JP2012244950A - 衝撃緩衝長尺構造体 - Google Patents

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隆治 一柳
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賢一 成瀬
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Abstract

【課題】例えば犬等の動物のリードとして用いた場合に犬等の動物に対する制御性が良く、しかも急激な荷重が加わることによる衝撃を和らげ得る衝撃緩衝長尺構造体を提供することを目的とする。
【解決手段】熱可塑性エラストマーからなる直径0.10〜1.5mmのモノフィラメントから形成された長尺構造体であり、該長尺構造体の物性が、破断伸び60〜350%、10%伸長時応力0.1〜0.8(CN/dtex)、20%伸長時の伸長回復率80%以上のいずれも満足する。
【選択図】なし

Description

本発明は、加わった衝撃を適度に緩衝することのできる長尺構造体に関するものである。本発明の長尺構造体としては、一般に紐、ロープ、コード、テープ、ベルト等と称される長尺物を言い、その態様として、典型的な事例としては、組紐および細幅織物などが包含される。
例えば犬を散歩させる際には、犬の首輪にリード(引き紐)を接続して飼い主(人)が誘導することが通常行われている。このリードにはポリアミド繊維やポリエステル繊維製の紐等が一般に用いられており、これらの紐は丈夫で、犬を引き寄せたり制止したりするときにしっかりと誘導できる利点がある。一方で、上記ポリアミド繊維等の紐は殆ど伸びないので、犬が急に引っ張る等して瞬間的に大きな荷重が加わったときに、その衝撃が伝わって人の手首や肘に負担を与え、また犬にもダメージを与える懸念がある。
そこで上記衝撃を和らげる為に、伸縮性を有する紐をリードとして用いることが考えられる。伸縮性を有する紐としては、天然ゴムや合成ゴムを細長く紐状にしたゴム紐や、1乃至数本の糸ゴムを芯にして合成繊維からなる側糸で上記芯をくるむ構成の紐が知られている。また例えば特許文献1には、ゴム紐をポリアミド繊維製布帛の筒状カバーで覆ったものも提案されている(例えば特許文献1参照)。しかしこれら伸縮性紐は、急激に引っ張ったときに衝撃が起こらないものの、伸び過ぎる為に、人(飼い主)が犬の行動を制御しようにもその力が適切に伝わらないため犬を制御し難い。
また例えば特許文献2には、ポリアミド繊維製紐の一方端に短いゴム紐(或いはコイルスプリング)を接続して衝撃を緩和させると共に、撓ませた紐を上記ゴム紐に平行して接続して伸びすぎない様にしたものが提案されている。しかしながら、上記特許文献2のリードは、構造が複雑である上、例えばゴム紐部分をたぐり寄せて持つ等したときには効果が失われてしまうので、定められた長さでしか使用できない。
実用新案登録第3055971号公報 特開平9−149740号公報
本発明は上記背景に着目してなされたものであって、その目的は、典型的な事例として、リード(引き紐)として用いた場合に動物に対する制御性が良く、しかも急激な荷重による衝撃を和らげ得る衝撃緩衝長尺構造体を提供することにある。更には前記長尺構造体の典型的な用途事例に限らず、安全ベルトや安全紐、係留用紐等として用いた場合に、伸び過ぎず且つ適度な衝撃緩衝性を有する衝撃緩衝長尺構造体を提供することにある。
上記課題を解決するための手段。すなわち本発明は、熱可塑性エラストマーからなる直径0.10〜1.5mmのモノフィラメントを出発原材料として形成された長尺構造体であり、該長尺構造体の物性として、破断伸び:60〜350(%)、10%伸長時応力:0.1〜0.8(CN/dtex)および20%伸長時の伸長回復率:80%以上を有する衝撃緩衝長尺構造体である。
望ましくは、熱可塑性エラストマーがポリエステル系エラストマーである衝撃緩衝長尺構造体である。
更に望ましくは、ポリエステル系エラストマーが、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを主原料として用いられる芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、ポリアルキレングリコールをソフトセグメントとするブロックエーテルエステル系弾性体である衝撃緩衝長尺構造体である。
