JP2012508022A - 減少した免疫原性を有する操作された抗体および作製方法 - Google Patents

減少した免疫原性を有する操作された抗体および作製方法 Download PDF

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Abstract

免疫原性が減少したハイブリッド抗体およびその抗体結合断片ならびにそれらを作製する方法が提供される。該方法は、体細胞変異を受けたハイブリッド抗体またはその抗原結合断片の少なくとも1つのドナーフレームワーク領域内の1つまたは複数のアミノ酸残基を、生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程を含む。同じ生殖系列遺伝子ファミリーまたは生殖系列遺伝子ファミリーメンバー由来である少なくとも2つのドナーフレーム領域を含有するハイブリッド抗体またはその抗原結合断片であって、フレームワーク領域内の少なくとも1つのアミノ酸残基が生殖系列フレームワーク領域内の対応する位置のアミノ酸残基で置き換えられているハイブリッド抗体またはその抗原結合断片も提供される。ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片はヒトフレームワーク領域および非ヒトCDRを含有し得る。

Description

関連出願
本出願は、2008年11月6日出願の米国仮特許第61/198,466号の利益を主張し、この出願は本明細書中でその全体が参考として援用される。
抗体は、脊椎動物において抗原による刺激に応答してB細胞として公知のリンパ球により産生されるタンパク質である。抗体(別称、免疫グロブリン(Ig))分子の基本構造単位は、集合すると大文字「Y」の形になる4本のポリペプチド鎖からなる。4本の鎖のうちの2本は同一の軽(L)鎖であり、2本は同一の重(H)鎖である。重鎖には、抗体を5クラス、すなわち、IgA、IgD、IgE、IgDおよびIgMに分ける5つの異なる種類(アイソタイプ)が存在する。さらに、軽鎖には、κおよびλと命名される2つの異なるアイソタイプが存在する。重鎖の各クラスは軽鎖のどちらかと結合することが可能である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、抗原結合に関与する可変領域(それぞれ、VHおよびVL)ならびに定常領域(C)を含有する。抗原結合部位は、6つの高頻度可変性領域(別称、相補性決定領域(CDR))で構成されている。重鎖由来の3つのCDRと軽鎖由来の3つのCDRは、それぞれ、各鎖上の、フレームワーク領域(FR1、FR2、FR3およびFR4)と呼ばれる4つの比較的保存された逆平行βシート間に位置している。慣習として、付番方式を利用して、VHおよびVL鎖の成分部分の位置は指定されてきた。Kabat定義は配列多様性に基づいており、Chothia定義は構造ループ領域の位置に基づいている。
B細胞により合成される各種のIg鎖では、生殖系列遺伝子として公知の遺伝子セグメントの別々のプールが存在し、そこから単一ポリペプチド鎖が合成される。各プールは異なる染色体上に位置し、典型的には、V領域をコードする比較的多数の遺伝子セグメントとC領域をコードするそれより少ない数の遺伝子セグメントとを含有している。各軽鎖V領域は、2種類の生殖系列遺伝子セグメント、すなわち、長いV遺伝子セグメント、短い連結(J)遺伝子セグメント、およびCセグメントから構築される核酸配列によりコードされている。重鎖は、3つは可変領域で1つは定常領域である4種類の生殖系列遺伝子セグメントによりコードされている。重鎖可変領域をコードする3種の生殖系列遺伝子セグメントは、Vセグメント、Jセグメントおよび多様性(D)セグメントである。ヒト生殖系列V、DおよびJ遺伝子配列は特徴付けられている。少なくとも80%の配列相同性に基づいて7つの生殖系列遺伝子ファミリー(VH1〜VH7)に分類されるほぼ51のヒト生殖系列VH遺伝子セグメント(本明細書ではそのような「セグメント」は生殖系列遺伝子ファミリーメンバーとも呼ばれる)が存在する。例えば、非特許文献1を参照されたい。体細胞変異(somatic hypermutation)(または、抗体成熟)を通して、各生殖系列遺伝子ファミリーメンバーは、所与の生殖系列遺伝子ファミリーメンバーの誘導体である複数種の免疫グロブリンを生み出すことができる。体細胞性変異抗体が由来する生殖系列遺伝子ファミリーメンバーは、体細胞性変異抗体の配列を生殖系列遺伝子の配列と整列させ、生殖系列遺伝子ファミリーメンバーとの配列同一性を評価することにより決定し得る。
重鎖可変領域の最初の2つのCDRおよび3つのフレームワーク領域はVHによりコードされている。CDR3は、VHの数ヌクレオチド、DHのすべておよびJHの一部によりコードされており、FR4はJH遺伝子セグメントの残りによりコードされている。同様に、軽鎖に関しては、Vカッパ(Vκ)またはVラムダ(Vλ)遺伝子セグメント(例えば、生殖系列遺伝子ファミリーメンバー)は、V領域の最初の2つのCDRおよび3つのフレームワーク領域をCDR3の数残基と一緒にコードしている。Jカッパ(Jκ)およびJラムダ(Jλ)セグメントは、それぞれVκまたはVλ領域中のCDR3領域の残りをコードしている。κ鎖をコードするDNAは、配列相同性に基づいて6のファミリー(VκI〜VκVI)に分類されるほぼ40のVκセグメント(生殖系列遺伝子ファミリーメンバー)を含む。λ鎖をコードするDNAは、10のファミリーに分類されるほぼ31のVλセグメント(生殖系列遺伝子ファミリーメンバー)を含む。図1、2、3および4を参照されたい。
抗体および抗体断片は、急性環境でも慢性環境でも様々なヒト疾病と関連して有望な治療薬になっている。ハイブリドーマ技術、細菌ディスプレイ、リボソームディスプレイ、酵母ディスプレイ、および複製バクテリオファージ表面上でのヒト抗体断片の組換え発現を含むいくつかの方法が抗体を作製するために利用されている。ハイブリドーマにより産生され得るモノクローナル抗体(mAb)は、長年、診断法として適用され成功を収めてきたが、治療薬としてのモノクローナル抗体の使用は出てきたばかりである。大部分のmAbは、非ヒト(大部分がげっ歯類)起源であり、ヒトにおける免疫原性の問題を引き起こしている。げっ歯類起源の抗体をヒトに投与すると、抗げっ歯類抗体が産生され、血清からのげっ歯類抗体のクリアランスが増強されて、抗体の治療効果が妨害され、過敏症反応が起こる。これらの制限のせいで、「ヒト化」として公知の技術工学の発展が促進されてきた。
最初のヒト化戦略は、重鎖および軽鎖の可変ドメインが抗原に結合する原因であり、定常ドメインがエフェクター機能の原因であるという認識に基づいていた。キメラ抗体は、例えば、げっ歯類mAbの可変ドメインをヒト抗体の定常ドメインに移植することにより作製された(例えば、非特許文献2および非特許文献3)。これらのキメラ抗体はヒトにおいてより良好なエフェクター機能を誘導し、減少した免疫原性を示したが、げっ歯類可変領域はそれでも免疫応答を誘導するリスクを引き起こす。可変ドメインが、抗原結合ループ(相補性決定領域またはCDR)が載っているベータシートフレームワークからなることが認められると、ヒトフレームワーク上に移植されたげっ歯類CDRを含有するヒト化抗体が設計された。多くの場合全ヒトフレームワーク領域がげっ歯類配列に最も近い相同性を有する抗体を使用して、いくつかの異なる抗原結合部位が単一のヒトフレームワークに首尾よく移された(例えば、非特許文献4;非特許文献5;および非特許文献6)。代わりに、いくつかのヒト重鎖を元にコンセンサスヒトフレームワークが構築された(例えば、非特許文献7)。しかし、単純なCDR移植では抗原親和性を失うことが多かった。抗原結合部位を再構築するには、ベータシートフレームワークとループとの間の考え得る他の相互作用を検討しなければならなかった(非特許文献8)。
いくつかの抗体のヒト化において必要な必須のフレームワーク残基の比較に加えて、抗体結晶構造に基づくコンピュータモデリングにより、結合部位の完全性に寄与している可能性が最も高い「ベニールゾーン残基」と称される1セットのフレームワーク残基が明らかにされた(非特許文献9)。さらに、VH−VL界面領域のいくつかの残基が抗原に対する親和性を維持するのに重要である可能性はある(非特許文献10)。当初、フレームワーク残基は、段階的に元のげっ歯類配列に変異された(非特許文献11)。しかし、この変異アプローチはひどく時間がかかり、重要な残基すべてを扱うことはできない。
どんな特定の抗体でも、結合を最適化するのに小さな1セットの変化で十分である可能性はあるが、ベニールおよびVH/VL残基のセットから選択することは困難である。選択技術(例えば、ファージディスプレイ)と組み合わせたコンビナトリアルライブラリー法は、重要なフレームワーク残基すべてにおけるげっ歯類配列とヒト配列との間の代替物を表し、あらゆるヒト化形の結合活性の同時決定を可能にするヒト化分子のライブラリーを作製することにより、ヒト化技術を改革した(例えば、非特許文献12および非特許文献13)。
明らかに、治療および診断目的で標的種に投与することが可能である最適結合プロファイルを維持しつつ免疫原性が減少したヒト化抗体を作製する改良された方法の必要性が存在する。
Matsudaら、J. Exp. Med.(1998年)188巻:2151〜2162頁 Neuberger M Sら、Nature 314巻、268〜70頁、1985年 Takedaら、Nature 314巻、452〜4頁、1985年 Jones P Tら、Nature 321巻、522〜5頁、1986年 Riechmann L.ら、Nature 332巻、323〜327頁、1988年 Sato K.ら、Mol. Immunol. 31巻、371〜8頁、1994年 Carter P.ら、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 89巻、487〜99頁、1992年 Chothia Cら、Mol. Biol. 196巻、901〜917頁、1987年 Foote J.ら、Mol Biol 224巻、487〜99頁、1992年 Santos A Dら、Prog. Nucleic Acid Res Mol Biol 60巻、169〜94頁、1998年 Kettleborough C Aら、Protein Engin. 4巻、773〜783頁、1991年 Rosok M J、J Biol Chem、271巻、22611〜8頁、1996年 Baca Mら、J Biol Chem 272巻、10678〜84頁、1997年
一態様では、(i)標的に特異性を有する最初の抗体の可変領域内のFR1、FR2およびFR3からなる群からフレームワーク領域を選択する工程;(ii)前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して選択されたフレームワーク領域を比較して、選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第1のドナーフレームワーク配列を同定する工程;(iii)第1のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、第1のドナーフレームワーク配列に高度な相同性を有する第1の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;(iv)第1の生殖系列フレームワーク配列中の対応する位置のアミノ酸残基とは異なる、第1のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を同定する工程;ならびに(v)最初の抗体の相補性決定領域(CDR)と、第1のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基が第1の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換えられている第1のドナーフレームワーク配列とを含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程を含む、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を作製するための方法が提供される。
ある種の実施形態では、方法は、最初の抗体のFR1、FR2およびFR3からなる群から第2のフレームワーク領域を選択する工程、前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して選択されたフレームワーク領域を比較して、選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第2のドナーフレームワーク配列を同定する工程、ならびに最初の抗体のCDRおよびドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程をさらに含む。
ある種の実施形態では、方法は、順不同で、第2のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、第2のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第2の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程、および第2のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を第2の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程をさらに含んでもよい。
ある種の実施形態では、前記第1および第2のドナー配列は、同一生殖系列遺伝子ファミリーに属する2つの異なる抗体由来である。
ある種の実施形態では、方法は、最初の抗体のFR1、FR2およびFR3からなる群から第3のフレームワーク領域を選択する工程、前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して選択されたフレームワーク領域を比較して、選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第3のドナーフレームワーク配列を同定する工程、ならびに最初の抗体のCDRおよびドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程をさらに含む。
ある種の実施形態では、方法は、順不同で、第3のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、第3のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第3の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程、および第3のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を第3の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程をさらに含んでもよい。
ある種の実施形態では、前記第3のドナー配列は、第1および第2の生殖系列遺伝子ファミリーと同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する。
ある種の実施形態では、方法は、最初の抗体のFR4である第4のフレームワーク領域を選択する工程、前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して選択されたフレームワーク領域を比較して、選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第4のドナーフレームワーク配列を同定する工程、ならびに最初の抗体のCDRおよびドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程をさらに含む。
ある種の実施形態では、方法は、順不同で、第4のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、第4のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第4の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程、および第4のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を第4の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程をさらに含んでもよい。
別の態様では、(i)標的に特異性を有する最初の抗体の可変領域内のFR1、FR2、およびFR3からなる群からフレームワーク領域を選択する工程;(ii)前記標的種由来の候補ドナー可変領域配列に対して、最初の抗体の選択されたフレームワーク領域を比較して、選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第1のドナーフレームワーク配列を同定する工程;(iii)最初の抗体の相補性決定領域(CDR)および第1のドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程;(iv)第1のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列可変領域配列と比較して、第1のドナーフレームワーク配列に高度な相同性を有する第1の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;ならびに(v)第1のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を第1の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で選択的に置き換える工程を含む、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を作製するための方法が提供される。
ある種の実施形態では、方法は、最初の抗体のFR1、FR2およびFR3からなる群から第2のフレームワーク領域を選択する工程、前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して選択されたフレームワーク領域を比較して、選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第2のドナーフレームワーク配列を同定する工程、ならびに最初の抗体のCDRおよびドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程をさらに含む。
