JP2012518262A - プラズマ反応器 - Google Patents

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Abstract

プラズマ反応器(100)は、反応チャンバーと、上記反応チャンバーと流体連通する1又は複数のプラズマ源(105)を有する。イオン化される材料を含む流体は、上記プラズマ源(105)によって発生するプラズマ形のイオン化された材料が上記反応チャンバー(102)の反応領域に捕集されるようにプラズマ源(105)に供給される。反応産物は、上記プラズマ反応器の連続運転を可能にするように上記反応チャンバー(102)から捕集される。加えて、上記プラズマ反応器(100)は、上記反応チャンバー(102)内の浮流中の微粒子を維持するように構成され、プラズマ反応器が適する処理範囲を広げ、かかる処理の効率を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明はプラズマ反応器の分野に関する。特に、しかし排他的ではなく、本発明は、商業規模で多種多様な供給材料の処理に用いることができるプラズマ反応器に関する。
車及び他の乗り物及び建物からの有害排出物の減少に関する現在の重点的な取り組みと共に、ガソリン及びオイルに対する代替物(例:水素及びバイオガス)を燃料とする乗り物の開発に多大な研究がなされてきた。炭化水素燃料に対する代替物を採用することで、乗り物がより環境にやさしくなる機会を与える一方で、かかる代替燃料が生産される工程は理想からほど遠い。水素は、例えば、炭化水素分子の接触分解によって現在合成されている。この反応を起こすのに必要な高い温度は、燃料油又は石炭によって通常達成されるため、結果として更なる環境汚染物質が放出される。事実、現在の商業的な水素製造工程は、水素に置き換えられる予定の燃料を直接燃焼するよりも水素の方が有効エネルギー量当たりの有害な温室効果ガスがより多量に発生すると見なされている。換言すれば、現在の水素は、その製造が考慮される場合はクリーンな燃料ではない。
従って、現在利用可能なものよりも高効率であり、環境への影響がより著しく低い状態で水素を生産可能な工程を開発する必要がある。理想的なものは、かかる工程が小規模、中規模及び大規模な商業規模で直ちに実施可能であるべきという点で融通性が高いものだろう。現行の市販システムよりも低い環境コストで水素を生成する潜在的能力を提供する1つの方法が、プラズマ処理の利用である。プラズマ処理において、気体又は液体はチャンバーに流入し、それらが(例えば高強度場への露出によって)イオン化されることによってプラズマが形成される。プラズマ状態において、供給材料の構成成分は解離され、そして別々に取り出されるか、それと再結合するか、又は追加の供給材料と反応するだろう。それは、要求される出力生成物に依存するだろう。プラズマ処理は、例えば、熱分解、解離及び蒸着(ダイヤモンド蒸着及び活性化生成物の製造を含む)とガス研磨の領域における著しい効果及び固有の能力も提供する。
様々な様式のプラズマが存在することは公知であり、一般的にはそれらのエネルギー特性によって分類される。主なものは熱プラズマ及び非平衡プラズマである。後者のグループには、RF、誘導、バリア放電、マイクロ波及びレーザー励起によって生じるものが含まれる。電磁誘導プラズマは、特にガス及び液体供給料材の両方を高効率に熱分解できる潜在的能力を提供する。かかるプラズマは、触媒効果を有することが示されている。これは、電磁場、特にマイクロ波場と供給材料の間のカップリングの結果として反応速度を増加させる触媒効果である。そして、供給材料がプラズマ状態を維持しなければならない時間が減らされる。
より効果的な処理のためにプラズマ量の増加を目的として複数の発生器を連結させる必要がある。AC、RF及びHFプラズマ発生器のいずれも位相が同期されている。これは、電場を同位相で加えて強度を増加させ、その結果発生可能なプラズマ量を増加させることを確実なものとするためである。プラズマを発生させるマイクロ波の位相同期はより複雑であり、現在までに、いくつかの発生源で実際に達成されているだけであるが、これは、非常に限られた条件下で、相当な複雑性を伴って達成されている。電磁的に発生する場を空洞共振器内に組み込む必要性から、プラズマの発生と反応の両方は同一チャンバー中で起きることが意味され、これが位相を同期する1つの理論的な結論である。これが、種々の処理を容易にするプラズマ反応器の融通性及び適応性(adaptabilty)を制限している。
マイクロ波プラズマ生成用装置の1つの例は、US6,204,603に記載されている。この装置は、マイクロ波が組み込まれる同軸共振器を利用する。電磁定在波パターンが共振器に高強度の領域(振幅)で形成される。それは、プラズマを発生するのに十分である。この装置における共振空洞の利用が、一度に発生することができる潜在的なプラズマ量を制限するだけでなく、定在波要件が、プラズマ発生及び再結合を同じ物理的環境に制限している。
広範囲プラズマ発生器は、JP2006/156100に記載されている。この書類には、共有空間中でプラズマを発生させるために個々のマイクロ波アンテナを多く使用することが記載されている。これは、その空間の中でより均一なプラズマ分布を達成するためである。上記アンテナは分離されているにもかかわらず、それらは1つの共有マイクロ波源によって作動し、全てのプラズマ源(アンテナ)が同期することを確実にしている。それによって最大プラズマ量も制限されている。上記書類には、複数のマイクロ波プラズマ源を使用してプラズマ領域を維持することの問題点及び複雑さが明確に示されている。
本発明の目的は、プラズマによって媒介される反応を促進するための代替装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、微粒子とプラズマを伴う、反応チャンバー中での反応を促進するためのプラズマ装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、プラズマによって媒介される反応を促進するためのプラズマ装置であって、これは連続的に動作可能であり、反応生成物の生成又は除去のためにプラズマ発生工程を中断する必要のない装置を提供することにある。
従って、本発明は反応チャンバーとそれに連結する1又は複数のプラズマ源を具備する反応槽であって、各プラズマ源は上記反応チャンバー内の反応領域と流体連通するプラズマ発生器を具備し、上記プラズマ発生器は材料が上記反応領域へ入る前に上記材料を少なくとも部分的にイオン化してプラズマを形成し、上記反応槽は上記反応チャンバー内で流動を確立するためのフローインデューサーを更に含む、反応槽を提供する。
上記フローインデューサーは、上記反応チャンバーに対する1又は複数のプラズマ源の継手を備え、上記継手は、上記プラズマ発生器からの上記少なくとも部分的にイオン化された材料のフローを誘導して上記反応チャンバー内で流動を確立するように構成してもよい。上記フローインデューサーは、上記プラズマ発生器を過ぎた材料のフローを誘導するための、少なくとも1つのプラズマ源と連結したフロー管理手段を代わりに又は付加的に備えて上記反応チャンバー内の流動を確立してもよい。
上記フローインデューサーは、プラズマ発生ゾーンの前及び/又は後に配置してもよい。理想的には、安定フローを促進するための構成は、プラズマ発生ゾーンの近くの位置である。これは、安定フローがプラズマ発生前に誘導されることを確実にし、プラズマにおける供給原料のより良好な混合を確実にし、より良好な処理を確実にする。
安定流動は、最も好ましくは半径が減少する渦フローであり、一般的には螺旋状のガスフローになることを意味する。渦フローがある程度プラズマを安定させることができることは公知であるが、かかる安定メカニズムが本願明細書に記載されているような、反応槽の設計に対する融通性についての驚くべき利益を有するとはこれまで認識されてこなかった。
他の実施形態においては、フローインデューサーを1又は複数のプラズマ源から分離し、反応チャンバー中に攪拌翼か、1又は複数のプラズマ源と反応チャンバーとの間の差圧を設けるための圧力管理装置を備えてもよい。
特に好ましい、反応槽の実施形態においては、上記反応チャンバーは、上記プラズマ源とは独立して粒子状材料流入用ポートを備え、上記反応チャンバー内の上記流動が上記反応領域内の粒子状材料を浮流状態に保つ。
この実施形態については、反応生成物は固体物質であってもよく、最も好ましくは固体の粒子状材料であってもよい。
更なる特に好ましい、反応槽の実施形態においては、反応チャンバーは、プラズマ発生ゾーンから空間的に分離された少なくとも1つの出口を備え、上記少なくとも1つの出口と反応チャンバー中の流動は、プラズマ発生を中断することなく反応チャンバーから反応生成物を除去できるように配置されている。
上記好ましい実施形態においては、反応チャンバーは1又は複数のプラズマ発生器から空間的に分離されていてもよく、1又は複数のプラズマ発生器から電磁的に絶縁してもよい。上記に従って構成される装置は、先行技術として公知のプラズマ反応器より著しい融通性がある。同様の反応器は、種々の処理に適するに容易に構成可能である。粒状試薬及び/又は触媒の使用を伴って、新規な反応処理を実行してもよい。更なる本発明の好ましい実施形態については、プラズマの量をより多く発生させ、それと同時に、そして位相同期の必要なく捕集を行ってもよい。
