JP2012518693A - 非ブルーム性難燃熱可塑性組成物 - Google Patents

非ブルーム性難燃熱可塑性組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2012518693A
JP2012518693A JP2011550506A JP2011550506A JP2012518693A JP 2012518693 A JP2012518693 A JP 2012518693A JP 2011550506 A JP2011550506 A JP 2011550506A JP 2011550506 A JP2011550506 A JP 2011550506A JP 2012518693 A JP2012518693 A JP 2012518693A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
composition
flame retardant
weight
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011550506A
Other languages
English (en)
Inventor
アンジェリカ シュミット,
ラック エルザ フローレント レーマンス,
アッツェ ジャン ナイエンハイス,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DSM IP Assets BV
Original Assignee
DSM IP Assets BV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DSM IP Assets BV filed Critical DSM IP Assets BV
Publication of JP2012518693A publication Critical patent/JP2012518693A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/49Phosphorus-containing compounds
    • C08K5/51Phosphorus bound to oxygen
    • C08K5/53Phosphorus bound to oxygen bound to oxygen and to carbon only
    • C08K5/5313Phosphinic compounds, e.g. R2=P(:O)OR'
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/16Nitrogen-containing compounds
    • C08K5/34Heterocyclic compounds having nitrogen in the ring
    • C08K5/3467Heterocyclic compounds having nitrogen in the ring having more than two nitrogen atoms in the ring
    • C08K5/3477Six-membered rings
    • C08K5/3492Triazines
    • C08K5/34928Salts

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)

