JP2012528126A - アミノポリアルキレンホスホン酸の製造のための方法 - Google Patents

アミノポリアルキレンホスホン酸の製造のための方法 Download PDF

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Abstract

特定の一般式のアミノポリアルキレンホスホン酸の製造のための方法を記載する。特に、製造される化合物と同一の一般式を有する、具体的に画定された範囲の反応物、すなわち亜リン酸; アミン; ホルムアルデヒドおよびアミノポリアルキレンホスホン酸の混合物を反応させて、それにより実質的に減少したレベルの望ましくない副生成物を伴う顕著な選択性および純度の生成物を得る。

Description

本発明は、本明細書における方法に従って製造される化合物のクラスに対応する式を有するアミノポリアルキレンホスホン酸種の具体的に画定されたレベルの存在下で合成反応を行う、アミノポリアルキレンホスホン酸の製造のための有益に改善された方法に関する。本明細書における好ましい局面では、反応混合物に添加されるアミノポリアルキレンホスホン酸は、製造される化合物と構造上実質的に同一である。本発明の製造方法は、選択の比の反応物を使用すること、特に、他の反応物のレベルと比較して大きく、かつ狭い範囲で画定されたレベルのアミノポリアルキレンホスホン酸を使用して、それにより高い均一性、純度および収率の反応生成物を得ることを前提とする。
アミノアルキレンホスホン酸化合物は、当技術分野においては一般に古いものであり、かつ水処理、スケール防止、洗剤添加剤、金属イオン封鎖剤、海洋石油掘削補助剤(marine-oil drilling adjuvant)を含むおよび薬学的構成成分として含む種々の用途に広く商業的に受け入れられていることがわかっている。そのような工業的用途が好ましくは、アンモニア/アミン原料のN-H官能基の大多数が対応するアルキレンホスホン酸に変換されたアミノアルキレンホスホン酸を必要とすることが周知である。したがって当技術分野は、予想されうる通り、満ちており、かつそのような化合物の製造のための方法を有している。アミノアルキレンホスホン酸の最先端の製造は、三塩化リンの加水分解により生じる亜リン酸を変換すること、またはアミン塩酸塩の形態で部分的もしくは全体的に添加することができる塩酸の添加によって亜リン酸を変換することを前提とする。
アミノアルキレンホスホン酸の製造はGB 1.142.294に記載されている。この技術は、亜リン酸反応物源としての三ハロゲン化リン、通常は三塩化リンの排他的使用を前提とする。反応は実際に、相当な量、多くの場合三ハロゲン化リン1モル当たり最大7モルの水の存在を必要とする。水は、三塩化リンを加水分解して、それにより亜リン酸および塩酸を得るために役立つ。30〜60℃の範囲の穏和な温度で行われる反応とそれに続く100〜120℃の短い加熱段階中に、ホルムアルデヒドの損失が生じる。GB 1.230.121は、亜リン酸の代わりに三ハロゲン化リンを使用して一段階工程でアルキレンポリアミノメチレンホスホン酸を作製して、それにより経済的節約を確実にすることができるという点におけるGB 1.142.294の技術の改善を記載している。アミノメチレンホスホン酸の合成は、Moedritzer and Irani, J. Org. Chem., Vol 31, pages 1603-1607 (1966)に記載されている。マンニッヒ型反応および他の学究的な反応機構が実際に開示されている。最適なマンニッヒ条件は、アミン塩酸塩1モル当たり2〜3モルの濃塩酸の使用により例えば生じる低pH値を必要とする。アミン塩酸塩、亜リン酸および濃塩酸の反応物溶液混合物にホルムアルデヒド構成成分を還流温度で滴下する。米国特許第3,288,846号もまた、4未満のpHを有し、アミン、有機カルボニル化合物、例えばアルデヒドまたはケトンを含む水性混合物を形成し、かつ70℃を超える温度に混合物を加熱し、それによってアミノアルキレンホスホン酸を形成することで、アミノアルキレンホスホン酸を調製するための方法を記載している。ハロゲン化物イオンの存在下で反応を行い、それによりオルト亜リン酸のオルトリン酸への酸化を阻害する。WO 96/40698は、水、イミノ二酢酸、ホルムアルデヒド、亜リン酸源および強酸を反応混合物に同時に注入することによる、N-ホスホノメチルイミノ二酢酸の製造に関する。亜リン酸および強酸の供給源は三塩化リンで表される。
さらに、アミノポリアルキレンホスホン酸を調製するための三塩化リンの使用は、それぞれHuaxue Yu Nianhe, 1993 (1), 27-9および1993 34(3), 111-14におけるLongらおよびTangらなどの複数の著者により例示および強調されている。比較可能な技術はまた、ハンガリー特許出願第36825号およびハンガリー特許第199488号により知られる。EP 125766も同様に、塩酸の存在下でのそのような化合物の合成を記載している。
EP 1681295は、不均一ブレンステッド酸触媒の存在下で亜リン酸、アミンおよびホルムアルデヒドを反応させることによる、ハロゲン化水素酸の実質的排除下でのアミノアルキレンホスホン酸の製造を記載している。好適な触媒種は、炭化水素鎖中に6〜24個の炭素原子を有するフッ素化カルボン酸およびフッ素化スルホン酸で表されることができる。EP 1681294は、3.1またはそれ以下のpKaを有する均一酸触媒の存在下で亜リン酸、アミンおよびホルムアルデヒドを反応させることによる、ハロゲン化水素酸の実質的排除下でのアミノポリアルキレンホスホン酸の製造のための方法に関する。酸触媒は、硫酸、亜硫酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、シュウ酸、マロン酸、p-トルエンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸で表されることができる。EP 2 112 156は、均一ブレンステッド酸を含む水性反応媒体にP4O6を添加することによるアミノアルキレンホスホン酸の製造を記載しており、ここで該水性媒体がアミンを含みうるか、または該アミンがP4O6と同時に添加されるか、もしくは該アミンがP4O6添加の完了後に添加され、ここで、該反応媒体のpHが常に5未満に維持され、かつここで反応パートナーである亜リン酸/アミン/ホルムアルデヒド/ブレンステッド酸が具体的に画定された割合で使用される。
日本特許出願57075990は、ホルムアルデヒドとジアミノアルカンおよび亜リン酸とを大きいレベルの濃塩酸の存在下で反応させることによる、ジアミノアルカンテトラ(ホスホノメチル)の製造のための方法を記載している。
酸化リンおよびその加水分解生成物は文献に広範に記載されている。カナダ特許出願第2.070.949号は、ガス状リンおよび水蒸気をガスプラズマ反応域に1500°K〜2500°Kの範囲の温度で導入してそれによりP2O3への変換を実行した後、1500°Kを超える温度の酸化リンを水で1100°K未満の温度に急冷してそれにより良好な純度のH3PO3を得ることによる、亜リン酸または対応するP2O3酸化物の製造のための方法を公開している。別のアプローチでは、US 6,440,380に記載の通り、酸化リン(V)の接触還元によって酸化リン(I)および(III)を調製することができる。これらの酸化物を加水分解して、それにより亜リン酸を得ることができる。EP-A-1.008.552は、元素リンをアルコールの存在下で酸化してP(III)およびP(V)エステルを得た後、亜リン酸エステルを選択的に加水分解して亜リン酸にすることによる、亜リン酸の調製のための方法を開示している。WO 99/43612は、高選択性でのP(III)オキシ酸の調製のための接触的方法を記載している。亜リン酸酸化(phosphorous oxidation)レベルまでの元素リンの接触酸化はまた、米国特許第6,476,256号および同第6,238,637号により知られる。
