット124はメモリ管理ユニット152を含んでよい。この態様では、メモリ管理ユニット148、150、152は、実現を容易にするように、共通バッファ126の物理的アドレス位置およびポインタを、これらのコンポーネントから見た連続する仮想アドレス空間にマップするのに使用されてよい。
さらに図1を参照すると、クライアントシステム104は復調器160を含んでよい。復調器160は、インナーコーディングモジュール162、たとえばデジタルインナーコーディングモジュールを含んでよい。復調器160はRFモジュール164を含んでもよい。また、アンテナ166を復調器160に接続してよい。復調器160は、アンテナ146、166間の送信を介して変調器140からデータを受信することができる。たとえば、復調器160は、1つまたは複数のMACヘッダ128、134、1つまたは複数のトランスポートヘッダ130、136、1つまたは複数のコーディング済みビデオデータセグメント132、138、またはそれらの組み合わせをホストシステム102内の共通共有バッファ126から受信することができる。
図1に示されているように、共通バッファ168を復調器160に接続してよい。共通バッファ168は、共有バッファとみなされてもよい。さらに、共通バッファ168は、後述の1つまたは複数の要素がデータを読み取るメモリであってもよい。図示のように、復調器160は、データを共通バッファ168内に送ることができる。たとえば、復調器160は第1のMACヘッダ170を共通バッファ168内に送ることができる。その後、復調器160は、第1のトランスポートヘッダ172を共通バッファ168内に送ることができる。さらに、復調器160は、第1のコーディング済みビデオデータセグメント174を共通バッファ168内に送ることができる。また、復調器160はN番目のMACヘッダ176を共通バッファ168内に送ることができる。復調器160は、N番目のMACヘッダ176に続いて、N番目のトランスポートヘッダ178を共通バッファ168内に送ることができる。その後、復調器160は、N番目のトランスポートヘッダ178の後に、N番目のコーディング済みビデオデータセグメント180を共通バッファ168内に送ることができる。特定の態様では、クライアントシステム104の共通バッファ168内のデータは、ホストシステム102の共通バッファ126内のデータに対応する。たとえば、クライアントデバイス104は、第1のMACヘッダ170、第1のトランスポートヘッダ172、および第1のコーディング済みビデオデータセグメント174を記憶し(たとえば、書き込み)、かつそのようなデータを共通バッファ168の連続する位置に記憶するための共通バッファ168の連続する位置(たとえば、所定の位置)を割り当てるように構成されてよい。同様に、クライアントデバイス104は、N番目のMACヘッダ176、N番目のトランスポートヘッダ178、およびN番目のコーディング済みビデオデータセグメント180を記憶し、かつそのようなデータを共通バッファ168の連続する位置に記憶するための共通バッファ168の連続する位置を割り当てるように構成されてよい。各位置は、所定のチャネル帯域幅およびパケットエラーレート(PER)に基づいて割り当てられてよい。
図1は、WD MACプロトコルユニット182を共通バッファ168に接続してよいことを示している。WDトランスポートパーサ184をWD MACプロトコルユニット182および共通バッファ168に接続してよい。また、WDビデオデコーダ186をWDトランスポートパーサ184および共通バッファ168に接続してよい。特定の態様では、WD MACプロトコルユニット182は第1のMACヘッダ170を共通バッファ168から読み取ることができる。その後、WDトランスポートパーサ184は第1のトランスポートヘッダ172を共通バッファ168から読み取ることができる。さらに、WDビデオデコーダ186は、第1のコーディング済みビデオデータセグメント174を共通バッファ168から読み取ることができる。また、WD MACプロトコルユニット182はN番目のMACヘッダ176を共通バッファ168から読み取ることができる。WDトランスポートパーサ184は、N番目のMACヘッダ176に続いて、N番目のトランスポートヘッダ178を共通バッファ168から読み取ることができる。その後、WDビデオデコーダ186は、N番目のトランスポートヘッダ178の後でN番目のコーディング済みビデオデータセグメント180を共通バッファ168から読み取ることができる。
図1に示されているように、再構成ピクチャバッファ188をWDビデオデコーダ186に接続してよい。また、ディスプレイプロセッサ190を再構成ピクチャバッファ188に接続してよい。ディスプレイバッファ192をディスプレイプロセッサ190に接続してよい。外部ディスプレイ194をディスプレイバッファ192に接続してよい。
特定の態様では、WD MACプロトコルユニット182はメモリ管理ユニット196を含んでよい。WDトランスポートパーサ184もメモリ管理ユニット198を含んでよい。また、WDビデオデコーダ186はメモリ管理ユニット199を含んでよい。この態様では、メモリ管理ユニット196、198、199は、共通バッファ168からの物理的アドレス位置およびポインタを、これらの各コンポーネント用の連続する仮想アドレス空間にマップするのに使用されてよい。
特定の態様では、複合画像が、外部ディスプレイ194に対して単純に拡張されるようにレンダリングすべき画像である。複合画像は、WDシステム、すなわち要素120〜182およびその内部の要素に入力されてよい。HDMI、USB、RGB、またはそれらの組み合わせのようなワイヤレスエクステンションは、適切なカプセル化されたデータをワイヤレスプロトコルを介して伝送する比較的単純な方法を提供することができる。
上述のワイヤレスディスプレイ(WD)チェーンでは、共通バッファ126は、WDビデオエンコーダ120から受け取った符号化済みデータ、コーディング済みデータをカプセル化するためのトランスポートヘッダ、およびWD MACプロトコルユニット124からのアウターコーディング用のMACプロトコルヘッダに対処するように構成されてよい。1つまたは複数の必須チャネル帯域幅に応じて、PERおよびレイテンシー(たとえば、所望のレイテンシー)、ビデオパケットサイズ、トランスポートヘッダ特性および対応する長さ、および/またはアウターコーディングレートおよび対応するMACヘッダ長が算出されてよい。これらの計算に基づく長さに関して、MACヘッダとそれに続くトランスポートヘッダとそれに続くビデオパケットの適切なアドレスを割り当てることができる。WDビデオエンコーダ120は、コーディング済みビデオデータを共通バッファ126の割り当てられた領域に直接同時に書き込むことができ、それによってコーディング済みデータがただちにフラグメント化され、データ/ビットストリームのビデオパケットへのフラグメント化が行われるトランスポート層およびMAC層に別々のバッファを設ける必要がなくなる。WDトランスポートエンカプスレータ122は、バッファ内のNALU長/始点および終点のようなメタデータをビデオエンコーダから得ることができ、かつコーディング済みビデオデータセグメント用のヘッダを準備することができる。WD MACプロトコルユニットは、コーディング済みビデオデータセグメント用のパリティデータを作成し、コーディング済みビデオデータセグメント132、138の最後部にパリティデータを挿入することができる。
