“例示的(exemplary)”なる語句は、例(example)、事例(instance)、或いは例証(illustration)を意味するためにここでは用いられる。“例示的(exemplary)”であるとしてここで述べられるいかなる設計(design)も、他の設計(design)にわたって好ましい或いは効果的であるとして必ずしも構成されない。
図1は、無線デバイス(wireless device)100の例示的設計(exemplary design)のブロック図を示している。簡単化のため、FM送信機(FM transmitter)120及び非FM受信機(non-FM receiver)130のみが、図1に示されている。非FM受信機130は、コードディヴィジョンマルチプルアクセス(Code Division Multiple Access)(CDMA)、モバイルコミュニケーション用グローバルシステム(Global System for Mobile Communications)(GSM(登録商標))、グローバルポジショニングシステム(Global Positioning System)(GPS)、メディカルインプラントコミュニケーションシステム(Medical Implant Communication System)(MICS)、或いは他の非FM無線(radio)技術のための受信機であるかもしれない。無線デバイス100は、他の無線技術のための他の送信機及び受信機も含んでいるかもしれず、それは単純化のために図1では示されていない。FM送信機120及び非FM受信機130は、コスト及びサイズを低減し、及び他の利点を得るために、集積回路(IC)チップ110上にインプリメントされているかもしれない。ICチップ110は、アナログIC、RFIC(RFIC)、ミックス信号IC、特定用途向け集積回路(ASIC)、等のためのものであるかもしれない。
FM送信機120は、デジタル入力信号(例えば、オーディオ出力用)を受け取り、デジタル入力信号によってFM変調を行い、出力FM信号を発生する。出力FM信号は、アンテナ124を介して送信され、パッド122からの望ましくないRFリークを有している。アンテナ134は、ベースステーション及び/又は他の送信機ステーションからRF信号を受信し、非FM受信機130に受信されたRF信号を供給する。パッド122からの望ましくないRFリークは、パッド132を介して非FM受信機130に結合されている。非FM受信機130は、受信されたRF信号を処理し(例えば、増幅、フィルタ、復調、及びデジタライズ)、ベースバンド出力信号を供給する。
図1に示されるように、FM送信機120及び非FM受信機130を同一のICチップ110に集積化することは、いくつかの理由についてチャレンジングであるかもしれない。第1に、FM送信機120からの出力FM信号の信号レベルが高いかもしれない。出力FM信号は、76から108メガヘルツ(MHz)の間の比較的低い周波数に集中しているかもしれないが、FM信号の高調波(harmonics)(それはFM高調波とも言われる)は、数百MHzから数ギガヘルツ(GHz)のより高い周波数に存在しているかもしれない。FM高調波は、FM送信機120及び非FM受信機130が同一ICチップ上に集積化され、非FM受信機130が高感度要求を有しているときに、非FM受信機130に支障をきたす。受信機は、例えば−102dBmの非常に低い受信パワーレベルで所望の信号を受信することを要求されているとすると、高感度要求を有していると考えられるかもしれない。FM高調波は、パッド122からパッド132に、またアンテナ124からアンテナ134に結合しているかもしれない。パッドトゥパッド結合(pad-to-pad coupling)は、2つのパッドが同一のICチップ上にあるときに、よりシビアであるかもしれず、アンテナトゥアンテナカップリング(antenna-to antenna coupling)はよりシビアでないかもしれない。いかなる場合にも、結合されたFM高調波は、受信されたRF信号内の所望の信号に或いはその近くに存在するかもしれず、非FM受信機130が所望の信号をリカバーする能力をシビアに妨げるかもしれない。
図2は、FM送信機120の例示的な設計のブロック図を示しており、それはFM高調波の非FM受信機130へのより少ない結合を有しているかもしれない。FM送信機120内において、デジタルFM変調器210は、デジタル入力信号(例えば、オーディオ出力用)を受け取り、デジタル入力信号によってFM変調を行い、デジタルFM信号を供給する。ロウパスフィルタ220は、デジタルFM信号を受け取り、デジタルFM信号をフィルタして非FM受信機130を妨害するかもしれない高調波を減衰させ、フィルタされたFM信号を供給する。電力増幅器(Amp)230は、フィルタされたFM信号を増幅して、所望の出力信号レベルを取得し、出力FM信号を供給する。電力増幅器230は、ドライバ増幅器、出力増幅器、等とも言われるかもしれない。LCタンク(LC tank)回路240は、可変キャパシタ242及びインダクタ244によって形成され、バンドパスフィルタとして機能する。LCタンク回路240は、出力FM信号をフィルタして、選択されたFM周波数で所望のFM信号を通過させ、FM高調波及びノイズを減衰させる。出力FM信号は、アンテナ124を介して送信される。
