JP2012246994A - 車輪支持用転がり軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性不足、クリープ、予圧抜け、転動体の乗り上げによる剥離等の諸問題が生じにくく軽量な車輪支持用転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】車輪支持用転がり軸受装置1は、外周面に第一内側軌道面20aを有するハブ輪2と、外周面に第二内側軌道面20bを有しハブ輪2に一体的に固定された内輪3と、第一内側軌道面20a及び第二内側軌道面20bに対向する第一外側軌道面21a及び第二外側軌道面21bを有する外輪4と、第一内側軌道面20aと第一外側軌道面21aとの間、及び、第二内側軌道面20bと第二外側軌道面21bとの間に転動自在に配された二列の転動体5、5と、を備えている。外輪4の内径側部材31が炭素鋼で構成され、外径側部材32が、アルミニウムを含有する軽合金と強化材となる炭化ホウ素とを含む軽合金複合材料で構成され、前記軽合金複合材料における前記炭化ホウ素の割合は19体積%以上51体積%以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する車輪支持用転がり軸受装置に関する。
自動車等に使用される車輪支持用転がり軸受装置は、燃費の向上を目的とした軽量化のためにユニット化が進んでおり、車輪取り付け部やブレーキパッド取り付け用のフランジ部が一体化された構造となっている。このようなユニット化によって車輪支持用転がり軸受装置の部品点数が減少したため、自動車等の車体における足回り部分全体の重量は減少した。
一方、車輪支持用転がり軸受装置を構成する内方部材、外方部材には転動疲労強度が必要であり、転がり軸受の軌道面となる部位には高周波焼入れが施されるため、内方部材、外方部材の材料としてはS50〜S55C相当材やSAE1070のような中炭素鋼が用いられる。そして、内方部材、外方部材は、中炭素鋼製の素材に熱間鍛造を施して所定の形状とした後に、切削加工を施して製造される。このとき、軽量化を図るために、フランジ部の肉厚を薄くしたり、穴を開けたりする手法が取られているが、剛性を考慮すると、形状変更による大幅な軽量化は困難である。
そこで、車輪支持用転がり軸受装置を構成する部材を軽量材料で構成することにより軽量化を図る技術が提案されている。例えば特許文献1には、支持部材(ナックル)を介して車体側に支持される外輪と、この外輪の内側に複列の転動体を介して回転自在に支持されるハブホイールと、を備えた車輪支持用転がり軸受装置が開示されている。そして、外輪と支持部材とは、FC系鋳鉄、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の軽量材料で構成されており、両者は鋳造により一体的に形成されている。また、外輪の内周面には環状の鋼製スリーブが嵌着され、この鋼製スリーブの内周面が複列の転動体の外輪軌道面として用いられている(特許文献1の図3を参照)。
特開2002−46409号公報
しかしながら、車輪支持用転がり軸受装置に回転によるモーメントが作用した場合には、外輪に形成されているフランジの付け根部に大きな荷重が負荷されるため、該付け根部には高い剛性が必要となり、外輪がヤング率の低い軽量材料で構成されていると、フランジの付け根部の剛性が不十分となるおそれがあった。
特許文献1の車輪支持用転がり軸受装置においては、外輪と支持部材を構成する軽量材料のヤング率については何ら考慮されていないため、フランジの撓みが大きくなって自動車の操舵性が悪化するおそれがあった。
また、車輪支持用転がり軸受装置の温度は、車輪の回転時には70〜80℃程度となるため、外輪と鋼製スリーブとが異なる材料で構成されている場合には、熱膨張の差異により、しめ代が減少してクリープが発生したり、予圧抜けによる剛性の低下が生じたり、転動体の乗り上げによる剥離が生じるおそれがあった。
