JP2012247519A - 位相差層付偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】立体画像表示のクロストークを低減し得る位相差層付偏光板を提供すること。
【解決手段】本発明の位相差層付偏光板100は、偏光子11と偏光子11の両側にそれぞれ配置された保護層21,22とを有する偏光板10と、偏光板10の片側に配置された位相差層30と、偏光板10のもう片側に配置された第1の接着層41と、偏光板10と位相差層30との間に配置された第2の接着層42とを有する。位相差層30は、それぞれが異なる方向に遅相軸を有する複数の領域を所定のパターンで有する。第1の接着層41のクリープズレ量(L1)は100μm以下である。ここで、クリープズレ量は、厚み20μm、接着面積100mmの接着層において、23℃で4.9Nの引張りせん断力を加えた場合の1時間後のズレ量を示す。
【選択図】図1

Description

本発明は、位相差層付偏光板に関する。より詳細には、本発明は、パターン化された位相差層を有する位相差層付偏光板に関する。
従来、立体(3次元)画像表示に関する技術について、数多くの研究がなされ実用化されている。立体表示の基本原理は、観測者の左右の眼に異なる画像を提供することによるものである。立体画像表示に関する技術としては、代表的には、観測者に特殊な眼鏡等を装着させる眼鏡方式と、眼鏡等を装着しない裸眼方式とが挙げられる。眼鏡方式においては、左目用の映像と右目用の映像を交互に切り換えて出力する時分割方式と、液晶セルの1ライン毎に偏光方向の異なる左右の映像を出力する空間分割方式とがある。空間分割方式においては、液晶セルの1ライン毎に偏光方向の異なる左右の映像を出力するために、液層セルの1ライン毎に対応したパターン状の位相差を発現させる必要がある。パターン状の位相差を発現させる手段としては、遅相軸方向が異なる領域をパターン状に有する位相差板(パターンリターダー)が知られている(例えば、特許文献1)。
上記のようなパターンリターダーは、通常、立体(3次元)画像表示用液晶表示装置において、視認側偏光板のさらに視認側に配置される。しかし、加熱や加湿等の条件下において、クロストークが発生するという問題が生じ得る(特に、パターンリターダーの機能を、視認側偏光板の視認側保護層に付与させた場合)。なお、クロストークとは、左右の画像のそれぞれが他方の画像に混入することである。
特許第3372016号
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、立体画像表示のクロストークを低減し得る位相差層付偏光板を提供することにある。
本発明の位相差層付偏光板は、偏光子と該偏光子の両側にそれぞれ配置された保護層とを有する偏光板と、該偏光板の片側に配置された位相差層と、該偏光板のもう片側に配置された第1の接着層と、該偏光板と該位相差層との間に配置された第2の接着層とを有し、該位相差層が、それぞれが異なる方向に遅相軸を有する複数の領域を所定のパターンで有し、該第1の接着層のクリープズレ量(L1)が100μm以下である。
好ましい実施形態においては、上記位相差層の面内位相差Re(590)が、90nm〜190nmである。
好ましい実施形態においては、上記位相差層の上記所定パターンが、異なる方向に遅相軸を有する2つの領域が交互に配置されたストライプ状である。
好ましい実施形態においては、上記異なる方向に遅相軸を有する2つの領域が、それぞれ、液晶セルの1ラインに対応する。
本発明の別の局面によれば、液晶パネルが提供される。この液晶パネルは、上記位相差層付偏光板を有する。
本発明の別の局面によれば、液晶表示装置が提供される。この液晶表示装置は、上記液晶パネルを有する。
本発明によれば、偏光板の片側に特定のクリープ特性を満足する接着層を設けることにより、立体画像表示のクロストークを低減し得る位相差層付偏光板を得ることができる。
本発明の好ましい実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態による位相差層付偏光板における位相差層のパターンの一例を示す概略平面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
面内位相差(Re)は、23℃、特に明記しなければ波長590nmにおける層(フィルム)の面内位相差値をいう。Reは、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、Re=(nx−ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
厚み方向の位相差(Rth)は、23℃、特に明記しなければ波長590nmにおける層(フィルム)の厚み方向の位相差値をいう。Rthは、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、Rth=(nx−nz)×dによって求められる。
(4)クリープズレ量(L)
クリープズレ量(L)は、厚み20μm、接着面積100mmの接着層において、23℃で4.9Nの引張りせん断力を加えた場合の1時間後のズレ量をいう。
