JP2012512679A - 伝導動脈の壁の局所硬化指数を測定する方法及び対応する機器 - Google Patents

伝導動脈の壁の局所硬化指数を測定する方法及び対応する機器 Download PDF

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Abstract

本発明は、患者の血液を運搬する伝導動脈の壁の局所硬化指数(Ira)を測定する方法であって、少なくとも、単一の測定箇所で、前記動脈のセグメントに流れる体積(V)の血液の電気インピーダンス変動(AZ)を測定するステップと、前記壁の硬化に関係する抵抗特性を表す第1の中間指数(RP%、RP)と、前記壁の硬化に関係する容量特性を表す第2の中間指数(PCPA%、ID)とを求めるステップであって、前記第1の中間指数(RP%、RP)及び前記第2の中間指数(PCPA%、ID)は、前記電気インピーダンス変動(AZ)の測定から得られる、求めるステップと、前記第1の中間指数(RP%、RP)及び前記第2の中間指数(PCPA%、ID)に基づいて前記局所硬化指数(Ira)を求めるステップとを含むことを特徴とする、方法に関する。
【選択図】図4

Description

本発明の分野は、人間又は動物の伝導動脈の硬化度(スティフネス)を求める技法の分野である。
より詳細には、本発明は、患者の血液を運搬する伝導動脈の壁の局所硬化指数を求める方法及び機器に関する。
心血管疾患は、現在、先進国において依然として主な死因となっている。これは、特に、先進国の人々に心血管の危険因子の一定の増大が見られているという事実に関連する。
多くの研究により、心血管発作の危険と血管壁の構造及び/又は機能の変化との間に強い関係があることが分かった。血管樹の硬化は、生理学的に年齢に関係しており、危険因子によって促進されるアテローム性(artheromatous)疾患の発症により加速する。危険因子のランクには、糖尿病、高血圧症、喫煙、高コレステロール血症、遺伝、座位等が含まれる。
動脈硬化は、最初の10年間にわたって長期間無症候であり、後に症候又は急性事象、時には致命的事象により明らかになる。
したがって、血管系の変性疾患、特に動脈硬化の悪影響を低減するために、その出現を予防するか、又は少なくとも早期患者管理によりその発症を予期若しくは阻止するように、そのスクリーニングを改善する必要がある。
ほとんどの場合、動脈壁の硬化に付随して、動脈壁の硬化度が増大する。
今では、伝導動脈の硬化度を求める目的でさまざまな技法を実施することができる。
大動脈壁の部位別硬化指数を、圧力測定法により2つの箇所(頸動脈及び大腿部)において脈波の伝導速度(メートル/秒)を測定することによって得ることができる。この非外傷性技法は、現在、基準とみなされている。しかしながら、圧力測定法を日常的に用いることは、依然として単調で時間がかかると共に細心の注意を要し、得られる結果が、大部分、操作者の専門技術及び患者の形態によって決まる。さらに、この技法により、大動脈、すなわち身体の主な弾性動脈しか分析することができず、動脈の局所硬化指数ではなく部位別(regional)硬化指数しか得ることができない。
部位別硬化指数は、動脈全体の硬化度を表す指数である。対照的に、局所硬化指数は、動脈の一部(又はセグメント)の硬化度を表す指数である。
超音波技法(たとえば超音波検査法等)によっても同様に、血管コンプライアンス(弾性)を評価することができる。しかしながら、これら技法の適切な実施は、操作者の専門技術によって決まり、全体的に依然として手動である。さらに、それらは有用な形態学的情報(動脈及びその壁の観察)を提供するが、費用がかかると共に各検査が長いため、心血管疾患の日常的なスクリーニング及び診断の一部として提案することができない。
別の技法は、動脈の硬化度を求めるために、指に対して記録された動脈圧信号反射波の形態を検討することにある。この技法では、動脈樹の部位別硬化指数しか得ることができず、動脈の局所硬化指数を得ることはできない。
特許文献1は、脈波の伝導速度を推定し、その伝導速度から大動脈壁の硬化指数を推測するために、動脈で運搬されるインピーダンス波の伝播速度を測定することにある、別の技法を記載している。この技法には、特に、動脈壁の局所硬化指数を求めるために、2つの別個の解剖学的部位においてインピーダンス信号を連続的に記録することが必要であるという不都合がある。
特開2003−169779号
したがって、大部分について、従来技術のこれら技法には以下の不都合がある。
−比較的実施が困難であり、一定水準の専門技術が必要である。
−実施に費用がかかる。
さらに、動脈の壁の硬化は、さまざまな特性からもたらされる可能性があることが知られている。
動脈の壁の硬化は、特に、末梢抵抗の上昇に関連する壁内圧力の上昇の結果である、いわゆる抵抗特性からもたらされる可能性がある。末梢抵抗は、差圧(すなわち、収縮期圧から拡張期圧を引いた圧力)と動脈流量との比として定義される。末梢抵抗は、収縮期における動脈内の血流に対抗し、その結果、動脈内側の差圧が上昇する。圧力の上昇により、動脈が拡張する傾向がある。動脈が最大まで拡張する、すなわち動脈の半径がそれ以上増大することができない場合、動脈は硬化しているように見える。抵抗成分はこの影響を表す。
動脈の壁の硬化は、動脈のいわゆる容量特性の低減からもたらされる可能性もある。この容量特性は、収縮期中に動脈の変形による力学的エネルギーを蓄積して拡張期中にその力学的エネルギーを元に戻す動脈の容量からもたらされる。
しかしながら、従来技術の技法は、上記硬化に関係する特性に関して又はその重要性に関していかなる情報も提供せずに、動脈の部位別の又は局所的な硬化度を表す指数を取得するだけである。
本発明の目的は、特に、従来技術の上記不都合を克服することである。
より詳細には、本発明の1つの目的は、患者の血液を運搬する伝導動脈の局所的な硬化度を求める技法を提供することである。
本発明は、特に、動脈の硬化に関係する少なくともいくつかの特性の影響を知ることができるようにするこうした技法を提供することを目的とする。
本発明は、信頼性が高くかつ正確なこうした技法を提供することをさらに目的とする。