本発明の衝撃緩衝長尺構造体、殊に衝撃緩衝紐またはベルト(衝撃緩衝紐類)は、適度な伸縮性を具備するので、犬等の動物のリードとして用いた場合に急激に引っ張っても衝撃が緩衝され、人及び犬等に優しく、一方で伸び過ぎることがないので、しっかりと犬等を制御することができる。また本発明の衝撃緩衝紐類は、上記リードの他、ハーネス、パラシュートの紐やベルト、高所作業時等に取り付ける安全紐帯等としても好適であり、適度に伸びて衝撃を緩衝し、伸び過ぎないので身体をしっかりと保持することができる。カーフェリー等における車輌係留用紐として用いた場合にも、フェリーの揺れ等により車輌が動いたときに、その衝撃を緩衝し、しっかりと係留保持できる。また荷造り紐として用いた場合には、弛みを生じさせずに縛ることが容易に行える。その他、結束コード、靴紐、帯締め、時計バンド、ズボン等のベルト、ストラップ、リュックサック等のカバンの紐、腰痛帯、サポーター等にも用いることができる。
各種原糸について、その伸び率に対する応力を示す(応力−伸び曲線)図である。
本発明の長尺構造体を構成する熱可塑性エラストマーからなるモノフィラメントは、上記の如く直径が0.10mm以上であることが必要であり、直径0.10mm未満のモノフィラメントを使用した場合は、衝撃緩衝構造体の強力が劣る懸念がある。一方、モノフィラメントの直径の上限は1.5mmであり、直径1.5mm超のモノフィラメントを使用した場合は、長尺構造体に加工するときの工程通過性が悪くなるので好ましくない。
更に本発明においては前記熱可塑性エラストマーがポリエステル系エラストマーであることが好ましい。ポリエステル系エラストマーは吸水性に乏しいので、衝撃緩衝構造体をポリエステル系エラストマーのみで構成した場合、雨等によって濡れても質量増加が殆どなく、水切り性が良好である。またこのため洗浄が容易であり、清潔を保ち易い。加えてポリエステル系エラストマーはリサイクルが可能である。
またポリエステル系エラストマーのうちでも、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを主原料として用いられる芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、ポリアルキレングリコールをソフトセグメントとするブロックエーテルエステル系弾性体であることが好ましい。このブロックエーテルエステル系弾性体は、多少の伸縮性を有する一方で、伸び過ぎないという特性を示すからである。特にテレフタル酸とエチレングリコール又はテレフタル酸とブタンジオールとからなるテレフタル酸系ポリエステルをハードセグメントとし、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルをソフトセグメントとするものが望ましい。更にポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとを共重合させたポリエーテルエステル系弾性糸は、伸長回復性が良好であり、より好ましいものとなる。
本発明の長尺構造体とは、一般に紐、ロープ、コード、テープ、ベルト等と称される長尺物を言い、その態様として、典型的な事例としては、組紐および細幅織物などが包含される。
組紐は、任意本数のフィラメントを三つ打ち、四つ打ち、六つ打ち、八つ打ち、十六打ち、二十四打ち、三十二打ち等に編組みした組紐からなる。
細幅織物織幅は、使用目的用途に応じて、長尺構造体の物性を適合させるために、適宜調整が可能であるが、0.3cm〜20cm、好ましくは0.3cm〜12cm、特に0.3cm〜6.0cmとするのが好ましい。
本発明に係る衝撃緩衝長尺構造体、特に紐またはベルト(これらを衝撃緩衝紐類と称することがある)は瞬時移動体の瞬時移動に伴う衝撃を緩衝することができる。衝撃緩衝紐類は、固定端と瞬時移動体とを結ぶ当該衝撃緩衝紐類として、熱可塑性エラストマーからなる直径0.10mm〜1.5mmのモノフィラメントを用いた長尺構造体に形成されており、破断伸びが60〜350%、10%伸長時応力が0.1〜0.8CN/dtex且つ、20%伸長時の伸長回復率が80%以上であるので、伸び過ぎることがなく、加わる荷重の大きさに沿って伸縮し、適度に衝撃を緩衝することができる。
上記「瞬時移動体」とは、例えば衝撃緩衝紐が犬のリードである場合に、犬のことを指し、この場合に上記「固定端」とは、リードを持つ人(飼い主)の手を指す。また例えば衝撃緩衝紐が高所作業時の安全紐の場合には、上記「瞬時移動体」とは人を、上記「固定端」とは安全紐を取り付ける支持部材を指し、例えば衝撃緩衝紐がカーフェリーにおける車輌係留用の紐としてのものである場合に、上記「瞬時移動体」とは車輌を、上記「固定端」とは基盤に設けられた固定用フックを指す。
