JP2012243917A - 荷電粒子線露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光装置の大型化を抑制し、荷電粒子線を用いてマスクレス露光方式で効率的にターゲットを露光する。
【解決手段】電子ビーム露光装置EXは、電子ビームEBが照射される複数のアパーチャ15が形成されたBAA部材14と、電子ビームEBのオン/オフを制御する変調部13と、アパーチャ15に対応する配置の複数のアパーチャ25がそれぞれ形成された複数のサブ・フィールド23A,24A等を有する固定アパーチャ部材22と、変調部13でオンにされた電子ビームを、一つのサブ・フィールドに偏向する主偏向系20と、選択されたサブ・フィールドの像に対してウエハWをY方向に移動するウエハステージWSTと、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】電子ビーム露光装置EXは、電子ビームEBが照射される複数のアパーチャ15が形成されたBAA部材14と、電子ビームEBのオン/オフを制御する変調部13と、アパーチャ15に対応する配置の複数のアパーチャ25がそれぞれ形成された複数のサブ・フィールド23A,24A等を有する固定アパーチャ部材22と、変調部13でオンにされた電子ビームを、一つのサブ・フィールドに偏向する主偏向系20と、選択されたサブ・フィールドの像に対してウエハWをY方向に移動するウエハステージWSTと、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば半導体集積回路を製造するためのリソグラフィー工程に用いられる荷電粒子線露光技術に関し、特に、デバイス(電子デバイス又はマイクロデバイス)のパターン情報に基づいて、パターン原版(マスク)を介さずに直接、電子ビーム又はイオンビーム等の荷電粒子線のオン/オフ制御及び偏向制御を行うことにより所望のパターンをターゲット上に描画するいわゆるマスクレス露光方式の荷電粒子線露光技術に関する。本発明は、さらに荷電粒子線露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
例えば半導体集積回路を製造するためのリソグラフィー工程で使用されている電子ビームを用いる露光(転写露光)技術として、最初に実用化されたペンシルビーム方式は、高精度ではあるがスループットが低いのが欠点とされていた。そこで、次に、矩形開口により成形された電子ビームを別の矩形開口上に結像させ、ビーム位置を偏向することにより、ターゲットとしてのウエハの表面で所望のサイズの矩形状の露光パターンを得る可変成形方式が実用化された。可変成形方式は、矩形状の領域を一度に露光できるため、ペンシルビーム方式に比べ飛躍的にスループットが向上でき、現在でも広く採用されている。
更に、セルプロジェクション、キャラクタープロジェクション、あるいはブロック露光と呼ばれる図形部分一括露光方式が実用化されている。この図形部分一括露光方式では、繰り返し性のある例えばターゲット上で5μm角程度の小さい回路パターン(小パターン)が複数種類形成されたマスクを用いて、1個の小パターンを一単位として繰り返し転写露光を行う。しかしながら、この方式でも、繰り返し性のないパターンについては、従来の可変成形方式の描画を行う必要がある。
一方、図形部分一括露光方式よりも飛躍的に高スループットをねらう電子ビーム転写露光方式として、一個の半導体チップ全体の回路パターンを備えたマスク(以下、レチクルと呼ぶ)を準備し、そのレチクルのある範囲に電子ビームを照射し、その照射範囲のパターンの像を投影レンズにより縮小転写する電子ビーム縮小転写方式が開発されている。この電子ビーム縮小転写方式では、通常、レチクルの全範囲に一括して電子ビームを照射して一度にパターンを転写するような広視野で高精度の電子光学系の実現は難しいとともに、原版となるレチクルの製作が困難である。そこで、最近精力的に検討されている方式の一つは、ウエハ上の1ダイ(1チップ分の領域)又は複数ダイを一度に露光するのではなく、大きな視野を持つ電子光学系を用いてパターンを小領域(サブ・フィールド)毎に分割して転写露光する方式(以下、分割転写方式と呼ぶ)である。この分割転写方式では、一つのサブ・フィールドの寸法はウエハ上で0.25mm角から1mm角程度であり、可変成形方式の場合の一回の露光面積に比べて非常に大きい。そして、被露光面上でこれらのサブ・フィールドのパターンの像をビーム偏向やステージ移動によりつなぐことにより、単なる電子ビーム縮小転写方式に比べて、光学的に広い領域にわたって解像度及び精度の良い露光を行うことができる。
