JP5469283B1 - 消火剤 - Google Patents

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Abstract

クルードグァーガムを含有し、さらに、クルードグァーガムの分散助剤として、単糖類及び少糖類から選ばれる少なくとも1種を含有する消火剤であって、クルードグァーガム100質量部に対し、単糖類及び少糖類を総量で30〜400質量部含有する、消火剤。

Description

本発明は消火剤に関する。より具体的には、水に対する分散性及び分散安定性が良好で、消火性能に優れた消火用水の迅速な調製に好適な消火剤に関する。
通常、火災においては水(消火用水)を用いて消火作業をする。水は比熱及び蒸発熱が高いことから冷却作用が高く、燃焼物や可燃物から効率的に熱を奪うことで消火あるいは燃焼を防止する。しかしながら、水は表面張力が高く、燃焼物または可燃物表面に滞留せずに、落下して流失しやすい。消火活動に使用した水のうち、実際に消火に寄与するのは10%程度といわれている。したがって、消火に際しては長時間に渡って連続放水する必要があるため、大量の水を必要とする。また、放水された消火用水は滞留せずに大量に流れ落ちるために、例えば高層建物の火災の消火に際しては、火災とは直接関係のない建物下層及び隣接した区域・建物への水の流入や水の飛散等が起こり、二次的な被害を引き起こす問題点も有している。
一方で、火災現場近傍において水資源の量が限られている場合もある。例えば、林野火災等においては、消火に必要な水を十分に確保できないことが多い。この場合には、限られた量の水を効率的に消火に寄与させることが特に求められる。
これまで、水の消火作用を増強させるために下記の水添加型消火剤が開発されてきている。
(a)リン酸塩無機化合物系消火剤
通常、主成分としてリン酸アンモニウムを含む。リン酸塩無機化合物系消火剤を含む消火用水が火災域に散布されると、加熱によりリン酸アンモニウムが分解されて、その際の吸熱作用により周囲の熱を奪う。また、不燃性のガスを発生して周囲にガス層を形成することで酸素を遮断し、さらに高温になると、溶融ガラス状に変化して燃焼面を被覆して酸素を遮断する。
しかしながら、リン酸塩無機化合物系消火剤を添加して消火用水の消火作用を増強するためには、多くの消火剤を水に添加する必要がある。さらに、リン酸塩無機化合物は水に溶けにくいために継粉(ママコ)を生成しやすい。ここで継粉とは、粉体を液に投入した際に液中で分散・溶解しきれずに凝集した塊であり、液で膨潤した外層に粉体が包み込まれた構造をとる。ダマとも呼ばれ、一旦生成すると凝集体全体が液で膨潤しても溶けにくくなる。
また、長期保管されたリン酸塩無機化合物は成分が析出して塊になるため、使用時にはこれを粉砕する装置が必要となる。リン酸塩無機化合物が水に溶けにくいことは、資機材の洗浄作業に手間がかかるという問題も生じさせる。さらに、リン酸アンモニウムは、肥料に使われる成分と類似しているため、散布された土壌に富栄養化現象をもたらすという環境面に対する問題点も指摘されている。
(b)合成界面活性剤系消火剤
合成界面活性剤を主成分とするため、合成界面活性剤系消火剤を含む消火用水は表面張力が低く、燃焼物や可燃物等の消火対象に浸透しやすい。また、衝突した衝撃等により形成した泡が燃焼物や可燃物を覆って酸素を遮断することで、消火・再燃防止・延焼抑制の効果が向上する。界面活性剤系消火剤の水への添加濃度は低く、また、該消火剤のみを水に添加することで消火用水を調製できるので、消火用水の調製を比較的迅速に行うことができる。
しかしながら、特にヘリコプターや航空機などを使用して火災上空から空中放水(散布)を行う場合には、合成界面活性剤系消火剤を含む消火用水は空気の抵抗によって気泡を発生しやすく、火災による上昇気流及びヘリコプター、飛行艇、飛行機等の航空機自身の飛行によって発生する気流によって吹き飛ばされ、拡散して消失したり狙ったポイントに消火用水が到達しにくかったりする問題がある。
また、合成界面活性剤系消火剤は目的とした消火作用を得るために泡の形成を必要とするため、泡を形成する濃度にまで水への添加量を上げる必要があり、このような濃度の場合には水生生物に対する毒性が懸念される。
また、消火対象に到達した後も、消火用水の温度が低い場合は泡を生じにくく、温度が高い場合は泡の消失が早くなるため所望の性能を発揮できない場合がある。
(c)吸水性ポリマー系消火剤
吸水性ポリマーを主成分とし、水を十分に吸水した吸水性ポリマーを、燃焼物や可燃物に接触させることにより、消火・再燃防止・延焼抑止効果を発揮する。
しかしながら、吸水性ポリマー系の消火剤を含む消火用水は、浸透力が比較的弱いので、付着した部分から周囲へ消火用水が展開しにくく、周囲への消火・再燃防止・延焼抑止効果はさほど期待できない。さらに、吸水性ポリマーは、火災後の残火処理、現場調査等の作業の際に、足をすべらせる原因となる。
加えて、吸水性ポリマーは生分解しにくく、環境中に蓄積して生態系に悪影響を及ぼすことが指摘されている。
また、ポリアクリル酸塩のような吸水ポリマーは溶媒中のイオン濃度の影響を受けやすく吸水性が悪くなる為、硬水や海水を使用する場合に十分な性能を得るためには使用濃度をかなり高める必要がある。
(d)増粘剤系消火剤
消火用水に増粘性を付与して消火性能の高めることも報告されている(例えば、特許文献1〜3)。特許文献1及び2では、消火用水に増粘作用を付与すると共に、さらにでんぷんなどの炭化成分を含有させることで消火用水の消火・延焼防止性能を高めている。また、特許文献3では、消火用水に増粘剤と共に金属イオン架橋剤を含有させている。
しかし、増粘剤が均質に分散した消火用水を調製するには、数段階に分けて水と混合する必要があるため、特許文献1〜3に記載の発明は消火用水の迅速な調製には向いていない。また、消火用水を手順通りに調製しないと成分が溶けきらずに継粉となってしまうことも懸念される。特に、増粘性の高い高分子多糖類を使用する場合、増粘剤が水への投入時に継粉になり、消火用水として期待すべき効果を付与できないことがある。
米国特許出願公開公報US2006/0076531号 特表2009−533118号公報 米国特許出願公開公報US2009/0212251号
