JP2012511005A - 結晶形 - Google Patents
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Abstract
本発明は、本明細書に記載された物理化学的データを特徴とする2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールの結晶形に関する。
Description
本発明は、置換されたアザインドールの新規形態、その製造、これらの化合物を含む薬学的組成物、及びプロテインキナーゼの阻害によって調節することができる疾患状態の治療におけるその薬学的使用に関する。
化合物I:
及びこの化合物の合成は、特許文献1に記載されている。また、この化合物は、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールの名称によっても知られている。この化合物は、プロテインキナーゼ、そして特にSyk又は脾臓チロシンキナーゼの阻害に有用である。また、化合物は、関節炎及び黄斑変性のような疾患を治療する薬剤として有用である。
さて、化合物Iは、新規な結晶形で存在することが発見され、これは薬学的組成物を製造する際に使用するために特に適している。これらの形態は、有効であり経済的かつ再現可能な方法によって製造することができ、特に大規模な製造に適している。
本発明は、化合物I:
の特定の形態に関する。この形態は、酢酸エチル、n−プロパノール、メチルテトラヒドロフラン、TBME、メタノール、n−ブタノール、イソブタノール、トルエン、アミルアルコール、t−アミルアルコール及びギ酸エチルを含むが、これらに制限されない溶媒から得ることができる。また、この結晶形は、昇華によっても得られる。この結晶形は、XRPD(X線粉末回折)パターン、DSC(示差走査熱量測定法)挙動、融点、及びラマン分光法のような特異的な性質によって特徴付けられる。これらの性質を以下に示す。また、本発明は、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールのフォームA、フォームB又はフォームCを含む薬学的組成物、及び患者におけるSykに関連する生理学的状態を治療又は予防するための化合物Iのこれらの結晶形の使用方法に関する。
また、本発明は、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールの結晶形A、B、及びC並びにフォームA、B、及びCの製造方法に関する。
略語
上に用いたように、そして本発明の説明を通じて、以下の略語は、特に明記しない限り、以下の意味を有するものと理解される:
EtOAc 酢酸エチル
n−PrOH 1−プロパノール
TBME tert−ブチルメチルエーテル
THF テトラヒドロフラン
2−メチルTHF 2−メチル−テトラヒドロフラン
上に用いたように、そして本発明の説明を通じて、以下の略語は、特に明記しない限り、以下の意味を有するものと理解される:
EtOAc 酢酸エチル
n−PrOH 1−プロパノール
TBME tert−ブチルメチルエーテル
THF テトラヒドロフラン
2−メチルTHF 2−メチル−テトラヒドロフラン
発明の詳述
化合物Iの合成は、国際特許出願WO2008/033798に記載されている。本発明は、結晶形における式(I)の2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールの製造方法を提供し、前記方法は、高められた温度下で又は周囲温度で接触させ、適切な溶媒中又は溶媒の混合物中に溶解し、そして沈殿した固形物を例えば濾過又は溶媒の除去によって単離する工程を含む。
化合物Iの合成は、国際特許出願WO2008/033798に記載されている。本発明は、結晶形における式(I)の2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールの製造方法を提供し、前記方法は、高められた温度下で又は周囲温度で接触させ、適切な溶媒中又は溶媒の混合物中に溶解し、そして沈殿した固形物を例えば濾過又は溶媒の除去によって単離する工程を含む。
本発明の一態様において、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形Aとして本明細書に記載された2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールの結晶形は、7.30、9.09、11.08、11.47、12.34、及び14.67 °(2θ)(degrees 2-theta)付近にピークを含むX線回折パターンを示す。
本発明の別の特定の態様は、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形Aの製造方法である。結晶形Aにおける2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールを得るには、メタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、トルエン、アミルアルコール、t−アミルアルコール、2−メチルテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、酢酸イソプロピル、及び水を含むが、これらに制限されない適切な溶媒中又は溶媒の混合物中に2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールを溶解し、そして沈殿した固形物を、例えば濾過又は真空乾燥による溶媒の除去によって単離する。
