JP2012509797A - オフセット印刷機における湿し水の供給装置および方法 - Google Patents

オフセット印刷機における湿し水の供給装置および方法 Download PDF

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Abstract

オフセット印刷機に湿し水を供給する装置は、提示される。装置は、各々がオリフィス(24)を有する複数のノズル(22)であって、各ノズル(22)は、あらかじめ決められた量の湿し水の単独の液滴を、前記オリフィス(24)を通して前記オフセット印刷機のローラ/胴(2、5)に噴出するために構成される複数のノズル(22)と、複数のノズル(22)に接続されて、湿し水の薄膜が前記オフセット印刷機の版胴の疎水性エリアおよび親水性エリア全体に提供されるように、あらかじめ決められた個数のノズルが単独の液滴を噴出することができようにプログラムされる、制御手段と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、オフセット印刷機における湿し水(dampening solution)の供給装置、およびこの種の装置を備えるオフセット形の印刷機に関する。さらにまた、本発明は、湿し水の供給装置の使用と同様に、オフセット印刷機における湿し水の供給方法に関する。
オフセット印刷機は、この種の印刷機によって生み出される高い印刷品質のため、大量印刷のための経済的な代替物がなお提供されているものの、大量の商業印刷および新聞印刷に対して広く使用されている。新聞印刷において使用される印刷機は、通常、印刷される紙がロールの形態で供給されて、巻取紙の形態のプレスを通過する、巻取紙供給タイプのものである。対照的に、商業印刷は、要求される複写枚数に応じて、巻取紙供給タイプまたは枚葉紙供給タイプのいずれかの印刷機を使用する。
オフセット印刷において、インクを付けた画像は、刷版からブランケット胴に転写される。そして、それは印刷される紙の表面と接触する。刷版は、版胴に取り付けられる。版胴は、版胴にインクを供給するインクローラ、および、版胴の全表面に湿し水を供給する湿し水ローラと接触している。版胴は、版胴の表面に配置される刷版とともに提供される。刷版は、親水性エリアと同様に疎水性エリアを有する。刷版の疎水性エリアは、インクを選択的に引きつける。刷版の親水性エリアは、湿し水を選択的に引きつける。
新聞印刷または商業印刷にとって、使用する湿し水は、大部分は水を包含する粘性の低い流体である。対照的に、リソグラフィ・インクは、比較的高い粘性を有し、したがって高い流動抵抗を有する。リソグラフィ・インクはまた、それらが乾燥または硬化する方法で異なる。例えば、大部分の新聞用インクは、紙への吸収によって硬化する。さらに、大部分の商業的な枚葉紙印刷機のインクは、酸化プロセスによって硬化する。そして、大部分の商業的な巻取紙印刷機のインクは、加熱プロセスを用いて硬化する。
多くの用途において、湿し水は、特定の用途に応じて特定の程度(例えば5〜25%)によって、インクに乳化する。
版胴の全表面に湿し水を供給する別々の方法は、公知の文献において記述される。供給するために使用するシステムのタイプにかかわらず、オフセット印刷機に要求される湿し水の量は、約0.2マイクロメートルの厚さを有し、そしてプレスの速度で移動する、プレスの全幅に亘る湿し水の入った巻取紙または枚葉紙に等しい。したがって、プレス速度が増加するにつれて、プレスへの湿し水の体積流量は、増加しなければならない。図1は、印刷業界において現在使用されるスプレータイプの湿し水システムの主要な特徴を示す概略図である。図1は、印刷機の版胴2および、それに湿し水を移す湿し水ローラ5a、5bを示す。湿し水は、流体供給システム40から、特別なノズル33の付いた電磁弁の直線配置からなるスプレーバー30まで、高圧下で供給される。弁が制御システム40からの信号によって開放されるとき、湿し水は、湿し水ローラ5aに向けて、噴流の形態で、空気中に一定の流量で噴出される。ノズルを出るとすぐに、噴流は、多数の小さい液滴を包含する扇形の流れを発生するために霧状になる。そして、そのほとんどは、湿し水ローラ5aにぶつかって付着する。湿し水は、それから、湿し水ローラ5bを経て、版胴に移される。ノズルを出る湿し水の流量は、実際に必要な量よりも非常に多いので、版胴に湿し水を供給しすぎないように、弁は、周期的に開閉されなければならない。湿し水ローラに対する体積流量は、ノズルが開閉される頻度(frequency)を変えることによって変化する。そしてそれは、手動制御によって、または、プレス速度センサ60からの信号に応答して自動的に、行われることができる。手動制御によって、プレス作業員は、受け入れ可能な印刷品質を達成するように、湿し水の流量を調整することができる。一方、自動調整は、プレス速度が変わるときはいつでも調整をする作業から、彼を解放する。
