JP2012254101A - 水添加型消火剤組成物及び水性泡消火剤 - Google Patents

水添加型消火剤組成物及び水性泡消火剤 Download PDF

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Abstract

【課題】高い発泡性能を有し、林野火災や油等の可燃性液体の火災の消火に好適に用いることができると共に、人体、生物及び環境への負荷の少ない水添加型消火剤組成物及び水性泡消火剤を提供する。
【解決手段】炭素数10以上30以下の直鎖状脂肪酸のナトリウム塩及びカリウム塩からなる群より選択される1又は複数からなり、うち40〜80重量%がオレイン酸ナトリウム塩及び/又はカリウム塩である石けん系界面活性剤と、1又は複数のキレート剤と、1又は複数の増粘剤と、水又はアルコール類及びエステル類からなる群より選択される1又は複数の水溶性有機化合物と水とからなる混合溶媒とを含み、石けん系界面活性剤を8〜18重量%、キレート剤を20〜33重量%、増粘剤を8〜24重量%をそれぞれ含み、残部が水又は混合溶媒であることを特徴とする水添加型消火剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性泡消火剤の改良に関するものである。
建築材料、建具及び家具等には、紙、木材、樹脂、繊維等の可燃性物質が多く用いられている。また、タイヤ火災や林野火災等の大規模火災も多発しているという現状がある。これらの火災(通常はA火災又は普通火災と称する。)に対して、より迅速に、より少ない放水量で、かつ少ない薬剤量で確実に消火できる水添加型の消火剤組成物の必要性が高まっている。
水系の消火剤において、表面張力を低下させることによる木材等への浸透性の増大や、発泡させることによる木材等の表面の付着性の増大等を通して、消火効果、再燃防止効果、及び延焼抑制効果を向上させることを目的として界面活性剤を添加することが以前から行なわれていた。
ガソリン火災や石油火災等の危険物火災に広く使用されている泡消火剤としては、蛋白質泡消火剤、合成界面活性剤泡消火剤、水成膜泡消火剤、またはこれらにフッ素系界面活性剤を組み合わせたものなどが知られているが、普通火災用として日本国内で最も普及しているのは、合成洗剤の成分を含有した界面活性剤系の消火剤(以下、合成界面活性剤系消火剤という)である。
また、例えば、特許文献1には、長期間保存しても、薬液の物性変化が起こることがなく、普通火災、油火災、森林火災、山火事などに対して少ない使用量でも優れた初期消火力を有するのみならず、優れた再着火防止効果を有する水系消火薬剤として、純水中においては100℃まで下限臨界溶液温度を有さず、5重量%燐酸二水素アンモニウムと5重量%燐酸水素二アンモニウムの混合水溶液中において35〜100℃の下限臨界溶液温度を示す感温性ポリマーと、燐酸塩、縮合燐酸塩、硫酸塩、重炭酸塩、タングステン酸塩等の消炎剤とを、水に溶解した水系消火薬剤が開示されている。
これらはいずれも有効な消火剤であり、水単独での消火に比べてはるかに迅速に、かつ少ない水量での消火を実現するものである。しかし、近年発生頻度が増大している林野火災等の消火のために広く自然環境に散布される状況を想定した場合、水自身は自然界に存在するものであり、分解して有毒なものを発生することもなく、残留物として周囲の環境に悪影響を与えることはないが、化学合成物質を含有した消火剤は、先の洗浄剤と同様、含有成分によっては分解して有毒な成分を発生したり、または残留物が長く分解されずに滞留し、河川や海中の生物に悪い影響を与えたりする可能性がないとは言えない。
そこで、本発明者らは、合成界面活性剤を含まず、人体、生物及び環境への負荷が少ない界面活性剤系組成物として、脂肪酸ナトリウム塩及び/又はカリウム塩を主成分とする石けん系界面活性剤を用いた水添加型消火剤組成物を提案してきた(例えば、特許文献2及び3参照)。
特開2005−27742号公報 国際公開第2006/028233号パンフレット 特開2007−238651号公報
普通火災の消火に好適な水性泡消火剤においては、鎮火後の現場検証を容易にし、現場検証担当者の転倒の危険を低減するために、泡は速やかに消失する必要がある。
しかしながら、林野火災の消火の際に用いられる水性泡消火剤においては、上述のように環境への負荷が小さいことに加え、再発火の防止等のために、樹木の表面に火災の防護膜を形成するための高い付着性が必要とされると共に、発泡後長時間にわたって泡が持続することにより、保持された水分による冷却や空気の供給の遮断の効果が持続することが要求される。したがって、普通火災用の水性泡消火剤をそのまま林野火災の消火に適用することは困難である。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、高い発泡性能を有し、林野火災や油等の可燃性液体の火災の消火に好適に用いることができると共に、人体、生物及び環境への負荷の少ない水添加型消火剤組成物及び水性泡消火剤を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明の第1の態様は、(A)炭素数10以上30以下の直鎖状脂肪酸のナトリウム塩及びカリウム塩からなる群より選択される1又は複数からなり、うち40〜80重量%がオレイン酸ナトリウム塩及び/又はカリウム塩である石けん系界面活性剤と、