Abstract

本発明は、熱可塑性ポリマー組成物と、燐含有アニオンを含む難燃剤と、ホウ酸塩と酸スカベンジャーとを含む難燃熱可塑性組成物に関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は非ブルーム性難燃熱可塑性組成物に関し、詳しくは、リン含有アニオンとホウ酸塩化合物とを含む難燃熱可塑性組成物に関する。
ブルームは、添加剤がポリマー中において周囲温度でよりも加工温度で高い溶解度を有する時に起きる。その結果、冷えると、添加剤の一部はポリマーから分離するとともに、場合によって、ポリマーの表面に移行する。
ブルームの問題は、一般に以下のように対処されている。様々な添加剤またはポリマー組成物を選択し、添加剤が周囲温度で完全に可溶性であるようにする。もしくは別の添加剤の添加と通常は組み合わせて添加剤の量を減らし、それによって、より低い濃度の2種の添加剤が周囲温度でポリマー組成物に完全に可溶性であるようにする。
特にハロゲンフリー難燃ポリマー組成物中でのホウ酸塩、特にホウ酸亜鉛の使用はますます一般的になってきた。しかし、ホウ酸塩とリン含有アニオン成分の両方を含むポリマー組成物が特にブルームする傾向があることが見出された。
従来から、ブルームの問題は難燃添加剤の削減または交換によって対処されてきた。しかし、この解決法は、ポリマー組成物の難燃特性の低下および/または機械的特性の大幅な低下をもたらし得る。
従って、本発明の目的は、ブルームを起こさずにホウ酸塩化合物を組成物に添加することを可能にする難燃ポリマー組成物を提供することである。
この目的は、
(A)熱可塑性ポリマー組成物と、
(B)リン含有アニオンを含む難燃剤と、
(C)ホウ酸塩と
(D)酸スカベンジャーと
を含む難燃熱可塑性組成物を提供することにより本発明の範囲内で達成される。
驚くべきことに、酸スカベンジャー(D)の添加により、全ポリマー成分から難燃成分または難燃成分の誘導体のブルームを減らすこと、またはブルームを無くすことさえ可能である。
ブルームの検出は、小粒子物質をポリマーの表面上で観察する目視検査によって行われる。ブルームのレベルおよび範囲が本発明の目的のために様々であってよい一方で、どんなレベルまたは範囲であってもブルームの目に見える検出が裸眼で検出される時、ブルームは存在する。
[成分D]
本発明の目的のための酸スカベンジャーは、酸を中和または拘束し、それによって酸が組成物内の他の化学種と反応するのを妨げる化合物である。
酸スカベンジャーは、ブレンステッド塩基および/または無機酸によりエステルを形成できる化合物を含む。ブレンステッド塩基は水素イオン(H)を受け入れる化合物であり、中性塩基(例えば、NH;NHOH)、アニオン塩基(例えば、HPO 2−)およびカチオン塩基(例えば、[Al(HO)OH]2+)を含む。
適する酸受容体の例には、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリンのような有機化合物が挙げられる。無機酸受容体の例は、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、弱酸と強塩基とを含む無機弱塩基、有機水酸化物、脂肪族アミン、芳香族アミン、メラミンまたはメラムなどのトリアジン誘導体、ハイドロタルサイト、炭酸塩、重炭酸塩、スズ酸塩、ステアリン酸塩、およびクレーならびにゼオライトなどのイオン交換媒体である。無機酸によりエステルを形成できる化合物には、オキシラン、オキセタン、チイラン、炭酸塩およびエピスルフィドが挙げられる。好ましくは、酸スカベンジャーはブレンステッド塩基である。好ましいブレンステッド塩基には、メラミン、ハイドロタルサイトとしても示されるタルサイト、炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウムなどの炭酸塩が挙げられる。より好ましくは、メラミンまたはハイドロタルサイトが用いられ、最も好ましくは、メラミンが酸スカベンジャーとして用いられる。
酸スカベンジ当量(ASE)は、酸スカベンジャー1kgから理論的に(または実験を通して決定される)スカベンジされ得る酸のモル数として定義される。実験的分析なしで、酸スカベンジャー上の利用可能なすべての官能基が利用可能なすべての酸化学種と完全に反応することを妨げる動力学的インパクトおよび熱力学的インパクトのゆえにASEが理論量であることが認識されるであろう。それゆえに、実験的に得られたASE値の使用が好ましい。この範囲で、実験的ASE値を決定するために、理論的に決定された値を実験における出発点として用いてよい。特定のポリマー組成物のために実験的に決定されたASE値は、理論的に決定されたASE値と一桁異なる場合があることが認められるであろう。高いASEは、低分子量と酸を拘束または中和できる多数の官能基を有する酸スカベンジャーを選択することを通して達成される。
好ましくは、酸スカベンジャーは、酸スカベンジャーkg当たりスカベンジされる酸、少なくとも0.5モル、好ましくは少なくとも1.5モル、より好ましくは少なくとも3モル、より好ましくは少なくとも5モル、より好ましくは少なくとも10モル、なおより好ましくは少なくとも15モル、最も好ましくは少なくとも20モルの酸スカベンジ当量を有する。酸スカベンジャーの酸スカベンジ当量が高ければ高いほど、ブルームを防ぐために必要な酸スカベンジャーの量は少ない。結果として、組成物の機能特性に対して悪影響を及ぼす酸スカベンジャーのリスクはより低い。
本発明の目的のための酸スカベンジャー官能基は、酸を中和または拘束できる化合物内の特定の化学基である。酸スカベンジャーは、1個以上の酸スカベンジャー官能基を有してよい。
ブルームは様々な組成要因および環境要因に応じて決まる複雑な現象なので、酸スカベンジャーの最適な量は、必要に応じてブルームを減少させるか、または無くするまで酸スカベンジャーの比率を増加させてポリマー組成物を標準条件下で加工し、冷却する日常的な試行および実験を通して最善に達成される。この技法は、酸スカベンジャーの性質(例えば、ナノクレー型材料またはゼオライト型材料)のゆえに酸スカベンジャーの分子量または酸スカベンジャー官能基の量を理論的に決定できない時に特に好ましい。
特別な実施形態において、酸スカベンジャーは、たとえあるにしても機械的特性の大幅な劣化につながらずに、ブルームを防ぐ能力および組成物の難燃性の一助となる能力のゆえにメラミンである。この実施形態内で、メラミンの量は、組成物の全重量を基準として、好ましくは10重量%未満、より好ましくは7重量%未満、なおより好ましくは6重量%未満、最も好ましくは5重量%未満である。
[成分A]
本発明は、リンおよびホウ酸塩による難燃剤系の存在下でブルームを発生しやすいポリマー組成物(A)を包含する。
ポリマー組成物が熱可塑性コポリエステルエラストマーおよび/または熱可塑性コポリアミドエラストマーおよび/または熱可塑性ポリウレタンエラストマーを含む場合、非常に良好な結果が得られる。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、短鎖ジオールおよび長鎖ジオール、例えば、ポリエステルジオールまたはポリエーテルジオールによるジイソシアネートの縮合によって得てよい。ジイソシアネートと短鎖ジオールのモノマー単位を含むポリマー鎖セグメントは結晶質ハードセグメントであり、長鎖ジオールから誘導された鎖セグメントはソフトセグメントである。最も一般に用いられるジイソシアネートは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)である。一般に用いられる短鎖ジオールには、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよび1,4−ジ−β−ヒドロキシエトキシベンゼンが挙げられる。
熱可塑性コポリエステルエラストマーおよび/または熱可塑性コポリアミドエラストマーは、それぞれポリエステルセグメントまたはポリアミドセグメントからなるハードブロックと別のポリマーのセグメントからなるソフトブロックとを含む。こうしたポリマーはブロックコポリマーとしても知られている。コポリエステルエラストマーのハードブロック中のポリエステルセグメントは、一般に、少なくとも1種のアルキレンジオールおよび少なくとも1種の芳香族または脂環式のジカルボン酸から誘導された反復単位から構成される。コポリアミドエラストマーのハードブロック中のポリアミドセグメントは、一般に、少なくとも1種の芳香族および/または脂肪族のジアミンおよび少なくとも1種の芳香族または脂肪族のジカルボン酸および/または脂肪族アミノ−カルボン酸からの反復単位から構成される。
