JP2012504519A - 飛行機の翼に配置された前方フラップ - Google Patents

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Abstract

飛行機の翼に配置された前縁スラット。翼は上面殻(21)、下面殻(22)及び側面前縁(23)を有する主翼(24)を備え、前縁スラット(12)は主翼(24)の前面に配置され、前縁スラット(12)は前方に配向される側面前縁(10)及び後方に配向され、かつ主翼(24)に対向する後縁(11)を有し、前縁スラット(12)が後退した巡航設定(I)から拡張可能であり、この後退した巡航設定(I)においては前記前縁スラット(12)が主翼(24)の前面と接触して平坦状をなすよう配置されるとともに巡航に適した形状を形成するよう主翼(24)の側面形状を補完し、前縁スラット(12)が拡張されると翼の側面の湾曲及び長さが翼弦方向に増加されるため揚力が増加され、前縁スラット(12)が第1の部分的に拡張した設定(II)にある場合は前縁スラット(12)の後縁(11)が主翼(24)と接触して平坦状をなすよう配置され、前縁スラット(12)が第2のさらに拡張した設定(III)にある場合は前縁スラット(12)の後縁(11)が主翼24の側面前縁(23)から離間して配置されるため間隙(14)が形成開けらされ、間隙(14)が前縁スラット(12)の下面から主翼(24)の上面(21)に高エネルギーの空気を供給する。前縁スラット(12)は本体(6)と、主翼(24)に対向する後縁部(2)とを有し、後縁部(2)は前記前縁スラット(12)の幅方向を基準として本体(6)に対して屈曲され、後縁部(2)に前縁スラット(12)の後縁(11)が配置され、前縁スラット(12)の後縁(11)と主翼(24)の側面前縁(23)とを接触させるために接触力をもたらす機構(4,8,9)が配置される。

Description

本発明は、飛行機の翼に配置される前縁スラットに関する。
空気力学的に効果的な翼の揚力を向上させるための高揚力コンポーネントは数多く知られている。これらのコンポーネントは、翼側面の翼弦方向における湾曲及び/又は長さを増加させることにより、翼の揚力を向上させている。高揚力コンポーネントは、流れ方向を基準にして翼側面の前面に配置され、主翼の前面に切れ目なく連結される前縁フラップとは区別される。前縁スラットにおいては、少なくとも拡張した状態にある場合は、前縁スラットの後縁と主翼の前縁との間に間隙が存在する。この間隙を通じて、高エネルギーの空気、つまり高速で流れる空気が前縁スラットの下面から主翼の上面に供給される。その結果、揚力がさらに増加する。
前縁スラットとして形成される高揚力コンポーネントは、離陸重量の重い最新型の旅客機及び貨物機の揚力を向上させるために用いられる。構造が最も単純であるため好まれている運動システムである前縁スラットは、拡張時に、主翼の前方領域の下方に位置する回転軸を基準とした円軌道上を移動する。後退した巡航設定においては、前縁スラットは主翼の前面に接触して平坦状をなし、巡航に適した形状を形成するべく主翼の側面形状を補完する。揚力を上げるために、前縁スラットは前述の回転軸を基準にして枢動し、全体の翼側面の湾曲及び長さを翼弦方向に増加させながら拡張する。この円弧運動により、前縁スラットの拡張につれて、前縁スラットの後縁と主翼の前縁領域における翼側面との間に徐々に間隙が形成される。この間隙は、前縁スラットの下面から主翼の上面へ高エネルギーの空気を供給する。この間隙は、揚力を向上させ、境界層剥離を遅らせるので、着陸態勢時においては好ましい。しかし、離陸時においては、空気抵抗をもたらすため好ましくない。したがって、第1の部分的に拡張した設定においては後縁が主翼に接触して平坦状をなすため離陸に適し、第2のさらに拡張した設定においては着陸に適するような制御運動をなす前縁スラットの製造が試みられている。この第2のさらに拡張した設定においては、前縁スラットの後縁が、主翼の側面前縁の領域において主翼の表面殻から離間して配置されるため、前縁スラットの下面から主翼の上面に高エネルギーの空気を供給する間隙が開けられる。
特許文献1乃至3には、高揚力をもたらす前縁スラットが開示されている。これらの前縁スラットは、後退位置、離陸位置、及び中間位置にある場合には前縁スラットと主翼との間に間隙が開かない。間隙が継続的に開くのは、前縁スラットがさらに拡張して着陸体勢になった場合のみである。上記構成は、運動要素を追加することや、主翼の前縁側面形状を、前縁スラットの後縁の湾曲した軌道に適合させること(特許文献2の場合)によりもたらされる。しかし、運動要素の追加は重量を増加させてしまうし、主翼の前縁を適合させると、間隙の形状が空力学的に好ましくないものになってしまう。