本発明の別の目的は、実施が簡単なこうした技法を提供することである。
本発明の別の目的は、単一の解剖学的部位に対し測定を行うことである。
本発明はまた、実施に比較的費用がかからないこうした技法を提供することを目的とする。
これらの目的、及び以下に明らかとなるであろう他の目的は、患者の血液を運搬する伝導動脈の壁の局所硬化指数(Ira)を測定する方法によって達成される。
本発明によれば、そのような方法は、少なくとも、
単一の測定箇所で、前記動脈のセグメントに流れる体積(V)の血液の電気インピーダンス変動(ΔZ)を測定するステップと、
前記壁の硬化に関係する抵抗特性を表す第1の中間指数(RP、RP)と、前記壁の硬化に関係する容量特性を表す第2の中間指数(PCPA、ID)とを求めるステップであって、前記第1の中間指数(RP、RP)及び前記第2の中間指数(PCPA、ID)は、前記電気インピーダンス変動(ΔZ)の測定から得られる、求めるステップと、
前記第1の中間指数(RP、RP)及び前記第2の中間指数(PCPA、ID)に基づいて前記局所硬化指数(Ira)を求めるステップと、
を含む。
したがって、本発明は、各々が動脈の硬化に関係する抵抗特性及び容量特性を表す少なくとも2つの中間指数を求めること、並びにその後、所定の中間指数に基づいて動脈壁の局所的な硬化度の大域的指数を求めることにある、完全に新規性及び進歩性のある手法に基づく。
本発明者らは、動脈壁の硬化が、特に、いわゆる抵抗特性及びいわゆる容量特性からもたらされる可能性があることを発見した。したがって、動脈壁の局所的な硬化度の画定は、動脈の壁の全体的な硬化に関係する抵抗特性及び容量特性の評価を前提としている。これら抵抗特性及び容量特性の各々を知ることにより、血管壁の局所硬化指数を求めることができ、それは特に正確であると共に現実を表す。
抵抗特性は、壁内圧力と動脈流量との比の増大を表す。たとえば、これは末梢抵抗又は局所抵抗の問題とすることができる。
容量特性により、収縮期において動脈の変形による力学的エネルギーを蓄積して拡張期においてその力学的エネルギーを元に戻す動脈の容量がもたらされる。したがって、容量特性は動脈の弾性に関連する。たとえば、これは動脈の伸展性の問題とすることができる。
したがって、本発明の実施態様により、
−動脈壁の局所的な硬化度を正確かつ現実的に知ることができるようにする大域的指数を得ることができ、それを認識することにより、或る箇所で動脈が幾分硬いか又は幾分柔軟であるかを知ることが可能になり、
−2つの中間指数を得ることができ、それらを認識することにより、動脈の局所的な硬化度に関係する動脈の抵抗特性及び容量特性のそれぞれの重要性を知ることが可能になる。
したがって、本発明の実施態様により、得られた結果を分析することを担当する人が、動脈の或るセグメントの硬化度のより正確な臨床像を得ることができ、特に、その原因にあるさまざまな特性の重要性を知ることができる。この知識により、後に、たとえば患者の動脈の硬化に関係する特性の各々を対象とした治療を患者に施すことにより、患者をより有効に治療することができる。
さらに、本発明の実施態様では、動脈の或るセグメントに流れる或る体積の血液におけるインピーダンス変動の測定のみが必要であり、従来技術による場合のように、2つの別個の解剖学的部位におけるインピーダンス変動の2つの測定を連続して行う必要はない。したがって、本発明は、実施が比較的簡単である。
第1の有利な実施の形態によれば、前記第1の中間指数(RP)は、心拍の収縮期中の前記セグメントから下流の末梢抵抗を表す指数であり、前記第2の中間指数(PCPA)は、前記心拍の前記収縮期中に前記動脈の変形による力学的エネルギーを蓄積して前記心拍の拡張期中に該力学的エネルギーを元に戻す前記動脈の容量を表す指数である。
したがって、本発明の実施態様により、動脈の硬化に関係するいわゆる抵抗特性及びいわゆる容量特性を表し、前記硬化におけるそれら特性の重要性に関する指数を得ることができる。
前記局所硬化指数(Ira)を求める前記ステップは、好ましくは、式
Figure 2012512679
に従う計算ステップを含む。
この式により、或る動脈セグメントの壁の局所的な硬化度を表す指数を、2つの中間指数から効率的にかつ正確に求めることができる。
本発明による方法は、有利には、式
Figure 2012512679
に従って前記中間指数(PCPA)を計算するステップであって、
式中、
Figure 2012512679
及び
Figure 2012512679
であり、
は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
のベース(base)の出現時点を表し、
は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
の最大値の出現時点を表し、
は、前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
と、曲線
Figure 2012512679
の時点tにおける点を通るx軸に平行な直線との交点の出現時点を表す、計算するステップを含む。
この式により、動脈の容量特性を表す指数を、インピーダンス変動の測定値から効率的にかつ正確に求めることができる。
別の有利な特徴によれば、本発明による方法は、式
Figure 2012512679
に従って、前記第1の中間指数(RP)を計算するステップであって、
Kは、前記電気インピーダンス変動(ΔZ)を測定する前記ステップを実行するように実装された手段に依存する定数である、計算するステップを含む。
この式により、動脈の抵抗特性を表す指数を、インピーダンス変動の測定値から効率的にかつ正確に求めることができる。
第2の有利な実施の形態によれば、前記第1の中間指数は、心拍の収縮期の間の前記セグメントの局所抵抗を表す指数(RP)であり、前記第2の中間指数は、心拍の収縮期中の前記動脈の伸展性を表す指数(ID)である。
したがって、本発明の実施態様により、動脈の硬化に関係するいわゆる抵抗特性及びいわゆる容量特性を表し、前記硬化におけるそれら特性の重要性に関する指数を得ることができる。
