JP2012511816A - アクチュエータシステム、リソグラフィ装置、コンポーネントの位置を制御する方法、およびデバイス製造方法 - Google Patents

アクチュエータシステム、リソグラフィ装置、コンポーネントの位置を制御する方法、およびデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アクチュエータの基部に対してコンポーネントを移動させるように構成されたアクチュエータシステムが提供される。
【解決手段】アクチュエータシステムは、第1および第2の作動要素を含み、それぞれ、互いに接合されかつ異なる熱膨張係数を有する2つの材料セクションを含む。2つの作動要素は、一方の温度が増加されると、その一方は、他方の作動要素の温度が増加される場合にその他方によって加えられる力とは反対の方向において、コンポーネントに力を加えるように構成される。アクチュエータシステムは、第1および第2の作動要素に独立して制御可能な加熱を与えるように構成された少なくとも1つの電源をさらに含む。
【選択図】 図2b

Description

[0001] 本発明の実施形態は、アクチュエータシステム、リソグラフィ装置、コンポーネントの位置を制御する方法、およびデバイスを製造する方法に関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。その場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ以上のダイの一部を含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。公知のリソグラフィ装置としては、ターゲット部分上にパターン全体を一度に露光することにより各ターゲット部分を照射するいわゆるステッパ、および放射ビームによってある特定の方向(「スキャン」方向)にパターンをスキャンすると同時に、この方向に平行または逆平行に基板をスキャンすることにより各ターゲット部分を照射するいわゆるスキャナが含まれる。パターンを基板上にインプリントすることにより、パターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
[0003] リソグラフィ装置内で用いられる任意のコンポーネントの要件は非常に厳しい。具体的には、大抵の場合、コンポーネントは、正確に、すなわち、高精度で動作する必要がある。また、通常、コンポーネントは、装置内の他のコンポーネントに影響を及ぼすことなく動作可能である必要がある。例えば、EUV放射を用いてパターンを基板に転写するリソグラフィ装置では、多くのコンポーネントが真空チャンバ内で動作することが求められうる。したがって、これらのコンポーネントは、低圧環境に適合可能でなければならない。具体的には、低圧力において確実にガス放出がないようにすることが重要でありうる。制御システムを必要とするコンポーネントでは、このことは特に困難である。何故なら、真空チャンバの外側にありうるコントローラから、真空チャンバの内側にありうるコンポーネントに制御信号を供給する線に課される制約があるからである。
[0004] さらに、その複雑さによってリソグラフィ装置は比較的高価でありうる。したがって、リソグラフィ装置全体のコストが過剰とならないように各コンポーネントが必要以上に高くならないようにすることが引き続き必要である。アクチュエータといったコンポーネントについて、リソグラフィ装置におけるそれらの使用の更なる要件には反応速度が含まれうる。
[0005] 圧電アクチュエータがリソグラフィ装置に用いるアクチュエータとして従前から用いられている。しかし、公知の圧電アクチュエータは比較的高価でありうる。さらに、公知の圧電アクチュエータシステムは、通常、それらを制御するために比較的複雑な制御システムと多くの接続線が必要とし、これらは共に、特にそれらの真空チャンバにおける使用に関連してコストをさらに増加する。
[0006] 現在知られているアクチュエータシステムによって提供できない利点を有しうるアクチュエータシステムを提供することが望ましい。
[0007] 本発明の一態様では、アクチュエータシステムの基部に対してコンポーネントを移動するように構成されたアクチュエータシステムが提供される。このアクチュエータシステムにおいて、コンポーネントは、第1の方向において基部から離され、アクチュエータシステムは、第1および第2の作動要素を含み、それぞれ、基部に接続された第1の端とコンポーネントに接続された第2の端を有し、第1の作動要素は、互いに接合される第1および第2の材料セクションを含み、両セクションは、作動要素の第1の端から第2の端に延在し、第2の作動要素は、互いに接合される第3および第4の材料セクションを含み、両方とも、作動要素の第1の端から第2の端に延在し、第1の材料セクションの熱膨張係数は、第2の材料セクションの熱膨張係数とは異なり、第3の材料セクションの熱膨張係数は、第4の材料セクションの熱膨張係数とは異なり、第1および第2の作動要素は、それぞれ、作動要素の温度が公称作業温度から増加すると、作動要素が、第1の方向に垂直な第2の方向と平行である力を作動されるコンポーネントに加え、かつ、第1の作動要素の温度が増加する場合に第1の作動要素によって加えられる力は、第2の作動要素の温度が増加する場合に第2の作動要素によって加えられる力とは反対の方向にあるように構成され、アクチュエータシステムは、第1および第2の作動要素に熱を与えるように構成された少なくとも1つの電源をさらに含み、少なくとも1つの電源は、第1の作動要素に与えられる熱を、第2の作動要素に与えられる熱とは独立して制御できる。
[0008] 本発明の一態様では、アクチュエータコントローラをさらに含む上述したようなアクチュエータシステムが提供され、このアクチュエータコントローラは、少なくとも1つの電源によって第1および第2の作動要素に与えられる熱を制御することによってアクチュエータシステムを制御するように構成される。アクチュエータコントローラは、作動されていない位置から第1の完全に作動された位置に向けてアクチュエータシステムを作動させるために、第1の作動要素の温度を作動要素の公称作業温度より上の温度に上げるためにアクチュエータコントローラが第1の作動要素に熱を与えるように構成されうる。作動されていない位置から第1の完全に作動された位置とは反対の方向における第2の完全に作動された位置にアクチュエータシステムを作動させるために、第2の作動要素の前記温度を作動要素の公称作業温度より上の温度に上げるためにアクチュエータコントローラが第2の作動要素に熱を与えうる。アクチュエータコントローラは、所望の作動範囲を与えるために必要な、作動要素の公称作業温度より上の作動要素の所望温度を決定するように構成されうる。さらに、アクチュエータコントローラは、較正データを記憶するように構成されたメモリと、較正データを用いて、所望の作動範囲のための作動要素の公称作業温度より上の作動要素の所望の温度を決定するように構成されたプロセッサとを含みうる。或いは、アクチュエータシステムは、作動要素の少なくとも一部分の温度をモニタリングするように構成された温度センサシステムを含み、そして、アクチュエータコントローラは、温度センサシステムによってモニタリングされた作動要素の温度に基づいて、作動要素に熱を与えるように構成される。本発明の一態様では、アクチュエータコントローラは、第1の速度で第1の期間の間、作動要素に熱を与え、続けて第2の速度で作動要素に熱を与えることによって所望の作動範囲を与えるように、作動要素の温度を作動要素の公称作業温度より上に上げるように構成され、第1の速度は第2の速度より高く、第2の速度は、所望の作動範囲を与えるために必要な温度に作動要素がある場合に作動要素から失われる熱を補償するのに十分である。アクチュエータコントローラは、較正データを記憶するように構成されたメモリと、所望の作動範囲のために、作動要素に熱を与える第1の速度と、作動要素に熱を与える第2の速度と、第1の期間のうち少なくとも1つを、較正データを用いて決定するように構成されたプロセッサとを含みうる。
[0009] 本発明の更なる態様では、放射ビームを構成するように構成された放射ビーム調整システムと、調整済み放射ビームにパターン付けするように構成されたパターニングデバイスと、パターン付き放射ビームを基板上に投影するように構成された投影システムとを含むリソグラフィ装置が提供され、放射ビーム調整システムと投影システムの少なくとも一方は、少なくとも1つの光学要素と、ここでのコンポーネントがこの光学要素であり、その光学要素の位置を制御するように構成された上述したようなアクチュエータシステムとを含む。本発明の一態様では、リソグラフィ装置の放射ビーム調整システムは、第1および第2のリフレクタアレイを含み、第1のリフレクタアレイの各リフレクタは、放射ビームの中間焦点からの放射を、第2のリフレクタアレイのリフレクタのうちの1つへと向けるように構成され、第2のリフレクタアレイのリフレクタは、第2のアレイのリフレクタ上へと放射を向けている第1のアレイのリフレクタの像をパターニングデバイス上に投影するように構成され、第1のリフレクタアレイのリフレクタのうちの少なくとも1つが、上述したアクチュエータシステムの上述したコンポーネントであり、アクチュエータシステムは、第2のリフレクタアレイのどのリフレクタに、リフレクタに入射した放射が向けられるかを制御するためにリフレクタの位置を制御するように構成される。
[0010] 本発明の一態様では、コンポーネントの位置を制御する方法が提供される。この方法は、コンポーネントを、第1の方向においてコンポーネントから離されたアクチュエータシステムの基部に対して移動させるように構成されたアクチュエータシステムを設けることを含み、アクチュエータシステムは、第1および第2の作動要素を含み、それぞれ、基部に接続された第1の端とコンポーネントに接続された第2の端を有し、第1の作動要素は、互いに接合される第1および第2の材料セクションを含み、両セクションは、作動要素の第1の端から第2の端に延在し、第2の作動要素は、互いに接合される第3および第4の材料セクションを含み、両方とも、作動要素の第1の端から第2の端に延在し、第1の材料セクションの熱膨張係数は、第2の材料セクションの熱膨張係数とは異なり、第3の材料セクションの熱膨張係数は、第4の材料セクションの熱膨張係数とは異なり、第1および第2の作動要素は、それぞれ、作動要素の温度が公称作業温度から増加すると、作動要素が、第1の方向に垂直な第2の方向と平行である力を作動されるコンポーネントに加え、かつ、第1の作動要素の温度が増加する場合に第1の作動要素によって加えられる力は、第2の作動要素の温度が増加する場合に第2の作動要素によって加えられる力とは反対の方向にあるように構成され、かかる方法は、アクチュエータを作動させるために第1および第2の作動要素に熱を与えることを含み、この熱は、第2の作動要素に与えられる熱とは独立して第1の作動要素に与えられうる。
