JP2012532188A - 良性前立腺肥大症を治療するための組成物 - Google Patents

良性前立腺肥大症を治療するための組成物 Download PDF

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Abstract

良性前立腺肥大症(BPH)を治療するためのデガレリクスを含有する組成物。
【選択図】図1a

Description

本発明は良性前立腺肥大症(BPH)を治療するための組成物およびそれらの組成物を用いたBPHの治療法に関する。
発明の背景
良性前立腺肥大症(BPH)(別名、良性前立腺肥大または良性前立腺性閉塞)は前立腺細胞の異常増殖によってその器官の良性肥大が起こる症状であり、これによって最終的には尿路閉塞および下部尿路症状が起こりうるものである。米国国立衛生研究所によれば、60歳以上の男性の50%以上、70歳以上では90%に上る男性がBPHに罹患している。
BPHは手術によって前立腺組織を切除することによって治療できる。これによって前立腺の物理的な体積が減少し、閉塞および泌尿器症状が低減する。前立腺の経尿道的前立腺切除術(TURP)はBPHによる泌尿器症状の代表的な外科的治療である。この治療は有効であり、忍容性もほぼ良好であるが、尿失禁および逆行性射精などの術後罹患を伴う。結果として、TURPは有効であるが最終手段と見なされており、薬物療法が症候性BPHの第1選択治療とされてきた。
BPH患者の第1の治療目標は下部尿路症状の緩和および疾病の進行、特に急性尿閉および手術必要性のリスクの予防である。進行のリスクは前立腺の体積に直接関連する。従って、前立腺の体積を低減する薬剤は、疾病進行の予防に最大の効果を示すことが明らかになっている。現在、2種類の薬剤、α遮断薬および5α還元酵素阻害剤がBPH治療に認可されている。5α還元酵素阻害剤のみが(単独で、またはα遮断薬との併用で)、前立腺の体積を低減し、急性尿閉およびBPH手術必要性のリスクを予防することが明らかになっている。
現在利用可能な薬剤はBPHにおける下部尿路症状を有意に改善しうるが、相当数の患者にはこの治療が有益ではないか、または忍容性がない。現行の薬物療法による改善の度合い(magnitude)(IPSSスコア(後述)で評価)は、外科的治療で得られる結果に匹敵するものではない(図2参照)。従って、十分な忍容性があり、効果の面で手術に匹敵する、またはそれより優れた、改善された薬物療法が必要とされている。更に、現在利用可能な薬物は、あるとき治療の中止またはコンプライアンス不足に至る既知の副作用を伴う。それらには、α遮断薬では顕著な目まいおよび逆行性射精、5α還元酵素阻害剤ではインポテンスおよび性欲減退がある。従って、改善された安全性プロファイルおよび/または改善された患者のコンプライアンスを有する薬物療法も必要とされている。
発明の概要
本発明の第1の観点では、良性前立腺肥大症の治療のための(治療に使用するための)医薬組成物を提供する;医薬組成物は4mgから79mg(例えば9から33mg)のデガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩(例えば酢酸塩)および溶媒を含有する;ここで、溶媒中のデガレリクスまたはその塩の濃度は5から80mg/mL、例えば10から75mg/mL、例えば20から60mg/mL、例えば25から50mg/mL、例えば35から45mg/mL(例えば40mg/mL)である。
組成物は(当該分野で公知のような、例えばシリンジによる、例えばダブルチャンバーシリンジまたは(例えばインジェクター「ペン」用の)ダブルチャンバーカートリッジによる)注射用であってもよい。
好ましくは、組成物は単回投与用であってもよい。組成物の投与は1回またはそれ以上の投与で、例えば(例えば1から21日(例えば14日)の)間隔をおいた2回投与で行ってもよい。
組成物は賦形剤(例えば糖、例えば糖アルコール、例えばマンニトール)を更に含有してもよい。デガレリクスまたはその塩は賦形剤との共凍結乾燥物(colyophilisate)であってもよい。溶媒は、例えば水、または水とマンニトールの混合物であってもよい。組成物は、例えば4mg、8mg、10mg、15mg、16mg、20mg、24mg、25mg、30mg、32mg、36mg、40mg、45mg、50mg、または64mgのデガレリクスまたはその塩を含有してもよい。組成物は、例えば9から33mgのデガレリクスまたはその塩、例えば10から30mgのデガレリクスまたはその塩、例えば12から28mgのデガレリクスまたはその塩、例えば15から25mgのデガレリクスまたはその塩、例えば17から23mgのデガレリクスまたはその塩を含有してもよい。組成物は、例えば10から40mgのデガレリクスまたはその塩を含有してもよい。組成物は、溶媒中のデガレリクス(またはその塩)の濃度が5、10、15、20、25、30、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、50、55、60、65、70、75、または80mg/mL、好ましくは40mg/mLであってもよい。本発明に係る好ましい組成物は10mg、16mg、20mg、30mg、または32mgのデガレリクス(例えば酢酸デガレリクスとして)および溶媒(例えば水)を含有し、溶媒中のデガレリクス(例えば酢酸塩)の濃度は40mg/mLである。
出願人はGnRHの合成デカペプチド・アンタゴニスト、デガレリクスを開発したが、これは前立腺癌の治療への使用が認可されている。1ヶ月製剤の販売承認(marketing authorisation)/新薬承認申請(new drug application)は2008年2月にFDAおよびEMEAに提出された。販売承認は、2008年12月24日にFDAによって、2009年2月17日にEMEAによって認可された。出願人は、前立腺癌の治療における有効投与量が、テストステロンの血清レベルを去勢レベル未満(すなわち50ng/dL(0.5ng/L)未満の血清中濃度)まで低下させ、血漿中テストステロンをこのレベルに保持する量であることを発見した。それらの投与量は、一般に240mgまたはそれ以上の範囲である。
出願人は、驚くべきことに、これよりかなり低い用量のデガレリクス(例えば10mgから35mgの範囲のデガレリクス)を(例えば40mg/mLの濃度で)溶液として投与することが、良性前立腺肥大症の治療に安全かつ有効であり得ることを発見した。これらの用量レベルでは、治療的に有効なテストステロン抑制が起こると同時に、血漿中テストステロンが去勢レベル未満となる期間(前立腺癌治療にはこれが必要とされるのに反して)および随伴する副作用は最小限に抑えられる。
出願人は、定期的に(例えば3から18ヶ月毎の、例えば6または12ヶ月毎に)投与すると、本発明に係る組成物がBPH治療に有効であり得ることを発見した。従って、例えば30または32mgのデガレリクスおよび水を、デガレリクス/水=40mg/mLの濃度で含有する組成物を、6または12ヶ月毎に投与する。認識されるように、組成物の投与は、例えば15mg(または16mg)のデガレリクスの組成物/投与を2つ/2回、例えば14日の間隔で行ってもよい(また組成物の更なる投与を、例えば12ヶ月後に、1または2回の投与で行ってもよい)。