特定の態様では、ワイヤレスディスプレイシステム100のレイテンシーをディスプレイプロセッサ、すなわちホストシステム102のスケーラ/フレームインターポレータ112の出力から、クライアントシステム104の外部ディスプレイ194上のディスプレイバッファ192の入力まで測定することができる。この遅延は、図1に遅延WDとして示されている。この符号化遅延は、解像度およびフレームレートに基づく適切なフレーム当たりスライス数によって最小限に抑えることができる。以下の表1は、様々な解像度およびフレームレートについてのスライス構造、コーディングオーバヘッド、および符号化遅延を示している。
表1は様々な解像度を示している。また、たとえば、表1は、1マイクロブロック(MB)行を1つのスライスとして符号化すると、符号化遅延を33ms/30=1.11msに最小化することができることを示している。フレームを複数のスライスに符号化するコーディングオーバヘッドが最後から2番目の列に示されている。圧縮効率よりもより短いレイテンシーより高い品質が重要であるため、ワイヤレスディスプレイ物理層(PHY)による大きな帯域幅のサポートでは20%〜25%のオーバヘッドを受け入れてよい。たとえば、VGA@30fpsでは、良質の圧縮のために2Mbpsが必要である。また、超広帯域送信(UWB)では最大で5Mbpsをサポートすることができる。また、複数のスライスを使用すると、エラー耐性を向上させることができ、特にイントラ更新に関連して、フレーム内スライス(Iスライス)には、フレーム内の予想されたフレームスライス(Pスライス)よりも高いアウター/インナーコードレートを使用することによって不等誤り防止を有効化することができる。
特定の態様では、PDU/MTUサイズおよびチャネルエラー要件に基づいてインターリービング深さを管理することができる。たとえば、インナーコードパケット当たり1Kビットから最大で4Kビットのサイズでは、インターリービングで生じる遅延を低減させることができ、十分な時間ダイバーシチおよびエラー防止を提供することができる。パケット長は、有効なターボコーディングまたは場合によっては低密度パリティチェック(LDPC)コーディングに十分な大きさであってよい。ワイヤレスディスプレイ用のワイヤレスリンクとして使用されるWPANネットワーク上では5Mbps〜400Mbpsのデータレートすなわちスループットを提供することができる。ビットレートが5Mbpsである場合、インナーコード長が1Kビットであるとき、インターリービング遅延は1/5000=0.2msである。これは、本システムでは最悪ケース遅延とみなすことができる。さらに、20Mbpsでは、遅延は0.05msに低下する。HD解像度では、4Kビットのインナーコード長を使用することができ、1080p60の50Mbpsの場合の遅延を4/50000すなわち0.08msに低下させることができる。したがって、本システムでは0.2msの最大インターリービングレイテンシーを提供することができる。RF伝搬遅延は200マイクロ秒よりも短くてよい。最大RF伝搬遅延は、500ns〜600nsの伝搬遅延にrms遅延広がりによる75マイクロ秒のマルチパス遅延を加えた値であってよい。
特定の態様では、WDビデオデコーダ186は、復号の開始前に、受信されるべきスライス全体を待つ必要がない。そのため、復号遅延は、符号化遅延、すなわち、最大符号化遅延の1.11msよりも短くてよい。外部ディスプレイ内のディスプレイプロセッサは、後処理に必要な画像の画素ライン数に基づいて追加的な遅延を導入してもよい。通常、これは1行のMBに相当する16ラインである。したがって、1.11msの追加的なレイテンシーが可能である。これにはレンダリングのための部分更新が含まれる。ワイヤレスディスプレイシステム100全体のレイテンシーが、以下の表2にまとめられている。
本明細書で説明する共通バッファアーキテクチャは、実質的にデータ転送をなくし、そのため、メモリ帯域幅要件が実質的に低減する。したがって、電力消費量も実質的に低下する。また、物理的メモリ空間が実質的に小さくなる。パイプライン化処理によってWDビデオエンコーダ120、WDトランスポートエンカプスレータ122、およびWD MACプロトコルユニット124を密に結合することができるためレイテンシーも実質的に短くなる。送信チェーン上の遅延は、符号化遅延に変調器140内のインターリービング遅延を加えた値に低下させることができる。
特定の態様では、WDビデオエンコーダ120、WDトランスポートエンカプスレータ122、WD MACプロトコルユニット124、WD MACプロトコルユニット182、WDトランスポートパーサ184、WDビデオデコーダ186、またはそれらの組み合わせが、本明細書で説明する方法ステップのうちの1つまたは複数を実行するための手段として働くことができる。
図2を参照すると、ワイヤレスデバイス内でマルチメディアデータを処理する概略の方法が、全体的に200で示されている。図を明確にするために、方法200を複数の所定のメモリ位置204を有する共有メモリ202に関連して説明する。
まずブロック210で、例えばWDホストアプリケーション内で、マルチメディアデータデータを受信することができる。ブロック212で、例えば、WDビデオエンコーダによって、マルチメディアデータを符号化して所定のメモリ位置に書き込むことができる。ブロック214で、たとえば、WDトランスポートエンカプスレータによって、符号化済みデータをカプセル化し他の所定のメモリ位置に書き込むことができる。特定の態様では、カプセル化された符号化済みデータを共有メモリ内の、符号化済みマルチメディアデータの後のメモリ位置に書き込むことができる。
ブロック216に進むと、たとえば、WD MACプロトコルユニットによって、エラー制御符号化を作成し他の所定のメモリ位置に書き込むことができる。エラー制御符号化は、共有メモリ内のカプセル化された符号化済みデータの後のメモリ位置に書き込むことができる。ブロック218で、データをワイヤレスリンク上で送信することができる。特定の態様では、データを符号化済みマルチメディアデータ、カプセル化された符号化済みデータ、エラー制御符号化の順に送信することができる。ブロック218の後、この方法を終了することができる。