アンテナ134は、受信されたRF信号を非FM受信機130に供給する。非FM受信機130内において、ロウノイズ増幅器(LNA)250は、受信されたRF信号を増幅し、増幅されたRF信号を供給する。復調器260は、増幅されたRF信号をさらに処理し(例えば、フィルタ、復調、及びデジタライズ)、ベースバンド出力信号を供給する。
図2に示された例示的設計において、デジタルFM変調器210、ロウパスフィルタ220、電力増幅器230、及びキャパシタ242は、ICチップ110上にインプリメントされているかもしれない。インダクタ244は、ICチップ110の外部(図2に示されるように)、或いはICチップ110上にインプリメントされるかもしれない。
図2は、FM送信機120の例示的な設計を示している。一般的に、FM送信機は、フィルタ、増幅器等の任意の数のステージを含んでいるかもしれない。回路ブロックは、図2に示された構成から異なってアレンジされるかもしれない。
図3は、FM送信機120内のデジタルFM変調器210の例示的な設計のブロック図を示している。デジタルFM変調器210は、フェイズロックループ(PLL)310を用いてデジタルFM変調を行う。ここで用いられるように、デジタルFM変調は、デジタル周波数変調された信号、すなわちデジタルFM信号を得るための、発振器信号(oscillator signal)の周波数変調を指す。
PLL310内において、位相−周波数検出器(phase-frequency detector)312は、リファレンス信号及びフィードバック信号を受け取り、2つの信号の位相を比較し、2つの信号間の位相差/誤差を示す検出器信号を供給する。チャージポンプ314は、検出された位相誤差に比例した誤差信号を発生する。ループフィルタ316は、誤差信号をフィルタし、電圧制御発振器(VCO)318に対する制御電圧を供給する。ループフィルタ316は、フィードバック信号の周波数がリファレンス信号の周波数にロックされるように制御電圧を調整する。VCO318は、ループフィルタ316からの制御電圧によって決定される周波数を有する発振器信号(oscillator signal)を発生する。マルチモジュール分周器(divider)320は、可変分周ファクタ(variable divider factor)によって周波数において(in frequency)発信器信号を分周し、フィードバック信号を供給する。フィックスト分周器(fixed divider)330は、フィックスト分周比(fixed divider ratio)(例えば、2、4、等)によって発振器信号を分周し、デジタルFM信号を供給する。
デルタ−シグマ(ΔΣ)変調器322は、比較的低い入力レートで複数ビット(例えば、16或いはそれ以上のビット)の分解能(resolution)を有するデジタル入力信号を受け取り、同一の分解能を有しているが高い出力レートで1或いは数ビットを用いる変調器出力信号を発生する。加算器324は、選択されたFMチャネルに対応するオフセット値を変調器出力信号に加算し、マルチモジュール分周器320に対する可変分周ファクタを供給する。
図3には示されていないが、プリディストーション(predistortion)ユニットがΔΣ変調器322の前に挿入されていてもよく、PLL310内のゲイン及び位相ミスマッチに対するデジタル入力信号へのプリディストーションを行ってもよい。プリディストーションユニットは、デジタルゲイン及び/又は位相イコライゼーションを行って、FM変調に対するPLL閉ループバンド幅(PLL closed-loop bandwidth)の影響を低減する(mitigate)ようにしてもよい。ΔΣ変調器322は、デジタル入力信号の代わりにプリディストーションされた入力信号を受け取ってもよい。
PLL310は、フィードバック信号の周波数をリファレンス信号の周波数にロックする。それ故、分周器320の分周比を変化させることは、VCO318からの発振器信号の周波数の変化を生じさせる。デジタルFM変調は、発振器信号の周波数がデジタル入力信号の瞬間的な逸脱(instantaneous deviation)によって変調されるように、分周器320の分周比を制御することによって達成される。
図3は、デジタルFM変調器210の例示的な設計を示しており、それは他の方法でもまたインプリメントされるかもしれない。他の例示的な設計では、デジタルFM変調器210は、ダイレクトFMVCO変調を実行するかもしれない。これは、ループフィルタ316の入力で加算器324の出力を適用することによって達成されるかもしれない。他の例示的な設計では、デジタルFM変調器210は、デジタルI/Q変調を実行するかもしれない。これは、(i)デジタル入力信号を積分する(integrate)する、(ii)積分信号のコサイン及びサインをとる、(iii)コサイン及びサインコンポーネントをシングルサイドバンド(SSB)変調器を用いてキャリア周波数にアップコンバートする、ことによって達成される。他の例示的な設計では、デジタルFM変調器210は、2ポイント変調を実行するかもしれない。これは、(i)ロウパス変調パスを介して分周器320の可変分周比又はリファレンス信号を変調する、(ii)ハイパス変調パスを介してVCO318を変調する、ことによって達成される。デジタルFM変調は、他の方法でも実行されるかもしれない。
