JP2012532685A - 眼内レンズシステム - Google Patents

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Abstract

本発明は、それぞれが折り畳み可能な、1つ以上の挿脱可能で折り畳み可能なコンポーネントを含むヒトの眼に移植されるマルチコンポーネント型眼内レンズを開示する。1つのコンポーネントはベースレンズとして機能し、スロット付きフランジを含む。もう1つのコンポーネントは、中間レンズと結合又は一体となった上部レンズを含むことができる光学アセンブリとして機能する。上部レンズ、中間レンズ、又は光学アセンブリは、ベースレンズのスロットに係合する少なくとも1つの突起部を含むことができる。上部レンズと中間レンズは接着性を有する材料から製造され、上部レンズと中間レンズはそれらの間にいかなる材料や物質も存在させずに相互に付着する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2007年1月29日に出願された米国特許出願第11/698,875号の一部継続出願である2007年12月12日に出願された米国特許出願第12/000,364号の一部継続出願である。
発明の背景
[技術分野]
本発明は、眼内レンズシステムを使用して眼の光学系を矯正する方法に関する。特に、本発明は、交換可能で折り畳み可能な眼内レンズシステムを設けた眼の光学系のための、レーザやレンズを作製又は修正する他の装置及び/又は方法を使用して、眼の光学系での光学収差を定量するウェーブフロント又は同様の技術によって測定された焦点異常及び光学収差を矯正する方法に関する。
[関連技術の説明]
屈折矯正手術の分野は、過去数十年の間に急速に発展してきた。屈折矯正外科医により現在使用されている手技及び方法は、患者の屈折矯正に関するすべての要求を満たすものとは言えないであろう。特に、エキシマレーザのフォト・アブレーションなどの極く最近一般化した角膜屈折矯正手術法のみならず、例えば眼内レンズ移植を伴う白内障摘出などの最も広く行われている屈折矯正手術法にも限界がある。これら限界の理由の1つとして、術後の屈折精度に欠けることが挙げられる。術後の屈折精度に欠けるため、一般に知られる屈折矯正手術法は、例えばメガネやコンタクトレンズなどの現在患者が選択できる手術を要さない選択肢に匹敵するものではない。更に、屈折矯正手術は局所又は全身麻酔と眼球の切開を必要とするので、手術の外傷を軽減させる必要がある。
近年、老眼または眼球の調節力の減少に対する効率的な治療が望まれている。老眼は、個々人により症状の重篤度は変わるが、通常高齢により多数の人が罹患する症状である。通常一旦老眼の症状が現れた人は、加齢に従って症状が悪化するので、老眼の治療は困難を伴うものである。症状が悪化するにつれて、その症状を矯正するために、異なる、普通はより強力なレンズが必要とされる。患者の視力が悪化するたびに眼内レンズを交換する従来の手法は、必ずしも実用的或いは経済的な取組みとは言えない。屈折矯正手術分野における近年の発展により、老眼の眼内治療は、視力改善を望む或いは必要とする患者にとって、実現可能な治療法となっているが、屈折矯正眼内手術に使用するより高精度な技術と装置が必要とされている。
眼球の外傷或いは他の眼球障害を有する患者は、眼球の虹彩や他の部分が変形、破壊、又は変色している可能性がある。現在、そのような患者は、通常美容コンタクトレンズを処方されている。美容眼内レンズの移植は、有望な代替法として浮上しているが、眼球外傷を最小限に抑制し、美容眼内レンズ移植を美容コンタクトレンズや他の非外科的処置の安全で効果的な代替法として定着させるために、更に効率的な眼内レンズ移植が必要とされている。外科的手法が更に効果的で安全で痛みを軽減したものとなるにつれて、患者は眼球の色、構造、又は形状を変更するためのレンズ交換の移植手術を受けることを選ぶようになるであろう。以下の実施形態に述べるようにレンズ移植のための侵襲を最小限に抑制した方法を提供することにより、外科医は、手技の欠点を限定することが可能である。
現行の屈折矯正手術の手技及び方法は、実施する外科医が高度の技術と経験を持って手技を行う必要がある。現在、眼内レンズを扱う屈折矯正手術を行う方法及び手技は、一般に眼球内で眼内レンズアセンブリを直接視覚化することを要する。そのような可視化は、当分野の外科医の能力範囲を超えるものではないが、手技の難度を上げるものであり、手術手技に手術ミスや他の問題が起き、望ましくない合併症を引き起こす確率を増加させる。従って、眼球への挿入及び摘出法をより簡素にする構造を有する眼内レンズアセンブリ及びシステムが必要とされている。
現在、最も一般的な屈折矯正手術すなわち通常の白内障手術を行っている屈折矯正白内障外科医は、屈折矯正精度が+/−0.75から+/−1.00の範囲のジオプター(D)を得ている。しかしながら、該産業分野では+/−0.25Dの範囲の屈折矯正精度を得ることを目標としている。従って、該産業分野では現行の手技に替わるより精確な手技を提供することが必要とされている。また、現行の角膜屈折矯正技術を分析すると、手術前と同様、既存の又は自然に起こる術後の画像のゆがみ(光学収差)や劣化が、特に夜間の車の運転時などの低照明条件下では、かなりのレベルで存在することが示唆された。
眼内手術を行う実用的限界と様々な眼内手術中及び手術後のヒト眼球の生物学的及び物理的挙動のために、現実問題として、一度の手術により+/−0.25Dの精度の目標の達成を予測することは困難である。また、生物測定誤差、外傷治癒の変動、眼内レンズの周囲の被膜拘縮などの要因が、望ましい屈折矯正精度の達成の可能性の低下をもたらしている。これらを鑑みて、当該産業分野の従事者は、以下MC−IOL(マルチコンポーネント型)或いはC−IOL(複合型)と呼ぶ、調整可能な眼内レンズ(IOL)が、水晶体摘出手術の後に、屈折矯正外科医と患者に複数の望ましい選択肢を提供することを見出した。
調整可能なIOLは、レンズインプラントの少なくとも1つの光学要素を交換することにより、初期の屈折矯正結果の微調整を可能とする。その結果、+/−0.25Dの範囲の精度は容易に達成可能となっている。また、患者は「古い」レンズコンポーネントを新しい望ましくはより高精度のコンポーネントと交換する機会が与えられている。そのような目的は、もし外科医がレンズ要素交換を効果的で効率的で安全な方法で行えるならば達成可能である。更に、屈折矯正手術の数ヶ月及び/又は数年後に、もし挿入したIOLの光学特性、例えば多焦点性が問題となるならば、外科医は、IOLの望ましくない光学要素を安全に交換して、患者が許容しない又は許容不可能ないかなる光学収差も矯正することができるべきである。
1990年に、本願の発明者は、光学特性が術後いつでも修正可能である、透明水晶体又は屈折矯正白内障手術の後に使用するためのマルチコンポーネント型眼内レンズ(以下、MC−IOLと呼ぶ)を開発した(図1)。MC−IOLの眼内ベースレンズコンポーネントを図1に示す。中間レンズが、ベースレンズ上に取り付けられてMC−IOLの第3のコンポーネントである上部レンズを定位置に保持する。
眼内ベースレンズ10及び中間レンズ20はそれぞれそこから延出する固定用フランジ16,18;20,24を有する。MC−IOLはまた図1に示すように少なくとも1つの上部レンズ30を備える。この上部レンズ30は中間レンズ20の上に配置される(図1,2参照)。
また、MC−IOLは、ヒト眼球の組織中にMC−IOLを固定保持する突起部(又は、ハプティック)11,13を含む。上記構造により、眼内ベースレンズ10は、中間レンズ20が配置されるプラットフォームを形成し、上部レンズ30を保持することが可能となる。通常の白内障手術において、MC−IOLによりヒト眼球の水晶体を置換する。そのような手術の後、患者の眼球が治癒したなら、外科医は眼球に再び侵入し、必要に応じて、何回でも、上部レンズ30及び中間レンズ20を交換し、各光学特性が得られる所望のレベルまで眼球の光学特性を修正する。
図3A及び図3Bは、ヒト眼球中の既存のレンズとともに使用される組立て済みの複合型眼内レンズ(以下、C−IOLと呼ぶ)を示す。C−IOLは、MC−IOLの中間レンズ(図4A及び図4B)及び上部レンズ(図5A及び図5B)コンポーネントと同様の、2つのコンポーネントを有する。また、図5Aには、レンズの位置及び配向決定を補助するために、MC−IOLレンズのいくつかの実施形態で使用される軸配向マーク85が示される。上記既存のレンズとは、眼の光学系の溝(図6)又は前房隅角(図7)に配置されたC−IOLを有する眼球の水晶体であってもよい。しかしながら、C−IOLは、従来のIOLや調節型IOLと共に使用することも可能であり、溝(図8)や前房隅角(図9)、後房支持での前房(図10)、又は虹彩支持での前房(図11)に装着可能である。このように、既存の従来のIOLインプラント又は眼球の水晶体と並列して中間レンズ及び上部レンズを使用することにより、外科医は眼の光学系の光学特性を修正する。
C−IOL及びMC−IOLは、無数の向上した特徴を提供する。例えば、C−IOL及びMC−IOLは、それぞれ単焦点又は多焦点光学系として構成することができ、乱視を矯正し、また紫外線吸収材、着色材、又は他の化学処理を施した材料を含むことができる。
調整可能なMC−IOLやC−IOLがシングルコンポーネントインプラントよりも望ましい理由が多岐にわたることを理解されたい。正常視を獲得するのに必要な、乱視、多焦点及び球面収差のすべての順序と組合せを達成するには、1万個以上のレンズの在庫が必要となるのに対して、MC−IOL(マルチコンポーネント)の概念では約100個のコンポーネント在庫が必要となるであろう。前房レンズでは、隅角内のブドウ膜組織により、術後1〜2年で、レンズのハプティックの進行性被包化や貪食の発生がしばしばみられる。貪食は、通常レンズ及びハプティックの除去をより困難とする。虹彩支持型前房レンズの交換は、通常、正確な位置や配向を保証しない。後房レンズも同様に、後嚢の線維症のため除去することができない。カスタマイズされた正常視システムにとって、容易な除去及び交換可能性は重要な問題であり、それは特殊に設計されたマルチコンポーネントレンズシステムにより提供可能である。
従って、上記に基づいて、1つではなく3つの要素を有するMC−IOLは、レンズ要素数や部品数を最小限に抑え且つ製造者がかかわるカスタマイズをほとんど必要としないで、すべての患者に対して、且つ、すべての屈折矯正エラーに対して、屈折矯正のカスタマイズ化及び調整を可能とする。このように、屈折矯正手術の技術において、外科医が眼内レンズインプラントの屈折矯正力を容易且つ安全にまた正確に修正することができるように手術を個別化及び/又はカスタマイズすることは大変重要となっている。
例えば、O’Donnell,Jr.の米国特許第5,288,293号は、単一のIOLを修正する方法を開示している。O’Donnellは、レンズを製作する前に患者の視力を改善するのに要する矯正の度合いを決定し、眼科医がその場で変更できるように、単一のIOLの屈折矯正力を移植前に変更できるようにすることを示唆している。しかしながら、外科的な移植手技そのものが、手術前に予測不能な更なる光学収差を惹起する可能性があり、最初のレンズ移植ではこれらの光学収差を考慮できない。
而して、O’Donnell,Jr.が示唆したように、レンズを移植前に修正可能であるならば、移植したレンズを取り外し、レンズを修正し、その後修正したレンズを眼の光学系に再移植することにより、移植したレンズを修正することが可能であるはずであると議論することができる。しかしながら、現在の眼内レンズの設計は、通常そのような手技を困難で非実用的なものとしている。また、通常の治癒にかかる時間の後で、眼の組織がレンズの嚢内固定用ホールにいったん固着したら、移植したレンズを取り外すことは患者にとって物理的に危険であり及び/又はほぼ不可能である。従って、そのような議論は、現実的、実用的、或いは安全とはいえない。一般に除去するよう設計されておらず2つの光学面だけを有するシングルコンポーネント眼内レンズは、最初の移植の後に発見される可能性のある、球面度数、円柱度数、円柱軸角度、及びすべてのタイプの光学収差を精確に補償することはできない。これに対して、上記MC−IOLは、通常、これらの光学特性を補償可能な4つの取外し可能な光学面を有する。
本願の発明者は、ヒト眼球又は患者を通常の眼内手術におけるリスク以上のリスクにさらすことなしに、術後の期間に光学要素の容易な交換を可能とするように特に設計された上述したMC−IOL及びC−IOLを発明した。最初にレンズを移植する実際の手術は、移植後に眼球が治癒する過程の多様性とともに、術後数ヶ月の間安定化しないかもしれない歪みを発生させる可能性があるので、光学要素が容易に交換できることは重要である。この歪みを適切に測定し補償することが可能になるのに術後数ヶ月間を要し、通常これより前に予測することは不可能である。最初の手術と2番目の手術の両方で同じ手術創が使用されるので、2番目の手術によって創傷の治癒による歪みが新たに起こることはないと予測される。
また、マルチコンポーネント型や複合型眼内レンズの光学要素を交換することが可能であれば、シングルコンポーネントレンズの取外し、修正及び再移植に比べて、実行がより容易であることのみならず、経済的でもあり得る。
MC−IOLは、2つの平面と2つの凸面の、4つの修正可能な表面を有する。乱視(円柱度数)の矯正や多焦点レンズ面として既に使用されている可能性のある凸面側との干渉を避けるために、修正は平面にのみ施されることが好ましい。また、1つが平面で他が凸面の、2つの修正可能な表面を有するCIOLも同様にすることが好ましい。
また、本願の発明者は、球面度数、円柱度数、又は円柱軸角度における何らかのエラーを補正するために、且つ生物学的治癒パラメータが安定した後に手術した眼球に残存する又は新たな収差を特定するために測定を行い、測定の結果に基づいて移植した光学系内の1つ、2つ又はそれ以上の既存レンズ要素を修正するために、例えば米国特許第6,413,276号に記載されているような、MC−IOLにおける光学収差を矯正するシステムを開発した。