また、最近検討されている別の方式は、マスクを使用せずに、電子ビームをブランキング・アパーチャ・アレイ(以下、BAAという。)と呼ばれる複数のアパーチャに通すことにより、数十本〜数百本の電子ビームに変換し、これらの複数の電子ビームでウエハを露光するマスクレス露光方式である。このマスクレス露光方式では、複数の電子ビームをウエハ上で同量偏向させつつ、不要な電子ビームのみに必要なタイミングでBAAが形成された部材(BAA部材)で偏向させることによってブランキングをかけて、ウエハへの露光をオフにすることにより、所望の露光パターンを実現できる。マスクレス露光方式では、電子ビームの偏向とブランキング制御とをウエハステージの移動に同期させることで、ウエハの全面を効率的に露光可能と考えられている(例えば非特許文献1参照)。
Hans C. Pfeiffer, "NEW PROSPECTS FOR ELECTRON BEAMS AS TOOLS FOR SEMICONDUCTOR LITHOGRAPHY", Proc. of SPIE Vol. 7378, 737802, (米国), (2009)
従来の分割転写方式では、一個の半導体チップ全体の回路パターンを備えたレチクルを準備する必要があるとともに、レチクルの所望の領域を電子ビームを照射できる位置に移動させるために真空環境で動作するレチクルステージが必要となり、露光装置の大型化を招いていた。
一方、従来のBAAを用いたマスクレス露光方式では、効率良くウエハの露光を行うためには、より大きな領域をカバーし、より多くのアパーチャを有するBAA部材を使用する必要がある。このため、BAA部材が大型化し、ブランキング機構が複雑化し、その制御が複雑化するとともに、多数の電子ビームのオン/オフ制御のためのデータ転送量が増加し、多数の電子ビームのオン/オフを高速に行うことが困難である。
本発明は、このような事情に鑑み、ターゲットを露光するための装置の大型化を抑制し、荷電粒子線を用いてマスクレス露光方式で効率的にターゲットを露光することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、荷電粒子線でターゲットを露光する荷電粒子線露光装置が提供される。この荷電粒子線露光装置は、その荷電粒子線からなるビームを発生する荷電ビーム源と、そのビームがそれぞれ照射される複数の第1開口が形成された第1開口部材と、その複数の第1開口から選択された第1開口を通過するビームをそのターゲットに照射可能とする変調系と、その複数の第1開口に対応する配置の複数の第2開口がそれぞれ形成された複数の部分領域を有する第2開口部材と、その変調装置で選択された第1開口を通過したビームを、その第2開口部材のその複数の部分領域から選択された一つの部分領域に偏向する第1偏向系と、その第1偏向系で選択された部分領域の複数の第2開口を通過したビームを集光して、そのターゲットの表面にその複数の第2開口の像を形成する投影系と、その投影系によるビームの露光領域に対してそのターゲットを第1方向に移動するステージと、を備えるものである。
また、第2の態様によれば、荷電粒子線でターゲットを露光する荷電粒子線露光方法が提供される。この荷電粒子線露光方法は、その荷電粒子線からなるビームを、第1開口部材に形成された複数の第1開口に照射することと、その複数の第1開口から選択された第1開口を通過するビームをそのターゲットに照射可能とするように変調することと、その変調によって選択された第1開口を通過したビームを、第2開口部材のその複数の第1開口に対応する配置の複数の第2開口がそれぞれ形成された複数の部分領域から選択された一つの部分領域に偏向することと、その選択された部分領域の複数の第2開口を通過したビームを集光して、そのターゲットの表面にその複数の第2開口の像を形成することと、そのビームの露光領域に対してそのターゲットを第1方向に移動することと、を含むものである。
また、第3の態様によれば、本発明の荷電粒子線露光装置又は荷電粒子線露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成されたその基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明によれば、第1開口部材の複数の第1開口から変調によって選択された開口を通過したビームをターゲットに照射可能とすることで、複数のビームのオン/オフ制御が行われる。また、第1開口部材の選択された第1開口を通過したビームを偏向させて第2開口部材の複数の部分領域を順次照明することで、その複数の部分領域の複数の第2開口の像(オン/オフ制御される複数のスポットビーム)がターゲットに露光される。さらに、その第2開口の像に対してターゲットを移動することで、マスクレス露光方式で効率的にターゲットを露光できる。