図1に示すタイプのスプレー湿し水システムは、広く使われている。そして、例えば新聞、電話帳およびいくつかのダイレクトメールに対して使用されるコーティングしてない紙に印刷するときに、非常に満足であると気づかされた。商業印刷におけるスプレー湿し水システムの使用は、いくつかの良い結果も達成したにもかかわらず、枚葉紙印刷機で成功した使用は知られておらず、それらの使用は、巻取紙印刷機タイプの商業印刷に限られていた。商業印刷におけるスプレー湿し水装置のこの低い使用率の主な理由は、商業印刷のより高い印刷品質要求のためである。そしてそれは、一般に、スプレー湿し水装置を使用して達成することが困難である。この困難は、スプレーバーにおいて使用される電磁弁の比較的長い応答時間、および、大部分の商業印刷が作動する比較的遅い速度から、主に生じる。具体的には、目下の技術で使用する電磁駆動弁は、約5ミリ秒よりも短い期間の間開放されることができない。新聞およびいくつかの商業的な巻取紙印刷機が作動する非常な高速度では、要求される「オフ」時間は、オンオフパルスから結びつく湿し水フローのむらが、有意な問題を生じさせるのに十分深刻でないほど、十分に短い。しかしながら、枚葉紙印刷機のプレス、およびいくつかの商業的な巻取紙印刷機が作動する低速度では、湿し水フローのより大きなむらを発生し、そして、解決するのがずっと困難な印刷品質の問題に結びつく、比較的より長い「オフ」時間が使われなければならない。
目下の技術のシステムの例は、米国特許第5,025,722号に開示される。そこにおいて、調整可能な湿し水スプレーシステムは、印刷機の湿し水ローラ上へ湿し水をスプレーするための、互いに横方向に間隔をもって配置される多くのスプレーノズルを有して、提供される。さらに、このシステムは、ノズル全体が湿し水ローラに対して接近および遠ざかる動きと同様に、各ノズルが互いに関して移動する動きが関係する。
湿し水ローラ上へ湿し水をスプレーするための他のシステムは、米国特許出願第2005/0115423号に開示される。このシステムは、増加する扇形のエリアに湿し水をスプレーするための列に配置される複数のスプレーノズルを含む。さらに、湿し水をスプレーするときに、気流がノズルに向かうことを妨げるために、じゃま板手段が提供される。
背景技術に関して、日本国特許第3035376号は、同様に言及されなければならない。この文書は、主にスプレーすることを目的とするノズルアセンブリを開示する。
上記のシステムを使用して、特にシステムが湿し水を供給している湿し水ローラの端部で、湿し水の均一な分布を達成するために、配慮がなされなければならない。
パルス化した作動モードはまた、大部分のこの種のプレスの版胴に存在する隙間に湿し水が入るのを防止することの難しさのために、リソグラフィプレスの版胴上に湿し水を直接スプレーすることを非実用的にする。この問題は、特に枚葉紙印刷機のプレスにおいて、それらが非常に広い版胴の隙間を有するので、深刻である。
既存のタイプの湿し水スプレーシステムに関する他の問題は、噴出される流れを霧状にするために用いる方法が、均一の寸法の液滴を発生しないということである。所望の寸法よりも小さい液滴は、浮遊して不要部分に合体できるエアゾールを構成する。一方、所望の寸法よりも大きい液滴は、印刷欠陥に結びつくことがありえる。
湿し水スプレーシステムの大部分の既存の設計の他の不利な点は、湿し水が版胴に移される前に、スプレーのパルスによる量によって形成される、湿し水の膜厚を平均するかまたはその変化を減らすために、湿し水ローラの別個のトレインが要求されるということである。慣習的に、2本のこの種のローラが使用される。しかし、より良い印刷品質が要求される場合は、より多くのローラが加えられなければならず、そして、より高いコストに結びつく。これらの湿し水ローラのうちの1本が、リッジングによる印刷障害を防止するために、横方向に振動しなければならないことも必要である。そして、これはシステムコストをさらに増す。
さらに、使用する湿し水の量の正確な測定を実行することは困難である。そして、それは印刷品質を制御するために必要である。さらに、既存のシステムは、高品位の印刷品質を得るためのスプレーノズル装置を調整するために、非常に熟練した人員を必要とする。
湿し水スプレーシステムのさらなる不利な点は、スプレーされた湿し水の有意な量が、特に湿し水ローラの端部で、集められなければならず、再利用されなければならないということである。
WO 2007/098174は、別々の可変の画像(メール・アドレスのような)が個々のコピーに加えられることのできる、雑誌またはメーラーのような文書のマルチコピーを発生するためのシステムを開示する。このシステムの他の特徴は、リソグラフィプロセスを使用して、このプロセスの高い印刷品質および印刷速度が維持され得るように、二重の画像が印刷されることができるということである。この発明は、各コピー上に別々の可変の画像を発生するために、インクジェット印刷プロセスのバリエーションを使用することに関係する。したがって、この文書は、リソグラフ印刷に続いて紙に可変の画像を直接印刷するためにインクジェットシステムを使用する代わりに、可変的な印刷技術をオフセット印刷機に組み込むことを案内する。しかしながら、このタイプのシステムは、インクをつけられた可変の画像を支える版胴の部分を、それらがブランケットに転写された後、可変の画像の新規なセットを受け止めるためにインクジェットのヘッドを通過する前に、クリーニングするための大きいクリーニングシステムを必要とする。
上述の先行技術からみて、オペレーションを容易にして、品質と同様に効率を向上させて、そして、コストをより小さくする、改良されたリソグラフィ・システムは、有利である。
