JP2012503673A - ミネラルコーティングされたマイクロスフェア - Google Patents

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Abstract

第1カルシウム含有ミネラルでコーティングされたビーズを含むマイクロスフェアが提供される。マイクロスフェアの製造方法もまた提供される。さらに、脊椎動物への化合物の投与方法が提供される。
【選択図】 図5

Description

関連出願の相互参照
本願は、米国仮出願第61/100,062号(出願日:2008年9月25日)に基づく利益を主張する。その開示は、参照によりその全体が本願に組み込まれる。
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
本発明は、米国立衛生研究所グラント番号R03AR052893によって米国政府の支援を受けて行われた。米国政府は本発明に一定の権利を有する。
本願は、一般に組織工学および治療化合物の投与に関する。
生体内分解性マイクロスフェアは、小分子(DeFailら、2006)、DNA(JangおよびShea、2003)およびタンパク質(Yangら、2001)を含む薬物分子の徐放性担体として広く使用されてきた。これらの担体は、注入型ドラッグデリバリー(PandyおよびKhuller、2007)から幹細胞分化の操作(NewmanおよびMcBurney、2004;Ferreiraら、2008)にまでわたる生体医学用途に一般に用いられてきたが、これらのマイクロスフェアからのタンパク質放出は、多くの場合、低い分子カプセル化効率(AkhtarおよびLewis、1997)、短い時間スケールでの分子の“爆発”放出(O’DonnellおよびMcginity、1997)ならびにマイクロスフェア処理条件およびポリマー分解副生成物(JiangおよびSchwendeman、2001)による生体分子の活性低下によって困惑させられている。
無機ミネラルでコーティングされた有機高分子で構成されるハイブリッド材料は、それらの有利な特性の組み合わせによって、生物学および医学において多くの注目を受けてきた。高分子材料は、種々のサイズおよび外形に加工し、制御可能な時間枠内で生体吸収する(bioresorb)ように設計できるので、生体医学用途に望ましい基材である。このように、高分子生体材料は、医療機器、組織工学足場およびドラッグデリバリーシステムを含む種々の用途に重要な役割を果たしてきた。
リン酸カルシウムベースのミネラルコーティングは、それが骨組織と類似しており、自然骨との好ましい相互作用(“生体活性”と呼ばれる特性)を促進することが示されているので、生体医学用途の望ましい面の典型を示している。例えば、骨ミネラルの主要な無機成分であるヒドロキシアパタイトは骨誘導性を示し(Ducheyneら、1999)、in vivoでも新規骨形成を誘導することができる(Habibovicら、2006)。
生体材料表面上にヒドロキシアパタイトコーティングを成長させるために用いられるアプローチの特定のサブセットは、天然のバイオミネラリゼーションプロセスの側面の一部を模倣しており、従って、“バイオミメティック”または“バイオインスパイアード(bioinspired)”と呼ばれてきた(Hongら、2006;GaoおよびKoumoto、2005;Levequeら、2004;Greenら、2006)。このタイプのアプローチは、商業的高温加工方法、例えばプラズマ溶射(Gledhillら、2001)、スパッターコーティング(Yamashitaら、1994)およびレーザー堆積(Fernandez-Pradasら、1998)に代わる選択肢として、実用上および経済的に興味が持たれる。Kokuboらは、ヒト血漿とほぼ同等のイオン濃度を有し、生理的温度およびpHに維持された疑似体液(SBF)中での、生体活性CaO-SiO2ガラス上のアパタイトコーティングのバイオインスパイアード成長を最初に報告した(Kokuboら、1990)。その後の一連の研究により、SBFの新規配合物を用いるミネラル成長(Oyaneら、2003)、ミネラル成長プロセスの変形(Miyajiら、1999)または基材の変形(Yogogawaら、1997)が報告された。これらの研究におけるミネラル核形成の基礎には、材料表面上のSi-OH(Liら、1992)、Ti-OH(Barrereら、2004)およびZr-OH(Uchidaら、2001)などの極性官能基と溶液中のミネラルイオンとの相互作用が含まれた。一連の最新の研究は、バイオインスパイアードミネラル化プロセスが、生体内分解性ポリマーフィルム上の骨様ヒドロキシアパタイトコーティング(MurphyおよびMooney、2002)または多孔質足場(Murphyら、2000;ZhangおよびMa、2004;BajpaiおよびSingh、2007)の形成を含むところまで発展している。これらの材料でのミネラル核形成および成長の機構は、異種核形成およびミネラル成長の駆動力となる、溶液中のカルシウムおよびリン酸塩に富んだ核と、加水分解された表面上のカルボキシラート基およびヒドロキシル基との相互作用に基づく(MurphyおよびMooney、2002)。このコーティングプロセスは、生理的温度およびpHで実施することができるので、生体内分解性ポリマーに特に適しており(Tanahashiら、1994)、その穏やかな処理条件により、コーティングプロセス中にポリペプチドおよびポリヌクレオチドなどの生体活性分子を取り込むことが可能であることも示唆される。
治療処置に使用する、ミネラルコーティングされたポリマーの新規用途が求められている。本発明は、これらの必要性に取り組んでいる。
本発明者らは、カルシウム含有ミネラルコーティングを有するマイクロスフェアを製造できることを見出した。実施例を参照のこと。これらのマイクロスフェアは、少なくとも、それと組み合わせた治療化合物の徐放性を提供するのに有用である。
本願は、第1カルシウム含有ミネラルでコーティングされたビーズを含むマイクロスフェアに関する。
本願はまた、マイクロスフェアの製造方法にも関する。本方法は、炭酸塩、カルシウム、およびリン酸塩を含む生理的食塩水中でビーズをインキュベートして、ビーズ上に第1カルシウム含有ミネラル層コーティングを形成させることを含む。本方法において、ミネラル層コーティングを含むビーズはマイクロスフェアである。
他の実施形態において、本願は、脊椎動物への化合物の投与方法に関する。本方法は、上記マイクロスフェアを脊椎動物に投与することを含む。
ミネラルコーティングの前後の、PLGマイクロスフェアの概略図および顕微鏡写真である。 XRDおよびFTIRスペクトルのグラフである。パネルAは、2θ=25.78°、28.68°および32.05°における、ヒドロキシアパタイトに対応するアパタイトピークを示す、ミネラルコーティングされたマイクロスフェアの典型的なXRDスペクトルを示す。パネルBは、リン酸塩ピーク(1087、1035、950、560cm-1)ならびに炭酸塩ピーク(1456および1415cm-1)を示す、典型的なFTIRスペクトルを示す。 ミネラルコーティングされたマイクロスフェア上へのタンパク質の結合に関するグラフおよび顕微鏡写真である。パネルAは、リン酸塩ピーク(1087、1035、950、560cm-1)、炭酸塩ピーク(1456および1417cm-1)、ならびにアミドピーク(1653および1558cm-1)を示す、ミネラルコーティングされたマイクロスフェアに結合したタンパク質の典型的なFT-IRスペクトルである。パネルBは、ミネラルの表面に結合したタンパク質の走査型電子顕微鏡写真(SEM)(スケールバー=100nm)である。パネルCは、ミネラルコーティングされたマイクロスフェアの表面へのウシ血清アルブミン(BSA)およびシトクロムc(Cyt c)の結合曲線を示す。 ミネラルコーティングされたマイクロスフェアからのタンパク質の放出に関するグラフおよび顕微鏡写真である。パネルAは、ミネラルコーティングされたPLGマイクロスフェアに結合したBSAとPLGマイクロスフェアに封入したBSAとの累積放出の比較である。両アプローチ共に持続放出を示すが、30日後の結合BSA放出の総量に関しては、封入BSAよりも有意に高かった。パネルBおよびCは、30日間の放出期間後のミネラルコーティングされたマイクロスフェア(B);およびPLGマイクロスフェア(C)のSEM画像である。パネルDは、pH4およびpH7.4における、ミネラルコーティングされたPLGマイクロスフェアからのCyt cの累積放出を示す。パネルEおよびFは、緩衝液pH=4(E)およびpH=7.4(F)中での30間の放出後の、ミネラルコーティングされたマイクロスフェアのSEM画像である。 PLGマイクロスフェア(A)および、mSBF中での7日間のインキュベーション後のミネラルコーティングされたマイクロスフェアのSEM画像である。 パネルA〜Dは、0.25%w/v(A)、0.50%w/v(B)、0.75%w/v(C)および1.00%(D)w/vのmSBF溶液中での7日間のインキュベーション後の、ミネラルコーティングされたマイクロスフェアのSEM画像である。パネルEは、ミネラル成長中の溶液におけるマイクロスフェア濃度とミネラルコーティングされたマイクロスフェア凝集体のサイズ間の関係を示すグラフである。 緩衝液PBS、mSBFおよびmSBF+0.1%(v/v)ツイーン20(登録商標)中でのPLGマイクロスフェアのζ電位(パネルA)ならびにPLGマイクロスフェアと比較しての、加水分解されないPLGフィルムおよび加水分解されたPLGフィルムのζ電位(パネルB)を示すグラフである。 ミネラルコーティングされたマイクロスフェアおよびヒドロキシアパタイト粉末(比較のために含めた)のX線回折分析(パネルA)ならびにミネラルコーティングされたマイクロスフェアのフーリエ変換赤外分析(パネルB)を示すグラフである。炭酸塩と関連するピークは*で示し、リン酸塩と関連するピークは†で示す。 mSBF中での7日間のインキュベーション後の、ミネラルコーティングされたマイクロスフェアのEDSスペクトルを示す図である。 PLGマイクロスフェア上のミネラル核形成・成長のプロセスを示すSEM画像である。これらの画像は、mSBFでの浸漬1日後(A)、インキュベーション3日後(B)、インキュベーション5日後(C)およびインキュベーション7日後(D)のマイクロスフェアである。 PBS、mSBFおよびmSBF+ツイーン20(登録商標)中で1、3および7日間懸濁後の、凝集したマイクロスフェアの百分率を示すグラフである。 ミネラルコーティングされたマイクロスフェアのミネラル溶出のグラフおよびSEM画像である。パネルAは、トリス緩衝生理食塩水(TBS)中での25日間のインキュベーションの間でのCa2+およびPO4 3-の累積溶出を示す。パネルBは、DMEM中での25日間のインキュベーションの間でのPO4 3-の累積溶出を示す。パネルCは、25日間のTBSによるインキュベーション後の、ミネラルコーティングされたマイクロスフェアのSEM画像である。パネルDは、25日間のDMEMによるインキュベーション後の、ミネラルコーティングされたマイクロスフェアのSEM画像である。 3日後(A)、7日後(B)、14日後(C)および28日後(D)にPLGマイクロスフェア表面に形成されるミネラルに対する界面活性剤(ツイーン20(登録商標))の効果を示すSEM画像およびグラフである。パネルEは、0.1%v/vツイーン20(登録商標)の存在下でのmSBFの28日間のインキュベーションによってミネラルでコーティングされたPLGマイクロスフェアのFTIRスペクトルを示す。比較のために、市販のHA粉末のスペクトルを含めた。 0.1%v/vツイーン20(登録商標)の存在下(A)または非存在下(B)で形成されるマイクロスフェアの表面上のナノメートルスケールのミネラルの形態を示すSEM画像である。
発明の詳細な説明
本発明者らは、カルシウム含有ミネラルコーティングを有する新規マイクロスフェアの製造方法を開発した。本発明者らはまた、これらのマイクロスフェアを解析し、これらのマイクロスフェアが、これらのマイクロスフェアを用いて治療化合物を組織に送達するのに有用な有利な特性を有することを確証した。実施例を参照のこと。