(B)エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、L−グルタミン酸二酢酸(GLDA)、L−アスパラギン二酢酸(ASDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、(S,S)−エチレンジアミンコハク酸三ナトリウム(EDDS)及びシュウ酸並びにこれらの塩からなる群より選択される1又は複数のキレート剤と、
(C)カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMCS)、デキストラン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、プルラン、キサンタンガム、タマリンドガム、ポリエチレングリコール(PEG)及びリン酸水素二ナトリウムからなる群より選択される1又は複数の増粘剤と、
(D)水又はアルコール類、エステル類及びアミン類からなる群より選択される1又は複数の水溶性有機化合物と水とからなる混合溶媒とを含み、
前記(A)の石けん系界面活性剤を8〜18重量%、前記(B)のキレート剤を20〜33重量%、前記(C)の増粘剤を8〜24重量%をそれぞれ含み、残部が前記(D)の水又は混合溶媒であることを特徴とする水添加型消火剤組成物を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第1の態様に係る水添加型消火剤組成物において、前記(B)のキレート剤として、L−グルタミン酸二酢酸(GLDA)、L−アスパラギン二酢酸(ASDA)及びメチルグリシン二酢酸(MGDA)並びにこれらの塩からなる群より選択される1又は複数を用いてもよい。
或いは、本発明の第1の態様に係る水添加型消火剤組成物において、前記(B)のキレート剤としてシュウ酸又はシュウ酸塩を用いてもよい。
本発明の第1の態様に係る水添加型消火剤組成物において、前記(D)の混合溶媒に含まれる前記水溶性有機化合物が、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、1,2−ヘキサンジオール、ブチルグルコシド、ノルマルブタノール、イソプロピルアルコール、ブチルカルビトール、n−プロピルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン、メタノール、t−ブタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、n−オクタノール、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、ラウリルアルコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルジグリコール、エチルセロソルブ、及びポリプロピレングリコールからなる群より選択される1又は複数であってもよい。
この場合において、前記(D)の混合溶媒に含まれる前記水溶性有機化合物が1,2−プロパンジオール及び2−メチル−2,4−ペンタンジオールのいずれか一方又は双方であることが好ましい。
本発明の第1の態様に係る水添加型消火剤組成物において、(E)高級脂肪族アミン塩、エーテルカルボン酸型アニオン活性剤、スルホコハク酸型アニオン活性剤、エーテルスルホコハク酸型アニオン活性剤、アミドエーテルスルホコハク酸型アニオン活性剤、ベタイン系両性界面活性剤及びポリアクリル酸系界面活性剤からなる群より選択される1又は複数の合成界面活性剤を更に含んでいてもよい。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に係る水添加型消火剤組成物と水とを、1:30〜1:200の体積比で混合して得られる水性泡消火剤を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第2の態様に係る水性泡消火剤において、泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令(昭和五十年十二月九日自治省令第二十六号)第12条第1項の規定にしたがい発泡させた場合において、同項に規定の泡の膨張率(以下、「発泡倍率」という。)が5倍以上であり、かつ、発泡前の水性泡消火剤容量の25体積%の水性泡消火剤が泡から還元するために要する時間(以下、「還元時間」という。)が1分以上であることが好ましい。