また上記「衝撃」とは、例えば衝撃緩衝紐が犬のリードとしてのものである場合に、犬または人(飼い主)が急激に強く引っ張ったときに当該リードに加わる荷重のことであり、例えば衝撃緩衝紐が高所作業時の安全紐としてのものである場合は、足場から人が落ちたときに当該安全紐に加わる荷重のことである。
ところで、上述した従来技術の様にゴム紐は良好に伸縮して衝撃緩衝性に優れるものの、良く伸びるあまりに、例えばペット用のリードとして用いた場合にペットを制御し難い。この点において、本発明の衝撃緩衝構造体は、伸び過ぎることがなく、且つ加わる荷重の大きさに沿って伸縮し、適度に衝撃を緩衝する。従って、犬等の動物のリードとして用いた場合にしっかりと動物を制御することができ、且つ急に加わる荷重に対してはその衝撃が緩衝される。
本発明の衝撃緩衝構造体は、ゴムやスプリングを使用するのではなく、長尺構造体自身が衝撃緩衝性を有するものであり、該衝撃緩衝構造体をたぐり寄せて持っても、衝撃緩衝性,制御性が発揮される。加えてこの様に伸び過ぎず且つ適度に衝撃を緩衝できるから、例えばパラシュートの紐やベルト等としても好適であり、荷造り紐として用いた場合には梱包された中身の荷物に衝撃を与えず、且つ、その伸縮性から弛みを生じさせずに縛ることが容易に行える。
なお本発明の衝撃緩衝構造体の態様としては細幅織物や組紐等が挙げられるが、目的物の用途に応じて原糸の太さを適宜調整し、通常の細幅製織機、製紐機を用いて製織条件、製紐条件を設定して、上記の如く10%伸張時の応力が0.1〜0.8cN/dtex、20%伸張時の伸張回復率が80%以上の衝撃緩衝構造体に形成される。
本発明において、衝撃緩衝構造体が組紐あるいは細幅織物であって、該細幅織物を構成する素材が実質的に前記熱可塑性エラストマー製モノフィラメントのみで構成されたものであることが好ましい。熱可塑性エラストマー製モノフィラメントの伸縮性を良好に発揮させることができる。
また本発明においては、前記衝撃緩衝紐が組紐であって、該組紐が実質的に前記熱可塑性エラストマー製モノフィラメントのみで構成されたものであることが望ましい。組紐の場合は、紐を構成する糸の全てが長さ方向に対して斜めに配置したものとなるので、一部にでも熱可塑性エラストマー製モノフィラメント以外の、例えばポリアミド製糸が存在すると、これが伸縮性を阻害する懸念がある。しかしこの点において上記の如く組紐を構成する糸について実質的に全てを熱可塑性エラストマー製モノフィラメントとすることにより、所望の伸縮性を発揮させることができる。
なお上記「実質的に」とは、本発明の10%伸長時応力、20%伸長時の伸長回復率に影響を与えない範囲で、熱可塑性エラストマー製モノフィラメント以外の糸を使用しても良いという意味である。つまり、例えば細幅織物や組紐の一部に、装飾等の為の糸ゴムやコイル状ポリアミド製糸(コイル状とすることで、熱可塑性エラストマー製モノフィラメントの伸びを阻害しないようにする)等を用いたものについても、本発明に包含される。当該糸ゴム等は付随的に設けられたものに過ぎないからである。
本発明の衝撃緩衝長尺構造体、殊に衝撃緩衝紐類は、ポリアミド製の紐とゴム紐の間の性能を示すものである。そこで本発明の衝撃緩衝長尺構造体に用いる熱可塑性エラストマーモノフィラメントのうち、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを主原料として用いられる芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、ポリアルキレングリコールをソフトセグメントとするブロックエーテルエステル系弾性体からなるフィラメント(以下、これをポリエステル系エラストマーAと称することがある)(商品名ダイヤフローラ(登録商標)、東洋紡績(株)製)について、その伸び率に対する応力を図1に示す。併せて、図1に、ポリアミド製紐の代表としてポリヘキサメチレンアジポアミド(ナイロン66)、及びゴム紐の代表としてイソプレンゴムについて、その伸び率に対する応力を示す。なお該図1は応力−伸び曲線のグラフであり、(a)は上記3者の破断時の応力及び伸びが表れるようにグラフ領域を広くとったもので(上記3者の破断点は(a)においてそれぞれグラフの線が途切れた箇所である)、(b)は(a)のうち低い伸び率,低い応力の領域を拡大して示したものである。
以下に具体的な実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することもすることが可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