典型的には、ハードブロックは、妥当な場合、室温より十分に高く、そして300℃ほどに高いか、なおより高くてよい溶融温度またはガラス転移温度を有するポリエステルまたはポリアミドからなる。好ましくは、溶融温度またはガラス転移温度は、少なくとも150℃、より好ましくは少なくとも170℃または少なくとも190℃でさえある。なおより好ましくは、ハードブロックの溶融温度またはガラス転移温度は、200〜280℃の範囲内または220〜250℃の範囲内でさえある。典型的には、ソフトブロックは、室温より十分に低いガラス転移温度であって−70℃ほどに低いか、またはより低くさえあるガラス転移温度を有する非晶質ポリマーまたは主として非晶質ポリマーのセグメントからなる。非晶質ポリマーのガラス転移温度は、好ましくは高くとも0℃、より好ましくは高くとも−10℃または高くとも−20℃でさえある。なおより好ましくは、ソフトブロックのガラス転移温度は、−20〜−60℃の範囲内または−30〜−50℃の範囲内でさえある。
適切には、コポリエステルエラストマーは、コポリエステルエステルエラストマー、コポリカーボネートエステルエラストマーおよび/またはコポリエーテルエステルエラストマー、すなわち、それぞれポリエステル、ポリカーボネートまたはポリエーテルのセグメントからなるソフトブロックを有するコポリエステルブロックコポリマーである。適するコポリエステルエステルエラストマーは、例えば、欧州特許第0102115−B1号明細書において記載されている。適するコポリカーボネートエステルエラストマーは、例えば、欧州特許第0846712−B1号明細書において記載されている。コポリエステルエラストマーは、例えば、DSM Engineering Plastics B.V.(The Netherlands)から商品名Arnitelで入手できる。適切には、コポリアミドエラストマーは、コポリエーテルアミドエラストマーである。コポリエーテルアミドエアラストマオアーは、例えば、Arkema(France)から商品名PEBAXで入手できる。
好ましくは、難燃組成物中のブロックコポリマーエラストマーはコポリエーテルエステルエラストマーである。
コポリエーテルエステルエラストマーは、少なくとも1種のポリアルキレンオキシドグリコールから誘導されたソフトセグメントを有する。コポリエーテルエステルエラストマーならびにコポリエーテルエステルエラストマーの調製および特性は当該技術分野内であり、例えば、Thermoplastic Elastomers、第2版、第8章、Carl Hanser Verlag(1996)ISBN 1−56990−205−4;Handbook of Thermoplastics、O.Otabisi編、第17章、Marcel Dekker Inc.,New York1997年、ISBN 0−8247−9797−3;およびEncyclopedia of Polymer Science and Engineering,第12巻、75〜117頁(1988年)、John Wiley and Sonsならびにそれらの中で挙げられた参考文献において詳しく記載されている。
ポリエーテルエステルエラストマーのハードブロック中の芳香族ジカルボン酸は、適切には、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および4,4−ジフェニルジカルボン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、芳香族ジカルボン酸はテレフタル酸を含み、より好ましくは、ジカルボン酸の全モル量を基準として、少なくとも50モル%、なおより好ましくは少なくとも90モル%のテレフタル酸からなり、もしくはテレフタル酸から完全になることさえある。
ポリエーテルエステルエラストマーのハードブロック中のアルキレンジオールは、適切には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサメチレンジオール、1,4−ブタンジオール、ベンゼンジメタノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、アルキレンジオールはエチレングリコールおよび/または1,4−ブタンジオールを含み、より好ましくは、アルキレンジオールの全モル量を基準として、少なくとも50モル%、なおより好ましくは少なくとも90モル%のエチレングリコールおよび/または1,4−ブタンジオールからなり、もしくはエチレングリコールおよび/または1,4−ブタンジオールから完全になることさえある。
ポリエーテルエステルエラストマーのハードブロックは、最も好ましくは、ポリブチレンテレフタレートセグメントを含むか、またはポリブチレンテレフタレートセグメントからなりさえする。
適切には、ポリアルキレンオキシドグリコールは、オキシラン、オキセタンおよび/またはオキソランに基づくホモポリマーまたはコポリマーである。ポリアルキレンオキシドグリコールが基づいてよい、適するオキシランの例はエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドである。対応するポリアルキレンオキシドグリコールホモポリマーは、それぞれ名称ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシドまたはポリエチレンオキシドグリコール(PEGまたはPEOとも略される)およびポリプロピレングリコール、ポリプロピレンオキシドまたはポリプロピレンオキシドグリコール(PPGまたはPPOとも略される)によって知られている。ポリアルキレンオキシドグリコールが基づいてよい、適するオキセタンの例は1,3−プロパンジオールである。対応するポリアルキレンオキシドグリコールホモポリマーは、ポリ(トリメチレン)グリコールの名称によって知られている。ポリアルキレンオキシドグリコールが基づいてよい、適するオキソランの例はテトラヒドロフランである。対応するポリアルキレンオキシドグリコールホモポリマーは、ポリ(テトラメチレン)グリコール(PTMG)またはポリテトラヒドロフラン(PTHF)の名称によって知られている。ポリアルキレンオキシドグリコールコポリマーは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーまたはそれらの混合構造であることが可能である。適するコポリマーは、例えば、エチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロックコポリマー(すなわちEO/POブロックコポリマー)、特にエチレンオキシド−末端ポリプロピレンオキシドグリコールである。
ポリアルキレンオキシドは、アルキレンジオールまたはアルキレンジオールの混合物もしくは低分子量ポリアルキレンオキシドグリコールまたは前述したグリコールの混合物のエーテル化生成物に基づくことも可能である。
好ましくは、本発明による絶縁ワイヤ中の難燃エラストマー組成物中で用いられるポリアルキレンオキシドグリコールは、ポリプロピレンオキシドグリコールホモポリマー(PPG)、エチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロックコポリマー(EO/POブロックコポリマー)およびポリ(テトラメチレン)グリコール(PTMG)ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
熱可塑性組成物の好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは70重量%、なおより好ましくは少なくとも80重量%、更により好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%は、熱可塑性コポリエステルエラストマーおよび/または熱可塑性コポリアミドエラストマーおよび/または熱可塑性ポリウレタンエラストマーを含む。特別な実施形態において、熱可塑性組成物は、熱可塑性コポリエステルエラストマーおよび/または熱可塑性コポリアミドエラストマーおよび/または熱可塑性ポリウレタンエラストマーからなる。熱可塑性コポリエステルエラストマー、熱可塑性コポリアミドエラストマーおよび熱可塑性ポリウレタンエラストマーの内、好ましくは、熱可塑性ポリエステルエラストマーが用いられる。
最終使用用途の機能要件に応じて、多様な他の熱可塑性ポリマーを含めてよい。例えば、成分Aは、ポリオレフィン、ポリウレタンまたはスチレン系ブロックコポリマーからなってよいか、またはそれらを含んでよい。
