以下実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、実施形態に係わるコンテンツ送信システムの構成の一例を示す模式図である。コンテンツ送信システム1は、例えば、録画機能を有するデジタル放送受信機やBlu-ray(登録商標)レコーダ等の映像機器2と、例えば、携帯電話機、PDA等の端末或いは携帯端末3により構成されている。端末或いは携帯端末3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)のようなネットワーク4を介して、映像機器2に接続されている。ネットワーク4には、ルータ5等のネットワーク機器が含まれる。なお、映像機器2に接続される携帯端末3は、複数であってもよい。
映像機器2は、放送局11から放送されるデジタル放送(例えば、デジタルの地上波放送、BS(Broadcasting Satellite)放送、CS(Communication Satellite)放送、CATV(Community Antenna TeleVision)等)を受信する機能を有する。また図2に示すようにネットワーク送受信モジュール31を介してネットワーク4に接続され、ネットワーク4に接続された単数または複数の携帯端末3やネットワーク4に接続された他のサーバと情報を送受信する機能を有する。
映像機器2は、筐体6と、筐体6を支持するスタンド6aを備えている。筐体6は前面側に液晶パネルやPDP(Plasma Display Panel)パネル等の表示パネル6bが配置され、表示パネル6bの背面側に表示パネル6bを支持する図示しないフレームが配置されている。フレームには表示パネル6bを駆動するための図示しない回路基板や電源回路が設置されている。
筐体6は、筐体6の前面側と上面、底面、両側側面の一部を覆う前面カバー6cと、筐体6の背面側と上面、底面、両側側面の一部を覆う背面カバー6dとによって外面が囲まれている。画面7は、表示パネル6bの前面カバー6cの窓部6eの内側の表示部分である。
リモコン8は赤外線あるいはBluetooth(登録商標)等による無線通信を利用して、映像機器2の操作受信モジュールへ操作信号を送る操作機器である。
端末或いは携帯端末3は、携帯電話網による無線通信手段のほかに、無線LAN通信手段を兼ね備えており、家やオフィス、或いは公衆無線LANが利用できる駅やホテル等では無線LANを通じてデータ通信ができ、無線LAN通信ができない外出先では携帯電話網を利用した無線通信が可能である。また、USB(Universal Serial Bus)等の外部インターフェースを備えており、USBケーブルによってUSB外部機器と接続してデータを送受信することができる。なお、携帯端末3は、携帯電話網による無線通信手段が必須ではなく、無線LAN通信のみの通信手段を具備するものであってもよい。
携帯端末3は、本体の前面に液晶パネルのような表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせたタッチパネル9を備えており、表示装置の画面上の表示を押すことで機器を操作することができる。なお、携帯端末3はタッチパネル9ではなく、表示装置とは別に操作キーを備えていても構わない。
映像機器2と携帯端末3がルータ5を介して接続される場合には、映像機器2とルータ5の接続は有線LANでも無線LANでも構わない。同様に携帯端末3とルータ5の接続は有線LANでも無線LANでも構わないが、有線LANの場合には、携帯端末3に有線LAN用のケーブルを接続するための端子が必要となる。
図2は、実施形態に係る映像機器2の構成を示したブロック図である。アンテナ10は、放送局11から送信された放送電波を受信するための地上デジタル放送あるいは衛星デジタル放送用のアンテナである。チューナ12は、地上デジタル放送、衛星デジタル放送あるいはケーブルテレビ放送の放送信号の中から所望のチャンネルの放送信号を選局する。チューナ12は、複数のチューナユニットから構成されており、同時に複数の放送を受信することができる。アンテナ端子12aはアンテナ10が接続される端子である。
復調器13は、各々のデジタル放送の変調方式に対応して復調する。地上デジタル放送の信号は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調で、衛星デジタル放送の信号は、PSK(Phase Shift Keying)復調で、MPEG(Moving Picture Experts Group)−TS(Transport Stream)に復調され、デコード処理モジュール14に出力される。また、復調器13は、ネットワーク送受信モジュール31を介してインターネット等のネットワーク4から受信したIP放送を復調する。