本明細書で使用する「良性前立腺肥大症の治療」という用語は以下を含む:BPHに伴う下部尿路症状(例えば、いわゆる「蓄尿症状」、例えば頻尿、尿意切迫感、排尿障害、夜間多尿、切迫尿失禁;および/または「排尿症状」、例えば尿勢低下(poor stream)、排尿躊躇、終末尿滴下、残尿(incomplete voiding)、溢流性尿失禁)の1つもしくはそれ以上を緩和するための治療(IPSSスコア(後述)の低下によって表される);疾病の進行を遅延もしくは予防する、および/もしくは急性尿閉のリスクを低下する、および/もしくは手術必要性を低下もしくは遅延するための治療、および/または、前立腺の体積を低減する治療、および/または患者のクオリティーオブライフを向上させるための治療(例えばIPSS−QOL質問表(後述)での改善またはBPH Impact Indexの改善として表される)、および/またはQmax(後述)を改善(増加)するための治療。
本発明の更なる観点では、4mgから79mg(例えば9から33mg)のデガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩(例えば酢酸塩)および溶媒を含有する(医薬)製剤を提供し、ここで溶媒中のデガレリクスまたはその塩の濃度は5から80mg/mL、例えば10から75mg/mL、例えば20から60mg/mL、例えば25から50mg/mL、例えば35から45mg/mL(例えば40mg/mL)である。製剤は賦形剤(例えば糖、例えば糖アルコール、例えばマンニトール)を更に含有してもよい。デガレリクスまたはその塩は賦形剤との共凍結乾燥物であってもよい。溶媒は、例えば水、または水とマンニトールの混合物であってもよい。医薬製剤は、例えば4mg、8mg、10mg、15mg、16mg、20mg、24mg、25mg、30mg、32mg、36mg、40mg、45mg、50mg、または64mgのデガレリクスまたはその塩を含有してもよい。製剤は、例えば9から33mgのデガレリクスまたはその塩、例えば10から30mgのデガレリクスまたはその塩、例えば12から28mgのデガレリクスまたはその塩、例えば15から25mgのデガレリクスまたはその塩、例えば17から23mgのデガレリクスまたはその塩を含有してもよい。製剤は、溶媒中のデガレリクス(またはその塩)の濃度が5、10、15、20、25、30、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、50、55、60、65、70、75、または80mg/mL、好ましくは40mg/mLであってもよい。本発明に係る好ましい医薬製剤は10mg、16mg、20mg、30mg、または32mgのデガレリクス(例えば酢酸デガレリクスとして)および溶媒(例えば水)を含有し、溶媒中のデガレリクス(例えば酢酸塩)の濃度は40mg/mLである。
医薬製剤を(BPHの治療のために)定期的に、例えば3から18ヶ月毎、例えば6ヶ月毎または1年毎に投与してもよい。
本発明の更なる観点では、被験体(subject)における良性前立腺肥大症の治療法を提供する。方法は4mgから79mg(例えば9から33mg、10から40mg)のデガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩(例えば酢酸塩)および溶媒(例えば水)を含有する医薬組成物を被験体に投与する段階を含み、ここで溶媒中のデガレリクスまたはその塩の濃度は5から80mg/mL、例えば10から75mg/mL、例えば20から60mg/mL、例えば25から50mg/mL、例えば35から45mg/mL(例えば40mg/mL)である。好ましくは、組成物は1回投与のためのものである。組成物は1またはそれ以上の投与で、例えば2回の投与で、1から21日(例えば14日)の間隔をおいて投与してもよい。方法は、前の投与の3から18(例えば6から12)ヶ月後に、患者への医薬化合物の投与を少なくとも1回反復することを更に含んでもよい。医薬組成物は賦形剤(例えば糖、例えば糖アルコール、例えばマンニトール)を更に含有してもよい。デガレリクスまたはその塩は賦形剤との共凍結乾燥物であってもよい。
本発明の更なる観点では、4mgから79mg(例えば9から33mg、10から40mg)のデガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩(例えば酢酸塩)および溶媒を含有する組成物(または医薬製剤)を提供する(例えば再構成する(reconstituting))ためのパーツキット(kit of parts)を提供する;ここで溶媒中のデガレリクスまたはその塩の濃度は5から80mg/mL、例えば10から75mg/mL、例えば20から60mg/mL、例えば25から50mg/mL、例えば35から45mg/mL(例えば40mg/mL)であり;パーツキットは(例えば賦形剤との共凍結乾燥物として)デガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩を包含するための1つまたはそれ以上の容器(例えばバイアル、薬剤充填済み注射器など)および溶媒を包含するための1つまたはそれ以上の容器(例えばバイアル、薬剤充填済み注射器など)を(必要により再構成のためのデバイスと共に)含有する。
組成物は賦形剤(例えば糖、例えば糖アルコール、例えばマンニトール)を更に含有してもよい。デガレリクスまたはその塩は賦形剤との共凍結乾燥物であってもよい。溶媒は、例えば水、または水とマンニトールの混合物であってもよい。組成物は、例えば4mg、8mg、10mg、15mg、16mg、20mg、24mg、25mg、30mg、32mg、36mg、40mg、45mg、50mg、または64mgのデガレリクスまたはその塩を含有してもよい。組成物は、例えば9から33mgのデガレリクスまたはその塩、例えば10から30mgのデガレリクスまたはその塩、例えば12から28mgのデガレリクスまたはその塩、例えば15から25mgのデガレリクスまたはその塩、例えば17から23mgのデガレリクスまたはその塩を含有してもよい。組成物は、溶媒中のデガレリクス(またはその塩)の濃度が5、10、15、20、25、30、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、50、55、60、65、70、75、または80mg/mL、好ましくは40mg/mLであってもよい。本発明に係る好ましい組成物は16または30または32または64mgのデガレリクス(例えば酢酸デガレリクスとして)および溶媒(例えば水)を含有し、溶媒中のデガレリクス(例えば酢酸塩)の濃度は40mg/mLである。
本発明の更なる観点では、良性前立腺肥大症を治療するための組成物の調製法を提供し、方法は、4mgから79mg(例えば9から33mg、10から40mg)のデガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩を含有する組成物または医薬製剤を包含する少なくとも1つの第1の容器、および、溶媒(例えば水)を包含する少なくとも1つの第2の容器を組み合わせること(combining)を含み、ここで溶媒中のデガレリクスまたはその塩の濃度は5から80mg/mL、例えば10から75mg/mL、例えば20から60mg/mL、例えば25から50mg/mL、例えば35から45mg/mL(例えば40mg/mL)である。医薬組成物は賦形剤(例えば糖、例えば糖アルコール、例えばマンニトール)を更に含有してもよい。デガレリクスまたはその塩は賦形剤との共凍結乾燥物であってもよい。