好ましい実施形態において、成分Aは、難燃エラストマー組成物中のポリマー成分の全重量を基準として、15〜40重量%の範囲内で、より好ましくは20〜30重量%の範囲内でスチレン系ブロックコポリマーを含む。
好ましいスチレン系ブロックコポリマーには、アクリロニトリル−スチレンコポリマー(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)コポリマー、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)コポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)コポリマー、スチレン−アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネンコポリマー(AES)およびその水素添加生成物が挙げられる。水素添加ブロックコポリマーには、中央ブロック(S−(EB/S)−S)中のエチレン/ブチレン、およびポリスチレン−b−ポリ(エチレン/プロピレン)、ポリスチレン−b−ポリ(エチレン/プロピレン)−b−ポリスチレン、ポリスチレン−b−ポリ(エチレン/ブチレン)−b−ポリスチレンならびにポリスチレン−b−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)−b−ポリスチレンが挙げられる。
好ましくは、スチレン系ブロックコポリマーは水素添加スチレン系ブロックコポリマーである。化合物のこの類は、優れた耐UV特性を示すからである。
特に好ましいスチレン系ブロックコポリマーには、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)コポリマーまたはスチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)が挙げられる。スチレン系ブロックコポリマーは、単独でまたは組合せで用いてよい。
スチレン系ブロックコポリマーは、好ましくは、コポリマーミッドブロック上に無水マレイン酸(MA)などでグラフトされる。スチレン系ブロックコポリマーの全重量を基準として、典型的には0.5〜5.0重量%の間のMA、より好ましくは1.0〜2.5重量%のMAがブロックコポリマー上にグラフトされる。MAグラフトは、ポリアミドおよびポリエステルを含む様々な基材へのコポリマーの接着性を改善する。
[成分B]
リン含有アニオンを含む難燃剤は、本発明の目的のために、少なくとも1種のリンアニオンを含む1種以上の難燃剤化合物を意味する。好ましくは、リンアニオン含有化合物は、成分Bの全重量を基準として少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも65重量%になる。
リン難燃剤は、好ましくは、式[RP(O)O] m+(式I)のホスフィン酸および/または式[O(O)PR−R−PR(O)O]2− m+(式II)のジホスフィン酸および/またはそれらのポリマーの金属塩を含む。
式中、
−RおよびRは、水素、直鎖、分岐および環式のC1〜C6脂肪族基、および芳香族基からなる群から選択された同じかまたは異なる置換基である。
−Rは、直鎖、分岐および環式のC1〜C10脂肪族基およびC6〜C10の芳香族基および脂肪族−芳香族基からなる群から選択される。
−Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、NaおよびKからなる群から選択された金属である。
−m、nおよびxは、1〜4の範囲内の同じかまたは異なる整数である。
好ましくは、成分Bは、メラミンとリン酸の反応生成物および/またはその縮合生成物である窒素/リン含有難燃剤を含むかまたは窒素/リン含有難燃剤からなる。メラミンとリン酸の反応生成物および/またはその縮合生成物により本明細書において理解される化合物は、リン酸によるメラミンの反応から生じるか、またはリン酸によるメラミンの縮合生成物、例えば、メレム、メラムおよびメロンである。
例には、例えば国際公開第98/39306号パンフレットにおいて記載されたようなジメラミンホスフェート、ジメラミンピロホスフェート、メラミンホスフェート、メラミンポリホスフェート、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メラムポリホスフェート、メロンポリホスフェートおよびメレムポリホスフェートが挙げられる。より好ましくは、窒素/リン含有難燃剤はメラミンポリホスフェートである。
同様に好ましくは、窒素/リン含有難燃剤は、アンモニアとリン酸またはリン酸のポリリン酸塩改良種の反応生成物である。適する例には、アンモニウム水素リン酸塩、アンモニウム2水素リン酸塩およびアンモニウムポリリン酸塩が挙げられる。より好ましくは、窒素/リン含有難燃剤はアンモニウムポリリン酸塩を含む。
好ましくは、難燃剤成分(B)は、リン酸塩化合物、より好ましくはメラミンリン酸塩化合物、最も好ましくはメラミンポリリン酸塩を含む。
難燃剤成分(B)は、好ましくはハロゲンフリーである他の難燃剤化合物によって補ってよい。好ましくは、他の非リン難燃剤は窒素含有難燃剤または窒素含有相乗剤を含む。
好ましくは、窒素含有相乗剤は、ベンゾグアナミン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、アラントイン、グリコリル、メラミン、メラミンシアヌレート、ジシアンジアミド、グアニジンおよびカルボジイミドならびにそれらの誘導体からなる群から選択される。
より好ましくは、窒素含有相乗剤はメラミンの縮合生成物を含む。メラミンの縮合生成物は、例えば、メレム、メラムおよびメロン、ならびに、それらのより高次の誘導体および混合物である。メラミンの縮合生成物は、例えば、国際公開第96/16948号パンフレットにおいて記載された方法によって製造することが可能である。
適する窒素含有化合物および窒素/リン含有化合物は、例えば、PCT/EP第97/01664号明細書、独国特許出願公開第19734437号明細書、独国特許出願公開第1973772号明細書および独国特許出願公開第19614424号明細書において記載されている。
[成分C]
ホウ酸塩またはホウ酸塩前駆体は、三酸化ホウ素、ボラックス、ケルナイト、灰ほう石、曹灰ほう鉱またはパンダーマイトなどの酸化ホウ素を含んでよい。ホウ酸塩は、好ましくは、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウムまたはホウ酸亜鉛からなる群から選択される。より好ましくは、ホウ酸塩は、ポリマー組成物中の確立された難燃剤であるホウ酸亜鉛である。
[成分E]
本発明による組成物中で使用できる適する添加剤は、例えば、無機充填剤、強化剤、顔料、難燃剤、安定剤、加工助剤、耐衝撃性改良剤、エステル交換抑制剤および核剤である。1つまたは複数の添加剤の選択は、特定のポリマー組成物および意図された用途ならびに必要とされる特定の特性に応じて異なり、成形品などの製品を製造するための組成物を調製する当業者によって容易に選択されることが可能である。
好ましい実施形態において、成分(E)は、熱可塑性組成物の全重量の20重量%未満、より好ましくは10重量%未満、なおより好ましくは5重量%未満、最も好ましくは全組成物の3重量%未満になる。本発明の非ブルーム性組成物が、軟質ケーブル用途のために適する組成物などの軟質ポリマー組成物などの低い充填剤比率を含む非強化ポリマー組成物において特に有利であることが見出された。
[特別な実施形態]
本発明の特別な実施形態において、難燃熱可塑性組成物は、
30〜88重量%の成分(A)と、
10〜40重量%の成分(B)と、
0.5〜15重量%の成分(C)と、
0.05〜10重量%の成分(D)と、
0〜50重量%の成分(E)と
を含む。
成分Aは、難燃組成物の全重量を基準として好ましくは35〜75重量%、より好ましくは40〜65重量%である。
成分Bは、難燃組成物の全重量を基準として好ましくは15〜35重量%、より好ましくは20〜30重量%の範囲内である。好ましくは、成分Bは、成分Bの全重量を基準として少なくとも50重量%のホスフィン酸の金属塩を含む。
成分Cは、難燃組成物の全重量を基準として好ましくは1〜10重量%、より好ましくは1.2〜5重量%の範囲内である。
成分Dは、難燃組成物の全重量を基準として好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.15〜4重量%、最も好ましくは0.2〜3重量%の範囲内である。