また、第1開口部材は第2開口部材よりも小型化できるため、第1開口部材の大型化を抑制でき、複数のビームのオン/オフ制御を行う制御系の複雑化を抑制でき、そのオン/オフ制御のためのデータ転送量の増大を抑制できる。また、複数の部分領域が設けられた第2開口部材を用いることにより、ターゲット上に露光されるパターンの一部又は全部のパターンに対応する原版パターンが形成されたレチクル(マスク)が不要となり、真空環境で動作するレチクルステージが不要となるため、露光装置の大型化を抑制できる。
本発明の実施形態の一例につき図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る電子ビーム露光装置EXの全体構成を概略的に示す。電子ビーム露光装置EXは、一例として電子ビームEBを用いてマスクレス露光方式でウエハWの表面(ウエハ面)を露光する露光装置である。また、電子ビーム露光装置EXは、ウエハWを露光する投影光学系27と、ウエハWを静電吸着等で保持して移動するウエハステージWSTと、装置全体の動作を制御するコンピュータよりなる主制御系41と、主制御系41に接続された記憶装置42と、その他の制御部等とを備えている。記憶装置42には、ウエハWに露光される回路パターンの形状等のデータ(露光用パターンデータ)が記憶されている。ウエハWは、シリコン等からなる円板状の基材の表面に電子線レジスト(感光材料)を塗布したものを含む。電子ビーム露光装置EXの電子光学系及び機構部は、不図示の真空チャンバ内に収納されている。以下、図1において、投影光学系27の光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内の直交座標系をX軸及びY軸として説明する。本実施形態では、露光中のウエハ面はほぼXY平面に平行である。
図1は、本実施形態に係る電子ビーム露光装置EXの全体構成を概略的に示す。電子ビーム露光装置EXは、一例として電子ビームEBを用いてマスクレス露光方式でウエハWの表面(ウエハ面)を露光する露光装置である。また、電子ビーム露光装置EXは、ウエハWを露光する投影光学系27と、ウエハWを静電吸着等で保持して移動するウエハステージWSTと、装置全体の動作を制御するコンピュータよりなる主制御系41と、主制御系41に接続された記憶装置42と、その他の制御部等とを備えている。記憶装置42には、ウエハWに露光される回路パターンの形状等のデータ(露光用パターンデータ)が記憶されている。ウエハWは、シリコン等からなる円板状の基材の表面に電子線レジスト(感光材料)を塗布したものを含む。電子ビーム露光装置EXの電子光学系及び機構部は、不図示の真空チャンバ内に収納されている。以下、図1において、投影光学系27の光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内の直交座標系をX軸及びY軸として説明する。本実施形態では、露光中のウエハ面はほぼXY平面に平行である。
電子ビーム露光装置EXは、電子ビームEBを発生する電子ビーム源10と、電子ビーム源10から発生した電子ビームEBを平行ビームに変換するコリメータレンズ(不図示)と、平行ビームに変換された電子ビームEBを個別に集光する複数の集光光学系12を有するコンデンサー光学系11とを備えている。主制御系41がビーム源制御部44を介して電子ビーム源10の出力を制御する。また、電子ビーム露光装置EXは、複数の集光光学系12によって集光された電子ビームが個別に照射される複数のアパーチャ15よりなるブランキング・アパーチャ・アレイ(以下、BAAという。)が形成されたブランキング・アパーチャ・アレイ部材(以下、BAA部材という。)14を備えている。
図2(A)に示すように、複数のアパーチャ15は、一例として、BAA部材14のX方向の幅SX1でY方向の幅SY1のアレイ領域51内に、X方向にピッチpx1で20行に、及びY方向にピッチpy1で20列に配列されている。即ち、アレイ領域51内で、−X方向で+Y方向の端部のアパーチャ15の中心の位置をP(1,1)としたとき、位置P(1,1)から+X方向に(i−1)px1だけ離れ、−Y方向に(j−1)py1だけ離れた位置P(i,j)(i,jは1以上で20以下の整数)にそれぞれ別のアパーチャ15の中心が配置されている。この例では、図1の複数の集光光学系12の配列も、X方向に20行でY方向に20列である。なお、図1では、図面の錯綜を避けるために、アパーチャ15及び集光光学系12は、それぞれ3行×3列に簡略化して表されている。
本実施形態においては、BAA部材14の各アパーチャ15に対応して複数の集光光学系12が設けられているため、電子ビーム源10からの電子ビームを効率よく利用できると同時に、BAA部材14における不要な熱の発生を防止できる利点がある。なお、例えばBAA部材14における照射熱の影響が小さいときには、複数の集光光学系12(コンデンサー光学系11)を省略することも可能である。
