JP2012512579A - 無線通信ネットワークを自己構築するセル - Google Patents

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Abstract

DECTベースなどのTDMAネットワークで複数のセルと無線通信を行うように構成されたセルを提供する。セルは、選択アルゴリズムを実行するプロセッサを具備する。選択アルゴリズムは、少なくとも2つのセルから受信した無線信号に基づいて基準セルを選択する。さらに、セルは、基準セルから時間同期情報を含む第1無線信号を受信する無線受信部と、自身の時間同期情報を第2無線信号として送信する無線送信部とを具備する。選択アルゴリズムは、複数のセル候補から受信した転送リンク品質測定値及びセル経路情報に基づいて動作する。好適には、セルはセル経路情報を自発送信する。好適には、セルは乱数を生成して自身のセル識別コードとして送信する。本セルからなるネットワークは自己構築機能を有し、手動作業を必要としない。各セルが新たなトポロジに自動的に適応し、最適な基準セルを選択して同期するので、ネットワークトポロジの変化を許容する。

Description

本発明は、無線通信ネットワークの分野に関し、例えば、無線周波数(RF)遠隔通信ネットワークなど、複数のセル間の時間同期を必要とする時分割多元接続(TDMA)ベースの遠隔通信ネットワークの分野に関する。より詳細には、本発明は、自己構築機能を有したセル及びそのような機能を有した複数のセルからなるネットワークを提供する。
広いエリアに無線通信データ有効範囲を提供するために、複数のセル(ノードとも称される)を備えたDECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunication)を設置する際、無線中継局(Wireless Relay Station,WRS)、すなわち、リピータ、又は、RFP(Radio Fixed Part)セル、すなわち、基地局が用いられる。WRSセルは、基地局に無線接続され、基地局は、外部通信の送受信を行うように接続される。一方、RFPセルは、バックボーン有線ネットワークを介して接続がなされる。DECTネットワークにおいては、移動端末が複数のセル間でのローミング及びハンドオーバを行えるように、そのような複数のセルを時間的に同期させる必要がある。また、より高度なシステム機能を実現するために、上記複数のセルを完全に同期させることが望ましい。
バックボーンネットワークへの接続による特別な同期動作を避けるために、WRSセルに対しては、オーバーエア(無線)同期を行う必要があり、かつRFPセルに対しては、オーバーエア同期を行うことが望ましい。オーバーエア同期化ネットワークを形成するためには、適切なネットワークトポロジを構築するようにすべてのセルを設定する必要がある。WRSセルでは、同期経路は、基地局へ戻る二重通信経路と同一であり、これは、バックボーンネットワークへの接続機能を有したREFセルに等しい。例えば、タイミング基準基地局などのマスターセルからの同期情報は、複数のセルからなる複数のセル経路を介して中継され、スター又はチェインパターンで地理的に分散配置される。ネットワーク内の各セルは、ネットワーク内の他のいずれかのセルの情報を要求し、基準セルとみなす。すなわち、どのセルに同期するべきかの判断を行う。多くの場合、いくつかの他のセルが基準セルの候補となり、次いで、最良のネットワーク性能が得られるように、最適な1つのセルを選択する必要がある。
多数のセルを有した大規模システムでは、厄介な手動プロセスによってネットワークトポロジを構成することがあり、それには、当業者による専用ツールを使用した作業が必要となる。すべてのセルには、同期の際に基準セルとみなされるセルの情報が提供されなければならず、このようなプロセスは、複数のセル間で信頼のおける同期動作を行うようにネットワークを設定するために、典型的に、相当量の測定及び判断を要する。また、ネットワークトポロジが変化した場合には、当業者による手動作業が必要となる。
複数のセルからなるネットワークが地理的に固定されている場合は、手動設定は許容の範囲内にある。しかしながら、多くの用途では、複数のセルのうちのいくつかのセルが物理的に移動している場合やネットワーク内の複数のセルのうちのいくつかのセル間で無線転送プロパティが変化する場合など、複雑な手動再設定が必要となる問題が生じる。
したがって、上記例示の通り、本発明の目的は、ネットワーク内に分散配置された複数のセルの実際のトポロジに適合するように、自身を設定する機能を有したセル及びそのような機能を有した複数のセルからなるネットワークを提供することにある。
第1態様によれば、本発明は、請求項1に記載された、他の複数のセルとの間で無線通信を行うように構成されたセルを提供する。上記セルは、選択アルゴリズムを実行するように構成されたプロセッサを具備する。選択アルゴリズムは、複数のセルのうちの少なくとも2つのセルから受信した無線信号に基づいて、他の複数のセルのうちから基準セルを選択するように構成される。
「基準セル」とは、他の複数のセルのうち、同期対象として選択された1つのセルを指す。例えば、セルは、リピータセル(中継セル)である場合、基準セルから受信した時間同期情報を計算に入れ、同期化された手法で基準セルから通信データを受信する。第1態様によるセルは、2つ以上の他のセルから受信した無線信号に基づいて、他の複数のセルのうちのいずれかのセルを選択して基準セルに決定するように構成されているので、設定中のいかなる手動作業も必要としない。故に、セルは、ネットワーク内で使用される際の基準セルの自動的な選択に適する。その結果、そのようなセルからなるネットワークは、複数のセルの物理的位置によって与えられる最適なスター−チェーントポロジとして、自己組織化の機能を有するようになる。これにより、同期及び通信経路の手動設定を必要とすることなく、セルを設置可能となる。設置のために当業者は必要とされず、特別な知識を有さない消費者であっても、複数のセルを備えた無線ネットワークを構築できる。さらに、ネットワークセルには、キーボード及び/又はディスプレイなどのユーザインタフェースが必要なく、したがって、セルをよりシンプルなものとすることができ、低いコストで製品化可能となる。
選択は他の複数のセルからの無線信号の受信に基づいて行われるので、基準セルとして選択されたセルとの間で正確な無線通信が実現されることが保証され、故に、基準セルへの無線通信リンクは、基準セルからの無線通信データの受信も確実となるように検証がなされる。このようなことは、複数のセルからなるネットワークが実際に通常動作状態となるまでは、基準セルの手動選択の後に転送経路が変化してしまうので、基準セルの手動設定では確実とならない。故に、第1態様によるセルは、例えば、リピータセルが移動する場合のネットワーク内のセルに、又は、少なくともセル間の無線転送プロパティが動的に変化する場合のネットワークに適する。選択アルゴリズムの連続的な繰り返しによって、セルは、選択アルゴリズムを連続的に又は定期的な時間間隔で繰り返し実行して、現在選択されている基準セルが同期対象として最も信頼できる基準セルであることを保証することができる。突如として、別のセルが同期基準としてより信頼できることが分かったとしても、セルは、この別のセルを基準セルとして選択することができる。このようにして、セルは、ネットワークトポロジが動的に変化する動作状況下であっても、選択した基準セルが同期対象として信頼できることを常に保証できる。故に、セルは、セルの移動、セルの再配置、及び/又は、セルの追加に自動的に適応するネットワークに適する。
故に、セルは、無線RFネットワーク、例えば、DECTネットワークなどのTDMAベースネットワークにおけるリピータセル又は基地局セルとして、より適する。そのようなネットワークのすべてのセルが第1態様で定義されたような性質を有している場合、ネットワークを構成するすべてのセルに対する基準セルのいかなる手動選択も行うことなく、ネットワーク全体を自己設定できる。以下、第1態様によるセル態様を記載する。
好ましくは、セルは、自立型のユニットである。すなわち、好ましくは、セルは、無線受信部、無線送信部、プロセッサ、及びセル内に存在し得るその他の追加的な電力消費回路を駆動するために必要な電力を提供するための電力供給部又は電力源を具備する。
選択アルゴリズムは、他の複数のセルのうちの少なくとも2つのセルから、無線形式で又は有線バックボーンネットワークを介して、収集されたセル経路情報に基づいて基準セルを選択するように構成される。セルの「セル経路情報」とは、タイミング基準基地局と上記セルとの間の経路に関する情報である。そのようなセル経路情報は、他の複数のセルから入手でき、セルは、基準セルの候補となるセルの同期経路又は同期リンクを考慮して、基準セルを選択する。それにより、同期化に最も信頼のおける候補が選択される。特に、セル経路情報は、1)現在選択されている基準セルに関係する各セルの経路の物理的強度と、2)現在選択されている基準セルに自身の経路が関係するセルの数と、3)選択されている基準セルの転送リンク品質値と、4)将来の基準セルとして選択可能なセルの提示と、5)現在選択されている基準セルに自身の経路が関係するセルのセル識別子のリストとのうちの少なくとも1つを表すデータを含んでよい。そのような情報のすべては、潜在的基準セルについて、セルの信頼性の判断に使用される。物理的強度又は同期ホップ数は、同期について、すなわち、基準セルとしてのセルの価値についてのセルの信頼性を示す。セルが自発的に別の基準セルを選択すること、及び、セルの同期経路にセルのセル識別子(ID)が含まれることにより、望ましくない同期ループが生じる基準セルを選択することを回避する助けとなる。
セルは、自身と選択された又は候補となった基準セルとの間の通信経路に対してラウンドトリップ遅延(往復経路遅延)測定を実行するように構成される。任意選択で、セルは、複数のセル間で正確な同期が実現されるように、セル間の伝搬遅延(これは、ラウンドトリップ遅延の2分の1に等しい)に対する補償を行う。