デコード処理モジュール14は、MPEGデコーダ、映像音声デコーダ等の機能を有する。デコード処理モジュール14は、復調器13から送信されたMPEG−TSデータをセクション化して、番組情報のデータをデコードする。映像PES(Packetized Elementary Stream)に対しては映像ES(Elementary Stream)化、音声PESに対しては音声ES化を行って映像データ及び音声データをデコードする。
また、デコード処理モジュール14は、録画装置15から入力された映像データ及び音声データをデコードする。更に、デコード処理モジュール14は、外部記憶装置30から入力された映像データ及び音声データをデコードする機能を有する。
録画装置15は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)あるいはODD(Optical Disc Drive)等を含む録画手段である。録画装置15には情報を録画再生するためのエンコーダとデコーダが搭載されており、該エンコーダとデコーダを介してMPEG−TSデータが録画装置15の録画再生形態に適したフォーマットに変調されHDD、SSDあるいはODDに記録され、また再生される。再生データは、デコード処理モジュール14でデコードされる。
重畳処理モジュール16は、デコード処理モジュール14からの映像データと、バス21を介して転送されるデータ放送やGUI(Graphical User Interface)制御によるウィンドウ描画をプレーン管理して、映像データとの重ね合わせを行い、映像処理モジュール17に送る。
映像処理モジュール17は、表示装置18で表示可能なフォーマット(画素数、フレーム周波数、走査方式)に変換したり、表示色を任意に調整したりして、表示装置18に出力して映像を画面7に表示させる。
音声処理モジュール19は、デコード処理モジュール14から伝送されたデジタルの音声データを、スピーカ20あるいはイヤーホーンで再生可能なアナログ音声信号に変換した後、スピーカ20あるいはイヤーホーンに出力して音声を再生させる。なお、表示装置18やスピーカ20は映像機器2の外部にあってもよい。また、映像機器2と別の筐体に納められていてもよい。
映像機器2は、上記した受信動作を含むその全ての動作を制御モジュール22によって統括的に制御されている。制御モジュール22はMPU(Micro Processing Unit)23が搭載されており、バス21を介して接続された各構成要素を制御する。
RAM(Random Access Memory)24は、制御モジュール22のデータ処理に必要な各種データを格納するリードライト用のメモリであり、映像データ、画像フレームの情報等を格納するバッファメモリとして動作する。ROM(Read Only Memory)25は読出し専用のメモリであり、MPU23が実行する制御のプログラムなどを格納している。
フラッシュメモリ26は、書き換え可能であり、電源を切ってもデータが消えない不揮発性のメモリである。フラッシュメモリ26は、録画予約情報、録画番組情報等を記憶する機能を有する。またフラッシュメモリ26は、携帯端末属性記憶部36の機能を有する。
操作受信モジュール27は、操作機器28から送信される操作信号を受信し、制御モジュール22に転送する。操作機器28は、例えば、赤外線あるいはBluetooth(登録商標)等による無線通信を利用したリモコン(リモートコントローラ、remote controller)8、有線式あるいは無線式キーボード等であり、操作信号を送出する。操作受信モジュール28は、これらリモコン8やキーボード等から操作信号を受信する。
外部インターフェース29は、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronic Engineers 1394)、eSATA(external Serial ATA(AT Attachment))、SD(Secure Digital)(登録商標)メモリカード、メモリースティック(登録商標)、あるいはHDMI(High Definition Multimedia Interface)(登録商標)等のインターフェースであり、USBメモリやUSB外部機器、SDメモリカード、メモリースティック、HDD、SSD、CD、DVD、Blu-ray(登録商標)記録再生機等のドライブ類を含む外部記憶装置30が接続される。外部記憶装置端子29aは外部記憶装置30が接続される端子である。
映像機器2は、外部インターフェース29を介して外部記憶装置30に放送番組を録画することができる。録画装置15または外部記憶装置30のどちらに録画するかを利用者が選択できる。また、映像機器2は、外部記憶装置30に録画された映像または音声情報を再生することができる。
映像機器2は、ネットワーク送受信モジュール31を介してLANあるいは、インターネット等のネットワーク4に接続される。これにより、映像機器2は、ネットワーク4に接続された他の機器とネットワーク送受信モジュール31を介して情報伝送を行なうことができる。ネットワーク端子31aはネットワーク4が接続される端子である。なお、映像機器2とネットワーク4との接続は有線接続でも無線接続でも構わない。
