JP2012250301A - ナノバブル循環型研磨装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 研磨後のウェハの厚みばらつきを軽減しナノバブルの密度を高くする。
【解決手段】 ウェハを下定盤と上定盤とで挟んで研磨する研磨装置と、ナノバブルを含む所定の溶液を溜める溶液漕と、ナノバブル発生装置と、溶液を攪拌する攪拌部と、前記攪拌部から前記溶液漕へ接続する第一配管部と第二配管部と、第一配管部から分岐し攪拌部へ戻る第三配管部と、第一配管部内に設けられるアノード電極と、アノード電極と対向して設けられる第一カソード電極と、アノード電極と対向して設けられる第二カソード電極と、アノード電極と対向して設けられる第三カソード電極と、各電極が接続される電場発生装置と、から構成される循環系設備と、を備えて構成されることを特徴とするナノバブル循環型研磨装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ナノバブルを用いてウェハを所定の厚さまで研磨するナノバブル循環型研磨装置に関する。
従来から、ウェハは、いわゆる研磨装置を用いて所定の厚さまで研磨されている。
かかる研磨装置は、研磨方式として、研磨剤による研磨方式を採用する。この研磨剤による研磨方式では、回転する下定盤上に載置された水晶片の表面及び裏面付近に、研磨剤及び水を含む混合液であるスラリーを供給しながら、回転する上定盤を下定盤方向に移動させることにより、ウェハの表面及び裏面を研磨する(例えば、特許文献1参照)。
所定の厚さまで研磨されたウェハは、例えば、そのウェハが水晶である場合、水晶発振器や水晶振動子に用いられる水晶片の製造に用いられる。
スラリーは、研磨剤と分散剤とが混合されて用いられている。
研磨剤に用いられる砥粒は、例えば、ダイヤモンド、アルミナ、ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ホウ素、酸化セリウム、酸化マンガン、シリカ系(コロイダルシリカ、フュ−ムドシリカ)材料が用いられている。
分散剤は、例えば、各種アミン、グリコール、が用いられている。
化学反応を伴う加工方法には、例えば、塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、酸(フッ酸、塩酸、硝酸等)、各種金属の塩(硫酸銅、フェリシアン化カリウム等)、キレート剤(グリシン、EDAT等)、酸化還元剤(過酸化水素、クロム酸、シュウ酸等)が用いられる。
なお、研磨剤とともにナノバブルを用いた研磨も提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
特開2008−188678号公報 特開2009−111094号公報 特開2008−171965号公報
しかしながら、従来の研磨装置では、上定盤や下定盤など、溶液と接触する部分は金属で形成されているので、研磨で使用するスラリーで研磨装置の表面がすり減ってしまい、研磨後のウェハの厚みに狂いが生じる恐れがあった。
また、発生させるナノバブルは、ナノバブル発生装置だけでは、その発生させられる量に限界があった。
また、砥粒を用いた研磨では、砥粒の粒径によってウェハに変質層が形成されてしまう。この変質層がウェハに存在することによって、ウェハが欠けたり、割れたりすることがあった。また、研磨剤に用いられる砥粒は、資源の枯渇により入手が困難になる恐れがある。そのため、ウェハを研磨することができなくなり、ウェハより生産される部品を製造できなくなる恐れもある。
そこで、本発明では、前記の問題を解決し、資源の枯渇に影響されることがなく、研磨による表面のすり減を軽減し、ナノバブルの密度を高くするナノバブル循環型研磨装置を提供することを課題とする。
