JP2012517826A - 凝固タンパクの精製手段と、その実施方法 - Google Patents

凝固タンパクの精製手段と、その実施方法 Download PDF

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Abstract

本発明は凝固タンパクに結合した核酸アプタマーが固定された基質を含む、凝固タンパクを選択的に結合する親和性基質に関するものである。

Description

本発明は、医薬品の活性成分として使用できる凝固タンパク(coagulation proteins)の精製分野に関するものである。
凝固タンパクは古くから医薬品の活性成分を構成してきた。医薬品の活性成分として使用される凝固タンパクの中では特に、第VII因子、第VIII因子、トロンビンまたはフォンビルブラント因子を挙げることができる。
最近まで凝固タンパクはヒト血漿の精製でしか得られなかった。ここ数年間でいくつかの凝固タンパクはトランスジェニック哺乳類の体液、例えばトランスジェニック哺乳類の乳汁で産生された組換え型タンパクの形で得られるようになった。
いずれの場合でも、被精製凝固タンパクを含む出発材料は錯体構成の材料から成り、そのタンパクは極めて多数の物質(タンパク、リピド、炭水化物、アミノ酸、無機質塩、セルデブリスおよび代謝廃棄物、例えば尿素、尿酸またはビリルビンを含む)と組合されて存在している。従って、凝固タンパクの精製方法の開発は複雑な作業であり、ヒトが使用する医薬品として市場に出すためには健康面体および各種要求規制を満たす必要がある。
凝固不全(cogulation disorders)の予防または治療を目的とする医薬品の活性成分として使用される凝固タンパクは極めて高い純度に精製された形で存在しなければならず、生体に害を与える望ましくない物質、他の凝固タンパク、アルブミン、免疫グロブリン、上記タンパクの分解産物を含んでいてはならない。
凝固タンパクの精製方法は公知であり、例えば、第VIII因子、抗-トロンビン-III、プラスミノーゲン、第VII因子またはフォンビルブラント因子の精製方法が知られている。
公知の全ての方法は、タンパク沈殿段階とそれに続くクロマトグラフィ基質への通過、その後の溶離段階、深層濾過段階、限外濾過段階または他に濃縮段階をベースとする一連の選択的分離段階を有している。
凝固タンパクの精製法の開発には、新規な方法であれ、公知方法の改良(ほんのわずかの改良)であれ、一連の中間生成物の調査と確認に極めて長い時間を必要とし、最終製品が変質しない形で、高い純度で得られ、望ましくない物質を実質的に含まないことを確認する必要がある。特に、酵素活性を有する凝固タンパク、例えば、因子VII、VIIIおよびXIの場合、精製された最終タンパクが活性でないことが重要である。しかし、精製の一つの段階において例えば所定条件下、例えば使用する濾過材料またはクロマトグラフ材料の品質、塩濃度または温度でクロマトグラフィ段階に凝固タンパクが活性化され易い。
公知の方法がクロマトグラフ基質にグラフトしたリガンドに問題の凝固タンパクを特異的に固定させ、クロマトグラフィ溶出液中に精製されたタンパクを回収するという原則に基づくアフィニティークロマトグラフィ段階を含まない理由の少なくとも一部はそのためである。
所望タンパクの精製方法にアフィニティークロマトグラフィ精製段階が含まれない他の理由は、クロマトグラフ基質にグラフトしたリガンド分子の一部が離脱し、精製されたタンパク溶出液の容積中にリガンド分子が観察されるというこの方法の欠点によって説明される。凝固不全を治療するための医薬品中にクロマトグラフィ基質の成分物質が混入するということは医学規則で禁止されている。
国際特許第WO02 26932号公報
従来技術の凝固タンパクの精製方法は満足できるものであるが、既存の方法に比較して改善された方法、代替方式に対するニーズが依然としてある。
本発明は、固体の基質材料を含む、凝固タンパクを選択的に結合させるための親和性基質(affinity substrate)であって、上記の固体の基質材料上に凝固タンパクに特異的に結合する核酸アプタマ(nucleic adaptamer)が固定されている親和性基質にある。
本発明の実施例では、上記核酸アプタマはデオキシリボ核酸アプタマから成る。
本発明の対象は、凝固タンパクを含むサンプルを親和性基質と接触する段階を含む基質上に凝固タンパクを固定する方法にある。
本発明はさらに、下記(a)〜(c)の工程から成る凝固タンパクの精製方法にも関するものである:
(a) 凝固タンパクを含むサンプルを上記定義の親和性基質と接触させて (i) 親和性基質に固定された核酸アプタマと(ii)上記凝固タンパクとの間に錯体を形成させ、
(b) 段階(a)で形成させた錯体からタンパクを遊離させ、
(c) 凝固タンパクを精製させた形で回収する。
本発明はさらに、ヒト以外のタンパクを実質的に含まない、少なくとも99.9重量%の組換え型ヒト凝固タンパクを含む組換え型ヒトタンパクの精製された組成物に関するものでもある。
は、抗ヒトFVll核酸アプタマが固定された親和性基質を用いて、ウサギ乳汁で産生した組換え型ヒト因子VIIの精製方法の実行中に得られるクロマトグラフィ・プロフィルを示す。X軸:時間;Y軸:254nmでの吸光度値(OD)。 は時間の関数とする280nmでの吸光度の測定値の曲線。 はバンドの相対数量化を可能にするコオマッシー(coomassie)青色染色SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動ゲルの像。レーンは図3のゲルの左から右に向かって下記出発材料の移動結果を示す: レーン「2」または「MD」:出発組成物Betafact(登録商標) レーン「3」または「NR」:図2のクロマトグラフ・プロフィルのピークNo.1に対応する保持されない因子 レーン「4」または「E1」:図2のクロマトグラフ・プロフィルのピークNo.2に対応する溶出画分 は時間を関数とする280nmでの吸光度の測定値の曲線。
はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動ゲルの像で図5のゲルの左から右に向かってレーンは下記の出発材料の移動結果を表す: レーン「E5」:MEP HyperCelクロマトグラフ段階で予備精製したトランスジェニック・ヒトIX因子を含むトランスジェニック雌豚の乳汁の出発組成物。 レーン「E6」:図4のクロマトグラフプロフィルのピークNo.1に対応する保持されない画分。 レーン「E7」:図4のクロマトグラフプロフィルのピークNo.2に対応する溶出画分。 レーン「E8」:図4のクロマトグラフプロフィルのピークNo.3に対応する再生画分。 レーン「TFIX」:精製されたヒト・血漿IX因子対照(コントロール)。
時間を関数とする280nmでの吸光度の特定値の曲線。図6で、ピークNo.1はカラムに保持されなかった出発材料の画分に対応し、ピークNo.2は溶出画分に対応する。 は不純物が除去されたことを視覚化するために硝酸銀で染色しSDSPAGEで分析した出発材料および溶出物のゲルの像。レーンNo.1は出発材料の画分、レーンNo.2は溶出画分に対応する。出発材料はかなりの純度にもかかわらず、溶出画分はいかなる汚染物も含まず、劣化もしていない点に注意。
はトランスジェニック・ウサギの乳汁中に産生した組換え型ヒト因子VIIへのMapt2固定アプタマの結合曲線。矢印は図8の左から右に向かって下記の各注入時間に対応する:1:組換え型第VII因子の注入;2:1M−NaClを含む緩衝液の注入;3:2M−NaClを含む緩衝液の注入;4:3M−NaClを含む緩衝液の注入;5:10mM−EDTAを含む50mMトリス緩衝液の注入。x軸:時間(秒);y軸:応答信号値は(任意単位(RU)で表示)。 はトランスジェニック・ウサギの乳汁中で産生した組換え型ヒト因子VIIに対するMapt2固定アプタマの結合曲線。矢印は図9の左から右に向かって下記の各注入時間に対応する:1:50%プロピレングリコール;2:10mM−EDTA。
長期間の研究後に、出願人はクロマトグラフィ基質に予備固定したリガンドに対する当該タンパクの特異的に結合させ、基質に保持された当該タンパクを開放し、溶出液容積中に精製されたタンパクを回収にする、クロマトグラフィ段階を有する凝固タンパクの精製方法を開発した。
より詳細には、本発明は当該タンパクに対して特異的に結合する核酸アプタマが固定された基質に当該凝固タンパクを特異的結合させる段階と、それ続く精製された当該タンパクの回収の段階とを含む凝固タンパクの精製方法を提供する。
驚くことに、本発明に従って当該凝固タンパクに特異的な核酸アプタマが固定されるアフィニティークロマトグラフィ基質、すなわち、核酸アプタマを含む固定された化合物の形で含むアフィニティークロマトグラフィ基質が医薬品の活性成分として使用できる凝固タンパクを得る方法で使用できるということが分かった。
本発明は、核酸アプタマから成る化合物の形を含む、当該凝固タンパクに特異的に結合する核酸アプタマが固定された固体の基質材料を含む、凝固タンパクを選択的に結合する親和性基質に関するものである。
当該凝固タンパクに特異的に結合する核酸アプタマ分子およびこの核酸アプタマを含む化合物は固体の基質材料が担持する標的タンパクの特異的結合サイトを構成する。
「核酸アプタマ(nucleic aptamers)」という用語には凝固タンパクに特異的に結合するヌクレオチドの長さが5〜120の単一鎖の核酸が含まれる。「核酸アプタマを含む化合物」という用語には構造に上記定義の核酸を有する化合物が含まれる。すなわち、ヒトまたは哺乳類の凝固タンパクに特異的に結合するDNAを含む化合物にはビオチン分子を含むその構造中に上記核酸を含む化合物が含まれる。
本発明の上記定義の親和性基質は当該凝固タンパク(以下「標的タンパク」ともいう)を効率的に固定することができる。
上記定義の親和性基質は標的タンパクの吸着能が高い。すなわち、固体の基質を被精製凝固タンパクを含む溶液と接触させることで、固体の基質に担持された標的サイトの少なくとも50パーセントを飽和させることができる。
本発明では、核酸アプタマ分子に特異的に結合された凝固タンパク分子を少なくとも75パーセントの優れた収率で親和性基質から溶出させることができる。
さらに、本発明の親和性基質は当該凝固タンパクに対して高い特異性を有する。すなわち、溶出液中に含まれるタンパクの全重量に対し99.95重量パーセントまでの純度で凝固タンパクが得られる。
実施例に示すように、本発明の親和性基質では、高純度の標的凝固タンパクを含む組成物、例えば出発材料中に含まれるタンパクの全重量に対して98重量%を超える出発材料を使用することで、当該凝固タンパクの純度を2桁のオーダーで増加させることができる。特に、出発材料中に存在する不純物が被精製標的凝固タンパクの構造および物理化学特性に近い場合に、この純度の増加が得られ、有利である。