本発明の別の態様において、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形Bとして本明細書に記載された2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールの結晶形は、7.50、8.45、12.46、13.11、15.03、16.90、及び17.78°(2θ)付近にピークを含むX線回折パターンを示す。
本発明の別の特定の態様は、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形Bの製造方法である。結晶形Bにおける2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールを得るには、メタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、トルエン、アミルアルコール、t−アミルアルコール、2−メチルテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、酢酸イソプロピル、及び水を含むが、これらに制限されない適切な溶媒中又は溶媒の混合物中に2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールを溶解し、そして沈殿した固形物を、例えば濾過又は真空乾燥による溶媒の除去によって単離する。
本発明の別の特定の態様、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールのフォームBの製造方法は、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形Aを約180℃より上に加熱することにより昇華させることを含む。
本発明の別の特定の態様、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールのフォームBの製造方法は、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形Cを約180℃より上に加熱することによって昇華させることを含む。
本発明の別の態様において、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形Cとして本明細書に記載された2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールの結晶形は、6.58、7.35、8.23、9.01、11.87、および13.12°(2θ)付近にピークを含むX線回折パターンを示す。
本発明の別の特定の態様は、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形Cの製造方法である。結晶形Cにおける2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールを得るには、2メチルTHF、TBME、及びギ酸エチルを含むが、これらに制限されない適切な溶媒中又は溶媒の混合物中に2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールを溶解し、そして沈殿した固形物を、例えば濾過又は真空乾燥による溶媒の除去によって単離する。
2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールは、有用な薬理活性を示し、従って、薬学的組成物中に組み込んで、ある種の医学的障害にかかっている患者の治療に使用することができる。
2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールは、文献に記載された、そして国際特許出願WO2008/033798に記載された試験によればキナーゼ触媒活性を阻害又は阻止し、その試験結果は、ヒト及び他の哺乳動物における薬理活性と相関関係があると考えられる。従って、さらなるの実施態様において、本発明は、プロテインキナーゼ阻害剤(例えばSyk、FAK、KDR又はオーロラ2(Aurora2))の投与によって改善することができる状態にかかっているか、又はかかりやすい患者の治療に使用するための、本発明の2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール及び本発明の2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールを含む組成物を提供する。例えば、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールは、炎症性疾患、例えば喘息:炎症性皮膚病(例えば乾癬、疱疹状皮膚炎、湿疹、壊死性及び皮膚血管炎、水疱性疾患);アレルギー性鼻炎及びアレルギー性結膜炎;関節炎、関節リウマチ並びにリウマチ様脊椎炎、痛風性関節炎、外傷性関節炎、風疹性関節炎、乾癬性関節炎及び骨関節炎のような他の関節炎の状態を含む関節の炎症の治療に有用である。また、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性滑膜炎、自己免疫性糖尿病、自己免疫性脳脊髄炎、膀胱三角炎、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、心臓血管疾患、多発性硬化症、再狭窄、心筋炎、B細胞リンパ腫、全身性エリテマトーデス、移植片対宿主病及び他の移植片関連の拒絶イベント、癌及び腫瘍(例えば結腸直腸、前立腺、乳房、甲状腺、結腸及び肺の癌)、急性黄斑変性、並びに炎症性腸疾患の治療にも有用である。さらに、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールは、腫瘍血管新生阻害剤として有用である。そして、さらに、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールは、腫瘍細胞を調節する薬剤として有用である。
