JP2012514022A - 水性グリオキサール溶液の清浄化法 - Google Patents

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Abstract

抽出による酸分離による、少なくとも1つの酸を含む水性グリオキサール溶液の浄化方法であって、本方法は以下の工程:I)混合物を製造するために、水性グリオキサール溶液と、第三級アミン20〜60質量%と、水と任意で混合できない有機溶剤80〜40質量%とを含有するイオン交換体溶液とを<5分の滞留時間で、30〜100℃の温度で混合する工程、II)工程I)からの混合物を、抽出された水性グリオキサール溶液と、負荷されたイオン交換体溶液に分別し、この負荷されたイオン交換体溶液を30〜100℃の温度で分離する工程、及びIII)抽出された水性グリオキサール溶液を、第三級アミンと、浄化された水性グリオキサール溶液に分別し、第三級アミンを<30℃の温度で分離する工程を含む。

Description

本発明は、少なくとも1つの酸を含有する水性グリオキサール溶液を、イオン交換体溶液により浄化する方法、並びにこの方法により得られる水性グリオキサール溶液に関する。
グリオキサールは例えば、繊維工業又は製紙工業で補助成分として使用される。グリオキサールは通常、アセトアルデヒドの酸化、又は触媒固定床を用いて相応するグリコールをオキシ脱水素化することにより製造される。この際に触媒としては例えば、リンドープされた銅が使用される。この方法で生じるグリオキサール水溶液はこの際に副生成物を有し、この副生成物はさらなる使用の前に分離しなければならない。ここで典型的な副生成物は、ホルムアルデヒド、グリコールアルデヒド、蟻酸、酢酸、並びに難揮発性の酸、例えばグリオキシル酸、グリコール酸、及びシュウ酸である。オキシ脱水素化によりグリコールから製造されるグリオキサールは通常、酸を2質量%以下含む。しかしながらグリオキサールを市販で用いるためには、<5mgKOH/gの酸価が要求される。
上記酸、とりわけ難揮発性の酸を除去するため、従来技術では様々な方法が記載されている。US 3 270 062は、グリオキサール溶液を固体のイオン交換体で処理することによる水性グリオキサール溶液の浄化法を記載している。この方法には、非連続的な作業様式という欠点がある。さらにイオン交換体は、使用される水性グリオキサール溶液の高い酸価が原因で頻繁に再生しなければならない。この理由から前記方法では、US 3 270 062に記載された方法では経済的に稼働できないほど多量の希釈されたグリオキサール溶液が生じる。
US 3 860 156は、高分子の第三級アミン又は第四級アンモニウム塩を重炭酸塩の形で有機溶剤に溶かした溶液でグリオキサール溶液を処理することにより、酸性不純物を水性グリオキサール溶液から除去するための方法を記載している。この方法では2つの溶液が、多段階の抽出塔に相互に向流で導入される。これにより確かに連続的な浄化が達成されるが、長い滞留時間が必要となる。さらにこの方法では、多すぎるグリオキサール損失を回避するため、水による有機相の再抽出が必要である。このことにより、前記方法は魅力的ではない。
アセトアルデヒドの酸化により、又はオキシ脱水素化により製造されるグリオキサールの後処理は、必ず必要である。と言うのもこの方法により得られるグリオキサール溶液は、激しい黄変を有するからである。市販で用いられるグリオキサール溶液は、目的生成物中で典型的には<200Aphaの色価(Farbzahl)が要求される。
DE 34 02 733は、反応槽中での第三級アミンと有機溶剤とからの溶液を用いたグリオキサール溶液中に含まれている酸の抽出(酸抽出)による、水性グリオキサール溶液の浄化法を記載している。
ここに記載された方法では、酸価が<5mgKOH/gであり、かつ色価が低い水性グリオキサール溶液が得られる。よってこの方法に従って得られるグリオキサール溶液は、市販で用いられるグリオキサール溶液に要求されるものに相応しい。DE 34 02 733に記載された方法の場合、さらに第三級アミンと有機溶剤とから成る溶液へのグリオキサール損失が僅かである。しかしながらこの方法で得られるグリオキサール溶液は、貯蔵安定性が満足のいくものではない。従ってグリオキサール溶液の貯蔵の際に、色価の進行的な増加を観察することができる。従ってこの方法により製造されるグリオキサール溶液はすぐに、市販での使用に要求される規格から外れる色価を有する。