本実施形態では、BAA部材14のアパーチャ15の形成面は、ウエハ面とほぼ共役であり、アパーチャ15の配列のピッチpx1,py1は、一例として、ウエハ表面での値に換算して12.5μmである。従って、アレイ領域51の幅SX1,SY1は、ウエハ表面での値に換算して250(=20×12.5)μmである。また、アパーチャ15のX方向、Y方向の幅は、一例としてウエハ表面での値に換算してほぼ20nmである。なお、図2(A)のアパーチャ15の形状は円形であるが、アパーチャ15の形状は正方形又は長方形であってもよい。
また、電子ビーム露光装置EXは、BAA部材14の各アパーチャ15を通過した電子ビームのオン/オフを個別に制御する変調部13と、BAA部材14のアパーチャ15のアレイの像を形成する前群レンズ18A及び後群レンズ18Bを含むリレーレンズ17と、リレーレンズ17の瞳面(射出瞳と共役な面)に配置されて光軸上に円形のアパーチャ19aが形成されたブランキング・プレート19とを備えている。この場合、アパーチャ15を通過した電子ビームがオンになるとは、この電子ビームがウエハWに照射可能となることを意味し、アパーチャ15を通過した電子ビームがオフになるとは、この電子ビームがウエハWに照射されないことを意味する。変調部13は、BAA部材14の底面に、各アパーチャ15をY方向に挟むように設けられたそれぞれ1対の電極部材16A,16Bと、ブランキング・プレート19とを含んで構成されている。
図2(B)は、図2(A)のBAA部材14にY方向に一列に配列された3つのアパーチャ15を示す。図2(B)において、一例として中央の位置P(i1,j1)(i1,j1は整数)のアパーチャ15をY方向に挟む1対の電極部材16A,16B間には正の電圧が印加され、両側の位置P(i1,j1±1)の各アパーチャ15をそれぞれY方向に挟む2対の電極部材16A,16B間の電位差は0である。このとき、中央のアパーチャ15を通過する電子ビームは、+Y方向に偏向され、図1の電子ビームEB3と同様にブランキング・プレート19で遮断されてオフになり、両側のアパーチャ15を通過する電子ビームは、そのまま図1の電子ビームEB1,EB2と同様にブランキング・プレート19のアパーチャ19aを通過してオンになる。このように、各アパーチャ15をY方向に挟む1対の電極部材16A,16B間の電圧を制御することで、このアパーチャ15を通過する電子ビームのオン/オフを制御できる。
図1において、主制御系41の制御のもとで、変調制御部45が、各対の電極部材16A,16B間の電圧を個別に制御することで、全部のアパーチャ15を通過する電子ビームのオン/オフを個別に、かつ高速に制御できる。なお、アパーチャ15のアレイ、電極部材16A,16Bのアレイ、及びこれらの部材に電圧を供給する信号線(不図示)が形成されたBAA部材14は、例えば最近著しく進歩したMEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)技術を用いて製造することができる。
また、電子ビーム露光装置EXは、リレーレンズ17内に配置されてリレーレンズ17を通過する電子ビームを一律にX方向A1及びY方向A2に大きく偏向する主偏向系20と、リレーレンズ17を通過して集光及び偏向された電子ビームが選択的に照射される互いに同じ構成の第1行の複数のサブ・フィールド23A〜23F及び第2行の複数のサブ・フィールド24A〜24Fが形成された固定アパーチャ部材22と、固定アパーチャ部材22を支持する支持部材26とを備えている。主偏向系20は、電子ビームを一律にX方向に大きく偏向するX偏向器21Xと、電子ビームを一律にY方向に比較的大きく偏向するY偏向器21Yとを有する。
図3(A)に示すように、固定アパーチャ部材22のX方向の幅SX2でY方向の幅SY2のサブ・フィールド23Aには、図2(A)のBAA部材14のアパーチャ15のアレイと1:1に対応する配列で、X方向にピッチpx2で20行に、Y方向にピッチpy2で20列に配列されたアパーチャ25が形成されている。各アパーチャ25の位置P(i,j)の定義はBAA部材14上のアパーチャ15の位置と同様である。サブ・フィールド24A内にもサブ・フィールド23Aと同じ配置で複数のアパーチャ25が形成されている。
また、固定アパーチャ部材22のサブ・フィールド23A,24A等の形成面は、ウエハ面とほぼ共役である。サブ・フィールド23Aの幅SX2,SY2は、BAA部材14のアレイ領域51の幅SX1,SY1にリレーレンズ17の投影倍率を掛けた値と同じである。同様に、サブ・フィールド23A内のアパーチャ25の配列のピッチpx2,py2は、アレイ領域51内のアパーチャ15の配列のピッチpx1,py1にリレーレンズ17の投影倍率を掛けた値と同じであり、サブ・フィールド23A内のアパーチャ25の大きさは、アレイ領域51内のアパーチャ15の像とほぼ同じである。