図2において、制御モジュール22は、録画管理モジュール33、画像同期処理部34、携帯端末認証モジュール35の機能を有する。これらの機能は、制御モジュール22のMPU23が実行するアプリケーションであり、通常はROM25に格納されており、使用時にはMPU23によって読み出され実行される。
録画管理モジュール33は、利用者の要求に基づいて予約された放送コンテンツの録画予約情報を管理する。また、録画管理モジュール33は、予約された放送コンテンツの録画処理、また視聴中の放送コンテンツの録画処理を行う。さらに、録画管理モジュール33は、録画装置15に録画されたコンテンツを管理する。録画されたコンテンツの番組情報(放送局名、放送日時、番組名、放送概要、出演者、番組詳細、番組分類等)、録画時間、録画されたコンテンツが再生済みか未再生かの区別等を、フラッシュメモリ26、または録画装置15に記録し、録画されたコンテンツの情報を管理する。録画管理モジュール33は、録画されたコンテンツの録画番組リストの生成、録画されたコンテンツの再生や削除、編集等の処理を実行する。
録画管理モジュール33は、更に、録画予約された放送コンテンツが録画された後に、この録画された放送コンテンツを携帯端末へ送信(コピーまたは移動)することを予約されたかを管理する。利用者は、映像機器2の画面7に表示されたEPG(Electronic Program Guide)を見ながら放送コンテンツを選択して録画を予約することができる。このとき、録画したコンテンツを携帯端末3にコピーまたは移動するかを予約することができる。映像機器2に録画されたコンテンツを携帯端末へ送信する送信予約(コピーまたは移動予約)を同期録画予約と称することにする。既に録画済みのコンテンツを同期録画予約することも可能である。録画管理モジュール33は、同期録画予約された放送コンテンツの同期録画予約リストを作成し管理する。
放送コンテンツのコピーは、例えば、ダビング10が許可された放送コンテンツであれば、コピー9回と移動1回が可能であり、この範囲内であれば映像機器2から携帯端末3へのコピーまたは移動が可能である。また、移動が1回しか許可されていない放送コンテンツであれば、この範囲内であれば移動が可能である。
同期録画処理モジュール34は、携帯端末3にコピーまたは移動によって既に記録されたコンテンツの情報(コンテンツリスト)を携帯端末3から受信し、録画装置15に録画されたコンテンツと比較して同期録画予約されたコンテンツの未送信のコンテンツの差分を算出し、このコンテンツの差分を携帯端末3へ送信する機能を有する。映像機器2において同期録画予約されたコンテンツのデータについて、映像機器2内にあるコンテンツのデータと携帯端末3内にあるコンテンツのデータのコンテンツの差分を算出し、算出されたコンテンツの差分のデータを、ネットワーク4を介して映像機器2から携帯端末3へコピーまたは移動する処理を同期録画処理と称することとする。
携帯端末認証モジュール35は、ネットワーク4に接続された携帯端末3が、同期処理する対象の携帯端末であるかどうかを認証する機能を有する。携帯端末3が携帯端末3内にある同期録画処理のアプリケーションソフトを実行して最初に映像機器2へ接続した際に携帯端末3の属性情報を映像機器2へ登録する。携帯端末認証モジュール35は、携帯端末3の属性情報をフラッシュメモリ26の携帯端末属性記憶部36に記憶させる。以上の処理は、通常、携帯端末3が携帯端末3内にある同期録画処理のアプリケーションソフトを実行して最初に映像機器2へ接続した際に実行するものであるが、それに限定されるものではなく、携帯端末3からの要求により、映像機器2への接続が2回目以降においても実行されてもよい。例えば、携帯端末3内にある同期録画処理のアプリケーションソフトのアップデートによる場合、後述の利用者が独自に決めたパスワード等の変更の場合などである。
属性情報とは、例えば、携帯端末3の機種名、利用者が独自に決めたパスワード等である。属性情報を映像機器2に一旦登録した後は、次回に携帯端末3が映像機器2に接続したときに、携帯端末3から映像機器2に属性情報を送信し、携帯端末認証モジュール35は、送信された属性情報を携帯端末属性記憶部36に登録された属性情報と照合し、一致していれば同期録画処理する対象の携帯端末であると判定する。利用者が接続する度に携帯端末3に認証情報を入力操作する必要はない。