この場合、本発明による方法は、好ましくは、前記収縮期における動脈圧(PAS)及び拡張期における動脈圧(PAD)を測定し、平均動脈圧(PAM)を計算するステップを含む。
前記局所硬化指数(Ira)を求める前記ステップは、有利には、式
Figure 2012512679
に従って計算するステップを含む。
この式により、或る動脈セグメントの壁の局所的な硬化度を表す指数を、2つの中間指数から効率的にかつ正確に求めることができる。
本発明による方法は、好ましくは、式
Figure 2012512679
に従って前記第1の中間指数(RP)を計算するステップであって、
式中、
Figure 2012512679
及び
Figure 2012512679
であり、
は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
のベースの出現時点を表し、
は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
の最大値の出現時点を表し、
は、前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
と、曲線
Figure 2012512679
の時点tにおける点を通るx軸に平行な直線との交点の出現時点を表す、ステップを含む。
この式により、前記動脈の前記抵抗特性を表す指数を、前記インピーダンス変動の測定値から効率的にかつ正確に求めることができる。
本発明による方法は、好ましくは、式
Figure 2012512679
に従って、前記第2の中間指数(ID)を計算するステップを含む。
この式により、動脈の容量特性を表す指数を、インピーダンス変動の測定値から効率的にかつ正確に求めることができる。
特定の実施の形態によれば、本発明による方法は、前記患者から心電図(ECG)信号を取得するステップと、前記心電図(ECG)信号及び前記インピーダンス変動(ΔZ)を同期させるステップとを含む。
このように、各心拍に対して指数(Ira)、(RP、RP)及び(PCPA、ID)を計算することができる。
本発明による方法は、好ましくは、前記第1の中間指数(RP、RP)及び前記第2の中間指数(PCPA、ID)を求める複数のステップと、
前記第1の中間指数(RP、RP)及び前記第2の中間指数(PCPA、ID)に基づいて前記局所硬化指数(Ira)を求める複数のステップと、
を含み、
前記複数の求めるステップは連続的な心拍(R)中に行われ、前記方法は、
前記心拍(R)中の前記指数(Ira)、(RP)、(RP)、(PCPA)、(ID)の各々の平均を計算するステップをさらに含む。
この特定の実施の形態により、得られる結果の精度を向上させることができる。
本発明による方法は、有利には、単一の測定箇所において、前記動脈のセグメントに流れる体積(V)の血液の前記電気インピーダンス変動(ΔZ)を測定する複数のステップを含み、前記測定の各々は異なる心拍(R)で行われ、前記方法は、
前記心拍における平均インピーダンス変動を求めるステップと、前記平均に基づいて前記第1(RP、RP)及び前記第2の(PCPA、ID)を求めるステップとをさらに含む。
この実施の形態によっても、得られる結果の精度を向上させることができる。
好ましい特徴によれば、本発明による方法は、前記伝導動脈の前記壁の前記局所硬化指数(Ira)を表示するステップと、前記第1の中間指数(RP、RP)及び前記第2の中間指数(PCPA、ID)を表示するステップとを含む。
したがって、測定結果を、医師が、たとえば、患者に対して適切な治療を施すことを目的として、患者の臨床状態を診断するのに役立つように直接使用することができる。
本発明は、さらに、患者の血液運搬伝導動脈の壁の局所硬化指数(Ira)を求める方法を実施する機器に関する。
本発明によれば、そのような機器は、 単一の測定箇所において、前記動脈のセグメントに流れる体積(V)の血液の電気インピーダンス変動(ΔZ)を測定する手段と、
前記壁の硬化に関係する抵抗特性を表す第1の中間指数(RP、RP)と、前記壁の硬化に関係する容量特性を表す第2の中間指数(PCPA、ID)とを求める手段と、
前記第1の中間指数(RP、RP)及び第2の中間指数(PCPA、ID)に基づいて前記局所硬化指数(Ira)を求める手段と、
を具備する。
第1の有利な実施の形態によれば、前記第1の中間指数(RP)を求める手段は、心拍の収縮期中の前記セグメントから下流の末梢抵抗を表す指数を求める手段を含み、前記第2の中間指数(PCPA)を求める手段は、前記心拍の前記収縮期中に前記動脈の変形による力学的エネルギーを蓄積して前記心拍の拡張期中に該力学的エネルギーを元に戻す前記動脈の容量を表す指数を求める手段を含む。
この場合、本発明による機器は、好ましくは、式
Figure 2012512679
に従って前記局所硬化指数(Ira)を計算する手段を具備する。
別の有利な特徴によれば、前記第2の中間指数(PCPA)を計算する前記手段は、式
Figure 2012512679
に従って計算する手段であって、
式中、
Figure 2012512679
及び
Figure 2012512679
であり、
は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
のベースの出現時点を表し、
は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
の最大値の出現時点を表し、
は、前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
と、曲線
Figure 2012512679
の時点tにおける点を通るx軸に平行な直線との交点の出現時点を表す、計算する手段を含む。
前記第1の中間指数(RP)を計算する前記手段は、好ましくは、式
Figure 2012512679
に従って計算する手段であって、
Kは、前記電気インピーダンス変動(ΔZ)を測定する前記ステップを実行するように実装された手段に依存する定数である、計算する手段を含む。