図1aは、来院および投与毎のIPSSスコア合計を示すグラフである(開始から42日間の試験)。 図1bは、IPSSのベースラインからの変化を示すグラフである(開始から42日間の試験。6、9、および12ヶ月のフォローアップを含む)。 図1cは、過去1週間の尿路閉塞の症状(残尿感、頻尿、排尿躊躇、尿意切迫感、尿勢低下、腹圧排尿(straining)、夜間多尿)を評価するIPSSの7つの質問(Q1−Q7)を、来院および投与毎のIPSSスコアを表すグラフと共に示す(開始から42日間の試験)。 内科的および外科的治療におけるIPSSスコア変化の比較を示すグラフである(情報源:AUA Guideline on the Management of Benign Prostatic Hyperplasia(2006))。 テストステロン濃度/時間プロファイルから得た薬力学的エンドポイントの概要である。
定義と用語
本明細書で使用する「血漿中濃度」という用語は、「血漿中トラフ濃度」と同義に使用される。
本明細書で使用する「投与する」、「投与」、または「投与すること」という用語は(i)医療従事者もしくは医療従事者の委任代理人によって、または医療従事者の指示に基づいて、デガレリクスを供与、施与、投薬、および/または処方すること、および(ii)患者または人自身によってデガレリクスを投薬、摂取、または注射することをいう。
デガレリクスおよび関連する医薬製剤
デガレリクスは有効なGnRHアンタゴニストであって、GnRHデカペプチド(pGlu-His-Trp-Ser-Tyr-Gly-Leu-Arg-Pro-Gly-NH2)の5位および6位にp−ウレイド-フェニルアラニンを導入した類似体である(Jiangら(2001)J. Med. Chem. 44:453-67)。デガレリクスは選択的GnRH受容体アンタゴニスト(遮断薬)であり、下垂体GnRH受容体に競合的かつ可逆的に結合し、ゴナドトロピン、そして結果としてテストステロン(T)の放出を迅速に低下させる。これは、アンドロゲン欠乏が必要とされる(warranted)前立腺癌患者(前立腺切除または放射線療法を行った後のPSA高値患者を含む)の治療に適応される。GnRHアゴニストとは異なり、GnRH受容体遮断薬は治療開始後の黄体形成ホルモン(LH)の急上昇およびそれに続くテストステロン急上昇/腫瘍刺激、および起こりうる症候性発赤を誘導しない。
活性成分デガレリクスは7つの非天然アミノ酸を含有する合成直鎖デカペプチドアミドであり、うち5つはD−アミノ酸である。原薬は酢酸塩であるが、物質の活性部分は遊離塩基型のデガレリクスである。デガレリクスの酢酸塩は(凍結乾燥後に得られる低密度の)白色からオフホワイト色の非晶質粉末である。化学名はD−アラニンアミド,N−アセチル−3−(2−ナフタレニル)−D−アラニル−4−クロロ−D−フェニルアラニル−3−(3−ピリジニル)−D−アラニル−L−セリル−4−[[[(4S)−ヘキサヒドロ−2,6−ジオキソ−4−ピリミジニル]カルボニル]アミノ]−L−フェニルアラニル−4−[(アミノカルボニル)アミノ]−D−フェニルアラニル−L−ロイシル−N6−(1−メチルエチル)−L−リシル−L−プロリルである。実験式はC821031816Clであり、分子量は1,632.3Daである。デガレリクスの化学構造は既に報告されており(欧州特許第1003774号、米国特許第5,925,730号、米国特許第6,214,798号)、以下の式で表される:
Ac-D-2Nal-D-4Cpa-D-3Pal-Ser-4Aph(Hor)-D-4Aph(Cbm)-Leu-Lys(iPr)-Pro-D-Ala-NH2
投与および用量
デガレリクスは、以下で詳述するように、(一般に腹部における)皮下(静脈内ではなく)投与用に調製してもよい。当然ながら、投与は当該分野で公知の他の方法(例えば筋肉内、経口、経皮など)で行ってもよい。皮下注射によって投与する他の薬剤の場合と同様に、注射部位の不快感に合わせて注射部位を定期的に変更しながら治療を行ってもよい。一般に、注射は患者が圧力を受けない(例えばウエストバンドまたはベルトの近傍や肋骨の付近ではない)部位に施与する。
皮下または筋肉内注射によるデガレリクスの投与は良好に作用するが、毎日の注射は一般的に患者に好まれないため、デガレリクスのデポー製剤を利用してもよい(WO 03/006049および米国特許第20050245455号および第20040038903号に詳述されている)。簡潔に記載すると、デガレリクスの皮下投与はデポー法によって行ってもよく、これはペプチドがゲル様のデポーから(一般に)1から3ヶ月間の期間にわたって放出されるものである。デガレリクス(および関連するGnRHアンタゴニスト・ペプチド)はGnRH受容体に高い親和性を有し、他のGnRH類似体よりはるかに水溶性が高い。デガレリクスおよびそれに関連するGnRHアンタゴニストは皮下注射後にゲルを形成させることができ、このゲルがデポーとして作用し、ここからペプチドが数週間または数ヶ月にわたって放出される。
従って、デガレリクスを注射(例えば上記のデポーを形成するための、例えば皮下注射)用の溶液として(溶媒で)再構成するための粉末として提供してもよい。粉末はデガレリクス(例えば酢酸塩として)およびマンニトールを含有する凍結乾燥物として提供してもよい。好適な溶媒は水(例えば注射用水またはWFI)である。溶媒は、(例えば5mLまたは6mLの溶媒を含有する)容器(例えばバイアル、薬剤充填済み注射器など)に入れて提供してもよい。
例えば、デガレリクスは40mgのデガレリクス(酢酸塩)を含有するバイアル入りで提供してもよい。約1.1mLのWFIで再構成すると、射出可能な溶液の量は1mL(約40mgのデガレリクスを含有)となる。1mLの溶液を(例えば注射によって)投与すると、(約)40mg用量のデガレリクスが40mg/mLの濃度で提供される;0.75mLの溶液を(例えば注射によって)投与すると、(約)30mg用量のデガレリクスが40mg/mLの濃度で提供される;0.625mLの溶液を(例えば注射によって)投与すると、(約)25mg用量のデガレリクスが40mg/mLの濃度で提供される;0.5mLの溶液を投与すると、(約)20mg用量のデガレリクスが40mg/mLの濃度で提供される;0.375mLの溶液を(例えば注射によって)投与すると、(約)15mg用量のデガレリクスが40mg/mLの濃度で提供される;0.25mLの溶液を(例えば注射によって)投与すると、(約)10mg用量のデガレリクスが40mg/mLの濃度で提供される;0.8mLの溶液を投与すると、(約)32mg用量のデガレリクスが40mg/mLの濃度で提供される;0.6mLの溶液を(例えば注射によって)投与すると、(約)24mg用量のデガレリクスが40mg/mLの濃度で提供される;0.4mLの溶液を(例えば注射によって)投与すると、(約)16mg用量のデガレリクスが40mg/mLの濃度で提供される;0.2mLの溶液を投与すると、(約)8mg用量のデガレリクスが40mg/mLの濃度で提供される;そして、0.1mLの溶液を投与すると、(約)4mg用量のデガレリクスが40mg/mLの濃度で提供される。