さらに、特許文献4には、弓状レールを用いて主翼から拡張される前縁スラットが開示されている。この前縁スラットは、レールに対して小さい角度で回転する。またこの前縁スラットにはリーフスプリング構造がレールに対して設けられており、空力が所定値を超えた場合に前縁スラットと主翼の間の間隙が広められる。後方を向き主翼に対向する後縁は、バネの力に対して前方及び上方にずらされている。前縁スラット自体の側面構造は硬質であり、変化しない。
米国特許第4、399、970号明細書 米国特許第5、839、699号明細書 米国特許第6、682、023号明細書 米国特許第4、753、402号明細書
本発明の目的は、構成部品が少なく構造が単純であると同時に、空力的効率の良い前縁スラットを提供することである。
この目的は、請求項1に記載の特徴を有する、飛行機の翼に配置される前縁スラットにより達成される。本発明による前縁スラットの他の実施形態は従属する請求項に記載される。
本発明の一実施形態は飛行機の翼に配置された前縁スラットに関し、翼は上面殻、下面殻及び側面前縁を有する主翼を備え、前縁スラットは主翼の前面に配置され、前縁スラットは前方に配向される側面前縁及び後方に配向され、かつ主翼に対向する後縁を有し、前縁スラットは後退した巡航設定から拡張可能であり、後退した巡航設定においては前縁スラットが主翼の前面と接触して平坦状をなすよう配置されるとともに巡航に適した形状を形成するよう主翼の側面形状を補完し、前縁スラットが拡張されると翼の側面の湾曲及び長さが翼弦方向に増加されるため揚力が増加され、前縁スラットは第2のさらに拡張した設定(通常の場合は複数の設定)にある場合は前縁スラットの後縁が主翼24の側面前縁から離間して配置されるため間隙が開けられ、この間隙は前縁スラットの下面から主翼の上面に高エネルギーの空気を供給し、前縁スラットは本体と、主翼に対向する後縁部とを有し、この後縁部は前縁スラットの幅方向を基準として本体に対して屈曲され、後縁部に前縁スラットの後縁が配置され、前縁スラットの後縁と主翼の側面前縁とを接触させるために、前縁スラットが後退設定もしくは部分的に拡張した設定にあるときに接触力をもたらす機構が配置される。
本発明の一実施形態においては、後縁部は継ぎ目を介して前縁スラットの本体に接合されて、後縁部が前縁スラットの幅方向を基準として本体に対して柔軟に屈曲される。
本発明の一実施形態においては、継ぎ目は屈曲に対して弾性を有する要素により形成される。
本発明の一実施形態においては、屈曲に対して弾性を有する要素が、前縁スラットの上面を形成する外殻に配置される。
本発明の一実施形態においては、接触力をもたらす機構が後縁部の下面を前縁スラットの本体に接合するよう配置される。
本発明の一実施形態においては、接触力をもたらす機構は弾性要素により形成される
この弾性要素は並進に対して弾性を有する要素であってもよい。
本発明の別の実施形態による前縁スラットにおいては、接触力をもたらす機構がアクチュエータにより形成される。
本発明の別の実施形態による前縁スラットにおいては、屈曲に対して弾性を有する要素が後縁部自体により形成され、少なくとも前縁スラットの本体に近接する領域が弾性及び可撓性を有する材料により形成される。
本発明の一実施形態においては、継ぎ目を形成する、屈曲に対して弾性を有する要素が前縁スラットの全幅長にわたって延びる。
本発明の一実施形態においては、接触力をもたらす機構を形成する、並進に対して弾性を有する要素が前縁スラットの全幅長にわたって延びる。
本発明の一実施形態においては、アクチュエータが形状記憶アクチュエータ又は圧電アクチュエータにより形成される。
本発明の一実施形態においては、アクチュエータが制御のために制御装置に連結され、前縁スラットが部分的に拡張した設定にある場合、可能な最大揚力係数を増加させるべく主翼の上面に空気を供給する間隙を開けるために、前縁スラットの後縁が主翼から任意で持ち上げられるべく同制御装置がアクチュエータを制御する。
本発明の別の実施形態による前縁スラットにおいては、前縁スラットの本体に対する後縁部の屈曲を制限するためにストップ要素が配置されている。
このストップ要素は接触力をもたらす要素に配置してもよい。
本発明の実施形態を、図面を参照して以下に説明する。