従来のマルチコンポーネント型眼内レンズの設計では、眼内レンズコンポーネント移植に要する手技は、高度の外科医技術を必要とする。例えば、レンズの取り外し可能なコンポーネントの移植には、ノッチをフランジに適合させるために、外科医がレンズの配置を直接視覚化する必要がある。更に、除去可能なレンズコンポーネントの除去には、ベースレンズを把持し、ベースレンズとともに、サンドイッチしたレンズとキャップレンズを一緒に保持しているタブを解除するための、特殊な鉗子器具が必要となる(例えば、米国特許第5,968,094号に記載のシステム参照)。
従来、眼内レンズシステムは硬質の一体型ポリメチルメタクリレート(PMMA)レンズを使用していた。PMMAレンズは直径が約6ミリメートルである。PMMAレンズは硬質であるため、PMMA眼内レンズの挿入には、一般に7〜8ミリメートルの切開を眼球に施す必要がある。これに対して、可とう性のある又は折り畳み可能なレンズは、サイズを大幅に操作、減少することが可能である。サイズを減少したマルチコンポーネント型眼内レンズは、例えば約3ミリメートル以下の比較的小さな切開により設置することが可能である。より小さな切開の使用によって、患者は光学的及び実用的利益を享受する。光学的観点からは、角膜を切開するときはいつでも、切開及びその結果生じた外傷により生じた不完全さにより角膜はその自然な球形性を多少失うことになる。この角膜の不完全さが、乱視または角膜の形状における不規則性により生じる光学収差をもたらす。角膜の切開のサイズを最小限にすることにより、外科医は誘発される乱視のレベルを最小限に抑制することができる。3−コンポーネントデザインは誘発された乱視を矯正する方法を簡素化しはするが、誘発される乱視のレベルを最小限にすることは依然としてすべての眼内手術の主要な目標である。
実用では、より小さな切開を形成することにより、外科医は眼球への実際の外傷の程度を減少させ、合併症の発生を抑制し且つ回復にかかる時間を短縮させている。もし、治癒プロセスの間眼球の自然眼圧により切開を閉じ合わせることが可能なほど切開が小さく、縫合せずに治癒する程度に小さな切開で外科医が眼内手術を行うことが可能ならば、これらの利点はより現実のものとなる。
本発明者の米国特許出願第11/698,875号では、関連技術の上記欠点が解決された。図12〜図16は、米国特許出願第11/698,875号に開示された発明を示す。
例えば、図12Aは、図3に示したMC−IOLのベースレンズと同様の、折り畳み可能な眼内ベースレンズ100の上面又は平面図である。ベースレンズ100は少なくとも1つのハプティック120により眼球に取り付けられるものであり、図12Aにおけるベースレンズ100は少なくとも1つのハプティックによって眼球に固定可能であるが、少なくとも2つのハプティック120を使用することが好ましい。図12Aに示すように、各ハプティック120はベースレンズ100から外方に延出し、ベースレンズを含む平面に対して10度〜20度の範囲でいずれかの方向に、好ましくは15度のプラス方向に傾斜している。
図12Bと後述の図24にも示すように、ベースレンズ100(図24中、1000)はベースレンズ100(図24中、1000)の本体に配設されそこから離れて外方に延出する1つ以上のフランジ105(図24中、1005)を含むことができる。また、各フランジ105(図24中、1005)は、上部レンズ300(図24中、3000)と中間レンズ200(図24中、2000)とのアセンブリを受取・受容するよう設計、構成されたスロット110(図24中、1100)を有することができる。各フランジ105(図24中、1005)及びスロット110(図24中、1100)はベースレンズ100(図24中、1000)の設計の必須の特徴である。MC−IOLの概念により、白内障や透明水晶体の最初の手術での使用にとどまらず、何らかの計算ミスや最初の手術後の時間経過中の生物学的変動や眼球症状における何らかの変化を補償するための、調整や向上のための手術が可能となる。これらの外科的な調整が機能するためには、外科医がフロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)に容易にアクセスできなくてはならない。これを確実にするために、フロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)は溝で嚢の外に配置しておかなくてはならない。他方、ベースレンズ100(図24中、1000)は嚢の中に残置しておく。最初の手術においてMC−IOLを挿入し、嚢の端部をベースレンズ100(図24中、1000)とフロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)の図14Aに示すハプティック210(図24中、2100)との間に配置した後、嚢スネアと呼ばれる特殊な機器により、外科医がフロントレンズアセンブリのハプティック210(図24中、2100)を嚢の端部(最初の手術では6〜7ミリメートルの列嚢が必要)の上に配置してハプティック210,120(図24中、2100,1200)の間に嚢を挟持することが可能であるように、上下に延出するフランジ105(図24中、1005)とそれらに対応するスロット110(図24中、1100)とにより、ベースレンズ100(図24中、1000)とフロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)の図14Aに示すハプティック210(図24中、2100)との間にスペースが確保される。白内障や透明水晶体の手術の後の治癒プロセスの間に、残存する嚢は、上記端部、ハプティック120(図24中、1200)、及びベースレンズ100(図24中、1000)の端部のまわりを「セロファンラップ」する。この「セロファンラップ」により、最初の外科手術が治癒した後に外科医が向上手術に必要とされるベースレンズ100(図24中、1000)のどの表面にアクセスすることをも非常に困難で危険なものとしている。上下に延出するフランジ105(図24中、1005)及び対応するスロット110(図24中、1100)により、フロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)を「セロファンラップ」された後嚢の前に或いは離間した箇所すなわち溝に配置することで、フロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)の外科的除去や交換を大変安全で技術的に容易なものとしている。
すなわち、フランジ105(図24中、1005)及びスロット110(図24中、1100)は、MC−IOLの設計において、向上手術中のフロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)の除去及び置換を容易にするための必須の特徴である。ベースレンズ100(図24中、1000)の端部及びハプティック120(図24中、1200)の周囲での被膜拘縮、すなわち通常の治癒プロセスにより、上下方向のフランジ105(図24中、1005)なしには、外科医は端部及びハプティック210(図24中、2100)にアクセスできない。フランジ105(図24中、1005)及び対応するスロット110(図24中、1100)の構造形態では、溝の中で嚢の前にベースレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)が配置されるので、最初の手術が治癒した後の患者の生涯のいかなる時点でも向上手術中フロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)を除去及び置換するために外科医が容易にアクセスすることを可能にしたり促進したりする。
図13におけるベースレンズは、全外周に沿って延出するよう画成された溝130と、光学的領域150をベースレンズに取り付ける機能を有する複数の取り付け点140とを除いて、上記ベースレンズ100(図12A及び図12B)と同様である。
本発明者の米国特許出願第11/698,875号に開示された折り畳み可能なMC−IOLは、2つ以上の追加の屈折矯正コンポーネント、すなわち、上部レンズ300及び中間レンズ200を含む。図14A及び図14Bに示される中間レンズ200は、通常、球面度数の調整を可能とする一方、上部レンズ300(図15)は乱視矯正を行い、配向突起部305を有する。中間レンズ200は、中間レンズ200の本体から延出する少なくとも1つの突起部210を含むことができ、突起部の形状及び数によってその長さは変更可能である。この中間レンズ200はまた、図14Bに示すように上方に延出しリップ部225で終端する側面部分250を含む。側面部分250及びリップ部225は中間レンズ200の外周に沿って延出し、それによってノッチ230を画成する。
眼球への挿入に先立って、中間レンズ200及び上部レンズ300を単一アセンブリ(図16)として一緒に保持するためにノッチ225と上部レンズ300との間を密封するように、上部レンズ300を中間レンズのノッチ225に係合させる。上部レンズ300を中間レンズ200に挿入したとき、上部レンズ300の起立した突起部又はノッチ305が中間レンズ200に対向するか或いは中間レンズ200からも突出するように、上部レンズ300を配向させる。図5の軸配向マーク85と同様に、ノッチ又は突起部305によって、上部レンズの方角及び軸方向の配向を提供することができる。
レンズ製造者は、乱視を矯正するための所定の軸配向で中間レンズ200及び上部レンズ300を組み立て、その後外科医が眼球の外でフロントレンズアセンブリ200,300とベースレンズ100を組み立て、中間レンズ200がベースレンズ100と上部レンズ300との間に挟まれている1つの折り畳まれたピースとして完成したアセンブリを眼球の中へ挿入する。他の方法としては、外科医は、上部レンズ300と中間レンズ200とのアセンブリを眼球へ挿入し、その後中間レンズ200の突起部210をベースレンズ100の対応するフランジ105のスロット110にスライドさせてアセンブリをベースレンズ100へ取り付けるもので、後者の2つのステップによるアセンブリにより外科的切開をより小さくすることが可能となる。最初の突起部210を、対応する最初のスロット110に収納した後、中間レンズ200に更に突起部がある場合は、外科医は他の突起部210が他のスロット105と整列するまで中間レンズ200及び上部レンズ300を調整する。すべての突起部210がそれらに対応するスロット110に挿入されたら、上部レンズ300と中間レンズ200のアセンブリはベースレンズ100に固定され、手技は完了する。
中間レンズ200及び上部レンズ300から成るアセンブリを交換する必要がある場合には、外科医は以下に記述した取り外し手順を行うことができる。まず、粘弾性材を含有するカニューレを眼球へ挿入し、レンズアセンブリ(中間レンズ200及び上部レンズ300)とベースレンズ100との間の境界面に配置する。粘弾性材の注入により中間200/上部300レンズアセンブリを持ち上げ、ベースレンズ100におけるスロット110への突起部210の係合を解除する。その後、この元のレンズアセンブリを眼球から除去し、新しいレンズアセンブリを、最初の手術で上記したと同様に、眼球に配置しベースレンズ100に取り付ける。
本発明者の米国特許出願第12/000,364号は、本発明者の米国特許出願第11/698,875号に開示された配向とは異なる中間レンズ及び上部レンズの配向を教示している。例えば、米国特許出願第12/000,364号では、中間レンズ及び上部レンズの順番を反転又は逆転させており、ベースレンズが患者の眼球に対して最も後ろ側にある順番で3つのコンポーネントが配向されるように、ベースレンズの上に上部レンズを配置し、その後該上部レンズの上に中間レンズを配置する。中間レンズが患者の眼球に対して最も前側にあり、上部レンズは、ベースレンズと中間レンズとの間すなわち中間に配列されるように、上部レンズはベースレンズ上に配置され、中間レンズは上部レンズ上に配列される。
更に、本発明者の米国特許出願第11/698,875号は、中間レンズが、中間/上部レンズアセンブリを固定保持するように上部レンズの突起部が係合するノッチを含むことを教示しているが、本発明者の米国特許出願第12/000,364号では、例えば、中間レンズが上部レンズと接する少なくとも1箇所に適用される医療用接着剤などの結合手段を使用して、上部及び中間レンズを相互に結合させている。
また、本発明者の米国特許出願第12/000,364号は、中間レンズのハプティックが、上部レンズ(円形構造)を挟持し上部及び中間レンズ(円形構造)を光学アセンブリとして保持する前方及び後方に延出する突起部を有する特徴を教示している。
図17A〜図21に示すように、本発明者の米国特許出願第12/000,364号は、中間レンズ200’及び上部レンズ300’を、それぞれ一緒に単一の一体ユニット又はアセンブリとして結合するために使用される医療用接着剤MAを開示している。例えば、図17B及び図18には、医療用接着剤MAが、中間レンズ200’及び上部レンズ300’を一緒に固定保持するために、中間レンズ200’の側面部分250’の内面250a及び/又は上部レンズ300’の外周面350aに適用される様子を図示している。或いは、図19〜図21に示すように、本発明者の米国特許出願第12/000,364号は、上部及び中間レンズ300’’、200’’を単一ユニット又はアセンブリとして結合するために、医療用接着剤MAが、中間レンズ200’’の上面及び/又は中間レンズ200’’の上面に直接対向している上部レンズ300’’の全下面に全面的に又は選ばれた飛び飛びの部分に沿って適用することも可能なことを教示している。
本発明の特徴の1つは、眼球への配置後に挿脱及び置換可能なコンポーネントを含むマルチコンポーネント型眼内レンズシステムを提供することである。
本発明の他の特徴は、眼球への外傷を最小限に抑制するために折り畳み可能なコンポーネントを含むマルチコンポーネント型眼内レンズシステムを提供することである。折り畳み可能なレンズの広げた状態での直径よりも小さな切開を要する折り畳み可能なレンズの送達システムの使用を可能とすることにより、外傷を最小限に抑制する。
