JP2012513313A - 手動操作型動力制御手段を備えた携帯動力レンチ - Google Patents

Abstract

角度型携帯可能動力レンチは、角度駆動ヘッド（１２）と後方ハンドル（１１）とを備えた細長いハウジング（１０）で構成され、モーターを支持している。さらに動力レンチは、後方ハンドル（１１）に配置された主動力制御トリガー（１６）と角度駆動ヘッド（１２）に配置された補助動力制御トリガー（２０）とを備えた手動動作の動力制御手段（１６、２０）を備えている。モーター及び主トリガー（１６）並びに補助動力制御トリガー（２０）はプログラム可能な制御ユニット（１８）に接続され、制御ユニット（１８）にはネジ継手緊締開始段階及び最終緊締段階のそれぞれに最適な動作パラメータセットが記憶されている。補助動力制御トリガー（２０）は緊締開始パラメータセットのみを作動するよう構成され、一方主動力制御トリガー（１６）は最終緊締パラメータセットを作動するよう構成されている。
【選択図】 図１

Description

本発明は、手動で操作される動力制御手段を備えた携帯可能な動力レンチに関わるものである。特に本発明は、ハンドルを備えた細長いハウジングを備え、その後方端部に配置されたトリガーと、その前方端部に出力軸を備えた角度駆動ヘッドの形態の動力制御手段を備える角度型動力レンチに関わるものである。

初期組立てシーケンス中、上述の型の角度動力レンチを取り扱うにあたって、周知の問題点が存在する。すなわち、ネジ継手で固定されることになる１つ以上の部品は、それらの正確な位置に置かれなければならないのと同時に、動力レンチは初期緊締開始段階でネジ継手に回転運動を加えるために当然ネジ継手に正確に接続されなければならない。従来の動力レンチによる組立て動作開始時には、作業者は、一方の手でハウジングの後方端部にあるハンドルを介して動力レンチを支持しながら、もう一方の手で正確な位置に組立てられることになる部品を配置しなければならない。後方端部のハンドルを介して動力レンチを支持するには、動力制御トリガーを押してレンチを起動させることが可能でなければならない。このことは、作業者が、一方の手で組立てられようとする部品とネジ継手とを保持しながら、もう一方の手で重量を支持し且つ動力レンチの平衡を保たなければならないことを意味している。後方端部のハンドルだけで動力レンチを支持するでは、ネジ継手と係合する出力軸に取り付けられたナットソケットを備えた動力レンチを作業者が平衡を保ちつつ正確に案内するのは困難である。実際、作業者は、角度駆動ヘッドでハウジングを掴むと同時に、一方の手でレンチの後方端部を支持しながら動力制御トリガーを作動させる間に、もう一方の手で複数のネジ継手部品を正しい位置に保持しながらこのような「ポイント・アンド・エイム」段階を実行する。このような両手による動力レンチの案内は、非常に手の込んだ動作であり、角度駆動ヘッドでハウジングと組立てられる部品とを同時に握って案内するのを可能にするためには、所定の手の寸法と共に多くの経験が要求される。

本発明の目的は、緊締すべきネジ継手上にレンチを適用する間だけでなく緊締開始段階及び最終緊締段階においても、動力レンチの取扱いを容易にするようにされた手動で操作される動力制御トリガー装置を有する携帯可能な角度型動力レンチを提供することにある。

本発明の別の目的は、初期適用及びネジ継手緊締開始段階並びに最終緊締段階において、動力レンチの安全で且つ容易な操作を可能にするために、動力レンチの種々の場所に配置された分割型動力制御トリガー装置を備えた携帯可能な角度型動力レンチを提供することにある。

本発明のさらに別の目的は、動力レンチの異なる場所に配置された分割型動力制御トリガー装置と、２つの異なる動力レンチ操作パラメータセットでプログラムされた動力制御ユニットとを備え、各パラメータセットが、２つの動力制御トリガーのうちのどちらか１つを介して利用可能である携帯可能な角度型動力レンチを提供することにある。