DD 206 363は、P4O6を水によって木炭触媒の存在下で亜リン酸に変換するための方法を開示している。木炭は、不純物、特に未反応元素リンを分離するために特に役立ちうる。DD 292 214はまた、亜リン酸を調製するための方法に関する。この方法は本質的に、元素リン、酸化剤ガスおよび水を反応させた後、反応混合物を好ましくは1600〜2000°Kの温度で2つの加水分解段階、すなわち1:10〜50のP4:H2Oのモル割合の出発物向けの段階に供し、続いて最小量の添加された水の存在下、283〜343°Kの温度で加水分解反応を完了させることによる、亜リン酸の調製を具体化する。
しかし、まったく一般的には、P4O6は市販されておらず、商業的に応用されていない。アミノアルキレンホスホン酸の製造のために使用される実際の技術は、塩酸の存在、揮発性およびHClによる同伴が理由のPCl3の損失、ならびに塩素含有副生成物、例えば塩化メチルの形成にわたったその周知の欠点を伴うPCl3加水分解に基づく。
アミノポリアルキレンホスホン酸に関する技術は多様であり、数十年間にわたる研究開発努力を表すものであるが、この技術は基本的に過去のものにとどまっており、著しい改善を利用可能にすることが強く望まれている。
本発明の主要な目的は、著しく改善された生成物を実現することが可能なアミノポリアルキレンホスホン酸(APAP)製造技術を作製することにある。本発明の別の目的は、優れた生成物を生じさせることが可能な実質的に単純化されたAPAP製造アレンジメントを提供することにある。本発明のさらに別の目的は、触媒の除去、単離または破壊を必要としない製造順序を提供することを目的とする。さらに別の全体的な目的は、ハロゲン化水素酸の実質的排除下ですべての前述の利点を達成することに関する。本発明はまた、P(III)オキシドから出発して、列挙される有利な特性を有するAPAPを合成することを目的とする。
本出願を通じて使用する「パーセント」または「%」という用語は、別に定義されない限り、「重量パーセント」または「重量%」を意味する。「ホスホン酸」および「ホスホネート」という用語も、当然、媒体に一般的なアルカリ度/酸性度条件に応じて互換的に使用される。「ppm」という用語は「百万分率」を意味する。「P2O3」および「P4O6」という用語は互換的に使用可能である。別に定義されない限り、pH値は、反応媒体自体上、25℃で測定される。「アミノポリアルキレンホスホン酸」における「ポリ」という用語は、少なくとも2個のアルキレンホスホン酸成分が化合物中に存在することを意味する。「亜リン酸」という呼称は、亜リン酸自体を、P4O6から出発してインサイチューで調製される亜リン酸を、あるいはPCl3から出発する精製された亜リン酸を、またはPCl3とカルボン酸、スルホン酸もしくはアルコールとの反応によって対応する塩化物を作製することで得られる精製された亜リン酸を意味する。「アミン」という用語は、アミン自体およびアンモニアを包含する。「ホルムアルデヒド構成成分」という用語は、厳密な意味でのホルムアルデヒド、アルデヒドおよびケトンを互換的に示す。アミノ酸という用語は、D形態、L形態およびDL形態でのアミノ酸、ならびにD形態およびL形態の混合物を意味する。「置換されていてもよい」という用語は、特定の基が非置換であるかまたは可能な置換基の群より独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換されていることを意味する。
「液体P4O6」という用語は、液体状態のP4O6、固体P4O6および気体P4O6を包含する。温度および圧力に関する「周囲」という用語は、海水面で通常一般的な大気条件を意味し、例えば、温度は約18℃〜25℃であり、かつ圧力は990〜1050mmHgを意味する。
列挙されたおよび他の目的は、製造されるアミノポリアルキレンホスホン酸と同一の構造式を有するアミノポリアルキレンホスホン酸の存在下で亜リン酸、アミンおよびホルムアルデヒドを反応させることによる、特定の構造式を有するアミノポリアルキレンホスホン酸の製造のための方法によって今や達成することができる。詳細には、本出願人は、システム、すなわち反応媒体にとって異質な触媒の実質的排除下でアミノポリアルキレンホスホン酸を合成し、それによって実質的に減少したレベルの副生成物を伴う高い選択性および純度の生成物を得るための新規製造方法を今や発見した。特許請求される本発明は、一般式(I)
(X)a[N(W)(Y)2-a]z (I)
を有するアミノポリアルキレンホスホン酸の製造のための方法であって、
式中、Xは、1個または複数個のC1〜C12の直鎖状基、分岐状基、環状基または芳香族基で置換されていてもよいC1〜C200000、好ましくはC1〜C50000、最も好ましくはC1〜C2000の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基より選択され、これらの基はOH成分、COOH成分、COOG成分、F成分、Br成分、Cl成分、I成分、OG成分、SO3H成分、SO3G成分および/もしくはSG成分; ZPO3M2; [V-N(K)]n-K; [V-N(Y)]n-Vまたは[V-O]x-Vで置換されていてもよく; Vは、1個または複数個のC1〜12の直鎖状基、分岐状基、環状基または芳香族基で置換されていてもよいC2〜50の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基より選択され、これらの基はOH成分、COOH成分、COOR'成分、F/Br/Cl/I成分、OR'成分、SO3H成分、SO3R'成分および/またはSR'成分で置換されていてもよく、R'はC1〜12の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、Gは、1個または複数個のC1〜C12の直鎖状基、分岐状基、環状基または芳香族基で置換されていてもよいC1〜C200000、好ましくはC1〜C50000、最も好ましくはC1〜C2000の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基より選択され、これらの基は、OH成分、COOH成分、COOR'成分、F成分、Br成分、Cl成分、I成分、OR'成分、SO3H成分、SO3R'成分および/もしくはSR'成分; ZPO3M2; [V-N(K)]n-K; [V-N(Y)]n-Vまたは[V-O]x-Vで置換されていてもよく; YはZPO3M2、[V-N(K)]n-Kまたは[V-N(K)]n-Vであり; かつxは1〜50000の整数であり; zは0〜200000であり、したがってzはX中の炭素原子の数またはそれ以下であり、かつaは0または1であり; nは1〜50000の整数であり; a=0の場合、z=1であり; かつz=0およびa=1の場合、Xは、nが1〜50000の整数である[V-N(K)]n-K、またはnが2〜50000の整数である[V-N(Y)]n-Vであり;
Zはメチレン基であり;
MはH、プロトン化アミン、アンモニウム、アルカリおよびアルカリ土類のカチオンより選択され;
WはZPO3M2であり;
KはZPO3M2であり、
該方法が、
(a) 亜リン酸またはその水溶液;
(b) アミンまたはその水溶液;
(c) ホルムアルデヒド構成成分またはその水溶液; および
(d) アミノポリアルキレンホスホン酸またはその水溶液
から出発し、(a)、(b)および(d)を混合した後にホルムアルデヒド構成成分(c)を添加し、
45℃〜200℃の温度で1分間〜10時間反応を行い、それにより該アミノポリアルキレンホスホン酸を得る方法であり、
該アミンが、一般式(II)
(X)b[N(W)(H)2-b]z (II)
を有し、