本発明の更に他の特徴は、眼内レンズのコンポーネント挿入のための手術手技を簡略化するように設計されたコンポーネントを含むマルチコンポーネント型眼内レンズシステムを提供することである。本発明の1つの実施形態は、ベースレンズをハプティックにより取り付け、上部レンズと中間レンズとを眼球の外で組み立てるマルチコンポーネント型眼内レンズを含む。
また、本発明は、本発明者の米国特許出願第12/000,364号で使用されている医療用接着剤MAの使用を不用とする。具体的には、本発明のある実施形態は、中間レンズ及び上部レンズを、中間レンズ及び上部レンズが自然に相互に付着するような接着性を有する材料から製造することを含む。例えば、上部レンズ及び中間レンズを製造する材料としては、それに限定されるものではないが、上部レンズ及び中間レンズが、医療用接着剤や他の結合手段をどちらのレンズにも施すことを必要とせずに互いに付着するような自己接着性を有する親水性アクリルが挙げられる。
また、本発明の特徴の1つでは、上部レンズと中間レンズが同一の材料から製造されている。また、上部レンズと中間レンズが異なる材料から製造されていることも、本発明の範囲に含まれる。更に、ベースレンズは、上部レンズ及び中間レンズのどちらか1つ又は両方と同一の材料から作製してもよく、また、ベースレンズは、上部レンズ及び中間レンズが製造されている材料とは異なる材料から作製されていてもよい。例えば、相互に結合した上部レンズ及び中間レンズにより規定される光学アセンブリを親水性材料から作製し、ベースレンズを非親水性材料から作製してもよい。
更に、上部及び中間レンズから構成された光学アセンブリがベースレンズに不必要に付着又は密着することを防ぐために、光学アセンブリがベースレンズに密着又は付着しないように上部レンズ及び中間レンズのうち少なくとも1つ、好ましくは両方の少なくとも非光学的面を処理することによって上部及び中間レンズの自己接着性を無効にすることも本発明の特徴である。そのような処理には、それに限定されるものではないが、光学アセンブリの非光学的面、例えばベースレンズに接触するフランジの表面を非接着性物質でつや消し処理することや、光学アセンブリ及び/又はベースレンズの相互に接触する部分に、光学アセンブリとベースレンズが相互に付着しないように、例えば、ギザギザ付き表面などに表面を修正する表面処理を施すことが含まれる。
また、本発明は、中間レンズ及び上部レンズに更に追加レンズを含むよう光学アセンブリを拡大した特徴を含む。本発明のある特徴は、光学アセンブリを構成する複数のレンズを積み重ね、該光学アセンブリをベースレンズに挿入する。積み重ねた光学アセンブリは複数のレンズを含み、各レンズは異なる光学要素に対応する。例えば、もし中間レンズが球形レンズであり、上部レンズがトーリックレンズであるならば、光学アセンブリの他のレンズは発色団や色に関連する問題に対応矯正し、更に他のレンズは乱視に対応し、他のレンズは近視又は遠視に対応し、一方他のレンズはより高次の光学収差又は球面収差或いはその両方に対応するようにできる。上記追加レンズは、中間レンズのどちらの側に積み重ねてもよく、すなわち、中間レンズ及び上部レンズの間、或いは中間レンズ及びベースレンズの間、或いは上部レンズが中間レンズといずれかの追加レンズとの間にあるように上部レンズの上でもよい。
本発明の眼内レンズシステムは、上部レンズと中間レンズを互いに固定するための特殊な装置や技術を使用することなしに組立てることを可能とする。
本発明の1つの特徴では、折り畳み可能である1つ以上の除去可能なコンポーネントを含む、ヒトの眼の光学系内に移植する修正したマルチコンポーネント型眼内レンズを提供し、2つ以上の除去可能なコンポーネントが使用される場合それらは相互に連結されている。
図面において、
図1は、現在公知のマルチコンポーネント型眼内硬質レンズのベース、中間及び上部レンズコンポーネントの平面図である;
図2は、図1に示す現在公知のマルチコンポーネント型眼内硬質レンズのベース、上部及び中間レンズの組み立てた状態での分解側面図である;
図3A及び図3Bは、現在公知の2コンポーネント複合型眼内レンズの分解図である;
図4A及び図4Bは、それぞれ複合型眼内レンズの上部レンズコンポーネントのあるタイプの上面図及び側面図である;
図5A及び図5Bは、それぞれ複合型眼内レンズの上部レンズコンポーネントのあるタイプの上面図及び側面図である;
図6は、ヒト眼球の毛様体溝内に移植した複合型眼内レンズの側面図である;
図7は、前房隅角を支持体として使用してヒト眼球内に移植した他の複合型眼内レンズの側面図である;
図8は、以前に水晶体嚢に装着、移植した従来のシングルコンポーネント型眼内レンズと共にヒト眼球内に移植した、溝に装着した複合型眼内レンズの側面図である;
図9は、以前に水晶体嚢に装着、移植した従来のシングルコンポーネント型眼内レンズと共にヒト眼球内に移植した、前房に装着した複合型眼内レンズの側面図である;
図10は、以前に水晶体嚢に装着、移植した従来のシングルコンポーネント型眼内レンズと共にヒト眼球内に移植した、後房に固定した支持体上にある前房に装着した複合型眼内レンズの側面図である;
図11は、以前に水晶体嚢に装着、移植した従来のシングルコンポーネント型眼内レンズと共にヒト眼球内に移植した、前房内虹彩支持型複合型眼内レンズの側面図である;
図12Aは、現在公知の折り畳み可能なマルチコンポーネント型眼内レンズのベースコンポーネントの上面図である;
図12Bは、図12Aに示すベースコンポーネントの拡大部分の側面図である;
図13は、現在公知の他の折り畳み可能なマルチコンポーネント型眼内レンズのベースコンポーネントの上面図である;
図14A及び図14Bは、それぞれ現在公知の折り畳み可能なマルチコンポーネント型眼内レンズの置換可能な中間レンズコンポーネントの分解上面図及び分解側面図である;
図15は、現在公知の折り畳み可能なマルチコンポーネント型眼内レンズの上部レンズコンポーネントの分解上面図である;
図16は、上部レンズが中間レンズに挿入された現在公知の光学アセンブリの側面図である;
図17A及び図17Bは、それぞれ現在公知の折り畳み可能なマルチコンポーネント型眼内レンズの置換可能な上部レンズコンポーネントの上面図及び分解側面図である;
図18は、中間レンズが上部レンズに係合する、現在公知の光学アセンブリの側面図である;
図19は、現在公知の光学アセンブリの分解図である;
図20は、組み立てた状態にある、図19に示す光学アセンブリの斜視図である;
図21は、ベースレンズと組み立てた、図20に示す光学アセンブリの斜視図である;
図22は、本発明の1つの実施形態による、上部レンズ及び中間レンズが、両者の間に設ける接着剤を使用せずに、相互に付着している光学アセンブリの斜視図である;
図23は、中間レンズが上部レンズに係合している領域を図示する、図22に示す光学アセンブリの側面図である;
図24は、ベースレンズと組み立てた状態の、図22に示す光学アセンブリの斜視図である;
図25は、非接着性を有するように処理可能な領域を示す、上部レンズの分解側面図である;
図26A及び図26Bは、図25に示した領域の処理方法の例を示す概略図である;
図27A〜図27Dは、光学アセンブリのレンズが配列可能な様々な方法を示した概略図である;
図28は、中間レンズ及び上部レンズが一体となってベースレンズ内に配置される単一のレンズとなっている実施形態の概略図である。
好適な実施態様の詳細な説明
本発明の好適な実施形態によれば、本発明のベースレンズ1000の組立て完成品や最終的な外観は、上記したベースレンズ100,100’’と略同一であることに留意されたい。従って、ベースレンズ100,100’’と共通するベースレンズ1000の多数の特徴の詳細な記述は、重複を避けるためにここでは省略する。
米国特許出願第11/698,875号及び米国特許出願第12/000,364号に開示されているのと同様に、本発明による折り畳み可能なMC−IOLもまた、以下に詳しく記載する、中間レンズ2000及び上部レンズ3000のアセンブリなどの、1つ以上の追加の屈折性コンポーネントを備える。米国特許出願第12/000,364号の中間レンズ200’及び上部レンズ300’と同じく、米国特許出願第11/698,875号の上部レンズ300及び中間レンズ200は、以下に記載する中間レンズ2000及び上部レンズ3000といくつかの顕著な特徴を除いて同様であることに留意されたい。
例えば、米国特許出願第11/698,875号及び米国特許出願第12/000,364号の開示に対する本発明の顕著な特徴の1つは、前記上部レンズ3000及び中間レンズ2000が製造される材料である。本発明において、前記中間レンズ2000及び上部レンズ3000は、好ましくは折り畳み可能な材料、例えば親水性アクリル、疎水性アクリル、シリコーン等から製造されており、親水性アクリルの場合にみられるように、前記中間レンズ及び上部レンズ2000,3000は本来自然に相互付着又は密着するので、米国特許出願第12/000,364号の接着剤MAは不要である。すなわち、図22に示すように、レンズ2000及び3000の対向面の間又は図23に示すように上部レンズ3000の外周面3500aと中間レンズ2000の側面部分2500の内周面2500aとの間に、米国特許出願第12/000,364号の接着剤MAなどを全く設けることなく、前記上部レンズ3000及び中間レンズ2000は相互に付着する。
前記上部レンズ3000及び中間レンズ2000は、好ましくは親水性材料から製造されるが、レンズ2000及び3000は必ずしも同一の親水性材料から製造されなくともよい。例えば、もしレンズ2000及び3000が親水性アクリル材料、疎水性アクリル或いは他の適当な材料から製造されている場合、該材料自然の物理的及び/又は化学的特性は、レンズ2000及び3000が相互に接触しているときはいつでもレンズ2000及び3000を一緒に保持するようなものであることができる。従って、前記レンズ2000及び3000は互いから離間させることが大変困難である。而して、米国特許出願第12/000,364号の接着剤MAは本発明では省略され、前記上部レンズ3000及び中間レンズ2000を含む光学アセンブリの組立ては簡略化、短時間化され、材料が節約され、全体のコストが削減される。
図24に組み立てた状態での本発明の他の特徴の例を示すように、前記光学アセンブリ、すなわち、上部レンズ3000及び中間レンズ2000は、まず製造者によりレンズ2000及び3000を互いに付着することにより組み立てられる。その後、光学アセンブリの中間レンズ2000部分の少なくとも1つ、好ましくは2つの突起部2100を、前記ベースレンズ1000の対応するフランジ1005に形成された対応するスロット1100に貫通し、前記ベースレンズ1000の対応するハプティック1200の部分に重ねる。
本発明によれば、光学アセンブリ、すなわち、上部レンズ3000及び中間レンズ2000は患者の視力の光学特性に適合又は調整させるために他の光学アセンブリと交換可能であるので、光学アセンブリがベースレンズ1000のどの部分にも付着可能でないことが好ましい。換言すれば、ベースレンズ1000と物理的に接触又は重なる光学アセンブリの部分を含む、光学アセンブリの非光学部分は、いかなる接着性能も有さないように処理される。すなわち、光学アセンブリの非光学部分は、光学アセンブリがベースレンズ1000から離脱不能となるようにはベースレンズ1000へ付着、密着できないようになっている。
図25は、上部レンズ3000に係合し、ベースレンズ1000を貫通又は接触する中間レンズ2000の部分の概略図である。前記上部レンズ3000が中間レンズ2000の上部側面部分2500の内面2500aに当接している様子を点線で示している。すなわち、一例として、上部レンズ3000をその上部又は上面に配置した状態を示しているが、下側側面部分2500の内面2500aに当接するように上部レンズ3000を中間レンズ2000の下面に配置することもまた本発明の範囲に含まれるものである。
而して、ベースレンズ1000の部分は、側面部分2500の外面2500b、側面部分2500の上面2500c、突起部2100の上面2100a、突起部の下面2100b、及び突起部2100の外面2100cに接触することが可能である。
前記接触する可能性のある表面2500b,2500c,2100a,2100b,2100cには、該表面が接触するベースレンズ1000の対応する部分にそれらの表面が付着可能であることを防止するような処理が施される。
例えば、前記表面2500b,2500c,2100a,2100b,2100cの少なくとも1つを、いかなる接着性も有さないようにつや消し処理や他の化学処理、或いは物理的に処理することができる。一例として、図26aに示すように、突起部2100の上面2100aが、中間レンズ2000がベースレンズ1000に付着可能であることを防止する適当な化学品又は物質によってつや消しF処理される。或いは、図26bに示すように、突起部2100の上面2100aには、粗面処理又はギザギザ付き表面Kを有するようにローレット処理が施される。
実際に処理する表面は、前記レンズの実施形態又はその変形例並びにベースレンズ1000に実際に接触又は重なる光学アセンブリの部分により決定されることになる。従って、上に述べたように、処理面は、様々な表面2500b,2500c,2100a,2100b,2100cの内の任意の表面、任意の組み合わせでよく、該表面2500b,2500c,2100a,2100b,2100cの処理方法も様々であり得る。また、図26bにはギザギザ付き表面Kが示されているが、該当する表面2500b,2500c,2100a,2100b,2100cを、他の可能な態様を限定するもので決してはないが、ショットピーニング処理、非接着性ポリマーのコーティング等の適当な方法で処理することも本発明の範囲に含まれるものである。
更に、既に上述したように、中間レンズ2000及びベースレンズ1000は、異なる材料、或いは少なくとも相互に接着性のない材料から作製することができる。
図示しないが、ベースレンズ1000の任意の部分に物理的に接触する中間レンズ2000の部分又は上部レンズ3000の部分は、ベースレンズ1000に付着可能ないずれの性質も持たないように処理することも意図していることに留意されたい。