別の例では、デガレリクスは120mgのデガレリクス(酢酸塩)を含有するバイアル入りで提供し、3mLのWFIで再構成して溶液1mL当たり約40mgのデガレリクスを含有するようにしてもよい;再構成により、約120mgのデガレリクスを含有する溶液3mLが得られる。1mLの溶液を(例えば注射によって)投与すると、(約)40mg用量のデガレリクスが40mg/mLの濃度で提供される;0.4mLの溶液を(例えば注射によって)投与すると、(約)16mg用量のデガレリクスが40mg/mLの濃度で提供される;0.8mLの溶液を(例えば注射によって)投与すると、(約)32mg用量のデガレリクスが40mg/mLの濃度で提供される;1.6mLの溶液を投与すると、(約)64mg用量のデガレリクスが40mg/mLの濃度で提供される。
再構成された注射用液は、視覚的に透明な液体として理解される。
デガレリクスの投与計画は、単回投与(例えば32mgを約40mg/mLのデガレリクス製剤0.8mLの1回注射で投与)であってもよい。一定期間(例えば6または12ヶ月)後に投与を反復し、BPHの「間欠的抑制(intermittent suppression)」を行ってもよい。
あるいはまた、例えば32mg用量(「有効量」)のデガレリクスを、1回目の用量として例えば16mgを約40mg/mLのデガレリクス製剤0.4mLの1回注射で投与し;その14日後に、2回目の用量として例えば16mgを約40mg/mLのデガレリクス製剤0.4mLの1回注射で投与してもよい。一定期間(例えば12ヶ月)後に32mgの「有効量」を反復し(1回投与、または16mgずつの2回投与で)、BPHの「間欠的抑制」治療を行ってもよい。
実施例1−臨床試験
試験デザインの説明
試験の目的は、一時的に短期間だけ血清中テストステロン濃度を去勢レベル(0.5ng/mLと定義される)またはそれ未満まで低下させるための、デガレリクスの可能性を検討することである。有効性の兆候を検知するために、BPHと診断された患者を試験の被験者として選択した。試験集団は以下を示すBPH罹患男性である:前立腺の体積が30mLより大きい、最大尿流量が12mL/s(一部例外あり)、IPSSスコアが少なくとも13、前立腺特異的抗原(PSA)の血清中濃度が10ng/mL未満、そして前立腺癌の兆候(evidence)がない。全体で52名のBPH患者を、無作為に13名ずつ、4つの並行群に振り分けた。
患者に以下の投与のいずれかを無作為に割り当てた:0日目に64mgのデガレリクスを1回注射(以下、「64mg」);0日目および14日目に32mgのデガレリクスを1回ずつ注射(以下、「32+32mg」);0日目に32mgのデガレリクスを1回注射(「32mg」);または、0日目および14日目に16mgのデガレリクスを1回ずつ注射(「16+16mg」)
各患者および投与毎に、5mLの注射用水のアンプル1本およびデガレリクスのバイアル1本(総射出用量120mg)を使用した。再構成には、3mLの注射用水をデガレリクスのバイアルに添加し、40mg/mLの濃度の溶液を得た。以下の容量を投与した:16mg(ずつ)の投与には0.4mL;32mg(ずつ)の投与には0.8mL;または64mgの投与には1.6mL。この用量を腹深部への皮下注射によって投与した。
各患者について、スクリーニング時(例えば−7日)、0日目(「ベースライン」)、14日目、28日目、および42日目に以下のパラメータを(後述の方法によって)測定または評価した:
1]患者からの報告による転帰 − 泌尿器の罹患状態、性機能、および泌尿器症状に起因する総体的なクオリティーオブライフ(QoL)に対するデガレリクスの影響を、患者から報告された質問表(IPSS、IIEF、およびIPSS−総体的QoL(IPSS-global QoL))を用いて評価;および
2]有効性エンドポイント − 最大尿流、排尿後残尿量、および前立腺体積の測定値。
薬力学的エンドポイントの測定も行った。治療期間中のテストステロン、DHT、およびSHBG(遊離テストステロン算出のため)の血清中濃度の定量分析を3重複試験で、液体クロマトグラフィー法(LC−MS/MS)を用い、当該分野で公知の方法によって行った。テストステロンの結果について以下で検討する。
最初の6週間の治療期間で予備的研究を行った後、長期有効性を調べる12ヶ月のフォローアップ期間を開始した。6ヶ月のフォローアップ後の主な有効性変数(IPSS、IPSS−総体的QoL、前立腺体積、尿流、および排尿後残尿量。後述の方法で測定)の中間データを表1、2、3、図1bに、9および12ヶ月でのIPSSデータの一部を図1bに示す。
安全性/副作用
試験中に記録された副作用(データ未掲載)は、一般的によく知られるデガレリクス皮下投与の副作用であり、安全性に関する懸念をもたらすものではなかった。
結果
1.患者からの報告による転帰
泌尿器の罹患状態、性機能、および泌尿器症状に起因する総体的なクオリティーオブライフ(QoL)に対するデガレリクスの影響を評価するため、患者から報告された質問表(IPSS、IIEF、およびIPSS−総体的QoL)を用いた。患者による質問表への解答は、外来の際に標準的な手順に従って行った。
国際前立腺症状スコア(International Prostate Specific Symptom Score)(IPSS)および総体的QoL質問表
IPSSは1991年に米国泌尿器科学会(American Urological Association)によって、BPHに関連する泌尿器症状の重篤度を評価するために開発された(Barry, M.J.ら, The American Urological Association symptom index for benign prostatic hyperplasia. The Measurement Committee of the American Urological Association. J Urol, 1992. 148(5): p. 1549-57; discussion 1564)。臨床試験において広く使用され、広範な検証がなされてきており、その心理測定的特性は、オリジナル・バージョン(過去1ヶ月を回想)、並びに本研究で使用する「急性」バージョン(過去1週間を回想)で十分実証されている。WHOはBPHを評価するためにこの手段を使用することを推奨しており、下部尿路症状の評価のための国際的に容認される標準的な質問表であると見なされる。
患者に、泌尿器症状を評価するためにIPSS質問表を記入するように依頼した。IPSSは患者によって記入される質問表であり、過去1週間の尿路閉塞の症状(残尿感、頻尿、排尿躊躇、尿意切迫感、尿勢低下、腹圧排尿、夜間多尿)を評価するための7つの項目を含む。泌尿器症状についてのそれぞれの質問に0から5までのスコアを付ける(数字が大きいほど特定の症状の重篤度が高い)。従って、スコアの合計は0から35の範囲となる(0−7:軽度;8−19:中度;20−35:重度)。治療期間中のスコアの低下は改善を示す。