特許文献1の車輪支持用転がり軸受装置においては、軽量材料の熱膨張については何ら考慮されていないため、上記のような諸問題が生じるおそれがあった。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、剛性不足、クリープ、予圧抜け、転動体の乗り上げによる剥離等の諸問題が生じにくく軽量な車輪支持用転がり軸受装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明の車輪支持用転がり軸受装置は、外周面に軌道面を有する内方部材と、前記内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、を備える車輪支持用転がり軸受装置において、前記内方部材及び前記外方部材の少なくとも一方は、前記軌道面を含む部分が炭素鋼で構成され、残部が、アルミニウムを含有する軽合金と強化材となる硬質粒である炭化ホウ素とを含む軽合金複合材料で構成され、前記軽合金複合材料における前記炭化ホウ素の割合は19体積%以上51体積%以下であることを特徴とする。
本発明の車輪支持用転がり軸受装置においては、前記軽合金複合材料のヤング率が120GPa以上であり、線膨張係数が20×10-6/℃以下であることが好ましい。
本発明の車輪支持用転がり軸受装置は、軽量であることに加えて、剛性不足、クリープ、予圧抜け、転動体の乗り上げによる剥離等の諸問題が生じにくい。
本発明に係る車輪支持用転がり軸受装置の一実施形態の構造を示す断面図である。 図1の車輪支持用転がり軸受装置の外輪の断面図である。 図1の車輪支持用転がり軸受装置の外輪の側面図である。 本発明に係る車輪支持用転がり軸受装置の軽合金複合材料の組織である。 軽合金複合材料中の硬質粒子の割合と軽合金複合材料の強度との相関関係を示すグラフである。 軽合金複合材料中の硬質粒子の割合と軽合金複合材料のヤング率との相関関係を示すグラフである。 軽合金複合材料中の硬質粒子の割合と軽合金複合材料の線膨張係数との相関関係を示すグラフである。
本発明に係る車輪支持用転がり軸受装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る車輪支持用転がり軸受装置の一実施形態の構造を示す断面図(軸方向に沿う平面で破断した断面図)である。また、図2は、図1の車輪支持用転がり軸受装置に組み込まれている外輪の断面図(軸方向に沿う平面で破断した断面図)であり、図3は、該外輪の側面図(軸方向から見た図)である。なお、本実施形態においては、車輪支持用転がり軸受装置を自動車等の車両に取り付けた状態において、車両の幅方向外側を向いた部分を外端側部分と称し、幅方向中央側を向いた部分を内端側部分と称する。すなわち、図1においては、左側が外端側となり、右側が内端側となる。
図1の車輪支持用転がり軸受装置1は、略円筒形状のハブ輪2と、略リング状の内輪3と、略円筒形状の外輪4と、二列の転動体5、5と、転動体5を保持する保持器6、6と、を備えている。ハブ輪2の内端側部分には外径の小さい円筒部11が形成されており、該円筒部11に内輪3が圧入されている。そして、内輪3よりも内端側に突出している円筒部11の先端部分が径方向外方に加締め広げられて、内輪3とハブ輪2とが一体的に固定されている。ただし、内輪3とハブ輪2とを、ボルト22aとナット22bにより一体的に固定してもよい。この場合には、ボルト22aとナット22bによって内輪3に必要な予圧を付与することができる。そして、ハブ輪2及び内輪3の外方には、略円筒形状の外輪4が同心に配されている。なお、内輪3とハブ輪2とが一体的に固定されたものが、本発明の構成要件である内方部材に相当し、外輪4が本発明の構成要件である外方部材に相当する。