第2の有利な特徴によれば、前記第1の中間指数(RP)を求める前記手段は、心拍の収縮期中の前記セグメントの局所抵抗を表す指数を求める手段を含み、前記第2の中間指数を求める前記手段は、前記心拍の前記収縮期中の前記動脈の伸展性を表す指数(ID)を求める前記手段を含む。
この場合、本発明による機器は、好ましくは、式
Figure 2012512679
に従って前記局所硬化指数(Ira)を計算する手段を具備する。
前記第1の中間指数(RP)を計算する前記手段は、好ましくは、式
Figure 2012512679
に従って計算する手段であって、
式中、
Figure 2012512679
及び
Figure 2012512679
であり、
は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
のベースの出現時点を表し、
は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
の最大値の出現時点を表し、
は、前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
と、曲線
Figure 2012512679
の時点tにおける点を通るx軸に平行な直線との交点の出現時点を表す、計算する手段を含む。
前記第2の中間指数(ID)を計算する前記手段は、好ましくは、式
Figure 2012512679
に従って、計算する手段を含む。
本発明による機器は、有利には、前記患者から心電図(ECG)信号を取得する手段と、該心電図(ECG)に現れる心拍Rの各々を検出する手段と、少なくとも1つの前記心拍(R)の前記検出に続いて前記指数を求める前記手段を起動する手段とを具備する。
本発明によれば、一つの心拍に対して各指数を求めることができる。代替的に、指数の各々を、連続する心拍に対して求めることができ、得られる最後の指数の値は、連続して求められた指数の値の平均に対応する。これにより、得られた結果の精度を向上させることができる。
さらに別の代替態様によれば、連続した心拍に対して連続的にインピーダンス変動を測定することができる。そして、さまざまな心拍に対するインピーダンス変動の平均に対応する曲線を得ることができる。その後、この平均曲線からさまざまな指数を求めることができる。この実施の形態によっても、結果の精度を向上させることができる。
本発明の他の特徴及び利点は、単に例示する限定しない目的で示す好ましい実施形態の以下の説明を読むことによって、また添付図面からより明らかとなろう。
本発明による方法を実施する機器の概略図であり、電極が大動脈の壁の硬化度を求めるように配置されている図である。 大腿動脈の硬化度を求める電極の位置決めを示す図である。 図3aは、患者の心電図(ECG)を示す曲線である。図3bは、本発明による機器の放射電極と受信電極との間に配置された動脈の一部を流れる体積(V)の血液におけるインピーダンス変動の逆数を示す曲線である。図3cは、図3bに示す曲線の導関数を示すグラフである。 本発明による方法のフローチャートである。
1.本発明の概略的な原理
本発明の概略的な原理は、動脈の硬化に関係する抵抗特性及び容量特性をそれぞれ表す2つの中間指数を求め、その後、これら2つの所定の中間指数に基づいて動脈壁の局所硬化指数を求めることに基づいている。
本発明者らは、動脈壁の硬化が、特に、動脈の局所抵抗又は末梢抵抗に関連するいわゆる抵抗特性と、動脈の弾性に関連するいわゆる容量特性とからもたらされる可能性があることを発見した。動脈のこれら抵抗特性及び容量特性の各々を知ることにより、上記動脈に対する局所硬化指数を求めることができ、それは特に、正確でありかつ現実を表す。
したがって、本発明の実施態様により、一方で、動脈壁の局所的な硬化度のレベルを知ることを可能にする大域的指数を得ることができ、それを認識することにより、或るセグメントに沿って、動脈が幾分硬いか又は幾分柔軟であるかを知ることが可能になり、かつ、2つの中間指数を得ることができ、それらを認識することにより、動脈の局所的な硬化度に関係する動脈の抵抗特性及び容量特性のそれぞれの重要性を知ることが可能になる。
このようにして得られる結果を考慮することにより、動脈の硬化度のより正確な臨床像を有することが可能になり、特に、その原因にあるさまざまな特性の重要性を知ることが可能になり、たとえば患者の動脈の硬化に関係する特性の各々を対象とした治療を患者に施すことによって患者をより有効に治療することが可能になる。
さらに、上記2つの中間指数は、硬化度を求めることが望まれる動脈のセグメントに流れる或る体積の血液の電気インピーダンスの変動の単一の箇所における測定から得られる。したがって、本発明の実施が容易となる。
2.本発明による方法を実施する機器の第1の実施形態の例
本発明による方法を実施する機器の一実施形態を、図1に関連して紹介する。
図1に示すように、こうした機器は、電極2、3及び2’、3’の2つの対を有している。これら電極の対の各々は、放射電極2又は2’と受信電極3又は3’とを含む。これらの電極の対は、硬化度を求めることが望まれる動脈が内部に位置する空間を画定するように、患者の上に配置されるように意図されており、上記電極は、上記動脈の主軸に対して平行な軸を画定する。
こうした機器は、患者の心電図信号の取得を可能にするように意図された他の2つの電極5をさらに有している。
電極2、3、2’、3’は、従来市場で見られるような可変誘導器1に接続されている。
こうした可変誘導器は同期手段4を有し、それは、電極の対の間に位置する動脈の部分(又はセグメント)の内部を流れる体積(V)の血圧において測定されるインピーダンス信号が、心電図信号と同期するのを可能にする。
この機器は、計算手段6、たとえばコンピューターをさらに有し、それは、可変誘電器1が出力する信号を処理する目的で可変誘導器1に接続され、後述するように、検査されている動脈の壁の局所的な硬化度を表す指数(Ira)を計算する。
この機器は、得られる結果を表示する手段7をさらに有している。
3.本発明による方法の第1の実施形態の例
ここで、患者の血液を運搬する伝導動脈の壁の局所硬化指数Iraを測定する方法について、特に図4を参照して説明する。