電源管理モジュール32は、映像機器2がスタンバイ状態(待機状態)であるかどうかを判定して、スタンバイ状態であれば、同期録画処理用の電源をオンする機能を有する。電源管理モジュール32は、映像機器2がスタンバイ状態であれば、スタンバイフラグを立て、タイマA32aとタイマB32bをリセットし、タイマA32aのカウント値が所定値になったら同期録画処理用の電源をオンする。電源管理モジュール32は、マイコンを備えており、映像機器2がスタンバイ状態であるときにも少ない消費電力でスタンバイ状態を監視しており、スタンバイ状態であるときでも自動的に同期録画処理用の電源をオンする。映像機器2がスタンバイ状態でないときは、映像機器2が通常の動作状態であり、自動的に同期録画処理用の電源をオンする処理は不要である。
なお、この電源管理モジュール32の機能を、制御モジュール22が行うようにしてもよい。この場合には、制御モジュール22のMPU23が、映像機器2がスタンバイ状態であることを監視できるようにするためにある程度の電源をMPU23に供給する必要がある。
図3は、実施形態に係わる携帯端末3の構成を示したブロック図である。アンテナ40は、無線LANの信号を送受信するためのアンテナである。携帯端末3は、ネットワーク送受信モジュール41を介してLANあるいは、インターネット等のネットワーク4に接続される。これにより、携帯端末3は、ネットワーク4に接続された映像機器とネットワーク送受信モジュール41を介して情報伝送を行なうことができる。
アンテナ43は、携帯電話網を利用した無線通信の信号を基地局42との間で送受信するためのアンテナである。無線送受信モジュール44は、受信においては受信された無線信号を受信中間周波信号に変換し変復調モジュール45へ送信する。また、送信においては変復調モジュール45で変調された信号を無線波周波数にアップコンバートし、さらに所定の送信電力レベルに増幅したりする。
変復調モジュール45は、復調においては受信中間周波信号のデジタル復調が行なわれ、これによりデジタル復調信号が再生される。また、変調においては送信中間周波信号をデジタル変調し、この変調した送信中間周波信号を無線送受信モジュール44に入力する。
無線制御モジュール46は、基地局42との間で無線通信を行うための制御を行う機能を有すると共にデジタル復調信号を受信タイムスロット毎に分離する。そして、分離したスロットのデータが音声データであればこの音声データを音声処理モジュール47に入力する。一方、分離したスロットのデータがパケットデータや制御データであれば、これらのデータを制御モジュール53に入力する。
音声処理モジュール47は、無線制御モジュール46から送信された音声信号をデコードし、スピーカ48へ出力する。また音声処理モジュール47は、マイクロホン49からの音声信号をエンコードして無線制御モジュール46へ送信する。
映像処理モジュール50は、制御モジュール53の制御のもとで、表示装置51において利用者に各種情報を通知するための表示出力を制御する。表示装置51は、液晶ディスプレイ等によって構成され、映像処理モジュール50の制御のもとで各種情報を表示する。
映像機器2は、全ての動作を制御モジュール53によって統括的に制御されている。制御モジュール53はMPU(Micro Processing Unit)54が搭載されており、バス52を介して接続された各構成要素を制御する。RAM55は、MPU54が動作するときにデータの加工等の作業エリアとして利用され、また映像信号、音声信号等を一時的に格納する。ROM56は、MPU54の動作プログラムやデータなどを保存する。
フラッシュメモリ57は、書き換え可能であり、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ57は、記録されたコンテンツのコンテンツリスト記憶部63の機能を有する。
記録装置58は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を含む録画手段である。記録装置58には情報を録画再生するためのエンコーダとデコーダが搭載されており、該エンコーダとデコーダを介してコンテンツのデータが記録装置58の録画再生形態に適したフォーマットに変調されHDD、SSDに記録され、また再生される。なお、記録装置58の機能は、フラッシュメモリ57で代用することも可能である。この場合にはフラッシュメモリ57は比較的大きな記憶容量が必要とされる。
タッチパネル9は、液晶パネルのような表示装置の画面上の表示を押すことで携帯端末3を操作する入力装置である。画面上の触れられた画面位置の情報を感知して制御モジュール53へ情報信号として出力する。制御モジュール53は、画面上の位置情報に基づいて、利用者が望む適切な動作を行なう。
外部インターフェース60は、USB、SD(登録商標)メモリカード、メモリースティック(登録商標)、あるいはHDMI(登録商標)等のインターフェースであり、USBメモリや、SDメモリカード、メモリースティック等の外部機器65が接続される。外部機器接続端子60aは外部機器65が接続される端子である。
図3において、制御モジュール53は、記録管理モジュール61、同期録画制御モジュール62の機能を有する。これらの機能は、制御モジュール53のMPU54が実行するアプリケーションであり、通常はROM56に格納されており、使用時にはMPU54によって読み出され実行される。
