JP2012254932A - Nb膜からなる水素分離膜による水素分離法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Nb膜からなる水素分離膜を使用して水素含有ガスから水素を分離精製する方法であって、(a)温度Tにおける、(b)Nb膜に対する水素雰囲気の水素圧力P、(c)Nb膜に対する固溶水素量Cを測定し、温度T、水素圧力P、固溶水素量Cの実測データを基にそれら3要件を関連付けたPCT曲線を作成し、当該PCT曲線を基に固溶水素量CとNb膜の脆性破壊との関係を求めて耐水素脆性に係る限界固溶水素量を評価することにより、使用温度、一次側、二次側の水素圧力条件を設定し、その設定条件下にNb膜により水素含有ガスから水素を分離することを特徴とするNb膜による水素分離法。
【選択図】図4
Description
(a)水素分離に使用不可能とされていたNb膜を水素分離膜として使用することができる。例えば、Nb膜を、400℃においては0.005MPa(約0.05気圧)以下の水素分圧、あるいは500℃において0.03MPa(約0.3気圧)以下の水素分圧で使用することにより、水素含有ガスから水素を選択的に分離することができる。
(b)Nb膜を水素分離膜として使用することにより、低水素濃度の水素含有ガスから高効率で水素を選択的に分離して水素を製造することができる。
(c)水素分離膜としてNb−Ru膜を使用するに際して、Nb−Ru合金膜の脆性破壊を回避して効率的に水素含有ガスから水素を選択的に分離することができる。
(d)安価なNbを使用するので水素分離膜の低コスト化が可能となる。
以下、SP試験装置の構造および試験事項と、その操作法の概略を説明する。図1はSP試験装置、操作法を説明する図で、図1(a)は縦断面図、図1(b)は図1(a)中コア部分を拡大して示した図である。本SP試験装置は全体としては円筒状である。
導入水素貯留部2、導管3を経て供給する水素量を弁V1で調節することにより一次側の水素圧を調節し、導管4、導出水素貯留部5を経て導出する水素量を弁V2で調節することにより二次側の水素雰囲気の水素圧を調節する。これにより、後述膜試料20の一次側と二次側との水素雰囲気を同一の水素圧力に制御し、また異なる水素圧力に制御することができる。
20は膜試料、19は膜試料20を支持するガスケット(SUS鋼製)である。21は膜試料20の固定部材、24はパンチャー、25は鋼球である。固定部材21の下部は逆凹状に形成され、下端から上端に至る複数の貫通孔22を有している。当該逆凹状の底部面は膜試料の上面との間にスペースを保ち、複数の貫通孔22は水素雰囲気Yと連通している。
SP試験装置を使用して、縦横の長さ10mm、厚さ0.5mm(10mm×10mm×0.5mm=50mm3)のNb膜の試験片について、300〜500℃の範囲の各温度における固溶水素量C〔H/Nb(原子比、以下同じ。)〕に対する吸収エネルギーの変化を求めた。
ここで、吸収エネルギーとは、試験片の変形開始から破壊に至るまでに要した仕事量に対応(相当)している。パンチャー24により鋼球25を押し下げた圧力、つまり荷重(MPa)を変位量に対して積分する(=荷重−変位曲線の下の面積を計算する。)ことにより吸収エネルギーを算出する。図2においては当該吸収エネルギーを示している。
Nb膜に対する水素の固溶量は、ある所定温度におけるNb膜に対する水素の固溶量であり、Nbの原子数に対する固溶した水素の原子数で表される。例えば、固溶水素量C(H/Nb)=0.26とは、Nbの原子数100に対して固溶している水素の原子数が26であることを示している。
ここで、水素分離膜の水素透過性能は一般に、水素透過係数Φに係る下記式(1)を用いて評価されている。
ここで、PCT測定装置(JIS H 7201)とは、ある温度Tにおいて、物質が水素を吸蔵、放出するときの特性(圧力P、水素吸蔵量C)を測定する装置である。図3における固溶水素量Cは水素吸蔵量Cに相当している。
Nbについてシーベルツ則が成り立つとすると、図3中“C=K・P1/2”として示すとおり直線(以下“シーベルツ直線”と言う。)となる。しかし、図3中、純Nbとして示すとおり、Nbに対する固溶水素量がおおよそ0.06まではシーベルツ則の従うが、それ以上になるとシーベルツ直線から外れ、シーベルツ則に従わない領域があることを示している。