図4は、デジタルFM変調器210からのデジタルFM信号のスペクトルプロットを示している。デジタルFM信号は、選択されたfFMのFM周波数でのデジタルクロック信号に似ており、ナロウバンド(narrowband)FM変調を含んでいる。FM周波数fFMは、76から108MHzの範囲内であり、ユーザーによって選択されるかもしれない。クロックのような波形(clock-like waveform)に起因して、デジタルFM信号は、3fFM、5fFM、7fFM、等の周波数での奇数FM高調波と同様に、選択されたFM周波数での強い所望の信号コンポーネントを含んでいる。FM高調波のいくつかは、CDMAシステム、GSM(登録商標)システム、GPS、等によって用いられる周波数バンド内であるかもしれない。例えば、15次FM高調波は、GPSに用いられる1575.42MHz近傍であるかもしれず、GPS受信機のパフォーマンスを低下させるかもしれず、それは高感度要求を有するかもしれず、干渉により敏感であるかもしれない。デジタルFM信号、特に非FM受信機130によってカバーされる周波数帯内にあるかもしれないFM高調波を減衰させることが望まれている。
図5Aは、FM送信機120内のロウパスフィルタ220の例示的な設計の周波数応答510を示している。この例示的な設計において、周波数応答510は、FM周波数レンジをカバーする比較的フラットなパスバンドを有し、ロウパスフィルタ220の次数によって決定されるレートでしだいにロールオフする。さらなる減衰が、より高次のロウパスフィルタによって得られるかもしれない。周波数応答510は、高い周波数でのFM高調波のさらなる減衰を提供するために用いられるかもしれない。
図5Bは、ロウパスフィルタ220の他の例示的な設計の周波数応答520を示している。この例示的な設計では、周波数応答520は、fnotch の周波数でのノッチを有し、3dBバンド幅周波数からよりシャープにロールオフしている。ノッチは、より高いFM高調波のより少ない減衰の消費での1以上のFM高調波のより大きな減衰を与えるために用いられるかもしれない。ノッチは、特別の周波数(例えば、GPS周波数)に置かれ、この周波数でのFM高調波の高い減衰を得るかもしれない。
図5A及び図5Bは、ロウパスフィルタ220の2つの例示的な設計の周波数応答を示している。他の周波数応答が、他のロウパスフィルタ設計によってもまた得られるかもしれない。一般に、適切な周波数応答は、FM送信機120の所望のパフォーマンス、非FM受信機130の要求等のような種々のファクタに基づいて選択されるかもしれない。例えば、図5Aの周波数応答510は、非FM受信機130がGPS受信機であり、15次FM高調波の大きな減衰が望まれている場合に用いられるかもしれない。図5Bの周波数応答520は、非FM受信機130が低周波数帯で動作するCDMA或いはGSM(登録商標)受信機であり、低FM高調波の大きな減衰が望まれている場合に用いられるかもしれない。
図6は、ロウパスフィルタ220の例示的な設計の概略図であり、それは2次Sallen−Keyロウパスフィルタによってインプリメントされる。ロウパスフィルタ220内において、R1 の値を有する抵抗612は、デジタルFM信号を受け取る一端と、ノードAに結合された他端とを有する。R2 の値を有する抵抗614は、ノードAとNチャネル金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタ620のゲートとの間に結合されている。C1 の値を有するキャパシタ616は、NMOSトランジスタ620のゲートと回路グラウンドとの間に結合されている。C2 の値を有するキャパシタ618は、ノードAとNMOSトランジスタ620のソースとの間に結合されている。NMOSトランジスタ620は、ソースフォロワとして結合され、パワーサプライ電圧VDDに結合されたドレインと、フィルタされたFM信号を供給するソースとを有する。電流源622は、NMOSトランジスタ620のソースと回路グラウンドとの間に結合され、NMOSトランジスタ620に対してバイアス電流を供給する。NMOSトランジスタ620は、ro の有限出力インピーダンス(finite output impedance)を有し、それはNMOSトランジスタ620のソースと回路グラウンドとの間に結合された抵抗624によってモデル化される。
有限出力インピーダンスを有する増幅器を持った2次Sallen−Keyロウパスフィルタの伝達関数H(s)は、図6に示されるように、
は、クオリティファクタ(quality factor)であり、Kは、増幅器のゲインであって、それは1以下である。