ある種の実施形態では、方法は、順不同で、第2のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、第2のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第2の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程、および第2のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を第2の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程をさらに含んでもよい。
ある種の実施形態では、前記第1および第2のドナー配列は、同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する2つの異なる抗体由来である。
ある種の実施形態では、方法は、最初の抗体のFR1、FR2およびFR3からなる群から第3のフレームワーク領域を選択する工程、前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して選択されたフレームワーク領域を比較して、選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第3のドナーフレームワーク配列を同定する工程、ならびに最初の抗体のCDRおよびドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程をさらに含む。
ある種の実施形態では、方法は、順不同で、第3のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、第3のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第3の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程、および第3のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を第3の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程をさらに含んでもよい。
ある種の実施形態では、前記第3のドナー配列は、第1および第2のドナー配列と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する。
ある種の実施形態では、方法は、最初の抗体のFR4である第4のフレームワーク領域を選択する工程、前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して選択されたフレームワーク領域を比較して、選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第4のドナーフレームワーク配列を同定する工程、ならびに最初の抗体のCDRおよびドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程をさらに含む。
ある種の実施形態では、方法は、順不同で、第4のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、第4のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第4の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程、および第4のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を第4の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程をさらに含んでもよい。
ある種の実施形態では、本明細書に記載される方法は、本明細書に記載されるハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片のいずれかを含むハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を試験して、第1のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸が第1の生殖系列フレームワーク配列由来の対応するアミノ酸残基で置き換えられていないハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を含むハイブリッド抗体またはその抗原結合断片と比べて、免疫原性もしくは結合親和性、またはその両方を決定する工程をさらに含んでよい。
一実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、前記標的に対する最初の抗体の親和性の少なくとも60%の相対的結合親和性を有する。
別の実施形態では、標的種の免疫系に曝露されると、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、第1のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸が第1の生殖系列フレームワーク配列由来の対応するアミノ酸残基で置き換えられていないハイブリッド抗体またはその抗原結合断片と比べて、免疫原性が減少している。
ある種の実施形態では、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片は、scFv、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、ダイアボディ、抗体軽鎖および抗体重鎖からなる群から選択される抗体断片の可変ドメインである。様々な実施形態では、標的種はヒトであってよい。
追加の態様では、(i)標的に特異性を有する最初のヒト化抗体の可変領域内のFR1、FR2、およびFR3からなる群からフレームワーク領域を選択する工程;(ii)選択されたフレームワーク領域配列をヒト生殖系列配列と比較して、第1のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第1の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;ならびに(iii)選択されたフレームワーク領域を1つまたは複数の位置で改変して、選択されたフレームワーク領域のアミノ酸残基を生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基に変更する変異を導入する工程を含む、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を作製するための方法が提供される。
ある種の実施形態では、方法は、(i)最初のヒト化抗体のFR1、FR2、およびFR3からなる群から第2のフレームワーク領域を選択する工程;(ii)選択されたフレームワーク領域配列をヒト生殖系列配列と比較して、第2のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第2の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;ならびに(iii)選択されたフレームワーク領域を1つまたは複数の位置で改変して、選択されたフレームワーク領域のアミノ酸残基を生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基に変更する変異を導入する工程をさらに含む。
ある種の実施形態では、前記第1および第2のフレームワーク配列は同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する。
別の実施形態では、方法は、(i)最初のヒト化抗体のFR1、FR2、およびFR3からなる群から第3のフレームワーク領域を選択する工程;(ii)選択されたフレームワーク領域配列をヒト生殖系列配列と比較して、第3のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第3の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;ならびに(iii)選択されたフレームワーク領域を1つまたは複数の位置で改変して、選択されたフレームワーク領域のアミノ酸残基を生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基に変更する変異を導入する工程をさらに含む。
ある種の実施形態では、前記第3のフレームワーク配列は、第1のフレームワーク配列と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する。
さらに別の実施形態では、方法は、(i)最初のヒト化抗体の可変領域内のFR4である第4のフレームワーク領域を選択する工程;(ii)選択されたフレームワーク領域配列をヒト生殖系列配列と比較して、第4のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第4の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;ならびに(iii)選択されたフレームワーク領域を1つまたは複数の位置で改変して、選択されたフレームワーク領域のアミノ酸残基を生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基に変更する変異を導入する工程をさらに含む。
ある種の実施形態では、方法は、本明細書に記載されるハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を含むハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を試験して、最初のヒト化抗体に比べて免疫原性、もしくは結合親和性、またはその両方を決定する工程を含んでもよい。
ある種の実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、前記標的に対する最初の抗体の親和性の少なくとも60%の相対的結合親和性を有する。
別の実施形態では、標的種の免疫系に曝露されると、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、最初のヒト化抗体と比べて、免疫原性が減少している。
別の態様では、本開示は、標的に特異的なハイブリッド抗体またはその抗原結合断片であって、(i)前記標的に特異的である最初の抗体の相補性決定領域(CDR)、(ii)第1の抗体由来の第1の重鎖フレームワーク領域、および(iii)第2の抗体由来の第2の重鎖フレームワーク領域を含み、(a)第1および第2の抗体が同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属しており、(b)第1および第2の重鎖フレームワーク領域が、FR1、FR2、およびFR3からなる群から選択され、(c)重鎖フレームワーク領域のうちの少なくとも1つが体細胞変異を含み、(d)前記第1のまたは第2の重鎖フレームワーク領域のうちの少なくとも1つが、生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基への少なくとも1つの変異を含み、(e)ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片が前記標的に特異的である、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を提供する。
ある種の実施形態では、前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、FR1、FR2、およびFR3からなる群から選択される第3の重鎖フレームワーク領域であって、第1の抗体、第2の抗体、および第1の抗体でも第2の抗体でもない第3の抗体からなる群から選択される抗体由来である第3の重鎖フレームワーク領域をさらに含む。
ある種の実施形態では、第3の重鎖フレームワーク領域は、第1の重鎖フレームワーク領域と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する。
ある種の実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、第1の抗体、第2の抗体、第3の抗体、および第1の抗体でも第2の抗体でも第3の抗体でもない第4の抗体からなる群から選択される抗体由来のFR4重鎖フレームワーク領域をさらに含む。
ある種の実施形態では、第3の重鎖フレームワーク領域および第4の重鎖フレームワーク領域のどちらか、または両方は、第1の重鎖フレームワーク領域と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する。
ある種の実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片のフレームワーク領域はヒト起源であり、そのCDRは非ヒト起源である。
別の態様では、本開示は、標的に特異的なハイブリッド抗体またはその抗原結合断片であって、(i)前記標的に特異的である最初の抗体の相補性決定領域(CDR)、(ii)第1の抗体由来の第1の軽鎖フレームワーク領域、および(iii)第2の抗体由来の第2の軽鎖フレームワーク領域を含み、(a)第1および第2の抗体が同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属しており、(b)第1および第2の軽鎖フレームワーク領域が、FR1、FR2、およびFR3からなる群から選択され、(c)軽鎖フレームワーク領域のうちの少なくとも1つが体細胞変異を含み、(d)前記第1のまたは第2の軽鎖フレームワーク領域のうちの少なくとも1つが、生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基への少なくとも1つの変異を含み、(e)ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片が前記標的に特異的である、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を提供する。
ある種の実施形態では、前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、FR1、FR2、およびFR3からなる群から選択される第3の軽鎖フレームワーク領域であって、第1の抗体、第2の抗体、および第1の抗体でも第2の抗体でもない第3の抗体からなる群から選択される抗体由来である第3の軽鎖フレームワーク領域をさらに含む。
ある種の実施形態では、第3の軽鎖フレームワーク領域は、第1の軽鎖フレームワーク領域と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する。
ある種の実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、第1の抗体、第2の抗体、第3の抗体、および第1の抗体でも第2の抗体でも第3の抗体でもない第4の抗体からなる群から選択される抗体由来のFR4軽鎖フレームワーク領域をさらに含む。
ある種の実施形態では、第3の軽鎖フレームワーク領域および第4の軽鎖フレームワーク領域のどちらか、または両方は、第1の軽鎖フレームワーク領域と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する。
ある種の実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片のフレームワーク領域はヒト起源であり、そのCDRは非ヒト起源である。
ある種の実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片の前記軽鎖フレームワークはVL軽鎖由来である。他の実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片の前記軽鎖フレームワークはVK軽鎖由来である。
ある種の実施形態では、ハイブリッド抗体または抗原結合断片の少なくとも1つのアミノ酸残基が、本明細書に記載される生殖系列配列における対応する位置のアミノ酸残基へ変異すれば、前記変異を含有していないハイブリッド抗体と比べて減少した免疫原性が与えられる。
ある種の実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、所与の標的に対する最初の抗体の親和性の少なくとも60%の相対的結合親和性を有する。
図1は、Vκ遺伝子座の生殖系列遺伝子を描くチャートである。Vκエクソンアミノ酸配列アラインメントが示されている。アラインメント、番号付けおよびループ領域は、Chothiaにより定義された構造基準に従っている。CDRはKabatらに従っている。 図1は、Vκ遺伝子座の生殖系列遺伝子を描くチャートである。Vκエクソンアミノ酸配列アラインメントが示されている。アラインメント、番号付けおよびループ領域は、Chothiaにより定義された構造基準に従っている。CDRはKabatらに従っている。 図2は、VH遺伝子座の生殖系列遺伝子を描くチャートである。VHエクソンアミノ酸配列アラインメントが示されている。アラインメント、番号付けおよびループ領域は、Chothiaにより定義された構造基準に従っている。CDRはKabatらに従っている。 図2は、VH遺伝子座の生殖系列遺伝子を描くチャートである。VHエクソンアミノ酸配列アラインメントが示されている。アラインメント、番号付けおよびループ領域は、Chothiaにより定義された構造基準に従っている。CDRはKabatらに従っている。 図3は、Vλ遺伝子座の生殖系列遺伝子を描くチャートである。Vλエクソンアミノ酸配列アラインメントが示されている。アラインメント、番号付けおよびループ領域は、Chothiaにより定義された構造基準に従っている。CDRはKabatらに従っている。 図3は、Vλ遺伝子座の生殖系列遺伝子を描くチャートである。Vλエクソンアミノ酸配列アラインメントが示されている。アラインメント、番号付けおよびループ領域は、Chothiaにより定義された構造基準に従っている。CDRはKabatらに従っている。 図4は、JH、JKおよびJL遺伝子座の翻訳された生殖系列遺伝子をアミノ酸配列アラインメントで描くチャートである。
1.ハイブリッド抗体を作製するための方法
一態様では、本出願は、ドナーフレームワーク領域の1つまたは複数のアミノ酸残基をフレームワーク生殖系列配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程によりドナーフレームワーク領域の配列を変更する工程を含む、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を作製するための方法を提供する。ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片とは、標的種の1つまたは複数の抗体から選択されるフレームワーク領域の機能上の文脈において、第1の種の始発(最初の)抗体由来の相補性決定領域(CDR)を含有する抗体またはその抗原結合断片のことである。ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、最初の抗体により認識される標的に対する結合親和性の少なくとも一部を保持している。ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、標的種に投与されると、対照抗体と比べて減少した免疫原性を示す。ハイブリッド抗体の例となる実施形態は、ヒト化抗体である。