プラズマによって介される処理には、2つの異なる段階が含まれる。第1段階は、解離段階であり、供給材料がイオン化されプラズマを形成する。上記段階は、非常に速く、典型的には強烈なプラズマをマイクロ秒だけ受ける。第2段階は、再結合段階であり、必要な結果をもたらすために処理条件の精密制御を頻繁に行う必要がある。チャンバーを1又は複数のプラズマ発生源から遠ざけ、その結果プラズマ発生に必要な局部的環境から離れるようにして使用することで、理想的な条件をこの再結合用反応チャンバー内に、プラズマ発生サイトの状態に関する最低限の効果と共にセットすることができる。特に、1又は複数のポートを反応チャンバーに備えてもよく、反応生成物はプラズマの発生を妨げるか、又は止めることなく取り出してもよい。即ち、上記処理の連続運転には影響を及ぼさない。生成物の除去は、生成物が系(例:炭素生成工程)を目詰りさせることを防止するため、又は圧力の増加(例:水素又は他のガス生成工程)を開放するため望ましい。
プラズマ源から反応ゾーンへの材料のフローには、好ましくは流体、より好ましくはガスが含まれる。更に、プラズマ源のプラズマ発生ゾーンを通るフローには、優先して1又は複数の反応物が含まれる。反応処理に従って、好ましくは少なくとも1つの反応物の大部分又は理想的には全てがプラズマ発生ゾーンを通って流れる。反応物は、プラズマ発生ゾーンを通るフローの50%超、より好ましくはフローの75%超、最も好ましくはフローの90%超を構成してもよい。
更に、反応チャンバー中で安定流動を促進することは、再結合処理に有益である。この安定化は、反応チャンバー内へ流動を配置することによって成し遂げてもよい。プラズマ源が反応チャンバーの入口に接続する給送管を備えるノズル形である場合には、上記給送管は供給材料及び/又はプラズマを上記チャンバーの壁に対してある角度、好ましくは接線の角度で上記チャンバーへ流入するように上記チャンバーへ連結してもよい。反応チャンバー中の安定フローは、渦フローであってもよく、特に安定フローは、反応チャンバー中でのプラズマの維持を補助でき、及び/又は上記チャンバー内で浮流中の微粒子ベルトを支える能力がある。
粒子性浮流を形成する粒子は、反応チャンバーのポートを介して反応チャンバー内へ流入させてもよい。好ましくは、上記ポートは、プラズマ源用の入口に対応する。上記粒子をプラズマ発生ゾーンの上流又は下流からプラズマ源へ流入させ、そこから反応チャンバーへ流してもよい。あるいは、上記ポートをプラズマ源から分離して、粒子状材料を直接チャンバー内へ流入させてもよい。粒子状材料がプラズマ発生ゾーンの近くを通過することで、粒子状材料の表面を活性化させることができる。粒子状材料を入れる場所がプラズマ発生ゾーンの上流である場合、より効果的に活性化が生じるが、プラズマの発生に使われるエネルギーの一部が吸収に費やされる。下流から入っても、未反応のプラズマによる活性化が依然として可能であり、発生工程は損なわれない。
理想的には、反応チャンバーへの粒子状材料の流量は、粒子状材料が浮流から取り出される割合と釣り合う。粒子は、様々な方法で浮流から除去してもよい。例えば、上記粒子が反応生成物の基質又は吸収剤(absorbant)として作用することで、上記粒子の質量を増加させてもよい。これが結果として、増加した質量を支えるには流量が不十分となり、そして上記粒子は重力により浮流から落ちる。あるいは、上記粒子は、フローによって出口方向へ向かい、そこで取り出されてもよい。
反応チャンバー内の流動は、必要な反応の大部分が起こる上記チャンバー内に「反応領域」を描出することができる。理想的には、本発明に従って発生するプラズマは、安定パターンのフローが誘導され、プラズマ発生サイト周辺を超えた先でのプラズマの存続時間を延ばし、反応領域へのプラズマの輸送を可能にする。主なものは、反応チャンバーにおいて持続するプラズマ残光であり、上記残光はプラズマが励起発生以外のメカニズムによって維持される領域である。かかる持続は、安定フローによって補助されると考えられている。
好ましくは、上記反応チャンバーは湾曲側壁を有する。例えば、上記チャンバーは、形状が円筒状、環状又は球形でさえあってもよい。この形状は、上記チャンバー内での安定フローの確立を補助する。組合せによって、この配置は化学的及び物理的処理の範囲を広げることへの改善に関する大きな潜在的能力を提供する。まず第一に、プラズマプルーム/残光はプラズマ源から反応チャンバーへ伸び、フローパターンによって形成され、反応チャンバー壁のそばを側方向に伸びる。この伸びたプラズマ領域は、本質的には上記「反応領域」を定義するものである。上記反応チャンバー周辺に流れる供給材料又は他の反応材料は、連続するノズルからの残光が発生するにつれて、残光環境における滞留時間が増加するだろう。これがより完全なプラズマ処理を可能にし、従って反応効率が向上する。プラズマ源が十分に近い、及び/又はプルームが充分な時間持続する場合、これらの個々のプルームが融合し、連続したプラズマの円環体をチャンバー内に形成することができる。
反応チャンバーの体積がいずれの場合においてもプラズマ反応器の意図された応用及び処理要件に依存する一方で、2.45GHzのマイクロ波プラズマ発生器がプラズマ源として使われる場合は、体積の例示的な範囲は、10-3m3から103m3、より好ましくは10-2m3から102m3、最も好ましくは1.5m3から102m3である。反応チャンバーの体積は、KW当たり5 x 10-4m3/ノズル以上であるべきであるが、これに限定されずに大きくなる方向へ拡大させてもよい。
反応チャンバー中の滞留時間は、上記チャンバー内で発生する1又は複数の反応と所望の出力生成物に依存するが、0.1秒から数時間まで延ばすことが可能である。
反応領域中の条件を制御し、化学的及び物理的処理の範囲を支える大きな融通性を提供してもよい。反応領域の化学作用及び速度論は、流量、プラズマ源のサイズ及び方向の調整を経る複雑な方法で制御可能である。追加の導入体を使用し、更なる反応材料、緩衝材料又は触媒を現在動作していないプラズマ源又は追加の投入ポイントのいずれかを通って混合物内へ導入させてもよい。反応生成物の迅速な分離が多くの場合可能だろう。例えば、炭素及び水素が反応生成物である場合、炭素はクラスター形成し、重力で落とすことが可能である一方で、水素フローは上方に向かうことができる。従って、上記チャンバーの上下の排出口によって、これらの生成物が除去されるのは、プラズマ源がプラズマを発生し続け、そして上記反応が上記チャンバー中で続くためである。即ち、生成物の除去を反応処理を止めることなく促進させる。連続運転の可能性は、生産性を大幅に向上させる。
先に述べたように、上記チャンバーにおいて確立した安定流動は、浮流中の粒子ベルトを支える能力がある。かかる粒子は、数多くの効果を可能にする。第1に、上記粒子は、1又は複数の反応生成物に対する基質として作用することができる。小さい粒子が非常に多いと高表面積が大きいので、生成物の堆積のために有効な標的面を確保できる。例えば炭素は、反応生成物として上記粒子上に堆積できる。これが、安定フローがそれらは支えるには不充分な程度にまで重量の増加を引き起こし、炭素が堆積した粒子は重力で落ち、上記チャンバーからのそれらの分離及び除去を補助する。また、これがバッチ操作とは対照的な反応チャンバーの連続運転を可能にする。第2に、上記粒子は特定の生成物の形(例:炭素ナノ構造)を形成することを促進する基質を提供できる。即ち、粒子表面は反応産物形成処理における活性部分として関与する。第3に、ベルト内の粒子は、吸収性媒体として特定のガス生成物を吸着し、分離してもよい。第4に、粒子は所望の化学組成の生産物を形成する反応物を提供することができる。例えば、炭素がプラズマ媒介反応の生成物として、反応チャンバー中のケイ素粒子のベルトに堆積すると、炭化ケイ素を生じるだろう。第5に、上記粒子は、特定処理の産物に必要とされる成分を提供できる。例えば、反応チャンバーへ投入される砂又は土粒子には、炭素反応生成物が微細に集積できることから、より豊かな収穫用の成長材料を提供する。
上記粒子は、好ましくは平均径が50nmと10mmの間、より好ましくは10μmと500μmの間、最も好ましくは50μmと300μmの間である。それらの好ましい組成物は、無機化合物、特に金属及び半金属としての固体要素であり、金属(任意に混合)酸化物及び金属皮膜された無機粒子でもある。好ましくは、上記粒子は反応物と相互作用する。その相互作用とは、例えば、化学経路又は化学速度に影響を及ぼすことによるか、上記速度を上昇させることによるか、反応生成物を吸着することによるか、又は固体生成物がそれと結合すること(例:特定のナノ構造の形成物を蒔くこと又は蒔くこととその生成物の粒子径を増加させること)によって形態に影響を及ぼすことによる。
上記一覧は、単に応用の可能性が示されるものを提供するために与えている。それは、包括的なことを意図せず、単にプラズマ反応器の可能性を理解できるようにすることを意図している。特定の実施形態に関しては、後述するように、本発明は、多くの他の業種間、製造、エネルギー生成及び廃棄物処理の分野での応用が容易に見つかるだろう。
