JP2012520107A - スカフォールド - Google Patents

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Abstract

本発明は、エレクトロスパン・スカフォールドを含む創傷被覆材に関する。スカフォールドは、生分解性ポリマーもしくはコポリマーと非ステロイド性抗炎症薬とを含む。

Description

本発明は、一般にエレクトロスパン・スカフォールド(足場)と非ステロイド性抗炎症薬を含む創傷被覆材に関する。
慢性創傷の発生率は、西欧諸国においては集団の高齢化に伴って増加している。大多数が静脈疾患と関連する慢性下腿潰瘍を抱える患者の数は、1,000人の集団当たり1〜2人であると推定されている(常に、活動性下腿潰瘍を備える人々の20%は開放性潰瘍を有する)。さらに、糖尿病の発生率は増加しつつあり、これらの患者の10〜20%という多数は非治癒性糖尿病性足部潰瘍を発生する。さらにまた、床ずれを発生するリスク状態にある、病院内で難移動性の患者もまた存在する。これらの患者全例について、治癒を促進して疼痛を減少させるための新規な手法が大いに必要とされている。
疼痛は、慢性潰瘍を抱える患者の大多数にとって大きな問題である(例外は、神経損傷のために創傷関連疼痛を経験しない糖尿病および脊椎損傷を抱える患者である)。慢性潰瘍の大多数は、コミュニティで管理されるが、患者の観点からは、日々の問題は被覆材交換時の2倍の疼痛および潰瘍の治癒失敗である。慢性創傷を備える患者は、被覆材交換時に疼痛を経験することが多く(Noonan and Burge,Plebology.1998;3:14−9、Price et al.,Int Wound J.2008 Jun;5(2):159−71)、そして被覆材の除去自体に炎症反応が結び付いている可能性がある。慢性創傷の治癒が失敗する理由は幾つかあり、相互に関連している − 創傷は血管新生が不良で低酸素症であることが多く、赤く腫れることが多く、伝染性であることが多く、そして結果として治癒に対して攻撃性および抵抗性である。
あるレベルの炎症は、炎症性(proinflammatory)サイトカインの放出が創傷領域内へ細胞を誘引するので、創傷治癒を促進することができる。しかし、過度に高いレベルの炎症は特に多数の侵攻性慢性創傷において創傷治癒を遅延させる可能性があり、この場合には数カ月間および数年間さえのマトリックスメタロプロテアーゼ活性および炎症性サイトカインの分泌が創傷床環境を作り出すので、創傷周辺に存在する正常皮膚細胞が生存できなくなる(Werner and Grose,Physiol.Rev.2003;83:835−870、Diegelmann and Evans,Frontiers in Bioscience.2004;9:283−289)。そこで、創傷治癒できる細胞は、存在する細胞外マトリックスがマトリックスメタロプロテアーゼに起因して常に分解されるので侵攻性創傷床内に移入することができなくなる(Armstrong and Jude,Journal of the American Podiatric Medical Association 2002;92(1):12−18)。
正常な皮膚細胞の接着、移動および増殖を支持できる繊維の合成スカフォールドの導入は、それを越えて移動する創縁で罹患していない皮膚細胞のための即時代替基質を提供することによって創傷治癒を加速するために役立つことができる。
創傷治癒における鎮痛は、疼痛が慢性創傷治癒において有益であることが多い圧迫療法に耐えることを許容している間に患者における精神的ストレスを促進するので、多くの点で患者にとって好ましい(Christian et al.,Neuroimmunomodulation.2006;13(5−6):337−46、Price et al.,Int Wound J.2007 Apr;4 Suppl 1:1−3 and Int Wound J.2008 Jun;5(2):159−71)。残念なことに、ほとんどの医薬品からの鎮痛は数分間または数時間しか続かないので、全身性鎮痛が慢性創傷疼痛に対処する際にとても効果的であることは証明されておらず、患者が鎮痛剤に対して常習性になるという懸念がある(Cardenas and Jensen,J Spinal Cord Med.2006;29(2):109−17)。
疼痛を緩和して治癒を加速するために設計された被覆材は、1948年に初めて導入された(Gilje,Acta Derm Venereol.1948;28(5):454−67)。これらの被覆材は、かさぶた形成を減少させることによってより迅速な再上皮形成を許容し、そして被覆材が創傷に粘着して被覆材除去時の再傷害を引き起こす発生を低下させた(Hinman and Maibach,Nature.1963 Oct 26;200:377−8)。しかし、これらの被覆材は、依然として除去する必要があった。そこで、創傷治癒を促進しながら疼痛を緩和することのできる改良された創傷被覆材に対する必要が依然としてある。
第1態様では、本発明は、エレクトロスパン・スカフォールドを含む創傷被覆材であって、前記スカフォールドが生分解性ポリマーもしくはコポリマーと非ステロイド性抗炎症薬とを含む創傷被覆材を提供する。好ましくは、前記生分解性ポリマーもしくはコポリマーは、前記非ステロイド性抗炎症薬と一緒に共エレクトロスピンされる。好ましくは、前記非ステロイド性抗炎症薬は、前記ポリマーもしくはコポリマーの分解を触媒することができる。
好ましくは、前記生分解性ポリマーもしくはコポリマーは、生体適合性である。より好ましくは、前記生分解性ポリマーは、コラーゲン、ポリアルファエステル、ポリオルトエステル、ポリ無水物またはそれらのコポリマーである。
好ましい実施形態では、前記ポリマーは、セルロースエーテル、セルロース、セルロース系エステル(cellulosic ester)、フッ素化ポリエチレン、フェノール類(phenolic)、ポリ−4−メチルペンテン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリベンゾキサゾール、ポリカーボネート、ポリシアノアリールエーテル、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリフルオロオレフィン、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリオキサジアゾール、酸化ポリフェニレン、硫化ポリフェニレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリチオエーテル、ポリトリアゾール、ポリウレタン、ポリビニル、フッ化ポリビニリデン、再生セルロース、シリコーン、尿素ホルムアルデヒドまたはそれらのコポリマーからなる群から選択される。
好ましくは、前記ポリマーは、ポリ乳酸である。または、ポリマーは、ポリグリコール酸である。または、前記コポリマーは、ポリ乳酸およびポリグリコール酸のコポリマーである。より好ましくは、前記コポリマーは、ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコリド)である。いっそうより好ましくは、前記ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコリド)は、75:25のラクチド対グリコリドの比率を有する。または、前記ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコリド)は、50:50のラクチド対グリコリドの比率を有する。
好ましい実施形態では、前記非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)はプロピオン酸系NSAIDであり、前記NSAIDは[2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸]である。または、前記NSAIDは、アセチルサリチル酸である。
好ましくは、前記スカフォールドは、約5重量%〜約30重量%のNSAIDを含んでいる。または、前記スカフォールドは、約10重量%〜約20重量%のNSAIDを含んでいる。いっそうより好ましくは、前記スカフォールドは、約10重量%のNSAIDを含んでいる。
好ましい実施形態では、前記ポリマーもしくはコポリマーと前記NSAIDとは、共通溶媒中で各々溶解することができる。
また別の態様では、本発明はエレクトロスパン・スカフォールドを提供するが、前記スカフォールドは、生分解性ポリマーもしくはコポリマーと非ステロイド性抗炎症薬とを含む。好ましくは、前記生分解性ポリマーもしくはコポリマーは、前記非ステロイド性抗炎症薬と一緒に共エレクトロスピンされる。好ましくは、前記非ステロイド性抗炎症薬は、前記ポリマーもしくはコポリマーの分解を触媒することができる。
また別の態様では、本発明はエレクトロスパン・スカフォールドを提供するが、前記スカフォールドは、医薬品として使用するための、生分解性ポリマーもしくはコポリマーと非ステロイド性抗炎症薬とを含んでいる。好ましくは、前記生分解性ポリマーもしくはコポリマーは、前記非ステロイド性抗炎症薬と一緒に共エレクトロスピンされる。好ましくは、前記非ステロイド性抗炎症薬は、前記ポリマーもしくはコポリマーの分解を触媒することができる。
さらにまた別の態様では、本発明はエレクトロスパン・スカフォールドを提供するが、前記スカフォールドは、創傷の治療において使用するために、生分解性ポリマーもしくはコポリマーと非ステロイド性抗炎症薬とを含んでいる。好ましくは、前記生分解性ポリマーもしくはコポリマーは、前記非ステロイド性抗炎症薬と一緒に共エレクトロスピンされる。好ましくは、前記非ステロイド性抗炎症薬は、前記ポリマーもしくはコポリマーの分解を触媒することができる。
好ましくは、前記創傷は慢性創傷である、または前記創傷は急性創傷である。
別の態様では、本発明は、疼痛または炎症の治療において使用するための、生分解性ポリマーもしくはコポリマーと非ステロイド性抗炎症薬とを含むエレクトロスパン・スカフォールドを提供する。好ましくは、前記生分解性ポリマーもしくはコポリマーは、前記非ステロイド性抗炎症薬と一緒に共エレクトロスピンされる。好ましくは、前記非ステロイド性抗炎症薬は、前記ポリマーもしくはコポリマーの分解を触媒することができる。