飛行機の翼に配置された、本発明の一実施形態による前縁スラットを示す概略断面図。 本発明の一実施形態による前縁スラットを示す拡大断面図。 本発明の一実施形態による前縁スラットを示す拡大断面図。 本発明の一実施形態による前縁スラットを示す拡大断面図。 本発明のさらに別の実施形態による前縁スラットの一部を示す拡大図。 飛行機の翼に配置された、従来の前縁スラットを示す概略断面図。
図1に、飛行機の翼に配置された前縁スラット12を示す。この翼は、上面殻21、下面殻22、及び側面前縁23を有する主翼24を備える。翼桁26が、主翼24の構造的負荷を支える内部コンポーネントとして配置されている。前縁スラット12は主翼24の前面に配置され、前方に配向される側面前縁10と、後方に配向され、かつ主翼24に対向する後縁11とを有する。
前縁スラット12は、後退された巡航設定Iから拡張可能である。巡航設定Iにおいては、前縁スラット12は主翼24の前面と接触して平坦状をなすよう配置され、巡航速度での飛行に適した形状を形成するように主翼24の側面形状を補完している。拡張により、翼側面の湾曲及び長さが翼弦方向に増加するため、揚力を増加させることができる。第1の、部分的に拡張した設定IIにおいては、前縁スラット12の後縁11が主翼24と接触して平坦状をなすよう前縁スラット12が配置される。この設定は、離陸時に適した翼側面構造をもたらすので、離陸設定とも称される。
第2の、さらに拡張した設定IIIにおいては、前縁スラット12の後縁11が主翼24の側面前縁23から離間して配置されるため、間隙14が形成されている。この間隙14により、高エネルギーの空気、すなわち流速の速い空気が、前縁スラット12の下面から主翼24の上面に供給される。この設定は着陸体勢において揚力を強力に増加することができるため、着陸体勢設定とも称される。図においては、単一の、部分的に拡張した設定IIが「第1の」拡張設定として示され、単一の、さらに拡張した設定IIIが「第2の」拡張設定として示されている。しかし、前縁スラット12が完全に後退されて主翼24の前面に接触して平坦状をなすよう配置される巡航設定Iと、前縁スラット12の後縁11が側面前縁23に接触して主翼24と平坦状をなすよう配置される第1の拡張設定IIとの間には、多くの設定を設けることができる。また、設定IIと、間隙14が開けられる設定IIIとの間にも多くの設定を設けることができる。前縁スラット12は巡航設定Iから設定III、すなわち完全に拡張した設定に連続的に拡張し得る。
図1、さらに具体的には拡大図である図2、3A及び3Bに示すように、前縁スラット12は、本体6、及び主翼24に対向する後縁部2を備える。後縁部2は、前縁スラット12の翼幅方向を基準にして柔軟に曲げることができる。つまり、本体6に対して、翼の前縁にほぼ平行する方向又は軸を基準としてその周囲方向に湾曲させることができる。
前縁スラット12の後縁11は主翼24に対向し、後縁部2の末端に設けられる。後縁部2が翼幅方向を基準として柔軟に湾曲され得るので、前縁スラット12が巡航設定Iから部分的に拡張した設定IIへ拡張する際に、後縁11が主翼24の前側領域の輪郭をたどることでき、図1に示すように主翼24に接触して平坦状をなすように配置され得る。後縁11が主翼24の前側領域すなわち側面前縁23の輪郭を所望の様態にてたどり得るようにするために、接触力をもたらす機構が設けられる。したがって、前縁スラット12が後退設定もしくは部分的に拡張するように設定されているときには、前縁スラット12の後縁11は主翼24と接触して平坦状をなすよう配置され、間隙14は存在しない。
図2に示す実施形態においては、屈曲に対して弾性を有する要素3が、前縁スラット12の上面を形成する外殻1に配置される。この要素3は継ぎ目として機能する。図2に示す実施形態において、前縁スラット12の下面には並進に対して弾性を有する要素4が配置される。この要素4の、前縁スラット12の下面殻又は後面殻に平行する方向における長さは、弾性力又はバネの力により可変である。要素4の弾性剛性は、設定Iと設定IIの間の所望領域において、後縁11が主翼24の側面前縁23と接触して平坦状をなすよう配置可能であるように設定される。これにより、後縁部2に空力的負荷がかけられた場合、すなわち翼の上面と下面とで圧力が異なる場合でも間隙14が存在しない。並進に対して弾性を有する要素4は、屈曲に対して弾性を有する要素3の弾性剛性を適宜考慮して構成される。