ハブ輪2の外周面の軸方向中間部及び内輪3の外周面には、それぞれ転動体5の軌道面が形成されており、ハブ輪2の軌道面は第一内側軌道面20a、内輪3の軌道面は第二内側軌道面20bとされている。また、外輪4の内周面には、前記両内側軌道面20a、20bに対向する軌道面が形成されており、第一内側軌道面20aに対向する軌道面は第一外側軌道面21a、第二内側軌道面20bに対向する軌道面は第二外側軌道面21bとされている。さらに、第一内側軌道面20aと第一外側軌道面21aとの間、及び、第二内側軌道面20bと第二外側軌道面21bとの間には、それぞれ複数の転動体5が転動自在に配置されている。なお、図示の例では、転動体として玉を使用しているが、車輪支持用転がり軸受装置1の用途等に応じて、ころを使用してもよい。
さらに、外輪4の内端側部分の内周面と内輪3の内端側部分の外周面との間、並びに、外輪4の外端側部分の内周面とハブ輪2の中間部の外周面との間には、それぞれシール装置7a、7bが設けられている。
さらに、ハブ輪2の外周面の外端側部分には、図示しない車輪を固定するための車輪取り付け用フランジ10が、径方向外方に突出するように設けられている。そして、外輪4の外周面には、車輪取り付け用フランジ10から離間する側の端部に、図示しない懸架装置を固定するための懸架装置取り付け用フランジ13が、径方向外方に突出するように設けられている。
このような車輪支持用転がり軸受装置1を自動車等の車両に組み付けるには、懸架装置取り付け用フランジ13を懸架装置に固定し、車輪を車輪取り付け用フランジ10に固定する。その結果、車輪支持用転がり軸受装置1によって車輪が懸架装置に対し回転自在に支持される。すなわち、内輪3とハブ輪2とが一体的に固定されたものが回転輪となり、外輪4が固定輪(非回転輪)となる。
このような車輪支持用転がり軸受装置1においては、ハブ輪2及び外輪4の少なくとも一方は、軌道面(ハブ輪2の場合は第一内側軌道面20a、外輪4の場合は第一外側軌道面21a及び第二外側軌道面21b)を含む部分が炭素鋼で構成され、残部が、アルミニウムを含有する軽合金と強化材となる硬質粒子である炭化ホウ素とを含む軽合金複合材料で構成されている。
この軽合金複合材料は、ヤング率が120GPa以上で且つ線膨張係数が20×10-6/℃以下であることが好ましい。中炭素鋼のヤング率は200GPaであるが、車輪支持用転がり軸受装置において必要な剛性は120GPa程度である。また、軽合金複合材料の線膨張係数が20×10-6/℃以下であれば、熱膨張によるクリープや予圧抜けを抑制することができる。
外輪4の一部が軽合金複合材料で構成されている場合の例を、図2に示す。略円筒形状の外輪4は、第一外側軌道面21a及び第二外側軌道面21bを含む内径側部材31と、懸架装置取り付け用フランジ13を備える外径側部材32とからなる。内径側部材31は、中炭素鋼、軸受鋼等の炭素鋼で構成されており、第一外側軌道面21a及び第二外側軌道面21bを含む内周面は、高周波焼入れ等の焼入れが施されて硬化されている。なお、中炭素鋼としてはS50〜S55C相当材やSAE1070が好ましく、軸受鋼としてはSUJ2、SUJ3が好ましい。
一方、外径側部材32は、軽合金と硬質粒子とを含む軽合金複合材料で構成されている。軽合金はアルミニウムを含有する合金であり、硬質粒子は強化材として機能している。この軽合金複合材料は、母材が軽合金であるため、非常に軽量である。また、硬質粒子で強化されているため、軽合金単体と比べて高強度である。

軽量化のためには、内径側部材31を薄肉とすることが好ましいが、薄肉化しすぎると車輪支持用転がり軸受装置1の寿命が低下するおそれがある。よって、内径側部材31の第一外側軌道面21a及び第二外側軌道面21bの部分の径方向厚さは、転動疲労の点からの限界肉厚である転動体の直径の25%以上で、且つ、引張の残留応力が残らない厚さとすることが好ましい。
また、内径側部材31が薄肉化することによるクリープを防ぐために、内径側部材31と外径側部材32は回転しないように固定することが好ましい。例えば、圧入による固定や、図3に示すようにピン40による固定が好ましい。図3においては、1個のピンで固定しているが、2個以上のピン40を用いて固定しても差し支えない。