図1において、実際には、第1行のサブ・フィールド23A〜23F及び第2行のサブ・フィールド24A〜24Fは、それぞれ20個のサブ・フィールドの一部を示しており、さらにその第1行のサブ・フィールドと第2行のサブ・フィールドとは交差するように配置されている(図4(A)参照)。主偏向系20によって、リレーレンズ17を通過する電子ビームは、その第1行及び第2行の複数のサブ・フィールド23A,24A等のうちの一つのサブ・フィールドに照射される。主制御系41の制御のもとで、主偏向制御部46が主偏向系20を介してリレーレンズ17を通過する電子ビームのX方向、Y方向の偏向量を一律に制御する。
また、固定アパーチャ部材22の第1行及び第2行の複数のサブ・フィールド23A,24A等を通過する電子ビームが、投影光学系27を介してウエハWの表面の露光領域に複数のサブ・フィールド23A,24A等の像(部分投影像31,32)を形成する。一例として、投影光学系27の投影倍率は1/4である。ただし、本実施形態では、ある時点では、それらのサブ・フィールド23A,24A等のうちの一つのサブ・フィールドのみに電子ビームが照射されているため、その時点では、投影光学系27を介してその一つのサブ・フィールドの像のみが形成される。
本実施形態において、リレーレンズ17から例えば図3(A)のサブ・フィールド23A(又は24A)に電子ビームが照射されると、サブ・フィールド23A内の全部のアパーチャ25のうちで、図2(A)のBAA部材14のアパーチャ15を通過して変調部13によってオンにされている電子ビームのみが対応する位置P(i,j)のアパーチャ25を照射する。そして、投影光学系27によって図3(B)に示すサブ・フィールド23A(又は24A)の像23AP(又は24AP)である部分投影像31(又は32)がウエハ面に形成される。その部分投影像31は、サブ・フィールド23A内のアパーチャ25の像25Pに対応する露光可能点35の集合である。各露光可能点35の位置P(i,j)の定義はBAA部材14上のアパーチャ15の位置と同様である。各露光可能点35のうちで、変調部13によってオンにされている電子ビームが照射される部分(黒点で示される部分)をビームスポット35Aと呼び、変調部13によって電子ビームがオフにされている部分(白点で示される部分)を非露光点35Bと呼ぶこととする。変調部13でBAA部材14の全部のアパーチャ15を通過した電子ビームのオン/オフを個別に制御することによって、ウエハ面の投影光学系27による部分投影像31(又は32)内の任意の位置P(i,j)にビームスポット35Aを照射できる。
また、図3(C)に示すように、露光可能点35(ビームスポット35A及び非露光点35B)のX方向、Y方向の配列のピッチをpx,pyとすると、一例としてピッチpx,pyは12.5μmであり、ビームスポット35AのX方向、Y方向の幅は20nmである。ビームスポット35Aの形状は円形であるが、その他に正方形又は長方形等も可能である。また、部分投影像31(32)のX方向、Y方向の幅は250μmである。このとき、投影光学系27の投影倍率を1/4とすると、固定アパーチャ部材22のサブ・フィールド23A(24A)内のアパーチャ25の配列のピッチpx2,py2は50μm、サブ・フィールド23A(24A)の幅SX2,SY2は1mmである。この場合、サブ・フィールド23A,24A等はほぼY方向に2行で、X方向に20列配置されているため、サブ・フィールド23A,24A等が形成されている全体の領域(投影光学系27の物体面側の視野)は、ほぼX方向の長さが20mmで、Y方向の幅が2mmの領域である。
また、電子ビーム露光装置EXは、投影光学系27内に配置されて、投影光学系27を通過する電子ビームをウエハ面で一律にX方向A3及びY方向A4に、図3(B)の露光可能点35の配列のピッチpx,pyの範囲(幅)内で偏向する副偏向系28を備えている。副偏向系28は、電子ビームを一律にX方向に偏向するX偏向器29Xと、電子ビームを一律に例えばウエハWのY方向への移動に同期してY方向に偏向するY偏向器29Yとを有する。主制御系41の制御のもとで、副偏向制御部47が副偏向系28を介して投影光学系27からウエハ面に照射される電子ビームのX方向、Y方向の偏向量を一律に制御する。
この結果、ウエハ面の部分投影像31,32内で、図3(C)に示すように、すべての露光可能点35のX方向、Y方向の位置を、それぞれX方向の幅pxでY方向の幅pyの描画領域36内で制御可能である。幅px,pyは露光可能点35の配列のピッチpx,pyと同じであるため、全部の露光可能点35を中心とする複数の描画領域36によって部分投影像31,32内の全部の領域を覆うことが可能である。従って、副偏向系28によってすべての露光可能点35を描画領域36内で偏向制御しつつ、変調部13によってそれぞれの露光可能点35を独立にオン・オフ制御することによって、部分投影像31,32で任意のパターンを露光できる。露光可能な最小のパターンはビームスポット35Aと同程度の大きさである。また、各ビームスポット35AのX方向、Y方向の位置の設定精度(アドレッシングの分解能)は、一例として各ビームスポット35Aの大きさを40nmと仮定すると、その1/20程度の2nmである。