本発明は、水への分散性が高く、粘性ないしシュードプラスチック性を示す消火用水の迅速な調製に好適な消火剤を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記消火剤を用いて消火用水を調製し、これを用いて火災を消火する方法の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、粘性ないしシュードプラスチック性の発現に必要な高分子化合物の供給源として特定の材料を採用し、この材料と当該材料の分散を促す特定の物質とを含有する混合物が、水への分散性に優れ、当該混合物を分散させた水は、消火用水として優れた性能を示すことを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成させるに至ったものである。
ここで、シュードプラスチック(pseudo plastic)性とは、粘度のせん断速度依存性を示すパラメーターの一つを指し、せん断速度が大きくなるにつれて粘度が下がる性質のことである。擬塑性、シェアーシニング(shear thinning)性などともいう。
本発明の課題は下記の手段により達成された。
<1>クルードグァーガムを含有し、さらに、クルードグァーガムの分散助剤として、単糖類及び少糖類から選ばれる少なくとも1種を含有する消火剤であって、クルードグァーガム100質量部に対し、単糖類及び少糖類を総量で30〜400質量部含有する、消火剤。
<2>クルードグァーガムの分散助剤として、さらに、無機ナトリウム塩、無機カリウム塩、アンモニウム塩及び発泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、<1>に記載の消火剤。
<3>クルードグァーガム100質量部に対し、無機ナトリウム塩、無機カリウム塩、アンモニウム塩及び発泡剤を総量で50〜200質量部含有する、<2>に記載の消火剤。
<4>前記発泡剤が、炭酸水素ナトリウムと、クエン酸、フマル酸、コハク酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸とを組み合わせてなる発泡剤、炭酸水素アンモニウムと、クエン酸、フマル酸、コハク酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸とを組み合わせてなる発泡剤、並びに、亜硝酸ナトリウムと塩化アンモニウムとを組み合わせてなる発泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の発泡剤である、<2>又は<3>に記載の消火剤。
<5>クルードグァーガムの分散助剤として、スクロース及び上白糖から選ばれる少なくとも1種を含有する、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の消火剤。
<6>クルードグァーガム100質量部に対し、クルードグァーガムに由来するグァーガム以外の水溶性高分子多糖類を5〜75質量部含有する、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の消火剤。
<7>クルードグァーガムに由来するグァーガム以外の水溶性高分子多糖類が、タマリンドシードガム、アルギン酸エステル、キサンタンガム及びプルランからなる群から選ばれる少なくとも1種である、<6>に記載の消火剤。
<8>クルードグァーガムに由来するグァーガム以外の水溶性高分子多糖類が界面活性剤でコーティングされている、<6>又は<7>に記載の消火剤。
<9>クルードグァーガムが界面活性剤でコーティングされている、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の消火剤。
<10>アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有する、<1>〜<9>のいずれか1項に記載の消火剤。
<11>アニオン性界面活性剤が、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びN−アシルタウリン塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、ノニオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、<10>に記載の消火剤。
<12>着色剤、不凍液、酸化防止剤、腐食防止剤及び防カビ剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、<1>〜<11>のいずれか1項に記載の消火剤。
<13>顆粒状又はタブレット状である、<1>〜<12>のいずれか1項に記載の消火剤。
<14>澱粉を含有しない、<1>〜<13>のいずれか1項に記載の消火剤。
<15><1>〜<14>のいずれか1項に記載の消火剤を水に分散・溶解する工程を含む、消火用水の調製方法。
<16><15>に記載の消火用水の調製方法により調製した消火用水を火災現場に放水する工程を含む、火災の消火方法。
本発明の消火剤は、水への分散性に優れる。本発明の消火剤を水に分散させることで、適度な粘性を有する消火用水を調製することができる。この消火用水は、放水した際に過度に拡散しない。つまり、少ない放水量で火災現場により効率的に消火用水を送り届けることができる。また、当該消火用水は、そのシュードプラスチック性により、燃焼物や可燃物に衝突した際には適度に飛び散って拡散し、燃焼物や可燃物に付着した後は流れ落ちにくい。したがって、消火効率がより高い。
本発明の火災の消火方法によれば、より少ない放水量で火災を効率的に消火することができる。したがって、火災現場の限られた量の水資源を用いて効率的に消火活動をすることができると同時に、放水された消火用水による二次被害をより抑えることもできる。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
実施例で使用した木片の配置(図1a)と木片の使用態様(図1b)を示す模式図である。 消火用水の木片への付着量と、当該木片の燃焼速度の関係を示すグラフである。
以下、本発明について、その好ましい実施態様に基づき詳細に説明する。
<本発明の消火剤>
本発明の消火剤は、増粘作用を持つクルードグァーガムと、このクルードグァーガムの水への分散を促進する分散助剤とを少なくとも含有する。