ハイブリッド抗体を作製する場合、方法は、最初のまたは始発抗体として、所与の標的に対して公知の抗体を利用してよい。代わりに、望ましい標的に対する抗体は、当技術分野で認められた技法を使用して作製してよい。望ましい標的に向けられるモノクローナル抗体を作製するための様々な技法は、当業者には周知である。そのような技法の例には、ディスプレイライブラリー、異種またはhuMAbマウス、ハイブリドーマ、等を含む技法が挙げられるが、これらに限定されない。標的には、抗原原性を示すことができる任意の物質が挙げられ、通常は、タンパク質、炭水化物、またはグリコシル化タンパク質である。標的の例には、受容体、酵素、ホルモン、増殖因子、ペプチドおよび同類のものが挙げられる。本開示に従って使用するのに適した抗体は天然に存在するだけではなく、あらかじめ定められた標的に向けられる操作された抗体および抗体断片も最初の抗体として適切であることは理解されるべきである。
本明細書に記載される技法に従って最初の抗体として有用である抗体(Ab)および抗原結合断片には、モノクローナルとポリクローナルAb、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、scFvなどの抗体断片、ダイアボディ、抗体軽鎖、抗体重鎖および/またはファージもしくはファージディスプレイ技術由来の抗体断片の他にも当技術分野で公知の任意の方法に従って作製される任意のヒト化ハイブリッド抗体も挙げられる。
始発種は、始発抗体または始発抗体が得られたもとになるライブラリーを作製するために使用される任意の種である。例となる始発種には、例えば、ラット、マウス、ウサギ、ニワトリ、サル、ヒト、等が挙げられる。
標的抗原に対して特異性を有する始発種抗体の軽鎖、重鎖またはその両方の可変部分の核酸配列またはアミノ酸配列は、分子生物学の標準技法を使用して入手し得る。望ましい抗体が得られた後、可変領域(VHおよびVL)のフレームワーク(FR)およびCDR領域は、CDRの公知のどの定義を使用して決定してもよい(例えば、Kabat単独、Chothia単独、KabatとChothiaの組合せ、および当業者に公知の他の任意の定義)。始発抗体のFRおよびCDR領域が決定されると、標的種由来の1つまたは複数の抗体由来の始発抗体およびフレームワーク領域のCDRを含むハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を構築するのに使用するために、標的種由来の1つまたは複数の抗体由来のFRを選択し得る。
ハイブリッド抗体の構築に使用するための標的種由来のフレームワーク領域は、最初の抗体配列由来の1つまたは複数のフレームワーク領域を標的種由来の可変アミノ酸配列または抗体遺伝子配列と整列させて相同性および/または同一性を評価することにより選択し得る。アラインメントを検索するためのプログラム、例えば、BLASTおよび同類のものは当技術分野では周知である。例えば、標的種がヒトの場合、そのようなアミノ酸配列または遺伝子配列(生殖系列または再配置された抗体配列)の供給源は、Genbank、NCBIタンパク質データバンク、VBASE(Medical Research Councilにより維持されているヒト抗体遺伝子のデータベース;MRC Centre for Protein Engineering)、および免疫グロブリンまたはその翻訳産物のKabatデータベースなどの適切な任意の参考データベースに見出し得る。アラインメントがヌクレオチド配列に基づいて行われる場合には、選択された遺伝子は、そのサブセットのうちのどの遺伝子が始発種抗体に最も密接なアミノ酸相同性を有するのかを決定するために解析されるべきである。
相同性の程度は、2つのポリペプチド配列間の関係の尺度である。一般に、相同性とは、1つの残基が(同一性に関して)比較されている配列のそれぞれ由来である、対になった残基間の正確な一致だけではなく、正確な一致が存在しないところでは、進化に基づいて、1つの残基がもう1つの残基の可能性のある代替物であるかどうかも考慮に入れた、2つのポリペプチド鎖のアミノ酸間の残基1つずつの比較を意味する。この可能性は関連する「スコアー」を有し、これから次に2つの配列の相同性の%または程度を決定することが可能である。2つまたはそれ以上の配列の同一性または相同性を比較するための方法は当技術分野では周知である。
適切な標的種には、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を投与したいと思うどんな種でも挙げられる。例となる標的種はヒトである。しかし、標的種はヒトに限定されることはなく、例えば、サルまたは他の種を含んでいてよい。
フレームワークアラインメントおよびハイブリッド構築の概要
一態様では、本出願は、公知の方法に従ってすでにヒト化されている(すなわち、プレヒト化された)最初の抗体を改変することを含む、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を作製するための方法を提供する。最も単純な例では、これは、第1の非ヒト抗体由来のCDRおよび第2のヒト抗体由来のフレームワーク領域を含有する最初のヒト化抗体であってよい。本明細書に記載されるように、最初の抗体由来のフレームワーク領域(すなわち、FR1、FR2、FR3、またはFR4)が選択され、ヒト生殖系列配列の参考データベースに対して整列されて、フレームワーク配列に高度の相同性を有する生殖系列配列を同定する。フレームワーク配列に高度の相同性を有する生殖系列配列を使用して、生殖系列配列と比べて体細胞変異を受けているフレームワーク配列内のアミノ酸位置を同定することが可能である。そのような位置が同定されてしまうと、体細胞変異を反映するアミノ酸残基のうちの1つまたは複数は、生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で選択的に置き換えられ得る。前記方法は、少なくとも1つの改変をして、最初の抗体由来のフレームワーク領域の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または4つすべてに生殖系列アミノ酸残基を導入し得る。様々な実施形態では、ハイブリッド抗体を作製するために、生殖系列アミノ酸残基を導入するための少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上の改変を、最初のヒト化抗体の可変領域配列において行い得る。
別の態様では、本出願は、最初の抗体の1つまたは複数の選択されたフレームワーク領域を標的種由来のフレームワーク領域で置き換える工程を含む、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を作製するための方法であって、標的種のフレームワーク領域が、フレームワーク領域の少なくとも1つのアミノ酸残基をフレームワーク配列内における対応する位置の生殖系列フレームワーク配列のアミノ酸残基に変更することにより改変される方法を提供する。
一実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を作製するための方法は、始発種由来の最初の抗体(プレヒト化されていない)の個々のフレームワーク領域、すなわち、FR1、FR2、FR3、またはFR4を選択し、選択されたフレームワーク領域を、参考データベース中の標的種由来の候補可変アミノ酸配列または遺伝子配列に対して整列させてドナーフレームワーク配列を同定する工程を含む。次に、ドナーフレームワーク配列は、同一の標的種由来の生殖系列フレームワーク配列と比較される。ドナーフレームワーク配列を生殖系列フレームワーク配列と整列させる工程により、生殖系列フレームワーク配列と比べてドナーフレームワーク配列内のどのアミノ酸位置が体細胞変異を受けているかが明らかになる。そのような位置が同定されると、体細胞変異に関与する位置のアミノ酸残基のうちの1つまたは複数が、生殖系列フレームワーク配列内における対応する位置由来のアミノ酸残基で置き換えられる。ドナーフレームワーク配列の改変は、最初の抗体の相補性決定領域(CDR)およびドナーフレームワーク領域を含有するハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片の構築の前または後のどちらかで行い得る。
別の実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を作製するための方法は、標的種由来のドナーフレームワーク配列を選択し、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築し、次に、生殖系列フレームワーク配列内における対応する位置由来のアミノ酸残基を用いてフレームワーク領域における少なくとも1つのアミノ酸残基を変更することによりハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片をさらに改変する工程を含む。この方法では、始発種由来の最初の抗体(プレヒト化されていない)の個々のフレームワーク領域、すなわち、FR1、FR2、FR3、またはFR4が選択され、参考データベース中の標的種由来の候補可変配列(アミノ酸配列または遺伝子配列のどちらか)に対して整列されてドナーフレームワーク配列を同定する。次に、同定されたドナーフレームワーク配列を使用して、最初の抗体のCDRおよびドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインを構築する。次に、ドナーフレームワーク配列は、同一の標的種由来の生殖系列配列と比較される。同定されたドナーフレームワーク配列を生殖系列フレームワーク配列に対して整列させることにより、生殖系列フレームワーク配列と比べてドナーフレームワーク配列内のどのアミノ酸位置が体細胞変異を受けているかが明らかになる。そのような位置が同定されると、体細胞変異の位置のアミノ酸残基のうちの1つまたは複数が、生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換えられる。
標的種由来のドナーフレームワーク領域は、始発抗体由来のフレームワーク領域との相同性の程度、始発抗体と比べたハイブリッド抗体の抗原結合親和性に対するフレームワーク領域の効果、および対照抗体と比べたハイブリッド抗体の免疫原性に対するフレームワーク領域の効果を含む様々な基準に基づいて選択される。典型的には、標的種由来の適切なドナーフレームワーク領域であれば、始発抗体由来のフレームワーク領域への高度な相同性(例えば、アミノ酸配列相同性または遺伝子配列相同性のどちらか)を示すことになる。ある種の実施形態では、高度な相同性とは、少なくとも80%、85%、90%、95%、または98%相同性である。適切なフレームワーク領域は、始発抗体のフレームワーク領域と標的種のフレームワーク領域間の同一性(例えば、アミノ酸配列同一性または遺伝子配列同一性のどちらか)の程度に基づいて同定してもよい。ある種の実施形態では、高度な同一性とは、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、97%、または98%同一性である。
標的種由来のドナーフレームワーク配列を生殖系列配列と比較する場合、比較において使用する適切な生殖系列配列は、少なくとも2つの方法で決定し得る。例えば、ドナーフレームワーク配列が入手されるもとの抗体に関する知見に基づいて、当業者であればその抗体が由来するもとの生殖系列配列を決定することができる。代わりに、ドナーフレームワーク配列(アミノ酸配列または核酸配列のどちらか)を標的種由来の生殖系列配列のデータベースと比較して、ドナーフレームワーク配列に高度な相同性(例えば、少なくとも80%、85%、90%、95%、または98%相同性)または同一性(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%または98%)を有する生殖系列配列を同定し得る。例となる実施形態では、ドナーフレームワーク配列に最も高度な相同性または同一性を有する生殖系列フレームワーク配列は比較のために使用される。
上記のように、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を作製するための方法は、最初の抗体由来のフレームワーク領域のうちの少なくとも1つを標的種由来のドナー抗体由来のフレームワーク領域で置き換えることを含んでいてよい。ある種の実施形態では、前記方法は、最初の抗体由来のフレームワーク領域のうちの少なくとも2つ、3つ、または4つすべてを1つまたは複数のドナー抗体由来のフレームワーク領域で置き換えることを含んでいてよい。2つまたはそれ以上のフレームワーク領域は、本明細書に記載される方法を実施するときには順次にまたは同時に置き換えてよい。さらに、ドナーフレームワーク領域は、1つの抗体からまたは異なる抗体から入手してよい。例えば、一実施形態では、4つのドナーフレームワーク配列すべてが同一抗体から入手してよい。別の実施形態では、4つのドナーフレームワーク配列すべてが異なる抗体から入手される。この2つの極端な方法間のすべての変化も本明細書において企図されている。
例となる実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する異なる抗体または同じ生殖系列遺伝子ファミリーメンバー由来の2つの異なる抗体から入手される少なくとも2つのドナーフレームワーク配列を含む。同じ生殖系列遺伝子ファミリー由来のドナー抗体を使用するフレームワークパッチングのための方法は、下にさらに記載されている。
2つまたはそれ以上のフレームワーク領域を置き換える場合、各フレームワーク領域を置き換えるのに使用される特定の方法は独立して選択してよい。例えば、第1のフレームワーク領域が上記の第1の実施形態を使用して置き換えられる場合、第2のフレームワーク領域は上記の第1のまたは第2の実施形態のどちらかを使用して置き換えてよい。同様に、第1のフレームワーク領域が上記の第2の実施形態を使用して置き換えられる場合、第2のフレームワーク領域は上記の第1のまたは第2の実施形態のどちらかを使用して置き換えてよい。
ハイブリッド抗体もしくはハイブリッド抗体可変ドメインまたはその抗原結合断片を作製するための説明的方法は、下に記載されている。以下の表示法はこれらの例においてのみ明確にするために使用され:FR1、FR2、FR3、およびFR4は最初の抗体由来のフレームワーク領域を示し;FR1FR2FR3、およびFR4は標的種の配列のデータベースから選択されるドナーフレームワーク領域を示し;fr1、fr2、fr3、およびfr4は、生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換えられている体細胞変異の位置のアミノ酸残基のうちの1つまたは複数を含有するドナーフレームワーク領域を示す。
第1の例では、FR1は、FR1に対する高度な相同性を有する望ましいドナーフレームワーク領域を同定するための参考データベースにおける標的種由来の候補可変アミノ酸配列または遺伝子配列に対するアラインメントのために最初の抗体の可変ドメインFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4から選択される。次に、選択されたドナーフレームワーク配列、FR1、を生殖系列配列と比較して、FR1に対する高度な相同性を有する生殖系列配列を同定する。次に、FR1配列と生殖系列フレームワーク配列が整列されて、体細胞変異の位置が同定される。次にFR1を、FR1内の体細胞変異の位置の少なくとも1つのアミノ酸残基を生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸で置き換えることにより改変してfr1を形成する。次に、fr1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4を含むハイブリッド抗体可変領域またはその断片を作製するためのハイブリッド抗体を構築してよい。代わりに、FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4を含むハイブリッド抗体可変領域を先ず作製してもよい。次に、ハイブリッド抗体可変領域を、体細胞変異を受けたFR1内の1つまたは複数の残基を対応する生殖系列アミノ酸で選択的に置き換えることにより改変して、fr1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4を作製してもよい。
追加のフレームワーク領域は、本明細書に記載される方法を使用して順次にまたは同時にのどちらかで置き換えてもよい。例えば、2つ、3つまたは4つすべてのフレームワーク領域を置き換えてもよい。例となる実施形態では、4つのフレームワーク領域すべてが独立して置き換えられて、fr1−CDR1−fr2−CDR2−fr3−CDR3−fr4を含むハイブリッド抗体可変領域またはその断片を作製する。
本明細書に記載される方法を使用する場合、最初の抗体のフレームワーク領域をすべてドナーフレームワーク配列で置き換える必要はない。さらに、ハイブリッド抗体のすべてのフレームワーク領域内で生殖系列アミノ酸に選択的に置き換える必要はない。例えば、本表示法に従えば、fr1−CDR1−fr2−CDR2−fr3−CDR3−fr4形のハイブリッドは適切なハイブリッド産物であるが、fr1−CDR1−fr2−CDR2−FR3−CDR3−FR4形のハイブリッドは等しく望ましいことがある。
第2の例では、FR1は最初の抗体の可変ドメインFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4から選択される。次に、FR1(アミノ酸配列または核酸配列)は、参考データベースにおける標的種由来の候補可変アミノ酸配列または遺伝子配列に対して整列されて、FR1に対して高度な相同性を有する望ましいドナーフレームワーク領域を同定する。次に、FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4を含むハイブリッド抗体可変ドメインが作製される。次に、FR1は生殖系列配列と比較されて、FR1に対する高度な相同性を有する生殖系列配列を同定する。次に、FR1配列と生殖系列フレームワーク配列が整列されて、体細胞変異の位置が同定される。次にFR1は、FR1内の体細胞変異の位置の少なくとも1つのアミノ酸残基を生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸で置き換えることにより改変され、fr1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4を作製する。追加のフレームワーク領域も、本明細書に記載される方法を使用して順次にまたは同時にどちらかで置き換えてよい。