本発明の治療方法の特別な実施態様は、関節の炎症を治療することである。
本発明の治療方法の特別な実施態様は、関節リウマチを治療することである。
本発明の治療方法の特別な実施態様は、癌、腫瘍及び他の増殖性障害を治療することである。
本発明の治療方法の別の特別な実施態様は、液性腫瘍を含む癌を治療することである。
本発明の治療方法の別の特別な実施態様は、マントル細胞リンパ腫を治療することである。
乾癬
本発明の治療方法の別の特別な実施態様は、AMD、網膜浮腫、糖尿病性網膜症、などを治療することである。
本発明の治療方法の別の特別な実施態様は、AMD、網膜浮腫、糖尿病性網膜症、などを治療することである。
本発明の治療方法のさらに別の特別な実施態様は、血管形成の阻害により障害を治療することである。
そこで本発明のさらなる特徴によれば、プロテインキナーゼ阻害剤の投与によって改善することができる状態(例えばSyk、FAK、KDR又はオーロラ2)、例えば先に記載された状態にかかっているか、又はかかりやすいヒト又は動物患者の治療方法であって、本発明のフォームA又は本発明のフォームAを含む組成物の有効量を患者に投与することを含む前記方法が提供される。「有効量」とは、Syk、FAK、KDR又はオーロラ2のようなプロテインキナーゼの触媒活性を阻害し、それにより所望の治療効果を生じるのに有効な本発明の化合物の量を記載することを意味する。
本明細書における治療への言及は、確認された状態の治療だけでなく予防的な治療を含むことを理解すべきである。
また、本発明は、薬学的に許容しうる担体又は賦形剤と会合して2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールを含む薬学的組成物をその範囲内に含む。
本発明の2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールは、いずれかの適切な手段で投与することができる。実際には、本発明の化合物は、一般に非経口的に、局所的に、直腸内に、経口的に又は吸入によって;特に経口経路によって又は吸入によって投与することができる。
本発明による組成物は、1つ又はそれ以上の薬学的に許容しうる佐剤又は賦形剤を用いて慣用の方法に従って製造することができる。佐剤には、とりわけ、希釈剤、無菌水性媒体及び種々の非毒性有機溶媒が含まれる。組成物は、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、水性液剤又は懸濁剤、注射溶液、エリキシル剤又はシロップ剤の形態をとることができ、そして薬学的に許容しうる製剤を得るために甘味剤、香味料、着色剤、又は安定剤を含む群から選ばれる1つ又はそれ以上の薬剤を含むことができる。ビヒクルの選択及びビヒクル中の活性物質の含量は、一般に活性化合物の溶解度及び化学的性質、特定の投与方式並びに薬務において遵守すべき規定に従って決定される。例えば、賦形剤、例えばラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、及び崩壊剤、例えばデンプン、アルギン酸並びに滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクと組み合わせたある種の複合シリケートは、錠剤の製造に使用することができる。カプセルを製造するには、ラクトース及び高分子量ポリエチレングリコールを用いることが好都合である。水性懸濁剤を用いる場合、それは、乳化剤又は懸濁を促進する薬剤を含むことができる。また、希釈剤、例えばショ糖、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール及びクロロホルム又はそれらの混合物を使用してもよい。
非経口投与では、植物油、例えばゴマ油、ラッカセイ油若しくはオリーブ油、又は水性有機溶液、例えば水及びプロピレングリコール、注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチル、並びに薬学的に許容しうる塩の無菌水溶液中の本発明による生成物の乳剤、懸濁剤又は液剤が使用される。本発明による生成物の塩の溶液は、特に筋肉内又は皮下注射による投与に有用である。また、純粋な蒸留水中の塩の溶液を含む水溶液は、そのpHが適切に調整され、注意深く緩衝化され、グルコース又は塩化ナトリウムの十分な量で等張性になっており、そして加熱、照射又は精密濾過によって滅菌されているという条件で、静脈内投与に使用することができる。
局所投与では、本発明の化合物を含むゲル(水又はアルコールベースの)、乳剤又は軟膏剤を使用することができる。また、経皮的な障壁を通して化合物の制御放出を可能にするパッチに適用するため、本発明の化合物をゲル又はマトリックス基剤中に組み込むことができる。
吸入による投与では、本発明の化合物をネブライザー若しくは懸濁液若しくは溶液エアロゾルにおける使用に適した担体中に溶解若しくは懸濁するか、又は乾燥粉末吸入器における使用に適した固体担体上へ吸収若しくは吸着させることができる。
直腸投与のための固形組成物には、知られている方法に従って処方され、少なくとも1つの本発明の化合物を含む坐剤が含まれる。
局所的眼送達