図3は、ワイヤレスデバイス内でマルチメディアデータを処理する詳細な方法を示している。この方法は全体的に300で示されている。まずブロック302で、チャネル帯域幅を決定することができる。ブロック304で、パケットエラーレート(PER)を決定することができる。さらに、ブロック306で、ビデオパケットサイズを算出することができる。ブロック308に進むと、トランスポートヘッダ特性および対応する長さを算出することができる。ブロック310で、アウターコーディングレートおよび対応するMACヘッダ長を算出することができる。特定の態様では、パケットエラーレートおよびチャネル帯域幅に少なくとも部分的に基づいて、ビデオパケットサイズ、ならびにトランスポートヘッダ特性および対応する長さ、アウターコーディングレートおよび対応するMACヘッダ長を算出することができる。
さらに、ブロック312で、MACヘッダ用のメモリアドレス長を割り当てることができる。ブロック314で、トランスポートヘッダ用のアドレス長を割り当てることができる。また、ブロック316で、ビデオパケット用のメモリアドレス長を割り当てることができる。
ブロック318で、コーディング済みビデオデータを共有メモリバッファの割り当てられた領域に書き込むことができる。その後、ブロック320で、ビデオエンコーダからメタデータを得ることができる。ブロック322で、コーディング済みビデオデータセグメント用のヘッダを準備することができる。さらに、ブロック324で、コーディング済みビデオデータセグメント用のパリティデータを作成することができる。ブロック326で、コーディング済みビデオデータセグメントの最後部にパリティデータを挿入することができる。次に、この方法を終了することができる。
図4は、全体的に400で示されたワイヤレスディスプレイシステムの第2の態様を示している。図示のように、ワイヤレスディスプレイシステム400は移動局モデム402を含んでよい。移動局モデム402はアプリケーションプロセッサ404を含んでよい。モデム406をアプリケーションプロセッサ404に接続することができる。また、WDホストデバイス408をアプリケーションプロセッサ404に接続することができる。
特定の態様では、アプリケーションプロセッサ404は、ビデオエンコーダ410と、ビデオデコーダ412と、オーディオデコーダ414とを含んでよい。ビデオデコーダ412およびオーディオデコーダ414は、モデム406に接続されてよい。アプリケーションプロセッサ404は、ビデオデコーダ412に接続されてよいディスプレイプロセッサ416、たとえば、モバイルディスプレイプロセッサ(MDP)を含んでもよい。また、アプリケーションプロセッサ404はオーディオプロセッサ418を含んでもよい。オーディオプロセッサ418はオーディオデコーダ414に接続されてよい。
図示のように、WDホストデバイス408はWDオーディオ−ビデオエンコーダ420を含んでよい。WDオーディオ−ビデオエンコーダ420は、アプリケーションプロセッサ404内のディスプレイプロセッサ416およびオーディオプロセッサ418に接続されてよい。移動局モデム402内のWDホストデバイス408はWD送信機422を含んでもよい。特に、WD送信機422はMAC層とPHY層とを含んでよい。
さらに、図4に示されているように、ワイヤレスディスプレイシステム400は、ワイヤレスチャネル426を介して移動局モデム402に接続されたWDクライアント424をさらに含んでよい。具体的には、チャネル426は、WDホスト408内のWD送信機422に接続されている。また、チャネル426はWDクライアント424内のWD受信機428に接続されている。WD受信機424はMAC層とPHY層とを含んでよい。図4は、WDクライアント424がWD受信機428に接続されたWDオーディオ−ビデオデコーダ430を含んでよいことも示している。WDオーディオ−ビデオデコーダ430は、ディスプレイプロセッサ432および1つまたは複数のスピーカ434に接続されてよい。ディスプレイプロセッサ432は、ディスプレイ436に接続されてよい。
ワイヤレスディスプレイシステム400では、移動局モデム402において、無線ネットワーク上で、たとえば、モデム406を介してマルチメディアデータを受信することができる。たとえば、無線ネットワークは、第3世代CDMA(3G CDMA)、(1x/UMTS)、GSM(登録商標)(GPRS/EDGE)、またはそれらの組み合わせのようなセルラネットワークであってよい。また、無線ネットワークは、地上デジタルテレビジョン(DTV)、ISDB−T,S−DMB、モバイルTV、またはそれらの組み合わせのような放送網であってよい。無線ネットワークは、802.11b/g/n、WiFi、またはそれらの組み合わせのようなワイヤレスローカルネットワーク(WLAN)であってよい。他の態様では、無線ネットワークはUSB/W−USBのようなワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)であってよい。他の態様では、無線ネットワークは、BT、会話型ビデオ、たとえばテレビ電話およびビデオ会議のようなアプリケーション用の近距離無線通信(NFC)、またはそれらの組み合わせのようなWBANであってよい。無線ネットワークは、擬似ストリーミングまたはストリーミングビデオ、インターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)、インターネットビデオ、またはそれらの組み合わせを含んでよいビデオオンデマンド(VOD)ネットワークであってもよい。マルチメディアデータは記憶媒体を介して受信されてよく、あるいはマルチメディアデータは、放送によって供給されるようなライブストリーミングコンテンツ、たとえば、DTV、モバイルTV、またはそれらの組み合わせであってよい。マルチメディアデータは、カメラ/カムコーダアプリケーションでは画像/映像センサを介して非圧縮フォーマットで受信されてよい。
特定の態様では、WDホスト408は、移動局モデム402内のアプリケーションとして構成されてよい。WDホスト408は、任意の視聴覚(AV)処理要件に関してオーディオデコーダ414、ビデオデコーダ412、ディスプレイプロセッサ416、またはそれらの組み合わせを呼び出すことができる。WDホスト408は、たとえば、移動局モデム402のアプリケーションプロセッサ404内の、中央処理ユニット(CPU)上で動作することができる。また、WDホスト408は、利用可能なW−PANモデムをワイヤレスディスプレイモデムとして働くように構成することができる。