なお、一例として、部分投影像31,32内の露光可能点35のY方向への移動は、平均的に、ウエハWのY方向への移動に同期して行われる。この結果、部分投影像31,32は、実質的にY方向に露光可能点35の配列のピッチpyの範囲内で移動可能である。
また、本実施形態では、ウエハステージWSTによって、投影光学系27による露光領域に対してウエハWをY方向(走査方向)に一定速度で移動可能であるとともに、ウエハWをX方向(非走査方向)に移動可能である。ウエハステージWSTのX方向、Y方向の位置は、複数軸のレーザ干渉計(不図示)によって計測されている。この計測値及び主制御系41からの制御情報に基づいて、ステージ制御系43は、リニアモータ等の駆動機構(不図示)を介してウエハステージWSTのX方向、Y方向の位置及び速度を制御する。勿論、電子ビームへの影響防止のためリニアモータは十分な磁気シールドを備えている。
また、本実施形態では、ウエハステージWSTによって、投影光学系27による露光領域に対してウエハWをY方向(走査方向)に一定速度で移動可能であるとともに、ウエハWをX方向(非走査方向)に移動可能である。ウエハステージWSTのX方向、Y方向の位置は、複数軸のレーザ干渉計(不図示)によって計測されている。この計測値及び主制御系41からの制御情報に基づいて、ステージ制御系43は、リニアモータ等の駆動機構(不図示)を介してウエハステージWSTのX方向、Y方向の位置及び速度を制御する。勿論、電子ビームへの影響防止のためリニアモータは十分な磁気シールドを備えている。
ウエハWの露光時には、ウエハステージWSTを矢印33Aで示すようにY方向に移動することによって、矢印B1,B3,B5で示すように、ウエハ面の隣接する一列の被露光領域30A,30B,30Cに対してそれぞれ相対的に投影光学系27の露光領域が移動する。これらの移動の間に、矢印B2,B4で示すように、電子ビームが照射されていない状態の露光領域が、ウエハWに対してX方向に移動する。なお、図1では、説明の便宜上、被露光領域30A〜30C及び部分投影像31,32は大きく表されている。
次に、本実施形態の電子ビーム露光装置EXを用いた露光方法の一例につき図8のフローチャートを参照して説明する。この露光方法の動作は主制御系41によって制御される。本実施形態で露光対象とするパターンは、一例として半導体集積回路(半導体デバイス)のパターンであり、具体的には例えばSRAM(Static RAM)のゲートセル用の回路パターンである。
また、以下では、説明の便宜上、図1の固定アパーチャ部材22に形成されているサブ・フィールド23A,24A等の構成及び配列は、図4(A)に示すとおりであるとする。図4(A)において、固定アパーチャ部材22には、それぞれ10行×10列のアパーチャ25が形成された第1行の10個の互いに同一のサブ・フィールド23A〜23JがほぼX方向に配列され、第1行のサブ・フィールド23A〜23Jと同じ配列でそれぞれ10行×10列のアパーチャ25が形成された第2行の10個のサブ・フィールド24A〜24JがほぼX方向に配列されている。この例では、BAA部材14のアパーチャ15の配列も10行×10列となる。そして、−X方向の端部において、サブ・フィールド23Aの+Y方向の一行分のアパーチャ25と、サブ・フィールド24Aの−Y方向の一行分のアパーチャ25とは、共有領域37A内で重なっている。言い換えると、サブ・フィールド23A,24Aは共有領域37A内の一行のアパーチャ25を共有している。
さらに、図4(B)に示すように、第1行の2番目以降のサブ・フィールド23B〜23Jは、−X方向に隣接するサブ・フィールド23A〜23Iに対して、順次+Y方向に一行分のアパーチャ25だけずれている。また、図4(C)に示すように、第2行の2番目以降のサブ・フィールド24B〜24Jは、−X方向に隣接するサブ・フィールド24A〜24Iに対して、順次−Y方向に一行分のアパーチャ25だけずれている。この結果、図4(A)において、第1行のサブ・フィールド23A〜23Jと、第2行のサブ・フィールド24A〜24Jとは固定アパーチャ部材22において交差するように配置されている。即ち、1対のサブ・フィールド23B,24B〜23E,24Eは次第に共有するアパーチャ25の行数が増加しており、サブ・フィールド23E,24Eの共有領域37Eは9行分のアパーチャ25を含んでいる。
また、次のサブ・フィールド23F,24FはY方向の位置が入れ替わっており、共有領域37Fは9行分のアパーチャ25を含んでいる。それに続く1対のサブ・フィールド23G,24G〜23J,24Jは次第に共有するアパーチャ25の行数が減少しており、+X方向の端部のサブ・フィールド23J,24Jの共有領域37Jは1行分のアパーチャ25を含んでいる。サブ・フィールド23A〜23Jとサブ・フィールド24A〜24Jとでアパーチャ25に共有領域を設定することでほぼ25%のアパーチャ数を減らすことができる。