本発明の水添加型消火剤組成物及び水性泡消火剤が含有する石けん系界面活性剤は、自然環境下で容易に分解し自然に還る、地球に優しい成分である。また、石けん系界面活性剤の40〜80重量%をオレイン酸ナトリウム塩及び/又はカリウム塩とし、増粘剤を添加することにより、発泡性能、より具体的には発泡倍率及び還元時間を向上させ、安定かつ長寿命な泡を容易に生成できる。そのため、樹木の表面への付着性が向上し、表面張力の低下による樹木等の可燃物の内部への浸透力の向上に加え、窒息効果や可燃物表面への保護被膜の形成により、消火効率を高め、延焼や再発火を効果的に抑制し、より少ない水で迅速かつ確実な消火を可能にする。
さらに、噴射後の水性泡消火剤に含まれる石けん系界面活性剤は、生分解性を有していると共に、河川や湖沼水、海水のミネラル分と結合して金属石けんとなり、速やかに界面活性を失う。そのため、本発明の水添加型消火剤組成物及び水性泡消火剤は、環境負荷が低く、かつ微生物や魚類への毒性も低いという合成界面活性剤を含む従来の水性泡消火剤にない消火特性を有する。
以上述べたように、本発明によると、高い発泡性能を有し、林野火災や油等の可燃性液体の火災の消火に好適に用いることができると共に、人体、生物及び環境への負荷の少ない水添加型消火剤組成物及び水性泡消火剤が提供される。
種々の増粘剤を含む水性泡消火剤について測定した、噴射終了直後からの水面高さの経時変化の測定結果を示すグラフである。 種々の補助界面活性剤を含む水性泡消火剤について測定した、噴射終了直後からの泡の高さの経時変化の測定結果を示すグラフである。 種々の補助界面活性剤を含む水性泡消火剤について測定した、噴射終了直後からの泡の高さの経時変化の測定結果を示すグラフである。
続いて、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の第1の実施の形態に係る水添加型の界面活性剤系組成物は、下記の成分(A)、(B)、(C)、(D)を含む組成物である。
(A)炭素数10以上30以下の直鎖状脂肪酸のナトリウム塩及びカリウム塩からなる群より選択される1又は複数からなり、うち40〜80重量%がオレイン酸ナトリウム塩及び/又はカリウム塩である石けん系界面活性剤
(B)エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、L−グルタミン酸二酢酸(GLDA)、L−アスパラギン二酢酸(ASDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、(S,S)−エチレンジアミンコハク酸三ナトリウム(EDDS)及びシュウ酸並びにこれらの塩からなる群より選択される1又は複数のキレート剤
(C)カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMCS)、デキストラン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、プルラン、キサンタンガム、タマリンドガム、ポリエチレングリコール(PEG)及びリン酸水素二ナトリウムからなる群より選択される1又は複数の増粘剤
(D)水又はアルコール類、エステル類及びアミン類からなる群より選択される1又は複数の水溶性有機化合物と水とからなる混合溶媒
組成物全体に対する(A)の石けん系界面活性剤の含有量は8〜18重量%、(B)のキレート剤の含有量は20〜33重量%、(C)の増粘剤の含有量は8〜24重量%であり、残部が前記(D)の水又は混合溶媒である。
なお、上記の成分(A)〜(C)以外の追加成分を含む場合、全組成物から成分(A)〜(C)及び当該追加成分を除いた残りが「残部」となる。
(A)石けん系界面活性剤
石けん系界面活性剤としては、炭素数10以上30以下、好ましくは炭素数12以上20以下の直鎖状脂肪酸のナトリウム塩及びカリウム塩のうち、任意のものを単独で、或いは任意の2種以上を組み合わせて用いることができる。直鎖状脂肪酸は、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸のいずれであってもよく、その具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸等の植物性脂肪酸のナトリウム塩またはカリウム塩が挙げられる。
これらの脂肪酸塩は同じように使用することができるが、主なものについて、以下に、詳細に説明する。
(イ)オレイン酸塩:〔CH3(CH27CH=CH(CH27COOM(MはNa又はK)〕
脂肪酸比率が同率のナトリウム石けんとカリウム石けんの比較実験でナトリウム石けんの方が浸透力は強いことがわかったが、通常のナトリウム石けんでは液体石けんにならずにゲル化もしくは固形になってしまうおそれがある。