第3の例では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を作製する工程は、すでにヒト化された(すなわち、プレヒト化された)最初の抗体から始めることが可能である。再び、上記の表示法を使用すれば、この場合では、最初の抗体はFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4として表示されるであろう。生殖系列データベースに対する1つまたは複数のFR領域のアラインメント、相同な生殖系列配列の選択、望ましい「fr」領域(複数可)を作製するための選択的置換、および最終的ハイブリッド抗体またはその断片の構築の工程は、上記の方法に類似している。プレヒト化された最初の抗体に適用される「ドナー」フレームワーク領域とは、プレヒト化された抗体中に存在するフレームワーク領域であることは明らかであるはずである。最終産物は、1つ、2つ、3つまたは4つすべてのフレームワーク領域に、アミノ酸残基の生殖系列残基への選択的置換を有し得る。
ある種の実施形態では、本明細書に記載される方法に従って作製されるハイブリッド抗体およびその抗体結合断片は、対照抗体と比べて標的に対する結合親和性の少なくとも一部を維持している。適切なハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、対照抗体の結合親和性の少なくとも50%、60%、75%、80%、85%、または90%を維持し得る。対照抗体は、結合親和性に対するハイブリッド抗体を作製するのに使用されるハイブリダイゼーション工程の効果を評価するための基礎として使用される抗体である。例となる対照抗体は、最初の抗体である。しかし、特定の状況に応じて他の対照抗体も適切であり得る。例えば、ある種の実施形態では、生殖系列アミノ酸残基へのフレームワーク置換の効果を決定することが望ましいこともある。そのような状況では、生殖系列置換を欠く等価のハイブリッド抗体への得られたハイブリッド抗体(例えば、生殖系列置換を用いて)の結合親和性を評価することができるであろう。当業者であれば、本明細書の開示に基づいて適切な対照抗体を決定することができるであろう。ある種の実施形態では、本明細書に記載される方法は、対照抗体と比べてハイブリッド抗体またはその抗原結合断片の結合親和性を評価するステップをさらに含み得る。抗体またはその抗原結合断片についての結合親和性、会合速度定数および解離速度定数を、周知の方法に従って決定することが可能である。例となる方法は、例えば、Rotherら、(米国特許第7399594号および米国特許第7393648号)ならびにQueenら、(米国特許第5693762号、米国特許第6180371号、および米国特許第7022500号)により記載されている。
本明細書に記載される方法に従って作製されるハイブリッド抗体およびその抗原結合断片は、免疫原性が減少している。ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は免疫原性が減少しているかどうかは、標的種に適した対照抗体と比べて決定してよい。免疫原性の減少は、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片の免疫原性が、対照抗体と比べて少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%またはそれ以上減少していることを意味する。適切な対照抗体には、最初の抗体または生殖系列アミノ酸残基への1つまたは複数のフレームワーク置換を含有しないハイブリッド抗体またはその抗原結合断片が挙げられる。ある種の実施形態では、本明細書に記載される方法は、対照抗体と比べたハイブリッド抗体またはその抗原結合断片の免疫原性を評価するステップをさらに含んでいてよい。標的種における抗体の免疫原性は、ヒト抗マウス抗体(HAMA)ELISAアッセイなどの当技術分野で公知の方法を使用して評価することが可能である。
ドナーフレームワーク配列内の1つまたは複数のアミノ酸位置の選択的置換は、集団的に考慮した場合、ハイブリッド抗体またはその断片の生理的および構造的特徴を最適化する選択因子により決定し得る。ある種の実施形態では、ドナーフレームワーク内の位置を生殖系列フレームワーク領域の対応する位置由来のアミノ酸残基で置き換えるのがよいかどうかを評価するときには、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片の結合親和性および免疫原性に対する効果を考慮に入れてよい。親和性および免疫原性に対するドナーフレームワーク領域内の所与のアミノ酸残基の置換の効果は、in silicoにおいて予測してもよいし経験的に決定してもよい。コンピュータモデルを広く使用して、CDRもしくは特異的抗原、またはその両方と相互作用をする可能性のあるフレームワーク領域内のアミノ酸位置を同定する(例えば、Whitelegg, N. R. & A. R. Rees: WAM: an improved algorithm for modeling antibodies on the WEB. Protein Eng.、13巻、819〜24頁(2000年)参照)。この情報を使用して、フレームワーク置換が結合親和性に対して効果を及ぼす可能性があるかどうかを判定することが可能である。同様に、特定の配列がT細胞抗原として認識される可能性があるかどうかを予測できるコンピュータプログラムが利用可能である(例えば、WO 00/34317および米国特許出願公開第2007/0292416号参照;これらの特許文献は参照により本明細書に組み込まれている)。そのような情報を使用して、フレームワーク置換が免疫原性に対して効果を及ぼす可能性があるかどうかを判定することが可能である。ある種の実施形態では、in silicoと経験的技法の組合せを使用すれば、フレームワーク領域内の特定のアミノ酸残基を生殖系列アミノ酸残基に変更したらよいかどうかを評価し得る。
本明細書に記載される方法は、ドナーフレームワーク領域における少なくとも1つのアミノ酸残基を生殖系列フレームワーク領域内の対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程を含む。ある種の実施形態では、所与のドナーフレームワーク領域における少なくとも2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上のアミノ酸残基を対応する位置の生殖系列残基で置き換え得る。ある種の実施形態では、生殖系列フレームワーク配列とは異なるドナーフレームワークアミノ酸残基のすべてを対応する位置の生殖系列アミノ酸残基に変更し得る。ある種の実施形態では、ドナーフレームワーク領域における生殖系列アミノ酸残基への変異を単一のドナーフレームワーク領域において行ってもよいし、所与の可変ドメインにおける2つ、3つまたは4つすべてのフレームワーク領域において行ってもよい。
ハイブリッドは、上記のステップのどのような組合せをどのような順序で使用しても構築し得ることは理解されるべきである。上記の方法のどれでも最初の抗体内の第1のフレームワーク領域の選択はFR1から始める必要はなく、むしろ、アラインメントのために選択される第1のフレームワーク領域はFR2、FR3、またはFR4でもよい。同様に、フレームワーク領域の連続する選択およびアラインメントのそれぞれは、フレームワーク番号の順に起こる必要はない。さらに、1つを超えるフレームワーク領域を選択して配列の参考データベースに対して整列させて、高度な相同性を有するドナーフレームワーク配列を同定し得る。例えば、FR1および隣接するCDR1配列の一部もしくはすべてをアラインメントのために使用することができ、または、さらに、前記選択は最初の抗体のFR2領域も含むことが可能である。
本明細書に記載される方法に従って作製され得るハイブリッド抗体またはその抗原結合断片には、完全長重鎖および軽鎖、またはFab、Fab’、F(ab’)、Fd、scFv、抗体軽鎖および抗体重鎖などのそのどの断片でも挙げられる。本明細書に記載される可変領域および様々な種由来の定常領域を有するキメラ抗体も企図されている。
フレームワークパッチングのための生殖系列遺伝子ファミリー検討
例となる実施形態では、本明細書に記載されるハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を作製するための方法は、同じ生殖系列遺伝子ファミリー由来の異なる抗体を用いたまたは同じ生殖系列遺伝子ファミリーメンバー由来の異なる抗体を用いたフレームワークパッチングを含み得る。生殖系列遺伝子ファミリーに関する検討をしたフレームワークパッチングのための方法は、米国特許第7393648号および米国特許第7399594号に記載されており、これらの特許文献は参照により本明細書に組み込まれている。
生殖系列遺伝子ファミリーの検討をしたフレームワークパッチングは、先ず候補ドナーフレームワーク配列の選択を含む。特に、参考データベースにおける標的種由来の候補可変アミノ酸配列または遺伝子配列に対する、始発種由来の最初の抗体の選択された個々のフレームワーク領域、すなわち、FR1、FR2、FR3またはFR4のアラインメントの後、1セットのドナーフレームワーク配列が同定される。該セットの同定されたドナーフレームワーク配列は、使用されたデータベースにより決定される、上位100ヒット、上位75ヒット、上位50ヒット、上位25ヒット、上位10ヒット、または上位5ヒットを含み得る。代わりに、該セットのドナー配列は、最初の抗体由来の選択された配列に少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、または100%相同性を有するドナーフレームワーク配列を含み得る。さらに他の実施形態では、該セットのドナー配列は、最初の抗体由来の選択された配列に少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、97%または100%同一性を有するドナーフレームワーク配列を含み得る。相同性および同一性は、核酸配列またはアミノ酸配列のどちらかを使用して決定してよい。いくつかの選択基準を使用して、本方法に従ったさらなる操作のためのどんな所与のセットからでも望ましいドナーフレームワークを同定し得る。
FR1、FR2、およびFR3に関しては、該セットのメンバーは本来の生殖系列遺伝子ファミリー、すなわち、VH1、VH2、VH3、等、VκI、VκII、VκIII、等、およびVλ1、Vλ2、Vλ3、等に、さらに、可能な場合には生殖系列遺伝子ファミリーメンバーに分類される。生殖系列遺伝子ファミリーおよび生殖系列遺伝子ファミリーメンバーのさらに完全な列挙は図1、2および3を参照されたい。ある種の実施形態では、各ドナーフレームワーク配列FR1、FR2、およびFR3は、異なる生殖系列遺伝子ファミリー由来でよい。しかし、いつでも当てはまるわけではないが、個々のフレームワーク領域毎に最も類似する配列マッチは異なる抗体または抗体断片から生まれ得る。一実施形態では、2つまたはそれ以上のフレームワーク領域が同じ生殖系列遺伝子ファミリーにおける異なる抗体から生まれる。別の実施形態では、2つまたはそれ以上のフレームワーク領域が同じ生殖系列遺伝子ファミリーメンバー由来の異なる抗体(例えば、体細胞変異により)から生まれる。別の実施形態では、最大3つのフレームワーク領域が同一の抗体由来であることが可能である。データベースに比較的高度な相同性を有する異なる生殖系列遺伝子ファミリー由来のフレームワーク配列が存在しているとしても、より好ましい候補配列が実際には相同性はより低いがその他の選択されたフレームワークと同じ生殖系列遺伝子ファミリー由来であり得ることが企図されている。同様に、データベースに高度な相同性を有する同じ生殖系列遺伝子ファミリー由来のフレームワーク配列が存在しているが、同じ生殖系列遺伝子ファミリーの異なる生殖系列遺伝子ファミリーメンバー由来であり得る。ある種の実施形態では、より好ましいドナーフレームワーク候補がその他の選択されたフレームワークと同じファミリーメンバー由来であり得る。
例えば、FR1ドナーフレームワーク配列が重鎖由来である場合、標的種由来のドナー抗体は、重鎖の7つの生殖系列遺伝子ファミリーのうちの1つに特徴付けられ得る。例として、データベース由来のフレームワーク領域が、11の生殖系列遺伝子ファミリーメンバーを含有するVH1生殖系列遺伝子ファミリーに特徴付けられ得る。次に、最初の抗体由来の第2のフレームワーク領域、例えば、FR2は、データベースと比較されて、FR2のドナーフレームワーク配列として働くのに適したフレームワーク領域を含有する抗体を同定する。前記FR2ドナーフレームワークは、好ましくは、同じ生殖系列遺伝子ファミリーに存在するまたは前記FR1ドナーフレームワーク配列が由来するもとの抗体と同じ生殖系列遺伝子ファミリーメンバー由来でさえある標的種の抗体が起源である。したがって、FR2のドナーフレームワーク配列の供給源として使用される抗体も、前記FR1ドナーフレームワーク供給源であったVH1生殖系列遺伝子ファミリーに特徴付けられる。
FR4領域は、FR1、FR2、およびFR3のファミリーとファミリーメンバー間でマッチしていない。実際、FR4はJセグメントによりコードされており(図4参照)、適切なFR4配列の選択は、最初の抗体FR4配列と参考データベースにおける最も類似しているFR4ドナー配列間の相同性に基づいて決定することが可能である。一実施形態では、FR4は、最初の抗体と再配置された抗体配列参考データベースに見出される抗体間の最大相同性の程度に基づいて選択される。ある種の実施形態では、最初の抗体由来のFR4と標的種の参考データベースから選択されるFR4間には100%相同性が好ましい。
本発明のある種の実施形態では、ドナーフレームワーク領域の選択は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願公開第2003/0040606号に記載されているCDRにおけるアミノ酸位置の評価も含む。
ある種の実施形態では、選択されたドナーフレームワーク配列のうちの少なくとも2つは、データベースにおける異なる抗体から入手され得ることが企図されている。例えば、FR1は第1の抗体から生じ、FR2は第2の抗体から生じ、FR3は第1の抗体もしくは第2の抗体、または第1の抗体でも第2の抗体でもない第3の抗体のどれかから生じ、FR4は第1、第2、もしくは第3の抗体、または第1、第2、および第3の抗体とは異なる第4の抗体から、少なくとも2つのFRは異なる抗体由来であるという注意付きで、生じ得る。別の例として、FR1は第1の抗体から生じ、FR3は第2の抗体から生じ、FR2は第1のもしくは第2の抗体、または第1の抗体でも第2の抗体でもない第3の抗体のどれかから生じ、FR4は第1、第2、もしくは第3の抗体、または第1、第2、および第3の抗体とは異なる第4の抗体から、少なくとも2つのFRは異なる抗体由来であるという注意付きで、生じ得る。別の例として、FR1は第1の抗体から生じ、FR4は第2の抗体から生じ、FR2は第1のもしくは第2の抗体、または第1の抗体でも第2の抗体でもない第3の抗体のどれかから生じ、FR3は第1、第2、もしくは第3の抗体、または第1、第2、および第3の抗体とは異なる第4の抗体から、少なくとも2つのFRは異なる抗体由来であるという注意付きで、生じ得る。適切なフレームワーク領域候補を選択後、重鎖および軽鎖可変領域のどちらかまたは両方は、下でさらに考察されるように、始発種由来のCDRをハイブリッドフレームワーク領域に移植することにより作製される。
ハイブリッドの構築
本明細書に記載される方法に従って適切なドナーフレームワーク領域候補を選択後、重鎖および軽鎖可変領域のどちらかまたは両方は、始発種由来のCDRをハイブリッドフレームワーク領域に移植することにより作製される。上記の面のどちらかに関してハイブリッド可変鎖領域を有するハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体断片の構築は、当業者には公知の従来の方法を使用して実現することが可能である。例えば、本明細書に記載されるハイブリッド可変ドメイン(すなわち、標的種に基づくフレームワークおよび始発種由来のCDR)をコードするDNA配列は、オリゴヌクレオチド合成および/またはPCRにより作製し得る。CDR領域をコードする核酸も、適切な制限酵素を使用して始発種抗体から単離し、適切なライゲーション酵素を用いたライゲーションにより標的種フレームワークにライゲーションし得る。
ドナーフレームワーク領域内の残基は、組換えDNA技術の標準法に従って生殖系列アミノ酸残基で置き換えることが可能である。例えば、生殖系列置換を占める改変された配列を有するドナーフレームワーク配列をコードする核酸は、オリゴヌクレオチド合成法により作製し得る。代わりに、ドナーフレームワーク領域をコードする核酸内の限定された位置を部位特異的変異誘発(例えば、PCR部位特異的変異誘発またはカセット変異導入)により置き換える(すなわち、変異させる)ことが可能である。例えば、カセット変異導入を使用して、ドナーフレームワーク領域内の断片を最適な1つまたは複数の制限酵素を用いて取り除くことが可能であり、対応する望ましい生殖系列断片をドナーフレームワーク領域内の同一部位にライゲーションさせる。生殖系列断片配列のこのようなライゲーションにより、生殖系列フレームワーク配列とは異なるドナーフレームワーク配列内の望み通りの1つまたは複数の位置を置き換えることが可能である。代わりに、ドナーフレームワーク領域を対応する生殖系列配列に完全に変更することが望ましい場合には、生殖系列配列をPCRにより増幅させることが可能であり、得られた産物を使用してハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を構築することが可能である。当技術分野で公知の方法のどんな組合せでも使用してハイブリッド抗体を作製し得ることは明らかであろう。そのような生殖系列変異は、ハイブリッド可変領域の構築と同時に行ってもよいし、ハイブリッド可変領域の構築の後でもよい。例えば、一実施形態では、先ずドナーフレームワーク領域を改変して、生殖系列アミノ酸残基への1つまたは複数の変更を導入し得る。次に、最初の抗体由来のCDRおよび改変されたドナーフレームワークを使用して、ハイブリッド可変領域を構築し得る。代わりに、先ず、最初の抗体由来のCDRおよび未改変のドナーフレームワークを含むハイブリッド可変領域を構築し得る。次に、前記ハイブリッド可変領域を改変して、生殖系列アミノ酸残基への1つまたは複数の変異を導入し得る。これらの方法の組合せも想定されており、例えば、ある種のドナーフレームワークはハイブリッド可変領域の構築に先立って改変され、ある種のドナーフレームワークはハイブリッド可変領域の構築後に改変される。