なお、内径側部材31は、炭素鋼で構成された一体の部材としてもよいが、内径側部材31のうち第一外側軌道面21a及び第二外側軌道面21bが形成されていない軸方向中央部分31bについては、炭素鋼で構成されていなくても差し支えないので、外径側部材32と同様に軽合金複合材料で構成してもよい。すなわち、第一外側軌道面21a又は第二外側軌道面21bが形成されている軸方向両端部分31a、31cについては炭素鋼で構成し、軸方向中央部分31bについては軽合金複合材料で構成して、これら3つの部材を一体的に固定して内径側部材31としてもよい。
このように、ハブ輪2や外輪4の一部が軽量な軽合金複合材料で構成されているので、車輪支持用転がり軸受装置1は十分な軽量化が達成されている。また、軽合金複合材料は硬質粒子で強化されているため、高強度且つ高ヤング率である。よって、車輪支持用転がり軸受装置1に回転によるモーメントが作用した場合に大きな荷重が負荷されるフランジ10、13の付け根部は、十分な剛性を有している。
また、特許文献1のように外輪とナックルを一体的に形成する場合には、従来のアルミニウム合金を用いると、ナックルの付け根部の剛性が不十分となるが、前記軽合金複合材料を用いれば剛性は十分である。
さらに、回転によるモーメントが作用して大きな荷重が負荷されても、フランジ10、13の撓みが小さいため、自動車の操舵性が悪化しにくい。さらに、軽合金複合材料の線膨張係数が炭素鋼のそれと近いため、高温時に熱膨張の差異により、しめ代が減少してクリープが発生したり、予圧抜けによる剛性の低下が生じたり、転動体の乗り上げによる剥離が生じるおそれがほとんどない。
このとき、軽合金複合材料のうち硬質粒子の割合は、19体積%以上51体積%以下であることが好ましい。19体積%未満であると、軽合金複合材料の強度やヤング率が不十分となるおそれがあるとともに、軽合金複合材料と炭素鋼との線膨張係数の差が大きくなるおそれがある。一方、51体積%超過であると、母材である軽合金の割合が少なくなりすぎて、加工性の低下等の問題が発生するおそれがある。また、硬質粒子の粒径は、取り扱い性の点から1μm以上30μm以下が好ましい。
軽合金複合材料の強度を向上させる方法としては、上記のような硬質粒子の割合を変化させる方法の他に、軽合金複合材料の母材である軽合金の強度を向上させる方法と、強化材である硬質粒子の種類を最適化する方法等がある。まず、母材である軽合金の強度を向上させる方法について説明する。図5のグラフに示すように、母材の強度向上は軽合金複合材料の強度向上につながるため、高強度の軽合金を母材として選択することが好ましい。
例えば、合金元素として銅、マグネシウム、ケイ素等が添加された鍛造品用のアルミニウム合金2618、4032、5083、6061や、高温強度が優れる鋳物品用のアルミニウム合金AC1B、AC7B、AC8Aや強度の高い7000番台のアルミニウム合金があげられる。鍛造品の用のアルミニウムはJIS H4140に規定されている。鋳物品用のアルミニウム合金はJIS H5202に規定されており、AC1BはAl―Cu系であり耐熱性と切削性が良好で、AC7BはAl―Mg系で強度や耐食性が良好で、AC8AはAl―Si―Cu―Ni―Mg系で耐食性と耐摩耗性が良好である。7000番台のアルミニウム合金はJIS H4000に規定されている。
次に、硬質粒子の種類を最適化する方法について説明する。硬質粒子としては、高剛性、低密度のセラミックス粒子である炭化ホウ素が好ましい。硬質粒子の種類は、軽合金複合材料のヤング率を炭素鋼と同等とするためには、炭素鋼以上のヤング率を有するセラミックスの粒子を選択することが好ましい。
さらに、母材である軽合金との密着性が良好なセラミックス粒子が好ましい。例えば、合金元素としてアルミニウムが添加された合金とアルミナ粒子とを組み合わせた場合には、両者にアルミニウムという共通する成分が含まれているため、反応膜の形成等により、密着性が低下し、界面での強度が低下し、軽金属複合材料として機械的強度が低下する恐れがあるが、本願の様な組合せの場合、密着性が良好であり、機械的強度も優れている。