しかし、オレイン酸等の不飽和脂肪酸のナトリウム又はカリウム石けんは液体になることが判明し、その中でもオレイン酸ナトリウム及びオレイン酸カリウムは安定性がよく、ラウリン酸塩に次いで表面張力を低下させる効果が高いこともあってオレイン酸ナトリウム又はオレイン酸カリウムを使用するのが好ましい。表面張力が低いことにより、汚染物への水の浸透性が大きいため、本来の洗浄力を発揮し、また火災時の可燃物への水分の浸透性が増し、早期消火、再燃防止に有効である。
(ロ)ラウリン酸塩:〔CH3(CH210COOM(MはNa又はK)〕
起泡力に富み、少し粗大で良好な泡を大量に生成する。泡は火災時に可燃物の表面にまとわりつき、酸素の供給を防ぐ窒息効果が得られるため、早期消火が可能となる。アルキル基が短いために湿潤性が大きい。ラウリン酸ナトリウムは固形になりやすいため、カリウム塩の方が好ましい。
(ハ)ミリスチン酸塩:〔CH3(CH212COOM(MはNa又はK)〕
ラウリン酸塩だけだと泡が粗大であるため、持続性が悪く泡に安定性を与えるためにミリスチン酸塩を加えるのが好ましい。泡の持続性が良いと、泡切れは悪くなり、洗浄後の水洗いや火災鎮火後の火災原因の調査が容易でなくなる欠点はある。また、pH9〜10の水溶液は細かく安定した泡が立つので好ましいものである。
(ニ)パルミチン酸塩:〔CH3(CH214COOM(MはNa又はK)〕
ミリスチン酸塩よりも起泡力は劣るが細かく安定した泡が立つので好ましい。
発泡倍率及び還元時間の両者を増大させるためには、オレイン酸ナトリウムの含有量が石けん系界面活性剤全量に対し40〜80質量%であることが好ましく、特に60〜80質量%であることが好ましい。これらの脂肪酸塩の含有量は組成物全量に対し10〜20質量%が好ましい。これらを併用することにより、単体で使用するよりも付着物や可燃物への水分の浸透性が良く、かつ泡立ちの良いものとなる。
(B)キレート剤
石けん系界面活性剤を含有する水添加型消火剤組成物を用いて水性泡消火剤の調製を行う場合、金属含量が高い硬水や海水を用いると、水中の金属成分と脂肪酸塩である石けん系界面活性剤成分とが結合し、発泡を阻害するため消火性能が低下する。したがって、石けんカスの発生を抑制することが必要な場合が多い。
石けんカスの発生を抑制するために、水添加型消火剤組成物にはキレート剤を加える。
特に林野火災の場合、水添加型消火剤組成物の希釈には湖沼や河川の水が使用されるケースが多いが、水添加型消火剤組成物はキレート剤を含んでいるため、これらの水が硬水の場合であっても良好な発泡性能を維持できる。また、タンカー火災や石油タンク火災の場合に、水添加型消火剤組成物の希釈には、金属塩を多量に含む海水が用いられるケースが多いが、その場合にも良好な発泡性能を維持できるため、水添加型消火剤組成物は、これらの火災の消火に好適に適用可能である。
水添加型消火剤組成物に含まれるキレート剤の量の範囲を調整することで、水添加型消火剤組成物を硬水や海水で希釈して使用した場合における発泡性能を維持しつつ、自然環境中に散布された水性泡消火剤に含まれる石けん系界面活性剤が、河川や湖沼水、海水中のミネラル分と結合して金属石けんを形成し、速やかに界面活性を失うと共に、燃焼灰や土壌中にミネラル分として含まれる金属と反応して金属石けんを形成することが可能になる。それにより、微生物や魚類への毒性の低減や、内部が赤熱状態にある炭化した燃えかすの表面に泡が残存して、火のくすぶり及び再発火の防止が可能になる。
キレート剤の具体例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、L−グルタミン酸二酢酸(GLDA)、L−アスパラギン二酢酸(ASDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、(S,S)−エチレンジアミンコハク酸三ナトリウム(EDDS)及びシュウ酸並びにこれらの塩が挙げられる。キレート剤としては、例えば、アミノ酸骨格を有するL−グルタミン酸二酢酸(GLDA)、L−アスパラギン二酢酸(ASDA)及びメチルグリシン二酢酸(MGDA)並びにこれらの塩等の生分解性を有するものが好ましく、L−グルタミン酸二酢酸四ナトリウム(GLDA・4M(MはNa又はK))が特に好ましい。
キレート剤は、水中の硬度分である金属成分を捕捉して石けんカス生成による石けん分の損失を防ぎ、また、石けんカスによる起泡の生成妨害を防止する作用を持つものである。キレート剤として、前記L−グルタミン酸二酢酸四ナトリウム(GLDA・4Na)は生分解性が非常に良く、各種の洗浄剤成分や消火剤成分との相性もよい。キレート剤を添加した場合には、水中や土壌中の金属成分とキレート剤が結合することにより、これらの金属と脂肪酸アニオンとが不溶性の塩を形成するのを抑制するため、石けんカスの発生は抑制される。
組成物中のキレート剤の含有量は、水添加型消火剤組成物全体の30〜40質量%が好ましく、特に35〜40質量%が好ましい。含有量が少なすぎると石けんカスの生成はもとより、洗浄力や消火性能が低下し、上限より多すぎてもその効果は格別増大しないと共に、自然環境中に放出された水性泡消火剤に含まれる石けん系界面活性剤が、水、土壌及び燃焼灰に含まれるミネラル分と結合して金属石けんを形成するのを阻害するおそれがある。
