JP2012244744A - 電動機 - Google Patents

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玲 近藤
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義次 小山
Mitsuhiro Tanaka
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Abstract

【課題】電動機における漏れ電流の増加を確実に抑制する。
【解決手段】ステータ(10)と、ステータ(10)によって回転されるロータ(20)とを備える電動機を対象とする。ステータ(10)は、筒部(12)と、筒部(12)から径方向に延びるティース(13)と、ティース(13)の外側に巻回される巻線部(15a)と、ティース(13)と巻線部(15a)との間に介在するように、少なくともティース(13)の表面に一体成型される絶縁性のモールド層(18)と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動機に関し、特に電動機の漏れ電流を低減するための対策に係るものである。
従来より、ステータと、該ステータによって回転されるロータとを有する電動機が知られている。この種の電動機として、特許文献1には、巻線(巻線部)が絶縁性フィルムを介してティースに巻回されるステータと、巻線部に流れる電流によって回転駆動されるロータとを備える圧縮機用モータ(電動機)が開示されている。
上述のような電動機において、巻線部に流れる電流が、該巻線部とティースとの間に形成される浮遊容量を介してティースへ漏れてしまう問題がある。これに対して、特許文献1に開示される絶縁性フィルムには、互いに独立した多数の空孔が内包されている。これにより、該絶縁性フィルムの比誘電率が小さくなるため、巻線部とティースとの間の浮遊容量が小さくなり、巻線部からティースへ流れる漏れ電流を小さくできる。
特開2001−218408号公報
ところで、上述のようにティースと巻線部との間に絶縁性の部材を介在させても、該絶縁性の部材とティースとの間に隙間が形成されてしまうことがある。そうなると、例えばこの隙間に比誘電率の比較的高い流体等が入り込んでしまった場合、ティースと巻線部との間の浮遊容量が増大してしまう。その結果、電動機の漏れ電流が大きくなってしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電動機における漏れ電流の増加を確実に抑制することである。
第1の発明は、電動機を対象とし、ステータ(10)と、該ステータ(10)によって回転されるロータ(20)とを備え、前記ステータ(10)は、筒部(12)と、該筒部(12)から径方向に延びるティース(13)と、該ティース(13)の外側に巻回される巻線部(15a)と、前記ティース(13)と前記巻線部(15a)との間に介在するように、少なくとも前記ティース(13)の表面に一体成型される絶縁性のモールド層(18)と、を備えることを特徴とする。
第1の発明では、巻線部(15a)に電流が流されることによりステータ(10)内に回転磁界が発生する。この回転磁界によってロータ(20)が回転されることで、電動機が駆動する。
第1の発明では、ティース(13)と巻線部(15a)との間には、絶縁性の部材としてモールド層(18)が介在している。このモールド層(18)は、少なくともティース(13)の表面に一体に成型されることにより形成されるため、ティース(13)の表面に対して隙間なく密着して固定される。
第2の発明は、第1の発明において、前記モールド層(18)は、前記筒部(12)と前記巻線部(15a)との間に介在するように前記筒部(12)の表面にも一体成型されることを特徴とする。
第2の発明では、モールド層(18)が、ティース(13)と巻線部(15a)との間だけでなく、筒部(12)と巻線部(15a)との間にも介在するように筒部(12)の表面にも一体成型され、筒部(12)の表面に対して隙間なく密着して固定される。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記モールド層(18)には、絶縁性の中空部材(17)が含有されていることを特徴とする。
第3の発明では、モールド層(18)に、中空部材(17)の内部に形成される中空状の空間が含まれることになるため、モールド層(18)の比誘電率が全体的に低くなる。また、前記中空状の空間は、中空部材(17)によって覆われているため、この空間内への流体の侵入が防止される。