式中、Xは、1個または複数個のC1〜C12の直鎖状基、分岐状基、環状基または芳香族基で置換されていてもよいC1〜C200000、好ましくはC1〜50000、最も好ましくはC1〜2000の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基より選択され、これらの基は、OH成分、COOH成分、COOG成分、F成分、Br成分、Cl成分、I成分、OG成分、SO3H成分、SO3G成分および/もしくはSG成分; H; [V-N(H)]x-Hまたは[V-N(Y)]n-Vまたは[V-O]x-Vで置換されていてもよく; Vは、1個または複数個のC1〜12の直鎖状基、分岐状基、環状基または芳香族基で置換されていてもよいC2〜50直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基より選択され、これらの基はOH成分、COOH成分、COOR'成分、F/Br/Cl/I成分、OR'成分、SO3H成分、SO3R'成分および/またはSR'成分で置換されていてもよく、R'はC1〜12直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基であり; Gは、1個または複数個のC1〜C12の直鎖状基、分岐状基、環状基または芳香族基で置換されていてもよいC1〜C200000、好ましくはC1〜C50000、最も好ましくはC1〜C2000の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基より選択され、これらの基は、OH成分、COOH成分、COOR'成分、F成分、Br成分、Cl成分、I成分、OR'成分、SO3H成分、SO3R'成分および/もしくはSR'成分; H; [V-N(H)]n-H; [V-N(Y)]n-Vまたは[V-O]x-Vで置換されていてもよく; YはH、[V-N(H)]n-Hまたは[V-N(H)]n-Vであり、かつxは1〜50000の整数であり、nは0〜50000の整数であり; zは0〜200000であり、したがってzはX中の炭素原子の数またはそれ以下であり、かつbは0または1であり; b=0の場合、z=1であり; かつz=0およびb=1の場合、Xは[V-N(H)]x-Hまたは[V-N(Y)]n-Vであり、nは1〜50000の整数であり; XがHである場合、z=1であり、
WはHであり、
該アミノポリアルキレンホスホン酸(d)が、製造される該アミノポリアルキレンホスホン酸の一般式と同一の一般式を有し、
(a) 亜リン酸、(b) アミン、(d) アミノポリアルキレンホスホン酸および(c) ホルムアルデヒド構成成分の比が、
(a):(b)=0.05:1〜2:1;
(c):(b)=0.05:1〜5:1;
(c):(a)=5:1〜0.25:1; および
(b):(d)=30:1〜1:2
であり、
ここで(a)および(c)がモル数を意味し、かつ(b) が、モル数に該アミン中のN-H官能基の数を掛けた数を表し、かつ(d)が、モル数で表される均一アミノポリアルキレンホスホン酸を意味する、方法に関する。
好ましい比は、以下の通りである。
(a):(b)=0.1:1〜1.50:1;
(c):(b)=0.2:1〜2:1; および
(c):(a)=3:1〜0.5:1。
特に好ましい比は、
(a):(b)=0.4:1〜1.0:1.0;
(c):(b)=0.4:1〜1.5:1; および
(c):(a)=2:1〜1.0:1
である。
アミノポリアルキレンホスホン酸(d)に関する好ましい比は、
(b):(d)=20:1〜1:2
であり;その点において特に好ましくは、
(b):(d)=10:1〜1:2
である。
本明細書における方法の好ましい一態様では、均一アミノポリアルキレンホスホン酸触媒(d)を不均一ブレンステッド酸触媒と共に使用し、部分的にそれによって置換することができる。
均一触媒とは、反応条件下で反応媒体中に単一の液相を形成するように適応した触媒のことである。周囲条件で、例えば20℃で反応媒体に不溶性または不混和性であり、したがって不均一である触媒は、例えば反応温度で混和性または可溶性になることができ、したがって「均一」であると認められうると理解される。不均一という用語は、酸触媒が反応条件において反応媒体に実質的に不溶性であるか、または反応条件において反応媒体に実質的に不混和性であり、したがって液体であることを意味する。触媒の不溶性および/または不混和性は、例えば目視観察に基づいて日常的に確認することができる。酸触媒は、例えば不溶性酸の濾過または不混和性酸の相分離などの公知の技術によって反応媒体から回収することができる。
具体的には、ホスホン酸触媒(d)を、アミノポリアルキレンホスホン酸触媒(d)と不均一ブレンステッド酸との混合物で置換することができ、ホスホン酸(d)は、全プロトン当量に基づいて表されかつ以下に示す通りに算出される、(d)および不均一ブレンステッド酸の混合物の50%またはそれ以上である。特定の一つの実施では、触媒(d)のプロトン当量の90〜60%がアミノポリアルキレンホスホン酸に、10〜40%が不均一ブレンステッド酸に由来しうる。不均一ブレンステッド酸によるホスホン酸(d)の部分的置き換えは以下の通りに表すことができる。アミノポリアルキレンホスホン酸の部分的置き換えとしての不均一ブレンステッド酸におけるプロトン当量数は、置き換えられるアミノポリアルキレンホスホン酸のモル数に、ホスホン酸中のPO3H2基の数からアミノポリアルキレンホスホン酸触媒中の窒素原子数を引いた数を掛けた数より算出することができる。この関係を下記式で表すことができる。
置き換えられるアミノポリアルキレンホスホン酸のモル数 = APPm;
ホスホン酸中のPO3H2基の数 = PHm;
アミノポリアルキレンホスホン酸触媒中の窒素原子数 = Nm;
APPm(PHm - Nm)。
(d)の部分的置き換えとして使用される不均一ブレンステッド酸は、以下の群より選択することができる。
(1) 固体酸性金属酸化物の組み合わせ自体、または担体材料上に支持された該固体酸性金属酸化物の組み合わせ;
(2) SO3H成分を芳香族基上にグラフトするように官能化された、スチレン、エチルビニルベンゼンおよびジビニルベンゼンの共重合体、ならびに過フッ素化(perfluorinated)樹脂を含む群より選択される、カチオン交換樹脂;
(3) 反応温度において反応媒体に実質的に不混和性である、有機のスルホンブレンステッド酸およびカルボンブレンステッド酸;
(4) (i) 有機ブレンステッド酸が固体支持体上に堆積される、孤立電子対を有する該固体支持体の相互作用; または
(ii) ルイス酸部位を有する化合物が固体支持体上に堆積される、孤立電子対を有する該固体支持体の相互作用;
(iii) ブレンステッド酸基またはその前駆体による化学的グラフトによって官能化された、不均一固体
に由来する、酸触媒、ならびに
(5) Pがリンおよびケイ素より選択され、かつMがWおよびMoならびにそれらの組み合わせより選択される、一般式HxPMyOzの不均一ヘテロポリ酸。
ブレンステッド特性とは、プロトンを供給する能力を表す。ブレンステッド酸性度はまた、配位パートナー中、例えば水中での孤立電子対を有する触媒上のルイス部位の配位後のルイス酸特性に由来しうる。ブレンステッド酸性度は、孤立電子対を有しかつルイス酸が配位可能なブレンステッド酸触媒前駆体、例えばシリカへのルイス酸、例えばBF3の添加にも由来しうる。
任意の所与の酸のブレンステッド特性は容易にかつ日常的に確認可能である。一例として、ブレンステッド酸性度を熱安定性無機生成物について、R.J. Gorte et al., J.Catal. 129, 88, (1991)および138, 714, (1992)の方法に従うイソプロピルアミンの熱脱離とそれに続く微量天秤の使用によって例えば決定することができる。
不均一ブレンステッド酸特性は、一例としては、以下の任意選択されるサブクラスの種で表されることができる。すなわち、
(1) シリカ、炭素、シリカ-アルミナの組み合わせまたはアルミナなどの通常の担体材料上に支持されうる酸性金属酸化物の組み合わせで表される、固体触媒。これらの金属酸化物の組み合わせは、それ自体でまたは無機酸もしくは有機酸のドーピングによって、使用することができる。このクラスの触媒の好適な例としては、非晶質シリカ-アルミナ、酸性粘土、例えばスメクタイト、無機酸または有機酸処理粘土、柱状粘土、通常はプロトン形態のゼオライト、ならびに金属酸化物、例えば約1:1モルの組み合わせのZrO2-TiO2、および硫酸化金属酸化物、例えば硫酸化ZrO2がある。モル比で表される金属酸化物の組み合わせの他の好適な例はTiO2-SiO2 1:1比; およびZrO2-SiO2 1:1比である。