好ましくは、前記生分解性ポリマーもしくはコポリマーは、生体適合性である。
好ましくは、前記生分解性ポリマーは、コラーゲン、ポリアルファエステル、ポリオルトエステル、ポリ無水物、またはそれらのコポリマーである。
好ましくは、前記ポリマーは、セルロースエーテル、セルロース、セルロース系エステル、フッ素化ポリエチレン、フェノール類、ポリ−4−メチルペンテン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリベンゾキサゾール、ポリカーボネート、ポリシアノアリールエーテル、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリフルオロオレフィン、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリオキサジアゾール、酸化ポリフェニレン、硫化ポリフェニレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリチオエーテル、ポリトリアゾール、ポリウレタン、ポリビニル、フッ化ポリビニリデン、再生セルロース、シリコーン、尿素ホルムアルデヒドまたはそれらのコポリマーからなる群から選択される。
好ましくは、前記ポリマーは、ポリ乳酸である。または、前記ポリマーは、ポリグリコール酸である。または、前記コポリマーは、ポリ乳酸およびポリグリコール酸のコポリマーである。
好ましくは、前記コポリマーは、ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコリド)である。好ましくは、前記ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコリド)は、75:25のラクチド対グリコリドの比率を有する。または、前記ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコリド)は、50:50のラクチド対グリコリドの比率を有する。
好ましくは、前記NSAIDは、プロピオン酸系(propionoic)NSAIDである。好ましくは、前記NSAIDは、[2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸]である。または、前記NSAIDは、アセチルサリチル酸である。
好ましくは、前記スカフォールドは、約5重量%〜約30重量%のNSAIDを含む。いっそうより好ましくは、前記スカフォールドは、約10重量%のNSAIDを含む。
好ましくは、前記ポリマーもしくはコポリマーと前記NSAIDは、共通溶媒中で各々溶解することができる。
また別の態様では、本発明は、創傷を治療する方法であって、上述した実施形態のいずれか1つによる創傷被覆材またはエレクトロスパン・スカフォールドの使用を含む方法を提供する。
また別の態様では、本発明は、創傷治癒において使用するためのエレクトロスパン・スカフォールドを製造する方法であって:
i)ポリマーもしくはコポリマーとNSAIDとを共通溶媒中に溶解させるステップ;および
ii)ステップi)の結果として生じた溶液をエレクトロスピンするステップを含む方法を、
提供する。
また別の態様では、本発明は、上述した実施形態に記載した方法にしたがって製造されたエレクトロスパン・スカフォールドを提供する。また別の態様では、上述した実施形態に記載した方法にしたがって製造されたエレクトロスパン・スカフォールドは、医薬品として使用するため、または例えば慢性創傷などの、または前記創傷が急性創傷である創傷の治療において使用するためである。または、上述した実施形態に記載した方法にしたがって製造されたエレクトロスパン・スカフォールドは、疼痛または炎症の治療において使用するためである。
また別の態様では、本発明は、ポリマーもしくはコポリマーを含むエレクトロスパン・スカフォールドの分解を触媒するための非ステロイド性抗炎症薬の使用を提供する。好ましくは、前記非ステロイド性抗炎症薬は、前記ポリマーもしくはコポリマーと一緒にエレクトロスピンされる。
本明細書の説明および特許請求の範囲を通して、用語「含む」および「含有する」ならびにこれらの用語の変形、例えば「含んでいる」および「含む」は、「〜を含むがそれらに限定されない」ことを意味していて、他の基(moiety)、添加物、成分、整数またはステップを排除することは意図されない(および排除しない)。
本明細書の説明および特許請求の範囲を通して、単数形は、文脈が他のことを要求しない限り複数形を包含している。詳細には、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈が他のことを要求しない限り、複数ならびに単数を想定していると理解すべきである。
本発明の特定の態様、実施形態または実施例と結び付けて記載された機能、整数、特徴、化合物、または化学基(chemical moiety or group)は、それらと不適合ではない限り本明細書に記載した任意の他の態様、実施形態または実施例に適合可能であると理解すべきである。
本発明を以下の図面を参照しながら例示する目的でのみ説明する。
エレクトロスパンPLGA繊維のSEM画像。A)10重量%のイブプロフェンを有する50/50 PLGA;B)10重量%のイブプロフェンナトリウム塩を有する50/50 PLGA;C)イブプロフェンを有しない50/50 PLGA;D)10重量%のイブプロフェンを有する50/50および75/25 PLGAの1:1ブレンド;E)イブプロフェンを有しない50/50および75/25 PLGAの1:1ブレンド;F)10重量%のイブプロフェンを有する75/25 PLGA;G)イブプロフェンを有しない75/25 PLGA。スケールバー=50μm。 環境条件がエレクトロスパン75:25 PLGAスカフォールドに及ぼす効果。様々な条件下でスピンされた75:25 PLGAスカフォールド内で1週間にわたり(血清中または血清無含有条件下で)成長させたヒト線維芽細胞(F)、ケラチン生成細胞(K)および両方(F+K)の共培養のコラーゲン沈着についてのシリウスレッド(Sirius red)染色。A)スカフォールドは、高湿度(>85%)下でスピンされた;B)Aと同様であるが、スピニングの直後にスカフォールドは24時間にわたり室温の真空下で乾燥させた。 3種のPLGAスカフォールドタイプ:75/25(○)、50/50(×)およびこれら2つの1:1ブレンド(+)についてのイブプロフェン放出プロファイル。イブプロフェンの濃度は、1週間にわたり様々な時点に222nmでUV/Vis(紫外/可視)分光法によって測定した。 リンガー液中の75:25 PLGAスカフォールドの経時的なインビトロ分解。リンガー液中でのインキュベーションの第0日、第1日および第6日での右側ではA、CおよびEの10重量%のイブプロフェンを有するスカフォールドの光学顕微鏡写真。左側ではB、DおよびFのイブプロフェンを有しないスカフォールド。スケールバー=100mm。 TNF−α、LPSおよびイブプロフェンを用いた処置後の2D HDF培養のNFkB免疫標識。相対転写因子活性を示している、NF−κBのp65サブユニットについてのヒト線維芽細胞の免疫蛍光標識。(a)コントロール非刺激細胞。(b)LPS(100ngmL−1)刺激細胞。(c)TNF−α(1,000UmL−1)刺激細胞。(d)LPS(100ngmL−1)+イブプロフェン(10−3M)刺激細胞。(e)TNF−α(1,000UmL−1)+イブプロフェン(10−3M)刺激細胞。(f)LPS(100ngmL−1)+イブプロフェンナトリウム塩(10−4M)刺激細胞。(g)TNF−α(1,000UmL−1)+イブプロフェンナトリウム塩(10−4M)刺激細胞。 NF−κB免疫標識によって評価した、HDF細胞にイブプロフェンが及ぼす抗炎症効果。(a)イブプロフェンおよび(b)イブプロフェンナトリウム塩がNFkB炎症シグナル伝達に及ぼす効果。ヒト線維芽細胞を培地またはイブプロフェン化合物(10−4〜10−3M)とともに15分間インキュベートし、その後にLPS(100ngmL−1、白色バー)またはTNF−α(1,000UmL−1、斜縞バー)、またはイブプロフェン化合物単独(黒色バー)を用いて90分間にわたり刺激した。炎症シグナル伝達は、NF−κBの細胞内局在性を用いて決定した。重要語:***LPS単独に比較してp<0.001、TNF−α単独に比較して#p<0.05、##p<0.001。 線維芽細胞におけるTNF−αおよびLPS刺激NFkB活性化にイブプロフェン装填スカフォールドが及ぼす効果。炎症性転写因子NFkBの核転座についてAにおける写真a〜eに例示したように試験し、Bではイブプロフェン放出性スカフォールドに曝露させた線維芽細胞の2D培養について定量した。 Aでは、(a)はコントロール非刺激線維芽細胞を示し、(b)はLPS(100ngmL−1)刺激線維芽細胞(2時間の曝露)を示し、(c)は、24時間にわたりPLA/PGAイブプロフェンスカフォールドとのプレインキュベーション後に2時間にわたりLPS(100ngmL−1)へ曝露させた細胞を示している。(c)では、スカフォールドはイブプロフェンが装填された75/25および50/50 PLA/PGAの50/50ブレンドであり、(d)はイブプロフェンが装填された75/25 PLA/PGAに曝露させられたLPS(100ngmL−1)刺激線維芽細胞を示し、そして(e)はイブプロフェンが装填された50/50 PLA/PGAに曝露されたLPS(100ngmL−1)刺激線維芽細胞を示している。 NFkBの核転座の定量は、非刺激条件下の細胞(この場合は核内のNFkBのパーセンテージは5%を超えない)および24時間にわたりPLA/PGAイブプロフェンスカフォールドを用いたプレインキュベーション後に2時間にわたりLPS(100ngmL−1)を用いて刺激した細胞について、Bにおける下方のヒストグラムにおいてこれらの線維芽細胞について示した。示した結果は、3回の培養の平均値+SEMであり、統計的有意性はp<0.05、**p<0.001として示した。 LPSおよびイブプロフェンスカフォールドを用いた処置後の3D HDF培養のNFkB免疫標識。線維芽細胞は3D Azowipe(登録商標)スカフォールド内で培養し(詳細は材料および方法の項に記載)、イブプロフェン装填スカフォールドに曝露させた。