本発明のナノバブル循環型研磨装置は、センターギアと、このセンターギアを回転軸とする下定盤と、この下定盤の縁側に配置されるインターナルギアと、前記センターギアを回転軸としつつ前記下定盤と向かい合うように配置される上定盤とから構成される研磨装置と、前記研磨装置を内部に配置し研磨で使用したナノバブルを含む所定の溶液を溜める溶液漕と、前記所定の溶液内にナノバブルを生成するナノバブル発生装置と、前記ナノバブルを含む前記所定の溶液を攪拌する攪拌部と、前記攪拌部から前記溶液漕へ接続する第一配管部と、前記溶液漕から前記攪拌部へ接続する第二配管部と、前記第一配管部から分岐し前記攪拌部から前記攪拌部へ戻る第三配管部と、前記第一配管部の経路中に設けられ前記攪拌部から前記研磨装置の上定盤に前記ナノバブルを含む前記所定の溶液を供給する第一のポンプと、前記第二配管部の経路中に設けられ前記溶液漕に溜まった前記溶液を前記攪拌部へ供給する第二のポンプと、前記第三配管部の経路中に設けられる第三のポンプと、前記第一配管部内に設けられるアノード電極と、前記第一配管部内に設けられ前記アノード電極と対向して設けられる第一カソード電極と、前記第一カソード電極と前記第三配管部が分岐する部分の間であって前記第三配管部の開口部と対向するように前記第一配管部を2分割し前記アノード電極と対向して設けられる第二カソード電極と、前記第三配管部が分岐する前記第一配管部内で前記アノード電極と対向して設けられる第三カソード電極と、前記アノード電極と、前記第一カソード電極と前記第二カソード電極と前記第三カソード電極とが接続される電場発生装置と、から構成される循環系設備と、を備えて構成されることを特徴とする。
このように、本発明のナノバブル循環型研磨装置を構成したので、所定の溶液中のナノバブルの濃度を従来よりも高くすることができる。そのため、多くのナノバブルが研磨で用いることができるため、研磨する速度が一定になり、安定した研磨を行うことができる。
また、スラリーを用いずにウェハの研磨が行えるので、研磨装置の表面のすり減りを軽減し、研磨後のウェハの厚みの狂いを防ぐことができる。
また、従来のような研磨を行うと、研磨剤の粒径によってウェハに変質層が形成されていたが、本発明のナノバブル循環型研磨装置によれば、ウェハに作用する研磨物、つまり、ナノバブルが従来の研磨剤の粒径より極めて小さいため、ウェハの変質層の形成が軽減され、品質の高いウェハを製造することができる。
(a)は本発明の実施形態に係るナノバブル循環型研磨装置の一例を示す概念図であり、(b)はキャリアの一例を示す概念図である。 本発明の実施形態に係るナノバブル循環型研磨装置と溶液との状態の一例を示す概念図である。 ナノバブルをアノード電極側へ引き寄せている状態の一例を示す概念図である。 ナノバブルを含む溶液でウェハを研磨している状態の一例を示す模式図である。 ナノバブルとウェハとの一例を示す模式図である。
本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という。)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、ウェハは、水晶が用いられた水晶ウェハとして説明する。また、説明を明確にするために、発明の構成を誇張して図示している。
図1に示すように、本発明の実施形態に係るナノバブル循環型研磨装置100は、研磨装置10と、この研磨装置10が接続される循環系設備20と、から構成され、ウェハWの研磨にナノバブルNBを含む所定の溶液Yが主に用いられる。
(ウェハ)
ウェハについて説明する。
ウェハWは、例えば、水晶が用いられ図示しないが円盤形に形成されている。このウェハWは、X軸、Y軸、Z軸からなる水晶の結晶軸のうちの所定の1方向と直交する方向に切り欠きが設けられた状態となっている。
なお、ウェハWの形状は、四角い板状に形成されていても良い。
また、ウェハWは、Si,SiO,C(ダイヤモンド),GaN,AlN,SiC,Cu,W,セラミックスのいずれか1つを用いることができる。
(研磨装置)
まず、研磨装置10の主な構成について説明する。
図1(a)に示すように、研磨装置10は、センターギア11と、このセンターギア11を回転軸とする下定盤12と、この下定盤12の縁側に配置されるインターナルギア13と、このセンターギア11を回転軸としつつ前記下定盤12と向かい合うように配置される上定盤14とから構成される。
なお、この研磨装置10では、ウェハWを下定盤12に配置するためのキャリアKが用いられる。
センターギア11は、全体がフッ素樹脂で形成されつつ円柱状に形成されており、回転可能に設けられている。このセンターギア11は、外周面に図示しない歯が形成されおり、外歯車として機能する。なお、円柱状のセンターギア11は、その円柱の中心軸線を回転軸として回転する。言い換えれば、センターギア11は、外周面の中心を回転軸として、この外周面に対して面内回転する。