ウエハWの露光を行うため、先ず図8のステップ202において、図1のウエハステージWSTに、電子線レジストが塗布されたウエハWがロードされ、ウエハステージWSTの駆動によってウエハWは投影光学系27の露光領域に対する移動開始位置に移動する。ウエハWの直径は例えば250mm又は300mm等であり、ウエハ面は、一例として図6(B)に示すように、それぞれ1チップ分の回路パターンが形成される1番目のダイSA1〜N番目のダイSAN(Nは例えば数10の整数)に区分されている。ダイSA1〜SANは、一例としてX方向の幅が25mmでY方向の長さが33mmの矩形である。
本実施形態では、ダイSA1〜SANが設定されている有効領域を+X方向の端部から順に、X方向の幅dの被露光領域30A,30B,…に分割し、これらの被露光領域30A,30B,…に順次パターンを露光する。固定アパーチャ部材22のサブ・フィールド23A,24A等が20行×20列のアパーチャ25(ウエハ面での配列のピッチを12.5μmとする)を有し、かつサブ・フィールド23A,24A等がX方向に20個配列されている場合には、被露光領域30A等の幅dは、5mmである。従って、各ダイSA1〜SANは、それぞれ複数個の被露光領域30A,30B等に分割されて露光される。なお、図6(B)では、説明の便宜上、被露光領域30A等の幅dは、実際よりも広く表されている。
次に、主制御系41は記憶装置42から露光用パターンデータを読み込み、読み込んだ露光用パターンデータを変調制御部45及び副偏向制御部47に設定し(ステップ204)、ビーム源制御部44を介して電子ビーム源10に電子ビームの出力を開始させる(ステップ206)。これによって、BAA部材14のアパーチャ15のアレイに電子ビームが照射される。この段階では、変調部13によって全部のアパーチャ15を通過する電子ビームがオフにされている。
次に、ウエハWのY方向(最初は−Y方向)への移動(走査)を開始する(ステップ208)。次のステップ210において、主制御系41から供給されるタイミング信号に応じて、変調制御部45は変調部13を介してBAA部材14の全部のアパーチャ15を通過する電子ビームのオン/オフの切り替えを制御する。このオン/オフの切り替え制御(変調)は連続的に高速に実行される。次のステップ212において、主制御系41は、電子ビームが照射される固定アパーチャ部材22のサブ・フィールドを選択し、選択したサブ・フィールドの位置を主偏向制御部46に設定する。これに応じて、アパーチャ15を通過して個別にオンに設定された電子ビームは、主偏向系20によって一律に偏向されて、その選択されたサブ・フィールド(23A〜23J,24A〜24Jのいずれか)に照射される。図1の一つの部分投影像31(又は32)の露光中には、電子ビームは同じサブ・フィールドに照射されている。なお、ステップ212における、主制御系41によるサブ・フィールドの選択は、実際にはステップ210の電子ビームのオン/オフ制御の前に行われている。
次のステップ214において、主制御系41から供給されるタイミング信号に応じて、副偏向制御部47は、副偏向系28を介して、上記の選択されたサブ・フィールドを通過し、かつオンにされている電子ビームを一律にX方向、Y方向に偏向する。これにより、次のステップ216において、変調部13によってオンに設定され、主偏向系20によって選択されたサブ・フィールドに照射され、かつ副偏向系28によって偏向された電子ビームのビームスポット35A(部分投影像31,32)によってウエハWが露光される。
次のステップ218において、ウエハWの一列の被露光領域30Aに対する露光が終了したかどうかを判定し、終了していない場合には、ステップ208に戻り、ウエハWの−Y方向への移動が継続される。それに続くステップ210〜216において、オンに設定され、選択されたサブ・フィールドに照射され、かつ副偏向系28によって偏向された電子ビームのビームスポット35AによってウエハWが露光される。
その後、ステップ218において、被露光領域30Aの露光が終了したときには、ステップ220に移行して、ウエハWの全面の露光が終了したかどうかを判定し、終了していない場合には、ステップ222に移行して、ウエハステージWSTを駆動してウエハWを−X方向に移動(ステップ移動)する。その後、ステップ210〜218が繰り返されて、ウエハWの次の一列の被露光領域30Bが電子ビームによって露光される。この後、図6(B)に示す露光経路Biに沿ってウエハWの被露光領域30C,30D等が電子ビームによって順次露光される。