1つの反応チャンバーに連結可能なプラズマ源の数に関する理論的な制限はないことに注意されたい。唯一の実用限界は、捕集チャンバーサイズの実用限界である。例えば、プラズマ源が複数のプラズマノズルである場合、実用限界はプラズマノズルの捕集チャンバーに対する継手の物理的なディメンション(即ち、上記チャンバー周辺に物理的に取り付け可能なプラズマ源の数)に基づく。使用目的によっては、プラズマ源の数は、反応チャンバー中の特定のガスフロー特性を確立するのに必要なものによって制限されてもよい。
プラズマノズルがプラズマ源として用いられる場合、プラズマノズルに供給される流体は、温度が好ましくは-20℃と+600℃の間、より好ましくは0℃から200℃、最も好ましくは50℃から150℃である。プラズマノズル中の圧力は、好ましくは0.01bar abs.から5bar abs.の間、より好ましくは0.3bar abs.から2bar abs.の間、最も好ましくは0.8bar abs.から1.5bar abs.の間である。
プラズマノズル中の平均滞留時間は、10-6秒から10-1秒であってもよいが、好ましくは2x10-6秒から10-2秒であってもよい。しかしながら、平均滞留時間はイオン化されている材料に依存することは理解されるだろう。例えば、本発明のマイクロ波プラズマ発生器を通過するメタンを完全に熱分解する特定の消費エネルギーは、100%の効率で約23kJ/molである。
「プラズマ源」という用語は、本願明細書において、プラズマ及び任意に他の要素をプラズマ発生ゾーンから反応チャンバー中の反応領域まで導くことができる任意の装置を包含する。
利用可能な様々な方法によって発生するプラズマの公知の特徴のうち、マイクロ波によって発生するプラズマが化学処理(例:供給材料の熱分解)に最も適している。従って、本発明のプラズマ発生器は、マイクロ波プラズマ発生器であることが好ましい。
マイクロ波は、1mから1x10-2mの範囲の波長を有する電磁放射線であると、一般に言われている。この範囲外の電磁放射線でも効果的にプラズマを発生させることができるが、マイクロ波源はレーダーや電子レンジの分野において長く用いられてきているように成熟した技術を表す。それ故に、適切なパワーレベルのマイクロ波源は、すぐに利用可能である。本発明での使用に適したマイクロ波源は、好ましくは0.5mから0.05m、最も好ましくは0.1mから0.3mの範囲の波長の装置として動作し、そして好ましくは同軸マグネトロンで動作する。かかるマイクロ波源に供給されるエネルギーは、好ましくは0.1kWと500kWの間、より好ましくは0.5kWから120kWの間、最も好ましくは1kWから75kWの間である。
マイクロ波により発生するプラズマ源は、2つのグループ、低圧で作動するものと大気圧程度及び大気圧よりも高い気圧で作動するもの、に分けることができる。燃料分解用に使用可能な市販システムは、好ましくは「高圧」システムに基づいており、供給流体のより高い処理能力を可能にし、効果的でエネルギー効率の良い最終生成物の蓄積を可能にする。低圧システムで起り得る著しい圧力差が、市販応用に対して低圧システムを採用することに魅力を感じさせない。
2つの従来型の大気プラズマ発生器は公知である:低体積の単一チューブとより高体積の単一マグネトロン。両方のタイプに基づく反応器が実験室規模ではいくつかの成功を納めてきた一方で、商業規模での運転に関して十分に融通性のある設計は、まだ判明していなかった。前者のグループのそれらは、励起放射の封じ込めに必要な導波管のディメンションによってサイズが制限される。即ち、導波管はプラズマの表面で形をなし、それによって、プラズマを封じ込めている。反応器のチューブ直径に関する基本的な制限は、マイクロ波源の周波数によって規定され、それが応用を実験室規模の装置に制限している。後者のグループのそれらは、空洞共振器に依存し、高強度電磁界の領域を局所的に発生させ、プラズマの発生及び維持を行う。従って、強力な源が必要とされ、それはプラズマを発生させることと、処理のための供給材料に充分なエネルギーを供給することの両方を行うためである。また、装置サイズがマイクロ波源の周波数と出力によって制限されるのは、反応チャンバーが共振する必要があるためである。それが発生するマイクロ波の周波数と出力の両方が、この動作原理に基づく反応器の、潜在的なチャンバーサイズを制限している。
従って、マイクロ波源が容易には位相が同期されないという点で、商業運転用に、マイクロ波により発生するプラズマを使用する反応チャンバーの規模を拡大することには課題がある。このように、マイクロ波プラズマが化学反応及び処理を容易にする理想的なルートを提供する一方で、現在まで、比較的小さな規模で実施されるだけだった。
複数のプラズマ発生器がプラズマを共通のチャンバー内へ出力できる本発明の好ましい実施形態は、位相同期に依存しない。従って、複数のプラズマ発生器が、いかなるタイプであっても、本発明において使用可能である。反応ゾーンに対するプラズマ発生の総電力は、応用によって1kWから数MWまでとすることができ、使用するプラズマ発生器の数に応じている。マイクロ波、AC、DC、RF、HF、サーマル又は他のプラズマ源によって動作可能であることは、本発明に従う反応槽の融通性に関する他の側面である。実際いくつかの処理においては、プラズマを種々のプラズマ源の組み合わせからチャンバーに誘導することは有利である。
本発明のプラズマ反応器は、利用するプラズマのタイプによっては制限されない。各プラズマ源は、以下のものを備えてもよい:低容量の源若しくは大容量の共振源、又は実際は他の適切なプラズマ源。しかしながら、有望な市販応用にとって大気圧付近及び大気圧付近よりも高い気圧で動作することは有益であるとみなされる。好ましい動作範囲は0.3 - 3barであるが、約10barまでの動作圧力は想定可能である。
本発明の特定の好ましい実施形態については、プラズマ源は、好ましくはマイクロ波プラズマの発生源として同軸マグネトロンを有するプラズマノズルである。各ノズルは、供給材料が流れる給送管を備え、各マグネトロンはマイクロ波放射のために寸法取りされ、マイクロ波放射の電界が最も強度の位置か、その近くの位置で給送管が横切るように配置される少なくとも一つの導波管を備えてもよい。かかる設計は実装し易く、事実かかるマイクロ波源は容易で安く利用可能である。
各ノズルの流路は好ましくは直線であり、プラズマ発生ゾーンでのノズル直径は、好ましくは5mmと100mmの間、より好ましくは10mmと50mmの間、最も好ましくは30mmから40mmであり、これは6kWのマグネトロンに関するものである。
好ましい実施形態において、上記給送管は給送管とマグネトロン導波管との交点の近くに位置する渦インデューサーを具備してもよい。これが安定(好ましくは渦)フローをプラズマ発生前に誘導することを確実にし、供給材料をプラズマにおいてより良好に混合することを確実にし、より良好な処理を確実にする。
反応チャンバーの出口(時々本明細書において捕集チャンバーと称されるもの)は、上記チャンバーの上方壁を通って延び、好ましくは中央に位置する排出管を具備してもよい。上記排出管は、上記チャンバー内へ予め選択した長さ又は調節可能な長さに伸ばしてもよい。上記排出管は、反応チャンバーから出る1又は複数のガス状産物の捕集地点としての機能を果たす。上記チャンバー中のその高さを規律するか調節するかして、特定のガス生成物を捕集してもよい。複数の排出管を同じ又は様々な高さで設けることも可能である。渦運動が反応チャンバーに残ることを促進し、排気ガスの流出によっては消失しない方法で、排出管中により小さい管を多く内部的に取り付けても良い。
プラズマ反応器は、反応チャンバーと流体連通する二次チャンバーを更に備えてもよい。上記二次チャンバーは、排出ポートを備えることも可能である。好ましい実施形態においては、上記二次チャンバーは、反応チャンバーの下に位置する。かかる下部ポートは、理想的には固体生成物をチャンバーから抜き取るために配置される。さらに、第2の渦は、この排出ポート(捕集する反応生成物を伴出するために、上記チャンバーの中心に配向されたもの)によって描かれる。例えば、蒸気存在下でのメタンの熱分解において、出力生成物は、水素及び一酸化炭素(合成ガス)だろう。上記チャンバーの中心ゾーンを通る水素化マグネシウムのフローを伴出することによって、水素は下部ポートへ出る水素化マグネシウムによって吸収され、一酸化炭素が上部排出ポートを経たガスとして出ることが可能になるだろう。ガスを下部排出ポートへ漏れるのを防止するために、上記ポートは、ガス制限バルブを取り付けてもよい。
捕集補助器具(例:静電捕集器、粉体集塵装置又はポリマー加工基質)は、上下のチャンバーの一方又は両方との流体連通の中に備えるか、又はそこに備えてもよい。これらが更に可能性のある手段を設け、反応チャンバーの中で起こっている反応の性質に依存して出力生成物を捕集する。例えば、静電プレート又はリングは、固体を引きつけ、ガスフローからそれらの分離を促進するだろう。これが、反応槽の連続運転を補助する。
本発明の特に有望な応用は、水素ガスと炭素が生じる炭化水素の熱分解である。水素ガスは、クリーン燃料として排出管を介して捕集できる。炭素は、活性炭の形で捕集できる。
生成物捕集のための基質又は他の材料の導入ができるように、反応チャンバーは第2のフローが通過可能な導入管を更に備えてもよい。第2のフローは、反応ゾーンにおける滞留又はそこからの生成物の除去を促進するために、上記チャンバー中の第1のフローと相互作用してもよい。
