以下、図面を参照しながら、本発明に係る弾球遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では本発明に係る弾球遊技機として、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
<1.構成の概要:図1〜図2>
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の構成の概要について説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。
図1を参照してパチンコ遊技機1の正面側の構成を説明する。図1に示すパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前面枠2を開閉可能に取り付け、前面枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3a(図2参照)を前面枠2の開口部に臨ませた構成を有している。そして、遊技領域3aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉枠6が設けられている。
また、パチンコ遊技機1は、ガラス扉枠6の下側に配設された前面操作パネル7を有している。前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。上受け皿ユニット8には、貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、球貸し操作部とが設けられている。球貸し操作部には、遊技球貸出装置(図示せず)から遊技球の貸し出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入したプリペイドカードなどの返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。また、上受け皿ユニット8には、内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出効果に変化をもたらす押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。
上記前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また前面枠2の上部の両側、発射操作ハンドル15の上側には、音響による音演出(効果音)を発生するスピーカ46が設けられている。またさらに、ガラス扉枠6の各所には、光の装飾による光演出を発生する複数の装飾ランプ45が設けられている。
次に、図2を参照して遊技盤3の遊技領域3aについて説明する。遊技領域3aは、遊技盤3の面上に配設した球誘導レール5で囲まれた領域からなる。
遊技領域3aの略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタや記号などによる図柄(装飾図柄)の変動表示が可能である液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する液晶制御基板25の制御の下で、種々の演出を画像により表示する。
液晶表示装置36の下方には、第1の特別図柄始動口である上始動口34と、第2の特別図柄始動口である下始動口35とが上下に設けられ、それぞれの内部には、入賞球を検出する上始動口センサ34a、下始動口センサ35a(図3参照)が形成されている。また、下始動口35には、左右一対の可動翼片(可動部材)47が下始動口35を開放または拡大可能に設けられ、所謂、チューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。この左右の可動翼片41bの未作動時には、下始動口35への入賞が困難または不可能となるように閉じた状態が保持されている。
上始動口34より上左側には、ゲートからなる普通図柄始動口37が設けられ、その内部には通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。
下始動口35の下方には、開放扉42bにより大入賞口40を開閉可能に構成した特別変動入賞装置42が設けられ、その内部には入賞球を検出する大入賞口センサ42a(図3参照)が形成されている。また、特別変動入賞装置42の両側には一般入賞口43が計4つ設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
上記各入賞口(上始動口34、下始動口35、大入賞口40、一般入賞口43)に遊技球が入賞した場合、それぞれの入賞口に対応した賞球数が上受け皿9に払い出される。たとえば、大入賞口40に入賞した場合、13個の遊技球が払い出されるようになっている。
遊技領域3aの右上縁付近には、7セグメントディスプレイからなる第1特別図柄表示装置38aと第2特別図柄表示装置38b、2個のLEDからなる普通図柄表示装置39が設けられている。さらに遊技領域3aには、遊技球の落下方向変換部材として、センター飾り48や風車44、複数の遊技くぎ(図示せず)などが設けられ、また適所にLEDを内蔵した複数の発光装置(図示せず)が設けられている。
パチンコ遊技機1では、遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞したことに基づき、主制御基板27(図3参照)において乱数抽選による当りに関する抽選(当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて、7セグにより表現される特別図柄を第1特別図柄表示装置38aまたは第2特別図柄表示装置38bに変動表示させて、特別図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果を各特別図柄表示装置38a、38bに表示するようになっている。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上始動口34に入賞したことに基づく当り抽選と下始動口35に入賞したことに基づく当り抽選とは別個に行われる。具体的には、上始動口34に入賞したことに基づく当り抽選に関しては、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置38aに変動表示させて第1特別図柄変動表示ゲームを開始し、その抽選結果を第1特別図柄表示装置38aに表示する。同様に、下始動口35に入賞したことに基づく当り抽選に関しては、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置38bに変動表示させて、第2特別図柄変動表示ゲームを開始し、その結果を第2特別図柄表示装置38に表示する。したがって、双方の特別図柄変動表示ゲームが同時に行われることはなく、特別図柄作動に関する優先順位(詳細は後述する)に従い第1または第2特別図柄変動表示ゲームが行われる。本実施形態のパチンコ遊技機1では、第2特別図柄変動表示ゲームが優先的に行われるように上記優先順位に関し定められている。
上記第1または第2特別図柄変動表示ゲームの開始に伴い、これに連動する形態で、図柄、数字、記号、またはキャラクタ等により表現される装飾図柄を液晶表示装置36に変動表示させて、装飾図柄変動表示ゲームを現出し、これに付随して種々の予告演出(たとえば、リーチ演出や擬似連演出)や背景演出を生じさせる。すなわち、装飾図柄変動表示ゲームでは、上記特別図柄変動表示ゲームでの抽選結果を反映させた演出表示が行われる。したがって、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームに表現されるので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。このように特別図柄表示装置38a、38bまたは液晶表示装置36は、複数種類の遊技図柄(特別図柄または装飾図柄)の変動表示および停止表示による図柄変動表示遊技(特別図柄変動表示ゲームまたは装飾図柄変動表示ゲーム)を行い、当り抽選結果を反映表示するための図柄遊技表示手段としての役割を担う。
したがって、上記特別図柄変動表示ゲームの結果が「当り」であった場合、液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームの結果も当該「当り」を反映させた演出が現出される。このとき、特別図柄変動表示ゲームが行われた特別図柄表示装置には、当りを示す特別図柄が所定の表示態様で停止表示され(たとえば、7セグが「7」の表示状態)、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上で当り抽選結果を反映させた装飾図柄が所定の表示態様で停止表示される(たとえば、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)。
そして、当りとなった場合には、大入賞口ソレノイド42c(図3参照)が作動して開放扉42bが開き、これにより大入賞口40が所定パターンで開閉制御されて、当り遊技が発生する。この当り遊技では、たとえば、開放扉42bが所定時間(たとえば、30秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば、9個)の遊技球が大入賞口40に入賞するまで大入賞口40が開放され、その後、所定時間(たとえば、1秒)開放扉42bが閉まって大入賞口40を閉鎖する、といった動作(ラウンド遊技)が所定回数(たとえば、最大15回(最大15ラウンド))繰り返される。
また、遊技球が普通図柄始動口37を通過したことに基づき、主制御基板27において乱数抽選による補助当りに関する抽選(補助当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて2個のLED39により表現される普通図柄を普通図柄表示装置39に変動表示させて、普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLED39の点灯と非点灯の組合せまたは双方点灯の組合せにて停止表示するようになっている。普通図柄表示装置39での普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39の表示部を所定パターン(たとえば、2個のLED39が双方共に点灯状態)にて停止表示させる。
そして、補助当りとなった場合には、左右の可動翼片47を駆動させるための普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、上記可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態となり、遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が、所定時間(たとえば、0.2秒)開放して下始動口35が開放されるか、または所定個数(たとえば、5個)の遊技球が普通変動入賞装置41(下始動口35)に入賞するまで下始動口35が開放され、その後、所定時間(たとえば、0.5秒)可動翼片47が閉まって下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、1回)繰り返されるようになっている。
また、上記普電開放遊技中に遊技球が下始動口35に入賞した場合にも、同様に上記特別図柄変動表示ゲームが行なわれ、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが行なわれる。なお、各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。
ここで、上記特別図柄変動表示ゲームまたは上記普通図柄変動表示ゲームを行う最中、当り遊技中または普電開放遊技中に、さらに上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力がある場合には、この検出信号に基づいて各変動表示ゲームを行わせるための始動権利に関するデータである始動記憶(いわゆる、作動保留球)を、変動表示中にかかわるものを除き、上限の所定個数まで記憶可能となっている。そして、この始動記憶個数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所にまたは液晶表示装置36による画面中に表示させる。通常は、この始動記憶の発生順に、各始動記憶に対する特別図柄および装飾図柄変動表示ゲームが行われる。本実施形態では、上記上限の所定個数として、第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄に関する始動記憶をそれぞれ4個まで主制御基板27に設けられるRAM273(図3参照)に記憶され、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留される。