[0011] 本発明の一態様では、デバイスを製造する方法が提供される。この方法は、放射ビーム調整システムを用いて放射ビームを調整することと、調整済み放射ビームにパターン付けすることと、投影システムを用いてパターン付き放射ビームを基板上に投影することとを含み、かかる方法は、上述した方法を用いて、放射ビーム調整システムまたは投影システムの少なくとも1つの光コンポーネントの位置を制御することをさらに含む。
[0012] 本発明の一態様では、アクチュエータシステムの基部に対してコンポーネントを移動するように構成されたアクチュエータシステムが提供される。このアクチュエータシステムでは、コンポーネントは、第1の方向において基部から離され、アクチュエータシステムは、基部に接続された第1の端とコンポーネントに接続された第2の端を有する作動要素を含み、作動要素は、互いに接合される第1および第2の材料セクションを含み、両セクションは、作動要素の第1の端から第2の端に延在し、第1の材料セクションの熱膨張係数は、第2の材料セクションの熱膨張係数とは異なり、作動要素は、作動要素の温度が公称作業温度から増加すると、作動要素が、第1の方向に垂直な第2の方向と平行である力を作動されるコンポーネントに加えるように構成され、アクチュエータシステムは、作動要素の公称作業温度より低い公称ヒートシンク温度に維持され、かつ、作動要素に熱伝達のために接続されたヒートシンクを含む。
[0013] 本発明の一態様では、アクチュエータシステムの基部に対してコンポーネントを移動するように構成されたアクチュエータシステムが提供される。このアクチュエータシステムでは、コンポーネントは、第1の方向において基部から離され、アクチュエータシステムは、基部に接続された第1の端とコンポーネントに接続された第2の端を有する作動要素を含み、作動要素は、互いに接合される第1および第2の材料セクションを含み、両セクションは、作動要素の第1の端から第2の端に延在し、第1の材料セクションの熱膨張係数は、第2の材料セクションの熱膨張係数とは異なり、作動要素は、作動要素の温度が公称作業温度から増加すると、作動要素が、第1の方向に垂直な第2の方向と平行である力を作動されるコンポーネントに加えるように構成され、また、作動要素は、第1および第2の材料セクションの少なくとも一方の断面積が第1の端から第2の端に減少するように構成される。
[0014] 本発明の一態様では、アクチュエータシステムの基部に対してコンポーネントを移動するように構成されたアクチュエータシステムが提供される。このアクチュエータシステムでは、コンポーネントは、第1の方向において基部から離され、アクチュエータシステムは、基部に接続された第1の端とコンポーネントに接続された第2の端を有する作動要素を含み、作動要素は、互いに接合される第1および第2の材料セクションを含み、両セクションは、作動要素の第1の端から第2の端に延在し、第1の材料セクションの熱膨張係数は、第2の材料セクションの熱膨張係数とは異なり、作動要素は、作動要素の温度が公称作業温度から増加すると、作動要素が、第1の方向に垂直な第2の方向と平行である力を作動されるコンポーネントに加えるように構成され、また、作動システムは、導電性ループと作動要素が共に電気回路を形成するように作動要素に接続された導電性ループと、電気回路内に電流を誘導するシステムとをさらに含む。
[0015] 本発明の更なる特徴および利点、ならびに本発明の様々な実施形態の構造および動作を添付図面を参照して以下に詳細に説明する。本発明は、本明細書に記載した具体的な実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は本明細書において例示目的のみに提示される。本明細書に含まれる教示内容に基づき、当業者には追加の実施形態が明らかであろう。
[0016] 本明細書に組み込まれかつ本明細書の一部を形成する添付図面は、本発明を例示し、さらに以下の記載と共に本発明の原理を説明しかつ当業者に本発明をなしかつ使用することを可能にするものである。
[0017] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を示す。 [0018]図2aは、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムの配置を示す。 [0018] 図2bは、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムの配置を示す。 [0018] 図2cは、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムの配置を示す。 [0019] 図3は、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムの特徴の任意選択の配置を示す。 [0020] 図4は、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムの任意選択の特徴の代替の配置を示す。 [0021] 図5は、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムの特徴の任意選択の配置を示す。 [0022] 図6は、本発明の一実施形態によるアクチュエータ特徴の任意選択の特徴の配置を示す。 [0023] 図7aは、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムの可能な動作モードを示す。 [0023] 図7bは、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムの可能な動作モードを示す。 [0023] 図7cは、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムの可能な動作モードを示す。 [0023] 図7dは、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムの可能な動作モードを示す。 [0023] 図7eは、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムの可能な動作モードを示す。 [0024] 図8は、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムを使用しうる照明システムの配置を示す。 [0025] 図9は、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムを示す。 [0026] 図10は、本発明の更なる実施形態によるアクチュエータシステムを示す。
[0027] 本発明の特徴および利点は、図面と合わせて理解された場合に以下の詳細な説明からより明らかとなろう。図中、同様の参照文字は、全図にわたって対応する要素を特定する。図中、同様の参照番号は通常同一の、機能上同様の、および/または構造上同様の要素を示す。
[0028] 記載される実施形態、および、明細書における「1つの実施形態」、「一実施形態」、「例示的な実施形態」等への参照は、記載される実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含みうることを示すが、どの実施形態も必ずしも特定の特徴、構造、または特性を含むわけではない。さらに、この表現は同じ実施形態を必ずしも参照しているわけではない。また、特定の特徴、構造、または特性が一実施形態に関連して記載される場合、本明細書に明示的に記載されるか否かに関わらず他の実施形態に関連してかかる特徴、構造、または特性を実現させることは当業者の知識の範囲内であると理解されるものとする。
[0029] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。このリソグラフィ装置は、
[0030] 放射ビームB(例えばUV放射またはEUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
[0031] パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに接続されたサポート構造(例えばマスクテーブル)MTと、
[0032] 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
[0033] パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSと、
を含む。
[0034] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、或いはそれらの任意の組み合せ等の様々なタイプの光コンポーネントを含むことができる。
[0035] サポート構造は、パターニングデバイスを支持する、すなわち、パターニングデバイスの重量を支える。サポート構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否か等の他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスを保持する。サポート構造は、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスを、例えば投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。本明細書において使用される「レチクル」または「マスク」という用語はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語と同義であると考えるとよい。