プラズマ反応器は、1又は複数の噴霧又は気化装置を備え、液体を処理可能にすることも本発明において可能である。
本発明は、上述の反応槽との使用に適したプラズマノズルを提供するものであって、上記プラズマノズルはプラズマ発生器と、供給材料のフローを入口からプラズマ発生ゾーンを通りプラズマ発生器から遠くにあるノズル出口まで導く給送管であって、上記ノズル出口が反応チャンバーへ連結するように構成されている給送管と、上記給送管における上記供給材料のフローを制御するフロー管理手段と、を備え、プラズマ発生器が少なくとも部分的に上記供給材料をイオン化し、上記ノズル出口への上記フローによって維持されるプラズマを形成する。
本発明の更なる態様は、ガス状炭化水素の供給との接続を構成する供給接続と、それに連結する1又は複数のプラズマ源と、上記1又は複数のプラズマ源に連結する反応チャンバーとを備え、各々の上記プラズマ源はプラズマ発生器を備え且つ上記炭化水素のフローを上記プラズマ発生器を介して上記反応チャンバー内の反応領域へ導くように構成され、上記プラズマ発生器は上記炭化水素が上記反応領域へ入る前に上記ガス状炭化水素を少なくとも部分的にイオン化してプラズマを形成し、上記反応チャンバーは、捕集された水素が通る少なくとも1つの出口を備える、水素生成槽を提供する。
なお更なる本発明の態様は、ガス状炭化水素の供給との接続を構成する供給接続と、それに連結する1又は複数のプラズマ源と、上記1又は複数のプラズマ源に連結する反応チャンバーとを備え、各々の上記プラズマ源はプラズマ発生器を備え且つ上記炭化水素のフローを上記プラズマ発生器を介して上記反応チャンバー内の反応領域へ導くように構成され、上記プラズマ発生器は上記ガス状炭化水素が上記反応領域へ入る前に上記ガス状炭化水素を少なくとも部分的にイオン化してプラズマを形成し、上記反応チャンバーは、炭素が優先して堆積する基質として作用する粒子性浮流を備える、炭素抽出槽を提供する。
本発明の実施形態は、ここで、単なる例を添付図面と共に記載している。
図1は、本発明に従う反応槽の略図である。 図2aは、本発明の実施形態の略図であり、反応チャンバーについてのプラズマノズルの配置を示している。図2bは、他の実施形態の略図であり、反応チャンバーについてのプラズマノズルの種々の配置を示している。 図3は、ノズルへの組込みに適するプラズマ源の1つの例を概略的に示している。 図4は、本発明での使用に適しているプラズマ源の他の例を概略的に示している。 図5は、渦運動の供給ガスをプラズマ発生ゾーンを通して導くように形づくられるプラズマノズルの構成部品の略図である。 図6は、渦運動の供給ガスをプラズマ発生ゾーンを通して導くように形づくられるプラズマノズルの中の他の構成部品の略図である。 図7は、単一のノズルを使用している他の反応槽の略図である。
図1に関して、本発明によるプラズマ反応器100が、概要として示されている。反応器100には、供給ガスが環状マニホールド104へと流れる導入管103が具備されている。複数のプラズマノズル105がマニホールド104と反応チャンバー102とを接続する。1つの特定構造においては、直径35mmの4つのノズルが用いられる。例示したノズルの数より多い又は少ないものも想定され、直径は25mmから50mmの範囲内である。反応チャンバー102は、直径500mmである。例えば、直径250mmから数メートルまでの範囲であってもよく、それは所望の生産規模次第である。各プラズマノズル105の中で供給ガスを励起し、プラズマをプラズマ発生ゾーン又は領域において形成させてもよい。プラズマ発生ゾーンと反応チャンバーへの入口の間の最小分離距離は、複数のプラズマノズルにおける個々のマイクロ波場の電磁隔離を確保するのに必要な最小距離である。最大分離距離は、少なくともプラズマのエネルギーに依存するプラズマ状態の持続と、供給フローの速度及び安定化に依存する。好ましくは、プラズマ発生ゾーンを反応チャンバーから分離している距離は、0.005mと1mの間、より好ましくは0.05m及び0.5mの間、更により好ましくは0.02mと0.2mの間である。
各ノズルは、渦インデューサー110形のフローインデューサーを、ノズルの入力位置か、ノズル入力とノズルのプラズマ発生ゾーン(この図に示されない)との間の位置に備える。渦インデューサー110は、供給ガスを渦運動で流れることを促進するように構成される。渦運動を維持し、イオン化された状態のままにする方法で、この渦運動がノズルの中で発生するプラズマを安定にする。これは、渦運動がノズルから反応チャンバー102に流れるためである。従って、プラズマは反応チャンバー102において多少の持続期間の間は反応性がある。理想的には、ノズル中の各渦フローの回転方向は、ノズル中の渦フローが反応チャンバー内での一般的なプラズマの安定化に確実に寄与するような方向である。
下部チャンバー108は反応チャンバー102の下に位置し、これを反応生成物の分離に用いても良い。本実施形態においては、反応に関する固体生成物は下部チャンバーにおいて分離されると考えられる。回転流動を確立し、その回転面は実質的に反応チャンバーに対して水平であるか、反応チャンバー内で螺旋状になることが望ましいので、下部チャンバー近接の反応チャンバーは好ましくは固体粒子捕集用のサイクロンであること考えられる。上記固体生成物は、ガス制限バルブ106(例:回転弁)を通過し、下部出力ポートに移動する。上部出力ポート101は、上記チャンバー102より上に設けられ、本発明のこの実施形態においては、ガス状の反応生成物(それは、下部出力ポート107を介して排出するのを回転弁106によって防止される)を捕集するために用いられる。粒子状材料の浮流ベルト112はこの図に示され、その形は以下で更に詳細に後述する。
プラズマ反応器100の動作は、図1に関連して、ここで記載されている。処理されるガス供給物は、制御圧力(典型的には、1と2 bar absの間)で導入管103を通りマニホールド104に入る。供給ガスの流量は、様々な反応条件に従って調節される:例えば、プラズマ発生源のエネルギー、供給ガスの化学組成及び所望の反応産物。ガスフローは、この実施形態に関して、典型的には1ノズルにつき10 l/minから100 l/minの間であり、プラズマ発生のために6kWのマグネトロンを使用する。供給ガスは、複数のプラズマノズル105を通って流れる。各ノズル中で、供給ガスは渦インデューサー110によって安定流動パターン(例:渦運動)に攪拌されて、プラズマ発生ゾーンで6 kWマグネトロンによりプラズマに励起される。その結果、解離ガス及び/又は部分的な解離ガスの可動雲となり、その流動パターンが反応チャンバー102まで続く。プラズマの上記流動パターンは、ガスがプラズマ発生ゾーンの後から反応チャンバー102に入るまでプラズマ状態を維持されるという意味では、プラズマの安定性を増加させる。かかる安定化が、イオン化されたガスをプラズマ源の後と反応チャンバーの中の両方において高濃度のままにすることを可能にし、それによって反応可能な活性領域を拡大している。反応チャンバー102において、解離ガスの構成成分は分離されるかもしれないし、再結合して他の生成物を形成するかもしれないし、基質112と反応するかもしれないし、又は上記チャンバー102に導入された他の気質と反応するかもしれない。それは、要求される反応の仕様によって決まる。いずれの反応経路が用いられようとも、生成物は出力ポート101、107で取り出される。
上述の実施形態のマグネトロンは6 kWマグネトロンであるが、最高100 kW又は更により大きな他のマグネトロン源であっても、有効性によっては使用可能である。ノズルを通る流量やチャンバー内の流量がより高い場合は、より高出力のマグネトロンが好ましい。
本発明の基礎をなす動作原理の試験を行った。この試験では、3つのマイクロ波プラズマノズルの各々を直径0.5mの共通反応チャンバーへ放射状に接続し、上記反応チャンバーとの交点で互いに90度の間隔で配置したものを使用した。各プラズマノズルは、内径32mmの石英管と交差する1.5kWのマイクロ波源を備えていた。各プラズマノズルのプラズマ発生ゾーンは、反応チャンバーから0.15mの位置であった。バッファーガス(窒素)を3つ全てのプラズマノズルへ同時に導入し、上記ノズルへ接線方向に導入、つまり各々のノズルにおいて安定渦ガスフローが発生するように導入した。各々ノズルにおいて、窒素はプラズマ発生ゾーンでイオン化された。プラズマとその残光は、発生の位置から石英管に沿って反応チャンバーに入るまで伸びることが観察された。
プラズマ発生ゾーンを反応チャンバーから分離することは、2つの要素の効果を有する。第1に、ノズルからのプラズマの出力は、加算的である。即ち、各ノズルがそのプラズマを上記チャンバー内へ供給し、そして上記チャンバー内のプラズマ量は使用するノズルの数に比例して増加する。第2に、上記反応チャンバーは、プラズマを発生させる方法、特にマイクロ波(プラズマを発生させるのに用いるマイクロ波)の波長によって、いかなる形であっても制限されない。これは、プラズマ反応器の設計に非常に融通が利くものであり、上記反応器の中で起きている反応に容易に適合可能であることを意味する。例えば、ある基質を上記チャンバーへ導入できたり、ガスフローを特定産物の伴出に用いることができたりする。