<当りの種類:図4>
次に、本実施形態の当りの種類とその当りに対応する当り遊技について説明する。図4は、当り種別、当りの名称、これに対応する当り遊技を示したものである。
(当り種別)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、当りの種類として、「15R大当り(第1の大当りに相当する)」、「特殊15R大当り(第2の大当りに相当する)」、および「小当り」が設けられている。これら当りのうち、「15R大当り」と「特殊15R大当り」とは、条件装置の作動契機となる「大当り」種別に属する当りであり、「小当り」は、条件装置の作動契機とならない「非大当り」種別に属する当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の図柄の組合せが表示された場合に作動するものをいう。以下、必要に応じて、上記条件装置の作動契機となる15R大当りまたは特殊15R大当りを総称して「大当り」と称する場合がある。
上述の各当りのうち、第1特別図柄変動表示ゲーム(上始動口34への入球を契機に行われる特別図柄変動表示ゲーム)においては、「15R大当り」、「特殊15R大当り」、および「小当り」の全種類が当り抽選の対象となっており、第2特別図柄変動表示ゲーム(下始動口34への入球を契機に行われる特別図柄変動表示ゲーム)においては、「15R大当り」のみが当り抽選の対象となっている。
次に、各当りによる当り遊技について説明する。
(15R大当りによる当り遊技)
この15R大当りによる当り遊技(以下、「15R大当り遊技」と称する)では、上記ラウンド遊技(大入賞口40の開放回数)が最大規定回数の15ラウンド行われ、1ラウンドごとの大入賞口40の最大開放時間は30秒となっている。なお、上記大入賞口40の開放時間内に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞した場合には、大入賞口40が閉鎖され、次のラウンド遊技に移行する。
(特殊15R大当りによる当り遊技)
この特殊15R大当りによる当り遊技(以下、「特殊15R大当り遊技」と称する)では、上記ラウンド遊技が最大規定回数の15ラウンド行われ、1ラウンドごとの大入賞口40の最大開放時間は0.1秒となっている。このように、特殊15R大当りでは、非常に短時間で1ラウンドが終了してしまうため、多くの賞球を獲得可能な(出玉が期待できる)15R大当りとは対照的に、殆ど賞球を獲得することができない(出玉が期待できない)当り遊技となっている。なお、大入賞口40の開放時間は非常に短い時間ではあるが、仮に上記開放時間内に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞した場合には、大入賞口40が閉鎖され、次のラウンド遊技に移行するようになっている。
(小当りによる当り遊技)
この小当りによる当り遊技(以下、「小当り遊技」と称する)では、大入賞口40の開放回数が15回行われ、1回の大入賞口40の最大開放時間は0.1秒となっており、特殊15R大当りと実質的に同一の遊技動作態様となっている。この小当たりは、条件装置の作動契機とはならない当りであるため、15R大当りや特殊15R大当りのようなラウンド遊技は実行されない。しかし、特殊15R大当りによる当り遊技と実質的に同一の遊技動作態様を呈することにより擬似的なラウンド遊技を表現し、あたかも特殊15R大当り遊技が発生したかの如く装うことを可能にしている。すなわち、この小当りによる当り遊技動作は、特殊15R大当りによる当り遊技動作との違いを、遊技者が識別困難とする動作態様で行われる。
(当り遊技終了後の遊技状態)
上述した各当り遊技が終了した後、その当りの当選時の遊技状態と当りの種類とに基づき、所定の遊技状態に移行される。本実施形態のパチンコ遊技機1には、内部的な遊技状態(主制御基板27側で管理される遊技状態)として、複数種類の遊技状態が設けられており、当りの種類とその当り当選時の遊技状態とに基づいて、いずれの遊技状態に移行するかが決定される。先ず、本発明の理解を容易なものとするために、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御基板27(主制御CPU271:図3参照)がその機能部を担う、確率変動(以下、「確変」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の二種類がある。
特別図柄確変機能は、大当り種別に属する当り(15R大当り、特殊15R大当り)の抽選確率が所定確率の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば39.9分の1)に変動する大当り確率変動状態(以下、「大当り確変状態」と称する)を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(大当り確変状態)下では、大当り抽選確率が高確率である高確率状態に変動して、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が低確率である通常確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動する補助当り確変状態を発生させる機能である。普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率に変動して補助当りが生起され易くなるため、普電開放遊技が頻繁に発生するようになり、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄確変機能の作動契機は後述の特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御基板27がその機能部を担う、変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の二種類がある。
特別図柄時短機能は、特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の変動時間を短縮した特別図柄時短状態を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態下では、1回の特別図柄変動表示ゲームの時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、平均時間もしくはリーチなしハズレ変動において、たとえば30秒(特別図柄時短機能が未作動中のとき)から5秒(特別図柄時短機能が作動中のとき)に短縮され、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
普通図柄時短機能は、普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の変動時間を短縮した普通図柄時短状態を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態下では、1回の普通図柄変動表示ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの時間)が、たとえば、10秒(普通図柄時短機能が未作動中のとき)から1秒(特別図柄時短機能が作動中のとき)に短縮され、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄時短機能の作動契機は上記特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も、特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御基板27がその機能部を担う、開放延長機能を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる期間およびその開放回数を延長した開放延長状態を発生させる機能である。開放延長機能が動作中の遊技状態下では、可動翼片47の開動作期間がたとえば0.2秒から1.7秒に延長され、また開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が未作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長され、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記開放延長機能の作動契機は上記特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も、特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。これにより、開放延長機能が作動中の遊技状態下では、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作動中となるため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
またさらに、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御基板27がその機能部を担う、リミッタ機能を備えている。
リミッタ機能は、上記条件装置の作動回数が所定の上限回数(以下、「リミッタ作動回数」)に達するまで特別図柄確変機能の連続作動(大当り確変状態の連続発生)を許容する機能である。換言すれば、このリミッタ機能は、上記特別図柄確変機能の連続作動回数(大当り確変状態の連続発生回数)を制限する機能である。なお、このリミッタ機能は、特別図柄確変機能の連続作動回数を制限するという点で、上記の開放延長機能などのように、直接的に当り遊技終了後の遊技状態自体に影響を及ぼす機能とは異なる位置付けである。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記リミッタ作動回数を7回としており、その回数に達するまで大当り確変状態を100%継続させる「7回セットタイプ」となっている。具体的には、リミッタ機能作動時に大当りに当選した場合、その大当りによる当り遊技の実行(条件装置の作動)を契機にリミッタ機能の作動が終了され、これにより、当該当り遊技終了後の遊技状態は、大当り抽選確率が低確率から高確率に変動した大当り確変状態となる。このリミッタ機能作動時に当選した大当りを1回目とし以後、7回目の大当り当選までは、特別図柄確変機能の連続作動(連続6回の作動)が許容され、大当り確変状態が継続される。しかし、7回目の大当り当選に当選した場合、その大当りによる当り遊技の終了を契機にリミッタ機能が作動し、特別図柄確変機能の作動が制限される。かくして当り遊技終了後の遊技状態は、大当り抽選確率が高確率である大当り確変状態から低確率である通常状態(低確率状態)となる。
そして、リミッタ機能作動時に再び大当りに当選すれば、リミッタ機能の作動が終了され、特別図柄確変機能の作動が許容される。これにより、当り遊技終了後の遊技状態は、大当り抽選確率が低確率である通常状態から高確率である大当り確変状態となり、以後、リミッタ作動回数に達するまで、大当り確変状態が継続される。
このようにリミッタ機能は、条件装置の作動契機となる大当りの発生回数に従い、その機能を作動させるか否かが決定されるようになっている。したがって、条件装置の作動契機とならない「小当り」に何回当選しても、リミッタ作動回数に達することはない。
本実施形態では、上記小当りと特殊15R大当りとを設け、その小当り遊技と特殊15R大当り遊技とが実質的に同じ遊技動作態様となるように制御し、さらに、後述する当り中の演出や当り遊技後の遊技状態における演出モードとの関連により、あと残り何回の大当りでリミッタ作動回数に到達するか、あるいは現在の特別図柄確変機能の連続作動回数が何回であるかを遊技者に悟られないようにしている。結果、リミッタ作動契機となる大当りの到来を不明確にできるので、遊技者に対して大当り確変状態の継続期待感を与えることができる。
<遊技状態移行テーブル:図5>