局所投与に適した組成物は、当分野で知られている(例えば、米国特許出願第2005/0059639号参照)。種々の実施態様において、本発明の方法における用途を有する化合物の組成物は、溶液中、懸濁液中、又は両方において化合物を含む液体を含むことができる。本明細書に使用されるように、液体組成物には、ゲルが含まれる。好ましくは、液体組成物は水性である。別法として、組成物は軟膏の形態をとることができる。好ましい実施態様において、組成物は、その場でゲル化可能な水性組成物、より好ましくはその場でゲル化可能な水溶液である。このような組成物は、眼又は眼の外の涙液と接触してゲル化を促進するのに有効な濃度でゲル化剤を含むことができる。本発明の水性組成物は、眼科学的に適合しうるpH及び浸透圧を有する。
局所投与に適した組成物は、当分野で知られている(例えば、米国特許出願第2005/0059639号参照)。種々の実施態様において、本発明の方法における用途を有する化合物の組成物は、溶液中、懸濁液中、又は両方において化合物を含む液体を含むことができる。本明細書に使用されるように、液体組成物には、ゲルが含まれる。好ましくは、液体組成物は水性である。別法として、組成物は軟膏の形態をとることができる。好ましい実施態様において、組成物は、その場でゲル化可能な水性組成物、より好ましくはその場でゲル化可能な水溶液である。このような組成物は、眼又は眼の外の涙液と接触してゲル化を促進するのに有効な濃度でゲル化剤を含むことができる。本発明の水性組成物は、眼科学的に適合しうるpH及び浸透圧を有する。
本発明の方法における用途を有する化合物の局所適用(眼への滴下)は、ほとんどの全身性の副作用を回避することが可能であるが、有効性のためには、化合物が適当な受容体部位に到達する十分なレベルで角膜を横断して能動的に運ばれることが不可欠である。
典型的に、本発明の方法における用途を有する化合物の投与は、慣用の薬学的担体(例えばカルボポール)を用いて軟膏(例えばワセリン)又はゲルを製造し、そしてゲル組成物を局所的に投与することを含む。組成物中の化合物の量は、点眼組成物について約5質量%〜約0.25質量%、好ましくは約0.5質量%〜約2.0質量%であるべきである。重要な点は、用量の量でないが、単純には、黄斑変性の治療、予防又は改善に有効であるが、眼の刺激又は副作用を生じるほど強くはない量であることである。一般に、本明細書に明記された範囲内の量は、十分である。さらに、当業者は、常用の実験技術を用いて適切な範囲を容易に決定することができる。
点眼組成物用の担体は、pH約4〜約8に緩衝化された等張性の眼治療担体であることができ、そして典型的には、慣用の湿潤剤及び抗菌剤を少量含む。好ましいpHは、約6.8〜約7.8の範囲内であり、そして等張性にするために十分な塩化ナトリウム又は同等のものを含む。含まれる抗菌剤は、組成物の約0.004%(W/V)〜約0.02%(W/V)の範囲内であってもよい。
本発明の方法における用途を有する化合物は、眼に送達するための種々の眼科用ゲル製剤に組み込むことができる。無菌眼軟膏製剤を形成するためには、化合物を、適切なビヒクル、例えば鉱油、液体ラノリン、又は白色ワセリン中で保存剤と混合してもよい。無菌眼科用ゲル製剤は、本発明の方法において用途を有する化合物を類似の眼科用薬剤について公開された処方書に従ってカルボポール−940(B. F. Goodrich Companyから入手可能なカルボキシビニルポリマー)と組み合わせて製造した親水性基剤中に懸濁することによって製造することができる。また、保存剤及び等張化剤を組み込むこともできる。
また、本発明の方法における用途を有する化合物のテノン下(sub-tenon)送達は、黄斑変性の治療、予防又は改善に使用することができる。このような送達の特定の例は、米国特許第6,413,245号に記載されており、それはヒトの眼に薬物製剤を送達するための方法及び器具を記載している。方法は、眼の縁に対して後方の地点でテノン嚢より下、強膜より上に器具を挿入し、そして薬物製剤を注射して強膜の外表面に薬物デポ(drug depot)を形成する工程を含む。器具には、遠位部分、近位部分、及び遠位部分と近位部分とを隔てる湾曲部分を有するカニューレが含まれる。遠位部分は、眼球の曲率半径と実質的に等しい曲率半径を有する。湾曲部分における遠位部分の接線は、近位部分に関して約56度を超えない角度で配置されている。当業者に知られている他のテノン下(sub-tenon)送達方法及び器具は、本明細書において容易に適用される。
硝子体内送達
組成物は、テノン下投与(硝子体内とは異なる)のために本発明の方法における用途を有する化合物を含む眼科用デポ製剤を含むことができる。化合物を含む微小粒子を、生体適合性の薬学的に許容しうるポリマー又は脂質カプセル化剤中に埋め込むことができる。デポ製剤は、延長された一定期間にわたって全ての又は実質的に全ての化合物を放出するように適応させることができる。ポリマー又は脂質マトリックスは、存在する場合、全ての又は実質的に全ての化合物が放出された後、投与部位から運ばれるために十分に分解するよう適応させることができる。デポ製剤は、薬学的に許容しうるポリマー及び溶解された又は分散された活性薬剤を含む液体製剤であることができる。注射すると、ポリマーは、例えば、ゲル化(gelifying)又は沈殿形成によって注射部位でデポを形成する。組成物は、眼と眼瞼の間又は結膜嚢中のような眼中の適切な場所に挿入することができる固形物品(solid article)を含むことができ、ここで物品は化合物を放出する。このようなやり方で眼中に植込むのに適した固形物品は、一般にポリマーを含み、そして生体内分解性又は生体内非分解性であることができる。