NF−κBのp65サブユニットについての細胞の免疫蛍光標識を使用して相対転写因子活性を証明した。(a)コントロール非刺激細胞。(b)2時間にわたりLPS(100ngmL−1)を用いて刺激したHDF。(c)24時間にわたり75/25および50/50 PLA/PGAイブプロフェンスカフォールドの50/50ブレンドを用いたプレインキュベーション後に2時間にわたりLPS(100ngmL−1)を用いて刺激したHDF。(d)75/25 PLA/PGAイブプロフェンスカフォールドを用いたプレインキュベーション後に2時間にわたりLPS(100ngmL−1)を用いて刺激したHDF。(e)50/50 PLA/PGAイブプロフェンスカフォールドを用いたプレインキュベーション後に2時間にわたりLPS(100ngmL−1)を用いて刺激したHDF。 イブプロフェン装填(loaded)スカフォールド上での線維芽細胞の培養。線維芽細胞は、コントロールおよびイブプロフェン装填75:25 PLGAスカフォールド(詳細は材料および方法の項を参照)上で48時間(A)または7日間(B)にわたり培養し、MTT−ESTAアッセイによってそれらの生残率を評価した。Aスカフォールドには0、1、2、5または10%のイブプロフェンを装填し、次に培地中に0、24または48時間にわたり浸漬して洗浄し、その後にそれらの上で細胞を培養した。Bスカフォールドでは、10%のイブプロフェンを装填しない、または装填し、次に0、1または24時間にわたり洗浄し、その後細胞を培養した。示した結果は、細胞の3つずつのウエルの平均値+SDである。 PLGAエレクトロスパン・スカフォールドからのアスピリンの放出。PLGAスカフォールドタイプ:75/25からのアスピリンの放出プロファイル。繊維から放出されたアスピリンの濃度は、1週間の期間にわたり様々な時点にUV/Vis分光計(240nmにおける光強度)を使用して監視し、検量線値と比較した。
本発明は、エレクトロスパン・スカフォールドを含む創傷被覆材を提供するが、スカフォールドは、生分解性ポリマーもしくはコポリマーと非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を含んでいる。本発明者らは、驚くべきことに、NSAID類はポリマーもしくはコポリマーの分解、したがってスカフォールドの崩壊を触媒でき、これらの装填されたスカフォールドを創傷治癒において特に有用にさせ、さらに被覆材除去に関連する困難を克服することを確認した。
この創傷被覆材は、最初はNSAIDを放出するが、その間は同時に皮膚再生のための一時的組織ガイドとして機能する。この創傷被覆材は創傷床内に分解してその場所に皮膚細胞を残すことができるので、創傷からこの被覆材を除去する必要がない。
放出されるNSAIDの濃度は、ヒト皮膚線維芽細胞の接着および移動のための代替皮膚スカフォールドとして作用するためのスカフォールドの基本的能力を危険に曝すことなく、主要炎症性サイトカインに対する細胞の応答を低下させるために十分である。
本発明者らは、スカフォールド内へのイブプロフェンの装填がその後に数日間かけてイブプロフェンを放出することを証明した。放出されるイブプロフェンの濃度は、ヒト皮膚線維芽細胞の接着および移動のための代替皮膚スカフォールドとして作用するためのスカフォールドの基本的能力を危険に曝すことなく、主要炎症性サイトカインに対する細胞の応答を低下させるために十分である。
イブプロフェンをスカフォールド内に装填するために、イブプロフェンの酸形をPLGAポリマー(DCM)と同一溶媒中に溶解させると、これはスカフォールド繊維全体に及ぶイブプロフェンの均質な分布を生じさせた。これとは対照的に、ナトリウム塩はDCM中には溶解せず、薬物の放出がはるかに予測不能であるとても不規則なスカフォールドを生じさせた。そこで、ポリマーの有機溶媒中に溶解させることのできる薬物は、スカフォールド繊維内に直接的にスピンすることができる。
本発明者らは、装填されたイブプロフェンのおよそ10%が数日間にわたってスカフォールド繊維から放出されること、そしてイブプロフェンの取込みが線維崩壊を加速させたことを証明した。放出されるイブプロフェンの濃度は、通常は細菌に由来すると思われる主要炎症性サイトカイン、TNF−α、およびリポ多糖に対する線維芽細胞の炎症性応答を弱めるために十分であることを証明した。
イブプロフェンを放出するスカフォールドは、皮膚細胞の接着(attachment)、移動(migration)および増殖(proliferation)のためのスカフォールドとして作用する能力を依然として保持した。これは、スカフォールド上へのヒト皮膚線維芽細胞の接着および増殖を観察することによって確証された。結果は、新しく調製されたイブプロフェン装填スカフォールドへの細胞接着は装填されたイブプロフェンの最高濃度(10%)では減少したが、これはスカフォールドが滅菌後に24時間にわたりPBS中に置かれると回復し、このとき細胞接着がコントロールの非装填スカフォールドに見られたレベルに増加して戻ることを証明した。これは、スカフォールド内へのイブプロフェンの装填が皮膚細胞の接着および移動のための繊維として作用する基本的能力を変化させないことを証明していて、これらの繊維が創傷治癒用途のための組織ガイドとして使用できることを示している。
創傷治癒に関して、所定レベルの炎症は、炎症性サイトカインが細胞を創傷領域内に誘引するので創傷治癒を促進する − その反対もまた真実であり、高過ぎるレベルの炎症は創傷治癒を遅延させる可能性がある(Werner and Grose Physiol.Rev.2003;83:835−870,Diegelmann and Evans,Frontiers in Bioscience.2004;9:283−289)。これは確かに、数カ月間および数年間さえのマトリックスメタロプロテアーゼ活性および炎症性サイトカインの分泌は創傷床環境を作り出し、そこで創傷周辺にある正常皮膚細胞はそれらが創傷床内に移動するなら生存に失敗すると思われる。そこで、創傷治癒できる細胞は、存在する細胞外マトリックスがマトリックスメタロプロテアーゼに起因して常に分解されるのでこれらの侵攻性創傷床内に移入することができない(例、Armstrong and Jude,Journal of the American Podiatric Medical Association 2002;92(1):12−18)。
正常な皮膚細胞の接着および移動および増殖を支持できる繊維の合成スカフォールドの導入は、それを越えて移動する創縁での罹患していない皮膚細胞のための即時代替基質を提供することによって創傷治癒を加速するために役立つ。これらの繊維からの抗炎症薬の同時放出は、これらの侵攻性炎症性創傷床内で見られる侵攻性炎症を減少させるために役立つ。
創傷治癒は、血塊形成、創傷の閉塞、炎症細胞、線維芽細胞および毛細管による血塊の侵襲、創縁の作製を含んでおり、その後には再上皮形成により創傷表面を被覆するための表皮創縁の前方に向かう移動が続く。
本明細書で使用する用語「創傷」は、内部もしくは外部組織への損傷もしくは傷害、好ましくは皮膚の表皮および/または真皮への損傷もしくは傷害を意味するがそれらに限定されない。創傷は、急性創傷または慢性創傷であってよい。例として、急性創傷は、切り傷、裂傷、擦過傷もしくは火傷、刺創、穿通傷、または例えば乾癬、座瘡および湿疹などの皮膚疾患を原因とする創傷であってよい。例として、慢性炎症は、静脈性潰瘍、糖尿病性潰瘍、床ずれ、隔膜潰瘍、消化器潰瘍または虚血および放射能中毒の結果としての創傷であってよい。
創傷治療においては、創傷被覆材で創傷を被覆することが一般的実践である。本明細書で使用するように、用語「創傷被覆材」は創傷に適用するための被覆材を意味するが、前記被覆材は、創傷修復および再上皮形成のための組織ガイドとして作用するエレクトロスパン・スカフォールド表面を提供することによって、創傷の治癒プロセスを容易にする。エレクトロスパン・スカフォールドは、生分解性ポリマーもしくはコポリマーと非ステロイド性抗炎症薬とを含んでおり、前記非ステロイド性抗炎症薬は前記ポリマーもしくはコポリマーの分解を触媒できることを特徴とする。
好ましくは、創傷被覆材は、創傷部位に接着することができる。創傷被覆材は、さらに非毒性であって、ほんのわずかな最少のアレルギー反応しか誘発してはならない。さらに、被覆材は、細菌またはウイルス感染が創傷に侵入することを防止できるべきである。本発明の創傷被覆材の例は、生分解性ポリマーもしくはコポリマーと非ステロイド性抗炎症薬とを含む創傷に適用するためのエレクトロスパン・スカフォールドの存在を特徴とする創傷に適用するために好適である任意の構造であって、前記非ステロイド性抗炎症薬は前記ポリマーもしくはコポリマーの分解を触媒できることを特徴とする構造に関する。例としてのみ、本被覆材は、プロテーゼ、インプラント、マトリックス、ステント、細胞培養皿、ガーゼ、包帯、プラスター、生分解性マトリックスおよびポリマーフィルムであってよい。
本明細書で使用する用語「スカフォールド(足場)」は、細胞の接着、好ましくは創傷治癒に関係する細胞の接着を可能にする任意の材料を意味する。本明細書で使用する「接着(attachment)」、または「接着する」は、基質に直接的もしくは間接的に付着する細胞、ならびに他の細胞に付着する細胞に関する。
好ましくは、スカフォールドは、三次元である。
適切なスカフォールドには、メッシュ、他のフィラメント様構造物、不織布、スポンジ、織布もしくは不織布材料、ニットもしくは非ニット材料、フェルト、塩溶出多孔性材料、成型多孔性材料、3D−印刷生成スカフォールド、フォーム、有孔シート、グリッド、様々な角度で他の繊維が交差する平行繊維、およびそれらの組み合わせが含まれる。コアスカフォールドは、シート、シリンダー、チューブ、球またはビーズを包含する様々な形状であってよい。コアスカフォールドは、吸収性または非吸収性材料から作製することができる。
スカフォールドは、細胞の接着および成長を支持するために使用できるメッシュに織布もしくは不織布ポリマーの繊維から形成することができる。これらのスカフォールドは、キャスティング、ウィービング、塩浸出、スピニング、または成型によって形成することができる。