図1に示す実施形態では、反応に関わる種、基質又は他の材料の細粉粒子は、上記チャンバー102に導入される。上記チャンバー周りの流動状態は、これらの粒子が反応領域内部において可動又は動的ベルト112の形で支えられている。プラズマ反応チャンバー中のかかるベルトの形成は、先行技術において公知ではない。これが反応処理に融通性を与える。ベルト材料は連続的な取り出し、及び/又は処理と補充が流動方向に沿って行われる。新たな材料を反応処理の種々の段階で加えることができ、種々の生成物を捕獲及び除去することを可能にする。混合材料を、2又は3以上の産物を取り除くために含ませても良い。
ベルトを形成する粒子は、1又は複数のプラズマノズルであって、動作していないもの(即ち、プラズマ発生に関係しないもの)によって導入してもよい。上記粒子は、プラズマ発生器の直後に位置する作動ノズル又は非作動ノズルのいずれかの投入ポートを通じて導入できる。ある状況においては、プラズマ発生場による粒子表面の活性化は有益であり、上記粒子を供給材料と共にノズルに導入しても良い。あるいは、1又は複数の別々の入力ポート111を用いてもよい。
反応チャンバーに導入される粒子は、好ましくは平均径が50nmと5mmの間、より好ましくは10μmと500μmの間、最も好ましくは50μmと300μmの間である。それらの好ましい組成物は、無機化合物、特に金属及び半金属としての固体要素であり、金属(任意に混合)酸化物及び金属皮膜された無機粒子でもよい。好ましくは、上記粒子は反応物の形成物と相互作用する。その相互作用は、特に化学経路又は化学速度に影響を及ぼすことによるものであり、特に上記速度を上昇させること、反応生成物を吸着すること又は固体生成物がそれと結合すること(例:特定のナノ構造の形成物を蒔くこと又は蒔くこととその生成物の粒子径を増加させること)によって形態に影響を及ぼすことによる。
他の動作様式において、種々の供給材料は、反応チャンバー周辺の様々なプラズマノズル内に導入可能である。これがより複合的な反応を起こす上記チャンバー条件をセットすることを可能にする。
反応槽に関して使用する上記ディメンション及びパラメーターの値は、1つの特定の実施形態だけを示すものであり、限定する意図はない。記載されているシステムは、拡大が容易である。例えば、2450MHzで動作する6kWのマグネトロンは、1kWから30kWのマグネトロンと置き換えることができる。更により大きいマグネトロンであって、35kWと100kWとの間でより低い周波数により動作が可能なマグネトロンは、より大きく、最大100mmの直径を有するノズルと共に使用してもよい。上記反応チャンバーは、取り付けノズルの数に比例したり、従ったりしてサイズを拡大すべきである。
プラズマの安定化は、供給ガスの反応相を反応チャンバー102において維持し、プラズマ発生ゾーンから遠くへ離すことができるような分離が重要な特徴である。渦運動は、単純な荒い螺旋パターンの流体の動きであり、比較的安定したフロー構造を形成することが知られている。この構造は、ノズルのプラズマ発生ゾーンを通ることで容易に描かれ、螺旋状の動きが均一な分布の供給ガスを励起源に暴露させることを確実にする。上記チャンバー102中においてプラズマが安定するまでは、渦は持続させるべきである。明らかなことであるが、実際の時間は、複数の要因(例:渦速度及び初期ガスフロー)に依存するだろう。
安定化を考慮する際に、起きている反応に燃料を供給することとプラズマを形成することの間で決定付けられるバランスを考慮する必要がある。ノズルのプラズマ発生領域通るフローを増加させることは、より早くプラズマを移動させるだろうし、これが渦安定化の必要性を低減させるはずである。しかしながら、増加するフローは、プラズマ密度の低下を回避するために、イオン化エネルギーを供給するプラズマ源のエネルギー需要を増大させることを意味する。
他のフローインデューサーや安定化方法はもちろん可能であるが、渦フローが好ましい。特定形状のプラズマ「雲」を保つために外力をフローに与えることが単純に必要とされる。それがプラズマを反応チャンバー102内へ流れるように維持する。例えば、磁力や音速流を用いてもよい。
反応チャンバー中においては、プラズマ雲はノズルから上記チャンバーの壁近傍に伸びる。これが、プラズマの領域が拡張し、壁のそばに位置し、そこを通って供給材料及び他の反応材料が流れるという結果となる。これが、1又は複数のプラズマ雲又は1又は複数の反応領域における反応材料の滞留時間を増やし、処理仕上げや効率を向上させる。上記チャンバー周辺のノズルとノズルとの間隔が上記チャンバー内の1又は複数のプラズマ雲の形状及び強度を決定する。特に、各雲は、それと隣接するものと融合し、連続した環状プラズマゾーンを反応チャンバーの壁に隣接する位置に生じることができる。
本発明の融通性を示すために、2つの特異的反応が考慮されるだろう。第1の反応は、水素及び炭素が生じるメタンの解離である。メタンがマニホールド104に供給され、ノズル105を通りプラズマとして反応チャンバー102に入る。プラズマが発生する位置から、プラズマ中で解離炭素及び水素を形成する反応が開始され、反応チャンバー102中で反応が続く。水素ガスは、上部出力ポート101を通って捕集される。
一実施形態として、静電プレート又はリングが下部チャンバー108に設置される。この反応によって生じた固体炭素は、このプレート又はリングに引きつけられるので、優先して堆積する。上記リングは、除去及び置き換えが必要に応じて可能である。
好ましい実施形態において、炭素粒子は入口ポート111を通り反応チャンバーに導入され、種粒子として作用する。上記チャンバー中の流動状態が炭素粒子に作用し、上記チャンバー周辺において伸びているベルトにそれら浮流させる。例えば、上記チャンバーの半径方向に対して45度で配向された4つのノズルの各々を通る20 l/minの流量は、粒子総容量が10 l/minの割合で流れる種粒子(密度が0.1g/cm3、直径が50 - 100μmの範囲)を支えるのに充分な流量である。種粒子が浮流に供給される割合は、それらが上記チャンバー中でのいくつかの処理によって除かれる割合に一致しなければならない。メタンの解離によって生じる炭素は、種粒子に堆積する。種粒子の質量が増加するにつれて、それらは上記ベルトから重力で落ち、結果として生じる微細炭素クラスターは上記チャンバーの底部で取り出すことができる。上記ベルトが動的である点は、それが上記チャンバー周辺で連続フローにある点と、炭素クラスターが落ちるにつれて、新たな種粒子が規定の流量(本願明細書における例は、10 l/m)で投入される点の両方である。後者においては、上記ベルトは常に補充されている。これが、先行技術に対して、産出された水素フローからの炭素分離を向上させることができ、連続運転も可能となる。
種粒子は、外部的に供給されるか反応そのものから取り出されるかのいずれかで可能である。産出された水素は、正常動作条件下においては、少量の微細炭素粒子を伴出する。従って、産出されたは濾過され、任意の炭素は取り出され、種材料として上記チャンバーに返すことができる。炭素が種に集まるにつれて、これらのより大きな粒子を他の段階におけるこのフィルターによって分離してもよい。
第3の代案として、上で挙げられる炭素の例に対して同程度のサイズ及び密度の無機酸化物球体を上記チャンバーへ導入し、浮流ベルト112を形成する。上記酸化物球体の構造は、例えば、炭素多層ナノ構造の成長を促すためのものである。ナノ構造に関する技術が周知であるように、他の形状及び基質材料を用いて他の成長構造を促してもよい。
水素は燃料として用いることができ、炭素は製品(例:活性炭又はカーボンブラック)へと容易に形を変える。これらの炭素製品は現在利用可能な商品と比較すると、それらが硫黄及び酸素不純物を含まないという点で有利である。
あるいは、メタンと水の組合せがマニホールドに供給可能である。本実施形態においては、気化又は蒸気噴射ジェットが、水をガス状の形態に変換する目的でマニホールド104に備わっている。この場合、反応生成物は合成ガス(一酸化炭素及び水素)である。先行技術では、合成ガス分離は成し遂げることが困難であると判明している。しかしながら本発明の本実施形態においては、水素化マグネシウムを下部チャンバー108へ導入できたり、上記チャンバー102中の中央へ伸び、そして上部出力ポート101を通り引き出される渦ガスフロー中の微粒子として導入できたりする。上記マグネシウムを微粒子として投入し、浮流ベルト112を形成してもよい。水素化マグネシウムが水素を吸収し、一酸化炭素は追加の排出口の外において捕集されるようにそのままにしておく。
ここで図2a及び2bに関して、反応チャンバー102に関するプラズマノズル105の別の配向が示されている。図2aにおいて、示される配置は複数の開始点を有する螺旋状構成体102aである。ノズル中で発達した渦フローは、この構成体102aに存在し、更に反応チャンバー102において促進される。これは、いくつかの処理に関して有益である。図2bに示される別の配置は、反応チャンバー102においてより多くの軸流が提供される。これは、上で概説される例を用いた固体炭素形成とは対照的に合成ガス形成によりよく適している。当業者によって、これらの2つの両極端なものの間におけるノズル構成が実施形態の範囲を形成することが理解されよう。
ノズル配置又はその他の配置によって、反応チャンバー内の流動は維持できる。特定の状況下では、このフローが導入粒子の浮流ベルトを支えるのに充分である可能性があり、1又は複数の反応生成物のための基質として作用させてもよい。