下定盤12は、全体がフッ素樹脂で形成されつつセンターギア11の先端付近の周囲に設けられている。この下定盤12は、センターギア11の外径より大きい内径を有するセンターギア挿通用貫通孔を中央部分に有し、センターギア11と同一の回転軸を中心として当該センターギア11と同一の方向に回転するように、回転可能に設けられている。
すなわち、下定盤12は、センターギア11の先端付近の周囲に回転可能に設けられ、センターギア11の外径より大きい内径を有するようにして、中央部分に形成されたセンターギア挿通用貫通孔に、センターギア11の先端部分が挿通されている。
インターナルギア13は、全体がフッ素樹脂で形成されつつ下定盤12の周囲付近に下定盤12の外径より大きい内径を有するように円筒状に形成されている。このインターナルギア13は、下定盤12と同一の回転軸を中心として当該下定盤12と同一の方向に回転するように、回転可能に設けられている。このインターナルギア13は、内周面に図示しない歯が形成され、内歯車として機能する。
すなわち、インターナルギア13は、下定盤12の周囲付近に回転可能に設けられ、下定盤12の外径より大きい内径で形成された内周面に、歯が形成された構成となっている。
キャリアKは、図1(b)に示すように、センターギア11の外周面からインターナルギア13の内周面までの長さに相当する直径を有して形成されており、外周面には、図示しない歯が形成されている。
このキャリアKには、研磨対象のウェハWを挿通することができる程度の内径、すなわち、ウェハWより大きい面積を有する研磨対象物収容用貫通孔KHが、外周に沿うようにして複数形成されている。なお、キャリアKは、ウェハWの厚さより薄い厚さを有するように形成されている。
このキャリアKは、当該キャリアKとセンターギア11とを歯合させると共に、当該キャリアKとインターナルギア13とを歯合させるようにして、下定盤12の盤面上に載置される。
すなわち、キャリアKは、センターギア11の外周面からインターナルギア13の内周面までの長さに相当する外径を有し、かつ所望の内径を有する研磨対象物収容用貫通孔KHが形成されると共に、ウェハWの厚さより薄い厚さを有するように形成され、外周面に形成された歯によって、センターギア11と歯合されると共にインターナルギア13と歯合されるようにして、下定盤12の盤面上に載置されている。
上定盤14は、図1(a)に示すように、下定盤12と対応する形状を有しつつ全体がフッ素樹脂で形成され、また、下定盤12の上方に下定盤12と対向するように配置されている。この上定盤14は、下定盤12と同一の回転軸を中心として、当該下定盤12の回転方向と逆方向に回転するように、回転可能に設けられている。
また、上定盤14の上方には、溶液を供給するためのパイプ14aが設けられると共に、上定盤14の中央部分には、パイプ14aと連通するようにして研磨液供給用貫通孔14Hが形成されている。これにより、溶液は、上方からパイプ14aに流し込まれると、パイプ14a及び研磨液供給用貫通孔14Hを通じて、ウェハWの表面及び裏面付近に供給される。
すなわち、図4に示すように、上定盤14は、下定盤12の上方に、下定盤12と対向するようにして回転可能に設けられ、下定盤12と対応する形状を有すると共に、上方から溶液をウェハWに供給するための研磨液供給用貫通孔14Hが、所望の領域に形成された構成となっている。
(循環系設備)
次に、循環系設備20について説明する。
まず、ナノバブルNBは、フッ化物の塩,強塩基性試薬,水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムとの混合溶液の何れか1つの溶液(以下、これらを単に「溶液」という。)Yで発生させられた気泡であって、0.1μm以下の直径で形成されている。このナノバブルNBは、従来周知のナノバブル発生装置21を用いて溶液Yを所定の気体雰囲気中で発生させられる。
なお、フッ化物の塩としてはフッ化カリウム水溶液を用いることができ、強塩基性試薬としては水酸化カリウム溶液を用いることができる。
また、ここでは、気体を空気として説明するが、気体は空気以外に、O,O,N,CO,又はこれらの混合物のいずれかを用いることができる。
次に、図1に示すように、循環系設備20は、ナノバブル発生装置21、攪拌部22、第一配管部24a第二配管部24b第三配管部24c第一のポンプ23a第二のポンプ23b第三のポンプ23cアノード電極26a第一カソード電極26b第二カソード電極26c第三カソード電極26d、電場発生装置26と、から主に構成されている。