ハイブリッドは、各フレームワーク領域に対応する複数の候補の中からの選択から構築し得るために、本明細書に記載される原則に従った構築を受け入れられる配列の多くの組合せが存在する。したがって、個々のフレームワーク領域の組合せが異なるメンバーを有するハイブリッドのライブラリーを構築することが可能である。そのようなライブラリーは、配列の電子データベースコレクションまたはハイブリッドの物理的コレクションであることが可能である。
物理的抗体または抗体断片ライブラリーの構築は、好ましくは、合成オリゴヌクレオチドを使用して実現される。一例では、オリゴヌクレオチドは、アニールして、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いてなどのポリメラーゼにより充填されるようオーバーラップする領域を有するように設計される。VLおよびVH遺伝子インサートを作製するために、複数ステップのオーバーラップ伸長が実施される。それらの断片は、オーバーラップ伸長により融合されて完全長軽鎖およびFd重鎖断片を作製するように、ヒト定常ドメインとのオーバーラップ領域を用いて設計される。軽および重Fd鎖領域は、オーバーラップ伸長により互いに連結されて、ディスプレイベクターにクローニングされる単一Fabライブラリーインサートを作製し得る。ヒト化ライブラリー遺伝子の構築のための代わりの方法も使用することが可能である。例えば、ライブラリーはリガーゼ連鎖反応(LCR)アプローチを使用してオーバーラップしているオリゴヌクレオチドから構築し得る。例えば、Chalmers and Curnow、Biotechniques(2001年)30−2、249〜252頁を参照されたい。
様々な形の抗体断片を作製して適切なベクターにクローニングし、ハイブリッド抗体ライブラリーまたはハイブリッド抗体断片ライブラリーを作製し得る。例えば、可変遺伝子を必要な定常ドメインの残りの部分をインフレームに含有するベクターにクローニングすることが可能である。クローニングすることが可能な追加の断片の例には、全軽鎖、重鎖のFd部分、または軽鎖および重鎖Fdコード配列の両方を含有する断片が挙げられる。代わりに、ヒト化のために使用される抗体断片は、一本鎖抗体(scFv)でもよい。
どんな選択ディスプレイシステムでも、本開示に従ったライブラリーと併用して使用し得る。大きなライブラリーの望ましいメンバーを単離するための選択プロトコールは、ファージディスプレイ法に代表されるように、当技術分野では公知である。そのようなシステムは、様々なペプチド配列が糸状バクテリオファージの表面に提示され(Scott and Smith(1990年)Science、249巻: 386頁)、標的抗原に結合する特異的な抗体断片のin vitro選択および増幅のための抗体断片(および前記断片をコードするヌクレオチド配列)のライブラリーを作製するのに有用であることが判明している。VHおよびVL領域をコードするヌクレオチド配列は、断片をE.coliの細胞質周辺腔へ導くリーダーシグナルをコードする遺伝子断片に連結され、その結果、得られた抗体断片は、典型的にはバクテリオファージコートタンパク質(例えば、pIIIまたはpVIII)への融合物としてバクテリオファージの表面に提示される。代わりに、抗体断片はラムダファージまたはT7カプシド(ファージ本体)の外部に提示される。ファージベースディスプレイシステムの利点は、それが生物システムであるために、選択されたライブラリーメンバーは、単に細菌細胞中で選択されたライブラリーを含有するファージを増殖することにより増殖させることが可能な点である。さらに、ポリペプチドライブラリーメンバーをコードするヌクレオチド配列はファージまたはファージミドベクター上に含有されているために、配列決定、発現およびそれに続く遺伝子操作は相対的に簡単である。バクテリオファージ抗体ディスプレイライブラリーおよびラムダファージ発現ライブラリーを構築するための方法は当技術分野では周知である(例えば、McCaffertyら、(1990年)Nature、348巻: 552頁; Kangら、(1991年)Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、88巻: 4363頁参照)。
1つのディスプレイアプローチは、scFvファージライブラリーの使用であった(例えば、Hustonら、1988年、Proc. Natl. Acad. Sci U.S.A.、85巻: 5879〜5883頁; Chaudharyら、(1990年)Proc. Natl. Acad. Sci U.S.A.、87巻: 1066〜1070頁参照)。バクテリオファージコートタンパク質上に提示されるscFvライブラリーの様々な実施形態が記載されている。例えば、WO96/06213およびWO92/01047(Medical Research Councilら)ならびにWO97/08320(Morphosys)に記載される、ファージディスプレイアプローチの改良版も公知であり、これらの特許文献は参照により本明細書に組み込まれている。例えば、WO92/01047(CAT/MRC)およびWO91/17271(Affymax)に記載されている、Fabライブラリーの提示も公知である。
抗体または抗体断片はファージまたはファージミド粒子の表面に存在することになるので、ディスプレイベクターにクローニングされるハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体断片は、良好な結合活性を維持するバリアントを同定するために、適切な抗原に対して選択することが可能である。例えば、Barbas IIIら、(2001年)Phage Display、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.を参照されたい。この文献の内容は参照により本明細書に組み込まれている。例えば、Fab断片の場合、軽鎖および重鎖Fd産物はlacプロモーターの制御下にあり、各鎖は、細菌宿主の細胞質周辺腔に導かれるようにリーダーシグナルを融合させている。抗体断片が適切に構築されることができるのはこの腔においてである。重鎖断片は、構築された抗体断片を新たに作られたファージまたはファージミド粒子のコート内に組み込ませるファージコートタンパク質ドメインとの融合物として発現される。新しいファージミド粒子の作製には、必要なファージ遺伝子をすべて含有するヘルパーファージの追加が必要である。抗体断片のライブラリーがファージまたはファージミド表面に提示されると、パンニングと呼ばれる工程が続く。これは、i)ファージまたはファージミド粒子の表面に提示される抗体は望ましい抗原に結合している、ii)非結合物は洗い流される、iii)結合している粒子は抗原から溶出される、およびiv)溶出された粒子は、追加の選択ラウンド用に濃縮されたプールを増幅するために新たな細菌宿主に曝露される方法である。典型的には、3または4ラウンドのパンニングが、特異的結合について抗体クローンをスクリーニングすることに先立って実施される。このようにして、ファージ/ファージミド粒子は、結合表現型(抗体)と抗体ディスプレイ技術の使用を非常に成功させる遺伝子型(DNA)の連携を可能にする。しかし、選択および/またはスクリーニングのために抗体断片ライブラリーを溶菌性ファージベクター(改変されたT7またはラムダZapシステム)にクローニングするなどの、他のベクターフォマットをこのヒト化プロセスのために使用することが可能であろう。
望ましいハイブリッド抗体および/またはハイブリッド抗体断片は、その選択後、当業者に公知の任意の技法、例えば、原核細胞または真核細胞発現およびそれと同類のものにより大量に作製することが可能である。例えば、原種抗体結合特異性(本明細書に記載される技法に従って処理される)を保持するのに必要とされるCDRおよび必要であれば可変領域フレームワークの最小部分が始発種抗体に由来し、抗体の残りが本明細書に記載される通りに操作され得る標的種免疫グロブリン由来である抗体重鎖をコードする発現ベクターを構築し、それによってハイブリッド抗体重鎖の発現のためのベクターを作製する従来の技法を使用することにより、ハイブリッド抗体または断片を作製し得る。
さらに、本明細書に提供される通りに操作し得る原種抗体結合特異性を保持するのに必要とされる1つまたは複数のCDRおよび必要であれば可変領域フレームワークの最小部分が始発種抗体に由来し、抗体の残りが本明細書に提供される通りに操作することが可能な標的種免疫グロブリンに由来する抗体軽鎖をコードする発現ベクターを構築することが可能であり、それによってハイブリッド抗体軽鎖の発現のためのベクターを作製する。
次に、発現ベクターは従来の技法により適切な宿主細胞に移し、最適化され処理された抗体または抗体断片の発現のためにトランスフェクトされた宿主細胞を作製し得る。次に、トランスフェクトされたまたは形質転換された宿主細胞は当業者には公知の任意の適切な技法を使用して培養し、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体断片を産生する。
ある種の実施形態では、2つの発現ベクター、すなわち重鎖由来ポリペプチドをコードする第1のベクターと軽鎖由来ポリペプチドをコードする第2のベクターとを用いて、宿主細胞を同時トランスフェクトし得る。前記2つのベクターは異なる選択マーカーを含有していてよいが、重鎖および軽鎖コード配列を除いて、好ましくは同一である。この手順は重鎖および軽鎖ポリペプチドの等しい発現を提供する。代わりに、重鎖ポリペプチドと軽鎖ポリペプチドの両方をコードする単一のベクターを使用し得る。重鎖および軽鎖のコード配列は、cDNAもしくはゲノムDNAまたはその両方を含み得る。
ある種の実施形態では、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体断片を発現するのに使用される宿主細胞は、Escherichia coliなどの細菌細胞、または好ましくは真核細胞のどちらでもよい。好ましくは、チャイニーズハムスター卵巣細胞またはNSO細胞などの哺乳動物細胞を使用し得る。発現ベクターの選択は宿主細胞の選択に依拠しており、選択された宿主細胞において望ましい発現および調節特徴を有するように選択してよい。
産生された後は、ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体断片は、クロスフロー濾過、硫酸アンモニウム沈殿法、アフィニティーカラムクロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、ゲル電気泳動法およびそれと同類のものを含む当技術分野の標準手順により精製し得る。
2.ハイブリッド抗体
別の態様では、本発明は、生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基に変更されている少なくとも1つの残基をフレームワーク領域に含有するハイブリッド抗体およびその抗原結合断片を提供する。例となるハイブリッド抗体およびその抗原結合断片には、本明細書に記載される方法により作製されるハイブリッド抗体およびその抗原結合断片が挙げられる。
例となる実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、重鎖のフレームワーク領域の少なくとも1つのアミノ酸残基および/または軽鎖のフレームワーク領域の少なくとも1つのアミノ酸残基が、生殖系列フレームワーク領域の対応する位置のアミノ酸残基に変更されている重鎖および軽鎖の両方を含む。他の実施形態では、所与のフレームワーク領域の少なくとも2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上の残基は対応する位置の生殖系列アミノ酸残基に変更されている。ある種の実施形態では、生殖系列配列とは異なる所与のフレームワーク領域中のアミノ酸残基はすべて、対応する生殖系列アミノ酸に変更することが可能である。所与のどんなハイブリッド抗体またはその抗原結合断片でも、重鎖の1つ、2つ、3つ、または4つのフレームワークすべてにおいておよび/または軽鎖の1つ、2つ、3つ、または4つのフレームワークすべてにおいて生殖系列アミノ酸残基への変更を行い得る。一実施形態では、4つの重鎖フレームワーク領域すべておよび4つの軽鎖フレームワーク領域すべてが、対応する位置の生殖系列アミノ酸残基への少なくとも1つの変異を含む。
例となる実施形態では、本明細書に記載されるハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、同じ生殖系列遺伝子ファミリー由来の少なくとも2つの異なる抗体または同じ生殖系列遺伝子ファミリーメンバー由来の少なくとも2つの異なる抗体からフレームワークパッチングされる。
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるハイブリッド抗体または抗原結合断片は、例えば、生殖系列配列の対応する位置のアミノ酸残基と同一ではない位置に、体細胞変異である少なくとも1つの残基を有する少なくとも1つのフレームワーク領域を含む。例えば、少なくとも1つのフレームワーク領域は、生殖系列フレームワーク配列とドナーフレームワーク配列が少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、97%、または98%同一である、対応する位置の生殖系列アミノ酸残基とは異なるアミノ酸残基を含む。他のハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、重鎖のフレームワーク領域に少なくとも1つの体細胞変異および軽鎖のフレームワーク領域に少なくとも1つの体細胞変異を含む。さらに他のハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、軽鎖の2つ、3つ、もしくは4つのフレームワークすべてにおいて少なくとも1つの体細胞変異および/または重鎖の2つ、3つ、もしくは4つのフレームワークすべてにおいて少なくとも1つの体細胞変異を含む。所与のどんなフレームワーク領域でも、最初は生殖系列配列とは異なっていたアミノ酸残基が、対応する位置の生殖系列アミノ酸残基に変更されているように、少なくとも1つの体細胞変異および異なる位置に少なくとも1つの変異を含み得ることは理解されるべきである。
他の実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は標的に特異的であり、そのCDRが由来した最初の抗体の結合親和性の少なくとも一部を維持している。ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、そのフレームワーク領域に、対応する位置の生殖系列アミノ酸への変更を含有していないハイブリッド抗体またはその抗原結合断片と比べて減少した免疫原性も示す。
例となる実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片はヒト化されており、例えば、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片はヒト抗体由来のドナーフレームワーク領域および非ヒト種由来のCDRを含む。
3.ハイブリッド抗体組成物およびその使用法
ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体断片は治療薬または診断薬として使用し得るし、ヒトまたはヒト化モノクローナル抗体などの他のタンパク質(またはその部分)と組み合わせてまたは他のタンパク質(またはその部分)に結合させてさらに使用し得る。これらの他のタンパク質は、抗体が向けられる疾病に特徴的な他のマーカー(エピトープ)と反応してもよく、または、例えば、標的種の分子もしくは細胞、例えば、受容体、標的タンパク質、罹患細胞、等を動員するように異なった特異性を選択されていてもよい。ハイブリッド抗体または抗体断片は、別々に投与される組成物などの、または従来の化学的方法によりもしくは分子生物学的方法により2つの薬物が連結されている単一組成物などのタンパク質(またはその部分)と一緒に投与し得る。さらに、抗体の診断上および治療上の価値は、抗体に検出可能なシグナルを発する標識(in vitroもしくはin vivoのどちらでも)で、または治療特性を有する標識で標識化することにより増強し得る。一部の標識、例えば、放射性核種は検出可能なシグナルを発し治療特性を有し得る。放射性核種標識の例には、125I、131I、および14Cが挙げられる。他の検出可能な標識の例には、緑色蛍光タンパク質、フルオレセイン、フィコビリンタンパク質もしくは蛍光顕微鏡用のテトラエチルローダミン、蛍光、光吸収、可視色もしくは電子顕微鏡による実証用の高電子密度産物を生成する凝集による検出用の蛍光性もしくは着色産物を生成する酵素などの蛍光発色団;または直接的もしくは間接的電子顕微鏡視覚化用のフェリチン、ペルオキシダーゼもしくは金ビーズなどの高電子密度分子が挙げられる。
本明細書のハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体断片は、典型的には医薬担体を含む組成物で患者に投与され得る。医薬担体は、患者へのモノクローナル抗体の送達に適したどんな適合性非毒性物質でも可能であり、減菌水、アルコール、脂質、ワックス、および不活性固体を担体中に含み得る。薬学的に許容されるアジュバンド(緩衝剤、分散剤)も医薬組成物中に組み込み得る。
ハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体断片組成物は、患者に様々な方法で投与し得る。好ましくは、医薬組成物は、非経口的に、例えば、皮下に、筋肉内にまたは静脈内に投与し得る。したがって、非経口的投与のための組成物は、許容可能な担体、好ましくは水溶性担体に溶解された抗体、抗体断片、またはその混合物の溶液を含み得る。様々な水溶性担体、例えば、水、緩衝水、0.4%生理食塩水、0.3%グリシンおよびそれと同類のものを使用することが可能である。これらの溶液は無菌であり、一般に微粒子状物質がない。これらの組成物は、従来の周知の減菌法により無菌化し得る。組成物は、pH調整剤、緩衝剤および毒性調整剤ならびにそれと同類のもの、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム、等などの、生理的状態に近づくのに必要な薬学的に許容される補助物質を含有していてよい。これらの製剤中の抗体または抗体断片の濃度は、大きく異なることが可能であり、例えば、約0.5重量%未満から、通常は約1重量%または少なくとも約1重量%から、多くて15もしくは20重量%までであり、選択された特定の投与方式に従って、主に液量、粘度、等に基づいて選択されることになる。
非経口的に投与可能な組成物を調製するための実際的方法および対象への投与のために必要な調整は、当業者には公知であるまたは明らかであり、さらに詳細には、例えば、Remington’s Pharmaceutical Science、17版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.(1985年)に記載されており、この文献は参照により本明細書に組み込まれている。