第4の発明は、第3の発明において、前記モールド層(18)には、多数の前記中空部材(17)が含有されていることを特徴とする。
第4の発明では、モールド層(18)に多数の前記中空部材(17,17,…)が含有される。これにより、多数の中空部材(17,17,…)をモールド層(18)において均一に分散することが可能になる。
第5の発明は、第1から第4のうちいずれか1つの発明において、前記ステータ(10)は、前記巻線部(15a)を覆うように該巻線部(15a)の表面に一体成型される絶縁性の外側モールド層(16)を備えることを特徴とする。
第5の発明では、巻線部(15a)は、絶縁性の外側モールド層(16)で覆われている。この外側モールド層(16)は、巻線部(15a)の表面に一体に成型されることにより形成されるため、巻線部(15a)の表面に対して隙間なく密着して固定される。
第1の発明によれば、モールド層(18)がティース(13)の表面に対して隙間なく密着して固定されるため、比較的比誘電率の高い流体がティース(13)とモールド層(18)との間に侵入するのを抑制できる。その結果、巻線部(15a)とティース(13)との間の浮遊容量の増加を抑制できるため、巻線部(15a)からティース(13)へ流れる漏れ電流の増加を抑制できる。
また、第2の発明によれば、モールド層(18)は、ティース(13)の表面だけでなく、
筒部(12)と巻線部(15a)との間に介在するように筒部(12)の表面に対しても隙間なく密着して固定される。これにより、比較的比誘電率の高い流体が筒部(12)とモールド層(18)との間に侵入するのを抑制できるため、電動機における漏れ電流の増加を更に抑制できる。
また、第3の発明によれば、モールド層(18)内に中空状の空間が形成されるため、モールド層(18)の比誘電率を低減できる。しかも、この空間は中空部材(17)によって覆われているため、該空間に流体が侵入することに起因してモールド層(18)の比誘電率が増大するのを防止できる。
また、第4の発明によれば、多数の中空部材(17)をモールド層(18)内に均一に分散させることが可能になる。これにより、モールド層(18)の比誘電率を全体的に均一にできる。より詳細には、例えば絶縁性の部材としての発泡樹脂の内部に独立気泡からなる多数の空間を形成し、これらの空間によって比誘電率を低減する場合、気泡生成時の温度むら等に起因して、これらの空間の大きさや分布に偏りが生じてしまうことがある。その結果、発泡樹脂の比誘電率も全体的に不均一となり、漏れ電流を十分に抑制できない虞がある。
これに対して、第4の発明では、多数の中空部材(17)の内部に空間を形成しているため、これらの空間の大きさの寸法管理も容易となり、これらの空間の大きさを均一化できる。しかも、中空部材(17)であれば、モールド層(18)内に容易に分散できるため、前記空間の分布も均一化しやすい。その結果、モールド層(18)の比誘電率を全体的に均一化でき、漏れ電流の増加を一層確実に抑制できる。
更に、絶縁性の部材として発泡樹脂を用いると、樹脂の内部に多数の空洞が形成されるため、十分な強度を保てなくなる虞がある。これに対して、第4の発明では、モールド層(18)に多数の中空部材(17)を含有させているため、モールド層(18)の強度を保つことができる。
また、第5の発明によれば、外側モールド層(16)が巻線部(15a)の表面に対して隙間なく密着して固定されるため、巻線部(15a)とモールド層(18)との間への流体の侵入を抑制できる。その結果、電動機における漏れ電流の増加を更に抑制できる。
図1は、実施形態1に係る圧縮機の縦断面図である。 図2は、図1におけるII-II線断面図である。 図3は、第1モールド部の一部の拡大断面図である。 図4は、ステータにおける1つのティース付近を拡大して示す破断斜視図であって、第1モールド部及び第2モールド部の成型工程を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態》
実施形態に係る圧縮機(1)は、例えば冷凍サイクルを行う冷媒回路(図示省略)に接続されている。圧縮機(1)は、冷媒回路から吸入した冷媒を圧縮して高圧冷媒とし、この高圧冷媒を冷媒回路へ供給するものである。
−圧縮機の全体構成−
圧縮機(1)は、図1に示すように、ケーシング(2)と、該ケーシング(2)内に配置される電動機(3)と、該電動機(3)に駆動されて冷媒を圧縮する圧縮機構(5)と、駆動軸(4)や圧縮機構(5)の摺動部に潤滑油を供給するための給油機構(6)とを備えている。