ナノバブル発生装置21は、従来周知のナノバブル発生装置を用いる。このナノバブル発生装置21は、図示しないが、ナノバブルよりも大きい気泡を生成するマイクロバブル生成装置とこのマイクロバブルをナノバブルに変える気泡縮小装置とで構成されている。
ここで、ナノバブルの生成について説明する。
ナノバブルの生成には主に3種類の方法がある。まず、1つ目の方法は、マイクロバブル発生装置により最初からナノバブルとして生成する方法である。このひとつめの方法は、マイクロバブル生成装置でマイクロバブルを生成したときと同時にナノバブルが生成される。しかし、生成されるマイクロバブルは、研磨で用いられるほど多くない。
次に、2つ目の方法は、マイクロバブル生成装置で発生させたマイクロバブルの自己加圧効果によってバブルサイズを縮小させてナノバブルを発生させる方法である。
これは、ナノバブルも同様であるが、マイクロバブルは中心の気体の体積に対して表面積が大きく、周囲から大きな圧力、つまりマイクロバブル界面に生じる周囲の液相の表面張力を受けている。そのため、マイクロバブル内の気体は圧力をかけられるほど液体に対しての溶解度を増す(ヘンリーの法則)。これによりマイクロバブルは、内部の気体が周囲の液相に溶解してその径を小さくしていき、さらに、気泡の径が小さくなることにより、気泡にかかる圧力はさらに大きなものとなるため、さらに気泡の径は小さくなる。このように、気泡径の縮小により、気泡内の圧力の上昇と気泡内の気体の溶解度の上昇、気泡内の気体のモル数の低下と気泡径の縮小の連鎖が起こる。したがって、気泡が小さくなればなるほど、気泡径の縮小速度は増加し、最終的には気泡は完全に溶液中に溶解し消滅してしまうことになる。
しかし、マイクロバブルを発生させる溶液Y中に電解質(NaCl、KF、KOH、NaCO等)が存在する場合、マイクロバブル界面のOHイオンに引き寄せられ、陽電荷をもつイオンが集まることでOHの負の電荷を打ち消すとともに、マイクロバブル界面のイオンの濃度が高まり、その結果、気体の溶解が抑えられ、マイクロバブルが消滅しにくくなる。しかし、マイクロバブルの径の縮小が止まるわけではない。
このような気泡は、気泡径の縮小がさらに進み、ナノサイズとなると、気泡径の急速な縮小とともに、急激にイオン濃度が上昇し、さらにイオンを引き寄せるようになる。この段階では、イオンの各層の電荷により(中心はOHの負電荷、その周りの正電荷)、電場が形成され、バブルは電気的に安定する。電場が形成されない場合、イオンは溶液中へと拡散してしまうため、ナノバブルは安定しなくなる。つまり、バブル径の急激な縮小とバブル界面のイオン濃度の急激な上昇がナノバブル生成に必要となる。また、高濃度のイオンのため、ガスの溶解は止まり、バブルの縮小は止まる。こうして、ナノバブルNBは、溶液Y中のイオンの影響により安定して存在することが可能になる。また、電解質の濃度調整により、マイクロバブルからナノバブルへの変化を促進することができる。
次に、3つ目の方法は、2つ目の方法に加えてさらに、外的刺激によってマイクロバブルを粉砕する方法である。マイクロバブルは、前記の状態でさらに、外的刺激により気泡径を急速にナノサイズへと近づけられることで、気泡界面へのイオンの濃縮が急激に起こり、結果、ナノバブルNBが多く生成される。
したがって、本発明は、この3つ目の方法を用いてナノバブルNBを発生させている。
ナノバブルの発生の方式としては、例えば、加圧溶解型、または二層流旋回型を用いることができる。加圧溶解型のナノバブル発生装置は、ナノバブル発生装置に溶液と空気を供給し、ナノバブル発生装置内で空気に高圧を加えてながら溶液に気泡状になった空気を溶解させて、その溶液を大気圧中に送出することで、過飽和になった空気をナノバブルとして生成させて用いる。二層流旋回型のナノバブル発生装置は、取り込んだ溶液と空気を送出するときに非常に強い水流を加えることで空気をせん断し、ナノバブルを生成させて用いる。
このようにして発生したナノバブルNBは、溶液Y中で消滅することなく溶液Y中を漂い続ける性質がある。例えば、ナノバブルNBは、所定の条件により1日以上、溶液Y中に存在し続けることができる。また、このナノバブルNBは、直径が0.1μm以下の気泡となっている。そのため、ナノバブルNB内部の空気は、その周囲の液相の表面張力により高圧になっている。したがって、このようなナノバブルNBは、形状が外側からの応力により変形しない剛体とみなすことができる。