本発明の親和性基質を用いることで、ヒト因子VIIおよびヒト因子IXのような非常に明確な一次配列の凝固タンパクを精製することができる。
本発明の親和性基質はさらに、ヒト・IX因子がリッチな血漿組成物やヒトX因用ランスジェニック動物からの乳汁のような錯体組成物の出発媒体から凝固タンパクを凝固タンパクに対する大きな結合特異性で精製することができる。
本発明の親和性基質はさらに、ヒト以外のオルソロガス(orthologous)なタンパクを含む出発媒体、例えばヒト・IX因子に対してトランスジェニックな動物の乳汁(トランスジェニック動物が天然に産生するIX因子を含む乳汁)から選択的にヒト凝固タンパクを精製することができ、トランスジェニック動物が天然に産生するIX因子(外来FIX)は例えばブタFIXにすることができる。
さらに、本発明の親和性基質を用いることで、ヒト以外のオルソロガスなタンパクを含む出発媒体、例えばヒト因子VIIのためにトランスジェニック動物の乳汁(トランスジェニック動物が天然に産生する第VII因子を含む乳汁)からヒト凝固タンパクを選択的に精製することができ、トランスジェニック動物が天然に産生する第VII因子(または存性FVII)は例えばウサギFV11にすることができる。
重要なことには、本発明の親和性基質の高い吸収能、好収率および高特異性といった上記特徴は錯体組成物の出発媒体、例えば当該凝固タンパクに対してトランスジェニックな哺乳類の血漿、その他に体液から当該凝固タンパクを精製したときに得られる点にある。
また、固体基質材料上への核酸アプタマの固定は不可逆で、長期間安定することが分かっている。すなわち、基質から外れた核酸アプタマは溶出溶液中にその存在が検出されない。
特に、本発明の親和性基質は、溶出後に、基質に結合して残ったタンパクを除去することで、何度でも(i)標的凝固タンパクの吸収能、(ii) 標的タンパクに対する特異性、 (iii) 固体基質材料に固定した核酸アプタマを遊離させないで「再生」できるということが分かっている。本発明の親和性基質の再生は公知の方法および公知の再生剤(例えば尿素)で実行できる。
当該凝固タンパクのリガンドとして使用される上記核酸は多くの利点を有している。上記アプタマがそのオリゴヌクレオチドの種類によって弱い免疫原性とストリンジェントな物理化学的条件(尿素、DMSOの存在、強い酸性または塩基性pH、有機溶媒の使用、高温)に対して高い耐性を有し、それによって、アフィニティーリガンドとして使用する際の安全性、特にウィルスまたは非通常病原に対して種々の健康安全上の制御戦略を変えることができる。それに加えて、選択的が極めて高い。最後に、既に述べたように、アプタマの生産コストが相対的に安い。
すなわち、本発明の親和性基質の上記特徴から凝固タンパクの精製手段として使用される親和性基質の能力が得られる。すなわち、
(1)本発明の親和性基質を用いることで非常に高い純度を有する凝固タンパクの精製方法を実行できる。
(2)本発明の親和性基質は望ましくない物質、特に核酸アプタマ分子を精製された凝固タンパクを含む溶出溶液中に放出しない。
(3)核酸アプタマ分子の離脱はヒトの健康に対する欠点にならない。
(4)親和性基質での当該凝固タンパクの固定とその後の溶出によって、酵素活性を有する凝固タンパクの場合、凝固タンパクの活性形を検出可能な量形成することはない。
(5)親和性基質は比較的安価に製造できる、特に、核酸アプタマの生産コストが安い。
(6)凝固タンパクの精製に親和性基質を使用すること自体が相対的に安価である。すなわち、基質を何度でも再生でき、長期間使用できる。
それに加えて、既に述べたように、本発明の親和性基質は標的凝固タンパクを可逆的な方法で、選択的、高収率、高特異性で、工業用スケールで従来から使用されている媒体、例えば当該タンパクを含むヒト血漿または培養媒体または体液から、錯体構成媒体の精製方法を用いて結合させることができる。
さらに、後で詳細に説明するように、本発明の親和性基質は当該凝固タンパクを含む溶液を大容積で処理するのに適している。すなわち、本発明の親和性基質は工業的スケールで使用するのに適した凝固タンパクの精製ツールを構成する。
本発明の親和性基質の上記以外の利点は、特定実施例の親和性基質に関する説明またはその親和性基質を使用した凝固タンパクの精製方法に関する説明から明らかに成るであろう。
出願人が知る限り、工業的スケールで使用可能な条件下で凝固タンパクを精製するために、固定された核酸アプタマを含む親和性基質を記載した文献は本発明が最初のものである。第VII因子および第IX因子に対するトロンビンに特異的な核酸アプタマは従来技術(特許文献1、国際特許第WO02 26932号公報参照)で種々公知である。
「選択的な結合(binding)」とは本明細書では親和性基質の固定核酸成分に当該凝固タンパクを特異的に非共役結合することを意味し、核酸と当該タンパクとの間に非共役結合錯体が形成されている上記親和性基質を適切な組成物の溶液(溶出溶液でもよい)と接触させた時に可逆的なものを意味する。
「凝固タンパク(coagulation protein)」という用語は本明細書では血塊を形成させる結果となるカスケード反応連鎖に関係する任意のタンパクを意味する。この凝固タンパクには第I因子(フィブリノゲン)、第II因子(プロトロンビン)、第V因子(プロアクセレリン)、第VII因子(プロコンバーチン)、第VIII因子(抗血友病A因子)、第IX因子(抗血友病因子B)、第X因子(スチュワート因子)、第XI因子(ローゼンソール因子またはPTA)、第XII因子(ハーゲマン因子)、第XIII因子(フィブリン安定化因子またはFSF)、PK(カリクレイン前駆体)、HMWK(高分子キニノーゲン)、組織トロンボプラスチン、ヘパリン補因子II(HClI)、プロテインC(PC)、トロンボモジュリン(TM)、タンパクS(PS)、フォンビルブラント因子(vWF)および組織因子経路インヒビター(TFPI)およびその他の組織因子が含まれる。
本発明の一実施例では、凝固タンパクは酵素活性を有する凝固タンパクから成る。
酵素活性を有する凝固タンパクには第II因子(プロトロンビン)、第VII因子(プロコンバーチン)、第IX因子(抗血友病因子B)、第X因子(スチュワート因子)、第XI因子(ローゼンソール因子またはPTA)、第XII因子(ハーゲマン因子)、第XIII因子(フィブリン安定化因子またはFSF)およびPK(カリクレイン前駆体)が含まれる。
本発明の好ましい実施例では、凝固タンパクは天然または組換え型ヒト凝固タンパクから成る。
本発明の好ましい実施例では、凝固タンパクは天然または組換え型ヒト因子VIIである。
一般に、本発明のアプタマが固定される固体基質には、構造および組成が濾過材、メンブレン等で一般的な任意タイプの基質が含まれる。この固体基質には特に樹脂、アフィニティークロマトグラフィカラム樹脂、ポリマビーズ、磁気ビーズ、常磁性ビーズ、濾過メンブレンの基質材料、その他が含まれる。固体基質にはさらに、ガラスまたは金属をベースにした材料、例えば鋼、金、銀、アルミニウム、銅、珪素、ガラスまたはセラミックをベースにした材料が含まれる。固体の基質にはさらにポリマー材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ弗化ビニリデンおよびこれらの組合せも含まれる。
本発明の実施例では、固体の基質はアプタマとの付着、結合、複合体形成、固定化または相互作用を容易にする材料またはアプタマを含む化合物で被覆することができる。
本発明の実施例では、固体基質は表面を金の層、カルボキシメチル化処理した層、デキストラン、ストレプトアビジン、コラーゲン、アビジン、その他の層で被覆されたガラススライドにすることができる。
本発明のアプタマまたは本発明のアプタマを含む化合物は付着コーテング、例えば上記の共有結合の生成または非共有結合(例えば水素結合、静電気力、ファンデルワールス力、その他)による会合反応によって固体基質上に固定できる。
核酸アプタマが固定された本発明の親和性基質の例には、その構造中に固体の基質材料へ非共有結合で結合される化合物が含まれる。
実施例には表面にストレプトアビジン分子がグラフトされた固体基質材料から成る親和性基質が記載されており、核酸アプタマは末端の1つでビオチン分子に結合したアプタマを含む化合物を構造中に含み、アプタマは、基質材料のストレプトアビジン分子と核酸アプタマを含む化合物のビオチン分子との間の非共役結合による固定化によって、固体基質材料に固定されている。
実施例ではストレプトアビジン分子がグラフトされた基質材料から成る親和性基質の実施例が記載されている。この種の固体基質材料は市場で容易に入手できる。
「凝固タンパクに特異的に結合する核酸」または「アプタマ」または「核酸アプタマ」という表現は、当該凝固タンパクに結合する能力が他の任意のタンパクに結合する能力よりも大きいデオキシリボ核酸(DNA)またはリボゾームリボ核酸(RNA)分子を意味する。
本発明の実施例で、本発明の親和性基質の組成の核酸アプタマは、他のどのヒトタンパクにも結合する能力より大きい所与のヒト凝固タンパクに結合する能力を有する。
本発明の実施例では、本発明核酸アプタマは所定のヒト凝固タンパクに結合する能力を有しており、その能力はヒト以外の哺乳類のゲノムによってコードされる他の任意のホモローグの凝固タンパクに結合する能力より大きい。例えば、ヒト因子VIIに対して特異的な核酸アプタマのヒト因子VIIに結合する能力は、ウサギ第VII因子を含むヒト以外の哺乳類由来の第VII因子に結合する能力より大きい。
本発明実施例では、第1の核酸は上記の結合検出技術を用い、同じテスト条件下で行った時に、ヒト因子VII/VIIaに結合する能力が当量質量の第2の核酸より大きく、第1の核酸で得られる結合信号値が第2の核酸で得られるものと比較して統計学的にはるかに高い。例えば、結合を検出する技術としてBiacore(登録商標)法を使用した場合、第1の核酸のヒト因子VII/VIIaに結合する能力は当量質量の第2の核酸のそれより大きく、第1の核酸の場合の共振信号値は、得られる共振測定単位とは無関係に、第2の核酸の場合に得られる共振信号値より統計学的に高い。「統計学的に」個別の2つの測定値には、使用した結合検出技術の測定誤差より大きい差が2つの値の間にあることを含む。
本発明の親和性基質の核酸アプタマは標的凝固タンパクに対する親和性がおおきいことが好ましい。核酸アプタマは標的凝固タンパクに対して500nM以下のKd値を有するのが好ましい。このKd値はBiacore(登録商標)法に従って測定できる。