記録管理モジュール61は、記録装置58またはフラッシュメモリ57に記録(録画)されたコンテンツを管理する。録画されたコンテンツの番組情報(放送局名、放送日時、番組名、放送概要、出演者、番組詳細、番組分類、イベントID、サービスID等)、録画時間等を、フラッシュメモリ57に記録し、録画されたコンテンツの情報を管理する。記録管理モジュール61は、携帯端末3にコピーまたは移動によって既に記録されたコンテンツのコンテンツリストを作成しコンテンツリスト記憶部63に記憶させる。また、録画されたコンテンツの再生や削除等の処理を実行する。
同期録画制御モジュール62は、携帯端末3側の同期録画処理の機能を有する。同期録画制御モジュール62は、ネットワークを介して映像機器2に接続要求し、映像機器2に携帯端末3の属性情報を送信し、映像機器2から認証を受けた後に、コンテンツリスト記憶部63に記憶したコンテンツリストを映像機器2に送信し、映像機器2で同期録画予約され映像機器2に録画されたコンテンツの中の未受信の差分を映像機器2より受信し、記録装置58またはフラッシュメモリ57に記録する。
利用者は、携帯端末3が保有するアプリケーションソフトの中から同期録画処理のアプリケーションソフトを実行すると、映像機器2において同期録画予約されたコンテンツの未受信の差分を映像機器2より自動的に受信し、記録装置58またはフラッシュメモリ57に記録する。従って、利用者が、映像機器2に録画されたコンテンツを容易に携帯端末3に送信(コピーまたは移動)することができる。
図4は、映像機器2の同期録画処理の動作手順の例を示したフローチャートである。同期録画処理は、利用者が放送番組を視聴中であってもバックグラウンドで実行される。また、バックグラウンドでなくフォアグラウンドのプロセスとして実行させることも可能である。映像機器2がスタンバイ(待機)状態であっても、電源管理モジュール32が、所定の時間が経過すると同期録画処理用の電源をオンし、携帯端末3からの接続要求の有無を判定して接続要求があった場合には同期録画処理を実行する。電源管理モジュール32は、節電のために小さな消費電力で動作することが望ましい。
S11において、電源管理モジュール32が、映像機器2がスタンバイ状態であるかを判定する。スタンバイ状態でなければ、S12へ移り、電源管理モジュール32が、スタンバイフラグを倒し(オフする)、S18へ移る。スタンバイ状態であった場合には、S13へ移って、電源管理モジュール32は、スタンバイフラグを立てる(オンする)。なお、スタンバイフラグは、電源管理モジュール32が行う処理とは別の処理でオン、オフするようにしてもよい。
S14において、電源管理モジュール32は、タイマA32aとタイマB32bをリセットする。S15において、電源管理モジュール32は、タイマA32aのカウントが所定値になったかを判定する。タイマA32aは、映像機器2がスタンバイ状態のときに同期処理用の電源をオンする間隔を設定するためのタイマであり、所定値とは、例えば、30分あるいは1時間であって、利用者によって設定することができる。タイマA32aのカウントが所定値になったならば、S16へ移り、タイマA32aのカウントが所定値になっていないならば、S17へ移って、タイマA32aをカウントアップし、S15へ戻る。
S16において、電源管理モジュール32が、同期処理用の電源をオンする。同期処理用の電源は、少なくとも同期録画処理に必要な機能ブロック部分を動作させるためであり、表示装置18等の不要な部分の通電はしない。同期録画処理に必要な機能ブロック部分は、MPU23を含む制御モジュール22、録画装置15、RAM24、ROM25、フラッシュメモリ26、ネットワーク送受信モジュール31等である。放送コンテンツが外部記憶装置に録画されている場合には、外部インターフェース29も通電が必要であり、この場合には、外部記憶装置に給電するか、または、外部記憶装置30の電源がオンされる必要がある。
S18において、電源管理モジュール32は、スタンバイフラグはオンであるかを判定する。スタンバイフラグがオンであれば、S19へ移る。スタンバイフラグがオンでないならば、S21へ移る。S19において、電源管理モジュール32は、タイマB32bのカウントが所定値になったかを判定する。タイマB32bは、同期録画処理用の電源がオンの状態の時間を監視するタイマであり、認証可能な携帯端末3が接続要求しない時間をモニタしながら、タイマB32bのカウントが所定値になったならば、S26へ移り、所定値になっていないならば、S20へ移る。所定値とは、例えば、30分あるいは1時間であって、利用者によって設定することができる。S20において、電源管理モジュール32は、タイマB32bをカウントアップする。