成分Eは、難燃組成物の全重量を基準として好ましくは1〜20重量%の間、より好ましくは1.5〜10重量%の間、最も好ましくは2〜5重量%の間である。添加剤の全量は、最終用途および最終用途で用いられるポリマーに応じて異なる。
[必要とされる酸スカベンジ当量(ASE)のサンプル計算]
酸スカベンジ当量は、酸スカベンジャー1kgが拘束/中和できる酸のモル数として定義される。例えば、炭酸カルシウム1モルは酸プロトン2モルを中和できる。炭酸カルシウムの分子量は100g/モルであり、従って、酸スカベンジャー当量は、中和された酸プロトンのモル当たり100/2=50g炭酸カルシウムであるか、または炭酸カルシウムkg当たり20モルの酸がスカベンジされ得る(酸スカベンジ当量=20モル/kg)。
[全組成物中のリンモル当たりの理論モル%酸スカベンジャーのサンプル計算]
これは、実施例4において用いられた計算を通して例証できる。組成物は、全組成物kg当たりスカベンジされ得る酸0.2モルに等しい1重量%炭酸カルシウムを含む。kg当たりの全組成物中のリンのモル量は、ジエチルホスフィン酸アルミニウム(23重量%)(FR−1)およびポリリン酸メラミン(13重量%)(FR−2)中のリン含有率を合計することにより計算でき、それは、((0.23×170)+(0.13×90))/31=リン1.64モルという結果になる。従って、酸スカベンジャー対リンアニオンのモル%は0.2/1.64、すなわち、約12モル%である(すなわち、(D)対(B)のモル比は0.12である)。
本願のポリマー組成物は、好ましくは、造形品(例えば、押出品または成形品)の製造において用いられる。本難燃ポリマー組成物は、消費者電気用途のために用いられるワイヤおよびケーブルなどの、柔らかさ、可撓性および表面外観が必要とされる軟質ワイヤまたは軟質ケーブルに特に適合することが見出された。
別に指示がないかぎり、成分の%は、組成物の全重量を基準とした重量%を指す。熱可塑性は、加熱すると組成物が繰り返し再び溶融され得ることを意味する。
[実施例]
[材料]
SEBS:SEBSは、7g/10分(260℃/5kg)のMFIを有し、37〜44重量%の範囲内のスチレンを含有し、商品名A RP6936でKratonから入手できる(E2、E3およびC7は、75重量%のKraton A RP6936と、これもKratonから入手できる45DのショアD硬度を有する流れ改善剤である25重量%のKraton MD6699とのブレンドを含有する)。
TPE−E:ポリブチレンテレフタレートセグメントからなるハードセグメントとEO/POポリエーテルブロックコポリマーからなるソフトセグメントとを含むポリエーテルエステル。ショアD硬度:38。
FR−1:DEPAL:約23重量%のリン含有率を含むジエチルホスフィン酸アルミニウム。商品名Exolit 1230またはExolit 930(比較例3のみ)でClariant(Germany)から入手できる。
FR−2:約12〜14重量%のリン含有率を含むポリリン酸メラミン。商品名Melapur(商標)200でCiba、Switzerlandから入手できる。
ホウ酸塩:ホウ酸亜鉛(2ZnO・3.5HO)。商品名Firebrake(商標)500でBorax、USAから入手できる。
安定剤:補助安定剤パッケージのブレンド
酸スカベンジャー−1:(理論)kg当たり酸0.6モルの酸スカベンジ当量を有するエチレン/メチルアクリレート/グリシジルメタクリレートターポリマー。6g/10分(190℃/2.16kg)のMFI。アクリレート25重量%およびグリシジルメタクリレート8重量%を含有する。商品名LOTADER(商標)AX8900でAtofinaによって販売されている。
酸スカベンジャー−2:(理論)kg当たり酸1.7モルの酸スカベンジ当量を有するビスフェノールAエポキシ樹脂。商品名Epicote(商標)1055でHexionSpecialty Chemicalsから入手できる。
酸スカベンジャー−3:(理論)kg当たり酸7.9モルの酸スカベンジ当量を有するメラミン。商品名MelafineでDSMから入手できる。
酸スカベンジャー−4:kg当たり酸約18モルの酸スカベンジ当量を有する炭酸水酸化マグネシウムアルミニウム(ハイドロタルサイトまたは「タルサイト」)(タルサイトの厳密な組成は知られていなため、理論値は、pH7に達するまで強酸を用いる滴定によって決定した)。商品名DHT 4A(商標)でKisuma Chemicalsから入手できる。
酸スカベンジャー−5:(理論)kg当たり酸20モルの酸スカベンジ当量および40〜70nmの間の平均粒度を有する炭酸カルシウム。商品名Socal(商標)でSolvay Chemicalsから入手できる。
酸スカベンジャー−6:(理論)kg当たり酸8.4モルの酸スカベンジ当量を有する脂環式エポキシド樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−シクロヘキサンカルボキセート)。商品名ERL4221(商標)でDow Chemicalsから入手できる。
酸スカベンジャー−7:(理論)kg当たり酸約3.2モルの酸スカベンジ当量を有するC12/C14−脂肪族アルコールの脂肪族モノグリシジルエーテル。商品名Heloxy(商標)Modifier Z8でHexion Specialty Chemicalsから入手できる。
酸スカベンジャー−8:1.4〜2.2マイクロメートルの間の平均粒度を有するスズ酸亜鉛。商品名Flametard S(商標)でWillianBlytheから入手できる。
酸スカベンジャー−9:第四アンモニウム塩で変性されたモンモリロナイト(ナノクレー)。商品名Cloiste(商標)20AでRockwood Additivesから入手できる。
[コンパウンディング]
成形用組成物の調製のために、成分原料を表1〜3に示した比でコンパウンディングした。300rpmのスクリュー速度、25kg/hrの処理量および270℃で調節された溶融温度を有するZSK30/34D二軸スクリュー押出機で、難燃剤成分、安定剤パッケージおよび存在する時、酸スカベンジャーと一緒にSEBS、TPE−Eを溶融ブレンドし、ダイを通して押出機から溶融物を押し出し、溶融物を冷却し粒状化することにより成形用組成物を調製した。押出機でのコンパウンディングによって得られた粒体をその後の使用の前に90℃で24時間にわたり乾燥させた。
[試験サンプルおよび絶縁ケーブルの成形]
機械的特性およびUL−94−V(1.5mm厚さ)に準拠して難燃特性を試験するための試験サンプルをタイプEngel80Aの射出成形機で調製した。射出成形のために、235〜245℃の設定温度を用いた。金型温度は90℃であった。試験片のためのサイクルタイムは約50秒であった。
UL1581VW−1に準拠して難燃特性を試験するための絶縁ケーブルを50〜100m/分の間の速度で同等の運転条件下で工業生産ラインにおいて調製した。こうして生産されたケーブルは、を含んでいた。
[試験方法]
[ブルーム]
温度および相対湿度を別々に調節できるように空気調和チャンバ内でブルーム試験を行う。各試験サンプルを有孔ポリエチレンバッグ(100mm×150mm、バッグの各側面の中央部分に直径約5mmの孔40個を配置した(5個の孔4列))に入れた。有孔バッグは、試験サンプルを0.01m/秒未満、より好ましくは0.001m/秒未満の空気速度に確実にさらすように機能する。材料サンプル(引張強度試験バー)を30℃および70%の相対湿度の環境条件下の空気調和チャンバに入れた。一日ごとに、サンプルのブルームを検査し、ブルームの最初の開始までの時間を記録した。これらの条件下で14日貯蔵後、サンプルをブルームの兆候に関して裸眼で目視検査した。14日後にブルームの目視兆候が検出されなかった場合、サンプルを非ブルーム性であると見なした。ブルームの存在は、ブルーム事象の特徴である表面変色または沈殿材料の付着という目視証拠によって示される。
比較実験8(CE−8)の反復である実施例5(E−5)のブルームも、より穏やかな大気条件(14日にわたる23℃および50%の相対湿度)下で試験した。
[機械的特性]
引張強度および121℃で168時間後の%破断点伸びの保持を成形したままの乾燥サンプルを用いてISO 527/1Aに準拠して行った。引張試験片は4mmの厚さを有していた。
[難燃性]
サンプルの調製および試験をUL1581VW−1に準拠して行った。
ブルームを防ぐために必要な酸スカベンジャー当量(ASE)の量の計算
表1に提示された組成を有する比較実験CE−1〜CE3および実施例E1およびE2のための試験サンプルを調製した。
Figure 2012518693