例えば、配列SEQ ID番号86の核酸を含むアプタマの場合、そのヒト因子VII/VIIaに結合する能力はヒト以外の哺乳類由来の他の因子VII/VIIaに結合する能力より大きいことが示された。特に、配列SEQ ID番号86の核酸は天然因子VII/VIIaまたは組換え型因子VII/VIIaを含む任意種類のヒト因子VII/VIIaに結合する能力が強いが、ウサギ因子VII/VIIaを含むヒト以外の哺乳類のゲノムによってコードされる因子VII/VIIaに結合する能力は弱く、ゼロに近い。
特に、配列SEQ ID番号86の核酸を含むアプタマの場合、Biacore(登録商標)法によって、解離定数Kdで表されるヒト因子VII/VIIaに結合する能力値は約100nMであることが決定された。さらに、核酸アプタマはヒト・血漿因子VII/VIIaおよび例えばトランスジェニック・ウサギが生産する組換え型ヒト因子VII/VIIaに対して同じ結合能を有する。
さらに、配列SEQ ID番号86の核酸を含むアプタマとヒト因子VII/VIIaとの間の錯体は化学量論であることも示された。すなわち、ヒト因子VII/VIIaの分子数に対する配列SEQ ID番号86の核酸の分子数の比はほぼ1:1、特に1:1であることが示された。
既に述べたように、本発明の親和性基質はヒト以外のトランスジェニック哺乳類が産生した組換え型ヒト凝固タンパクの精製段階で使用できる。凝固タンパクの精製方法の実施例では、複雑な出発媒体はトランスジェニック哺乳類によって天然に産生される多くのタンパクの混合物としての組換え型ヒトタンパクから成り、組換え型ヒトタンパクのホモローグな凝固タンパクを含むこともできる。この例では本発明の親和性基質の核酸アプタマ成分に当該ヒトタンパクが選択的に結合し、同じ操作条件下で、ヒト以外の哺乳類が天然に産出したホモローグなタンパクは結合しないのが有利である。
本発明の親和性基質の構成要件の核酸アプタマの特定実施例では、当該ヒト凝固タンパクに「特異的に」結合するアプタマの能力はヒトタンパクとヒト以外の哺乳動物の相同タンパクの解離定数Kdの比としても現れる。
本発明の親和性基質の構成要件の核酸アプタマの他の特徴としては、ヒト凝固タンパクに特異的に結合する核酸アプタマの能力は下記の条件(A)で表される:
ヒトKd/非ヒトKd<0.01 (A)
(ここで、
「ヒトKd」はヒトタンパクに対する核酸アプタマの解離定数(モル単位表示)であり、
「非ヒトKd」はヒト以外の相同タンパクに対する核酸アプタマの解離定数で、同じモル単位で表示される。
組換え型ヒト凝固タンパクの精製方法で使用するのに適した本発明の親和性基質は、組換え型ヒトタンパクに特異的に結合する上記核酸アプタマはヒトKd/非ヒトKdの比が0.005以下であることで定義できる。
本発明の親和性基質の構成要件の核酸アプタマはSELEXとよばれる方法に従って調製できる。「アプタマ」という用語はタンパクに特異的に結合できる単一鎖の核酸、DNAまたはRNAの分子を含む意味で使用される。アプタマは一般に5〜120のヌクレオチドから成り、SELEX(Systematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment)法として公知の方法に従ってインビトロで選択でき、これは最初に下記特許文献に記載された。
国際特許第WO 1991/019813号公報
アプタマを選択するSELEX法ではタンパクを核酸、DNAまたはRNAの組換えライブラリ(一般に1015の分子)と接触させる。標的に結合しない核酸は除去され、標的に結合する核酸を単離し、増幅させる。当該タンパクに対する親和性が良い核酸が十分に濃縮された溶液が得られるまでこの方法を繰り返す(下記文献参照)。
Tuerk and Gold, "Systematic evolution of ligands by exponential enrichment: RNA ligands to bacteriophage T4 DNA polymerase" (1990) Science, 249(4968)、505-10 Ellington and Szostak, "In vitro selection of RNA molecules that bind specific ligands", (1990) Nature Aug 30;346(6287):818-22)
SELEX方法の他の例は下記文献に記載されており、本発明で核酸アプタマを選択する方法を実行する時に使用できる。
欧州特許第EP 0 786 469号公報 欧州特許第EP 668 931号公報 欧州特許第EP 1 695 978号公報 欧州特許第EP 1 493 825号公報
ヒト因子VII/VIIaを精製する手段として使用する場合、当該凝固タンパクに特異的に結合する核酸は、スペーサ手段と固体基質上に固定化する適切な手段とをその化学構造(本明細書では「化合物」とよぶ)を有するのが好ましい。
本発明の実施例では、核酸アプタマは下記の式(I)の化合物の構造を含む:
[FIX]x−[SPAC]y−[APT] (I)
(ここで、
[FIX]は基質上に固定するための化合物を表し、
[SPAC]はスペーサ鎖を表し、
[APT]は凝固タンパクに特異的に結合する核酸アプタマを表し、
xはOまたは1に等しい整数
yはOまたは1に等しい整数を表す)
式(I)の化合物の一つの実施例では[APT]は配列SEQ ID番号86のDNAから成る。
式(I)で[SPAC]で表される「スペーサ鎖」は公知の任意のタイプにすることができる。このスペーサ鎖の機能は核酸を上記化合物が固定されている固体基質の表面から物理的に離し、核酸が固定される固体基質の表面に対して相対的に動けるようすることにある。このスペーサ鎖は固体基質が式(I)の核酸にあまり近付きすぎて核酸とそれに接触される凝固タンパク分子との間の結合を妨げる立体障害を制限または防ぐ役目をする。
式(I)の化合物でのスペーサ鎖は核酸アプタマの5'末端または3'末端に結合されるのが好ましい。
スペーサ鎖はアプタマの一端と固体基質とに結合されるのが好ましい。スペーサとのこの構造はアプタマを固体基質上に直接固定しないという利点がある。スペーサ鎖は非特異性のオリゴヌクレオチドまたはポリエチレングリコール(PEG)であるのが好ましい。スペーサ鎖が非特異性のオリゴヌクレオチドから成る場合、そのオリゴヌクレオチドは長さが少なくとも5つのヌクレオチド、好ましくは長さが5〜15のヌクレオチドから成るのが好ましい。
スペーサ鎖がポリエチレングリコールから成る式(I)の化合物の実施例の場合、スペーサ鎖は例えばSigma Aldrich社から市販のPEG(C18)型のポリエチレングリコールを含む。
アプタマを固体基質に直接またはスペーサ鎖に固定するために、核酸を種々の化学基、例えば核酸を共有結合で固定する基、例えばチオール、アミンまたは固体基質に存在する化学基と反応可能な他の任意の基で化学的に修正することができる。
式(I)の化合物で、化合物[FIX]は(i)固体基質の表面材料と一つ以上の共有結合を形成することができる化合物および(ii)弱い非共有結合、例えば水素結合、静電気力またはファンデルワールス力によって固体基質を拘束できる化合物の中から選択される化合物から成る。
化合物[FIX]の第1の種類は二官能性カップリング剤、例えばグルタールアルデヒド、SlAB、その他のSMCCを含む。
SlABは下記式(I)の化合物で、下記文献に記載されている:
Hermanson G.T. 1996, Bioconjugate techniques, San Diego: Academic Press, pp 239-242
Figure 2012517826
化合物SlABは酢酸沃素およびスルホ−NHSエステル基を有する2つの反応基を有し、それぞれアミノ基およびスルフヒドリル基と反応する。
化合物SMCCは下記文献に記載されている。
Samoszuk M.K. et al. 1989, Antibody, Immunoconjugates Radiopharm., 2(1): 37-46
Figure 2012517826
化合物SMCCはそれぞれスルホ−NHSエステル基およびマレイミド基から成る2つの反応基を有し、それぞれアミノ基およびスルフヒドリル基と反応する。
化合物[FIX]の第2の種類は固体基質に存在すアビジンまたはストレプトアビジン分子に非共有結合で結合可能なビオチンを含む。
スペーサ鎖を介して固体基質に固定した後、アプタマを変成し、その遊離末端(スペーサに結合されてない末端)を例えば化学的に変成されたヌクレオチド(例えば2'−O−メチルまたは2'−フルオロピリミジン、2'−リボプリン、ホスホアミディテ、逆ヌクレオチドまたは化学基(PEG、ポリ陽イオン、コレステロール)。これに限定されるものではない)にするのが好ましい。これらの変成でアプタマを酵素分解から保護することができる。
凝固タンパクに特異的に結合する核酸または本明細書の核酸アプタマはDNA、RNAから選択される。
血液の凝固経路に関係する各種タンパクの結合可能な核酸アプタマは従来技術で公知であり、Willebrand因子を介して結合するアプタマ(特許文献7)、アルファトロンビンを結合するアプタマ(特許文献8)またはトロンビン(非特許文献5)、第IX因子/IXaを結合するアプタマ(非特許文献6〜7、特許文献9、10)が含まれる。
国際特許第WO2008/150495号公報 欧州特許第EP1972693号公報 Zhao et aI., 2008, Anal Chem,Vol. 80(19):7586-7593 Subash et al., 2006, Thromb Haemost, Vol. 95:767-771; Howard et al., 2007, Atherioscl Thromb Vasc Biol, Vol. 27:722-727 国際特許第WO 2002/096926号公報 米国特許第US 7,312,325号明細書
ヒト因子VII/VIIaに結合する核酸アプタマは下記文献に記載されている。
Rusconi et al., 2000, Thromb Haemost, Vol. 84(5):841-848; Layzer et al., 2007, Spring, Vol. 17: 1-11
上記文献にはそれが結合する標的タンパクを精製するために上記アプタマを使用することは記載されていない点に注意されたい。
核酸アプタマ(DNAアプタマ)は、従来技術では使用が容易でないリガンド核酸であると考えられており、標的タンパクに対する特異性は対応配列のRNA分子の特異性より劣ると考えられていたので、本発明で核酸アプタマ(DNAアプタマ)を使用して本発明で定義の親和性基質を製造できるということは驚くべきことである。特に、従来技術ではリガンドDNAは対応するRNAより柔軟性が低く、リガンドRNAよりコンホメーション変化し難いということが受け入れらさてきた。核酸アプタマが標的タンパクと結合するとコンホメーション変化が起こることを思い出されたい。さらに、核酸アプタマのコンホメーション変化が早い程、標的タンパクに対する核酸アプタマの親和性も体躯なることが下記文献には記載されている。