ケーシング(2)は、上下方向に延びる円筒状のケーシング本体(2a)と、該ケーシング本体(2a)の上側の開口を閉塞する上壁部(2b)と、該ケーシング本体(2a)の下側の開口を閉塞する底壁部(2c)とを備えている。ケーシング本体(2a)における下側寄りの部分には、圧縮前の冷媒が吸入される吸入管(23)が、上壁部(2b)には圧縮機構(5)で圧縮された冷媒が吐出される吐出管(24)が、それぞれ接続されている。また、底壁部(2c)の内部には、駆動軸(4)や圧縮機構(5)の摺動部を潤滑するための潤滑油が貯留されている。
電動機(3)は、ケーシング(2)内における上壁部(2b)寄りの部分に固定されている。電動機(3)は、いわゆるインナーロータ型の電動機で構成されている。電動機(3)には駆動軸(4)が連結されている。電動機(3)は、駆動軸(4)を介して圧縮機構(5)を駆動させるためのものである。
圧縮機構(5)は、例えば揺動ピストン型の圧縮機構で構成されている。圧縮機構(5)は、ケーシング(2)内における底壁部(2c)寄りの部分に配置されている。圧縮機構(5)は、シリンダ(25)と、該シリンダ(25)の内部に収納されたピストン(26)とを備えている。シリンダ(25)は、上下方向に開口する円筒状に形成されていて、上側がフロントヘッド(27)によって閉塞される一方、下側がリアヘッド(28)によって閉塞されている。これにより、シリンダ(25)の内部にシリンダ室(S1)が形成される。また、フロントヘッド(27)及びリアヘッド(28)には、それぞれ、軸受部(27a,28a)が形成されていて、駆動軸(4)を回転可能に支持している。圧縮機構(5)は、シリンダ室(S1)内をピストン(26)が偏心回転することにより、吸入管(23)から吸入された冷媒を圧縮して、吐出管(24)から吐出するように構成されている。
給油機構(6)は、給油ポンプ(6a)と、駆動軸(4)に形成された給油路(図示省略)とを備えている。給油ポンプ(6a)は、ケーシング(2)の底壁部(2c)に溜められた潤滑油に浸漬されていて、潤滑油を汲み上げる。この潤滑油は、給油路を通じて各摺動部へ供給される。
−電動機の構成−
電動機(3)は、図1及び図2に示すように、略円筒状のステータ(10)と、該ステータ(10)の内部に配置される略円柱状のロータ(20)とを備えている。
ロータ(20)は、円板状に形成された複数の鋼板が積層されることにより円柱状に形成される円柱部(21)と、円柱部(21)の周方向に等間隔をおいて埋設される複数の永久磁石(22,22,…)とを備えている。円柱部(21)の中心部分には該円柱部(21)の軸方向に貫通する貫通孔(21a)が形成されている。この貫通孔(21a)には、駆動軸(4)が挿通固定されている。ロータ(20)は、該ロータ(20)の永久磁石(22)が前記ステータ(10)内に形成される回転磁界に引き寄せられるように回転することにより、ステータ(10)内で回転する。
ステータ(10)は、略円筒状に形成されていて、ケーシング本体(2a)の内周面に挿通固定されている。ステータ(10)の内部には、ロータ(20)が配置されている。ステータ(10)は、ステータコア(11)と、第1モールド部(14)と、コイル線(15)と、第2モールド部(16)とを備えている。
ステータコア(11)は、複数の鋼板が積層されることによって形成される。ステータコア(11)は、筒部としての円筒状のコアバック(12)と、複数のティース(13,13,…)とを備えている。これらのティース(13,13,…)は、周方向に等間隔となるように配置される。各ティース(13)は、コアバック(12)の内周面から径方向内方に突出する直方体状のティース本体部(13a)と、ティース本体部(13a)の先端面に形成される鍔部(13b)とを備えている。鍔部(13b)は、やや肉厚な板状に形成され、ロータ(20)の外周面に対向するように配置される。鍔部(13b)は、上下方向(駆動軸(4)の軸方向)において、ティース本体部(13a)と高さが同じであり、周方向においてティース本体部(13a)よりも幅が広い。
第1モールド部(14)は、ステータコア(11)の表面における所定の部分に一体的にモールド成型されることにより形成される。第1モールド部(14)は、図1及び図4(A)等に示すように、ティース本体側モールド部(31)と、鍔部側モールド部(32)と、コアバック側モールド部(33)とを備えている。