(2) アミン、亜リン酸およびホルムアルデヒドの反応を行うための酸触媒として、いくつかの種類のカチオン交換樹脂を使用することができる。最も一般的には、そのような樹脂は、SO3H基を芳香族基上にグラフトするように官能化されたスチレン、エチルビニルベンゼンおよびジビニルベンゼンの共重合体を含む。そのような樹脂は、数多くの商業的製造、例えばメタノールおよびイソブテンからのメチルt-ブチルエーテル製造、またはアセトンおよびフェノールから出発するビスフェノールA製造における酸性触媒として使用される。これらの酸性樹脂は、異なる物理的構成、例えばゲル形態、大網状(macro reticulate)構成、あるいはシリカもしくは炭素またはカーボンナノチューブなどの担体材料上に支持される構成において使用することができる。他の種類の樹脂としては、カルボン酸もしくはスルホン酸基、またはカルボン酸およびスルホン酸基の両方を保有する過フッ素化樹脂が挙げられる。そのような樹脂の公知の例としてはNAFION(商標)、FLEMION(商標)およびNEOSEPTA-F(商標)がある。これらのフッ素化樹脂は、それ自体で使用することができるか、あるいは、金属酸化物および/またはシリカの高分散網目に捕捉されたシリカもしくは炭素またはカーボンナノチューブのような不活性材料上に支持されうる。
FLEMIONは日本、Asahi Glassの商標である。
NEOSEPTAは日本、Tokuyama Sodaの商標である。
NAFIONは米、DuPontの商標である。
(3) 反応媒体に実質的に不溶性または不混和性である、有機ブレンステッド酸などのブレンステッド酸。この酸は、反応条件、特に反応温度で第2の液相を形成することができ、反応の終わりに濾過または相分離などの慣習的技術で回収されうる。好適な酸性試薬の例としては、炭素原子に結合した水素原子の50%またはそれ以上がフッ素原子で置換されたという意味で高度にフッ素化した長鎖スルホン酸またはカルボン酸、例えば過フッ素化ウンデカン酸、またはより特定的には6〜24個の炭素原子を有する過フッ素化カルボン酸および過フッ素化スルホン酸が挙げられる。そのような過フッ素化酸触媒は反応媒体に実質的に不混和性でありうる。水相中への酸相の十分な分散を確実にするために、反応は反応器中にて連続攪拌下で行われる。酸性試薬は、例えば水不溶性イオン性液体などの水不溶性相中にそれ自体希釈されうる。
(4) シリカ、シリカ-アルミナの組み合わせ、アルミナ、ゼオライト、シリカ、活性炭、砂および/またはシリカゲルなどの、通常は孤立電子対を有する不均一固体を、メタンスルホン酸もしくはパラ-トルエンスルホン酸などのブレンステッド酸触媒用の、またはSbF5などのルイス酸部位を有する化合物用の支持体として使用して、それにより相互作用させて強いブレンステッド酸性度を生じさせることができる。不均一固体、例えばゼオライト、シリカまたはメソポーラスシリカ、例えばMCM-41もしくはMCM-48、あるいは例えばポリシロキサンなどのポリマーを、ブレンステッド酸基またはその前駆体による化学的グラフトによって官能化して、それによりスルホン酸および/もしくはカルボン酸またはその前駆体などの酸性基を生じさせることができる。官能化は、例えばシリカのSiOH基とクロロスルホン酸との反応による固体上の直接グラフトなどの、当技術分野で公知の各種方法で導入することができるか、あるいは、例えばパーフルオロアルキルシラン誘導体でありうる有機スペーサーによって固体に結合させることができる。ブレンステッド酸官能化シリカはまた、中性鋳型法またはイオン鋳型法のいずれかを使用するSi(OR)4および例えば3-メルカプトプロピル-トリ-メトキシシランの共縮合によって例えばチオール官能化シリカを導くゾルゲル工程、それに続く例えばH2O2によるチオールの対応するスルホン酸への酸化を経て調製することができる。官能化固体は、そのまま、すなわち粉末形態で、ゼオライト膜の形態で、あるいは多くの他の方法で、例えば、膜中で他のポリマーと混合して、または固体押出物の形態で、または例えば構造的無機支持体、例えばコーディエライトのモノリスのコーティング中で使用することができる。かつ、
(5) 最も一般的には式HxPMyOzを有する不均一ヘテロポリ酸。この式において、Pは中心原子、典型的にはケイ素またはリンを意味する。周辺原子は中心原子を一般に対称的に取り囲む。最も一般的な周辺元素Mは通常MoまたはWであるが、V、NbおよびTaもその目的に好適である。指数xyzは、分子中の原子割合を公知の方法で定量化するものであり、日常的に決定可能である。これらのポリ酸は、周知の通り多くの結晶形態において見られるが、不均一種に最も一般的な結晶形態はケギン構造と呼ばれる。そのようなヘテロポリ酸は高い熱安定性を示し、非腐食性である。不均一ヘテロポリ酸は、シリカゲル、ケイソウ土、炭素、カーボンナノチューブおよびイオン交換樹脂より選択される支持体上で好ましく使用される。本明細書における好ましい不均一ヘテロポリ酸は、MがWおよび/またはMoを意味する式H3PM12O40で表すことができる。好ましいPM成分の例は、PW12、PMo12、PW12/SiO2、PW12/炭素およびSiW12で表すことができる。
本明細書において特許請求される製造方法において使用されるアミノポリアルキレンホスホン酸触媒(d)は、製造されるアミノポリアルキレンホスホン酸の一般式(I)と同一の一般式を有する。特に好ましい実施では、ホスホン酸(d)は、本発明の方法において製造されるアミノポリアルキレンホスホン酸の構造式と同一の構造式を有する。同一の最終生成物を生成することを目指して反応混合物中の出発触媒として単一の構造的に同一のアミノポリアルキレンホスホン酸を使用するそのような極めて均一な反応システムは、製造操作の容易さ、純度、収率および選択性を含む著しい利点を生じさせることがわかった。これらの利点は、あらゆる基準において有意義であり、大きな用途上および経済上の利点に必然的に変換される。本発明の技術が、最終生成物中の「触媒残基」、ならびに/または高価でかつ効率が限定された分離および精製の手順に依存しないということが認識される。アミノポリアルキレンホスホン酸触媒(d)は、少なくとも2個のアルキレンホスホン酸成分を有するポリ酸でありうる。好ましくは、アミノポリアルキレンホスホン酸触媒(d)は、3.1を超えるpKaを有する少なくとも1個のホスホン酸成分を有しうる。
本明細書における本発明では、本明細書におけるアミノポリアルキレンホスホン酸触媒(d)中のホスホン酸基の数の合計は、該アミノポリアルキレンホスホン酸(d)触媒中のN原子の数の合計よりも少なくとも1つ(整数)大きい。
亜リン酸反応物は、当技術分野において周知の商品材料である。それは例えば様々な技術によって調製可能であり、三塩化リンまたはP-オキシドの加水分解を含むその一部は周知である。亜リン酸および対応するP-オキシドは、天然のリン含有岩石を含む任意の好適な前駆体に由来しうるものであり、この前駆体は、公知の方法で元素リンに変換した後、P-オキシドおよび場合によっては亜リン酸に酸化することができる。亜リン酸反応物は、PCl3の加水分解から出発し、かつそのように得られた亜リン酸を、加水分解により生じる塩酸および他の塩化物中間体を除去することによって精製して、調製することもできる。好ましい実施では、塩素レベルは、亜リン酸(100%)に対して表された400ppm未満であるべきである。別のアプローチでは、三塩化リンと、カルボン酸もしくはスルホン酸またはアルコールのいずれかである試薬とを反応させることによって、亜リン酸を有利に製造することができる。亜リン酸、および、酸試薬の場合は酸塩化物、またはPCl3と対応するアルコールとの反応により生じる塩化物、例えば塩化アルキルの形成下で、PCl3は試薬と反応する。塩素含有生成物、例えば塩化アルキルおよび/または酸塩化物は、当技術分野で公知の方法、例えば蒸留によって亜リン酸から好都合に分離可能である。そのように製造された亜リン酸それ自体を特許請求されるアレンジメントにおいて使用することができるが、塩素含有生成物および未反応原料を実質的に除去するかまたはそのレベルを低減させることによって、形成された亜リン酸を精製することが望ましいことがあり、かつ多くの場合好ましい。そのような精製は、関連製造技術の分野において周知であり、かなり標準的である。そのような技術の好適な例としては、活性炭上の有機不純物の選択的吸着、または亜リン酸構成成分の単離のための水相分離の使用が挙げられる。三塩化リンとカルボン酸またはアルコールなどの試薬との反応に関する情報は、Kirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, in chapter Phosphorous Compounds, December 4, 2000, John Wiley & Sons Inc.に見ることができる。