Michaud et al., 2003, Anal Chem, vol. 76: 1015-1 020; Brumbt et al., 2005, Anal Chem, vol. 77: 1993-1 998
本発明の親和性基質の実施例では、核酸アプタマはDNA酸アプタマから成る。
従って、本発明の親和性基質の実施例では、式(I)の化合物を構造中に含む固定された核酸はDNAから成る。
本発明の親和性基質の他の実施例では、前記核酸の第1の部がDNAから成り、残りの部分がRNAから成る。
核酸アプタマの他の利点は、RNAアプタマの製造が難しいのに比べて、製造が容易で、RNAアプタマの製造コストに比べて合成コストが安くなる点にある。これらの例は本発明の実施例で示される。
本発明の一つの対象は、適切な量の本発明定義の親和性基質を入れた容器を有する凝固タンパクを精製するためのアフィニティークロマトグラフィ装置にある。
クロマトグラフィ基質を入れる容器の各種形態は従来技術で公知であり、上記の「容器」という用語に含まれる。この容器の重要な特徴は出発材料サンプルをアフィニティークロマトグラフィ装置に入れる手段と、親和性基質と接触した後に液体を取り出す手段とが存在することである。
本発明の他の対象は、凝固タンパクを含むサンプルを上記定義の親和性基質と接触する段階を含む、持体上に凝固タンパクを固定する方法にある。
「凝固タンパクを含むサンプル」とは一般に凝固タンパクが懸濁または可溶化された任意種類の液体を意味する。この種のサンプルの例は以下に記載する精製方法に関する説明で定義される。
本発明はさらに、下記工程から成る凝固タンパクをの精製方法にも関するものである:
(a) 上記定義の親和性基質と凝固タンパクを含むサンプルとを接触させて(i)上記親和性基質上に固定した核酸アプタマと(ii) 凝固タンパクとの間に錯体を形成し、
(b) 段階(a)で形成された錯体からタンパクをフリーにし、
(c)凝固タンパクを精製された形で回収する。
本発明の好ましい実施例では、上記サンプルはヒト凝固タンパクを含む。この実施例では、当該凝固タンパクを含むサンプルは当該タンパクを含む液体試料から成り、当該タンパクを含む液体試料を含み、ヒト以外の哺乳類の対応する凝固タンパクの分子を含むことができる。上記精製方法の実施例では、前記サンプルは生物学的溶液、例えば体液、細胞、細胞物質、組織、組織材料、器官または生物全部から成る。
上記精製方法の実施例では、前記サンプルは動物由来の生物学的溶液、例えば血液、血液誘導体、哺乳動物乳汁または哺乳類の乳汁誘導体から成る。このサンプルは血漿、血漿凍結沈殿物、精製乳汁またはその誘導体から成ることができる。
上記精製方法の特に好ましい実施例では、前記サンプルは当該ヒトタンパク用トランスジェニック動物に由来する。溶液はヒトタンパクのトランスジェニック哺乳類の乳汁または哺乳類の乳汁誘導体であるのが好ましい。本発明では遺伝子導入実験動物は(i) ヒト以外の哺乳類、例えばウシ、ヤギ、ウサギ、ブタ、サル、ラットまたはハツカネズミ、(ii)鳥類、(iii)昆虫、例えば蚊、カイコ等を含む。本発明の好ましい実施例では、当該ヒトタンパク用トランスジェニック動物はヒト以外のトランスジェニック哺乳類、特に好ましくは当該ヒトタンパク用のトランスジェニックウサギ(doe rabbit)である。トランスジェニック哺乳類の乳汁中にトランスジェニックタンパクを発現できるようにする特定のプロモータのコントロール下にある当該タンパクをコードする核酸から成る表現カセットの遺伝子中へ挿入するために、トランスジェニック哺乳類はその乳汁中に当該組換え型ヒトタンパクを産生するのが有利である。
トランスジェニック動物の乳汁中にヒト因子VII/VIIaを生産する方法は下記工程から成ることができる:乳汁中に天然に分泌されるタンパクのプロモータの制御下にあるヒト因子VIINlIaをコードする遺伝子(例えばカゼイン・プロモータ、β−カゼイン・プロモータ、ラクトアルブミン・プロモータ、βラクトグロブリン・プロモータまたはWAPプロモータ)を有するDNA分子をヒト以外の哺乳類の胎児に一体化し、その胎児を同じ生物種の哺乳動物の雌の下に置く。胎児から哺乳類が十分に成長すると、哺乳類から乳汁分泌が誘発され、それから乳汁を集める。この乳汁は当該組換え型ヒトタンパクを含む。
ヒト以外の哺乳動物の雌の乳汁中でタンパクを調製する方法の例は下記文献に記載されている。
欧州特許第EP0の527063号公報
この特許の方法で本発明のタンパクを生産することができる。WAP(ホエー酸タンパク)プロモータを含むプラスミドはWAP遺伝子のプロモータを含む配列を導入して調整できる。このプラスミドはWAPプロモータの制御下に置かれた異種遺伝子を受けることが可能な状態で調製できる。上記プロモータおよび本発明のタンパクをコードする遺伝子を含むプラスミドを用い、ウサギ胎児の雄の前核へマイクロインジェクションしてトランスジェニクウサギを得ることができる。それから胎児をホルモン調節した雌の輸卵管に移植する。トランスジェンの存在は得られた若いトランスジェニクウサギから抽出したDNAを用いてサザン法によって確認される。動物の乳汁濃度は特定の放射性免疫アッセイで評価される。
ヒト以外の哺乳動物雌の乳汁中でタンパクを調製する方法は下記文献にも記載されている。例えば特許文献12(トランスジェニクなハツカネズミ)および特許文献13(トランスジェニク哺乳類のフォンビルブラント因子の生産)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
米国特許第US7,045,676号明細書 欧州特許第EP1739170号公報
本発明の精製方法は、人血の血漿サンプルまたは人血の血漿画分、例えば人血の血漿の凍結沈殿物から精製された凝固タンパクを得るのにも適している。
上記精製法の実施例では、標的凝固タンパクはヒトである。
上記精製法の実施例では、サンプルは少なくとも一種のヒト以外の凝固タンパクから成る。
上記精製法の実施例では、ヒト凝固タンパクはヒト以外の凝固タンパクにホモローグである。
上記精製法の実施例では、ヒト凝固タンパクはヒト以外の凝固タンパクの相同染色体である。
上記精製法の実施例では、出発サンプルは天然材料、人血の血漿またはその画分または精製された当該タンパクを含む当該タンパクのトランスジェニックであるヒト以外の哺乳類の体液のサンプルから成ることができる。トランスジェニック非ヒト哺乳類の体液には乳汁、例えば乳汁の脱脂画分または乳汁のカゼインミセル除去画分が含まれる。
しかし、上記実施例は天然出発サンプル中に存在する多くのタンパクによって親和性基質を詰まらせる危険があるため、本発明の精製方法の好ましい実施例でない。
好ましい実施例では、出発サンプルは当該凝固タンパクを溶液中に懸濁して含む液体から成り、この液体は凝固タンパクを精製する多段階の方法で生じる中間生成物から成る。
例えば、当該タンパクに対してトランスジェニックなヒト以外の哺乳類の体液から凝固タンパクを精製する方法では、出発サンプルはヒト以外のトランスジェニック哺乳類の乳汁の濾過液を使用して実行されるイオン交換クロマトグラフィの溶出液から成る。本発明精製方法のこの特定例は実施例に示してある。
同様に、ヒト血漿から当該凝固タンパクを精製する方法の場合には、出発サンプルはヒト血漿サンプルの凍結沈殿画分で実行される深層濾過段階の濾過液から成る。
一般に、本発明の精製方法を実行する際の親和性基質の使用条件は従来のクロマトグラフィ基質を使用するための一般的な条件、例えばリガンド抗体が固定された免疫親和性基質のタイプとほぼ同じである。当業者は例えば下記文献を参照することができる。
Ballon et al. (Pascal Bailon, George K. Ehrlich, Wen-Jian Fung and Wolfgang Berthold, An Overview of Affinity Chromatography, Humana Press, 2000
しかし、以下で詳細に説明するように、本発明方法の溶出段階(c)の条件は凝固タンパクを精製するめに非常に有利である。
段階(a)では適当な容積の精製されるサンプルを親和性基質と接触させる。(i) 親和性基質に固定された核酸アプタマと(ii) 精製されるサンプル中に含まれた当該凝固タンパクとの間に錯体が形成される。
実施例に示すように段階(a)でMgCl2が低濃度の緩衝液またはMgCl2を含まない緩衝液を使用することで、因子VIIを捕らえる条件が改善される。
「MgCl2が低濃度の緩衝液」という表現は本発明では最終MgCl2濃度が1mM以下である緩衝液を意味する。
MgCl2濃度が1mM以下である緩衝液はMgCl2濃度が0.5mM、0.1mM、0.05mMおよび0.01mM以下である緩衝液を含み、有利には0mMに等しい。
本発明の1つの特定実施例では親和性基質を洗浄緩衝液で洗浄する段階(a')を含む。本発明方法は親和性基質を洗浄してイオン強度を増やす段階(a')、すなわち段階(a)のイオン強度と比較してイオン強度が増加する緩衝液で洗浄する段階を含むのが好ましい。段階(a')で使用する洗浄緩衝液のイオン強度は段階(a)で使用するイオン強度より2〜500倍大きいのが好ましい。好ましくは、段階(a')で使用する洗浄緩衝液のイオン強度を段階(a)で使用するイオン強度より100〜500倍、好ましくは200〜500倍大きくする。
本発明実施例では、段階(a')の洗浄で高いイオン強度を有する洗浄緩衝液、特に、高いNaCl濃度を有する緩衝液を使用することで、検出可能な方法で親和性基質に対する第VII因子の結合性に影響を及ぼさずに、非特異的に親和性基質に結合している物質を効果的に除去することができることが示されている。
最終NaCl濃度が少なくとも1Mである洗浄緩衝液を段階(a')で使用するのが好ましい。
本発明では最終NaCl濃度が少なくとも1Mである洗浄緩衝液は最終NaCl濃度が少なくとも1.5M、2M、2.5Mまたは少なくとも3M1Mである洗浄緩衝液を含む。
本発明方法の段階(a')で使用する洗浄緩衝液の最終NaCl濃度は最大で3.5Mであるのが好ましい。本発明方法の段階(a')で使用する洗浄緩衝液の最終NaCl濃度は1.5〜3.5の間、好ましくは2〜3.5間、好ましくは2.5〜3.5の間、例えば3〜3.5の間にするのが有利である。
本発明実施例ではさらに、段階(a')で高い疎水性の洗浄緩衝液、特に高濃度のプロピレングリコールを使用することで、検出可能な方法で親和性基質に対する第VII因子の結合性に影響を及ぼさずに、親和性基質に非特異的に結合した物質を効果的に除去することができることが示された。
従って、段階(a')では少なくとも20%(v/v)の最終プロピレングリコール含量を有する洗浄緩衝液を使用するのが好ましい。