本発明の課題は、上述の欠点を克服し、かつ低い酸価と色価、並びに改善された貯蔵安定性を有する水性グリオキサール溶液が得られる、水性グリオキサール溶液の浄化法を提供することである。
意外なことに、低い酸と色価、並びに改善された貯蔵安定性を有する水性グリオキサール溶液は、酸抽出のために用いられる抽出剤を可能な限り完全に分離すれば得られることが判明した。
よって本発明の対象は、少なくとも1つの酸を含有する水性グリオキサール溶液を、以下の工程:
I)混合物を製造するために、
水性グリオキサール溶液と、
第三級アミン20〜60質量%と、水と任意では混合不能の有機溶剤80〜40質量%とを含有するイオン交換体溶液と
を<5分の滞留時間で、30〜100℃の温度で混合する工程、
II)工程I)からの混合物を、抽出された水性グリオキサール溶液と、負荷されたイオン交換体溶液に分別し、この負荷されたイオン交換体溶液を30〜100℃の温度で分離する工程
III)抽出された水性グリオキサール溶液を、第三級アミンと、浄化された水性グリオキサール溶液に分別し、第三級アミンを<30℃の温度で分離する工程
を含む抽出による酸分離により浄化する方法である。
本発明による方法で得られる水性グリオキサール溶液は、低い酸価と色価により、並びに明らかに改善された貯蔵安定性により特徴付けられる。
水性グリオキサール溶液からさらなる副生成物を除去するため、酸抽出に引き続いてしばしば吸着剤が使用される。イオン交換体溶液の残分が、さらなる副生成物を除去するために使用される吸着剤を覆い、ひいてはその耐久時間が短縮される。本発明により浄化されたグリオキサール溶液は、その第三級アミン含分が、従来技術により得られる水性グリオキサール溶液に比して明らかに低減されている。これにより本発明による方法に従って得られる水性グリオキサール溶液のさらなる後処理は明らかに容易になり、使用される吸着剤の耐久時間が明らかに長くなる。
工程I)
本発明による方法の工程I)では、製造条件による少なくとも1つの酸を副生成物として含有する水性グリオキサール溶液を、イオン交換体溶液と混合する。本発明による方法の工程I)では、製造条件により少なくとも1つの酸を副生成物として含有する、従来技術で公知のすべての水性グリオキサール溶液を使用することができる。通常は、アセトアルデヒドの酸化により、又は触媒を用いたモノエチレングリコールのオキシ脱水素化により得られる水性グリオキサール溶液を使用する。特に好ましいのは、DE 19 23 048に記載された方法に相応して、触媒としてリンドープされた銅を有する触媒固定床を用いたオキシ脱水素化により利用可能な水性グリオキサール溶液である。
水性グリオキサール溶液はまた、DE 500 04 079、及びEP 1 1 69 119に記載された方法で得ることができる。このためにモノエチレングリコールを適切な蒸発器で気相にする。モノエチレングリコールをオキシ脱水素化するために酸素を用意し、出発混合物を反応器に供給する。反応器を出る気体状の生成物混合体(これはグリオキサールの他に別の副生成物を含む)を冷却する。ここで凝縮可能な成分、例えば水及びグリオキサール、並びに副生成物、例えばホルムアルデヒド、グリコールアルデヒド、蟻酸、並びに難揮発性の酸、例えばグリオキシル酸、グリコール酸、及びシュウ酸を完全に凝縮する。生成物流のさらなる後処理は、水蒸気を用いて低沸点成分、例えばホルムアルデヒド、蟻酸、及び酢酸のストリッピングにより行う。こうして得られる水性グリオキサール溶液はなお、難揮発性の酸、例えばグリオキシル酸、グリコール酸、及びシュウ酸を含む。DE 500 04 079及びEP 11 69 119に記載の方法によればまた、利用可能なグリオキサール溶液は、本発明による方法での使用に特に適している。
本発明による方法で工程I)で使用される水性グリオキサール溶液はつまり、少なくとも1つの酸、好ましくは蟻酸、酢酸、グリオキシル酸、グリコール酸、及びシュウ酸の群から選択される酸、又は上記酸の2つ以上の混合物を、水性グリオキサール溶液の質量に対して0.2〜2質量%の範囲の濃度で含む。