S21において、同期録画処理モジュール34は、携帯端末3からの接続要求があったかを判定する。携帯端末3が、携帯端末3の同期録画処理のアプリケーションソフトを実行すると、ネットワークを介して映像機器2に接続要求する。同期録画処理モジュール34は、この接続要求を、ネットワーク送受信モジュール31を介して検出する。携帯端末3からの接続要求があった場合にはS22へ移る。接続要求が無かった場合には、S18へ戻る。
S22において、携帯端末認証モジュール35は、携帯端末3から送信された携帯端末3の属性情報と携帯端末属性情報記憶部36に記憶された属性情報と照合する。S23において、携帯端末認証モジュール35は、照合した結果一致していれば同期処理する対象の携帯端末であるとして認証是認と判定し、S24へ移る。認証ができなければ、未登録の携帯端末としてS18へ移る。このとき新規の属性情報を登録するステップを追加してもよい。
S24において、同期録画処理モジュール34は、コンテンツの同期作業を実行する。コンテンツの同期作業については後述する。コンテンツの同期作業が終了すると、S25に移る。S25において、電源管理モジュール32は、スタンバイフラグはオンであるかを判定する。スタンバイフラグがオンであれば、S26へ移る。スタンバイフラグがオンでないならば、S11へ戻る。
S19において、電源管理モジュール32は、タイマB32bのカウントが所定値になったかを判定し、タイマB32bのカウントが所定値になったならば、S26へ移る。S26において、電源管理モジュール32は、タイマA32aとタイマB32bをリセットする。
S27において、電源管理モジュール32は、映像機器2がスタンバイ状態であるかを判定する。動作フローの途中で利用者によって、映像機器2の電源がオンされる可能性があるためである。スタンバイ状態であれば、S28へ移って、同期録画処理用の電源をオフしてスタンバイ状態とし、S11へ戻る。スタンバイ状態でなければ、S11へ戻る。
以上のように、映像機器2がスタンバイ状態あるいは電源投入状態に関わらず、携帯端末3からの接続要求を受けて、携帯端末3を認証し、認証できれば同期作業が実行される。
図5は、複数の携帯端末3が接続された場合の映像機器2の同期録画処理の動作手順の例を示したフローチャートである。S24までは図4で示したフローチャートと同様であるので、省略する。S24において、同期録画処理モジュール34は、コンテンツの同期作業を実行する。コンテンツの同期作業については後述する。コンテンツの同期作業が終了すると、S30に移る。
S30において、同期録画処理モジュール34は、携帯端末3を含む他の全ての登録機器(携帯端末)の同期作業が完了したかを判定する。全ての登録機器の同期作業が完了したならば、S31へ移る。全ての登録機器の同期作業が完了していないならば、S21へ[s1]戻って、同期作業が完了していない携帯端末からの接続要求があったかを判定する。
S31において、電源管理モジュール32は、スタンバイフラグはオンであるかを判定する。スタンバイフラグがオンであれば、S32へ移る。スタンバイフラグがオンでないならば、S11へ戻る。S32において、電源管理モジュール32は、タイマA32aとタイマB32bをリセットする。
S33において、電源管理モジュール32は、映像機器2がスタンバイ状態であるかを判定する。スタンバイ状態であれば、S34へ移って、同期録画処理用の電源をオフしてスタンバイ状態とし、S11へ戻る。スタンバイ状態でなければ、S11へ戻る。
以上のように、映像機器2がスタンバイ状態あるいは電源投入状態に関わらず、複数の携帯端末からの接続要求を受けて、複数の携帯端末毎に認証し、認証できれば複数の携帯端末毎に同期録画処理が実行される。なお、映像機器2が、平行して複数の携帯端末を処理できる場合には、この例とは異なり、同期作業を複数並行処理してもよい。
図6は、映像機器2の同期作業の動作手順の例を示したフローチャートである。同期作業は、クライアント側である携帯端末3からの要求に応じてサーバ側である映像機器2が、携帯端末3へ同期録画予約されたコンテンツの中の差分のコンテンツのデータを送信する処理である。携帯端末3は送信された差分のコンテンツのデータを受信する。携帯端末3を認証した後同期録画処理モジュール34が、コンテンツの同期作業を実行する。
S41において、映像機器2の同期録画処理モジュール34は、携帯端末3からコンテンツリストをネットワーク送受信モジュール31を介して受信する。S42において、同期録画処理モジュール34は、携帯端末3から受信したコンテンツリストと同期録画予約された放送コンテンツの同期録画予約リストと比較する。
S43において、同期録画処理モジュール34は、コンテンツリストと同期録画予約リストに差分があったかを判定する。差分があったならば、S44に移る。差分が無かったならば、終了する。
S44において、同期録画処理モジュール34は、携帯端末3から差分リストの要求があったかを判定する。同期録画処理モジュール34は、差分リストの要求があったならば、差分リストを作成し、S45に移って携帯端末3に差分リストを送信する。差分リストの要求がないならば、差分リストの要求が来るまでループして待機する。