好ましい実施形態では、スカフォールドは、エレクトロスパン・スカフォールドを含んでいる。本明細書で使用する用語「エレクトロスピニング」または「エレクトロスパン」は、材料がストリーミング、スプレー、スパッタリング、ドリッピング、またはさもなければ電界の存在下で輸送される場合の任意の方法を意味する。エレクトロスパン材料は、帯電容器の接地標的に向かう方向から、または接地容器から帯電標的の方向に配置することができる。特に、用語「エレクトロスピニング」は、繊維が、少なくとも1つの天然生物学的材料、少なくとも1つの合成ポリマー材料、またはそれらの組み合わせを含む帯電溶液から、接地標的に向けた開口部もしくはオリフィスを通して帯電溶液をストリーミングすることによって形成されるプロセスを意味する。
本明細書で使用する用語「溶液」および「流体」は、帯電することのできる、および少なくとも1つの天然材料、少なくとも1つの合成ポリマー、またはそれらの組み合わせを含む液体を意味する。
エレクトロスパン・ポリマーは、コポリマーであってよい。本明細書で使用する用語「コポリマー」は、コポリマー、ターポリマー、およびポリマー成分のブロック、グラフもしくはランダム組み合わせによって形成された高次の多重ポリマー組成物を含むことが企図されている。
エレクトロスパン材料の特性は、懸濁させられてそれらの中で成長させられる細胞の必要性および仕様にしたがって調整することができる。多孔性は、例えば、エレクトロスパン材料マトリックスを作製する方法にしたがって変化させることができる。
本明細書で使用する用語「天然生物学的材料」は、哺乳動物の身体、植物、または他の生物において自然に見いだされる任意の材料を包含する天然型(naturally ocurring)有機材料であってよい。合成ポリマー材料は、人工合成、プロセッシング、または製造方法を通して調製される任意の材料であってよい。好ましくは、ポリマーは、生物学的に適合性の材料である。生物学的材料およびポリマー材料はどちらも電界下で帯電することができる。
適切な天然型材料には、アミノ酸、ポリペプチド、変性コラーゲン由来のゼラチン等の変性ペプチド、炭水化物、脂質、核酸、糖タンパク質、リポタンパク質、糖脂質、グリコサミノグリカン、およびプロテオグリカンが含まれるがそれらに限定されない。1つの実施形態では、天然型材料は、細胞外マトリックス材料、例えばコラーゲン、フィブリン、エラスチン、ラミニン、フィブロネクチン、ヘパリンである。そのような細胞外マトリックス材料は、哺乳動物細胞等の細胞、例えばヒト起源の細胞から単離することができる。好ましくは、天然型材料はコラーゲンである。
好ましくは、このスカフォールドは、生体適合性合成ポリマーを含んでいる。生体適合性合成ポリマーの例には、ポリ(ウレタン)、ポリ(シロキサン)もしくはシリコーン、ポリ(エチレン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(アクリル酸)、ポリビニルアセテート、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ナイロン、ポリアミド、ポリ無水物、ポリ(エチレン−コ−ビニルアルコール)(EVOH)、ポリカプロラクトン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリビニルヒドロキシド、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)およびポリオルトエステルが含まれるがそれらに限定されない。好ましくは、生体適合性ポリマーはPGLAである。
本発明は、合成ポリマーおよび天然型生物学的材料、例えばコラーゲンおよびPLGAの組み合わせを含むスカフォールドを包含している。マトリックス内の合成ポリマーおよび天然型生物学的材料の相対量は、特定用途に合わせて調整することができる。
エレクトロスピニングプロセスには、スカフォールド繊維の直径および孔径に影響を及ぼすことのできる多数の因子が含まれている。重要な変量は、スピニング溶液の溶液粘度、表面張力、および粘弾性である。これらは、ポリマーの濃度および分子量ならびに使用された溶媒と直接的に関連する。溶液の誘電特性もまた重要な役割を果たす(Kowalczyk et al.,Biomacromolecules.2008 Jul;9(7):2087−90;Thompson et al.,J.Polymer.2007;48:6913−6922;Mitchell and Sanders,J Biomed Mater Res A.2006 Jul;78(1):110−20)。
おそらく明確には証明されていないエレクトロスピニングにおけるまた別の変動の起源は、ポリマーがいったん溶液中に入れられると保管時に変化もしくは分解する可能性があり、そして同一濃度のポリマーが必ずしも同一粘度を有する溶液を生じさせないことにある。そこで、ポリマーの分子量は、経時間の経過とともに急速に低下する(特に、50/50 PLGA)。このため、スピニングのためには、好ましくは新鮮ポリマーが使用される。
好ましくは、本発明は、前記NSAIDと一緒に前記生分解性ポリマーもしくはコポリマーを共エレクトロスピニングすることから形成されるスカフォールドを包含する。本明細書で使用する用語「共エレクトロスピニング」および「共エレクトロスパン」は、単一溶液由来の複数の成分であって、前記成分の各々は、例えば、前記NSAIDとともに生分解性ポリマーもしくはコポリマーを含む単一溶液を含む複数の成分を含む繊維の製造を意味する。好ましくは、前記ポリマーもしくはコポリマーと前記NSAIDは、各々が共通溶媒中に溶解することができ、前記NSAIDは、前記ポリマーもしくはコポリマーを含むスカフォールド内に直接的にスピンされる。
本明細書で使用する用語「生分解性」は、分解できる、好ましくは患者の身体内で吸収されて分解できる材料またはポリマーに関する。好ましくは、スカフォールドは生分解性である、つまり、生分解性材料、例えば生分解性ポリマー、天然型生物学的材料などから形成される。適切な生分解性材料の例には、コラーゲン、ポリ(アルファエステル)、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリグリコール酸およびポリグラクチン、ならびにそれらのコポリマーが含まれるがそれらに限定されない。
その他の適切な生分解性ポリマーには、セルロースエーテル、セルロース、セルロース系エステル、フッ素化ポリエチレン、フェノール類、ポリ−4−メチルペンテン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリベンゾキサゾール、ポリカーボネート、ポリシアノアリールエーテル、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリフルオロオレフィン、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリオキサジアゾール、酸化ポリフェニレン、硫化ポリフェニレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリチオエーテル、ポリトリアゾール、ポリウレタン、ポリビニル、フッ化ポリビニリデン、再生セルロース、シリコーン、尿素ホルムアルデヒド、またはそれらのコポリマーが含まれる。
好ましくは、エレクトロスパン材料は、ポリラクチド、またはその誘導体である。または、エレクトロスパン材料は、ポリウレタン、好ましくはヘキサメチレンジアンをベースとするポリウレタンおよびポリラクチド誘導体である。または、エレクトロスパン材料は、キトサン由来材料である。
好ましくは、エレクトロスパン・スカフォールドは、例えば、受動的もしくは能動的物質、例えば追加の治療薬もしくは生物学的物質の添加によって官能化される。
本明細書で使用する用語「NSAID」および「非ステロイド性抗炎症性化合物」、NSAID類、それらの医薬的に許容される塩、複合体、エステル、医薬的に許容される異性体、およびそれらの結晶形。この用語は、前記生分解性ポリマーもしくはコポリマースカフォールドの分解を触媒できる任意のNSAIDを意味する。
NSAID類は、それらが抗炎症薬、鎮痛薬および解熱剤として作用する非ステロイド薬であることを特徴とする明確に規定されたグループの非オピオイド系鎮痛剤である。
NSAID類の例には、優先的にCox−1、例えば、プロピオン酸類、酢酸類、フェナム酸類、ビフェニルカルボン酸類およびオキシカム類を優先的に阻害するNSAIDが含まれるがそれらに限定されない。
プロピオン酸系NSAID類には、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラポプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、およびブクロキシ酸が含まれるがそれらに限定されない。好ましくは、プロピオン酸はイブプロフェンである。
酢酸類には、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、アルコフェナク、イブフェナク、イソキセパク、フロフェナク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリンダナクおよびオキシピナクが含まれるがそれらに限定されない。
フェナム酸類には、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸およびトルフェナム酸が含まれるがそれらに限定されない。フェナム酸群の好ましい一員には、メフェナム酸およびメクロフェナム酸が含まれる。ビフェニルカルボン酸類には、ジフルニサールおよびフルフェニサールが含まれるがそれらに限定されない。オキシカム類には、メロキシカム、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカムが含まれる。
または、NASIDは、Cox−2,例えばルミラコキシブ、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブを優先的に阻害するNSAIDである。
または、NASIDは、サリチル酸塩、例えばアスピリンである。
本明細書で使用する用語「分解(degradation)」は、スカフォールドのポリマー構造の崩壊を意味する。構造完全性のこの崩壊は、スカフォールドからのポリマー由来分解生成物の放出および該スカフォールドの機械的強度の低下を伴う。
材料および方法
1.スカフォールドの合成および特性解析
A.ポリマー