本発明による方法で使用される水性グリオキサール溶液の酸価は、幅広い範囲で変えることができる。しかしながら水性グリオキサール溶液は好ましくは、酸価が≦100mgKOH/g、好ましくは≦50mgKOH/g、及び特に好ましくは≦30mgKOH/gである。
本発明による方法で使用される水性グリオキサール溶液のグリオキサール含分も決定的に重要ではなく、幅広い範囲で変えることができる。しかしながら好ましくは、≦70質量%、好ましくは≦55質量%、及び特に好ましくは≦45質量%のグリオキサール含分を有するグリオキサール溶液を使用し、ここで質量%はそれぞれ、使用される水性グリオキサール溶液の全質量に対する。
水性グリオキサール溶液は、工程I)でイオン交換体溶液と混合する。本発明の範囲でイオン交換体溶液とは、第三級アミンと、水とは任意には混合不能な有機溶剤を含む混合物であると理解される。
適切な第三級アミンは例えば、分子量が300〜600g/molの直鎖状又は分枝状の脂肪族アミンである。好ましい第三級アミンは、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、及びトリドデシルアミンである。2つ以上の好ましい第三級アミンからの混合物を使用することも可能である。これに加えて、1つ以上の好ましい第三級アミンを、1つ以上のさらなるアミンとの混合物としても使用できる。
よって第三級アミンという言葉は本発明の範囲において、第三級アミンと、1つ以上のさらなるアミンとの混合物を含む。特に好ましくは、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、及びトリドデシルアミンから選択される2つの第三級アミンからの二元系混合物を用いる。とりわけ好ましいのは、トリオクチルアミンとトリデシルアミンとからの混合物である。
水と任意では混合不能な有機溶剤としては、通常の条件下で水といかなる比でも真性溶液を形成せず、かつ工程I)及び工程II)に記載された条件でグリオキサールと反応を起こさないあらゆる有機溶剤が考慮される。好ましい有機溶剤は、水と任意では混合不能なアルコール、例えば3個以上のC原子を有する、直鎖又は分枝鎖状の第一級、第二級、又は第三級アルコールである。好ましいのは、3〜15個のC原子を有する脂肪族アルコールであり、特に好ましいのは8〜13個のC原子を有する脂肪族アルコールである。とりわけ好ましいのは、ペンタノール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、デカノール、及びイソデカノールである。水と任意では混合しない有機溶剤としてはまた、上記溶剤の混合物を使用することができる。よって本発明の範囲において「水と任意では混合不能な有機溶剤」という言葉は、2つ以上の上記溶剤の混合物も含む。
イオン交換体溶液は一般的に、第三級アミンを20〜60質量%、好ましくは30〜50質量%、及び水と任意では混合不能な有機溶剤を80〜40質量%、好ましくは70〜50質量%、それぞれイオン交換体溶液の質量に対して含む。
本発明による方法の工程I)では、水性グリオキサール溶液をイオン交換体溶液と混合する。ここで水性グリオキサール溶液とイオン交換体溶液との混合は、30〜100℃の温度、好ましくは30〜80℃の温度、及び特に好ましくは30〜60℃の温度で行う。水性グリオキサール溶液とイオン交換体溶液の体積比は、自由に選択できる。体積比は好ましくは、10:1〜1:3である。
ここで水性グリオキサール溶液とイオン交換体溶液との混合は、あらゆる公知の混合装置で行うことができる。イオン交換体溶液の相でグリオキサールの相平衡が調整されないように、2つの溶液の滞留時間が可能な限り短いのが望ましいことが判明した。本発明の範囲において滞留時間とは、水性グリオキサール溶液、及びイオン交換体溶液が混合装置に完全混合下で存在する時間の幅と理解される。これにより、水性グリオキサール溶液からイオン交換体溶液へのグリオキサールの移動、ひいてはグリオキサールの損失を僅かに保つことができる。適切な滞留時間は5分未満、好ましくは1秒〜2分の範囲、とりわけ好ましくは1〜20秒の範囲である。