従って、処理可能な表面は前記光学アセンブリの外側部分に限定されるものではなく、レンズ2000及び3000のうち、どちらのレンズがベースレンズ1000の対応する平らな表面に接触しているかに拠り、その最も外側の平らな表面も含むことができる。而して、接触する可能性のある表面2500b,2500c,2100a,2100b,2100cに、それらの表面が、該表面が接触するベースレンズ1000の対応する部分に付着可能であることを防止する処理を施すことにより、ベースレンズ1000の特徴を損なうことなしに、既存の光学アセンブリを新たな光学アセンブリで交換することが、容易且つ迅速に達成可能となる。
図27A〜Dは、本発明の他の特徴を示すものである。上述では、前記光学アセンブリが、互いに付着している2つの光学要素、すなわち上部レンズ3000及び中間レンズ2000を有するものとして記述されている。好ましくは、上部レンズ3000がトーリックレンズ(円柱、非球形)であり、中間レンズ2000が非トーリックレンズ(球形、多焦点)である。本発明によれば、前記光学アセンブリは、追加の光学要素を含むことができ、上部レンズ3000、中間レンズ2000、追加レンズ4000が光学アセンブリ内で積み重なった構成で提供されてもよい。図27A〜Cでは3つの光学要素(すなわち、レンズ2000,3000,4000)を図示しているが、4,5,6,…12個のレンズが光学アセンブリ内で積み重なった構成で提供されるように、追加レンズが含まれることも本発明の範囲内であることに留意されたい。しかしながら、理解を簡素化するために以下では4つのレンズの場合を述べる。
例えば、図27Aに示すように、もし上部レンズ3000がトーリック(非球形)レンズであり、中間レンズ2000が非トーリックレンズ(球形)であるならば、図示した例では中間レンズ2000とベースレンズ1000との間に設けられる追加レンズ4000は、発色団を追加するか、或いは異なるタイプの光学収差に対応するものとすることができる。レンズ2000,3000,4000は、該レンズ2000,3000,4000が自然の物理的及び/又は化学的特性により本質的に一緒に保持されるような接着性を有する材料から製造されると理解されたい。レンズ2000,3000,4000は更に側面部分2500の上端から半径方向内側に延出するフランジ225によって一緒に保持されることも可能である。フランジ225の例として図16を参照されたい。
また、前記光学アセンブリにおいてレンズ2000,3000,4000が配列される順番を調整、変更することも本発明の範囲に含まれるものである。例えば図27Bに示すように、追加レンズ4000がベースレンズ1000と上部レンズ3000との間に設けられるように、上部レンズ3000と中間レンズ2000を並べ換えることができる。また、単なる一例としてだが、図27Cに示すように、追加レンズ4000をベースレンズ1000から最も遠くに配置することも可能である。
前記光学アセンブリにおいてレンズを配列する順番は、該光学アセンブリにより得られる所望の光学特性に適合するように変更可能である。また、光学アセンブリの各レンズにより提供される、例えば球形、トーリック、発色団、乱視、夜間視力等の光学的矯正の種類は、患者の必要とする光学特性により変更できる。
例えば図27Dに示す実施形態では、中間レンズ2000が上記のようにベースレンズ1000と上部レンズ3000との間に配置される。更に、追加レンズ4000は、中間レンズ2000とベースレンズ1000との間に配置される球面収差を矯正、対応するレンズでもよく、更に他のレンズ5000,6000,7000,8000が中間レンズ2000とベースレンズ1000との間に配置され、該レンズ5000は高次収差を矯正、対応可能であり、レンズ6000は多焦点レンズ、レンズ7000は非球面レンズ、レンズ8000は発色団レンズとすることができる。上記した追加レンズ4000〜7000が矯正、対応する光学的症状のタイプや光学アセンブリ内での位置や配列は、単に一例であることに留意されたく、各レンズが矯正又は対応する光学的症状及び光学アセンブリ内での各レンズの位置は、所望の光学特性を付与するために必要に応じて変更可能であることを意図するものである。例えば、中間レンズ2000がベースレンズ1000と上部レンズ3000との間に設けられ、レンズ4000,5000,6000のいくつかはベースレンズ1000と中間レンズ2000との間に設けられ、他のレンズ7000又は複数のレンズは中間レンズ2000と上部レンズ3000との間に設けられ得ることも本発明の範囲に含まれるものである。もちろん中間レンズ2000及び上部レンズ3000の位置は入換え可能であり、例えば他のレンズ4000,5000,6000,7000の位置も、光学アセンブリにより付与される必要な光学特性に拠って再配列できるものである。
また、レンズ同士の間に空間を配設することも、本発明の範囲に含まれることに留意されたい。一例として図27Dを参照して、例えば符号4000,5000,6000,7000のいずれか1つが、隣接するレンズ同士の間の空間や隙間を表示、図示することが可能である。すなわち、符号6000はレンズではなく、レンズ5000とレンズ7000との間の空間や隙間を画成するものであることも構想される。同様に、しかし本発明の範囲を限定するものではないが、符号5000,7000は、ベースレンズ1000とレンズ6000との間及びレンズ6000とレンズ4000との間の空間や隙間を画成することができるであろう。レンズ同士の間に隙間がないこと、隣接するレンズ同士の間に単一の隙間が形成されていること、光学アセンブリ内の隣接するレンズ同士の間に複数の隙間や空間が形成されていること、また隣接するレンズに対する空間や隙間の順序が任意であることは、本発明の範囲に含まれるものである。
また、隣接するレンズ同士の間にチャンバが形成され、該チャンバが、薬学的及び/又は光学的特性を有する液体状、半固体状、又はゼラチン状の物質を保持又は含有することも本発明の範囲に含まれる。
本発明の光学アセンブリにより患者に付与される所望の光学特性に拠って、ベースレンズ1000が球形レンズ又は非球形レンズであることもまた本発明の範囲に含まれる。
図28に本発明の更に他の実施形態が示されるが、中間レンズ2000及び上部レンズ3000は、これまでは、光学アセンブリの別々の異なるコンポーネントとして記述されてきた。しかしながら、光学アセンブリを形成するようベースレンズ1000に係合する一体の単一のレンズ8000を形成するように、中間レンズ2000と上部レンズ3000とを結合させることも本発明の範囲に含まれるものである。例えば、レンズ8000の底面、すなわち、ベースレンズ1000に最も近いレンズの半部8000bが非トーリック面であるか該面を画成することが可能であり、一方、ベースレンズ1000から最も遠いレンズの上部面8000aがトーリック面であるか該面を画成することが可能である。前記レンズの部分8000a及び8000bの光学特性に関しては、表面を切削加工又は成型加工することによりトーリック、非トーリック、多焦点などの光学特性を付与可能である。外科医は更に眼球内での外科的な配向によりレンズ8000をカスタマイズするが、これは最初の手術時に外科医により決定される。或いは、外科医は、外科医により指定されたように製造者が配向を設定(フルカスタマイズ製造)したフルカスタマイズのフロントレンズアセンブリ2000,3000,4000,5000,6000,7000を使用することも可能である。この場合、外科的な配向は常に同一である。
また、例えば前記ベースレンズ、中間レンズ及び上部レンズを有する光学アセンブリを、手術に先立って外科医が組み立てておくことも本発明の範囲に含まれる。その後に、個々のコンポーネントを1つずつ外科医が挿入するのではなく、前記光学アセンブリ全体を患者の眼球へ挿入することも可能である。
場合によっては、眼内レンズシステムを眼球に移植する手術の後に眼球が治癒する間、眼内レンズシステムの上部レンズが回転する。レンズが回転したかを確認するために、自然光ではヒト眼球により視認不可能な蛍光染料や他の物質又は化学品を外科手術での使用の前に製造者が上部レンズに混入し、図5Aに示すマーク85と同様な配向マークとして機能させることもまた本発明の範囲に含まれる。マーク85の位置としては、前記上部レンズの外周縁のマークや、該レンズの中心部の全体又は部分にわたるラインなどさまざまなものが使用できる。もしそのような回転が発生したならば、前記フロントレンズアセンブリ(中間レンズ2000、上部レンズ3000等)は取り除かれ、外科医の術後の測定に応じて製造者により提供される新たな特注のフロントレンズアセンブリと交換される。最初の手術の後に、前記ベースレンズの配向、従ってフロントレンズアセンブリのそれも、ハプティックの周囲の被膜拘縮により固定されるものである。それゆえに、向上のための2回目の手術においては、配向及び/又は軸配置は、外科医の術後の測定に応じて製造者によりカスタマイズされなくてはならない。これは、フルカスタマイズしたフロントレンズで製造者が配向を決定する代わりの選択肢として、外科医が配向を決定できる最初の手術とは対照的である。フロントレンズアセンブリの交換は、患者の生涯で、最初の手術の後のどの時期にでもいかなる理由でも起こり得るものであり、すなわち、レンズの術後の予期しない回転、多焦点光学のいくつかのケースに見られる光学的歪み、眼球の医学的状態の変化、例えばSMD等などの理由で患者の側に不満がある場合などがあげられる。
而して、本発明によれば、患者の視力に関する特定のニーズに応えるように構成、カスタマイズされた光学アセンブリを患者に提供する、比較的簡略で、製造及び移植が容易な眼内レンズインプラントが提供される。
具体的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明の要旨を超えない限り、種々の変更、修正が可能であり、その要素を均等物で置換可能であることは明らかである。更に、本発明の要旨を超えない限り、個々の状況や材料を本発明の教示に適合させるために、多数の修正を加えることも可能である。従って、この発明は上記に開示された特定の実施形態に限定されるものではないことを意図しており、開示の要旨・範囲内のすべての実施形態を含むものである。
関連出願の相互参照
本願は、2007年1月29日に出願された米国特許出願第11/698,875号の一部継続出願である2007年12月12日に出願された米国特許出願第12/000,364号の一部継続出願である。
発明の背景
[技術分野]
本発明は、眼内レンズシステムを使用して眼の光学系を矯正する方法に関する。特に、本発明は、交換可能で折り畳み可能な眼内レンズシステムを設けた眼の光学系のための、レーザやレンズを作製又は修正する他の装置及び/又は方法を使用して、眼の光学系での光学収差を定量するウェーブフロント又は同様の技術によって測定された焦点異常及び光学収差を矯正する方法に関する。
[関連技術の説明]
屈折矯正手術の分野は、過去数十年の間に急速に発展してきた。屈折矯正外科医により現在使用されている手技及び方法は、患者の屈折矯正に関するすべての要求を満たすものとは言えないであろう。特に、エキシマレーザのフォト・アブレーションなどの極く最近一般化した角膜屈折矯正手術法のみならず、例えば眼内レンズ移植を伴う白内障摘出などの最も広く行われている屈折矯正手術法にも限界がある。これら限界の理由の1つとして、術後の屈折精度に欠けることが挙げられる。術後の屈折精度に欠けるため、一般に知られる屈折矯正手術法は、例えばメガネやコンタクトレンズなどの現在患者が選択できる手術を要さない選択肢に匹敵するものではない。更に、屈折矯正手術は局所又は全身麻酔と眼球の切開を必要とするので、手術の外傷を軽減させる必要がある。
近年、老眼または眼球の調節力の減少に対する効率的な治療が望まれている。老眼は、個々人により症状の重篤度は変わるが、通常高齢により多数の人が罹患する症状である。通常一旦老眼の症状が現れた人は、加齢に従って症状が悪化するので、老眼の治療は困難を伴うものである。症状が悪化するにつれて、その症状を矯正するために、異なる、普通はより強力なレンズが必要とされる。患者の視力が悪化するたびに眼内レンズを交換する従来の手法は、必ずしも実用的或いは経済的な取組みとは言えない。屈折矯正手術分野における近年の発展により、老眼の眼内治療は、視力改善を望む或いは必要とする患者にとって、実現可能な治療法となっているが、屈折矯正眼内手術に使用するより高精度な技術と装置が必要とされている。
眼球の外傷或いは他の眼球障害を有する患者は、眼球の虹彩や他の部分が変形、破壊、又は変色している可能性がある。現在、そのような患者は、通常美容コンタクトレンズを処方されている。美容眼内レンズの移植は、有望な代替法として浮上しているが、眼球外傷を最小限に抑制し、美容眼内レンズ移植を美容コンタクトレンズや他の非外科的処置の安全で効果的な代替法として定着させるために、更に効率的な眼内レンズ移植が必要とされている。外科的手法が更に効果的で安全で痛みを軽減したものとなるにつれて、患者は眼球の色、構造、又は形状を変更するためのレンズ交換の移植手術を受けることを選ぶようになるであろう。以下の実施形態に述べるようにレンズ移植のための侵襲を最小限に抑制した方法を提供することにより、外科医は、手技の欠点を限定することが可能である。
現行の屈折矯正手術の手技及び方法は、実施する外科医が高度の技術と経験を持って手技を行う必要がある。現在、眼内レンズを扱う屈折矯正手術を行う方法及び手技は、一般に眼球内で眼内レンズアセンブリを直接視覚化することを要する。そのような可視化は、当分野の外科医の能力範囲を超えるものではないが、手技の難度を上げるものであり、手術手技に手術ミスや他の問題が起き、望ましくない合併症を引き起こす確率を増加させる。従って、眼球への挿入及び摘出法をより簡素にする構造を有する眼内レンズアセンブリ及びシステムが必要とされている。
現在、最も一般的な屈折矯正手術すなわち通常の白内障手術を行っている屈折矯正白内障外科医は、屈折矯正精度が+/−0.75から+/−1.00の範囲のジオプター(D)を得ている。しかしながら、該産業分野では+/−0.25Dの範囲の屈折矯正精度を得ることを目標としている。従って、該産業分野では現行の手技に替わるより精確な手技を提供することが必要とされている。また、現行の角膜屈折矯正技術を分析すると、手術前と同様、既存の又は自然に起こる術後の画像のゆがみ(光学収差)や劣化が、特に夜間の車の運転時などの低照明条件下では、かなりのレベルで存在することが示唆された。