組成物は、テノン下投与(硝子体内とは異なる)のために本発明の方法における用途を有する化合物を含む眼科用デポ製剤を含むことができる。化合物を含む微小粒子を、生体適合性の薬学的に許容しうるポリマー又は脂質カプセル化剤中に埋め込むことができる。デポ製剤は、延長された一定期間にわたって全ての又は実質的に全ての化合物を放出するように適応させることができる。ポリマー又は脂質マトリックスは、存在する場合、全ての又は実質的に全ての化合物が放出された後、投与部位から運ばれるために十分に分解するよう適応させることができる。デポ製剤は、薬学的に許容しうるポリマー及び溶解された又は分散された活性薬剤を含む液体製剤であることができる。注射すると、ポリマーは、例えば、ゲル化(gelifying)又は沈殿形成によって注射部位でデポを形成する。組成物は、眼と眼瞼の間又は結膜嚢中のような眼中の適切な場所に挿入することができる固形物品(solid article)を含むことができ、ここで物品は化合物を放出する。このようなやり方で眼中に植込むのに適した固形物品は、一般にポリマーを含み、そして生体内分解性又は生体内非分解性であることができる。
本発明の組成物中の活性成分のパーセンテージは、変化してもよく、適切な用量が得られるような比率を構成することが必要である。いくつかの単位剤形は、ほぼ同時に投与してもよいことは明らかである。使用する用量は、医師によって決定され、そして所望の治療効果、投与経路及び治療期間、及び患者の状態に左右される。成人では、用量は、一般に吸入により1日当たり約0.001〜約50、好ましくは0.001〜約5mg/kg体重、経口投与により1日当たり約0.01〜約100、好ましくは0.1〜70、さらに特定すると0.5〜10mg/kg体重、そして静脈内投与により1日当たり約0.001〜約10、好ましくは0.01〜1mg/kg体重である。それぞれ具体的な場合、用量は、治療する被験者に特有な要因、例えば年齢、体重、全身の健康状態及び薬剤生成物の有効性に影響を与えうる他の特徴に従って決定される。
本発明による化合物は、所望の治療効果を得るために必要な頻度で投与することができる。何人かの患者では、より高い又はより低い用量に対して急激に反応することがあり、かなり少ない維持用量が適していることが見出されることもある。他の患者については、それぞれ特定の患者の生理学的要求に従って1日当たり1〜4用量の割合で長期治療することが必要となりうる。一般に、活性生成物は、1日当たり1〜4回経口投与してもよい。当然、何人かの患者については、1日当たり1又は2用量を超えずに処方することが必要である。本発明の化合物の合成は、国際特許出願第WO2008/033798号に記載されている。
実施例1:
結晶性2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールフォームAの製造
n−プロパノール(16L)中の2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール(1.002kg)を、93℃±3℃に加熱することによって溶解した。容器中の真溶液は、溶液線より上の容器壁において沈殿しないようにしなければならない。ジャケット温度を溶液温度に等しいか又はそれより低く維持して容器壁における沈殿を最小限にした。溶液温度を基準にして30℃/時の速度で冷却ランプを開始した。フォームAを製造するには12℃/時と60℃/時の間の冷却速度で十分であった。フォームAを得るには、65℃と72℃の間で沈殿の開始が起こるはずである(濃度及び冷却速度によって調節する)。沈殿が生じた後、同じ速度を用いて、冷却ランプをバッチ温度調節からジャケット温度調節に切り替えた。0℃に到達したら、温度を少なくとも1時間維持した後、濾過によって沈殿を集め、予め冷却したn−プロパノール(1L)で洗浄し、そして窒素パージして真空下、70℃で乾燥させて結晶性固形物として2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールフォームAを得た(収率887.9g,88.6%)。
結晶性2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールフォームAの製造
n−プロパノール(16L)中の2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール(1.002kg)を、93℃±3℃に加熱することによって溶解した。容器中の真溶液は、溶液線より上の容器壁において沈殿しないようにしなければならない。ジャケット温度を溶液温度に等しいか又はそれより低く維持して容器壁における沈殿を最小限にした。溶液温度を基準にして30℃/時の速度で冷却ランプを開始した。フォームAを製造するには12℃/時と60℃/時の間の冷却速度で十分であった。フォームAを得るには、65℃と72℃の間で沈殿の開始が起こるはずである(濃度及び冷却速度によって調節する)。沈殿が生じた後、同じ速度を用いて、冷却ランプをバッチ温度調節からジャケット温度調節に切り替えた。0℃に到達したら、温度を少なくとも1時間維持した後、濾過によって沈殿を集め、予め冷却したn−プロパノール(1L)で洗浄し、そして窒素パージして真空下、70℃で乾燥させて結晶性固形物として2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールフォームAを得た(収率887.9g,88.6%)。
実施例2
結晶性2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールのフォームBの製造