A.位相差層付偏光板
図1は、本発明の好ましい実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。位相差層付偏光板100は、偏光板10と、偏光板10の片側(代表的には、視認側)に配置された位相差層30と、偏光板10のもう片側に配置された第1の接着層41と、偏光板10と位相差層30との間に配置された第2の接着層42とを有する。図示例では、偏光板10は、偏光子11と、偏光子11の両側にそれぞれ配置された保護層21,22とを有する。代表的には、位相差層付偏光板100は、その第1の接着層41が貼り合わされて、液晶セル(代表的には、視認側)に積層される。
B.偏光板
上記偏光板は、少なくとも偏光子を有する。偏光板は、さらに偏光子の保護層を有していてもよい。具体的には、偏光板は、偏光子の両側それぞれに保護層が配置された構成であってもよいし、偏光子の片側にのみ保護層が配置された構成であってもよい。
B−1.偏光子
上記偏光子としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいてもよいし、ヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。
ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行ってもよいし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
偏光子の厚みは、一般的に1μm〜80μm程度であり、好ましくは5μm〜40μmである。
偏光子のホウ素含有量は、好ましくは3重量%〜5.5重量%、さらに好ましくは3.4重量%〜5.5重量%である。このような偏光子は、加熱や加湿等の条件下における寸法変化(収縮)が小さく、クロストークの低減に寄与し得る。ホウ素含有量が3重量%未満である場合には、耐水性が不十分となるおそれがある。一方、ホウ素含有量が3.9重量%を超える場合には、耐久性が不十分となるおそれがある。例えば、偏光板化してヒートサイクル試験を行ったとき、偏光子の延伸方向に破断が発生しやすくなる。なお、偏光子のホウ素の含有量は、例えば、高周波誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)発光分光分析法により、偏光子の重量に対するホウ素の重量分率(%)として算出することができる。ホウ素は、代表的には、偏光子中に、ホウ酸またはそれがポリビニルアルコールのユニットと架橋構造を形成した状態で存在すると考えられるが、ここでいうホウ素含有量は、ホウ素(B)としての値である。
B−2.保護層
上記保護層は、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
保護層の厚みは、好ましくは20μm〜100μmである。
C.位相差層
上記位相差層は、代表的には、λ/4板として機能し得る。λ/4板は、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または、円偏光を直線偏光に)変換し得る。このような位相差層の面内位相差Re(590)は、好ましくは90nm〜190nmであり、より好ましくは100nm〜170nmであり、さらに好ましくは110nm〜150nmである。位相差層は、好ましくは、nx>ny>nzまたはnx>ny=nzの屈折率楕円体を有する。本明細書において、「ny=nz」は、nyとnzが厳密に等しい場合のみならず、nyとnzが実質的に等しい場合も包含する。
位相差層は、それぞれが異なる方向に遅相軸を有する複数の領域を所定のパターンで有する。パターンの代表例としては、ストライプ状、チェッカー状、モザイク状が挙げられる。このような構成を有することにより、観測者の左右の眼に異なる画像を提供することができ、結果として、3次元(立体)画像を提供することができる。なお、本明細書において例えば「面内位相差Re(590)が140nmである」とは、好ましくは、当該複数の領域の面内位相差がそれぞれ140nmであることを意味する。代表的には、位相差層は、それぞれが異なる方向に遅相軸を有する2つの領域を所定のパターンで有する。代表的には、当該2つの領域の遅相軸方向は、互いに実質的に直交している。このような構成であれば、当該2つの領域が偏光方向の異なる画像を提供することができ、結果として、良好な3次元画像を提供することができる。
位相差層の上記所定パターンは、好ましくは、図2に示すように、異なる方向に遅相軸を有する2つの領域31および32が交互に配置されたストライプ状である。ストライプの方向は、表示画面の水平方向(左右方向)であってもよく、垂直方向(上下方向)であってもよい。上記と同様に、当該ストライプ状の2つの領域の遅相軸方向は、互いに実質的に直交している。好ましくは、当該異なる方向に遅相軸を有する2つの領域は、それぞれ、液晶セルの1ラインに対応する。言い換えれば、ストライプ状パターンにおけるストライプの幅は、液晶セルの1ラインに対応する。本明細書において「液晶セルの1ライン」とは、マトリクス状に配列された画素の垂直方向または水平方向の一列をいう。ストライプ状パターンは、好ましくは、隣接する領域同士の間にブラックストライプを有する。ブラックストライプは、好ましくは、液晶セルのブラックマトリクスに対応する位置に形成され得る。ブラックストライプを設けることにより、クロストークがさらに低減され得る。