こうした方法は、放射電極及び受信電極の2つの対2、3及び2’、3’を、硬化度を求めることがが望まれる動脈の軸に対して平行な軸を形成するように、かつ上記動脈が内部に位置する空間を画定するように、患者の上で位置決めすることにある。
図1は、大動脈を検査するための、胸郭の上の電極2、3、2’、3’の位置を示す。電極2’及び3’は、首の付け根の同じ側に重なることなく上下に配置されており、電極2及び3は、胸骨の下方に、重なることなく上下に配置されている。
図2は、大腿動脈を検査するための、大腿部の上のこれら電極の例示的な位置を示す。これら電極の位置決めを、当然ながら、硬化度を調査することが望まれる伝導動脈を含む可能性が高い他の解剖学的領域を覆うように変更することができる。
さらに、取得される信号が検査される伝導動脈における血流を表すならば、本発明を、人間及び動物の両方で実施することができる。
心電図電極5が、患者の適所に、たとえば胸郭の上にさらに置かれる。
電極2、3、2’、3’及び5はすべて、可変誘導器1に接続され、可変誘導器1は、
−強度が低く(約3mA)かつ調整可能な高周波数(約75kHz)の電流が、放射電極2、2’と受信電極3、3’との間に配置される動脈セグメントに流れる体積(V)の血液に注入されること、
−上記体積の血液におけるインピーダンス変動(ΔZ)の測定41、及びインピーダンス変動(ΔZ)の逆数を表す信号の取得(図3b)、
−患者の心電図(ECG)信号の取得(図3a)
を可能にする。
本技法が非侵襲性であるため、可変誘導器1の使用には、患者に対していかなる不愉快な制約も伴わず(圧迫なし、運動制限なし)、使用に関するいかなる危険もないことに留意されたい。
可変誘導器1によって出力される信号は、
−検査される動脈のセグメントの硬化に関係するそれぞれ抵抗特性及び容量特性を表す第1の中間指数(RP)及び第2の中間指数(PCPA)を求めること(42)、
−上記第1の中間指数(RP)及び上記第2の中間指数(PCPA)に基づいて、動脈の壁の局所的な硬化度を表す指数(Ira)を求めること(43)
を目的として、コンピューター6等の計算手段に送信される。
この実施形態では、可変誘導器1によって出力される信号に基づいて、コンピューター6は、
−心拍の収縮期中の動脈セグメントから下流の末梢抵抗を表す第1の中間指数(RP)が求められ(421)、
−心拍の収縮期中に動脈の変形による力学的エネルギーを蓄積して心拍の拡張期中にその力学的エネルギーを元に戻す動脈の容量を表す第2の中間指数(PCPA)が求められる(422)
ことを可能にする。
特に、コンピューター6は、指数(Ira)、(RP)及び(PCPA)を求める目的で以下の3つの信号を処理する。
−患者の心電図(ECG)信号(図3a)、
−電極の対の間に位置する動脈の部分を流れる体積(V)の血液におけるインピーダンス変動の逆数を表す信号(図3b)、
−インピーダンス変動の逆数の導関数を表す信号(図3c)。
計算手段6は、式
Figure 2012512679
に従って前記中間指数(PCPA)を求め、
式中、
Figure 2012512679
であり、
は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
のベースの出現時点を表し、
は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
の最大値の出現時点を表し、
は、前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
と、曲線
Figure 2012512679
の時点tにおける点を通るx軸に平行な直線との交点の出現時点を表す。
前記計算手段6は、式
Figure 2012512679
に従って、前記中間指数(RP)を求め、
Kは、前記電気インピーダンス変動(ΔZ)を測定するように実装された手段に依存する定数である。
定数Kは、さまざまな患者において
−参照として取り上げた従来技術の技法を実施することにより、かつ
−本発明による技法を実施することにより、
動脈の壁の複数の硬化度測定を行うことによって得られる。
そして、定数Kの値は、本発明による技法により、従来技術によって得られた値と等価である硬化度値が得られるように調整される。たとえば、上記定数Kは5,000に等しくてもよい。
計算手段6は、最後に、以下の式に従って、以前に計算された中間指数(PCPA)及び(RP)に基づいて指数(Ira)を求める。
Figure 2012512679
そして、指数(Ira)、(PCPA)及び(RP)の値を、分析可能であることを目的として表示手段7に表示することができる(44)。
代替態様では、上記表示手段7を、仮想プラットフォーム内に組み込んでもよく、値を、計算手段によりリモートに、又は可変誘導器により直接送信し、それによって測定が行われる場所から遠隔の場所で結果を分析することができるようにすることもできる。
パラメーター(Ira)、(PCPA)及び(RP)は、一つの心拍に対して計算される。したがって、可変誘導器1は、心電図(ECG)信号と、電極の対の間に位置する動脈の部分の内側を流れる体積(V)の血液において測定されるインピーダンス信号との同期を可能にする同期手段4を有している。
可変誘導器1又は計算手段6は、指数(Ira)、(PCPA)及び(RP)の値を取得することを目的として、心電図信号を分析することにより、心拍(R)の発生が検出され、したがって計算手段6の起動がトリガされるのを可能にする手段をさらに有している。
この実施形態の代替態様では、指数(Ira)、(PCPA)及び(RP)は、連続的な心拍(R)に対して生成される曲線の平均に対応することができる。これにより、結果の精度を向上させることができる。
大動脈に対して計算された指数(Ira)は、いわゆる基準圧力測定技法によって測定される脈波の伝搬速度に非常に相関することが観察された。
本発明の実施態様により、動脈セグメントの壁の局所硬化指数(Ira)のみでなく、2つの他の中間指数(RP)及び(PCPA)もまた提供することができ、それらは、動脈壁の硬化に関与する特性を特定する目的で、かついかなる操作者の処理手続きもなく、伝導動脈のすべてに適用可能な、非侵襲性の単純で高速で直接的な方法で、診断を支援することができる。