いくつかの実施形態において、本願は、第1カルシウム含有ミネラルでコーティングされたビーズを含むマイクロスフェアに関する。実施例において、改良疑似体液(mSBF)を用いるこれらのマイクロスフェアの典型的な製造方法を記載する。mSBFのミネラル組成および/または濃度を調節することによって、マイクロスフェア上に沈殿するミネラルの組成を操作することができる。米国特許出願公開第2008/0095817 A1号;米国特許第6,767,928 B1号;米国特許第6,541,022 B1号;国際公開番号WO2008/070355 A2;国際公開番号WO2008/082766 A2;MurphyおよびMooney、2001;MurphyおよびMessersmith、2000もまた参照のこと。
カルシウム含有ミネラルコーティングの製造に適した無機ミネラルは、種々の骨ミネラルイオン、例えば、限定するものではないが、カルシウムおよびリン酸塩および骨ミネラルイオンの組み合わせ、例えばリン酸カルシウムを含む。カルシウム含有ミネラルコーティングは、例えば、ヒドロキシアパタイト(HAP)、α-リン酸三カルシウム(α-TCP)、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)、非晶質リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸八カルシウムまたは炭酸カルシウムを含むことができる。カルシウム含有ミネラルコーティングは、複数の層、例えば別個の溶出挙動を有する異なる層を含むことができる。生理的条件下では、リン酸カルシウム種の溶解性は、以下の傾向に従う:非晶質リン酸カルシウム>リン酸水素カルシウム>リン酸八カルシウム>β-TCP>HAP。リン酸水素カルシウムミネラルは、一般的には、HAPの50倍を超える溶出速度を有する。従って、別個のリン酸カルシウム層を有するマトリックスの調製によって、広範囲の溶出パターンが可能となる。
ビーズは、当該技術分野で公知の任意の適切な材料で形成されることができる。特定の用途のためのビーズ材料の選択は、過度の実験を要することなく行うことができる。
いくつかの実施形態において、ビーズは負電荷を含み、それによってカルシウム含有材料の沈着を促進することができる。負電荷は、ビーズ上に存在する任意の部分、例えばポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)に存在するようなカルボキシラート基によって提供できる。いくつかの実施形態において、ビーズはポリマー、例えば合成ポリマーで製造されている。これらの実施形態の種々の側面において、ポリマーは生体吸収性である。限定するものではないが、適切なビーズ材料の例は、例えば、コラーゲンゲル、ポリビニルアルコール、海洋接着タンパク質、PLG繊維マトリックス、ポリグラクチン繊維、アルギン酸カルシウムゲル、ポリグリコール酸、ポリエステル(例えば、ポリ-(L-乳酸)またはポリ無水物)、多糖(例えばアルギン酸塩)、キトサン、ポリホスファゼン、ポリアクリル酸エステル、ポリエチレンオキシド-ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、フィブリン、コラーゲンおよびフィブロネクチン、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(カプロラクトン)、ポリカルボナート、ポリアミド、ポリ無水物、ポリアミノ酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリシアノアクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル)、エチレン酢酸ビニルポリマーおよび他のアシル置換酢酸セルロースおよびその誘導体)、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホン化ポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、テフロン(登録商標)、ナイロン、ならびに上記のいずれかのアナログ、混合物、組み合わせおよび誘導体を含む。
種々の実施形態において、ビーズは、極性酸素基を含むポリマーで作られている。このようなポリマーの例は、ポリカルボキシラート、ポリ無水物、ポリ(α-ヒドロキシエステル)、ポリ(エチレンテレフタラート)、ポリ(カルボナート)、ポリ(アミド)、ポリ(ラクトン)、ポリ(サッカライド)およびポリ(アクリル酸エステル)を含む。
種々の実施形態において、ビーズはPLG、例えば約85:15の比率のラクチド:グリコリド(“85:15 PLG”)で作られている。コポリマーのラクチド/グリコリド比の低下により、表面の加水分解率は上昇すると考えられるので、85:15 PLGコポリマーの使用は有利である。
特定の具体的な実施形態において、第1カルシウム含有ミネラルは炭酸置換カルシウム欠損ヒドロキシアパタイト(carbonated-substituted calcium-deficient hydroxyapatite)であり、ビーズはPLGであり、ここでPLGはラクチド:グリコリド(約85:15)である。
いくつかの実施形態において、マイクロスフェアは、第1カルシウム含有ミネラルに接着する成分であって、第1カルシウム含有ミネラルに官能基を導入する前記成分をさらに含む。このような官能基の導入により、マイクロスフェアへの任意の追加の材料(例えば治療化合物)の共有結合が可能になる。限定するものではないが、成分上に導入することができる官能基の例は、カルボキシラート、アミン、カルボニル、ニトロ、ヒドロキシル、アルデヒドまたはエステルである。いくつかの実施形態において、成分はポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸またはビスホスホネートを含む。例えば、Murphyら(2007)を参照のこと。これらの実施形態において有用な成分の、限定するものではないが、他の例は、オリゴペプチドAAAAEPRREVAELまたはAAAAγEPRRγEVAγEL(式中、γEはカルボキシグルタミン酸塩である)である。
いくつかの実施形態において、マイクロスフェアは、第1カルシウム含有ミネラルまたは成分に接着する第1化合物をさらに含む。
第1化合物含有マイクロスフェアの特定の具体的な実施形態において、第1カルシウム含有ミネラルは炭酸置換カルシウム欠損ヒドロキシアパタイトであり、ビーズはポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)であり、ここでPLGはラクチド:グリコリド(約85:15)である。
これらの実施形態は、特定の第1化合物に限定されない。第1化合物はMW2000未満またはMW1000未満またはMW500未満の有機化合物であることができる。限定するものではないが、例は、抗生物質、コルチコステロイドおよびスタチンを含む。さらなる具体例は、セファゾリン、セフロキシム、クリンダマイシン、バンコマイシンおよびデキサメタゾンを含む。
あるいは、第1化合物はオリゴペプチドまたはポリペプチドであることができる。本明細書において、オリゴペプチドは、30以下の直鎖アミノ酸を含む。ポリペプチドは、30を超えるアミノ酸を含む。オリゴペプチドの例は、GGRGDSP(フィブロネクチン由来の細胞接着ペプチド)、GGIKVAV(ラミニン由来の細胞接着ペプチド)、GGYIGSR(ラミニン由来の細胞接着ペプチド)、GGDGEA(I型コラーゲン由来の細胞接着/シグナル伝達ペプチド)、GGKIPKASSVPTELSAISTLYL(骨形成因子2由来のペプチド)、AAAAEPRREVAEL(オステオカルシン由来の改変ペプチド;ヒドロキシアパタイトミネラルにある程度の親和性)、AAAAγEPRRγEVAγEL(式中、γEはカルボキシグルタミン酸塩である)(オステオカルシン由来の改変ペプチド;ヒドロキシアパタイトミネラルに高親和性)である。
他の実施形態において、第1化合物は、ポリペプチド、例えばサイトカイン、酵素または、抗体結合部位を含むタンパク質(例えば抗体)である。限定するものではないが、マイクロスフェアに含有させることができるポリペプチドの他の例は、事実上すべてのホルモン、神経伝達物質、増殖因子、増殖因子受容体、インターフェロン、インターロイキン、ケモカイン、サイトカイン、コロニー刺激因子および/または走化性因子タンパク質もしくはポリペプチドである。さらなる例は、最終組成物の使用目的に応じて、転写もしくは伸長因子、細胞周期制御タンパク質、キナーゼ、ホスファターゼ、DNA修復タンパク質、癌遺伝子、腫瘍抑制因子、血管新生タンパク質、抗血管新生タンパク質、免疫応答刺激タンパク質、細胞表面受容体、アクセサリーシグナル伝達分子、輸送タンパク質、酵素、抗菌および/または抗ウイルスタンパク質もしくはポリペプチドなどを含む。さらなる具体例は、成長ホルモン(GH);副甲状腺ホルモン(PTH、PTH1〜34を含む);骨形成因子(BMP)、例えばBMP-2A、BMP-2B、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6、BMP-7およびBMP-8;トランスフォーミング増殖因子-α(TGF-α)、TGF-β1およびTGF-β2;線維芽細胞増殖因子(FGF);顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF);上皮増殖因子(EGF);血小板由来増殖因子(PDGF);インスリン様成長因子(IGF)、白血病阻害因子(LIF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、アンギオゲニン、アンギオポエチン-1、del-1、フォリスタチン、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、肝細胞増殖因子/細胞分散因子(HGF/SF)、インターロイキン-8(IL-8)、レプチン、ミッドカイン、胎盤増殖因子、血小板由来内皮細胞増殖因子(PD-ECGF)、血小板由来増殖因子-BB(PDGF-BB)、プレイオトロフィン(PTN)、プログラニュリン、プロリファリン、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、アンギオポエチン1(ang1)、ang2、ならびにデルタ様リガンド4(DLL4)を含む。
いくつかの特定の実施形態において、ポリペプチドは、BMP-2、BMP-7、VEGF、FGF-2、PDGF、TGF-β、インターロイキンまたはヒトGHである。
第1化合物は核酸であることもできる。限定するものではないが、例は、マイクロRNA、アンチセンス核酸およびベクターを含む。第1化合物がベクターである場合、既知のまたは後に発見される任意のベクターを本明細書に含むことができる。いくつかの実施形態において、ベクターは、治療用タンパク質、例えば上記のタンパク質のいずれかをコードする配列を含む。
第1化合物は、非共有結合でマイクロスフェアに接着することができる。あるいは、マイクロスフェアは、第1カルシウム含有ミネラルに接着し、マイクロスフェアに、第1化合物が共有結合される官能基を導入する成分をさらに含むことができる。例えば、Murphyら(2007)を参照のこと。
いくつかの実施形態において、第1化合物は第1カルシウム含有ミネラルの1を超えるレベルである。これらのマイクロスフェアは、一般に、化合物がただ1レベルだけの場合よりもより長い期間化合物を放出する(例えば、第1カルシウム含有ミネラルの外表面。
他の実施形態において、マイクロスフェアから化合物が放出される速度を変化させるように第1化合物が改変される。例えば、第1カルシウム含有ミネラルに対する化合物の結合強度を増大させる部分を第1化合物がさらに含む場合、その部分が存在しない場合よりも化合物がゆっくり放出されるであろう。限定するものではないが、このような部分の例は、鉱化した細胞外マトリックスにおいてカルシウムイオンと直接に相互作用するグルタミン酸、アスパラギン酸またはホスホセリンに富むアミノ酸配列を含む。他の例は、AAAAEPRREVAELまたはAAAAγEPRRγEVAγEL(式中、γEはカルボキシグルタミン酸塩である)を含む。