Qファクタは、ロウパスフィルタの周波数応答のピーク(もしあれば)の高さ及び幅を決定する。より高いピークは、より高いQによって得られるかもしれない。Butterworthフィルタに対するマキシマリ(maximally)フラットパスバンド応答は、1/√2のQによって得られるかもしれない。所望の周波数応答は、抵抗612及び614に対する適切な値R1 及びR2 、及びキャパシタ616及び618に対する適切な値C1 及びC2 を選択することによって得られるかもしれない。
理想的なユニティゲイン増幅器(ro =0を持つ)を有するSallen−Keyロウパスフィルタの伝達関数は、ゼロを有していない。しかしながら、式(1)に示されるように、非理想的増幅器の有限出力インピーダンスro は、伝達関数H(s)においてゼロとなる。Sallen−Keyロウパスフィルタは、図5Bに示される周波数応答を有するかもしれない。ノッチ周波数は、出力インピーダンスro 、抵抗値R2 、及びキャパシタ値C1 及びC2 によって決定されるかもしれない。出力インピーダンスro は、概ねro =1/gm であり、gm はNMOSトランジスタ620のトランスコンダクタンスである。
図6は、NMOSトランジスタを用いた2次Sallen−Keyロウパスフィルタの例示的な設計を示している。一般に、Sallen−Keyフィルタの増幅器は、任意のタイプのトランジスタ或いは増幅器、例えば、Pチャネル金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタ、バイポーラジャンクショントランジスタ(BJT)、オペレーショナル増幅器(Op−Amp)、オペレーショナルトランスコンダクタンス増幅器(OTA)等、によってインプリメントされるかもしれない。
図6は、ロウパスフィルタ220の例示的な設計を示している。一般に、ロウパスフィルタ220は、パッシブロウパスフィルタ(例えば、抵抗、キャパシタ及び/又はインダクタのみを用いる)として、或いはアクティブロウパスフィルタ(例えば、抵抗、キャパシタ、トランジスタ、増幅器等を用いる)としてインプリメントされるかもしれない。ロウパスフィルタ220は、任意の順序、任意のフィルタタイプ、及び任意のフィルタ構造によってインプリメントされるかもしれない。例えば、ロウパスフィルタ220は、2次、4次、或いはより高次のフィルタによってインプリメントされるかもしれない。ロウパスフィルタ220は、Butterworthフィルタ、Besselフィルタ、ellipticalフィルタ、Chebychevフィルタ等によってインプリメントされるかもしれない。elliptical及びChebychevフィルタはノッチを有しているが、Butterworth及びBesselフィルタは有していない。ロウパスフィルタ220は、RCのカスケード或いはアクティブロウパスフィルタステージによってもまたインプリメントされるかもしれない。
図2に戻ると、LCタンク240は、出力FM信号に対してさらなるフィルタリングを提供するかもしれない。LCタンク240は、ω
0 の中心周波数を持つバンドパス応答を有し、それは
として表現され、ここで、Cはキャパシタ242のキャパシタンスであり、Lはインダクタ244のインダクタンスである。
キャパシタ242は、選択されたFM周波数に基づいて決定されるかもしれないチューナブル値を有しているかもしれない。一例示的設計では、キャパシタ242は、等しいキャパシタンスを有するユニットキャパシタのバンクによってインプリメントされるかもしれない。他の例示的設計では、キャパシタ242は、革新的に(progressively)より大きなキャパシタンスを持つキャパシタのバンク、例えば前のキャパシタのサイズの2倍である各キャパシタによってインプリメントされるかもしれない。いずれの例示的設計においても、バンク内のキャパシタの適切なセットは、選択されたFM周波数に対する適切なキャパシタンスを得るために、選択されるかもしれない。
図2に示された例示的な設計では、キャパシタ242はICチップ110上にインプリメントされ、インダクタ244はICチップ外にインプリメントされている。他の例示的な設計では、キャパシタ242及びインダクタ244はいずれも、ICチップ110上に、或いはICチップ外にインプリメントされている。
電力増幅器230は、種々の方法でインプリメントされるかもしれない。電力増幅器230は、追加のFM高調波が増幅器によって発生しないように、良好な線形性を持ってデザインされるかもしれない。電力増幅器230はまた、直列或いは並列に結合された複数のステージによってインプリメントされるかもしれない。ステージの十分な数は、所望の出力信号レベルを与えることができるかもしれず、残りのステージは、電力をセーブするためにディセーブルにされるかもしれない。
出力FM信号を送信するために用いられるアンテナ124は、ダイポールアンテナ、パッチアンテナ、マイクロストリップアンテナ、ストリップラインアンテナ、プリンティドダイポールアンテナ、インバーティドFアンテナ、ループアンテナ、モノポールアンテナ、等によってインプリメントされるかもしれない。アンテナ124は、スモールアンテナ(small antenna)であるかもしれない。アンテナは、その寸法が4分の1波長よりも十分に小さければ、“スモール”であるとして考えられるかもしれない。例えば、108MHzの最も高いFM周波数で、4分の1波長が0.7メートルに等しく、アンテナ124は、ポータブル無線デバイスのスモールサイズにより0.7メートルよりも十分小さいであろう。