水100リットルに対し、石けん系界面活性剤成分を体積比で0.5%、キレート剤であるL−グルタミン酸二酢酸四ナトリウム(GLDA・4Na)を体積比で0.5%を混合して得られる水性泡消火剤を用いて消火すると、水に比べて遥かに高い消火性能を得ることができる。
(C)増粘剤
粘度を上昇させることにより、泡の持続時間を増大させると共に、樹木等の可燃物の表面への付着性を向上させるために、水添加型消火剤組成物は増粘剤を含んでいる。用いることができる増粘剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMCS)、デキストラン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、プルラン、キサンタンガム、タマリンドガム、ポリエチレングリコール(PEG)等の水溶性化合物、及びリン酸水素二ナトリウム等の無機塩が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
増粘剤の添加量は、水添加型消火剤組成物のハンドリングを悪化させない範囲内で、所望の粘度及び水で希釈した場合における発泡性能が得られるよう適宜調整される。また、増粘剤として水溶性高分子化合物を用いる場合における分子量についても、同様の条件を考慮して適宜決定される。
(D)水性溶媒に添加する水溶性有機化合物
石けん系界面活性剤成分とキレート剤であるL−グルタミン酸二酢酸四ナトリウム(GLDA・4Na)を混合すると常温でもゲル化してしまい、使用することができなくなるという欠点がある。
使用時に水の中に別々に石けん系界面活性剤成分とキレート剤であるL−グルタミン酸二酢酸四ナトリウム(GLDA・4Na)を添加すれば問題ないが、実際の火災現場では石けん系界面活性剤成分とキレート剤であるL−グルタミン酸二酢酸四ナトリウム(GLDA・4Na)を別々に混合することは手数を要し、面倒なことであり、火災の緊急事態に対応し難い場合がある。そこで、石けん系界面活性剤成分とキレート剤であるL−グルタミン酸二酢酸四ナトリウム(GLDA・4Na)を組成物として混合する際にゲル化防止剤として作用する水溶性有機化合物を添加することが好ましい。
上記したように、問題となっているゲル化の現象を解決するには、溶媒である水に1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール:以下、PGという)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(ヘキシレングリコール:以下、HGという)、ノルマルブタノール、ブチルグルコシド、イソプロピルアルコール(以下、IPAという)等のアルコール類やエステル類の溶媒を添加するのが好ましいことが分かった。溶媒が水のみの場合、水添加型消火剤組成物中の石けん系界面活性剤の濃度が20〜30質量%に達するとゲル化するが、PG等の溶媒を加えることによってゲル化を抑制し、高濃度の石けん系界面活性剤を含む水添加型消火剤組成物を調製できる。
PGと同様に添加できる溶媒は、HG、ブチルグルコシド、ノルマルブタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、ブチルカルビトール、n−プロピルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン、メタノール、t−ブタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、n−オクタノール、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、ラウリルアルコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルジグリコール、エチルセロソルブ、及びポリプロピレングリコール等であり、これらは単独で用いてもよく、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この配合割合は、石けん系界面活性剤とキレート剤との混合割合にもよるが、PGを全組成物中の10〜40質量%、好ましくは10〜20質量%添加するのが良い。PGに加え、さらにHG等の溶媒を5〜10質量%添加するのが好ましい。これらアルコール類等の添加量が多すぎると、引火点が低くなり、少なすぎると添加の効果が認められない。
しかし、これら有機溶媒を加えると組成物の引火点が低くなる場合があり、危険物扱いとなり備蓄する数量が定められ(消防法による)、大量備蓄ができないという問題が生じるが、HG、ノルマルブタノール、ブチルグルコシドはゲル化の抑制だけでなく、引火点を上げることができるので好ましい。