S46において、同期録画処理モジュール34は、携帯端末3から差分コンテンツの要求があったかを判定する。同期録画処理モジュール34は、差分コンテンツの要求があったならば、S47に移って携帯端末3に差分コンテンツを送信して終了する。差分コンテンツの要求がないならば、差分リストの要求が来るまでループして待機する。
以上のように、携帯端末3の同期録画処理のアプリケーションソフトが実行されると、携帯端末3は、映像機器2に、コンテンツリストを送信し、差分リストを要求し、差分コンテンツを要求する。映像機器2は、携帯端末3からの要求に応じて差分があったならば、差分のコンテンツを送信する。利用者は、携帯端末3の同期録画処理のアプリケーションソフトを実行すれば、自動的に差分のコンテンツが携帯端末3に記録される。
この同期録画処理のアプリケーションソフトは利用者が帰宅時等のタイミングで利用者が都度実行しても良いが、該ソフトを常時実行させておき、利用者が帰宅時、すなわち携帯端末3がネットワーク4に接続されたことを携帯端末3が検知したときに映像機器2との同期作業が実施されるようにしても良い。あるいは、携帯端末3が充電のために充電器等に接続され、充電が始まった際に、同期録画処理のアプリケーションソフトを実行しても良い。この場合、携帯端末3の充電を制御する機能部(ソフトでも良い)が充電の開始を判断して、同期録画処理のアプリケーションソフトを実行させるものである。
図7は、映像機器2の同期作業の動作手順の別の例を示したフローチャートである。図7の例は、図6とは異なり、同期作業は、サーバ側である携帯端末3に対してクライアント側ある映像機器2からの要求に応じて携帯端末3へ同期録画予約されたコンテンツの中の差分のコンテンツのデータを送信し、携帯端末3がこれを受信する処理である。携帯端末3を認証した後同期録画処理モジュール34が、コンテンツの同期作業を実行する。
S51において、同期録画処理モジュール34は、携帯端末3にコンテンツリストをネットワーク送受信モジュール31を介して要求する。S52において、同期録画処理モジュール34は、携帯端末3からコンテンツリストをネットワーク送受信モジュール31を介して受信し取得する。S53において、同期録画処理モジュール34は、携帯端末3から取得したコンテンツリストと同期録画予約された放送コンテンツの同期録画予約リストと比較する。
S54において、同期録画処理モジュール34は、コンテンツリストと同期録画予約リストに差分があったかを判定する。差分があったならば、S55に移る。差分が無かったならば、終了する。
S55において、同期録画処理モジュール34は、差分リストを作成し、携帯端末3に差分リストを送信する。S56において、同期録画処理モジュール34は、携帯端末3に差分コンテンツを送信して終了する。
以上のように、携帯端末3の同期録画処理のアプリケーションソフトが実行された状態であれば、映像機器2は、携帯端末3にコンテンツリストを要求して取得し、差分があったならば、携帯端末3に差分リストを送信し、差分コンテンツを送信する。利用者は、携帯端末3の同期録画処理のアプリケーションソフトを実行すれば、自動的に差分のコンテンツが携帯端末3に記録される。
図8は、映像機器2の画面7に表示されたEPGによる番組表70の例を示した図である。利用者は、映像機器2の画面7に表示された番組表70を見ながら放送コンテンツを選択して録画を予約することができる。番組表70は、制御モジュール22が放送の番組情報の中のSI(Service Information、番組配列情報)情報を解析して番組表を生成してGUI画面を生成し、重畳処理モジュール16、映像処理モジュール17を経て画面7に表示される。
図8において、番組表70は、1チャンネルから5チャンネルについて5月13日金曜日の18時から22時30分の番組を表示する例を示している。リモコン8のカーソルボタン(図示せず)を操作することにより、画面7に表示されていない他のチャンネルを右スクロールまたは左スクロールすることにより閲覧することができる。また、リモコンのカーソルボタンを操作することにより、画面7に表示されていない他の時間帯を上スクロールまたは下スクロールすることにより閲覧することができる。
図9は、映像機器2の画面7に番組録画予約ウィンドウ71が表示された例を示した図である。図8に示した番組表の中の番組をリモコン8のカーソルボタンを操作して選択すると、図9に示した番組録画予約ウィンドウ71が表示される。図9においては、3チャンネルの21時から放送されるドラマを選択した例を示している。
番組録画予約ウィンドウ71には、放送局や番組名といった番組情報の一部が表示され、録画予約の有無を選択する録画予約ボタン72と同期録画予約の有無を選択する同期録画予約ボタン73を備えている。利用者は録画予約するボタン72a、録画予約しないボタン72bのどちらかを選択できる。また、利用者は同期録画予約するボタン73a、同期録画予約しないボタン73bのどちらかを選択できる。