大動脈壁の局所硬化指数は、指数(Ira)によって提供され、動脈の硬化度に関与する抵抗成分及び容量成分の相対的な重要性を、当業者により、中間指数(RP)及び(PCPA)を解釈することによって定量化し評価することができる。
したがって、中間指数(RP)及び(PCPA)の値を、以下のように、動脈の状態を示し、かつ本明細書では単に例示の目的で述べる、さまざまなクラスに指標付けすることができることが実験的に観察された。
50%を下回る(RP)及び5%を上回る(PCPA)は、低末梢抵抗及び高大動脈弾性を示し、
50%を下回る(RP)及び−5%を下回る(PCPA)は、低末梢抵抗及び低大動脈弾性を示し、
50%を上回る(RP)及び−5%を下回る(PCPA)は、高末梢抵抗及び低大動脈弾性を示し、
50%を上回る(RP)及び5%を上回る(PCPA)は、高末梢抵抗及び高大動脈弾性を示す。
このように得られた結果を考慮することにより、動脈のセグメントの硬化度全体のより正確な臨床像を有し、その原因にあるさまざまな特性の重要性を知ることが可能である。そして、患者の動脈の硬化に関係する特性の各々に向けられた治療を患者に施すことにより、患者をより有効に治療することができる。
本発明による技法の実施態様により、任意の所与の瞬間に任意の伝導動脈の硬化度を求めることができる。連続した測定によってその展開を追うことも可能である。たとえば、患者の動脈の硬化度に対し、薬物療法を施すこと、内的な若しくは外的な理学的治療又は他の任意の手術を行うことの効果を評価することも可能とすることができる。
本発明を、薬剤となる可能性のある新たな分子を開発する「スクリーニング」タイプの試験として実施することも可能である。
本発明を、人間及び動物の両方において実施することができる。
4.本発明による方法を実施する機器の第2の実施形態の例
第2の実施形態による機器は、収縮期における動脈圧PASを測定する手段と、拡張期における動脈圧PADを測定する手段と、平均動脈圧PAMを計算する手段とをさらに含むためという点で、第1の実施形態の機器と区別される。コンピューター6を含む、指数を求める手段は、以下により詳細に説明するように、種々の計算式を実行するようにプログラムされる。
5.本発明による方法の第2の実施形態の例
この第2の実施形態は、収縮期における動脈圧PASを測定するステップと、拡張期における動脈圧PADを測定するステップと、平均動脈圧PAMを計算するステップとを含むという点で、第1の実施形態と異なる。
さらに、可変誘導器1によって出力される信号に基づいて、コンピューター6が、
−心拍の収縮期中の動脈セグメントの局所抵抗を表す第1の中間指数(PR)が求められ(421)、
−動脈の伸展性を表す第2の中間指数(ID)が求められる(422)
ことを可能にするという点でも異なる。
特に、コンピューター6は、指数(Ira)、(RP)及び(ID)を求めることを目的として、以下の3つの信号を処理する。
−患者の心電図(ECG)信号(図3a)、
−電極の対の間に位置する動脈の部分に流れる体積(V)の血液におけるインピーダンス変動の逆数を表す信号(図3b)、
−インピーダンス変動の逆数の導関数を表す信号(図3c)。
動脈のセグメントを流れる血液のインピーダンス変動又はインピーダンス変動の逆数の導関数を、検査される伝導動脈の内側を流れる運動エネルギーの測定値と比較することができる。
収縮期の開始中、セグメントを流れている血液は、第1の運動エネルギーEC1を有し、動脈は力学的エネルギーEM1を蓄積する。収縮期の終了中、セグメントを流れている血液は第2の運動エネルギーEC2を有し、動脈は力学的エネルギーEM2を蓄積する。拡張期中、動脈は、力学的エネルギーEM1及びEM2の和に等しい総力学的エネルギーを元に戻す。
第1の中間指数(RP)は以下のように書かれる。
Figure 2012512679
第1の運動エネルギーEC1はIに等しい。第2の運動エネルギーEC2はJに等しい。したがって、それらから、以下が推定される。
Figure 2012512679
計算手段6は、式
Figure 2012512679
に従って前記第1の中間指数(RP)を求め、
式中、
Figure 2012512679
及び
Figure 2012512679
であり、
は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
のベースの出現時点を表し、
は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
の最大値の出現時点を表し、
は、前記インピーダンス変動の導関数
Figure 2012512679
と、曲線
Figure 2012512679
の時刻tにおける点を通るx軸に平行な直線との交点の出現時点を表す。
前記第2の中間指数(ID)は、以下のように書き換えられる。
Figure 2012512679
前記計算手段6は、式
Figure 2012512679
に従って、前記第2の中間指数(ID)を求める。
計算手段6は、最後に、以下の式に従って、以前に計算された第1の中間指数(RP)及び第2の中間指数(ID)に基づいて指数(Ira)を求める。
Figure 2012512679
大動脈壁の局所硬化指数は、指数(Ira)によって提供され、動脈の硬化度に関与する抵抗成分及び容量成分の相対的な重要性を、当業者により、中間指数(RP)及び(PCPA)を解釈することによって定量化し評価することができる。
したがって、中間指数(RP)及び(ID)の値を、以下のように、動脈の状態を示し、かつ本明細書では単に例示の目的で述べる、さまざまなクラスに指標付けすることができることが実験的に観察された。
5を下回る(RP)及び20を上回る(ID)は、低局所抵抗及び高大動脈伸展性を示し、
5を下回る(RP)及び5を下回る(ID)は、低局所抵抗及び低大動脈伸展性を示し、
20を上回る(RP)及び5を下回る(ID)は、高局所抵抗及び低大動脈伸展性を示し、
20を上回る(RP)及び20を上回る(ID)は、高局所抵抗及び高大動脈伸展性を示す。