本発明の消火剤は、水に分散させて消火用水を調製する目的に使用されるものである。
[クルードグァーガム]
本発明の消火剤に用いるクルードグァーガムは、豆科植物であるグァーの胚乳部を粉砕して得られる粉末製剤、又はその部分精製物であり、多糖類以外にもグァー豆由来のたんぱく質、脂質などを含む。本発明において「クルードグァーガム」とは、その乾物中の多糖類の含有量が95質量%未満のグァーガムをいう。
クルードグァーガム乾物の質量は、クルードグァーガムの含水量を測定し、この含水量をクルードグァーガムの質量から差し引いた値である。また、クルードグァーガムの含水量は、カールフィッシャー法水分計(電量滴定又は容量滴定)により測定することができる。当該水分計は、例えば、三菱化学アナリテック社から入手可能である。
また、本明細書において、クルードグァーガム中の多糖類の量は、日本食品標準成分表 分析マニュアルの解説(中央法規出版社)の記載に従い、水分を減圧乾燥法、たんぱく質をケルダール法、脂質をソックスレー抽出法、食物繊維を酵素重量法、灰分を直接灰化法によりそれぞれ測定し、これらの総量をクルードグァーガム全量から差し引いて求められる量である。
本発明に用いるクルードグァーガム乾物中の多糖類の含有量は40質量%以上95質量%未満であることが好ましく、70質量%以上95質量%未満であることがより好ましく、80質量%以上95質量%未満であることがさらに好ましい。このようなクルードグァーガムとしては、例えば、RG1000(商品名、エムアールシーポリサッカライド社製)が挙げられる。
本発明者らは、消火用水にシュードプラスチック性を付与するための高分子化合物の供給源としてクルードグァーガムに着目し、これを消火剤として用いることについて検討を重ねた結果、下記(a)〜(d)の利点を見出した。
(a)クルードグァーガムは、精製グァーガム(クルードグァーガムを精製し、多糖類の含有量を95質量%以上に高めた製剤)に比べて、水に添加した際に継粉を形成しにくく、分散性がより高い。すなわち、精製グァーガムは水に添加しても粒子が沈降せず、精製グァーガムの粒子が水面に停滞した状態となって継粉が形成されていくのに対し、クルードグァーガムは、水に添加するとより速やかに沈降し、水中に分散していく。この傾向は後述する分散助剤の存在下でより顕著となる。このように、クルードグァーガムと精製グァーガムは水への分散性において大きな相違がある。
(b)クルードグァーガムの粒子の多くは短い紐状であり、分散助剤等の他の物質と混合した場合に物理的に絡み合う。したがって、クルードグァーガムを含む混合物からなる消火剤を用いて調製される消火用水は、振とうするなどしても層分離しにくく、その成分組成の均質性ないし分散性に優れる。したがって、調製される消火用水の性能、品質のばらつきがより抑えられる。
(c)クルードグァーガムは海水等の高硬度の水に対しても分散性が低下せず、増粘性を付与することができる。したがって、火災現場にしばしば存在する海水等を用いた場合であっても、通常の水を用いた場合と同様の性能の消火用水を調製することができ、実用性に優れる。
(d)精製グァーガムに比べて水溶液にした場合の透明度が低いため、消火用水を着色した場合の着色効果がより高まる。したがって、消火用水が到達した部分を識別するための着色消火用水の調製にも好適である。
クルードグァーガムの水に対する良好な分散性をより効果的に発現させるため、本発明の消火剤は以下で説明する分散助剤を含有する。
[分散助剤]
本発明の消火剤は、クルードグァーガムの分散助剤として、単糖類及び少糖類から選ばれる少なくとも1種を含有する。
上記単糖類としては、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
上記少糖類としては、ラクトース、スクロース、マルトース等の二糖類、ニゲロトリオース、マルトトリオース、メレジトース、マルトトリウロース、ラフィノース、ケストース等の三糖類、二ストース、ニゲロテトラオース、スタキオース等の四糖類等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
上記単糖類、少糖類は、クルードグァーガムに吸着し、クルードグァーガム同士の過度な凝集を防止する。また、上記分散助剤は水中に速やかに沈降・分散するため、この分散助剤に吸着したクルードグァーガムもまた当該分散助剤に引きずられて水中へと沈降しやすくなり、クルードグァーガムの水中への分散が促進される。
本発明の消火剤中、単糖類及び少糖類の総量は、クルードグァーガム100質量部に対して30〜400質量部であり、50〜200質量部であることがより好ましく、70〜180質量部であることがさらに好ましい。分散助剤の含有量を上記範囲内とすることで、クルードグァーガムの分散性ないし分散安定性をより高めることができる。
単糖類及び少糖類の含有量が多すぎると、消火用水の調製に用いる消火剤の量をより多くしなければならず、消火剤の使い勝手や経済性が低下する。このことは、後述する無機ナトリウム塩、無機カリウム塩、アンモニウム塩及び発泡剤についても同様である。
なお、本明細書において、「単糖類及び少糖類の総量」との用語は、単糖類及び少糖類の双方が含まれる形態のみならず、単糖類を含まずに少糖類のみが含まれる形態、又は、少糖類を含まず単糖類のみが含まれる形態に対しても用いられる。すなわち、単糖類を含まない形態において「単糖類及び少糖類の総量」とは少糖類の量を意味し、少糖類を含まない形態において「単糖類及び少糖類の総量」とは単糖類の量を意味する。
本発明の消火剤は、分散助剤として、スクロース及び上白糖から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、上白糖を含有することが特に好ましい。
上白糖は、スクロースに転化糖を加えてなる顆粒状の砂糖であり、より具体的には、スクロースを主成分とし、スクロースの結晶表面に、転化糖(グルコースとフルクトースの混合糖)と水分とからなる転化糖液をまぶして製造される顆粒状の砂糖である。分散助剤として用いうる上白糖中の転化糖の割合は好ましくは0.1〜5.0質量%であり、より好ましくは0.2〜3.0質量%、さらに好ましくは0.5〜2.0質量%である。また、分散助剤として用いうる上白糖中の水分の割合は、好ましくは0.1〜5.0質量%であり、より好ましくは0.2〜2.0質量%、さらに好ましくは0.5〜1.5質量%である。上白糖は、転化糖液により結晶表面に湿り気があるため、クルードグァーガムと混合すると、クルードグァーガムを適度に吸着して顆粒状となる。これにより、本発明の消火剤を水に投入した際に、クルードグァーガムがより沈降しやすくなり、水面に浮かんだまま継粉になったり溶け残ってしまうことをより確実に防ぐことができる。