位相差層における上記遅相軸方向が異なるそれぞれの領域の遅相軸方向は、好ましくは、上記偏光子の吸収軸方向と実質的に±45°の関係である。位相差層の面内位相差が上記の好適な範囲であって、さらに、それぞれの領域の遅相軸方向と偏光子の吸収軸方向とがこのような関係であれば、左目用画像および右目用画像の両方が良好な円偏光となるので、良好な立体画像表示を実現することができる。
1つの実施形態においては、位相差層は、基材フィルム上に、光硬化型液晶ポリマーを異なる配向状態で固定することにより形成された、それぞれが異なる方向に遅相軸を有する複数の領域を有する。このような位相差層は、例えば、以下のようにして形成される:まず、基材フィルム上に光配向膜を形成し、偏光露光法を用いて所定の方向に配向規制力を付与する。例えば、液晶セルの1ライン毎にストライプの方向に対して交互に+45°、−45°の配向規制力が与えられた領域を有する光配向膜を形成する。次いで、当該光配向膜上に光硬化型液晶ポリマー層を形成し、当該光硬化型液晶ポリマー層に紫外線を照射して液晶ポリマーの配向状態を固定することにより、それぞれが異なる方向に遅相軸を有する複数の領域(例えば、液晶セルの1ライン毎にストライプの方向に対して交互に+45°、−45°の遅相軸方向を有する2つの領域)を形成する。当該領域の面内位相差は、位相差層全体の面内位相差が上記好適範囲となるように、基材フィルムの面内位相差を考慮して調整され得る。
基材フィルムの線膨張係数は、好ましくは5.0×10−4(1/℃)以下であり、より好ましくは1.0×10−4(1/℃)以下である。基材フィルムを構成する材料としては、例えば、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂が挙げられる。環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。具体例としては、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとの共重合体(代表的には、ランダム共重合体)、および、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト変性体、ならびに、それらの水素化物が挙げられる。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーが挙げられる。上記ポリカーボネート系樹脂としては、本発明の効果が得られる限りにおいて任意の適切なポリカーボネート系樹脂が用いられる。例えば、芳香族2価フェノール成分とカーボネート成分とからなる芳香族ポリカーボネートが好ましく用いられる。
別の実施形態においては、位相差層は、光異性化物質を含有する高分子材料から形成され得る。光異性化物質は、光照射等により構造異性体または立体異性体を生じるので、所定のパターンで光照射を行うことにより、遅相軸方向が異なる領域を所定のパターンで形成することができる。光異性化物質は、代表的には、光異性化性官能基を有する任意の適切なフォトクロミック化合物である。具体例としては、アゾベンゼン系化合物、ベンズアルドキシム系化合物、アゾメチン系化合物、スチルベン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、フルギド系化合物、ジアリールエテン系化合物、ケイ皮酸系化合物、レチナール系化合物、およびヘミチオインジコ系化合物が挙げられる。好ましくは、アゾベンゼン系化合物、スピロピラン系化合物、およびケイ皮酸系化合物であり、特に好ましくはケイ皮酸系化合物である。また、光異性化物質は、モノマーであってもよく、ポリマーであってもよい。
上記高分子材料としては、任意の適切な高分子材料が採用され得る。さらに、高分子材料は、好ましくは、重合性樹脂を含有し得る。重合性樹脂を含有することにより、光異性化物質の配向を固定することができる。より詳細には、重合性樹脂は、一旦、光照射または加熱によって光異性化物質の配向を固定するように重合した後は、さらなる光照射または加熱が行われても、光異性化物質の所望でない構造異性化を引き起こさない役割を果たし得る。すなわち、重合性樹脂は、位相差層において固定された遅相軸方向を常に安定に保持し得る。このような重合性樹脂としては、例えば、不飽和二重結合を有する化合物、親電子基を有する化合物、求核基を有する化合物、および、重合性液晶構造を有する化合物が挙げられる。
光異性化物質を含有する高分子材料を用いた位相差層の形成方法について簡単に説明する。まず、上記光異性化物質、高分子材料、および必要に応じて重合成樹脂を含む組成物から、前処理シートが形成される。前処理シートの成形方法としては、任意の適切な方法(例えば、溶液流延法、溶融製膜法(溶融押出し法)、塗布法)が採用され得る。例えば、溶融製膜法を行う場合、上記組成物を所定温度で溶融し、ダイから冷却ロールにキャストすることにより、前処理シートが作製され得る。前処理シートは、未延伸の状態で使用されることもあるが、好ましくは所定の方向に一軸延伸され得る。一軸延伸を行うことにより、後述の光照射によって、複数の領域のそれぞれの遅相軸方向をさらに均一に揃えることができる。一軸延伸の方法および条件(例えば、延伸倍率および延伸温度)は、当業者により適切に選択され得る。