また、選択アルゴリズムは、自セルと少なくとも2つの他のセルとの間の無線リンクで実行した転送リンク品質測定の結果、例えば、信号強度、受信タイミングジッタ、ビットエラーレート、フレームエラーレート、ラウンドトリップ遅延、複数のアンテナで受信した複数の信号の比較に基づいて基準セルを選択する。転送リンク品質測定は、セル自身で、及び/又は、現在選択されている若しくは候補である基準セルで行われ、測定結果は、自セルに報告される。セルは、自身に実行されたリンク品質測定からの結果と、基準又は候補セルからのリンク品質測定結果とを組み合わせるように構成されてよい。そのような転送リンク品質測定値を計算に入れることにより、他のセルとの間の実際の無線通信リンクが基準セルの選択の際に考慮され、動的な無線転送状況下であっても、ネットワークの信頼性を保つことができる。好ましくは、転送リンク品質測定は、物理的測定の結果の数値表現を与える。
選択アルゴリズムは、少なくとも2つの他のセルへの無線リンクでの転送リンク品質測定の結果と、少なくとも2つの他のセルから収集したセル経路情報との組み合わせに基づいて、基準セルを選択する。その結果、選択アルゴリズムは、多数の情報要素及び測定値を計算に入れ、インテリジェントな選択として基準セル選択を提供できる。特に、選択アルゴリズムは、転送リンク品質測定の結果とセル経路情報とに所定の重み付け関数を適用して算出した品質値に基づいて、基準セルを選択する。このようにして生じる計算は、基準セル選択が多数のパラメータに基づくものであるにもかかわらず、限定されたものとなる。より詳細には、選択アルゴリズムは、上記品質値と共に、同期ループを確立する可能性の評価値に基づいて、基準セルを選択する。その結果、例えば、特定のセル識別コード及び新たな基準セルの選択プロセス下にあるセルについての情報を考慮することで、同期ループの生成の可能性を低下させることができる。
セルは、他の複数のセルからの無線信号に対するスキャンを行うように、例えば、他の複数のセルからの無線信号の複数のキャリアをスキャンするように構成されてよい。特に、セルは、そのようなスキャンを空きタイムスロットで実行してもよい。他の複数のセルからそのような無線信号を受信したとき、セルは、受信した無線信号に基づいて、かつ現在選択されている基準セルから受信した無線信号に基づいて、新たな基準セルを選択するために、選択アルゴリズムを適用してもよい。特に、選択アルゴリズムは、収集したセル経路情報及びセル毎に実行した転送リンク品質測定に基づいて算出した品質パラメータと、現在選択されている基準セルに対して算出した対応する品質パラメータとに基づく。その結果、セルは、新たなセルがより良い品質パラメータを示す場合に、当該セルを基準セルに選択できる。
好ましくは、セルは、無線信号によって示される、タイミング基準基地局と自身との間の経路に関する情報を含むセル経路情報を、例えば、規則的な時間間隔で、送信するように構成されてよい。セルは、有線バックボーンネットワークを介してセル経路情報を送信するように構成されてもよい。その結果、情報を受信する他のセルは、基準セルの選択にそのようなセル経路情報を使用できる。特に、セルは、基準セルから受信した情報、例えば、基準セルから受信したセル経路情報に基づく情報を有する。さらに又はあるいは、セル経路情報は、セルと基準セルとの間の無線リンクに対して実行される転送リンク品質測定の結果を表すデータを含んでよい。さらに、セルと1つ以上の他のセルとの間の複数の無線リンクに対して実行される転送リンク品質測定の結果を表すデータが、セル経路情報に含まれてもよい。そのようなセル経路情報を送信することで、セルは、他のセルが潜在的な基準セル候補として自身を評価する可能性を高める。
セルは、自身を識別するために、ランダムな数字として識別コードを選択し、無線信号で表された識別コードを送信するように構成される。通常、ネットワーク構成するセルは、人為的に識別コードを割り当てられるが、そのようなセル識別子はセル自身によってランダムな手法によって選択されるので、本セルは、自己構築ネットワークに適したものとなる。好ましくは、セルは、追加的なデータと共に、例えば、通信データ及び/又はセル経路情報と共に、無線形式で識別コードを送信するように構成される。また、好ましくは、セルは、他の複数のセルから無線信号を受信し、該無線信号の示す識別コードと自身の選択した識別コードとを比較するように構成されてよい。他のセルから受信した識別コードと自身の選択した識別コードとが一致した場合、好ましくは、セルは、ランダムな数字として識別コードを選択し、無線信号で表されたこの新たな識別コードを送信するプロセスを再度実行するように構成される。その結果、複数のセルからなるネットワークは、そのうちの2つのセルがランダムに選択した同一の識別コードを有する状態を解消できる。セルは、自身の識別コードが他のセルによって選択されたものでなくなるまで、新たなランダムな識別コードの選択を単純に繰り返す。
一態様では、セルは、基準セルから通信データを含む無線信号を受信し、基準セルの時間同期情報に従って、基準セルからの上記無線信号と同期を取るように構成される。特に、セルは、通信データを含む無線信号を送信するように、すなわち、リピータセルとして動作するように構成される。あるいは、セルは、基地局セルとして動作し、無線通信ネットワークとバックボーン通信ネットワークとの間の通信データインタフェースを提供するとともに、無線信号を介して他のセルとの同期を取るように構成される。
好適な態様では、セルは、他の複数のセルとの間で無線RF(Radio Frequency)通信を行うように構成され、この場合、第1及び第2無線信号は、無線RF信号となる。さらに、当然ながら、先に記載した態様において、すべての無線信号がRF無線形式で送受信されてもよい。特に、セルは、他の複数のセルとのDECT通信を行うように構成されるセルであってよい。別の態様では、セルは、他の複数のセルとの間で、光又は音響通信を行うように構成される。すなわち、第1及び第2無線信号は、光又は音響信号となる。
第2態様では、本発明は、第1態様によるセルを具備した装置を提供する。上記装置は、特に、リピータと、基地局装置と、ユーザ端末とのうちの1つとなる。リピータは、基準セルから無線通信データを受信して、同一の通信データを無線形式で送信する機能と、無線通信データを受信して、同一の通信データを無線形式で基準セルに送信する機能とを有したセルである。基地局は、タイミング基準基地局又はスレーブ基地局のいずれかである。基地局は、有線バックボーンネットワークを介して通信データをやりとりしてよい。ユーザ端末は、ユーザインタフェースを備えた終端端末、例えば、コードレス電話機や携帯電話機などの移動端末である。
第3態様では、本発明は、それぞれが第1態様によるセルである複数のセルからなる通信ネットワークを提供する。一態様において、そのようなネットワークは、基地局セルである少なくとも1つのセルと、リピータセルである少なくとも1つのセルとを含む。別の態様では、上記ネットワークは、それぞれが基地局セルである複数のセルを含む。さらに別の態様では、上記通信ネットワークは、それぞれがリピータセルである複数のセルを含む。特別な態様では、上記ネットワークは、タイミング基準基地局である1つのセルと、それぞれがリピータセルである複数のセルと、それぞれがユーザインタフェースを備えたユーザ端末である1つ以上のセルとを含む。そのようなネットワークでは、タイミング基準基地局から送信された通信データは、1つ以上のリピータを介してユーザ端末に中継される。特に、上記ネットワークは、時分割多元接続(TDMA)ベースのネットワークであってよく、例えば、高機能デジタルコードレス電話(DECT)ネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、WiMAXネットワーク、GSM(Global System for Mobile)通信ネットワーク、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワーク、LTE(Long Term Evolution)ネットワーク、Wi−Fiネットワーク、又はZigbeeネットワークである。
第1態様を対象として記載したあらゆる利点は、当然ながら、第2及び第3の態様にも当てはまる。さらに、第1態様に関連して記載したあらゆる副次的態様は、第2及び/又は第3の態様にも組み合わせることができる。
タイミング基準基地局から時間同期化リピータセルを介して終端端末へ続く、通信ネットワークトポロジ通信経路を示す図である。 他の複数のセルと無線通信を行い、他の複数のセルから受信したRF信号に基づいてタイミング基準セルを自動的に選択するように構成されたセルの一実施形態を示す図である。 いくつかの他のセルがタイミング基準セルの候補である場合のネットワークトポロジ内のセルの一例を示す図である。 基準セルを自動的に選択するように構成されたセルの全機能ダイヤグラムの一例を示す図である。 基準セルの候補となる他の複数のセルから送信される無線信号をスキャンするように構成されたセルの機能ダイヤグラムの一例を示す図である。 基準セルとしてどのセルを選択するのかの判断根拠となる、他の複数のセルからの好適な無線情報を示す図である。 TDMAネットワークにおけるタイムスロットの使用法の一例を示す図である。
これより、添付の各図面に示された実施形態を参照して、本発明をより詳細に説明する。
図1は、タイミング基準基地局BSと複数のリピータセルC1,C2,C3,C4,C5,C6との間の無線通信により、矢印で示した経路で時間同期化がなされる通信ネットワークのトポロジを示す。ユーザ端末UTは、基地局BSから複数のリピータセルC1,C3,C5,C6を介した、通信データの最終的な宛先を形成する。各セルC1〜C6は、時間的同期のために基準セルとして選択される。図1に示した例では、セルC1は、タイミング基準基地局BSを基準セルとみなし、セルC3は、セルC1を基準セルとみなし、セルC5は、セルC3を基準セルとみなし、最終的に、ユーザ端末UTは、セルC6を基準セルとみなしている。すべてのセルBS,C1〜C6は、他のセルが自身から受信した通信データに時間同期できるように、同期コードを無線形式で送信する。