軽合金複合材料を製造する方法は特に限定されるものではないが、軽合金の溶湯に硬質粒子を混合する方法、軽合金の粉末と硬質粒子を混合して押出し固化成形する粉末冶金法、セラミックス多孔体に軽合金の溶湯を流し込む含浸法、セラミックス多孔体に軽合金の溶湯を流し込み加圧する加圧鋳造法等があげられる。軽合金、硬質粒子の種類や硬質粒子の割合に応じて、好適な製造方法を選択すればよい。
〔実施例〕
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。加圧鋳造法にて作成した軽合金複合材料中の硬質粒子の割合と軽合金複合材料の各種物性との関係を調査した。すなわち、母材である軽合金の種類をアルミニウム合金AC1B、AC7B、AC8A、A7075とするとともに、硬質粒子の種類を炭化ホウ素として、硬質粒子の割合を種々変更した軽合金複合材料の強度(0.2%耐力)、ヤング率、線膨張係数、及び変位を測定した。
母材がA7075、硬質粒子を40体積%の炭化ホウ素とした場合の組織を図4に示す。図4の組織から分かるように、軽金属と硬質粒子は均一な組成となっており、軽金属素地と硬質粒子の密着性には異常は認められない。
強度は引張試験により測定した。引張速度は0.75mm/minである。結果を図5のグラフに示す。なお、図5のグラフには、母材をAC8A、硬質粒子をホウ酸アルミニウムとした場合の結果を参考例として示してある。図5のグラフから分かるように、硬質粒子の割合が19体積%以上であれば、軽金属複合材料の強度は強化材である硬質粒子の体積%の割合に比例して、高強度となる。硬質粒子が19体積%未満では、強化材である硬質粒子が軽金属素地に対して不均一な組成となるため、強度が低い。また、母材がAC8A、硬質粒子をホウ酸アルミニウムとした場合、ホウ酸アルミニウムと軽金属素地との密着性が低く、強度が低い。
また、ヤング率は共振法により測定した。円板状の試験片(直径16mm、厚さ10mm)は切削および研磨により作製した。結果を図6のグラフに示す。図6のグラフから分かるように、硬質粒子の割合が19体積%以上であれば、軽金属複合材料のヤング率が120GPa以上となる。
さらに、線膨張係数は、直径4mm、長さ20mmの棒状の試験片を用いて、室温から353Kまでの温度範囲について測定した。結果を図7のグラフに示す。硬質粒子の割合を変化させることにより、軽合金複合材料の線膨張係数を中炭素鋼の12×10−6/℃に近づけることができるから、熱膨張の差異によるクリープや予圧抜けを抑制することが可能である。図7のグラフから分かるように、硬質粒子の割合が20体積%以上であれば、線膨張係数が20×10−6/℃以下となる。軽合金複合材料の線膨張係数は、20×10−6/℃以下が好ましいが、中炭素鋼の線膨張係数により近い15×10−6/℃以下がより好ましい。なお、軽合金複合材料の密度及び硬質粒子の割合は、アルキメデス法により測定した。
次に、本実施形態の車輪支持用転がり軸受装置1と同様の構成の車輪支持用転がり軸受装置を製造し、外輪の外径側部材を構成する軽合金複合材料の種類を種々変更した場合の軸受性能を評価した。軽合金複合材料は、母材である軽合金の種類をアルミニウム合金AC1B、AC7B、AC8A、A7075とするとともに、硬質粒子を炭化ホウ素と、硬質粒子の割合を種々変更した。
なお、比較例として、中炭素鋼S53CGのみで構成した車輪支持用転がり軸受装置も用意して、同様に軸受性能を評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2012246994
また、表1中に記載の外輪の質量は、外径側部材が中炭素鋼S53Cで構成された外輪の質量を100とした場合の相対値で示してある。表1から分かるように、軽合金複合材料中の硬質粒子の割合が19体積%以上であれば、外輪の質量は、外径側部材を中炭素鋼S53Cで構成した場合の約50%となり、大幅な軽量化が達成される。