[0036] 本明細書において使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると広く解釈されるべきである。なお、放射ビームに付与されたパターンは、例えば、そのパターンが位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に一致しなくてもよいことに留意されたい。一般に、放射ビームに付与されたパターンは、集積回路等のターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定の機能層に対応しうる。
[0037] パターニングデバイスは、透過型であっても反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは周知であり、バイナリ、レべンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフト等のマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられ、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように各小型ミラーを個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付与する。
[0038] 本明細書において使用される「投影システム」という用語は、使われている露光放射に、或いは液浸液の使用または真空の使用といった他の要因に適切な屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、および静電型光学システム、またはそれらのあらゆる組合せを含むあらゆる型の投影システムを包含すると広く解釈されるべきである。本明細書において使用される「投影レンズ」という用語はすべて、より一般的な用語「投影システム」と同義であると考えてよい。
[0039] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば反射型マスクを採用しているもの)である。或いは、リソグラフィ装置は、透過型のもの(例えば透過型マスクを採用しているもの)であってもよい。
[0040] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプのものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械では、追加のテーブルを並行して使うことができ、すなわち、予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上の基板テーブルを露光用に使うこともできる。
[0041] また、リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を満たすように、例えば水といった比較的高い屈折率を有する液体によって基板の少なくとも一部を覆うことができるタイプのものであってもよい。また、例えばマスクと投影システムの間といったリソグラフィ装置内の別の空間に液浸液を加えてもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させることで当技術分野において周知である。本明細書にて使用される「液浸」という用語は、基板のような構造物を液体内に沈めなければならないという意味ではなく、単に、露光中、投影システムと基板との間に液体があるということを意味するものである。
[0042] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。例えば放射源がエキシマレーザである場合、放射源とリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。その場合、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また、放射ビームは放射源SOからイルミネータILへ、例えば適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを使って送られる。その他の場合、例えば放射源が水銀ランプである場合、放射源はリソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムとともに、放射システムと呼んでもよい。
[0043] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータおよびコンデンサといった様々な他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布を持たせることができる。
[0044] 放射ビームBは、サポート構造(例えばマスクテーブルMT)上に保持されているパターニングデバイス(例えばマスクMA)上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAを横断した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点を合わせる。第2ポジショナPWおよび位置センサIF2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使い、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサIF1を使い、例えば、マスクライブラリから機械的に取り出した後またはスキャン中に、マスクMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることもできる。通常、マスクテーブルMTの移動は、第1ポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動も、第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使って実現することができる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに接続されてもよく、または固定されてもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2と、基板アライメントマークP1、P2を使って位置合わせされてもよい。例示では基板アライメントマークが専用ターゲット部分を占めているが、基板アライメントマークをターゲット部分とターゲット部分との間の空間内に置くこともできる(これらは、スクライブラインアライメントマークとして公知である)。同様に、複数のダイがマスクMA上に設けられている場合、マスクアライメントマークは、ダイとダイの間に置かれてもよい。
[0045] 例示の装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
[0046] 1.ステップモードでは、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それにより別のターゲット部分Cを露光することができる。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光時に結像されるターゲット部分Cのサイズが限定される。
[0047] 2.スキャンモードでは、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。
[0048] 3.別のモードでは、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、マスクテーブルMTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードでは、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
[0049] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、或いは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
[0050] 図2a、図2b、および図2cは、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステム10を示す。アクチュエータシステムは、基部12に対してコンポーネント11を作動させるように構成される。アクチュエータシステム10は、基部12からコンポーネント11に延在する2つの作動要素15、16を含む。
[0051] 図示するように、作動要素15、16は、基部12に対してコンポーネント11を支持しうる。或いはまたは追加的に、コンポーネント11は、コンポーネント11が作動要素15、16によって作動されることを可能にする適切な支持構造によって支持されてもよい。さらに、作動システム10によって作動されるコンポーネント11は、作動されるシステム内の特定のコンポーネントであってよいことは理解されるべきである。或いは、コンポーネント11は、作動されるシステム内の特定の更なるコンポーネントに接続されるように構成されたマウントまたはサポートであってよい。
[0052] 作動要素15、16は共に、互いに接合された2つの材料セクションを含む。第1の作動要素15は、第1および第2の材料セクション15a、15bを含み、第2の作動要素16は、第3および第4の材料セクション16a、16bを含む。
[0053] 作動要素15、16のそれぞれを含む2つの材料セクションは、異なる熱膨張係数を有するように選択されうる。換言すれば、一実施形態では、第1の材料セクション15aの熱膨張係数は、第2の材料セクション15bの熱膨張係数とは異なる。同様に、第3の材料セクション16aの熱膨張係数は、第4の材料セクション16bの熱膨張係数とは異なる。便宜上、同じ材料の対が、第1および第2の作動要素15、16のそれぞれに用いられうる。本実施形態では、2つの異なるタイプの材料さえ提供すればよい。さらに、第1および第2の作動要素15、16は一貫して動作しうる。しかし、このことは本発明の全ての実施形態に当てはめる必要はない。