本発明によれば、各セルは、無線通信有効範囲内の他の複数のセルのうちのいすれかのセルを自動的に選択して、基準セルとして使用するように構成される。これに対し、従来のネットワークセルは、基準セルの手動選択を必要とする。さらに、従来のネットワークでは、各ネットワークセルは、ネットワーク内のすべてのセルを一意に識別するために、所定の手動設定された識別コードを有している。例えば、DECTネットワークでは、32又は37ビットからなるネットワーク識別コード、8又は3ビットからなるセル識別コード、及び、40ビットからなるネットワーク及びセル合同識別コードが用いられる。好適な実施形態では、複数のセルC1〜C6は、ランダムな数字のコードを選択することによって、自身のセル識別コードを自動的に選択する機能を有する。故に、セル識別コードの手動割り当て動作は省略される。あるセルが同一の識別コードを選択した別のセルから無線信号を受信した場合には、当該セルは、別のランダムな数字を好適に選択すればよい。
図2は、セルCの一実施形態の構成図である。セルは、RF受信部RFRと、RF送信部RFTと、プロセッサPとを具備する。プロセッサPは、他の複数のプロセッサのうち、他の複数のセルから受信した無線RF信号RF1−S1,RF3,RF4からの情報を考慮した上で、そのような情報に基づいて、他の複数のセルのうちの1つのセルを基準セルとして選択するように構成された選択アルゴリズムSAを実行する機能を有したプロセッサである。タイミング同期情報S1は、基準セルRCとして選択されたセルから、無線RF形式RF1−S1で受信する。次いで、セルCは、基準セルRCからRF形式で表現される通信を受信し、受信したタイミング同期情報S1を用いて基準セルRCからのRF信号の同期を行う。
セルCは、他のセルが自身からのRF信号に同期できるように、タイミング同期情報S2を含む第2RF信号RF2−S2を送信する。セルCは、リピータセルとして設定された場合、基準セルRCから受信した通信データを、RF送信部RFTを介して無線RF形式で送信する。
図3は、いくつかの他のセルC1,C2,C3がタイミング基準セルの候補である場合のネットワークトポロジ内のセルCの一例を示す。タイミング基準基地局BSは、同期情報Sを無線形式で送信する。無線通信有効範囲は、破線の円で示した通りであり、したがって、基地局BSから送信された無線信号がセルC1及びセルC2に到達することが見て取れる。セルC1からの無線信号は、セルC及びセルC3に到達する。よって、セルCは、複数のセルC1,C2,C3のすべてから無線信号を受信できる。現在のところ、セルC1が基準セルとして選択されているので、セルCは、セルC1からタイミング同期情報を受信している。しかしながら、スキャン中に、セルCによって別個の無線信号RFC2,RFC3が受信されると、次いで、セルCは、現在選択している基準セルC1をセルC2又はセルC3に置き換えるべきか否か、又は、セルC1を基準セルのままとするべきか否かを判断するために、選択アルゴリズムを実行する。セルCの選択アルゴリズムは、個々の無線信号RFC2,RFC3に対して実行された転送リンク品質測定値と、代替基準セル候補となる複数のセルC2,C3からのセル経路情報とに基づいて、基準セルを選択する。あるセルのセル経路情報からは、当該セルの同期経路についての情報が得られる。セル経路情報には、例えば、タイミング基準基地局BSとセル自身との間の同期経路にいくつのセルが存在するかという形式で、ホップカウント数が含まれる。そのようなセル経路情報は、基準セルの選択のための基準として、好ましくは、転送リンク品質の測定値と共に使用される。転送リンク品質の測定値には、例えば、セルへの無線接続の信号強度が含まれる。また、好ましくは、セルのセル識別コードは、受信セルが送信セルを識別できるように、すべての無線送信信号に含められる。
好ましくは、ネットワーク内のすべてのセルは、更新されたセル経路情報を、無線形式で又は有線バックボーンネットワークを介して送信する。それにより、定期的な時間間隔で、他のセルは、上記データを用いて、各セルの基準セル候補としての評価を行える。また、好ましくは、タイミング同期情報は、他のセルがあるセルを基準セルとして選択した場合に当該セルからの無線信号に同期できるように、すべてのセルから送信される。
図4は、セルの全機能の一例を示す。起動の後、セルは、例えば、いくつかのRFキャリアにおけるスキャンによって、ネットワーク内の他の複数のセルから受信する無線信号に対するスキャンを開始する。適切な信号の受信後、セルは、同期情報を無線形式で他のセルから受信して、同期化状態に移行する。この状態において、セル経路情報が収集され、かつ転送リンク品質測定が実行されて、セルは、第1時間で自身の基準セル選択アルゴリズムを実行して、基準セルを選択し、送信部で受信した無線信号と同期を取る。セルは、すでに保持している以前使用した識別コード又はランダムに選択した識別コードを使用し、動作状態、すなわち、通常のデータ通信モードに移行する。動作状態では、セルは、ネットワークで要求されるタイミング同期情報と、セル経路情報とをブロードキャストする。空きタイムスロットにおいて、セルは、他のセルから受信する無線信号に対するスキャンを行い、基本的に後から受信した無線信号を用いて基準セル選択アルゴリズムを繰り返し実行する。選択アルゴリズムによってより良い候補の存在が見つけ出された場合、別のセルが基準セルとして選択されることとなる。
図5は、セルの全機能図の別の例を示す。最初に、セルは、受信した無線信号のスキャンを開始する。セル自身のものとは異なるネットワーク識別子を含む信号を受信した場合、セルは、自身のネットワークに属するセルからの信号を受信するまで、スキャンを繰り返す。次いで、セルは、セル経路情報を収集するとともに、ネットワーク内の他の1つ以上のセルから受信した信号に対する転送リンク品質の測定を行う。セル経路情報と転送リンク品質測定値との組み合わせに基づいて、セルは、基準セルとしてどのセルを選択するのかの判断を行う。
図6は、セルCが他の3つのセル、すなわち、セルC1、セルC2、及び現在選択されている基準セルCRから無線信号を受信可能となるシナリオを示す。セルは、3つのセルC1,C2,CRのすべてからセル経路情報CPI1,CPI2,CPIRを収集するとともに、3つのセルC1,C2,CRからの無線信号に転送リンク品質測定値RLQ1,RLQ2,RLQRの測定を実行する。測定した転送リンク品質とセル経路情報との組み合わせ、好ましくは、重み付けがなされた組み合わせに基づいて、セルCは、3つのセルC1,C2,CRのうちの最も信頼できるセルを基準セルとして選択する。特に、転送リンク品質測定は、セル経路情報を受信した無線信号に対して実行されてよく、これにより、基準セル選択アルゴリズムの基準を収集するための時間が最短化される。
セルは、他のセルが当該セルを基準セル候補に相応しいか評価できるよう、関連するセル経路情報を含む無線信号を自発的に送信する。故に、好適な実施形態では、アルゴリズムは、セル中のプロセッサによって実行されるように以下のように構成される。
1. セルの送信するセル経路情報を算出する。算出は、少なくとも以下の入力情報に基づいて行われる。
a. 現在選択されている基準セルからのセル経路情報
b. 現在選択されている基準セルからの転送リンク品質情報
2. 基準セル選択アルゴリズムは、他の複数のセル(すなわち、基準セル候補)から情報を取得したときに(又は、定期的な間隔で)実行される。現在の基準セルよりも別の候補セルが優れているとの評価がなされた場合、セルは、この候補セルを基準セルに切り換える。また、選択アルゴリズムは、孤立した同期ループの作成がなされない(子セルへの切り換えを回避する)ことを保証する。決定アルゴリズムへの入力情報は、以下の通りである。
a. 基準セルからのセル経路情報
b. 基準セルからの転送リンク品質情報
c. 候補セルからのセル経路情報
d. 候補セルからの転送リンク品質情報
基準セルが選択されると、セルと基準セルとの間のラウンドトリップ遅延が測定される。セルは、複数のレベルにセルの接続がなされた大規模ネットワーク全体を通して正確な同期が実現されるように、セル間の伝搬遅延を適切に補償する機能を有する。
以下、基準セル選択アルゴリズムの詳細な実施例を記載する。以下のパラメータに対する数値が算出される。
無線リンク品質(WirelessLinkQuality):セルからの転送リンク品質値
経路識別子リスト(PathIdList):セル経路情報から抽出したセル経路識別子のリスト
経路選択状態(PathSelectionState):セル経路情報から抽出した経路選択状態の情報
ホップ数(HopCount):セル経路情報から抽出した、タイミング基準基地局からの経路に存在するセルの数
セル経路情報(CellPathInfo):経路品質、経路識別子リスト、パス選択状態、及びホップ数からなる
好ましくは、アルゴリズムは、以下の内部変数及び定数を用いる。
経路品質(PathQuality):受信したセル信号の内部経路品質情報の値
重み付け選択値(WeightedSelectionValue):セル選択値であり、最も低い値を示すセルが選択されるためのものである
HOP_PENALTY:アルゴリズム定数
QUALITY_CEELING:アルゴリズム定数
選択状態(SelectionState):セル(セル自身)で進行中の選択を示す内部状態変数
セル識別子(CellId):アルゴリズムを実行しているセル(セル自身)の識別子
セル経路情報CellPathInfoは、経路品質PathQualityと、経路識別子リストPathIdListと、経路選択PathSelectionと、ホップ数HopCountとの任意の組み合わせであってよい。