また、ナノバブルNBは、図5で示すように、内部の空気と液体との界面において溶液Y中の各種イオンが高密度に集まった状態となっており、高いエネルギーを持っていると考えられる。したがって、研磨の際に前記イオンとウェハWとの反応を高めること、つまり、研磨効率が高いと考えられる。
さらにナノバブルNBは、直径が0.1μm以下という大きさから、それ自体でブラウン運動をしている。このブラウン運動により、ナノバブルNBは、溶液中に均一に分散するため、研磨面に対して均一にナノバブルを供給することが可能であり、均一にウェハを研磨することができる。
なお、ブラウン運動とは、溶媒中の微粒子が不規則な運動をすることをいう。
したがって、ナノバブルNBが0.1μmよりも大きいと、ブラウン運動が起こりにくくなり、また、溶液Y中で存在できる時間が短くなってしまい、ウェハWの研磨の効率が悪くなる。
このナノバブル発生装置21は、溶液移送配管部25aと使用済み溶液移送配管部25bを介して攪拌部22と接続している。ナノバブル発生装置21は、溶液移送配管部25aを用いて攪拌部22へナノバブルNBを含む溶液Yを供給し、使用済み溶液移送配管部25bを用いて攪拌部22に溜まっている溶液Yを供給されるようになっている。
攪拌部22は、ナノバブル発生装置21から供給された溶液Yをさらに攪拌する役割を果たし、かつ、溶液漕30に溜まった溶液Yを供給して攪拌しつつ一部をナノバブル発生装置21に供給する役割を果たす。
第一のポンプ23aは、第一配管部24aの経路中に設けられ攪拌部22から研磨装置10の上定盤14に設けられたパイプ14aにナノバブルNBを含む前記所定の溶液Yを供給する役割を果たす。
第一配管部24aは、攪拌部22から溶液漕30へ接続している。また、第一配管部24aは、後述する所定の位置で第三配管部24cと分岐している。
この第一配管部24aは、第三配管部24cと分岐する前の第一配管部24aの直径が分岐後の直径よりも大きく形成されている。例えば、この第一配管部24aは、攪拌部22と接続する部分での直径を基準としたとき、この攪拌部22の接続口近傍で例えば3倍程度に拡径し、第三配管部24cと分岐する位置で攪拌部22と接続する部分での直径と同じ直径で形成される。また、第三配管部24cと分岐する位置は、後述する第一カソード電極26bの長さと第二カソード電極26cの長さを足した長さより長く離れた位置となっている。
第二のポンプ24は、第二配管部24bの経路中に設けられ溶液漕30に溜まった前記溶液Yを攪拌部22へ供給する役割を果たす。
第二配管部24bは、溶液漕30から攪拌部22へ接続している。
第三のポンプ23cは、前記第三配管部の経路中に設けられ、前記第一配管部から分かれて流れてきた溶液Yを攪拌部22へ供給する役割を果たす。
第三配管部24cは、第一配管部24aから分岐して攪拌部22から攪拌部22へ戻るように接続されている。
ここで、第一配管部24aには、アノード電極26aが設けられつつ、第三配管24cが分岐するまでの間隔に第一カソード電極26bと第二カソード電極26cが設けられ、第三配管24cが分岐した位置から所定の位置までに第三カソード電極26dが設けられている。このように、アノード電極26a、第一カソード電極26b、第二カソード電極26c、第三カソード電極26dを設けたことで、ナノバブルNBの濃度が従来よりも高い溶液Yを研磨装置10に供給することができる。
アノード電極26aは、第一配管部24a内に設けられ、攪拌部22の入り口近傍から第三配管部24cの分岐位置を越えて帯状に設けられる。
第一カソード電極26bは、アノード電極と対向して第一配管部24a内に設けられている。この第一カソード電極26bは、例えば、アノード電極26aの攪拌部22側端部から第三配管部24cの分岐位置までの距離の半分の位置まで帯状に設けられている。
第二カソード電極26cは、第一カソード電極26bと第三配管部24cが分岐する部分の間であって第三配管部24cの開口部と対向するように第一配管部24aを2分割しアノード電極26aと対向して設けられている。