本実施形態において例示される反応チャンバー102は、形状が環状であるが、代わりに球体又は円筒形、あるいは他の形状で、好ましくは湾曲壁を有するものであってもよい。
図2a及び2bの例において、4つのプラズマノズル105は反応チャンバー102に供給することが示されているが、これは単に明確化のための例示である。更により多くのノズルを用いてもよく、どれぐらいの数のノズルを上記チャンバー102周辺に取り付けることができるかが本質的な限定要因である。全てのノズルがプラズマを発生させることに用いられることは、無論必須ではない。例えば、ノズルを10本有するチャンバーについては、おそらく5本だけをある特定反応のためのプラズマ発生用に使用しても良い。残りは、供給ガスが作動中のノズルのプラズマ発生ゾーンを迂回して、上記チャンバーに入ることを防止するために閉じられるだろう。あるいは、プラズマ発生のために使用されていないノズルは、基質粒子の導入又はガス(反応チャンバーにおける産出を由来とするガスを含む)の導入のために使用してもよく、これにより反応物の供給及び/又は反応チャンバー中での運動エネルギーの増加のために使用してもよい。
上述した通り、反応チャンバーからプラズマ発生を分離することが重要な特徴であるのは、それによってノズルがプラズマ発生に対する付加的な貢献をすることができるためである。従って、これらのノズルの構造は、図3から6を参照してより充分に記載されているだろう。図3及び4は、プラズマ発生ゾーン(双方ともマイクロ波プラズマ発生に基づくもの)の位置について可能性があるところを例示している。図4及び5は、渦インデューサー110の例を示している。
最初に図3を参照すると、マグネトロン301及び導波管302をプラズマ発生器として構成するものが示されている。マグネトロン301は従来型のマイクロ波発振器構造であり、一般には電子レンジと認識されている。この配置において、1kWのマグネトロン301は、4分の1波長分の突出部を形成している閉鎖端304を有する標準導波管302に供給される。石英管303は、電界が最大になる位置(即ち、閉鎖端304から1/4波長)にあり、電界強度が上記管303に含まれるガスのイオン化をもたらすようにしている。処理されるガスは上記管303に供給され、導波管302と上記管303の交差部から排出口305へと解離された状態で流れる。好適な導波管の例は、Sairemが提供するSurfaguideTMである。石英管303は、電気絶縁性であって好ましい動作周波数で低い誘電率を有する他の材料であっても同様によい。
無論、本発明におけるマイクロ波が発生させるプラズマを利用することが重要というわけではない。しかしながら、マイクロ波源の入手が容易であることと、マイクロ波が非常に有効な加工プラズマを発生させるという事実とが、それらを魅力的にする。市販のプラズマ源における通常の欠点、即ちそれらの出力が低い点が本発明では解決されている。各プラズマ発生器由来の個々の出力が合計されるためである。例えば、最も大きい市販のマグネトロンは、75 - 120kWの範囲である。かかるマグネトロンの多く(例えば10)を反応チャンバーの周囲に配向して用いることで、MW強度のプラズマゾーンを発生させることができる。
各ノズルの流路は、好ましくは直線である。プラズマ発生ゾーンのノズル直径は、好ましくは5mmと100mmの間、より好ましくは10mmと50mmの間、最も好ましくは30mmから40mmまでであり、これは6kWのマグネトロンに関するものである。
プラズマノズルにおいて使用されるマイクロ波プラズマ発生器は、好ましくは同軸マグネトロンである。更に、プラズマノズルにおいて発生及び使用されるマイクロ波は、好ましくは0.01mと2mの間、より好ましくは0.05mから1.5mの間、最も好ましくは0.1mから0.3mまでの装置波長を有する。また、各プラズマノズルのマイクロ波発振器に供給されるエネルギーは、好ましくは0.1kWと500kWの間、より好ましくは0.5kWから120kWの間、最も好ましくは1kWから75kWの間である。
プラズマノズルを通る材料のフローには、好ましくは流体、より好ましくはガスが含まれる。更に、プラズマノズルのプラズマ発生ゾーンを通るフローには、優先的に1又は複数の反応物が含まれる。好ましくは、複数ある反応物の少なくとも1つの大部分又は理想的に全てがプラズマ発生ゾーンの中を流れる。反応物は、プラズマ発生ゾーンを通るフローの50%超、より好ましくはフローの75%超、及び最も好ましくはフローの90%超を構成してもよい。
プラズマノズルに供給される流体は、好ましくは-20℃と+600℃の間、より好ましくは0℃と200℃の間、最も好ましくは50℃から150℃までの温度である。一方、プラズマノズル内の圧力は、好ましくは0.01bar absから5bar absまでの間、より好ましくは0.3bar absから2bar absまでの間、最も好ましくは0.8bar absから1.5bar absまでの間である。プラズマ発生ゾーンの量は、好ましくは2-6 x 10-6m3/kWと10 x 10-6m3/kWの間、より好ましくは4 x 10-6m3/kW - 10 x 10-6m3/kWまでの間、最も好ましくは6 x 10-6m3/kW - 10 x 10-6m3/kWまでの間である。一方、プラズマノズル中の平均滞留時間は、10-6秒から10-1秒であってもよく、これはイオン化される材料に依存する。
例えば、本発明のマイクロ波プラズマ発生器を通過するメタンを完全に熱分解するために消費される比エネルギーは、100%の効率で約23kJ/molである。
反応チャンバーの体積は、いずれの場合においても意図する応用及びプラズマ反応器の処理要件に依存するが、2.45GHzのマイクロ波プラズマ発生器の場合は、例示的な体積の範囲は、10-3m3から103m3、より好ましくは10-2m3から102m3、最も好ましくは1.5 m3から102m3である。しかしながら、反応チャンバーの体積は、好ましくはKW当たり5x 0-4m3/ノズル以上であるが、限定されるものではなく、これより高くてもよい。
更に、反応チャンバー中の滞留時間は、上記チャンバー内で発生している1又は複数の反応及び所望の出力生成物に依存するが、0.1秒から数時間まで延ばしてもよい。
図4に示される配置は、2つの小型マグネトロンが原動力となるように改良されたプラズマ発生器を表す。2つのマグネトロン(図示せず)を配置し、互いに妨げないか、精巧な位相及び周波数固定システムを必要としない共通の石英管404を供給する。図1に示される反応器の各プラズマノズルはこのタイプであってもよい。その場合には、上記反応器は、図3に示されるタイプのプラズマノズルを使用する反応器よりも高い出力を発生させることができる。
図4において、2つの導波管405及び406はテーパーがつくように設計され、電界が共通石英管404の領域において強まるようにしている。処理されるガスはマニホールド104から石英管404を通過し、矢印402が示す反応チャンバー102の方向へ進む。ガスは、導波管406によって生じるプラズマ発生ゾーンを最初に通過し、そしてマグネトロン導波管405によって形成されるプラズマ発生ゾーンを通過する。2つのプラズマ発生ゾーンは非常に近接しており、2つのプラズマ発生ゾーンの間に単一のプラズマ雲が広がるように形成されることが好ましい。そして、導波管405、406は、図4に示すように逆並行でなければならないというわけではない。この配向は、明確化のためだけに示している。この配置では、発生したプラズマの強度及びエンベロープ(長さ)を増加させることができる。
前述のように、プラズマ発生器の他の設計は、従来技術において公知であり、本発明での使用にも適している。商業規模の生産は、しかしながら、供給ガスの高い処理能力を必要とするだろうし、そのようなものとして、大気圧又は大気圧より高い気圧で動作するプラズマ発生器であることが好ましい。マイクロ波は、燃料ガス処理に関する大気プラズマに対して特に有効な発生器である。
図5に関しては、プラズマ発生ゾーン前のプラズマノズル105に組み込まれる渦インデューサー形のフローインデューサーの先頭デザインが示されている。図3及び4に示される発生器と組み合わせて用いる場合、渦インデューサーはプラズマ発生ゾーンの上流の石英管303、404に位置する。渦インデューサーの目的は、供給ガスを安定フロー(例:渦フロー)へと攪拌して、プラズマゾーンを通過させるためである。渦インデューサーには、多くの切れ込み502が突出部501に備わる。継手フランジ503(外部から冷却してもよい)が可撓性シールの効果をもたらし、それが縮小することで石英管303、404を損傷させず、そしてそれが拡張することで密封を維持する。その理由は、温度の変動がプラズマ発生工程の間に普通にみられるためである。ガスが突出物501に圧力をかけて押し込まれ、切れ込み502を無理やり出ると、一般的には螺旋状のフローパターンが誘導される。上記シール503は、マニホールドへ逆流することを防止する。