さらに、表1中に記載の変位は、ナックルに取り付けられた状態の車輪支持用転がり軸受装置に応力(回転によるモーメントが作用した場合に負荷されるような応力)を負荷した際に、外輪のフランジに生じた変位の量を測定したものである。詳述すると、普通自動車用のナックルと車輪支持用転がり軸受装置の外輪のフランジとをボルトにより固定して、外輪のフランジから軸方向に300mm離れた位置に、径方向内方に向く2000Nの荷重を負荷することにより、外輪のフランジに応力を負荷した。
このような応力の負荷によりフランジが若干撓んで傾斜するので、応力無負荷時のフランジ面と応力負荷時のフランジ面とがなす傾きを測定し、変位とした。なお、表1中に記載の変位は、外径側部材を中炭素鋼S53CGで構成した比較例27の変位を1とした場合の相対値で示してある。硬質粒子の割合が19体積%以上であれば、車輪支持用転がり軸受装置の機能が損なわれない程度の変位(2以下)となる。
さらに、表1中に記載の電食は、塩水噴霧試験により評価したものである。すなわち、車輪支持用転がり軸受装置を塩水噴霧試験機内に装着し、霧状の塩水(濃度は5質量%)を室温下において96時間噴霧した。なお、表1中に記載の◎印は、腐食による形状変化が無く車輪支持用転がり軸受装置の機能が損なわれなかったことを示す。また、○印は、若干の腐食や形状変化が見られるものの、車輪支持用転がり軸受装置の機能が損なわれなかったことを示す。さらに、×印は、腐食により形状が変化し、車輪支持用転がり軸受装置の機能が損なわれたことを示す。
車輪支持用転がり軸受装置の使用環境下においては、水分との接触が避けられないため、外輪の内径側部材と外径側部材が異種材料で構成されている場合は、電食が生じやすい。しかしながら、軽合金複合材料中の硬質粒子の作用により電食が抑制されるため、硬質粒子の割合が19体積%以上では車輪支持用転がり軸受装置の機能が損なわれず、30体積%以上では電食が生じなかった。
さらに、表1中に記載の機械加工性は、外径側部材の製造時にフランジ面の切削加工に要した時間により評価したものである。なお、表1中に記載の○印は、S53Cで構成した比較例27の加工時間の1倍以下であったことを示す。また、△印は、S53Cの加工時間の1倍超過2倍以下であったことを示す。さらに、×印は、S53Cの加工時間の2倍超過であったことを示す。硬質粒子の割合が50体積%以下であれば、切削加工に要した時間はS53Cの加工時間の1倍以下となる。
また、上述の実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨を外れない限り、他の実施形態にも適用出来る。
1 車輪支持用転がり軸受装置
2 ハブ輪
3 内輪
4 外輪
5 転動体
10 車輪取り付け用フランジ
13 懸架装置取り付け用フランジ
20a 第一内側軌道面
20b 第二内側軌道面
21a 第一外側軌道面
21b 第二外側軌道面
22a ボルト
22b ナット
31 内径側部材
32 外径側部材

Claims (2)

  1. 外周面に軌道面を有する内方部材と、前記内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、を備える車輪支持用転がり軸受装置において、
    前記内方部材及び前記外方部材の少なくとも一方は、前記軌道面を含む部分が炭素鋼で構成され、残部が、アルミニウムを含有する軽合金と強化材となる硬質粒子である炭化ホウ素とを含む軽合金複合材料で構成され、前記軽合金複合材料における前記炭化ホウ素の割合は19体積%以上51体積%以下であることを特徴とする車輪支持用転がり軸受装置。
  2. 前記軽合金複合材料のヤング率が120GPa以上であり、線膨張係数が20×10−6/℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の車輪支持用転がり軸受装置。
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