IPSSにはQoL(IPSS−総体的QoL)を評価する項目が1つ含まれている。総体的QoL質問はIPSSと同時に開発されたもので、WHOが症状およびQoLの両方の評価のためにIPSSを正式に推奨した1933年に、IPSSの一部として公式に包含されたものである。総体的QoL質問はその試験・再試験信頼性、内部信頼性、構成概念妥当性、感度、および応答性が実証されている。この質問は患者がそれらの症状を煩わしいと感じる度合いを評価する。患者に、現在の前立腺症状を残りの生涯にわたって持ち続けるとしたらどのように感じるかと質問する。このクオリティーオブライフに関する質問への回答の選択肢は「とても満足」(採点=0)から「とてもいやだ」(採点=6)の範囲である。
勃起機能の国際指標(IIEF)
IIEFは、当初は1996−1997年に、勃起障害を有する患者における治療に関連する変化を検出するための、異文化間で使用できる簡易で信頼性が高く、自己評価が可能な性機能測定法を提供することを目的として開発された。この手段は、文献レビューおよび勃起障害患者とそのパートナーへのインタビューに基づいて開発され、37カ国語で言語学的にその正当性が立証されている。これは主要エンドポイントとして、数例のBPH研究を含む50以上の臨床研究で広く使用されてきており、勃起障害の臨床研究における有効性評価のための「金字塔的な」測定基準と見なされる。IIEFは信頼性および妥当性に関して心理測定的基準を満たしており、感度および特異度が高い。
IIEF質問表により、治療に伴う性機能障害を評価した。IIEFは患者によって記入される質問表であり、以下の5つの分野にわたる15の質問を含んでいる:勃起機能(6つの質問)、オルガスム機能(2つの質問)、性欲(2つの質問)、性交満足度(3つの質問)、および全体的な満足度(2つの質問)。質問1−10は0(「性交なし」)から5(「ほとんどいつも、またはいつも」)の6段階評価で採点する。質問11−15は0(「ほとんど、または全くない」)から5(「ほとんどいつも、またはいつも」)の5段階評価で採点する。勃起機能の分野では、0−10点が重度勃起障害;11−16点は中度障害;17−21点が軽度〜中度障害;22−25点が軽度障害;26−30点が障害なしを示す。他の分野も、スコアが高いほど障害が軽い。IIEFは総スコアを算出することはせず、分野のスコアだけを算出する。
結果
IPSSスコア
IPSSスコア合計の平均値は全ての治療群においてデガレリクス投与後の来院で低下し、用量または投与計画への顕著な依存性は見られなかった(表1、図1a)。ベースラインから42日目までの変化の平均値は16+16、32、32+32、および64mg群でそれぞれ−6.1(SD=4.6)、−13.2(SD=6.6)、−9.6(SD=4.7)、および−10.0(SD=5.0)ユニットであった(表1)。すなわち、IPSSスコアの平均値は全ての治療群で42日目に改善した(ただし、16+16mg群は他の3群に比較して改善度が幾分低かった);改善は32mg群で最も顕著であった。予想外に早期の改善開始の所見が14日目にベースラインからの変化として得られた(表1);IPSSスコアの平均値は14日目に全ての治療群で向上した(ただし、16+16mg群は他の3群に比較して改善度がやや低かった);改善は32mg群で最も顕著であった。
6ヶ月のフォローアップ・データを以下で検討する。
図2に既知の内科的および外科的治療におけるIPSSスコアの比較変化を示す(AUA Guideline on the Management of Benign Prostatic Hyperplasia (2006). MR, Ad board and Industry reports)。これは、外科的介入であるTURP(IPSS変化は約−14から−15)が既知の内科的治療、例えばタムスロシン(Tamsulosin)など(図によれば、IPSS変化は最大約−7.5)より優れていることを示している。認識されるように、デガレリクス32mg群が示す−13.2の平均変化はTURPに匹敵するものであり、デガレリクス治療が現在可能な治療(例えばセトロレリクス(cetrorelix)およびオザレリクス(ozarelix))より有意な改善をもたらしうることを示している(Debruyneら, Cetrorelix pamoate, an LHRH antagonist, in the treatment of BPH: randomized, placebo controlled, multicenter study, Urology, 68 (Supplement 5A). PD-02.11,2006年11月; Denes Bら, The efficacy, duration of efficacy and safety of Ozarelix, a novel GnRH antagonist, in men with lower urinary tract symptoms (LUTS) due to benign prostatic hyperplasia (BPH) Urology, 70 (Supplement 3A). MP-20.02,2007年9月)。デガレリクス32mg群で見られた−13.2の平均変化は、セトロレリクス・グルコロネート(glucoronate)での予備試験で得られたものと比較しても有意に優れている(IPSS平均値の最大低下は−5.4から−5.9)(European Urology 54 (2008) 170-180)。留意すべきことに、これらは過去に用いられた比較であって、多くの制限がある;例えば本試験はプラセボを対照とした試験ではなかった。しかしながら、結果は有効性を示している。
平均IPSSスコアの低下に従って、各IPSSカテゴリー中の患者数は全ての治療群で軽度の方にシフトした(ここでも顕著な用量または投与計画依存性は見られなかった)。ベースラインでは全ての患者が「中度」(n=27)または「重度」(n=23)に分類されたが、42日目には「重度」に分類されたのは2名のみであり(32mgおよび64mg群の各1名)、「中度」が31名、残りの17名は「軽度」であった。
図1cに、過去1週間の尿路閉塞の症状(残尿感、頻尿、排尿躊躇、尿意切迫感、尿勢低下、腹圧排尿、夜間多尿)を評価するための7つの質問(Q1〜Q7)を示す。上記のように、それぞれの泌尿器症状についての質問に0から5までのスコアを付ける(数字が大きいほど特定の症状の重篤度が高い)。また図1cに、開始から42日間の試験期間中の来院および投与毎の各質問に関するIPSSスコアを(ベースラインからの変化として)表すグラフを示す。認識されるように、Q1(残尿感)、Q2(頻尿)、およびQ4(尿意切迫感)では、スコアの低下(ベースラインからの変化として)は32mg投与でより顕著である(32mgのスコアは、Q1、Q2、およびQ4のそれぞれで28および42日の時点でグラフの最低ラインを示している)。従って、32mg用量がQ1、Q2、およびQ4に明らかな効果を示すと考えられる。すなわち、32mg用量が質問Q1、Q2、およびQ4のそれぞれで評価される症状の重篤度の顕著な改善に関係すると考えられる。Q3、Q5、Q6、およびQ7は、試験した泌尿器特性に関する更なる情報を提供する。
IPSS総体的クオリティーオブライフ(QoL)