アンテナ124は、そのスモールサイズにより、FM周波数で大きなロスを有しているかもしれない。アンテナ124は、大きなアンテナロスを補償するために、大きな出力FM信号によって駆動されるかもしれない。大きな出力FM信号は、大きなパッドトゥパッド結合(pad-to-pad coupling)となるかもしれず、それはロウパスフィルタ220及びタンク回路240によってコンバットされる(combated)かもしれない。
LCタンク回路240は、スモールアンテナ124に対する良好なパフォーマンスを提供するかもしれない。LCタンク回路240は、マッチングネットワーク(反射を最小化する回路)、複数のステージを有するインピーダンスマッチングネットワーク、4分の1波長インピーダンストランスフォーマー等、よりも良好なパフォーマンスを与えるかもしれない。
ここで述べられたFM送信機は、ある効果(certain advantage)を提供するかもしれない。第1に、全て或いはほとんどのFM送信機は、ICチップ上にインプリメントされ、それはコスト、面積、及び電力消費を減少させるかもしれない。FM送信機はまた、非FM受信機(例えば、GSM(登録商標)受信機、CDMA受信機、GPS受信機、MICS受信機、等)とともに集積化されるかもしれず、それは高感度要求を有しているかもしれない。電力増幅器の前或いは後のFM信号のフィルタリングは、FM高調波がセンシティブな非FM受信機のパフォーマンスを最小限に(minimally)劣化させるように、十分な量でFM高調波を減衰させるかもしれない。ポータブル無線デバイスに搭載されたFM送信機に対する要求は、大きいかもしれず、ここで述べられたFM送信機によって処理されるかもしれない。
一例示的設計において、集積回路は、FM送信機(FM transmitter)及び非FM受信機(non-FM receiver)を備えているかもしれない。FM送信機は、デジタル入力信号を受け取り、デジタル入力信号によってFM変調を行い、出力FM信号を供給するかもしれない。非FM受信機は、RF信号を受け取り、受け取ったRF信号の復調を行い、ベースバンド出力信号を供給するかもしれない。非FM受信機は、CDMA受信機、GSM(登録商標)受信機、GPS受信機、MICS受信機等を備えているかもしれない。
他の例示的設計において、装置は、デジタルFM変調器及びロウパスフィルタを備えているかもしれない。デジタルFM変調器は、デジタル入力信号を受け取り、デジタル入力信号によってFM変調を行い、デジタルFM信号を供給するかもしれない。ロウパスフィルタは、デジタルFM信号をフィルタし、フィルタされたFM信号を供給するかもしれない。
一例示的設計において、デジタルFM変調器は、PLL及びデルタ−シグマ変調器を備えているかもしれない。PLLは、可変分周比で周波数において(in frequency)発振器信号を分周するマルチモジュール分周器を備えているかもしれない。デルタ−シグマ変調器は、デジタル入力信号を受け取り、可変分周比を得るために用いられる変調器出力信号を発生するかもしれない。デジタルFM変調器はまた、他の方法でインプリメントされるかもしれない。
一例示的設計において、ロウパスフィルタは、Sallen−Keyロウパスフィルタを備えているかもしれず、それは図6に示されるようにインプリメントされるかもしれない。Sallen−Keyロウパスフィルタは、増幅器の有限出力インピーダンス(finite output impedance)によって形成されたノッチを有するかもしれず、それは1に近いゲインを有しているかもしれない。デジタルFM信号は、選択されたFM周波数且つ奇数高調波での所望の信号コンポーネントを備えているかもしれない。ロウパスフィルタは、選択されたFM周波数で所望の信号コンポーネントを通過させるかもしれず、より高い周波数での高調波、例えば非FM受信機の周波数帯の範囲に含まれる高調波を減衰させるかもしれない。ロウパスフィルタは、ノッチ周波数で大きな減衰を与えることができる。
装置はさらに、増幅器及びLCタンク回路を備えているかもしれない。増幅器は、フィルタされたFM信号を増幅し、出力FM信号を供給するかもしれない。LCタンク回路は、バンドパス応答によって出力FM信号をフィルタするかもしれない。LCタンク回路は、並列に結合された可変キャパシタ及びインダクタを備えているかもしれない。可変キャパシタは、選択されたFM周波数に基づいて調整されるかもしれない。デジタルFM変調器及び可変キャパシタは、ICチップ上にインプリメントされるかもしれず、例えば図2に示されるように、インダクタはICチップ外にインプリメントされるかもしれない。
装置は、出力FM信号を送信するためにスモールアンテナを備えているかもしれない。スモールアンテナは、最も高いFM周波数の4分の1波長よりも小さいサイズを有しているかもしれない。