本試験のために、様々な比率のラクチド対グリコチドの75:25(Mw(分子量):66〜107k)、50:50(Mw:40〜75k)およびこれら2種の1:1ブレンドを有する3種のポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)コポリマーを使用した。全PLGAコポリマーは、Sigma Aldrich社から購入した。これらのポリマーは、エレクトロスピニングのために適切な粘度の溶液を形成するためにジクロロメタン(DCM)中に溶解させた:75:25および50:50を用いてそれぞれ20%および25%(重量/重量)溶液を形成し、等量のこれらの溶液を使用してブレンドを形成した。イブプロフェン粉末(Sigma Aldrich社)をDCM中のポリマー溶液に加えて均質混合液を形成した(ポリマーの重量に比較して1〜10重量%のイブプロフェンを加えた)。
B.エレクトロスピニング条件
ポリマー溶液は、内径が0.8mmの鈍端のステンレススチール製ニードルを装備した2mLシリンジ(I&J Fisnar社)内に装填した。この溶液は3.5mL/時の一定供給速度で、プログラム可能なシリンジポンプ(Aladdin 1000)を使用して送達され、高電圧電源装置(Brandenburg、AlphaシリーズIII)によって供給される15kVの加速電圧を用いて水平にエレクトロスピンされた。繊維マットは、ニードル先端から、アースされたアルミニウム製回転コレクター(300rpmで回転する)20cmの周囲で被覆されたアルミニウム製ホイルシート(18cm×16cm)上で収集した。ジェット形成/安定性は、ニードル先端の5mm後方で、15kVの電圧でアルミニウム製焦点リングによって支援された。スカフォールドは、21℃、相対湿度約30%に空調した室内で製造され、その後室温で少なくとも24時間にわたり真空下で乾燥された。スカフォールドの再現性に環境が及ぼす効果(湿度および温度)を分析するために、スカフォールドは高湿度条件(>85%の相対湿度)で時々スピンされ、真空下で乾燥されなかった。
C.UV/Vis分光計によるスカフォールドからのイブプロフェン放出の検出
3種のスカフォールドタイプ(各々10%のイブプロフェンを装填)からのイブプロフェンの放出は、UV/Vis分光計を用いてモニターされた。スカフォールドの25mg切片は、製造した各スカフォールドから切断し、3mLの純水中に浸けられた。222nmでの強度を1週間までの様々な時点に測定し(IBUのλmax)、これらの数値を事前に計算したイブプロフェン標準曲線と比較した。
D.スカフォールドのインビトロ分解
イブプロフェンを含む、または含まないスカフォールドは、ティッシューパンチを用いて18mm径円板に切断され、それらを70%EtOHで緩徐にスプレーすることによって殺菌し、無菌フローキャビネット内で放置して乾燥させた。次にスカフォールドは、100IU/mLのペニシリンおよび100IU/mLのストレプトマイシンを有する1mLのリンガー液中に浸漬され、37℃でインキュベートされた。pHがスカフォールドの分解に及ぼす効果を試験するために、それらは3つの相違するpH(6、7.4および8.5)にあるリンガー液中に配置された。この溶液のサンプルは、pHの変化をモニターするために1日1回採取された。スカフォールドマットにおける物理的変化も、スカフォールドの光学顕微鏡写真を1日1回撮影することによって記録された。
2.2Dおよび3D培養におけるスカフォールドへの細胞応答
A.正常ヒトケラチン生成細胞および線維芽細胞の培養
正常ヒト線維芽細胞は、以前に報告されたように単離して培養した(Ralston et al.,1997)。第3〜7継代の線維芽細胞を使用した。ケラチン生成細胞は、10%(容積/容積)のウシ胎児血清(FCS)、2mMのグルタミン、0.625μg/mLのアムホテリシンB、100IU/mLのペニシリンおよび100μg/mLのストレプトマイシンが補給されたダルベッコ(Dulbecco)の改変イーグル培地(DMEM)中で培養された。Azowipe(登録商標)スカフォールド(スチレンブタジエン・コポリマーと接着させた不織布ビスコースレーヨン・マイクロファイバースカフォールド、Vernon−Carus社、英国チョーリー(Chorley,UK))または75:25 PLGAスカフォールドいずれかの中での3D組織遺伝子組換え構築体の調製を、以前に記載されたように実施した(Blackwood et al.,Biomaterials.2008;29(21):3091−104)。
B.MTT−ESTAアッセイによる細胞代謝活性の検出
イブプロフェン(ナトリウム塩または異性体混合物;Sigma−Aldrich社、英国(UK))が細胞代謝活性に及ぼす効果は、イブプロフェンを細胞に直接加えることによって、または単層(2D)および3Dスカフォールドの両方においてスカフォールドからの放出を試験することによって調査された。2D分析のためには、3×10個のHDF細胞/ウエルを80%コンフルエントとなるまで24ウエルプレート内で培養した。3D分析のためには、3×10個のHDF細胞/ウエルを48時間にわたり2層のビスコースレーヨン・スカフォールド内の12ウエルプレート内で培養した。スカフォールド(イブプロフェンを含む、および含まない)は、スカフォールドが24時間は細胞と同一培地中に浸漬されるように、しかし線維芽細胞からは物理的に分離されるように、共培養インサートを使用して培養細胞の上方に配置された。細胞代謝活性(2Dまたは3Dで)を、MTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5ジフェニルテトラゾリウムブロミド)(Sigma−Aldrich社、ミズーリ州セントルイス)を使用して評価した。簡潔には、細胞をPBS中で3回洗浄し、次にMTT溶液(PBS中の0.5mg/mLのMTT、各々24および12ウエルプレートの1ウエルに付き1および2mL)とともに37℃の加湿インキュベータ(5% CO/95%空気)内で1時間にわたりインキュベートした。健常生存細胞中では、MTTは、ミトコンドリア酵素スクシニルデヒドロゲナーゼの活性によって紫色のホルマザン塩に還元される。60分後、溶液を吸引し、不溶性細胞内ホルマザン生成物を可溶化し、イソプロパノール(24ウエルプレートの1ウエルまたは1mL/cmの培養組織に付き0.5mL)を加えることによって細胞から放出させ、10分間にわたりインキュベートした。次に540nmでの光学密度は、プレート読取り分光計を使用して測定した。
C.コラーゲン生成について染色することによるスカフォールド内で成長した細胞の視認
環境上のスピニング条件(湿度および温度)がスカフォールドの物理的構造および細胞成長に及ぼす効果を分析するために、様々な条件下でエレクトロスピンされたPLGAスカフォールド上の3D培養物をコラーゲン沈着について試験した。スカフォールド繊維上へのコラーゲン沈着を、Blackwood et al.,2008に記載されたように分析した。簡潔には、構築体を7日間にわたり成長させ、次にPBS中で3回洗浄し、4%ホルマリン中で固定した。PBSを用いた3回の洗浄後、構築体は18時間にわたり飽和ピクリン酸中のシリウスレッドF3B(C.I.35780、Direct Red 80、Sigma−Aldrich社)の0.1%溶液中でコラーゲン沈着について染色した。その後、構築体を、もはや赤色が溶出しなくなるまで水で洗浄した。次にデジタルカメラを用いてピクロシリウスレッドで染色したスカフォールドを撮影した。
D.NF−κB/p65活性化を検出するための線維芽細胞の免疫標識によるイブプロフェンおよびイブプロフェン装填スカフォールドの抗炎症効果についての調査
100ng/mLの大腸菌(E.coli)血清型O111:B4(Sigma−Aldrich社)または1,000U/mLのTNF−α(Sigma−Aldrich社)由来のLPSを線維芽細胞内でのNF−κBの活性化についての陽性コントロールとして使用した。予備実験において、イブプロフェン(10−3および−4M、ナトリウム塩および異性体混合物;Sigma−Aldrich社、英国(UK))を使用してNF−κB活性化をダウンレギュレートさせた。次に10%イブプロフェン装填PLGAスカフォールド(75/25、50/50およびこれら2つの1:1ブレンド)を試験した。陰性コントロールを、正常DMEM中で細胞をインキュベートすることによって生成した。全実験は3回ずつ実施した。
イブプロフェン処置後、単層をPBS中で洗浄し、細胞は10%ホルマリン(1ウエルに付き500μl)中で30分間にわたり固定した。細胞単層をPBS中でさらに3回洗浄し、その後に20分間にわたり0.1% Triton X100を用いて細胞透過化した。続いて、細胞をPBSを用いて3回洗浄した。非反応性結合部位は、1時間にわたり各ウエルに5%乾燥粉乳を加えることによって遮断した。PBS中でのさらに3回の洗浄を実施し、その後に一次抗体溶液とインキュベーションした。一次抗体(ウサギポリクローナル抗ヒトIgG NF−κB p65 C−20、Santa Cruz Biotechnology社、カリフォルニア州)を1%のPBS−乾燥粉乳中の1:100の濃度で加えた。細胞を、4℃で18時間にわたり抗体溶液中でインキュベーションした。細胞をPBS中でさらに3回洗浄した。その後、細胞は、1%のPBS−乾燥粉乳のビオチン化ヤギ抗ウサギ(1:1,000)(Vector Laboratories社、カリフォルニア州)とともにインキュベーションした。次に細胞をPBS中でさらに3回洗浄した。ストレプトアビジン−FITC(Vector Laboratories社、カリフォルニア州)コンジュゲートをPBS中の1:100の濃度でウエルに加えた。PBS中でさらに3回の洗浄を実施した。この後、AXONイメージエクスプレスシステム(Axon Instruments/Molecular Devices社、カリフォルニア州ユニオンシティ)を使用して蛍光染色を視認した。簡潔には、免疫標識サンプルの蛍光顕微鏡写真を、λex495nm λem515nm(FITC視認のため);λex358nm λem461nm(DAPI視認のため)で落射蛍光照明を使用して撮影した。核の位置を同定するためにDAPI蛍光を使用した。核と細胞質との境界は、1視野に付き少なくとも100細胞計数のサンプル中でDAPI顕微鏡差信を使用して分析ソフトウエア(ImageXpress Console 1.0)によって画定した。規定した領域内で、FITC(NF−κB/p65)標識の強度を使用して、各顕微鏡写真およびサンプルについての活性化を計算した。NF−κB活性化の計算は、細胞内位置にしたがって(以前にMoustafa et al.,J Invest Dermatol.2002 Dec;119(6):1244−53およびCanton et al.,Tissue Eng.2007;13(5):1013−24に記載されているように)手動で実施したが、このとき全核局在化はNF−κBの完全活性化を示し、核局在化の欠如は不活性NF−κBを示す。核および細胞質ゾル両方におけるp65標識は、部分活性化と見なした。顕微鏡写真の分析は3回ずつ実施した。