尚実施例における各性能評価は以下に記載の方法で行なった。
(繊度)
JIS L 1013に基づいて測定した。
(引張強度)
JIS L 1013に基づいて測定した。
(引張強さ)
JIS L 1013に基づいて測定した。
(破断伸び)
JIS L 1013に基づいて測定した。
(10%伸長時応力)
JIS L 1013に基づいて測定した応力―伸び曲線から算出した。
(20%伸長回復率)
JIS L 1013に基づいて測定した応力―伸び曲線から算出した。
(衝撃緩衝性の評価)
該試験方法としては、各実験例の紐の一方端に首輪装着用金具を取り付けて長さ120cmのリードとし、このリードを体重9kgの犬の首輪に装着して散歩し、その際の犬の制御性について官能評価し(制御性試験)、また犬が急激に引っ張ったときに人の手や肘に加わる衝撃の程度により衝撃緩衝性を官能評価した(衝撃緩衝性試験)。
衝撃緩衝性評価は、◎:殆ど衝撃がない、○:あまり衝撃がない、△:少し衝撃がある、×:衝撃が大きいである。
(制御性の評価)
該試験方法としては、各実験例の紐の一方端に首輪装着用金具を取り付けて長さ120cmのリードとし、このリードを体重9kgの犬の首輪に装着して散歩し、その際の犬の制御性について官能評価し(制御製試験)
制御性評価は、◎:非常に良好に制御できる、○:比較的良好に制御できる、△:やや制御し辛い、×:非常に制御し難いである。
(実施例1)
直径が0.22mm、繊度500dtex、破断強度1.6cN/dtex、破断強力8Nのポリエステル系エラストマーモノフィラメントを2本合糸して製紐機で八打ちの紐を作製した。得られた紐の直径は1.8mm、破断強力115N,破断伸び120%、10%伸長時応力0.12cN/dtex、20%伸長回復率が98%であった。この紐を用いて、衝撃緩衝性ならびに制御性の評価をした。評価結果を表1に示す。
Figure 2012244950
(実施例2)
直径が0.22mm、繊度500dtex、破断強度1.6cN/dtex、破断強力8Nのポリエステル系エラストマーモノフィラメントを2本合糸して製紐機で二十四打ちの角紐を作製した。得られた紐の寸法は、4.3×1.8mm、破断強力345N,破断伸び130%、10%伸長時応力0.11cN/dtex、20%伸長回復率が98%であった。この紐を用いて、衝撃緩衝性ならびに制御性の評価をした。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
直径が0.46mm、繊度2100dtex、破断強度1.9cN/dtex、破断強力40Nのポリエステル系エラストマーモノフィラメントを用いて製紐機で八打ちの丸紐を作製した。得られた紐の直径は2.2mm、破断強力288N,破断伸び110%、10%伸長時応力0.25cN/dtex、20%伸長回復率が95%であった。この紐を用いて、衝撃緩衝性ならびに制御性の評価をした。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
直径が0.46mm、繊度2100dtex、破断強度1.9cN/dtex、破断強力40Nのポリエステル系エラストマーモノフィラメントを用いて製紐機で二十四打ちの角紐を作製した。得られた紐の寸法は5.2×3.2mm、破断強力864N,破断伸び156%、10%伸長時応力0.14cN/dtex、20%伸長回復率が98%であった。この紐を用いて、衝撃吸収性ならびに制御性の評価をした。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
総繊度235dtex/30filament、破断強度7.8cN/dtex、破断強力18Nのナイロン66フィラメントを2本合糸して製紐機で二十四打ちの丸紐を作製した。得られた紐の直径は1.8mm、破断強力691N,破断伸び28%、10%伸長時応力1.65cN/dtex、20%伸長回復率が63%であった。この紐を用いて、衝撃緩衝性ならびに制御性の評価をした。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
直径が6mmのイソプレンゴムを用いて衝撃緩衝性ならびに制御性の評価をした。ゴム紐は破断強力1130N,破断伸び900%、10%伸長時応力0.07cN/dtex、20%伸長回復率が100%であった。このゴム紐を用いて、衝撃緩衝性ならびに制御性の評価をした。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