試験サンプルを空気調和チャンバ内で30℃および70%相対湿度で14日にわたり貯蔵した。14日後にサンプルのブルームを目視検査し、結果を表2において示した。ブルームを防ぐために全組成物中のリンアニオン1モル当たり酸スカベンジャー少なくとも約4.2gが必要であると決定した。リンアニオン含有難燃剤内で、リンアニオン1モルは、酸1モルの形成に理論的に等しい。酸スカベンジャーの量が40重量%未満だけブルームを防ぐ最少量より多いので(すなわち、実際の最少がリン/酸のモル当たりDHT4A(商標)3.1g(CE−3)の少し上であるならば)、その後の試験が必要とは思われなかった。従って、実験的に決定されたASEは、酸238モルがタルサイト(DHT4A(商標))1kg当たり中和/拘束されることであった。これは、組成物中のすべての酸を中和するために必要な酸スカベンジャーの理論量の約13倍である。実験値と理論値の間の差は、ブルームを防ぐために酸の一部のみを中和する必要があり得るという事実によるものである。
必要な酸スカベンジャーの量の実験値も各サンプルの酸スカベンジャー(D)対難燃剤(B)の比を調節する反復過程を通して得ることができたことが注目される。
Figure 2012518693

様々な組成物のブルームおよび機械的特性の結果を表3において提示している。この表は、ブルームを無くすためにタルサイトに加えて、メラミン、脂環式エポキシド樹脂およびより穏やかな大気条件下で炭酸カルシウムを配合において用いてよいことを強調している。機械的特性および/または難燃特性の実質的な低下なしでブルームを無くす能力のゆえに、好ましくは、タルサイトまたはメラミンが酸スカベンジャーとして用いられる。
表3から得る更なる観察は以下を含む。
・CE−4とCE−5の比較は、ホウ酸塩化合物がブルームの一因であることを明らかにしている。
・CE−6、CE−7およびCE−9の比較は、2%未満のリンに対する酸スカベンジャー当量モル%がブルームを無くさないことを明らかにしている。
・CE−8およびE−5の比較は、試験サンプルがさらされる大気条件に応じてブルームの発生が異なることを明らかにしている。従って、非ブルーム性組成物を特定の最終用途に合わせて作ってよい。
・CE−4、CE−10およびCE−11の比較は、ホウ酸亜鉛をスズ酸亜鉛と置換えるとブルームを無くすが、熱老化特性および難燃特性の低下をもたらすことを明らかにしている。CE−10およびCE−11がUL1581VW−1試験に合格した一方で、試験中の観察は、炎高さがCE−4で観察された炎高さより実質的に高いことで合格がきわどい合格であったことを示唆したことが注目される。
Figure 2012518693