次いで、前処理シートに照射強度分布を有する光を照射して、遅相軸方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成される。照射強度分布を有する光を照射する方法としては、代表的には、所定のパターンを有するマスクを介して光を照射する方法が挙げられる。照射光は、好ましくは直線偏光である。このようにして、それぞれが異なる方向に遅相軸を有する複数の領域を所定のパターンで有する位相差層を形成することができる。
なお、光異性化物質を含有する高分子材料を用いる位相差層(位相差フィルム)の詳細については、特許第3372016号に記載されており、当該記載は本明細書に参考として援用される。
位相差層は上記の形態に限られず、本発明の効果が得られる限りにおいて任意の適切な形態が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコールフィルムを面内で選択的に非晶化させて所定のパターン(例えば、1ライン毎に遅相軸方向の異なる領域が交互に配されたストライプパターン)を形成した、所定の位相差(例えば、1/2波長の位相差)に対応したパターンリターダーフィルム;所定の波長(例えば、1/2波長)の領域が所定のパターン(例えば、ストライプパターン)で形成された層上に、パターン化されていない所定の波長(例えば、1/4波長)の位相差層を設けたパターンリターダーフィルム;が位相差層として用いられ得る。
D.接着層
本明細書において、「接着層」とは、隣り合う光学部材の面と面とを接合し、実用上十分な接着力と接着時間で一体化させるものをいう。接着層を形成する材料としては、例えば、粘着剤、接着剤、アンカーコート剤が挙げられる。上記接着層は、被着体の表面にアンカーコート層が形成され、その上に接着剤層が形成されたような、多層構造であってもよい。また、肉眼的に認知できないような薄い層(ヘアーラインともいう)であってもよい。
第1の接着層のクリープズレ量(L1)は、好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。第1の接着層がこのような特性を有することにより、クロストークを良好に低減することができる。具体的には、加熱や加湿等の条件下における偏光子の寸法変化(収縮)を抑制して、当該寸法変化が位相差層へ与える影響(例えば、位相差層の寸法変化)を低減することができる。その結果、パターン化された位相差層(パターンリターダー)のパターンと液晶セルのラインが対応しなくなってクロストークが発生するという問題を改善することができる。
接着層の厚みは、目的に応じて適切に設定され得る。厚みは、好ましくは2μm〜50μmであり、さらに好ましくは2μm〜40μmであり、特に好ましくは5μm〜35μmである。このような範囲内に厚みを設定することにより、適切な接着性を有する接着層を得ることができる。
接着層の23℃における波長590nmの光で測定した透過率は、好ましくは90%以上である。透過率の理論上の上限は100%であり、実用的な上限は96%である。
接着層のゲル分率は、好ましくは75%以上であり、さらに好ましくは75%〜90%であり、特に好ましくは80%〜85%である。ゲル分率をこのような範囲とすることによって、良好な粘着特性を有する接着層が得られ得る。ゲル分率は、用いる架橋剤の種類、含有量等によって、調節することが可能である。
接着層のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−70℃〜−10℃であり、さらに好ましくは−60℃〜−15℃であり、特に好ましくは−50℃〜−20℃である。ガラス転移温度をこのような範囲とすることによって、位相差層に対して強固な接着性を有する接着層を得ることができる。
接着層の水分率は、好ましくは1.0%以下であり、さらに好ましくは0.8%以下であり、特に好ましくは0.6%以下であり、最も好ましくは0.4%以下である。水分率の理論上の下限値は0である。水分率をこのような範囲とすることによって、高温環境下でも発泡の生じにくい接着層を得ることができる。
接着層は、好ましくは、アクリル系粘着剤で構成される。アクリル系粘着剤は、好ましくは、(メタ)アクリル系ポリマーと過酸化物とを含む。(メタ)アクリル系ポリマーは、アクリレート系モノマーおよび/またはメタクリレート系モノマーから合成される重合体または共重合体をいう。(メタ)アクリル系ポリマーが共重合体である場合、その分子の配列状態は特に制限はなく、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。上記(メタ)アクリル系ポリマーの好ましい分子配列状態は、ランダム共重合体である。