本明細書において、消火剤中の成分として単に「スクロース」というときは、上白糖に含まれるスクロースを包含しない意味に用いる。また、本明細書において「上白糖」は、「単糖類及び少糖類から選ばれる少なくとも1種」に包含される。
また、本発明の消火剤は、分散助剤として還元糖を含む形態であることも好ましい。火災現場の高温下でアミノ化合物と反応して炭化物を形成し(メイラード反応)、消火作用を補強することができる。ここでメイラード反応とは、非酵素的な反応により還元糖とアミノ化合物が反応してより複雑な分子構造の褐色物質を生成する反応である。高温の加熱で進行しやすく、カラメル化、炭化などを伴うことが多い。
なお、本発明の消火剤において、高分子多糖類は、クルードグァーガムの分散助剤としては機能しにくい。後述の実施例では、単糖類や少糖類に代えて澱粉を添加した場合に、クルードグァーガムの分散性が向上しないことが示されている。本発明の消火剤は、澱粉を含有しないことが好ましい。
本発明の消火剤としては、上記単糖類及び少糖類に加え、さらに、クルードグァーガムの分散助剤として、無機ナトリウム塩、無機カリウム塩、アンモニウム塩、及び発泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する形態も好ましい。
上記無機ナトリウム塩としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
上記無機カリウム塩としては、塩化カリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸カリウム、ポリリン酸カリウム、メタリン酸カリウム等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
上記アンモニウム塩としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
これらの無機ナトリウム塩、無機カリウム塩及びアンモニウム塩もまた、クルードグァーガムに吸着し、クルードグァーガム同士の過度な凝集を防止する効果がある。また、上記分散助剤は水中に速やかに沈降・分散するため、この分散助剤に吸着したクルードグァーガムもまた当該分散助剤に引きずられて水中へと沈降しやすくなり、クルードグァーガムの水中への分散が促進されることになる。
上記発泡剤は、これを含む消火剤を水に投じた時に、水中で気体を発生するような組成からなる。当該発泡剤の例として、炭酸水素ナトリウムと、クエン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸などから選ばれる少なくとも1つの有機酸とを組み合わせてなる発泡剤、炭酸水素アンモニウムと上記有機酸とを組み合わせてなる発泡剤、亜硝酸ナトリウムと塩化アンモニウムと組み合わせてなる発泡剤などが挙げられる。
上記発泡剤は水中で発泡して水を撹拌し、クルードグァーガム等の分散性を向上させる。
本発明において、発泡剤を構成する各成分は、それぞれ独立に消火剤中に存在していてもよい。すなわち、複数成分からなる発泡剤を消火剤に配合するに際し、各成分を別々に配合してなる消火剤も、本発明における発泡剤を含む消火剤に包含される。
本発明の消火剤が、クルードグァーガムの分散助剤として、無機ナトリウム塩、無機カリウム塩、アンモニウム塩、及び発泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する場合において、これらの含有量に特に制限はないが、分散性をより向上させる観点から、クルードグァーガム100質量部に対し、無機ナトリウム塩、無機カリウム塩、アンモニウム塩、及び発泡剤の総量が50〜200質量部であることが好ましい。また、消火剤中の単糖類及び少糖類の総量がクルードグァーガム100質量部に対して30〜100質量部程度のときに、無機ナトリウム塩、無機カリウム塩、アンモニウム塩、及び発泡剤を総量で50〜200質量部含有させることが好ましい。
なお、本明細書において、「無機ナトリウム塩、無機カリウム塩、アンモニウム塩、及び発泡剤の総量」との用語は、無機ナトリウム塩、無機カリウム塩、アンモニウム塩、及び発泡剤のすべてが含まれる形態の他、無機ナトリウム塩、無機カリウム塩、アンモニウム塩、及び発泡剤の少なくとも1種が含まれる形態に対しても用いる。例えば、無機ナトリウム塩を含み、無機カリウム塩、アンモニウム塩、及び発泡剤を含まない形態において「無機ナトリウム塩、無機カリウム塩、アンモニウム塩、及び発泡剤の総量」とは無機ナトリウム塩の量を意味する。
[高分子多糖類]
本発明の消火剤は、上記クルードグァーガムに由来するグァーガム以外の、水溶性高分子多糖類を含んでもよい。当該水溶性高分子多糖類に特に制限はないが、タマリンドシードガム、アルギン酸エステル、キサンタンガム及びプルランからなる群から選ばれる1種又は2種以上を好適に用いることができる。なかでもキサンタンガムを用いることが好ましい。当該キサンタンガムとしては、ソアキサンXG−350(商品名、エムアールシーポリサッカライド社製)を好適に用いることができる。本発明において「水溶性高分子多糖類」は、30℃の水に溶解するものであることが好ましく、25℃以下の水に溶解するものであることがさらに好ましい。
本発明の消火剤に水溶性高分子多糖類を含有させることにより、クルードグァーガムの増粘作用を適宜に補強することができ、これにより、調製した消火用水の付着性、当該消火用水の保存安定性や熱安定性を向上させることができる。
本発明の消火剤がクルードグァーガムに由来するグァーガム以外の水溶性高分子多糖類を含有する場合において、当該水溶性高分子多糖類の含有量は、クルードグァーガム100質量部に対して5〜75質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましく、12〜40質量部であることがさらに好ましい。
