JP2012507382A - 結合アンテナによるインピーダンス分光 - Google Patents

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Abstract


【課題】媒体中の分子種の濃度を決定する分子分光方法を提供する。
【解決手段】 本発明の方法は、(a)一対のコイル状のアンテナを、誘電体分光測定の電極として用意するステップと、(b)前記一対のアンテナを、前記媒体を通して通信可能に配置するステップと、(c)前記一対のアンテナの少なくとも一方に、第1周波数でパワーを与えるステップと、(d)前記(c)ステップの間、前記第1周波数から第2周波数の範囲を走査するステップと、前記第1周波数と第2周波数の間の差が、第1周波数範囲を表し、(e)前記(d)ステップの間、前記一対のアンテナの少なくとも一方から信号を獲得するステップと、(f)前記(e)ステップの間、前記信号の値を、積分するステップと、前記積分は、前記第1周波数範囲の少なくとも一部で行われ、g)前記積分された値から分子種の濃度を計算するステップと、を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、分子分光方法に関し、特に流体(血液)或いは組織の一部を切り取ってサンプリングすることなく連続的に測定できる分子分光方法に関する。更に本発明は、生きた組織の分子分光方法に関し、これにより糖濃度或いは、他の少量の分子の量を決定する方法に関する。
誘電体或いはRF分光法の従来の分光法は、得られた信号と血糖濃度(血糖値)の間の相関関係を示す。
この従来の方法は幾つかの欠点がある。電極の分極現象が起こり、S/N比の喪失、或いはこの方法を利用する装置を市販する際に大きな性能の妥協を必要とする。更に従来の方法は、低血糖或いは高血糖から生じる皮膚の電離インバランスのみを測定している。
Feldman et al.: Time Domain Dielectric Spectroscopy of Biological Systems,IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation Vol.10,No.5 October 2003, A.Caduff et al. in " No"Non-invsSive glucose monitoring in patienls wtih diabetes: A novel system based on impedance spectroscopy ", Biosensors and Bioelectronics 22 (2006) 598-604, "A 31.5 GHz Patch Antenna Design for Medical lmplants", Ahmed et al, International Journal ofAntennas and Propagation, Volume 2008、 Kim et al. Implanted Antennas Inside a Human Body: Simulations, Designs, and Characterizations ", IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES, VOL. 52, NO.8, AUGUST 2004, McClung(MS Thesis M.J.McClung, titled "calibration Methodology for a Microwave Non-Inzasive Glucose Sensor", Baylor University,Department of Electrical and Computer Engineering 2008)
本発明の目的は、従来の欠点を解決し、高いS/N比を有する血糖値を測定する非侵襲性の手段を提供することである。
本発明の更なる目的は、組織内のグルコース(以下「糖分」とも称する)をより直接的に測定する手段を提供し、これにより皮膚よりも深い部分の組織即ち細胞膜内の糖分の存在をより良く表す方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、組織内の糖分を非侵襲性で且つ連続性を有して直接測定する手段を提供することである。
本発明の更なる目的は、組織の選択が可能なように十分深い貫通力を有する組織内の糖分の非侵襲性で連続的且つ直接的な測定手段を提供することである。
本発明の更なる目的は、皮膚の接触に依存せず再現性がある方法を提供することである。本発明によれば、より高いS/N比と広いスペクトラルレンジを有する、糖分或いは他の分子を直接測定する手段を提供することである。
本発明の媒体中の分子種の濃度を決定する分子分光方法は、
(a)一対のコイル状のアンテナを、誘電体分光測定の電極として用意するステップと、
(b)前記一対のアンテナを、前記媒体を通して通信可能に配置するステップと、
(c)前記一対のアンテナの少なくとも一方に、第1周波数でパワーを与えるステップと、
(d)前記(c)ステップの間、前記第1周波数から第2周波数の範囲を走査するステップと、
前記第1周波数と第2周波数の間の差が、第1周波数範囲を表し、
(e)前記(d)ステップの間、前記一対のアンテナの少なくとも一方から信号を獲得するステップと、
(f)前記(e)ステップの間、前記信号の値を、積分するステップと、
前記積分は、前記第1周波数範囲の少なくとも一部で行われ、
(g)前記積分された値から分子種の濃度を計算するステップと、
を有する。
本発明ののインビボの媒体中の分子の分光装置は、
(a)一対のコイル状アンテナと、
前記一対のアンテナの一方は、他のアンテナと通信状態に、生きた器官の一部を含む第1誘電体媒体を間にして配置され、
(b)可変周波数パワー生成器と、
前記パワー生成器は、前記一対のアンテナのそれぞれと通信状態にあり、
(c)信号検出器と、
前記信号検出器は、前記一対のアンテナのそれぞれと通信状態にあり、生成された周波数範囲で、前記各アンテナの送信信号と反射信号を収集し、
(d)計算手段と、
前記計算手段は、検出された信号から複数の信号伝搬定数を決定し、其処にある分子種の濃度を計算し、
前記一対のアンテナは、100MHz以下に第1共振点を有し、
前記分子種の濃度は、第1周波数から第2周波数の周波数範囲にわたって、前記複数の信号伝搬定数を積分することにより計算され、
前記第2周波数は、1GHz以下である
を有する。
本発明の媒体中の分子種の濃度を決定する分子分光装置を構成する方法は、
(a)サンプル媒体を用意するステップと、
前記サンプル媒体を介して、分子種の複数の濃度は、既知であるか又は分子分光プロセスの手段で決定でき、
(b)一対のコイル状のアンテナを、誘電体分光測定の電極として用意するステップと、
(c)前記一対のアンテナを、前記サンプル媒体を通して通信可能に配置するステップと、
(d)前記一対のアンテナの少なくとも一方に、第1周波数でパワーを与えるステップと、
(e)前記(d)ステップの間、前記第1周波数から第2周波数の範囲を走査するステップと、
前記第1周波数と第2周波数の間の差が、第1周波数範囲を表し、
(f)前記(e)ステップを複数回繰り返すステップと、
各ステップ(f)は、既知又は分子分光法により決定された分子種の濃度をに対応し、