なお、PGは不凍液としての役割も果たし、これを添加することにより、流動点がかなり低下し、消火剤の寒冷地での使用を可能とするものである。また、HGは低温流動性を改善する作用をもち、キレート剤添加時のゲル化を防ぐ。PGと同様にこれを添加することにより流動点を低下させることができ、それにより寒冷地での水添加型消火剤組成物の使用も可能となる。
例えば、石けん:キレート剤:溶媒を1:1:0.5で混合することにより、例えば−35℃以下でもゲル化しなくなる。すなわち、日本の全天候を考慮しても、どんな天候でも各地で十分に対応できる。PGやHGは流動性を高める最適な溶媒である。
なお、上述のキレート剤を2種類以上組み合わせて用いることにより、水添加型消火剤組成物のゲル化を抑制できる場合がある。
更に発泡性能を向上させるために、合成界面活性剤を補助成分として添加してもよい。合成界面活性剤の具体例としては、高級脂肪族アミン塩、エーテルカルボン酸型アニオン活性剤、スルホコハク酸型アニオン活性剤、エーテルスルホコハク酸型アニオン活性剤、アミドエーテルスルホコハク酸型アニオン活性剤、ベタイン系両性界面活性剤(アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルビス−(アミノエチル)グリシン、ヤシ油脂肪酸‐アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチル−イミダゾリウムベタイン等)及びポリアクリル酸系界面活性剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水添加型消火剤組成物には、上記以外の補助成分を適宜添加してもよい。
例えば、本実施の形態に係る水添加型消火剤組成物は、脂肪酸のアルカリ金属塩を高濃度で含んでいるためpHが高く、pH値が約13の強アルカリ性となる場合がある。これでは使用者によっては扱い難い薬剤となってしまう。そこで、フィチン酸、リンゴ酸、乳酸等のpH調整剤(pH調整成分)をいずれか1種類または2種類以上を組成物全量に対し0.1〜1質量%添加することにより、pH値を約10までに抑えることができる。こうすれば水性泡消火剤として使用するに際し、取り扱いの容易な製品となる。なお、二塩基酸であるシュウ酸は、キレート剤であると同時にpH調整剤としても作用する。
さらに、この界面活性剤系組成物では金属に対する腐食性が大きすぎて、資機材や消防車輌等の劣化を招くことがある場合には、無機塩の金属腐食防止剤を添加し、安心して使用できるものとすることができる。金属腐食防止剤の添加量は組成物全量に対し0.1〜1質量%とするのがよい。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る水性泡消火剤について説明する。
水性泡消火剤は、水添加型消火剤組成物と水とを、1:30〜1:200の体積比で混合して得られる。放水量の1〜2体積%、より好ましくは放水量の1〜1.5体積%程度とすれば消火性能はきわめて良好であり、使用時、使用後の安全性は高い。
水性泡消火剤は、泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令(昭和五十年十二月九日自治省令第二十六号)第12条第1項の規定にしたがい発泡させた場合において、同項に規定の発泡倍率が5倍以上、より好ましくは8倍以上であり、かつ、還元時間が1分以上、より好ましくは3分以上である。
発泡倍率及び還元時間は、泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令に規定の方法及び装置(例えば、同省令別図1に示す標準発泡ノズル及び別図2に示す標準発泡装置)を用いて決定できる。
水性泡消火剤は、普通火災(家屋、木材、紙等)、林野火災、カーテン火災(繊維等)、タイヤ火災、自動車火災、ゴム・プラスチック火災、産業廃棄物処理場における火災、石油タンカー、石油タンク等における可燃性液体の火災等に対し、高い消火能力を発揮することができる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
なお、以下の説明において、「L」はラウリン酸カリウムを、「Os」はオレイン酸ナトリウムを、「M」はミリスチン酸カリウムを、「P」はパルミチン酸カリウムをそれぞれ意味する。
使用した界面活性剤成分は、下記の方法にしたがって調製した。
(1)脂肪酸ナトリウム塩又はカリウム塩の調製
本方法は、固体である脂肪酸の塩の調製に用いられる方法である。プロピレングリコール(PG)と、固体である脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等)とを、反応槽中で混合し、ヒーターで30〜40℃に加熱し、溶解させる。溶解後、得られた混合物を撹拌しながら、水酸化カリウム水溶液(KOH48質量%)をゆっくり反応層へ投入し、反応させる。反応後、イオン交換樹脂で処理し、硬度5.0ppm以下とした精製水を反応槽へ添加する。こうして各脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸)カリウム塩を生成した。ナトリウム塩の調製の場合には、水酸化カリウム水溶液の代わりに水酸化ナトリウム水溶液を使用する。