次に図5を参照すると、WDホストの例示的な非限定態様が、全体的に500で示されている。図示のように、WDホスト500はWD PHY層502を含んでよい。WD PHY層502は送信機を含んでよい。また、WD PHY層502は、ビデオデータにインナーコーディングを施すことができる。WDホスト500は、WD MAC層504を含んでもよい。特定の態様では、WD MAC層504は、ビデオデータにアウターコーディングを施すことができる。また、WD PHY層502およびWD MAC層504は、本明細書の他の個所で説明するように動作することができる。
また、図示のように、WDホスト500はWDネットワーク層506を含んでよい。WDネットワーク層506は、WDトランスポート層508と、WD CAS層510と、WDサービス層512とを含んでよい。特定の態様では、WDトランスポート層508は、本明細書の他の個所で説明するように動作することができる。WD CAS層510は、WDコーディング済みデータセグメントに暗号化を施すことができる。この暗号化は任意に行われ、使用される暗号化アルゴリズムの複雑度に応じて追加的な遅延、すなわちレイテンシーが生じる可能性がある。圧縮は、非圧縮データよりもより高いセキュリティレベルをもたらしうるので、暗号化のために生じる遅延を最小限に抑えるために単純なスクランブリングアルゴリズムを利用しうる。
図5に示されているように、WDサービス層512はサービス発見を提供することができる。サービス発見は、ワイヤレスデバイス(WD)に対するWPANリンクの初期設定中に発生しうる。サービス発見は、超広帯域(UWB)上でサービス競合が生じたときに発生しうる。これは、UWBは通常、無認可の帯域であるためである。特定の態様では、サービス発見がワイヤレスデバイスからワイヤレスディスプレイへの送信中に目立つレイテンシーを導入することはない。
図5は、WDホスト500が、互いに接続するとともにWDネットワーク層506、WD MAC層504、およびWD PHY層502に接続することができるWDビデオエンコーダ514およびWDオーディオエンコーダ516も含んでよいことを示している。WDビデオエンコーダ514およびWDオーディオエンコーダ516は本明細書の他の個所で説明するように動作することができる。
特定の態様では、WDビデオエンコーダ514にチャネル情報を供給することができ、WDビデオエンコーダ514は、このチャネル情報を使用してレート制御パラメータ、レート適応パラメータ、エラー耐性パラメータ、またはそれらの組み合わせに適切な値を選択することができる。チャネル情報は、データ送信に利用可能な帯域幅、期待されるPER、PHY層のMTU/PDUサイズ、またはそれらの組み合わせを含んでよい。利用可能な帯域幅は、アウターコーディング、インナーコーディング、またはそれらの組み合わせによるオーバーヘッドを考慮する値であってよい。PERは、信号雑音比(SNR)に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。
特定の態様では、WDトランスポート層508によって提供されるWDトランスポートプロトコルは、1つまたは複数のエラーロバストネス機能を含む既存のプロトコルであってよい。あるいは、WDトランスポート層508によって提供されるWDトランスポートプロトコルは、低レイテンシーのために特に設計された新しいプロトコルを含んでよい。
図6を参照すると、WDクライアントの典型的な非限定的態様が概略的に600で示されている。図示のように、WDクライアント600はWD PHY層602を含んでよい。WD PHY層602は受信機を含んでよい。また、WD PHY層602は、ビデオデータにインナーコーディングを施すことができる。WDクライアント600はWD MAC層604を含んでもよい。特定の態様では、WD MAC層604は、ビデオデータにアウターコーディングを施すことができる。また、WD PHY層602およびWD MAC層604は本明細書の他の個所で説明するように動作することができる。
図示のように、WDクライアント600はWD PHY層602を含んでよい。WD PHY層602は受信機を含んでよい。また、WD PHY層602は、ビデオデータにインナーコーディングを施すことができる。WDクライアント600はWD MAC層604を含んでもよい。特定の態様では、WD MAC層604は、ビデオデータにアウターコーディングを施すことができる。また、WD PHY層602およびWD MAC層604は、図5に関連して説明したWD PHY層502およびWD MAC層504と同様に動作してよい。
図示のように、WDクライアント600はWDネットワーク層606を含んでよい。WDネットワーク層606は、WDトランスポート層608と、WD CAS層610と、WDサービス層612とを含んでよい。特定の態様では、WDトランスポート層608は、図5に関連して説明したWDトランスポート層508と同様に動作してよい。WD CAS層610は、WDコーディング済みデータセグメントに暗号化を施すことができる。WDサービス層612はサービス発見を提供することができる。
図6は、WDクライアント600が、互いに接続するとともにWDネットワーク層606、WD MAC層604、およびWD PHY層602に接続することができるWDビデオデコーダ614およびWDオーディオデコーダ616も含んでよいことをさらに示している。
特定の態様では、チャネルエラー情報をWDビデオデコーダ614に供給することができ、WDビデオデコーダ614は、チャネルエラー情報をエラー検出、エラー回復、エラー隠蔽、またはそれらの組み合わせに適用することができる。チャネルエラー情報には、PER、エラー分布、エラー制御フラグ、またはそれらの組み合わせを含めてよい。PERには、瞬間PER、平均PER、バースト長、またはそれらの組み合わせを含めてよい。エラー制御フラグは、ユーザ定義スライス、たとえばSEIの形でコーディング済みデータに挿入されてよく、エラーの開始位置、エラーの長さ、またはそれらの組み合わせを示す。
WDクライアント600は、MSM上でホスティングすることのできるWD受信機上で動作するアプリケーションであっても、あるいはWD受信機モデム内のプロセッサ上の専用クライアントアプリケーションであってもよい。WDクライアント600は、表示処理機能、たとえば、外部ディスプレイ内で利用可能なビデオ復号エンジンを利用することができる。
図7は、WDホスト、たとえば、上記に図5に関連して説明したWDホストでビデオデータを処理する方法を示している。この方法は概略的に700で示されている。特定の態様では、図7に示されている方法は、解像度がVGAよりも低く、フレームレートが毎秒30フレーム(30fps)未満であるビデオデータを処理するのに使用されてよい。まずブロック702で、1つまたは複数のディスプレイバッファから入力を読み取ることができる。この入力は、モバイルディスプレイプロセッサ(MDP)704から得ることができる。また、この入力は、MDP704からの複合表示可能画像706と入力ビデオ用のディスプレイメタデータとを含んでよい。