ティース本体側モールド部(31)は、ティース(13)の表面に一体成型されている。本実施形態では、ティース本体側モールド部(31)は、ティース本体部(13a)における上下方向両側の面及び周方向両側の面に一体成型されている。これにより、ティース本体側モールド部(31)は角筒状に形成される。ティース本体側モールド部(31)は、概ね均一の厚みとなるように形成される。
鍔部側モールド部(32)は、径方向(鍔部(13b)における厚み方向)に延びる面及び径方向外側の面に一体成型されている。鍔部側モールド部(32)は、上方及び下方に突出する板状の突出部(32a)を備えている。この突出部(32a)は、コイル線(15)をティース本体部(13a)へ巻回する際にコイル線(15)がロータ(20)側へはみ出してしまうのを防止するためのものである。
コアバック側モールド部(33)は、コアバック(12)における上下方向両側の面及び径方向内側の面に一体成型されている。コアバック側モールド部(33)は、コアバック(12)の上側の面に形成される上側外壁部(33a)と、コアバック(12)の下側の面に形成される下側外壁部(33b)と、コアバック(12)の径方向内側の面に形成される内周側モールド部(33c)とを備えている。上側外壁部(33a)は、上下方向にやや扁平な筒状に形成され、下側外壁部(33b)は、上側外壁部(33a)よりも上下方向に長い筒状に形成されている。上側外壁部(33a)及び下側外壁部(33b)の外周面には、コイル線(15)の渡り線部が沿うように配置される。内周側モールド部(33c)は、コアバック(12)の内周面に概ね均一の厚みとなるように形成されている。内周側モールド部(33c)は、前記ティース本体側モールド部(31)とともにモールド層(18)を構成している。
第1モールド部(14)は、比較的比誘電率の低い絶縁性の樹脂材料で構成されている。この樹脂材料の比誘電率は、例えば3程度である。そして、この樹脂材料には、多数の微小中空球(17)が含有されている。この微小中空球(17)は、絶縁性の中空部材を構成している。
微小中空球(17)は、図3に示すように、内部に中空空間(17a)を有する略球状に形成されている。この微小中空球(17)は、ソーダ石灰硼珪酸ガラスで構成されていて、直径が15〜135μm程度、厚みが0.5〜1.3μm程度、耐圧強度が1.7〜193MPa程度である。微小中空球(17)は、第1モールド部(14)内において概ね均一に分散している。微小中空球(17)は、内部に中空空間(17a)が形成されているため、比誘電率が1.2〜2.0程度と、比較的低くなっている。微小中空球(17)を含有した第1モールド部(14)は、比誘電率が2〜2.5程度まで低くなる。なお、微小中空球(17)は、ソーダ石灰硼珪酸ガラスとは異なるガラス材料、又は樹脂材料で構成されていてもよい。
コイル線(15)は、各ティース本体部(13a)の外側に巻回される巻線部(15a)と、巻線部(15a)同士を繋ぐ渡り線部(図示省略)とを備えている。コイル線(15)には、インバータ装置(図示省略)が接続されている。このインバータ装置によってコイル線(15)を流れる電流の周波数が可変となり、これにより駆動軸(4)の回転数が調整可能となっている。
巻線部(15a)は、ティース本体側モールド部(31)を介してティース本体部(13a)に巻回されている。すなわち、ティース本体部(13a)と巻線部(15a)との間には、ティース本体側モールド部(31)が介在している。これにより、巻線部(15a)とティース本体部(13a)との絶縁性を確保できる。また、巻線部(15a)とコアバック(12)の内周面との間には、コアバック側モールド部(33)の内周側モールド部(33c)が介在している。これにより、巻線部(15a)とコアバック(12)との絶縁性を確保できる。渡り線部は、前記上側外壁部(33a)や下側外壁部(33b)の外周面に沿うように配置されて、各ティース本体部(13a)に巻回される巻線部(15a)同士を接続する。
第2モールド部(16)は、巻線部(15a)の表面を覆うように該巻線部(15a)の表面に一体成型される絶縁性の外側モールド層を構成している。第2モールド部(16)は、第1モールド部(14)と同じ材料で構成されている。具体的には、第2モールド部(16)は、微小中空球(17)が添加された絶縁性の樹脂材料で形成されている。微小中空球(17)を含有した第2モールド部(16)は、第1モールド部(14)と同様、比誘電率が2〜2.5程度になる。微小中空球(17)は、第2モールド部(16)内において概ね均一に分散している。この微小中空球(17)は、耐圧強度が比較的高いため、電動機(3)の強度が高まる。
−第1モールド部及び第2モールド部の成型工程−