n−プロパノール(2.67L)中の2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール(200g)を、60℃/時で85℃に加熱することによって溶解し、6℃/時で94℃にさらに加熱した。溶媒線より上で固形物の沈殿を最小限にするため、溶液温度をジャケット温度の近くに保った。容器中の真溶液が溶液線より上の容器壁において沈殿しないようにした。3段階冷却ランプ、1.63℃/時の速度で94℃から68℃まで、12℃/時の速度で68℃から50℃まで、そして25℃/時で50℃から0℃までを開始した。フォームBを得るには沈殿の開始が82℃より上で起こらなければならない(濃度及び冷却速度によって調節する)。0℃に到達したら、温度を少なくとも1時間維持した後、濾過により沈殿を集め、予め冷却したn−プロパノール(200mL)で洗浄し、そして窒素パージして真空下、70℃で乾燥させて結晶性固形物として2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールフォームBを得た(収率169.6g,84.8%)。
結晶性2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールのフォームBの製造
n−プロパノール(2.67L)中の2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール(200g)を、60℃/時で85℃に加熱することによって溶解し、6℃/時で94℃にさらに加熱した。溶媒線より上で固形物の沈殿を最小限にするため、溶液温度をジャケット温度の近くに保った。容器中の真溶液が溶液線より上の容器壁において沈殿しないようにした。3段階冷却ランプ、1.63℃/時の速度で94℃から68℃まで、12℃/時の速度で68℃から50℃まで、そして25℃/時で50℃から0℃までを開始した。フォームBを得るには沈殿の開始が82℃より上で起こらなければならない(濃度及び冷却速度によって調節する)。0℃に到達したら、温度を少なくとも1時間維持した後、濾過により沈殿を集め、予め冷却したn−プロパノール(200mL)で洗浄し、そして窒素パージして真空下、70℃で乾燥させて結晶性固形物として2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールフォームBを得た(収率169.6g,84.8%)。
実施例5
結晶性2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールフォームCの製造
メチルテトラヒドロフラン(1.3mL)中の2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール(52.5mg)を80℃に加熱することによって溶解した。12℃/時の速度で80℃から20℃まで冷却ランプを開始した。フォームCを得るには、沈殿の開始は24℃で起こらなければならない。20℃に到達したら、温度を少なくとも1時間維持した後、濾過により沈殿を集め、そして真空下で乾燥させて結晶性固形物として2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールフォームCを得た。
結晶性2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールフォームCの製造
メチルテトラヒドロフラン(1.3mL)中の2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール(52.5mg)を80℃に加熱することによって溶解した。12℃/時の速度で80℃から20℃まで冷却ランプを開始した。フォームCを得るには、沈殿の開始は24℃で起こらなければならない。20℃に到達したら、温度を少なくとも1時間維持した後、濾過により沈殿を集め、そして真空下で乾燥させて結晶性固形物として2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールフォームCを得た。
以下の分析方法によって本発明の化合物を分析した。
X線粉末回折法
X線粉末回折法は、パラフォーカシングBragg-Brentano(θ−2−θ)−型ジオメトリー(parafocusing Bragg-Brentano (theta-two-theta)-type geometry)を用いてSiemens-Bruker D5000回折計において実施した。本発明の化合物を、粉末として(510)結晶学的配向性に従って切断された単結晶シリコンウエハー上に付着させた。銅の対陰極管(45kV/40mA)から放出される銅のK−アルファ放射線(1.54056オングストローム)を、Cu K−ベータ放射線と共にX線源として使用し、反射ビームモノクロメーターを用いてフィルタ処理した。検出にはシンチレーションカウンターを用いた。0.6mmの発散スリット、0.6mmの散乱防止スリット、0.1mmのモノクロメータースリット、及び0.6mmの検出器スリットを使用した。回折パターンは、以下の条件を用いて得た:角度2θにおいて少なくとも2.0〜30.0°スキャン,ステップ当たり1.0秒の計数時間,0.02°のステップサイズ、記載した場合を除いて周囲条件の圧力、温度、及び相対湿度下。周囲温度より上は、0.03〜0.06℃/秒の線形速度でサンプルを加熱することによって達成した。