本発明のさらなる目的及び利点は、以下の明細書の記載及び特許請求の範囲から明らかになる。

本発明の好ましい実施形態は、添付図面を参照して以下に詳細に説明される。

本発明による角度型動力レンチの概略側面図。

図１に示された動力レンチは細長いハウジング１０を有し、その後方端部にはハンドル１１を、またハウジング１０の前方端部には角度駆動ヘッド１２を備えている。ハウジング１０は、図示していない電気モーターと、角度駆動ヘッド１２内にジャーナルされた出力軸１４にモーターを連結する動力伝達装置を支持している。出力軸１４は、緊締すべきネジ継手と係合する様々な寸法のナットソケットを支持するために六角形の端部を備えている。このような型の工具に共通する特徴として、ハンドル１１には動力制御トリガー１６が設けられ、それによって作業者はモーターへの動力供給を手動で制御することができる。

モーター及び動力制御トリガー１６は、多導体ケーブル１７を介して別個の制御ユニット１８の形態のプログラム可能な動力供給及び動作制御手段に接続されている。制御ユニット１８には、種々の動力レンチ緊締戦略及び種々のネジ継手寸法に応じた動作パラメータ値が記憶されている。例えば、制御ユニット１８は、種々の動力レンチ動作状況に最適な種々のパラメータセットを備えることができる。これらのパラメータセットには、回転速度、トルク制限に関係するパラメータ値、最終目標トルクレベル及び速度変更のための閾値を含み、また以下で説明するように、ネジ継手緊締開始段階を目的とした１つのパラメータセット及び最終緊締段階を目的とした別のパラメータセットを備えている。第一のパラメータセットは、停止速度及び緊締開始段階が完了するまでのトルク閾値の適切な値を包含し、一方第二のパラメータセットは、最終緊締段階及び所望の目標トルクレベルの速度制御パラメータを包含している。

動作制御手段は、動力レンチハウジング１０或いはハウジング１０の後方ハンドル１１に組み込まれてもよいことは認められるべきである。これは特に、電池式のレンチの場合に可能である。

上述のように、このような型の動力レンチを締付けるべきネジ継手に適用し同時にネジ継手によって組立てられることになる部品を保持し且つ案内することは、むしろ用心が必要であり、また作業者は角度駆動ヘッド１２でレンチを支持することが要求される。これは、レンチを起動するために後方ハンドル１１でトリガー１６を押し且つネジ継手の緊締開始段階を開始するのを困難にしている。本発明によれば、ハウジング１０の角度駆動ヘッド１２に配置された補助トリガー２０を設けることによって容易にすることができる。このことは、動力レンチに後方ハンドル１１上のトリガー１６によって形成される主動作制御トリガーと、補助動作制御トリガー２０とを備えて、初期動作段階すなわちネジ継手へのナットソケットを担持した出力軸の適用、及びネジ継手緊締開始のための動力レンチの起動が、補助トリガー２０を介して、モーター動作を制御することによって実行されることを意味している。

ネジ継手緊締動作は、作業者が一方の手で角度駆動ヘッド１２を掴むことで動力レンチを支持し且つもう一方の手でネジ継手部品及び／又はネジ継手で組立てられようとする部品を保持して案内することによって手動で実行されるようにされている。動力レンチは、初期段階の動作中、作業者が追加装備のトリガー２０を押すことによって起動され且つ制御される。従来の動力レンチで行われる通常の方法である後方ハンドルに代えて角度駆動ヘッド１２を介して動力レンチを支持することによって、作業者は非常に優れたレンチの制御を得て、ネジ継手へのレンチの適用及び開始段階中出力軸／ナットソケットを簡単に案内することが可能となる。ネジ継手が正確に装着され、緊締開始段階が完了すると、作業者はレンチの支持を変えて角度駆動ヘッド１２から後方ハンドル１１に作業者の手を移動させる。後者の位置で、作業者はモーターへの動力を主トリガー１６を操作することで制御でき、最終緊締段階中所望の目標トルクレベルまでレンチからの反作用トルクに対抗するより優れた能力を獲得する。作業者の角度駆動ヘッドレンチ支持位置で、作業者は、低い反作用トルクの大きさに対抗するだけでよい。しかも、レンチハウジング１０、モーター及び後方ハンドル１１の総質量慣性は、反作用トルクのピークを吸収する手段として作用し、それよって例えば非常に堅いネジ継手の緊締時に動力レンチハウジング内で起こり得る不快な急激な動きから作業者を保護する。