[0054] 以下により詳細に説明するように、アクチュエータシステム10は、第1および第2の作動要素15、16のそれぞれに独立して加熱が当てられるように構成される。したがって、作動要素15、16の温度は制御されうる。図2aは、両作動要素15、16がそれぞれの公称作業温度、すなわち、作動要素が非作動状態にある温度にある。なお、2つの作動要素15、16の公称作業温度は同じに設定されうることは理解されよう。しかし、これは全ての実施形態に当てはめる必要はない。
[0055] 作動要素15、16の一方を加熱することにより、その温度をその公称作業温度より上に上げて、その作動要素の材料セクションは熱膨張する。しかし、2つの材料セクションは異なる熱膨張係数を有するので、作動要素内に曲げが誘発される。この曲げが、コンポーネント11を作動させる手段として用いられる。具体的には、この誘発された作動要素の曲げは、作動要素の長さに対して主に垂直、すなわち、基部12からコンポーネント11の分離の方向に垂直である方向に、コンポーネント11に力を加えうる。
[0056] 異なる熱膨張係数を有し、加熱された場合に曲げが誘発されるように互いに接合された2つの材料セクションの使用は、例えば温度センサ安全スイッチに用いられうるバイメタルストリップにおいて周知である。しかし、本発明の実施形態にこのような配置をアクチュエータとして用いることの問題点は、材料に十分な加熱をあてることによって2つの材料セクションの温度を比較的迅速に上げ、それにより所望の曲げを迅速に誘発しうるが、材料を曲がっていない状態に戻すことがはるかに遅い。これは、2つの材料セクションの組み合わせは、公称作業温度に戻って初めて曲がっていない状態に戻るからである。公称作業温度から昇温に温度を増加するのにかかる時間を短縮することよりも、加熱状態から公称作業温度に戻すのにかかる時間を短縮することの方がかなり困難である。
[0057] しかし、本発明の実施形態のアクチュエータシステムは2つの作動要素を含み、それぞれ、異なる熱膨張係数を有する材料の2つのセクションを有する。したがって、作動要素の一方、例えば作動要素15は、その温度が増加するとコンポーネント11を第1の方向に作動させるように構成され、また、第2の作動要素、例えば作動要素16は、その温度が増加するとコンポーネント11を反対の方向に作動させるように構成されうる。したがって、作動要素15、16の一方または他方に十分な熱を加えることによっていずれの方向にもコンポーネント11を迅速に作動させることが可能である。
[0058] また、コンポーネント11が、作動要素の一方を加熱することにより第1の方向に作動されている場合、コンポーネント11は、第2の作動要素を加熱することによって第2の方向に向かって迅速に作動されうる。具体的には、第2の作動要素は、第2の作動要素によって誘発された曲げが第1の作動要素によって誘発された曲げを、少なくともある程度まで、打ち勝つように十分に加熱されうる。したがって、コンポーネント11は、作動されていない位置に部分的に戻されうる。或いは、コンポーネント11は、作動されていない位置、すなわち、図2aに示す位置に完全に戻されうる。いずれの場合も、作動は、単に第2の作動要素を加熱することによって与えられる。したがって、作動は、第1の作動要素の冷却の速度に依存していない。
[0059] 作動システム10は、無制限に交互の方向に繰り返しかつ迅速に作動されないことがある。これは、無制限に交互の方向に繰り返しかつ迅速に作動させるには、2つの作動要素の温度を断続的に増加する必要があるからである。したがって、両方の作動要素が公称作業温度より上の温度となると、両方の作動要素を公称作業温度に冷却させることが望ましい。以下により詳細に説明するように、作動要素の冷却の適切な制御によって、所望の作動範囲からアクチュエータシステムの作動状態を変更することなく、作動要素の少なくとも一方が公称作業温度に到達するまで作動要素を冷却することが可能である。
[0060] 図2bおよび図2cは、アクチュエータシステム10の配置の説明を助ける。具体的には、図2bでは、第1の作動要素15が、その温度が公称作業温度より上となるように加熱され、その結果として、第1の作動要素15の曲げおよびコンポーネント11の作動がもたらされる。図2cでは、第2の作動要素16が、その温度が公称作業温度より上となるように加熱され、その結果、コンポーネント11を図2bに示す作動の反対の方向に作動させる、第2の作動要素の曲げがもたらされる。図2bおよび図2cに示すように、第1および第2の作動要素15、16のいずれかの作動が、2つの作動要素の他方の変形をもたらしうることは理解されよう。したがって、作動要素に用いられる材料は、昇温にある他方の作動要素によって引き起こされる作動要素の変形を可能とするよう十分に弾性であるべきである。
[0061] 様々な材料を用いて、作動要素15、16を構成する材料セクション15a、15b、16a、16bを形成しうる。一実施形態では、例えばアクチュエータシステムがEUV放射を用いるリソグラフィ装置内で用いられる場合、真空に適合するように選択されうる。さらに、各作動要素を形成するように用いられる2つの材料セクションは、熱膨張係数間の違いを最大限にするように選択されてよく、その結果、所与の温度変化に対する作動要素の最大の作動がもたらされる。同様に、材料は、上述したように、他方の作動要素が作動される場合に適切な弾性を確実にするように選択されうる。さらに、材料は、必要な場合に作動要素が十分に迅速に冷却可能であることを確実にするために、その比熱容量および/またはその熱伝導性について選択されうる。使用に検討される具体的な材料には、例えば、次に限定されないが、ステンレス鋼、インバー(すなわち、例えば約64%のFeと36%のNiの合金であり、非常に低い熱膨張係数を有する)、アルミニウム、銅、銀、金、白銀、クロム、鉄、チタン、タングステン、および他の金属合金が含まれる。他の材料も検討してよいことは理解すべきである。作動要素は追加の材料セクションを含みうることも理解すべきである。追加のセクションは、作動要素の特性の更なる最適化を可能にしうる。
[0062] 上述したように、本発明の実施形態のアクチュエータシステムは、作動要素15、16の冷却に依存することなく、比較的迅速にいずれの方向にも作動されうるが、アクチュエータシステムの繰り返される作動には、作動要素15、16の公称作業温度にまたはその温度に向けて作動要素を戻すために、適切なときに、作動要素15、16を冷却する必要がある。これを容易にするために、作動要素15、16は、1つ以上のヒートシンクに熱的に接続されうる。1つ以上のヒートシンクは、適切なヒートシンク温度に維持され、また、作動要素の温度を所望量分下げるのに必要な熱を、ヒートシンクの温度に著しく影響を与えることなく、すなわち、ヒートシンクに引き込まれうる熱の性質に著しく影響を与えることなくヒートシンクに引き込みうるように、比較的大きい熱容量を有しうる。
[0063] 図3は、本発明の実施形態によるアクチュエータシステム10に用いうるヒートシンク20の可能な配置を示す。具体的には、図示するように、単一のヒートシンク20が、いずれかの作動要素15、16がヒートシンク20の温度より上の温度にある場合に熱がヒートシンク20に伝達されるように第1および第2の作動要素15、16に熱的に接続される。したがって、ヒートシンク20を用いて第1および第2の作動要素15、16を迅速かつ効率的に冷却しうる。
[0064] 図示するように、ヒートシンク20は、アクチュエータシステムの基部12の一部として含まれうる。さらに、ヒートシンク20は、ヒートシンク20内に実質的に一定のヒートシンク温度を維持するように構成された温度制御システム21を含みうる。例えば、温度制御システム21は、ヒートシンク20の温度が意図するヒートシンク温度より高い所与のレベルより高く上昇する場合に、ヒートシンク20から熱を除去する冷却システムを含みうる。しかし、ヒートシンク20の温度の変動は、作動要素15、16の温度の変動よりもずっと小さいことは理解されよう。一例では、冷却システムは、導管を含むようにヒートシンク20を構成することによって提供されうる。この導管内を冷却流体が供給されうる。
[0065] 本発明の実施形態によるアクチュエータシステム10は、様々に異なる状況において用いられうる。具体的には、アクチュエータシステム10はリソグラフィ装置内で用いられうる。例えば、上述したようなリソグラフィ装置内には、パターニングデバイスによってパターン付けされる前に放射ビームを調整する放射ビーム調整システムが設けられうる。同様に、パターン付けされた放射ビームを基板上に投影する投影システムが設けられうる。どちらのシステムでも、放射ビームに対して様々な機能を行う様々な光コンポーネントが設けられる。これらのコンポーネントの幾つかは、それらの位置の定期的な調節を必要としうる。したがって、アクチュエータシステム10を用いて、これらのコンポーネントの位置を制御しうる。
[0066] アクチュエータシステム10を用いる幾つかの実施形態において、互いにすぐ近隣にある複数のコンポーネントが位置制御を必要としうる。その場合、複数のアクチュエータ10が設けられてよい。このような配置では、複数のアクチュエータ10は、共通の基部12、具体的には共通のヒートシンクを共有してよく、また、必要に応じてヒートシンク20用の共通の温度制御ユニット21を共有してよい。このような配置は、アクチュエータシステム10の複雑さを減少し、および/または、アクチュエータシステムを提供するコストを下げる。
[0067] 図4は、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステム10のヒートシンクの代替の配置を示す。具体的には、図示するように、共通のヒートシンクではなく、各作動要素15、16は各自のヒートシンク25、26を有する。このような配置は、一方の作動要素における温度変化が他方の作動要素における温度変化に影響を与えないようにしうるので、有利でありうる。図4に示すように、別個のヒートシンク25、26が設けられる場合、片方または両方のヒートシンク25、26には、各自の所望のヒートシンク温度にヒートシンク25、26の温度を維持するように設けられる、各自の温度制御ユニット27、28が設けられてよい。