他の渦インデューサー110が、図6に示されている。これはHilsch管の小型版に基づくもので、強い渦運動をガスフローに誘導することで知られている。圧縮ガスは、アーム601a、b、c、dに沿ってより大きな直径の管600に対する接線方向から供給される。ガスは、より大きな直径の管600と隣接するより小さい直径の管602の両方から渦フローで排出される。より小さい管602からのガスは、より強い渦フローでプラズマ発生ゾーンに供給される。より大きな管600から排出するガスは、再循環する。
フローインデューサーの他のデザインは、例えば螺旋状羽根車、渦管の配置又は単純なファンの配置も想定される。最も重要なことは、供給ガスを安定フローへと誘導することが、ノズルのプラズマ発生ゾーンを通過する前ということである。目的は2つの要素からなる。第1は、石英管303、404の中でプラズマを安定にし、反応チャンバーまで持続することを確実にすることであり、第2は、全ての供給ガスがプラズマ発生領域を通過することを確実にし、その処理の均一性を向上させることである。
上記記載から以下のことが明らかになる。本発明に従うプラズマ反応器には多くの有効な応用が存在するか、又は粒状ベルトを支えるこのチャンバーの性能に関する開発によって改良できる多くのものを発展させてもよい。特に、本発明の実施形態は、供給ガス(例えば、メタン、天然ガス及びバイオガスであって、以前から知られていない効率を有するもの)を解離するために用いてもよい。解離生成物は、クリーン燃料(例えば、水素ガス及び価値ある副産物(例:高品質カーボンブラック))を作るように再結合させてもよい。
試験は、プラズマ反応器を用いて実施されたものであり、上記プラズマ反応器は、直径500mmの反応チャンバーに上記反応チャンバーに対して角度20℃で放射状に結合する直径35mmの単一のプラズマノズルを備える。6.15kWの電気入力がプラズマノズルのマグネトロンに供給され、メタンは率12.8 l/min、温度10℃及び圧力20psigで上記ノズルを通り供給された。これで、体積1.6 x 10-5m3のプラズマが発生した。これは1m3のメタンの熱分解に等しかった。反応チャンバーからの産出は、多量の水素と、重力で落下し反応チャンバーの下部ポートを経て集められた250gの炭素であった。
本発明は、多くの事業規模に適応できる。小規模の事業としては、燃料供給の卸(例えば、水素を燃料とする未来の輸送システム用の水素給油所)に役立つ。あるいは、本発明は燃料電池と一体化する小型家庭用規模のシステムを提供し、クリーンで環境的に健全な電気及び水を生産することができる。大規模な事業は、中央集中型クリーン水素生成システムに役立つ。
小規模プラズマ反応器の例が図7に図示され、反応チャンバーは、単一のノズル705によって供給される。反応器700は、供給材料が提供され、石英管303からなる給送管へと流れる入口703、渦チャンバー712と、その後、入口703から遠い給送管の端と連通する反応チャンバー702とを具備する。プラズマノズル705の石英管303の中で、供給材料はマグネトロン301によって励起され、プラズマを形成する。
プラズマは、プラズマ残光が持続されるようにイオン化粒子の動きを制御することを通じて安定化され、そしてノズル705を通り、しばらくの間、反応性を維持する反応チャンバー702の中へ流れることを可能する。必要な制御を受けた安定動作を成し遂げるために、ノズル705は渦インデューサー(上述)を備え、上記インデューサーはプラズマが形成される領域の上流に位置し、供給材料に対して渦運動を誘導し、この運動がプラズマ状態を持続するようにする。
下部チャンバー708は反応チャンバー702の下に位置し、反応生成物を分離する際に使用してもよい。上記反応生成物としては、例えば、反応チャンバー702の中で起こる反応の固体生成物である。上記反応生成物は、下部チャンバー708において捕集され、ガス制限バルブ706(例えば回転弁)を通過し、下部出力ポート707へ移動する。上部出力ポート701は、上記チャンバー702に設けられ、ガス状の反応生成物を捕集するために用いられる。
図7で明らかなように、ノズル705の出力は反応チャンバー702の上部(先の実施形態にて示した側部ではない)と連通し、ノズル中で発生したプラズマが反応チャンバー702の上部における開口部を通って供給されるようなっている。ノズル705と反応チャンバーの上部の開口部は、上記チャンバー702と同軸方向に配置され、ノズル中で発達したプラズマの渦運動が反応チャンバー702内に伝達され、その中で続くようになっている。
先に述べたように、プラズマは渦チャンバー712を、その経路に沿って通過し、反応チャンバーへ移動する。渦チャンバー712の好ましい構造は、プラズマの安定フローを促進し、それが継続するような設計である。従って、渦チャンバー712は、形状が円錐台形で、反応チャンバーへ接続する方向に内向きのテーパーがつく。さらに、渦チャンバーは、入口ポート711を備え、それはテーパーがついている渦チャンバーの壁に位置し、そこを通って固体又は流体反応物が導入される。入口ポート711は、上記入口ポート711を通じて導入された反応物の運動エネルギーがプラズマの渦運動に寄与し、更に上記渦運動が持続するように配置されている。
この実施形態に従うプラズマ反応器の応用の例は、炭素及び水素へのメタンの解離においては、上記炭素はナノ構造を形成するために用いられる。炭素と酸化鉄を含む種材料は、ノズル出口の開口部を通じて導入され、上記チャンバー中のフローによって導かれ、浮流したベルトを形成する。酸化鉄は炭素の基質として作用し、炭素が堆積する。炭素と酸化鉄はメタンと共に導入できるが、微粒子は専用の入口ポートを介して直接反応チャンバーへ導入でき、及び/又は非動作ノズルを使用して導入できることも想定される。
なお更なる応用には、有毒及び危険な廃棄物の処理が含まれ、危険な供給材料を破壊しながら価値ある元素を再生する。
ガス入力及び出力に関して様々な構成が可能であり、それは、要求される処理の性質に依存する。導入管103は、処理、浄化又は研磨されるガスを供給できる。他の処理として、このガスは、入力ポート152を通過して供給されるため、プラズマ形成では解離されない。プラズマは、不活性バッファーガス又は他の反応性ガスを使用して形成してもよい。出力ポート151で捕集された処理ガスは、導入管103又は入力ポート152を介してチャンバーに再供給してもよい。それは、行われている処理に依存する。これが、処理ガスが許容可能な不純物/危険/汚染レベルに減少するまで、複数サイクルの浄化又は処理を可能にする。
煙道ガスからの二酸化硫黄(SO2)の除去は、図7のプラズマ反応器を使用して実行可能なガス浄化処理の例である。概要として、二酸化硫黄の除去を可能にする処理は、以下の通りである:
2SO2 + 2H2O + O2 > 2H2SO4
上述のプラズマ反応器内で、水及び酸素の、プラズマへの解離は、ヒドロキシルラジカル及び酸素原子を形成する:
(O2 + e) + (2H2O + e) > OH + OH + OH +O + O + O + O
ヒドロキシルラジカル及び酸素原子は、二酸化硫黄と反応し、煙道ガスから取り出し可能な硫酸を形成する。このようにして、ガス浄化処理は、連続且つ絶え間なく新規な煙道ガスを1又は複数のノズルを介して常に反応チャンバーへ導入することで実行してもよい。
プラズマ反応器がマイクロ波プラズマ発生源の使用に関して主に記載されていたにもかかわらず、本発明は別のタイプのプラズマ源を使用してもよいことや、多数の種々のタイプのプラズマ源を単一の反応チャンバーに接続してもよいことも想定される。非マイクロ波プラズマ源の例は、以下の通りである:3つの電極であって、プラズマ発生ゾーンが3つの電極とそこから等距離の面に位置しながら、互いが等距離になるような面に配置される3つの電極。電気的に絶縁のチューブであって、適切な不活性材料(例:セラミック)のチューブが、3つの電極の平面に対して90度の軸に沿って配置されて、その平面を横切っている。上記管は、ガスフローを包含するために用いられ、そのガスフローはプラズマ発生ゾーンを横切って流れる。高電圧のDC、AC(それは、三位相電源であってもよい)又はパルスDCを電極に印加し、アークが電極と電極の間に放電され、上記管の開口部を通過することでプラズマ発生ゾーンを横切るようにする。アークが複数電極の間のプラズマ発生ゾーンを横切るように流れるガスをイオン化し、プラズマが生じる。電極に印加される電圧は、複数電極の間を流れるガスの絶縁破壊電圧を超えなければならない。そして、電流は、所望の反応に従い、プラズマに変えられる電力が制御されるように電流制御回路によって制限してもよい。電源がAC又はDCのいずれかである時は、プラズマは主に熱プラズマであるが、パルスDCが使われる時は、ある程度の非平衡プラズマも生じる。発生するプラズマを上述のものと同一又は類似の技術を使用して安定化させてもよいことは、当然明らかであろう。
上述のもの以外のプラズマ反応器への変更は、本願明細書に添付される請求項に記載の本発明の精神と範囲から逸脱することなく想定される。更に、上述のもの以外の処理を、本発明のプラズマ反応器を使用して付加的に実行してもよいことは、直接的に明らかである。

Claims (44)

  1. 反応チャンバーとそれに連結する1又は複数のプラズマ源を具備する反応槽であって、
    各プラズマ源は、前記反応チャンバー内の反応領域と流体連通するプラズマ発生器を具備し、
    前記プラズマ発生器は、材料が前記反応領域へ入る前に前記材料を少なくとも部分的にイオン化してプラズマを形成し、