(g)前記(f)ステップの間、前記一対のアンテナの一方から、信号を獲得するステップと、
このステップにより、複数の信号伝搬パラメータの値を決定し、
(h)前記信号伝搬パラメータと、既知または決定された分子種の濃度の第1サブセットとの第1相関積を計算するステップと、
(i)前記信号伝搬パラメータと、既知または決定された分子種の濃度の第2サブセットとの第2相関積を計算するステップと、
前記第2サブセットは、第1サブセットより大きく
(j)前記第1相関積と第2相関積とを、第1周波数範囲にわたって比較するステップと、
(k)前記第1周波数範囲内に選択領域を有する信号伝搬パラメータを特定するステップと、
前記相関積の絶対値は、50MHzの幅を有する連続する第2周波数範囲にわたって、0.75以上である
(l)前記(k)ステップで特定された信号伝搬パラメータの積分値を、Q−バンドパラメータを提供する連続する第2周波数にわたって、計算するステップと、
(m)Q−バンドパラメータと既知または決定された分子種の濃度との相関を計算するステップと、
このステップにより、校正式を与える
を有する。
本発明の方法を実行する装置のブロック図。 図1のアンテナの実施例を表す平面図。 図2Aのアンテナの拡大図。 アンテナ支持モールドの第一実施例を表す断面図。 図3CのラインB−Bに沿った拡大断面図。 図3AのラインC−Cに沿った拡大断面図。 アンテナ支持モールドの他の実施例の平面図。 図3Dのアンテナ支持モールドの第1斜視図であり、手が挿入された状態を表しアンテナへの外部接続が示されている図。 図4Aのアンテナ支持モールドの第2斜視図であり、手と指が内部ポケットにはない状態を示す図。 組織内にある図2のアンテナの理論上の電界のプロット図。 指の両側にアンテナを配置したアンテナ支持モールドの第1実施例の第1斜視図。 手を支持したポケットを見る位置からの見た第2斜視図。 4個のアンテナを配置した手の甲の平面図。 4個のアンテナを配置した手のひらの平面図。 図6、7の一対のアンテナの断面展開図。 図8Aのコイル状のアンテナの巻回パターンの平面図。 図8Bのアンテナの拡大部分図。 図1、2のアンテナで周波数スキャンの結果を解析するのに用いられる等価回路図。 指が図3のアンテナ支持モールド内に挿入された状態(点線)と挿入されていない状態(実線)における、300kHz−800MHzの間の周波数スペクトル範囲において、S11とS12のパラメータのスペクトル応答の比較を表す図。 指が図3のアンテナ支持モールド内に挿入された状態(点線)と挿入されていない状態(実線)における、300kHz−800MHzの間の周波数スペクトル範囲において、S11とS12のパラメータのスペクトル応答の比較を表す図。 試料或いは組織の同一の突出領域をラフにサンプリングするために、様々な長さの結合電極の2つの対を配置したアンテナ・システムの一実施例の断面展開図。 試料或いは組織の同一の突出領域をラフにサンプリングするために、様々な長さの結合電極の2つの対を配置した同一アンテナのアンテナ・システムの他の実施例の断面展開図。 図12Aの結合アンテナの平面図。 試料或いは組織の同一の突出領域をラフにサンプリングするために、様々な長さの結合電極の2つの対を配置した同一アンテナのアンテナ・システムの他の実施例の断面展開図。 図13Aの結合アンテナの平面図。 関数γ24(ω)の例を表す図。横軸:周波数 縦軸:γSij んー13 −−−モデル関数校正 −血糖値校正 0 所定の周波数 図8A,8Bのアンテナ構成を用いたS12のアンテナ伝送スペクトラムを表す図。 横軸:周波数 縦軸:振幅 非侵襲性で連続的に血糖値をモニタする装置の校正プロセスのステップを表すフローチャート図。 選択されたモデル回路パラメータの集積強度と特定の狭周波数範囲にわたり集めたものの、温度依存性の観測された相関を表す図。横軸:時間 縦軸:温度 − 温度(熱電対) −−−144.32MHz−154.09MHzからのReZ11信号の 正規化した平均強度 表1のQバンドパラメータを用いたテスト対象の予測血糖濃度と実際の血糖濃度との比較図。横軸:時間(分) 縦軸:血糖値(mg/dl) γSl、<DT> 回帰&予測 複数のテスト対象からの図18Aに示すデータのクラーク・グリッド・プロット図。横軸:基準濃度(mg/dl) 予測濃度(mg/dl) 表2のQバンドパラメータを用いたテスト対象の予測血糖濃度と実際の血糖濃度との比較図。 複数のテスト対象からの図19Aに示すデータのクラーク・グリッド・プロット図。横軸:基準濃度(mg/dl) 予測濃度(mg/dl) 図16の校正ステップ後、非侵襲性で連続的に血糖をモニタする装置を用いるステップを表すフローチャート図。
図1に本発明の本発明の装置100を示す。この本発明の装置100は、in vivoでの検出或いはin vitroでのサンプリング検出用に配置される。本発明の装置100は、一対のコイル状或いはパッチ状のアンテナ111、112を有する。アンテナ111、112は、テスト用チューブ10(in vitroでの測定)の両側、或いは手11又は足又は例えば指(in vivoでの測定)の両側に配置される。テスト用チューブ10の代わりに、連続的に流れる誘電体媒体をサンプリングすることもできる。例えばプロセス・ストリーム内のパイプ内がサンプリングされる。アンテナ111、112に、ベクトル・ネットワーク・アナライザ120を介してエネルギーが加えられる。ベクトル・ネットワーク・アナライザ120は、コンピュータ130或いはマイクロプロセッサと通信が可能なように配置されて、計算プロセスと校正プロセスを実行する。同一或いは別のコンピュータ又はマイクロプロセッサで、ベクトル・ネットワーク・アナライザ120を制御する。温度計155又は他の温度測定手段でサンプルの温度或いは体温を測定する。温度測定手段の一例は、サーモカップル或いは非接触型の赤外線温度計であり、これもコンピュータ130と通信している。
高品質のケーブルとコネクタを用いて、アンテナ111、112をベクトル・ネットワーク・アナライザ120に接続し、S/N比を最小にし、被測定物或いはサンプルの動き対する変動を最小にする。
最初の実験に於いて、温度は、アンテナ111、112を温度制御ボックス150内にサンプルと共に配置することにより、制御される。温度制御ボックス150は、リレー・ボックス160と通信可能なファンとヒーター(図示せず)を有する。リレー・ボックス160が制御ボックス170に接続される。制御ボックス170は、コンピュータ130と通信可能で、ベクトル・ネットワーク・アナライザ120の制御、データの獲得、温度計(サーモカップル)155からの温度測定値の獲得を容易にする。温度計155は、手足或いは指11に或いはその近傍に配置される。
図1−4、6−8に示すアンテナ構造は、in vivoで使用される場合には、非侵襲性で配置される。更にアンテナは、50kHzでエネルギーが加えられるが、200kHz−900kHzが好ましい。その結果、電界が深いまで貫通し、誘電体の従来の分光法よりもより正確な測定が可能となり、更に血糖の組織の選択性の測定が可能となる。血糖の濃度の測定手段は、糖尿病患者に対して極めて利点がある。この糖尿病患者は、血糖値を一日中正確にモニタし、食物摂取とインシュリンの管理をする。
従来の誘電体分光法と比べると、本発明の方法は、S/N比が高く、且つ糖分或いは他の分子のスペクトル範囲が広い。