3Dスカフォールド内で培養した細胞に対し使用した方法は、Sun et al.,J Mater Sci Mater Med.2004;15(7):743−9に記載されたとおりであった。線維芽細胞の接着および移動がイブプロフェン装填スカフォールドに及ぼす効果についての調査のためには、これは0、2、5および10%のイブプロフェンを含有するスカフォールド上に細胞を装填し、7日間にわたり細胞を培養し、その後にMTT ESTAを使用して細胞生存性の評価を実施することによって試験した。これらの実験では、スカフォールドの一部のサンプルを1〜48時間の様々な期間にわたり培地中に浸漬することによって洗浄し、その後に指示したように細胞添加を実施した。
E.統計学的検定
結果間の有意差を評価するためにはStudent’sの対応のないt検定(unpaired t-test)を使用した。
3.アスピリン装填スカフォールド
A.材料
アセチルサリチル酸(アスピリン)およびポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)(75/25)は、Sigma Aldrich社から購入し、受領したままで使用した。
B.アスピリン装填繊維のエレクトロスピニング
ジクロロメタン中のPLGA(75/25)の20重量%溶液に、10重量%のアセチルサリチル酸(ポリマーに対して)を加え、完全に溶解するまで撹拌すると、均質な溶液が得られた。エレクトロスピニング条件は、上述したようにイブプロフェン装填75/25 PLGA繊維性スカフォールドのための条件と同様であった。
C.アスピリンの放出
繊維からのアスピリンの放出を、1週間の期間にわたり様々な時点にUV/Vis分光計(強度:240nm)を使用してモニターし、検量線値と比較した。
各実験のためにスカフォールドの1切片(10mg)を切削し、純水(3mL)中に沈めた。これはおよそ1.0mgのアスピリンに対応し、1.68mMの最大計算濃度と等価である。
結果
1.スカフォールドの合成および特性解析
A.イブプロフェンを用いたエレクトロスパン材料を製造するための再現性のスピニング条件の開発
PLGAスカフォールドを、イブプロフェンが均一に分散されている繊維を製造するために、ポリマーに対して1〜10重量%のイブプロフェンが装填されたDCM溶液からエレクトロスピンした(図1A、DおよびFを参照)。イブプロフェンの酸形の存在は、図1に示したように繊維性スカフォールドの外観を有意には変化させなかった。酸形を使用したのは、イブプロフェンのナトリウム塩がポリマーを処置するために適合する溶媒中に不溶性であったためである。後者はスピニング溶液中での薬物の均質な分散を生じさせることが見いだされ、スピニングすると、薬物は本プロセスに含まれる静電力のために繊維の表面に近付く傾向を有した(図1B参照)。
この方法で製造された繊維は、水性媒体中に沈められた場合に迅速なバースト放出を示すことが証明されている(Taepaiboon,et al.,Nanotechnology.2006;17:2317−232)。したがってより持続性の放出を達成するために、ポリマーおよびイブプロフェン異性体混合物(酸形)の均質溶液を、残り全部の試験のためにジクロロメタン(DCM)中で調製した。
様々なポリマーの濃度およびエレクトロスピニング・パラメータは、本発明者らが以前に報告したとおりであった(Blackwood et al.,Biomaterials.2008;29(21):3091−104)。1〜10重量%(ポリマーに対して)のイブプロフェンを加え、各溶液をスピニングの前に完全に溶解させた。ポリマーの1:1ブレンドのために、等量のPLGA 50/50(イブプロフェンを含む)および75/25(イブプロフェンを含む)の溶液を混合した。
エレクトロスピニングが実施される環境の温度および湿度は、スカフォールドの物理的特性に強度に影響を及ぼした。スピニング溶液の迅速な溶媒蒸発のために、排出された繊維が乾燥するにつれて、繊維はその周囲より冷却され、その上に水蒸気が凝縮する。高湿度条件下でのスピニングは、それらの上で成長する細胞タイプまたは培地中の血清の存在もしくは非存在とは無関係に細胞が収縮するスカフォールドを生成した(図2A)。この場合には、細胞との培養(線維芽細胞、ケラチン生成細胞およびその両方との共培養)中において数日後にのみ、スカフォールドが明白な物理的変化を受けた(収縮、厚みの減少および多孔性フィルム様形態を生じさせる一緒に併合(merge)した繊維)ことは明らかである。しかし、表面水を全て完全に除去するためのスピニング直後のスカフォールドの真空乾燥は、図2Bから明らかなように、細胞収縮に対してはるかに抵抗性であるスカフォールドを生じた。
B.スカフォールドからのイブプロフェン放出およびスカフォールドのインビトロ分解
3種のスカフォールドタイプ(各々10%のイブプロフェンを含有)からのイブプロフェンの放出を、UV/Vis分光計を用いてモニターした。各実験のためにスカフォールドの25mgの切片を切削し、3mLの純水中に沈めた。これは1サンプルに付きおよそ2.5mgのイブプロフェンに相当し、これは50/50、75/25およびブレンド各々について4.1mM、3.9mMおよび3.2mMの最大計算濃度と等価である。サンプルからのイブプロフェンの放出を、様々な時点に222nmでUV/Vis分光計を用いてモニターし(イブプロフェンのλmax)検量線値と比較した。3種のスカフォールドについての放出プロファイルを、図3aおよびbに示した。
全部のスカフォールが、初期8時間中の薬物の初期迅速放出を伴う類似の挙動を示した(図3bの拡大目盛り上に示した)。このイブプロフェンの初期の迅速な放出の後に、続く6日間にわたる徐放が続き(図3aに示した)、その後にはいずれのスカフォールドも薬物を全く放出しなかった;実際に、溶液中の薬物の濃度は、存在する薬物の総量についての計算値よりほぼ一桁低い数値であった。したがって、スカフォールドは7日間にわたってそれらに装填されたイブプロフェンのおよそ10分の1を消失していると思われた。
コポリマー中のグリコチド体ラクチドのパーセンテージが高いほど、インビボおよびインビトロ両方のスカフォールドの崩壊が速くなる(Blackwood et al.,Biomaterials.2008;29(21):3091−104)。50/50スカフォールドは、約3カ月を要した75%ラクチドおよび25%グリコチドから構成されるスカフォールドに比較して極めて迅速(インビトロでは1週間以内)に崩壊した。そこで初期の研究は、創傷床内に分解すると思われるイブプロフェン放出性被覆材のための最善の候補として50/50スカフォールドに焦点を当てた。しかし、PLGAの加水分解は酸触媒されるので、スカフォールド内の(酸性)イブプロフェンの存在はスカフォールドの崩壊速度に影響を及ぼす可能性があると考えられた。
したがって、スカフォールド内のイブプロフェン包含が様々な比率のグリコリド(50/50、75/25ならびに50/50および75/25の1:1ブレンド)を有するスカフォールドのインビトロ分解に及ぼす効果を調査した。さらに、非治癒性創傷内のpHは酸性から塩基性の範囲に及ぶこともまた報告されているので(Dissemond et al.,Hautarzt.2003 Oct;54(10):959−65)、pHにおけるこれらの変動はリンガー液中のインビトロでpH6、7.4および8.5へ模倣された。図4では、本発明者らは、イブプロフェンを含む、および含まない場合の時点0日、1日および6日後に75:25スカフォールド繊維の一部の光学顕微鏡写真を示した。表2は、これらの実験からの分解データを要約している。
最初は、全スカフォールドは、スカフォールドがイブプロフェンを含有したか否かとは無関係に、類似に見えた(2〜5μmの範囲に及ぶ繊維を用いて)(図4)。しかし、6日後までに、イブプロフェンを有するスカフォールドは、全構造的完全性を消失していた。これとは対照的に、イブプロフェンを有していないPLGAスカフォールドは(グリコリド含量とは無関係に)第0日に見られたものと類似する外観を維持した(図4および表1)。
† スカフォールド(イブプロフェンを含む、または含まない;50:50、75:25、およびブレンド)は、ティッシューパンチを使用して18mm径の円板に切削した。スカフォールドは、抗生物質(1.25μg/mLのアムホテリシンB、200IU/mLのペニシリンおよび200μg/mLのストレプトマイシン)を含む1mLのリンガー液中に浸漬し、37℃でインキュベートした。スカフォールド周囲の溶液のpHを、第0日(初期pH)(図示していない)ならびに第1日および第6日にモニターした。
この分解もまた、第1日にスカフォールド周囲のリンガー液内で見いだされたpH4〜5からは有意に変化しなかったリンガー液の初期pHとは無関係であった。これは6日間の実験にわたって有意には変化しなかった(表2)。
表2に要約したように、グリコリドの含量は、繊維の分解速度を加速させる際の重要な因子であった。50/50 PLGAスカフォールドは存在するイブプロフェンに伴ってより速い分解速度を有し、実際に第1日にはイブプロフェン50/50スカフォールドの物理的構造は、(図4Cに示し、表2に要約したように)繊維の一部の併合を示した。
2.スカフォールドへの細胞応答
A.イブプロフェンへの細胞の細胞毒性および抗炎症性応答