本明細書における好ましい実施では、常に5未満のpHを有しpH調整剤として所望レベルのアミノポリアルキレンホスホン酸触媒(d)を含む反応媒体に、P4O6を添加することによって、亜リン酸反応物を調製することができる。反応媒体は、アミン反応物(II)を場合によって含みうるものであるか、あるいは、アミン反応物(II)は、P4O6と同時に添加されることができる。P4O6の加水分解が完了した後でホルムアルデヒド構成成分の添加前に、アミン反応物(II)を反応媒体に添加することもできる。いずれの場合でも、残りのアミノポリアルキレンホスホン酸触媒もホルムアルデヒド構成成分の添加前に添加する。アミン(II)およびP4O6の同時添加を並行して行うことが好ましく、すなわち、反応媒体に添加する前のアミン(II)およびP4O6の予備混合は自明の理で回避すべきである。
P4O6は、少なくとも85%、好ましくは90%超、より好ましくは少なくとも95%、特定の一実施では少なくとも97%のP4O6を含む実質的に純粋な化合物で表されることができる。本発明の文脈内での使用に好適な六酸化四リンは任意の公知の技術によって製造可能であるが、好ましい実施では、この六酸化物は「Process for the manufacture of P4O6」と題するWO 2009/068636および/または「Process for the manufacture of P4O6 with improved yield」と題するWO 2010/055056に開示されている方法に従って調製することができる。詳細には、酸素、または酸素および不活性ガスの混合物と、気体または液体リンとを、本質的に化学量論的な量で、1600〜2000°Kの範囲の温度の反応装置内で0.5〜60秒の好ましい滞留時間を維持しながらリンおよび酸素の発熱反応が作り出す熱を取り除くことによって反応させた後、反応生成物を700°K未満の温度で急冷し、かつ粗反応生成物を蒸留によって精製する。そのように調製された六酸化物は、通常少なくとも97%のこの酸化物を含む純粋な生成物である。一般に、そのように生成されたP4O6は、100%であるP4O6に対して表された好ましくは1000ppm未満という低レベルの元素リンP4を特に含む高純度の液体材料で表される。好ましい滞留時間は、5〜30秒、より好ましくは8〜30秒である。好ましい一つの実施では、反応生成物を350°K未満の温度に急冷することができる。
上記の通りに、「液体P4O6」という用語は、P4O6のあらゆる状態を包含する。しかし、学究的には反応媒体の調製において固体種を使用できるが、45℃〜200℃の反応に関与するP4O6は必然的に液体または気体であると想定される。
液体形態のP4O6 (融点23.8℃; 沸点173℃)を、アミノポリアルキレンホスホン酸触媒(d)を含む水性反応媒体に添加する。反応媒体のpHを触媒(d)の添加後常に5未満に維持する。
したがって、この反応媒体は、P4O6加水分解物を、および場合によっては塩としてのアミンを含む。加水分解は周囲温度条件(20℃)〜最大約150℃で行われる。例えば最大200℃、さらにはそれ以上の高温が使用可能であるが、一般にそのような温度は、オートクレーブの使用を必要とするか、または上昇した自己圧力(autogeneous pressure)下である可能性のある連続的な様式において加水分解を行うことを必要とすることがある。P4O6添加中の温度上昇は、発熱加水分解反応により生じることがあり、ホルムアルデヒドとの反応に必要とされうる場合の温度条件を反応混合物に提供することが見出された。
本発明に係る反応は、当技術分野において日常的に知られている様式で行う。実験的な提示に示す通りに、必須の反応パートナーを組み合わせて、反応混合物を通常は45℃〜200℃の範囲の温度、高圧を使用する場合はより高い温度、より好ましくは70℃〜150℃に加熱することによって、方法を行うことができる。温度上限は、亜リン酸反応物の任意の実質的に不適切な熱分解を防ぐことを実際に目的とする。亜リン酸、より一般的には任意の他の個々の反応パートナーの分解温度が圧力などのさらなる物理的パラメータ、ならびに反応混合物中の構成要素の質的および量的パラメータに応じて変動しうるということが理解されかつ周知である。
本発明の方法は、P4O6の加水分解に必要な化学量論レベルを超えて添加された水の実質的な排除下で行うことができる。しかし、本発明の方法に固有の反応、すなわちN-C-P結合の形成が水を発生させることが理解される。
P4O6加水分解が完了した後、残留水の量は、水の重量がアミンの重量に対して表された0%〜60%である量である。
本発明の反応は、周囲圧力において、および水の蒸留下で反応温度に依存して行うことができ、これにより最小量の未反応ホルムアルデヒド構成成分も除去される。反応の持続時間は、実質的に瞬間的な時間、例えば1分から、例えば10時間という長時間まで変動しうる。この持続時間は一般に、ホルムアルデヒド構成成分のおよび場合によっては他の反応物の、反応中の漸進的添加を含む。1つの方法設定では、亜リン酸、アミン(II)および酸触媒を反応器に添加した後、例えば70℃〜150℃の範囲の温度で出発してホルムアルデヒド構成成分の漸進的添加下でこの混合物を加熱する。この反応は、周囲圧力下で、通常は水および何らかの未反応ホルムアルデヒドを蒸留してまたは蒸留することなく行うことができる。
別の操作アレンジメントでは、反応は閉鎖容器中にて上昇した自己圧力下で行うことができる。この方法では、反応パートナーを全体的または部分的に最初に反応容器に添加する。部分的混合物の場合、有効反応温度に到達するとすぐに、さらなる反応パートナーを、単独でまたは任意の1つもしくは複数の他のパートナーと共に、徐々に添加することができる。例えば、反応中にホルムアルデヒド構成成分を、単独でまたはアミンもしくは亜リン酸の一部と共に徐々に添加することができる。
さらに別の操作順序では、反応を組み合わせた蒸留および圧力のアレンジメントで行うことができる。具体的には、反応物の混合物を含む反応容器を、周囲圧力下で選択された反応温度に保つ。次に該混合物を場合によっては連続的に、上昇した自己(オートクレーブ原理)圧力下で操作される反応器を通して循環させることにより、必要に応じてホルムアルデヒド構成成分またはさらなる反応パートナーを徐々に添加する。特定の実施では、閉鎖容器は不均一ブレンステッド触媒を、想定される反応に日常的に好適なあらゆる構成において含みうる。反応は加圧下で実質的に完了し、その後反応混合物は密閉容器から離れて反応器中に再循環され、そこで反応変数、特に温度に応じて水および他の未反応構成要素の蒸留が起こりうる。
したがって上記の工程変数は、反応が種々の実質的に相補的なアレンジメントで行われうることを示す。したがって反応は、初期反応物、通常は亜リン酸、アミン(II)およびアミノポリアルキレンホスホン酸触媒を(1)上昇した自己圧力下の密閉容器中で、または(2)還流条件下で、または(3)水および最小量の未反応ホルムアルデヒド構成成分の蒸留下で、好ましくは70℃〜150℃の範囲の温度に加熱することによる、実施例に示す通りにホルムアルデヒド構成成分を反応中に徐々に添加するバッチ工程として、行うことができる。特に好ましい態様では、反応を密閉容器中100℃〜150℃の範囲の温度で、特にホルムアルデヒドの漸進的添加と同時に、1分〜30分、より好ましい実施では1分〜10分の持続時間内に行う。
別のアプローチでは、自己圧力下である可能性のある、連続工程として反応を行い、反応物を反応混合物に好ましくは70℃〜150℃の範囲の温度で連続注入し、かつホスホン酸反応生成物を連続的に回収する。