ブロック702でディスプレイバッファから入力が読み取られた後、この方法はブロック708に進み、色空間変換を実行することができる。具体的には、画像データをYUVフォーマット、たとえば、YUV4:2:0に変換することができる。ブロック710で、スケーラルーチンを実行することができる。さらに、ブロック712で、フレームインターポレータ(FI)ルーチンを実行することができる。以下に、スケーラルーチンおよびフレームインターポレータルーチンについて図8に関連して説明する。
方法700の説明に戻ると、スケーラおよびフレーム補間ルーチン(SFR)が実行された後、この方法はブロック714に進み、WDEビデオエンコーダがビデオデータを符号化することができる。同時にブロック716で、WDEオーディオエンコーダが、MDP704からのオーディオデータ、たとえばPCMオーディオサンプル718を符号化することができる。この方法は、ブロック714および716からブロック720に進み、WDホストの下位層でビデオデータを処理することができる。その後、この方法を終了することができる。
図8を参照すると、スケーラおよびフレーム補間ルーチン(SFR)が800で示されている。スケーラおよびフレーム補間ルーチンは、図7に関連して説明したスケーラおよびフレーム補間ルーチンであってよい。
まずブロック802で、画像解像度、アスペクト比、ネイティブフレームレート(Nfps)、またはそれらの組み合わせを読むことができる。特定の態様では、ネイティブフレームレートは、毎秒24フレーム(24fps)であっても、毎秒25フレーム(25fps)であっても、毎秒30フレーム(30fps)であってもよい。また、特定の態様では、ネイティブフレームレートを上述のMDPにおけるデインターレースおよび逆テレシネ検出論理から決定することができる。
方法800の説明に戻ると、決定ステップ804で、WDホストは、解像度ResがQVGA以下であるかどうかを判定する。解像度ResがQVGA以下ではない場合、方法800はブロック806に進むことができ、WDホストは、元の解像度およびアスペクト比を保持することができる。その後、この方法を終了することができる。解像度がQVGA以下である場合、方法800はブロック808に進むことができ、ビデオデータ、すなわちその各画像に対して、VGAに対応する解像度になるようにアンサンプリング、クロッピング、パディング、またはそれらの組み合わせを施すことができる。
決定ステップ810に進み、WDホストが、フレームレートFPSがネイティブフレームレート以下であるかどうかを判定することができる。フレームレートFPSがネイティブフレームレート以下ではない場合、この方法を終了することができる。フレームレートFPSがネイティブフレームレート以下である場合、この方法はブロック812に進むことができ、WDホストはフレーム補間を実行してフレームレートをネイティブフレームレートに補完することができる。その後、方法800を終了することができる。
特定の態様では、MDPは、VGAまたはより高い解像度出力向けに構成されてよい。あるいは、MDPは、7K以上のデフォルト解像度、デフォルトフレームレート、およびデフォルトリフレッシュレート向けに構成されてよい。他の態様では、スケーラおよびフレーム補間ルーチンをMDPにおけるWDプロファイルの一部として実行することができ、スケーラおよびフレーム補間関数をMDP内で実行することができる。他の態様では、スケーラおよびフレーム補間ルーチンをWDホスト内で実行することができ、スケーラおよびフレーム補間関数をWDホスト内で実行することができる。
図9を参照すると、WDビデオエンコーダが全体的に900で示されている。図示のように、WDビデオエンコーダ900はソース902を含んでよい。ソース902は、WDビデオエンコーダ900内の1つまたは複数のダウンストリームコンポーネントに生ビデオを供給することができる。スケーラビリティモジュール904をソース902に接続してよい。単純最大エントロピー(ME)モジュール906をスケーラビリティモジュール904に接続してよい。また、単純モード決定モジュール908を単純MEモジュール906に接続してよく、エラー耐性モジュール910を単純モード決定モジュール908に接続してよい。
さらに図9に示されているように、レート制御モジュール912はエラー耐性モジュール910に接続されてよい。レート適応モジュール914をレート制御モジュール912に接続してよい。また、ビットストリームエンジニアリングモジュール916をソース902、スケーラビリティモジュール904、エラー耐性モジュール910、およびレート適応モジュール914に接続してよい。
特定の態様では、単純MEモジュール906は低レイテンシー符号化を提供するのにBスライスを含まなくてよい。単純MEモジュール906は、簡略化されたバッファ管理、エラー耐性、エラー回復、またはそれらの組み合わせに単一の基準ピクチャを利用することができる。また、単純MEモジュール906は、一定の探索範囲、たとえば±64用のキャッシュによって最適化された動き探索、および画素読み取りを提供することができる。
単純モード決定モジュール908は、イントラフレームおよびインターフレームを利用することができる。イントラフレームの場合、16x16モードを使用してよい。さらに、8x8モードを使用してよい。また、4x4モードを使用してよい。特定の態様では、単純モード決定モジュール908は矩形モードまたは平面モードをも使用しなくてよい。単純モード決定モジュール908は、9つのモードの中から4つの単純4x4モードを利用することができる。早期高精度スキップ検出にインターフレームを使用することができる。また、比較的低いレイテンシーを実現するための比較的高速の符号化および復号にインターフレームを使用することができる。特定の態様では、テンポラルエンハンスメント層における一部またはすべてのPフレームを破棄してビデオビットレートを瞬間チャネル帯域幅と一致させ、より高いFEC、すなわちアウターおよびインナーコーディングレートに対処して、深いフェードまたはUWBにおけるより高い優先順位のサービスによるデータチャネル帯域幅の喪失を軽減することができる。
図9は、WDビデオエンコーダ900内のエラー耐性モジュール910にチャネルPERを入力するかあるいは他の方法で供給することができることを示している。レート制御モジュール912にチャネル帯域幅を入力するかあるいは他の方法で供給することができる。チャネル帯域幅は、瞬間値であっても、単位時間当たり値であっても、それらの組み合わせであってもよい。また、レート適応モジュール914にMTU/PDUサイズを入力するかあるいは他の方法で供給することができる。WDビデオエンコーダ900は、高度のカプセル化のためのメタデータ、たとえば、ビットレートをただちにチャネル帯域幅に適応させるためのスケーリング可能なビットストリーム構造を出力することができる。また、WDビデオエンコーダ900はコーディング済みビットストリームをWDトランスポート層に出力することができる。