したがって、本発明は、上記で確認した技術における欠点および不利な点の1つ以上を、単独でまたは任意に組み合わせて緩和し、軽減し、または除去することを探求して、そして、添付の請求の範囲に係る装置および方法を提供することによって、少なくとも上述の課題を解決する。
本発明のいくつかの実施形態による目的は、プレスの方向全体における湿し水バランスの精度を向上させるための装置および方法を提供することである。
いくつかの実施形態による他の目的は、印刷された媒体の品質を向上させるための装置および方法を提供することである。
いくつかの実施形態による他の目的は、プレス速度が減少するにつれて、液滴が噴出されるむらが変化しないリソグラフィ印刷機に、湿し水の液滴を供給する装置および方法を提供することである。
他の目的は、各液滴があらかじめ決められた寸法であるリソグラフィ印刷機に、湿し水の液滴を供給する装置および方法を提供することである。
いくつかの実施形態による他の目的は、中間の湿し水ローラを必要とすることなく、液滴が版胴に直接塗布されることができるリソグラフィ印刷機に、湿し水の液滴を供給する装置および方法を提供することである。
いくつかの実施形態による他の目的は、印刷機に供給された余分の湿し水を集めて、再利用する必要性を減らす、リソグラフィ印刷機に湿し水を供給する装置および方法を提供することである。
いくつかの実施形態による発想は、スプレー湿し水システムのコストを減らすための装置および方法を提供することである。
いくつかの実施形態による発想は、枚葉紙印刷機のプレスに用いられることができる湿し水システムのための装置および方法を提供することである。
第1の態様によれば、オフセット印刷機に湿し水を供給する装置は、提供される。この装置は、各々がオリフィスを有する複数のノズルを備える。各ノズルは、あらかじめ決められた量の湿し水の単独の液滴を、前記オリフィスを通して前記オフセット印刷機のローラ/胴に噴出するように構成される。
第2の態様によれば、オフセット印刷機に湿し水を供給する装置は、提供される。この装置は、各々がオリフィスを有する複数のノズルであって、各ノズルは、あらかじめ決められた量の湿し水の単独の液滴を、前記オリフィスを通して前記オフセット印刷機のローラ/胴に噴出するように構成される複数のノズルと、複数のノズルに接続されて、湿し水の薄膜が前記オフセット印刷機の版胴の疎水性エリアおよび親水性エリア全体に提供されるように、あらかじめ決められた個数のノズルが単独の液滴を噴出することができようにプログラムされる、制御手段と、を備える。この装置は、湿し水の供給がはるかに均一であり、そして高分解能に制御されることができて、湿し水の使用の正確な割り当てに結びつくという点で、有利である。
各単独の液滴を分配するための所要時間は、1〜500マイクロ秒、好ましくは5〜50マイクロ秒、最も好ましくは約10マイクロ秒であってよい。分配される各単独の液滴の量は、2〜10000ピコリットル、好ましくは4〜40ピコリットル、最も好ましくは約12ピコリットルであってよい。
前記複数のノズルは、インクジェット・タイプのアセンブリに含まれてよい。そして、既存のおよび容易にアクセス可能な構造パーツが経済的装置に結びついて用いられるという点で、それは有利である。この種の実施形態において、用語「複数」は、所与の用途のために要求される最小限の量を大きく上回る量を示すために用いてよい。前記複数のノズルは、余分のノズルが、作動中のノズルに代わるために用いることができて、これにより、ノズルが詰まったときに、プレスを停止する高コストの必要性を回避するという点で、有利である。
前記複数のノズルは、直線アレイに配置されてよい。それ故、複数のノズルは、ローラ/胴の全長を越えて延びるように配置されてよく、したがって、装置の操作速度を上げる。
前記複数のノズルは、二次元マトリクスに配置されてよい。そして、それは装置の速度をさらに上げる。
前記複数のノズルは、湿し水ローラ上へ湿し水の液滴を噴出するための、印刷機の湿し水ローラの長手方向に配置されてよい。さらにまた、前記複数のノズルは、噴出された単独の液滴が、印刷欠陥を除去するために湿し水ローラの横方向において振動するパターンを発生するように制御されてよい。それ故、既存のシステムで使用する湿し水ローラの本数は、わずか1本まで減少してよく、そして、それは振動式である必要はない。
前記複数のノズルは、版胴上へ湿し水の液滴を噴出するために印刷機の版胴の長手方向に配置されてよく、そして、版胴の隙間にスプレーしないように、周期的にオフされるようにプログラムされてよい。これは、湿し水ローラの完全なシステム、および既存のシステムのモータが除去されることができるという点で、有利である。
各液滴は、前記ローラ/胴の表面に対して実質的に垂直な平面において噴出されてよい。それ故、オリフィスからローラ手段までの各液滴にとっての移動距離は、最小になる。そして、湿し水を供給する増加した制御に結びつく。
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1または第2の態様による装置を備える、オフセット形の印刷機は提供される。第1および第2の態様の効果は、本発明のこの第3の態様にも適用できる。
本発明の第4の態様によれば、オフセット印刷機に湿し水を供給する方法は、提供される。この方法は、各々がオリフィスを有する複数のノズルを備える装置を提供するステップ、および、湿し水の単独の液滴を、各オリフィスを通して前記オフセット印刷機のローラ/胴に噴出するステップ、を含む。