IPSS総体的クオリティーオブライフ(QoL)スコアの平均値は、全ての治療群で顕著な用量または投与計画依存性を示さずに低下した(表2)。42日目のベースラインからの変化の平均値(SD)は、16+16、32、32+32、および64mg群においてそれぞれ−1.2(1.4)、−2.1(3.0)、−2.4(1.9)、および−2.2(1.6)であった。
IPSS−総体的QoL評価は、全てを合わせた群で、ベースライン評価での「いやだ」または「とてもいやだ」(スコア5および6)が48%、「とても満足」、「満足」、または「ほぼ満足」(スコア0−2)が8%から、42日目の評価では「とても満足」、「満足」、または「ほぼ満足」が58%となり、「いやだ」または「とてもいやだ」はわずか12%であった。
6ヶ月のフォローアップ後の有効性に関する中間データが示すところによれば、IPSSスコア合計の平均値(表1、図1b)およびIPSS総体的QoLスコアの平均値(表2)の改善は32mgおよび32+32mg群では42日後とほぼ同じであったが、16+16mgおよび64mg群での改善は顕著ではなかった。32mgおよび32+32mg群でのIPSSスコア合計の平均値の改善は、9および12ヶ月の時点でも観察された(図1b)。IPSSスコア合計に関する知見は、応答者のパーセンテージにも表された;32mgおよび32+32mg群では、16+16mgおよび64mg群に比較してかなり高い割合の患者が6ヶ月後に応答を示した(表1)。これらの知見は、各群における患者数がかなり少ないため(n=4-7)、注意して解釈すべきである。
IIEFスコア
一般的に、IIEFスコアの軽度な低下(すなわち、わずかな悪化)が観察された。これらの影響は、GnRHアンタゴニストに起因するアンドロゲン欠乏の公知の副作用である。しかしながら、各治療群内でかなりの変動があり、IIEFスコアの変化の平均値は小さく、標準偏差よりかなり低かった。従って、これらの結果の解釈は困難である。
2.有効性エンドポイント:最大尿流、排尿後残尿量、および前立腺体積
最大尿流、排尿後残尿量、および前立腺体積を以下の順で評価した:
最大尿流はUropower装置(Wiest、World of Medicine AG社、ドイツ)を用いた流速計測により測定した。この装置は最大尿流に関する国際排尿制御学会(International Continence Society)の基準を満たす。尿流の測定は座位で行った。
排尿後残尿量(PVR)は経腹的超音波検査によって測定した。膀胱に、互いに垂直に交わる2方向から超音波を入射させ、泌尿器科医が設定した3つのカーソル位置を得た。体積を自動計算した。検査は泌尿器科医が公知の方法によって行った。
前立腺の体積は、患者を側臥位とし、経直腸超音波によって測定した。前立腺に、互いに垂直に交わる2方向から超音波を入射させ、泌尿器科医が設定した3つのカーソル位置を得た。体積を自動計算した。検査は泌尿器科医が公知の方法によって行った。
ベースラインと比較した前立腺の体積
経直腸超音波による測定での前立腺の平均体積の低下が、試験期間中、全ての治療群で観察された。変化率が最も顕著だったのは32mgおよび32+32mg群であり、変化が最も少なかったのは16+16mg群であった(表3)。
6ヶ月のフォローアップ外来で、平均前立腺体積の変化に関する群間の差異はほとんど無くなった:64mg群のみは他の3群より変化率が低かった(表3)。
最大尿流
Qmaxは最大尿流率である。これはBPH治験で使用される伝統的なパラメータであり、膀胱出口部閉塞(BOO)の度合いを示す優れた指標である。
平均最大尿流は42日目で、16+16mg(10.0から10.1mL/s)、32+32mg(9.7から42日目では12.2mL/s)、および64mg群(9.1から11.9mL/s)ではベースラインから増加したが、32mg群では平均尿流は低下した(11.7から11.2mL/s)。(標準偏差および範囲(未掲載)に反映されているとおり、)尿流はかなりの群内変動が見られた。患者のうち24名は最大尿流が42日目にベースラインと比較して増加したが、25名の患者は減少し、1名は変化がなかった。試験をしたうち12名の患者は、試験対象患者基準の1つに適合しなかった(尿流>12mL/秒)。更に、結果は明らかに変動的であり、標準偏差が非常に大きかった。平均最大尿流は32mgのデガレリクスを投与した2つの群で低下し、64mgのデガレリクスを投与した2つの群では増加した。しかしながら、変化は小さく、かなり変動のあるものであり、更に、42日目には尿流が増加した患者と減少した患者はほぼ同数であった。最大尿流に関する試験対象患者基準に適合しない患者を除外すると(上記参照)、相対的により多くの患者で尿流が増加し、その割合は20対17となる。従って、平均最大尿流の変化から何らかの結論を出すことは困難である。
排尿後残尿量
排尿後残尿量の平均値は14日目に全ての治療群で低下し、これは明らかに用量依存的であった。32mgおよび32+32mg群では28日目に更に低下したが、42日目にはベースライン値よりは低いものの、それに近い値まで回帰した。標準偏差および範囲に反映されているとおり、尿流はかなりの群内変動が見られた。全ての治療群にわたって、33名の患者では、排尿後残尿量は42日目にベースラインと比較して低下していたが、17名の患者では増加した。
従って、42日目の排尿後残尿量に対する治療効果は顕著ではなかった。平均排尿後残尿量は、全ての群で最初の4週間は経時的な一過性の低下を示したが、6週間後にはベースライン値まで回帰した。それにも拘わらず、42日目には平均値は全ての治療群でベースライン値より低く、32+32mgおよび64mg群は16+16mgおよび32mg群より排尿後残尿量がやや少なかった。しかしながら、排尿後残尿量が増加した患者の比率の点では、用量間で差異は見られなかった。
3.薬力学的エンドポイント
治療期間中の血清中テストステロン濃度の定量分析を3重複試験で、液体クロマトグラフィー法(LC−MS/MS)を用い、当該分野で公知の方法によって行った。薬力学的エンドポイント分析に関連して使用する「ベースライン」という用語は、1回目のデガレリクス投与を行う前の患者の測定値をいう。薬力学的エンドポイント分析に関して使用する「ベースライン域(baseline interval)」という用語は、1回目の投与を行う前に測定した個々のベースライン値±25%をいい、これは過去のデガレリクス試験で観察されたプラセボ群における個体間変動を反映している。
42日目までの測定データに基づくテストステロン濃度−時間プロファイルに関するエンドポイントを図3に示す。これらには以下が含まれる:テストステロンのベースライン下面積;各デガレリクス投与後のテストステロン最少値(Cnadir)およびCnadirの時間(tnadir);テストステロン濃度が0.5ng/mLであった期間のテストステロン面積;テストステロン濃度が0.5ng/mL未満となった期間;ベースライン域に回帰するまでの時間。図3において、ベースラインの上下の部分的に影付きになっている領域がベースライン域であり、その上限および下限を点線で示してある。
結果
以下に結果の概要を示す。
42日目までのデータに基づくテストステロン濃度−時間プロファイル