さらに別のアレンジメントでは、方法は、ホスホン酸反応を連続的に行い、一方で構成成分の一部の間の予備的反応をバッチ式に行うことができる、半連続的な設定で表されることができる。
本発明のアミノポリアルキレンホスホン酸を合成するために必要な必須アミン構成成分(II)は、多種多様な公知の種で表されることができる。好適なアミンの例としてはアンモニア; アルキレンアミン; アルコキシアミン; ハロゲン置換アルキルアミン; アルキルアミン; アリールアミン; およびアルカノールアミンが挙げられる。アミン構成成分は、アミノ酸、例えばα-、β-、γ-、δ-、ε-などのアミノ酸、例えばアルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、スレオニン、フェニルアラニン、D,L-アラニン、L-アラニン、L-リジン、L-システイン、L-グルタミン酸、7-アミノヘプタン酸、6-アミノヘキサン酸、5-アミノペンタン酸、4-アミノ酪酸およびβ-アラニンで表されることもできる。ポリ種が包含されるが理解される。一例としては、「アルキルアミン」という用語は、-ポリアルキルアミン-、-アルキルポリアミン-および-ポリアルキルポリアミン-も含む。
対象となるアミンの個々の種としては、アンモニア; エチレンジアミン; ジエチレントリアミン; トリエチレンテトラミン; テトラエチレンペンタミン; ヘキサメチレンジアミン; ジヘキサメチレントリアミン; 1,3-プロパンジアミン-N,N'-ビス(2-アミノメチル); ポリエーテルアミンおよびポリエーテルポリアミン; 2-クロロエチルアミン; 3-クロロプロピルアミン; 4-クロロブチルアミン; C1〜C25の直鎖状炭化水素鎖または分岐状炭化水素鎖または環状炭化水素鎖を有する第一級または第二級のアミン、特にモルホリン; n-ブチルアミン; イソプロピルアミン; シクロヘキシルアミン; ラウリルアミン; ステアリルアミン; およびオレイルアミン; ポリビニルアミン; 分岐状もしくは直鎖状のポリエチレンイミンまたはそれらの混合物; エタノールアミン; ジエタノールアミン; プロパノールアミン; ジプロパノールアミン、D,L-アラニン、L-アラニン、L-リジン、L-システイン、L-グルタミン酸、7-アミノヘプタン酸、6-アミノヘキサン酸、5-アミノペンタン酸、4-アミノ酪酸ならびにβ-アラニンが挙げられる。
必須ホルムアルデヒド構成成分は、周知の商品構成要素である。式CH2Oを有するオキシメチレンとして知られる厳密な意味でのホルムアルデヒドは、変動する、多くの場合微量の、例えば0.3〜3%の量のメタノールを含む水溶液として、生産および販売され、かつ典型的には37%ホルムアルデヒド基準で報告されているが異なる濃度も使用可能である。ホルムアルデヒド溶液はオリゴマーの混合物として存在する。そのようなホルムアルデヒド前駆体は、例えば、通常はかなり短いn = 8〜100の鎖長の直鎖状ポリ(オキシメチレングリコール)と、トリオキサンおよびテトラオキサンという用語でそれぞれ呼ばれるホルムアルデヒドの環状三量体および四量体との固体混合物である、パラホルムアルデヒドで表されうる。
ホルムアルデヒド構成成分はまた、R1およびR2が同一でもまたは異なっていてもよくかつ水素および有機基の群より選択される、式R1R2C=Oを有するアルデヒドおよびケトンでも表されうる。R1が水素である場合、材料はアルデヒドである。R1およびR2の両方が有機基である場合、材料はケトンである。有用なアルデヒドの種は、ホルムアルデヒドに加えてアセトアルデヒド、カプロアルデヒド、ニコチンアルデヒド、クロトンアルデヒド、グルタルアルデヒド、p-トルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ナフトアルデヒドおよび3-アミノベンズアルデヒドである。本明細書における使用に好適なケトン種は、アセトン、メチルエチルケトン、2-ペンタノン、ブチロン、アセトフェノンおよび2-アセトニルシクロヘキサノンである。
好ましくは、ホルムアルデヒド構成成分はオキシメチレンまたはそのオリゴマーもしくはポリマーである。
アミノポリアルキレンホスホン酸反応生成物を、その後および必要に応じて、部分的または全体的にアンモニア、アミン、アルカリ水酸化物、アルカリ土類水酸化物またはそれらの混合物で中和することができる。
本発明をさらに、以下の実施例によってそれにより本発明を制限することなく示す。
実施例1
メカニカルスターラーおよびディーン・スターク管を備えた三つ口丸底フラスコ中で、32重量% アンモニア水溶液 30.5mL (0.5mol)を、亜リン酸 123g (1.5mol、3当量)、水 20mLおよびATMP(アミノトリ(メチレンホスホン酸)) 約40重量%を含む溶液 90mL (0.15mol、触媒としてのATMP 0.3当量)に混合した。ATMPは、以下の酸性度定数を有する3個のホスホン酸基を有する: 2未満、2未満、4.3、5.46、6.6、12.3。反応媒体の温度が135℃に達するまで、反応媒体を加熱還流させ、ディーン・スタークを通して水を蒸留した。次にホルムアルデヒド(3.45当量)の36.6重量% 水溶液 130mLを185分かけて添加した。添加中に、ディーン・スターク管を通して反応媒体から水 103mLを取り除き、反応媒体の温度を123〜135℃に維持した。ホルムアルデヒドの添加が完了した後、反応媒体を還流下に1時間維持した。31P NMRによる反応媒体の分析は、ATMPが収率70%で形成されたことを示した。
実施例2
メカニカルスターラーおよびディーン・スタークを備えた三つ口丸底フラスコ中で、32重量% アンモニア水溶液 30.5mL (0.5mol)を、亜リン酸 123g (1.5mol、3当量)、水 20mLおよびATMP 約40重量%を含む溶液 150mL (0.25mol、触媒としてのATMP 0.5当量)に混合した。反応媒体の温度が136℃に達するまで、反応媒体を加熱還流させ、ディーン・スタークを通して水を蒸留した。次にホルムアルデヒド(3.45当量)の36.6重量% 水溶液 130mLを210分かけて添加した。添加中に、ディーン・スタークを通して反応媒体から水 116mLを取り除き、反応媒体の温度を126〜136℃に維持した。ホルムアルデヒドの添加が完了した後、反応媒体を還流下に30分間維持した。31P NMRによる反応媒体の分析は、ATMPが収率72%で形成されたことを示した。
実施例3
メカニカルスターラーおよびディーン・スタークを備えた三つ口丸底フラスコ中で、32重量% アンモニア水溶液 30.5mL (0.5mol)を、亜リン酸 123g (1.5mol、3当量)、水 20mL、ATMP 約40重量%を含む溶液 90mL (0.15mol、触媒としてのATMP 0.3当量)およびAmberlyst 36 0.15mol (0.3当量)に混合した。反応媒体の温度が125℃に達するまで、反応媒体を加熱還流させ、ディーン・スタークを通して水を蒸留した。次にホルムアルデヒド(3.45当量)の36.6重量% 水溶液 129.7mLを210分かけて添加した。添加中に、ディーン・スタークを通して反応媒体から水 89mLを取り除き、反応媒体の温度を122〜128℃に維持した。ホルムアルデヒドの添加が完了した後、反応媒体を還流下に1時間維持した。31P NMRによる反応媒体の分析は、ATMPが収率67%で形成されたことを示した。
実施例4
メカニカルスターラーおよびディーン・スターク管を備えた三つ口丸底フラスコ中で、11-アミノウンデカン酸 40.26g (0.2モル)を、亜リン酸 32.8g (0.4mol、2当量)、水 20mLおよび11-アミノウンデカン酸ビス(メチレンホスホン酸) 77.86g (0.2モル)と混合した。反応混合物を加熱還流させた後、ホルムアルデヒドの36.6%w/w 水溶液 33mL (0.44モル)を110分かけて添加した。添加中に、反応混合物の温度を105〜116℃に維持しながら、ディーン・スターク管を通して反応混合物から水37mLを取り除いた。31P NMRによる反応混合物の分析は、新たに形成された11-アミノウンデカン酸ビス(メチレンホスホン酸)が収率51%で未反応亜リン酸21%と共に形成されたことを示した。