人体の糖分(血糖値)を非侵襲性の誘電体分光法で測定することは、2つの点で複雑であるが、これらは本発明で解決できる。第1点として、生化学システムの導電性は、容量性アンテナでは電極の分極化を引き起こす。この電極の分極化の影響は、電極表面の電荷の蓄積と電気の二重相の形成から生じ、特性信号を覆ってしまう。このような影響を回避する様々な方法が提案されている。例えば非特許文献1の方法である。
更に非特許文献2によれば、誘電体分光法は、血糖値を直接測定しておらず、高血糖と低血糖変動の影響が、血液、細胞、体液(ISF)の電離バランスの変化を引き起こし、間接的な測定となる。この理由は、従来の容量性のセンサの電界は、皮膚とそれに近い下部組織を、1−2mmの深さ程度にしか貫通しないからである。
これに対し本発明の方法は、より正確で再現可能な結果を生成できる。これは電極の分極化を回避し、組織により深く浸透して検査することができるからである。
図2は、螺旋構造を有するアンテナ111、112の平面図である。この螺旋構造においては、連続する導電線が、複数回同一面に巻き付けられる。4回以上の巻回が角にある。全体形状は、四角形、長方形、円形或いは楕円形である。パッチ形状のアンテナの形状は、ループ、コイル、螺旋、ジグザグ、或いはそれ等の組み合わせである。一般的に図2A、2Bに示すように、アンテナ111、112のストリップ或いはリボン形状の部分(導電線)は、幅(W)が100ミクロンで、隣接する導電線の中心間距離(C−C)は200ミクロンで、一般的に少なくとも複数回(40回)の巻回がある。アンテナは、プリント回路基板、フレキシブルなフィルム(登録商標カプトン)の上にプリントされる。これを図8Aに示す。現在このようなアンテナは、PCB材料から構成され、例えばRogers Corporationから市販されているTMMA10/Iであり、誘電率εは10.8で、最小厚は0.38mmである。図2Aに示すように、四角形のパッチアンテナにおいては、巻回は、幅W1が200ミクロンの四角の周りに巻かれる。アンテナの全長は、約70cmである。
パッチ型アンテナの貫通深さは、周波数とアンテナ構造に依存する。in vivoのアプリケーションに於いては、貫通深さは、電磁放射の水分子の吸収により制限され、その結果周波数依存性がある。一般的に、アンテナの損失は、周波数が400MHzを超えると増加する。これに関しては非特許文献3を参照のこと。非特許文献4によれば、400MHzで活性化されたアンテナは、伝達される通信信号は20cm貫通する。30MHz−800MHzの周波数範囲では、70dBに対応する貫通範囲は、5−10cmの範囲である。このような損失は、移植された医療機器と外部モニタ或いは制御システムとの間の無線通信に対するパッチ型アンテナの設計にとって重要である。
図2のアンテナ111、112の貫通範囲は、300kHz−400MHzのような非常に低い周波数において、約3−5cmの有効貫通範囲を示すような下部組織の様々な特性を仮定することにより、モデル化できる。アンテナ111、112は、手足即ち器官の対向する側に留置され、直接糖濃度を測定する。
図5に、図2のアンテナに対する、組織内への電磁界の貫通のシュミレーション結果を示す。図5は、x−y面の計算上の電磁界の強度の斜視図である。電磁界の強度を電圧対しプロットしている。クロスハッチングしたパターンの強度レベルに対応する電圧は右側に示す。EMフィールドは2MHzで計算した。この周波数に於いて、皮膚の誘電率はεr=900で、導電率はσ=0.12S/mと仮定した。この構成に於いて、パッチ型のアンテナ110は、同軸ケーブルのコアに接続され、点線のグリッドラインは、5mm間隔で、1cmの幅の四角の電極がx−z面に配置され、四角のラベルアンテナ110’で示した外形を有する。電界強度は、電極から3−5mm内で最大1.4Vであり、パワーは1−2cm内で0.4Vに落ちるだけである。斯くして、このアンテナの一般的貫通深さは、この低周波数に於いて、3−5cmである。
次に血糖値の測定を、最初にアンテナ111、112を皮膚に配置し、その後アンテナにベクトル・ネットワーク・アナライザ120により、周波数走査モードで順番にエネルギーを加え、送信パワーと反射パワーがアンテナの周波数範囲を走査することにより、測定した。この周波数スイープ速度は、測定時のS/N比に影響を与える、高速にするとS/N比を下げることができる。電流モードに於いては、VNAスペクトラムのサンプリング・レートは800MHzで30秒である。このプロセスの間、生のデータが得られ、4個の信号伝搬パラメータが計算される。これは周波数により幾分変わる。かくして目的とする分子種の濃度を決定する。
パッチ型のアンテナ111、112はある貫通深さと強度を有するが、その値は、その構造と検査されている誘電体媒体との信号相互作用に大きく依存する。本発明の装置を検査深さは従来方法よりも遙かに深く、アンテナを皮膚に接触させる必要はない。本発明のアンテナを用いる実施例においては、図3Cにおいて、アンテナ支持モールド301は、アンテナ111、112を内包する。アンテナ支持モールド301は、手足又は指11或いは他の付属物の形状に合わせて形成され、検査対象である手足或いは内臓を包囲してアンテナ111、112を配置することにより、目的とするスキンからアンテナを離すことができる。アンテナ支持モールド301は、この実施例では指の周りに適切にフィットする。図3A−3Dにアンテナ支持モールド301の実施例を示す。実際のモールドを用いて、図10Aと図10Bに示す実験データを生成できる。アンテナ支持モールド301は、透明なギブス或いは透明な他の材料から形成され、この材料は、10−900MHzの範囲で信号減衰率が低いのが好ましい。化合物例えばORFIT(登録商標)Classicを形成する組成キャストを用いることもできる。これ等の材料は、ORFIT Industries of Wijnegem ,Belgium から市販されている。
このような支持構造においては、各アンテナは共通の面で巻かれ、一対のアンテナは、それぞれ共通の面が並列に離間して配置される。しかしサンプリングされる器官の部位によっては、一対のアンテナは互いに隣接して配置してもよい。
従来技術とは対照的に、アンテナは、皮膚と直接接触させることは好ましくないことが見出された。高い電界がかかった組織の領域は、弱い電界よりもS−パラメータに対しより大きな影響力を有する。皮膚上に配置されたアンテナの電界は、皮膚層で最大となる。その為、皮膚層は、S−パラメータに対し大きな影響力を及ぼす。外側の皮膚の層はVNAデータのシステマティックなエラーの源であるが、その理由は温度、湿度のような環境状態が変わることにより影響されるからである。その為、測定値に対しそのような影響を減らすことが好ましい。その解決方法は、アンテナを皮膚から誘電体材料の層で離すことである。次善策は、一定の環境状態を維持するようなホルダー(インキュベータ)を形成することである。
皮膚から離す距離(図8Aのスペーサー802の厚さ)は約1mmである。300μmから4−5mmの厚さを有する誘電体スペーサーで十分である。この間隔をあける媒体は、ORFITから化合物を構成する上記キャスト或いは誘電体媒体である。
斯くしてアンテナを皮膚から離すことにより、実際の血糖値(YSI方法により測定された値)と本発明のシステムとの間のより良好な相関が得られる。本発明の方法は、皮膚の状態、即ち接触状態、湿度、接触圧力等に影響されず、又組織の代表的なサンプリングを反映する。従来の誘電体分光方法は、アンテナを皮膚のサンプル大きくは間接性の組織に配置するのに対し、本発明の方法は患者の動脈血と静脈血の大部分をサンプルすることができるからである。