(2)Nb膜からなる水素分離膜を使用して水素含有ガスから水素を分離するに際して、Nb膜からなる水素分離膜を、温度500℃、Nbに対する固溶水素量C(H/Nb)0.09〜0.14(ΔH/Nb=0.05)、水素分圧差0.02〜0.01MPaの範囲で使用して水素含有ガスから水素を選択的に分離することができる。
(3)Nb膜からなる水素分離膜を使用して水素含有ガスから水素を分離するに際して、Nb膜からなる水素分離膜を、温度500℃、Nbに対する固溶水素量C(H/Nb)0.09〜0.19(ΔH/Nb=0.10)、水素分圧差0.01〜0.03MPaの範囲で使用して水素含有ガスから水素を選択的に分離することができる。
前述〈SP試験装置によるNb膜について試験〉と同様にして、SP試験装置を使用して、アーク溶解法により製造した縦横の長さ10mm、厚さ0.5mm(10mm×10mm×0.5mm=50mm3)のNb−5Ru合金膜(NbとRuの合計量中、Ruが5モル%のNbとRuの合金膜。以下、同種の記載について同じ。)の試験片について、400〜500℃の範囲の各温度において、0.001〜5.00(1×10-3〜5×100)MPaの各水素圧Pと固溶水素量Cとの間の関係を把握した上でSP試験を行い、“荷重−変位”を評価した。
以上の実測結果をもとに、Nb−5Ru合金膜について、500℃における各膜の一次側と二次側の水素濃度差ΔCと水素透過速度の関係を得た。そして、フィックの第一法則を利用して、水素が透過中その場における水素の拡散係数を求めた。
SP試験装置を使用して、Nb−5Ru合金膜について水素透過速度を試験した。試験条件は図10中その下部に示している。図10はその結果である。図10には、Nb−5Ru合金膜のほかに、Pd−26Ag合金膜についての結果も示している。
2 支持部材1に設けた導入水素貯留部
3 水素貯留部2から一次側水素雰囲気Yに連通する導管
4 二次側水素雰囲気Zから導出水素貯留部5に連通する導管
5 支持部材1に設けた導出水素貯留部
6 蛇腹9の下端部を固定するフランジ部材
7 ボルト
8 ガスケット
9 蛇腹
10 蛇腹9の上端部を固定するフランジ部材
11 ガスケット
12 支持部材1と相対する上部位置に置かれた上下動可能な上蓋部材
13 スライディングシャフト
14 ナット
15 スライドブッシュ
16 ロードセル
17 セラミックヒータ
18 熱電対
19 膜試料20の固定部材
20 膜試料
21 膜試料20の固定部材
22 貫通孔
24 パンチャー
25 鋼球
26 支持部材1の凸部
Claims (3)
- Nb膜からなる水素分離膜を使用して水素含有ガスから水素を分離精製する方法であって、
(a)温度Tにおける、
(b)Nb膜に対する水素雰囲気の水素圧力P、
(c)Nb膜に対する固溶水素量Cを測定し、温度T、水素圧力P、固溶水素量Cの実測データを基にそれら3要件を関連付けたPCT曲線を作成し、
当該PCT曲線を基に固溶水素量CとNb膜の脆性破壊との関係を求めて耐水素脆性に係る限界固溶水素量を評価することにより、使用温度、一次側、二次側の水素圧力条件を設定し、その設定条件下にNb膜により水素含有ガスから水素を分離することを特徴とするNb膜による水素分離法。 - Nb膜からなる水素分離膜を使用して水素含有ガスから水素を分離するための条件を設定する方法であって、
(a)温度Tにおける、
(b)Nb膜に対する水素雰囲気の水素圧力P、
(c)Nb膜に対する固溶水素量Cを測定し、
(d)温度T、水素圧力P、固溶水素量Cの実測データを基にこれら3要件を関連付けたPCT曲線を作成し、
前記PCT曲線を基に固溶水素量CとNb膜の脆性破壊との関係を求めて耐水素脆性に係る限界固溶水素量を評価することにより、使用温度、一次側、二次側の水素圧力条件を設定することを特徴とするNb膜による水素の分離のための条件設定法。 - Nb−Ru合金膜からなる水素分離膜を使用して水素含有ガスから水素を分離するための条件を設定する方法であって、
(a)温度Tにおける、
(b)Nb−Ru合金膜に対する水素雰囲気の水素圧力P、
(c)Nb−Ru合金膜に対する固溶水素量Cを測定し、
(d)温度T、水素圧力P、固溶水素量Cの実測データを基にこれら3要件を関連付けたPCT曲線を作成し、
当該PCT曲線を基に固溶水素量CとNb−Ru合金膜の脆性破壊との関係を求めて耐水素脆性に係る限界固溶水素量を評価することにより、使用温度、一次側、二次側の水素圧力条件を設定することを特徴とするNb−Ru合金膜による水素の分離のための条件設定法。
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