Claims (24)

  1. 患者の血液を運搬する伝導動脈の壁の局所硬化指数(Ira)を測定する方法であって、少なくとも、
    単一の測定箇所で、前記動脈のセグメントに流れる体積(V)の血液の電気インピーダンス変動(ΔZ)を測定するステップと、
    前記壁の硬化に関係する抵抗特性を表す第1の中間指数(RP、RP)と、前記壁の硬化に関係する容量特性を表す第2の中間指数(PCPA、ID)とを求めるステップであって、前記第1の中間指数(RP、RP)及び前記第2の中間指数(PCPA、ID)は、前記電気インピーダンス変動(ΔZ)の測定から得られる、求めるステップと、
    前記第1の中間指数(RP、RP)及び前記第2の中間指数(PCPA、ID)に基づいて前記局所硬化指数(Ira)を求めるステップと、
    を含むことを特徴とする、方法。
  2. 前記第1の(RP)は、心拍の収縮期中の前記セグメントから下流の末梢抵抗を表す指数であり、前記第2の中間指数(PCPA)は、前記心拍の前記収縮期中に前記動脈の変形による力学的エネルギーを蓄積して前記心拍の拡張期中に該力学的エネルギーを元に戻す前記動脈の容量を表す指数であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記局所硬化指数(Ira)を求める前記ステップは、式
    Figure 2012512679
    に従って計算するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。

  4. Figure 2012512679
    に従って前記第2の中間指数(PCPA)を計算するステップであって、
    式中、
    Figure 2012512679
    及び
    Figure 2012512679
    であり、
    は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
    Figure 2012512679
    のベースの出現時点を表し、
    は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
    Figure 2012512679
    の最大値の出現時点を表し、
    は、前記インピーダンス変動の導関数
    Figure 2012512679
    と、曲線
    Figure 2012512679
    の時点tにおける点を通るx軸に平行な直線との交点の出現時点を表す、計算するステップを含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。

  5. Figure 2012512679
    に従って、前記第1の中間指数(RP)を計算するステップであって、
    Kは、前記電気インピーダンス変動(ΔZ)を測定する前記ステップを実行するように実装された手段に依存する定数である、計算するステップを含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第1の中間指数は、心拍の収縮期中の前記セグメントの局所抵抗を表す指数(RP)であり、前記第2の中間指数は、前記心拍の前記収縮期中の前記動脈の伸展性を表す指数(ID)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 前記収縮期における動脈圧(PAS)及び拡張期における動脈圧(PAD)を測定し、平均動脈圧(PAM)を計算するステップを含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記局所硬化指数(Ira)を求める前記ステップは、式
    Figure 2012512679
    に従って計算するステップを含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。

  9. Figure 2012512679
    に従って前記第1の中間指数(RP)を計算するステップであって、
    式中、
    Figure 2012512679
    及び
    Figure 2012512679
    であり、
    は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
    Figure 2012512679
    のベースの出現時点を表し、
    は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
    Figure 2012512679
    の最大値の出現時点を表し、
    は、前記インピーダンス変動の導関数
    Figure 2012512679
    と、曲線
    Figure 2012512679
    の時点tにおける点を通るx軸に平行な直線との交点の出現時点を表す、計算するステップを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。

  10. Figure 2012512679
    に従って、前記第2の中間指数(ID)を計算するステップを含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  11. 前記患者から心電図(ECG)信号を取得するステップと、該心電図(ECG)信号及び前記インピーダンス変動(ΔZ)を同期させるステップとを含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記第1の中間指数(RP、RP)及び前記第2の中間指数(PCPA、ID)を求める複数のステップと、
    前記第1の中間指数(RP、RP)及び前記第2の中間指数(PCPA、ID)に基づいて前記局所硬化指数(Ira)を求める複数のステップと、
    を含み、