受信した信号毎の経路品質値の算出式は、以下の通りである。
経路品質(PathQuality):=max(0, QUALITY_CEELING-WirelessLinkQuality(received))+PathQuality(received)
好ましくは、セルは、基準セルから受信した情報から取り出した以下の要素一式からなるセル経路情報CellPathInfoを送信する。
PathQuality(tx):=PathQuality(ref)
PathIdList(tx):=PathIdList(ref)+CellId
PathSelection(tx):=PathSelection(ref)+SelectionState
HopCount(tx):=HopCount+1
選択値は、複数の代替重み付け方法のうちの1つの方法を用いて算出されてよい。そのような方法は、複数のセルのうちの1つのセルCell(i)に適用できる。
選択肢1:
WeightedSelectionValue(i):=PathQuality(i)+HopCount(i)*HOP_PENALTY
選択肢2:
WeightedSelectionValue(i):=Table1[ PathQuality(i) ]+Table2[ HopCount(i) ]
選択肢2:
WeightedSelectionValue(i):=Table3[ PathQuality(i), HopCount(i) ]
ここで、関数Table1及び関数Table2は、一次元重み付けテーブルであり、関数Table3は、二次元重み付けテーブルである。好ましくは、これらの重み付けテーブルは、ネットワークセルの特定のタイプとネットワーク用途とに適するように特別に設計され、通常通りには記述されない。
最後に、基準セル選択の判断は、以下の判断スキームに基づいてよい。
以下の場合に、新たな基準セルとしてi番目の候補セルCell(i)を選択する。
・WeightedSelectionValue(i)が現在使用している基準セルのしきい値よりも小さい場合
・PathIdList(i)が現在のCellIdを含んでいない場合
・PathSelectionState(i)が進行中の選択を示していない場合
これらの「場合」の記述は、基準セルとしてセルを選択した結果起こり得る、望まれない同期ループを考慮する働きをする。そのような同期ループは、当該セルが高いWeightedSelectionValueを示していたにもかかわらず、基準セルに相応しくないセルを選択したことを表す。
図7は、タイミング基準基地局BSと、基準セルRCと、セルC自身とからなるネットワークにおけるタイムスロットの使用法の好適なスキームの一例を示す。符号Sは、同期信号を示し、符号Ptxは、送信ペイロードを示し、符号Prxは、受信ペイロードを示す。同期情報及び送信ペイロードは、タイムスロットにおいて合成される。タイムスロットは、フレームにグループ化される。図7の例では、1つのフレームに24個のタイムスロットが含まれている。24個のタイムスロットのうち、前方の12個のタイムスロットは、主に、ネットワークから終端セルへ向かうダウンリンク転送に使用され、後方の12個のタイムスロットは、主に、終端から受信するアップリンクに使用される。セルCは、基準セルRC及びタイミング基準基地局BSを含む複数のセルから、同期情報及びセル経路情報を受信する。
本発明によるセルに基づいた製品の具体例としては、イーサネット(登録商標)などのインターネットプロトコルインタフェースを備えた、1)DECTリピータ、及び、2)DECT基地局が挙げられる。これらの製品は、他の基地局から無線形式で受信したDECT信号と同期を取ることができる。しかしながら、第1実施形態によるセルがさまざまな製品、特に、無線RF通信ネットワークなどの無線通信ネットワークの一部分を形成する製品に適用可能であることは当然である。
総括すると、本発明は、通信ネットワーク、例えば、DECTベースネットワークなどのTDMAネットワークにおいて、他の複数のセルとの間で無線通信を行うように構成されたセル、好ましくは、自立型の装置を提供する。セルは、他の複数のセルのうちから基準セルを選択する選択アルゴリズムを実行するためのプロセッサを具備する。選択アルゴリズムは、他の少なくとも2つのセルから受信した無線信号、例えば、RF信号に基づいて動作する。さらに、セルは、基準セルから、該基準セルの時間同期情報を含む第1無線信号、例えば、RF信号を受信するための無線受信部を具備する。また、セルは、自身の時間同期情報を第2無線信号、例えば、RF信号として送信するための無線送信部を具備する。選択アルゴリズムは、複数のセル候補から受信した転送リンク品質測定値及びセル経路情報に基づいて基準セルの選択を行う。また、好ましくは、セルは、例えば、定期的間隔で、セル経路情報を自発的に送信する。好ましくは、セルは、ランダムな数を生成し、自身のセル識別コードとして無線形式で送信する。このようなセルからなるネットワークは、自己構築機能を有し、すなわち、手動作業を必要としない。さらに、各セルが新たなトポロジに自動的に適応するとともに、最も信頼できる基準セルを選択して同期を取る機能を有するので、ネットワークトポロジの変化、例えば、1つ以上のセルの位置の変化を許容できる。
特定の実施形態に関して本発明を説明したが、これは、本発明を特定の形態に限定することを意図しない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲の記載によってのみ決定される。特許請求の範囲において、語「具備する(comprising)」又は「含む(including)」は、その他の構成要素の存在を排除しない。さらに、別個の請求項に個々の特徴が含まれていたとしても、それらの特徴は、有利に組み合わせ可能であり、別個の請求項の包含は、特徴の組み合わせが不可能であること及び/又は不利益になることを意味しない。さらに、構成要素の単数表現は、そのような構成要素が複数存在することを排除しない。したがって、「1つの(a, an)」、「第1(first)」、「第2(second)」等の表現は、複数の存在を排除しない。さらに、特許請求の範囲中の参照符号を権利範囲の限定として解釈してはならない。
BS タイミング基準基地局
C,C1,C2,C3,C4,C5,C6 セル
P プロセッサ
RC 基準セル
RFR 無線受信部
RFT 無線送信部
SA 選択アルゴリズム
UT ユーザ端末
本発明は、無線通信ネットワークの分野に関し、例えば、無線周波数(RF)遠隔通信ネットワークなど、複数のセル間の時間同期を必要とする時分割多元接続(TDMA)ベースの遠隔通信ネットワークの分野に関する。より詳細には、本発明は、自己構築機能を有したセル及びそのような機能を有した複数のセルからなるネットワークを提供する。
広いエリアに無線通信データ有効範囲を提供するために、複数のセル(ノードとも称される)を備えたDECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunication)を設置する際、無線中継局(Wireless Relay Station,WRS)、すなわち、リピータ、又は、RFP(Radio Fixed Part)セル、すなわち、基地局が用いられる。WRSセルは、基地局に無線接続され、基地局は、外部通信の送受信を行うように接続される。一方、RFPセルは、バックボーン有線ネットワークを介して接続がなされる。DECTネットワークにおいては、移動端末が複数のセル間でのローミング及びハンドオーバを行えるように、そのような複数のセルを時間的に同期させる必要がある。また、より高度なシステム機能を実現するために、上記複数のセルを完全に同期させることが望ましい。
バックボーンネットワークへの接続による特別な同期動作を避けるために、WRSセルに対しては、オーバーエア(無線)同期を行う必要があり、かつRFPセルに対しては、オーバーエア同期を行うことが望ましい。オーバーエア同期化ネットワークを形成するためには、適切なネットワークトポロジを構築するようにすべてのセルを設定する必要がある。WRSセルでは、同期経路は、基地局へ戻る二重通信経路と同一であり、これは、バックボーンネットワークへの接続機能を有したREFセルに等しい。例えば、タイミング基準基地局などのマスターセルからの同期情報は、複数のセルからなる複数のセル経路を介して中継され、スター又はチェインパターンで地理的に分散配置される。ネットワーク内の各セルは、ネットワーク内の他のいずれかのセルの情報を要求し、基準セルとみなす。すなわち、どのセルに同期するべきかの判断を行う。多くの場合、いくつかの他のセルが基準セルの候補となり、次いで、最良のネットワーク性能が得られるように、最適な1つのセルを選択する必要がある。
多数のセルを有した大規模システムでは、厄介な手動プロセスによってネットワークトポロジを構成することがあり、それには、当業者による専用ツールを使用した作業が必要となる。すべてのセルには、同期の際に基準セルとみなされるセルの情報が提供されなければならず、このようなプロセスは、複数のセル間で信頼のおける同期動作を行うようにネットワークを設定するために、典型的に、相当量の測定及び判断を要する。また、ネットワークトポロジが変化した場合には、当業者による手動作業が必要となる。
複数のセルからなるネットワークが地理的に固定されている場合は、手動設定は許容の範囲内にある。しかしながら、多くの用途では、複数のセルのうちのいくつかのセルが物理的に移動している場合やネットワーク内の複数のセルのうちのいくつかのセル間で無線転送プロパティが変化する場合など、複雑な手動再設定が必要となる問題が生じる。
米国特許出願公開第2008/0153493号明細書 欧州特許出願公開第1187023号明細書
したがって、上記例示の通り、本発明の目的は、ネットワーク内に分散配置された複数のセルユニットの実際のトポロジに適合するように、自身を設定する機能を有したセルユニット(又は、セル装置)及びそのような機能を有した複数のセルユニット(装置)からなるネットワークを提供することにある。