[界面活性剤]
本発明の消火剤は、アニオン性界面活性剤もしくはノニオン性界面活性剤又はこれらの組み合わせを含有することができる。
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型の界面活性剤の1種又は2種以上が挙げられ、その具体例としては、α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)、アルキル硫酸塩(AS)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(AES)、N-アシルタウリン塩等が挙げられる。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸エステル、エーテル型、エーテル・エステル型、多価アルコール型、多価アルコール・エステル型の界面活性剤の1種又は2種以上が挙げられ、その具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリド、ジグリセリド)等が挙げられる。
上記アニオン性界面活性剤は、水中での拡散・溶解性に優れるため、これを消火剤に含有させることで、クルードグァーガムや多糖類の水への分散性を向上させて粘度上昇速度を上げると共に、消火用水に界面活性を付与できる。
また、上記ノニオン性界面活性剤を消火剤に含有させれば、増粘作用・粘度上昇速度を阻害することなく消火用水に界面活性を付与できる。
さらに、上記いずれの界面活性剤も、その添加量に応じて微生物の増殖を抑制することができると同時に、長時間にわたって消火用水のシュードプラスチック性を持続させることにも寄与する。
また、界面活性剤としてアミノ化合物を用いれば、消火用水への界面活性を付与するだけでなく、火災現場の高温下において還元糖とのメイラード反応が進行し、炭化物を形成することができ、消火作用を補強することができる。
本発明の消火剤が上記界面活性剤を含有する場合において、当該界面活性剤の総含有量は、クルードグァーガム100質量部に対して1〜40質量部であることが好ましく、2〜30質量部であることがより好ましく、5〜20質量部であることがさらに好ましい。
また、本発明の消火剤の組成に含まれる界面活性剤は20.0質量%未満であることが好ましく、10.0質量%未満であることがより好ましく、7.0質量%未満であることがさらに好ましい。界面活性剤の含有量が多すぎると、水への溶解性が悪くなるおそれがあり、消火用水の粘度上昇速度が遅くなる可能性があると同時に、水生生物への毒性も懸念される。
上記消火剤は、上記で説明した成分以外にも、着色剤、不凍液、酸化防止剤、腐食防止剤、防カビ剤等の他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。本発明の消火剤中、当該他の成分の含有量は、クルードグァーガム100質量部に対して0.01〜1.0質量部であることが好ましく、0.1〜0.5質量部であることがより好ましい。
本発明の消火剤の形態に特に制限はないが、各原料が均質に混合された組成物の形態であることが好ましい。本発明の消火剤は、固形物、流動体、液体のいずれの形態でもよいが、取り扱い性や水中での分散性の観点から、粉末、顆粒状又はタブレット状であることが好ましく、顆粒状又はタブレット状であることがより好ましく、顆粒状であることが特に好ましい。本発明における顆粒とは粉末をやや大きめの粒に成形したものを指す。本発明の消火剤は、上記各原料を所望の比率で混合し、通常の方法で所望の剤型に成形して得ることができる。顆粒状の消火剤は、攪拌造粒法、押出し造粒法、転動造粒法、打錠造粒法、流動層造粒法、噴霧乾燥造粒法、溶融造粒法、真空凍結乾燥法、懸濁凝集造粒法、コーティング造粒法等の通常の方法で調製することができる。また、顆粒状の消火剤の調製に際しては、造粒用の結合剤として上述した界面活性剤を用いることもできる。また、消火剤が上白糖を含有する場合には、原料を単に混合することで自然と顆粒状の消火剤を得ることができる。
本発明の消火剤が顆粒状である場合において、消火剤全体の80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは97〜100質量%が粒径0.1〜1.5mm、好ましくは0.2〜1.0mmの顆粒であることが好ましい。このような顆粒状の消火剤は、顆粒を所望のふるいにかけることで得ることができる。当該粒径は、一般的な顕微鏡、実体顕微鏡、もしくはマイクロスコープ(例えばキーエンスのVHシリーズ、VHXシリーズ)によって撮影した写真もしくは映像上での計測により測定することができる。
本発明の消火剤は必要に応じてコーティング処理が施されていてもよい。また、コーティング処理が施されたクルードグァーガムを原料として用いることもできる。コーティングに用いる材料は、界面活性剤であることが好ましい。当該界面活性剤の好ましい例は上述した界面活性剤と同一である。コーティング処理は通常の方法で行うことができ、例えば、攪拌造粒法、転動造粒法、流動層造粒法、コーティング造粒法などのプロセス中で行うこともできるし、造粒とは別のコーティング装置やプロセスを用いて行うこともできる。上記コーティングにより、消火剤の分散性をより高めることができる。
<本発明の消火用水の調製方法>
本発明の消火剤を水中に分散・溶解させることで消火用水を調製することができる。この消火用水を放水することで消火活動が行われる。消火用水の調製に用いる水に特に制限はなく、水道水、河川水、湖水、地下水等の真水であってもよいし、海水であってもよい。消火用水の調製に際しては、調製した消火用水が適度なシュードプラスチック性を示すように、消火用水中のクルードグァーガム(消火剤が高分子多糖類を含む場合にはクルードグァーガムと高分子多糖類の合計)の含有量が0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.15〜3.0質量%、さらに好ましくは0.2〜1.0質量%となるように調製することが好ましい。また、消火用水の調製に際しては、消火剤は一度に全量を水に添加してもよいし、数回に分けて水に添加してもよい。本発明の消火剤は、水に添加するだけで良好な分散性を示すため、均質な性状の消火用水を簡便に調製することができる。