本明細書に使用される専門用語および科学用語は、本明細書に他の方法で定義されることがなければ、本義が関連している当業者により一般に理解されている意味を有する。本明細書では当業者には公知の様々な方法を参照している。参照しているそのような公知の方法を記載する出版物および他の資料は、全部が記載されているかのように、参照によりその全体を本明細書に組み込まれている。本明細書に記載される方法の実行は、他の方法で示されていなければ、化学、分子生物学、微生物学、組換えDNAおよび免疫学の従来の技法を用いることになり、これらの技法は当分野の技術の範囲内である。そのような従来の技法は文献に十分に説明されている。例えば、Sambrook、Fritsch、and Maniatis、Molecular Cloning; Laboratory Manual 第2版(1989年); DNA Cloning、Volumes I and II(D. N Glover編1985年); Oligonucleotide Synthesis(M. J. Gait編、1984年); Nucleic Acid Hybridization(B. D. Hames & S. J. Higgins編1984年); the series、Methods in Enzymology(Academic Press、Inc.)、particularly Vol. 154 and Vol. 155(Wu and Grossman編); PCR−A Practical Approach(McPherson、Quirke、and Taylor編、1991年); Immunology、第2版、1989年、Roittら、C. V. Mosby Company、and New York; Advanced Immunology、第2版、1991年、Maleら、Grower Medical Publishing、New York; DNA Cloning: A Practical Approach、Volumes I and II、1985年(D. N. Glover編); Oligonucleotide Synthesis、1984年(M. L. Gait編); Transcription and Translation、1984年(Hames and Higgins編); Animal Cell Culture、1986年(R. I. Freshney編); Immobilized Cells and Enzymes、1986年(IRL Press); Perbal、1984年、A Practical Guide to Molecular Cloning; and Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells、1987年(J. H. Miller and M. P. Calos編、Cold Spring Harbor Laboratory); WO97/08320; 米国特許第5427908号; 米国特許第5885793号; 米国特許第5969108号; 米国特許第5565332号; 米国特許第5837500号; 米国特許第5223409号; 米国特許第5403484号; 米国特許第5643756号; 米国特許第5723287号; 米国特許第5952474号; Knappikら、2000年、J. Mol. Biol. 296号:57〜86頁; Barbasら、1991年、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88巻:7978〜7982頁; Schaffitzelら、1999年、J. Immunol. Meth. 10巻:119〜135年; Kitamura、1998年、Int. J. Hematol.、67巻:351〜359頁; Georgiouら、1997年、Nat. Biotechnol. 15巻:29〜34頁; Littleら、1995年、J. Biotech. 41巻:187〜195頁; Chauthaiwaleら、1992年、Microbiol. Rev., 56巻:577〜591頁; Aruffo、1991年、Curr. Opin. Biotechnol. 2巻:735〜741頁; McCafferty(編者)ら、1996年、Antibody Engineering: A Practical Approachを参照されたい。これらの文献の内容は参照により本明細書に組み込まれている。
当業者に公知のどんな適切な材料および/または方法も、本明細書に記載される方法を実施するにあたって利用することが可能であるが、好ましい材料および/または方法は記載されている。説明および例において参照する材料、試薬およびそれと同類のものは、他の方法で述べられていなければ、商業的供給源から入手可能である。
本明細書に開示される実施形態には様々な改変を加え得ることは理解されるであろう。したがって、上の説明は限定的なものではなく、単に好ましい実施例の例示として解釈すべきである。当業者であれば、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲と精神の範囲内で、他の改変を想像するであろう。
ある種の実施形態では、ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、所与の標的に対する最初の抗体の親和性の少なくとも60%の相対的結合親和性を有する。本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
(i)標的に特異性を有する最初の抗体の可変領域内のFR1、FR2、およびFR3からなる群からフレームワーク領域を選択する工程;
(ii)前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第1のドナーフレームワーク配列を同定する工程;
(iii)前記第1のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、前記第1のドナーフレームワーク配列に高度な相同性を有する第1の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;
(iv)前記第1の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基とは異なる、前記第1のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を同定する工程;ならびに
(v)前記最初の抗体の相補性決定領域(CDR)と、前記第1のドナーフレームワーク配列とを含む、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程であって、ここで、前記第1のドナーフレームワーク配列内の前記少なくとも1つのアミノ酸残基が、前記第1の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換えられている工程、
とを含む、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を作製するための方法。
(項目2)
前記最初の抗体のFR1、FR2、およびFR3からなる群から第2のフレームワーク領域を選択する工程、
前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第2のドナーフレームワーク配列を同定する工程;ならびに
前記最初の抗体のCDRおよび前記ドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第2のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、前記第2のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第2の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;および
前記第2のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を、前記第2の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程
をさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記第1および第2のドナー配列が同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する2つの異なる抗体由来である、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記最初の抗体のFR1、FR2、およびFR3からなる群から第3のフレームワーク領域を選択する工程、
前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第3のドナーフレームワーク配列を同定する工程;ならびに
前記最初の抗体のCDRおよび前記ドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程
をさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目6)
前記第3のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、前記第3のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第3の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;および
前記第3のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を、前記第3の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程
をさらに含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記第3のドナー配列が前記第1および第2の生殖系列遺伝子ファミリーと同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、項目5に記載の方法。
(項目8)
前記最初の抗体のFR4である第4のフレームワーク領域を選択する工程、
前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第4のドナーフレームワーク配列を同定する工程;ならびに
前記最初の抗体のCDRおよび前記ドナーフレームワーク配列を含む、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程
をさらに含む、項目5に記載の方法。
(項目9)
前記第4のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、前記第4のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第4の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;および
前記第4のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を、前記第4の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程
をさらに含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
(i)標的に特異性を有する最初の抗体の可変領域内のFR1、FR2、およびFR3からなる群からフレームワーク領域を選択する工程;
(ii)前記標的種由来の候補ドナー可変領域配列に対して、前記最初の抗体の前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第1のドナーフレームワーク配列を同定する工程;
(iii)前記最初の抗体の相補性決定領域(CDR)および前記第1のドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程;
(iv)前記第1のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列可変領域配列と比較して、前記第1のドナーフレームワーク配列に高度な相同性を有する第1の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;ならびに
(v)前記第1のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を、前記第1の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で選択的に置換する工程
を含む、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を作製するための方法。
(項目11)
前記最初の抗体のFR1、FR2、およびFR3からなる群から第2のフレームワーク領域を選択する工程、
前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第2のドナーフレームワーク配列を同定する工程;ならびに
前記最初の抗体のCDRおよび前記ドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程
をさらに含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記第2のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、前記第2のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第2の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;および
前記第2のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を、前記第2の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程
をさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記第1および第2のドナー配列が同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する2つの異なる抗体由来である、項目11に記載の方法。
(項目14)
前記最初の抗体のFR1、FR2、およびFR3からなる群から第3のフレームワーク領域を選択する工程、
前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第3のドナーフレームワーク配列を同定する工程;ならびに
前記最初の抗体のCDRおよび前記ドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程
をさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目15)
前記第3のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、前記第3のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第3の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;および
前記第3のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を、前記第3の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程
をさらに含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記第3のドナー配列が前記第1および第2のドナー配列と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記最初の抗体のFR4である第4のフレームワーク領域を選択する工程、
前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第4のドナーフレームワーク配列を同定する工程;ならびに
前記最初の抗体のCDRおよび前記ドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程
をさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目18)
前記第4のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、前記第4のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第4の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;および
前記第4のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を、前記第4の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程
をさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を含むハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を試験して、前記第1のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸が前記第1の生殖系列フレームワーク配列由来の対応するアミノ酸残基で置き換えられていない、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を含むハイブリッド抗体またはその抗原結合断片と比べて、免疫原性もしくは結合親和性、またはその両方を決定する工程、をさらに含む、項目1または10に記載の方法。
(項目20)
前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片が、前記標的に対する前記最初の抗体の親和性の少なくとも60%の相対的結合親和性を有する、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記標的種の免疫系への曝露に対して、前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、前記第1のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸が前記第1の生殖系列フレームワーク配列由来の対応するアミノ酸残基で置き換えられていないハイブリッド抗体またはその抗原結合断片と比べて、免疫原性が減少している、項目19に記載の方法。