本発明の第5の態様によれば、オフセット印刷機に湿し水を供給する方法は、提供される。この方法は、各々がオリフィスを有する複数のノズルを備える装置を提供するステップ、湿し水の単独の液滴を、あらかじめ決められた個数のノズルの各オリフィスを通して前記オフセット印刷機のローラ/胴に噴出するステップ、および、湿し水の薄膜が、前記オフセット印刷機の刷版の疎水性エリアおよび親水性エリア全体に提供されるように、湿し水の膜厚分布を等しくするステップ、を含む。
本発明の第1および第2の態様の効果は、本発明のこれらの第4および第5の態様にも適用できる。
本発明のさらに別の態様によれば、本発明の第1または第2の態様による湿し水を供給する装置の使用は、提供される。本発明の第1および第2の態様の効果は、本発明のこのさらなる態様にも適用できる。
本発明ができるこれらのおよび他の態様、特徴および効果は、添付図面を参照して本発明の実施形態の以下の説明から明らかであり、解明される。
図1は、先行技術のスプレータイプの湿し水システムの概略図である。 図2は、実施形態によるオフセット印刷機の概略的側面図である。 図3は、実施形態によるオフセット印刷機の概略的側面図である。 図4は、実施形態による装置の斜視図である。 図5は、図4に示す装置の斜視図である。 図6は、本発明の特定の実施形態において版胴上に発生した湿し水の液滴パターンを示す図である。 図7は、先行技術の典型的なスプレータイプの湿し水システムによって版胴上に発生した湿し水のスプレーされた液滴パターンを示す図である。 図8は、実施形態によるオフセット印刷機のための制御システムの概略図である。
図2に関して、オフセット印刷機の側面図は、概略的に示される。巻取紙1は、ブランケット胴3と圧胴4との間に連続的に供給される。図2に矢印で示されるように、ブランケット胴3は、反時計回りに回転していて、圧胴4は時計回りに回転している。刷版(図示せず)を担持している版胴2は、刷版からブランケット胴3に画像を転写するために提供される。版胴2は、時計回りに回転している。
図2で分かるように、版胴2の刷版に湿し水およびインクを供給するために、2つの別々の構成(20、5、9、6)が提供される。湿し水は、湿し水ローラ5a、5bのシーケンス5に接続される装置20によって、版胴2に供給される。ノズルに対して湿し水を連続的に供給するために、装置20は、湿し水供給源(図示せず)にさらに接続される。装置20は、複数のノズル(図示せず)を備える。各ノズルは、オフセット印刷機の湿し水ローラ5aに対するあらかじめ決められた量の湿し水を包含する、一連の個々のかつ単独の液滴を噴出するためのオリフィスを有する。さらに、制御手段(図示せず)は、複数のノズルに接続されて、あらかじめ決められた数のノズルが単独の液滴を噴出できるようにプログラムされる。後続の湿し水ローラ5bは、湿し水ローラの長さ全体に亘る湿し水の膜厚分布を等しくして、版胴2に湿し水を移すために提供される。それ故、湿し水の薄膜は、刷版の疎水性エリアおよび親水性エリア全体に提供されてよい。
インク供給装置9、6は、インクトレイ9および、インクローラ6a〜6hのシーケンス6を含む。第1のインクローラ6aは、インクローラ6aが回転するときに、インクの被膜を受け入れるために、インクトレイ9に隣接して配置される。後続のインクローラ6b〜6hは、より滑らかでかつ薄いインクの被膜を提供するために、互いに対して回転するように配置される。シーケンスの最後のインクローラ6g、6hは、版胴2に対して回転している。インクトレイ9は、インクスクリューまたは、それ自体が知られる他の任意の適切なインク提供装置に、変更されてよい。
図3は、図2のオフセット印刷機の実施形態を示す。巻取紙1、胴2、3、4、およびインク供給装置9、6の構成は、図2に関して先に述べたことに等しい。
湿し水は、第1の装置20aおよび第2の装置20bによって、版胴2に供給される。装置20a、20bは、版胴2に隣接して配置される。ノズルに対して湿し水を連続的に供給するために、装置20a、20bは、湿し水供給源(図示せず)にさらに接続される。この実施形態において、第1の装置20aは、インク供給装置9、6の第1の側部に配置される。そして、第2の装置20bは、インク供給装置9、6の第2の側部に配置される。各装置20a、20bは、複数のノズル(図示せず)を備える。各ノズルは、オフセット印刷機の版胴2に対するあらかじめ決められた量の湿し水を包含する、一連の個々のかつ単独の液滴を噴出するためのオリフィスを有する。さらに、制御手段(図示せず)は、装置20a、20bの複数のノズルに接続されて、あらかじめ決められた数のノズルが単独の液滴を噴出できるようにプログラムされる。図3に矢印で示されるように、巻取紙1は、両方向に供給されることができる。ローラ/胴2、3、4、6は、したがって、反時計回り方向と同様に、時計回り方向に回転可能に構成される。それ故、版胴2の回転方向から独立して、インクが塗布される前に、湿し水が版胴2に噴出されることができるという点で、記述された実施形態は有利である。