特定の態様では、WDビデオエンコーダ900は、処理の軽い圧縮すなわち低複雑度圧縮を実行することができ、5:1〜25:1の圧縮比を実現することができる。特定の態様では、VGA@30fpsから1080p60までの解像度およびフレームレートを4Mbps〜300Mbpsのビットレート、すなわちUWBのデータスループットの範囲でコーディングすることができる。WDビデオエンコーダ900は、高画質のための視覚的に損失のない圧縮を行うことができる。品質が損なわれると、ユーザエクスペリエンスが不十分なものになる可能性がある。低複雑度符号化を利用して電力消費量を低下させることができる。圧縮比要件が控えめな要件であるならば比較的複雑な予測を使用しなくてよい。前述のようにスライスサイズ(#バイト/スライス)を制御するかしないかにかかわらず複数のスライス/フレームを使用して低レイテンシー符号化を実現することができる。
特定の態様では、選択的なリフレッシュを使用して送信の一時的な中断を最小限に抑え、透過的なユーザエクスペリエンスを維持するためにエラー耐性を実現することができる。圧縮が軽いものであると仮定すると、スライスまたはピクチャの冗長性およびイントラリフレッシュは、マクロブロック(MB)リフレッシュよりもシームレスな回復を得る。そのため、チャネルPERおよびランダムアクセス要件に応じて、冗長なスライス(イントラコーディングされた)を周期的な間隔で導入することができる。ミリメートル波帯域のような大きな帯域幅が利用可能なときでも、非圧縮ビデオは、軽く圧縮されているが耐性を有するビデオと比べてエラー回復力がないことが理解されよう。たとえば、圧縮損失を有する適切な冗長性を付加することによって、イントラフレームは後に続くPフレームと比べて桁違いに高いエントロピーを有することができる。また、一次イントラフレームが破壊されたときに、冗長イントラフレームにおいてピクチャグループ(GOP)長における適切に多重化された増加を、エラー回復に使用することができる。
次に図10を参照すると分かるように、エラー耐性および取得用のGOP構造が全体的に1000で示されている。このGOP構造1000は、WDビデオエンコーダ900内のエラー耐性モジュール910によって利用されてよい。図示のように、GOP構造1000は、iフレーム1002と、それに続く、取得ポイントとも呼ばれるランダムアクセスポイント(RAP)1006で終了する一連のpフレーム1004とを含む。iフレーム1002からRAP1006まで1時間単位、たとえば1秒が経過することができる。取得ポイントの後に取得GOP1008が続いてよい。取得GOP1008は複数のpフレーム1010を含んでよい。取得GOP1008の後に、数秒、すなわちN秒後に終了することのできる一連のpフレーム1012が続いてよい。Nはシーケンスの終了位置を示す。
WDビデオエンコーダ900の説明に戻ると、WDビデオエンコーダ900内のレート制御モジュール912は、固定ビットレート(CBR)型動作を実行して、瞬間ビットレートの急激な変動によって導入される可能性のある遅延を最小限に抑えることができる。レート適応モジュール914は、レート適応を実行して、上述のように共通バッファ内の事前に割り当てられたアドレス空間内にスライスを嵌め込むことができる。バッファのサイズは、サービス発見、初期設定、チャネル競合、またはそれらの組み合わせの間に決定されるMTU/PDUに基づくサイズであってよい。
スケーラビリティモジュール904は、フレームレートが毎秒60フレーム(60fps)であるビデオに対応するように主として時間的なスケーラビリティを提供することができる。2つの予測チェーンを零GOPまたはシーンベースのGOPに使用することができる。たとえば、単純MEモジュール906によって提供される単純MEの間に第1行のMBがイントラとして識別された場合、前のGOPで最小GOP長が実現されたならば、フレーム全体をイントラとしてコーディングすることができる。図11に示されているように、多重スライス構造1100をスケーラビリティに適応させてもよい。
次に図12を参照すると、WDオーディオエンコーダの例示的な非限定的態様が全体的に1200で示されている。図示のように、WDオーディオエンコーダ1200は、WDオーディオエンコーダ1200内の1つまたは複数のダウンストリームコンポーネントに1つまたは複数のパルスコード変調(PCM)サンプルを供給することのできるソース1202を含んでよい。図12は、オーディオスケーラビリティモジュール1204をソース1202に接続することを示している。また、短遅延低複雑度オーディオエンコーダ1206をオーディオスケーラビリティモジュール1204に接続してよい。エラー耐性モジュール1208を短遅延低複雑度オーディオエンコーダ1206に接続してよい。
特定の態様では、オーディオスケーラビリティモジュール1204は、ステレオオーディオデータを1つのビットストリームで供給し、追加的なチャネル、たとえば5.1チャネルを分離可能なビットストリームで供給することができる。また、スケーラビリティは、マルチチャネルオーディオデータをトランスポート層で識別することのできる分離可能なビットストリームとしてパッケージングすることによって任意にサポートされてもよい。
特定の態様では、オーディオビットレートは重要ではない。そのため、短遅延低複雑度オーディオエンコーダ1206は、advanced audio coding−low complexity(AAC−LC)のような高ビットレート高品質符号化を利用することができる。エラー耐性モジュール1208は、補間またはエラー隠蔽が失敗する場合に冗長性、たとえば冗長フレームを導入することができる。
図12に示されているように、WDオーディオエンコーダは、高度のカプセル化のためのコーディング済みオーディオビットストリームおよびメタデータ、たとえば、表示機能に基づいてただちに適応させるためのスケーリング可能なビットストリームを出力することができる。
図13は、例示的な非限定的態様のWDビデオデコーダ1300を示している。図示のように、WDビデオデコーダ1300はビットストリームバッファ1302を含んでよい。基本エントロピーデコーダ1304をビットストリームバッファ1302に接続してよい。基本エントロピーデコーダ1304はエラー検出を含んでよい。また、拡張型エントロピーデコーダ1306をビットストリームバッファ1302に接続してもよい。拡張型エントロピーデコーダ1306もエラー検出を含んでよい。