種々の実施形態において、第1カルシウム含有ミネラルまたは成分に接着する第2化合物をマイクロスフェアはさらに含む。第1化合物と同様に、マイクロスフェアは第2化合物の性質に関して限定されない。第2化合物は、例えば、MW2000またはMW1000またはMW500未満の有機化合物であることができる。あるいは、第2化合物はオリゴペプチドもしくはポリペプチドまたは核酸であることができる。これらの実施形態において、第1化合物と第2化合物は、第1カルシウム含有ミネラルのレベルとは同一または異なることができる。2つの化合物が異なる時間に放出されることが所望される場合に、異なるレベルの2つの化合物を有することは有用である。マイクロスフェアは、必要に応じて、第2化合物、第3化合物、第4化合物、第5化合物などをさらに含むことができる。
さらなる実施形態において、マイクロスフェアは生細胞を含む。生細胞は、古細菌、原核生物または真核細胞を含む任意の生物体由来であることができる。いくつかの実施形態において、細胞は哺乳動物細胞である。細胞は、天然に存在するものであることもできるし、あるいは形質転換されて組換え分子、例えばタンパク質または核酸(例えばmiRNA)を発現するものであることもできる。
これらの細胞含有マイクロスフェアの特定の具体的な実施形態において、第1カルシウム含有ミネラルは炭酸置換カルシウム欠損ヒドロキシアパタイトであり、ビーズはポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)であり、ここでPLGはラクチド:グリコリド(約85:15)である。
既知の任意の手段によって、細胞をマイクロスフェアに接着させることができる。いくつかの実施形態において、マイクロスフェアは細胞上の第2結合剤に結合する第1結合剤を含む。限定するものではないが、このような薬剤の例は、受容体と受容体のリガンド、相補的核酸または細胞接着ペプチドと細胞接着ペプチドのリガンドである。後者の場合、適切な細胞接着ペプチドの例は、GGRGDSP、GGIKVAV、GGYIGSRまたはGGDGEAである。これらのペプチドまたは任意の他の第1結合剤は、より大きな分子、例えば上記のように第1カルシウム含有ミネラルに結合する分子の一部であることができる。
いくつかの実施形態において、マイクロスフェアは、細胞および、該細胞と相互作用する化合物(例えば、サイトカイン)を含む。このようなマイクロスフェアにおいて、サイトカインは、好都合には細胞に近接しており、それにより化合物が細胞と接触しやすくなり、従って細胞と相互作用する。
さらなる実施形態において、マイクロスフェアは、第2カルシウム含有ミネラルコーティングをさらに含む。第2コーティングは、第1カルシウム含有ミネラルとは異なる分解速度を有するミネラルであることができる。2つのコーティングを含むマイクロスフェアは、1つまたは2以上の化合物をさらに含むことができる。2つのコーティングのどちらも、例えば、ヒドロキシアパタイト(HAP)、α-リン酸三カルシウム(α-TCP)、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)、非晶質リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸八カルシウムまたは炭酸カルシウムのいずれかであることができる。例えば、第1カルシウム含有ミネラルは、ヒドロキシアパタイトであり、さらに第1治療化合物を含むことができ、第2カルシウム含有ミネラルはα-TCPであり、第1カルシウム含有ミネラル上に(すなわち、マイクロスフェア表面により近く)コーティングされ、第2治療化合物をさらに含むことができる。この例において、第2カルシウム含有ミネラルが最初に分解し、第2治療化合物が放出され、次いで第1治療化合物が放出されるであろう。
マイクロスフェアに化合物が存在する場合、その放出は多くの要因、例えば、(a)カルシウム含有ミネラルまたは成分に化合物がどのくらい強く接着しているか、(b)マイクロスフェアの表面と化合物がどのくらい離れているか(例えば、化合物が添加された後に、マイクロスフェア上にカルシウム含有ミネラル層が沈着された場合)、(c)カルシウム含有ミネラルの分解/生体吸収速度、(d)化合物が成分に共有結合しているかどうか、そして共有結合している場合、(e)成分がミネラルにどのくらい強く結合しているか、(f)化合物と成分との共有結合がどのくらい強いか、および(g)例えばマイクロスフェアが植え込まれた組織由来の、共有結合を切断して化合物を放出させる酵素が存在するかどうか、に左右される。これらの要因のそれぞれは、マイクロスフェアの形態に応じて、化合物の放出に多かれ少なかれ影響を有しうる。例えば、化合物が成分に共有結合され、成分がカルシウム含有材料に強く結合し、共有結合を切断する酵素が存在しない場合、成分の放出に影響を及ぼす主な要因は、カルシウム含有ミネラルの分解速度である。しかしながら、化合物がカルシウム含有ミネラルに非共有結合で直接に接着している場合、上記要因(a)〜(c)のすべてが、化合物の放出速度に影響を有すると考えられる。
さらなる実施形態において、化合物はビーズ中に含まれる。これらの実施形態において、化合物は、カルシウム含有ミネラルの分解後、ビーズの分解時に放出されるであろう。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の種々のマイクロスフェアは、一般に、直径約0.5μm〜約500μmを有する。他の実施形態において、マイクロスフェアは直径約0.5μm〜約100μmを有する。さらなる実施形態において、マイクロスフェアは直径約2μm〜約6μmを有する。
実施例で述べるように、マイクロスフェアは、特に高濃度のマイクロスフェアで製造されるか、または長期間、mSBF中インキュベーションによって製造される場合、凝集する傾向がある(実施例参照)。従って、いくつかの実施形態において、本願は、上記の凝集したマイクロスフェアのいずれか複数に関する。これらの凝集したマイクロスフェアの特定の具体的な実施形態において、第1カルシウム含有ミネラルは炭酸置換カルシウム欠損ヒドロキシアパタイトであり、ビーズはポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)であり、ここでPLGはラクチド:グリコリド(約85:15)である。これらの凝集したマイクロスフェアの他の実施形態において、前述のように、第1化合物は第1カルシウム含有ミネラルに接着する。
本願はまた、マイクロスフェアの製造方法にも関する。本方法は、炭酸塩、カルシウムおよびリン酸塩を含む生理的食塩水中でビーズをインキュベートして、ビーズ上に第1カルシウム含有ミネラル層コーティングを形成させることを含む。ここでミネラル層コーティングを含むビーズはマイクロスフェアである。実施例を参照のこと。いくつかの実施形態において、溶液はNaCl、KCl、MgCl2、MgSO4、NaHCO3、トリス、CaCl2、およびKH2PO4を含む。より具体的な実施形態において、溶液は、約100〜200mM NaCl、約1〜8mM KCl、約0.1〜2mM MgSO4、約0.2〜5mM MgCl2、約1〜100mM NaHCO3、約2〜20mM CaCl2および約0.5〜10mM KH2PO4を含む。よりさらに具体的には、溶液は、約141mM NaCl、約4.0mM KCl、約0.5mM MgSO4、約1.0mM MgCl2、約4.2mM NaHCO3、約5.0mM CaCl2および約2.0mM KH2PO4を含む。
これらの方法のいくつかにおいて、溶液はまた、カルシウム含有ミネラル層の形態を変化させ、マイクロスフェアの凝集を抑制することができる界面活性剤を含む。実施例2を参照のこと。本明細書において、現在既知の、または後に発見される任意の界面活性剤を用いることができる。いくつかの実施形態において、界面活性剤はツイーン20(登録商標)である。
いくつかの実施形態において、本明細書記載のミネラルコーティングは、上記溶液(“疑似体液”(SBF)または“改良疑似体液”(mSBF)と呼ぶことができる)中で5日間以上、pH約6.8〜約7.4、温度約37℃でインキュベートすることにより施される。SBFまたはmSBFは、1日1回補給することができる。実施例に記載されている化学組成物を用いて、本手順により、アルギン酸塩上およびポリ-(α-ヒドロキシエステル)上に、カルシウム欠損炭酸塩含有アパタイト材料が生じる。米国特許第6,767,928号を参照のこと(参照により本願に組み込まれる)。mSBFは、より高濃度のカルシウムおよびリン酸塩を含む。一般に、pHの上昇はヒドロキシアパタイトの成長に有利であり、pHの低下はリン酸八カルシウムのミネラル成長に有利である。
例えば、ヒドロキシアパタイトの形成に好ましい条件は、約5.0〜約8.0のpHおよび、約10-5〜約10-8Mのリン酸塩濃度を乗じたカルシウム濃度を含む。同様に、リン酸八カルシウムの形成に好ましい条件は、約6.0〜約8.0のpHおよび、約10-5〜約10-7.5Mのリン酸塩濃度を乗じたカルシウム濃度を含む。さらにまた、無水リン酸水素カルシウムの形成に好ましい条件は、約6.0〜約8.0のpHおよび、約10-4〜約10-6Mのリン酸塩濃度を乗じたカルシウム濃度を含む。
具体的には、テンプレートとしてポリ-(α-ヒドロキシエステル)またはアルギン酸塩ヒドロゲルを用いる場合、ヒドロキシアパタイトの形成を促進させるためには、一般に、mSBFのpHを約5.0〜約6.0に変える。同様に、リン酸八カルシウムおよびヒドロキシアパタイトの形成を促進するためには、一般に、mSBFのpHを約6.0〜約6.5に変える。同様に、リン酸水素カルシウム、リン酸八カルシウムおよびヒドロキシアパタイトの形成を促進するためには、一般に、mSBFのpHを約6.5〜約8.0に変える。
第1カルシウム含有ミネラルの沈着の前に、例えばNaOH溶液を用いる化学的前処理を利用して表面の加水分解を行うことによって、ビーズの表面機能化を行ってミネラル化の増加を可能にすることができる。この技術による表面分解は、材料の表面上の極性酸素官能基量の増加をもたらす。次いで、機能化表面をミネラル含有溶液でインキュベートする。
いくつかの実施形態において、本方法は、第1カルシウム含有ミネラル層に接着する成分をマイクロスフェアに加えることをさらに含む。これらの実施形態において、前記成分は第1カルシウム含有ミネラル層に官能基を導入する。前述のように、限定するものではないが、このような成分は、ポリアスパラギン酸配列、ポリグルタミン酸配列、AAAAEPRREVAELおよびAAAAγEPRRγEVAγEL(式中、γEはカルボキシグルタミン酸塩である)を含むペプチドを含む。
さらなる実施形態において、本方法は、マイクロスフェアを第1化合物とインキュベートして、第1化合物をマイクロスフェアに接着させることをさらに含む。マイクロスフェア組成物についての議論に関して上記したように、第1化合物は、任意の化学化合物、例えばMW2000未満の有機化合物、オリゴペプチドもしくはポリペプチド(例えば、サイトカイン、酵素もしくは抗体結合部位を含むタンパク質)または核酸(例えば、マイクロRNA、アンチセンス核酸もしくはベクター)であることができる。
いくつかの実施形態において、第1化合物をマイクロスフェアとインキュベートして、第1化合物を非共有結合的にマイクロスフェアに結合させる。他の実施形態において、マイクロスフェアに官能基を導入する成分をマイクロスフェアに接着させ、第1化合物を官能基に共有結合させる。
これらの方法の種々の実施形態において、生理的食塩水中で第1化合物をビーズとインキュベートして、ミネラル層コーティングと一緒に第1化合物をビーズ上に沈着させる。このようなマイクロスフェアは、一般に、ミネラル層コーティングの至るところに沈着した第1化合物を有するが、ミネラル層がビーズ上のコーティングされた後に化合物がビーズに結合される場合、この化合物はミネラル層の表面上にのみ存在するであろう。第1化合物は、後者の場合よりも前者の場合において、より長期間放出されると予想される。
他の実施形態において、第1化合物をマイクロスフェアに接着させる前と後の両方でビーズを生理的食塩水中でインキュベートし、その後追加の第1化合物をマイクロスフェアに接着させる。この場合は、第1化合物はミネラル層の表面の内部に位置し、表面に沈着した第1化合物の後に放出されると考えられる。
上記の方法において化合物の添加を調節することによって、過度の実験を要することなく、任意の用途のための化合物の適切な放出挙動を達成することができる。