    前記複数の求めるステップは連続的な心拍(R)中に行われ、前記方法は、前記心拍(R)中の前記指数(Ira、RP、RP、PCPA、ID)の各々の平均を計算するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 単一の測定箇所において、前記動脈のセグメントに流れる体積(V)の血液の前記電気インピーダンス変動(ΔZ)を測定する複数のステップを含み、前記測定の各々は異なる心拍(R)で行われ、前記方法は、前記心拍における平均インピーダンス変動を求めるステップと、前記平均に基づいて前記第1の中間指数(RP、RP)及び前記第2の中間指数(PCPA、ID)を求めるステップとをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記伝導動脈の前記壁の前記局所硬化指数(Ira)を表示するステップと、前記第1の中間指数(RP、RP)及び前記第2の中間指数(PCPA、ID)を表示するステップとを含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の、患者の血液運搬伝導動脈の壁の局所硬化指数(Ira)を求める方法を実施する機器であって、
    単一の測定箇所において、前記動脈のセグメントに流れる体積(V)の血液の電気インピーダンス変動(ΔZ)を測定する手段と、
    前記壁の硬化に関係する抵抗特性を表す第1の中間指数(RP、RP)と、前記壁の硬化に関係する容量特性を表す第2の中間指数(PCPA、ID)とを求める手段と、
    前記第1の中間指数(RP、RP)及び第2の中間指数(PCPA、ID)に基づいて前記局所硬化指数(Ira)を求める手段と、
    を具備することを特徴とする、機器。
  16. 前記第1の中間指数(RP)を求める手段は、心拍の収縮期中の前記セグメントから下流の末梢抵抗を表す指数を求める手段を含み、前記第2の中間指数(PCPA)を求める手段は、前記心拍の前記収縮期の間に前記動脈の変形による力学的エネルギーを蓄積して前記心拍の拡張期中に該力学的エネルギーを元に戻す前記動脈の容量を表す指数を求める手段を含むことを特徴とする、請求項15に記載の機器。
  17. 以下の式
    Figure 2012512679
    に従って前記局所硬化指数(Ira)を計算する手段を具備することを特徴とする、請求項16に記載の機器。
  18. 前記第2の中間指数(PCPA)を計算する前記手段は、式
    Figure 2012512679
    に従って計算する手段であって、
    式中、
    Figure 2012512679
    及び
    Figure 2012512679
    であり、
    は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
    Figure 2012512679
    のベースの出現時点を表し、
    は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
    Figure 2012512679
    の最大値の出現時点を表し、
    は、前記インピーダンス変動の導関数
    Figure 2012512679
    と、曲線
    Figure 2012512679
    の時点tにおける点を通るx軸に平行な直線との交点の出現時点を表す、計算する手段を含むことを特徴とする、請求項17に記載の機器。
  19. 前記第1の中間指数(RP)を計算する前記手段は、式
    Figure 2012512679
    に従って計算する手段であって、
    Kは、前記電気インピーダンス変動(ΔZ)を測定する前記ステップを実行するように実装された手段に依存する定数である、計算する手段を含むことを特徴とする、請求項18に記載の機器。
  20. 前記第1の中間指数(RP)を求める前記手段は、心拍の収縮期中の前記セグメントの局所抵抗を表す指数を求める手段を含み、前記第2の中間指数を求める前記手段は、前記心拍の前記収縮期中の前記動脈の伸展性を表す指数(ID)を求める手段を含むことを特徴とする、請求項15に記載の機器。

  21. Figure 2012512679
    に従って前記局所硬化指数(Ira)を計算する手段を具備することを特徴とする、請求項20に記載の機器。
  22. 前記第1の中間指数(RP)を計算する前記手段は、式
    Figure 2012512679
    に従って計算する手段であって、
    式中、
    Figure 2012512679
    及び
    Figure 2012512679
    であり、
    は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
    Figure 2012512679
    のベースの出現時点を表し、
    は、前記収縮期の開始からの前記インピーダンス変動の導関数
    Figure 2012512679
    の最大値の出現時点を表し、
    は、前記インピーダンス変動の導関数
    Figure 2012512679
    と、曲線
    Figure 2012512679
    の時点tにおける点を通るx軸に平行な直線との交点の出現時点を表す、計算する手段を含むことを特徴とする、請求項21に記載の機器。
  23. 前記第2の中間指数(ID)を計算する前記手段は、式
    Figure 2012512679
    に従って計算する手段を含むことを特徴とする、請求項22に記載の機器。
  24. 前記患者から心電図(ECG)信号を取得する手段と、該心電図(ECG)に現れる心拍Rの各々を検出する手段と、少なくとも1つの前記心拍(R)の前記検出に続いて前記指数を求める前記手段を起動する手段とを具備することを特徴とする、請求項15〜23のいずれか一項に記載の機器。
JP2011541491A 2008-12-19 2009-12-18 伝導動脈の壁の局所硬化指数を測定する方法及び対応する機器 Active JP5727380B2 (ja)

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