最初に、細胞に対する細胞毒性を伴わずに抗炎症性になるイブプロフェンの濃度を決定することが必要であった。したがって、イブプロフェンナトリウム塩およびイブプロフェン異性体混合物(酸形)の両方をそれらが線維芽細胞の生存性に及ぼす効果について試験した(結果を表3に要約した)。両方の形態のイブプロフェンは同様に機能し、細胞は10−3M(p<0.05)までのイブプロフェン濃度を認容したが、10−2Mの濃度で細胞毒性応答を示した。その後の試験のためには、調査したイブプロフェンの濃度は10−3Mを超えなかった。
表3.NaIbu(イブプロフェンナトリウム塩)およびイブプロフェン異性体混合物がHDF生存性に及ぼす効果(MTT−ESTAアッセイ)
イブプロフェンへの24時間曝露がヒト線維芽細胞生存性に及ぼす効果は、MTT−ESTAアッセイを使用して評価した。示した結果は、3つずつのウエルの平均値±SEMである。コントロールとは相違する数値は、p<0.05と表示した。
本発明者らは、次にイブプロフェンが線維芽細胞内でLPSおよびTNF誘導NF−κB活性化に及ぼす効果を試験した(図5および6)。イブプロフェンの10−3および10−4Mの濃度−イブプロフェン塩およびイブプロフェン異性体混合物の両方−は、図5に例示したようにLPSおよびTNF−καへの応答を有意に低下させることができ、定量データは図6に示した。これらの実験では、LPSおよびTNF−αはNF−κBの80%活性化を生じさせた。
B.イブプロフェンスカフォールドへの細胞の細胞毒性および抗炎症性応答
実験の次の段階は、イブプロフェンが装填されていない、および装填されている両方のPLLA−PGAスカフォールドを3Dスカフォールド内の線維芽細胞の培養の上方に配置することであった。PLGAスカフォールドが細胞生存性に及ぼす、および炎症性刺激に対する細胞の応答に及ぼす効果を次に調査した。装填されたスカフォールドは、2つの方法で試験した。一部は、イブプロフェンの任意の初期バースト放出をこれらの実験で得ることができるように、故意に洗浄せずに放置した。その他は70%EtOH中で強力に洗浄し、次に任意の緩やかに結合したイブプロフェンを除去するためにPBS中で3回洗浄した。
洗浄済みおよび未洗浄スカフォールドは、スカフォールドに10%イブプロフェンが装填されたか否かとは無関係に、これらのスカフォールド下に置かれた線維芽細胞単層の生存性に有意な効果を及ぼさなかった。
スカフォールドからのイブプロフェンのいくらかの初期バースト放出は、少しも有意な程度まで隣接細胞生存性に有害に影響を及ぼすために十分に高いとは思われない。24時間にわたる1mLの培地中へのイブプロフェンの最大放出の計算は、0.4mMの理論的最大値を生じさせた(スカフォールド内に装填された10%イブプロフェンのおよそ10%放出を想定して、上記のセクション2から引き出された)。
イブプロフェンの抗炎症性効果に関して、イブプロフェンを含有するスカフォールドを用いた線維芽細胞の2D単層のインキュベーションは、全症例においてLPS刺激NF−κB転座(translocation)を有意に減少させた(p<0.05)(図7)。3種の相違するスカフォールドを用いて観察された阻害は有意には相違せず、図6に示したように、細胞を10−4Mにあるイブプロフェン異性体混合物とともにインキュベートした場合に観察された阻害に匹敵していた。このため、スカフォールド内に装填された10%イブプロフェンは、線維芽細胞内の炎症シグナル伝達を阻害するために適切な濃度でスカフォールドから放出された。
イブプロフェンを含有するスカフォールドが3Dで培養された細胞に及ぼす効果を試験した。3Dにおけるこれらの細胞の外観の典型的画像は、図8に示した。3Dにおけるp65転座を使用してNF−κB活性化を推定することは技術的に課題が多いが、この試験から2つのポイントを認めることができた。最初に、3DにおけるLPSを用いると2Dを用いた場合より細胞の活性化は低く(本研究所や他の研究所から報告されているように、細胞は2Dよりむしろ3Dにおける場合の損傷により良好に対処する)(Sun et al.,J Mater Sci Mater Med.2004;15(7):743−9)および第二に10%イブプロフェンスカフォールドは、3Dにおけるこれらの細胞中でのNF−κBのLPS活性化を減少させることができた。
C.イブプロフェン装填スカフォールドが細胞の接着および増殖を支持する能力
最後に、スカフォールド上の線維芽細胞の接着および増殖の比較は、線維芽細胞が、1、2および5重量%のイブプロフェンが装填されたスカフォールド上ならびに非装填スカフォールド上に接着して増殖したことを証明した(図9a)。しかし、10%イブプロフェンを用いたスカフォールドの装填は初期細胞接着を減少させたが、これは、24時間にわたりスカフォールドを洗浄することによって、(それらのイブプロフェンの一部を放出するスカフォールドと一致して)コントロールレベルへ部分的に(図9a参照)または完全に(図9b参照)回復した。
これは、イブプロフェン装填繊維がこれらの細胞が接着および移動するための基質を提供できるままであることを示していて、表4に示した結果によって確証されている。
線維芽細胞は3D培養中で(3回ずつ)培養され、イブプロフェンが装填された、または装填されていないスカフォールドの効果を24時間にわたりこれらの培養上で試験して細胞生存性MTT ESTAアッセイを評価した。示した結果は、スカフォールドに曝露させなかったコントロール培養と比較した3回の細胞生存性の平均値±SEMである。
スカフォールド組成物は、様々な比率のラクチド対グリコチド75:25(Mw:66〜107k)、50:50(Mw:40〜75k)およびこれら2つの1:1ブレンドを有するスカフォールドを製造するためにエレクトロスピンされたポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)コポリマーであった。
スカフォールド処置は、以下のとおりであった。イブプロフェンを有する、または有しない全スカフォールドは、最初に70%EtOHを使用して滅菌した。スカフォールドは次に数秒間にわたり細胞培地中で洗浄され、その後に3D培養上に配置した。洗浄済みスカフォールドとして参照されたイブプロフェンスカフォールドについては、これらは任意の初期イブプロフェン放出を許容するために1時間にわたりPBS中で洗浄し、次に数秒間にわたり細胞培地中で手短に洗浄し、その後に線維芽細胞を含有する3Dスカフォールド上に配置した。
3.アスピリン装填スカフォールド
A.結果
スカフォールドの10mgサンプル(水3mL中)中での総濃度は1.68mMであり、1週間にわたってこのうちの37%しか放出されなかった。イブプロフェン装填スカフォールドと同様に、初期8時間くらいには初期迅速放出が生じ、その後にはより持続性でその後の7日間にわたる段階的放出が続いた。
B.考察
PLGA繊維性スカフォールドからのアスピリンの放出プロファイルは、初期8時間にわたる初期迅速放出とともに、イブプロフェン装填スカフォールドについて見られた放出プロファイルと極めて類似であった。初期バースト後、繊維が分解し始めるにつれてより徐放性の放出が観察されるが、各場合においてスカフォールドは、図10に例示したように、水中に沈めてから7日後にあるパーセンテージ(イブプロフェンについてはおよそ10%およびアスピリンについては37%)しか放出しなかった。
読者は、本出願と結び付けて本明細書と同時またはそれより前に出願された、かつ本明細書に関する一般閲覧に対して開放されている、全ての論文および文献に向けられる。そのような論文および文献の内容は、引用することより本明細書の一部をなす。
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面を包含する)に開示した特徴の全て、および/またはそのように開示された任意の方法またはプロセスのステップの全ては、そのような特徴および/またはステップの少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで結合することができる。
本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書および図面)に開示した各特徴は、さもなければ明示的に参照されない限り、同一、同等もしくは類似の目的に役立つ代替機能によって置換することができる。そこで、さもなければ明示的に参照されない限り、開示された各機能は、同等もしくは類似の機能の包括的シリーズの1つの例に過ぎない。
本発明は、任意の上記の実施形態の詳細には限定されない。本発明は、本明細書に開示した機能の任意の新規な1つ、または任意の新規な組み合わせ(任意の添付の特許請求の範囲、要約書および図面を包含する)、またはそのように開示された任意の方法またはプロセスのステップの任意の新規な1つ、または任意の新規な組み合わせにまで及ぶ。

Claims (50)

  1. エレクトロスパン・スカフォールドを含む創傷被覆材であって、前記スカフォールドが、生分解性ポリマーもしくはコポリマーと非ステロイド性抗炎症薬とを含み、前記ポリマーもしくはコポリマーと前記非ステロイド性抗炎症薬とが各々共通溶媒中で溶解できることを特徴とする創傷被覆材。
  2. 前記生分解性ポリマーもしくはコポリマーが、生体適合性である請求項1に記載の創傷被覆材。
  3. 前記生分解性ポリマーが、コラーゲン、ポリアルファエステル、ポリオルトエステル、ポリ無水物またはそれらのコポリマーである請求項1または2に記載の創傷被覆材。
  4. 前記ポリマーが、セルロースエーテル、セルロース、セルロース系エステル、フッ素化ポリエチレン、フェノール類、ポリ−4−メチルペンテン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリベンゾキサゾール、ポリカーボネート、ポリシアノアリールエーテル、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリフルオロオレフィン、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリオキサジアゾール、酸化ポリフェニレン、硫化ポリフェニレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリチオエーテル、ポリトリアゾール、ポリウレタン、ポリビニル、フッ化ポリビニリデン、再生セルロース、シリコーン、尿素ホルムアルデヒド、またはそれらのコポリマーからなる群から選択される請求項1または2に記載の創傷被覆材。
  5. 前記ポリマーが、ポリ乳酸である請求項3に記載の創傷被覆材。