次に、当りの当選時の遊技状態と当り種別とに基づき移行される遊技状態種別について説明する。図5は、本実施形態のパチンコ遊技機1における遊技状態移行テーブルを概念的に示した図である。この遊技状態移行テーブルには、当り遊技終了後に移行する遊技状態が、当りの当選時の遊技状態と当り種別とに関連付けて定められている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1は、上述したように、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動契機は、特別図柄時短機能の作動契機と同期するようになっている。以下では、説明の便宜上、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「時短状態」と称し、この時短状態に加えてさらに特別図柄確変機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態」と称し、いずれの機能も作動中でない状態を「通常状態(上記通常遊技状態に相当する)」と称する。上記各遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、時短状態または通常状態下においては、少なくとも大当り抽選確率が通常確率(低確率)となっており、上記確変状態または潜伏確変状態下においては、少なくとも大当り抽選確率が通常確率よりも高い高確率となっている。
(15R大当りに当選した場合)
15R大当りに当選した場合、今回の当りがリミッタ機能未作動時(リミッタ機能作動時の当りによりリミッタ機能が未作動となる場合を含む。つまり初回(1回目)の15R大当りも含まれる)の当りであれば、その当選時の遊技状態にかかわらず、確変状態に移行するようになっている。一方、今回の当りがリミッタ機能作動時(リミッタ作動回数到達時)となる当りであれば、その当選時の遊技状態にかかわらず、時短状態に移行するようになっている。
(特殊15R大当りに当選した場合)
特殊15R大当りに当選した場合、今回の当りがリミッタ機能未作動時の当り(リミッタ機能作動時の当りによりリミッタ機能が未作動となる場合を含む。つまり、初回(1回目)の特殊15R大当りも含まれる)であり、かつ当選時の遊技状態が通常状態であれば潜伏確変状態に移行し、潜伏確変状態であれば再び潜伏確変状態に移行し、時短状態であれば確変状態に移行し、確変状態であれば再び確変状態に移行するようになっている。一方、今回の当りがリミッタ機能作動時の当りであり、かつ当選時の遊技状態が潜伏確変状態であれば通常状態に移行し、確変状態であれば時短状態に移行するようになっている。
なお、上記の15R大当りまたは特殊15R大当りにより時短状態に移行した場合、これらの大当りに当選せずに特別図柄変動表示ゲームの回数を所定回数(本実施形態では、100回)消化すると、当該時短状態が終了して通常状態に移行するようになっている。
(小当りに当選した場合)
小当りに当選した場合、リミッタ機能未作動時または作動時における当選時の遊技状態にかかわらず、その当選時の遊技状態がそのまま継続されるようになっている。すなわち、遊技状態の移行は生じないことになる。
以上のように、本実施形態では、各当り遊技後に移行する遊技状態が定められている。ここで小当り後の遊技状態と特殊15R大当り後の遊技状態とに着目すると、小当りに当選した場合には、その当選時の遊技状態をそのまま引継ぎ、特殊15R大当りに当選した場合には、内部的な大当り抽選確率は高確率または低確率となる場合はあるが、パチンコ遊技機1の外観上に現れる機械的な動作(可動翼片47の動作)の違いは、双方とも当りの前後で変化はなく、どちらの当りに当選したかが不明確となる。これにより、リミッタ作動契機となる大当りの到来を不明確にできるので、遊技者に対して大当り確変状態の継続期待感を与えることができる。
<当り中演出:図6、図7>
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1が織り成す演出について説明する。まず、各当り遊技中に行われる当り中演出について説明する。
(15R大当りによる当り中演出)
15R大当りによる当り遊技は、上記図柄変動表示ゲーム(特別図柄変動表示ゲーム)で大当りを示す図柄が確定表示されてから開始される。15R大当りによる遊技が開始すると、最初に大当り開始ファンファーレなどによるオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、大入賞口40が開放されるラウンド遊技があらかじめ定めた規定ラウンド数(15ラウンド)を上限として複数回行われる。また、ラウンド遊技中では、各ラウンドごとに対応するラウンド中演出が行われ、ラウンド遊技間では、各ラウンド間に対応するラウンド間インターバル演出が行われる。そして、規定ラウンド数が終了した後には、大当り終了ファンファーレなどによるエンディング演出が行われる。
なお、当り中演出を含み、パチンコ遊技機1による各種の演出は、所定の演出手段により現出される。上記演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることができる刺激伝達手段であれば、いずれも本発明における演出手段として機能することができる。装飾ランプ45やLED、スピーカ16、液晶表示装置36の光発生手段、音響発生装置、演出表示装置、ないし操作者の体に振動を伝える加振装置、可動体役物などは、その代表例である。演出表示装置は、液晶表示装置36に代表される画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメントディスプレイのように画像以外の表示により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
15R大当りによる当り中演出(以下、「15R大当り中演出」と称する)では、上記ラウンド中演出として、リミッタ作動回数までの条件装置の連続作動可能回数、つまり、あと残り何回の大当りでリミッタ作動回数に到達するかを遊技者に報知する残余回数報知演出が行われる。具体的には、「セット回数(リミッタ作動回数)」から「現在の大当り回数」を差し引いた回数(以下、必要に応じて「実際の残り大当り回数」と称する)が報知されるようになっている。本実施形態では、セット回数は7回であるので、たとえば、現在の15R大当りが2回目の大当りである場合には、あと5回大当りに当選するとリミッタ機能が作動する旨が報知される。遊技者は、15R大当りに当選さえすれば、上記残余回数報知演出で報知される回数から、大当り確変状態継続回数、あるいは特別図柄確変機能の連続作動可能回数の残余回数を知ることができる。
しかし、15R大当りに当選した際に実際の残り大当り回数が常に報知されてしまうとすれば、大当り確変状態がいつまで継続するかという事実を遊技者に知られることになり、大当り確変状態の継続期待感が薄れてしまう。そこで本実施形態では、実際の残り大当り回数を上限値とし、それよりも少ない回数(偽(ガセ)の大当り回数)を報知可能に構成している。残余回数報知演出により報知された残り大当り回数は、15R大当り演出中を含め、大当り遊技が終了した後においても演出手段、たとえば液晶表示装置36の画面上に表示され、その表示上の残り大当り回数は、基本的には、いずれかの当りに当選する度に減算されていく。ただし、15R大当り中演出を通じて報知された残り大当り回数が0回の場合を含み、液晶表示装置36に表示される残り大当り回数が0回となる場合には、当該残り大当り回数に関して何も表示されないようになっている。
図6に、実際の残り大当り回数と残余回数報知演出で報知される残り大当り回数との関係を示す。本実施形態のパチンコ遊技機1では、液晶表示装置36の表示上の残り大当り回数と実際の残り大当り回数とに基づき、残余回数報知演出で報知すべき残り大当り回数を決定する。
図6は報知回数抽選テーブルを概念的に示した図である。図6を参照すれば、残余回数報知演出で報知される残り大当り回数は、実際の残り大当り回数が0回である場合には0回、実際の残り大当り回数が1回である場合には0回〜1回、実際の残り大当り回数が2回である場合には0回〜2回、・・・、実際の残り大当り回数が6回である場合には0回〜6回のいずれかの回数を所定の抽選により決定する。すなわち、実際の残り大当り回数を上限値とし、それよりも少ない回数(偽(ガセ)の大当り回数)が報知可能となっている。たとえば、現在の15R大当りが2回目の大当りである場合、実際の残り大当り回数は5回となるが、残余回数報知演出においては、5回未満の回数(0回〜4回のいずれかの回数)が報知される場合がある。このように、実際の残り大当り回数またはそれよりも少ない回数を報知することで、あと残り何回の大当りでリミッタ作動回数に到達するか、あるいは現在の特別図柄確変機能の連続作動回数が何回であるかを遊技者に悟られないようにしている。結果、リミッタ作動契機となる大当りの到来を不明確にできるので、遊技者に大当り確変状態の継続期待感を与えることができる。
リミッタ作動契機となる大当りの到来をより不明確にするためには、実際の残り大当り回数そのものが報知される確率よりも、実際の残り大当り回数よりも少ない回数が報知される確率が高くなるように設定することが好ましい。より好ましくは、実際の残り大当り回数よりも複数回程度少ない回数が報知される確率を高く設定する。たとえば、実際の大当り回数が6回である場合、6回が報知される確率(たとえば、5%)よりも0回〜2回が報知される確率(たとえば、各20%)を高く設定する。また、実際の残り大当り回数に関しては報知せず、それよりも少ない回数だけを報知するように構成しても良い。
さらに本実施形態では、当り当選時の液晶表示装置36上に表示されている残り大当り回数(以下、「画面表示上大当り回数」と称する)を考慮し、画面表示上大当り回数と実際の大当り回数とに基づき、残余回数報知演出で報知すべき残り大当り回数を決定するようになっている。この理由は次の通りである。
既に説明したように、残余回数報知演出により報知された残り大当り回数は、15R大当り演出中を含め、大当り遊技が終了した後においても液晶表示装置36の画面上に表示される。そして、この画面表示上大当り回数は、基本的には、いずれかの当りに当選する度に減算される。したがって、15R大当りに当選しなくとも、特殊15R大当りまたは小当りに当選すれば、液晶表示装置36の画面上に表示された残り大当り回数は減算される。これは、当りに当選すれば必ず大入賞口40の開閉動作が行われ、一般的な遊技者がその開閉動作を視認すれば、何かしらの当りに当選したことを認識される、という事実が存在するためである。これのような観点から、本実施形態のパチンコ遊技機1では、小当りや特殊15R大当りのいずれかの当り遊技が発生した場合においても、画面表示上大当り回数を減算させるようにし、これにより、実際の残り大当り回数を不明確にすることができるようになっている。
しかしながら、今回の15R大当りまでに他の当りに一切当選していないにもかかわらず、当該15R大当りの残余回数報知演出にて報知される残り大当り回数が前回の残余回数報知演出にて報知された残り大当り回数よりも著しく少ない回数が報知された場合、期待していた残り大当り回数が突然消滅してしまったかの如く印象を遊技者に与え、遊技機に対する不信感を招来してしまう恐れがある。たとえば、画面表示上大当り回数が4回と表示されていた場合、他の当りに一切当選していないにもかかわらず、今回の残余回数報知演出にて、‘残り1回’と報知された場合が挙げられる。
そこで本実施形態では、図示のように、実際の残り大当り回数を上限値とし、画面表示上大当り回数から1減算した値(今回の15R大当り当選分を減算した値)を下限値とし、その下限値から上限値の範囲で残余回数報知演出にて報知すべき残り大当り回数を抽選により決定するようになっている。このようにすると、次のような効果を奏することができる。
第1に、今回の15R大当りによる残余回数報知演出にて報知された残り大当り回数が、画面表示上大当り回数よりも増加した回数を報知することが可能になる。これにより、あたかも大当り回数が上乗せされたかの如く印象を遊技者に与えることができるので、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
第2に、たとえ、今回の15R大当りによる残余回数報知演出にて報知された残り大当り回数が上記下限値に相当する値が報知されても、その値は、画面表示上大当り回数から1減算した値、つまり今回の15R大当り1回分を減算した残り大当り回数となるため、遊技者が不信感を抱くことを防止することができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、大当り確変状態を100%の割合で複数回継続可能とする「パック機」であるので、大当り確変状態を100%未満の割合で行う一般的な確変機では行うことができない残余回数報知演出を発生させることができる。