図4および図5に関して、装置20は、オフセット印刷機に含まれるローラ/胴2、5に湿し水を供給するために配置される。装置20は、複数のノズル22を備える。そしてそれは、長手方向に伸びる直線アレイに配置される。各ノズルは、オフセット印刷機のローラ/胴2、5に対するあらかじめ決められた量の湿し水を包含する、一連の個々のかつ単独の液滴を噴出するためのオリフィスを有する。図4および5は、図示のためのものであり、一定の比率でないことが理解されるべきである。
図5に関して、装置20の一部がさらに詳細に示される。ここで、複数のノズル22は、前記装置20の長手方向に延びる二次元マトリクスに分布される。制御手段による作動に応じて、各ノズルは、オフセット印刷機のローラ/胴に対するあらかじめ決められた量の湿し水を包含する、一連の個々のかつ単独の液滴を噴出するためのオリフィス24を有する。
いくつかの実施形態において、装置20は、インクの代わりに湿し水を分配するように構成される、インクジェットプリンタ・ヘッドタイプのアセンブリによって実現される。各列におけるノズルの密度は、インチ当たり100〜2000ノズル(センチメートル当たり40〜800ノズル)の範囲に、好ましくは、インチ当たり300〜1200ノズル(センチメートル当たり120〜480ノズル)の間に、あってよい。したがって、各ノズルの各オリフィス5の直径は、10〜100マイクロメートルの範囲にある。しかしながら、オリフィスのさらにより小さい直径は、湿し水を供給する分解能をさらに向上させるために、利用されることができる。「dpi」すなわちインチ当たりドットは、印刷の用途における共通の単位であるが、各列におけるノズルの密度は、上述のインチ当たり個数が好ましい。
別々のタイプのインクジェットプリンタ・ヘッドは、市販されて入手可能である。主なタイプは、サーマル・インクジェットプリンタ・ヘッド、および圧電インクジェットプリンタ・ヘッドである。サーマル・インクジェットプリンタ・ヘッドにおいて、小さいチャンバは、噴出されるインクの量を収容する。チャンバの内部に、加熱エレメントが提供される。そして、加熱エレメントに電流が適用されるとき、蒸気爆発によってインクの液滴を泡にして、オリフィスを通ってチャンバから噴出させる。泡の収縮と同様に、インクの表面張力は、チャンバ内において再集合するインクのさらなるチャージに関与する。チャンバをインクリザーバと接続するチャネルは、これを容易にする。圧電インクジェットプリンタ・ヘッドは、サーマル・インクジェットプリンタ・ヘッドと同様のチャンバを収容するが、加熱エレメントの代わりに圧電素子を組み込む。圧電素子に電圧が印加されるとき、それは拡大して、そして、インクの液滴をチャンバのオリフィスを通って噴出させる。液滴は、テール(1つ以上の非常により小さい粒を形成するように分離することができる)を形成することができる。けれども、分配される流体の全積は、予め決められて、次の1つの噴出から有意に変化しない。電圧が除去されるとき、圧電素子は元に戻り、そして、チャンバはインクで再び充填される。印加電圧の大きさ、または印加電圧の持続時間、のいずれかを変化させることによって、噴出される液滴の量は、変更されてよい。それ故、噴出される液滴は、印加電圧の持続時間および特性によって決定される量で、そして印加電圧のタイミングによって決定される時で、単独で噴出されてよい。
他の実施態様において、装置20は、配列のうちのあらかじめ決められた大多数のノズルが、制御手段による個々の作動に応じて湿し水の単独の液滴を噴出するように構成された、ノズルの配列によって実現されてよい。それ故、この種の装置20では、余分のノズルのまさしく限界数が、ある。さらに他の実施形態において、装置20のすべてのノズルは、制御手段によって同時に個々に作動される。すなわち、装置20には余分のノズルが存在しない。
余分のノズルが全くないか、またはほんの少数しかない装置を実現するとき、ノズルの個数とともに、配列に沿ったノズル間の横方向距離または間隔は、刷版上への湿し水の所望量、刷版の幅、ノズルの直径、液滴の量、および特定のプレス速度での噴出頻度、に関して決定されてよい。
充分な液滴の広がりを確実にするために、ノズルの間隔は、実施形態において例えば、刷版と、刷版対して回転している湿し水ローラ5bとの間の周辺の変形ゾーンの幅の2倍を越えないように決定してよい。このような場合、ノズル間の間隔は、ほぼ0.25インチであるかもしれない。幅40インチの刷版に沿って0.2マイクロメートルの均一の薄膜を提供して、そして8065ピコリットルの各液滴が0.01インチの直径を有すると仮定するために、160の等間隔のノズルの列が必要とされる。
余分のノズルが全くないか、またはほんの少数しかない上述した実施形態による装置20は、インクジェットのアセンブリによって実現されてよい。しかしながら、流体が関係する超音波装置において用いられるような圧電トランスデューサのような、ノズルの列から単独の液滴を噴出するための任意の適切な手段が、利用されてよい。
実施形態において、各ノズルから単独の液滴を分配するために要求される時間は、1から500マイクロ秒の間にある。そして、噴出される単独の液滴の最大量は、2から10000ピコリットルの間にある。他の実施形態では、各ノズルから単独の液滴を分配するために要求される時間は、5から50マイクロ秒の間にある。そして、噴出される単独の液滴の最大量は、4から40ピコリットルの間にある。さらに他の実施形態において、噴出される単独の液滴の最大量は、約12ピコリットルである。そして、各ノズルから単独の液滴を分配するために要求される時間は、約10マイクロ秒である。