第1モールド部(14)及び第2モールド部(16)の成型工程について、図4を用いて説明する。
まず、ステータコア(11)の表面に、第1モールド部(14)を一体成型する。具体的には、微小中空球(17)が添加されて均一に分散した第1モールド部(14)の溶融材料を、ステータコア(11)が置かれた状態の金型内に流し込んだ後、冷却する。これにより、微小中空球(17)を含有する第1モールド部(14)がステータコア(11)の表面にモールド成型される。第1モールド部(14)を形成することにより、ティース本体側モールド部(31)、鍔部側モールド部(32)及びコアバック側モールド部(33)が同時に形成される(図4(A)参照)。このとき、モールド層(18)も同時に形成される。
次に、コイル線(15)を、上述のように形成された第1モールド部(14)のティース本体側モールド部(31)を介してティース本体部(13a)に巻回する。これにより、ティース本体部(13a)の外側に巻線部(15a)が形成される(図4(B)参照)。コイル線(15)は、ティース本体部(13a)に巻回された後、上側外壁部(33a)や下側外壁部(33b)の外周面に沿うように配置され、別のティース(13)に巻回される。
最後に、上述のように巻回された巻線部(15a)を覆うように、該巻線部(15a)の表面に第2モールド部(16)を一体成型する。具体的には、微小中空球(17)が添加されて均一に分散した第2モールド部(16)の溶融材料を、巻線部(15a)が形成されたステータコア(11)が置かれた状態の金型内に流し込んだ後、冷却する。これにより、微小中空球(17)を含有する第2モールド部(16)が巻線部(15a)の表面にモールド成型される(図4(C)参照)。
−圧縮機の運転動作−
電動機(3)が駆動されると、電動機(3)のロータ(20)に連結された駆動軸(4)が圧縮機構(5)のピストン(26)を偏心回転させる。これにより、吸入管(23)を通じて冷媒がシリンダ室(S1)内へ吸入される。この冷媒は、シリンダ室(S1)で徐々に圧縮されて高圧冷媒となった後、吐出口(図示省略)を通じて、ケーシング(2)内における電動機(3)が収容されている空間へ吐出される。そして、この高圧冷媒は電動機(3)を冷却しながら上方へ流れ、吐出管(24)を通じて冷媒回路へ吐出される。
また、圧縮機構(5)による冷媒の圧縮動作中、圧縮機における各摺動部には、給油機構(6)による潤滑油の供給が行われる。各摺動部を潤滑した潤滑油は、ケーシング(2)の底壁部(2c)へ戻され、再び給油ポンプ(6a)で汲み上げられて各摺動部を潤滑する。しかし、潤滑油の一部は、ケーシング(2)内で冷媒と混合し、ケーシング(2)内における電動機(3)が収容されている空間を流れた後、吐出管(24)を通じて冷媒回路へ吐出される。
−電動機の運転動作−
コイル線(15)が通電されると、コイル線(15)の巻線部(15a)を流れる電流によってステータ(10)の内部に回転磁界が発生する。すると、ロータ(20)に埋設された永久磁石(22)が回転磁界に引き寄せられることにより、ロータ(20)が回転駆動する。これにより、電動機(3)が回転駆動する。
巻線部(15a)とステータコア(11)との間には、電動機(3)をインバータ装置により駆動する際、高電圧のスイッチング動作に伴うコモンモード電圧が発生する。すると、巻線部(15a)を流れる高周波の電流は、巻線部(15a)とステータコア(11)との間に形成される浮遊容量を介して漏れてしまう。
この漏れ電流は、前記浮遊容量の増大とともに大きくなる。例えば、比較的比誘電率の高い冷媒や潤滑油が巻線部とステータコアとの間に侵入すると、前記浮遊容量が増大し、電動機の漏れ電流が大きくなってしまう。特に、圧縮機が長期間に亘って駆動されないと、潤滑油や冷媒がケーシング(2)内に溜まって液面が上昇することにより電動機が潤滑油や冷媒に浸漬してしまうことがある。そうなると、巻線部とステータコアとの間に潤滑油等が侵入しやすくなり浮遊容量が大幅に増えてしまう。その結果、電動機の起動時に多量の漏れ電流が発生することによって漏電ブレーカーが誤動作してしまう虞がある。