上記の一般的な確変機においては、大当り確変状態が100%未満の割合で継続される関係上、残り大当り回数を報知する際には、たとえば「もう1回!」のように、残り大当り回数が複数回ある旨を報知することはできない。これは、たとえば「あと2回!」というように、大当り確変状態があたかも複数回保証されるような報知演出を行ってしまうと、次回の大当りが特別図柄確変機能の作動契機となる大当りに当選するかどうか不明な状態であるにもかかわらず、大当り確変状態が複数回保証されるが如く印象を遊技者に与えてしまい、遊技機に対する不信感を招来してしまうからである。しかしながら、上記の「パック機」においては、残り大当り回数が複数回となる状態が必ず存在するため、上述したような問題は生じることはない。本実施形態のパチンコ遊技機1では、残り大当り回数が複数回存在する旨を報知可能であることを利用した複数種類の残余回数報知演出を発生させ、いずれの演出が選択されるかに応じて報知すべき残余回数を変化させることができるようにしている。これにより、リミッタ作動契機となる大当りの到来を不明確にできると共に、一般の確変機よりも大当り中演出のバリエーションを多彩なものとしている(残余回数報知演出の内容については後述する)。
再び説明に戻り、本実施形態の残余回数報知演出は、特定のラウンド数の到来を契機に発生するようになっている。図7に、残余回数報知演出が発生するラウンド数を示す。
何ラウンド目に残余回数報知演出を発生させるかについては、大当り遊技開始時に、図示の演出1〜7の複数種類の演出パターンの中から抽選により選択される。演出1〜7には、残余回数報知演出を発生させるラウンド数が規定され、その演出が発生するラウンド数およびその演出の発生回数の少なくともいずれか一方が異なるように定められている。本実施形態では、残余回数報知演出が発生するラウンド数やその発生回数を異ならせることにより、残余回数報知演出の内容に変化を与えて、大当り中演出のバリエーションを多彩なものとしている。これにより、大当り遊技が消化遊技的な様相を呈することなく、遊技の面白みをさらに向上させることができるようになっている。
図7を参照すれば、たとえば、「演出1」が選択された場合には、2R(ラウンド)〜4R、7R〜9R、および12R〜14Rに残余回数報知演出が行われ、「演出2」が選択された場合には、2R〜4Rおよび7R〜9Rに残余回数報知演出が行われ、「演出」が選択された場合には、2R〜4Rに残余回数報知演出が行われる。このように本実施形態では、複数のラウンド間に亘り残余回数報知演出が展開するようにし、各ラウンドにおける残余回数報知演出により、残り大当り回数が遊技者に報知されるようになっている。以下に、残余回数報知演出の内容について詳細に説明する。なお、本実施形態では、残余回数報知演出の発生回数が同一なものに関しては、それぞれ同一の演出内容となっている。したがって、以下では、重複記載を避けるため、残余回数報知演出の発生回数が同一なものについての説明は省略し、当該発生回数がそれぞれ異なる「演出1」、「演出2」、「演出5」を代表的に説明する。なお、以下に説明する演出を発生させるための具体的な制御方法については既に公知であるので、それについての詳細な説明は省略し、ここでは本発明の特徴的要素である残余回数報知演出にて展開される内容について詳細に説明する。
(演出1が選択された場合)
「演出1」が選択された場合、2R〜4R(本例では、「第1演出区間」と称する)、7R〜9R(本例では、「第2演出区間」と称する)、および12R〜14R(本例では、「第3演出区間」と称する)の3つの区間に跨って残余回数報知演出が行われる。
この「演出1」が選択された場合には、ラウンド中演出を利用して、上記第1〜第3演出区間に跨ってストーリーが展開する連続演出的な残余回数報知演出が発生する。これら演出区間では、上記ストーリーに沿った遊技者参加型のゲーム演出が展開され、演出介入操作手段(枠演出ボタン13)の操作を促す演出が発生し、各演出区間でのゲーム演出の結果に従い、残り大当り回数が報知されるようになっている。
演出1における第1演出区間〜第3演出区間では、たとえば、主人公であるキャラクタが複数体のモンスターと戦うバトル形式のストーリー演出が展開される。第1演出区間を例にとって説明すれば、2R〜4Rのラウンド中演出で主人公が剣でモンスターと戦う様を表現したストーリー演出が液晶表示装置36に現出される。具体的には、まず2R目にモンスターと遭遇する演出が発生し、3R目に枠演出ボタン13の操作を促すゲーム演出が発生し、その操作指示に従い遊技者が枠演出ボタン13を操作すると、主人公がモンスター切つける演出が発生する。そして、4R目に上記ゲーム演出の結果として、モンスターを何体倒すことができたかが表示される。
4R目にモンスターを倒した勝利演出が発生した場合には、この演出を以って、少なくとも1回の残り大当り回数がある旨が遊技者に報知される。ここでは、モンスターを倒した数が残り大当り回数として報知されるようになっている。
一方、4R目にモンスターを1体も倒すことができなかった敗北演出が発生した場合には、この演出を以って、実際の残り大当り0回の可能性がある旨が遊技者に報知されるようになっている。しかし第1演出区間で敗北演出が発生した場合であっても、続く第2演出区間で勝利演出が発生すれば、少なくとも1回の残り大当り回数がある旨が遊技者に報知される。
そして各演出区間において倒したモンスターの合計数が残り大当り回数として報知されるようになっている。すなわち、「演出1」では、各演出区間のゲーム演出の結果(本例では、倒したモンスターの合計数)に基づき、残りの大当り回数(図6に示した報知回数抽選テーブルに基づき決定された大当り回数)を遊技者に報知する形態である。
なお、全演出区間のゲーム演出に参加した場合には、最終的には上記抽選により決定された残り大当り回数が報知されることになるが、一部または全演出区間のゲーム演出に参加しなかった場合には、必ずしも上記抽選により決定された残り大当り回数が報知されないようになっている。たとえば、第1〜第3演出区間におけるゲーム演出で遊技者が一度も枠演出ボタン13を操作しなかった場合には、全て敗北演出を発生させ、残り大当り回数が0回である旨を報知するようになっている。この場合、ゲーム演出に参加せずに残り大当り回数を遊技者自ら不明確にすることが可能になり、次回も大当り確変状態が継続するかどうかを楽しみたいと望む遊技者に対しても遊技の面白みを与えることができる。
(演出2が選択された場合)
「演出2」が選択された場合、2R〜4R(本例では、「第1演出区間」と称する)、7R〜9R(本例では、「第2演出区間」と称する)の2つの区間に跨って残余回数報知演出が行われる。
この「演出2」が選択された場合には上述した「演出1」とは異なり、1回の演出区間ごとに演出が完結する単独的な遊技者参加型のゲーム演出が行われる。
演出2における第1演出区間および第2演出区間では、たとえば、回胴式遊技機(所謂、スロットマシン)の遊技性を模したスロット演出が発生する。このスロット演出は、液晶表示装置36に表現された回転中の3つのリール(左リール、中リール、右リール)を、枠演出ボタン13の操作により停止させるゲーム演出となっている。第1演出区間を例にとって説明すれば、まず2R目に左リールを、3R目に中リールを、4R目に右リールの停止を促す演出が発生し、遊技者が枠演出ボタン13を操作するか、または所定時間経過した場合、もしくは遊技球が大入賞口40に所定個数入賞した場合、あるいはラウンド遊技終了した場合などの所定の条件を満たした場合に画面上のリールが停止する演出となっている。つまり、このスロット演出は、上述した演出1のストーリー演出とは異なり、遊技者が枠演出ボタン13を操作しなくとも演出上のリールが自動的に停止されるので、ゲーム演出の参加・不参加にかかわらず、ゲーム演出の結果が導出されるようになっている。
ここでは、「7」図柄が画面上に停止表示されるごとに、残り大当り回数が1回ずつ加算表示され、その「7」図柄の合計表示数により、残り大当り回数を報知する。したがって、たとえば、2R目に「7」図柄が停止し、3R目にも「7」図柄が停止し、4R目にも「7」図柄が停止した場合、合計3つの「7」図柄が停止表示されたことになるので、この場合には、少なくとも残り大当り回数が3回であることが報知される。そして、第2演出区間においても、上記第1演出区間と同じスロット演出が発生し、当該第2演出区間にて「7」図柄が停止表示された表示数が加算されていき、第1演出区間と第2演出区間にて「7」図柄が停止表示された合計表示数が合算されることにより、最終的な残り大当り回数が報知されるようになっている。すなわち、「演出2」では、各演出区間において所定の条件が満たされた回数(本例では、「7」図柄が停止表示された合計表示数)に応じて残りの大当り回数(図6に示した報知回数抽選テーブルに基づき決定された大当り回数)を遊技者に報知する形態である。なお、本実施形態では、「7回パック機」となっているので、第1および第2演出区間の合計6ラウンド分にて展開される残余回数報知演出にて、最大6回の残り大当り回数を報知可能としている。
演出1と演出2とが大きく異なる点は、演出1では報知回数抽選テーブルに基づき決定された残り大当り回数そのものが必ずしも報知されない場合があるのに対し、演出2では当該決定された残り大当り回数そのものが必ず報知されるという点である。
(演出5が選択された場合)
この「演出5」が選択された場合、2R〜4R(本例では、「第1演出区間」と称する)の1回の演出区間で演出が完結する単独的な演出が行われ、ここでは、上述した「演出1」や「演出2」の遊技者参加型のゲーム演出ではなく、ラウンド遊技の進行に伴い自動的に演出が進行する遊技者非参加型のゲーム演出となっている。
演出5における第1演出区間では、たとえば、弾球式遊技機の遊技性を模したパチンコ演出が発生する。このパチンコ演出は、3ラウンド分の演出区間を利用し、液晶表示装置36に表現された「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上に絵柄が順次停止表示していく様を表現した演出となっている。ここでは、上記当り有効ライン上に停止表示した絵柄の組合せの種類が残り大当り回数として報知され、たとえば、バラケ目(たとえば、「257」)が停止表示した場合には残り大当り回数が0回、「111」が停止表示した場合には残り大当り回数が1回、「777」が停止した場合には残り大当り回数6回という具合である。すなわち、「演出5」では、1回の演出区間において発生したゲーム演出の結果(本例では、表示された図柄の組合せ)に応じて残りの大当り回数を報知する形態である。なお、演出5は、上述した演出2と同様に、図6に示した報知回数抽選テーブルに基づき決定された大当り回数そのものが報知される形態となっている。
(特殊15R大当りによる当り中演出および小当りによる当り中演出)
特殊15R大当りによる当り中演出(以下、「特殊15R大当り中演出」と称する)および小当りによる当り中演出(以下、「小当り中演出」と称する)では、15R大当り中演出における残余回数報知演出は発生せず、双方共に、同じ当り中演出が行われる。小当りまたは特殊15R大当りに当選した場合、それらの当り遊技中の遊技動作態様は実質的に同じ動作に制御され、さらに当り中演出は同じ演出が行われることになる。これにより、どちらの当りに当選したかを遊技者に悟られないようにし、現在の特別図柄確変機能の連続作動回数が何回であるか、またはあと残り何回の大当りでリミッタ作動回数に到達するかが不明確となる。なお、特殊15R大当り中演出と小当り中演出とを双方同じ演出でなくても良く、たとえば、特殊15R大当りの当選期待度に応じた複数種類の当り中演出を設け、小当りに当選した場合よりも特殊15R大当りに当選した場合の方が高い割合で、特殊15R大当りの当選期待度が高い当り中演出が選択されるように構成しても良い。
以上のように本実施形態では、残余回数報知演出が発生するラウンド数やその発生回数、その内容が異なる複数種類の演出(演出1〜7)が選択可能に構成されている。この複数種類の演出1〜7のうちいずれの演出を選択するかは、抽選によりランダムに決定しても良いが、実際の残り大当り回数と画面表示上大当り回数との差に基づいて決定しても良い。たとえば、残余回数報知演出区間に着目すれば、演出1は3区間、演出2は2区間、演出5は1区間となっている。この残余回数報知演出が発生する演出区間数に着目し、たとえば、演出区間が多いほど、画面表示上大当り回数に1回以上の大当り回数を上乗せ報知する大当り回数増加演出の発生確率が高まるような遊技形態に構成しても良い。この場合、画面表示上大当り回数と実際の残り大当り回数と差が大きい程、上記演出区間が多い演出の選択割合を相対的に高くなるように構成する。このように構成した場合、演出1〜7のいずれの演出が選択されるかにより、大当り回数増加演出が発生する期待度、すなわち、実際の残り大当り回数が残存している否かの期待度が変化し、大当り中演出にさらなる面白みを付加することができる。