[0068] 別個のヒートシンク25、26が設けられる場合、これらは共に同じヒートシンク温度に維持されてもよい。或いは、しかしながら、ヒートシンクは、異なるヒートシンク温度に維持されてもよい。
[0069] 第1および第2の作動要素15、16に共通のヒートシンク20を用いようとも、各自のヒートシンク25、26を用いようとも、所望のヒートシンク温度は作動要素の公称作業温度と同じであってよい。しかし、これは、全ての実施形態に当てはまらなくてもよい。具体的には、作動要素15、16を冷却するためにかかる時間は、作動要素15、16と、熱が伝達されるヒートシンク20または25、26との温度差に依存する。したがって、作動要素15、16の冷却速度は、作動要素15、16とヒートシンク20または25、26との温度差を増加することによって上げられうる。したがって、ヒートシンク温度は、作動要素15、16の公称作業温度より下のレベルに設定されうる。
[0070] 一実施形態では、したがって、作動要素15、16の公称作業温度、すなわち、作動要素15、16が作動されていないときの温度は、アクチュエータシステム10がその中で用いられるシステムの周囲温度より高く設定され、また、ヒートシンク20または25、26は、アクチュエータシステム10がその中で用いられるシステムの周囲温度と実質的に同じ温度に維持されうる。このような実施形態では、作動を与えるために、作動要素15、16に与えられる任意の加熱に加えて、作動要素の温度をヒートシンク20または25、26の温度より上に維持するために、作動要素15、16に常に加熱を与えなければならない。しかし、上述したように、このような配置は、作動要素の冷却速度を増加しうる。
[0071] 或いはまたは追加的に、ヒートシンク20または25、26のヒートシンク温度は、アクチュエータ10がその中で用いられるシステムの周囲温度より冷たく設定されてもよい。この場合も、作動要素15、16の温度をヒートシンク20または25、26の温度より上に維持するために、作動要素15、16を作動させるために用いられる加熱に加えて、作動要素15、16に常に加熱を与えなければならない。しかし、このような配置は、アクチュエータシステム10がその中で用いられるシステム内の他のコンポーネントの温度に影響を及ぼしうるので望ましくない。
[0072] 作動要素の冷却速度を向上させるためにヒートシンクの温度を作動要素15、16の公称作業温度より下に設定しうる幾つかの実施形態は、(図2a、図2b、および図2cに示すように)加熱された場合に、相対する向き(senses)に動作する2つの作動要素15、16を有するアクチュエータシステムには特に有利でありうるが、この配置は、単一の作動要素を有するアクチュエータシステムにも有利でありうる。例えば、異なる熱膨張係数を有する材料の2つのセクションを含む作動要素を有するアクチュエータシステムでは、作動要素の公称作業温度より下の温度のヒートシンクを設けることは、アクチュエータシステムがその所望の目的にために適合している十分に速い速度で冷却する際に、作動要素が1つの方向において作動されることを意味しうる。しかし、作動要素を加熱することによってもたらされる作動方向における動作が、冷却によってもたらされる反対方向における動作よりも依然として高速であることを理解すべきである。さらに、このような実施形態では、作動要素は、作動要素を公称作業温度に維持するために作動要素に断続的に熱が与えられるように構成されうる。
[0073] 図5に示すように、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステム10は、アクチュエータシステム10を制御するように構成されたアクチュエータコントローラ30を含みうる。一実施形態では、アクチュエータコントローラ30は、作動要素の温度、したがって作動を制御するために第1および第2の作動要素15、16への熱の供給を制御しうる。一実施形態では、アクチュエータコントローラ30はアクチュエータシステム10を制御してコンポーネント11の所望レベルの作動を与えうる。
[0074] 図5に概略的に示すように、第1および第2の作動要素15、16は、アクチュエータコントローラ30の制御下で作動要素15、16を加熱する第1および第2のヒータ35、36をそれぞれ含みうる。ヒータ35、36は、図5に概略的に示すように、作動要素15、16内に設けられるまたは作動要素15、16に熱的に接続された別個の加熱要素でありうる。しかし、作動要素15、16自体をヒータ35、36として用いてもよい。具体的には、作動要素15、16は、作動要素15、16を含む材料セクションの片方または両方内に電流が流れるように構成されてもよく、この電流が熱効果を与える。
[0075] アクチュエータシステム10の一実施形態では、アクチュエータコントローラ30は、コンポーネント11の所望の作動範囲のために、公称作業温度より上の作動要素15、16の一方の必要な温度を決定して所望の作動範囲を提供しうる。その際に、アクチュエータコントローラ30は、他方の作動要素の温度を考慮に入れうる。換言すれば、他方の作動要素がその公称作業温度の上の温度に既にある場合、アクチュエータコントローラ30は、他方の作動要素による既に存在する作動に打ち勝つ、所望の作動範囲を与えるために必要な第1の作動要素の温度上昇を決定しうる。
[0076] 必要な作動範囲のための所望の温度を決定するために、アクチュエータコントローラ30は、所望の作動範囲を、公称作業温度より上の作動要素の必要な温度に関連付ける較正データを記憶するメモリ31を含みうる。アクチュエータコントローラ30はさらに、メモリ内の較正データを用いて、必要な作動範囲のために必要な温度を決定するプロセッサ32を含みうる。プロセッサは、較正データ内に与えられるデータ点間を補間するように構成されうる。
[0077] このように構成されたアクチュエータシステム10では、作動要素15、16には、各作動要素15、16の少なくとも一部分の温度の測定値をアクチュエータコントローラ30に供給する温度センサ37、38が設けられてもよい。
[0078] 温度センサ37、38は、作動要素15、16内に設置された追加の温度センサコンポーネントであってよい。或いはまたは追加的に、作動要素15、16自体を温度センサとして用いてもよい。具体的には、作動要素15、16の電気抵抗が温度によって変動しうる。したがって、アクチュエータシステム10は、作動要素15、16の電気抵抗を測定するように構成され、また、アクチュエータコントローラ30は、例えば適切な較正によって、測定された電気抵抗から作動要素の温度を決定しうる。
[0079] したがって、アクチュエータコントローラ30は、作動要素の加熱を制御して、必要な作動範囲に必要であるとアクチュエータコントローラが決定した作動要素の公称作業温度よりも上への所望の温度増加を与える。
[0080] アクチュエータシステム10の一実施形態では、アクチュエータコントローラは、具体的に、作動要素の温度を比較的迅速に上げるために比較的高速で作動要素15、16に熱を最初に与えることによって、作動要素15、16の一方の温度を、公称作業温度より上に上げるように構成されうる。所与の期間後、所望の作動範囲を与えるために温度が適切に上がると、作動要素に与えられる熱の速度はアクチュエータコントローラ30によって低レベルに下げられうる。この低レベルは、必要な作動範囲に必要な温度に作動要素15、16を維持するために必要な熱に対応する。作動要素15、16に熱を与えるこの速度は、作動要素から、例えばある場合にはヒートシンクおよび/またはアクチュエータシステム10がその中で用いられるシステムの周囲環境へと、熱が失われる速度に対応する。
[0081] 作動要素15、16に熱を与える第1の速度は固定されてもよく、その場合、アクチュエータコントローラ30は、アクチュエータコントローラ30が作動要素15、16に熱を与える第2の速度に切り替わる前に、第1の速度の熱が与えられる時間の継続時間を制御することによって、作動要素15、16が到達する温度を制御する。したがって、例えば、上述した配置では、アクチュエータコントローラ30は、測定温度が所与のレベルに到達するまで第1の速度で与えられる、作動要素15、16への熱を制御し、その後、熱は、第2の速度で作動要素に与えられる。
[0082] しかし、アクチュエータコントローラ30は、作動要素15、16の温度を評価する(rating)プロセス時に、作動要素15、16に熱が与えられるべき速度を決定するように構成されうる。換言すれば、アクチュエータコントローラ30は、作動要素15、16に熱を与える第1の速度を決定しうる。このことは、低速で作動要素15、16に熱を与えることは、特に、比較的小さい、必要とされる温度上昇の場合、作動要素15、16の温度の正確な制御を容易にしうるので、有利でありうるが、高速で作動要素15、16に熱を与えることは、結果として高速な温度上昇、したがって、比較的大きい、必要とされる温度上昇の場合に特に望ましいより短い作動時間をもたらす。
[0083] アクチュエータシステム10の一実施形態では、アクチュエータコントローラ30のメモリ31は、所望の作動範囲を、作動要素15、16に熱を与える第1の速度、作動要素に熱を与える第2の速度、および、第2の速度に切り替わる前に第1の速度が用いられるべき時間の継続時間のうちの1つ以上に関連付ける較正データを含みうる。したがって、アクチュエータコントローラ30のプロセッサ32は、任意の所望の作動範囲について、当該所望の作動範囲を与えるために必要な必要加熱条件を決定可能でありうる。
[0084] アクチュエータコントローラ30は、メモリ31内に与えられたデータ点を補間可能でありうる。さらに、アクチュエータコントローラ30は、メモリ31内の較正データから、アクチュエータシステムが既に部分的に作動状態にある位置から必要な範囲にアクチュエータシステム10を作動させるのに必要な加熱条件を決定するように構成されうる。アクチュエータコントローラ30は、作動要素に与えられた熱に応じたアクチュエータシステムの期待される作動を決定することができるように、適切な較正データを用いて、アクチュエータシステムの物理的挙動をモデリングするアルゴリズムが与えられていてもよい。したがって、アクチュエータコントローラは、所望の作動範囲を与えるために作動要素に与えられるべき熱を決定するように構成される。