この際に水性グリオキサール溶液中に含まれている酸は、イオン交換体溶液に含まれている第三級アミンに結合される。この際に、グリオキサール溶液中に含まれている酸を含有する、負荷されたイオン交換体溶液が生じる。適切な混合装置により、可能な限り逆混合のない分散が非常に短い滞留時間で可能になり、ここで同時に良好な相分離(工程II))が可能になる。ここで2つの溶液の混合は、一段階で1つの混合装置に同時に導入することにより行うのが好ましい。好ましい実施態様では、このためにスタティックミキサーを使用する。さらなる好ましい実施態様では、インライン混合機、又は有孔板混合機(Lochblenden-Mischer)を使用する。
工程II)
2つの溶液の混合後、工程I)からの混合物を相分離によって、酸が抽出された水性グリオキサール溶液(抽出されたグリオキサール水溶液)と、負荷されたイオン交換体に分別する。負荷されたイオン交換体溶液は、アルカリ作用剤、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は炭酸ナトリウムで処理することによって再生することができる。工程I)で得られる混合物は1つの実施態様では分離装置に供給され、ここで工程I)からの負荷されたイオン交換体溶液を、抽出された水性グリオキサール溶液から分別及び分離する。分別と分離はあらゆる任意の分離装置、例えば相分離器、遠心分離器、又は相分離器を一体型フィルター(Koaleszierfilter)と組み合わせて行うことができる。
ここで一体型フィルターは、相分離器に前接続されているか、又は相分離器に組み込まれていてよい。この一体型フィルターに適切な材料は、イオン交換体溶液及び水性グリオキサール溶液に対して、並びに負荷されたイオン交換体溶液及び抽出された水性グリオキサール溶液に対して、工程II)の稼働条件下で耐久性があり、かつ適切な濡れ特性を有する、あらゆる材料である。一体型フィルターに適切な材料は例えば、フェノール樹脂で結合されているアクリル繊維である。相分離器は、分離補助体として構造物、例えば網、充填物、及び/又はプレートを有することができる。
ここで抽出された水性グリオキサール溶液及び負荷されたイオン交換体への、工程I)から得られる混合物の分別は、30〜100℃、好ましくは30〜80℃、及び特に好ましくは30〜60℃の温度で行うことができる。
本発明による方法の好ましい実施態様では、工程I)及びII)を連続的に順次行う。このために水性グリオキサール溶液をまず工程I)で記載された混合装置のうちの1つの中でイオン交換体溶液と混合し、引き続き直接前述の分離装置のうちの1つに供給し、抽出された水性グリオキサール溶液と負荷されたイオン交換体溶液に分別する。
さらなる好ましい実施態様では、工程I)及び工程II)を1つの装置で行う、すなわち混合、分別、分離を同じ装置内で行う。このために例えば、CINC又はポドビルニアク(POD)の遠心分離抽出器が適している。
とりわけ好ましい実施態様において工程I)はスタティックミキサーで、そして工程II)は遠心分離器で行う。しかしながらまた、工程I)をスタティックミキサーで、そして工程II)を相分離器単独で、又は一体型フィルターと組み合わせた相分離器で行うことも可能である。
工程III)
工程III)では、工程II)で得られる抽出された水性グリオキサール溶液を、イオン交換体溶液から第三級アミンをさらに分離する工程に供する。意外なことに、イオン交換体溶液の上述の分離(工程II))が完全には起こらず、イオン交換体からの僅かな量の第三級アミンと溶剤が、抽出された水性グリオキサール溶液に残ることが判明した。この抽出されたグリオキサール溶液は通常、イオン交換体溶液からの第三級アミン及び溶剤を最大1000ppm含む。抽出された水性グリオキサール溶液に対してそれぞれ、5〜500ppm、及び10〜250ppmの範囲の量も測定された。
第三級アミンをほとんど含まない水性グリオキサール溶液(浄化されたグリオキサール水溶液)と、第三級アミンへの、抽出された水性グリオキサール溶液の分別は、相分離によって行う。