眼内手術を行う実用的限界と様々な眼内手術中及び手術後のヒト眼球の生物学的及び物理的挙動のために、現実問題として、一度の手術により+/−0.25Dの精度の目標の達成を予測することは困難である。また、生物測定誤差、外傷治癒の変動、眼内レンズの周囲の被膜拘縮などの要因が、望ましい屈折矯正精度の達成の可能性の低下をもたらしている。これらを鑑みて、当該産業分野の従事者は、以下MC−IOL(マルチコンポーネント型)或いはC−IOL(複合型)と呼ぶ、調整可能な眼内レンズ(IOL)が、水晶体摘出手術の後に、屈折矯正外科医と患者に複数の望ましい選択肢を提供することを見出した。
調整可能なIOLは、レンズインプラントの少なくとも1つの光学要素を交換することにより、初期の屈折矯正結果の微調整を可能とする。その結果、+/−0.25Dの範囲の精度は容易に達成可能となっている。また、患者は「古い」レンズコンポーネントを新しい望ましくはより高精度のコンポーネントと交換する機会が与えられている。そのような目的は、もし外科医がレンズ要素交換を効果的で効率的で安全な方法で行えるならば達成可能である。更に、屈折矯正手術の数ヶ月及び/又は数年後に、もし挿入したIOLの光学特性、例えば多焦点性が問題となるならば、外科医は、IOLの望ましくない光学要素を安全に交換して、患者が許容しない又は許容不可能ないかなる光学収差も矯正することができるべきである。
1990年に、本願の発明者は、光学特性が術後いつでも修正可能である、透明水晶体又は屈折矯正白内障手術の後に使用するためのマルチコンポーネント型眼内レンズ(以下、MC−IOLと呼ぶ)を開発した(図1)。MC−IOLの眼内ベースレンズコンポーネントを図1に示す。中間レンズが、ベースレンズ上に取り付けられてMC−IOLの第3のコンポーネントである上部レンズを定位置に保持する。
眼内ベースレンズ10及び中間レンズ20はそれぞれそこから延出する固定用フランジ16,18;20,24を有する。MC−IOLはまた図1に示すように少なくとも1つの上部レンズ30を備える。この上部レンズ30は中間レンズ20の上に配置される(図1,2参照)。
また、MC−IOLは、ヒト眼球の組織中にMC−IOLを固定保持する突起部(又は、ハプティック)11,13を含む。上記構造により、眼内ベースレンズ10は、中間レンズ20が配置されるプラットフォームを形成し、上部レンズ30を保持することが可能となる。通常の白内障手術において、MC−IOLによりヒト眼球の水晶体を置換する。そのような手術の後、患者の眼球が治癒したなら、外科医は眼球に再び侵入し、必要に応じて、何回でも、上部レンズ30及び中間レンズ20を交換し、各光学特性が得られる所望のレベルまで眼球の光学特性を修正する。
図3A及び図3Bは、ヒト眼球中の既存のレンズとともに使用される組立て済みの複合型眼内レンズ(以下、C−IOLと呼ぶ)を示す。C−IOLは、MC−IOLの中間レンズ(図4A及び図4B)及び上部レンズ(図5A及び図5B)コンポーネントと同様の、2つのコンポーネントを有する。また、図5Aには、レンズの位置及び配向決定を補助するために、MC−IOLレンズのいくつかの実施形態で使用される軸配向マーク85が示される。上記既存のレンズとは、眼の光学系の溝(図6)又は前房隅角(図7)に配置されたC−IOLを有する眼球の水晶体であってもよい。しかしながら、C−IOLは、従来のIOLや調節型IOLと共に使用することも可能であり、溝(図8)や前房隅角(図9)、後房支持での前房(図10)、又は虹彩支持での前房(図11)に装着可能である。このように、既存の従来のIOLインプラント又は眼球の水晶体と並列して中間レンズ及び上部レンズを使用することにより、外科医は眼の光学系の光学特性を修正する。
C−IOL及びMC−IOLは、無数の向上した特徴を提供する。例えば、C−IOL及びMC−IOLは、それぞれ単焦点又は多焦点光学系として構成することができ、乱視を矯正し、また紫外線吸収材、着色材、又は他の化学処理を施した材料を含むことができる。
調整可能なMC−IOLやC−IOLがシングルコンポーネントインプラントよりも望ましい理由が多岐にわたることを理解されたい。正常視を獲得するのに必要な、乱視、多焦点及び球面収差のすべての順序と組合せを達成するには、1万個以上のレンズの在庫が必要となるのに対して、MC−IOL(マルチコンポーネント)の概念では約100個のコンポーネント在庫が必要となるであろう。前房レンズでは、隅角内のブドウ膜組織により、術後1〜2年で、レンズのハプティックの進行性被包化や貪食の発生がしばしばみられる。貪食は、通常レンズ及びハプティックの除去をより困難とする。虹彩支持型前房レンズの交換は、通常、正確な位置や配向を保証しない。後房レンズも同様に、後嚢の線維症のため除去することができない。カスタマイズされた正常視システムにとって、容易な除去及び交換可能性は重要な問題であり、それは特殊に設計されたマルチコンポーネントレンズシステムにより提供可能である。
従って、上記に基づいて、1つではなく3つの要素を有するMC−IOLは、レンズ要素数や部品数を最小限に抑え且つ製造者がかかわるカスタマイズをほとんど必要としないで、すべての患者に対して、且つ、すべての屈折矯正エラーに対して、屈折矯正のカスタマイズ化及び調整を可能とする。このように、屈折矯正手術の技術において、外科医が眼内レンズインプラントの屈折矯正力を容易且つ安全にまた正確に修正することができるように手術を個別化及び/又はカスタマイズすることは大変重要となっている。
例えば、O’Donnell,Jr.の米国特許第5,288,293号は、単一のIOLを修正する方法を開示している。O’Donnellは、レンズを製作する前に患者の視力を改善するのに要する矯正の度合いを決定し、眼科医がその場で変更できるように、単一のIOLの屈折矯正力を移植前に変更できるようにすることを示唆している。しかしながら、外科的な移植手技そのものが、手術前に予測不能な更なる光学収差を惹起する可能性があり、最初のレンズ移植ではこれらの光学収差を考慮できない。
而して、O’Donnell,Jr.が示唆したように、レンズを移植前に修正可能であるならば、移植したレンズを取り外し、レンズを修正し、その後修正したレンズを眼の光学系に再移植することにより、移植したレンズを修正することが可能であるはずであると議論することができる。しかしながら、現在の眼内レンズの設計は、通常そのような手技を困難で非実用的なものとしている。また、通常の治癒にかかる時間の後で、眼の組織がレンズの嚢内固定用ホールにいったん固着したら、移植したレンズを取り外すことは患者にとって物理的に危険であり及び/又はほぼ不可能である。従って、そのような議論は、現実的、実用的、或いは安全とはいえない。一般に除去するよう設計されておらず2つの光学面だけを有するシングルコンポーネント眼内レンズは、最初の移植の後に発見される可能性のある、球面度数、円柱度数、円柱軸角度、及びすべてのタイプの光学収差を精確に補償することはできない。これに対して、上記MC−IOLは、通常、これらの光学特性を補償可能な4つの取外し可能な光学面を有する。
本願の発明者は、ヒト眼球又は患者を通常の眼内手術におけるリスク以上のリスクにさらすことなしに、術後の期間に光学要素の容易な交換を可能とするように特に設計された上述したMC−IOL及びC−IOLを発明した。最初にレンズを移植する実際の手術は、移植後に眼球が治癒する過程の多様性とともに、術後数ヶ月の間安定化しないかもしれない歪みを発生させる可能性があるので、光学要素が容易に交換できることは重要である。この歪みを適切に測定し補償することが可能になるのに術後数ヶ月間を要し、通常これより前に予測することは不可能である。最初の手術と2番目の手術の両方で同じ手術創が使用されるので、2番目の手術によって創傷の治癒による歪みが新たに起こることはないと予測される。
また、マルチコンポーネント型や複合型眼内レンズの光学要素を交換することが可能であれば、シングルコンポーネントレンズの取外し、修正及び再移植に比べて、実行がより容易であることのみならず、経済的でもあり得る。
MC−IOLは、2つの平面と2つの凸面の、4つの修正可能な表面を有する。乱視(円柱度数)の矯正や多焦点レンズ面として既に使用されている可能性のある凸面側との干渉を避けるために、修正は平面にのみ施されることが好ましい。また、1つが平面で他が凸面の、2つの修正可能な表面を有するCIOLも同様にすることが好ましい。
また、本願の発明者は、球面度数、円柱度数、又は円柱軸角度における何らかのエラーを補正するために、且つ生物学的治癒パラメータが安定した後に手術した眼球に残存する又は新たな収差を特定するために測定を行い、測定の結果に基づいて移植した光学系内の1つ、2つ又はそれ以上の既存レンズ要素を修正するために、例えば米国特許第6,413,276号に記載されているような、MC−IOLにおける光学収差を矯正するシステムを開発した。
従来のマルチコンポーネント型眼内レンズの設計では、眼内レンズコンポーネント移植に要する手技は、高度の外科医技術を必要とする。例えば、レンズの取り外し可能なコンポーネントの移植には、ノッチをフランジに適合させるために、外科医がレンズの配置を直接視覚化する必要がある。更に、除去可能なレンズコンポーネントの除去には、ベースレンズを把持し、ベースレンズとともに、サンドイッチしたレンズとキャップレンズを一緒に保持しているタブを解除するための、特殊な鉗子器具が必要となる(例えば、米国特許第5,968,094号に記載のシステム参照)。
従来、眼内レンズシステムは硬質の一体型ポリメチルメタクリレート(PMMA)レンズを使用していた。PMMAレンズは直径が約6ミリメートルである。PMMAレンズは硬質であるため、PMMA眼内レンズの挿入には、一般に7〜8ミリメートルの切開を眼球に施す必要がある。これに対して、可とう性のある又は折り畳み可能なレンズは、サイズを大幅に操作、減少することが可能である。サイズを減少したマルチコンポーネント型眼内レンズは、例えば約3ミリメートル以下の比較的小さな切開により設置することが可能である。より小さな切開の使用によって、患者は光学的及び実用的利益を享受する。光学的観点からは、角膜を切開するときはいつでも、切開及びその結果生じた外傷により生じた不完全さにより角膜はその自然な球形性を多少失うことになる。この角膜の不完全さが、乱視または角膜の形状における不規則性により生じる光学収差をもたらす。角膜の切開のサイズを最小限にすることにより、外科医は誘発される乱視のレベルを最小限に抑制することができる。3−コンポーネントデザインは誘発された乱視を矯正する方法を簡素化しはするが、誘発される乱視のレベルを最小限にすることは依然としてすべての眼内手術の主要な目標である。
実用では、より小さな切開を形成することにより、外科医は眼球への実際の外傷の程度を減少させ、合併症の発生を抑制し且つ回復にかかる時間を短縮させている。もし、治癒プロセスの間眼球の自然眼圧により切開を閉じ合わせることが可能なほど切開が小さく、縫合せずに治癒する程度に小さな切開で外科医が眼内手術を行うことが可能ならば、これらの利点はより現実のものとなる。
本発明者の米国特許出願第11/698,875号では、関連技術の上記欠点が解決された。図12〜図16は、米国特許出願第11/698,875号に開示された発明を示す。
例えば、図12Aは、図3に示したMC−IOLのベースレンズと同様の、折り畳み可能な眼内ベースレンズ100の上面又は平面図である。ベースレンズ100は少なくとも1つのハプティック120により眼球に取り付けられるものであり、図12Aにおけるベースレンズ100は少なくとも1つのハプティックによって眼球に固定可能であるが、少なくとも2つのハプティック120を使用することが好ましい。図12Aに示すように、各ハプティック120はベースレンズ100から外方に延出し、ベースレンズを含む平面に対して10度〜20度の範囲でいずれかの方向に、好ましくは15度のプラス方向に傾斜している。
図12Bと後述の図24にも示すように、ベースレンズ100(図24中、1000)はベースレンズ100(図24中、1000)の本体に配設されそこから離れて外方に延出する1つ以上のフランジ105(図24中、1005)を含むことができる。また、各フランジ105(図24中、1005)は、上部レンズ300(図24中、3000)と中間レンズ200(図24中、2000)とのアセンブリを受取・受容するよう設計、構成されたスロット110(図24中、1100)を有することができる。各フランジ105(図24中、1005)及びスロット110(図24中、1100)はベースレンズ100(図24中、1000)の設計の必須の特徴である。MC−IOLの概念により、白内障や透明水晶体の最初の手術での使用にとどまらず、何らかの計算ミスや最初の手術後の時間経過中の生物学的変動や眼球症状における何らかの変化を補償するための、調整や向上のための手術が可能となる。これらの外科的な調整が機能するためには、外科医がフロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)に容易にアクセスできなくてはならない。これを確実にするために、フロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)は溝で嚢の外に配置しておかなくてはならない。他方、ベースレンズ100(図24中、1000)は嚢の中に残置しておく。最初の手術においてMC−IOLを挿入し、嚢の端部をベースレンズ100(図24中、1000)とフロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)の図14Aに示すハプティック210(図24中、2100)との間に配置した後、嚢スネアと呼ばれる特殊な機器により、外科医がフロントレンズアセンブリのハプティック210(図24中、2100)を嚢の端部(最初の手術では6〜7ミリメートルの列嚢が必要)の上に配置してハプティック210,120(図24中、2100,1200)の間に嚢を挟持することが可能であるように、上下に延出するフランジ105(図24中、1005)とそれらに対応するスロット110(図24中、1100)とにより、ベースレンズ100(図24中、1000)とフロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)の図14Aに示すハプティック210(図24中、2100)との間にスペースが確保される。白内障や透明水晶体の手術の後の治癒プロセスの間に、残存する嚢は、上記端部、ハプティック120(図24中、1200)、及びベースレンズ100(図24中、1000)の端部のまわりを「セロファンラップ」する。この「セロファンラップ」により、最初の外科手術が治癒した後に外科医が向上手術に必要とされるベースレンズ100(図24中、1000)のどの表面にアクセスすることをも非常に困難で危険なものとしている。上下に延出するフランジ105(図24中、1005)及び対応するスロット110(図24中、1100)により、フロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)を「セロファンラップ」された後嚢の前に或いは離間した箇所すなわち溝に配置することで、フロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)の外科的除去や交換を大変安全で技術的に容易なものとしている。