上記過酸化物としては、加熱によりラジカルを発生させて(メタ)アクリル系ポリマーの架橋を達成できるかぎり、任意の適切な過酸化物が用いられ得る。過酸化物としては、例えば、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類、パーオキシケタール類、ケトンパーオキサイド類が挙げられる。過酸化物の配合量は、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して好ましくは0.01重量部〜1重量部であり、さらに好ましくは0.05重量部〜0.8重量部であり、特に好ましくは0.1重量部〜0.5重量部であり、最も好ましくは0.15〜0.45重量部である。過酸化物の配合量をこのような範囲とすることで、適度な応力緩和性および優れた熱安定性を有する接着層が得られ得る。
E.その他
本発明の位相差層付偏光板においては、上記位相差層の視認側に、目的に応じて任意の適切な表面処理層を形成してもよい。表面処理層の代表例としては、アンチグレア層、反射防止層およびハードコート層が挙げられる。
アンチグレア層は、画像表示装置の表面で外光が反射することによる透過光の視認性低下の防止等を目的として設けられる。アンチグレア層は、形成されるフィルム表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。アンチグレア層を形成する材料としては、代表的には、透明樹脂が挙げられる。具体例としては、イソシアヌル酸トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのようなアクリル系樹脂、イソホロンジイソシアネートポリウレタンのようなウレタン系樹脂を含有する紫外線硬化型樹脂が挙げられる。微細凹凸構造の付与は、任意の適切な方式で行われる。代表例としては、粗面化(例えば、サンドブラスト、エンボス加工)、微粒子の配合が挙げられる。微粒子を用いる場合、当該微粒子としては、目的に応じて任意の適切な微粒子が採用され得る。好ましくは、透明微粒子である。具体的には、微粒子は、無機系微粒子(例えば、導電性であり得るシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化スズ、酸化インジウム、酸化カドミウムまたは酸化アンチモン微粒子)であってもよく、有機系微粒子(例えば、架橋または未架橋のポリマー微粒子)であってもよい。微粒子の平均粒径は、好ましくは0.5μm〜20μmである。微粒子の配合量は、透明樹脂100重量部に対して、好ましくは2重量部〜70重量部であり、より好ましくは5重量部〜50重量部である。
ハードコート層は、画像表示装置の表面に配置される偏光板等の表面の傷付き防止等を目的として設けられる。ハードコート層は、適切な硬度および滑り性を有する硬化膜で構成される。ハードコート層を形成する材料としては、上記アンチグレア層を形成するアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂に加えて、シリコーン系樹脂が挙げられる。
反射防止層は、画像表示装置の表面での外光の反射防止を目的として設けられる。反射防止層としては、当業界で通常用いられている反射防止層が採用され得る。
F.液晶パネル
本発明の液晶パネルは、上記位相差層付偏光板を有する。好ましくは、本発明の液晶パネルは、液晶セルと、液晶セルの視認側に配置された上記位相差層付偏光板とを有する。
本発明の位相差層付偏光板は、液晶表示装置に好適に用いられ得る。特に、3次元液晶表示装置の視認側偏光板として好適に用いられ得る。
10 偏光板
11 偏光子
21 保護層
22 保護層
30 位相差層
41 第1の接着層
42 第2の接着層
100 位相差層付偏光板

Claims (6)

  1. 偏光子と該偏光子の両側にそれぞれ配置された保護層とを有する偏光板と、
    該偏光板の片側に配置された位相差層と、
    該偏光板のもう片側に配置された第1の接着層と、
    該偏光板と該位相差層との間に配置された第2の接着層とを有し、
    該位相差層が、それぞれが異なる方向に遅相軸を有する複数の領域を所定のパターンで有し、
    該第1の接着層のクリープズレ量(L1)が100μm以下である、位相差層付偏光板:
    ここで、クリープズレ量は、厚み20μm、接着面積100mmの接着層において、23℃で4.9Nの引張りせん断力を加えた場合の1時間後のズレ量を示す。
  2. 前記位相差層の面内位相差Re(590)が、90nm〜190nmである、請求項1に記載の位相差層付偏光板。
  3. 前記位相差層の前記所定パターンが、異なる方向に遅相軸を有する2つの領域が交互に配置されたストライプ状である、請求項1または2に記載の位相差層付偏光板。
  4. 前記異なる方向に遅相軸を有する2つの領域が、それぞれ、液晶セルの1ラインに対応する、請求項1から3のいずれかに記載の位相差層付偏光板。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の位相差層付偏光板を有する、液晶パネル。
  6. 請求項5に記載の液晶パネルを有する、液晶表示装置。
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