直径が0.25mm、繊度556dtex、破断強度1.6cN/dtex、破断強力8.9Nのポリエステル系エラストマーモノフィラメントを経糸に用いて、インチあたりの打ち込み本数35本、緯糸にポリエステルマルチフィラメントをインチあたり打ち込み本数6本として細幅織機で製織し細幅の長尺織物を作成した。得られた長尺織物の幅は10mm,破断強力127N,破断伸び330%、10%伸長時応力0.14cN/dtex、20%伸長回復率が99%であった。この細幅長尺織物を用いて、衝撃緩衝性ならびに制御性の評価をした。評価結果を表2示す。
Figure 2012244950
(実施例6)
直径が0.19mm、繊度333dtex、破断強度1.6cN/dtex、破断強力5.3Nのポリエステル系エラストマーモノフィラメントを経糸に用いて、インチあたりの打ち込み本数105本、緯糸にポリエステルマルチフィラメントをインチあたり打ち込み本数22本として細幅織機で製織し細幅の長尺織物を作成した。得られた長尺織物の幅は25mm,破断強力517N,破断伸び80%、10%伸長時応力0.58cN/dtex、20%伸長回復率が95%であった。この細幅長尺織物を用いて、衝撃緩衝性ならびに制御性の評価をした。評価結果を表2に示す。
(実施例7)
直径が0.19mm、繊度333dtex、破断強度1.6cN/dtex、破断強力5.3Nのポリエステル系エラストマーモノフィラメントを経糸に用いて、インチあたりの打ち込み本数105本、緯糸にポリエステルマルチフィラメントをインチあたり打ち込み本数29本として細幅織機で製織し細幅の長尺織物を作成した。得られた長尺織物の幅は46mm,破断強力937N,破断伸び75%、10%伸長時応力0.65cN/dtex、20%伸長回復率が94%であった。この細幅長尺織物を用いて、衝撃緩衝性ならびに制御性の評価をした。評価結果を表2に示す。
(実施例8)
直径が0.25mm、繊度556dtex、破断強度1.6cN/dtex、破断強力8.9Nのポリエステル系エラストマーモノフィラメントを経糸に用いて、インチあたりの打ち込み本数80本、緯糸にポリエステルマルチフィラメントをインチあたり打ち込み本数18本として細幅織機で製織し細幅の長尺織物を作成した。得られた長尺織物の幅は47mm,破断強力1225N,破断伸び66%、10%伸長時応力0.63cN/dtex、20%伸長回復率が92%であった。この細幅長尺織物を用いて、衝撃緩衝性ならびに制御性の評価をした。評価結果を表2に示す。
(比較例3)
総繊度255dtex/30filament、破断強度7.8cN/dtex、破断強力18Nのナイロン66マルチフィラメントを経糸に用いて、インチあたりの打ち込み本数46本、緯糸にポリエステルマルチフィラメントをインチあたり打ち込み本数6本として細幅織機で製織し細幅の長尺織物を作成した。得られた長尺織物の幅は10mm,破断強力261N,破断伸び25%、10%伸長時応力2.0cN/dtex、20%伸長回復率が46%であった。この細幅長尺織物を用いて、衝撃緩衝性ならびに制御性の評価をした。評価結果を表2に示す。
得られた組紐(実施例1〜4、比較例1)及びゴム紐(比較例2)はいずれも柔軟であった。
衝撃緩衝性,制御性試験において、比較例1の紐を用いたリードでは、犬が急激に引っ張った時にショックが大きく、引き手の人間の肘に掛かる衝撃が大きく感じられた。比較例2の紐を用いたリードにおいては、犬が急激に引っ張った時に、ショックは小さく感じられたものの、伸びすぎて犬を制御することが困難であった。
これに対して実施例1〜4の紐を用いたリードでは、犬が急激に引っ張った時でも、引き手の人間の肘に掛かる衝撃が比較例1の紐(ポリアミド製紐)と比較例2の紐(ゴム紐)の中間に感じられ、衝撃緩衝性が良好であった。加えてリードが伸び過ぎるということがなく、犬の制御が困難になることはなかった。 また実施例1〜4の組紐は、このうちの最も細い実施例1(直径1.8mm)であってもその引張り破断強力が115Nあり、十分な強力を有していた。
更に実施例1〜4の紐を用いたリードに土を付けた後、水道水を流しながら洗ったところ、付着した土は簡単に流れ落ち、洗浄も簡単であった。これら実施例1〜4の紐は比較的太い断面円形のモノフィラメントのみで構成されていることから、フィラメントの隙間に水をあまり抱え込まず、水切り性が良く、また該フィラメントの素材であるポリエステル系エラストマーは吸水性に乏しく、該フィラメント自身にも吸水され難い。それ故、上記の如く水を噴き掛けるだけで紐の汚れを落とすことができたものと考えられ、清潔性に優れる。また実施例1〜4の紐は上記の如く水切り性に優れるので、雨などにより濡れた場合でも重量増加が殆どない。尚、実施例1〜4の紐は黒原着の非常に大きな直径(0.22mm、0.46mm)のモノフィラメントを使用していることから、光の反射状態が微妙に変化し、見る角度によって色調が異なり審美性に優れるものであった。加えて実施例No.1〜4の紐はポリエステル系エラストマーのみで構成されているので、分別の手間が不要でリサイクル性に優れる。