<遊技状態における演出モード:図8、図9>
次に、各遊技状態における演出の演出モードについて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、報知すべき現在の遊技状態に関連した演出の演出モード(演出状態)として、確変状態であることを確定的に報知する演出をなす「確変演出モード(たとえば、背景演出が夜背景)」と、少なくとも時短状態であることを確定的に報知する演出をなす「時短演出モード(たとえば、背景演出が夕方背景)」と、現在の遊技状態を秘匿して大当り確変状態であるかの如く装い、遊技者に大当り確変状態の期待感を与える「確変秘匿演出モード(たとえば、背景演出が昼背景)」と、通常状態であることを示唆する「通常演出モード(たとえば、背景演出が朝方背景)」と、が設けられている。本実施形態のパチンコ遊技機1では、異なる複数種類の演出モードを設定し、これらの演出モード間の行き来を可能に構成している。
上述した演出モードのうち、時短演出モードの「少なくとも時短状態であることを確定的に報知する」とは、具体的には、大当り確変状態であるか否かという大当り抽選確率状態について確定的には報知しない、という意味である。また、上記確変秘匿演出モードは、大当り抽選確率状態を秘匿状態として通常状態との識別を困難にする演出モードとしての位置付けであるので、潜伏確変状態や通常状態に関連する演出モードとして用いられる。
次に、演出モード移行契機と移行先の演出モードについて説明する。図8は、本実施形態のパチンコ遊技機1における演出モード移行テーブルを概念的に示した図である。この演出モード移行テーブルには、演出モード移行契機とその移行契機に従い移行される演出モードとが関連付けて定められている。以下、図8を参照しながら、演出モード移行契機別ごとに移行される演出モードについて詳細に説明する。
(15R大当り場合)
演出モード移行契機が15R大当りである場合、つまり15R大当りに当選した場合、その15R大当りによる当り遊技終了後の演出モードは、リミッタ機能未作動時であれば、移行前の演出モードにかかわらず、確変演出モードまたは時短演出モードに移行され、リミッタ機能作動時であれば、移行前の演出モードにかかわらず、時短演出モードに移行される。なお、上記リミッタ機能未作動時において、確変演出モードまたは時短演出モードのいずれの演出モードに移行するかは、残余回数報知演出で報知された残り大当り回数に基づいて決定される。
具体的には、残余回数報知演出で報知された残り大当り回数が「1回以上」である場合には確変演出モードに移行され、報知された残り大当り回数が「0回」である場合には時短演出モードに移行される。これは、報知された残り大当り回数が1回以上である場合には、当り遊技終了後の遊技状態が確変状態であることが確定的に報知される一方、残り大当り回数が表示されていない場合には、当り遊技終了後の遊技状態が少なくとも時短状態(残余回数報知演出にて報知される残り大当り回数は、実際の大当り回数とは異なる場合あるので、確変状態も含まれることになる)であることが確定的に報知されるからであり、当該報知された遊技状態と演出モードとの整合性を図るためである。
(特殊15R大当り場合)
演出モード移行契機が特殊15R大当りである場合、つまり特殊15R大当りに当選した場合、その特殊15R大当りによる当り遊技終了後の演出モードは、リミッタ機能未作動時における移行前の演出モードが確変演出モードであれば確変演出モードまたは時短演出モードに、時短演出モードであれば再び時短演出モードに、通常演出モードであれば確変秘匿演出モードに、確変秘匿演出モードであれば再び確変秘匿演出モードに移行するようになっている。一方、リミッタ機能作動時における移行前の演出モードが確変演出モードであれば時短演出モードに、時短演出モードであれば再び時短演出モードに、通常演出モードであれば確変秘匿演出モードに、確変秘匿演出モードであれば再び確変秘匿演出モードに移行するようになっている。
なお、上記リミッタ機能未作動時における移行前の演出モードが確変演出モードであった場合において、確変演出モードまたは時短演出モードのいずれの演出モードに移行するかは、画面表示上大当り回数に基づき決定される。具体的には、画面表示上大当り回数から1減算した値(今回の特殊15R大当り当選分を減算した値)が「1回以上」ある場合は確変演出モードに、「0回」であれば時短演出モードに移行するようになっている。これは、特殊15R大当りに当選した場合、画面表示上大当り回数は1減算された値が表示され、特殊15R大当り中演出では残余回数報知演出が行われない関係上、画面表示上大当り回数と演出モードとの整合性を図るためである。すなわち、上記差が「1回以上」ある場合には、少なくともあと1回は確変状態の継続が保証された状態となるため、確変演出モードに移行させ、一方、上記差が「0回」の場合には、確変状態の継続が必ずしも保証されている状態ではないため、時短演出モードに移行させるようになっている。これにより、時短演出モード下であっても、遊技者は大当り確変状態であることを期待しつつ、遊技を楽しむことができる。なお、画面表示上大当り回数から1減算した値が「0回」となった場合であっても、実際の大当り回数が「1回以上」ある場合、特殊15R大当り中演出にて上記大当り回数増加演出に順ずる演出(画面表示上大当り回数に1回以上の大当り回数を上乗せ報知する演出)を発生させて(抽選により発生させても良い)、確変演出モードを継続させるように構成しても良い。
(小当りの場合)
演出モード移行契機が小当りである場合、つまり小当りに当選した場合、その小当りによる当り遊技終了後の演出モードは、移行前の演出モードが確変演出モードであれば確変演出モードまたは時短演出モードに、時短演出モードであれば再び時短演出モードに、通常演出モードであれば確変秘匿演出モードに、確変秘匿演出モードであれば再び確変秘匿演出モードに移行するようになっている。
なお、上記移行前の演出モードが確変演出モードであった場合において、確変演出モードまたは時短演出モードのいずれの演出モードに移行するかは、画面表示上大当り回数に基づき決定される。具体的には、画面表示上大当り回数から1減算した値(今回の小当り当選分を減算した値)が「1回以上」ある場合には、確変演出モードに、その差が「0回」であれば時短演出モードに移行するようになっている。これは、小当りに当選した場合、画面表示上大当り回数は1減算された値が表示され、小当り中演出では残余回数報知演出が行われない関係上、上述した特殊15R大当りの場合と同様に、画面表示上大当り回数と演出モードとの整合性を図るためである。これにより、時短演出モード下であっても、遊技者は大当り確変状態であることを期待しつつ、遊技を楽しむことができる。なお、画面表示上大当り回数から1減算した値が「0回」となった場合であっても、実際の大当り回数が「1回以上」ある場合、上述した特殊15R大当りの場合と同様に、特殊15R大当り中演出にて上記大当り回数増加演出に順ずる演出を発生させて、確変演出モードを継続させるように構成しても良い。
また、上記通常演出モードから確変秘匿演出モードに移行した場合は、内部的には通常状態であるが、演出上は潜伏確変状態であるかの如く装う、偽(ガセ)の確変秘匿演出モードとなる。特殊15R大当り当選を契機に移行した確変秘匿演出モード下で小当りに当選した場合は、内部的には潜伏確変状態であり、この場合には、本物の確変秘匿演出モードが継続することになる。本実施形態では、特殊15R大当りまたは小当りの当選を契機に同一の確変秘匿演出モードに移行させるようになっており、演出を観察しても、内部的な遊技状態を見分けることが不可能になっている。勿論、これに限らず、上記本物の確変秘匿演出モード(第1の確変秘匿演出モードに相当する)と偽の確変秘匿演出モード(第2の確変秘匿演出モードに相当する)とを別個の演出モードとして管理し、これらの演出モード下でなされる演出の挙動を異ならせるように構成しても良い。たとえば、本物の確変秘匿演出モードの方が偽の確変秘匿演出モードよりも特定演出(大当り確変状態の期待度の高低を表す演出。たとえば、特定のアニメキャラクタが出現する演出)の発生率を高くする。この場合、特定演出の発生率により、どちらの確変秘匿演出モードであるかを予測する楽しみを遊技者に与えることができる。
(時短演出モード移行後、特別図柄変動表示ゲームを100回消化した場合)
時短演出モードに移行後、特別図柄変動表示ゲームを所定回数(本実施形態では、100回)消化した場合、次回の特別図柄変動表示ゲームからは、当該時短演出モードから通常演出モードに移行される。ここでの時短演出モード下の内部的な遊技状態は、時短状態の場合である。なお、実際の残り大当り回数が1回以上ある場合において、特殊15R大当りや小当りの当選を契機に時短演出モードに移行された場合、特別図柄変動表示ゲームを100回消化した後、次回の特別図柄変動表示ゲームからは、確変演出モードに格上げされる。これは、実際の残り大当り回数が1回以上ある場合、内部的な遊技状態が確変状態となっているからである。この演出モードの格上げにより、液晶表示装置36に残り大当り回数が表示されていない場合であっても、時短演出モードの終了契機となる特別図柄変動表示ゲームを所定回数消化するまでは、大当り確変状態であることを期待しつつ、遊技を楽しむことができる。
(確変秘匿演出モード移行後、特別図柄変動表示ゲームを30回消化した場合)
確変秘匿演出モードに移行後、特別図柄変動表示ゲームを所定回数(本実施形態では、30回)消化した場合、次回の特別図柄変動表示ゲームからは、当該確変秘匿演出モードから通常演出モードに移行される。この確変秘匿演出モード下の内部的な遊技状態は、通常状態または潜伏確変状態であるので、特別図柄変動表示ゲームを所定回数消化した場合に通常演出モードに移行させることにより、潜伏確変状態であればこれを秘匿可能となり、大当り確変状態の期待感を遊技者に与えると共に、あと残り何回の大当りでリミッタ作動回数に到達するか、あるいは現在の特別図柄確変機能の連続作動回数が何回であるかを遊技者に悟られないようにし、大当り確変状態の継続期待感を遊技者に与えることができる。
なお、上記確変秘匿演出モード中に、さらに特殊15R大当りまたは小当りに当選した場合、当該確変秘匿演出モードよりも大当り確変状態の期待度が高まったか如く装う確変高期待度演出モードを設けても良い。この場合、小当りに当選した場合よりも特殊15R大当り当選した場合の方が高い割合で上記の確変高期待度演出モードに移行させるように構成すれば、どちらの当りを契機に移行した演出モードであるかを予測する楽しみを遊技者に与えることができる。また、特殊15R大当りに当選した場合には確変高期待度演出モードに移行させるようにし、小当りに当選した場合には確変秘匿演出モードを継続させるようにしても良い。この場合、確変秘匿演出モード中に当り(特殊15R大当りまたは小当り)が到来する度に遊技者に、大当り確変状態への期待感を与えることができるので、遊技の面白みを向上させることができる。
また、上記の確変高期待度演出モードを設けた構成においても、特別図柄変動表示ゲームを所定回数消化した場合に所定の演出モードに移行させるように構成しても良い。たとえば、確変秘匿演出モードに移行後、特別図柄変動表示ゲームを30回消化した場合、次回の特別図柄変動表示ゲームからは、当該確変高期待度演出モードから確変秘匿演出モードまたは通常演出モードに降格させる。この場合、潜伏確変状態であればこれを秘匿可能になる。これにより、演出モードの降格がなされたとしても、大当り確変状態の期待感を遊技者に与えることができる。
また、演出モード移行契機として、上記では特別図柄変動表示ゲームを所定回数消化した場合に所定の演出モードに移行させるとして説明したがこれに限らず、毎ゲーム実行ごとに、または特別図柄変動表示ゲームを所定回数消化後の次回の特別図柄変動表示ゲームからは毎ゲーム実行ごとに、所定の抽選(モード移行抽選)に従い、現在の遊技状態に関連して、または無関係に所定の演出モードに移行させるように構成しても良い。