これに対して、本実施形態では、ステータコア(11)と巻線部(15a)との間に形成される絶縁性の部材を、ティース本体部(13a)の表面に一体成型される絶縁性のティース本体側モールド部(31)と、コアバック(12)の内周面に一体成型される絶縁性の内周側モールド部(33c)とを含むモールド層(18)で構成している。これにより、ティース本体側モールド部(31)がティース本体部(13a)に対して隙間なく密着し、内周側モールド部(33c)がコアバック(12)の内周面に対して隙間なく密着する。その結果、冷媒や潤滑油等の比較的比誘電率の高い流体が、ティース本体部(13a)とティース本体側モールド部(31)との間や、コアバック(12)と内周側モールド部(33c)との間に侵入するのが防止されるため、ステータコア(11)と巻線部(15a)との間の浮遊容量の増加が確実に抑制される。従って、電動機(3)における漏れ電流の増加が抑制される。更に、電動機(3)が潤滑油や冷媒に浸漬してしまった場合であっても、ステータコア(11)とモールド層(18)との間に潤滑油等が侵入するのが防止されるため、漏電ブレーカーの誤動作が防止される。
また、本実施形態では、鍔部(13b)における径方向外側の面に鍔部側モールド部(32)が一体成型されているため、鍔部(13b)と鍔部側モールド部(32)との間に潤滑油等が侵入するのが抑制される。従って、巻線部(15a)と鍔部(13b)との間の浮遊容量の増加が抑制されるため、電動機(3)の漏れ電流が確実に抑制される。
また、本実施形態では、巻線部(15a)の表面が第2モールド部(16)で覆われているため、冷媒や潤滑油が、巻線部(15a)の隙間や、巻線部(15a)と第1モールド部(14)との間に侵入するのが防止される。従って、電動機(3)の漏れ電流の増加がより確実に抑制される。
更に、第1モールド部(14)には、比較的比誘電率の低い微小中空球(17)が含有されているため、第1モールド部(14)の比誘電率が低減される。これにより、巻線部(15a)とステータコア(11)との間の浮遊容量が低くなるため、電動機(3)の漏れ電流が低減される。
また、従来は、巻線部とティースとを絶縁するための絶縁性の部材(本実施形態におけるティース本体側モールド部(31)に相当する部材)として、加熱により発泡する絶縁性の樹脂が用いられることがあった。この樹脂を加熱することにより樹脂の内部に多数の気泡が生成されるため、樹脂全体の比誘電率が低減し、電動機の漏れ電流の増加が抑制される。しかし、こうすると、加熱時の温度むら等によって気泡の径がばらついたり、樹脂内における気泡の分布にばらつきが生じたりする虞がある。その結果、樹脂の比誘電率が全体的に不均一になってしまう。
これに対して、本実施形態では、第1モールド部(14)において、所定の外径の微小中空球(17)を比較的均一に分散できる。これにより、第1モールド部(14)全体に亘って、比誘電率が概ね均一になる。
しかも、微小中空球(17)内の中空空間(17a)は、微小中空球(17)によって覆われている。これにより、中空空間(17a)への潤滑油等の流入が防止されるため、第1モールド部(14)と巻線部(15a)との間の浮遊容量の増加が抑制される。その結果、電動機(3)の漏れ電流の増加が低減される。
−実施形態の効果−
上述のように、本実施形態の電動機(3)では、巻線部(15a)とステータコア(11)との間を絶縁するための絶縁性の部材を、ティース本体部(13a)の表面に一体成型されるティース本体側モールド部(31)と、コアバック(12)の内周面に一体成型される内周側モールド部(33c)とを含むモールド層(18)で構成している。これにより、ステータコア(11)とモールド層(18)との間に冷媒や潤滑油等の、比較的比誘電率の高い流体が侵入するのを防止できるため、巻線部(15a)とステータコア(11)との間の浮遊容量の増加を抑制できる。その結果、巻線部(15a)からステータコア(11)へ流れる電動機(3)の漏れ電流の増加を抑制できる。更に、鍔部(13b)には鍔部側モールド部(32)が一体成型されているため、電動機(3)の漏れ電流の増加を確実に抑制できる。
また、本実施形態によれば、第1モールド部(14)を成型することにより、前記ティース本体側モールド部(31)が形成されると同時に、巻線部(15a)や渡り線を所定の位置に配設するための突出部(32a)、上側外壁部(33a)及び下側外壁部(33b)が形成される。
また、巻線部(15a)の表面に、第2モールド部(16)を一体成型しているため、コイル線(15)同士の隙間や、巻線部(15a)と第1モールド部(14)との間の隙間に、冷媒や潤滑油が侵入するのを防止できる。これにより、電動機(3)の漏れ電流の増加をより確実に抑制できる。
また、上述のように漏れ電流の増加を抑制することにより、この漏れ電流に起因するノイズを低減できる。その結果、ノイズを低減するためのノイズフィルタ等を小型化できるため、電動機(3)の電源供給回路を全体的に小さくできる。