装置20は、各々が所与の最大液滴量を噴出することのできるノズルの直線アレイを組み立てることによって、および、プレスのローラ/胴上への湿し水流体の流れが、最大プレス速度で、版胴2上の刷版に対する、そしてその刷版の周速度で移動する幅に等しい1枚のユニットセルに等しいように、制御手段によりそれらを作動させることによって、作成されてよい。そこにおいて、以下の状況は達成される:(i)作動中のノズルによって噴出した湿し水流体の各液滴は、ユニットセルの中央に位置する;(ii)ユニットセルの寸法は、プレスに供給される湿し水の所望の平均膜厚によって分けられる分配された液滴の量に等しいエリアを発生するように決定される;(iii)プレスが作動可能な最大速度は、ユニットセルの寸法および液滴が噴出可能な最大周波数から決定されると共に、作動されまたは利用されるノズルの個数は、ユニットセルの寸法およびプレスの幅から決定される。
実施形態において、装置20は、より大きい装置を提供するための複数のインクジェットプリンタ・ヘッドを備える。例えば、幅42.5インチの装置は、表1に示される最大流量能力を生じさせるために互いに隣接して、ヒューレットパッカードによるTIJ Wide Scanプリンタ・ヘッドを10台配置することによって作成される。
表1.長さ42.5インチの装置のプロパティ
Figure 2012509797
本実施形態では、湿し水を供給するための長さ4.25インチのインクジェットプリンタ・ヘッド10台は、例えば二次元マトリクスにおいて重なり合う構成に配置される。ここで、第1列のインクジェットプリンタ・ヘッドは、第2列のインクジェットプリンタ・ヘッドと部分的に重なる。この配置は、各々52,800個のノズルが2列平行をなす装置を生み出す。これが実際に必要であるよりもはるかに多くのノズルでもよいとはいえ、余分のノズルは、以下の実施例において図示されるように有利に使用されることができる。
[実施例1]
このバーの各ノズルによって分配された個々の液滴の最大量は、12ピコリットルである。厚さ0.2マイクロメートルの湿し水の均一な薄膜が所望され、そして、一側0.01インチの寸法の正方形のユニットセルが使用される、とみなされる。このユニットセルの寸法が与えられて、2列のうちの1列における全ての12番目のノズルのみが、利用されるかまたは作動される。これにより、0.01インチ間隔の4,250個のノズルから成る、長さ42.5インチの装置が生み出される。したがって、ノズルが、24,000キロヘルツ(21マイクロ秒の「オン」時間に対応する)の最大許容率でオン/オフ(パルスで)される場合、この装置は、毎分1200フィート、すなわち、毎秒6メートルの速度で運転している、幅42インチのプレスの湿し水ローラまたは版胴に、湿し水の要求量を供給することができる。より低いプレス速度では、したがって、噴出頻度は、減少されなければならない。最高速度を2倍にするために、4250個のノズルの第2グループは、第1グループと同じ頻度で作動する。そして、第1グループから噴出される連続した液滴との間の中間で液滴を噴出するように、それと180度位相を異にする。任意の所与の速度でも、湿し水流量(flow rate)は、パルス周波数、印加電圧、または印加電圧の持続時間、の3つの変数のうちの1つを変えることによって変化することができる。あるいは、これらの3つの変数の任意の組合せも、同時に変えることができる。この実施形態によって達成される適用される湿し水の改良された空間分布または均衡は、版胴の刷版上に発生する湿し水の液滴パターンを示す線図である図6に図示される。パターンは、各セルが湿し水の単一の液滴を包含する、一群の上記したユニットセルから成る。各ユニットセルの小さい寸法は、溶液の所望された均一な薄膜まで平らにされる液滴にとって、この構成が毎分600フィートのプレス速度で使用されたとした場合でも、0.005インチよりも長い刷版の表面上のパスを越えて移動しなければならない溶液の粒子が存在しないことを意味する。対照的に、毎分1200フィートで運転している円周22.5インチの版胴を有する巻取紙印刷機に設置される、目下の技術で典型的なスプレー湿し水装置は、概して、図7に示されるスプレーパターンを発生する。ここで、溶液の所望された均一な薄膜まで平らにされる液滴にとって、溶液粒子が版胴の表面上で動かなければならない最大距離は、約8.7インチであり、これは、非スプレーエリアの部分の長さの半分であり、そして、湿し水供給装置の記述された実施形態に対するよりも1000倍をはるかに上回る。
[実施例2]
この実施例は、装置がその長さに沿って物理的に振動するとした場合と同様の噴出パターンを発生するために、作動中のノズルの位置がアレイに沿って前後にシフトされることを除いて、実施例1と同様である。これは、湿し水ローラ5a、5bのうちの1つを振動させる必要性を除去する。
[実施例3]
この実施例では、同様の装置が、版胴の刷版に湿し水を直接供給するために使用される。そして、版胴の隙間が装置のターゲット領域にあるときはいつでも、装置の作動が禁止されるという特徴が付け加えられた。この付加的な特徴を実現するための手段は、当業者に周知であり、ここで記述されることは不要である。この構成は、任意の湿し水ローラの必要性を除去する。そして、版胴のクランプの腐食および/または印刷欠陥を結果として起こす可能性のある、版胴の隙間に水分がたまることを妨げる。