実施例5
メカニカルスターラーおよびディーン・スターク管を備えた三つ口丸底フラスコ中で、6-アミノヘキサン酸 32.80g (0.25モル)を、亜リン酸 41g (0.5mol、2当量)、水 45mLおよび6-アミノヘキサン酸ビス(メチレンホスホン酸) 47.88g (0.15モル)を混合した。反応混合物を加熱還流させた後、ホルムアルデヒドの36.6%w/w 水溶液 20.68mL (0.275モル)を130分かけて添加した。添加中に、反応混合物の温度を113〜125℃に維持しながら、ディーン・スターク管を通して反応混合物から水 38mLを取り除いた。ホルムアルデヒド添加の完了後、反応混合物を還流下に15分間維持した。31P NMRによる反応混合物の分析は、新たに形成された6-アミノヘキサン酸ビス(メチレンホスホン酸)が収率67.2%で未反応亜リン酸9.1%と共に形成されたことを示した。

Claims (18)

  1. 一般式(I)
    (X)a[N(W)(Y)2-a]z (I)
    を有するアミノポリアルキレンホスホン酸の製造のための方法であって、
    式中、Xは、1個または複数個のC1〜C12の直鎖状基、分岐状基、環状基または芳香族基で置換されていてもよいC1〜C200000の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基より選択され、これらの基は、OH成分、COOH成分、COOG成分、F成分、Br成分、Cl成分、I成分、OG成分、SO3H成分、SO3G成分および/もしくはSG成分; ZPO3M2; [V-N(K)]n-K; [V-N(Y)]n-Vまたは[V-O]x-Vで置換されていてもよく; Vは、1個または複数個のC1〜12の直鎖状基、分岐状基、環状基または芳香族基で置換されていてもよいC2〜50の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基より選択され、これらの基は、OH成分、COOH成分、COOR'成分、F/Br/Cl/I成分、OR'成分、SO3H成分、SO3R'成分および/またはSR'成分で置換されていてもよく、R'はC1〜12の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、Gは、1個または複数個のC1〜C12の直鎖状基、分岐状基、環状基または芳香族基で置換されていてもよいC1〜C200000の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基より選択され、これらの基は、OH成分、COOH成分、COOR'成分、F成分、Br成分、Cl成分、I成分、OR'成分、SO3H成分、SO3R'成分および/もしくはSR'成分; ZPO3M2; [V-N(K)]n-K; [V-N(Y)]n-Vまたは[V-O]x-Vで置換されていてもよく; YはZPO3M2、[V-N(K)]n-Kまたは[V-N(K)]n-Vであり; かつxは1〜50000の整数であり; zは0〜200000であり、したがってzはX中の炭素原子の数またはそれ以下であり、かつaは0または1であり; nは0〜50000の整数であり; a=0の場合、z=1であり; かつz=0およびa=1の場合、Xは、nが1〜50000の整数である[V-N(K)]n-K、またはnが2〜50000の整数である[V-N(Y)]n-Vであり;
    ZはC1〜6アルキレン鎖であり;
    Mは、H、プロトン化アミン、アンモニウム、アルカリおよびアルカリ土類のカチオンより選択され;
    WはZPO3M2であり;
    KはZPO3M2であり、
    該方法が、以下の構成要素:
    (a) 亜リン酸またはその水溶液;
    (b) アミンまたはその水溶液;
    (c) ホルムアルデヒドまたはその水溶液; および
    (d) アミノポリアルキレンホスホン酸触媒またはその水溶液
    から出発し、(a)、(b)および(d)を混合した後にホルムアルデヒド(c)を添加し、
    45℃〜200℃の温度で1分間〜10時間反応を行い、それにより該アミノポリアルキレンホスホン酸を得る方法であり、
    該アミンが一般式(II)
    (X)b[N(W)(H)2-b]z (II)
    を有し、
    式中、Xは、1個または複数個のC1〜C12の直鎖状基、分岐状基、環状基または芳香族基で置換されていてもよいC1〜C200000の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基より選択され、これらの基は、OH成分、COOH成分、COOG成分、F成分、Br成分、Cl成分、I成分、OG成分、SO3H成分、SO3G成分および/またはSG成分; H; [V-N(H)]x-H; [V-N(Y)]n-V; [V-O]x-Vで置換されていてもよく; Vは、1個または複数個のC1〜12の直鎖状基、分岐状基、環状基または芳香族基で置換されていてもよいC2〜50の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基より選択され、これらの基はOH成分、COOH成分、COOR'成分、F/Br/Cl/I成分、OR'成分、SO3H成分、SO3R'成分および/またはSR'成分で置換されていてもよく、R'はC1〜12の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、Gは、1個または複数個のC1〜C12の直鎖状基、分岐状基、環状基または芳香族基で置換されていてもよいC1〜C200000の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状炭化水素基または芳香族炭化水素基より選択され、これらの基は、OH成分、COOH成分、COOR'成分、F成分、Br成分、Cl成分、I成分、OR'成分、SO3H成分、SO3R'成分および/もしくはSR'成分; H; [V-N(H)]n-H; [V-N(Y)]n-Vまたは[V-O]x-Vで置換されていてもよく; YはH、[V-N(H)]n-Hまたは[V-N(H)]n-Vであり、かつxは1〜50000の整数であり、nは0〜50000の整数であり; zは0〜200000であり、したがってzはX中の炭素原子の数またはそれ以下であり、かつbは0または1であり; b=0の場合、z=1であり; かつz=0およびb=1の場合、Xは[V-N(H)]x-Hまたは[V-N(Y)]n-Vであり、かつnは1〜50000の整数であり; XがHである場合、z=1であり、
    WはHであり、
    該アミノポリアルキレンホスホン酸触媒(d)が、製造される該アミノポリアルキレンホスホン酸(II)の一般式と同一の一般式を有し; かつ該アミノポリアルキレンホスホン酸(d)中のホスホン酸基の数の合計が、該アミノポリアルキレンホスホン酸(d)触媒中のN原子の数の合計よりも少なくとも1つ(整数)大きく、
    (a) 亜リン酸、(b) アミン、(d) アミノポリアルキレンホスホン酸および(c) ホルムアルデヒドの比が、
    (a):(b)=0.05:1〜2:1;
    (c):(b)=0.05:1〜5:1;
    (c):(a)=5:1〜0.25:1; および
    (b):(d)=30:1〜1:2
    であり、
    ここで(a)および(c)がモル数を意味し、かつ(b)が、モル数に該アミン中のN-H官能基の数を掛けた数を表し、かつ(d)が、モル数で表される均一アミノポリアルキレンホスホン酸を意味する、方法。
  2. 前記アミン(II)が、アンモニア; アルキレンアミン; アルコキシアミン; ハロゲン置換アルキルアミン; アルキルアミン; アルカノールアミン; ポリエチレンイミン; ポリビニルアミン; およびアミノ酸より選択される、請求項1記載の方法。