本発明の消火剤を用いて調製したシュードプラスチック性を示す消火用水は、水や合成界面活性剤系の消火用水に比べて放水後の気流による拡散が少なく、また、吸水性ポリマー系の消火用水に比べれば適度に拡散するため、十分に水を保持した状態で適度に広がって火災現場に着地することができる。特に林野火災等においては、火災による上昇気流やヘリコプターや航空機の飛行により生じる気流による過度の拡散が抑えられ、適度に拡散しながら火災現場に着地することができるので、消火に寄与する消火用水の割合をより高めることができ、少ない放水量で高い消火作用を示す。
本発明の消火剤を用いて調製したシュードプラスチック性を示す消火用水は、着地の衝撃で飛散して周囲の燃焼物や可燃物にも付着して消火作用を高める。付着後の消火用水はより高い粘性を発現するために流れ落ちにくく、長時間付着した場所に留まるため、持続的な消火作用および延焼防止作用を示す。さらに、消火用水が界面活性剤を含有する場合には、燃焼物や可燃物に対する浸透性が高められるため、高い冷却効果を示すと同時に消火部分の再燃防止効果や未燃焼物の延焼抑止効果も有する。また、消火用水が糖類を含有する場合には、この糖類が高温で炭化することによる延焼防止効果も発揮する。
<本発明の火災の消火方法>
本発明の火災の消火方法は、上述した本発明の消火用水の調製方法により調製した消火用水を火災現場に放水する工程を含む。
本発明の火災の消火方法では、本発明の消火剤を用いて調製したシュードプラスチック性を示す消火用水を火災現場に放水する。該消火用水の放水方法に特に制限はなく、上空からの散布、消防車両からの放水、バケツ等を用いて人力で散布する等の方法を用いることができるが、当該消火用水は、ヘリコプター、飛行艇、飛行機等の航空機を用いて上空から火災現場に散布するのに特に好適である。
本発明の火災の消火方法で放水される消火用水は、シュードプラスチック性を示すため、水や界面活性剤系の消火用水のような放水後の気流による過度の拡散を抑えることができ、一方、吸水性ポリマー系の消火用水に比べれば適度に拡散する。したがって、本発明の消火方法によれば、十分に水を保持した消火用水を適度に拡散させた状態で火災現場のターゲット領域に精度を高めて着地、散布させることができる。特に林野火災等においては、火災による上昇気流やヘリコプターや航空機の飛行により生じる気流による過度の拡散が抑えられ、適度に拡散しながら火災現場のターゲットに着地、散布することができるので、消火に寄与する消火用水の割合を従来の消火用水よりも大きく上昇させることができる。換言すれば、少ない水量での効率的な消火作業が可能になる。
本発明の火災の消火方法では、放水される消火用水がシュードプラスチック性を示すため、着地の衝撃で飛散して周囲の燃焼物や可燃物にも付着して消火作用を高める。付着後の該消火用水はより高い粘性を発現するために流れ落ちにくく、長時間付着した場所に留まるため、持続的な消火作用および延焼防止作用を示す。さらに、消火用水が界面活性剤を含有する場合には、燃焼物や可燃物に対する浸透性が高められるため、高い冷却効果を示すと同時に消火部分の再燃防止効果や未燃焼物の延焼抑止効果も有する。また、消火用水が糖類を含有する場合には、この糖類が高温で炭化することによる延焼防止効果も発揮する。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<調製例1> 消火剤の調製
下記表1〜5に示す配合組成(単位:質量部)の消火剤(本発明品1〜53、比較品1〜16)を調製した。
<調製例2> 消火用水の調製(真水)
25℃±0.5℃の蒸留水(DW)をビーカーに200ml準備し、ここに調製例1の消火剤を、クルードグァーガム及びキサンタンガムの総含有量が0.20〜1.25質量%となるように分散・溶解し、消火用水を調製した。分散・溶解は攪拌回転数を1000rpmに設定し、5分間撹拌して行った。
<調製例3> 消火用水の調製(海水)
調製例2において、蒸留水に代えて下記組成の人工海水を用いた以外は、調製例2と同様の方法で消火用水を調製した。
−人工海水組成−
・塩化マグネシウム(MgCl・6HO) 1.10質量%
・塩化カルシウム(CaCl・2HO) 0.16質量%
・塩化ナトリウム(NaCl) 2.50質量%
・硫酸ナトリウム(NaSO) 0.40質量%
・水 95.84質量%
下表に記載の原料を以下に説明する。
・クルードグァーガムRG1000:クルードグァーガム(エムアールシーポリサッカライド社製)
・グァーガムRG700:精製グァーガム(エムアールシーポリサッカライド社製)
・ソアキサンXG−350:キサンタンガム(エムアールシーポリサッカライド社製)
・上白糖:三井製糖社製
・スクロース:スクロース、和光純薬社製)
・D(+)−グルコース:ブドウ糖(和光純薬社製)
・キミロイドNLSK:アルギン酸エステル(キミカ社製)
・三和コーンアルファーY:澱粉(三和澱粉工業社)
・リポランPB−800:α−オレフィンスルホン酸Na(アニオン性界面活性剤、ライオン社製)
・リョートーシュガーエステルL−1695:ショ糖ラウリン酸エステル(ノニオン性界面活性剤、三菱化学フーズ社製)
・NIKKOLサルコシネートLN:N−アシルアミノ酸Na(アニオン性界面活性剤、日光ケミカルズ社製)
・デハイドロ酢酸S・台糖:デハイドロ酢酸Na(防腐剤、タイショーテクノス社製)
・ソルビン酸K・台糖“顆粒”:ソルビン酸K(防腐剤、タイショーテクノス社製)
・ブリリアントブルーFCF:2−[α−[4−(N−エチル−3−スルホベンジルイミニオ)−2,5−シクロヘキサジエニリデン]−4−(N−エチル−3−スルホベンジルアミノ)ベンジル]ベンゼンスルホナートのジナトリウム塩(青色着色料、保土谷化学社製)
・インジコカルミン:5,5’−インジコチンジスルホン酸のジナトリウム塩(青色着色料、保土谷化学社製)
・HPC−L:ヒドロキシプロピルセルロース(結合剤、日本曹達社製)
・DW:蒸留水
・ASW:人工海水
Figure 0005469283
Figure 0005469283
Figure 0005469283
上記表1及び2に記載の消火剤(本発明品1〜26、比較品1〜14)は、原料を単に混合して得たものである。上白糖を所定量含有する本発明品3〜5、本発明品15〜26、比較品5及び7は、顆粒状の消火剤となり、その他の消火剤は粉末状であった。