また、第1モールド部(14)に、比較的比誘電率の低い微小中空球(17)を含有させているため、第1モールド部(14)の比誘電率を低くすることができる。これにより、電動機(3)の漏れ電流を低減できる。更に、この微小中空球(17)の内部に形成される中空空間(17a)は、該微小中空球(17)によって覆われているため、中空空間(17a)に冷媒や潤滑油が流入することに起因する第1モールド部(14)の比誘電率の増加を防止できる。
また、第1モールド部(14)の内部には、所定の外径の微小中空球(17,17,…)が、概ね均一になるように分散されている。これにより、第1モールド部(14)全体に亘って比誘電率を概ね均一にできる。更に、微小中空球(17)は、ガラス材料によって構成されているため、比較的強度が高い。これにより、電動機(3)の強度を上げることができる。
また、樹脂を加熱発泡させて多数の気泡を生成することにより樹脂の比誘電率を低くする場合には、加熱発泡性の樹脂を用いる必要がある。そうなると、使用可能な樹脂材料の種類に制限が生じてしまう。これに対して、本実施形態のように微小中空球(17)を添加すれば、加熱発泡樹脂以外の樹脂を使用することも可能になる。従って、絶縁性の部材としてとして使用可能な樹脂材料の選択自由度が広がるため、電動機(3)のコストを下げたり性能を向上させたりしやすくなる。
−その他の実施形態−
前記実施形態については、以下のような構成にしてもよい。
前記実施形態では、モールド層(18)を、ティース本体側モールド部(31)と内周側モールド部(33c)とで構成しているが、この限りでなく、モールド層(18)をティース本体側モールド部(31)のみで構成してもよい。
また、前記実施形態の電動機(3)では、第1モールド部(14)を構成する材料として、微小中空球(17)が含有された樹脂を用いているが、この限りでなく、加熱膨張性の樹脂を用いてもよい。例えば、第1モールド部(14)を構成する材料として、加熱によって膨張する熱膨張性のマイクロカプセルが含有された加熱硬化性のシリコーン樹脂等を用いることもできる。この熱膨張性のマイクロカプセルは、加熱されて膨張することによって、内部に中空空間(17a)を有する絶縁性の中空部材となる。
また、前記実施形態では、ティース(13)は鍔部(13b)を備えているが、この限りでなく、ティース(13)は鍔部(13b)を備えていなくてもよい。具体的には、ティース(13)は、ティース本体部(13a)だけで構成されていてもよい。
また、前記実施形態は、揺動ピストン型の圧縮機を対象としているが、この限りでなく、例えばロータリー圧縮機やスクリュー型圧縮機等を対象としてもよい。
また、前記実施形態では、圧縮機を対象としているが、その他の機器や装置を対象としてもよい。
以上説明したように、本発明は、潤滑油によって各摺動部が潤滑される圧縮機に用いられる電動機に特に有用である。
3 電動機
10 ステータ
12 コアバック(筒部)
13 ティース
15a 巻線部
16 第2モールド部(外側モールド層)
17 微小中空球(中空部材)
18 モールド層
20 ロータ

Claims (5)

  1. ステータ(10)と、該ステータ(10)によって回転されるロータ(20)とを備え、
    前記ステータ(10)は、
    筒部(12)と、
    前記筒部(12)から径方向に延びるティース(13)と、
    前記ティース(13)の外側に巻回される巻線部(15a)と、
    前記ティース(13)と前記巻線部(15a)との間に介在するように、少なくとも前記ティース(13)の表面に一体成型される絶縁性のモールド層(18)と、を備えることを特徴とする電動機。
  2. 請求項1において、
    前記モールド層(18)は、前記筒部(12)と前記巻線部(15a)との間に介在するように前記筒部(12)の表面にも一体成型されることを特徴とする電動機。
  3. 請求項1又は2において、
    前記モールド層(18)には、絶縁性の中空部材(17)が含有されていることを特徴とする電動機。
  4. 請求項3において、
    前記モールド層(18)には、多数の前記中空部材(17)が含有されていることを特徴とする電動機。
  5. 請求項1から4のうちいずれか1つにおいて、
    前記ステータ(10)は、前記巻線部(15a)を覆うように該巻線部(15a)の表面に一体成型される絶縁性の外側モールド層(16)を備えることを特徴とする電動機。
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