すなわち、フランジ105(図24中、1005)及びスロット110(図24中、1100)は、MC−IOLの設計において、向上手術中のフロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)の除去及び置換を容易にするための必須の特徴である。ベースレンズ100(図24中、1000)の端部及びハプティック120(図24中、1200)の周囲での被膜拘縮、すなわち通常の治癒プロセスにより、上下方向のフランジ105(図24中、1005)なしには、外科医は端部及びハプティック210(図24中、2100)にアクセスできない。フランジ105(図24中、1005)及び対応するスロット110(図24中、1100)の構造形態では、溝の中で嚢の前にフロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)が配置されるので、最初の手術が治癒した後の患者の生涯のいかなる時点でも向上手術中フロントレンズアセンブリ200,300(図24中、2000,3000)を除去及び置換するために外科医が容易にアクセスすることを可能にしたり促進したりする。
図13におけるベースレンズは、全外周に沿って延出するよう画成された溝130と、光学的領域150をベースレンズに取り付ける機能を有する複数の取り付け点140とを除いて、上記ベースレンズ100(図12A及び図12B)と同様である。
本発明者の米国特許出願第11/698,875号に開示された折り畳み可能なMC−IOLは、2つ以上の追加の屈折矯正コンポーネント、すなわち、上部レンズ300及び中間レンズ200を含む。図14A及び図14Bに示される中間レンズ200は、通常、球面度数の調整を可能とする一方、上部レンズ300(図15)は乱視矯正を行い、配向突起部305を有する。中間レンズ200は、中間レンズ200の本体から延出する少なくとも1つの突起部210を含むことができ、突起部の形状及び数によってその長さは変更可能である。この中間レンズ200はまた、図14Bに示すように上方に延出しリップ部225で終端する側面部分250を含む。側面部分250及びリップ部225は中間レンズ200の外周に沿って延出し、それによってノッチ230を画成する。
眼球への挿入に先立って、中間レンズ200及び上部レンズ300を単一アセンブリ(図16)として一緒に保持するためにノッチ230と上部レンズ300との間を密封するように、上部レンズ300を中間レンズのノッチ230に係合させる。上部レンズ300を中間レンズ200に挿入したとき、上部レンズ300の起立した突起部又はノッチ305が中間レンズ200に対向するか或いは中間レンズ200からも突出するように、上部レンズ300を配向させる。図5の軸配向マーク85と同様に、ノッチ又は突起部305によって、上部レンズの方角及び軸方向の配向を提供することができる。
レンズ製造者は、乱視を矯正するための所定の軸配向で中間レンズ200及び上部レンズ300を組み立て、その後外科医が眼球の外でフロントレンズアセンブリ200,300とベースレンズ100を組み立て、中間レンズ200がベースレンズ100と上部レンズ300との間に挟まれている1つの折り畳まれたピースとして完成したアセンブリを眼球の中へ挿入する。他の方法としては、外科医は、上部レンズ300と中間レンズ200とのアセンブリを眼球へ挿入し、その後中間レンズ200の突起部210をベースレンズ100の対応するフランジ105のスロット110にスライドさせてアセンブリをベースレンズ100へ取り付けるもので、後者の2つのステップによるアセンブリにより外科的切開をより小さくすることが可能となる。最初の突起部210を、対応する最初のスロット110に収納した後、中間レンズ200に更に突起部がある場合は、外科医は他の突起部210が他のスロット105と整列するまで中間レンズ200及び上部レンズ300を調整する。すべての突起部210がそれらに対応するスロット110に挿入されたら、上部レンズ300と中間レンズ200のアセンブリはベースレンズ100に固定され、手技は完了する。
中間レンズ200及び上部レンズ300から成るアセンブリを交換する必要がある場合には、外科医は以下に記述した取り外し手順を行うことができる。まず、粘弾性材を含有するカニューレを眼球へ挿入し、レンズアセンブリ(中間レンズ200及び上部レンズ300)とベースレンズ100との間の境界面に配置する。粘弾性材の注入により中間200/上部300レンズアセンブリを持ち上げ、ベースレンズ100におけるスロット110への突起部210の係合を解除する。その後、この元のレンズアセンブリを眼球から除去し、新しいレンズアセンブリを、最初の手術で上記したと同様に、眼球に配置しベースレンズ100に取り付ける。
本発明者の米国特許出願第12/000,364号は、本発明者の米国特許出願第11/698,875号に開示された配向とは異なる中間レンズ及び上部レンズの配向を教示している。例えば、米国特許出願第12/000,364号では、中間レンズ及び上部レンズの順番を反転又は逆転させており、ベースレンズが患者の眼球に対して最も後ろ側にある順番で3つのコンポーネントが配向されるように、ベースレンズの上に上部レンズを配置し、その後該上部レンズの上に中間レンズを配置する。中間レンズが患者の眼球に対して最も前側にあり、上部レンズは、ベースレンズと中間レンズとの間すなわち中間に配列されるように、上部レンズはベースレンズ上に配置され、中間レンズは上部レンズ上に配列される。
更に、本発明者の米国特許出願第11/698,875号は、中間レンズが、中間/上部レンズアセンブリを固定保持するように上部レンズの突起部が係合するノッチを含むことを教示しているが、本発明者の米国特許出願第12/000,364号では、例えば、中間レンズが上部レンズと接する少なくとも1箇所に適用される医療用接着剤などの結合手段を使用して、上部及び中間レンズを相互に結合させている。
また、本発明者の米国特許出願第12/000,364号は、中間レンズのハプティックが、上部レンズ(円形構造)を挟持し上部及び中間レンズ(円形構造)を光学アセンブリとして保持する前方及び後方に延出する突起部を有する特徴を教示している。
図17A〜図21に示すように、本発明者の米国特許出願第12/000,364号は、中間レンズ200’及び上部レンズ300’を、それぞれ一緒に単一の一体ユニット又はアセンブリとして結合するために使用される医療用接着剤MAを開示している。例えば、図17B及び図18には、医療用接着剤MAが、中間レンズ200’及び上部レンズ300’を一緒に固定保持するために、中間レンズ200’の側面部分250’の内面250a及び/又は上部レンズ300’の外周面350aに適用される様子を図示している。或いは、図19〜図21に示すように、本発明者の米国特許出願第12/000,364号は、上部及び中間レンズ300’’、200’’を単一ユニット又はアセンブリとして結合するために、医療用接着剤MAが、中間レンズ200’’の上面及び/又は中間レンズ200’’の上面に直接対向している上部レンズ300’’の全下面に全面的に又は選ばれた飛び飛びの部分に沿って適用することも可能なことを教示している。
本発明の特徴の1つは、眼球への配置後に挿脱及び置換可能なコンポーネントを含むマルチコンポーネント型眼内レンズシステムを提供することである。
本発明の他の特徴は、眼球への外傷を最小限に抑制するために折り畳み可能なコンポーネントを含むマルチコンポーネント型眼内レンズシステムを提供することである。折り畳み可能なレンズの広げた状態での直径よりも小さな切開を要する折り畳み可能なレンズの送達システムの使用を可能とすることにより、外傷を最小限に抑制する。
本発明の更に他の特徴は、眼内レンズのコンポーネント挿入のための手術手技を簡略化するように設計されたコンポーネントを含むマルチコンポーネント型眼内レンズシステムを提供することである。本発明の1つの実施形態は、ベースレンズをハプティックにより取り付け、上部レンズと中間レンズとを眼球の外で組み立てるマルチコンポーネント型眼内レンズを含む。
また、本発明は、本発明者の米国特許出願第12/000,364号で使用されている医療用接着剤MAの使用を不用とする。具体的には、本発明のある実施形態は、中間レンズ及び上部レンズを、中間レンズ及び上部レンズが自然に相互に付着するような接着性を有する材料から製造することを含む。例えば、上部レンズ及び中間レンズを製造する材料としては、それに限定されるものではないが、上部レンズ及び中間レンズが、医療用接着剤や他の結合手段をどちらのレンズにも施すことを必要とせずに互いに付着するような自己接着性を有する親水性アクリルが挙げられる。
また、本発明の特徴の1つでは、上部レンズと中間レンズが同一の材料から製造されている。また、上部レンズと中間レンズが異なる材料から製造されていることも、本発明の範囲に含まれる。更に、ベースレンズは、上部レンズ及び中間レンズのどちらか1つ又は両方と同一の材料から作製してもよく、また、ベースレンズは、上部レンズ及び中間レンズが製造されている材料とは異なる材料から作製されていてもよい。例えば、相互に結合した上部レンズ及び中間レンズにより規定される光学アセンブリを親水性材料から作製し、ベースレンズを非親水性材料から作製してもよい。
更に、上部及び中間レンズから構成された光学アセンブリがベースレンズに不必要に付着又は密着することを防ぐために、光学アセンブリがベースレンズに密着又は付着しないように上部レンズ及び中間レンズのうち少なくとも1つ、好ましくは両方の少なくとも非光学的面を処理することによって上部及び中間レンズの自己接着性を無効にすることも本発明の特徴である。そのような処理には、それに限定されるものではないが、光学アセンブリの非光学的面、例えばベースレンズに接触するフランジの表面を非接着性物質でつや消し処理することや、光学アセンブリ及び/又はベースレンズの相互に接触する部分に、光学アセンブリとベースレンズが相互に付着しないように、例えば、ギザギザ付き表面などに表面を修正する表面処理を施すことが含まれる。
また、本発明は、中間レンズ及び上部レンズに更に追加レンズを含むよう光学アセンブリを拡大した特徴を含む。本発明のある特徴は、光学アセンブリを構成する複数のレンズを積み重ね、該光学アセンブリをベースレンズに挿入する。積み重ねた光学アセンブリは複数のレンズを含み、各レンズは異なる光学要素に対応する。例えば、もし中間レンズが球形レンズであり、上部レンズがトーリックレンズであるならば、光学アセンブリの他のレンズは発色団や色に関連する問題に対応矯正し、更に他のレンズは乱視に対応し、他のレンズは近視又は遠視に対応し、一方他のレンズはより高次の光学収差又は球面収差或いはその両方に対応するようにできる。上記追加レンズは、中間レンズのどちらの側に積み重ねてもよく、すなわち、中間レンズ及び上部レンズの間、或いは中間レンズ及びベースレンズの間、或いは上部レンズが中間レンズといずれかの追加レンズとの間にあるように上部レンズの上でもよい。
本発明の眼内レンズシステムは、上部レンズと中間レンズを互いに固定するための特殊な装置や技術を使用することなしに組立てることを可能とする。
本発明の1つの特徴では、折り畳み可能である1つ以上の除去可能なコンポーネントを含む、ヒトの眼の光学系内に移植する修正したマルチコンポーネント型眼内レンズを提供し、2つ以上の除去可能なコンポーネントが使用される場合それらは相互に連結されている。
而して、本発明によれば、ヒト眼球の前部に対向するように構成された前面と、該前面に対してベースレンズの反対側にあってヒト眼球の後部に対向するように構成された後面と、該前面と該後面を連結する周方向側面とを有し、折り畳み可能なベース材料から製造されるベースレンズであって、該ベースレンズの周方向側面に画成された少なくとも1つのノッチと該ノッチに係合するように構成されたフランジとを含むベースレンズと;第1及び第2の折り畳み可能な材料からそれぞれ製造される第1のレンズと第2のレンズとを含み、該第1のレンズが第2のレンズにそれらの間にいかなる材料や物質も存在させずに直接付着している光学アセンブリと;を備え、前記フランジは前記ベースレンズの前面に配設され、その前面に直交してヒト眼球の前部の方へ延出しており、該フランジには該ベースレンズの前面の上方にのみ配置されるスロットが画成され、該ベースレンズが該スロットを介して前記光学アセンブリに選択的に係合することを特徴とする、ヒトの眼の光学系内に移植可能なマルチコンポーネント型眼内レンズが提案される。
また本発明によれば、ヒト眼球の前部に対向するように構成された前面と、該前面に対してベースレンズの反対側にあってヒト眼球の後部に対向するように構成された後面と、該前面と該後面を連結する周方向側面とを有し、折り畳み可能なベース材料から製造されるベースレンズであって、該ベースレンズの該周方向側面に画成された少なくとも1つのノッチと該ノッチに係合するように構成されたフランジとを含むベースレンズと;第1及び第2の折り畳み可能な材料からそれぞれ製造される第1のレンズと第2のレンズとを含み、該第1のレンズと第2のレンズとが、一体となって単一のレンズを形成している光学アセンブリと;を備え、前記フランジは前記ベースレンズの前記前面に配設され、その前面に直交してヒト眼球の前部の方へ延出しており、該フランジには該ベースレンズの前面の上方にのみ配置されるスロットが画成され、該ベースレンズが該スロットを介して前記光学アセンブリに選択的に係合することを特徴とする、ヒトの眼の光学系内に移植可能なマルチコンポーネント型眼内レンズが提案される。