Figure 0005469283
上記表3に記載の消火剤(本発明品27〜38)は、撹拌造粒法により所望の粒径に造粒して得た顆粒状の消火剤である。表3に記載の各消火剤は、その98質量%以上が表3に記載の粒径の範囲内にあり、残りは顆粒が細かく砕けた破片ないし粉末であった。
Figure 0005469283
上記表4に記載の消火剤は、クルードグァーガム、ソアキサンXG350を、予めグリセリン脂肪酸エステル(商品名:MCA−150、阪本薬品工業社製)又はアニオン性界面活性剤(リポランPB−800)でコーティングし、これを用いて各原料を単に混合して得た消火剤である。
Figure 0005469283
上記表5に記載の消火剤は、各原料を単に混合して得た消火剤である。また、本発明品45〜50は同一組成の消火剤であるが、これを用いた消火用水の調製方法、試験方法が異なるため、カラムを分けて記載した。すなわち、本発明品46の消火剤は、水温10℃のDW、本発明品47の消火剤は水温38℃のDWに分散して、その他は調製例2と同様に消火用水を調製した。また、本発明品48の消火剤はpH3.31の酸性水、本発明品49の消火剤はpH9.75のアルカリ性水に分散して、その他は調製例2と同様に消火用水を調製した。
本発明品1〜53の消火剤を用いて、調製例2及び3に記載の方法で調製した消火用水は、各表中に示される粘性を有しているだけでなく、シュードプラスチック性も有するものであった。
<試験例1> 分散性の評価
上記調製例1で調製した各消火剤を水に投入した際の分散性について評価した。具体的には、各消火剤を25℃±0.5℃の蒸留水200mlが入ったビーカーに投入し、攪拌回転数を400rpmに設定して30秒間分散・溶解させ、その分散性を目視観察し、下記評価基準に基づき評価した。実用化の目安は評価B以上である。結果を上記表1〜5に示す。
−分散性の評価基準−
A:継粉を生成しない。
B:小さな継粉を生成する。
C:大きめの継粉を生成する。
D:より大きい継粉の生成や水面での凝集が見られる。
<試験例2> 分散安定性の評価
上記調製例2及び3で調製した各消火用水を25℃±0.5℃で静置して二週間にわたり様子を目視観察し、下記評価基準により分散安定性を評価した。実用化の目安は評価B以上である。結果を上記表1〜5に示す。なお、相分離が起こると、その多くの場合、静置している消火用水の下側が白濁して粘性が高まり、逆に上側は粘性が低下して透明な液体となる。
−分散安定性の評価基準−
A:二週間にわたり分散状態に相分離が認められない。
B:24時間にわたり分散状態に相分離が認められない。
C:消火用水調整直後に速やかに相分離する。
<試験例3> 粘度の評価
上記調製例2及び3と同様の方法で消火用水を調製し、25℃±0.5℃で10分間、24時間静置した後の消火用水の粘度(単位:mPa・s)を、B型粘度計を用いてローターNo.3または2、回転数60rpmで測定した。結果を上記表1〜5に示す。10分間静置した後の粘度が150mPa・s以上で、かつ平衡粘度(24時間静置した後の粘度)が200mPa・s以上となれば、実用性に優れると判断できる。
表1〜5に示されるように、本発明の消火剤を用いると、400rpm、30秒間という非常に短い間に、継粉を生じることなく均質分散系の消火用水が得られることがわかった。また、当該消火用水は、粘度評価においても10分後に150mPa・sをほぼクリアしていた。
消火用水が適度な粘度を有すれば、空中散布の際に、適度に拡散しながらも少ない消失量で火災現場に消火用水を送り込むことができる。粘度が低く水との粘度差が小さい場合は、水同様に広い範囲に飛散しやすく効果的な消火能力を得られず、粘度が高すぎると消火用水の投下域が集中しすぎて消火できる面積が限られてしまう。一般的にはおよそ150mPa・s以上の粘度があれば、水よりも効率的な消火ができるとされる。また、実用上は2000mPa・s程度までの粘度なら、効果的な消火が可能である。
<試験例4> 延焼防止性能の評価(消火用水付着量と燃焼速度)
断面形状5mm×5mm、長さ約250mmの木片(白樺材)を3本準備し、3本の木片が図1aに示すような位置関係になるように端部を治具で固定し、図1bに示すように45度の角度をつけて設置した。
[消火用水付着量]
消火用水の付着量は、端部を治具で固定した上記の3本の木片を、治具とは反対側の先端から垂直に150mmの高さまで消火用水に2秒間浸して引き上げ、浸す前の重量と引き上げてから5分後の重量との差(g)から木片1本当たりの消火用水付着量を算出し、後述する燃焼速度の検討結果に鑑み、下記評価基準により評価した。結果を上記表1〜5に示す。
−消火用水付着量の評価基準−
A:木片1本当たりの消火用水付着量が0.40g以上である。
B:木片1本当たりの消火用水付着量が0.30g以上0.40g未満である。
C:木片1本当たりの消火用水付着量が0.30g未満である。
−燃焼速度−
上記で重量を測定した木片を、図1bの状態に設置し、ガスバーナーを用いて下端に30秒間着火し、下端から40mm〜140mmまでが燃焼するのに要する時間を測定した。途中で消火した場合は消火するまでの時間を測定した。得られた値から、燃焼速度(cm/秒)を算出した。
延焼防止性能(消火用水付着量と燃焼速度)の結果の一例を図2に示す。横軸は木片一本、150mmあたりへの消火用水付着量、縦軸は燃焼速度である。乾燥木片、水を付着させた木片も含めて試験を重ねた結果、図2に示されるように、消火用水の付着量と燃焼速度は高い相関関係が得られることが確認された。点線で示している燃焼速度約0.06cm/secを境として、これ以上の燃焼速度の場合、試験片は140mmまで全て燃え、これ以下の燃焼速度の場合、途中で消火する結果が得られている。図2において近似曲線からこの境界となる付着量を算出すると約0.39g(木片一本あたり、150mmあたり)であった。
<試験例5> 消火用水の散布密度と拡散性の評価
小型風洞φ600mmを用い、風速5.7m/s、消火用水散布量200g、消火用水の散布高さ590mmの条件で航空機による消火用水の散布飛行を模擬し、消火用水の散布密度と拡散の様子を観察した。