加えて、本方法は、マイクロスフェアと第2化合物をインキュベートして、第2化合物をマイクロスフェアに接着させることをさらに含むことができる。これらの実施形態のいくつかにおいて、第1化合物を接着させる前後にビーズを生理的食塩水中でインキュベートし、その後第2化合物をマイクロスフェアに接着させて、第1化合物と第2化合物が第1カルシウム含有ミネラル層の異なる層に存在するようにさせる。このようなマイクロスフェアは、第1化合物の前に第2化合物を放出するであろう。
本願は、さらに、上記の方法のいずれかによって製造される上記のマイクロスフェアのいずれかに関する。
本願は、さらに、脊椎動物への化合物の投与方法に関する。本方法は、上記のマイクロスフェアのいずれかを脊椎動物に投与することを含み、ここでマイクロスフェアはさらに前記化合物を含む。いくつかの実施形態において、マイクロスフェアは薬学的に許容される材料中に存在する。
“薬学的に許容される”とは、(i)組成物をその使用目的には不適切にせずに、組成物の他の成分と適合し、(ii)過度の副作用(例えば毒性、刺激およびアレルギー反応)なしに、本明細書に記載の被験者に使用するのに適した材料を意味する。副作用は、そのリスクが、組成物によって提供される利益に勝る場合に"過度"である。薬学的に許容される担体の限定されない例は、限定するものではないが、標準的医薬担体のいずれか、例えばリン酸緩衝化生理食塩水、水、エマルション、例えばオイル/水エマルション、マイクロエマルションなどを含む。
上記のマイクロスフェアは、過度の実験を要することなく、特定の用途に応じて、ヒトを含む脊椎動物への投与のために製剤化できる。さらに、マイクロスフェアの適切な投与量は、過度の実験を要することなく、標準的な用量反応プロトコルを用いて決定できる。
従って、マイクロスフェアはゼラチンカプセルに封入することができる。経口治療投与の目的には、本発明のマイクロスフェアは、賦形剤と混合し、錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウエハース、チューインガムなどの形態で用いることができる。
その代わりに、マイクロスフェアは、例えば静脈内、筋肉内、鞘内または皮下注射によって非経口投与されることができる。例えば、マイクロスフェアが血流中に注射によって投与される場合、このような投与は全身性であることができる。その代わりに、例えば、組織欠損が存在する部位への直接のマイクロスフェアの注射であって、化合物が組織欠損の充填を刺激するサイトカインである場合、投与は局所性であることができる。マイクロスフェアを懸濁液に混合することによって非経口投与を達成できる。このような懸濁液は、滅菌希釈剤、たとえば注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒を含むこともできる。非経口製剤はまた、抗菌剤、例えばベンジルアルコールまたはメチルパラベン、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムおよびキレート剤例えばEDTAを含むこともできる。緩衝液、例えば酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩および浸透圧調節剤、例えば塩化ナトリウムまたはデキストロースもまた添加することができる。非経口製剤は、ガラス製またはプラスチック製のアンプル、ディスポーザブルシリンジまたは複数回投与バイアルに封入することができる。
直腸投与は、直腸または大腸に医薬組成物中のマイクロスフェアを投与することを含む。このことは、座剤または浣腸剤を用いて達成できる。座剤は、当該技術分野で公知の方法で容易に製造できる。例えば、グリセリンを約120℃に加熱し、組成物をこのグリセリンに溶解し、加熱グリセリンを混合し、その後場合により精製水を加えて、この加熱混合物を座剤鋳型に流し込むことによって座剤を製造できる。
経皮投与は、皮膚へのマイクロスフェア経皮吸収を含む。経皮製剤は、パッチ(例えば、公知のニコチンパッチ)、軟膏、クリーム、ゲル軟膏などを含む。
本発明は、マイクロスフェアの治療的有効量を脊椎動物に鼻腔投与することを含む。本明細書において、鼻腔投与または経鼻投与は、患者の鼻孔または鼻腔の粘膜に化合物を投与することを含む。本明細書において、化合物の経鼻投与のための医薬組成物は、例えば、点鼻スプレー、点鼻液、懸濁液、ゲル、軟膏、クリームまたは粉末として投与のために公知の方法で調製された化合物の治療的有効量を含む。鼻用タンポンまたは鼻用スポンジを用いてマイクロスフェアを塗布することによって化合物の投与を行うこともできる。
これらの方法は、農園動物およびペットを含む、野生または家畜の哺乳動物または鳥を含む任意の脊椎動物を治療するために用いることができる。いくつかの実施形態において、脊椎動物はヒトである。
種々の実施形態において、脊椎動物は、化合物を投与することによって治療できる健康状態を有する。限定するものではないが、このような健康状態の例は、癌、糖尿病、アルツハイマー病、パーキンソン病、心疾患、ウイルス感染症、細菌感染症、寄生虫感染症、自己免疫疾患、アレルギー、プリオン病、胃腸疾患、肝疾患、腎疾患、皮膚疾患、骨疾患、先天性疾患もしくは欠損、タンパク質もしくは代謝物の不足を特徴とする疾患、勃起障害または脱毛症を含む。
いくつかの実施形態において、健康状態は組織欠損である。組織欠損は、例えば骨、軟部組織または内部臓器における組織欠損であることができる。欠損は疾患または外傷によって生じることもできるし、欠損は先天性であることもできる。
本願はまた、化合物を用いる、脊椎動物の治療薬の製造のための上記のマイクロスフェアのいずれかに記載の使用にも関する。これらの実施形態のいくつかにおいて、脊椎動物は哺乳動物、例えばヒトである。さらにまた、本願は、化合物を用いる、脊椎動物治療のための上記のマイクロスフェアのいずれかに記載の使用にも関する。これらの実施形態のいくつかにおいて、脊椎動物は哺乳動物、例えばヒトである。
以下の実施例において、好ましい実施形態を詳細に説明する。本明細書に記載の明細書または発明の実施を考察すれば、本明細書における請求項の範囲内の他の実施形態は、当業者には明らかであろう。明細書および実施例は、典型例としてのみ考慮されることを意図したものであって、本発明の趣旨と範囲は、実施例に続く請求項によって示される。
タンパク質の結合および放出の制御のための、ミネラルコーティングされたポリマーマイクロスフェア
ここで説明する研究によって、タンパク質の結合および放出の制御のための生体内分解性微小担体を調製するための代替機構としてタンパク質-ミネラル相互作用を用いることができるという仮説を評価する。特に、リン酸カルシウムミネラルであるヒドロキシアパタイトをタンパク質の結合および放出のための基質として用いる。なぜなら、特定の溶液条件下で、ヒドロキシアパタイトは、酸性および塩基性のタンパク質の両方を結合させ放出するその能力に基づいて、クロマトグラフィーによるタンパク質分離に50年間にわたって用いられてきたからである。無機ヒドロキシアパタイト層を用いて生体内分解性ポリマーマイクロスフェアをコーティングすることができ、この生体内分解性コーティングは、酸性および塩基性タンパク質の結合および持続放出のための基質として用いることができることを立証する第1の証明がここで提供される。
本アプローチは、生理的温度およびpH付近での、生体内分解性有機ポリマーマイクロスフェアの表面での無機リン酸カルシウムミネラルコーティングの核形成および成長を含む。このミネラル成長プロセスは、天然のバイオミネラリゼーションプロセス(Mann、2001)を模倣しており、巨視的ポリマーフィルム(MurphyおよびMooney、2002)に関して以前詳述されたように、ヒト骨ミネラルに構造(プレート状ナノ構造)および組成(炭酸置換カルシウム欠損ヒドロキシアパタイト相)が類似したミネラルコーティングをもたらす。具体的には、タンパク質を放出する、ミネラルコーティングされたポリマーマイクロスフェアは、以下を含む二段階法によって製造された:i)標準的な水中油中水型二重エマルションプロセス(Mengら、2003)を用いる生体内分解性PLGマイクロスフェアの調製;およびii)改良疑似体液(mSBF)(2倍高い濃度のカルシウムおよびリン酸イオンを含む血漿のイオン成分を含む水溶液(MurphyおよびMessersmith、2000))中でのインキュベーションによる骨様無機ミネラル(BLM)フィルムでのPLGマイクロスフェアのコーティング(図1)。X線回折およびFTIRスペクトルは、PLGマイクロスフェア上に成長したミネラルはアパタイトミネラルであることを示している(図2)。走査型電子顕微鏡法(SEM)(図1)は、ミネラルフィルムがマイクロスフェア表面に連続しており、プレート状ナノ構造を有していることを示している。従って、前述のMurphyおよびMooney、2002)と同様に、生体内分解性ポリマーマイクロスフェア上に成長したミネラル層は、骨ミネラルと組成および形態が類似している。
重要な点は、ミネラルコーティングされたマイクロスフェア表面は多孔質であり、荷電したカルシウムおよびリン酸塩成分を含むことである。従って、これらのマイクロスフェアは、前記のヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー(Uristら、1984;Schroderら、2003)と同様にして、静電相互作用によって可溶性生体分子を効率的に結合できると仮説を立てた。本研究において、異なる特性を有する2つのタンパク質:i)酸性タンパク質であるウシ血清アルブミン(BSA)(pI=4.7);およびii)塩基性タンパク質であるシトクロムc(Cyt c)(pI=10.2)、に対する担体としてミネラルコーティングされたマイクロスフェアを用いてこの可能性を試験した。結合効率および放出キネティクスに対するタンパク質特性の影響を例示するために、そしてそれらの生物学的関連性から、これらのモデルタンパク質を選択した。具体的には、アルブミンは血漿中に最も豊富に存在するタンパク質の1つであり、骨組織の形成を促進することが示されており(Yamaguchiら、2003)、一方で、シトクロムcは、いくつかの塩基性増殖因子、例えば線維芽細胞増殖因子-2、骨形成因子およびトランスフォーミング増殖因子βなどのモデルタンパク質として役立つ。
ミネラルコーティングされたPLGマイクロスフェア上へのBSAの結合は、最初にFTIR分析によって検出された(図3A)。FTIRスペクトルは、炭酸塩置換ヒドロキシアパタイトミネラルコーティングに対応するリン酸塩ピーク(1087、1035、950および560cm-1)および炭酸塩ピーク(1456および1417cm-1)を示しており、これは生体内分解性ポリマー基質上に形成されたBLMコーティングに関するこれまでの研究と一致している(MurphyおよびMooney、2002)。FTIRスペクトルは、コーティング表面に結合しているBSAの存在に対応するアミドピーク(1653および1558cm-1)もまた示している。SEM分析はFTIR分析を裏付けており、ミネラルコーティングされたPLGマイクロスフェア上に沈着した結合タンパク質を示している(図3B)。次いで、ミネラルコーティングされたマイクロスフェアを、種々のBSA濃度を有するPBS中4時間インキュベートすることによって、ミネラルコーティングへのBSAの結合を定量した。マイクロスフェア上に結合したBSAの量は、0〜200μg/mlの範囲で直線的に増加し、400μg/mlでプラトーに達する(図3C)ことを結果は示している。この結合は、典型的なLangmuirの等温吸着式と一致しており、ヒドロキシアパタイト粉末へのBSAの結合に関するこれまでの研究を裏付けている(Hughes Wassellら、1995)。Cyt cは、BSAと同様な結合曲線を示したが、同じタンパク質濃度の溶液で、Cyt cはBSAよりもより効率的にミネラルに結合したことは注目すべきである。増強されたCyt cの結合効率は、BSA(RH=3.6nm)(BoyerおよびHsu、1992)と比較して、より小さな流体力学半径(RH=0.18nm)(Mororら、2001)を有することによるものと考えられる。本研究において、タンパク質の結合はイオン相互作用に媒介され、生理的pHでは、アパタイトミネラル表面上の正に荷電したカルシウムおよび負電荷を持つリン酸イオンの両方の存在により、酸性および塩基性タンパク質の両方の結合が可能になると考えられる。高度に結晶化したヒドロキシアパタイトに結合するタンパク質の量は、ヒドロキシアパタイトとタンパク質の表面電荷間のイオン相互作用に帰することができるという最近の証明(Kawachiら、2008)によって、この主張は支持される。
ミネラルコーティングされたマイクロスフェアをリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)溶液中pH7.4でインキュベートすることによって、ミネラルコーティングされたPLGマイクロスフェアからのBSAの放出キネティクスを研究した(図4A)。BSA放出は30日間維持され、この放出は近線形キネティクスを示した。対照的に、標準的処理技術(Mengら、2003)によってPLGマイクロスフェアに封入したBSAの累積放出は、30日間でかなり低い累積放出を示し、放出されたタンパク質の大部分は、最初の72時間の間に“爆発”放出を示した。より具体的には、PBS中30日後に、ミネラル化されたマイクロスフェアは49±4.8%を放出したのに対し、同じ時間枠で、PLGマイクロスフェアに封入されたBSAの23±4.9%が放出された。PBSに30日間浸漬した後は、ミネラルコーティングされたマイクロスフェアのSEM分析(図4B)では、ミネラル溶出の根拠がほとんど示されなかった。封入BSAを含むPLGマイクロスフェアは、Porjazoskaら(2004)によるこれまでの研究に基づいて予想されるように、放出実験の間、損なわれていなかった(図4C)。
ミネラルコーティングされたマイクロスフェアからのタンパク質放出に影響を与える要因に関する洞察をさらに得るために、リン酸-クエン酸緩衝液(pH=4.0)およびPBS(pH=7.4)中でのCyt cの放出を分析した。pH4.0およびpH7.4の緩衝液中で30日後、ミネラルコーティングされたマイクロスフェアは、それぞれ72±1.6%および56±1.1%のCyt cを放出した。放出挙動は、BSAの放出挙動に類似しており、近線形を示し、30日間を超えてキネティクスを維持した。低いpHでのより急速なCyt cの放出は、pH依存性ミネラル溶出に帰することができる。30日間の放出後のマイクロスフェアのSEM画像は、pH7.4と比較してpH4.0においてミネラル溶出が増加していることを明らかに示している(図4Eおよび4F)。これらの結果は、低いpHでの溶出速度の増加の結果としての、pH4.0におけるヒドロキシアパタイト粒子からのCyt cの速い放出速度を報告したMatsumotoら(2004)の結果と一致している。総合すれば、これらのデータは、タンパク質放出にBLMコーティングの溶出は重要な役割を果たしており、将来の研究において、ミネラルコーティングの安定性を変えることによってタンパク質放出特性を目的に合わせてつくることが可能であることを示している。タンパク質放出キネティクスにおけるpHに依存した変化は、生体医学用途に有用でありうる。なぜなら、in vivoにおいて、重要な生理的環境(例えば胃、リモデリング骨組織[Baron、1989])および病理学的環境(例えば腫瘍[Vaupelら、1989]、慢性創傷[Schmaljohannら、2006])中に酸性の局所pHが存在するからである。
本明細書において、ミネラルコーティングされたPLGマイクロスフェアは、タンパク質の結合および持続放出の有効な担体として役立ちうることが示された。これらのミネラルからのタンパク質放出挙動は、生体内分解性ミクロ粒子放出系において一般的に認められる“爆発”放出を含まず、タンパク質放出速度はタンパク質特性および局所pHに左右される。ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを用いてタンパク質およびDNAを精製したこれまでの研究(Uristら、1984)により、タンパク質の結合および放出に関するこの機構は、広範囲の酸性および塩基性生体分子に適合可能であり、このようにしてミネラルから放出された分子の生体活性は高いと考えられることが示唆されることは注目すべきである。加えて、生体内分解性ポリマーマイクロスフェア上にミネラルコーティングを形成させるために用いられる緩和な処理条件は、ミネラル成長のためのテンプレートとして多くの生体内分解性マイクロ・ナノスケール材料を用いることができ、そのコーティングプロセスの過程において、ミネラルコーティング中に生体分子を含有させうることを示唆している。従って、本アプローチは、生体医学用途のための、生体分子の結合および徐放性の適合可能な機構を意味することができる。
実験の部
37℃、pH6.8に調節した改良疑似体液(mSBF)中、7日間、85:15 PLGマイクロスフェア(平均MW=50,000〜70,000)をインキュベートして、ミネラルコーティングされたポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLG)マイクロスフェアを調製した。mSBF溶液は1日1回補給した。SEM、XRD、FTIR分光法による試験の前に、試料を蒸留水で洗浄して凍結乾燥した。
ミネラルコーティングされたマイクロスフェアへのモデルタンパクの結合:モデルタンパク質としてウシ血清アルブミン(BSA)およびシトクロムc(Cyt c)を用いた。種々のタンパク質濃度を有する溶液1.5ml(0〜800μg/ml、4時間、37℃)に、ミネラルコーティングされたマイクロスフェア5mgを浸した。この溶液を遠心分離してマイクロスフェアを沈降させ、上清におけるタンパク質量を測定した。遠心分離したマイクロスフェアを蒸留水で洗浄し、SEMおよびFTIR分光法の前に凍結乾燥した。
前述のように、タンパク質溶液1.5ml(200μg/ml、4時間、37℃)に、ミネラルコーティングされたマイクロスフェア5mgを浸して、タンパク質を含有するミネラルコーティングされたマイクロスフェアを調製した。BSAタンパク質に関しては、リン酸緩衝液(pH=7.4、1ml)にこのマイクロスフェアを浸した。得られた溶液をインキュベーター中で24時間回転下でインキュベートし、放出媒体を1日1回30日間交換した。μBCAアッセイ(Pierce社、イリノイ州)によって放出されたタンパク質量を測定した。30日間のインキュベーション後、マイクロスフェアを蒸留水で洗浄し、凍結乾燥し、その形態をSEMで検査した。Cyt cに関しては、放出媒体として異なるpH(7.4および4.0)のリン酸緩衝液を用いた。実験を3回繰り返し、3回の反復試験からの平均値および標準偏差値で結果を表した。
ミネラルコーティングされたポリ(ラクチド-co-グリコリド)マイクロスフェアの調製および解析
実施例の概要
生理的温度でバイオインスパイアード異種核形成プロセスによってミネラルコーティングされたマイクロスフェアを調製した。水中油中水型エマルション法によってポリ(DL-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)マイクロスフェアを調製し、改良疑似体液(mSBF)中でのインキュベーションによってミネラルコーティングした。X線回折、フーリエ変換赤外分光法および、エネルギー分散型X線分光法を装着した走査型電子顕微鏡法により、マイクロスフェア上の連続的なミネラルコーティングの存在を確認した。PLGマイクロスフェア表面に成長したミネラルは、炭酸塩含有ヒドロキシアパタイトであり、このミネラルは、ナノメートルスケールの多孔質構造のプレート状ミネラル結晶を示す。濃度が0.50mg/mL以上のマイクロスフェアをmSBF中で7日間インキュベートした場合、ミネラルコーティングされたマイクロスフェアの凝集が観察されたが、凝集体のサイズは溶液中のマイクロスフェア濃度に左右された。トリス緩衝生理食塩水中で行ったin vitroミネラル溶出試験により、形成されたミネラルは吸収可能であることが確認された。ミネラル成長プロセス中のマイクロスフェア凝集を防ぐために、mSBFに界面活性剤添加剤(ツイーン20(登録商標)[PEG(20)モノラウリン酸ソルビタン])を添加したが、ツイーン20(登録商標)は凝集を抑制したばかりでなく、PLGマイクロスフェアの表面に形成されたミネラルの特性にも影響を与えた。バイオインスパイアードプロセスを用いれば、制御された方法でミネラルコーティングされたPLGマイクロスフェアを合成できることをこれらの所見は示している。これらの材料は、徐放性ドラッグデリバリーおよび生体分子精製を含む様々な用途に有用であることができる。
序論
整形外科用インプラント設計および骨組織工学用途においては広く研究されてきてはいるものの、ミネラルコーティングされた生体材料は、ドラッグデリバリーおよび分子分離などの微小スケール用途には、それほど広範には応用されてこなかった。
ヒドロキシアパタイトの重要な特性は、生体分子に結合するその能力である。例えば、ヒドロキシアパタイトは、タンパク質およびプラスミドDNAのクロマトグラフ精製の樹脂として一般的に用いられる(Colmanら、1978;Schroderら、2003)が、それは、そのミネラル表面が、塩基性分子および酸性分子のそれぞれと静電的に相互作用できる陽イオン(Ca2+)および陰イオン(PO4 3-)の両方を含有するからである。生体分子に結合し、次にそれを放出するこの能力は、最近、持続性ドラッグデリバリーの機構として用いられている(実施例1)。従って、生体内分解性ポリマーのバルク特性およびヒドロキシアパタイトコーティングの生体活性の両方を同時に活かすための、高分子生体材料上への骨様ヒドロキシアパタイトコーティングの作成に多数の研究が集中してきた。
本明細書において、ドラッグデリバリー用途に一般的に用いられる生体内分解性ポリマーマイクロスフェアは、バイオインスパイアードミネラル核形成・成長プロセスを用いて、生体内分解性ヒドロキシアパタイトミネラルでコーティングされうるという仮説が立てられた。ポリマーマイクロスフェアの制御可能な特性(例えばサイズ、サイズ範囲、分解性、薬物取り込み)を活かし、ミネラル層の生物学的特性(例えば生体活性、生体分子結合/取り込み)の利点も採用するように得られた材料を設計する。本研究において、2ステップ処理経路を用いてミネラルコーティングされたマイクロスフェアを調製した。第1に、二重エマルション法を用いてポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLG)マイクロスフェアを調製し、次いでこれらのマイクロスフェアを改良疑似体液中でインキュベートして、近生理的条件でミネラル核形成・成長を行わせた。形成されるミネラル量は、インキュベーション時間および溶液中のマイクロスフェア濃度によって調節できる。界面活性剤添加剤は、マイクロスフェアの凝集および形成されるミネラルの形態に影響した。制御可能な方法で無機ミネラル層を生体内分解性マイクロスフェアの表面上に成長させることができ、これらの材料は様々な生体医学用途、例えば最も注目に値するドラッグデリバリーおよびクロマトグラフィーにおいて有用性を見出すことができることを本明細書に記載の結果は示している。
実験の部
マイクロスフェアの調製。85:15 PLG(平均MW=50,000〜70,000)およびポリビニルアルコール(PVA、MW9〜10kDa)はSigma-Aldrich社(ミズーリ州セントルイス)から購入した。すべての化学物質および溶媒には試薬一級(reagent grade)のものを用い、Fisher Chemicals社(ニュージャージー州フェアローン)から購入した。
他で報告されているように(Berchaneら、2006)、水中油中水型(W/O/W)二重エマルション技術によってPLGマイクロスフェアを調製した。簡潔に言えば、有機相は5%(w/v)PLG/酢酸エチル1mlからなった。水相は、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)0.1mlからなった。水相と有機相を混合し、Sonifier250(VWR International社、ペンシルベニア州ウェストチェスター)を用いて15秒間超音波処理した。得られた第1エマルションを、直ちに1%(w/v)PVA/7%(v/v)酢酸エチル水溶液1mlに加え、これを機械的に15秒間ボルテックスして第2エマルションを形成させた。次いで、得られた溶液を0.3%PVA/7%酢酸エチル200mlを含むビーカーに加え、さらに4時間激しく攪拌して有機溶媒を蒸発させた。得られたマイクロスフェアを、0.22μmフィルターで濾過して回収し、脱イオン水で3回洗浄し、脱イオン水に再懸濁した。マイクロスフェアを最低48時間凍結乾燥し、乾燥剤の存在下、-20℃で保存した。