この第二カソード電極26cは、例えば、第一配管部24aと同一の材質で帯状に形成された板部材を、第一カソード電極26bの分岐側の端部から第一配管部24aから第三配管部24cの内部まで位置するように第一配管部24aの内部空間を2分割するように設け、この板部材上にアノード電極26aと対向させるようにして設けられている。
第三カソード電極26dは、第三配管部24cが分岐する第一配管部24a内でアノード電極26aと対向して設けられる。
これらアノード電極26a、第一カソード電極26b、第二カソード電極26c、第三カソード電極26dは、それぞれ電場発生装置26に接続されている。
電場発生装置26は、従来周知の装置を用い、アノード電極26a、第一カソード電極26b、第二カソード電極26c、第三カソード電極26dに電圧を印加して電場を発生させる役割を果たす。
このように構成したことにより、図2および図3にように、ナノバブルNBを含む溶液Yは、攪拌部22と接続する部分の第一配管部24aを通り、アノード電極26aと第一カソード電極26bとが対向する位置に到達すると、ナノバブルNBがアノード電極26a側に引き寄せられる。
この状態で、ナノバブルNBが引き寄せられた部分の溶液Yは、アノード電極26aと第二カソード電極26cとが対向する位置に到達する。また、ナノバブルNBが薄くなった溶液Yは、第二カソード電極26cの裏側を通り、第三配管部24cへ送られる。
ナノバブルNBが引き寄せられた部分の溶液Yは、ナノバブルNBがアノード電極26aと第二カソード電極26cとが対向する位置でアノード電極26a側にさらに引き寄せられる。
また、ナノバブルNBをさらに引き寄せられた部分の溶液Yは、アノード電極26aと第三カソード電極26dとが対向する位置に到達する。また、ナノバブルNBが薄くなった溶液Yは、第三配管部24cへ送られる。
ナノバブルNBをさらに引き寄せられた部分の溶液Yは、アノード電極26aと第三カソード電極26dとが対向する位置で、アノード電極26a側にナノバブルNBを密集させた状態で研磨装置10へ供給されることとなる。
このように循環系設備20を構成したので、従来よりも濃度の高いナノバブルNBを含む溶液Yを研磨中は絶え間なく供給することができる。また、研磨でナノバブルNBが減少した場合でも、ナノバブル発生装置21から供給された新しいナノバブルNBを含む溶液Yと、研磨で使用されたナノバブルNBを含む溶液Yとを攪拌部22で混合させて再利用できる。そのため、従来のような研磨剤の補充が不要となり、簡易でかつ環境負荷の少ない研磨を行うことができる。
次に、研磨装置10の動作とナノバブルNBの作用について説明する。
研磨装置10は、例えば、いわゆる4ウェイ駆動方式を採用している。この研磨装置10は、研磨を実行する際に、ウェハWを下定盤12と上定盤14とで挟んで所定の圧力をかけた状態にし、図示しない駆動手段によって、同一の回転軸を中心として、センターギア11、インターナルギア13及び下定盤12を異なる角速度で同一の方向に回転させると共に、上定盤14を当該方向と逆方向に回転させながら研磨を行う。
このとき、図2に示すように、ウェハWと上定盤14との間、およびウェハWと下定盤12との間にはナノバブルNBを含む溶液Yが介在している。
また、研磨対象のウェハWは、下定盤12の盤面と、キャリアKの研磨対象物収容用貫通孔KHとによって形成される凹部に収容されるようにして、下定盤12の盤面のうち、キャリアKの研磨対象物収容用貫通孔KHによって露出された領域上に載置されている。
これにより、キャリアKは、自転しながら、センターギア11の周囲を公転する。
研磨装置10による研磨は、研磨対象のウェハWの厚さが、キャリアKの厚さに達する前まで行われる。
その際、ナノバブルNBを含む溶液Yが、上方からパイプ14aに流し込まれ、パイプ14a及び研磨液供給用貫通孔14Hを通じて、ウェハWの表面及び裏面付近に供給される。ナノバブルNBは、ウェハWと上定盤14とで圧力が加えられつつ挟まった状態であり、また、ウェハWと下定盤12とで圧力が加えられつつ挟まった状態となっている。
ウェハWは、溶液Yに含まれるナノバブルNBの界面に密集したイオンにより表面が変性(水和層)されるとともに、定盤より圧力を受けたナノバブルから圧力を加えられることで表面に微小のクラックWCを生じさせられる。または、ナノバブルから圧力を受けたウェハ表面に生じる微小のクラックWCに対してナノバブルNBが選択的に作用し、クラックWC部よりナノバブルNBの界面に密集したイオンにより溶解させられる。