[0085] さらに、アクチュエータコントローラ30の構成に関わらず、アクチュエータコントローラ30は、所望の作動が完了すると、第1および第2の作動要素は、それらが各自の公称作業温度より上にある場合、コンポーネント11の作動範囲を変更することなく、作動要素15、16の一方がその公称作業温度に到達するまで冷却させられうる。
[0086] 上述したアクチュエータコントローラ30を有する、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステム10の利点は、アクチュエータシステムが、コンポーネント11の作動の十分に正確な制御を与えるためにフィードバック機構を必要としないことでありうる。具体的には、作動要素15、16の応答は、十分に一貫しているので、コンポーネント11の位置をモニタリングすることなくコンポーネント11の位置の十分に正確な制御を与えうる。しかし、システムが時間の経過と共に段階的に変化する場合、アクチュエータコントローラ30内のメモリ31に記憶された較正データを更新するために較正テストを定期的に行う必要がありうることは理解されよう。
[0087] 代わりにまたは追加的に、図6に示すように、位置センサ40を設けて、ヒータ35、36による作動要素15、16の加熱に対するアクチュエータシステム10の反応をモニタリングしてよい。したがって、アクチュエータコントローラ30内のプロセッサ32は、作動要素の加熱を制御するまたはヒータ35、36によって与えられる加熱の制御を調節するために、測定システム40によって与えられる位置測定値を用いうる。一実施形態では、位置測定システム40は、アクチュエータシステム10の動作時には使用されず、較正測定を行うために定期的にのみ使用されうる。位置測定システム40は、図6に示すように、基部12に対するコンポーネント11の位置を測定するように構成されうる。或いは、位置測定システム40は、アクチュエータシステム10がその中で用いられるシステムの別の部分に対するコンポーネント11の位置を測定するように示されうる。
[0088] 図7a〜図7eは、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステム10の動作モードを示す。この例では、図7aは、期間tに亘って第1の作動要素15に熱が与えられる速度Pを示す。図7bは、同じ期間に亘って第2の作動要素16に熱が与えられる速度Pを示す。図7cは、所与の期間に亘る第1の作動要素15の温度Tを示す。図7dは、期間に亘る第2の作動要素16の温度Tを示す。図7eは、アクチュエータシステムが与えると評価される第1の最大範囲まで第1の作動要素が作動される第1の完全に作動された位置Aと、アクチュエータシステム10が与えると評価される最大範囲まで第2の作動要素が作動される第2の作動範囲Aとの間のアクチュエータシステム10の作動範囲Aを示す。
[0089] 図7a〜図7eに示すように、アクチュエータシステム10は、最初は、第1の最大範囲に向けて作動される。したがって、第1の作動要素15の温度は、その公称作業温度TINより上のレベルT1Hにあり、第2の作動要素16はその公称作業温度T2Nにある。図示するように、必要な温度を与えるために、熱が比較的低速P1Mで第1の作動要素15に与えられ、第2の作動要素16には加熱は与えられない。しかし、アクチュエータシステム10が、作動要素15、16がヒートシンクの温度より上の公称作業温度を有する上述した選択肢に従って構成された場合、両方の作動要素に熱を与える速度は、作動要素15、16の温度をヒートシンクの温度より上に維持するために必要な加熱に等価の量分、増加される。
[0090] 時間tにおいて、作動システム10の作動範囲を第2の完全に作動された範囲に向けて変更することが求められる。したがって、第2の作動要素に与えられる加熱は、第1の作動要素15がその既存の温度T1Hにある間に、第2の作動要素16の温度Tを第1の作動要素15の作動に打ち勝つのに十分である温度T2Eに高速に増加するために、かつ、所望の作動範囲を与えるために、時間tにおいて、比較的高いレベルP2Hに増加される。
[0091] 図7a〜図7eに示すように、時間tにおいて、第2の作動要素16は、その公称作業温度T2Nより上の必要温度T2Eに到達し、所望の作動範囲が与えられる。そのとき、第2の作動要素16に熱を与える速度は、第2の作動要素16の温度を増加するのに必要なレベルP2Hよりかなり低いレベルP2Nに下げられる。したがって、第2の作動要素16の温度は安定化されうる。
[0092] しかし、図7a〜図7eに示すように、アクチュエータコントローラ30は、第2の作動要素16の温度Tをその既存の温度に維持するのに必要な速度より低い速度P2Nで第2の作動要素16に熱を与えるように構成されうる。したがって、第2の作動要素16の温度Tは、第2の作動要素16に熱を与える速度P2Mによって、温度Tが第2の作動要素16の公称作業温度T2Nより上に維持されるレベルT2Hに下がる。同じ時間tにおいて、第1の作動要素15に熱を与える速度Pが、第1の作動要素50の温度Tがその公称作業温度TINに下がるように、低減される。
[0093] 例えば、必要な作動範囲を与えるよう第2の作動要素16が十分に加熱されるまで第1の作動要素15に熱を与える速度を維持することによって、アクチュエータシステム10の制御を上述したように好都合に構成することによって、後続の、第1および第2の作動要素15、16の冷却の速度は、アクチュエータシステム10の作動範囲がこの期間中変更しないように十分に同様でありうる。したがって、図示するように、期間tと期間tとの間に、第1の作動要素15の温度Tは、その元の温度T1Hからその公称作業温度T1Nに下がり、また、第2の作動要素16の温度Tはその最初の昇温T2Eから、第1の作動要素がその公称作業温度T1Nにある間に第2の作動要素16が所望の作動範囲を与える温度T2Hに下がる。その一方で、第1および第2の作動要素15、16が冷却している期間の間、作動範囲は変らない。
[0094] 上述したように、本発明の実施形態によるアクチュエータシステムは、様々な状況において用いられうる。一実施形態では、アクチュエータシステムはリソグラフィ装置において用いられうる。更なる実施形態では、アクチュエータシステムは放射ビームを調整する放射ビーム調整システムにおいて用いられてもよい。例えば、放射ビーム調整システムは、放射源からの放射ビームをパターニングデバイスに与えるイルミネータの一部として用いられうる。
[0095] 図8は、照明システムの一部を概略的に示す。具体的には、図示するように、放射が、中間焦点45から第1の反射要素アレイ46に与えられる。反射要素は、それぞれ、第2の反射要素アレイ47における各反射要素上に放射ビームの一部の焦点を合わせる。第2の反射要素アレイ47における各反射要素は、第1のアレイ46における関連付けられる要素のフィールドがパターニングデバイス48上に結像されるように構成される。このような配置は、一般に「フライアイインテグレータ」と知られており、第1のリフレクタアレイ46におけるリフレクタは一般にフィールドファセットミラーと呼ばれ、また、第2のリフレクタアレイ47におけるリフレクタは一般に瞳ファセットミラーと呼ばれる。パターニングデバイス48におけるフィールドが、第1のリフレクタアレイ46の重なる像の総和を含み、放射源によって放出された放射を混合し、パターニングデバイス48における照明均一性を向上させるような配置にされる。
[0096] 図8に示すように、第1のリフレクタアレイ46および第2のリフレクタアレイ47の配置は、第2のアレイ47に第1のアレイ46におけるよりも多くのリフレクタがあるようにされる。さらに、第1のリフレクタアレイ46におけるリフレクタの位置を制御することによって、第1のリフレクタアレイ46の各リフレクタが当該リフレクタに入射する放射を、第2のリフレクタアレイ47のどれに向けるのかを制御しうる。したがって、パターニングデバイス48に向けられる放射の角度分布を制御しうる。例えば、図8に示す配置では、ダイポール照明設定を与えるために、放射は、第1のリフレクタアレイ46における4つのリフレクタによって第2のリフレクタアレイ47における選択されたリフレクタに向けられる。しかし、第1のリフレクタアレイ46に任意の数のリフレクタが設けられてよく、各リフレクタは、リフレクタに入射した放射を第2のリフレクタアレイ47における多数のリフレクタのうちの1つに向けることができるように構成されうる。
[0097] 第1のリフレクタアレイ46におけるリフレクタの位置を制御するために、上述したアクチュエータシステムといった各自のアクチュエータ49が、リフレクタのそれぞれに設けられうる。システムの配置に応じて、例えば各リフレクタが第1のリフレクタアレイ46における1つのリフレクタからの放射しか受けない場合、そのリフレクタが特定の位置にある場合、第2のリフレクタアレイ47におけるリフレクタの位置は固定されてもよい。或いは、上述したアクチュエータシステムといったアクチュエータは、パターニングデバイス48上に放射を適切に向けるために第2のリフレクタアレイ47におけるリフレクタの位置を制御するために設けられてもよい。
[0098] 本発明の更なる実施形態では、改良された形状を有する作動要素を有するアクチュエータシステムが提供される。以下の記載は、異なる熱膨張係数を有する材料の2つのセクションから作られる単一の作動要素の改良された形状を説明する。このような作動要素は、本発明の一実施形態による作動システムを形成するために単独で用いられても、または、アクチュエータシステムを提供するために、反対の向き(sense)、すなわち、反対の方向に作動するように構成された別の作動要素と共に用いられてもよい。2つの作動要素を有するアクチュエータシステムでは、一方または両方が以下の説明に従って構成されうる。