図1に示すように前縁スラット12が設定IIから設定IIIの方向にさらに拡張すると、間隙14が継続的に増大し、後縁11が主翼24の側面前縁23と接して平坦状をなすよう配置されなくなる。部分拡大図である図4に示されるようなストップ要素を配置してもよいし、さらに/もしくは、弾性要素3及び4の剛性を適宜に設定してもよい。巡航設定においては、並進に対して弾性を有する要素4にかかる負荷が大きいため、後縁11が確実に主翼24と接触して平坦状をなすよう配置される。つまり、図1に示されるように、主翼24の側面前縁23から上面殻21への移行領域において主翼24と接触して平坦状をなす。巡航設定Iから離陸設定IIへ前縁スラット12が拡張する間、並進に対して弾性を有する要素4の長さが短くなる。これは、前縁スラット12の拡張につれて、後縁部2が側面前縁23の方向に徐々に曲げられるからである。
比較のため、図1に似た概略図である図5に硬質の後縁コンポーネントを有する前縁スラット12を示す。この図に示されるように、前縁スラット12の拡張時において、前縁スラット12と側面前縁23の間に間隙14が継続的に存在している。これは、前縁スラット12が拡張する軌道であり一般的には円軌道である軌道の半径が、側面前縁23の対応領域の湾曲の半径よりも大きいためである。
接触力をもたらす機構を形成する、屈曲に対して弾性を有する要素は、後縁部2自体として形成してもよい。この場合、後縁部2が、少なくとも前縁スラット12の本体6に隣接する領域である移行領域9において、適宜な復元性を有するとともに弾性及び可撓性を有する材料、つまり適宜な弾性剛性を有する材料により形成される。このような弾性材料を図3Aに示す(斜線の領域)。
または、接触力をもたらす機構は、図3Bに示すように、アクチュエータ8(制御可能なアクチュエータ)として形成してもよい。このようなアクチュエータは適宜な方法にて実施可能であり、例としては、形状記憶合金や圧電アクチュエータの使用が挙げられる。このように構成することにより、間隙14の大きさを能動的に調整できる。
また、このように構成することにより、離陸設定IIにおいて、飛行機の迎え角が通常である場合は間隙14を縮小し、迎え角が通常よりも高い場合は間隙14を閉鎖させることができる。その結果、飛行機の最大有効揚力係数を著しく向上させることができる。そのため、飛行安全及び飛行機設計の向上をもたらし得る。
継ぎ目として機能する、屈曲に対して弾性を有する要素3は、通常の場合、前縁スラット12の翼幅方向の全長にわたって延びる。この要素3は、バネ鋼からなる連続するバネ要素や、屈曲時に適宜な弾性すなわち可撓性を有する、繊維で補強されたプラスチック等として形成可能である。屈曲に対して弾性を有する要素3は、外殻1と一体をなすよう形成してもよい。つまり、前縁スラット12の外殻1において本体6から後縁部2へ移行するセクションにおいて可撓性を有する領域として形成してもよい。もしくは、別の部品として形成し、前縁スラット12の外殻1のこの部分に装着してもよい。外殻1への装着は、接着剤やリベット継手を用いて周知の方法にて行うことができる。要素3の形状及び厚さを適宜に構成することにより、必要な剛性及び強度を供することができる。
並進に対して弾性を有する要素4も、連続するバネ要素として形成可能であり、前縁スラット12の翼幅のほぼ全長にわたって延びる。要素4は、バネ鋼、又は繊維で補強されたプラスチックから形成可能である。特に好適には、要素4はリーフスプリングの形状に構成可能である。この場合、要素4は、互いの上に重ねられるとともに互いに対して移動可能である複数のリーフを有する。リーフの数及び厚さを適宜に設定することにより、必要な強度及び所望の弾性剛性をもたらすことができる。
図2及び4に示す構成ではなく、屈曲に対して弾性を有する要素3と並進に対して弾性を有する要素4とを入れ替え、要素3を下側に配置し、要素4を上側に配置してもよい。さらに、継ぎ目、つまり本体6に対して後縁部2が柔軟に曲げられる際に基準となる回転軸は、前縁スラット12の内部の高さの中間位置に配置可能である。もしくは、前縁スラット12の上面殻と下面殻の間のいずれの位置に配置してもよい。この場合、前縁スラット12の上面殻及び下面殻の長さが適宜に変更される。具体的には、図3Aに示す実施形態がこの一例であり、ここでは、本体6と後縁部2との間の移行部9に弾性を有する材料が用いられている。
図4に示されるようなストップ要素は、単独で形成してもよいし、接触力をもたらす機構4,8と一体に形成してもよい。これは、接触力をもたらす機構4,8が弾性要素及びアクチュエータのいずれの場合であっても同様である。

Claims (15)

  1. 飛行機の翼に配置された前縁スラットであって、