消火用水の散布密度と拡散量を判定するために、吸水性の不織布46mm角を消火用水の直下から[風下に向けて13枚]×[風向と垂直方向に向けて7枚]の計91枚を風洞内に並べて、不織布に吸水及び積載した消火用水の各質量を計測した。林野火災において消火出来る消火用水の散布密度は1.6L/m以上と言われている。
上記本発明品3及び45の消火剤を用いて、消火用水中の消火剤の含有量が下記表6に記載の濃度(単位:質量%)になるようにした以外は、調製例2と同様に消火用水を調製し、この消火用水を試験に供した。
消火用水の散布密度と拡散性についての実験結果を表6に示す。散布密度は1.6L/m以上を確保する面積を有効消火面積として算出し、消火用水が水の場合の有効消火面積を1として比較した。拡散性については、風によって風洞外へ飛散した量(消失量)で評価した。下記表6の消失量は、散布した消火用水の質量200gに対する消失量の割合(質量%)である。
Figure 0005469283
表6に示されるように、市販合成界面活性剤系消火剤の場合、消火用水が水の場合と比較して、散布された消火用水が拡散し有効消火面積が小さくなった。また、消火用水の消失量は多くなった。市販吸水性ポリマー系消火剤の場合、散布された消火用水が塊状となって部分的に集中して散布されることで有効消火面積が小さくなった。
これに対し本発明品を用いた消火用水では、適度に拡散するため有効消火面積が大きくなり、かつ、消火用水の消失量もより少なかった。この結果から、本発明の消火剤が、消火性能の高い消火用水の調製に適することがわかった。本発明の消火剤は、特に、ヘリコプターや航空機などを使用して火災上空から消火ターゲットに対して空中放水(散布)を行う場合の消火用水の調製に好適に用いることができる。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2012年3月23日に日本国で特許出願された特願2012-68337に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
1 木片
2 木片を固定する治具

Claims (16)

  1. クルードグァーガムを含有し、さらに、クルードグァーガムの分散助剤として、単糖類及び少糖類から選ばれる少なくとも1種を含有する消火剤であって、
    クルードグァーガムは、その乾物中の多糖類の含有量が70質量%以上95質量%未満であり、
    クルードグァーガム100質量部に対し、単糖類及び少糖類を総量で30〜400質量部含有する、消火剤。
  2. クルードグァーガムの分散助剤として、さらに、無機ナトリウム塩、無機カリウム塩、アンモニウム塩及び発泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の消火剤。
  3. クルードグァーガム100質量部に対し、無機ナトリウム塩、無機カリウム塩、アンモニウム塩及び発泡剤を総量で50〜200質量部含有する、請求項2に記載の消火剤。
  4. 前記発泡剤が、炭酸水素ナトリウムと、クエン酸、フマル酸、コハク酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸とを組み合わせてなる発泡剤、炭酸水素アンモニウムと、クエン酸、フマル酸、コハク酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸とを組み合わせてなる発泡剤、並びに、亜硝酸ナトリウムと塩化アンモニウムとを組み合わせてなる発泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の発泡剤である、請求項2又は3に記載の消火剤。
  5. クルードグァーガムの分散助剤として、スクロース及び上白糖から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の消火剤。
  6. クルードグァーガム100質量部に対し、クルードグァーガムに由来するグァーガム以外の水溶性高分子多糖類を5〜75質量部含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の消火剤。
  7. クルードグァーガムに由来するグァーガム以外の水溶性高分子多糖類が、タマリンドシードガム、アルギン酸エステル、キサンタンガム及びプルランからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の消火剤。
  8. クルードグァーガムに由来するグァーガム以外の水溶性高分子多糖類が界面活性剤でコーティングされている、請求項6又は7に記載の消火剤。
  9. クルードグァーガムが界面活性剤でコーティングされている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の消火剤。
  10. アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の消火剤。
  11. アニオン性界面活性剤が、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びN−アシルタウリン塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、ノニオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項10に記載の消火剤。
  12. 着色剤、不凍液、酸化防止剤、腐食防止剤及び防カビ剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の消火剤。
  13. 顆粒状又はタブレット状である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の消火剤。
  14. 澱粉を含有しない、請求項1〜13のいずれか1項に記載の消火剤。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の消火剤を水に分散・溶解する工程を含む、消火用水の調製方法。
  16. 請求項15に記載の消火用水の調製方法により調製した消火用水を火災現場に放水する工程を含む、火災の消火方法。
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