[実施例4]
この実施例は、作動中の全てのノズルをそれらのすぐ左または右に位置するノズルへシフトするための制御手段がさらに提供されることを除いて、上記の実施例1〜3のいずれか1つと同様である。したがって、オペレータまたは印刷モニタリングシステムが、1つ以上のノズルが詰まったことを検出した場合、装置のオペレーションは、ノズルの適切に機能しているグループに、急速に切り替えられることができる。
他の実施形態では、より少ない個数のインクジェットプリンタ・ヘッドは、線形および/または重なり合う構成において配置される。さらに、自動化された走査ユニットは、湿し水の供給の間、ローラ/胴2、5の長さを越えて横に走査されることができるインクジェットプリンタ・ヘッド装置に接続される。
図8を参照すると、オフセット印刷機への湿し水の供給を制御するためのシステム100が、示される。オフセット印刷機は、版胴110と、インク塗布装置140と、湿し水塗布装置150とを備える。インク塗布装置140は、それ自体が知られる任意のインク塗布装置でよい。湿し水塗布装置は、図1〜6に関して記述されたような装置20でよい。版胴110は、いくつかの円筒状セグメントA、B、C、Dに分けられる刷版を担持する。各セグメントエリアA、B、C、Dは、図8に黒塗りによって示す疎水性部分を除き、親水性である。版胴110は、前記版胴110を回転させるためのモータ120に接続される。コンピュータ手段130は、提供され、そして、版胴110の回転速度を受信するためにモータ120に接続される。コンピュータ手段130は、印刷される画像、すなわち各セグメントA、B、C、Dの親水性および疎水性のエリアの分布、に関連したデータを格納するメモリ132を備える。前記コンピュータ手段130の内部にはまた、計算装置134が提供される。計算装置134は、インク塗布装置140によって版胴110に分配されるインクの量を算出するように構成される。計算装置は、版胴の回転速度、および、各セグメントA、B、C、Dの親水性および疎水性のエリア間の比率を使用する。それ故、インクの別々の量は、セグメントA、B、C、Dごとに提供される。コンピュータ手段130の内部にはまた、湿し水塗布装置140によって版胴110に分配される湿し水の最適量を決定するための、第2の計算装置136が提供される。第2の計算装置136は、計算装置134から、セグメントA、B、C、Dごとに分配されるインクの最適量に関する情報を受信する。それ故、この情報は、セグメントA、B、C、Dごとに湿し水の最適量を直接決定するために用いられる。
湿し水塗布装置150は、各セグメントA、B、C、Dに提供される湿し水の算出量を受信して、その算出量を版胴110に噴出するように構成される。湿し水塗布装置は、各ノズルの噴出周波数、または各噴出する液滴の量を調整することができて、これにより、版胴110に提供される全量を制御する。
したがって、本発明のさらに別の態様によれば、版胴110を有するオフセット印刷機において湿し水を供給するシステムは、版胴110にインクを塗布するように構成されるインク塗布装置140と、版胴110に湿し水を塗布するように構成される湿し水塗布装置150と、を備え、前記湿し水塗布装置150は、各ノズルがオリフィスを有し、各ノズルは前記オリフィスを通して湿し水の単独の液滴を噴出するように構成される、複数のノズル22を有する装置20と、版胴の回転速度を決定するための手段、印刷される画像と関連したデータを格納するためのメモリ装置132、前記版胴に分配されるインクの量を算出するための第1の計算装置134、および前記版胴110に分配される湿し水の量を算出するための第2の計算装置136、を有するコンピュータ手段130と、を備え、前記湿し水塗布装置150は、各ノズルからの噴出周波数または前記単独の液滴の量を制御することによって、分配された湿し水の量を調整するように構成される。このシステムは、湿し水の最適量が版胴110の各セグメントA、B、C、Dに分配され、したがって印刷画像の品質を改善するという点で、有利である。
本発明のいくつかの実施形態は、本発明を実施することが可能な当業者のために、添付図面に関して記述された。本発明は、しかしながら、多くの別々の形態で実施されてよく、そして、本明細書において記載される実施形態に限定されると解釈されてはならない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が徹底したおよび完全なものであるように、そして当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように、提供される。実施形態は、本発明を制限しない。本発明は、添付の請求の範囲によって制限されるのみである。さらにまた、添付図面に図示される特定の実施形態の詳細な説明において使用する用語は、本発明を制限することを意図しない。
説明は、湿し水を供給する装置に適用可能な本発明の実施形態に重点を置く。用語「湿し水」は、広く解釈されなければならなくて、オフセット印刷におけるこの種の目的のために使用するすべての流体をカバーする。噴水溶液(fountain solution)、湿し水(dampening water)、水性薄膜(water based film)、噴水添加物(fountain additive)、噴水溶液添加物(fountain solution additive)および湿し剤(dampening agent)の全ては、湿し水の意味の範囲内に含まれなければならない。