一過性のテストステロン低下が、患者間でその程度および期間は異なるものの、各デガレリクス投与後に観察された。
各デガレリクス投与後のテストステロンの平均濃度、Cnadir、およびtnadir
以下の群では1日目に平均テストステロン・レベルが最も低くなった:16+16mg群(1.4ng/mL、SD 0.5ng/mL)、32mg群(0.9ng/mL、SD 0.5ng/mL)、および64mg群(0.4ng/mL、SD 0.2ng/mL)。一方、32+32mg群では、平均テストステロン・レベルが最も低くなったのは2回目の投与後である17日目であった(0.4ng/mL、SD 0.3ng/mL)。
ベースラインからの最も大きな変化は、それぞれ、16+16mg群では−4.0ng/mL、32mg群では−4.2ng/mL、32+32mg群では−4.1ng/mL、そして64mg群では−4.7ng/mLであった。
ベースラインに比較して、42日目の平均テストステロン・レベルは以下のように低下した:16+16mg群(4.5ng/mL対5.5ng/mL(ベースライン))、32+32mg群(2.7ng/mL対4.5ng/mL(ベースライン))、および64mg群(3.0ng/mL対5.2ng/mL(ベースライン))。しかし去勢レベルよりは高いままであった。32mg群では、42日目の平均テストステロン・レベルはベースラインに比較してわずかな増加を示した(5.3ng/mL対5.2ng/mL(ベースライン))。
各デガレリクス投与後のテストステロン最少値(Cnadir)の平均値は、低用量群より高用量群の方が低かった:64mg群では0.4ng/mL、32+32mg群では0.6ng/mL(1回目の投与後)および0.4ng/mL(2回目の投与後)であり、一方、32mg群では0.9ng/mL、16+16mg群では1.4ng/mL(1回目の投与後)および2.0ng/mL(2回目の投与後)であった。
Cnadirに対応する時点(tnadir)の平均を算出したところ、高用量群より低用量群の方が早かった:16+16mg群では1回目の投与後1.1日、32mg群では1.3日であり、一方、32+32mg群では1回目の投与後3.2日、64mg群では8.8日であった(テキストの末尾の(EOT)表11)。2回目投与の後、tnadirはわずかに上昇し、16+16mg群および32+32mg群でそれぞれ4.0日および4.3日と算出された。
ベースライン未満であった時のテストステロンのAUC
予想通り、テストステロンのベースラインおよびベースライン域下面積の平均値が最大であったのは32+32mgおよび64mg用量群であった。また、ベースラインおよびベースライン域未満であった平均時間は、これらの用量群のほうが長かった。16+16mg群および32mg群、並びに32+32mg群および64mg群での面積はそれぞれ、ほぼ同等であったが、個体間変動が大きかった。
テストステロン濃度が0.5ng/mL未満であった時間
個々のテストステロン濃度は、全ての被験者および全ての治療群で、各デガレリクス投与後に低下した。50名中22名の患者が、1またはそれ以上の時点で去勢レベル(0.5ng/mL)未満のテストステロン濃度を示した(患者数は、16+16mg群、32mg群、32+32mg群、および64mg群でそれぞれ、2名(15%)、3名(25%)、9名(75%)、および9名(69%)であった。16+16mg群および32mg群では、テストステロン・レベルは5名中4名の患者で2日以内に、残りの患者も4日以内に0.5ng/mL以上に回復した。
32+32mg群中でテストステロンが≦0.5ng/mLであった9名の患者のうち4名は、デガレリクスの1回目投与後にこのレベル未満の濃度であったが、3名の患者は2日以内に0.5ng/mL以上のレベルに回復した。5名の患者は1回目投与後に0.5ng/mL未満に低下しなかったが、2回目の注射後、このレベルに達した。3名の被験者は42日目にテストステロン・レベルが>0.5ng/mLに回復しなかったが、そのうちの1名はデガレリクスの1回目投与後に既にテストステロンが去勢レベルに達していた。
64mg群中でテストステロンが≦0.5ng/mLであった8名の患者のうち5名は、42日目にもこのレベル未満のままであったが、他の3名は5日以内に回復した。
テストステロン・レベルが去勢レベル(0.5ng/mL)未満であった平均時間は、治療群間で実質的な差異があり、16+16mg群は最も短く、64mg群は最も長かった。
各時点でのテストステロン・レベルが0.5ng/mL以下の患者の割合
全ての時点で、32+32mg群および64mg用量群は16+16mg群および32mg群に比較して、テストステロンが去勢レベル(0.5ng/mL)未満である被験者の割合が高く、全ての時点の中で最も割合が高かったのは、32+32mg群では2回目投与後、64mg1回投与群では1回投与後であった。16+16mg群では、2回目投与後に初めて2名の患者が0.5ng/mL未満に低下した。
去勢状態が長かった(すなわち>4日)患者は、テストステロン濃度が0.5ng/mL未満であった期間が5日未満であった患者に比較して、ベースラインのテストステロン濃度がやや低い傾向がわずかに見られた(中央値3.8ng/mL、範囲2.2−6.2ng/mL)。しかしながらそこには考慮すべき重複があり、これは例えばベースライン値が3.57ng/mLであった64mg群の1名の患者が0.5ng/mLに達せず、ベースライン値が6.23ng/mLであった同じ群の別の患者はテストステロン・レベルが0.5ng/mL未満であった期間が長かったことから例証される。
テストステロン・レベルが<0.5ng/mLである時のテストステロンのAUC
テストステロン濃度0.5ng/mL下面積の平均値は、16+16mg群で0.0ng*日数/mL(範囲0.0−0.0)、32mg群で0.0ng*日数/mL(範囲0.0−0.1)、32+32mg群で2.8ng*日数/mL(範囲0.0−15.3)、および64mg群で4.4ng*日数/mL(範囲0.0−15.2)であった。
テストステロンがベースライン域に回帰するまでの時間
1回目投与後に最初にベースライン域まで回帰するまでの平均時間は16+16mg群で6.1(SD=2.8)日、32mg群で9.1(SD=5.2)日、32+32mg群では9.1(SD=2.6)日であった。(2回目投与後に)2回目にベースライン域まで回帰するまでの平均時間は16+16mg群で19.5(SD=33.9)日、32+32mg群で64.2(SD=83.5)日であった。いくつかのテストステロン値は42日目までにベースライン域値まで回帰しなかったので、64mg群におけるベースラインおよびベースライン域までの平均回帰時間の計算値は適用されない。また、16+16mg群および32+32mg群における2回目投与後は、ベースラインおよびベースライン域までの回帰時間の計算値は単に仮定に基づいたものである(すなわち、計算値であって測定値ではない)。
各時点でのテストステロン・レベルがベースライン域以上である患者の割合
ベースライン域下面積およびベースライン域に回帰するまでの時間に関する解析によって得た全体像は、各測定時点における、テストステロン濃度がベースライン域以上である患者の割合によって更に裏付けられた。16+16mg群および32mg群では、32+32mg群および64mg群に比較して、より早い時点でより高い割合となり、また、投与を2回の注射に分割することにより、より多くの患者がより早期にベースライン・レベルまで回帰した。