(項目22)
前記ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片が、scFv、Fab、Fab’、F(ab’) 、Fd、ダイアボディ、抗体軽鎖および抗体重鎖からなる群から選択される抗体断片の可変ドメインである、項目1または10に記載の方法。
(項目23)
前記標的種がヒトである、項目1または10に記載の方法。
(項目24)
(i)標的に特異性を有する最初のヒト化抗体の可変領域内のFR1、FR2、およびFR3からなる群からフレームワーク領域を選択する工程;
(ii)前記選択されたフレームワーク領域配列をヒト生殖系列配列と比較して、前記第1のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第1の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;ならびに
(iii)前記選択されたフレームワーク領域を1つまたは複数の位置で改変して、選択されたフレームワーク領域のアミノ酸残基を、前記生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基に変更する変異を導入する工程
を含む、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を作製するための方法。
(項目25)
(i)前記最初のヒト化抗体のFR1、FR2、およびFR3からなる群から第2のフレームワーク領域を選択する工程;
(ii)前記選択されたフレームワーク領域配列をヒト生殖系列配列と比較して、前記第2のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第2の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;ならびに
(iii)前記選択されたフレームワーク領域を1つまたは複数の位置で改変して、前記選択されたフレームワーク領域のアミノ酸残基を、前記生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基に変更する変異を導入する工程
をさらに含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記第1および第2のフレームワーク配列が同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、項目24に記載の方法。
(項目27)
(i)前記最初のヒト化抗体のFR1、FR2、およびFR3からなる群から第3のフレームワーク領域を選択する工程;
(ii)前記選択されたフレームワーク領域配列をヒト生殖系列配列と比較して、前記第3のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第3の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;ならびに
(iii)前記選択されたフレームワーク領域を1つまたは複数の位置で改変して、前記選択されたフレームワーク領域のアミノ酸残基を、前記生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基に変更する変異を導入する工程
をさらに含む、項目25に記載の方法。
(項目28)
前記第3のフレームワーク配列が、前記第1のフレームワーク配列と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、項目27に記載の方法。
(項目29)
(i)前記最初のヒト化抗体の可変領域内のFR4である第4のフレームワーク領域を選択する工程;
(ii)前記選択されたフレームワーク領域配列をヒト生殖系列配列と比較して、前記第4のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第4の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;ならびに
(iii)前記選択されたフレームワーク領域を1つまたは複数の位置で改変して、前記選択されたフレームワーク領域のアミノ酸残基を、前記生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基に変更する変異を導入する工程
をさらに含む、項目27に記載の方法。
(項目30)
前記ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を含むハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を試験して、前記最初のヒト化抗体に比べて、免疫原性、もしくは結合親和性、またはその両方を決定する工程をさらに含む、項目24に記載の方法。
(項目31)
前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片が、前記標的に対する前記最初の抗体の親和性の少なくとも60%の相対的結合親和性を有する、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記標的種の免疫系に曝露に対して、前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、前記最初のヒト化抗体と比べて、免疫原性が減少している、項目30に記載の方法。
(項目33)
標的に特異的なハイブリッド抗体またはその抗原結合断片であって、
(i)前記標的に特異的である最初の抗体の相補性決定領域(CDR)、
(ii)第1の抗体由来の第1の重鎖フレームワーク領域、および
(iii)第2の抗体由来の第2の重鎖フレームワーク領域
を含み、
前記第1および第2の抗体が同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属しており、
前記第1および第2の重鎖フレームワーク領域が、FR1、FR2、およびFR3からなる群から選択され、
前記重鎖フレームワーク領域のうちの少なくとも1つが体細胞変異を含み、
前記第1のまたは第2の重鎖フレームワーク領域のうちの少なくとも1つが、生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基への少なくとも1つの変異を含み、
前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片が前記標的に特異的である、
ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片。
(項目34)
前記第1の抗体、前記第2の抗体、および前記第1の抗体でも前記第2の抗体でもない第3の抗体からなる群から選択される抗体由来であって、FR1、FR2、およびFR3からなる群から選択される第3の重鎖フレームワーク領域をさらに含む、項目33に記載のハイブリッド抗体またはその抗原結合断片。
(項目35)
前記第3の重鎖フレームワーク領域が、前記第1の重鎖フレームワーク領域と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、項目34に記載のハイブリッド抗体またはその抗原結合断片。
(項目36)
前記第1の抗体、前記第2の抗体、前記第3の抗体、および前記第1の抗体でも前記第2の抗体でも前記第3の抗体でもない第4の抗体からなる群から選択される抗体由来のFR4重鎖フレームワーク領域をさらに含む、項目34に記載のハイブリッド抗体。
(項目37)
前記第3の重鎖フレームワーク領域および前記第4の重鎖フレームワーク領域のどちらか、または両方が、前記第1の重鎖フレームワーク領域と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、項目36に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
(項目38)
前記フレームワーク領域がヒト起源のものであり、前記CDRが非ヒト起源のものである、項目33に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
(項目39)
標的に特異的なハイブリッド抗体またはその抗原結合断片であって、
(i)前記標的に特異的である最初の抗体の相補性決定領域(CDR)、
(ii)第1の抗体由来の第1の軽鎖フレームワーク領域、および
(iii)第2の抗体由来の第2の軽鎖フレームワーク領域
を含み、
前記第1および第2の抗体が同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属しており、
前記第1および第2の軽鎖フレームワーク領域が、FR1、FR2、およびFR3からなる群から選択され、
前記軽鎖フレームワーク領域のうちの少なくとも1つが体細胞変異を含み、
前記第1のまたは第2の軽鎖フレームワーク領域のうちの少なくとも1つが、生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基への少なくとも1つの変異を含み、
前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片が前記標的に特異的である、
ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片。
(項目40)
前記第1の抗体、前記第2の抗体、および前記第1の抗体でも前記第2の抗体でもない第3の抗体からなる群から選択される抗体由来であって、FR1、FR2、およびFR3からなる群から選択される第3の軽鎖フレームワーク領域をさらに含む、項目39に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
(項目41)
前記第3の軽鎖フレームワーク領域が、前記第1の軽鎖フレームワーク領域と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、項目40に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
(項目42)
前記第1の抗体、前記第2の抗体、前記第3の抗体、および前記第1の抗体でも前記第2の抗体でも前記第3の抗体でもない第4の抗体からなる群から選択される抗体由来のFR4軽鎖フレームワーク領域をさらに含む、項目40に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
(項目43)
前記第3の軽鎖フレームワーク領域および前記第4の軽鎖フレームワーク領域のどちらか、または両方が、前記第1の軽鎖フレームワーク領域と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、項目42に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
(項目44)
前記フレームワーク領域がヒト起源のものであり、前記CDRが非ヒト起源のものである、項目33に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
(項目45)
前記軽鎖フレームワークがVL軽鎖由来である、項目39に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
(項目46)
前記軽鎖フレームワークがVK軽鎖由来である、項目39に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
(項目47)
少なくとも1つのアミノ酸が、前記対応する生殖系列配列へ変異すれば、前記変異を含有していないハイブリッド抗体と比べて減少した免疫原性が与えられる、項目33または39に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
(項目48)
前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片が、前記標的に対する前記最初の抗体の親和性の少なくとも60%の相対的結合親和性を有する、項目33または39に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。

Claims (48)

  1. (i)標的に特異性を有する最初の抗体の可変領域内のFR1、FR2、およびFR3からなる群からフレームワーク領域を選択する工程;
    (ii)前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第1のドナーフレームワーク配列を同定する工程;
    (iii)前記第1のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、前記第1のドナーフレームワーク配列に高度な相同性を有する第1の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;
    (iv)前記第1の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基とは異なる、前記第1のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を同定する工程;ならびに
    (v)前記最初の抗体の相補性決定領域(CDR)と、前記第1のドナーフレームワーク配列とを含む、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程であって、ここで、前記第1のドナーフレームワーク配列内の前記少なくとも1つのアミノ酸残基が、前記第1の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換えられている工程、
    とを含む、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を作製するための方法。
  2. 前記最初の抗体のFR1、FR2、およびFR3からなる群から第2のフレームワーク領域を選択する工程、
    前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第2のドナーフレームワーク配列を同定する工程;ならびに
    前記最初の抗体のCDRおよび前記ドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、前記第2のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第2の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;および
    前記第2のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を、前記第2の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程
    をさらに含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1および第2のドナー配列が同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する2つの異なる抗体由来である、請求項2に記載の方法。
  5. 前記最初の抗体のFR1、FR2、およびFR3からなる群から第3のフレームワーク領域を選択する工程、
    前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第3のドナーフレームワーク配列を同定する工程;ならびに
    前記最初の抗体のCDRおよび前記ドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程
    をさらに含む、請求項2に記載の方法。
  6. 前記第3のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、前記第3のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第3の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;および
    前記第3のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を、前記第3の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程
    をさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記第3のドナー配列が前記第1および第2の生殖系列遺伝子ファミリーと同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、請求項5に記載の方法。
  8. 前記最初の抗体のFR4である第4のフレームワーク領域を選択する工程、
    前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第4のドナーフレームワーク配列を同定する工程;ならびに
    前記最初の抗体のCDRおよび前記ドナーフレームワーク配列を含む、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程
    をさらに含む、請求項5に記載の方法。
  9. 前記第4のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、前記第4のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第4の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;および
    前記第4のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を、前記第4の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程
    をさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. (i)標的に特異性を有する最初の抗体の可変領域内のFR1、FR2、およびFR3からなる群からフレームワーク領域を選択する工程;
    (ii)前記標的種由来の候補ドナー可変領域配列に対して、前記最初の抗体の前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第1のドナーフレームワーク配列を同定する工程;
    (iii)前記最初の抗体の相補性決定領域(CDR)および前記第1のドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程;