生理的緩衝液中でPLGマイクロスフェアが負電荷を持つことを確かめるために、最初に、PBSおよびmSBF溶液中でPLGマイクロスフェアのζ電位を解析した。Zetasizer 3000HS(Malvern Instruments社、英国ウスターシア州)を用いてマイクロスフェア粒子の表面電荷を測定した。表面電位を測定するために、6mLアリコート3つについて、コーティングされていないマイクロスフェアの電気泳動移動度を測定した。各インジェクションについて、5回の測定を行った。試料をシリンジに装填し、ミネラルコーティング条件を模倣して、pH6.8で1x PBSまたはmSBF中25℃で測定した。
選択された緩衝液(1x PBS、mSBFおよびmSBF+0.1%(v/v)ツイーン20(登録商標))中、1日、3日および7日間、0.5%(w/v)PLGマイクロスフェアをインキュベートすることによって、種々の緩衝液中における凝集したマイクロスフェアの定量を行った。ミネラル成長に用いた条件と同じ条件で、これらの懸濁液を37℃に保ち、試験期間中継続的に回転させた。後日、緩衝液を交換する前に、各条件のアリコートを採取し、1:8に希釈し、Olympus Ix51光学顕微鏡下、20倍の倍率で撮像した。Hamamatsu 1394 ORCA-285カメラを用い、各時点で各試料につき4つの写真を撮った。得られた画像を検分し、Image Jソフトウェアを用いて計数した。
マイクロスフェアのミネラルコーティング。改良疑似体液(mSBF)中でインキュベートすることによって、PLGマイクロスフェアをミネラル層でコーティングした。ミネラル成長のための適切なイオン濃度を確実にするために、1日1回mSBF溶液を交換した。mSBFは、ヒト血漿と同様な無機イオン濃度を有し、カルシウムおよびリン酸イオンの濃度に関しては2倍の無機イオン濃度を有する。蒸留水に141mM NaCl、4.0mM KCl、0.5mM MgSO4、1.0mM MgCl2、4.2mM NaHCO3、5.0mM CaCl2および2.0mM KH2PO4を溶解し、緩衝剤でpH6.8に処理することによってmSBFを調製し、インキュベーション時間中、37℃に保った。実験の一部において、マイクロスフェアの凝集を防ぐために、mSBFに0.1%ツイーン20(登録商標)(Sigma-Aldrich社、ミズーリ州セントルイス)を加えた。
材料の解析。ポリマーマイクロスフェア上に成長したミネラルの組成および相を、HI-STAR 2D X線回折装置(Siemen社、ニューヨーク州)を用い、40kV、20mAで操作して解析した。2θ=20〜40°でX線回折スペクトルを測定し、General Area Detector Diffraction System(GADDS)バージョン4.0(Bruker AXS社、ウィスコンシン州マディソン)を用いてデータ収集を制御した。
EQUINOX 55スペクトロメータ(Bruker AXS社、ウィスコンシン州マディソン)を用いて、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)データを得た。400〜4000cm-1の範囲について透過モードで試料を測定し、データをOPUSソフトウェアで解析した。
マイクロスフェア表面上のコーティングされたミネラルの形態および組成を、エネルギー分散型X線分光法(EDS)を装着した走査型電子顕微鏡法(SEM)を用いて解析した。mSBFインキュベーションの前後に、45mAで30秒間金スパッタしたアルミニウムスタブにカーボン両面テープを用いてマイクロスフェアを付着させ、LEO DSM 1530電界放出型走査電子顕微鏡を用い、SEMに関しては2kV、EDSに関しては10kVで操作して解析した。
ミネラルコーティングの溶出を、トリス緩衝生理食塩水(150mM NaClおよび20mMトリス、pH=7.4)または、L-グルタミンおよびフェノールレッドを含まないダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(Mediatech社、バージニア州マナッサス)を含む複数の溶液中で、25日間PO4 3-およびCa2+の放出を測定することよって解析した。緩衝液を回収し、1日1回補給した。この試験は3連で行い、溶出試験期間中37℃に保った。
以前報告されたアッセイ(HeinonenおよびLahti、1981)を用いて、ミネラルコーティングされたマイクロスフェアから放出されたリン酸塩の量を比色測定で分析した。簡潔に言えば、アセトン2部に5N硫酸1部および10mMモリブデン酸アンモニウム溶液1部を混合してAAM(アセトン-酸-モリブデン酸塩)希釈標準溶液を調製した。96ウェルプレート中で試料100μlに、調製したての希釈標準溶液100μlを添加することによってアッセイを行った。Synergy(登録商標)HT Multidetectionマイクロプレートリーダー(Bio-Tek Instruments社、英国)を用いて405nmの吸光度を測定し、既知のリン酸塩濃度を有する1組の標準品と比較することによって、リン酸塩複合体の量を定量的に検出した。
QuantiChrom(登録商標)カルシウムアッセイキット(DICA-500)(Bioassay Systems社、カリフォルニア州ヘイワード)を用いて、Ca2+放出を直接に測定した。フェノールスルホンフタレイン色素は、遊離カルシウムと大変安定な青色の複合体を形成する。612nmでの吸光度によって測定される複合体の強度を用い、既知のカルシウム濃度を有する1組の標準品と比較することによって、放出されたCa2+を測定した。溶出実験は3連で行い、カルシウムおよびリン酸塩放出の統計分析はANOVAを用いて行った。
結果と考察
ミネラルコーティングされたマイクロスフェアの調製。ミネラルコーティングされたマイクロスフェアの調製には二段階法を用いた。第1に、確立された水中油中水型エマルション法によってPLGマイクロスフェアを調製し、次いでmSBF溶液中でミネラル核形成・成長プロセスを行った。mSBF中でのPLGマイクロスフェアのインキュベーションによって、マイクロスフェア表面でのヒドロキシアパタイトミネラルコーティングの核形成およびその後の成長が引き起こされた(図5)。マイクロスフェア表面に成長したナノ微結晶はプレート状形態を示すことがSEM観察によって示されたが(図5B)、これはこれまでの研究において観察された形態(Luontら、2006;Jabbarzadehら、2007)と類似していた。mSBF中で7日間インキュベートしたマイクロスフェアの顕微鏡写真により、0.25%および0.50%(w/v)でインキュベートした各マイクロスフェア上の連続的なミネラルコーティングが示されている(図6A、B)。マイクロスフェア濃度が増加するに従ってマイクロスフェアの凝集が観察され、マイクロスフェア凝集体の表面上にミネラルコーティングが観察された(図6B、C、D)。
これらの粒子のPBS(-81.09[7.71mV])およびmSBF(-78.62[15.91mV])中でのζ電位によって、これらの粒子が負電荷を持つことが示された(図7)。これらのζ電位値は、PLGマイクロスフェアは負電荷を持つ表面カルボキシラート基を有し(Eniolaら、2002)、マイクロスフェア調製技術および試験緩衝液に応じて-22〜-80の範囲のζ電位値を有する(Fischerら、2006;Cheskoら、2005;MuおよびFeng、2001;Coombesら、1997)ということも示されている、PLGマイクロスフェアに関するこれまでの研究と一致している。これらのマイクロスフェアの表面のカルボキシラート基の存在は重要である。なぜなら、これまでの研究によって、これらの基は、異種ミネラル核形成・成長を促進することができることが示されているからである。しかしながら、これまでの研究において、PLG材料は加水分解されてカルボキシラートイオンを含む表面を生じたが、この場合、二重エマルション処理によって合成される場合、追加の加水分解をしなくても、PLGマイクロスフェア表面は負電荷を持つ基を含んでいた。興味深いことに、PLGマイクロスフェアのζ電位は、バイオインスパイアードミネラル核形成・成長のためのテンプレートとして前もって用いた加水分解されたPLGフィルムのζ電位よりも有意に低かった(図7B)(MurphyおよびMooney、2002)が、このことは、このマイクロスフェアがミネラル成長のための有利なテンプレートとして役に立つことを示唆している。
ζ電位の結果は、試験したすべての緩衝液において荷電したマイクロスフェアを示した(図7A)。従って、塩の存在により、マイクロスフェアの表面電荷が遮蔽され、それによって静電反発力が限定されて凝集が容易になる可能性が考えられる。
ミネラルコーティングの特性。mSBF中での7日間のインキュベーション後のPLGマイクロスフェア上のミネラルコーティングの相および組成をXRDおよびFTIRで解析した。ミネラルコーティングされたマイクロスフェアのXRDスペクトルは、2θ=25.87°、28.68°および32.05°に3つの特徴的なヒドロキシアパタイトピークを示し、これらは、試薬一級ヒドロキシアパタイト粉末(Sigma-Aldrich社、ミズーリ州セントルイス)のXRDスペクトルに存在する2θ=26°、28.5°および32°のピークと類似している(図8A)。ミネラルコーティングされたマイクロスフェアのXRDスペクトルにおけるピーク面積は、ヒドロキシアパタイト粉末のそれよりも広く、このことは、PLGマイクロスフェア表面に沈着したミネラルの小さな結晶サイズによるものと考えうる。570、950、1046および1098cm-1におけるリン酸塩ピークならびに870、1410および1456cm-1における炭酸塩ピークを含む1600〜400cm-1領域において観察されるFTIRピークは、炭酸塩置換ヒドロキシアパタイトに帰することができる(図8B)。これらの結果は、PLGフィルム上での炭酸塩置換ヒドロキシアパタイトミネラルの成長に関するこれまでの研究と一致している(Murphyら、2000;Quiら、2000)。
EDSスペクトルもまた、ネラルコーティングされたマイクロスフェア上のカルシウムおよびリンの存在を裏付けている(図9)。mSBF中の7日間のインキュベーション後のミネラルコーティングのCa/P比は1.41であったが、これは、生体アパタイト(Elliott、1994)およびバイオインスパイアードミネラルコーティング(Jabbarzadehら、2007)に関するこれまでの研究におけるCa/P比と一致している。
mSBFインキュベーション中の種々の時間におけるPLGマイクロスフェアの経時的(time lapse)SEM分析により、凝集しているマイクロスフェア上での、炭酸塩アパタイトミネラルの核形成・成長機構への洞察が得られる(図10)。mSBFにおけるインキュベーションの最初の3日間に核形成プロセスが開始される(図10A、B)。この段階で、マイクロスフェアの凝集の開始が起こる。マイクロスフェアが凝集し始めるに従って、小さな結晶(〜2〜10nm)がマイクロスフェア間の界面に形成され始める(図10A、B)。これは、恐らく、一部分において、表面官能基の局所過飽和とその界面に結合したミネラルイオンによるものと考えられる。5日後に、高多孔質構造のプレート状ヒドロキシアパタイト結晶が凝集したマイクロスフェアの表面に現れ(図10C)、最終的には連続的なコーティングに成長する(図10D)。凝集体のサイズは、溶液におけるマイクロスフェアの初期濃度に左右されるが(図6E)、このことは、コーティングされた凝集体のサイズの調節に関する潜在的機構を示唆している。マイクロスフェア凝集体の表面にもミネラルコーティングが観察された。ここには示さないが、他の分析により、マイクロスフェアの凝集を促進する条件下で、マイクロスフェアのミネラル化の効率が促進されることが示唆されている。高濃度のマイクロスフェアを有する溶液中でのミネラル形成に関する我々の経時的分析(図10)もまた、凝集したマイクロスフェア間の界面でミネラル核形成が生じうることを明らかにしており(例えば、図10B)、このことは、凝集によってミネラル形成が促進されうることを示唆している。