前述された実施形態が、添付の請求の範囲に記載の範囲から逸脱することなく組み合わせてよいことは、いうまでもない。
本発明は、特定の実施形態に関して上で記述されたにもかかわらず、それは、本明細書において記載される特定の形態に制限されることを意図しない。むしろ、本発明は、添付の請求の範囲によってのみ制限される。そして、特定の上記よりも別の実施形態は、これらの添付の請求の範囲の範囲内で等しく可能である。
請求項において、用語「を備える/を含む」は、他のエレメントまたはステップの存在を除外しない。さらにまた、個々にリストされるにもかかわらず、複数の手段、エレメントまたは方法ステップは、例えば単一の装置またはプロセッサによって実現されてよい。加えて、個々の特徴が別々の請求項に含まれてよいにもかかわらず、これらはおそらく、都合よく組み合わせられてよく、そして、別々の請求項における包含は、特徴の組合せが実行可能および/または有利ではないことを意味しない。加えて、単一の参照は、複数を除外しない。用語「1」「1つ」「第1」「第2」などは、複数を排除しない。請求項の参照符号は、ただ単に例を明らかにするものとして提供されて、いかなる形であれ請求項の範囲を制限するものとして解釈されてはならない。

Claims (14)

  1. オフセット印刷機に湿し水を供給する装置であって、前記装置は、
    各々がオリフィス(24)を有する複数のノズル(22)であって、各ノズル(22)は、あらかじめ決められた量の湿し水の単独の液滴を、前記オリフィス(24)を通して前記オフセット印刷機のローラ/胴(2、5)に噴出するために構成される前記複数のノズル(22)と、
    前記複数のノズル(22)に接続されて、湿し水の薄膜が前記オフセット印刷機の版胴の疎水性エリアおよび親水性エリア全体に提供されるように、あらかじめ決められた個数の前記ノズルが単独の液滴を噴出することができようにプログラムされる、制御手段と、
    を備える装置。
  2. 各単独の液滴を分配するための所要時間は、1〜500マイクロ秒、好ましくは5〜50マイクロ秒、最も好ましくは約10マイクロ秒であり、各単独の液滴の量は、2〜10000ピコリットル、好ましくは4〜40ピコリットル、最も好ましくは約12ピコリットルである、請求項1に記載の装置。
  3. 前記複数のノズル(22)は、インクジェット・タイプのアセンブリに含まれる、請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記複数のノズル(22)は、直線アレイに配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 前記複数のノズル(22)は、二次元マトリクスに配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記複数のノズル(22)は、前記ローラ/胴(2、5)の長手方向に配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
  7. 前記複数のノズル(22)は、前記噴出された単独の液滴が、前記ローラ/胴(2、5)の横方向において振動するパターンを発生するように制御される、請求項6に記載の装置。
  8. 各液滴は、前記ローラ/胴(2、5)の表面に対して実質的に垂直な平面において噴出される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 前記複数のノズル(22)は、前記オフセット印刷機の前記ローラ/胴(2、5)の全長を越えて延びる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置を備える、オフセット形の印刷機。
  11. オフセット印刷機に湿し水を供給する方法であって、
    各々がオリフィス(24)を有する複数のノズル(22)を備える装置(20)を提供するステップ、
    湿し水の単独の液滴を、あらかじめ決められた個数のノズル(22)の各オリフィス(24)を通して前記オフセット印刷機のローラ/胴(2、5)に噴出するステップ、および、
    湿し水の薄膜が、前記オフセット印刷機の刷版の疎水性エリアおよび親水性エリア全体に提供されるように、湿し水の膜厚分布を等しくするステップ、
    を含む方法。
  12. 各単独の液滴を分配するための所要時間は、1〜500マイクロ秒、好ましくは5〜50マイクロ秒、最も好ましくは約10マイクロ秒であり、各単独の液滴の量は、2〜10000ピコリットル、好ましくは4〜40ピコリットル、最も好ましくは約12ピコリットルである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記複数のノズル(22)を、前記ローラ/胴(2、5)の長手方向に配置するステップをさらに含む、請求項11または12に記載の方法。
  14. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の湿し水を供給する装置の使用。
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