第1態様によれば、本発明は、請求項1に記載された、他の複数のセルユニットとの間で無線通信を行うように構成されたセルユニットを提供する。単純化のために、以下では、「セルユニット」を「セル」と表現する。
「基準セル」とは、他の複数のセルのうち、同期対象として選択された1つのセルを指す。例えば、セルは、リピータセル(中継セル)である場合、基準セルから受信した時間同期情報を計算に入れ、同期化された手法で基準セルから通信データを受信する。第1態様によるセルは、2つ以上の他のセルから受信した無線信号に基づいて、他の複数のセルのうちのいずれかのセルを選択して基準セルに決定するように構成されているので、設定中のいかなる手動作業も必要としない。故に、セルは、ネットワーク内で使用される際の基準セルの自動的な選択に適する。その結果、そのようなセルからなるネットワークは、複数のセルの物理的位置によって与えられる最適なスター−チェーントポロジとして、自己組織化の機能を有するようになる。これにより、同期及び通信経路の手動設定を必要とすることなく、セルを設置可能となる。設置のために当業者は必要とされず、特別な知識を有さない消費者であっても、複数のセルを備えた無線ネットワークを構築できる。さらに、ネットワークセルには、キーボード及び/又はディスプレイなどのユーザインタフェースが必要なく、したがって、セルをよりシンプルなものとすることができ、低いコストで製品化可能となる。
選択は他の複数のセルからの無線信号の受信に基づいて行われるので、基準セルとして選択されたセルとの間で正確な無線通信が実現されることが保証され、故に、基準セルへの無線通信リンクは、基準セルからの無線通信データの受信も確実となるように検証がなされる。このようなことは、複数のセルからなるネットワークが実際に通常動作状態となるまでは、基準セルの手動選択の後に転送経路が変化してしまうので、基準セルの手動設定では確実とならない。故に、第1態様によるセルは、例えば、リピータセルが移動する場合のネットワーク内のセルに、又は、少なくともセル間の無線転送プロパティが動的に変化する場合のネットワークに適する。選択アルゴリズムの連続的な繰り返しによって、セルは、選択アルゴリズムを連続的に又は定期的な時間間隔で繰り返し実行して、現在選択されている基準セルが同期対象として最も信頼できる基準セルであることを保証することができる。突如として、別のセルが同期基準としてより信頼できることが分かったとしても、セルは、この別のセルを基準セルとして選択することができる。このようにして、セルは、ネットワークトポロジが動的に変化する動作状況下であっても、選択した基準セルが同期対象として信頼できることを常に保証できる。故に、セルは、セルの移動、セルの再配置、及び/又は、セルの追加に自動的に適応するネットワークに適する。
故に、セルは、無線RFネットワーク、例えば、DECTネットワークなどのTDMAベースネットワークにおけるリピータセル又は基地局セルとして、より適する。そのようなネットワークのすべてのセルが第1態様で定義されたような性質を有している場合、ネットワークを構成するすべてのセルに対する基準セルのいかなる手動選択も行うことなく、ネットワーク全体を自己設定できる。以下、第1態様によるセル態様を記載する。
好ましくは、セルは、自立型のユニットである。すなわち、好ましくは、セルは、無線受信部、無線送信部、プロセッサ、及びセル内に存在し得るその他の追加的な電力消費回路を駆動するために必要な電力を提供するための電力供給部又は電力源を具備する。
選択アルゴリズムは、他の複数のセルのうちの少なくとも2つのセルから、無線形式で又は有線バックボーンネットワークを介して、収集されたセル経路情報に基づいて基準セルを選択するように構成される。セルの「セル経路情報」とは、タイミング基準基地局と上記セルとの間の経路に関する情報である。そのようなセル経路情報は、他の複数のセルから入手でき、セルは、基準セルの候補となるセルの同期経路又は同期リンクを考慮して、基準セルを選択する。それにより、同期化に最も信頼のおける候補が選択される。特に、セル経路情報は、1)現在選択されている基準セルに関係する各セルの経路の物理的強度と、2)現在選択されている基準セルに自身の経路が関係するセルの数と、3)選択されている基準セルの転送リンク品質値と、4)将来の基準セルとして選択可能なセルの提示と、5)現在選択されている基準セルに自身の経路が関係するセルのセル識別子のリストとのうちの少なくとも1つを表すデータを含んでよい。そのような情報のすべては、潜在的基準セルについて、セルの信頼性の判断に使用される。物理的強度又は同期ホップ数は、同期について、すなわち、基準セルとしてのセルの価値についてのセルの信頼性を示す。セルが自発的に別の基準セルを選択すること、及び、セルの同期経路にセルのセル識別子(ID)が含まれることにより、望ましくない同期ループが生じる基準セルを選択することを回避する助けとなる。
セルは、自身と選択された又は候補となった基準セルとの間の通信経路に対してラウンドトリップ遅延(往復経路遅延)測定を実行するように構成される。任意選択で、セルは、複数のセル間で正確な同期が実現されるように、セル間の伝搬遅延(これは、ラウンドトリップ遅延の2分の1に等しい)に対する補償を行う。
また、選択アルゴリズムは、自セルと少なくとも2つの他のセルとの間の無線リンクで実行した転送リンク品質測定の結果、例えば、信号強度、受信タイミングジッタ、ビットエラーレート、フレームエラーレート、ラウンドトリップ遅延、複数のアンテナで受信した複数の信号の比較に基づいて基準セルを選択する。転送リンク品質測定は、セル自身で、及び/又は、現在選択されている若しくは候補である基準セルで行われ、測定結果は、自セルに報告される。セルは、自身に実行されたリンク品質測定からの結果と、基準又は候補セルからのリンク品質測定結果とを組み合わせるように構成されてよい。そのような転送リンク品質測定値を計算に入れることにより、他のセルとの間の実際の無線通信リンクが基準セルの選択の際に考慮され、動的な無線転送状況下であっても、ネットワークの信頼性を保つことができる。好ましくは、転送リンク品質測定は、物理的測定の結果の数値表現を与える。
選択アルゴリズムは、少なくとも2つの他のセルへの無線リンクでの転送リンク品質測定の結果と、少なくとも2つの他のセルから収集したセル経路情報との組み合わせに基づいて、基準セルを選択する。その結果、選択アルゴリズムは、多数の情報要素及び測定値を計算に入れ、インテリジェントな選択として基準セル選択を提供できる。特に、選択アルゴリズムは、転送リンク品質測定の結果とセル経路情報とに所定の重み付け関数を適用して算出した品質値に基づいて、基準セルを選択する。このようにして生じる計算は、基準セル選択が多数のパラメータに基づくものであるにもかかわらず、限定されたものとなる。より詳細には、選択アルゴリズムは、上記品質値と共に、同期ループを確立する可能性の評価値に基づいて、基準セルを選択する。その結果、例えば、特定のセル識別コード及び新たな基準セルの選択プロセス下にあるセルについての情報を考慮することで、同期ループの生成の可能性を低下させることができる。
セルは、他の複数のセルからの無線信号に対するスキャンを行うように、例えば、他の複数のセルからの無線信号の複数のキャリアをスキャンするように構成されてよい。特に、セルは、そのようなスキャンを空きタイムスロットで実行してもよい。他の複数のセルからそのような無線信号を受信したとき、セルは、受信した無線信号に基づいて、かつ現在選択されている基準セルから受信した無線信号に基づいて、新たな基準セルを選択するために、選択アルゴリズムを適用してもよい。特に、選択アルゴリズムは、収集したセル経路情報及びセル毎に実行した転送リンク品質測定に基づいて算出した品質パラメータと、現在選択されている基準セルに対して算出した対応する品質パラメータとに基づく。その結果、セルは、新たなセルがより良い品質パラメータを示す場合に、当該セルを基準セルに選択できる。
好ましくは、セルは、無線信号によって示される、タイミング基準基地局と自身との間の経路に関する情報を含むセル経路情報を、例えば、規則的な時間間隔で、送信するように構成されてよい。セルは、有線バックボーンネットワークを介してセル経路情報を送信するように構成されてもよい。その結果、情報を受信する他のセルは、基準セルの選択にそのようなセル経路情報を使用できる。特に、セルは、基準セルから受信した情報、例えば、基準セルから受信したセル経路情報に基づく情報を有する。さらに又はあるいは、セル経路情報は、セルと基準セルとの間の無線リンクに対して実行される転送リンク品質測定の結果を表すデータを含んでよい。さらに、セルと1つ以上の他のセルとの間の複数の無線リンクに対して実行される転送リンク品質測定の結果を表すデータが、セル経路情報に含まれてもよい。そのようなセル経路情報を送信することで、セルは、他のセルが潜在的な基準セル候補として自身を評価する可能性を高める。
セルは、自身を識別するために、ランダムな数字として識別コードを選択し、無線信号で表された識別コードを送信するように構成される。通常、ネットワーク構成するセルは、人為的に識別コードを割り当てられるが、そのようなセル識別子はセル自身によってランダムな手法によって選択されるので、本セルは、自己構築ネットワークに適したものとなる。好ましくは、セルは、追加的なデータと共に、例えば、通信データ及び/又はセル経路情報と共に、無線形式で識別コードを送信するように構成される。また、好ましくは、セルは、他の複数のセルから無線信号を受信し、該無線信号の示す識別コードと自身の選択した識別コードとを比較するように構成されてよい。他のセルから受信した識別コードと自身の選択した識別コードとが一致した場合、好ましくは、セルは、ランダムな数字として識別コードを選択し、無線信号で表されたこの新たな識別コードを送信するプロセスを再度実行するように構成される。その結果、複数のセルからなるネットワークは、そのうちの2つのセルがランダムに選択した同一の識別コードを有する状態を解消できる。セルは、自身の識別コードが他のセルによって選択されたものでなくなるまで、新たなランダムな識別コードの選択を単純に繰り返す。