マイクロスフェアの凝集がmSBFのなんらかの固有の特性によるものかどうかを決定するために、我々は、3つの異なる溶液:(1)1xPBS溶液(カルシウム欠損)、(2)mSBFおよび(3)ツイーン20(登録商標)の存在下でのmSBFにおいて、マイクロスフェアをインキュベートする凝集実験を行った。37℃で7日間、1日1回溶液を交換して各インキュベーションを行った。PBSおよびmSBF中でのインキュベーションの第1日目後に、それぞれ35%および42%のマイクロスフェアが凝集したという結果が得られた。インキュベーション7日後に、PBS中で87%、mSBF中で90%に、凝集したマイクロスフェアの百分率が増加した。対照的に、ツイーン20(登録商標)を添加したmSBF中では、凝集したマイクロスフェア数は、各時点で有意に低かった(図11)。mSBFは、PBSと比較してマイクロスフェア凝集を有意には増加させず、ツイーン20(登録商標)の存在はマイクロスフェア凝集を有意に低下させることをこれらのデータは示している。
興味深いことに、本明細書に記載のミネラルの形成は、象牙質マトリックスタンパク質の存在下でのミネラルのバイオインスパイアード形成に関するHeら(2003)による以前の研究に類似している。加えて、本明細書に記載のミネラルの形態および組成は、特にプレート状ナノ構造(図5Bおよび14B)、ヒドロキシアパタイト相(図8Aおよび9)ならびに炭酸塩置換(図8B)において、ヒト線維性骨およびおミネラル化された象牙質(Suら、2003)において見られるアパタイト結晶に類似している。
溶出および再沈殿は、特に整形外科用インプラント設計およびドラッグデリバリー用途において、ヒドロキシアパタイトコーティングの重要な特性である。ヒドロキシアパタイトミネラルの形態のあるものは、長時間にわたってゆっくりかまたは不完全にしか分解しないことが示されており、これらの材料のin vivoでの恒久的な存在は、経時的な材料分解を求める用途(例えば組織工学、ドラッグデリバリー)においては望ましくない。加えて、実施例1に記載されているように、ミネラルの溶出は、ドラッグデリバリー用途におけるこれらのコーティングからの生体分子の放出に影響しうる。従って、本試験において、トリス緩衝生理食塩水(TBS)およびDMEM中でのミネラルコーティングの溶出を25日間分析した。TBS中では、ミネラルコーティングから経時的にCa2+およびPO4 3-が徐々に放出されたが(図12A)、これまでの研究において解析された純粋で化学量論的なヒドロキシアパタイト(FazanおよびMarquis、2000;Linら、2001)よりも、これらのコーティングはより不安定であることを示している。TBS中で25日後に放出されたCa2+およびPO4 3-の総量はそれぞれ15.87および10.26μMolであり、この溶出データは、25日間の試験の過程において1.37〜1.61のCa/Pモル比を示した。この溶出試験の最後に得られたSEM画像もまた、TBS中でのミネラルコーティングのほぼ完全な吸収を裏付けている(図12B)。臨床応用に用いられている純粋なヒドロキシアパタイトコーティングと比較して増加しているこれらのコーティングの溶出速度は、これらのミネラルにおける結晶化度および炭酸塩置換における差異によって説明できる。FazanおよびMarquis(2000)は、以前、血漿を噴霧したヒドロキシアパタイトコーティングの溶出速度は、ヒドロキシアパタイトの結晶化度の増加と共に低下するということを報告した。加えて、ヒドロキシアパタイトなどのリン酸カルシウムミネラルへのナトリウムおよび炭酸塩イオンの取り込みにより、その溶出速度が劇的に増加することが報告されており(Driessensら、1978)、本明細書記載のFTIR分析は、ミネラルコーティングにおける炭酸イオンの存在を明確に示している(図8B)。
無血清DMEM中でミネラルコーティングされたマイクロスフェアをインキュベートした場合、溶出媒体中への(PO4)3-の累積量の経時的な低下が見られたが(図12B)、このことは、炭酸塩置換ヒドロキシアパタイトとDMEM中の(PO4)3-とのイオン交換によって、ミネラルコーティングの表面にリン酸塩含有ミネラルが再沈殿しうることを示している。この結果は、DMEM溶液中で、ミネラルコーティングがリン酸カルシウムミネラル成分の核形成の基質として役立ちうることを示唆している(図12D)。DMEM中でのインキュベーション後のミネラルコーティングの形態は、DMEM中でのインキュベーション前のミネラルの形態と類似していたが、このことは、再沈殿が生じる場合、最初の成長したミネラル相と類似した新規なミネラル相の成長が生じていることを示している。これらの結果は、ヒト血漿に類似しているイオン組成を有するTBSまたは改変Hank緩衝生理食塩水(HBS)のいずれかにヒドロキシアパタイトを浸した以前の研究と一致している。トリス緩衝液においては、ヒドロキシアパタイト表面に新規なミネラルが形成されなかったが、改変HBS溶液においては、表面にアパタイトコーティングが成長し、この新規なミネラルコーティングは、最初のヒドロキシアパタイト表面と類似した形態を有していた(Linら、2001)。
ヒドロキシアパタイトの表面からの薬物放出キネティクスは、ヒドロキシアパタイトミネラル溶出キネティクスと同等であることが、これまでの研究により示されている(Jongpaiboonkitら、2009;Ruheら、2005)。従って、ミネラルコーティングされたマイクロスフェアの凝集は、その表面積の減少により薬物放出を遅らせるであろう。複数の最新の研究により、ヒドロキシアパタイトの表面からのタンパク質放出キネティクスは、緩衝媒体のpHに強く依存することが示された(Jongpaiboonkitら、2009;Matsumotoら、2004)。例えば、Matsumotoら(2004)は、低いpHでのミネラルの溶出増加は、タンパク質の放出増加をもたらしうることを示した。これらのこれまでの研究に基づいて、我々は、緩衝媒体の組成およびpHが、ミネラルの溶出速度に影響を有するという仮説をたてた。ミネラルコーティングされたマイクロスフェアが、TBS中またはDMEM中のいずれかでインキュベートされる場合、ミネラル溶出速度が強く影響を受けることを示す我々のデータによってこの仮説が支持される(図12A、B)。TBS中でミネラルからイオンが経時的に徐々に放出されるが(図12A)、リン酸塩含有媒体中では、ミネラルの再沈殿が生じる(図9B)。この新規に沈着したミネラルは、初めにコーティングされたミネラルからの薬物拡散に干渉することができ、それによって薬物の放出は遅れる。
ミネラル核形成・成長に対する界面活性剤の影響。ミネラル核形成・成長中のマイクロスフェアの凝集を防ぐために、mSBF溶液にツイーン20(登録商標)を加えた。ツイーン20(登録商標)は、in vitroでのPLGマイクロスフェアからの薬物放出を測定する試験において安定剤として用いられる一般的な界面活性剤である(Heら、2005;Ramanら、2005)。ツイーン20(登録商標)の存在下での、マイクロスフェア表面上へのミネラル形成速度(図10A〜D)は、界面活性剤の非存在下と比較して明らかに低い(図5、6)。界面活性剤の存在下で形成されたミネラルのFTIRスペクトル(図13E)は、650〜800および1108〜1414cm-1にピークを示し、これは界面活性剤の非存在下で形成されるミネラル(図8B)および合成HA(図13E)の両方に類似するPO4 3-の存在を示す。このFTIRスペクトルはまた、1410および1450cm-1にCO3 2-ピークを有したが、これらは合成HAには存在しなかった(図13E)。重要なことには、界面活性剤の存在下でのミネラルコーティングの形態は、界面活性剤なしで形成されるコーティングにおいて認められるプレート状形態とは著しく異なっている(図14)。この結果は、ミネラルの分解、生体分子の結合および生体活性に密接な関係を有しうる、マイクロスフェア表面のミネラルの形態を変える機構として界面活性剤の添加を用いることができることを示唆している。例えば、比較的よく分布したミネラルコーティングを有する粗い表面は、増加した表面積を有し、利用可能な結合部位の対応する増加により、高いタンパク質の結合をもたらしうる(実施例1;LeGeros、2002)。封入PLGマイクロスフェア足場のミネラルコーティングにより、mSBF中でタンパク質吸着能力が増加し、ミネラル化されない足場と比較して、ポリマー足場からのタンパク質の最初のバースト放出が低下することをLaurencinらは示した(Jabbarzadehら、2007)。
結論
二重エマルションによるマイクロスフェアの調製および、mSBF溶液中に浸すことによるこれらのマイクロスフェアのミネラルでのコーティングを含む、簡単で安価な二段階法によって、ミネラルコーティングされたPLGマイクロスフェアを調製した。XRDおよびFTIRスペクトルによって、このコーティングが、多孔質、プレート状のナノスケールの形態を有する炭酸置換ヒドロキシアパタイトミネラルを含むことが示された。mSBF溶液中のマイクロスフェア濃度を変えることによって、ミネラルコーティングされたマイクロスフェアまたはマイクロスフェア凝集体のサイズを調節できる。ヒドロキシアパタイトコーティングはトリス緩衝生理食塩水中で分解性であった。このコーティングからのカルシウムおよびリン酸塩の放出の定量分析は、このミネラルにおけるCa/Pモル比が、炭酸置換ヒドロキシアパタイトのCa/Pモル比と一致するということを示している。ミネラル成長プロセス中の界面活性剤の存在は、ミネラルの形成を遅らせ、またミネラルの形態に著しく影響を及ぼす。総合すれば、これらの所見は、バイオインスパイアードプロセスを用いて、制御された方法で、ミネラルコーティングされたPLGマイクロスフェアを処理することの実現可能性を示している。この材料は、組織工学、ドラッグデリバリーおよび生体分子精製を含む、ポリマーマイクロスフェアのバルク特性およびヒドロキシアパタイトミネラルの表面特性から利益を得ることができる種々の用途に有用であることができる。
引用文献





上記を考慮すれば、本発明のいくつかの利点が達成され、他の利点が成し遂げられることは明らかであろう。
上記の方法および組成物においては、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更が可能であり、上記の説明に含まれ、添付図面に示されているすべての事項は、例示としてのみ解釈されるべきであり、限定するものとして解釈してはならない。
本明細書に引用したすべての文献は、参照により本願に組み込まれる。本明細書における参考文献に関する論考は、単に、その著者によってなされた主張を要約することを意図したものであって、いかなる引例も先行技術を構成するものではない。出願人は引用された文献の正確度及び適切性に異議を申し立てる権利を留保する。

Claims (96)

  1. 第1カルシウム含有ミネラルでコーティングされたビーズを含むマイクロスフェア
  2. 第1カルシウム含有ミネラルが、ヒドロキシアパタイト、α-リン酸三カルシウム、β-リン酸三カルシウム、非晶質リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸八カルシウムまたは炭酸カルシウムである、請求項1記載のマイクロスフェア。
  3. 第1カルシウム含有ミネラルがアパタイトである、請求項1記載のマイクロスフェア。
  4. 第1カルシウム含有ミネラルが炭酸置換カルシウム欠損ヒドロキシアパタイトである、請求項1記載のマイクロスフェア。
  5. ビーズが負電荷を持つ、請求項1記載のマイクロスフェア。
  6. 負電荷がカルボキシラート基による、請求項5記載のマイクロスフェア。
  7. ビーズがポリマーである、請求項1記載のマイクロスフェア。
  8. ポリマーが生体吸収性である、請求項7記載のマイクロスフェア。
  9. ポリマーが合成ポリマーである、請求項7記載のマイクロスフェア。
  10. ポリマーが極性酸素基を含む、請求項7記載のマイクロスフェア。
  11. ポリマーが、ポリカルボキシラート、ポリ無水物、ポリ(α-ヒドロキシエステル)、ポリ(エチレンテレフタラート)、ポリ(カルボナート)、ポリ(アミド)、ポリ(ラクトン)、ポリ(サッカライド)またはポリ(アクリル酸エステル)である、請求項7記載のマイクロスフェア。
  12. ポリマーがポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)である、請求項5記載のマイクロスフェア。
  13. PLGが、約85:15ラクチド:グリコリドである、請求項12記載のマイクロスフェア。