作業者を過度な反作用トルク負荷量から保護するために、制御ユニット１８は、角度ヘッド１２における補助制御トリガー２０を使用する際、特別な緊締開始段階パラメータセットを利用できるようにするようにプログラミングされる。これは、補助トリガー２０が特定のレベルを下回るトルクの大きさになった時だけレンチモーターへの動力を制御するのに効果的であり、しかも事前に決定された閾値トルクレベルに到達すると、補助トリガーは無効になることを意味している。閾値トルクレベルは、緊締開始段階の最後に到達する適切なネジ継手条件に一致するよう選択される。ネジ継手の継続緊締は、後方ハンドル１１の主トリガー１６を操作することによって所望の目標トルクレベルまで実行される。

適切には、制御ユニット１８は、第二のパラメータセットに基づいた最終緊締段階が作動される前に、第一のパラメータセットで制御される緊締開始段階が常に完了されなければならないという仕方で、事前に決定されたシーケンスで２つの異なるパラメータセットを作動するようプログラミングすることができる。これは、ネジ継手及びネジ継手で組立てられようとする部品と同様作業者にとっての安全性をも高めている。

本発明による動力レンチは、ネジ継手の緊締開始段階中、充分に適用された工具の動力制御を備えて、安全でバランスのとれたピストル型の把持支持体を提供する点において有利である。このような動力レンチの支持及び制御のための代替の把持は、ネジ継手との係合及び初期の緊締開始段階中、動力レンチの容易な取り扱いをもたらし、また動力レンチの改良された効率及び生産性に寄与している。

上述の動力レンチは例示のものであって、本発明の実施形態は特許請求の範囲内で自由に変更できるものであることは認められるべきである。例えば、補助トリガー２０は、角度駆動ヘッド１２の底面に配置されたボタンとして図示されているが、当然、動力レンチの応用及び何が作業者にとって最も適切であるのかに応じた別のやり方で配置することができる。またボタン型トリガーは他のあらゆる型のトリガー装置で交換することができる。

１０ ハウジング
１１ ハンドル
１２ 角度駆動ヘッド
１４ 出力軸
１６ トリガー
１７ ケーブル
１８ 制御ユニット
２０ 補助トリガー

Claims (5)

1. 前方端部に角度駆動ヘッド（１２）を後方端部にハンドル（１１）を設けた細長いハウジング（１０）と、ハウジング（１０）内に支持され且つ角度駆動ヘッド（１２）内にジャーナルされた出力軸（１４）に駆動接続されるモーターと、手動で動作する動力制御手段とを備える携帯可能な動力レンチにおいて、
   動力制御手段が、個別に作動する２つの動力制御トリガー（１６、２０）に分割されてハウジング（１０）上の異なる場所に配置され、
   前記２つの動力制御トリガー（１６、２０）が、最終緊締段階中動作するよう配置された主動力制御トリガー（１６）と、緊締すべきネジ継手の初期緊締開始段階中動作するよう配置された補助動力制御トリガー（２０）とで構成されること
   を特徴とする動力レンチ。
2. 前記補助動力制御トリガー（２０）が角度駆動ヘッド（１２）に配置され、前記主動力制御トリガー（１６）がハンドル（１１）に配置されていることを特徴とする請求項１に記載の動力レンチ。
3. プログラミング可能な動作制御ユニット（１８）がモーターと前記主及び補助の両動力制御トリガー（１６、２０）とに接続され、前記制御ユニット（１８）が２つの異なる動作パラメータセットでプログラミングされ、前記動作パラメータセットのうちの第一のパラメータセットが前記補助動力制御トリガー（２０）で作動するよう構成され、前記動作パラメータセットのうちの第二のパラメータセットが前記主動力制御トリガー（１６）で作動するよう構成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の動力レンチ。
4. 前記動作パラメータセットのうちの第一の動作パラメータセットが初期ネジ継手緊締開始中動力レンチの動作を制御するようにされ、一方前記動作パラメータセットのうちの第二の動作パラメータセットが最終ネジ継手緊締中動力レンチの動作を制御するようにされていることを特徴とする請求項３に記載の動力レンチ。
5. 前記動作制御ユニット（１８）が、前記第一の動作パラメータセットが作動されネジ継手の初期緊締開始段階が完了する場合を除いて、前記第二の動作パラメータセットが作動し得ない仕方で、所定のシーケンスで前記第一及び第二の動作パラメータセットを作動するようプログラミングされていることを特徴とする請求項３又は４に記載の動力レンチ。

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