CPBフォーミュレータモジュール1308を基本エントロピーデコーダ1304および拡張型エントロピーデコーダ1306に接続してよい。また、逆予測モジュール1310をCPBフォーミュレータモジュール1308に接続してよい。図示のように、エラー回復モジュール1312をビットストリームバッファ1302および逆予測モジュール1310に接続してよい。逆量子化/逆変換モジュール1314を逆予測モジュール1310に接続してよい。さらに、基準/再構成ピクチャバッファ1316を逆予測モジュール1310および逆量子化/逆変換モジュール1314に接続してよい。表示処理モジュール1318を基準/再構成ピクチャバッファ1316に接続してよく、ディスプレイを表示処理モジュール1318に接続してよい。
特定の態様では、ビットストリームバッファ1302に1つまたは複数のディスプレイパラメータを入力するかあるいは他の方法で供給することができる。ディスプレイパラメータには解像度値、リフレッシュレート、フレームレート、入力フォーマットサポート、またはそれらの組み合わせを含めてよい。WDクライアントにおける1つまたは複数の下位層からのエラー情報をエラー回復モジュール1312に供給することができる。エラー回復モジュール1312は、1つまたは複数の破壊されたネットワーク抽象化層(NAL)ユニットを冗長NALユニットで置き換えることができる。あるいは、エラー回復ユニット1312は、破壊されたNALユニットをスキップすることができる。エラー回復モジュール1312は、逆予測モジュール1310に1つまたは複数のエラー隠蔽フラグを供給することもできる。CPBフォーミュレータモジュール1308は、基本エントロピーデコーダ1304からのベース画像を拡張型エントロピーデコーダ1306からの拡張画像と組み合わせて、復号されたスライス/MBデータの単一の画像を形成することができる。
特定の態様では、WDホストによってWDクライアントに供給されるビットストリームは、逐次復号向けに構成されてよく、アウトオブオーダー復号向けのバッファ管理を利用しなくてよい。また、ビットストリーム内に埋め込まれたエラーインジケータからのエラー隠蔽フラグは、現在のフレームの復号を無効化し、エラーを有するスライスの代わりに単に冗長スライスをコピーするかあるいは冗長スライスで置き換えることによるエラー隠蔽を強制することができる。
図14を参照すると、ワイヤレスディスプレイシステムの第3の態様が全体的に1400で示されている。図示のように、システム1400は移動局モデム1402を含んでよい。移動局モデム1402は、モデム1404と、アプリケーションプロセッサ1406と、WDサーバ1408とを含んでよい。モデム1404はMAC層1410とPHY層1412とを含んでよい。アプリケーションプロセッサ1406は、アプリケーション層1414とトランスポート層1416とを含んでよい。アプリケーションプロセッサ1406内のトランスポート層1416は、モデム1404内のMAC層1410に接続されてよい。図示のように、WDサーバ1408は、アプリケーション層1418と、トランスポート層1420と、MAC層1422と、PHY層1423とを含んでよい。WDサーバ1408内のアプリケーション層1418は、アプリケーションプロセッサ1406内のアプリケーション層1414に接続されてよい。また、WDサーバ1408内のトランスポート層1420は、アプリケーションプロセッサ1406内のトランスポート層1416に接続されてよい。
図14は、WDクライアント1426をチャネル1428を介して移動局モデム1402に接続してよいことを示している。図示のように、WDクライアント1426は、アプリケーション層1430と、トランスポート層1432と、MAC層1434と、PHY層1436とを含んでよい。特定の態様では、WDクライアント1426内のPHY層1436は、WDサーバ1408内のPHY層1424に接続されてよい。ディスプレイプロセッサ1438をWDクライアント1426に接続してよい。ディスプレイプロセッサ1438は、ディスプレイデバイス1440に接続されるかあるいはディスプレイデバイス1440内に配置されてよい。
WDホスト、すなわちWDサーバ1408で受信されたコンテンツの復号を回避し、レイテンシーを短くし電力を低下させるには、コンテンツビデオまたはコンテンツオーディオの復号のようなアプリケーションプロセッサ1406内のアプリケーション層1414による処理の前にアプリケーションプロセッサ1406の受信チェーン上のトランスポート層1416でコンテンツを遮断することができる。
WDサーバ1408内のアプリケーション層1418は、たとえば、Open Interfaceまたはアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して、移動局モデム1402上のすべてのマルチメディアアプリケーションと通信することができる。アプリケーション固有のトランスポートパケット、たとえば、MediaFLOをWDトランスポートパケットに再パッケージングすることができる。特定の態様では、タイムスタンプの適切なマッピングによってオーディオ/ビデオ同期を維持することができる。また、アプリケーションの必要に応じて、あるいはモバイルデバイス上の電力が逼迫した状態ではないとき、たとえば、モバイルデバイスが充電されているときに、MDPの出力からのメディアをディスプレイ1440に送信することができる。トランスポートパケットが解析される外部ディスプレイ上のWDクライアント1426にWD MAC/PHYを介してWDパケットを転送することができる。ビデオデータをWDビデオデコーダに送信することができ、オーディオをWDオーディオデコーダに送信することができる。ディスプレイデバイス1440上またはディスプレイデバイス1440内のディスプレイプロセッサ1438は、復元されたビデオをディスプレイデバイス1440に適合するように処理することができる。このプロセスは、エラー回復を含む。多量の計算を必要とする動作および多量の電力を必要とする動作を電池式モバイルデバイスから壁取り付け式ディスプレイ1440に移してもよい。