[0099] 図9は、本発明の一実施形態による改良された作動要素50を示す。前述同様に、作動要素50は、異なる熱膨張係数を有する第1および第2の材料セクション51、52を含む。それぞれ、作動システムの基部12から作動させるコンポーネント11に延在する。材料セクション51、52は共に、基部12に接続された第1の端53から、作動させるコンポーネント11に接続された第2の端54に延在する。本発明の本実施形態では、第1および第2の材料セクション51、52は、材料セクション51、52のそれぞれの断面積が第1の端53から第2の端54へと減少するように形作られる。
[00100] 一実施形態では、図9に示すように、第1および第2の材料セクション51、52は厚さが均一であるが、幅が先細になるように形成されうる。しかし、他の配置を用いてもよいことは理解されよう。
[00101] 本発明の本実施形態による作動要素50を設けることによって、その性能特性を向上させうる。一実施形態では、作動要素50の所望の作動範囲および/または作動要素50によって与えられる所望の力のために、作動要素50に与えられなければならない熱は、その長さに沿って均一の断面を有する材料セクションから作られる作動要素に必要となる熱よりも少ない。さらに、昇温から例えば公称作業温度に冷却するために作動要素50が要する時間は、一定の断面積を有する材料セクションから作られる作動要素に比べて短縮されうる。
[00102] 本発明の更なる実施形態は、作動要素に加熱を与えるための特定の配置を提供する。以下の記載は、上述した単一の作動要素に適用される加熱システムを説明する。この加熱システムは、単一の作動要素のみを含むアクチュエータシステムに用いられうることを理解すべきである。或いは、本発明の本実施形態による加熱システムは、例えば上述したように加熱された場合に、相対する向き(senses)における作動を与えるように構成される2つの作動要素といった複数の作動要素を有するアクチュエータシステムに用いられてもよい。その場合、本発明の本実施形態による加熱システムは、作動要素の一方または両方に適用されうることを理解すべきである。さらに、本発明のこの態様は、その長さに沿って断面積が減少する材料セクションを有する作動要素を参照して説明されるが、本発明の本実施形態は、例えばその長さに沿って一定の断面積を有するといったように別に構成される作動要素にも用いられうることを理解すべきである。
[00103] 本発明の本実施形態では、作動要素は、導電性ループと作動要素の組み合わせが導電性回路を形成するように導電性ループに接続される。作動要素に加熱を与えるために、作動要素と導電性ループによって形成された電気回路内に電流が誘導され、電気回路周りの電流の流れに対する作動要素の抵抗が、作動要素を作動させるのに必要な熱を発生する。
[00104] 導電性ループは、作動要素を形成する材料セクションの片方または両方よりも低い電気抵抗を有するように形成されうる。具体的には、導電性ループは、作動要素を形成する材料より低い抵抗を有する材料から形成されうる。例えば導電性ループは銅から形成されうる。代わりにまたは追加的に、導電性ループを形成する材料の断面積は、(電流の方向において)作動要素の断面積よりも著しく大きいことがある。したがって、加熱システムは、導電性ループにおけるよりも作動要素において著しくより多くの熱が発生されるように構成されうる。
[00105] ヒートシンクが設けられる場合、導電性ループは、導電性ループ内で発生された任意の熱がヒートシンクに伝達され、また、作動要素に与えられる熱に影響を与えないようにヒートシンクに熱的に接続されうる。導電性ループは、導電性ループに比べて劣る導電体であるが良好な熱導体である構造によってヒートシンクに取り付けられうる。例えば、導電性ループは、Alによって形成されたプレートによってヒートシンクに取り付けられうる。
[00106] 作動要素の一実施形態では、スロットが、作動要素を構成する材料セクションの両方に形成されうる。このスロットは、作動要素が導電性ループに接続されうる、作動要素の第1の端から、作動要素の第2の端に向かって伸びるが、作動要素の全長には伸びないように設けられうる。さらに、作動要素は、電流が、電気回路内に誘導される場合、電流がスロットの第1の側において作動要素を第1の端から第2の端に、作動要素の第2の端において作動要素の第1の側から作動要素の第2の側に、そして、作動要素の第2の端から作動要素の第1の端にスロットの第2の側に沿って流れるように、導電性ループに接続されうる。したがって、このような配置によって、電流は、作動要素の実質的に長さ全体を流され、作動要素の長さ全体に加熱が与えられる。
[00107] 電流は、電気回路に印加される可変の磁場によって、導電性ループと作動要素によって形成された電気回路内を流れるように誘導されうる。例えば、可変磁場を与えるために導電性ループに隣接して設けられる1つ以上の導電コイルに交流電流が与えられてよい。本実施例では、電流は、変圧器に対応するような様式で導電性ループと作動要素によって形成された電気回路内に誘導される。その場合、導電性ループに隣接して設けられる1つ以上のコイルは「変圧器」の一次巻線に相当し、また、導電性ループと作動要素によって形成された電気回路は「変圧器」の二次巻線に相当する。
[00108] 図10は、そのような作動要素60の可能な配置を示す。具体的には、作動要素は、異なる熱膨張係数を有する第1および第2の材料セクション61、62から形成される。図示するように、作動要素の第1の端64から作動要素の第2の端65に向かって延在するが、作動要素60の長さ全体には伸びていないスロット63が、第1および第2の材料セクション61、62に形成される。
[00109] 第1および第2の材料セクション61、62は、導電性ループ65に接続される。一実施形態では、導電性ループの第1の端65aは、スロット63の第1の側において、第1および第2の材料セクションに接続され、導電性ループの第2の端65bは、スロット63の第2の側において、第1および第2の材料セクション61、62に接続される。導電性ループ65と第1および第2の材料セクション61、62は共に導電性回路を形成する。したがって、電流の流れに対する第1および第2の材料セクションの抵抗が作動要素60内の加熱を発生するように、導電性回路周りに電流が流れるように可変磁場を誘導しうる。
[00110] 図10には示されないが、上述したように、例えば銅である導電性材料から作られる1つ以上のコイルが、作動要素60から離れた導電性ループ65の部分に隣接して設けられうる。導電性ループと第1および第2の材料セクション61、62によって形成された電気回路内の電流は、公知の方法で1つ以上の導電性ループに交流電流を与えることによって誘導されうる。
[00111] 上述したように、ヒートシンクが設けられる場合、このようなヒートシンク66は、作動要素60および/または導電性ループ65に熱的に接続されうる。例えば図10に示すように、導電性ループ65は、電気的に絶縁性であるが熱伝導性である材料のプレート67、例えばAlの薄板によってヒートシンク66に取り付けられうる。
[00112] 本発明の本実施形態による加熱システムは、作動要素に比較的大電流を与える効率的システムを提供し、したがって、作動要素自体を、加熱を与えるために用いうる。一実施形態では、電流は、例えば作動要素上の別個の接点に電圧差を与えることによってではなく、作動要素を含む電気回路内で誘導されるので、そのような接点における損失が回避される。具体的には、そのような接点における抵抗によって生じる問題、すなわち、制御できない著しい電圧降下が生じることが回避されうる。さらに、作動要素自体の中の電流の流れによって作動要素に加熱を与えることによって、作動要素の一部として別個の加熱要素を設ける必要がない。
[00113] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者には当然のことであるがそのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツールおよびその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
[00114] 光リソグラフィの関連での本発明の実施形態の使用について上述のとおり具体的な言及がなされたが、当然のことながら、本発明の実施形態は、他の用途、例えば、インプリントリソグラフィに使われてもよく、さらに状況が許すのであれば、光リソグラフィに限定されることはない。インプリントリソグラフィにおいては、パターニングデバイス内のトポグラフィによって、基板上に創出されるパターンが定義される。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジスト層の中にプレス加工され、基板上では、電磁放射、熱、圧力、またはそれらの組合せによってレジストは硬化される。パターニングデバイスは、レジストが硬化した後、レジスト内にパターンを残してレジストの外へ移動される。
[00115] 本明細書において使用される「放射」および「ビーム」という用語は、紫外線(UV)(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長、またはおよそこれらの値の波長を有する)、および極端紫外線(EUV)(5〜20nmの範囲内の波長を有する)、ならびにイオンビームや電子ビームなどの微粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射を包含している。
[00116] 「レンズ」という用語は、文脈によって、屈折、反射、磁気、電磁気、および静電型光コンポーネントを含む様々な種類の光コンポーネントのいずれか1つまたはこれらの組合せを指すことができる。
[00117] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。例えば、本発明は、上記に開示した方法を表す1つ以上の機械読取可能命令のシーケンスを含むコンピュータプログラムの形態、またはこのようなコンピュータプログラムが記憶されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスクまたは光ディスク)の形態であってもよい。