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技状態に関連する複数の演出モードを設定し、その演出モード間の行き来を可能にしている。特に、通常演出モード、または時短演出モード、あるいは確変秘匿演出モード中に小当りまたは特殊15R大当りに当選した場合、それらの当り遊技中の遊技動作態様は実質的に同じ動作態様で制御され、またこれらの当り中演出も双方共に同じ演出が行われ、その当り遊技終了後の演出モードも同じ演出モードに移行される。また、当り遊技終了後の内部的な遊技状態も特別図柄確変機能の作動状況に違いはあるものの、外観上に現れる機械的な遊技動作状態は同じ状態となる。本実施形態では、残余回数報知演出と相まって、上記の演出モードの行き来により、現在の特別図柄確変機能の連続作動回数が何回であるか、またはあと残り何回の大当りでリミッタ作動回数に到達するかをより一層不明確になるようにして、大当り確変状態の継続期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
<2.制御装置、図3>
図4は、上記のような遊技の進行状況に応じた遊技制御を行う制御装置の構成の概要を示した制御ブロック図である。
この制御装置は、遊技動作制御を統括的に司る主制御基板27(主制御部)と、主制御基板27から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出制御とを行う演出制御部21と、主制御基板27から払出制御コマンドを受けて、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板29とを中心に構成される。演出制御部21には、光と音についての演出制御を行う演出制御基板24と、この演出制御基板24からの指示を受けて画像についての演出制御を行う液晶制御基板25とが含まれ、液晶制御基板25には画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお本明細書においては、場合により、演出制御基板24の機能と液晶制御基板25の機能を特に区別することなく、両機能を併せ持つ制御装置部分を「演出制御部21」として説明する。
また、符号31は電源基板であり、電源基板31は外部電源に接続され、変圧トランス(図示せず)から供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。なお、図3には電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御基板27)
主制御基板27は、主制御CPU271を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データなどを格納した主制御ROM272と、ワークエリアが形成される主制御RAM273とを搭載していて、マイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能などを有するCTC(Counter Timer Circuit)やCPUに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
この主制御基板27は、大当り種別に属する第1の大当り(15R大当り)および第2の大当り(特殊15R大当り)と、当該大当り種別に属さない小当りとを含む複数種類の当りのうちからいずれかの当りとするかを抽選により決定するための当り抽選手段と、上記図柄遊技表示手段の表示結果が上記第1の大当りに対応する表示結果であることを条件に遊技者に有利な利益状態となる第1の大当り遊技(15R大当り遊技)を実行し、上記図柄遊技表示手段の表示結果が上記第2の大当りに対応する表示態様であることを条件に上記第1の大当り遊技よりも相対的に利益状態が低い第2の大当り遊技(特殊15R大当り)を実行し、上記図柄遊技表示手段の表示結果が上記小当りに対応する表示態様であることを条件に上記第2の当り遊技による遊技動作状態との違いを遊技者が識別困難とする小当り遊技を実行する当り遊技実行手段と、上記大当り種別に属する当りに対応する当り遊技が終了したことを条件に、上記当り抽選手段による大当り種別に属する当りの抽選確率を所定確率の低確率よりも高くした高確率とする大当り確率変動状態(大当り確変状態)を発生させる大当り確率変動制御手段と、上記大当り種別に属する当りによる当り遊技が所定の上限回数(リミッタ作動回数)に達するまで上記大当り確率変動状態の連続発生を許容するリミッタ手段と、上記上限回数の範囲内で前記第1の大当り遊技が終了したことを条件に、遊技者に有利な特定遊技状態(時短状態に相当する)を発生させる特定遊技制御手段と、して機能する。
また主制御基板27には、上始動口34への入賞を検出する上始動口34aと、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口40への入賞を検出する大入賞口センサ42aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、が接続され、主制御基板27はこれらの各検出信号を受信可能となっている。また主制御基板27は、上記各入賞口からの検出信号に基づき、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板29に送信する構成となっている。
また主制御基板27には、特別図柄表示装置38と、普通図柄表示装置39と、可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口40の幅広な開放扉42bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド42cと、が接続され、主制御基板27はこれら装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御基板27(主制御CPU271)は、所定の乱数カウンタ情報を利用し、「当り」または「ハズレ」のいずれであったかを抽選し、「当り」であれば当り種別も抽選し、その抽選結果に基づいて、特別図柄の変動パターンや停止図柄(停止特別図柄や抽選結果を反映させた停止装飾図柄)や予告演出(たとえば、擬似連演出やリーチ演出の有無)の有無を決定し、これら情報を指定する演出制御コマンドを作成して演出制御基板24に送信する構成となっている。
(2−2.演出制御部21)
演出制御部21には、演出制御基板24と液晶制御基板25とが含まれる。演出制御基板24は、演出制御CPU241を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データなどを格納した演出制御ROM242と、ワークエリアが形成される演出制御RAM243とを搭載していて、マイクロコンピュータを構成している。また、図示はしていないが、演出制御基板24には、音源IC、CTC、および割り込みコントローラ回路などが設けられている。この演出制御基板24の主な役割は、主制御基板27からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、液晶制御基板25への液晶制御コマンドの送信、スピーカ46の音制御、装飾ランプやLEDの発光制御である。
この演出制御部21は、所定の条件に基づいて、演出手段において現出する演出の演出モードを、大当り確率変動状態と所定の遊技状態とを含む遊技状態に関連して定められた複数種類の演出モードのうちからいずれかの演出モードに移行制御する演出モード移行制御手段と、上記演出モード下に応じた演出を実行制御する演出実行制御手段と、して機能する。
演出制御基板24は、光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部と、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部とを備えている。
また、演出制御基板24(演出制御CPU241)は、主制御基板27から送られてくる演出制御コマンドを受けて、そのコマンドに対応する演出パターンを選択し、液晶表示装置36の画面に映像で演出表示をさせるべく、液晶制御基板25に対して液晶制御コマンドを送信する構成となっている。
また、演出制御基板24には、枠演出ボタン13が接続されている。この枠演出ボタン13は遊技者が操作可能な押しボタンやジョグダイヤル式ボタンからなり、枠演出ボタン13の操作が有効である旨の報知期間中(たとえば、残余回数報知演出中のゲーム演出に遊技者が参加するとき)に操作されると、その操作に基づいて演出に変化をもたらすようになっている。
液晶制御基板25には、演出制御基板24から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDP60に出力する液晶制御CPU52と、演出制御(画像表示制御)手順を記述したプログラムを内蔵する制御ROM53と、ワークエリアやバッファメモリとして機能する制御RAM54とが設けられている。
また、液晶制御基板25には、液晶制御CPU52に接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)60と、VDP60が画像展開する必要な画像データを格納した画像データROM55やVDP60が展開した画像データを一時的に記憶するVRAM56などが設けられている。
この液晶制御基板25の主な役割は、演出制御基板24からの液晶制御コマンドの受信や液晶表示装置36の画像表示制御である。
特別図柄変動表示ゲームに関する情報は、当該ゲーム開始時に、当り抽選の結果(当りかハズレかの別、当りならばその当り種別)、作動保留球数情報、特別図柄の変動時間などのゲームに必要となる基本情報が、演出制御コマンド(たとえば、特別図柄の挙動情報を含む変動パターンコマンドや当り種別情報を含む装飾図柄指定コマンドがその代表例として挙げられる)により主制御部(主制御基板27)から演出制御部21(正確には演出制御基板24)へと送信される。そして、所定時間(特別図柄変動時間)経過後に、演出停止を指示する演出制御コマンド(演出停止コマンド)が主制御部(主制御基板27)から演出制御部21へと送信される。
また、遊技状態を指定する情報や演出モード移行に関する情報(リミッタ機能作動状況を含む)は、所定のタイミング(たとえば、遊技状態移行時や大当り遊技開始時)で、演出制御コマンド(遊技状態指定コマンドや大当り中コマンド)により主制御部(主制御基板27)から演出制御部21(演出制御基板24)へと送信される。これにより、演出制御基板24側で現出すべき演出モード決定され、演出モードの移行制御を行う。
演出制御部21側では、主制御基板27から送られてくる演出制御コマンドが解析され、これに基づく演出パターンが抽選により選択されるか、または一意的に決定される。そして、この決定された演出パターンを実行指示する制御信号が演出制御基板24から音響発生装置46aおよび光表示装置45aに送信される。さらにまた、上記決定された演出パターンに関連付けられた液晶制御コマンドが画像の表示が必要なタイミングで液晶制御基板に送信される。これにより、演出パターン対応する効果音の再生と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動、そして、画像表示による演出が実現される。
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、主制御CPU271は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御基板にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。演出制御CPU241は、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信する。ストローブ信号は主制御CPU271により、演出制御CPU241が確実にコマンドを受信することが可能な所定期間アクティブ状態に制御される。また、液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板24は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板25にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。
<3.主制御部側の処理、図9、図10>
次に、本発明の理解を容易なものとするため、先ず図9〜図10を参照して、主制御基板27側における処理手順を説明する。パチンコ遊技機1の主制御基板27側で行われる処理は、所定のメイン処理と約4msecごとに起動される所定の割り込み処理にて制御されている。メイン処理では、主に、大当り抽選に利用される乱数カウンタを更新する処理が行われており、割り込み処理では、主に、当り遊技や普電開放遊技を含む図柄変動表示ゲームに関する制御、遊技動作制御に必要なタイマの管理、スイッチやセンサの入出力状態の管理、遊技動作異常の監視、賞球の払い出しの管理などの役割を果たす処理が行われている。以下では、本発明に関連がある特別図柄変動表示ゲームに着目した遊技の一連の流れに主眼を置いた動作フローチャートを示し、普通図柄変動表示ゲームについての説明は省略する。