    (iv)前記第1のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列可変領域配列と比較して、前記第1のドナーフレームワーク配列に高度な相同性を有する第1の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;ならびに
    (v)前記第1のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を、前記第1の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で選択的に置換する工程
    を含む、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を作製するための方法。
  11. 前記最初の抗体のFR1、FR2、およびFR3からなる群から第2のフレームワーク領域を選択する工程、
    前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第2のドナーフレームワーク配列を同定する工程;ならびに
    前記最初の抗体のCDRおよび前記ドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程
    をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第2のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、前記第2のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第2の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;および
    前記第2のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を、前記第2の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程
    をさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第1および第2のドナー配列が同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する2つの異なる抗体由来である、請求項11に記載の方法。
  14. 前記最初の抗体のFR1、FR2、およびFR3からなる群から第3のフレームワーク領域を選択する工程、
    前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第3のドナーフレームワーク配列を同定する工程;ならびに
    前記最初の抗体のCDRおよび前記ドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程
    をさらに含む、請求項11に記載の方法。
  15. 前記第3のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、前記第3のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第3の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;および
    前記第3のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を、前記第3の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程
    をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第3のドナー配列が前記第1および第2のドナー配列と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、請求項14に記載の方法。
  17. 前記最初の抗体のFR4である第4のフレームワーク領域を選択する工程、
    前記標的種由来の候補ドナーフレームワーク配列に対して前記選択されたフレームワーク領域を比較して、前記選択されたフレームワーク領域に高度な相同性を有する第4のドナーフレームワーク配列を同定する工程;ならびに
    前記最初の抗体のCDRおよび前記ドナーフレームワーク配列を含むハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を構築する工程
    をさらに含む、請求項11に記載の方法。
  18. 前記第4のドナーフレームワーク配列を前記標的種の生殖系列配列と比較して、前記第4のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第4の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;および
    前記第4のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を、前記第4の生殖系列フレームワーク配列における対応する位置のアミノ酸残基で置き換える工程
    をさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を含むハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を試験して、前記第1のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸が前記第1の生殖系列フレームワーク配列由来の対応するアミノ酸残基で置き換えられていない、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を含むハイブリッド抗体またはその抗原結合断片と比べて、免疫原性もしくは結合親和性、またはその両方を決定する工程、をさらに含む、請求項1または10に記載の方法。
  20. 前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片が、前記標的に対する前記最初の抗体の親和性の少なくとも60%の相対的結合親和性を有する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記標的種の免疫系への曝露に対して、前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、前記第1のドナーフレームワーク配列内の少なくとも1つのアミノ酸が前記第1の生殖系列フレームワーク配列由来の対応するアミノ酸残基で置き換えられていないハイブリッド抗体またはその抗原結合断片と比べて、免疫原性が減少している、請求項19に記載の方法。
  22. 前記ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片が、scFv、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、ダイアボディ、抗体軽鎖および抗体重鎖からなる群から選択される抗体断片の可変ドメインである、請求項1または10に記載の方法。
  23. 前記標的種がヒトである、請求項1または10に記載の方法。
  24. (i)標的に特異性を有する最初のヒト化抗体の可変領域内のFR1、FR2、およびFR3からなる群からフレームワーク領域を選択する工程;
    (ii)前記選択されたフレームワーク領域配列をヒト生殖系列配列と比較して、前記第1のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第1の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;ならびに
    (iii)前記選択されたフレームワーク領域を1つまたは複数の位置で改変して、選択されたフレームワーク領域のアミノ酸残基を、前記生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基に変更する変異を導入する工程
    を含む、ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を作製するための方法。
  25. (i)前記最初のヒト化抗体のFR1、FR2、およびFR3からなる群から第2のフレームワーク領域を選択する工程;
    (ii)前記選択されたフレームワーク領域配列をヒト生殖系列配列と比較して、前記第2のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第2の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;ならびに
    (iii)前記選択されたフレームワーク領域を1つまたは複数の位置で改変して、前記選択されたフレームワーク領域のアミノ酸残基を、前記生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基に変更する変異を導入する工程
    をさらに含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記第1および第2のフレームワーク配列が同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、請求項24に記載の方法。
  27. (i)前記最初のヒト化抗体のFR1、FR2、およびFR3からなる群から第3のフレームワーク領域を選択する工程;
    (ii)前記選択されたフレームワーク領域配列をヒト生殖系列配列と比較して、前記第3のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第3の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;ならびに
    (iii)前記選択されたフレームワーク領域を1つまたは複数の位置で改変して、前記選択されたフレームワーク領域のアミノ酸残基を、前記生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基に変更する変異を導入する工程
    をさらに含む、請求項25に記載の方法。
  28. 前記第3のフレームワーク配列が、前記第1のフレームワーク配列と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、請求項27に記載の方法。
  29. (i)前記最初のヒト化抗体の可変領域内のFR4である第4のフレームワーク領域を選択する工程;
    (ii)前記選択されたフレームワーク領域配列をヒト生殖系列配列と比較して、前記第4のフレームワーク配列に高度な相同性を有する第4の生殖系列フレームワーク配列を同定する工程;ならびに
    (iii)前記選択されたフレームワーク領域を1つまたは複数の位置で改変して、前記選択されたフレームワーク領域のアミノ酸残基を、前記生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基に変更する変異を導入する工程
    をさらに含む、請求項27に記載の方法。
  30. 前記ハイブリッド抗体可変ドメインまたはその断片を含むハイブリッド抗体またはその抗原結合断片を試験して、前記最初のヒト化抗体に比べて、免疫原性、もしくは結合親和性、またはその両方を決定する工程をさらに含む、請求項24に記載の方法。
  31. 前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片が、前記標的に対する前記最初の抗体の親和性の少なくとも60%の相対的結合親和性を有する、請求項30に記載の方法。
  32. 前記標的種の免疫系に曝露に対して、前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片は、前記最初のヒト化抗体と比べて、免疫原性が減少している、請求項30に記載の方法。
  33. 標的に特異的なハイブリッド抗体またはその抗原結合断片であって、
    (i)前記標的に特異的である最初の抗体の相補性決定領域(CDR)、
    (ii)第1の抗体由来の第1の重鎖フレームワーク領域、および
    (iii)第2の抗体由来の第2の重鎖フレームワーク領域
    を含み、
    前記第1および第2の抗体が同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属しており、
    前記第1および第2の重鎖フレームワーク領域が、FR1、FR2、およびFR3からなる群から選択され、
    前記重鎖フレームワーク領域のうちの少なくとも1つが体細胞変異を含み、
    前記第1のまたは第2の重鎖フレームワーク領域のうちの少なくとも1つが、生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基への少なくとも1つの変異を含み、
    前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片が前記標的に特異的である、
    ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片。
  34. 前記第1の抗体、前記第2の抗体、および前記第1の抗体でも前記第2の抗体でもない第3の抗体からなる群から選択される抗体由来であって、FR1、FR2、およびFR3からなる群から選択される第3の重鎖フレームワーク領域をさらに含む、請求項33に記載のハイブリッド抗体またはその抗原結合断片。
  35. 前記第3の重鎖フレームワーク領域が、前記第1の重鎖フレームワーク領域と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、請求項34に記載のハイブリッド抗体またはその抗原結合断片。
  36. 前記第1の抗体、前記第2の抗体、前記第3の抗体、および前記第1の抗体でも前記第2の抗体でも前記第3の抗体でもない第4の抗体からなる群から選択される抗体由来のFR4重鎖フレームワーク領域をさらに含む、請求項34に記載のハイブリッド抗体。
  37. 前記第3の重鎖フレームワーク領域および前記第4の重鎖フレームワーク領域のどちらか、または両方が、前記第1の重鎖フレームワーク領域と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、請求項36に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
  38. 前記フレームワーク領域がヒト起源のものであり、前記CDRが非ヒト起源のものである、請求項33に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
  39. 標的に特異的なハイブリッド抗体またはその抗原結合断片であって、
    (i)前記標的に特異的である最初の抗体の相補性決定領域(CDR)、
    (ii)第1の抗体由来の第1の軽鎖フレームワーク領域、および
    (iii)第2の抗体由来の第2の軽鎖フレームワーク領域
    を含み、
    前記第1および第2の抗体が同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属しており、
    前記第1および第2の軽鎖フレームワーク領域が、FR1、FR2、およびFR3からなる群から選択され、
    前記軽鎖フレームワーク領域のうちの少なくとも1つが体細胞変異を含み、
    前記第1のまたは第2の軽鎖フレームワーク領域のうちの少なくとも1つが、生殖系列フレームワーク配列の対応する位置のアミノ酸残基への少なくとも1つの変異を含み、
    前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片が前記標的に特異的である、
    ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片。
  40. 前記第1の抗体、前記第2の抗体、および前記第1の抗体でも前記第2の抗体でもない第3の抗体からなる群から選択される抗体由来であって、FR1、FR2、およびFR3からなる群から選択される第3の軽鎖フレームワーク領域をさらに含む、請求項39に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
  41. 前記第3の軽鎖フレームワーク領域が、前記第1の軽鎖フレームワーク領域と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、請求項40に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
  42. 前記第1の抗体、前記第2の抗体、前記第3の抗体、および前記第1の抗体でも前記第2の抗体でも前記第3の抗体でもない第4の抗体からなる群から選択される抗体由来のFR4軽鎖フレームワーク領域をさらに含む、請求項40に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
  43. 前記第3の軽鎖フレームワーク領域および前記第4の軽鎖フレームワーク領域のどちらか、または両方が、前記第1の軽鎖フレームワーク領域と同じ生殖系列遺伝子ファミリーに属する、請求項42に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
  44. 前記フレームワーク領域がヒト起源のものであり、前記CDRが非ヒト起源のものである、請求項33に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
  45. 前記軽鎖フレームワークがVL軽鎖由来である、請求項39に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
  46. 前記軽鎖フレームワークがVK軽鎖由来である、請求項39に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
  47. 少なくとも1つのアミノ酸が、前記対応する生殖系列配列へ変異すれば、前記変異を含有していないハイブリッド抗体と比べて減少した免疫原性が与えられる、請求項33または39に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
  48. 前記ハイブリッド抗体またはその抗原結合断片が、前記標的に対する前記最初の抗体の親和性の少なくとも60%の相対的結合親和性を有する、請求項33または39に記載のハイブリッド抗体または抗原結合断片。
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