本発明では、少なくとも20%の最終プロピレングリコール含量を有する洗浄緩衝液は、(洗浄緩衝液の全容積に対する)容積で少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%または少なくとも60%の最終プロピレングリコール含量を有する洗浄緩衝液を含む。
段階(a’)で使用する洗浄緩衝液は最大で50%の最終プロピレングリコール含量を有するのが好ましい。段階(a’)で使用する洗浄緩衝液は20%〜50%の間、好ましくは30%〜50%の間の最終プロピレングリコール含量を有するのが好ましい。
本発明の特定実施例では、段階(a’)で使用する洗浄緩衝液はNaClとプロピレングリコールとを含む。
精製法の実施例では、段階(b)は段階(a)で核酸アプタマと錯体を形成した当該凝固タンパク分子を溶出する段階から成る。
実施例に示すように、上記精製方法の一つの点は(i) 親和性基質に固定された核酸アプタマと(ii)凝固タンパクとの間に形成された錯体を二価−イオン−キレート剤、例えばEDTAと接触させて溶出段階を実行できる点にある。
本発明の親和性基質の特徴によって可能になる上記方法の利点は、当該凝固タンパクの特性を少なくとも部分的に失わせるような厳しい溶出条件を使用せずに、凝固タンパクを溶出できる点にある。厳しい溶出条件を避けるということは、公知の親和性基質上、特に固定された抗体から成親和性基質でタンパクを精製する方法で一般に実行されている酸性pHを溶出段階を使用することを含む。
本発明の精製方法の実施例では、段階(b)は親和性基質を二価-イオンキレート剤、好ましくはEDTAを含む溶出緩衝液と接触させて実行される。例えば、溶出緩衝液はEDTAを最終濃度で少なくとも1mM、最大で30mM含むことができる。「少なくとも1mM」とは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10mMを含む。「最大で30mM」は29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14,13、12またはllmMを含む。
段階(c)では段階(b)の終わりに得られる溶出液液体を集めて精製された当該凝固タンパクを回収する。この段階(c)の終わりに当該凝固タンパクの精製された液体組成物が得られる。この精製された液体組成物は公知の適当なタンパクのコンディショニングおよび保存方法に従って処理でき、例えばビンに直接詰めたり、適切な溶液で希釈してビンに詰めたり、好ましくは殺菌および非発熱性条件下で凍結乾燥した後、貯蔵条件に応じて外界温度、-4℃またはより低温で貯蔵する。
すでに述べたように、本発明の親和性基質は、当該凝固タンパクを精製するために連続したサイクルで使用することができ、例えば溶出段階(c)で凝固タンパク分子の全てをシステマチックに解放にしないのでその吸収能が減少し、次の精製サイクルでのフリーなアプタマサイト数が減る。
全ての公知のクロマトグラフィ基質では適当な時間に基質から凝固タンパク分子の全てと、親和性基質の固体成分に一般に非特異的に結合した全ての物質を除去するために、親和性基質の再生段階を実行する必要がある。
従って、本発明の実施例では、本発明の精製方法は前記親和性基質を再生溶液と接触させて親和性基質を再生させる追加の段階(d)を含む。
クロマトグラフィ基質を再生させるための各種緩衝液、特にアフィニティークロマトグラフィ基質は当業者に周知で、本発明方法の段階(d)で使用できる。当業者は例えば下記文献を参照できる。
Mohr et al. (Affinity Chromatography: Practical and Theoretical Aspects, Peter Mohr, Klaus Pommerening, Edition: illustrated, CRC Press, 1985
例えば、親和性基質を再生させる段階(d)は実施例に示すように基質を50mMトリスおよび50%エチレングリコール緩衝液と接触させて実行できる。
実施例に示すように、本発明の精製方法では純度が非常に高い凝固タンパクを得ることができ、精製された最終製品に含まれるタンパクの全重量で99.95%を超える純度にすることができる。
出発サンプルがヒト以外のトランスジェニック哺乳類が天然に産生するタンパクを含む混合物の実施例での本発明精製方法の他の利点は、最終組成物がトランスジェニック哺乳類由来のタンパクを実質的に含まない、特に組換え型ヒトタンパクの相同体である哺乳類のタンパクを実質的に含まない高純度の組換え型当該ヒトタンパクからなることにある。
例えば、組換え型ヒト因子VIIをトランスジェニック・ウサギの乳汁中に生産させ、それを本発明の精製方法で精製した場合、最初の出発サンプル中に含まれるタンパクの重量に対してトランスジェニック哺乳類のタンパクの1.5重量%以下しか含まない。出発サンプル中に組換え型ヒト因子VIIが85重量%存在する場合、同じ本発明の精製方法を実行して最終産物中に存在するタンパクの99.95重量%を超える高純度の組換え型ヒト因子VIIが含まれるということが示された。
本発明の他の対象は、実質的にヒト以外のタンパクを含まない組換え型ヒトタンパクの少なくとも99.9重量%を含む組換え型ヒト凝固タンパクの精製組成物にある。
本発明はさらに、精製された組成物のタンパクの全重量に対するヒト以外のタンパクの重量百分率が0.1重量%以下で、組換え型ヒトタンパクの重量百分率が少なくとも99.9重量%である組換え型ヒト凝固タンパクの精製された組成物にも関するものである。
精製された組成物で「少なくとも99.9重量%」とは重量で少なくとも99.91%、99.92%、99.93%、99.94%、99.95%、99.96%、99.97%、99.98%および99.99%を含む。精製された組成物で「0.1重量%以下」とは重量で多くとも0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%および0.01%を含む。
本発明はさらに、医薬品として使用可能な上記定義の精製された組成物にも関するものである。
本発明はさらに、薬学的に許容される一種以上の賦形剤を含む上記定義の組換え型ヒト凝固タンパクの精製された組成物を含む医薬組成物にも関するものである。
本発明はさらに、凝固不全を治療するための上記定義の精製された組成物にも関するものである。
本発明はさらに、凝固不全を治療するための医薬品の製造での本発明定義の精製された組成物の使用にも関するものである。
以下、本発明に従って有利に使用できる、凝固タンパクに特異的に結合するアプタマの特定実施例を説明する。
本発明で使用可能なアプタマの特定実施例
本発明者は凝固タンパク、特にヒト因子VII/VIIaに特異的に結合する核酸アプタマのファミリーを製造して、(i) 普通の構造上の特徴と(ii)普通の機能上の特徴との間の関係の存在を示した。
構造上の観点から、本発明で使用可能なヒト因子VII/VIIaに特異的に結合する核酸または核酸アプタマのファミリーは、下記式(I)の核酸と少なくとも40%のヌクレオチド一致性を有するポリヌクレオチドの少なくとも15の連続したヌクレオチドを含む:
5'−[SEQID番号1]x−[SEQID番号X]−[SEQID番号2]y−3' (I)
(ここで、
「SEQID番号X」はSEQID番号3〜SEQID番号85およびSEQID番号87〜SEQID番号100から成る群の中から選択される核酸から成り、
「x」は0または1の整数であり、
「y」は0または1の整数である)
本発明の実施例では、配列SEQ ID番号Xの酸は、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、 37、38、39、40、 41、 42、43、44、45、46、47、48、49または50ヌクレオチドの長さを有する。
本発明の他の実施例では、配列SEQ ID番号Xの核酸は43、44、45、46、47、48または49ヌクレオチドの長さを有する。
本発明の他の好ましい実施例では、配列SEQ ID番号Xの核酸は43、44または45ヌクレオチドの長さを有する。
既に述べたように、式(I)の核酸は長さがの少なくとも15ヌクレオチドである。
本発明の実施例では、式(I)の核酸は少なくとも15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、 26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、 50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、 62、63、64、65、66、67、 68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80または81ヌクレオチドの長さであり、これは上記長さを有する核酸を含む。
式(I)のアプタマを得る方法の実施例では、一連の選抜サイクルを実行して凝固タンパク特異的に結合する当該核酸のファミリーを構築し、一連の各選抜段階で5'末端および3'末端にそれぞれ配列SEQ ID番号1とSEQ ID番号2を有し、構造的に変化する配列SEQ ID番号Xを有する核酸アプタマのセットおよびサブセットを単離し、特徴付ける。本発明の核酸アプタマの主たるファミリーはこれらの間に少なくとも40%のヌクレオチド配列一致性を有する全てが可変な配列SEQ ID番号Xを有する。このことは配列SEQ ID番号Xに対して、凝固タンパクに結合する性質を保持するために、構造上の制約が核酸アプタマのこれら5'末端および3'末端に位置する配列に対する構造上の制約より少ないことを意味する。
「x」が0で、「y」が1に等しい整数の場合、本発明の核酸アプタマは、下記の式(I−1)の核酸と少なくとも40%ヌクレオチド一致性を有するポリヌクレオチドの少なくとも15の連続したヌクレオチドから成る核酸を含む:
5'−[SEQID番号X]−[SEQID番号2]−3' (I−1)
整数「x」が1に等しく、整数「y」が0に等しい場合、本発明の核酸アプタマは下記の式(I−2)の核酸と少なくとも40%のヌクレオチド同一性を有するポリヌクレオチドの少なくとも15の連続したヌクレオチドから成る核酸を含む:
5'−[SEQID番号1]−[SEQID番号X]−3' (I−2)
整数「x」が0で、整数「y」が0に等しい場合、本発明の核酸アプタマは下記の式(I−3)の核酸と少なくとも40%のヌクレオチド同一性を有するポリヌクレオチドの少なくとも15の連続したヌクレオチドから成る核酸を含む:
5'−[SEQID番号X]−3' (I−3)
従って、上記の核酸アプタマは配列SEQID番号3〜SEQID番号85番およびSEQID87〜SEQID番号100の核酸から成る群の中から選択される核酸と少なくとも40%のヌクレオチド同一性を有するポリヌクレオチドの少なくとも15の連続したヌクレオチドを有する核酸を含む。