一実施例に於いて、図3A−3Cのアンテナ支持モールド301は、1本の指を包囲し、アンテナ111、112を指の両側に配置している(図3C)。これに対し、図3Dのアンテナ支持モールド301は、全ての指をグローブのように包囲し固定するが、アンテナ111、112は指の両側に配置する(図3C)。
図4Aは、図3Dのアンテナ支持モールド301の外見図であり、このアンテナ支持モールド301は、各指をグローブのポケットに保持して手全体を収納する。ケーブル401は、アンテナ111をVNAに外部コネクタ302で接続する。測定時に指を完全に固定することにより。アンテナ位置は手全体がモールド内に入るときにより、動きづらくなりずれなくなる。これにより測定精度を上げることができる。斯くして、アンテナ支持モールド301は、各患者に対しオーダーメイドになるのが好ましいが、グローブのような一般的なサイズで提供することもできる。更に温度計155を皮膚の温度を測定するために、モールドの内側表面に入れたりモールド内に入れることもできる。
アンテナ対を体の部分の両側(反対側)に配置することに加えて、アンテナ対は、互いに同一側で互いに隣接して配置することもできる。従って、本発明の方法で採用されるパッチ型のアンテナは、患者に対し適切に校正するとより、再現性あるシステマチックな測定結果を生み出す。
アンテナを配置する他の場所は、耳たぶ、前腕、手首、頭、足等である。更に本発明のアンテナシステムを、膵臓のような気管内の血糖をより正確に測定するため、腹部に開けた穴に、例えば太い血管即ち動脈の近傍に配置することも可能である。斯くして測定に使用される身体の一部に応じては、特定の構造を採用することは、より連続的なモニタリングが必要とされる患者にとっては好ましいものである。以下の議論から、患者の身体の様々な部分に対応する最適なアンテナ構造は、手と指から連続的に測定する為に、現在のところ好ましい構造のものとは異なるかも知れない(図6−8)。例えば採用されるアンテナのサイズと数である。図6−8の実施例に於いて、アンテナ支持モールド301は患者の手の一部を包囲して、2つの対のアンテナを通信状態におく。
1個のアンテナ対で上記の周波数スキャンを行った場合、ベクトル・ネットワーク・アナライザ120は、4個の主な信号伝搬パラメータを生成する。S22、S11は反射係数を表し、S21、S12は伝搬係数を表す。
以下のモデルに於いて、S−パラメータは時間と周波数の関数である。
Figure 2012507382
反射係数と伝搬係数Sijは、4個のインピーダンス・パラメータY11、Y12、Y21、Y22に以下の式を用いて変換される。
Figure 2012507382
ここでZ0は50Ωであり、基準インピーダンスである。
図2のアンテナのモデル化と介在するサンプル即ち誘電体媒体のモデル化は、図9の電気回路により可能である。以下の式を用いて更なるパラメータが得られる。
Figure 2012507382
図10A、10Bで示す、選択されたパラメータS11、S12に対し、サンプル(例、指)がアンテナの間に存在しない場合(実線)には、強い共振が見られ、伝搬係数と反射係数は、特定の周波数で高くなる。この周波数は、0から800MHzの間で周期的に変わる。
比較するために、図10Aと10Bは、テスト目的の指が、アンテナの間のプローブ領域に挿入された時(点線)のパラメータS11とS12も示す。共振特性とスペクトラム特性は劇的に変化するが、これは組織内の分子種との相互作用が原因である。
Sijパラメータのスペクトラム強度のクロス変動の大部分は、アンテナの共鳴パターンにより支配されるが、広範囲な統計解析により、スペクトラムの一部は、患者の血糖値と相関関係があることが判った。
同時に血糖のより正確且つ再現性の高い測定値は、異なる指と手のモールド内の4本のアンテナを用いることにより得られる。これを図6A、6Bに示す。アンテナ支持モールド301は、アンテナに対し4個の外部コネクタ302を有する。
更なる改善は、アンテナが4角形の形状(図8)を有し、手を囲むように向いているとき(図7)に得られる。斯くしてアンテナ111,112は、アスペクト比は2:1であるのが好ましい。更に優れた結果は、矩形のアンテナの長手軸が指に直交しているとき(図7A、7B)のときに得られる。
図8A、8Bに示すように、アンテナ対111a/112aとアンテナ対111b/112bは、1cm×2cmの外部寸法を有し、フラットなアンテナコイルは75μmの幅(W)で、隣接する巻回から125μm離間しており(中心間距離Cが200μm)である。これにより、20−25回の巻回を有する全長が約130cmのアンテナが得られる。個々のアンテナはラベル1(111a)、2(112a)、3(111b)、4(112b)を付して、数式に合うようにしている。4本のアンテナを配置して、少なくとも10個の基本的なS−パラメータの測定と解析を実行する。即ち10個のパラメータには、4個の反射係数(S11、S22、S33、S44)と6個の伝搬係数(S12、S13、S14、S23、S24、S32、S34)がある。反射係数と伝搬係数(即ちパラメータ)を得る為に、実験データによる振幅と位相を、データ解析とデータ抽出を行うために、一緒に或いは別々に用いることができる。伝搬係数S13、S24は、手の同一の側に配置されるアンテナに関する。この場合、電磁放射が組織を貫通して伸びるが、コイル状アンテナの面に直交して伝搬はしない。伝搬係数S12、S34は、手の反対側(真裏)に配置されるアンテナに関する。この場合、電磁放射は組織を貫通し、コイル状アンテナの面に直交して伝搬する、伝搬係数S14、S23は、手の真裏ではない反対側に配置されたアンテナに関する。この場合、電磁放射が組織を貫通して伸びるが、コイル状アンテナの面に直交しては伝搬しない。
本発明のアンテナ設計の共鳴特性は、従来の誘電分光法に対し、患者のin-vivoでの糖分の値を測定するのに利点がある。又アンテナ設計は糖分或いは他の分子をin-vitorで測定するのに利点がある。
100−800MHz(0.1−0.8GHz)の所望の範囲内で深く貫通する電磁波を生成するアンテナを配置することにより、特に血糖と良好な相関性がある狭い周波数帯域を発見する機会がある。血糖の非侵襲性の測定に対する初期のアプローチの前進を阻む誤測定に対し無関係になる。
これは、アンテナ111,112の共鳴特性が、目的媒体に同調した時によく当てはまる。その結果、伝達損失は−50db以下であり、100MHzと800MHzの間では、約−300dBであり、1MHz−500MHzの間ででは、更に好ましい。
本発明の方法を用いて生きた組織の糖分を検出するために、コイル状アンテナは、第1の共鳴点を有するのは、100MHz以下好ましくは50MHz以下である。
コイル状アンテナは、200MHzの範囲にわたって、特定の媒体に於いて、平坦な伝達係数の特性領域を有する。この200MHzにおいては、伝送は30dB以下しか変わらず、更に好ましくは20dB以下しか変わらない、伝送損失も−50dB以下で、好ましくは−30dB以下である。この範囲は第1共鳴周波数よりも高い周波数範囲である。
マイクロウエーブ・アンテナの第1共鳴の周波数は、アンテナ長さに反比例するために、この要件に合致するには、相反するニーズがあり、挑戦的事項となる。即ちアンテナは、患者の便宜のためにできるだけ小さくしなければならず、しかし局部的な測定が可能となる程長くなければならない。この両方の要件は、アンテナの幅とスペースをできるだけ狭くするが、複数回の折り曲げてアンテナ長を長くすることにより達成できる。例えば図8のアンテナ111は、少なくとも15−20の巻回を有する。これは、アンテナが1GHz以上で第1共鳴を有し、共鳴周波数におけるシフトを測定する従来の誘電体分光法とは対照的である。これに関しては非特許文献5を参照のこと。ここに開示されたアンテナは、僅か3個の広く離間した巻回を有し、且つ受信アンテナは、この短いコイル状アンテナと同一側の親指上に配置された一対のストリップである。その為非特許文献5により測定された周波数シフトは、実際には伝搬係数ではなく反射係数である。
本発明の方法と装置は、従来の誘電体分光法よりも幾つかの理由でより正確である。第1の理由としては、主要な共振ピークが糖分の誘電緩和特性と強い相互作用を提供し、他の分子からの吸収の影響を少なくすることができるからである。斯くして本発明の方法は、従来技術で問題となった電極の分極化の影響を排除できる。更に本発明の方法は、測定がより皮膚の深い場所で行われるために、生体内の糖分の量をより正確に表すことができる。
本発明の方法によるより深い場所での組織のサンプリングは、一時的に安定した結果を生成する。即ち皮膚の温度や皮膚の状態、例えば汚れや湿度等に影響されない結果を生み出す。
誘電体スペクトラムは、ユーザ即ち患者の生理状態と電極の配置位置により変わる共鳴システムから得られるために、全ての患者或いはテスト対象物に適用可能なスペクトルの汎用ライン或いは範囲を、正確に規定することは不可能である。
しかし、特定の身体の一部或いは器官と通信するよう配置された特定のアンテナを付けたユーザ即ち患者にとって、実際の血糖濃度に十分相関するようなスペクトラム範囲を特定することが、可能となる。
従って本発明の他の態様は、各患者に対するこのようなスペクトラムの場所を発見するプロセスであり、これを用いて、連続的且つ非侵襲性に、正確に糖分レベルを決定する手段として用いることである。
本発明の更なる態様は、更なる丈夫な血糖値測定手段を提供することである。
本発明の方法は、本発明のアンテナを具備した患者或いは被測定体からのデータ収集を必要とするが、実際の血糖のレベルを記録するのに十分長い期間、行われる。
このような装置を留置する最も単純なモードは、血糖値に基づいて患者に警告することである。これにより、患者が健康食を食べる或いはインシュリンを飲むことにより、糖分源を管理することにより、危険な血糖値の変動を制御できるようにする。
このような装置を留置する方法は、患者が血糖値のレベルをより狭い範囲に制御して、長期にわたり糖尿病の合併症を最小にする、例えば糖尿病による網膜症や感染のし易さを改善する。
血糖値の正確且つ連続的な測定ができることにより、人工膵臓内に組み込むことができる。人工膵臓とは、閉鎖フィードバックループで、糖分レベルに応じてインシュリンを連続的に提供するポンプである。この実施例を実験結果に基づいて以下説明する。
実験方法とその結果
図6−8のアンテナ支持モールドを用いて、VNAスペクトラムを、市販のデータ捕獲システムとプログラム(Lab View)を用いて、連続的に収集した。通常VNAスペクトラムは、1600個の測定ポイント(周波数)からなる。この測定ポイントは、1MHzから800MHzに線形に分布している。4個のポートモデルVNA(例えばAgillent Technologies, Santa Clara,CAから市販されている)が、16個のスペクトラムSi,j(i,j=1,..,4)を提供する。そのうち4個のスペクトラムSi,iは、反射パラメータに対応し、残りの12個のスペクトラムSi,jが伝送パラメータに対応する。Si,jは、Sj,iに、人体の組織のような往復媒体においては、等しい為に、10個のパラメータSi,j,i>=j 上部の三角マトリクスSi,jに対応する。
16個のVNAスペクトラムを獲得する時間は、約30秒である。伝送モードのVNAのSNRは、−120dBで、伝送モードの信号レベルは、−30dBから−70dBの間である。これは周波数に依存する。
サンプル時間τで連続モードで集められた各VNAスペクトラムSi,jは、N×Mのマトリクスに組み立てられる。
Figure 2012507382
ここでM=1600は、周波数ポイントの数であり、Nは収集されたスペクトラムの数である。
データの相互相関解析(Data cross-correlation analysis)
周波数ωkをSi,j(ωk,tn)で固定すると、時間関数fk(t)=S(ωk,t)が得られる。但し、i,jは省いている。そこで次の相関関数を考える。
Figure 2012507382
式2.1に続いてρ(k,l)はM×Mのマトリクスでρ(k,l)の値は−1と1の間の値である。
相関グラム解析(Correlelogram analysis)
次にサンプリング時間tk,k=1,2...,Kの同一セットで測定した目標関数g(t)(例えば糖濃度)を有すると仮定すると、このセットは、全ての時間tn’のサブセットである。n=1,2,...N
2つの関数であるg(t)とSi,j(ω,t)から相関の積ができる。
Figure 2012507382
相関積は、測定した反射係数Sijと伝搬係数Sijの、測定した血糖濃度の一部に対する相関関数である。他の分子の濃度を決める場合には、他の分子の濃度を用いる。関数γij(ω)は、データSij(ω,t)と目標関数との間のある周波数で類似性の程度を表す。定義式(2.1)が示すように、関数τijの絶対値は1以下である。
一連の値g(t)を用いて得られたこの相関積は、oral glucose tolerance test(OGTT)でも得ることができ、これは測定した反射係数或いは伝搬係数Sijが、実際の糖濃度と高い相関関係があるようなスペクトラム範囲を特定する。
図14は、相関積の関数γ24(ω)を表す。同図に於いて実線は、相関対周波数を表し、これはOGTTの間で得られた糖濃度の全ての値である。点線は、このデータの半分を用いて同一の計算を行った結果を示す。この実験に於いて、このデータは、OGTTにより誘導された糖分の上昇と降下の前に得たものである。糖分の広いピークを用いてOGTTからのこれ等のカーブを生成して、血糖レベルがより安定する前後の期間を予測することができる。式(2.1)から、Sijが周波数の平滑な関数の場合には、相関積関数γijも平滑な関数となる。上記の計算は、別の部分データの組を用いても実行できる。
上記の実験例によれば、関数γ24(ω)の挙動は、高周波範囲350MHzから800MHzでは比較的平坦であるが、低周波数範囲(200MHz以下)ではかなり大きい。「平坦」とは、δγij/δ(ω)が、10MHz−200MHzの範囲内のそれよりも、小さいことを意味する。この狭い周波数バンドが、アンテナの放射パターンに対応する。最も好ましいアンテナは、200MHzの周波数範囲以下に複数の共鳴領域を有する。その結果、例えば200MHz以上の応答は、比較的平坦である。
図15は、図8のアンテナに対するS12の好ましいスペクトラム応答を示す。これは、アンテナは、テスト目的の手のひらの周りで指のすぐ下に配置され、これは図7A、7Bに示したものと同じである。
関数γijの挙動が平滑な周波数範囲即ちQ−バンドを定義するのが好ましい。この周波数範囲は、関数γijの絶対値は、あるしきい値以上である。
これまでの実験は、同一サイズと同一パターンのアンテナを用いたが、アンテナを2本又は4本用いると、2つの同一のアンテナを2つの異なる対として配置できる。この場合、各アンテナ対の共鳴特性は異なる。本発明のこの態様の3つの実施例を図11−13に示す。これにより、有効な最適スペクトラル範囲の拡張が可能となり、例えば伝送特性が、比較的平坦で且つ十分高く、一方の対のアンテナは、第1スペクトル範囲に対し最適化される。第1のスペクトル範囲は、他のアンテナ対の最適スペクトル範囲の下に少なくともその一部がある。アンテナ対は、アンテナコイルのスペースを変えたり、ライン幅を同一にしたり或いは変えることにより、同一エリアを占有できる。このような場合、スペクトラム範囲を一部オーバーラップさせることが好ましい。このスペクトラム範囲で有効な情報が得られ、Q−バンドの選択或いは更なるクロス相関が可能となる。
異なる対のアンテナは、図7に示す配置以外に様々な方法で配置できる。例えばアンテナ支持モールド301の上半分のアンテナ111a,111bは、図11に示すように横方向に重ね合わせるが、PCB又は柔軟性のあるキャリアテープ801の一部の別の部分に、若干離して配置することもできる。この場合スペースは、テープ或いはPCBの厚さである。他の対アンテナ112a、112bについても同様である。斯くしてアンテナ対111a/112aのアンテナは、長くなり、短い或いは低い第1の共鳴周波数を有し、アンテナ対111b/112bのアンテナは、短くなり、長い或いは大きな第1共鳴周波数を有する。アンテナ対111a/112aとアンテナ対111b/112bのアンテナ対の間のスペースの差は、これは組織を通したものであるが、PCB又はキャリアテープ801の厚さの2倍である。
別の構成として、図12A、12Bに示すように、アンテナ対111a/112aとアンテナ対111b/112bは、サンプル即ち組織を通して同一のスペースを有するが、これは、PCB又はキャリアテープ801上に隣接してラッピングされた導電性トレースを配置することにより行われる。そして短いアンテナ111bは、第1のそして外部接点を有し、これはPCB又はキャリアテープ801を貫通する。図12Bでは、短いアンテナ111bは点線で示す。
図13に示す実施例において、アンテナ111aは、長いが、これは内側で短いアンテナ111bの一部を切替器1301で接続する。その結果、螺旋トレース内にある切替器1301を用いて、1個の螺旋トレースが完成する。
有効なスペクトル範囲を拡張することに加え、オーバーラップする複数のアンテナ対を有することは、各対に対し組織内で異なる貫通深さを提供し、皮膚の近くの組織の糖分と、遙かに深い静脈と動脈の組織との連続的な比較が可能となる。皮膚に近い組織内の糖分は、介在組織をより多く表すので、これは、患者或いはテスト媒体の糖分の傾向の予測を提供し、更に測定値のより高い精度が得られる。
斯くして信号伝搬パラメータSijの様々な組の獲得の後、校正プロセス全体は、マイクロプロセッサ等で完全に自動的に行われる。このプロセスは、データ即ちSi,j(ωm,tn)を獲得し、その後少なくとも2組のrijを、独立して測定された血糖の値の全部或いは一部を用いて下記の式によって計算する。更にこの2つの組の比較は自動プロセスで行われる。
Q−バンドの抽出。
血糖濃度lの最終予測式は、Sijパラメータのスペクトル応答の周波数インターバル即ちバンドを特定する必要がある。このモデル関数と測定した糖分の濃度とは十分相関がある。これは数式として、全ての周波数バンドωk,ωiのセットとして表すことができる。l≧k その結果不等式(2.3)は、Q−バンドと称する。
Figure 2012507382
ここでcはしきい値である。即ちQ−バンドの組は、rijの絶対値がしきい値c以上となるようωkからとωiの間のバンド幅から選択される。この相関しきい値cは、少なくとも0.75である。理想的にはこのQ−バンドは、オーバーラップしてはならない。斯くして各Q−バンド内では、Si,jと目標関数g(t)の相関は、しきい値以上である。図14は、3個のQ−バンドの例を示し、目標関数(部分糖分データ)とS24との相関が、0.75以上であり、これは点線の円1401で示す。
各Q−バンド(ωk,ωi)ijに対し、インデックスi,jは、Si,jのインデックスに対応する。インターバル(ωk,ωi)にわたってSi,j(ω,t)を平均化することにより、特徴関数を抽出できる。
Figure 2012507382
定義式(2.3)により、fkij(t)と目標関数g(t)の相関は、しきい値c未満とはならない。
斯くして、上記の式により、患者の血糖濃度(g(t))と極めて高い相関関係があるQ−バンドの組から、特徴関数を生成できるアルゴリズムが提供できる。
斯くして、二重のアンテナ装置である本発明の装置100を用いる好ましいモードは、最初のOGTTの間、各患者に対する前記の計算を実行するか、或いは実際の糖分濃度が極めて正確に独立した方法で測定できる時には、血糖濃度の大きな変動の間、スペクトラムデータを集める機会を与える診断プロセスを実行する。これにより所定のQ−バンドにおいて、Sijパラメータの候補の組を提供して、患者の血糖濃度を連続して計算する予測式を得る。このような組には、10個から30個のQ−バンドがある。約12人の患者の解析では、7個から10個のSijパラメータに対し、1個から4個のQ−バンドを特定する全体的な流れが解明された。
最終予測式は、式(2.5)の特徴関数から得られるが、これは、各特徴関数に対する様々な既知の回帰方法により行われる。特徴関数は、10−30個のQ−バンドの前の組の候補として選択されたQ−バンドパラメータの値を積分することにより、得られる。
Q−バンド周波数範囲にわたって、特定のSijパラメータに対応する特徴関数に対応する相関係数を比較することにより、最高の相関関係がある特徴関数のみを最終予測式として用いることができる。更に最終予測式で使用される特徴関数を抽出し選択するために、限られた組のSijパラメータを選択する更なる基準を用いるのが好ましい。これらの基準の中で、血糖が極めて安定な期間にわたり、Q−バンドの時間的安定性を比較するのが好ましい。この場合、Q−バンドを発見するのに用いられるバンド幅全体にわたってスキャンせずに、狭いQ−バンドのみを繰り返してスキャンしてもよい。このようなスキャンは30秒よりも速く、時間的安定性を比較し、S/N比を比較するために、必要により繰り返される。斯くして最終予測式を抽出するのに用いられるQ−バンドは、最高のS/N比を有するものに基づいて選択される。
外部の影響例えば温度とアンテナ支持モールド301の配置位置に対し感受性のないSij/Q−バンドのパラメータを選択するのが好ましい。温度との相関関係の展開は、十分な温度変動がある場合には、各Q−バンドに対し容易に実行できる。これは本発明の装置100が非接触型のIRサーモメータのサーモカップルを含む場合には、最初のデータ収集ステップの間或いはその後の何れかで行われる。
図17は、選択されたモデル回路パラメータの積分された強度の温度依存性の相関を示す。この積分は、温度には強い相関性があるが、血糖へは強い相関性が無い特定の狭い周波数範囲にわたって行われたものである。血糖測定をベースにした従来の誘電体分光法とは対照的に、本発明によれば、温度変動を実験的に修正する必要がある場合には、サンプルされた皮膚の深さの実際の温度を見積もる温度センサの必要はない。その理由は、測定システムそのものが、サンプルされる深さにある組織の実際の温度を測定する手段を提供するからである。斯くして、本発明の方法は、検査対象の温度変動やその環境変動に対する校正と修正を提供する手段を、改善することができる。
患者或いは検査対象にアンテナを取付ける位置に対する候補のQ−バンドの感受性に関しては、より再現性の高い結果は、候補のQ−バンドにわたってスペクトラムを繰り返し獲得し、その後Sij値の標準偏差を計算することである。Sij値は、低い標準偏差のQ−バンドを選択するために、Q−バンド幅にわたって集められたものである。
理想的には、全てのSijとそれに関連するバンド領域パラメータの限定的選択が行われ、回帰解析(regression analysis)が実行される。多変数回帰用に、様々な形態のChemometrics技術が複数のSijパラメータに対し実行される。これは、本発明の目的が診断ツールを提供すること、そして1個のSijパラメータが線形回帰により抽出されるからである。この1個のSijパラメータは、医療で重要な糖分の値(血糖値)によく合う。斯くして最も適切なQ−バンドを選択する別の基準は、回帰解析内の最低エラーに基づくことである。
図16のフローチャートは、上記の測定と校正ステップを要約したものであり、Q−バンド選択に対する別の基準を示す。
校正プロセスの別の態様は、最適のSijパラメータを選択することである。このSijパラメータは、病院等で或いは糖尿病患者が通常使用するような従来の方法で測定した血糖濃度と極めて相関性がある。
このような最適化の一部は、指をアンテナ支持モールド301内に出し入れするときに起きる最小ノイズとエラーに対し、特定のパラメータを頑強にすること、或いは複数のアンテナ対を、血糖を測定する指或いは手以外の体の他の部分上に配置し保持する構造体に頑強にすることである。
診療への試行が上記の技術を用いて行われた。この試行から得られた予測血糖のレベルは、図18,19のクラーク・グリットで比較された。患者/検査体の小さなサブセットで特定された最多のQ−バンドを、テーブル1と2に示す。テーブル1,2において第1カラムは、信号パラメータ(強度)を表す。これは、フェーズに対する「ph」のサブスクリプトで特別に示していない場合である。第2カラムは、このバンドに対するチャネル番号範囲を表す。第3カラムは、Q−バンドに対する等価周波数レンジ(単位MHz)である。第4カラムは実際の血糖の測定値との相関係数である。これはYSI方法で行われた。テーブル1は更に第5カラム−第7カラムまである。これらは、再配置エラーに対する標準偏差を示す。第5カラムは、温度に対する相関係数を示す。第7カラムは、Q−バンドのS/N比を表す。これは、信号振幅により割り算された再配置エラーのSTDとして計算されたものである。
テーブル1は、被検体がOGTTをし、高血糖状態になった時に行われたテスト結果である。糖分の濃度(血糖値)は100−350mg/dlである。テーブル2は、被検体が管理され低血糖状態になるようインシュリンのドーズ量を制限したものであり、血糖値は50−175mg/dlである。テーブル中の10個の最適のQ−バンドの予測結果を、線形回帰の後、平均化して上記の最終線形予測式を得て、これを回帰と予測の実線とYSIにより測定された血糖の測定値(破線)と比較して示す。

Figure 2012507382
テーブル1のQ−バンドからのデータの平均値を、図18Aの実際の糖分の濃度に対しプロットした。それに対応するクラークグリット(Clark grid)を、患者のグループに対し図18Bに示す。

Figure 2012507382
テーブル2のQ−バンドからのデータの平均値を、図19Aの実際の糖分の濃度に対しプロットした。それに対応するクラークグリット(Clark grid)を、患者のグループに対し図19Bに示す。
図20は、図16の校正ステップの後に、血糖を非侵襲性で且つ連続的にモニタする装置を用いるステップを表すフローチャート図である。
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。
11 手足又は指
100 本発明の装置
111,112 アンテナ
120 ベクトル。ネットワーク・アナライザ
155 温度計
130 コンピュータ
150 温度制御ボックス
160 リレー・ボックス
170 制御ボックス
301 アンテナ支持モールド
302 外部コネクタ
401 ケーブル
801 PCB又はキャリアテープ
図中の英文の翻訳
図16 予測と相関
アンテナ対を取り付ける
血糖値が変化する 血糖値の測定 温度測定 複数の誘電体スペクトラムを獲得する
様々な実濃度との相関積を計算する 測定された血糖値を用いて行う
相関積と実濃度とを比較する
最低基準にあうQ−バンドを特定する 平坦なアンテナ応答の所定のスペクトラム領域内 の最小バンド幅にわたり高い相関
Q−バンドを選択する 基準は、SNR、再配置誤差、温度安定性、
時間的安定性を含む
選択されたQ−バンドを用いて回帰解析を行う 拡散値を集める
最終Q−バンドを選択する 基準は、SNR、再配置誤差、温度安定性、
時間的安定性、相関の質を含む
予測式

図20 診療での予測使用
アンテナ対を取り付ける
温度測定、 以前に選択したQ−バンドに複数の誘電体スペクトラムを獲得する
Q−バンドの安定性を確認する 基準は、SNR、再配置誤差、温度安定性、
時間的安定性を含む
最終Q−バンドを選択する
予測式を用いて血糖値を計算する

Claims (20)

  1. 媒体中の分子種の濃度を決定する分子分光方法において、
    (a)一対のコイル状のアンテナを、誘電体分光測定の電極として用意するステップと、
    (b)前記一対のアンテナを、前記媒体を通して通信可能に配置するステップと、
    (c)前記一対のアンテナの少なくとも一方に、第1周波数でパワーを与えるステップと、
    (d)前記(c)ステップの間、前記第1周波数から第2周波数の範囲を走査するステップと、
    前記第1周波数と第2周波数の間の差が、第1周波数範囲を表し、
    (e)前記(d)ステップの間、前記一対のアンテナの少なくとも一方から信号を獲得するステップと、
    (f)前記(e)ステップの間、前記信号の値を、積分するステップと、
    前記積分は、前記第1周波数範囲の少なくとも一部で行われ、
    (g)前記積分された値から分子種の濃度を計算するステップと、
    を有する
    ことを特徴とする媒体中の分子種の濃度を決定する分子分光方法。
  2. 前記媒体は、生きた組織であり、
    前記アンテナは、200MHz幅の第2周波数範囲以下に第1共振点を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の分子分光方法。
  3. 前記アンテナは、200MHz幅の第2周波数範囲で前記媒体と相互作用し、
    前記第2周波数範囲の送信変動は、30db以下であり、伝送損失は、−50db以下であり、
    前記第1周波数範囲は、前記第2周波数範囲の少なくとも一部を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の分子分光方法。
  4. 前記媒体は、生きた組織であり、
    前記アンテナは、100MHz以下に第1共振点を有する
    ことを特徴とする請求項3記載の分子分光方法。
  5. 前記分子種は、糖分である
    ことを特徴とする請求項4記載の分子分光方法。
  6. 前記第2周波数範囲の伝送損失は、−30db以下である
    ことを特徴とする請求項5記載の分子分光方法。
  7. (a)一対のコイル状アンテナと、
    前記一対のアンテナの一方は、他のアンテナと通信状態に、生きた器官の一部を含む第1誘電体媒体を間にして配置され、
    (b)可変周波数パワー生成器と、
    前記パワー生成器は、前記一対のアンテナのそれぞれと通信状態にあり、
    (c)信号検出器と、
    前記信号検出器は、前記一対のアンテナのそれぞれと通信状態にあり、生成された周波数範囲で、前記各アンテナの送信信号と反射信号を収集し、
    (d)計算手段と、
    前記計算手段は、検出された信号から複数の信号伝搬定数を決定し、其処にある分子種の濃度を計算し、
    前記一対のアンテナは、100MHz以下に第1共振点を有し、
    前記分子種の濃度は、第1周波数から第2周波数の周波数範囲にわたって、前記複数の信号伝搬定数を積分することにより計算され、
    前記第2周波数は、1GHz以下である
    ことを特徴とするインビボの媒体中の分子の分光装置。
  8. 前記第1の対のアンテナは、測定対象器官の同一側で互いに隣接して配置される
    ことを特徴とする請求項7記載の分子分光装置。
  9. (e)包囲体を更に有し、
    前記包囲体は、生きた器官挟んで反対側にある一対のアンテナを、前記生きた器官の一部を収納するギャップの間に保持し、
    前記包囲体は、第1面と第2面とを対向して有し、
    前記第1面と第2面は、直交する、
    (a)前記一対のアンテナの内の第1アンテナ(111)は、第1共通面に配置されたコイル状導電体のパスを有し、前記包囲体によりサポートされ、
    前記第1共通面は、前記包囲体の第1面の背後に、第2誘電体媒体(802)中に入るよう、第1距離だけ離間して、配置され、
    (b)前記一対のアンテナの内の第2アンテナ(112)は、第2共通面に配置されたコイル状導電体のパスを有し、前記包囲体によりサポートされ、
    前記第2共通面は、前記包囲体の第2面の背後に、第2誘電体媒体(802)中に入るよう、第2距離だけ離間して、配置され、
    ことを特徴とする請求項7記載の分子分光装置。
  10. (f)第2のアンテナ対を更に有し、
    前記第2のアンテナ対は、他のアンテナ対と信号通信状態に第1誘電体を介して配置され、
    前記第1誘電体は、生きた組織を含み、
    (g)可変周波数パワー生成機を更に有し、
    前記可変周波数パワー生成機は、前記各アンテナ対を信号通信可能状態にある
    ことを特徴とする請求項7記載の分子分光装置。
  11. 前記第1と第2のアンテナの対は、隣接して配置される
    ことを特徴とする請求項10記載の分子分光装置。
  12. 前記第1と第2のアンテナの対は、異なる第1共振周波数を有する
    ことを特徴とする請求項10記載の分子分光装置。
  13. 前記第1と第2のアンテナの対は、生きた器官のオーバーラップする部分をサンプルする為に、オーバーラップする
    ことを特徴とする請求項10記載の分子分光装置。
  14. 前記第1と第2のアンテナの対の一方の対は、他方の対の中にコイル状に巻かれ、同一面内に配置される
    ことを特徴とする請求項10記載の分子分光装置。
  15. 前記第2の誘電体媒体(802)は、300μm−5mmの間の厚さを有する
    ことを特徴とする請求項10記載の分子分光装置。
  16. (a)サンプル媒体を用意するステップと、
    前記サンプル媒体を介して、分子種の複数の濃度は、既知であるか又は分子分光プロセスの手段で決定でき、
    (b)一対のコイル状のアンテナを、誘電体分光測定の電極として用意するステップと、
    (c)前記一対のアンテナを、前記サンプル媒体を通して通信可能に配置するステップと、
    (d)前記一対のアンテナの少なくとも一方に、第1周波数でパワーを与えるステップと、
    (e)前記(d)ステップの間、前記第1周波数から第2周波数の範囲を走査するステップと、
    前記第1周波数と第2周波数の間の差が、第1周波数範囲を表し、
    (f)前記(e)ステップを複数回繰り返すステップと、
    各ステップ(f)は、既知又は分子分光法により決定された分子種の濃度をに対応し、
    (g)前記(f)ステップの間、前記一対のアンテナの一方から、信号を獲得するステップと、
    このステップにより、複数の信号伝搬パラメータの値を決定し、
    (h)前記信号伝搬パラメータと、既知または決定された分子種の濃度の第1サブセットとの第1相関積を計算するステップと、
    (i)前記信号伝搬パラメータと、既知または決定された分子種の濃度の第2サブセットとの第2相関積を計算するステップと、
    前記第2サブセットは、第1サブセットより大きく
    (j)前記第1相関積と第2相関積とを、第1周波数範囲にわたって比較するステップと、
    (k)前記第1周波数範囲内に選択領域を有する信号伝搬パラメータを特定するステップと、
    前記相関積の絶対値は、50MHzの幅を有する連続する第2周波数範囲にわたって、0.75以上である
    (l)前記(k)ステップで特定された信号伝搬パラメータの積分値を、Q−バンドパラメータを提供する連続する第2周波数にわたって、計算するステップと、
    (m)Q−バンドパラメータと既知または決定された分子種の濃度との相関を計算するステップと、
    このステップにより、校正式を与える
    を有する
    ことを特徴とする媒体中の分子種の濃度を決定する分子分光装置を構成する方法。
  17. (n)前記(f)ステップの間、前記媒体の温度を測定するステップと、
    これにより、複数の信号伝搬パラメータの値を決定する
    ことを特徴とする請求項16記載の方法。
  18. (o)複数のQ−バンドパラメータを獲得するステップと、
    (p)前記Q−バンドパラメータを、(i)−(v)の内の少なくとも1つで特徴付けるステップと、
    (i) S/N比
    (ii) 再配置エラー
    (iii) 温度安定性
    (iv) 時間安定性
    (v) 分子種の既知または決定された濃度の相関の質
    (q)前記複数の特徴付けられたQ−バンドパラメータから、前記のステップ(p)に基づいて、小さなサブセットを選択するステップと、
    前記(m)ステップは、前記小さい方のサブセットから選択されたQ−バンドパラメータを用いる
    ことを特徴とする請求項16記載の方法。
  19. 前記媒体は、流体と生きた組織の少なくとも一方であり、
    前記分子種は、糖である
    ことを特徴とする請求項16記載の方法。
  20. 前記(a)ステップは、複数の異なる濃度の複数の分子種を提供するステップを含み、
    前記(l)ステップは、複数のQ−バンドパラメータを提供し、前記各Q−バンドパラメータは異なる分子種と相関付けられる
    ことを特徴とする請求項15記載の方法。
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