Claims (9)

  1. (A)熱可塑性ポリマー組成物と、
    (B)リン含有アニオンを含む難燃剤と、
    (C)ホウ酸塩と
    (D)酸スカベンジャーと
    を含む難燃熱可塑性組成物。
  2. 前記ホウ酸塩(C)がホウ酸亜鉛を含む請求項1に記載の組成物。
  3. 前記酸スカベンジャー(D)がブレンステッド塩基を含む請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記ブレンステッド塩基が、メラミン、炭酸カルシウムおよび/またはタルサイトからなる群から選択される請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記成分(A)が、熱可塑性コポリエステルエラストマーおよび/または熱可塑性コポリアミドエラストマーおよび/または熱可塑性ポリウレタンエラストマーを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記成分(A)がスチレン系ブロックコポリマーを含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記組成物が、
    30〜88重量%の成分(A)と、
    10〜40重量%の成分(B)と、
    0.5〜15重量%の成分(C)と、
    0.05〜10重量%の成分(D)と、
    場合により0〜50重量%の成分(E)と
    を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記組成物が0.1〜5重量%の酸スカベンジャーを含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物を含む造形品。
JP2011550506A 2009-02-20 2010-02-03 非ブルーム性難燃熱可塑性組成物 Pending JP2012518693A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP09002428 2009-02-20
EP09002428.2 2009-02-20
PCT/EP2010/051285 WO2010094560A1 (en) 2009-02-20 2010-02-03 Non-blooming flame retardant thermoplastic composition

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012518693A true JP2012518693A (ja) 2012-08-16

Family

ID=40852003

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011550506A Pending JP2012518693A (ja) 2009-02-20 2010-02-03 非ブルーム性難燃熱可塑性組成物

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20120035303A1 (ja)
EP (1) EP2398851A1 (ja)
JP (1) JP2012518693A (ja)
CN (1) CN102325833B (ja)
WO (1) WO2010094560A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018235368A1 (ja) * 2017-06-19 2018-12-27 株式会社オートネットワーク技術研究所 絶縁電線およびワイヤーハーネス