一般に、第2のヌクレオチドまたは核酸と少なくとも40%のヌクレオチド同一性を有する第1のポリヌクレオチドは第2のポリヌクレオチドまたは核酸と少なくとも41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または100%のヌクレオチド同一性を有する。
配列SEQID番号Xを有する本発明の核酸のいくつかの実施例では、この配列SEQID番号XがSEQID番号3〜SEQID番号85およびSEQID番号87〜SEQID番号100の中の少なくとも1つと少なくとも40%のヌクレオチド同一性を有する配列の少なくとも15の連続したヌクレオチドを有する核酸から成る群の中から選択される。
配列SEQID番号Xを有する本発明の核酸のいくつかの実施例では、この配列SEQID番号Xが、配列SEQID番号3〜SEQID番号85番およびSEQID番号87〜SEQID番号100の少なくとも1つと少なくとも41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%,56%,57%,58%,59%,60%,61%,62%,63%,64%,65%,66%,67%,68%,69%,70%,71%,72%,73%,74%,75%,76%,77%,78%,79%,80%,81%,82%,83%,84%,85%,86%,87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または100%のヌクレオチド同一性を有する核酸からなる群の中から選択される。
上記のことから、本発明は上記定義の式(I)のシリーズの少なくとも15の連続したヌクレオチドを有する単一鎖の核酸のファミリーを含む。
本発明で2つの核酸間の「百分比同一性」は整列した2つの配列を比較窓を介して最適な方法で比較して決定される。
従って、比較窓中にあるヌクレオチド配列の一部は、2つの配列間で最適なアランメントが得られるように、参照配列(付加または欠失がない)と比較して付加または欠失(例えばギャップ)を有する。
「百分比同一性」の計算方法では、比較した2つの配列で全く同じ核酸塩基が得られた位置の数を求め、2つの核酸塩基間で同一性のある位置の数を比較窓中の位置の全数で割り、得られた結果に100を掛けることで、2つの配列の百分比ヌクレオチド同一性を求める。
比較用の最適配列アランメントは公知のアルゴリズムを使用したコンピュータで実行できる。
百分比配列同一性はCLUSTAL Wソフトウェア(バージョン1.82)を使用して決定するのが好ましい。その設定パラメータは以下の通り:
(1)CPU MODE=ClustaIW mp;
(2)ALIGNMENT=「full」;
(3)OUTPUT FORMAT=「aln w/numbers」;
(4)OUTPUT ORDER=「alignment」;
(5)COLOR ALIGNMENT=「no」;
(6)KTUP(word sizw)=「default」;
(7)WINDOW LENGTH=「default」;
(8)SCORE TYPE=「percent」;
(9)TOPDIAG=「default」;
(10)PAIRGAP=「default」;
(11)PHYLOGENETIC TREE/TREE TYPE=「none」;
(12)MATRIX=「default」;
(13)GAP OPEN=「default」;
(14)END GAPS=「default」;
(15)GAP EXTENSION=「default」;
(16)GAP DISTANCES=「default」;
(17)TREE TYPE=「分岐図」
(18)TREE GRAPH DISTANCES=「hide」。
以下、本発明の実施例を示す。
実施例1
親和性基質の製造
親和性基質はストレプトアビジン(streptavidin-agarose−Novagen、登録商標)がグラフトされたマトリックスから成る固体の基質材料から製造した。
1mlのカラムから成る容器に1ml容積(すなわち11mm)のゲルを入れた。ゲルを精製水で洗浄して貯蔵用溶剤を除去した。
ゲルの特徴は以下の通り:
(1)ビオチン吸着能:≧85ナノモル/1mlゲル
(2)機能テスト:ATで30分間のコースでビオチン標識化したトロンビンのキャプチャー>99%、
(3)その他のテスト:プロテアーゼ無し、エンド/エクソヌクレアーゼ無し、RNase無し
(4)防腐剤:100mMリン酸ナトリウムpH7.5+NaN3 0.02
充填カラム(ゲル・ベッド高さ=1cm)の出口に254nmのUVフィルターと記録装置とを備えた吸光度検出器を接続した。
配列SEQID番号86のビオチン標識化した抗ヒトFVII核酸アプタマを精製水中に0.5mg/0.187mlの最終濃度(すなわち最終モル濃度=0.1mM)で可溶化した。核酸アプタマ溶液を標準サイクルに従って95℃で活性化して固体基質材料上にアプタマを固定化した。
核酸アプタマ溶液を4.8mlの精製水で、次に1.5mlのMe++緩衝液(5×濃縮)で予備希釈した。
吸光度検出器を1AUFS(吸光度単位フルスケール)に合わせ、254nmでこの溶液のODを0.575U254で記録した。
ビオチン標識化した核酸アプタマ溶液は予めパックしたストレプトアビジン−アダロースゲル上へ注入し、ペリスタル型ポンプで2.5ml/分の流速で再循環させた(すなわちゲル(入口/出口 I/O)上での接触時間=24秒)。上記条件での254nmでのODは直ちに0.05AU254(すなわち理論的なカップリング値の91%)に到達した。すなわち1ミリリットルのゲル当たり0.455mgの核酸アプタマで安定する。
10mM−CaCl2+4mM−MgCl2緩衝液で洗浄し、次いで2M−NaClで洗浄して固体基質材料上にグラフトしたストレプトアビジン分子に特異的に結合していない核酸アプタマを除去した。
実施例2
組換え型ヒト因子VIIの精製方法
上記のアプタマ親和性基質を下記文献に記載の方法で調製した精製されたFVll/FVllaを使用してテストした。
国際特許第W02008/099077号公報
被精製サンプルの製造
出発材料の生物物質は組換え型ヒトFVIIを含むトランスジェニクウサギ乳汁である。発現カセットはβ−カゼイン遺伝子プロモータの制御下にあるヒトFVIIトランスジーンから成る。簡単に言うと、140ミリリットルの乳汁を出生後の日4〜日12の間の初乳汁分泌を2匹のウサギから集め、集めた乳汁のアミド分解(amidolytic)FVII(生物学的に活性化されたFVII)の平均タイター値は928IU/mlである。乳汁は−80℃の温度で保存した。
テスト時にはウサギ乳汁を水浴中で37℃の温度で解凍し、クエン酸ナトリウム溶液で希釈してpH7.5での最終クエン酸塩濃度を62g/lにした。このクエン酸ナトリウム処理で燐酸カルシウム(phosphocalcic)カゼインミセルを不安定できる。乳汁のリピドリッチなタンパク溶液は一連の濾過器(それぞれ(i)15〜0.5μm気孔率閾値の深層濾過器と(i)0.2μmメンブランフィルタ)で精製する。
198IU/mIのFVIIタイター(すなわち36mgのトランスジェニクFVII)を有する濾過後の溶液の容積360mlを16ml容積のMEP-HyperCelクロマトグラフィ・ゲル(Pall BioSepra)で予備精製した。この捕獲ゲルを用いることでカゼインを含む乳タンパクの95%を除去でき、しかも、FVIIの初期量の60%を保持できる。
上記段階の終わりに得られた17.5mgの低純度FVII(〜5%)は容積20mlのQ-sepharoseXL(登録商標)(GE Healthcare)を使用したイオン交換クロマトグラフィで精製する。ヒトFVIIは、78ml容積の5mM−塩化カルシウムを含む緩衝液で溶出する。アミド分解(amidolytic)FVII濃度は337IU/mlすなわち0.17mgのFVII/mlで、280nm、ε1%=13でODで測定した全タンパクは0.18mg/ml、と見積もられる。従って、FVII純度は94%。
ウサギ乳汁由来の残留タンパクをこの段階でFVIIから分離するのは、構造上類似性、例えばGLA−domainまたはEGFdomainタンパクのため、あるいは物理化学的な類似性(イオン電荷および/または分子寸法が類似)のため、難しい。従来方法では直交法(ヒドロキシアパタイトゲルとサイズ排除クロマトグラフィ分離の組合せ)によって純度を99.95%まで改良できる。
しかし、人間で繰り返して注射する場合には、遺伝子組換えタンパクで許容される外来タンパクに対する負荷は50ppmを超えてはならない。すなわち純度>99.995%でなければならない。この純度をアフィニティーマトリックスでの精製だけで達成できるように見える。
本発明の親和性基質上での組換え型ヒトFVIIの精製段階
上記段階の終わりに得られた精製されたヒトFVII溶液の6mlの容積(FVIIの1.1mg)を用いて本発明の親和性基質で高純度の組換え型ヒトFVIIに精製する段階を行う。上記段階で得られたFVII溶液を4mM−MgCl2、10mM−CaCl2でpH7.5に予備調節し、アプタマ−アガロースゲル(親和性基質)上にペリスタル型ポンプで0.1ml/分の流速で注入する(すなわち、親和性基質との接触時間10分)(I/O)。
注射後、ゲルを50mMトリス+50mM−NaCl+4mMMgCl2+10mMCaCl2、pH7.5緩衝液で洗浄する。10mlの非吸着溶液を回収する。FVIIは50mMトリス+10mM−EDTA、pH7.5緩衝液で溶出させる。溶出ピークの収集はODプロフィルに従って実行する。モル計算から親和性基質に固定された核酸アプタマの量は17ナノモルで、これはFVII分子とのモル−モル相互作用で、FVIIの0.9mgの親和性基質の絶対キャパシティに対応する。
[図1]は254nmでの吸光度値(OD)を連続モニターしたウサギ乳汁中に産生された組換え型ヒトFVIIのクロマトグラフィ・プロフィルを示す。
この[図1]で注射(1)後の吸収曲線の屈曲(2)は組換え型ヒトFVIIと親和性基質の飽和開始を示す。時間(3)で組換え型ヒトFVIIの注射を停止する。[図1]の直線状の時間のスケールを示すと、注射開始時間(1)と注射終了時間(2)との間の持続時間は10分である。親和性基質は上記凝固タンパクで飽和し続け、(i)親和性基質の抗FVII核酸アプタマと(ii)被精製組成物中に最初に含まれていた組換え型ヒトFVII分子との間に錯体が形成される。被精製組成物をカラムに送り、カラムを緩衝液で洗浄する(洗浄段階6)。その後、時間(4)で10mMの最終EDTA濃度から成る緩衝液を注入して溶出段階を実行する。吸収ピークは核酸アプタマ/組換え型FVII錯体から組換え型ヒトFVIIが開放されたことを示している。組換え型ヒトFVIIの分子は迅速にリリースされ、従って、少容積である点に注意されたい。従って、本発明の親和性基質によって組換え型ヒトFVIIタンパクの高濃度の溶出溶液が得られる。時間(5)で50mMトリス緩衝液を用いて親和性基質を再生させる段階を実行する。(7)で見られる吸光度ピークは再生段階で親和性基質から開放された物質に対応する。