一態様では、セルは、基準セルから通信データを含む無線信号を受信し、基準セルの時間同期情報に従って、基準セルからの上記無線信号と同期を取るように構成される。特に、セルは、通信データを含む無線信号を送信するように、すなわち、リピータセルとして動作するように構成される。あるいは、セルは、基地局セルとして動作し、無線通信ネットワークとバックボーン通信ネットワークとの間の通信データインタフェースを提供するとともに、無線信号を介して他のセルとの同期を取るように構成される。
好適な態様では、セルは、他の複数のセルとの間で無線RF(Radio Frequency)通信を行うように構成され、この場合、第1及び第2無線信号は、無線RF信号となる。さらに、当然ながら、先に記載した態様において、すべての無線信号がRF無線形式で送受信されてもよい。特に、セルは、他の複数のセルとのDECT通信を行うように構成されるセルであってよい。別の態様では、セルは、他の複数のセルとの間で、光又は音響通信を行うように構成される。すなわち、第1及び第2無線信号は、光又は音響信号となる。
セルユニットは、特に、リピータと、基地局装置と、ユーザ端末とのうちの1つとなる。リピータは、基準セルユニットから無線通信データを受信して、同一の通信データを無線形式で送信する機能と、無線通信データを受信して、同一の通信データを無線形式で基準セルユニットに送信する機能とを有したセルユニットである。基地局は、タイミング基準基地局又はスレーブ基地局のいずれかである。基地局は、有線バックボーンネットワークを介して通信データをやりとりしてよい。ユーザ端末は、ユーザインタフェースを備えた終端端末、例えば、コードレス電話機や携帯電話機などの移動端末である。
態様では、本発明は、それぞれが第1態様によるセルユニットである複数のセルユニットからなる通信ネットワークを提供する。一態様において、そのようなネットワークは、基地局セルユニットである少なくとも1つのセルユニットと、リピータセルユニットである少なくとも1つのセルユニットとを含む。別の態様では、上記ネットワークは、それぞれが基地局セルユニットである複数のセルユニットを含む。さらに別の態様では、上記通信ネットワークは、それぞれがリピータセルユニットである複数のセルユニットを含む。特別な態様では、上記ネットワークは、タイミング基準基地局である1つのセルユニットと、それぞれがリピータセルである複数のセルユニットと、それぞれがユーザインタフェースを備えたユーザ端末である1つ以上のセルユニットとを含む。そのようなネットワークでは、タイミング基準基地局から送信された通信データは、1つ以上のリピータを介してユーザ端末に中継される。特に、上記ネットワークは、時分割多元接続(TDMA)ベースのネットワークであってよく、例えば、高機能デジタルコードレス電話(DECT)ネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、WiMAXネットワーク、GSM(Global System for Mobile)通信ネットワーク、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワーク、LTE(Long Term Evolution)ネットワーク、Wi−Fiネットワーク、又はZigbeeネットワークである。
第1態様を対象として記載したあらゆる利点は、当然ながら、第2態様にも当てはまる。さらに、第1態様に関連して記載したあらゆる副次的態様は、第2態様にも組み合わせることができる。
タイミング基準基地局から時間同期化リピータセルを介して終端端末へ続く、通信ネットワークトポロジ通信経路を示す図である。 他の複数のセルと無線通信を行い、他の複数のセルから受信したRF信号に基づいてタイミング基準セルを自動的に選択するように構成されたセルの一実施形態を示す図である。 いくつかの他のセルがタイミング基準セルの候補である場合のネットワークトポロジ内のセルの一例を示す図である。 基準セルを自動的に選択するように構成されたセルの全機能ダイヤグラムの一例を示す図である。 基準セルの候補となる他の複数のセルから送信される無線信号をスキャンするように構成されたセルの機能ダイヤグラムの一例を示す図である。 基準セルとしてどのセルを選択するのかの判断根拠となる、他の複数のセルからの好適な無線情報を示す図である。 TDMAネットワークにおけるタイムスロットの使用法の一例を示す図である。
これより、添付の各図面に示された実施形態を参照して、本発明をより詳細に説明する。
図1は、タイミング基準基地局BSと複数のリピータセルC1,C2,C3,C4,C5,C6との間の無線通信により、矢印で示した経路で時間同期化がなされる通信ネットワークのトポロジを示す。ユーザ端末UTは、基地局BSから複数のリピータセルC1,C3,C5,C6を介した、通信データの最終的な宛先を形成する。各セルC1〜C6は、時間的同期のために基準セルとして選択される。図1に示した例では、セルC1は、タイミング基準基地局BSを基準セルとみなし、セルC3は、セルC1を基準セルとみなし、セルC5は、セルC3を基準セルとみなし、最終的に、ユーザ端末UTは、セルC6を基準セルとみなしている。すべてのセルBS,C1〜C6は、他のセルが自身から受信した通信データに時間同期できるように、同期コードを無線形式で送信する。
本発明によれば、各セルは、無線通信有効範囲内の他の複数のセルのうちのいすれかのセルを自動的に選択して、基準セルとして使用するように構成される。これに対し、従来のネットワークセルは、基準セルの手動選択を必要とする。さらに、従来のネットワークでは、各ネットワークセルは、ネットワーク内のすべてのセルを一意に識別するために、所定の手動設定された識別コードを有している。例えば、DECTネットワークでは、32又は37ビットからなるネットワーク識別コード、8又は3ビットからなるセル識別コード、及び、40ビットからなるネットワーク及びセル合同識別コードが用いられる。好適な実施形態では、複数のセルC1〜C6は、ランダムな数字のコードを選択することによって、自身のセル識別コードを自動的に選択する機能を有する。故に、セル識別コードの手動割り当て動作は省略される。あるセルが同一の識別コードを選択した別のセルから無線信号を受信した場合には、当該セルは、別のランダムな数字を好適に選択すればよい。
図2は、セルCの一実施形態の構成図である。セルは、RF受信部RFRと、RF送信部RFTと、プロセッサPとを具備する。プロセッサPは、他の複数のプロセッサのうち、他の複数のセルから受信した無線RF信号RF1−S1,RF3,RF4からの情報を考慮した上で、そのような情報に基づいて、他の複数のセルのうちの1つのセルを基準セルとして選択するように構成された選択アルゴリズムSAを実行する機能を有したプロセッサである。タイミング同期情報S1は、基準セルRCとして選択されたセルから、無線RF形式RF1−S1で受信する。次いで、セルCは、基準セルRCからRF形式で表現される通信を受信し、受信したタイミング同期情報S1を用いて基準セルRCからのRF信号の同期を行う。
セルCは、他のセルが自身からのRF信号に同期できるように、タイミング同期情報S2を含む第2RF信号RF2−S2を送信する。セルCは、リピータセルとして設定された場合、基準セルRCから受信した通信データを、RF送信部RFTを介して無線RF形式で送信する。
図3は、いくつかの他のセルC1,C2,C3がタイミング基準セルの候補である場合のネットワークトポロジ内のセルCの一例を示す。タイミング基準基地局BSは、同期情報Sを無線形式で送信する。無線通信有効範囲は、破線の円で示した通りであり、したがって、基地局BSから送信された無線信号がセルC1及びセルC2に到達することが見て取れる。セルC1からの無線信号は、セルC及びセルC3に到達する。よって、セルCは、複数のセルC1,C2,C3のすべてから無線信号を受信できる。現在のところ、セルC1が基準セルとして選択されているので、セルCは、セルC1からタイミング同期情報を受信している。しかしながら、スキャン中に、セルCによって別個の無線信号RFC2,RFC3が受信されると、次いで、セルCは、現在選択している基準セルC1をセルC2又はセルC3に置き換えるべきか否か、又は、セルC1を基準セルのままとするべきか否かを判断するために、選択アルゴリズムを実行する。セルCの選択アルゴリズムは、個々の無線信号RFC2,RFC3に対して実行された転送リンク品質測定値と、代替基準セル候補となる複数のセルC2,C3からのセル経路情報とに基づいて、基準セルを選択する。あるセルのセル経路情報からは、当該セルの同期経路についての情報が得られる。セル経路情報には、例えば、タイミング基準基地局BSとセル自身との間の同期経路にいくつのセルが存在するかという形式で、ホップカウント数が含まれる。そのようなセル経路情報は、基準セルの選択のための基準として、好ましくは、転送リンク品質の測定値と共に使用される。転送リンク品質の測定値には、例えば、セルへの無線接続の信号強度が含まれる。また、好ましくは、セルのセル識別コードは、受信セルが送信セルを識別できるように、すべての無線送信信号に含められる。
好ましくは、ネットワーク内のすべてのセルは、更新されたセル経路情報を、無線形式で又は有線バックボーンネットワークを介して送信する。それにより、定期的な時間間隔で、他のセルは、上記データを用いて、各セルの基準セル候補としての評価を行える。また、好ましくは、タイミング同期情報は、他のセルがあるセルを基準セルとして選択した場合に当該セルからの無線信号に同期できるように、すべてのセルから送信される。