X線粉末回折法は、パラフォーカシングBragg-Brentano(θ−2−θ)−型ジオメトリー(parafocusing Bragg-Brentano (theta-two-theta)-type geometry)を用いてSiemens-Bruker D5000回折計において実施した。本発明の化合物を、粉末として(510)結晶学的配向性に従って切断された単結晶シリコンウエハー上に付着させた。銅の対陰極管(45kV/40mA)から放出される銅のK−アルファ放射線(1.54056オングストローム)を、Cu K−ベータ放射線と共にX線源として使用し、反射ビームモノクロメーターを用いてフィルタ処理した。検出にはシンチレーションカウンターを用いた。0.6mmの発散スリット、0.6mmの散乱防止スリット、0.1mmのモノクロメータースリット、及び0.6mmの検出器スリットを使用した。回折パターンは、以下の条件を用いて得た:角度2θにおいて少なくとも2.0〜30.0°スキャン,ステップ当たり1.0秒の計数時間,0.02°のステップサイズ、記載した場合を除いて周囲条件の圧力、温度、及び相対湿度下。周囲温度より上は、0.03〜0.06℃/秒の線形速度でサンプルを加熱することによって達成した。
XRPDスペクトル(図1)から、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールフォームAが結晶性であることを確認した。
XRPDパターンに基づいて、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形B(図4)は、フォームAと比較して独特なXRPDパターンを有する。
図7は、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形CのXRPDパターンである。データは、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールフォームA及びフォームB結晶形の結晶構造と比較してフォームCの結晶構造が独特であることを示している。
図10は、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形A、フォームB及びフォームCについてXRPDパターンのオーバーレイである。
当業者は、ピークの位置がサンプルの高さにおける違いによってわずかに影響を受けるにちがいないことを理解する。従って本明細書に記載されたピーク位置は、プラス又はマイナス(+/−)0.15°(2θ)の変動がある。相対強度は、結晶のサイズ及び形態に応じて変化することがある。
表1は、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形Aの粉末X線回折パターンについての特徴的ピーク位置、面間隔d(d-spacings)及び相対強度を記載している。
特に、7.30、9.09、11.08、11.47、12.34、及び14.67(°(2θ)+/−0.15°で表した)のピークは、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形Aの特徴である。
表2は、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形Bの粉末X線回折パターンについての特徴的ピークの位置、面間隔d及び相対強度を記載している。
特に、7.50、8.45、12.46、13.11、15.03、16.90、及び17.78(°(2θ)+/−0.15°で表した)のピークは、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形Bの特徴である。
表3は、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形Cの粉末X線回折パターンについての特徴的ピークの位置、面間隔d及び相対強度を記載する。
特に、6.58、7.35、8.23、9.01、11.87、及び13.12
(°(2θ)+/−0.15°で表した)のピークは、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形Cの特徴である。
(°(2θ)+/−0.15°で表した)のピークは、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形Cの特徴である。
ラマン分光法
ラマン分光法は、オリンパスBX41ラマン顕微鏡を備えたJY Horiba LabRAMラマン分光光度計を用いて実施した。サンプル粉末を分析用の標準ガラス顕微鏡スライド上に置いた。ラマンスペクトルは、784.86nmのレーザー(Topica photonics Xtra波長安定化レーザー源)及び回折格子600の分光光度計を用いて得た。200cm-1から1800cm-1まで400cm-1の増分で物質を走査した。ラマンスペクトルデータは、5秒間、各400cm-1増分で、15回入手した。
ラマン分光法は、オリンパスBX41ラマン顕微鏡を備えたJY Horiba LabRAMラマン分光光度計を用いて実施した。サンプル粉末を分析用の標準ガラス顕微鏡スライド上に置いた。ラマンスペクトルは、784.86nmのレーザー(Topica photonics Xtra波長安定化レーザー源)及び回折格子600の分光光度計を用いて得た。200cm-1から1800cm-1まで400cm-1の増分で物質を走査した。ラマンスペクトルデータは、5秒間、各400cm-1増分で、15回入手した。
ラマンスペクトル(図2)は、結晶性2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オールのフォームAの代表例である。
ラマンスペクトルに基づいて、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形B(図5)は、フォームAと比較して独特なラマンスペクトルを有する。
ラマンスペクトルに基づいて、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形C(図8)は、フォームA及びフォームBと比較して独特なラマンスペクトルを有する。