親和性基質の動的結合能
下記の[表1]に示すテスト結果は0.45〜0.49mg/mlの親和性マトリックスすなわちバイオアベイラブル(bioavailable)なリガンドの50〜55%の動的結合能を示す。EDTAで約75%の動的溶出が計算される。
Figure 2012517826
親和性基質の特異的分離能
親和性基質の特異性をウサギ乳タンパクに特異的なELISAアッセイで評価した。結果は[表2]に示した。
Figure 2012517826
[表2]の結果は、トランスジェニクなヒトFVIIの純度を98.3%〜99.95%とすると、アプタマ−アガロースによる除去の平均値2log10が得られることを示す。これはヒトFVIIに対するアプタマの特異性を示し、残留ウサギ乳タンパクとの相互作用はほとんどないことを示す。
溶出前に2M−NaClおよび/またはプロピレングリコールまたは50%エチレングリコール溶液で中間洗浄すると結果はより良くなる(これらの条件ではFVIIは溶出されない)。
実施例2の結果は、アプタマ−アガロースゲル(Apta-2)上での親和性基質がリガンド1mg当たり少なくとも1mgのFVIIの動的結合能の優れた特徴を有することを示し、溶出収率は少なくとも75%である。また、純度の明らかな改良(〜99.95%)、残留ウサギ乳タンパクRMPの除去2log10からも特異性は確認できる。最適化していない2つのテストで最終レベルは約500ppmになる。
実施例3
ヒト血漿IX因子の精製方法
A.材料および方法
A.1 アフィニティークロマトグラフィ基質
「Mapt−1」親和性ゲル材料、スペーサ鎖無し、理論リガンド濃度:0.46mg/ml:容積1ml
アプタマはクロマトグラフィ基質材料に化学共役反応で直接結合した。使用したアプタマは配列SEQ ID番号101のアプタマである。
A.2 出発材料
出発材料はヒト血漿由来のIX因子がリッチな組成物から成り、これはLFB社から「Betafact」の名称で市販されている。出発材料を注入した:Betafact MPVP(血漿FIX 、60%純度)、ゲルml当たりIX因子を200IU負荷(すなわち800μg)、接触時間10分。
A.3 精製プロトコル
ゲル平衡化: 0.050 M トリス-HCl、0.010のM CaCl2、pH 7.5、
溶出: 0.020 M トリス-HCl、0.010のM EDTA、pH 7.5、
再生: 0.020 M トリス-HCl、1 M NaCl、50%プロピレングリコール、pH 7.5
タンパクピークは280nmの波長で吸光度値を測定して検出。
A.4 SDSポリアクリルアミドゲルでの電気泳動のプロトコル
10-ウエルNOVEXゲル(Invitrogen)、4-12%、Bis-トリス;MESランニング緩衝液、200Vで5分間マイグレーション、CBB(G250)またはAgNO3(GEキット)で染色。
B. 結果
結果は[図2]および[図3]に示した。
[図2]は時間を関数とする280nmで測定した吸光度曲線。[図3]のピーク番号1はカラムに保持されなかった出発生成物の分画に対応する。ピーク番号2は溶出分画に対応する。ピーク番号3は再生段階を実行することによって基質から脱着された画分に対応。
[図3]はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動ゲルの画像。[図3]のゲルの左から右に向かって各レーンは下記の出発材料のマイグレーション結果を表す:
レーン「MD」:「Betafact(登録商標)」出発組成物、
レーン「NR」:[図2]のクロマトグラフプロフィルのピークNo.1に対応する保持されない画分、
レーン「EI」:[図2]のクロマトグラフ・プロフィルのピークNo.2に対応する溶出分画。
Figure 2012517826
[表3]は各種画分の電気泳動プロフィルを積分して得たFIXの純度百分比を要約したものである。この%FIXは当業者に周知の方法で計算される。すなわち、CBBで染色したゲルの電気泳動バンドの濃度を定量積分する([図3]のデータの累積量に対応)。電気泳動バンドの濃度の定量積分は適切なスキャナでゲルをスキャンして得られる。
[図3]および[表3]に示した結果は[図2]の結果を確認している。これらの結果はアプタマが固定されているクロマトグラフィ基質はIX因子がリッチな血漿画分のような錯体培地からヒト・IX因子を特異的に精製できるということを示している。
上記溶出液は優れた電気泳動純度を示し、FIXの官能が維持されることで特徴付けられると結論付けることができる。この実験はクロマトグラフ基質に直接結合した配列SEQ ID番号101のアプタマの能力を示し、従って、スペーサ無しで、血漿不純物を含む錯体培地中のFIXに結合し、精製するという能力を示している。
実施例4
トランスジェニック雌豚の乳汁抽出物に含まれる組換え型IX因子の精製法
A.材料および方法
A.1 アフィニティークロマトグラフィ基質
スペーサ鎖無しに、Mapt-1アプタマが直接結合で固定された親和性ゲル材料。理論的なリガンド濃度0.46mg/ml:容積1ml。
Mapt-1アプタマは化学的カップリング反応でクロマトグラフィ基質材料に直接結合される。
使用したアプタマは配列SEQ ID番号101のMapt Iアプタマである。
A.2 出発材料
出発材料は清澄し、MEP HyperCel:1.8%純度で精製したトランスジェニック雌豚の乳汁から成る。クエン酸ナトリウムを除去するためにこのサンプルを樹脂の吸着/平衡用緩衝液に対して透析した。1ml当たり302IU(すなわち1200μg)のIX因子を負荷。
A.3 精製プロトコル
ゲル平衡化: 0.050 M トリス-HCl、0.010のM CaCl2、pH 7.5、
溶出: 0.020 M トリス-HCl、0.010のM EDTA、pH 7.5、
再生: 0.020 M トリス-HCl、1M NaCl、50%プロピレングリコール、pH 7.5。
サンプルを0.1ml/mmの流速で10分間注入し、それからゲルを5分間、0.5ml/mmで洗浄する。溶出および再生は2mlの緩衝液を0.5ml/mmの流速で注入して実行する。タンパクピークは280nmの波長での吸光度値を測定して検出する。
A.4 SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析ロトコル
10-ウエルNOVEXゲル(Invitrogen)、4〜12%、Bis-トリス;MESランニング緩衝液、200Vで50分間移行。CBB(G250)またはAgNO3(GEキット)で染色。
A.5 IX因子に対する比活性の測定プロトコル
FIXの量(抗原量)の測定はるSerachrom 0943 FIX Agキット(Stago)を用い、供給者の推薦条件に従って実行した。FIXの酵素活性の測定はBiophen FIXキット 参照番号221802(ハイフンBioMed)で供給元の推薦に従って比色テストで実行した。比活性は下記の比に従って計算される:FIXの酵素活性/FIXの量。
B. 結果
結果は[図4]および[図5]に示す。
[図4]は時間を関数とした280nmでの吸光度の測定値の曲線を表す。[図4]でピークNo.1はカラムに保持されなかった出発材料の画分に対応し、ピークNo.2は溶出画分に対応し、ピークNo.3は再生段階を実行時に基質から脱着した画分に対応する。[図4]の結果は溶出ピークが非常に幅が狭いことを示し、それはアプタマが固定されたクロマトグラフィ基質がヒト・IX因子に対して非常に高い特異性を有することを示す。
[図5]はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動ゲルの像である。[図5]のゲルの左から右に向かって各レーンは下記の出発材料の移行結果を表す:
レーン「E5」:MEP HyperCelクロマトグラフ段階で予め精製したトランスジェニック・ヒト因子IXを含むトランスジェニック雌豚の乳汁の出発組成物。
レーン「E6」:[図4]のクロマトグラフプロフィルのピークNo.1に対応する保持されない画分
レーン「E7」:[図4]のクロマトグラフプロフィルのピークNo.2に対応する溶出画分
レーン「E8」:ピークNo.2の顆粒で、[図4]のクロマトグラフプロフィルのピークNo. 3の上流が集められた溶出画分。
レーン「T FIX」:精製されたIX因子対照(コントロール)。
[図5]の結果は、[図4]の結果を確認している。これらの結果はアプタマが固定されたクロマトグラフィ基質は因子IXがリッチな血漿画分のような錯体培地からヒト因子IXを特異的に精製できることを示している。さらに、この実施例の結果は、配列SEQ ID番号.86のMapt 2つのアプタマが固定されているアフィニティークロマトグラフィ基質上に錯体組成物の出発材料を通した後に得られるヒト・IX因子の濃縮度が高いということを示している。
この溶出液は出発材料と比較して電気泳動純度を大幅な純度ゲイン(>26倍)で示すと結論できる。溶出液中で同定された第2バンドはFIXの他の形に対応する。
実施例5
ヒト血漿第VII因子の精製方法
A.材料および方法
A.1 親和性クロマトグラフ基質
ビオチンとアプタマとの間にスペーサ鎖なしでビオチンに直接結合した「Mapt-2コア」アプタマを固定した親和性ゲル材料。アプタマは5'−末端ビオチンによってストレプトアビジン・ゲル(供給元Novagen)に固定されている。0.4mg/mlの理論的リガンド濃度:容積1ml。
使用したアプタマは配列SEQ ID番号20のMapt-2コア・アプタマである。
A.2 出発材料
出発材料は98%まで精製したヒト血漿第VII因子組成物から成る。
A.3 精製プロトコル
ゲル平衡化:0.050 M トリス-HCl、0.010M CaCl2、0.05mM MgCl2、pH 7.5、
溶出:0.020 Mトリス-HCl、0.010M EDTA、pH 7.5。
平衡緩衝液中の98%まで精製したヒト血漿第VII因子の240μgを0.5ml/mmの流速で注入。保持されない材料のピークを検出後、溶出緩衝液の2カラム容積を注入。タンパクのピークは280nmの波長での吸光度値を測定して検出。
B. 結果
結果は[図6]および[図7]に示す。[図6]は時間を関数とする280nmでの吸光度の測定値の曲線を表す。[図6]のピークNo.1はカラムに保持されなかった出発材料の画分に対応し、ピークNo.2は溶出分画に対応する。
不純物の除去適度を視覚化するために出発材料および溶出物を硝酸銀染色してSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析した。[図7]はこのゲルを表し、レーンNo.1は出発材料の画分、レーンNo.2は溶出画分に対応する。