  6. 前記ポリマーが、ポリグリコール酸である請求項3に記載の創傷被覆材。
  7. 前記コポリマーが、ポリ乳酸とポリグリコール酸のコポリマーである請求項3に記載の創傷被覆材。
  8. 前記コポリマーが、ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコリド)である請求項7に記載の創傷被覆材。
  9. 前記ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコリド)が、75:25のラクチド対グリコリドの比率を有する請求項8に記載の創傷被覆材。
  10. 前記ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコリド)が、50:50のラクチド対グリコリドの比率を有する請求項8に記載の創傷被覆材。
  11. 前記NSAIDが、プロピオン酸系NSAIDである請求項1〜10のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
  12. 前記NSAIDが、[2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸]である請求項11に記載の創傷被覆材。
  13. 前記NSAIDが、アセチルサリチル酸酸である請求項1〜10のいずれか一項記載の創傷被覆材。
  14. 前記スカフォールドが、約5重量%〜約30重量%のNSAIDを含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
  15. 前記スカフォールドが、約10重量%〜約20重量%のNSAIDを含む請求項14に記載の創傷被覆材。
  16. 前記スカフォールドが、約10重量%のNSAIDを含む請求項14に記載の創傷被覆材。
  17. 生分解性ポリマーもしくはコポリマーと非ステロイド性抗炎症薬とを含むエレクトロスパン・スカフォールドであって、前記ポリマーもしくはコポリマーと前記非ステロイド性抗炎症薬とが、各々共通溶媒中で溶解できるエレクトロスパン・スカフォールド。
  18. 医薬品として使用するための生分解性ポリマーもしくはコポリマーと非ステロイド性抗炎症薬とを含むエレクトロスパン・スカフォールドであって、前記ポリマーもしくはコポリマーと前記非ステロイド性抗炎症薬とが、各々共通溶媒中で溶解できるエレクトロスパン・スカフォールド。
  19. 創傷の治療に使用するための生分解性ポリマーもしくはコポリマーと非ステロイド性抗炎症薬とを含むエレクトロスパン・スカフォールドであって、前記ポリマーもしくはコポリマーと非ステロイド性抗炎症薬とが、各々共通溶媒中で溶解するできるエレクトロスパン・スカフォールド。
  20. 前記創傷が慢性創傷であるか、または前記創傷が急性創傷である請求項19に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  21. 疼痛または炎症の治療に使用するための生分解性ポリマーもしくはコポリマーと非ステロイド性抗炎症薬とを含むエレクトロスパン・スカフォールドであって、前記ポリマーもしくはコポリマーと前記非ステロイド性抗炎症薬が、各々共通溶媒中で溶解できるエレクトロスパン・スカフォールド。
  22. 前記生分解性ポリマーもしくはコポリマーが、生体適合性である請求項17〜21のいずれか一項に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  23. 前記生分解性ポリマーが、コラーゲン、ポリアルファエステル、ポリオルトエステル、ポリ無水物またはそれらのコポリマーである請求項17〜22のいずれか一項に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  24. 前記ポリマーが、セルロースエーテル、セルロース、セルロース系エステル、フッ素化ポリエチレン、フェノール類、ポリ−4−メチルペンテン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリベンゾキサゾール、ポリカーボネート、ポリシアノアリールエーテル、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリフルオロオレフィン、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリオキサジアゾール、酸化ポリフェニレン、硫化ポリフェニレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリチオエーテル、ポリトリアゾール、ポリウレタン、ポリビニル、フッ化ポリビニリデン、再生セルロース、シリコーン、尿素ホルムアルデヒドまたはそれらのコポリマーからなる群から選択される請求項17〜22のいずれか一項に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  25. 前記ポリマーが、ポリ乳酸である請求項23に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  26. 前記ポリマーが、ポリグリコール酸である請求項23に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  27. 前記コポリマーが、ポリ乳酸とポリグリコール酸のコポリマーである請求項23に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  28. 前記コポリマーが、ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコリド)である請求項27に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  29. 前記ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコリド)が、75:25のラクチド対グリコリドの比率を有する請求項28に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  30. 前記ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコリド)が、50:50のラクチド対グリコリドの比率を有する請求項28に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  31. 前記NSAIDが、プロピオン酸系NSAIDである請求項17〜30のいずれか一項に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  32. 前記NSAIDが、[2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸]である請求項31に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  33. 前記NSAIDが、アセチルサリチル酸である請求項17〜30のいずれか一項に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  34. 前記スカフォールドが、約5重量%〜約30重量%のNSAIDを含む請求項17〜33のいずれか一項に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  35. 前記スカフォールドが、約10重量%〜約20重量%のNSAIDを含む請求項34に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  36. 前記スカフォールドが、約10重量%のNSAIDを含む請求項34に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  37. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の創傷被覆材または請求項17〜36のいずれか一項に記載のエレクトロスパン・スカフォールドの使用を含む創傷を治療する方法。
  38. 前記創傷被覆材またはエレクトロスパン・スカフォールドが、創傷に適用される請求項37に記載の方法。
  39. 創傷治癒において使用するためのエレクトロスパン・スカフォールドを製造する方法であって:
    i)ポリマーもしくはコポリマーとNSAIDとを共通溶媒中に溶解させるステップ;および
    ii)ステップi)の結果として生じた溶液をエレクトロスピンするステップ
    を含む方法。
  40. 請求項39に記載の方法にしたがって製造されたエレクトロスパン・スカフォールド。
  41. 医薬品として使用するための、請求項40に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  42. 創傷の治療において使用するための、請求項40に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  43. 前記創傷が慢性創傷である、または前記創傷が急性創傷である請求項42に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  44. 疼痛または炎症の治療において使用するための請求項40に記載のエレクトロスパン・スカフォールド。
  45. ポリマーもしくはコポリマーを含むエレクトロスパン・スカフォールドの分解を触媒するための非ステロイド性抗炎症薬の使用。
  46. 前記非ステロイド性抗炎症薬が、前記ポリマーもしくはコポリマーと一緒にエレクトロスピンされる請求項45に記載の使用。
  47. 添付の図面を参照して本明細書に実質的に記載された創傷被覆材。
  48. 添付の図面を参照して本明細書に実質的に記載されたエレクトロスパン・スカフォールド。
  49. 添付の図面を参照して本明細書に実質的に記載された創傷を治療する方法。
  50. 添付の図面を参照して本明細書に実質的に記載されたエレクトロスパン・スカフォールドを製造する方法。
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