(2)オレイン酸ナトリウムの調製
プロピレングリコール(PG)を反応槽に投入し、そこへ水酸化ナトリウム水溶液(NaOH48質量%)をゆっくり投入し攪拌した。次に、イオン交換樹脂で処理して、硬度5.0ppm以下とした精製水を反応槽へ徐々に添加した。混合物が均一になるまで撹拌後、オレイン酸(液体)を添加し、オレイン酸ナトリウムを得た。
(3)オレイン酸カリウムの調製
水酸化ナトリウム水溶液の代わりに水酸化カリウム水溶液を使用した以外は上記(2)と同様の方法を用いて、オレイン酸カリウムを得た。
(4)水性泡消火剤用原液の調製
オレイン酸ナトリウム9.792重量部、ラウリン酸カリウム6.752重量部、パルミチン酸カリウム0.096重量部、1,2−プロパンジオール(PG)24.192重量部、精製水18.978重量部、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(HG)8.55重量部、GLDA(L−グルタミン酸二酢酸四ナトリウム)40重量部、及び金属腐食防止剤1重量部を混合し、水性泡消火剤の調製のための原液を調製した。
(5)水性泡消火剤の調製
上記(4)で調製した原液30gと、増粘剤又は補助界面活性剤6gを水道水で希釈し、水性泡消火剤3kgを得た。
(6)水性泡消火剤の発泡安定性に及ぼす増粘剤の効果の評価
上記(5)にしたがって調製した、増粘剤を含む水性泡消火剤3Lを消火器に充填し、内圧0.85MPaとなるように窒素ガスを充填した。次いで、水性泡消火剤を円筒形のアクリル容器(φ242mm×h1000mm)中に噴射した。噴射終了直後からの、泡の消失に伴う容器の底面から水面までの高さ(水面高さ)の経時変化を測定した。
種々の増粘剤を含む水性泡消火剤についての水面高さの経時変化の測定結果を図1に示す。添加した増粘剤の種類により水面高さが最大値に到達するまでの時間には差が見られるものの、全ての増粘剤について、増粘剤を含まない場合よりも最大値に到達するまでの時間が増大していることが確認された。この結果から、増粘剤の添加により水性泡消火剤の発泡安定性が向上し、泡が消失するまでの時間が増大していることがわかる。
(7)水性泡消火剤の発泡安定性に及ぼす補助界面活性剤の効果の評価
上記(5)にしたがって調製した、補助界面活性剤を含む水性泡消火剤を消火器に充填し、内圧0.85MPaとなるように窒素ガスを充填した。次いで、水性泡消火剤を円筒形のポリ容器(φ380mm×h450mm)中に噴射し、噴射終了直後からの泡の高さの経時変化(泡の消失に伴う泡の高さの減少)を測定した。
使用した補助界面活性剤は、下記のとおりである。
ニッサンアノンBF(アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、日油株式会社製)、ニッサンアノンBL(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、日油株式会社製)、ニッサンアノンLG−R(ドデシルビス−(アミノエチル)グリシン、日油株式会社製)、ニッサンアノンBDF−R(ヤシ油脂肪酸‐アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、日油株式会社製)、ニッサンアノンGLM−R−LV(2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチル−イミダゾリウムベタイン、日油株式会社製)、AM−301:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン水溶液、日本サーファクタント工業株式会社製)、AM−101:N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム水溶液、日本サーファクタント工業株式会社製)、AKYPO RLM45NV(POE(4,5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム水溶液、日本サーファクタント工業株式会社製)。
種々の補助界面活性剤を含む水性泡消火剤についての水面高さの経時変化の測定結果を図2及び図3に示す。いずれの補助界面活性剤を用いた場合についても、泡の減少に伴う水面高さの減少速度が小さくなっており、還元時間も増大していることがわかる。
(8)消火性能の評価
架台上に、82本の木材(30×35×450mm、含水率10〜15%)を櫓状に(5本+5本+4本+4本+5本+5本・・・・・・・・・・・+4本+4本+5本+5本)積み上げ、架台に設置しているオイルパンに助燃剤としてノルマルヘプタンを300cc入れた。助燃剤に着火後2分間燃焼させた後に、放水液体の温度は20±2℃とし、10秒放水(2.45リットル/10秒)、50秒停止の断続放水を繰り返すことにより測定した。