    前記翼が上面殻(21)、下面殻(22)及び側面前縁(23)を有する主翼(24)を備え、前記前縁スラット(12)が主翼(24)の前面に配置され、前記前縁スラット(12)が前方に配向される側面前縁(10)及び後方に配向され、かつ主翼(24)に対向する後縁(11)を有し、前記前縁スラット(12)が後退した巡航設定(I)から拡張可能であり、同後退した巡航設定(I)においては前記前縁スラット(12)が主翼(24)の前面と接触して平坦状をなすよう配置されるとともに巡航に適した形状を形成するよう主翼(24)の側面形状を補完し、前記前縁スラット(12)が拡張されると翼の側面の湾曲及び長さが翼弦方向に増加されるため揚力が増加され、
    前記前縁スラット(12)が第1の部分的に拡張した設定(II)にある場合は前縁スラット(12)の後縁(11)が主翼(24)と接触して平坦状をなすよう配置され、前記前縁スラット(12)が第2のさらに拡張した設定(III)にある場合は前縁スラット(12)の後縁(11)が主翼(24)の側面前縁(23)から離間して配置されるため間隙(14)が開けられ、同間隙(14)が前縁スラット(12)の下面から主翼(24)の上面(21)に高エネルギーの空気を供給し、
    前記前縁スラット(12)が本体(6)と、主翼(24)に対向する後縁部(2)とを有し、同後縁部(2)が前記前縁スラット(12)の幅方向を基準として本体(6)に対して屈曲され、後縁部(2)に前縁スラット(12)の後縁(11)が配置され、前縁スラット(12)の後縁(11)と主翼(24)の側面前縁(23)とを接触させるために接触力をもたらす機構(4,8,9)が配置されることを特徴とする前縁スラット。
  2. 前記後縁部(2)が継ぎ目(3)を介して前縁スラット(12)の本体(6)に接合されて、後縁部(2)が前記前縁スラット(12)の幅方向を基準として本体(6)に対して柔軟に屈曲されることを特徴とする請求項1に記載の前縁スラット。
  3. 前記継ぎ目が、屈曲に対して弾性を有する要素(3)により形成されることを特徴とする請求項2に記載の前縁スラット。
  4. 前記屈曲に対して弾性を有する要素(3)が、前記前縁スラット(12)の上面を形成する外殻(1)に配置されることを特徴とする請求項3に記載の前縁スラット。
  5. 前記接触力をもたらす機構(4,8)が後縁部(2)の下面を前縁スラット(12)の本体(6)に接合するよう配置されることを特徴とする請求項4に記載の前縁スラット。
  6. 前記接触力をもたらす機構が弾性要素(4)により形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の前縁スラット。
  7. 前記弾性要素(4)が並進に対して弾性を有する要素であることを特徴とする請求項6に記載の前縁スラット。
  8. 前記接触力をもたらす機構がアクチュエータ(8)により形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の前縁スラット。
  9. 前記屈曲に対して弾性を有する要素が後縁部(2)自体により形成され、少なくとも前縁スラット(12)の本体(6)に近接する領域(9)が弾性及び可撓性を有する材料により形成されることを特徴とする請求項3に記載の前縁スラット。
  10. 前記屈曲に対して弾性を有する要素(3,9)が前縁スラット(12)の全幅長にわたって延びることを特徴とする請求項3、4及び9のいずれか一項に記載の前縁スラット。
  11. 前記並進に対して弾性を有する要素(4)が前縁スラット(12)の全幅長にわたって延びることを特徴とする請求項6、7及び10のいずれか一項に記載の前縁スラット。
  12. 前記アクチュエータ(8)が形状記憶アクチュエータ又は圧電アクチュエータにより形成されることを特徴とする請求項8に記載の前縁スラット。
  13. 前記アクチュエータ(8)が制御のために制御装置に連結され、前縁スラット(12)が部分的に拡張した設定(II)にある場合、可能な最大揚力係数を増加させるべく主翼(24)の上面に空気を供給する間隙を開けるために、前縁スラットの後縁(11)が主翼(24)から任意で持ち上げられるべく前記制御装置がアクチュエータ(8)を制御することを特徴とする請求項8又は12に記載の前縁スラット。
  14. 前記前縁スラット(12)の本体(6)に対する後縁部(2)の屈曲を制限するためにストップ要素(7)が配置されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の前縁スラット。
  15. 前記ストップ要素(7)が前記接触力をもたらす要素(4,8)に配置されることを特徴とする請求項14に記載の前縁スラット。
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