図4は、セルの全機能の一例を示す。起動の後、セルは、例えば、いくつかのRFキャリアにおけるスキャンによって、ネットワーク内の他の複数のセルから受信する無線信号に対するスキャンを開始する。適切な信号の受信後、セルは、同期情報を無線形式で他のセルから受信して、同期化状態に移行する。この状態において、セル経路情報が収集され、かつ転送リンク品質測定が実行されて、セルは、第1時間で自身の基準セル選択アルゴリズムを実行して、基準セルを選択し、送信部で受信した無線信号と同期を取る。セルは、すでに保持している以前使用した識別コード又はランダムに選択した識別コードを使用し、動作状態、すなわち、通常のデータ通信モードに移行する。動作状態では、セルは、ネットワークで要求されるタイミング同期情報と、セル経路情報とをブロードキャストする。空きタイムスロットにおいて、セルは、他のセルから受信する無線信号に対するスキャンを行い、基本的に後から受信した無線信号を用いて基準セル選択アルゴリズムを繰り返し実行する。選択アルゴリズムによってより良い候補の存在が見つけ出された場合、別のセルが基準セルとして選択されることとなる。
図5は、セルの全機能図の別の例を示す。最初に、セルは、受信した無線信号のスキャンを開始する。セル自身のものとは異なるネットワーク識別子を含む信号を受信した場合、セルは、自身のネットワークに属するセルからの信号を受信するまで、スキャンを繰り返す。次いで、セルは、セル経路情報を収集するとともに、ネットワーク内の他の1つ以上のセルから受信した信号に対する転送リンク品質の測定を行う。セル経路情報と転送リンク品質測定値との組み合わせに基づいて、セルは、基準セルとしてどのセルを選択するのかの判断を行う。
図6は、セルCが他の3つのセル、すなわち、セルC1、セルC2、及び現在選択されている基準セルCRから無線信号を受信可能となるシナリオを示す。セルは、3つのセルC1,C2,CRのすべてからセル経路情報CPI1,CPI2,CPIRを収集するとともに、3つのセルC1,C2,CRからの無線信号に転送リンク品質測定値RLQ1,RLQ2,RLQRの測定を実行する。測定した転送リンク品質とセル経路情報との組み合わせ、好ましくは、重み付けがなされた組み合わせに基づいて、セルCは、3つのセルC1,C2,CRのうちの最も信頼できるセルを基準セルとして選択する。特に、転送リンク品質測定は、セル経路情報を受信した無線信号に対して実行されてよく、これにより、基準セル選択アルゴリズムの基準を収集するための時間が最短化される。
セルは、他のセルが当該セルを基準セル候補に相応しいか評価できるよう、関連するセル経路情報を含む無線信号を自発的に送信する。故に、好適な実施形態では、アルゴリズムは、セル中のプロセッサによって実行されるように以下のように構成される。
1. セルの送信するセル経路情報を算出する。算出は、少なくとも以下の入力情報に基づいて行われる。
a. 現在選択されている基準セルからのセル経路情報
b. 現在選択されている基準セルからの転送リンク品質情報
2. 基準セル選択アルゴリズムは、他の複数のセル(すなわち、基準セル候補)から情報を取得したときに(又は、定期的な間隔で)実行される。現在の基準セルよりも別の候補セルが優れているとの評価がなされた場合、セルは、この候補セルを基準セルに切り換える。また、選択アルゴリズムは、孤立した同期ループの作成がなされない(子セルへの切り換えを回避する)ことを保証する。決定アルゴリズムへの入力情報は、以下の通りである。
a. 基準セルからのセル経路情報
b. 基準セルからの転送リンク品質情報
c. 候補セルからのセル経路情報
d. 候補セルからの転送リンク品質情報
基準セルが選択されると、セルと基準セルとの間のラウンドトリップ遅延が測定される。セルは、複数のレベルにセルの接続がなされた大規模ネットワーク全体を通して正確な同期が実現されるように、セル間の伝搬遅延を適切に補償する機能を有する。
以下、基準セル選択アルゴリズムの詳細な実施例を記載する。以下のパラメータに対する数値が算出される。
無線リンク品質(WirelessLinkQuality):セルからの転送リンク品質値
経路識別子リスト(PathIdList):セル経路情報から抽出したセル経路識別子のリスト
経路選択状態(PathSelectionState):セル経路情報から抽出した経路選択状態の情報
ホップ数(HopCount):セル経路情報から抽出した、タイミング基準基地局からの経路に存在するセルの数
セル経路情報(CellPathInfo):経路品質、経路識別子リスト、パス選択状態、及びホップ数からなる
好ましくは、アルゴリズムは、以下の内部変数及び定数を用いる。
経路品質(PathQuality):受信したセル信号の内部経路品質情報の値
重み付け選択値(WeightedSelectionValue):セル選択値であり、最も低い値を示すセルが選択されるためのものである
HOP_PENALTY:アルゴリズム定数
QUALITY_CEELING:アルゴリズム定数
選択状態(SelectionState):セル(セル自身)で進行中の選択を示す内部状態変数
セル識別子(CellId):アルゴリズムを実行しているセル(セル自身)の識別子
セル経路情報CellPathInfoは、経路品質PathQualityと、経路識別子リストPathIdListと、経路選択PathSelectionと、ホップ数HopCountとの任意の組み合わせであってよい。
受信した信号毎の経路品質値の算出式は、以下の通りである。
経路品質(PathQuality):=max(0, QUALITY_CEELING-WirelessLinkQuality(received))+PathQuality(received)
好ましくは、セルは、基準セルから受信した情報から取り出した以下の要素一式からなるセル経路情報CellPathInfoを送信する。
PathQuality(tx):=PathQuality(ref)
PathIdList(tx):=PathIdList(ref)+CellId
PathSelection(tx):=PathSelection(ref)+SelectionState
HopCount(tx):=HopCount+1
選択値は、複数の代替重み付け方法のうちの1つの方法を用いて算出されてよい。そのような方法は、複数のセルのうちの1つのセルCell(i)に適用できる。
選択肢1:
WeightedSelectionValue(i):=PathQuality(i)+HopCount(i)*HOP_PENALTY
選択肢2:
WeightedSelectionValue(i):=Table1[ PathQuality(i) ]+Table2[ HopCount(i) ]
選択肢2:
WeightedSelectionValue(i):=Table3[ PathQuality(i), HopCount(i) ]
ここで、関数Table1及び関数Table2は、一次元重み付けテーブルであり、関数Table3は、二次元重み付けテーブルである。好ましくは、これらの重み付けテーブルは、ネットワークセルの特定のタイプとネットワーク用途とに適するように特別に設計され、通常通りには記述されない。
最後に、基準セル選択の判断は、以下の判断スキームに基づいてよい。
以下の場合に、新たな基準セルとしてi番目の候補セルCell(i)を選択する。
・WeightedSelectionValue(i)が現在使用している基準セルのしきい値よりも小さい場合
・PathIdList(i)が現在のCellIdを含んでいない場合
・PathSelectionState(i)が進行中の選択を示していない場合
これらの「場合」の記述は、基準セルとしてセルを選択した結果起こり得る、望まれない同期ループを考慮する働きをする。そのような同期ループは、当該セルが高いWeightedSelectionValueを示していたにもかかわらず、基準セルに相応しくないセルを選択したことを表す。
図7は、タイミング基準基地局BSと、基準セルRCと、セルC自身とからなるネットワークにおけるタイムスロットの使用法の好適なスキームの一例を示す。符号Sは、同期信号を示し、符号Ptxは、送信ペイロードを示し、符号Prxは、受信ペイロードを示す。同期情報及び送信ペイロードは、タイムスロットにおいて合成される。タイムスロットは、フレームにグループ化される。図7の例では、1つのフレームに24個のタイムスロットが含まれている。24個のタイムスロットのうち、前方の12個のタイムスロットは、主に、ネットワークから終端セルへ向かうダウンリンク転送に使用され、後方の12個のタイムスロットは、主に、終端から受信するアップリンクに使用される。セルCは、基準セルRC及びタイミング基準基地局BSを含む複数のセルから、同期情報及びセル経路情報を受信する。
本発明によるセルに基づいた製品の具体例としては、イーサネット(登録商標)などのインターネットプロトコルインタフェースを備えた、1)DECTリピータ、及び、2)DECT基地局が挙げられる。これらの製品は、他の基地局から無線形式で受信したDECT信号と同期を取ることができる。しかしながら、第1実施形態によるセルがさまざまな製品、特に、無線RF通信ネットワークなどの無線通信ネットワークの一部分を形成する製品に適用可能であることは当然である。
総括すると、本発明は、通信ネットワーク、例えば、DECTベースネットワークなどのTDMAネットワークにおいて、他の複数のセルとの間で無線通信を行うように構成されたセル、好ましくは、自立型の装置を提供する。セルは、他の複数のセルのうちから基準セルを選択する選択アルゴリズムを実行するためのプロセッサを具備する。選択アルゴリズムは、他の少なくとも2つのセルから受信した無線信号、例えば、RF信号に基づいて動作する。さらに、セルは、基準セルから、該基準セルの時間同期情報を含む第1無線信号、例えば、RF信号を受信するための無線受信部を具備する。また、セルは、自身の時間同期情報を第2無線信号、例えば、RF信号として送信するための無線送信部を具備する。選択アルゴリズムは、複数のセル候補から受信した転送リンク品質測定値及びセル経路情報に基づいて基準セルの選択を行う。また、好ましくは、セルは、例えば、定期的間隔で、セル経路情報を自発的に送信する。好ましくは、セルは、ランダムな数を生成し、自身のセル識別コードとして無線形式で送信する。このようなセルからなるネットワークは、自己構築機能を有し、すなわち、手動作業を必要としない。さらに、各セルが新たなトポロジに自動的に適応するとともに、最も信頼できる基準セルを選択して同期を取る機能を有するので、ネットワークトポロジの変化、例えば、1つ以上のセルの位置の変化を許容できる。