本開示の1つまたは複数の態様は、ハンドヘルドデバイスに関して電力効率の高いワイヤレスディスプレイ用の低レイテンシー(所望のレイテンシーを有する)でスケーリング可能なアーキテクチャを提供する。また、本明細書で説明するコーディング方法は、レート適応要件、エラー耐性/回復要件、およびスケーラビリティ要件を満たす。WPANネットワーク上のより大きな帯域幅、たとえばUWBを使用してより高いビットレートで符号化を行い、適切なランダムアクセスメカニズムおよびリフレッシュメカニズムによって品質を高めかつエラーロバストネスを向上させることができる。Bフレームを不要にすることができ、漸進的Pフレーム/モードを使用してエンコーダ動作およびデコーダ動作をパイプライン化し、端末間のレイテンシーを短くするとともに複雑度を低減させることができる。ビデオパケットサイズ、たとえば、NALU長の選択は、オーバヘッドを低減させビットレートを高めるためにアウターコーディングレートおよびインナーコーディングレート/ブロック長を満たすように適応させることができる。アプリケーション層、トランスポート層、およびMAC/PHY層を通過するデータのシステマティックなパイプライン化されたフローをサポートしてレイテンシーを短くするように、本明細書に開示されたシステムの1つまたは複数を効率化することができる。
また、特定の態様では、本明細書に開示されたシステムは、コンテンツを受信する手段に対して透過的である。言い換えれば、会話、たとえばビデオ電話、VOD、擬似ストリーミング、記憶媒体、放送、たとえば、DTV、モバイルTV、またはそれらの組み合わせを含む多数の可能な手段のいずれかを介して媒体を受信することができる。単一のコンテンツインターフェースフォーマットは、WDホストでの処理を簡略化することができる。また、MDPを使用してメディアを表示要件に適合するように修正する場合、ディスプレイにおける処理要件を簡略化することができる。
本明細書に記載された他の態様は、ビデオ処理およびメモリバスを介したデータ転送の量を最小限に抑えることができる。したがって、モジュールデバイス向けに最適化された低電力、低コスト、短遅延の解決手段を提供することができる。これによって、モバイルデバイスは、複数の受信されたメディア/コンテンツを、ユーザまたはアプリケーション開発者によってカスタム化可能な様々な形態で示しうる外部ディスプレイに転送することができる。本明細書における1つまたは複数の態様は、圧縮が1回または複数回にわたって追加的な発生を防止し、視聴覚品質に関係するユーザエクスペリエンスに関するエクスペリエンスの質に対する影響を最小限に抑えることができる。データを表示特性に適合させるために情報交換やネゴシエーションを不要にすることができる。ディスプレイの適応化をディスプレイプロセッサで実行することができる。また、トランスポート層でのエラー耐性は、適切なペイロードの単なる複製によって提供されてよい。
特定の態様では、近距離通信(NFC)を使用してモバイルデバイスとワイヤレスディスプレイとの間にWDピアツーピア通信リンクを確立することができる。このような態様では、モバイルデバイスおよびワイヤレスディスプレイはNFCリーダを含んでよい。NFCは、暗号化鍵およびWDチャネルセットアップ情報を交換するのに使用することができる。このような情報には、すべての利用可能な短距離高速ワイヤレスリンク用の周波数および初期帯域幅を含めてよい。モバイルとディスプレイの両方で実行される優先順位付けプロトコルは、利用可能な共通リンクのうちのどちらをピアツーピア接続に使用するかを決定することができる。このプロトコルによる一次決定が失敗した場合、後続のNFC交換を実行することができる。さらに、複数回のNFC交換を実行してよい。決定が成功した後、プロトコルによって指定されるチャネルパラメータに応じてモバイルデバイスとワイヤレスディスプレイとの間にピアツーピア接続を確立することができる。
WDチャネルが確立された後、WDセッションを開始することができ、モバイルデバイスはWDチャネルまたはWDリンクを介してワイヤレスディスプレイにコンテンツを送ることができる。後続の帯域幅およびチャネル再確立ネゴシエーションをこのリンクを介して生じることができる。モバイルデバイスおよびワイヤレスディスプレイ上の利用可能な高速リンクのリストには、現在のリンク、たとえば、W−VGA、W−HDMI、Wireless USB、および将来のリンク、たとえば、WirelessHDを含めてよい。最も適切なリンクは、WD優先順位付けプロトコルによって選択されてよい。
本明細書で説明する方法ステップを必ずしも前述の順序で実施する必要はないことを理解されたい。また、「その後」、「次いで」、「次に」などの語はステップの順序を限定するものではない。これらの語は、方法ステップの説明を通して読者を導くために使用されているに過ぎない。
1つまたは複数の例示的な態様では、上述の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせで実施されてよい。ソフトウェアで実施された場合、これらの機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ読み取り可能媒体上に記憶されるか、あるいは1つまたは複数の命令またはコードとして送信されてよい。コンピュータ読み取り可能媒体には、コンピュータ記憶媒体と、コンピュータプログラムをある場所から他の場所に転送するのを容易にする任意の媒体を含む通信媒体の両方を含めてよい。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく一例として、そのようなコンピュータ読み取り可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、または他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは所望のプログラムコードを命令またはデータ構造の形で保持または記憶するのに使用することができ、かつコンピュータによってアクセスできる任意の他の媒体を備えてよい。また、任意の接続が適宜コンピュータ読み取り可能媒体と呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、撚り線対、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、撚り線対、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術が媒体の定義に含められる。本明細書で使用されるディスク(diskおよびdisc)には、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタルバーサティルディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクが含まれ、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)はデータをレーザによって光学的に再生する。上記の媒体の組み合わせもコンピュータ読み取り可能媒体の範囲内に含めるべきである。
選択された態様を図示し詳しく説明したが、特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに各態様に様々な代替および変更を施せることが理解されよう。