考察
BPHの症状を有する患者へのデガレリクスの低用量投与によって、予想通り、一般的に血漿中テストステロン濃度は一時的に低下した。テストステロンの低下は用量に関連しており、この知見は総用量64mgのデガレリクスを投与した群では総用量32mgの群に比較して2倍以上のベースライン域下面積を示し、かつ、ベースライン域に回帰するまでの時間がより長かったことによって示されたものである。しかしながら、治療群内で大きな個体間変動が見られた。
テストステロン濃度が去勢レベル(0.5ng/mL)未満に低下した患者の数について、投与したデガレリクスの総用量によって顕著な差異が見られ、64mgでは32mgに比較してより頻度が高く、抑制期間が長かった。更に、1回の注射で投与を行うと、2週間間隔で2回注射を行った場合に比較して、より頻度が高く、抑制期間が長かった。これは、デガレリクスの濃度プロファイル(データ未掲載。オール・イン・ワン注射後のCmaxおよびAUC値は、用量を2回注射に分割した場合より高い)と一致している。「去勢状態にならない」という点から、特に32+32mgの1回目投与からの結果と32mgの1回投与のデータ(前者では2名(15%)の患者が2日未満の間去勢状態となり、後者では8名(33%)の患者が一般に2−4日間去勢状態となった)を考え合わせると、16+16mg投与が最も好ましい投与計画である。
結論
全体的なIPSSスコアおよびIPSS−総体的GoLスコアは、全ての治療群で実質的に改善され、有益な効果を示した。予想外にも、改善は治療の早期(14日)で見られた。全ての治療群で前立腺体積に明らかな効果、排尿後残尿量にわずかな効果があり、最大尿流への効果は明らかではなかった。16+16mg群は他の3群に比較して、全ての有効性パラメータで最も効果が低かった。
デガレリクス投与によって、全ての患者でテストステロン・レベルが低下した。16+16mgおよび32mgデガレリクス投与では、少数の患者でテストステロン濃度が一時的に去勢レベル(0.5ng/mL)未満に低下したが、32+32mg群および64mg投与ではほぼ去勢濃度である期間がより多くの患者でより長い期間見られた。IIEFスコアは全ての治療群で勃起機能のわずかな悪化を示したが、最も顕著であったのは42日目にテストステロン・レベルが去勢レベル未満であった患者らにおいてであった。
全ての治療計画は有益な効果を示したが、64mgおよび32+32mgに伴う負の効果の可能性から、好ましい範囲は10から40mgデガレリクス(投与当たり)、例えば9から33mgデガレリクス/投与、10から30mgデガレリクス/投与であると考えられる。
いずれの用量および投与計画においても、安全性に関する懸念は見られなかった。

Claims (18)

  1. 良性前立腺肥大症を治療するための医薬組成物であり、4mgから79mgのデガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩および溶媒を含有し、溶媒中のデガレリクスまたはその塩の濃度が5から80mg/mLである、上記医薬組成物。
  2. 溶媒中のデガレリクスまたはその塩の濃度が35から45mg/mLである、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 9から33mgのデガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩を含有する、請求項1または2に記載される医薬組成物。
  4. 10から30mgのデガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩を含有する、請求項1、2、または3に記載される医薬組成物。
  5. 溶媒が水である、請求項1〜4のいずれか一項に記載される医薬組成物。
  6. 溶媒中のデガレリクス(またはその塩)の濃度が40mg/mLである、請求項1〜5のいずれか一項に記載される医薬組成物。
  7. 4mgから79mgのデガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩および溶媒を含有する医薬製剤であり、溶媒中のデガレリクスまたはその塩の濃度が5から80mg/mLである、上記医薬製剤。
  8. 溶媒中のデガレリクスまたはその塩の濃度が35から45mg/mLである、請求項7に記載の製剤。
  9. 9から33mgのデガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩を含有する、請求項7または8に記載される製剤。
  10. 10から30mgのデガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩を含有する、請求項7、8、または9に記載の製剤。
  11. 賦形剤を更に含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載される組成物または製剤。
  12. デガレリクスまたはその塩が賦形剤との共凍結乾燥物(colyophilisate)である、請求項11記載の組成物または製剤。
  13. 賦形剤がマンニトールである、請求項11または12に記載される組成物または製剤。
  14. 溶媒が水である、請求項7から12のいずれか一項に記載される製剤。
  15. 溶媒中のデガレリクス(またはその塩)の濃度が40mg/mLである、請求項7から13のいずれか一項に記載される製剤。
  16. 被験体における良性前立腺肥大症を治療する方法であり、被験体に4mgから79mgのデガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩および溶媒を含有する医薬組成物を投与する段階を含み、溶媒中のデガレリクスまたはその塩の濃度が5から80mg/mLである、上記方法。
  17. 4mgから79mgのデガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩および溶媒を含有する組成物または医薬製剤を提供するためのパーツキット(kit of parts)であり、溶媒中のデガレリクスまたはその塩の濃度が5から80mg/mLであり、デガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩を包含するための1つまたはそれ以上の容器および溶媒を包含するための1つまたはそれ以上の容器を、必要により再構成のためのデバイスと共に含有する、上記パーツキット。
  18. 良性前立腺肥大症を治療するための組成物を調製する方法であり、4mgから79mgのデガレリクスまたは医薬的に許容されるその塩を含有する組成物または医薬製剤を包含する少なくとも1つの第1の容器、および溶媒を包含する少なくとも1つの第2の容器を組み合わせることを含み、溶媒中のデガレリクスまたはその塩の濃度が5から80mg/mLである、上記方法。
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