<実施例5〜8、および比較例3>
表2に示す如くの各原糸を用いて、シャトル織機で各種細幅織物(実施例5〜8、および比較例3)を作製した。尚、表2中の経糸の種類に関し、ポリエステル系エラストマーAとしては商品名ダイヤフローラ(登録商標、東洋紡績(株)社製)を用い、ポリアミドとしてはナイロン66を用いた。緯糸については実施例5〜8、および比較例3のいずれについても、ポリエステルのマルチフィラメント(560dtex/50フィラメント)を用いた。得られた細幅織物(実施例5〜8、および比較例3)はいずれも柔軟であった。これら実施例5〜8、および比較例3についても上記と同様の試験方法により、原糸の繊度、破断強度、破断強力、及び細幅織物の破断強力、破断伸び、10%伸長時の応力、及び20%伸張回復率を測定した。また衝撃緩衝性及び制御性の試験を行った。
衝撃緩衝性,制御性試験において、実施例5〜7の細幅織物を用いたリードでは、犬が急激に引っ張ったときの衝撃緩衝性が良好であると共に、犬の制御性も良好であった。実施例8の細幅織物を用いたリードでは、実施例5〜7の場合に比べて衝撃緩衝性がやや劣ると感じられたものの、差程の差異として感じられないものであった。また犬の制御性は良好であった。比較例3の細幅織物を用いたリードでは、犬の制御性は良好であるものの、犬が急激に引っ張ったときに衝撃が伝わり、衝撃緩衝性に劣るものであった。
また実施例5〜8の細幅織物は、このうちの最も幅の狭い実施例5(10mm幅)であってもその破断強力が127Nあり、十分な強力を有していた。尚上記と同様に実施例5〜8の細幅織物においても、黒原着の非常に大きな直径(0.19mm、0.25mm)のモノフィラメントを使用していることから、光の反射状態が微妙に変化し、見る角度によって色調が異なり審美性に優れるものであった。
更に実施例5〜8の細幅織物を用いたリードに土を付けた後、水道水を流しながら洗ったところ、付着した土は流水下で比較的簡単に洗浄できた。
以上、例を挙げて本発明を具体的に説明したが、本発明はもとより上記例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の衝撃緩衝長尺構造体、殊に衝撃緩衝紐類は、適度な衝撃緩衝性を有し、且つ、伸び過ぎないので、犬等の動物のリードやハーネス、パラシュートの紐や安全紐、或いはベルト等の身体を保持するための紐、車輌係留用の紐として有用である。また荷造り紐として用いた場合にも、伸び過ぎることがないので弛みなく固定できると共に、多少伸びることから結ぶ際の操作性も良い。その他、結束コード、靴紐、帯締め、時計バンド、ズボン等のベルト、縫い紐、ストラップ、リュックサック等のカバンの紐、腰痛帯、サポーター等にも用いることができる。

Claims (3)

  1. 熱可塑性エラストマーからなる直径0.10〜1.5mmのモノフィラメントから形成された長尺構造体であり、該長尺構造体の物性が、下記(1)〜(3)を満足することを特徴とする衝撃緩衝長尺構造体。
    ・ 破断伸び(%) :60〜350
    ・ 10%伸長応力(CN/dtex):0.1〜0.8
    ・ 20%伸長時の伸長回復率(%) :80%以上
  2. 熱可塑性エラストマーがポリエステル系エラストマーである請求項1に記載の衝撃緩衝長尺構造体。
  3. ポリエステル系エラストマーが、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを主原料として用いられる芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、ポリアルキレングリコールをソフトセグメントとするブロックエーテルエステル系弾性体である請求項2に記載の衝撃緩衝長尺構造体。
JP2011119919A 2011-05-30 2011-05-30 衝撃緩衝長尺構造体 Pending JP2012244950A (ja)

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