  3. 前記アミンが、アンモニア; エチレンジアミン; ジエチレントリアミン; トリエチレンテトラミン; テトラエチレンペンタミン; ヘキサメチレンジアミン; ジヘキサメチレントリアミン; 1,3-プロパンジアミン-N,N'-ビス(2-アミノメチル); ポリエーテルアミンおよびポリエーテルポリアミン; 2-クロロエチルアミン; 3-クロロプロピルアミン; 4-クロロブチルアミン; C1〜C25の直鎖状炭化水素鎖または分岐状炭化水素鎖または環状炭化水素鎖を有する第一級または第二級のアミン、特にモルホリン; n-ブチルアミン; イソプロピルアミン; シクロヘキシルアミン; ラウリルアミン; ステアリルアミン; およびオレイルアミン; ポリビニルアミン; 分岐状もしくは直鎖状のポリエチレンイミンまたはそれらの混合物; エタノールアミン; ジエタノールアミン; プロパノールアミン; ジプロパノールアミン、D,L-アラニン、L-アラニン、L-リジン、L-システイン、L-グルタミン酸、7-アミノヘプタン酸、6-アミノヘキサン酸、5-アミノペンタン酸、4-アミノ酪酸ならびにβ-アラニンより選択される、請求項2記載の方法。
  4. 前記アミノポリアルキレンホスホン酸触媒(d)が、製造される前記アミノポリアルキレンホスホン酸と構造的に同一である、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 前記ホスホン酸触媒(d)が、50%またはそれ以上の前記アミノポリアルキレンホスホン酸および50%未満の不均一ブレンステッド酸の混合物で表され、置換度が、置き換えられるアミノポリアルキレンホスホン酸のモル数に、前記ホスホン酸中のPO3H2基の数から窒素数を引いた数を掛けた、式
    APPm(PHm - Nm)
    に対応する数に対する、該ブレンステッド酸中のプロトン当量数として表される、
    請求項1〜4のいずれか一項記載の方法:
    式中、
    置き換えられるアミノポリアルキレンホスホン酸のモル数 = APPm;
    該ホスホン酸中のPO3H2基の数 = PHm;
    該アミノポリアルキレンホスホン酸触媒中の窒素原子数 = Nm
  6. 触媒(d)が、60〜90%のレベルの前記アミノポリアルキレンホスホン酸および10〜40%のレベルの前記不均一ブレンステッド酸の混合物で表される、請求項5記載の方法。
  7. 前記不均一ブレンステッド酸触媒が以下の群より選択される、請求項5または6記載の方法:
    (1) 固体酸性金属酸化物の組み合わせ自体、または担体材料上に支持された該固体酸性金属酸化物の組み合わせ;
    (2) SO3H成分を前記芳香族基上にグラフトするように官能化された、スチレン、エチルビニルベンゼンおよびジビニルベンゼンの共重合体、ならびにカルボン酸基および/またはスルホン酸基を保有する過フッ素化(perfluorinated)樹脂を含む群より選択される、カチオン交換樹脂;
    (3) 前記反応温度において反応媒体に実質的に不混和性である、有機のスルホンブレンステッド酸およびカルボンブレンステッド酸およびホスホンブレンステッド酸;
    (4) (i) 有機ブレンステッド酸が固体支持体上に堆積される、孤立電子対を有する該固体支持体の相互作用; または
    (ii) ルイス酸部位を有する化合物が固体支持体上に堆積される、孤立電子対を有する該固体支持体の相互作用;
    (iii) ブレンステッド酸基またはその前駆体による化学的グラフトによって官能化された、不均一固体
    に由来する、酸触媒、ならびに
    (5) Pがリンおよびケイ素より選択され、かつMがWおよびMoならびにそれらの組み合わせより選択される、一般式HxPMyOzの不均一ヘテロポリ酸。
  8. 70℃〜150℃の範囲の温度において以下より選択されるアプローチと組み合わせて前記反応を行う、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法:
    - 周囲圧力下で、水および未反応ホルムアルデヒド構成成分を蒸留してまたは蒸留することなく該反応を行うこと;
    - 上昇した自己圧力(autogeneous pressure)下の密閉容器中;
    - 反応物の混合物を含む反応容器を周囲圧力下で前記反応温度に保った後、上昇した自己圧力下で操作される反応器を通して反応混合物を循環させることにより、必要に応じて該ホルムアルデヒドおよび他の選択される反応物を徐々に添加する、組み合わせた蒸留および圧力のアレンジメント; ならびに
    - 該反応物を該反応混合物に連続的に注入し、かつホスホン酸反応生成物を連続的に回収し、上昇した自己圧力下である可能性のある連続工程アレンジメント。
  9. 前記反応を密閉容器中75℃〜200℃の範囲の温度で1〜60分間行う、請求項8記載の方法。
  10. 反応物/触媒比が、
    (a):(b)=0.1:1〜1.50:1;
    (c):(b)=0.2:1〜2:1;
    (c):(a)=3:1〜0.5:1; および
    (b):(d)=20:1〜1:2
    である、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 前記反応を115℃〜145℃の範囲の温度で行う、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 前記亜リン酸が、PCl3から出発して調製され、かつ該亜リン酸(100%)に対して表された400ppm未満の塩素を含む、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. 前記アミノポリアルキレンホスホン酸触媒(d)を含む水性反応媒体にP4O6を添加し、それによって該P4O6が実質的に加水分解されて亜リン酸となることで、前記リン反応物(a)が調製され、該反応媒体が常に5未満のpHを有することで、触媒(d)のレベルがpH要件を満たすレベルとなり、該反応媒体が、
    i: アミン反応物(b)を含む、水性反応媒体;
    ii: 該アミン反応物が該P4O6と同時に添加される、水性反応媒体; および
    iii: 該P4O6の添加/加水分解が完了した後に前記アミンが添加される、水性反応媒体
    より選択される、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  14. P4O6加水分解物、前記アミンおよび前記アミノポリアルキレンホスホン酸(d)を、
    - 上昇した自己圧力下の密閉容器;
    - 還流条件下の開放容器; または
    - 水および最小量の未反応ホルムアルデヒドの蒸留下
    より選択されるアレンジメントにおいて、ホルムアルデヒドの漸進的添加下、45℃〜200℃の範囲の温度で反応させる段階を含む、請求項13記載の方法:。
  15. 前記P4O6加水分解、ならびに前記P4O6加水分解物、前記アミンおよび前記触媒(d)と前記ホルムアルデヒドとの反応を、上昇した自己圧力下である可能性のある単一の連続的様式において、45℃〜200℃の温度で行い、かつ前記ホスホン酸反応生成物を連続的に回収する、請求項13または14記載の方法。
  16. 前記P4O6加水分解を周囲圧力下においてバッチ反応器中で行った後、前記不均一ブレンステッド酸触媒を含む反応器を通して、前記ホルムアルデヒドの漸進的添加下、前記P4O6加水分解物、前記アミンおよび前記触媒(d)を、上昇した自己圧力下において70℃〜200℃の温度で循環させ、続いて前記混合物を周囲圧力および70℃〜200℃の温度で該バッチ反応器に戻して、それにより前記水および未反応の前記構成要素の一部を除去する、請求項13または14記載の方法。
  17. 酸素およびリンを本質的に化学量論的な量で、反応装置内で1600〜2000°Kの範囲の温度において0.5〜60秒の反応滞留時間で反応させた後、前記反応生成物を700°K未満の温度で急冷し、かつ該反応生成物を蒸留によって精製することによって、前記P4O6を製造する、請求項13〜16のいずれか一項記載の方法。
  18. 前記P4O6中の元素リンのレベルが、P4O6 (100%)に対して表された1000ppm未満である、請求項17記載の方法。
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