第三級アミンを分離するため、工程II)からの抽出された水性グリオキサール溶液を、<30℃の温度、好ましくは0〜30℃の範囲の温度、及びとりわけ好ましくは10〜25℃の範囲の温度に冷却する。これにより、工程II)から得られる抽出された水性グリオキサール溶液から第三級アミンが分離される。第三級アミンの分離の他にまた、水とは任意で混合不能の有機溶剤の分離にもつながる。
分離された第三級アミンの分離は、公知のあらゆる分離法によって行うことができる。適切な分離法は、先に工程IIで記載の通りである。
好ましくはこの分離は、一体型フィルター及び後続の相分離器によって、又は一体型フィルターを有する相分離器によって、又は遠心分離器によって行う。
工程III)はとりわけ好ましくは、一体型フィルター及び後続の相分離器によって、又は一体型フィルターを有する相分離器によって行う。工程III)で一体型フィルターに好ましい材料は、プラスチック、とりわけポリプロピレン及びポリエチレン、又はこれらの混合物である。
意外なことに、本発明による方法による水性グリオキサール溶液の浄化は、イオン交換体溶液のほぼ完全な分離につながり、ひいてはその中に含まれる第三級アミンの、グリオキサール水溶液からの分離につながることが判明した。本発明による方法により製造される水性グリオキサール溶液は、第三級アミン含分が(水性グリオキサール溶液の全質量に対して)100ppm未満、好ましくは50ppm未満、及びとりわけ好ましくは20ppm未満である。イオン交換体溶液の分離、ひいてはその中に含まれる第三級アミンの分離は、水性グリオキサール溶液の貯蔵安定性の改善につながる。
本発明を実施例によってより詳細に説明するが、本発明はそれにより制限されない。
実施例:
実施例1:イオン交換体溶液での色形成
振り混ぜビン中で、Hostarex A327(トリドデシルアミン50%と、トリオクチルアミン50%とからの混合物、Clariant社製)40%と、イソデカノール60%とから成るイオン交換体溶液を1時間にわたって60℃で温度処理し、イオン交換体溶液中での色形成を視覚的に評価した。純粋なイオン交換体溶液のバッチを無添加で試験し、そして僅かな量のグリオキサールおよび/または酸(ここでは蟻酸)を添加したビンを試験した。
Figure 2012514022
純粋なイオン交換体溶液中、すなわち無添加で酸の添加を排除したものは、滞留時間と温度処理でイオン交換体溶液に色形成は観察されない。グリオキサール添加の場合、グリオキサールに加えてイオン交換体溶液に酸を溶解させると、変色の著しい増大が観察される。
実施例2:アルコール及びアミン混合物での色形成
振り混ぜビン中で、イオン交換体溶液の2つの成分中での色形成、すなわちアミン混合物Hostarex A327(トリドデシルアミンと、トリオクチルアミンとからの混合物)と、アルコールのイソデカノールを相互に別々に試験した。僅かな量のグリオキサール、並びにグリオキサールと酸(ここでは蟻酸)を添加した、アミン混合物若しくはアルコールのバッチを試験した。振り混ぜ試料を1時間にわたって60℃で温度処理し、そしてアミン混合物中、及びアルコール中の色形成を視覚的に評価した。
Figure 2012514022
アルコール中では、グリオキサール添加の場合にも、グリオキサールと酸を添加の場合にも色形成はなかった。アミン混合物中では、グリオキサール添加後にのみ、すでに色形成が観察された。色形成は、グリオキサールに加えてさらに酸をアミン混合物に溶かした場合に強まる。
実施例3:温度とイオン交換体溶液の量に依存した、グリオキサール溶液中の色価
製造工程からのグリオキサール溶液を用いて振り混ぜ試験を行った。これとの比較のために、グリオキサール溶液1kgに対してイオン交換体溶液0.1kgを添加した同じグリオキサール溶液を用いた振り混ぜ試験を行った。
試料をそれぞれ、20℃、40℃、及び60℃で1時間、温度処理した。透明なグリオキサール溶液中で、色価を温度処理の24時間後に測定した。イオン交換体溶液を添加せずに測定した色価によると、意外なことに、温度処理の温度が上昇するとともに色価が上昇することがわかる。このことは、溶解されたイオン交換体溶液の存在により説明することができる。