そのため、ナノバブルNBは、上定盤14、下定盤12が回転運動することによりウェハWの表面を動き、クラックWCが入ったウェハWの変質部分を容易に除去することができる。つまり、ナノバブルNBの周囲のイオンとウェハWとが化学反応し、その後、ナノバブルNBがウェハWを破砕することで研磨が進行する。
このようにして、研磨装置10は、ウェハWと上定盤14およびウェハWと下定盤12との間に、空気を気泡化したナノバブルNBを含ませた、フッ化物の塩,強塩基性試薬,水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムとの混合溶液の何れか1つの溶液Yを介在させて研磨対象のウェハWの表面及び裏面を研磨することにより、ウェハWの厚さを薄くしていく。かかる研磨は、研磨対象のウェハWの厚さが、キャリアKの厚さに達する前まで行われる。
これにより、本発明の実施形態に係るナノバブル循環型研磨装置によれば、所定の溶液中のナノバブルの濃度を従来よりも高くすることができる。そのため、多くのナノバブルが研磨で用いることができ、研磨する速度が一定になり、安定した研磨を行うことができる。また、スラリーを用いずにウェハの研磨が行えるので、研磨装置の表面のすり減りを軽減し、研磨後のウェハの厚みの狂いを防ぐことができる。
なお、本発明のナノバブル循環型研磨装置は、適宜、変更が可能である。例えば、第一配管部24aの内部に設けられるカソード電極は、階段状に形成されていれば良く、その個数はいくつでも良い。階段的に複数のカソード電極を形成することで、より高密度のナノバブルを含む溶液Yを生成することができる。
100 ナノバブル循環型研磨装置
10 研磨装置
11 センターギア
12 下定盤
13 インターナルギア
14 上定盤
14a パイプ
14H H研磨液供給用貫通孔
20 循環系設備
21 ナノバブル発生装置
22 攪拌部
23a 第一のポンプ
23b 第二のポンプ
23c 第三のポンプ
24a 第一配管部
24b 第二配管部
24c 第三配管部
26 電場発生装置
26a アノード電極
26b 第一カソード電極
26c 第二カソード電極
26d 第三カソード電極
30 溶液漕
W ウェハ(水晶ウェハ)
NB ナノバブル
Y 溶液
K キャリア
KH 研磨対象物収容用貫通孔

Claims (1)

  1. センターギアと、このセンターギアを回転軸とする下定盤と、この下定盤の縁側に配置されるインターナルギアと、前記センターギアを回転軸としつつ前記下定盤と向かい合うように配置される上定盤とから構成される研磨装置と、
    前記研磨装置を内部に配置し研磨で使用したナノバブルを含む所定の溶液を溜める溶液漕と、
    前記所定の溶液内にナノバブルを生成するナノバブル発生装置と、
    前記ナノバブルを含む前記所定の溶液を攪拌する攪拌部と、
    前記攪拌部から前記溶液漕へ接続する第一配管部と、
    前記溶液漕から前記攪拌部へ接続する第二配管部と、
    前記第一配管部から分岐し前記攪拌部から前記攪拌部へ戻る第三配管部と、
    前記第一配管部の経路中に設けられ前記攪拌部から前記研磨装置の上定盤に前記ナノバブルを含む前記所定の溶液を供給する第一のポンプと、
    前記第二配管部の経路中に設けられ前記溶液漕に溜まった前記溶液を前記攪拌部へ供給する第二のポンプと、
    前記第三配管部の経路中に設けられる第三のポンプと、
    前記第一配管部内に設けられるアノード電極と、
    前記第一配管部内に設けられ前記アノード電極と対向して設けられる第一カソード電極と、
    前記第一カソード電極と前記第三配管部が分岐する部分の間であって前記第三配管部の開口部と対向するように前記第一配管部を2分割し前記アノード電極と対向して設けられる第二カソード電極と、
    前記第三配管部が分岐する前記第一配管部内で前記アノード電極と対向して設けられる第三カソード電極と、
    前記アノード電極と、前記第一カソード電極と前記第二カソード電極と前記第三カソード電極とが接続される電場発生装置と、から構成される循環系設備と、
    を備えて構成されることを特徴とするナノバブル循環型研磨装置。
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