図7は、FM変調を行うためのプロセス700の例示的な設計を示している。デジタルFM変調はデジタル入力信号によって行われ、デジタルFM信号が得られるかもしれない(ブロック712)。ブロック712の一例示的設計では、発振器信号は可変分周比により周波数において(in frequency)分周されるかもしれない。デルタ−シグマ変調がデジタル入力信号に対して行われ、可変分周比が得られるかもしれない。デジタルFM信号は、例えばノッチを有するロウパスフィルタによってロウパスフィルタされ、フィルタされたFM信号が得られるかもしれない(ブロック714)。フィルタされたFM信号は増幅され、出力FM信号が得られるかもしれない(ブロック716)。出力FM信号は、例えばLCタンク回路によってバンドパスフィルタされるかもしれない(ブロック718)。出力FM信号は、スモールアンテナを介して送信されるかもしれない(ブロック720)。
ここで説明された全ての或いはほとんどのFM送信機は、IC、アナログIC、RFIC、ミックスト信号(mixed-signal)IC、ASIC等にインプリメントされるかもしれない。FM送信機は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)、NMOS、PMOS、BJT、バイポーラ−CMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SIGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、インジウムリン(InP)等の、種々のICプロセス技術によって製造されるかもしれない。
ここで説明されたFM送信機をインプリメントする装置は、スタンドアローンデバイスであるかもしれないし、或いはより大きなデバイスの一部であるかもしれない。デバイスは、(i)スタンドアローンIC、(ii)データ及び/又はインストラクションを記憶するメモリICを含むかもしれない1以上のICのセット、(iii)RF受信機(RFR)或いはRF送信機/受信機(RTR)といったRFIC、(iv)モバイルステーションモデム(MSM)のようなASIC、(v)他のデバイス内に埋め込まれる(embedded)かもしれないモジュール、(vi)受信機、セルラー電話、無線デバイス、ハンドセット、或いはモバイルユニット、(vii)等々、であるかもしれない。
1以上の例示的な設計において、説明された機能を、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、或いはそれらの任意の組合せでインプリメントされるかもしれない。ソフトウェアでインプリメントする場合、機能は、1以上の命令又はコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶するか、或いはコンピュータ可読媒体を介して伝達されるかもしれない。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体との両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であるかもしれない。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、もしくは他の光学ディスク記憶、磁気ディスク記憶、もしくは他の磁気記憶デバイス、又は、命令もしくはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを運搬または記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる他の任意の媒体を備えることができる。さらに、任意の接続は、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、又は赤外線、無線、及びマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線、無線、及びマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。ここで使用されるディスク(disk)及びディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光学ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク及びブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。
開示の前述の説明は、当業者が本開示を実施または使用できるようにするために提供される。これらの開示への種々の変更は、当業者に容易に明らかになり、ここで定義された包括的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変更に適用できるかもしれない。それ故、本開示は、ここで説明された例及び設計に限定されることは意図されておらず、ここで開示された原理および新規な特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきものである。