JP2012506711A - マイクロアレイアッセイにおける二次捕捉の抑制 - Google Patents

マイクロアレイアッセイにおける二次捕捉の抑制 Download PDF

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Abstract

本発明は、標的配列の富化のための組成物、方法およびシステムを提供する。本発明は、特に、マイクロアレイアッセイのハイブリダイゼーション中に、非標的核酸配列の二次捕捉を抑制することにより、標的核酸配列の富化を提供する。

Description

発明の分野
本発明は、標的化される配列の富化のための組成物、方法およびシステムを提供する。特に、本発明は、非標的核酸配列の二次捕捉を抑制することによる、マイクロアレイアッセイにおけるハイブリダイゼーション中での、標的化される核酸配列の富化を提供する。
発明の背景
核酸マイクロアレイ技術の出現により、非常に小さい面積内に、例えば、顕微鏡スライド上に数百万の核酸配列のアレイを構築することが可能になった(例えば、米国特許第6,375,903号および同第5,143,854号)。最初、かかるアレイは、予め合成されたDNA配列をスライド上にスポットすることにより作製された。しかしながら、米国特許第6,375,903号に記載のマスクレスアレイ合成装置(MAS)の構築により、現在、スライド自体で直接、オリゴヌクレオチド配列のインサイチュ合成が可能になっている。
MAS装置を使用すると、マイクロアレイ上に構築されるオリゴヌクレオチド配列の選択は、ソフトウェアの制御下になり、そのため、現在では、研究者の特定のニーズに基づいて個々にカスタマイズされたアレイを作製することが可能になっている。一般に、MAS系オリゴヌクレオチドマイクロアレイ合成技術により、標準的な顕微鏡スライドの非常に小さい面積内に数百万の特有のオリゴヌクレオチド特徴の並行合成が可能になる。参照配列が公のデータベースに寄託されている数百種類の生物の全ゲノムの入手可能性により、マイクロアレイは、無数の生物から単離される核酸の配列解析を行なうために使用されている。
核酸マイクロアレイ技術は、例えば、遺伝子発現および発見、変異検出、対立遺伝子および進化的配列比較、ゲノムマッピング、創薬などの研究および診断の多くの分野に適用されている。多くの適用では、ヒトゲノム全体におけるヒト疾患の原因である遺伝子バリアントおよび変異のための研究が必要とされている。複雑な疾患の場合、これらの研究により、一般に、疾患および/または疾患リスクに関連する単一ヌクレオチド多型(SNP)またはSNPの組が得られる。罹患個体または組織試料由来の通常100キロベース(Kb)より大きいゲノムDNAの大きな領域の再配列決定には、単一の塩基変化を見い出すこと、または全配列バリアントを同定することが必要とされるため、かかるSNPの同定は、根気がいり、多くの場合、実りのない作業であることが示された。他の適用は、リンパ腫(Martinez-Climent JA et al.,2003、Blood 101:3109-3117)、胃癌(Weiss MM et al.,2004、Cell. Oncol. 26:307-317)、乳癌(Callagy G et al.,2005、J. Path. 205:388-396)および前立腺癌(Paris、PL et al.,2004、Hum. Mol. Gen. 13:1303-1313)などの癌とも関連しているかもしれない染色体配列の増加および減少の確認を伴う。そのため、マイクロアレイ技術は、科学研究者および医師が、疾患および疾患の処置の治療計画の有効性を理解するのに非常に有用なツールである。
ゲノムは、典型的に、複雑すぎて全体として試験することはできず、ゲノムの複雑さを低減させる技術を使用しなければならない。この問題に対処するため、解決法の1つは、米国特許6,013,440に見られるように、特定の型の大量の配列をDNA試料から減らすことである。代替法では、例えば、Albert et al.(2007、Nat. Meth.,4:903-5)、Okou et al.(2007、Nat. Meth. 4:907-9)、Olson M.(2007、Nat. Meth. 4:891-892)、Hodges et al.(2007、Nat. Genet. 39:1522-1527)に記載、ならびに米国特許出願第11/638,004号、同第11/970,949号、および同第61/032,594号に見られるような、ゲノム配列の富化のための方法および組成物が使用される。Albert et al.には、さらなる処理および解析を可能にする、ユーザーが規定する様式でのゲノム試料の複雑さの有効な低減における、費用効果が高く、かつ迅速な代替法が開示されている。また、Lovett et al.(1991、Proc. Natl. Acad. Sci. 88:9628-9632)には、細菌人工染色体を用いたゲノム選択のための方法が記載されている。標的配列の富化の後、配列決定を行なうことによるゲノムの複雑さの低減は、ハイブリダイゼーション事象単独を測定するよりもかなり優れている。ハイブリダイゼーション事象はマイクロアレイ内の任意の種;標的配列および同様に非標的配列の両方のハイブリダイゼーションを可能にする。複雑さ低減および配列の富化を行なうことにより、研究者は、捕捉されるオンターゲット配列(例えば、アッセイの焦点である配列)を増加させ、捕捉される非標的配列(例えば、アッセイの焦点でないもの)の量を減少させる。
しかしながら、任意のマイクロアレイアッセイに伴う問題は、二次捕捉として知られる、アレイ上の標的核酸のハイブリダイゼーション中での非標的核酸配列の反復性核酸配列の交差捕捉の事象である。二次捕捉により、複雑さ低減および他のマイクロアレイアッセイの効率が低下し、事実上、潜在的に、所望の標的捕捉よりも非標的捕捉の方が圧倒的に多くなり、標的捕捉効率の低下がもたらされる。
そのため、必要とされているものは、マイクロアレイアッセイ中に生じる二次捕捉反応を抑制し、それにより、研究目的のための標的核酸捕捉の効率を上げるための方法である。
発明の概要
マイクロアレイ形式での二次捕捉反応では、標的核酸の捕捉において効率の低下がもたらされる。この効率の低下はマイクロアレイアッセイにより生じるオンターゲット読取の存在下で見られ、そのため、二次捕が抑制されていない場合は、捕捉される非標的核酸の量が増加し、標的核酸が減少する。本発明は、マイクロアレイアッセイにおける二次捕捉を抑制するための方法、システムおよび組成物として要約される。本発明の特定の例示的な態様を以下に記載する。本発明はこれらの態様に限定されない。
本発明のある態様は、試料を、プローブまたはプローブ由来アンプリコンに、固相支持体上で、または溶液中でハイブリダイズさせることにより、例えばゲノム試料由来の標的核酸配列を捕捉するための固定化核酸プローブを含む。本明細書に記載のハイブリダイゼーション反応は、マイクロアレイアッセイにおける反応への種特異的ブロックDNAの添加を含む。種特異的ブロックDNAは、例えば、ヒト特異的マイクロアレイハイブリダイゼーション中でのヒト標的核酸を有するヒトC0t-1 DNAの組込み、マウス特異的マイクロアレイハイブリダイゼーション中でのマウス標的核酸を有するマウスC0t-1 DNAの組込み、およびトウモロコシ特異的マイクロアレイハイブリダイゼーション中でのトウモロコシ標的核酸を有するトウモロコシC0t-1 DNAの組込みを含む。
本発明のさらなる態様は、試料を、プローブまたはプローブ由来アンプリコンに、固相支持体上で、または溶液中でハイブリダイズさせることにより、例えばゲノム試料由来の標的核酸配列を捕捉するための固定化核酸プローブを含み、ここで、標的核酸は、アダプターリンカーにより断片化核酸試料の5’および3’末端の一方または両方に付加されており、アダプターリンカーは、ライゲーション媒介性ポリメラーゼ連鎖反応(LM-PCR)方法および配列決定適用に有用である。本明細書に記載のハイブリダイゼーション反応は、上述の種特異的ブロックDNAの添加および/またはマイクロアレイ上でのハイブリダイゼーション反応への合成ハイブリダイゼーションブロックオリゴヌクレオチドの組込みを含む。種特異的ブロックDNAは上述した。ハイブリダイゼーションブロックオリゴヌクレオチドは、例えばアダプター媒介性二次捕捉による二次捕捉をブロックするためにマイクロアレイハイブリダイゼーションに組み込まれる。
本発明によって提供される複雑さ低減アッセイにおける種特異的ブロックDNAおよび/またはハイブリダイゼーションブロックオリゴヌクレオチドの組込みにより二次捕捉が抑制され、それにより、ハイブリダイゼーション中に非種特異的ブロックDNAを使用する場合と比べて、ハイブリダイゼーション中に捕捉される標的核酸配列(例えば、所望の標的配列)の量が増加する。捕捉された標的核酸は、好ましくは洗浄してプローブを溶出除去する。いくつかの態様において、本発明は、溶液系形式で標的化される配列の富化および非標的化される配列の二次捕捉の抑制を提供する。本発明はマイクロアレイ基材に限定されないことが企図される。マイクロアレイ基材としては、限定されないが、スライド、チップ、ビーズ、溶液系、チューブ、カラム、ウェル、プレートなどが挙げられる。
ゲノム試料は、本明細書において説明目的で使用されるが、本発明は、起源とは無関係の任意の核酸標的に関する二次非標的捕捉の抑制を提供するため、他の非ゲノム試料も同じ手順に供され得ることは理解されよう。本発明によって提供される標的富化の効率の増大は、研究者に、一例を挙げると、癌などの疾患および疾患状態(Durkin et al.,2008、Proc. Natl. Acad. Sci. 105:246-251;Natrajan et al.,2007、Genes、Chr. And Cancer 46:607-615;Kim et al.,2006、Cell 125:1269-1281;Stallings et al.,2006 Can.Res. 66:3673-3680)、遺伝障害(Balciuniene et al.,Am. J. Hum. Genet. In press)、精神疾患(Walsh et al.,2008、Science 320:539-543;Roohi et al.,2008、J. Med. Genet. Epub 18 March 2008;Sharp et al.,2008、Nat. Genet. 40:322-328;Kumar et al.,2008、Hum. Mol. Genet. 17:628-638)ならびに進化的および基礎的研究(Lee et al.,2008、Hum. Mol. Gen. 17:1127-1136;Jones et al.,2007、BMC Genomics 8:402;Egan et al.,2007、Nat. Genet. 39:1384-1389;Levy et al.,2007、PLoS Biol. 5:e254;Ballif et al.,2007、Nat. Genet. 39 :1071-1073;Scherer et al.,2007、Nat. Genet. S7-S15;Feuk et al.,2006、Nat. Rev. Genet. 7:85-97)に関連する研究および治療における使用のための優れたツールをもたらす。
本発明は、前記集団の断片化変性核酸分子を、固相支持体上に結合された同じもしくは多数の異なるオリゴヌクレオチドプローブに、ハイブリダイズ条件下で曝露し、前記プローブに特異的にハイブリダイズする核酸分子を捕捉する工程、または前記集団の断片化変性核酸分子を、同じもしくは多数の異なるオリゴヌクレオチドプローブに、ハイブリダイズ条件下で曝露した後、ハイブリダイズされた分子の複合体を固相支持体に結合させ、前記プローブに特異的にハイブリダイズする核酸分子を捕捉する工程、ここで、両方の場合において、前記断片化変性核酸分子は、約100〜約1000ヌクレオチド残基、好ましくは約250〜約800ヌクレオチド残基、最も好ましくは約400〜約600ヌクレオチド残基の平均サイズを有する、未結合および非特異的にハイブリダイズされた核酸を、捕捉された分子から分離する工程、捕捉された分子を溶出する工程、ならびに任意に、溶出された捕捉された分子を用いた少なくとも1回のさらなるサイクルについて前述のプロセスを繰り返す工程および/または富化された標的核酸を配列決定する工程を含む、複数の核酸分子の単離および遺伝的複雑さの低減方法を提供する。
いくつかの態様において、標的核酸分子は、動物、植物または微生物から選択される。限られた核酸試料しか入手可能でない場合は、本発明の方法の実施前に、核酸を例えば全ゲノム増幅によって増幅してもよい。例えば、科学捜査(例えば、遺伝的同定目的のための法医学において)、本発明の方法(1つまたは複数)を行なうために事前の増幅が必要であり得る。
いくつかの態様において、標的核酸分子の集団は、ゲノムDNA分子の集団である。かかる態様において、プローブは、例えば、複数の遺伝子座に由来する1つもしくは複数のエキソン、イントロンまたは調節配列を規定する1つまたは複数の配列、あるいは少なくとも1つの単一遺伝子座の完全配列を規定する複数のプローブ(前記座は少なくとも100kb、好ましくは少なくとも1Mb、または上記規定のサイズの少なくとも1つのサイズを有する)、単一ヌクレオチド多型(SNP)を規定する1つもしくは複数のプローブ、またはアレイ、例えば、少なくとも1つの完全染色体の完全配列を捕捉するために設計されたタイリングアレイを規定する複数のプローブから選択される。
いくつかの態様において、本発明は、アダプター分子を、断片化核酸試料をハイブリダイゼーション用プローブに曝露する前または後に、核酸分子の一方または両方、好ましくは両方の末端にライゲートする工程を含む。いくつかの態様において、本発明の方法は、さらに、少なくとも1種類のプライマーによる標的核酸分子の増幅を含み、前記プライマーは、前記アダプター分子(1種類または複数種)の配列に特異的にハイブリダイズする配列を含む。いくつかの態様において、アダプター分子は自己相補的、非相補的であるか、またはY-アダプター(例えば、アニーリングしたら、相補末端および非相補末端を含み、その相補末端が断片化核酸試料にアニーリングするオリゴヌクレオチド)である。いくつかの態様において、増幅標的核酸配列は配列決定され、再配列決定またはSNP-コーリングアレイにハイブリダイズされ得、配列または遺伝子型がさらに解析され得る。
いくつかの態様において、本発明は、エキソンまたはバリアント、好ましくはSNP部位などのゲノム試料中の標的核酸配列の複雑さの低減方法を提供する。これは、複雑なゲノム試料中に含まれる相補標的核酸配列を捕捉するための、ゲノムの領域に特異的な1種類以上のゲノムプローブを合成することによりなされ得る。該富化方法は、種特異的ブロックDNAおよびハイブリダイゼーションブロックオリゴヌクレオチドの一方または両方を含めることを含む。
いくつかの態様において、本発明は、さらに、特に、配列決定反応を行なうことによる富化および溶出された標的分子の核酸配列の決定を含む。
いくつかの態様において、本発明は、本発明による方法を行なうための組成物および試薬を含むキットに関する。かかるキットは、限定されないが、二本鎖アダプター分子、任意の特定のマイクロアレイ適用(例えば、比較用ゲノムハイブリダイゼーション、発現、クロマチン免疫沈降、比較用ゲノム配列決定など)のための複数のハイブリダイゼーションプローブを含む固相支持体、ならびに種特異的ブロックDNAおよびハイブリダイゼーションブロックオリゴヌクレオチドの1種類以上を含み得る。いくつかの態様において、キットは、2種類の異なる二本鎖アダプター分子を含む。キットは、さらに、DNAポリメラーゼ、T4ポリヌクレオチドキナーゼ、T4 DNAリガーゼ、ハイブリダイゼーション溶液(1種類もしくは複数種)、洗浄溶液(1種類もしくは複数種)、および/または溶出溶液(1種類もしくは複数種)から選択される少なくとも1つ以上の他の成分を含み得る。
図1は2つの異なる型の二次捕捉を例示する。 図2は、ヒト標的DNAでのマイクロアレイにおける異なる型のブロックDNAの効果の例示である。ヒトはヒトC0t-1を表し、サケはサケ精子DNAを表し、マウスはマウスC0t-1を表し、なしはブロックDNAなし(陰性対照)である。 図3は、マイクロアレイ捕捉実験において種特異的ブロックDNAを使用することの重要性を例示する。 図4は、標的化される試料核酸の配列捕捉を行なう方法の一例の例示的なワークフローを示す。この例示的なワークフローでは、DNA試料が断片化され、例えば、DNAライブラリーを作製するためのキットを用いてアダプター(例えば、リンカー)が断片化DNAの両端に付加される。単鎖鋳型は、断片化DNAの両端に付加されたリンカーを用いて、例えば、ライゲーション媒介性ポリメラーゼ連鎖反応法(LM-PCR)によって増幅される。試料は変性させ、マイクロアレイ基材ハイブリダイズさせ、洗浄され、溶出される。溶出された試料は、アダプター配列を用いて増幅され、続いて配列決定される。 図5は、アダプターを標的核酸にライゲートしたときのアダプター媒介性二次ハイブリダイゼーションをブロックするために、マイクロアレイ捕捉アッセイにおけるハイブリダイゼーションブロックオリゴヌクレオチドを使用することの重要性を例示する。
定義
本明細書で使用するように、用語「試料」は、その最も広い意味において使用される。ある意味では、任意の供給源、優先的には真核生物または原核生物の両方の生物学的供給源から得た被検物または培養物を包含することが意図される。生物学的試料は、動物(ヒトを含む)から得られ得、液体、固体および組織を包含する。生物学的試料としては、血漿、血清などの血液生成物が挙げられる。非ヒト動物由来の試料としては、限定されないが、齧歯類、非ヒト霊長類、ヒツジ、ウシ、反芻動物、ウサギ、ブタ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、トリ(ave)などの脊椎動物に由来する生物学的試料が挙げられる。さらに、本明細書において使用される試料としては、植物由来の生物学的試料、例えば、植物界(例えば、単子葉植物、双子葉植物など)に見られる任意の生物に由来する試料が挙げられる。また、試料は真菌、藻類、細菌などに由来するものであり得る。本発明は試料の起源に限定されないことが企図される。本明細書において使用される試料は、典型的に、任意の供給源の核酸(例えば、DNA、RNA、cDNA、mRNA、tRNA、miRNAなど)を含む「核酸の試料」または「核酸試料」、または「標的核酸試料」、または「標的試料」である。そのため、本発明の方法およびシステムに使用される核酸試料は、真核生物または原核生物いずれかの任意の生物由来の核酸試料である。
本明細書で使用するように、用語「標的核酸分子」および「標的核酸配列」は互換的に使用され、試験対象の標的ゲノム領域由来の分子または配列をいう。予め選択したプローブにより、標的化される核酸分子の範囲が決定される。したがって、「標的」は、他の核酸配列から選別されようとするものである。「セグメント」は、核酸配列の「断片」または「一部」の場合と同様、標的配列内の核酸領域と定義する。そのため、「オンターゲット読取」は配列決定され、研究者が所望する配列であることがわかった標的核酸の割合または数である。
本明細書で使用するように、用語「単離する」は、「核酸を単離する」など核酸に関して使用される場合、同定され、天然供給源中では通常会合している少なくとも1つの成分または夾雑物から分離された核酸配列をいう。単離された核酸は、天然に見られるものとは異なる形態または状況である。対照的に、非単離核酸は、天然に存在する状態で見られるDNAおよびRNAなどの核酸である(as)。単離された核酸、オリゴヌクレオチド、またはポリヌクレオチドは、単鎖または二本鎖形態で存在し得る。
本明細書で使用するように、用語「オリゴヌクレオチド」は、長さの短い単鎖ポリヌクレオチド鎖をいう。オリゴヌクレオチドは、典型的に200残基長未満(例えば、15〜100)であるが、本明細書において使用されるように、該用語はまた、より長いポリヌクレオチド鎖を包含することを意図する。オリゴヌクレオチドは、しばしば、その長さで呼ばれる。例えば、24残基オリゴヌクレオチドは「24量体」と呼ばれる。オリゴヌクレオチドは、自己ハイブリダイズまたは他のポリヌクレオチドへのハイブリダイズによって、二次および三次構造を形成し得る。かかる構造としては、限定されないが、二本鎖、ヘアピン、十字形、湾曲および三重が挙げられ得る。
本明細書で使用するように、用語「ハイブリダイゼーション」は、相補的核酸の対形成に関して使用される。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションの強度(例えば、核酸間の会合の強度)は、核酸間の相補性の程度、関与する条件のストリンジェンシー、形成されたハイブリッドの融点(Tm)、および核酸のG:C比などの因子によって影響される。本発明は、特定の組のハイブリダイゼーション条件に限定されないが、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件が好ましく使用される。ストリンジェントハイブリダイゼーション条件は配列依存性であり、環境パラメータ(例えば、塩濃度、有機物の存在など)が異なると異なる。一般的に、「ストリンジェント」条件は、規定のイオン強度およびpHにおいて具体的な核酸配列のTmよりも約50℃〜約20℃低くなるように選択される。好ましくは、ストリンジェント条件は、相補的核酸に結合される具体的な核酸の熱融点よりも約5℃〜10℃低い。Tmは、核酸(例えば、標的核酸)の50%が完全に適合しているプローブにハイブリダイズする温度(規定のイオン強度およびpH下)である。
「ストリンジェント条件」または「高ストリンジェンシー条件」は、例えば、42℃で0.2%SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)中55℃の50%ホルムアミドでの洗浄を伴う、50%ホルムアミド、5x SSC(0.75M NaCl、0.075M クエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5x デンハルト液、超音波処理サケ精子DNA(50mg/ml)、0.1%SDS、および10%硫酸デキストラン中42℃でのハイブリダイゼーション後、EDTA含有0.lx SSCでの55℃での洗浄であり得る。一例として、限定されないが、35%ホルムアミド、5x SSC、および0.1%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含有するバッファーが、45℃で適度な非ストリンジェント条件での16〜72時間のハイブリダイズに適当であることが企図される。
さらに、ホルムアミド濃度は、プローブ長さおよび所望のストリンジェンシーレベルに応じて20〜45%の範囲に適切に調整されることが構想される。ハイブリダイゼーション条件のさらなる例は、いくつかの情報源、例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Sambrook et al.編,Cold Spring Harbour Press(参照によりその全体が本明細書に援用される)に提供されている。
同様に、「ストリンジェント」洗浄条件は、通常、プローブ、または本発明では、プローブ由来アンプリコンへの標的のハイブリダイゼーションに対して経験的に決定される。アンプリコン/標的はハイブリダイズされ(例えば、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下)、次いで、連続的に濃度を下げた塩、または濃度を上げた界面活性剤を含有するバッファーで、または温度を上げながら、非特異的ハイブリダイゼーションに対する特異的ハイブリダイゼーションの信号雑音比が、特異的ハイブリダイゼーションの検出が容易になるのに充分高くなるまで洗浄される。ストリンジェント温度条件は、通常、約30℃より高い、より通常には約37℃より高い、場合によっては約45℃より高い温度を含む。ストリンジェント塩条件は、通常、約1000mM未満、通常、約500mM未満、より通常には、約150mM未満である(Wetmur et al.,1966、J. Mol. Biol.,31:349-370;Wetmur、1991、Critical Reviews in Biochemistry and Molecular Biology、26:227-259、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
本明細書で使用するように、用語「プライマー」は、精製制限消化物の場合のように天然であれ、合成により作製されたものであれ、核酸鎖に相補的なプライマー伸長産物の合成が誘導される条件下(例えば、ヌクレオチドおよびDNAポリメラーゼなどの誘導剤の存在下、ならびに適当な温度およびpH下)に置いた場合、合成の開始点として作用し得るオリゴヌクレオチドをいう。プライマーは、好ましくは、増幅における最大効率のために単鎖である。好ましくは、プライマーはオリゴデオキシリボヌクレオチドである。プライマーは、誘導剤の存在下で伸長産物の合成を開始させるのに充分に長くなければならない。プライマーの厳密な長さは、多くの因子、例えば、温度、プライマーの供給源および該方法の使用に依存する。
本明細書で使用するように、用語「プローブ」は、精製制限消化物の場合のように天然であれ、合成により組換えまたはPCR増幅によって作製されたものであれ、目的の別のオリゴヌクレオチド、例えば、標的核酸配列の少なくとも一部分にハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチド(例えば、ヌクレオチドの配列)をいう。プローブは単鎖であっても二本鎖であってもよい。プローブは、特定の遺伝子配列の検出、同定および単離に有用である。本明細書において使用されるプローブは、典型的に、マイクロアレイ基材に、MASを使用するインサイチュ合成、または当業者に知られた任意の他の方法のいずれかによって付加され、標的核酸にハイブリダイズする。
本明細書で使用するように、用語「アダプター(adapter/adaptor)」は、試料DNA分子の一端または両端に付加される規定(または既知)配列の二本鎖オリゴヌクレオチドである。試料DNA分子は、その付加前に断片化されてもされなくてもよい。アダプターが試料DNA分子の両端に付加される場合、アダプターは同じであっても(すなわち、両端において相同配列)異なっていてもよい(すなわち、各末端において非相同配列)。ライゲーション媒介性ポリメラーゼ連鎖反応(LM-PCR)の目的のため、用語「アダプター」および「リンカー」は互換的に使用される。2つの鎖のアダプターは、自己相補的、非相補的または一部相補的(例えば、Y形状)であり得る。アダプターは、典型的に12ヌクレオチド残基〜100ヌクレオチド残基、好ましくは18ヌクレオチド残基〜100ヌクレオチド残基、最も好ましくは20〜44ヌクレオチド残基の範囲である。
値の範囲が示されている場合、本文中にそうでないことが明白に示されていない限り、該範囲の上限と下限の間の下限の単位の10分の1まで各中間値もまた具体的に開示されていると理解されたい。記載の範囲の任意の記載の値または中間値と、該記載の範囲の任意の他の記載の値または中間値との間の各小範囲が本発明に包含される。これらの小範囲の上限および下限は、該範囲において独立して包含または除外され、また、各範囲は、該小範囲に両限界値のいずれかが含まれる場合、どちらも含まれない場合、またはどちらも含まれる場合いずれも、本発明に包含され、記載の範囲内の任意の具体的に除外された限界値に供される。
記載の範囲が両限界値の一方または両方を含む場合、両限界値に含まれるもののいずれかまたは両方を除外する範囲もまた本発明に含まれる。
発明の詳細な説明
マイクロアレイアッセイにおける二次捕捉は、マイクロアレイプローブ捕捉設計において提示されない配列(例えば、Alu、THE-1、LINE-1反復部など)のハイブリダイゼーション系相互作用を含む(図1)。二次捕捉の型の一例は、例えば、非ハイブリダイズ試料DNAとプローブにハイブリダイズされた標的DNA間でみられる(「配列媒介性二次捕捉」)。別の型の二次捕捉は、標的DNAに付加されたアダプターまたはリンカー配列間のハイブリダイゼーションである(「アダプター媒介性二次捕捉」)。アダプター媒介性二次捕捉は、例えば、アダプターおよびその相補的配列がマイクロアレイアッセイ中にハイブリダイズする場合に起こる。例えば、二次捕捉において、プローブは、その標的に特異的にハイブリダイズするが、該標的は、非シスコピーにもハイブリダイズするいくつかの非プローブ配列(例えば、Alu、THE-1、LINE-1反復部など)を有する。二次捕捉の結果の1つは、標的試料(例えば、非標的配列)内の反復エレメントの特定のサブセットの富化であり、標的領域の全体的な富化は不充分になる。本質的に、マイクロアレイ上での捕捉によって富化される所望の標的配列よりも不要な型の局所配列反復部の同時富化が圧倒的に多くなる。
本明細書に記載のように、本発明の方法、システムおよび組成物は、マイクロアレイアッセイにおける二次捕捉の抑制、それによる標的配列の捕捉の増大を提供する。本発明の特定の例示的な態様を以下に記載する。本発明は、これらの態様に限定されない。
二次捕捉をブロックするための競合的または抑制的ハイブリダイゼーションは、複雑なDNAを用いた場合に得られ得る潜在的に強力な反復性DNAシグナルの捕捉のブロックを伴う。例えば、該DNAは、変性され、溶液中での全ゲノムDNAの存在下、または好ましくは高度に反復性のDNA配列を富化した画分の存在下で再度アニーリングが可能になる。いずれの場合も、標的DNA内の高度に反復性のDNAは、プローブ内の該反復性エレメントよりも大過剰に存在する(アレイは、たいてい、反復部ができるだけ少ないように作製されるため)。その結果、かかる配列は、標的内の反復性配列の相補的鎖と容易に会合し、同じ型の反復部の大過剰の外因性コピーが加わり、 それによりその標的配列へのハイブリダイゼーションを有効にブロックする。そのため、ハイブリダイゼーション反応中にはブロック剤が使用される。
ハイブリダイゼーション中に全ゲノムDNAをブロック剤として使用する代わりに、Alu、LINE-1およびTHE-1反復部などの高度に反復性のDNA配列を富化した全ゲノムDNAの一画分を使用することがより有効である。複雑なヒトDNAおよび他の複雑なゲノムでは、後者は、通常、C0t-1 DNA(例えば、再生時間のDNA濃度依存性係数は1.0)として知られるDNAの画分の調製を伴う。C0t-1 DNAは市販されており、または確立された技術を用いて調製してもよい(Human Molecular Genetics 2、Strachan and Read編、John Wiley & Sons,Inc.参照)。トウモロコシC0t-1 DNAは本明細書に記載のようにして調製した。
実験中、標的富化実験でC0t-1 DNAを使用すると、オンターゲット配列決定結果が改善されることが観察された。しかしながら、驚くべきことに、標的種へのC0t-1 DNAのマッチングにより最適捕捉能が得られることが観察された。さらに、アダプターをライゲートした標的核酸を使用し、標的配列に相補的なオリゴヌクレオチド配列を、マイクロアレイ(micorarray)上でのハイブリダイゼーション反応にさらに添加すると、オンターゲット捕捉に関してさらなる改善が見られることが測定された。本発明は特定の機構に限定されない。実際、該機構の理解は本発明の実施に必要ない。そうはいうものの、この効果は、マイクロアレイの非特異的結合能力の抑制によって媒介されるのではなく、むしろ、試料DNA中のC0t-1 DNA配列決定反復部媒介性二次捕捉における過剰の特異的配列によって媒介されることが企図される。
従来、ハイブリダイゼーション系配列特性評価では、標識プローブがナイロンまたはニトロセルロース固相支持体と相互作用しないようにブロック剤が使用された。該試験において、この非特異的DNA結合活性の抑制が評価される薬剤は、最も典型的にサケ精子DNA(サケゲノムは、主に反復部で構成されており、マウスまたはヒトゲノムより多い)、または精製酵母tRNAの混合物であった。サザン型解析からマイクロアレイ系試験への移行により、これとともに、非特異的ブロックの使用をもたらした。現在、一部の適用および製造業者(例えば、Agilent Technologies、Abbott Laboratoriesなど)は、比較用ゲノムハイブリダイゼーションにC0t-1の使用を推奨しているが、一部(Roche NimbleGen,Inc.,for example)では推奨されていないため、C0t-1がアレイハイブリダイゼーションに必要であるか否かに関しては論争されている。
現在、非特異的捕捉をブロックするには、任意のC0t-1 DNAだけしか必要でなく、かかるブロックによりブロック剤の給源とは無関係に同一の捕捉能がもたらされると考えられている。実際、現在、ヒトC0t-1 DNAは、ヒトおよびマウスの両方の標的配列捕捉方法における使用に推奨されており、マイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ中に起こり得る非特異的ハイブリダイゼーションを抑制するためのサケ精子DNAの使用は、任意のC0t-1 DNAと同様、等しく作用することが企図される。これは、C0t-1 DNAのコストがサケ精子DNAよりもほぼ30倍多いことが知られているため望ましい。しかしながら、異なる種の由来のC0t-1 DNAは、例えば、ヒトDNA配列が捕捉および富化の標的配列である複雑さの低減アッセイに悪影響を及ぼすことが観察された(図2)。本発明の発展的態様において、複雑さ低減アッセイは、同じDNAライブラリープール(ヒトまたはマウスいずれか)および同じアレイ設計を用いて3重に行なった。3回の捕捉ではすべて、同じ量のDNAライブラリー(1ug)およびC0t-1ヒト、C0t-1マウス、またはサケ精子DNAのいずれかのブロック剤DNA 100ug使用した。成功の変動の特定を補助するため、対照捕捉を行なった。図2に見られるように、ヒトC0t-1 DNAを用いたヒトライブラリーDNA捕捉は成功裡であった(ほぼ85%オンターゲット読取が得られた)が、マウスC0t-1を用いたヒトアッセイの成績は悪く(不成功とみなす)、サケ精子DNAでブロックしたヒトアッセイはブロックDNAが存在しないアッセイ(陰性対照、不成功とみなす)と同等であった。しかしながら、高濃度のサケ精子DNA(すなわち、200マイクログラム/捕捉ハイブリダイゼーション)では改善された結果が得られたことに注意されたい。マウス標的配列を使用した場合、同様のパターンが見られ、そのため、ヒトC0t-1またはサケ精子DNAの代わりにマウスC0t-1を使用した場合、最適標的捕捉が実現される。
この現象が非哺乳動物標的核酸を用いた場合に見られるかどうかを調べるため、経済的に重要な植物作物種由来のDNA(この場合、Zea mays)を標的配列の富化に用いたマイクロアレイ実験を行なった。トウモロコシ標的捕捉では、一連の潜在的二次捕捉ブロック剤;サケ精子DNA、アダプターなしの過剰のトウモロコシゲノムDNA、PCR増幅トウモロコシ反復領域の集合体、および緑豆ヌクレアーゼにより生成させたトウモロコシC0t-1 DNAを調べた。トウモロコシ標的富化におけるヒトC0t-1 DNAの使用により、ほぼ1%(0.94%)のオンターゲット読取;実用的観点からは不成功がもたらされた。
定量的PCR(qPCR)データは、表1に見られるように、トウモロコシC0t-1 DNAを二次捕捉に対するブロックDNAとして使用した場合、非標的配列の排除が最適であり、標的配列の富化が最適であることを示す。
表1
2種類の同系交配Zea mays品種B73およびMo17を、富化マイクロアレイアッセイに使用した。実験にサケ精子DNAを組み込んだB73富化実験(B73 cap.1ブロックなし)は、MezおよびFie標的配列の富化を示さない。ブロック剤としてのトウモロコシC0t-1 DNAの使用(B73 cap.2 cot1)は、不要な標的の最大枯渇(GAPCおよびアクチンのqPCRに従った場合)およびB73標的配列の最大富化(ランク1)を示す。8種類のPCR増幅トウモロコシ反復性配列もまた、トウモロコシC0t-1 DNAと同様ではなかったが(albeit)、非標的B73配列(B73 cap. 3 PCRブロック(Lamb et al.,Chromosome Res. 2007;15:33-49))の富化のブロックに有効であった。非標的配列の二次捕捉をブロックするためのトウモロコシC0t-1の使用により、どのように解析を行なうかに応じて、捕捉される標的配列のオンターゲット割合をほぼ30〜36%増大させることが可能になった。さらに、全ゲノムトウモロコシDNAをブロック剤として使用した場合(B73 cap.4冷B73)、標的配列の富化は不充分であり、それにより、標的配列分子がアレイから競合により除外されたかもしれないことが示唆される。そのため、本発明の一態様は、主に反復配列からなる種特異的ブロック剤を提供する。
総合的に考えると、これらのデータは、複雑さ低減アッセイにおけるオンターゲット富化は、反復-反復媒介性分子間相互作用の抑制の結果であることを示唆する。これらの相互作用が固相支持体または溶液中で起こっているかどうかは不明であるが、サケ精子は二次捕捉をブロックしないことが示されたため、C0t-1の役割はアレイの非特異的DNA結合能力の抑制ではないことが企図されることは明白である。しかしながら、本発明は、種特異的C0t-1 DNAの二次捕捉のブロックが起こる操作様式または位置に限定されない。
本発明の発展中の態様において、マイクロアレイアッセイにおける標的配列富化のための、断片化された標的配列に添付された長い方のLM-PCRリンカーまたはアダプター(22〜24bpリンカーの代わりに44bp)の効果も調べた。LM-PCRアダプターを標的断片化DNAの末端に組み込むことで、例えば富化前のゲノムDNAの増幅が可能になり、増幅集団からの標的配列の富化が起こる。アダプター接続のための1つの例示的な方法は、例えばライブラリープロトコルの使用により配列決定ライブラリーを作製することであり、GS FLXシーケンサーを使用して、454 Life Sciences(Branford, CT)製の配列解析プロトコルにおいて富化された標的を直接配列決定できる。しかしながら、本発明は、ライブラリー作製および配列決定に使用される方法に制限されず、本発明の例示は、本発明の1つの可能な態様のみを示す(例えば、当業者は、本発明の使用に等しく適した、代替的な方法を認識しよう)。LM-PCR適合標的配列についての例示的なワークフローが図4に見られる。いくつかの態様において、複雑性低減アッセイに添加された二次捕捉ブロッカーDNAは、種特異的C0t-1 DNAだけでなく、短い(24bp)アダプター相補的オリゴヌクレオチドまたは長い(44bp)アダプター相補的オリゴヌクレオチドのいずれか(例えば、ハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチド)も含んだ。ハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチドは、標的試料に連結されたアダプターオリゴヌクレオチドの配列の大部分を反映する場合に最適であることが企図される。
反復並行実験において、元の標的配列ライブラリーの富化が、種特異的C0t-1 DNAの存在下で、ブロックなしまたは部分的ブロック(24bpブロック)ありで、約20%以下の標的読取捕捉率を生じ、不十分であったことが示された(図5)。しかしながら、44bpリンカーに相補的なオリゴヌクレオチド(例えば、44bp完全ブロックハイブリダイゼーションオリゴヌクレオチドブロッカー)をC0t-1とともにハイブリダイゼーションに添加した場合、標的捕捉配列についての捕捉成績は約70〜80%まで増加した(標的領域中の読取の割合)。本発明は、特定の機構に限定されるものではない。実際に、機構を理解することは、本発明の実施に必ずしも必要ではない。しかしながら、ブロッカーとしてのC0t-1 DNAの使用により、ゲノム試料配列媒介二次捕捉が抑制され、過剰なハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチドにより、アダプター媒介二次ハイブリダイゼーション複合体が阻害されることが企図される。44bpアダプター分子が、ライブラリー中の少なくとも半分の分子とハイブリダイゼーション複合体を形成することが企図される(例えば、最も5'端側44bpと最も3'端側44bpは全ての分子において同じである)。基本的に、全ての鎖は、少なくとも合計88bpが二重鎖となるように、相補鎖とハイブリダイズする機会を有する。(アレイ上にあるか溶液中にあるかに関わらず)ブロッキングオリゴヌクレオチドがこれらの分子間複合体の形成を抑制することが企図される。さらに、非伸長性(例えば、2'3'ジデオキシ)3'末端を有するアダプターブロッキングオリゴヌクレオチドを作製することにより、基材の洗浄後に任意のブロッキングオリゴヌクレオチドが残ってしまった場合に、LM-PCR後捕捉方法(例えば、増幅または配列決定)において、ブロッキングオリゴヌクレオチドの非干渉が提供される。
本発明のいくつかの態様において、変性した(例えば一本鎖)核酸分子、好ましくは断片化分子であり得るゲノム核酸分子を含む試料を、マイクロアレイ基材上の複数のオリゴヌクレオチドプローブについてのハイブリダイズ条件下に曝す。本発明は、ハイブリダイゼーション反応の間に、ブロッキングDNAの含有物、具体的には種特異的ブロッキングDNAを提供し、該種特異的ブロッキングDNAは、ハイブリダイゼーションの間に、非種特異的ブロッキングDNAの使用と比較して、標的核酸のオンターゲット富化を増大させる(例えば、オンターゲット読取の増加をもたらす)。
本発明のいくつかの態様において、核酸分子、好ましくは断片化分子であり得るゲノム核酸分子を含む試料を、断片化DNAの5'および3'両末端にアダプターリンカー配列を含むようにさらに修飾する。アダプター配列は、自己相補的アダプター、非相補的アダプターまたはY型アダプターのいずれかであり得る。アダプター配列は、例えば断片化核酸のライゲーション媒介増幅ならびに配列決定目的に使用される。好ましくは、LM-PCRによりアダプター連結断片が増幅され、マイクロアレイ基材上の複数のオリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズする条件下に曝される。ハイブリダイゼーション反応の間に、本発明は、二次ハイブリダイゼーション反応を抑制するためのブロッキングDNAの含有物、具体的には種特異的ブロッキングDNAを提供し、該種特異的ブロッキングDNAは、ハイブリダイゼーションの間に、非種特異的ブロッキングDNAの使用と比較して、標的核酸のオンターゲット富化を増大させる。いくつかの態様において、ハイブリダイゼーションの間に、二次捕捉反応を抑制するために、ハイブリダイゼーションブロッカーオリゴヌクレオチドがさらに含まれる。種特異的ブロッキングDNAとハイブリダイゼーションブロッカーオリゴヌクレオチドの含有物は、かかるブロッキング配列なしのマイクロアレイハイブリダイゼーションと比較して、オンターゲット富化の富化をさらに増大させることが企図される。
本発明は実施しているマイクロアレイアッセイの種類に限定されず、実際に、二次捕捉反応の抑制が望ましい任意のアッセイが、本発明の方法およびシステムの実施に有益であることが企図される。アッセイとしては、限定されないが、複雑性低減および配列富化、比較ゲノムハイブリダイゼーション、比較ゲノム配列決定、発現、クロマチン免疫沈降-チップ(ChIP-チップ)等が挙げられる。
本発明の態様において、標的核酸の捕捉のためのプローブは、種々の方法により基材上に固定される。一態様において、プローブは、スライドガラス上にスポットされる(例えば、米国特許第6,375,903号および第5,143,854号)。好ましい態様において、プローブは、米国特許第6,375,903号、第7,037,659号、第7,083,975号、第7,157, 229号に記載のような、オリゴヌクレオチド配列のスライドガラス上への直接インサイチュ合成を可能にするマスクレスアレイ合成機(MAS)を使用して基材上にインサイチュで合成される。
いくつかの態様において、固相支持体は、ビーズまたは粒子の集合体である。例えば、ビーズをカラムに充填して、標的試料を負荷し、カラムに通して、プローブ/標的試料とブロッキング核酸(例えば、種特異的C0t-1 DNAおよび/またはハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチド)のハイブリダイゼーションをカラム中で生じさせ、その後標的試料配列を洗浄および溶出して、遺伝的複雑性を低減し、標的捕捉を増強する。いくつかの態様において、ハイブリダイゼーション反応速度を高めるために、水性環境中の懸濁液中に多数のプローブを含む水溶液中でハイブリダイゼーションを引き起こさせる。
本発明の態様において、本明細書に記載される場合、マイクロアレイ捕捉方法における使用のためのハイブリダイゼーションプローブは、マイクロアレイスライド、チップ、マイクロウェル、カラム、チューブ、ビーズまたは粒子などの固相支持体上に印刷されるかまたは配置される。基材は、例えば、ガラス、金属、セラミック、ポリマービーズ等であり得る。好ましい態様において、固相支持体は、マイクロアレイスライドであり、プローブは、マスクレスアレイ合成機を使用して、マイクロアレイスライド上に合成される。多数のオリゴヌクレオチドプローブの長さは異なり得、実験設計に依存し、かかるプローブの合成可能性によってのみ限定される。好ましい態様において、多数のプローブの集団の平均長さは、約20〜約100ヌクレオチド、好ましくは約40〜約85ヌクレオチド、特に約45〜約75ヌクレオチドである。本発明の態様において、ハイブリダイゼーションプローブは、配列中、ゲノムの少なくとも一領域に対応し、例えばマスクレスアレイ合成(MAS)技術を使用して、並行して固相支持体上に提供され得る。
本発明の態様において、本発明の方法の実施による二次捕捉の抑制は、特定の基材上での抑制、例えば基材に固定されたプローブおよび非標的配列の二次捕捉の抑制には限定されない。実際、溶液中で起こる二次捕捉も、本明細書に記載の種特異的ブロッキングDNAおよび/またはブロッキングオリゴヌクレオチドの含有物によって抑制される。
本発明は、捕捉対象の試料の種類に限定されず、実際に、使用される任意の試料が本発明にとって同等に適用可能であることが企図され、限定されないが、ゲノムDNAまたはRNA試料、cDNAライブラリーまたはmRNAライブラリーが挙げられる。いくつかの態様において、本明細書で使用される核酸配列は断片化されており、該断片は、約100〜約1000ヌクレオチド残基、好ましくは約250〜約800ヌクレオチド残基、最も好ましくは約400〜約600ヌクレオチド残基の平均サイズを有する。
本発明の態様において、典型的には、標的核酸は、デオキシリボ核酸またはリボ核酸であり、1つの核酸分子型(例えば、DNA、RNAおよびcDNA)を別のものに変換することによりインビトロで合成される生成物ならびにヌクレオチドアナログを含む合成分子が挙げられる。断片化されたゲノムDNA分子は、特に、天然に存在するゲノム核酸分子よりも短い分子である。当業者は、化学的、物理的もしくは酵素的な断片化または周知のプロトコルを使用した切断により、大きな分子からランダムなまたは非ランダムな大きさの分子を生成し得る。例えば、化学的断片化には、鉄金属(例えばFe-EDTA)が使用され得る。物理的方法としては、超音波処理、流体力または噴霧が挙げられ得る(例えば、欧州特許出願EP 0 552 290号参照)。酵素的プロトコルには、ヌクレアーゼおよび部分消化反応、例えば単球菌ヌクレアーゼ(例えばMnase)またはエクソヌクレアーゼ(例えばExo1もしくはBal31)または制限エンドヌクレアーゼが使用され得る。
好ましくは、標的核酸配列を含み得る核酸の集合は、生物の全ゲノムもしくは少なくとも1つの染色体、または少なくとも約100kbを有する少なくとも1つの核酸分子を含む。特に、核酸分子(1つまたは複数)の大きさは、少なくとも約200kb、少なくとも約500kb、少なくとも約1Mb、少なくとも約2Mbまたは少なくとも約5Mb、特に約100kb〜約5Mb、約200kb〜約5Mb、約500kb〜約5Mb、約1Mb〜約2Mbまたは約2Mb〜約5Mbの大きさである。いくつかの態様において、核酸分子はゲノムDNAであり、他の態様においては、核酸分子はcDNAまたはRNA種(例えばtRNA、mRNA、miRNA)である。
本発明の一態様において、標的核酸配列を含み得るかまたは含まない核酸分子は、動物、植物または微生物から選択され得る。いくつかの態様において、限定された核酸分子の試料が入手可能である場合、該核酸は本発明の方法の実施前に、(例えば全ゲノム増幅により)増幅される。例えば、科学捜査目的で(例えば法医学で)本発明の態様を実施するために、前増幅が必要となることがある。
いくつかの態様において、核酸分子の集合は、ゲノムDNA分子の集合である。ハイブリダイゼーションプローブおよび次のアンプリコンは、少なくとも100kb、好ましくは少なくとも1Mbの大きさまたは少なくとも1つの上述の大きさを有する1つ以上(例えば複数)の遺伝子座、少なくとも1つの遺伝子座の完全配列由来の1つ以上(例えば複数)のエクソン、イントロンまたは調節配列、SNPを含むことが知られている部位を標的化する配列、あるいは少なくとも1つの完全染色体の完全配列を捕捉するように設計されたアレイ、特にタイリング(tiling)アレイを規定する配列の1つ以上を含み得る。いくつかの態様において、標的配列を捕捉するために、たった一つのハイブリダイゼーションプローブ配列が使用される。実際に、本発明は、標的核酸を捕捉するために使用される異なるプローブ配列の数に制限されるのもではない。
任意の供給源由来の核酸を含む1つ以上の試料から、標的核酸配列を精製した形態または精製しない形態で富化することが企図される。該供給源は、生物由来のゲノム核酸分子の完全相補鎖を含む必要はない。好ましくは生物学的供給源由来の試料としては、限定されないが、個体患者、組織試料、または細胞培養物からの単離物が挙げられる。標的領域は、数メガベースの1つ以上の連続したブロックまたは1つ以上の染色体由来の全エクソンなどのいくつかの小さな連続または非連続領域、またはSNPを含むことが公知の部位であり得る。例えば、1つまたは多数の異なる配列を含む1つ以上のハイブリダイゼーションプローブおよび次のアンプリコン由来のプローブは、1つ以上の完全染色体、1つ以上の染色体の一部、1つのエクソン、全てのエクソン、1つ以上の染色体由来の全てのエクソン、選択された1つ以上のエクソン、1つ以上の遺伝子についてのイントロンおよびエクソン、遺伝子制御領域などを捕捉するように設計されたアレイ(例えば非タイリングまたはタイリング)を支持し得る。
あるいは、所望の非特有標的または捕捉が困難な標的を富化する可能性を高めるために、プローブを、実際の標的配列と関連のある配列(例えば同一の断片上にあるが別のもの)に指向し得るが、その場合、所望の標的および関連のある配列の両方を含むゲノム断片が捕捉され富化される。関連のある配列は、標的配列と隣り合っていても離れていても良いが、2つの部分が互いに近いほど、ゲノム断片が両方の部分を含み易くなることを当業者は理解しよう。
本発明のいくつかの態様において、該方法は、アダプターまたはリンカー分子を、変性およびプローブへのハイブリダイゼーション前に断片化された核酸分子の一端または両端に連結する工程を含む。本発明のいくつかの態様において、該方法は、前記アダプター修飾核酸分子を少なくとも1つのプライマーで増幅する工程をさらに含み、該プライマーは、前記アダプター分子(1つまたは複数)の配列に特異的にハイブリダイズする配列を含む。本発明のいくつかの態様において、試料変性およびプローブへのハイブリダイゼーションの前に、断片化された核酸分子の一端または両端に二本鎖アダプターが提供される。かかる態様において、標的核酸分子は、元の試料に対して複雑性がさらに低減された増幅産物のプールを生成するために、溶出後に増幅される。標的核酸分子は、例えば複数の増幅回数の非特異的ライゲーション媒介PCR(LM-PCR)を使用して増幅され得、生成物は所望の場合マイクロアレイプローブに対する一回以上の選択によりさらに富化され得る。例えば複雑さ低減工程後の下流の解析適用に対して何が望ましいかということに従い、任意の大きさで、任意の核酸配列と共にリンカーまたはアダプターが提供される。アダプターリンカーは、約18〜100塩基対、好ましくは薬20〜44塩基対の範囲など、約12〜約100塩基対の範囲であり得る。いくつかの態様において、リンカーは自己相補的、非相補的、またはYアダプターである。
アダプター分子のライゲーションにより、捕捉された分子のその後の増幅工程が可能になる。ライゲーションが捕捉工程の前に起こるか後に起こるかということとは独立して、いくつかの代替的な態様がある。一態様において、断片の集団を生じる一種類のアダプター分子(例えば、アダプター分子A)と断片の両末端に同一の末端配列とをライゲーションする。その結果、起こり得るその後の増幅工程において、たった一種類のプライマーを使用することで充分となる。代替的な態様において、2種類のアダプター分子AおよびBが使用される。これにより、3つの異なる種類:(i) 一端に一種類のアダプター(A)およびもう一端に別のアダプター(B)を有する断片、(ii) 両端にアダプターAを有する断片、ならびに両端にアダプターBを有する断片からなる富化された分子の集団が生じる。増幅および配列決定が、例えば454 Life Sciences Corporation GS20およびGS FLX機器(例えば、GS20 Library Prep Manual, Dec 2006、WO 2004/070007参照;その全体において参照により本明細書に援用される)を使用して実施される場合に、アダプターを有する富化された分子の生成は、顕著な利点である。
本発明の態様において、該方法、システムおよび組成物は、二次捕捉の抑制のために、マイクロアレイアッセイにおけるハイブリダイゼーション反応への種特異的ブロッキングDNAの取り込みを含む。いくつかの態様において、該種特異的ブロッキングDNAは、哺乳動物種、植物種、非哺乳動物種、細菌種、酵母種などを含むが限定されない任意の種由来のC0t-1 DNAである。本発明のいくつかの態様において、ハイブリダイゼーションのための標的核酸配列がヒト核酸配列であるマイクロアレイハイブリダイゼーション反応は、ヒトC0t-1を含む。本発明のいくつかの態様において、標的核酸配列がマウス核酸配列であるマイクロアレイは、マウスC0t-1を含む。本発明のいくつかの態様において、標的核酸配列が植物核酸配列であるマイクロアレイは、植物C0t-1を含む。本発明は何らかの特定の植物種に限定されないことが企図される。本発明に使用される植物種の例は、限定されないが、経済関連および/または研究関連植物種、例えば、トウモロコシ、ダイズ、サトウモロコシ、コムギ、野菜作物、果実作物、牧草作物草、広葉植物および任意の他の双子葉植物および/または単子葉植物である。
本発明の態様において、該方法、システムおよび組成物は、アダプター媒介二次捕捉の抑制のために、マイクロアレイアッセイ中のハイブリダイゼーション反応へのハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチドの取り込みを含む。いくつかの態様において、該ハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチドは、限定されないが、哺乳動物種、植物種、非哺乳動物種、細菌種、酵母種などの任意の種由来の種特異的C0t-1 DNAと併用される。いくつかの態様において、ハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチドの配列は、断片化された核酸に連結された1つ以上のアダプター分子の配列由来である。いくつかの態様において、ハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチドの配列は、1つ以上のアダプター分子の全配列を含むが、他の態様では、ハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチドの配列は、1つ以上のアダプター分子の配列の断片を含む。本発明のいくつかの態様において、ハイブリダイゼーションのための標的核酸配列がヒト核酸配列であるマイクロアレイハイブリダイゼーション反応は、ヒトC0t-1と共にハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチドを含む。本発明のいくつかの態様において、標的核酸配列がマウス核酸配列であるマイクロアレイは、マウスC0t-1と共にハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチドを含む。本発明のいくつかの態様において、標的核酸配列が植物核酸配列であるマイクロアレイは、植物C0t-1と共にハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチドを含む。本発明は、何らかの特定の植物種に限定されないことが企図される。本発明で使用される植物種の例としては、限定されないが、経済関連および/または研究関連植物種、例えばトウモロコシ、ダイズ、サトウモロコシ、コムギ、野菜作物、果実作物、牧草作物、草、広葉植物および任意の他の双子葉植物および/または単子葉植物が挙げられる。
いくつかの態様において、本発明は、本発明の方法を実施するための試薬および材料を含むキットを含む。かかるキットは、1つ以上の標的遺伝子座由来の1つ以上の標的核酸配列に特異的(例えばエクソン、イントロン、SNP配列等に特異的)な複数のハイブリダイゼーションプローブが固定された1つ以上のマイクロアレイ基材、少なくとも1つの完全染色体の完全配列を捕捉するように設計されたタイリングアレイを規定する複数のプローブ、増幅プライマー、ポリメラーゼ連鎖反応法を実施するための試薬(例えば、塩溶液、ポリメラーゼ、dNTP、増幅バッファ等)、ライゲーション反応を実施するための試薬(例えば、ライゲーションアダプター、T4ポリヌクレオチドキナーゼ、T4 DNAリガーゼ、バッファ等)、種特異的ブロッキングDNA、ハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチド、チューブ、ハイブリダイゼーション溶液、洗浄溶液、溶出液、磁石(1つまたは複数)およびチューブホルダーを含み得る。いくつかの態様において、キットはさらに、2種類以上の異なる二本鎖アダプター分子を含む。
いくつかの態様において、キットはさらに、DNAポリメラーゼ、T4ポリヌクレオチドキナーゼ、T4 DNAリガーゼ、1つ以上のアレイハイブリダイゼーション溶液、および/または1つ以上のアレイ洗浄溶液からなる群の少なくとも1つ以上の化合物を含む。好ましい態様において、本発明のキットには三種類の洗浄溶液が含まれ、該洗浄溶液は、SSC、DTTおよび任意にSDSを含む。例えば、本発明のキットは、洗浄バッファI(0.2% SSC、0.2% (v/v) SDS、0.1mM DTT)、洗浄バッファII(0.2% SSC、0.1mM DTT)および/または洗浄バッファIII(0.05% SSC、0.1mM DTT)を含む。いくつかの態様において、本発明のシステムは、溶出液、例えば水またはTRISバッファおよび/またはEDTAを含む溶液をさらに含む。
実施例
以下の実施例は、本発明の特定の好ましい態様および局面を説明し、さらに示すために提供されるものであり、本発明の範囲の限定を意図するものではない。
実施例1-ヒトおよびマウスのDNAの富化および配列決定
マウスおよび/またはヒト試料を使用した実験は、二次ハイブリダイゼーションを阻害するためにC0t-1DNAを使用するマイクロアレイのための確立されたプロトコルに従った。本発明に使用されるプロトコルおよび方法の例は、NimbleGen Arrays User’s Guide; Sequence Capture Array Delivery(Roche NimbleGen, Inc.)および454 BioSciences GS GLX Shotgun DNA Library Preparation Method Manual(454 BioSciences)に見られ、その両方は、その全体において参照により本明細書に援用される。
実施例2-トウモロコシC0t-1の生成
3つのホットブロック乾燥浴を105℃、65℃および37℃に設定した。300μgのトウモロコシDNAを2mlドルフィンノーズチューブ中全量420μlの水中で超音波処理した。合計3回プローブの超音波処理を行った。超音波処理後、30μlの5M NaClおよび50ulの水を添加して全量500μl(0.3M NaCl)にし、約1ng/μlのDNA濃度とした。
希釈試料チューブを最も熱いヒートブロック中で10分間加熱した後、チューブを素早くスピンし、65℃で19分間インキュベートし、その後60ulの10X Mung Beanヌクレアーゼバッファ(Promega Corporation, Madison WI)および36.6μlの室温水を添加した。DAN 1マイクログラムあたり1単位(1U)のMung Beanヌクレアーゼを添加した。反応物をボルテックスにかけ、スピンダウンし、37℃で10分間インキュベートした。インキュベーション後、1.2mlのZymo DNA結合バッファ(Zymo Research)を添加し、チューブをボルテックスにかけ、DNA溶液(150μl)をそれぞれ12 Zymo 25μg洗浄したカラムに分注してカラムを洗浄した。カラムからDNAを35μlの水に溶出した。DNA試料の純度は260/280の比(少なくとも1.7)で確認し、試料アリコートをアガロースゲル電気泳動でさらに評価して分解を確認した。
実施例3-アダプター連結ヒトDNAライブラリーおよびアッセイ
アダプターオリゴヌクレオチドを作製して、断片化ヒトDNAの末端に連結した。アダプターオリゴヌクレオチドA、A'、BおよびB'を合成してTris-EDTAバッファに再懸濁して、濃度400μMとした(*-ホスホロチオエート結合/5BioTEG/-5' ビオチン-TEG)。
アダプターA (配列番号:1):
C*C*A*T*CTCATCCCTGCGTGTCCCATCTGTTCCCTCCCTGTC*T*C*A*G
アダプターA' (配列番号:2): C*T*G*A*GACA*G*G*G*A
アダプターB: (配列番号:3)
/5BioTEG/C*C*T*
A*TCCCCTGTGTGCCTTGCCTATCCCCTGTTGCGTGTC*T*C* A*G
アダプターB' (配列番号:4): C*T*G*A*GACA*C*G*C*A
オリゴヌクレオチドAおよびA'とBおよびB'(5μlの400μMリンカー溶液)を二本の別々のPCRチューブに等分して、90μlのアニーリングバッファ(全量50mlの水中500μlの1M Tris-HCl(pH7.8)中250μlの1M MgOAc)を添加して、20μMのオリゴヌクレオチドアダプター(AおよびA'、BおよびB')の溶液を生成した。当量の20μMアダプター溶液を一緒に混合して、以下のプログラム;95℃で1分、ランプ温度0.1℃/秒で15℃まで、4℃に下げて-20℃で保存、を使用してアニーリングさせた。
ゲノムDNA試料を、ネブライザーを使用して断片化した。全量100μl TE中の該DNA試料(5μg)を500μlの氷冷噴霧化バッファ(水中53.1%グリセロール、37mM Tris-HCl、55mM EDTA(pH7.5))と合わせた。非反応性ガスをDNA溶液に1分間通した(45psi)。2ミリリットルのPBIバッファ(Qiagen)を噴霧化試料に添加し、試料を分割してQiagen MinEluteカラム(2)に供し、25μlの溶出バッファ(EB, Qiagen)で溶出し、溶出した試料を合わせて、最終容量を50μlに調整した。
35μlのAMPure(登録商標)ビーズ(Agencourt(登録商標) Bioscience Corporation)を添加して小断片(約250bp以下)を噴霧化試料から除去し、室温で5分間インキュベーションしてビーズをエタノール(500μlで2回)で洗浄し、37℃で約4分間ビーズを乾燥させ、25μlのEBを添加して、ビーズ捕捉断片化試料DNAを溶出した。捕捉、断片化されたDNAをT4ポリヌクレオチドキナーゼおよびT4 DNAポリメラーゼを使用して、確立されたプロトコル(Molecular Cloning; A Laboratory Manual, Eds. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Press)により末端を平滑化した(polished)。
アダプター複合体を平滑化DNA断片に連結した。50μLの精製DNAを、60μlの2X Quickライゲーションバッファ、5μlの10μMアダプター溶液および5μlのQuickリガーゼのQuick LigationTM反応液(New England BioLabs, Inc.)に添加した。ライゲーション反応液を25℃で15分間インキュベーションした。ライゲーション後、600μlのPBIを添加して反応成分からアダプター連結試料DNA断片を精製して、該溶液をMinEluteカラム(Qiagen)に供して、1分間遠心分離して(16Kxg)、750μlのPEバッファ(Qiagen)を添加し、1分半遠心分離し(16Kxg)、さらに1分間遠心分離してカラムを乾燥させ、26μlのEBを添加して、カラムを1分間室温でインキュベートして、最後に1分間遠心分離して(16Kxg)、カラムから精製されたアダプター連結DNAライブラリー断片を溶出した。
DNAアダプター連結ライブラリーでライゲーション媒介PCR(LM-PCR)を行った。簡潔に、リンカー配列に特異的なプライマー:
プライマーA 5'ATCTCATCCCTGCGTGTCCCATCT 3' (配列番号:5)
プライマーB 5'TATCCCCTGTGTGCCTTGCCTATC 3' (配列番号:6)
を使用して、Pfu DNAポリメラーゼを断片の増幅に使用した。
ポリメラーゼ連鎖反応は;95℃で2分、95℃で30秒、63.5℃で30秒、72℃で1分を12サイクル、72℃で1分の最後の伸長および4℃で保存、で行った。前述のようにQIAquickカラムを使用して増幅産物を精製した。試料濃度および増幅サイズの範囲を測定した。試料範囲は典型的に300〜1000bpで、A260/280比は1.7〜2.0であった。
増幅された試料を製造業者のプロトコル、例えばNimbleGen Arrays User’s Guide; Sequence Capture Array Delivery (Roche NimbleGen, Inc.)(その全体において参照により本明細書に援用される)にみられるものに従いRoche NimbleGen, Inc.製のハイブリダイゼーションシステムおよび試薬を使用してマイクロアレイにハイブリダイズした。簡潔に、100μlのヒトC0t-1 DNAを5μgのアダプター連結断片化ヒトDNAに添加した。代替的に、いくつかの態様において、C0t-1 DNAに44bpまたは24bp長のいずれかの実験的ハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチド(/ddC/-シチジン2'3'ジデオキシリボヌクレオチド) を添加した:
ハイブリダイゼーションブロッキングオリゴA44 (配列番号:7):
CCATCTCATCCCTGCGTGTCCCATCTGTTCCCTCCCTGTCTCAG/ddC/
ハイブリダイゼーションブロッキングオリゴB44 (配列番号:8):
CCTATCCCCTGTGTGCCTTGCCTATCCCCTGTTGCGTGTCTCAG/ddC/
ハイブリダイゼーションブロッキングオリゴA24 (配列番号:9):
ATCTCATCCCTGCGTGTCCCATCT/ddC/
ハイブリダイゼーションブロッキングオリゴB24 (配列番号:10):
TATCCCCTGTGTGCCTTGCCTATC/ddC/
試料を乾燥させ、再水和し、変性して、マイクロアレイに供し、42℃で約48時間ハイブリダイズさせた。富化ヒトDNAの洗浄および溶出を行った。
増幅サイクルを24回行った以外は前述と同様に、富化試料DNAを捕捉後LM-PCRに供した。前述のように、QIAquickカラムを使用して増幅試料を精製した。
富化、リンカー適合ヒトライブラリーDNA試料を配列決定のために調製して、454 BioSciences GS FLX Systemで配列決定した。配列決定用試料の調製方法は、例えばその全体において参照により本明細書に援用される454 BioSciences GS GLX Shotgun DNA Library Preparation Method Manualに見られる。
本願に引用される全ての刊行物および特許は、参照により本明細書に援用される。本発明の記載される方法および組成物の種々の改変および変更は、本発明の範囲および精神を逸脱することなく当業者に明らかである。本発明は、具体的な好ましい態様に関して記載されているが、特許請求される本発明は、かかる具体的な態様に不当に制限されないことが理解されるであろう。実際、関連分野の当業者に明らかである本発明を実施するための記載される方法の種々の変更は、以下の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。

Claims (15)

  1. a) 試料中の標的核酸配列を捕捉するための1つ以上の核酸プローブを固定する工程、
    b) 種特異的C0t-1 DNAおよびハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチドを含む二次捕捉抑制剤を、前記試料に添加する工程、ならびに
    c) 前記試料および前記二次捕捉抑制剤を、前記標的配列に対するハイブリダイゼーションのための前記プローブに供する工程
    を含む、核酸ハイブリダイゼーション中の二次捕捉を抑制する方法。
  2. 前記種特異的C0t-1 DNAがヒトC0t-1 DNAであり、前記標的核酸配列がヒト核酸である、請求項1記載の方法。
  3. 前記種特異的C0t-1 DNAがマウスC0t-1 DNAであり、前記標的核酸配列がマウス核酸である、請求項1記載の方法。
  4. 前記種特異的C0t-1 DNAが植物C0t-1 DNAであり、前記標的核酸配列が植物核酸である、請求項1記載の方法。
  5. 前記植物C0t-1がトウモロコシC0t-1であり、前記植物核酸がトウモロコシ核酸である、請求項4記載の方法。
  6. 前記二次捕捉抑制剤が、標的核酸配列に対して少なくとも5倍モル過剰で存在する、請求項1〜5いずれか記載の方法。
  7. 前記標的核酸配列がDNAライブラリーを含み、前記ライブラリーが自己相補的アダプターを含む、請求項1〜6いずれか記載の方法。
  8. 前記標的核酸配列がDNAライブラリーを含み、前記ライブラリーが非相補的アダプターを含む、請求項1〜6いずれか記載の方法。
  9. 前記標的核酸配列がDNAライブラリーを含み、前記ライブラリーがYベースアダプターを含む、請求項1〜6いずれか記載の方法。
  10. 前記ハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチドが、アダプター連結核酸に相補的な配列を有する、請求項1〜9いずれか記載の方法。
  11. a) 試料中の標的核酸配列を捕捉するための1つ以上の核酸プローブを固定する工程、
    b) アダプター連結核酸に相補的なハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチドを含む二次捕捉抑制剤を、前記試料に添加する工程、ならびに
    c) 前記試料および前記二次捕捉抑制剤を、前記標的配列に対するハイブリダイゼーションのための前記プローブに供する工程
    を含む、核酸ハイブリダイゼーション中の二次捕捉を抑制する方法。
  12. ハイブリダイゼーションベースアッセイにおける二次捕捉のブロッキングに使用される、種特異的C0t-1 DNAおよびハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチドを含む組成物。
  13. 前記種特異的C0t-1 DNAがヒトC0t-1、マウスC0t-1または植物C0t-1からなる群由来である、請求項12記載の組成物。
  14. 前記ハイブリダイゼーションブロッキングオリゴヌクレオチドが、アダプター連結核酸に相補的な配列を有する、請求項12または13記載の組成物。
  15. 前記植物C0t-1がトウモロコシC0t-1である、請求項13記載の組成物。
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