[00118] 上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。発明の概要及び要約の項目は、発明者が想定するような本発明の1つまたは複数の例示的実施形態について述べることができるが、全部の例示的実施形態を述べることはできず、したがって本発明及び請求の範囲をいかなる意味でも制限しないものとする。
[00119] 本発明の実施形態は、特定の機能の実施とそれらの関係を示す機能的構成要素を用いて上に説明された。これらの機能的構成要素の境界は、説明の便宜上任意に定義されている。特定の機能およびそれらの関係が適切に行われる限り別の境界が定義されてもよい。
[00120] 特定の実施形態の上記の説明は、本発明の一般的性質を十分に明らかにし、それにより、当業者の知識を適用することによって、他の人が、必要以上の実験を行うことなく、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、特定の実施形態の様々な適用を容易に修正および/または適応することができるようにする。したがって、このような適応および修正は、本明細書に提示する教示および指導内容に基づいて、開示された実施形態の等価物の異議および範囲内であることを意図するものである。なお、本明細書における表現および用語は、説明のためであって限定を目的とせず、したがって、本明細書の用語および表現は教示および指導内容を鑑みて当業者によって解釈されるべきであることを理解すべきである。
[00121] 本発明の範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれにも限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびその等価物に応じてのみ定義されるべきである。

Claims (16)

  1. アクチュエータシステムの基部に対してコンポーネントを移動するアクチュエータシステムであって、
    前記コンポーネントは、第1の方向において前記基部から離され、
    前記アクチュエータシステムは、第1および第2の作動要素を含み、それぞれ、前記基部に接続された第1の端と前記コンポーネントに接続された第2の端を有し、
    前記第1の作動要素は、互いに接合される第1および第2の材料セクションを含み、両セクションは、前記作動要素の前記第1の端から前記第2の端に延在し、
    前記第2の作動要素は、互いに接合される第3および第4の材料セクションを含み、両方とも、前記作動要素の前記第1の端から前記第2の端に延在し、
    前記第1の材料セクションの熱膨張係数は、前記第2の材料セクションの熱膨張係数とは異なり、
    前記第3の材料セクションの熱膨張係数は、前記第4の材料セクションの熱膨張係数とは異なり、
    前記第1および第2の作動要素は、それぞれ、前記作動要素の温度が公称作業温度から増加すると、前記作動要素が、前記第1の方向に垂直な第2の方向と平行である力を作動される前記コンポーネントに加え、前記第1の作動要素の温度が増加する場合に前記第1の作動要素によって加えられる力は、前記第2の作動要素の温度が増加する場合に前記第2の作動要素によって加えられる力とは反対の方向にあるように構成され、
    前記アクチュエータシステムは、前記第1および第2の作動要素に熱を与えるように構成された少なくとも1つの電源をさらに含み、前記少なくとも1つの電源は、前記第1の作動要素に与えられる前記熱を、前記第2の作動要素に与えられる前記熱とは独立して制御できる、アクチュエータシステム。
  2. 公称ヒートシンク温度に維持された少なくとも1つのヒートシンクをさらに含み、前記第1および第2の作動要素は、熱伝達のために前記少なくとも1つのヒートシンクに接続される、請求項1に記載のアクチュエータシステム。
  3. 前記第1および第2の作動要素は、共通のヒートシンクに熱伝達のために接続される、請求項2に記載のアクチュエータシステム。
  4. 前記アクチュエータシステムは、第1および第2のヒートシンクを含み、前記第1および第2の作動要素は、それぞれ、前記第1および第2のヒートシンクに熱伝達のために接続される、請求項2に記載のアクチュエータシステム。
  5. 前記公称ヒートシンク温度は、前記作動要素の前記公称作業温度である、請求項2に記載のアクチュエータシステム。
  6. 前記作動要素の前記公称作業温度は、前記公称ヒートシンク温度より高い、請求項2に記載のアクチュエータシステム。
  7. アクチュエータコントローラをさらに含み、前記アクチュエータコントローラは、前記少なくとも1つの電源によって前記第1および第2の作動要素に与えられる前記熱を制御することによって前記アクチュエータシステムを制御するように構成される、請求項1から6のいずれかに記載のアクチュエータシステム。
  8. 前記アクチュエータコントローラは、要求に応じて前記アクチュエータシステムを作動させるために、前記作動要素の前記温度をそれらの各自の公称作業温度より上に上げるために必要な熱に加えて、前記公称ヒートシンク温度より上の、前記作動要素の各自の公称作業温度に前記作動要素を維持するように前記作動要素に熱を与えるように構成される、請求項7に記載のアクチュエータシステム。
  9. 前記アクチュエータコントローラは、作動されていない位置から第1の完全に作動された位置に向けて前記アクチュエータシステムを作動させるために、前記第1の作動要素の前記温度を前記作動要素の前記公称作業温度より上の温度に上げるために前記アクチュエータコントローラが前記第1の作動要素に熱を与えるように構成される、請求項7に記載のアクチュエータシステム。
  10. 前記アクチュエータコントローラは、作動されていない位置から前記第1の完全に作動された位置とは反対の方向における第2の完全に作動された位置に前記アクチュエータシステムを作動させるために、前記第2の作動要素の前記温度を前記作動要素の前記公称作業温度より上の温度に上げるために前記アクチュエータコントローラが前記第2の作動要素に熱を与えるように構成される、請求項9に記載のアクチュエータシステム。
  11. 前記アクチュエータコントローラは、第1の速度で第1の期間の間、前記作動要素に熱を与え、続けて第2の速度で前記作動要素に熱を与えることによって所望の作動範囲を与えるように、作動要素の前記温度を前記作動要素の前記公称作業温度より上に上げるように構成され、
    前記第1の速度は前記第2の速度より高く、
    前記第2の速度は、前記所望の作動範囲を与えるために必要な温度に前記作動要素がある場合に前記作動要素から失われる熱を補償するのに十分である、請求項9に記載のアクチュエータシステム。
  12. 前記作動要素の少なくとも一方は、前記作動要素を構成する前記材料セクションの少なくとも一方の断面積が前記第1の端から前記第2の端へと減少するように構成される、請求項1から11のいずれかに記載のアクチュエータシステム。
  13. 前記作動要素の一方に、導電性ループおよび前記作動要素が共に電気回路を形成するように接続される導電性ループをさらに含み、前記電源は、前記電気回路内に電流を誘導するように構成される、請求項1から12のいずれかに記載のアクチュエータシステム。
  14. 前記アクチュエータシステムは、前記電源に接続された1つ以上の導電性材料コイルを含み、
    前記電源は、前記1つ以上のコイル内に交流電流を与えるように構成され、
    前記1つ以上のコイルは、前記交流電流が、前記導電性ループおよび前記作動要素によって形成される前記電気回路内に前記電流を誘導する可変磁場を発生するように構成される、請求項13に記載のアクチュエータシステム。
  15. 放射ビームを調整する放射ビーム調整システムと、
    前記調整済み放射ビームにパターン付けするパターニングデバイスと、
    前記パターン付き放射ビームを基板上に投影する投影システムと、
    を含み、
    前記放射ビーム調整システムは、光学要素と、請求項1に記載のアクチュエータシステムとを含み、前記コンポーネントは前記光学要素であり、前記アクチュエータシステムは、前記光学要素の位置を制御するように構成される、リソグラフィ装置。
  16. デバイスを製造する方法であって、
    放射ビーム調整システムを用いて放射ビームを調整することと、
    前記調整済み放射ビームにパターン付けすることと、
    投影システムを用いて前記パターン付き放射ビームを基板上に投影することと、
    を含み、
    前記方法は、
    前記放射ビーム調整システムまたは前記投影システムの少なくとも1つの光コンポーネントの位置を、前記少なくとも1つの光コンポーネントを移動させるアクチュエータシステムを用いて、第1の方向において少なくとも1つの光コンポーネントから離された前記アクチュエータシステムの基部に対して、制御することをさらに含み、
    前記アクチュエータシステムは、第1および第2の作動要素を含み、それぞれ、前記基部に接続された第1の端と前記光コンポーネントに接続された第2の端を有し、
    前記第1の作動要素は、互いに接合される第1および第2の材料セクションを含み、両セクションは、前記作動要素の前記第1の端から前記第2の端に延在し、
    前記第2の作動要素は、互いに接合される第3および第4の材料セクションを含み、両方とも、前記作動要素の前記第1の端から前記第2の端に延在し、
    前記第1の材料セクションの熱膨張係数は、前記第2の材料セクションの熱膨張係数とは異なり、
    前記第3の材料セクションの熱膨張係数は、前記第4の材料セクションの熱膨張係数とは異なり、
    前記第1および第2の作動要素は、それぞれ、前記作動要素の温度が公称作業温度から増加すると、前記作動要素が、前記第1の方向に垂直な第2の方向と平行である力を作動される前記コンポーネントに加え、かつ、前記第1の作動要素の温度が増加する場合に前記第1の作動要素によって加えられる力は、前記第2の作動要素の温度が増加する場合に前記第2の作動要素によって加えられる力とは反対の方向にあるように構成され、
    前記方法は、前記アクチュエータシステムを作動させるために前記第1および第2の作動要素に熱を与えることを含み、前記第2の作動要素に与えられる前記熱とは独立して前記第1の作動要素に前記熱が与えられうる、方法。
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