図面において、
図1は、現在公知のマルチコンポーネント型眼内硬質レンズのベース、中間及び上部レンズコンポーネントの分解斜視図である;
図2は、図1に示す現在公知のマルチコンポーネント型眼内硬質レンズのベース、上部及び中間レンズの組み立てた状態での斜視図である;
図3A及び図3Bは、現在公知の2コンポーネント複合型眼内レンズの上面図及び側面図である;
図4A及び図4Bは、それぞれ複合型眼内レンズの中間レンズコンポーネントのあるタイプの上面図及び側面図である;
図5A及び図5Bは、それぞれ複合型眼内レンズの上部レンズコンポーネントのあるタイプの上面図及び側面図である;
図6は、ヒト眼球の毛様体溝内に移植した複合型眼内レンズの側面図である;
図7は、前房隅角を支持体として使用してヒト眼球内に移植した他の複合型眼内レンズの側面図である;
図8は、以前に水晶体嚢に装着、移植した従来のシングルコンポーネント型眼内レンズと共にヒト眼球内に移植した、溝に装着した複合型眼内レンズの側面図である;
図9は、以前に水晶体嚢に装着、移植した従来のシングルコンポーネント型眼内レンズと共にヒト眼球内に移植した、前房に装着した複合型眼内レンズの側面図である;
図10は、以前に水晶体嚢に装着、移植した従来のシングルコンポーネント型眼内レンズと共にヒト眼球内に移植した、後房に固定した支持体上にある前房に装着した複合型眼内レンズの側面図である;
図11は、以前に水晶体嚢に装着、移植した従来のシングルコンポーネント型眼内レンズと共にヒト眼球内に移植した、前房内虹彩支持型複合型眼内レンズの側面図である;
図12Aは、現在公知の折り畳み可能なマルチコンポーネント型眼内レンズのベースコンポーネントの上面図である;
図12Bは、図12Aに示すベースコンポーネントの拡大部分の側面図である;
図13は、現在公知の他の折り畳み可能なマルチコンポーネント型眼内レンズのベースコンポーネントの上面図である;
図14A及び図14Bは、それぞれ現在公知の折り畳み可能なマルチコンポーネント型眼内レンズの置換可能な中間レンズコンポーネントの分解上面図及び分解側面図である; 図15は、現在公知の折り畳み可能なマルチコンポーネント型眼内レンズの上部レンズコンポーネントの分解上面図である;
図16は、上部レンズが中間レンズに挿入された現在公知の光学アセンブリの側面図である;
図17A及び図17Bは、それぞれ現在公知の折り畳み可能なマルチコンポーネント型眼内レンズの置換可能な中間レンズコンポーネントの上面図及び分解側面図である;
図18は、中間レンズが上部レンズに係合する、現在公知の光学アセンブリの側面図である;
図19は、現在公知の光学アセンブリの分解図である;
図20は、組み立てた状態にある、図19に示す光学アセンブリの斜視図である;
図21は、ベースレンズと組み立てた、図20に示す光学アセンブリの斜視図である; 図22は、本発明の1つの実施形態による、上部レンズ及び中間レンズが、両者の間に設ける接着剤を使用せずに、相互に付着している光学アセンブリの斜視図である;
図23は、中間レンズが上部レンズに係合している領域を図示する、図22に示す光学アセンブリの側面図である;
図24は、ベースレンズと組み立てた状態の、図22に示す光学アセンブリの斜視図である;
図25は、非接着性を有するように処理可能な領域を示す、中間レンズの分解側面図である;
図26A及び図26Bは、図25に示した領域の処理方法の例を示す概略図である;
図27A〜図27Dは、光学アセンブリのレンズが配列可能な様々な方法を示した概略図である;
図28は、中間レンズ及び上部レンズが一体となってベースレンズ内に配置される単一のレンズとなっている実施形態の概略図である。
好適な実施態様の詳細な説明
本発明の好適な実施形態によれば、本発明のベースレンズ1000の組立て完成品や最終的な外観は、上記したベースレンズ100,100’’と略同一であることに留意されたい。従って、ベースレンズ100,100’’と共通するベースレンズ1000の多数の特徴の詳細な記述は、重複を避けるためにここでは省略する。
米国特許出願第11/698,875号及び米国特許出願第12/000,364号に開示されているのと同様に、本発明による折り畳み可能なMC−IOLもまた、以下に詳しく記載する、中間レンズ2000及び上部レンズ3000のアセンブリなどの、1つ以上の追加の屈折性コンポーネントを備える。米国特許出願第12/000,364号の中間レンズ200’及び上部レンズ300’と同じく、米国特許出願第11/698,875号の上部レンズ300及び中間レンズ200は、以下に記載する中間レンズ2000及び上部レンズ3000といくつかの顕著な特徴を除いて同様であることに留意されたい。
例えば、米国特許出願第11/698,875号及び米国特許出願第12/000,364号の開示に対する本発明の顕著な特徴の1つは、前記上部レンズ3000及び中間レンズ2000が製造される材料である。本発明において、前記中間レンズ2000及び上部レンズ3000は、好ましくは折り畳み可能な材料、例えば親水性アクリル、疎水性アクリル、シリコーン等から製造されており、親水性アクリルの場合にみられるように、前記中間レンズ及び上部レンズ2000,3000は本来自然に相互付着又は密着するので、米国特許出願第12/000,364号の接着剤MAは不要である。すなわち、図22に示すように、レンズ2000及び3000の対向面の間又は図23に示すように上部レンズ3000の外周面3500aと中間レンズ2000の側面部分2500の内周面2500aとの間に、米国特許出願第12/000,364号の接着剤MAなどを全く設けることなく、前記上部レンズ3000及び中間レンズ2000は相互に付着する。
前記上部レンズ3000及び中間レンズ2000は、好ましくは親水性材料から製造されるが、レンズ2000及び3000は必ずしも同一の親水性材料から製造されなくともよい。例えば、もしレンズ2000及び3000が親水性アクリル材料、疎水性アクリル或いは他の適当な材料から製造されている場合、該材料自然の物理的及び/又は化学的特性は、レンズ2000及び3000が相互に接触しているときはいつでもレンズ2000及び3000を一緒に保持するようなものであることができる。従って、前記レンズ2000及び3000は互いから離間させることが大変困難である。而して、米国特許出願第12/000,364号の接着剤MAは本発明では省略され、前記上部レンズ3000及び中間レンズ2000を含む光学アセンブリの組立ては簡略化、短時間化され、材料が節約され、全体のコストが削減される。
図24に組み立てた状態での本発明の他の特徴の例を示すように、前記光学アセンブリ、すなわち、上部レンズ3000及び中間レンズ2000は、まず製造者によりレンズ2000及び3000を互いに付着することにより組み立てられる。その後、光学アセンブリの中間レンズ2000部分の少なくとも1つ、好ましくは2つの突起部2100を、前記ベースレンズ1000の対応するフランジ1005に形成された対応するスロット1100に貫通し、前記ベースレンズ1000の対応するハプティック1200の部分に重ねる。
本発明によれば、光学アセンブリ、すなわち、上部レンズ3000及び中間レンズ2000は患者の視力の光学特性に適合又は調整させるために他の光学アセンブリと交換可能であるので、光学アセンブリがベースレンズ1000のどの部分にも付着可能でないことが好ましい。換言すれば、ベースレンズ1000と物理的に接触又は重なる光学アセンブリの部分を含む、光学アセンブリの非光学部分は、いかなる接着性能も有さないように処理される。すなわち、光学アセンブリの非光学部分は、光学アセンブリがベースレンズ1000から離脱不能となるようにはベースレンズ1000へ付着、密着できないようになっている。
図25は、上部レンズ3000に係合し、ベースレンズ1000を貫通又は接触する中間レンズ2000の部分の概略図である。前記上部レンズ3000が中間レンズ2000の上部側面部分2500の内面2500aに当接している様子を点線で示している。すなわち、一例として、上部レンズ3000をその上部又は上面に配置した状態を示しているが、下側側面部分2500の内面2500aに当接するように上部レンズ3000を中間レンズ2000の下面に配置することもまた本発明の範囲に含まれるものである。
而して、ベースレンズ1000の部分は、上側又は下側側面部分2500u又は2500lの外面2500b、上側又は下側側面部分2500u又は2500lの上又は下2500e又は2500c、突起部2100の上面2100a、突起部の下面2100b、及び突起部2100の外面2100cに接触することが可能である。
前記接触する可能性のある表面2500b,2500c,2500e,2100a,2100b,2100cには、該表面が接触するベースレンズ1000の対応する部分にそれらの表面が付着可能であることを防止するような処理が施される。
例えば、前記表面2500b,2500c,2500e,2100a,2100b,2100cの少なくとも1つを、いかなる接着性も有さないようにつや消し処理や他の化学処理、或いは物理的に処理することができる。一例として、図26に示すように、突起部2100の上面2100aが、中間レンズ2000がベースレンズ1000に付着可能であることを防止する適当な化学品又は物質によってつや消しF処理される。或いは、図26に示すように、突起部2100の上面2100aには、粗面処理又はギザギザ付き表面Kを有するようにローレット処理が施される。
実際に処理する表面は、前記レンズの実施形態又はその変形例並びにベースレンズ1000に実際に接触又は重なる光学アセンブリの部分により決定されることになる。従って、上に述べたように、処理面は、様々な表面2500b,2500c,2500e,2100a,2100b,2100cの内の任意の表面、任意の組み合わせでよく、該表面2500b,2500c,2500e,2100a,2100b,2100cの処理方法も様々であり得る。また、図26にはギザギザ付き表面Kが示されているが、該当する表面2500b,2500c,2500e,2100a,2100b,2100cを、他の可能な態様を限定するもので決してはないが、ショットピーニング処理、非接着性ポリマーのコーティング等の適当な方法で処理することも本発明の範囲に含まれるものである。
更に、既に上述したように、中間レンズ2000及びベースレンズ1000は、異なる材料、或いは少なくとも相互に接着性のない材料から作製することができる。
図示しないが、ベースレンズ1000の任意の部分に物理的に接触する中間レンズ2000の部分又は上部レンズ3000の部分は、ベースレンズ1000に付着可能ないずれの性質も持たないように処理することも意図していることに留意されたい。
従って、処理可能な表面は前記光学アセンブリの外側部分に限定されるものではなく、レンズ2000及び3000のうち、どちらのレンズがベースレンズ1000の対応する平らな表面に接触しているかに拠り、その最も外側の平らな表面も含むことができる。而して、接触する可能性のある表面2500b,2500c,2500e,2100a,2100b,2100cに、それらの表面が、該表面が接触するベースレンズ1000の対応する部分に付着可能であることを防止する処理を施すことにより、ベースレンズ1000の特徴を損なうことなしに、既存の光学アセンブリを新たな光学アセンブリで交換することが、容易且つ迅速に達成可能となる。
図27A〜Dは、本発明の他の特徴を示すものである。上述では、前記光学アセンブリが、互いに付着している2つの光学要素、すなわち上部レンズ3000及び中間レンズ2000を有するものとして記述されている。好ましくは、上部レンズ3000がトーリックレンズ(円柱、非球形)であり、中間レンズ2000が非トーリックレンズ(球形、多焦点)である。本発明によれば、前記光学アセンブリは、追加の光学要素を含むことができ、上部レンズ3000、中間レンズ2000、追加レンズ4000が光学アセンブリ内で積み重なった構成で提供されてもよい。図27A〜Cでは3つの光学要素(すなわち、レンズ2000,3000,4000)を図示しているが、4,5,6,…12個のレンズが光学アセンブリ内で積み重なった構成で提供されるように、追加レンズが含まれることも本発明の範囲内であることに留意されたい。しかしながら、理解を簡素化するために以下では4つのレンズの場合を述べる。
例えば、図27Aに示すように、もし上部レンズ3000がトーリック(非球形)レンズであり、中間レンズ2000が非トーリックレンズ(球形)であるならば、図示した例では中間レンズ2000とベースレンズ1000との間に設けられる追加レンズ4000は、発色団を追加するか、或いは異なるタイプの光学収差に対応するものとすることができる。レンズ2000,3000,4000は、該レンズ2000,3000,4000が自然の物理的及び/又は化学的特性により本質的に一緒に保持されるような接着性を有する材料から製造されると理解されたい。レンズ2000,3000,4000は更に側面部分2500の上端から半径方向内側に延出するフランジ225によって一緒に保持されることも可能である。フランジ225の例として図16を参照されたい。
また、前記光学アセンブリにおいてレンズ2000,3000,4000が配列される順番を調整、変更することも本発明の範囲に含まれるものである。例えば図27Bに示すように、追加レンズ4000がベースレンズ1000と上部レンズ3000との間に設けられるように、上部レンズ3000と中間レンズ2000を並べ換えることができる。また、単なる一例としてだが、図27Cに示すように、追加レンズ4000をベースレンズ1000から最も遠くに配置することも可能である。
前記光学アセンブリにおいてレンズを配列する順番は、該光学アセンブリにより得られる所望の光学特性に適合するように変更可能である。また、光学アセンブリの各レンズにより提供される、例えば球形、トーリック、発色団、乱視、夜間視力等の光学的矯正の種類は、患者の必要とする光学特性により変更できる。