図9は本発明の第1実施形態に係る弾球遊技機の遊技処理の前半を、図10は図9の遊技処理の後半を示すフローチャートである。
まず図9において、主制御基板(主制御CPU271)27は、始動口入賞管理処理を行う(ステップS101)。本実施形態のパチンコ遊技機1は、2つの特別図柄表示装置38a、38bを有しているため、始動口入賞管理処理にて、これらに対応する上始動口34または下始動口35への入賞の有無が確認される。以下に始動口入賞管理処理について説明する。
(始動口入賞管理処理:図11)
図11に始動口入賞管理処理のフローチャートを示す。
まず図11において、主制御基板27は、上始動口34において入賞球を検出したか否かを確認する(ステップS131)。具体的には、始動口センサ34aからの検出信号入力の有無を確認する。
上始動口34において入賞球を検出した場合(ステップS131:YES)、第1特別図柄の作動保留球数(以下、「第1特別図柄作動保留球数」と称する)が4以上であるか否か判定する(ステップS132)。
第1特別図柄作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS132:NO)、第1特別図柄作動保留球数に1加算し(ステップS133)、乱数カウンタから第1特別図柄に関する当り抽選用乱数値を取得し、搭載RAM273の所定の領域に格納する(ステップS134)。
一方、ステップS131の処理において入賞球を検出していなかった場合(ステップS131:NO)か、またはステップS132の処理において特別図柄作動保留球数が4以上の場合(ステップS132:YES)には、ステップS133〜ステップS134の処理は行わずにステップS135の処理に進む。
続くステップS135の処理では、下始動口35において入賞球を検出したか否かを確認する(ステップS135)。具体的には、始動口センサ35aからの検出信号入力の有無を確認する。
下始動口35において入賞球を検出した場合(ステップS135:YES)、第2特別図柄の作動保留球数(以下、「第2特別図柄作動保留球数」と称する)が4以上であるか否か判定する(ステップS136)。第2特別図柄作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS136:NO)、第2特別図柄作動保留球数を1加算し(ステップS137)、乱数カウンタから第2特別図柄に関する当り抽選用乱数値を取得し、搭載RAM273の所定の領域に格納する(ステップS138)。これにより始動口入賞管理処理を抜けて、図9のステップS102の処理に進む。
再び図9に戻り、主制御基板27は、第2特別図柄作動保留球数および第1特別図柄作動保留球数の有無を順次確認する(ステップS102、ステップS105)。ここでは、作動保留球数の有無を確認して特別図柄変動表示ゲームの開始条件が成立したか否かを判定している。したがって、第1特別図柄作動保留球数および第2特別図柄作動保留球数が0である場合には、特別図柄変動表示ゲームの開始条件が成立していないと判断し、再びステップS101の始動口入賞管理処理に戻り、始動口センサ34a、35aからの検出信号入力の有無を確認する。
第2特別図柄作動保留球数が0でない場合(ステップS102:NO)、第2特別図柄作動保留球数を1減算し(ステップS103)、第2特別図柄当り判定処理を行う(ステップS104)。
第2特別図柄当り判定処理(ステップS104)では、ステップS138の処理で取得した当り抽選用乱数値に基づいて、当り判定処理を行う(ステップS104)。ここでは、第2特別図柄変動表示ゲームに関する当り抽選が行われ、その抽選結果に基づき、今回の特別図柄変動表示ゲームにて第2特別図柄表示装置38bに停止表示させる第2停止特別図柄が決定される。なお、ここでの当り抽選対象となる当りは、「15R大当り」である。
一方、第2特別図柄作動保留球数が0であって(ステップS102:YES)、第1特別図柄作動保留球数が0でない場合(ステップS105:NO)、第1特別図柄作動保留球数を1減算し(ステップS106)、第1特別図柄当り判定処理(ステップS107)を行う。
第1特別図柄当り判定処理(ステップS107)では、ステップS134の処理で取得した当り抽選用乱数値に基づいて、当り判定処理を行う。ここでは、第1特別図柄変動表示ゲームに関する当り抽選が行われ、その抽選結果に基づき、今回の特別図柄変動表示ゲームにて第1特別図柄表示装置38aに停止表示させる第1停止特別図柄を決定される。なお、ここでの当り抽選対象となる当りは、「15R大当り」、「特殊15R大当り」、「小当り」である。
以上のようにステップS102〜S107の処理により、特別図柄作動に関する優先順位に従い特別図柄変動表示ゲームが行われることになる。つまり、第2特別図柄作動保留球数がある場合、第1特別図柄作動保留球数の有無にかかわらず、優先的に第2特別図柄変動表示ゲームに関する当り抽選が行われ、第2特別図柄変動表示ゲームが行われるようになっている。これにより、下始動口35への入賞率が著しく高まる確変状態や時短状態下にあっては、第2特別図柄変動表示ゲームの実行機会が増加し、15R大当りが生起し易くなる。
なお、図示はしていないが、主制御基板27は、上記特別図柄変動表示ゲームを行う最中または当り遊技中に始動口センサ34a、35aからの検出信号の入力を確認した場合、当該検出信号に基づく作動保留球を、変動表示中にかかわるものを除き、上限の所定個数まで記憶するようになっている。
ステップS104の第2特別図柄当り判定処理またはステップS107の第1特別図柄当り判定処理を終えると、次に、当選時情報記憶処理を行う(ステップS108)。この当選時情報記憶処理では、上記ステップS107の当り抽選結果が「当り」であった場合、当り種別や当り当選時の遊技状態に関する情報(これらを総称して、以下「当り当選時データ」と称する)を搭載RAM273の所定の領域に格納する。ここで記憶された当り当選時データは、主に、当り遊技終了後の遊技状態や演出モードを決定するためのデータとして利用される(詳細は後述する)。
次に、変動パターン決定処理を行う(ステップS109)。この変動パターン決定処理では、特別図柄の挙動に関する変動パターン情報を含む変動パターンコマンドを、当り抽選結果と現在の遊技状態とに基づいて区分された複数種類の変動パターンコマンド群の中から抽選により決定する。この変動パターンコマンドには、変動パターン情報の他、装飾図柄に関する停止表示態様や演出に関する基本情報(たとえば、リーチ演出の有無)などが含まれる。また、上記変動パターンコマンドの送信に前後して、図柄指定コマンドも演出制御部21に送信される。この図柄指定コマンドには、当り種別情報が含まれる。また、図示はしていないが、ここでは、大当りに当選していた場合、条件装置の連続作動回数(大当りの連続当選回数)の計数処理が行われ、その計数結果情報(実際の残り大当り回数または現時点での大当り連続当選回数に関する情報)を含む条件装置連続作動回数情報コマンドも演出制御部21に送信される。
このとき、演出制御部21側では、ステップS109の処理で主制御基板27から送られてくる各種演出制御コマンドを受信すると、その内容を解析し、そのコマンドに対応する演出パターン(演出シナリオ)を、あらかじめ定められた複数種類の演出パターン群の中から目的とする演出パターンを選択する。これにより、特別図柄変動表示ゲームの抽選結果を反映させた演出が演出手段により現出される。また演出制御部21は、変動パターンコマンドを受信する度に、現在の演出モードから特別図柄変動表示ゲームが何回行われたかを把握している。また、上記条件装置連続作動回数情報コマンドには、実際の残り大当り回数または現時点での大当り連続当選回数に関する情報が含まれるため、これを利用して、装飾図柄変動表示ゲーム中に、大当り確変状態の継続期待度の高低を表す期待演出を現出させたり、当りとする場合に、大当り確変状態の継続を確定的に報知する所定の停止表示態様で装飾図柄を停止表示したりすることができる。
次に、特別図柄の変動表示を開始し、特別図柄変動表示ゲームを開始させる(ステップS110)。このとき、演出制御部21側では、特別図柄変動表示ゲームに連動して、装飾図柄の変動表示を開始し、上記演出シナリオに対応するように、光音制御信号や発光制御信号の出力が行われ、また液晶制御コマンドが液晶制御基板25に送信され、画像と光と音についての演出が実行される。これにより、特別図柄変動表示ゲームと装飾変動表示ゲームとが実現される。
ここで、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームに表現されるので、以下では、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉え、特に必要がない限り特別図柄と装飾図柄を区別することなく単に「図柄」と表現する。
図10のフローチャートに進み、図柄変動表示ゲームが開始されて所定時間が経過すると、特別図柄が停止表示され、これに伴い演出停止コマンドが主制御基板27から演出制御部21に送信され、図柄変動表示ゲームが終了される(ステップS111)。
そして、特別図柄表示装置における停止特別図柄が当りを示す特別図柄(当り図柄)でない場合、つまり「ハズレ」の場合(ステップS112:NO)には、次に、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定し(ステップS117)、時短状態中でない場合には(ステップS117:NO)、図7のステップS101の処理に進む。一方、時短状態中である場合には(ステップS117:YES)、時短遊技管理処理(ステップS125)を行って、図7のステップS101に進む。この時短遊技管理処理では、時短状態を継続させる特別図柄変動表示ゲーム回数の管理処理を行い、時短状態に突入してから所定回数(本実施形態では、100回)の特別図柄変動表示ゲームが消化されたときには、時短状態を解除する(特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動状態を未作動状態に設定する)。これにより、次回の特別図柄変動表示ゲームの内部的な遊技状態は、時短状態から通常状態に移行される。これに伴い、次回の特別図柄変動表示ゲーム開始時には、通常状態に移行した旨の情報が演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)により演出制御部21に送信され、演出モードが時短演出モード(夕方背景演出)から通常演出モード(朝方背景演出)に移行される。
一方、特別図柄表示装置における停止特別図柄が当りを示す特別図柄(当り図柄)である場合(ステップS112:YES)、主制御基板27は、その当り図柄が大当り種別に属する当り、つまり15R大当りまたは特殊15R大当りであるならば、大当り判定フラグをオン(設定状態)にする。これにより、条件装置作動条件が成立し(条件装置作動開始)、リミッタ機能が作動中の場合には、リミッタ機能の作動を終了させる。しかし、小当りの場合にあっては、大当り判定フラグはオンにせずオフ(非設定状態)が維持され、条件装置作動条件は成立しない。
次に、当り開始コマンド決定処理を行う(ステップS113)。この当り開始コマンド決定処理では、まず、ステップS108の当選時情報記憶処理(図9)で記憶した「当り当選時データ」の内容を確認し、次に、図12に示す当り開始コマンド選択テーブルに基づき、当り当選時データに対応する当り開始コマンドを決定し、決定したコマンドを演出制御部21に送信する。
(当り開始コマンド選択テーブル:図12)
図12の当り開始コマンド選択テーブルは、当り当選時の「遊技状態(リミッタ作動状態を含む)」とその「当り種別」の組み合わせにより区分される当り開始コマンドを例示したものである。図12において、当り開始コマンドは2バイト構成である。1バイト目はMODE(コマンドの分類(当り開始))を表し、2バイト目はEVENT(コマンドの種類(遊技状態および当り種別)を表す。
図示の当り開始コマンド選択テーブルにおいて、当り種別が15R大当りに属する当り開始コマンドのF901[H]、F911[H]、F921[H]、F931[H]、F941[H]は、それぞれ当選時の遊技状態が「通常状態」、「時短状態」、「確変状態」、「潜伏確変状態」、「リミッタ作動時」に対応している。同様に、特殊15R大当りと小当りについても、それぞれ、当選時の各遊技状態に対応する当り開始コマンドが定められている。なお、「リミッタ作動時」とは、リミッタ作動回数に達したときの大当りを示しており、リミッタ作動時であれば当選時の遊技状態は必ず「確変状態」であるので、リミッタ作動状態情報を含むコマンドは、15R大当り、特殊15R大当り共にそれぞれ1種類となっている。また、小当りは、リミッタ機能の作動状態に係る当り種別ではないので、小当りに関しては、「リミッタ作動時」に属するコマンドは設けられていない。