  14. 第1カルシウム含有ミネラルが炭酸置換カルシウム欠損ヒドロキシアパタイトであり、ビーズがポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)であり、ここでPLGが約85:15ラクチド:グリコリドである、請求項1記載のマイクロスフェア。
  15. 第1カルシウム含有ミネラルに接着し、第1カルシウム含有ミネラルに官能基を導入する成分をさらに含む、請求項1記載のマイクロスフェア。
  16. 官能基がカルボキシラート、アミン、カルボニル、ニトロ、ヒドロキシル、アルデヒドまたはエステルである、請求項15記載のマイクロスフェア。
  17. 成分がポリ(アスパラギン酸)、ポリ(グルタミン酸)またはビスホスホネートを含む、請求項15記載のマイクロスフェア。
  18. 第1カルシウム含有ミネラルに接着する第1化合物をさらに含む、請求項1記載のマイクロスフェア。
  19. 第1カルシウム含有ミネラルが炭酸置換カルシウム欠損ヒドロキシアパタイトであり、ビーズがポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)であり、ここでPLGが約85:15ラクチド:グリコリドである、請求項18記載のマイクロスフェア。
  20. 第1化合物がMW2000未満の有機化合物である、請求項18記載のマイクロスフェア。
  21. 有機化合物が抗生物質、コルチコステロイドまたはスタチンである、請求項20記載のマイクロスフェア。
  22. 有機化合物がセファゾリン、セフロキシム、クリンダマイシン、バンコマイシンまたはデキサメタゾンである、請求項20記載のマイクロスフェア。
  23. 第1化合物がオリゴペプチドまたはポリペプチドである、請求項18記載のマイクロスフェア。
  24. オリゴペプチドまたはポリペプチドがサイトカイン、酵素または、抗体結合部位を含むタンパク質である、請求項23記載のマイクロスフェア。
  25. オリゴペプチドまたはポリペプチドが、アミノ酸配列GGRGDSP、GGIKVAV、GGYIGSR、GGDGEA、GGKIPKASSVPTELSAISTLYL、AAAAEPRREVAELまたはAAAAγEPRRγEVAγEL(式中、γEはカルボキシグルタミン酸である)を有するオリゴペプチドである、請求項23記載のマイクロスフェア。
  26. オリゴペプチドまたはポリペプチドが骨形成因子2、骨形成因子7、血管内皮細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子-2、血小板由来増殖因子、トランスフォーミング増殖因子β、インターロイキンまたはヒト成長ホルモンである、請求項23記載のマイクロスフェア。
  27. 第1化合物が核酸である、請求項18記載のマイクロスフェア。
  28. 核酸がマイクロRNA、アンチセンス核酸またはベクターである、請求項27記載のマイクロスフェア。
  29. 第1化合物が非共有結合でマイクロスフェアに接着する、請求項18記載のマイクロスフェア。
  30. 第1カルシウム含有ミネラルに接着し、マイクロスフェアに、第1化合物が共有結合される官能基を導入する成分をさらに含む、請求項1記載のマイクロスフェア。
  31. 第1化合物が第1カルシウム含有ミネラルの1を超えるレベルである、請求項18記載のマイクロスフェア。
  32. マイクロスフェアから第1化合物が放出される速度を変化させるように第1化合物が改変される、請求項18記載のマイクロスフェア。
  33. 第1カルシウム含有ミネラルへの第1化合物の結合強度を増大させる部分を第1化合物がさらに含む、請求項32記載のマイクロスフェア。
  34. 部分が、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(グルタミン酸)、AAAAEPRREVAELまたはAAAAγEPRRγEVAγEL(式中、γEはカルボキシグルタミン酸塩である)を含むペプチドである、請求項33記載のマイクロスフェア。
  35. 第1カルシウム含有ミネラルまたは前記成分に接着する第2化合物をさらに含む、請求項15記載のマイクロスフェア。
  36. 第1化合物と第2化合物が、第1カルシウム含有ミネラルと異なるレベルである、請求項35記載のマイクロスフェア。
  37. 生細胞をさらに含む、請求項1記載のマイクロスフェア。
  38. 第1カルシウム含有ミネラルが炭酸置換カルシウム欠損ヒドロキシアパタイトであり、ビーズがポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)であり、ここでPLGがラクチド:グリコリド(約85:15)である、請求項37記載のマイクロスフェア。
  39. 生細胞が哺乳動物細胞である、請求項37記載のマイクロスフェア。
  40. マイクロスフェアが、細胞上の第2結合剤に結合する第1結合剤を含む、請求項37記載のマイクロスフェア。
  41. 第1結合剤が受容体、第1核酸または細胞接着ペプチドであり、第2結合剤が受容体のリガンド、第1核酸に相補的な第2核酸または細胞接着ペプチドのリガンドである、請求項40記載のマイクロスフェア。
  42. 第1結合剤が細胞接着ペプチドGGRGDSP、GGIKVAV、GGYIGSRまたはGGDGEAである、請求項40記載のマイクロスフェア。
  43. 細胞と相互作用するサイトカインをさらに含む、請求項37記載のマイクロスフェア。
  44. 第2カルシウム含有ミネラルでビーズがさらにコーティングされる、請求項1記載のマイクロスフェア。
  45. 直径約0.5μm〜約100μmを有する、請求項1記載のマイクロスフェア。
  46. 直径約2μm〜約6μmを有する、請求項1記載のマイクロスフェア。
  47. 凝集した、請求項1記載の複数のマイクロスフェア。
  48. 第1カルシウム含有ミネラルが炭酸置換カルシウム欠損ヒドロキシアパタイトであり、ビーズがポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)であり、ここでPLGが約85:15ラクチド:グリコリドである、請求項47記載の複数のマイクロスフェア。
  49. 第1カルシウム含有ミネラルに接着する第1化合物をさらに含む、請求項48記載の複数のマイクロスフェア。
  50. 炭酸塩、カルシウムおよびリン酸塩を含む生理的食塩水中でビーズをインキュベートして、ビーズ上に第1カルシウム含有ミネラル層コーティングを形成させることを含むマイクロスフェアの製造方法であって、ミネラル層コーティングを含むビーズがマイクロスフェアである前記方法。
  51. ビーズが負電荷を持つ、請求項50記載の方法。
  52. 負電荷がカルボキシラート基による、請求項51記載の方法。
  53. ビーズがポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)を含む、請求項50記載の方法。
  54. 溶液がNaCl、KCl、MgCl2、MgSO4、NaHCO3、トリス、CaCl2およびKH2PO4を含む、請求項50記載の方法。
  55. 溶液が約141mM NaCl、約4.0mM KCl、約0.5mM MgSO4、約1.0mM MgCl2、約4.2mM NaHCO3、約5.0mM CaCl2および約2.0mM KH2PO4を含む、請求項50記載の方法。
  56. 溶液がさらに界面活性剤を含む、請求項50記載の方法。
  57. 界面活性剤がツイーン20(登録商標)である、請求項56記載の方法。
  58. 第1カルシウム含有ミネラル層に接着する成分をマイクロスフェアに加えることをさらに含み、前記成分が第1カルシウム含有ミネラル層に官能基を導入する、請求項50記載の方法。
  59. マイクロスフェアを第1化合物とインキュベートして、第1化合物をマイクロスフェアに接着させることをさらに含む、請求項50記載の方法。
  60. 第1化合物がMW2000未満の有機化合物である、請求項59記載の方法。
  61. 第1化合物がオリゴペプチドまたはポリペプチドである、請求項60記載の方法。
  62. オリゴペプチドまたはポリペプチドがサイトカイン、酵素または、抗体結合部位を含むタンパク質である、請求項61記載の方法。
  63. 第1化合物が核酸である、請求項59記載の方法。
  64. 核酸がマイクロRNA、アンチセンス核酸またはベクターである、請求項63記載の方法。
  65. 第1化合物をマイクロスフェアとインキュベートして、第1化合物を非共有結合的にマイクロスフェアに結合させる、請求項59記載の方法。
  66. 官能基を導入する成分をマイクロスフェアに接着させ、次いで共有結合的に第1化合物を官能基に結合させることをさらに含む、請求項59記載の方法。
  67. 生理的食塩水中で第1化合物をビーズとインキュベートして、ミネラル層コーティングと一緒に第1化合物をビーズ上に沈着させる、請求項59記載の方法。
  68. 第1化合物をマイクロスフェアに接着させる前と後の両方でビーズを生理的食塩水中でインキュベートして、その後追加の第1化合物をマイクロスフェアに接着させる、請求項59記載の方法。
  69. マイクロスフェアと第2化合物をインキュベートして、第2化合物をマイクロスフェアに接着させることをさらに含む、請求項59記載の方法。
  70. 第1化合物を接着させる前後にビーズを生理的食塩水中でインキュベートし、その後第2化合物をマイクロスフェアに接着させて、第1化合物と第2化合物が第1カルシウム含有ミネラル層の異なる層に存在するようにさせる、請求項69記載の方法。
  71. 請求項43〜58のいずれか1つに記載の方法で製造された、請求項1〜46のいずれか1つに記載のマイクロスフェア。
  72. 脊椎動物の治療方法であって、請求項1記載のマイクロスフェアを脊椎動物に投与することを含む前記方法。
  73. 脊椎動物が哺乳動物である、請求項72記載の方法。
  74. 脊椎動物がヒトである、請求項72記載の方法。
  75. 第1カルシウム含有ミネラルが炭酸置換カルシウム欠損ヒドロキシアパタイトであり、ビーズがポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)であり、ここでPLGが約85:15ラクチド:グリコリドである、請求項72記載の方法。
  76. マイクロスフェアの投与によって治療できる健康状態を脊椎動物が有する、請求項72記載の方法。
  77. 健康状態が組織欠損である、請求項76記載の方法。
  78. 欠損が骨、軟部組織または内部臓器における欠損である、請求項77記載の方法。
  79. 欠損が疾患または外傷によって生じた、請求項77記載の方法。
  80. 欠損が先天性である、請求項77記載の方法。
  81. 脊椎動物への化合物の投与方法であって、請求項18記載のマイクロスフェアを脊椎動物に投与することを含む前記方法。
  82. 脊椎動物が哺乳動物である、請求項81記載の方法。
  83. 脊椎動物がヒトである、請求項81記載の方法。
  84. 第1カルシウム含有ミネラルが炭酸置換カルシウム欠損ヒドロキシアパタイトであり、ビーズがポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)であり、PLGがラクチド:グリコリド(約85:15)である、請求項81記載の方法。
  85. 化合物を投与することによって治療できる健康状態を脊椎動物が有する、請求項81記載の方法。
  86. 健康状態が組織欠損である、請求項85記載の方法。
  87. 欠損が骨、軟部組織または内部臓器における欠損である、請求項86記載の方法。
  88. 欠損が疾患または外傷によって生じた、請求項86記載の方法。
  89. 欠損が先天性である、請求項86記載の方法。
  90. マイクロスフェアが非経口投与される、請求項81記載の方法。
  91. マイクロスフェアが局所投与される、請求項90記載の方法。
  92. マイクロスフェアが全身投与される、請求項90記載の方法。
  93. 脊椎動物の治療薬の製造のための、請求項18〜46のいずれか1つに記載のマイクロスフェアの使用。
  94. 脊椎動物がヒトである、請求項93記載の使用。
  95. 脊椎動物の治療のための、請求項1〜46のいずれか1つに記載のマイクロスフェアの使用。
  96. 脊椎動物がヒトである、請求項95記載の使用。
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