出発材料はかなり純度が高いのにかかわらず、溶出画分は不純物を含まず、劣化もない点に注意。
[図6]および[図7]の結果は配列SEQ ID番号20のアプタマはヒトFVIIに結合でき、EDTAの存在下で特異的に溶出できることを示す。
実施例6
ウサギFVIIへのアプタマの結合非存在
A. 材料および方法
A.1 アフィニティークロマトグラフィ基質
配列SEQ ID番号86のアプタマが5'−末端ビオチンを介してスペーサ鎖(供給元Novagen)により固定された、ストレプトアビジンに結合された親和性ゲル。0.35mg/mlの理論的リガンド濃度:容積1ml。
使用したアプタマは配列SEQ ID番号86のアプタマである
A.2 出発材料
ウサギ血漿から精製して得たウサギFVIIリッチな濃縮ヒドロキシアパタイトの溶出液、接触時間10分、流速0.5ml/mm。
A.3 精製プロトコル
ゲル平衡化:0.050 Mトリス-HCl、0.010M CaCl2、0.05mM MgSO3、pH 7.5、
溶出:0.050 Mトリス-HCl、0.010M EDTA、pH 7.5、
36μgを10分の接触時間でゲルに注入する。溶出は2mlの溶出緩衝液を注入して実行。タンパクのピークは280nmの波長での吸光度値を測定して検出。
A.4 タンパクおよび第VII因子に関する画分の分析プロトコル
アミド分解(amldolytic)活性のために各画分をStagoキットを使用してクロマトアッセイによって分析。供給元の推薦条件に従う(因子Vlla StatClotキット)。アミド分解活性を各画分に含まれるFVIIのμgに変換。
B. 結果
結果は[表4]に示した。
Figure 2012517826
[表4]の結果はMapt-2アプタマが固定された親和性ゲルにはウサギ第VII因子は保持されないことを示す。
実施例7
Biacoreでのアプタマとヒト因子VIIとの相互作用のための特定プロトコルの実施例(NaCl耐性)
A. 材料および方法
本発明の配列SEQ ID番号86の核酸アプタマ分子(「Mapt2」という)が固定された固体の基質を製造した。
固体基質に結合する前にMapt2アプタマの5’末端を化学的に変成してPEG(C18)の4つの分子から成るスペーサ鎖に連結した。それから、アプタマに連結した末端とは反対側のスペーサ鎖の遊離末端にビオチン分子を連結した。
固定したストレプトアビジン分子を含む固体基質は提供された(Series S sensor ChipSA.GE)。
次いで、上記アプタマ化合物と接触させて、基質のストレプトアビジン分子とアプタマ化合物のビオチン分子との間の非共役会合によって上記固体基質を配列SEQID番号86の核酸を固定する。
Mapt2アプタマは3772RU(1RUは単位mm2当たり固定した生成物が約1pgに対応)の固定化度で固定された。
トランスジェニック・ウサギの乳汁から得られる精製したトランスジェニック・ヒトFVII(FVII HPTG(純度):98%) をランニング緩衝液(50mMトリス、50mM NaCl、10mM CaCl2、4mM MgCl2、pH 7.4)で希釈してFVII濃度が200mMのサンプルを得る。
サンプルはビオチン−ストレプトアビジン相互作用によって固定されたMapt2アプタマを含むチップ(固体基質)上に順次注入した。次に、NaClの濃度を上げた緩衝液を固体基質上へ注入された。(1M NaClから3M NaClまでの3シリーロを注入)。全ての注入は30μl/分の流速で60秒かけて注入した。NaClを含む上記の3シリーズの緩衝液の注入後、溶出緩衝液(10mM EDTA)を30μl/分の流速で75秒間かけて注入してアプタマからFVII HPTGを分離した。
解析はRPS Biacore T100装置(GE)で実行した。記録された相互作用のモデリングはBiaevaluationソフトウェア(GE)を使用して実行した。トランスジェニック・ヒトFVIIに対するMapt2固定アプタマの結合曲線はBiacore(登録商標)制御ソフトウェア(バージョン1.2)の専用モジュールで計算した。
このヒトFVIIに対するMapt2アプタマの結合結果から、ヒトFVIIへのMapt2アプタマの結合はNaClを含む緩衝液の注入によって有害な状態で変化しないことということが確認できる。
B. 結果
結果は[図8]に示した。
実施例8
Biacore上のアプタマとヒト因子VIIとの相互作用のためのプロトコルの特定実施例(プロピレングリコール耐性)
A.材料および方法
本発明の配列SEQ ID番号86の核酸アプタマ分子(「Mapt2」という)が固定された固体の基質を製造した。
固体基質に結合する前にMapt2アプタマの5’末端を化学的に変成してPEG(C18)の4つの分子から成るスペーサ鎖に連結した。それから、アプタマに連結した末端とは反対側のスペーサ鎖の遊離末端にビオチン分子を連結した。
固定したストレプトアビジン分子を含む固体基質は提供された(Series S sensor ChipSA.GE)。
次いで、上記アプタマ化合物と接触させて、基質のストレプトアビジン分子とアプタマ化合物のビオチン分子との間の非共役会合によって上記固体基質を配列SEQID番号86の核酸を固定する。
Mapt2アプタマは5319RU(1RUは単位mm2当たり固定した生成物が約1pgに対応)の固定化度で固定された。
トランスジェニック・ウサギの乳汁から得られる精製したトランスジェニック・ヒトFVII(FVII HPTG(純度):98%) をランニング緩衝液(50mMトリス、50mM NaCl、10mM CaCl2、4mM MgCl2、pH 7.4)で希釈してFVII濃度が200mMのサンプルを得る。
サンプルはビオチン−ストレプトアビジン相互作用によって固定されたMapt2アプタマを含むチップ(固体基質)上に順次注入した。次に、50%プロピレングリコールを含む緩衝液を固体基質上へ注入した。全ての注入は30μl/分の流速で60秒かけて注入した。50%プロピレングリコールを含む緩衝液を注入後、溶出緩衝液(10mM EDTA)を30μl/分の流速で75秒間かけて注入してアプタマからFVII HPTGを分離した。
解析はRPS Biacore T100装置(GE)で実行した。記録された相互作用のモデリングはBiaevaluationソフトウェア(GE)を使用して実行した。トランスジェニック・ヒトFVIIに対するMapt2固定アプタマの結合曲線はBiacore(登録商標)制御ソフトウェア(バージョン1.2)の専用モジュールで計算した。
このヒトFVIIに対するMapt2アプタマの結合結果から、ヒトFVIIへのMapt2アプタマの結合はプロピレングリコールを含む緩衝液の注入によって有害な状態で変化しないことということが確認できる。
B. 結果
結果は[図9]に示した。

Claims (16)

  1. 固体の基質材料を含む、凝固タンパク(coagulation protein)を選択的に結合させるための親和性基質(affinity substrate)であって、上記の固体の基質材料上に凝固タンパクに特異的に結合する核酸アプタマ(nucleic adaptamer)が固定されている親和性基質。
  2. 核酸アプタマがデオキシリボ核酸アプタマ(deoxyribonucleic adaptamer)から成る請求項1に記載の親和性基質。
  3. 核酸アプタマが式(I)の化合物の構造中に含まれる請求項1または2に記載の親和性基質:
    [FIX]x−[SPAC]y−[APT] (I)
    (ここで、
    [FIX]は基質上に固定するための化合物を表し、
    [SPAC]はスペーサ鎖を表し、
    [APT]は凝固タンパクに特異的に結合する核酸を表し、
    xは0または1に等しい整数であり、
    yは0または1に等しい整数である)
  4. 式(I)の化合物の[APT]が配列SEQID番号1のデオキシリボ核酸から成る請求項3に記載の親和性基質。
  5. 凝固タンパクが因子I(フィブリノゲン)、因子II(プロトロンビン)、因子V(プロアクセレリン)、因子VII(プロコンベルチン)、因子VIII(抗血友病A因子)、IX因子(抗血友病因子B)、因子X(スチュワート因子)、Xl因子(ローゼンソール因子またはPTA)、因子XII(ハーゲマン因子)、因子XIII(フィブリン安定化因子またはFSF)、PK(プレカリクレイン)、HMWK(高分子キニノーゲン)、組織トロンボプラスチン、ヘパリン補因子II(HClI)、プロテインC(PC)、トロンボモジュリン(TM)、タンパクS(PS)、フォンビルブラント因子(vWF)および組織因子経路インヒビター(TFPI)または組織因子から選択される請求項1〜4のいずれか一項に記載の親和性基質。
  6. 固体の基質材料が樹脂、ポリマビーズ、磁気ビーズ、常磁性ビーズ、濾過メンブレンの基質材料およびポリマー材料から選択される請求項1〜5のいずれか一項に記載の親和性基質。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の親和性基質と凝固タンパクを含むサンプルとを接触させる段階を含む、基質上に凝固タンパクを固定する方法。
  8. 下記の(a)〜(c)の工程を有する凝固タンパクの精製方法:
    (a) 請求項1〜6のいずれか一項に記載の親和性基質と凝固タンパクを含むサンプルとを接触させて、(i) 上記親和性基質上に固定した核酸アプタマと(ii) 凝固タンパクとの間に錯体を形成し、
    (b) 段階(a)で形成された錯体からタンパクをフリーにし、
    (c)凝固タンパクを精製された形で回収する。
  9. 前記サンプルが人の血漿またはその画分、上記凝固タンパクに対してトランスジェニックな哺乳類の乳汁またはその画分の中から選択される請求項8に記載の方法。
  10. 上記血漿タンパクがヒトの血液である請求項8または9に記載の方法。
  11. サンプルが少なくとも一種のヒト以外の血液の血漿タンパクを含む請求項10に記載の方法。
  12. 人の血液の血漿タンパクがヒト以外の血漿タンパクのホモローグ(相同物)である請求項11に記載の方法。
  13. 人の血液の血漿タンパクがヒト以外の血漿タンパクのホモローグ(相同物)である請求項12に記載の方法。
  14. 親和性基質を二価-イオンキレート剤、好ましくはEDTAを含む溶出緩衝液と接触させて段階(b)を実行する請求項8〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 少なくとも99.9重量%がヒト以外のタンパクを実質的に含まない組換え型ヒトタンパク殻成る組換え型ヒト凝固タンパクの精製された組成物。
  16. 請求項15に記載の組換え型ヒト凝固タンパクの精製された組成物を含む医薬組成物。
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