上記の当り開始コマンドを受信した演出制御部21側では、これを解析することにより、当り当選時の遊技状態とそのときに当選した大当りの種別を知ることができる。たとえば、受信した当り開始コマンドがF901[H]であれば、「当り当選時が通常状態であり、かつその時に当選した当り種別が15R大当りであった」ということを知ることができる。
上記の関係は、他の当り開始コマンドを受信した場合にも成り立ち、当り当選時の遊技状態とその当り種別とを知ることができる。ステップS113では、このような情報を含むコマンドが主制御基板27から演出制御部21に送信されることになる。
上記当り開始コマンド決定処理(ステップS113)に続いて、当り遊技実行処理を行う(ステップS114)。当り遊技実行処理では、当り遊技に関する特別変動入賞装置42による大入賞口40の開閉動作制御が行われる。具体的には、大入賞口ソレノイド42cにソレノイド制御用の励磁制御信号を送信して大入賞口40を所定のパターンに従い開閉制御し、当り遊技を実行制御する。また、条件装置作動中であれば、役物連続作動装置が作動し、規定ラウンド数に達するまでラウンド遊技が行われる。
一連の当り遊技動作が終了した後、主制御基板27は、当り遊技終了処理を行う(ステップS115)。この当り遊技終了処理では、条件装置の作動を終了させたり、エンディング演出を実行指示する演出制御コマンド(当り終了コマンド)を送信したりする。
ステップS115の当り終了処理が終了すると、次に述べる遊技状態移行準備処理を行う(ステップS116)。
(遊技状態移行準備処理:図13)
図13に遊技状態移行準備処理のフローチャートを示す。
この遊技状態移行準備処理では、当り遊技終了後に移行させる遊技状態を決定する。移行先として選択し得る遊技状態には、通常状態、時短状態、潜伏確変状態、確変状態の4つがあり、ここでは、図5に示した遊技状態移行テーブルに基づいて、上記4つの遊技状態のうちいずれに移行させるかを決定する。
図13において、主制御基板27は、まず、大当り判定フラグがオン(設定状態)であるか否かを判定する(ステップS201)。大当り判定フラグがオンでない場合、つまり今回の当りが小当りであった場合(ステップS201:NO)、遊技状態の移行は生じないので、そのまま何もせずに遊技状態移行準備処理を抜ける。
一方、大当り判定フラグがオンである場合(ステップS201;YES)、次に、確変動継続カウンタに1加算する(ステップS202)。この確変継続カウンタは、大当り種別に属する当りの連続当選回数を計数するカウンタであり、本実施形態では、条件装置の作動契機となる15R大当りまたは特殊15R大当りに当選したことを条件に、1加算される。
次に、上記確変継続カウンタのカウンタ値がリミッタ作動回数(本実施形態では、7回)に達したか否かを判定する(ステップS203)。リミッタ作動回数に達していない場合(ステップS203:NO)、ステップS206に進む。
一方、リミッタ作動回数に達した場合(ステップS203:YES)、確変継続カウンタをクリアし(ステップS204)、リミッタ機能を作動中に設定する(ステップS205)。これにより、今回の大当り遊技終了後の遊技状態下において特別図柄確変機能は作動せず、その機能の連続作動回数が制限されることになる。
ステップS206の処理では、残余回数指定コマンドを演出制御部21に送信する。この残余回数指定コマンドには、確変継続カウンタに基づき算出された実際の残り大当り回数情報が含まれる。この残り大当り回数情報は、実際の残り大当り回数でなくても良く、確変継続カウンタ値情報、つまり、現在の大当り連続当選回数情報であっても良い。この残余回数指定コマンドが主制御基板27から演出制御部21に送られることにより、演出制御部21側は実際の残り大当り回数を把握することができる。なお、大当り当選時には、条件装置連続作動回数情報コマンドが主制御基板27から演出制御部21に送られてくるため、このコマンドによっても実際の残り大当り回数を把握することができる。具体的には、残余回数指定コマンドには、今回の大当りが終了した時点での残り大当り回数情報が含まれ、条件装置連続作動回数情報コマンドには今回の大当りが当選した時点(大当り遊技開始直前)での残り大当り回数情報が含まれる。すなわち、残余回数指定コマンドが有する残り大当り回数情報から1減算した回数が、条件装置連続作動回数情報コマンドが有する残り大当り回数情報となっている。
次に、当選時データと遊技状態移行テーブル(図5参照)とに基づき、所定の遊技状態への移行設定を行う(ステップS207)。ここでは、既に説明したように、図5に示す遊技状態移行テーブルが参照され、当選時データに含まれる当選時の遊技状態と大当り種別、そして、リミッタ機能の作動状況に基づき、移行先となる遊技状態が決定される。これにより、次回の図柄変動表示ゲームにおける内部的な遊技状態が変更される。
次に、大当り判定フラグをクリアし(ステップS208)、これにより遊技状態移行準備処理を抜けて図9のステップS101の処理に進む。
<演出制御部側の処理:図14、図15>
次に、図14、図15を参照して、演出制御部21側における処理手順について説明する。演出制御部21の制御主体は、正確には演出制御基板24のサブCPU241や液晶制御基板25の液晶制御CPU52などを含んだものであるが、主制御基板27から演出制御コマンドを受けた演出制御基板24(サブCPU241)側が、これに関連する液晶制御コマンドを液晶制御基板25に送信する関係上、以下では、演出制御基板24側に着目した処理手順を説明し、特に必要がない限り、演出制御基板24の機能と液晶制御基板25の機能とを区別することなく、演出処理を実行する主体を演出制御部21として説明する。またCPU、RAMなどは、演出制御基板24のサブCPU241、サブRAM243などで代表させる。
パチンコ遊技機1の演出制御部27側で行われる処理は、所定のメイン処理と約2msecごとに起動される所定の割り込み処理にて制御されている。メイン処理では、主に、
演出パターン抽選に利用される演出抽選用乱数カウンタを更新する処理が行われており、割り込み処理は、演出制御コマンド受信時のコマンド受信割り込み処理と、受信した演出制御コマンドに関連する演出処理を行うタイマ割込処理とを含み、これらの処理が連携して演出手段に現出すべき演出が制御されている。以下では、本発明に特に関連する演出制御部21側の処理について説明し、他の処理についての説明は省略する。
(演出状態移行処理:図14)
図14は、演出状態移行処理を示すフローチャートを示す。
この演出状態移行処理では、演出モード移行契機が到来したことを条件に、所定の演出モードに移行させる処理である。既に説明したように、演出モード移行契機には、15R大当り、特殊15R大当り、または小当りの当選した場合、時短状態に移行後の図柄変動表示ゲームを所定回数(本実施形態では、100回)終了した場合、確変秘匿演出モードに移行後の図柄変動表示ゲームを30回転消化した場合がある。
図14において、演出制御部21は、まず、演出モード移行契機が到来したか否かを判定する(ステップS301)。ここでは、主制御基板24から送られてくる演出制御コマンド(たとえば、当り開始コマンドや変動パターンコマンド)に基づいて、いずれの演出モード移行契機が到来したか否かを判定する。
演出モード移行契機が到来していない場合(ステップS301:NO)、そのまま何もせずに演出状態移行処理を終了する。一方、演出モード移行契機が到来した場合(ステップS301:YES)、その移行契機種別と演出モード移行テーブル(図9参照)とに基づき、所定の演出モード(演出状態)への移行設定を行う。ここでは、既に説明したように、図9に示す演出モード移行テーブルが参照され、到来した演出モード移行契機と現在の演出モード、そして画面表示上大当り回数に基づき、移行先となる演出モードが決定される。これにより、次回の図柄変動表示ゲームにおける演出モードが変更され、この演出モード下での演出が現出されることになる。
(当り中演出処理:図15)
図15は、当り中演出処理を示すフローチャートである。
この当り中演出処理では、当り種別に対応した当り中演出に関する処理を行う。
図15において、演出制御部21は、まず、主制御基板27から送られてきた当り開始コマンドを解析し(ステップS501)、当り種別に対応して処理を分岐させる(ステップS502)。
(15R大当りの場合:ステップS503、S504)
今回の当り種別が15R大当りであった場合、演出制御部21は、残余回数報知演出抽選を行う(ステップS503)。ここでは、図6の残余回数報知演出テーブルが参照され、実際の残り大当り回数(主制御基板27から送られてくる上記残余回数指定コマンドにより把握されている)と画面表示上大当り回数とに基づき、報知すべき残り大当り回数を抽選により決定し、15R大当り中演出として、演出1〜7の複数種類の演出パターンの中からいずれかを抽選により選択する。
次に、演出制御部21は、当り遊技の進行に伴い、15R大当り中演出に関する演出処理を実行する。15R大当り遊技中では、当り遊技の進行に伴い、演出の発生タイミングを指定するための演出制御コマンドが主制御基板27から演出制御部21に送られてくる。この演出制御コマンドには、当り開始コマンド、当り終了コマンド、ラウンド表示コマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンドなどがあり、これらのコマンドに基づいて、15R大当り中演出が実行される。この15R大当り中の演出の実行とは、液晶表示装置36での画像の表示、装飾ランプ45や発光装置からの光演出、スピーカ46からの音演出を制御し、オープニング演出に続くラウンド間インターバル中の演出やラウンド中演出、エンディング演出の実行である。なお、ラウンド中演出においては、必要に応じて残余回数報知演出が行われ、その内容については、ステップS503の処理で抽選された残り大当り回数に応じて適宜選択されるようになっている。また、上記の当り開始コマンドは、「当選時データ」に基づくコマンドの区分けにより「当選時の遊技状態」や「当り種別」の情報を有している。したがって、このコマンドを解析することにより、演出制御部21側でそのコマンドに含まれている情報を把握し管理することができる。
(特殊15R大当り、小当りの場合:ステップS506)
特殊15R大当りまたは小当りの場合、演出制御部21は、これらの当りに対応する当り中演出に関する演出処理を行う。本実施形態では、特殊15R大当りと小当りとによる当り中演出は、双方共に同一の演出が展開されるようになっている。小当りや特殊15R大当りによる当り中演出では、ラウンド中演出やラウンド間インターバル中の演出などは行われず、残余回数報知演出も行われないが、所定の当り中演出が行われるようになっている。なお、特殊15R大当り中演出中または小当り中演出中にて大当り回数増加演出が行うように構成した場合、これら当り中演出中の大当り回数増加演出は、画面表示上大当り回数と実際の残り大当り回数との差に基づき、抽選により決定することが好ましい。
そして、上記のいずれかの当り中演出が終了すると、次に、液晶表示装置36の画面上に表示する残り大当り回数を更新するための画面表示上大当り回数設定処理を行う(ステップS505)。ここでは、必要に応じて、画面表示上大当り回数を表示するための演出処理を行い、今回表示することになる画面表示上大当り回数情報を搭載RAM243の所定の領域に格納する。これにより、15R大当り中演出終了後には、残余回数報知演出にて報知された残り大当り回数が表示される。また、特殊15R大当り中演出終了後または小当り中演出終了後には、画面表示上大当り回数から1減算した回数が表示される。なお、上述した特殊15R大当り中演出または小当り中演出に大当り回数増加演出が行うように構成した場合、当該大当り回数増加演出にて報知された残り大当り回数が表示されることになる。
以上、図面を参照しながら本発明の好ましい一実施形態に係る弾球遊技機について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明を逸脱しない範囲において各種構成要素の改変が可能である。たとえば、パチンコ遊技機に限らず、他の遊技機であっても、リミッタ機能を有する遊技機であれば、本発明を適用することが可能である。