イオン交換体溶液が第二相として存在する場合、グリオキサール溶液中で測定される色価は、驚くべきことに、振り混ぜビン中にグリオキサール溶液のみが存在する場合よりも明らかに高い。イオン交換体溶液中に色が形成され、この色は一部グリオキサール溶液に移る。形成される色の量は、温度に依存する。温度が高いほど、色の量も多くなる。
Figure 2012514022
実施例4:工程IIIの前、及びその後のグリオキサール溶液中の色価
製造装置中で、グリオキサール溶液の試料を同じ時間をかけて(zeitgleich)2つ取り出した。試料1は工程IIIに従ってグリオキサールからアミンを分離する前に、試料2はその後に取り出した。グリオキサール溶液からのアミンの分離は、本発明による方法の工程IIIに従って製造装置で、2つの相の冷却、及び一体型フィルターを用いた分離によって行う。
試料は室温で約20日貯蔵した。透明なグリオキサール溶液中で、色価はAphaで測定した。
試料1中では204Aphaの色価が測定され、試料2中では169Aphaの色価が測定された。

Claims (13)

  1. 抽出による酸分離による、少なくとも1つの酸を含む水性グリオキサール溶液の浄化方法であって、
    以下の工程:
    I)混合物を製造するために、
    水性グリオキサール溶液と、
    第三級アミン20〜60質量%と、水と任意では混合不能の有機溶剤80〜40質量%とを含有するイオン交換体溶液と
    を<5分の滞留時間で、30〜100℃の温度で混合する工程、
    II)工程I)からの混合物を、抽出された水性グリオキサール溶液と、負荷されたイオン交換体溶液に分別し、この負荷されたイオン交換体溶液を30〜100℃の温度で分離する工程、及び
    III)抽出された水性グリオキサール溶液を、第三級アミンと、浄化された水性グリオキサール溶液に分別し、第三級アミンを<30℃の温度で分離する工程
    を含む、前記方法。
  2. 工程II)での分別を、30〜60℃の温度で行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 工程III)での分離を、0〜30℃の温度で行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 工程III)での分離を、10〜25℃の温度で行うことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 工程I)での混合物の製造を、混合装置で一段階で行うことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程I)における滞留時間が、1秒〜2分であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 工程I)における滞留時間が、1秒〜20秒であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 工程I)における水性グリオキサール溶液対イオン交換体溶液の体積比が、10:1〜1:3であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 工程III)後に含まれているグリオキサール溶液の第三級アミン含分が、100ppm未満であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 工程III)後に含まれているグリオキサール溶液の第三級アミン含分が、50ppm未満であることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 工程III)後に含まれているグリオキサール溶液の第三級アミン含分が、20ppm未満であることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記水性グリオキサール溶液が、蟻酸、酢酸、グリオキシル酸、グリコール酸、及びシュウ酸から成る群からの酸を少なくとも1つ含むことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法により得られる、貯蔵安定性の水性グリオキサール溶液。
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