なお、録画予約した放送コンテンツを全て同期録画予約とする設定を上位の設定項目に備えてもよい。すなわち図9、図10に示した例は、番組の予約毎に同期録画予約とする、しないという設定をしたものであるが、録画予約する放送コンテンツを全て同期録画予約する、しないという設定を行うメニューを別に設けるということである。この場合、複数接続される端末のうち例えば、図10における端末AAAは同期録画予約するが、端末BBBは同期録画予約しないとする設定が可能である。なお、この端末BBBは同期録画予約しないとする設定をした場合でも、図9、図10で示した例のように、番組の予約毎に同期録画予約とすることにより、番組単位での端末BBBへの同期録画予約は可能である。
図10は、映像機器2の画面7に携帯端末設定ウィンドウ74が表示された例を示した図である。図9に示した番組録画予約ウィンドウ71において、利用者が録画予約するボタン72aと同期録画予約するボタン73aを選択すると、図10に示した携帯端末設定ウィンドウ74が表示される。
携帯端末設定ウィンドウ74には、属性情報が登録された単数あるいは複数の携帯端末が表示され、携帯端末毎に同期録画予約をするかしないか、画像変換(トランスコード)の種類が表示される。画像変換のファイル形式や解像度は属性情報を登録したときの設定値がデフォルト値として表示される。利用者は携帯端末毎に同期録画予約をするかしないか、画像変換の種類を選択できる。
以上のように、コンテンツ送信システム1は、同期録画予約された放送コンテンツを録画する録画装置15と録画装置15に録画されたコンテンツをネットワーク4を介して送信する制御モジュール22を有する映像機器2と、ネットワーク4を介して映像機器2に接続し、映像機器2から送信されたコンテンツを記録する記録装置58を有する携帯端末3とを備えており、制御モジュール22は、携帯端末3に記録されたコンテンツの情報を携帯端末3から受信し、録画装置15に録画されたコンテンツと比較して同期録画予約されたコンテンツの未送信の差分を算出し、差分を携帯端末3へ送信する。このようにすることによって、映像機器2に録画されたコンテンツを自動的に携帯端末3に送信(コピーまたは移動)することが可能となり、利用者は容易に携帯端末3にコンテンツを記録することができる。
(第2の実施形態)
図11は、第2の実施形態に係る携帯端末80の構成を示したブロック図である。この第2の実施形態の各部について、図1乃至図3に示す第1の実施形態の各部と同一部分は同一符号である。この第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、携帯端末80の制御モジュール81に録画予約モジュール82を追加した構成としたことである。
録画予約モジュール82は、ネットワーク送受信モジュール41を介してLANあるいは、インターネット等から、放送番組の番組情報を取得し、利用者の要求に基づいて録画予約情報を作成する機能を有する。更に、この録画予約情報を映像機器2に送信する機能を有する。
第1の実施形態においては、録画予約情報は映像機器2で作成され、録画予約情報は、映像機器2の録画管理モジュール33によって管理されていたが、第2の実施形態においては、録画予約情報は携帯端末80で作成され、この録画予約情報を映像機器2に送信し、映像機器2の録画管理モジュール33が受信して、この録画予約情報を管理することも可能となる。
映像機器2は、映像機器2がスタンバイ状態あるいは電源投入状態に関わらず、携帯端末80からの接続要求を受けて、携帯端末80を認証し、認証できれば、携帯端末80から、録画予約情報を受信し、録画管理モジュール33がこれを管理する。またこのとき、携帯端末80に適切なトランスコードも録画予約情報と合わせて予約することができる。
同期録画処理の処理動作は第1の実施形態と同様であるので省略する。第2の実施携帯においては、映像機器2が録画する放送コンテンツの予約操作を映像機器2側で行わず、携帯端末80で予約情報を作成し、映像機器2へ送信するため、利用者は、映像機器2を操作する必要がない。更に、映像機器2がスタンバイ状態あるいは電源投入状態に関わらず、携帯端末80からの接続要求を受けて、携帯端末80を認証し、認証できれば同期作業が実行されるので、利用者が、映像機器2に録画されたコンテンツを容易に携帯端末80に取り込むことが可能である。
なお、以上の説明では携帯端末3と映像機器2とが接続されるネットワークの例を有線LANもしくは無線LANとして説明したが、ネットワークはこれに限らず、USB、Bluetooth(登録商標)など他の方式で接続されても良い。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。