上記(5)で調製した水性泡消火剤についての消火試験の結果、放水開始後3回以内の放水で炎が消滅することを確認した。

Claims (8)

  1. (A)炭素数10以上30以下の直鎖状脂肪酸のナトリウム塩及びカリウム塩からなる群より選択される1又は複数からなり、うち40〜80重量%がオレイン酸ナトリウム塩及び/又はカリウム塩である石けん系界面活性剤と、
    (B)エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、L−グルタミン酸二酢酸(GLDA)、L−アスパラギン二酢酸(ASDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、(S,S)−エチレンジアミンコハク酸三ナトリウム(EDDS)及びシュウ酸並びにこれらの塩からなる群より選択される1又は複数のキレート剤と、
    (C)カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMCS)、デキストラン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、プルラン、キサンタンガム、タマリンドガム、ポリエチレングリコール(PEG)及びリン酸水素二ナトリウムからなる群より選択される1又は複数の増粘剤と、
    (D)水又はアルコール類、エステル類及びアミン類からなる群より選択される1又は複数の水溶性有機化合物と水とからなる混合溶媒とを含み、
    前記(A)の石けん系界面活性剤を8〜18重量%、前記(B)のキレート剤を20〜33重量%、前記(C)の増粘剤を8〜24重量%をそれぞれ含み、残部が前記(D)の水又は混合溶媒であることを特徴とする水添加型消火剤組成物。
  2. 前記(B)のキレート剤として、L−グルタミン酸二酢酸(GLDA)、L−アスパラギン二酢酸(ASDA)及びメチルグリシン二酢酸(MGDA)並びにこれらの塩からなる群より選択される1又は複数を用いることを特徴とする請求項1記載の水添加型消火剤組成物。
  3. 前記(B)のキレート剤としてシュウ酸又はシュウ酸塩を用いることを特徴とする請求項1記載の水添加型消火剤組成物。
  4. 前記(D)の混合溶媒に含まれる前記水溶性有機化合物が、1,2−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ブチルグルコシド、ノルマルブタノール、イソプロピルアルコール、ブチルカルビトール、n−プロピルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン、メタノール、t−ブタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、n−オクタノール、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、ラウリルアルコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルジグリコール、エチルセロソルブ、及びポリプロピレングリコールからなる群より選択される1又は複数であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の水添加型消火剤組成物。
  5. 前記(D)の混合溶媒に含まれる前記水溶性有機化合物が1,2−プロパンジオール及び2−メチル−2,4−ペンタンジオールのいずれか一方又は双方であることを特徴とする請求項4記載の水添加型消火剤組成物。
  6. (E)高級脂肪族アミン塩、エーテルカルボン酸型アニオン活性剤、スルホコハク酸型アニオン活性剤、エーテルスルホコハク酸型アニオン活性剤、アミドエーテルスルホコハク酸型アニオン活性剤、ベタイン系両性界面活性剤及びポリアクリル酸系界面活性剤からなる群より選択される1又は複数の合成界面活性剤を更に含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の水添加型消火剤組成物。
  7. 請求項1から6のいずれか1項記載の水添加型消火剤組成物と水とを、1:30〜1:200の体積比で混合して得られる水性泡消火剤。
  8. 泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令(昭和五十年十二月九日自治省令第二十六号)第12条第1項の規定にしたがい発泡させた場合において、同項に規定の泡の膨張率が5倍以上であり、かつ、発泡前の水性泡消火剤容量の25体積%の水性泡消火剤が泡から還元するために要する時間が1分以上であることを特徴とする請求項7記載の水性泡消火剤。
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