    前記反応槽は、前記反応チャンバー内で流動を確立するためのフローインデューサーを更に含む、反応槽。
  2. 前記フローインデューサーは、前記反応チャンバーに対する1又は複数のプラズマ源の継手を備え、
    前記継手は、前記プラズマ発生器からの前記少なくとも部分的にイオン化された材料のフローを誘導して前記反応チャンバー内で流動を確立するように構成される、請求項1に記載の反応槽。
  3. 前記フローインデューサーは、前記プラズマ発生器を過ぎた材料のフローを誘導するための、少なくとも1つのプラズマ源と連結したフロー管理手段を備えて前記反応チャンバー内の流動を確立する、請求項1又は2に記載の反応槽。
  4. プラズマ発生器からの前記少なくとも部分的にイオン化された材料のフローは、渦である、請求項2又は3に記載の反応槽。
  5. 前記フローインデューサーは、前記1又は複数のプラズマ源から分離されている、請求項1に記載の反応槽。
  6. 前記フローインデューサーは、前記反応チャンバー内に攪拌翼を具備する、請求項5に記載の反応槽。
  7. 前記フローインデューサーは、前記1又は複数のプラズマ源と前記反応チャンバーとの間に差圧を設けるための圧力管理装置を具備する、請求項5に記載の反応槽。
  8. 前記反応チャンバーは、前記プラズマ源とは独立して粒子状材料流入用ポートを備え、
    前記反応チャンバー内の前記流動が前記反応領域内の粒子状材料を浮流状態に保つ、請求項1から7のいずれかに記載の反応槽。
  9. 粒子状材料は、少なくとも1つの前記プラズマ源を介して前記反応チャンバーに供給され、そして前記反応チャンバー内の前記流動が前記反応領域内の粒子状材料を浮流状態に保つ、請求項1から8のいずれかに記載の反応槽。
  10. 前記反応チャンバーは、粒子状材料が取り出される出口ポートを備える、請求項8又は9に記載の反応槽。
  11. 前記反応チャンバーへの粒子状材料の流量は、粒子状材料が浮流から取り出される割合と釣り合う、請求項10記載の反応槽。
  12. 前記出口ポートは、前記反応チャンバーの底部又はその付近の下部出口であり、
    1又は複数の反応物と結合して質量が増加した粒子状材料は、重力により浮流から落ちることで前記下部出口を介して捕集される、請求項10又は11に記載の反応槽。
  13. 前記反応チャンバーは、前記反応チャンバーの上部又はその付近にガス状材料を取り出すための上部出口を備える、請求項1から12のいずれかに記載の反応槽。
  14. 粒子状材料は、前記上部出口からも抽出される、請求項13に記載の反応槽。
  15. 前記上部出口は、前記チャンバーの上壁を通って伸び、前記反応チャンバー内へ所定の長さ又は調節可能な長さに伸びている排出管を有する、請求項13又は14に記載の反応槽。
  16. 前記粒子状材料は、炭素又は無機酸化物のいずれかである、請求項8から15のいずれかに記載の反応槽。
  17. 前記反応チャンバーは、前記プラズマ発生ゾーンから空間的に分離されている少なくとも1つの出口を備え、前記少なくとも1つの出口と前記反応チャンバーの流動は、プラズマ発生を中断することなく前記反応チャンバーから反応生成物を除去できるように配置されている、請求項1から16のいずれかに記載の反応槽。
  18. 1又は複数のプラズマ源のうち少なくとも1つは、少なくとも前記プラズマ発生器から、前記反応チャンバーに対する前記プラズマ源の継手まで伸びている給送管を有し、前記給送管は前記給送管内においてプラズマ安定フローを促進するように構成されている、請求項1から17のいずれかに記載の反応槽。
  19. 前記給送管は、前記給送管の内部成形によってプラズマ安定フローを促進するように構成されている、請求項18に記載の反応槽。
  20. 前記給送管は、前記給送管内に攪拌翼を組込むことによってプラズマ安定フローを促進するように構成されている、請求項18に記載の反応槽。
  21. 前記給送管の構成は、前記プラズマ発生器又はその付近に据え付けられる、請求項19又は20に記載の反応槽。
  22. 前記プラズマ安定フローは、渦である、請求項18から21のいずれかに記載の反応槽。
  23. 前記反応チャンバーは、湾曲側壁を有する、請求項1から22のいずれかに記載の反応槽。
  24. 前記給送管は、前記反応チャンバーに対する前記プラズマ源の継手方向へ内向きにテーパーをもつ、請求項18から23のいずれかに記載の反応槽。
  25. 前記テーパー付き給送管は、前記プラズマ発生器と前記反応チャンバーに対する前記プラズマ源の継手との間に位置する入力ポートを備え、前記入力ポートは、流動を前記テーパー付き給送管に誘導し、前記給送管内においてプラズマ安定フローを促進するように配置されている、請求項24に記載の反応槽。
  26. 前記テーパー付き給送管は、前記反応チャンバー対して同軸方向に配置され、前記テーパー付き給送管中の前記プラズマ安定フローが前記反応チャンバー内の安定流動に寄与する、請求項24又は25に記載の反応槽。
  27. 前記給送管と前記反応チャンバーとの間の前記継手は、前記継手における流体連通が前記反応チャンバー壁に対する接線に対応する角度又は前記接線に対して鋭角となるように配置される、請求項18から26のいずれかに記載の反応槽。
  28. 1又は複数の前記プラズマ源の前記プラズマ発生器は、マイクロ波プラズマ発生器である、請求項1から27のいずれかに記載の反応槽。
  29. 1又は複数の前記プラズマ源の前記プラズマ発生器は、マグネトロンが原動力である、請求項28に記載の反応槽。
  30. 前記反応チャンバーは、前記プラズマ発生器に関して共振しない、請求項1から29のいずれかに記載の反応槽。
  31. 非平衡プラズマが発生するように構成される、請求項1から30のいずれかに記載の反応槽。
  32. 前記反応チャンバーと流体連通する二次チャンバーを更に備える、請求項1から31のいずれかに記載の反応槽。
  33. 前記二次チャンバーは、排出ポートを備える、請求項32に記載の反応槽。
  34. 前記排出ポートは、ガス制限バルブが取り付けられている、請求項33に記載の反応槽。
  35. 前記二次チャンバーは、静電捕集器、粉体集塵装置又はポリマー加工基質を備える、請求項32から34のいずれかに記載の反応槽。
  36. 前記反応チャンバーは、追加の導入管を備える、請求項1から35のいずれかに記載の反応槽。
  37. 1又は複数の反応物の第2のフローは、前記追加の導入管に沿って前記反応チャンバー中へ投入できる、請求項36に記載の反応槽。
  38. 前記反応槽は、イオン化される1又は複数の反応物及び/又は材料を噴霧又は気化するための装置を備える、請求項1から37のいずれかに記載の反応槽。
  39. プラズマ発生器と、
    供給材料のフローを入口からプラズマ発生ゾーンを通りプラズマ発生器から遠くにあるノズル出口まで導く給送管であって、前記ノズル出口が反応チャンバーへ連結するように構成されている給送管と、
    前記給送管における前記供給材料のフローを制御するフロー管理手段と、を備え、
    プラズマ発生器が少なくとも部分的に前記供給材料をイオン化し、前記ノズル出口への前記フローによって維持されるプラズマを形成する、プラズマノズル。
  40. 前記ノズルは、2つのプラズマ発生器であって、互いに独自のプラズマ発生ゾーンを有し、前記給送管が両方のプラズマ発生ゾーンを横切るように配置された2つのプラズマ発生器を備える、請求項39に記載のプラズマノズル。
  41. 前記2つのプラズマ発生ゾーンと前記給送管とのそれぞれの交点間の間隔は、前記2つの交点の間に伸びる前記給送管内に単一のプラズマ雲が形成されるように選択される、請求項40に記載のプラズマノズル。
  42. ガス状炭化水素の供給との接続を構成する供給接続と、
    それに連結する1又は複数のプラズマ源と、
    前記1又は複数のプラズマ源に連結する反応チャンバーと、を備え、
    各々の前記プラズマ源は、プラズマ発生器を備え且つ前記炭化水素のフローを前記プラズマ発生器を介して前記反応チャンバー内の反応領域へ導くように構成され、
    前記プラズマ発生器は、前記ガス状炭化水素が前記反応領域へ入る前に前記ガス状炭化水素を少なくとも部分的にイオン化してプラズマを形成し、
    前記反応チャンバーは、捕集された水素が通る少なくとも1つの出口を備える、水素生成槽。
  43. 前記1又は複数のプラズマ源は、複数のプラズマノズルであって、各々がマイクロ波プラズマ発生器を具備する複数のプラズマノズルである、請求項42に記載の水素生成槽。
  44. ガス状炭化水素の供給との接続を構成する供給接続と、
    それに連結する1又は複数のプラズマ源と、
    前記1又は複数のプラズマ源に連結する反応チャンバーと、を備え、
    各々の前記プラズマ源は、プラズマ発生器を備え且つ前記炭化水素のフローを前記プラズマ発生器を介して前記反応チャンバー内の反応領域へ導くように構成され、
    前記プラズマ発生器は、前記ガス状炭化水素が前記反応領域へ入る前に前記ガス状炭化水素を少なくとも部分的にイオン化してプラズマを形成し、
    前記反応チャンバーは、炭素が優先して堆積する基質として作用する粒子性浮流を備える、炭素抽出槽。
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