表4は、2−[4−(7−エチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−プロパン−2−オール結晶形A、フォームB及びフォームCのラマンスペクトルについて特徴的ピークの位置を記載している。
示差走査熱量測定法(DSC)
本発明の化合物の熱分析は、乾燥窒素雰囲気(50mL/分)下でTA Instruments Model Q-1000示差走査熱量測定器を用いて実施した。DSC温度及び熱流は、インジウム標準を用いて較正した。化合物粉末をアルミニウムパン(TA Instrumentsパーツ番号900793.901)へ移した。サーモグラムは、10℃/分の線形加熱速度で入手した。
本発明の化合物の熱分析は、乾燥窒素雰囲気(50mL/分)下でTA Instruments Model Q-1000示差走査熱量測定器を用いて実施した。DSC温度及び熱流は、インジウム標準を用いて較正した。化合物粉末をアルミニウムパン(TA Instrumentsパーツ番号900793.901)へ移した。サーモグラムは、10℃/分の線形加熱速度で入手した。
ジフマレート(difumarate)フォームA(図3)についての熱分析は、約183℃で始まる幅広い吸熱を示し、それはフォームAのフォームBへの昇華である。フォームAの昇華により生じた、その場で製造されたフォームB相は、これらの条件下で、約214℃で融解した。
図6は、フォームBの温度プロフィールのオーバーレイである。フォームBのDSCは、結晶相の融解が約214℃で始まることを示している。
図9は、フォームCの温度プロフィールのオーバーレイである。フォームCのDSCは、結晶相の融解が約213℃で始まることを示している。
図11は、フォームA、フォームB及びフォームC、DSCサーモグラムのオーバーレイである。
Claims (23)
- 以下の約7.30、9.09、11.08、11.47、12.34、及び14.67°(2θ)のリストから選ばれるX線回折パターンにおいて少なくとも2つの有意なピークを示す、請求項1に記載の化合物。
- 以下の約7.30、9.09、11.08、11.47、12.34、及び14.67°(2θ)のリストから選ばれるX線回折パターンにおいて少なくとも3つの有意なピークを示す、請求項1に記載の化合物。
- 約7.30、9.09、11.08、11.47、12.34、及び14.67°(2θ)にX線回折の有意なピークを示す、請求項1に記載の化合物。
- 結晶フォームBである化合物Iの結晶形。
- 以下の約7.50、8.45、12.46、13.11、15.03、16.90、及び17.78°(2θ)のリストから選ばれるX線回折パターンにおいて、少なくとも2つの有意なピークを示す、請求項5に記載の化合物。
- 以下の7.50、8.45、12.46、13.11、15.03、16.90、及び17.78°(2θ)のリストから選ばれるX線回折パターンにおいて少なくとも3つの有意なピークを示す、請求項5に記載の化合物。
- 約7.50、8.45、12.46、13.11、15.03、16.90、及び17.78°(2θ)にX線回折の有意なピークを示す、請求項5に記載の化合物。
- フォームCである化合物Iの結晶形。
- 以下の約6.58、7.35、8.23、9.01、11.87、及び13.12°(2θ)のリストから選ばれるX線回折パターンにおいて少なくとも2つの有意なピークを示す、請求項9に記載の化合物。
- 以下の約6.58、7.35、8.23、9.01、11.87、及び13.12°(2θ)のリストから選ばれるX線回折パターンにおいて少なくとも3つの有意なピークを示す、請求項9に記載の化合物。
- 約6.58、7.35、8.23、9.01、11.87、及び13.12°(2θ)にX線回折の有意なピークを示す、請求項9に記載の化合物。
- 請求項1、請求項5又は請求項9に記載の化合物を、少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体又は賦形剤と共に含む薬学的組成物。
- 治療を必要とする患者に、有効量の請求項1、請求項5又は請求項9に記載の化合物を投与することを含む、患者における関節の炎症の治療方法。
- 治療を必要とする患者に、有効量の請求項1、請求項5又は請求項9に記載の化合物を投与することを含む、患者における関節リウマチの治療方法。
- 治療を必要とする患者に、有効量の請求項1、請求項5又は請求項9に記載の化合物をメトトレキセートと組み合わせて投与することを含む、患者における関節の炎症の治療方法。
- 治療を必要とする患者に、有効量の請求項1、請求項5又は請求項9に記載の化合物をメトトレキセートと組み合わせて投与することを含む、患者における関節リウマチの治療方法。
- 治療を必要とする患者に、有効量の請求項1、請求項5又は請求項9に記載の化合物を投与することを含む、患者における腫瘍の治療方法。
- 治療を必要とする患者に、有効量の請求項1、請求項5又は請求項9に記載の化合物を投与することを含む、患者におけるマントル細胞リンパ腫の治療方法。
- 治療を必要とする患者に、有効量の請求項1、請求項5又は請求項9に記載の化合物を投与することを含む、患者における血管新生の阻害方法。
- 化合物Iをn−プロパノールから結晶化させて実質的に図4のフォームBのXRPDパターンを有する結晶形を得ることを含む、フォームBの製造方法。
- 化合物Iをメチルテトラヒドロフランから結晶化させて実質的に図7のXRPDパターンを有する結晶形を得ることを含む、フォームCの製造方法。
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