特定の実施形態に関して本発明を説明したが、これは、本発明を特定の形態に限定することを意図しない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲の記載によってのみ決定される。特許請求の範囲において、語「具備する(comprising)」又は「含む(including)」は、その他の構成要素の存在を排除しない。さらに、別個の請求項に個々の特徴が含まれていたとしても、それらの特徴は、有利に組み合わせ可能であり、別個の請求項の包含は、特徴の組み合わせが不可能であること及び/又は不利益になることを意味しない。さらに、構成要素の単数表現は、そのような構成要素が複数存在することを排除しない。したがって、「1つの(a, an)」、「第1(first)」、「第2(second)」等の表現は、複数の存在を排除しない。さらに、特許請求の範囲中の参照符号を権利範囲の限定として解釈してはならない。
BS タイミング基準基地局
C,C1,C2,C3,C4,C5,C6 セル
P プロセッサ
RC 基準セル
RFR 無線受信部
RFT 無線送信部
SA 選択アルゴリズム
UT ユーザ端末

Claims (18)

  1. 他の複数のセル(C1,C2,C3)との間で無線通信を行うように構成されたセル(C)であって、
    他の複数のセル(C1,C2,C3)のうちの少なくとも2つのセルから受信した無線信号(RF3,RF4,RFC2,RFC3)に基づいて、他の複数のセル(C1,C2,C3)のうちから基準セル(C1,RC,CR)を選択するように構成された選択アルゴリズム(SA)を実行するプロセッサ(P)と、
    基準セル(C1,RC,CR)から、該基準セル(C1,RC)の時間同期情報(S,S1)を含む第1無線信号(RF1−S1)を受信するように構成された無線受信部(RFR)と、
    セル(C)自身の時間同期情報(S2)を含む第2無線信号(RF2−S2)を送信するように構成された無線送信部(RFT)と
    を具備し、
    選択アルゴリズム(SA)は、他の複数のセル(C1,C2,CR)のうちの少なくとも2つのセルから収集したセル経路情報(CPI1,CPI2,CPIR)に基づいて、基準セル(C1,RC,CR)を選択するように構成され、
    あるセルに対するセル経路情報(CPI1,CPI2,CPIR)は、タイミング基準基地局(BS)と前記の各セル(C,C1,C2,CR)との間の経路に関する情報を含み、
    選択アルゴリズム(SA)は、セル(C)自身と他の複数のセル(C1,C2,CR)のうちの少なくとも2つのセルとの間の複数の無線リンクに対して実行される転送リンク品質測定の結果(RLQ1,RLQ2,RLQR)と、収集したセル経路情報(CPI1,CPI2,CPIR)との組み合わせに基づいて、基準セル(C1,RC,CR)を選択することを特徴とするセル。
  2. セル経路情報(CPI1,CPI2,CPIR)が、
    現在選択されている基準セルに関係する各セルの経路の物理的強度と、
    現在選択されている基準セルに自身の経路が関係するセルの数と、
    現在選択されている基準セルの転送リンク品質値と、
    将来の基準セルとして選択可能なセルの提示と、
    現在選択されている基準セルに自身の経路が関係するセルのセル識別子のリストと
    のうちの少なくとも1つを表すデータを含むことを特徴とする請求項1に記載のセル。
  3. 選択アルゴリズム(SA)が、セル(C)自身と他の複数のセル(C1,C2,CR)のうちの少なくとも2つのセルとの間の複数の無線リンクに対して実行される転送リンク品質測定の結果(RLQ1,RLQ2,RLQR)、すなわち、セル(C)自身により実行された転送リンク品質測定の結果(RLQ1,RLQ2,RLQR)、及び/又は、他の複数のセル(C1,C2,CR)から受信した転送リンク品質測定の結果(RLQ1,RLQ2,RLQR)に基づいて、基準セル(C1,RC,CR)を選択することを特徴とする請求項1又は2に記載のセル。
  4. 転送リンク品質測定値(RLQ1,RLQ2,RLQR)が、
    転送信号強度と、
    受信タイミングジッタと、
    ビットエラーレートと、
    フレームエラーレートと、
    ラウンドトリップ遅延と、
    複数のアンテナで受信した複数の信号の比較と
    のうちの少なくとも1つの測定値を含むことを特徴とする請求項3に記載のセル。
  5. 選択アルゴリズム(SA)が、転送リンク品質測定の結果(RLQ1,RLQ2,RLQR)とセル経路情報(CPI1,CPI2,CPIR)とに所定の重み付け関数を適用して算出した品質値に基づいて、基準セル(C1,RC,CR)を選択することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のセル。
  6. 選択アルゴリズム(SA)が、前記品質値と共に、同期ループを確立する可能性の評価値に基づいて、基準セル(C1,RC,CR)を選択することを特徴とする請求項5に記載のセル。
  7. 空きタイムスロットでスキャンを実行するか、又は、複数の無線キャリアをスキャンすることで、他の複数のセルからの複数の無線信号に対するスキャンを行うように構成されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のセル。
  8. 受信した複数の無線信号(RF3,RF4)に基づいて、かつ現在選択されている基準セル(C1,RC,CR)から受信した無線信号(RF1−S1)に基づいて、新たな基準セル(C1,RC,CR)を選択するために、他の複数のセルから複数の無線信号(RF3,RF4)を受信したとき、選択アルゴリズム(SA)を適用するように構成されることを特徴とする請求項7に記載のセル。
  9. 無線信号によって示される、タイミング基準基地局(BS)とセル(C)自身との間の経路に関する情報を含むセル経路情報(CPI)を送信するように、又は、前記セル経路情報(CPI)を規則的な時間間隔で送信するように構成されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のセル。
  10. セル経路情報(CPI)が、基準セル(CR)から受信したセル経路情報(CPIR)に基づく情報を含むことを特徴とする請求項9に記載のセル。
  11. セル経路情報(CPI)が、セル(C)自身と基準セル(CR)との間の無線リンクに対して実行される転送リンク品質測定の結果を表すデータ、又は、セル(C)自身と基準セル(CR)との間の無線リンクに加えて、セル(C)自身と1つ以上の他のセル(C1,C2)との間の複数の無線リンクに対して実行される転送リンク品質測定の結果を表すデータを含むことを特徴とする請求項9又は10に記載のセル。
  12. セル(C)自身を識別するために、ランダムな数字として識別コードを選択し、
    無線信号で表された識別コードを送信するように、又は、追加的なデータと共に無線信号で表された識別コードを送信するように構成されることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のセル。
  13. 他の複数のセル(C1,C2)から複数の無線信号を受信して、該無線信号の示す識別コードと自身の選択した識別コードとを比較し、
    他の複数のセル(C1,C2)から受信した識別コードと自身の選択した識別コードとが一致した場合には、ランダムな数字として識別コードを選択し、無線信号で表された識別コードを送信する前記プロセスを再度実行するように構成されることを特徴とする請求項12に記載のセル。
  14. 基準セル(C1,RC,CR)から通信データを含む無線信号を受信し、基準セル(C1,RC,CR)の時間同期情報(S1)に従って、基準セルからの前記無線信号と同期を取り、通信データを含む無線信号を送信するように構成され、リピータとして動作することを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載のセル。
  15. 他の複数のセル(C1,C2,C3)との間で無線RF通信を行うように構成され、
    第1及び第2無線信号(RF1−S1,RF2−S2)が無線RF信号であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載のセル。
  16. 請求項1ないし15のいずれか1項に記載のセルを具備した装置であって、
    リピータと、
    基地局装置と、
    ユーザ端末と
    のうちの1つであることを特徴とする装置。
  17. それぞれが請求項1ないし15のいずれか1項に記載のセルである複数のセル(C,C1,C2,CR)からなる通信ネットワークであって、
    基地局セルである少なくとも1つのセルと、リピータセルである少なくとも1つのセルとを含むか、又は、基地局セルである複数のセルを含むか、又は、リピータセルである複数のセルを含むことを特徴とする通信ネットワーク。
  18. 時分割多元接続ベースのネットワークであって、高機能デジタルコードレス電話(DECT)ネットワーク、Bluetoothネットワーク、WiMAXネットワーク、GSM通信ネットワーク、UMTSネットワーク、LTEネットワーク、Wi−Fiネットワーク、又はZigbeeネットワークであることを特徴とする請求項17に記載の通信ネットワーク。
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