例えば図27Dに示す実施形態では、中間レンズ2000が上記のようにベースレンズ1000と上部レンズ3000との間に配置される。更に、追加レンズ4000は、中間レンズ2000とベースレンズ1000との間に配置される球面収差を矯正、対応するレンズでもよく、更に他のレンズ5000,6000,7000中間レンズ2000とベースレンズ1000との間に配置され、該レンズ5000は高次収差を矯正、対応可能であり、レンズ6000は多焦点レンズ、レンズ7000は非球面レンズすることができる。上記した追加レンズ4000〜7000が矯正、対応する光学的症状のタイプや光学アセンブリ内での位置や配列は、単に一例であることに留意されたく、各レンズが矯正又は対応する光学的症状及び光学アセンブリ内での各レンズの位置は、所望の光学特性を付与するために必要に応じて変更可能であることを意図するものである。例えば、中間レンズ2000がベースレンズ1000と上部レンズ3000との間に設けられ、レンズ4000,5000,6000のいくつかはベースレンズ1000と中間レンズ2000との間に設けられ、他のレンズ7000又は複数のレンズは中間レンズ2000と上部レンズ3000との間に設けられ得ることも本発明の範囲に含まれるものである。もちろん中間レンズ2000及び上部レンズ3000の位置は入換え可能であり、例えば他のレンズ4000,5000,6000,7000の位置も、光学アセンブリにより付与される必要な光学特性に拠って再配列できるものである。
また、レンズ同士の間に空間を配設することも、本発明の範囲に含まれることに留意されたい。一例として図27Dを参照して、例えば符号4000,5000,6000,7000のいずれか1つが、隣接するレンズ同士の間の空間や隙間を表示、図示することが可能である。すなわち、符号6000はレンズではなく、レンズ5000とレンズ7000との間の空間や隙間を画成するものであることも構想される。同様に、しかし本発明の範囲を限定するものではないが、符号5000,7000は、ベースレンズ1000とレンズ6000との間及びレンズ6000とレンズ4000との間の空間や隙間を画成することができるであろう。レンズ同士の間に隙間がないこと、隣接するレンズ同士の間に単一の隙間が形成されていること、光学アセンブリ内の隣接するレンズ同士の間に複数の隙間や空間が形成されていること、また隣接するレンズに対する空間や隙間の順序が任意であることは、本発明の範囲に含まれるものである。
また、隣接するレンズ同士の間にチャンバが形成され、該チャンバが、薬学的及び/又は光学的特性を有する液体状、半固体状、又はゼラチン状の物質を保持又は含有することも本発明の範囲に含まれる。
本発明の光学アセンブリにより患者に付与される所望の光学特性に拠って、ベースレンズ1000が球形レンズ又は非球形レンズであることもまた本発明の範囲に含まれる。
図28に本発明の更に他の実施形態が示されるが、中間レンズ2000及び上部レンズ3000は、これまでは、光学アセンブリの別々の異なるコンポーネントとして記述されてきた。しかしながら、光学アセンブリを形成するようベースレンズ1000に係合する一体の単一のレンズ8000を形成するように、中間レンズ2000と上部レンズ3000とを結合させることも本発明の範囲に含まれるものである。例えば、レンズ8000の底面、すなわち、ベースレンズ1000に最も近いレンズの半部8000bが非トーリック面であるか該面を画成することが可能であり、一方、ベースレンズ1000から最も遠いレンズの上部面8000aがトーリック面であるか該面を画成することが可能である。前記レンズの部分8000a及び8000bの光学特性に関しては、表面を切削加工又は成型加工することによりトーリック、非トーリック、多焦点などの光学特性を付与可能である。外科医は更に眼球内での外科的な配向によりレンズ8000をカスタマイズするが、これは最初の手術時に外科医により決定される。或いは、外科医は、外科医により指定されたように製造者が配向を設定(フルカスタマイズ製造)したフルカスタマイズのフロントレンズアセンブリ2000,3000,4000,5000,6000,7000を使用することも可能である。この場合、外科的な配向は常に同一である。
また、例えば前記ベースレンズ、中間レンズ及び上部レンズを有する光学アセンブリを、手術に先立って外科医が組み立てておくことも本発明の範囲に含まれる。その後に、個々のコンポーネントを1つずつ外科医が挿入するのではなく、前記光学アセンブリ全体を患者の眼球へ挿入することも可能である。
場合によっては、眼内レンズシステムを眼球に移植する手術の後に眼球が治癒する間、眼内レンズシステムの上部レンズが回転する。レンズが回転したかを確認するために、自然光ではヒト眼球により視認不可能な蛍光染料や他の物質又は化学品を外科手術での使用の前に製造者が上部レンズに混入し、図5Aに示すマーク85と同様な配向マークとして機能させることもまた本発明の範囲に含まれる。マーク85の位置としては、前記上部レンズの外周縁のマークや、該レンズの中心部の全体又は部分にわたるラインなどさまざまなものが使用できる。もしそのような回転が発生したならば、前記フロントレンズアセンブリ(中間レンズ2000、上部レンズ3000等)は取り除かれ、外科医の術後の測定に応じて製造者により提供される新たな特注のフロントレンズアセンブリと交換される。最初の手術の後に、前記ベースレンズの配向、従ってフロントレンズアセンブリのそれも、ハプティックの周囲の被膜拘縮により固定されるものである。それゆえに、向上のための2回目の手術においては、配向及び/又は軸配置は、外科医の術後の測定に応じて製造者によりカスタマイズされなくてはならない。これは、フルカスタマイズしたフロントレンズで製造者が配向を決定する代わりの選択肢として、外科医が配向を決定できる最初の手術とは対照的である。フロントレンズアセンブリの交換は、患者の生涯で、最初の手術の後のどの時期にでもいかなる理由でも起こり得るものであり、すなわち、レンズの術後の予期しない回転、多焦点光学のいくつかのケースに見られる光学的歪み、眼球の医学的状態の変化、例えばSMD等などの理由で患者の側に不満がある場合などがあげられる。
而して、本発明によれば、患者の視力に関する特定のニーズに応えるように構成、カスタマイズされた光学アセンブリを患者に提供する、比較的簡略で、製造及び移植が容易な眼内レンズインプラントが提供される。
具体的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明の要旨を超えない限り、種々の変更、修正が可能であり、その要素を均等物で置換可能であることは明らかである。更に、本発明の要旨を超えない限り、個々の状況や材料を本発明の教示に適合させるために、多数の修正を加えることも可能である。従って、この発明は上記に開示された特定の実施形態に限定されるものではないことを意図しており、開示の要旨・範囲内のすべての実施形態を含むものである。

Claims (28)

  1. 第1の折り畳み可能な材料から製造され、その側面部分に画成された少なくとも1つのノッチと該ノッチに係合するように構成されたフランジとを含むベースレンズと;
    第1及び第2の折り畳み可能な材料からそれぞれ製造される第1のレンズと第2のレンズとを含み、該第1のレンズが該第2のレンズにそれらの間にいかなる材料や物質も存在させずに直接付着している光学アセンブリと;を備え、
    前記第1の折り畳み可能な材料と第2の折り畳み可能な材料とは異なり、何らの相互接着性を有さないものであり、
    前記フランジにはスロットが画成され、前記ベースレンズが該スロットを介して前記光学アセンブリに係合することを特徴とする、ヒトの眼の光学系内に移植可能なマルチコンポーネント型眼内レンズ。
  2. 前記第2の折り畳み可能な材料は、親水性アクリル及び疎水性アクリルの1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の眼内レンズ。
  3. 更に少なくとも1つの軸配向マークが上に設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の眼内レンズ。
  4. 前記第1のレンズは中間レンズであり、前記第2のレンズは上部レンズであることを特徴とする請求項1に記載の眼内レンズ。
  5. 前記中間レンズが前記上部レンズと前記ベースレンズとの間に配設されるか、又は該上部レンズが該中間レンズと該ベースレンズとの間に配設されることを特徴とする請求項4に記載の眼内レンズ。
  6. 前記中間レンズは、外周面から延出し、前記ベースレンズの前記フランジに画成された前記スロットに係合するように構成されている少なくとも1つの突起部を備えることを特徴とする請求項4に記載の眼内レンズ。
  7. 前記少なくとも1つの突起部と前記外周面とのうちの少なくとも1つの露出面が、非接着性領域を含むことを特徴とする請求項6に記載の眼内レンズ。
  8. 前記非接着性領域は、つや消し処理、非接着性ポリマーコーティング処理、ローレット処理、及びショットピーニング処理の1つが施されていることを特徴とする請求項7に記載の眼内レンズ。
  9. 前記光学アセンブリは、追加の折り畳み可能な材料から製造された少なくとも1つの追加レンズを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の眼内レンズ。
  10. 前記少なくとも1つの追加レンズは前記第1のレンズと前記ベースレンズとの間に設けられて該第1のレンズにのみ付着していることを特徴とする請求項9に記載の眼内レンズ。
  11. 前記少なくとも1つの追加レンズは第3のレンズと第4のレンズとを備えることを特徴とする請求項10に記載の眼内レンズ。
  12. 前記第2のレンズは前記第1のレンズと前記ベースレンズとの間に設けられ、前記少なくとも1つの追加レンズは該第2のレンズと該ベースレンズとの間に設けられて該第2のレンズにのみ付着していることを特徴とする請求項9に記載の眼内レンズ。
  13. 前記少なくとも1つの追加レンズは第3のレンズと第4のレンズとを備え、該第3のレンズは該第4のレンズと前記第2のレンズとに付着していることを特徴とする請求項12に記載の眼内レンズ。
  14. 前記少なくとも1つの追加レンズは前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間に設けられ、該第1のレンズと該第2のレンズとの両方に付着していることを特徴とする請求項9に記載の眼内レンズ。
  15. 前記少なくとも1つの追加レンズは第3のレンズと第4のレンズとを備えることを特徴とする請求項14に記載の眼内レンズ。
  16. 前記少なくとも1つの追加レンズは前記第1及び第2のレンズのどちらか1つの上面に設けられ、該第1及び第2のレンズは該少なくとも1つの追加レンズと前記ベースレンズとの間に配設され、該少なくとも1つの追加レンズは該第1及び第2のレンズのうち該ベースレンズから最も離れているものに付着することを特徴とする請求項9に記載の眼内レンズ。
  17. 前記少なくとも1つの追加レンズは第3のレンズと第4のレンズとを含むことを特徴とする請求項16に記載の眼内レンズ。
  18. 前記少なくとも1つの追加レンズは、前記第1のレンズと前記ベースレンズとの間に設けられて該第1のレンズのみに付着している第3のレンズと、該第1のレンズと前記第2のレンズとの間に設けられて該第1のレンズと第2のレンズの両方に付着している第4のレンズとを備えることを特徴とする請求項9に記載の眼内レンズ。
  19. 前記第1のレンズ、前記第2のレンズ及び前記少なくとも1つの追加レンズは各々相互に異なる光学特性を有することを特徴とする請求項9に記載の眼内レンズ。
  20. 前記異なる光学特性は、トーリック、非トーリック、球面収差、高次収差、多焦点、非球面、発色団からなることを特徴とする請求項19に記載の眼内レンズ。
  21. 前記少なくとも1つの突起部は、第1の方向に延びる第1の突起部と該第1の方向と異なる第2の方向に延びる第2の突起部との2つの突起部を含むことを特徴とする請求項6に記載の眼内レンズ。
  22. 前記ベースレンズの表面に接触する前記光学アセンブリの表面が、非接着性領域を含むことを特徴とする請求項21に記載の眼内レンズ。
  23. 前記非接着性領域は、つや消し処理、非接着性ポリマーコーティング処理、ローレット処理、及びショットピーニング処理の1つが施されていることを特徴とする請求項22に記載の眼内レンズ。
  24. 前記ベースレンズは、球形及び非球形の1つであることを特徴とする請求項1に記載の眼内レンズ。
  25. 前記光学アセンブリの前記第1のレンズ及び前記第2のレンズの1つと前記ベースレンズとの間にチャンバが画成されることを特徴とする請求項1に記載の眼内レンズ。
  26. 前記光学アセンブリの前記第1のレンズ及び前記第2のレンズの1つと前記光学アセンブリの前記少なくとも1つの追加レンズ及び前記ベースレンズの1つとの間にチャンバが画成されることを特徴とする請求項9に記載の眼内レンズ。
  27. 前記眼内レンズは前記少なくとも1つの軸配向マークに対して、ヒト眼球内で回転するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の眼内レンズ。
  28. 第1の折り畳み可能な材料から製造され、その側面部分に画成された少なくとも1つのノッチと該ノッチに係合するように構成されたフランジとを含むベースレンズと;
    第1及び第2の折り畳み可能な材料からそれぞれ製造される第1のレンズと第2のレンズとを含み、該第1のレンズと第2のレンズとが、一体となって単一のレンズを形成している光学アセンブリと;を備え、
    前記第1の折り畳み可能な材料と前記第2の折り畳み可能な材料は異なり、何らの相互接着性を有さないものであり、
    前記フランジにはスロットが画成され、前記ベースレンズが該スロットを介して前記光学アセンブリに係合することを特徴とする、ヒトの眼の光学系内に移植可能なマルチコンポーネント型眼内レンズ。
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