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IT1401950B1 (it) 2010-09-21 2013-08-28 Polimeri Europa Spa Composizioni di (co)polimeri vinilaromatici espansibili autoestinguenti e procedimento per la loro preparazione.
CN102807739A (zh) 2011-05-30 2012-12-05 杜邦公司 阻燃共聚醚酯组合物和包含该阻燃共聚醚酯组合物的制品
CN102807738A (zh) 2011-05-30 2012-12-05 杜邦公司 阻燃共聚醚酯组合物和包含该阻燃共聚醚酯组合物的制品
CN103146153A (zh) 2011-12-07 2013-06-12 杜邦公司 阻燃的共聚醚酯组合物及包含其的制品
JP6360044B2 (ja) 2012-06-06 2018-07-18 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company 向上した絶縁抵抗を有するハロゲンを含まない難燃性の熱可塑性エラストマー組成物
CN103540106A (zh) 2012-07-11 2014-01-29 杜邦公司 阻燃的聚合物组合物和包含其的模制品
EP2788365A1 (en) 2012-11-24 2014-10-15 E. I. Du Pont de Nemours and Company Flame-retardant copolyetherester composition and articles comprising the same
CN104559153A (zh) * 2014-12-19 2015-04-29 上海金发科技发展有限公司 一种高耐热老化pa/pp合金材料及其制备方法
AU2016267402A1 (en) 2015-05-26 2017-11-30 Monash University Antibacterial bismuth complexes
TWI797069B (zh) * 2015-12-15 2023-04-01 荷蘭商帝斯曼知識產權資產管理有限公司 熱塑性聚合物組成物、其所製成之物件及其製造方法
EP3697837A4 (en) 2017-10-18 2021-07-28 Ascend Performance Materials Operations LLC FLAME-RETARDING POLYAMIDE COMPOSITIONS, HALOGENATED
CN115304903B (zh) * 2022-09-02 2023-06-23 四川龙华光电薄膜股份有限公司 一种tpu改性树脂及应用

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0551510A (ja) * 1991-08-28 1993-03-02 Asahi Chem Ind Co Ltd スチレン系難燃耐衝撃性樹脂組成物
JP2003226818A (ja) * 2001-11-30 2003-08-15 Polyplastics Co 難燃性樹脂組成物
JP4210219B2 (ja) * 2001-11-30 2009-01-14 ポリプラスチックス株式会社 難燃性樹脂組成物
JP4220902B2 (ja) * 2001-11-30 2009-02-04 ポリプラスチックス株式会社 難燃性樹脂組成物

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3371986D1 (en) 1982-08-17 1987-07-16 Akzo Nv Polyester-ester urethane
BE1008947A3 (nl) 1994-12-01 1996-10-01 Dsm Nv Werkwijze voor de bereiding van condensatieproducten van melamine.
DE19614424A1 (de) 1996-04-12 1997-10-16 Hoechst Ag Synergistische Flammschutzmittel-Kombination für Polymere
BE1010792A3 (nl) 1996-12-06 1999-02-02 Dsm Nv Copolyester elastomeer.
TW425391B (en) 1997-03-04 2001-03-11 Nissan Chemical Ind Ltd Melamine-melam-melem salt of a polyphosphoric acid and process for its production
DE19734437A1 (de) 1997-08-08 1999-02-11 Clariant Gmbh Synergistische Flammschutzmittel-Kombination für Polymere
DE19737727A1 (de) 1997-08-29 1999-07-08 Clariant Gmbh Synergistische Flammschutzmittel-Kombination für Kunststoffe
FR2864097B1 (fr) * 2003-12-19 2006-03-10 Rhodia Enginnering Plastics Composition ignifugee a base de matrice thermoplastique
KR20070007068A (ko) * 2004-01-30 2007-01-12 디에스엠 아이피 어셋츠 비.브이. 할로겐-미함유의 난연성 폴리에스터 조성물
EP1883081A1 (en) * 2006-07-28 2008-01-30 DSMIP Assets B.V. Insulated wires and its use in electronic equipment
WO2009047353A1 (en) * 2007-10-11 2009-04-16 Dsm Ip Assets B.V. Flexible flame retardant insulated wires for use in electronic equipment

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0551510A (ja) * 1991-08-28 1993-03-02 Asahi Chem Ind Co Ltd スチレン系難燃耐衝撃性樹脂組成物
JP2003226818A (ja) * 2001-11-30 2003-08-15 Polyplastics Co 難燃性樹脂組成物
JP4210219B2 (ja) * 2001-11-30 2009-01-14 ポリプラスチックス株式会社 難燃性樹脂組成物
JP4220902B2 (ja) * 2001-11-30 2009-02-04 ポリプラスチックス株式会社 難燃性樹脂組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018235368A1 (ja) * 2017-06-19 2018-12-27 株式会社オートネットワーク技術研究所 絶縁電線およびワイヤーハーネス

Also Published As

Publication number Publication date
CN102325833B (zh) 2014-12-10
EP2398851A1 (en) 2011-12-28
CN102325833A (zh) 2012-01-18
WO2010094560A1 (en) 2010-08-26
US20120035303A1 (en) 2012-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2012518693A (ja) 非ブルーム性難燃熱可塑性組成物
EP2046889B1 (en) Toughened halogen free flame retardant polyester composition
JP5440781B2 (ja) 絶縁電線および電子機器でのその使用
CN103140547B (zh) 用于热塑性聚合物的阻燃剂-稳定剂-组合物
EP2197949B1 (en) Flexible flame retardant insulated wires for use in electronic equipment
EP2480601B1 (en) Thermoplastic polyester compositions, methods of manufacture, and articles thereof
CN108291050A (zh) 聚合物型阻燃剂混合物
TWI715547B (zh) 無鹵素阻燃性組成物及其製造方法
CN115135720A (zh) 聚酯弹性体树脂组合物
EP3201263B1 (en) Low smoke halogen free flame retardant thermoplastic elastomer compositions
TW201402797A (zh) 具有非常高限制氧氣指數的無鹵素阻燃性熱塑性聚胺基甲酸酯
CN116134083A (zh) 具有改进的水解稳定性的阻燃聚合物用的阻燃剂-稳定剂组合及其用途
JP6295475B2 (ja) 熱可塑性コポリエーテルエステルエラストマーを含む難燃性組成物
KR20170002370A (ko) 난연성 폴리에스테르 조성물 및 물품
JP6192988B2 (ja) ポリ乳酸樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130604

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130605

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130903

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130910

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131030

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140422