この露光方法におけるステップ208〜218の動作につき、図6(B)の2番目の被露光領域30Bに露光する場合を例にとって説明する。この場合、図6(A)に示すように、ウエハWは矢印33Bで示す+Y方向に一定速度で移動している(走査されている)。また、図5(A)に示す固定アパーチャ部材22に設けられた第1行のサブ・フィールド23A〜23Jの投影光学系27による像を図6(A)に示す部分投影像31A〜31Jとして、第2行のサブ・フィールド24A〜24Jの投影光学系27による像を図6(A)に示す部分投影像32A〜32Jとする。なお、投影光学系27によって倒立像が形成されるものとしている。
主偏向系20によって、図5(A)において、第2行の最初のサブ・フィールド24Aに電子ビームが照射されると、図6(A)に矢印B31で示すように、その直前に露光された被露光領域30Bの端部の部分投影像に隣接するように部分投影像32Aが投影される。ウエハWの+Y方向への移動に同期して、副偏向系28によって部分投影像32Aは平均的に+Y方向に移動する。この過程で、変調部13による電子ビームのオン/オフ及び副偏向系28による電子ビームのX方向、Y方向への偏向によって、部分投影像32A内に目標とするパターンが露光される。その後、ウエハWが+Y方向に、サブ・フィールド24Aの一行分のアパーチャ25の幅pyに対応する距離だけ移動すると、主偏向系20によって、図5(A)の隣のサブ・フィールド24Bに電子ビームが照射される。このとき、図6(A)の被露光領域30B内の露光済みの部分投影像32Aの隣に部分投影像32Bが投影され、部分投影像32B内にも目標とするパターンが露光される。
このように、ウエハWが一行分のアパーチャ25の幅pyに対応する距離だけY方向に移動する毎に、主偏向系20によって、図5(A)に矢印A5で示すように、電子ビームが次第に隣のサブ・フィールド24C〜24Jに照射される。これに応じて、図6(A)に矢印B32で示すように、被露光領域30B内の露光済みの部分投影像32A,32Bの隣に順次、部分投影像32C〜32Jが投影され、部分投影像32C〜32J内にも目標とするパターンが露光される。本実施形態では、サブ・フィールド24A〜24Jが次第にY方向に一行分のアパーチャ25の幅pyだけずれているため、主偏向系20によって順次サブ・フィールド24A〜24Jに電子ビームを照射することによって、ウエハWのY方向への移動に同期して、被露光領域30B内のX方向に沿った領域に順次、部分投影像32A〜32Jを露光できる。
その後、主偏向系20によって、図5(A)に矢印A6で示すように、第1行の右端のサブ・フィールド23Jに電子ビームが照射されるのに応じて、図6(A)に矢印B33で示すように、被露光領域30B内で部分投影像32Jに−Y方向に隣接するように部分投影像31Jが投影される。この後、ウエハWが一行分のアパーチャ25の幅pyに対応する距離だけY方向に移動する毎に、図5(A)に矢印A7で示すように、電子ビームが次第に隣のサブ・フィールド23I〜23Aに照射される。これに応じて、図6(A)に矢印B34で示すように、被露光領域30B内の露光済みの部分投影像31Jの隣に順次、部分投影像31I〜31Aが投影され、部分投影像31J〜31A内にも目標とするパターンが露光される。サブ・フィールド23A〜23Jも、サブ・フィールド24A〜24Jに交差するように次第に、Y方向に一行分のアパーチャ25の幅pyだけずれているため、順次サブ・フィールド23J〜23Aに電子ビームを照射することによって、ウエハWのY方向への移動に同期して、被露光領域30B内のX方向に沿った領域に順次、部分投影像31J〜31Aを露光できる。
その後、図5(A)で矢印A8に示すように、第2行の左端のサブ・フィールド24Aに電子ビームが照射された後、主偏向系20によって矢印A5、A6、A7で示すように、電子ビームの照射位置をずらしていくことによって、図6(A)に矢印B35〜B39で示すように、被露光領域30B内に隣接するように部分投影像32A〜32J,31J〜31Aが投影され、これらの部分投影像32A〜32J,31J〜31Aにも目標とするパターンが露光される。このように、ウエハWの被露光領域30B内では、ウエハWのY方向への移動に同期して、X方向及びY方向に隣接するように順次部分投影像31A〜31J,32A〜32Jを露光することが繰り返されて、被露光領域30B内に目標とするパターンが露光される。
また、ウエハWの被露光領域30Bに隣接する被露光領域30A又は30Cを露光する場合には、ウエハWの走査方向が逆方向(−Y方向)になる。そこで、固定アパーチャ部材22では、図5(B)に示すように、主偏向系20によって電子ビームは、矢印A9,A10,A11,A12で示すように、サブ・フィールド23A〜23Jからサブ・フィールド24J〜24Aへと逆回りに移動することになる。
そして、図8のステップ220において、ウエハWの全面の露光が終了したときに、ウエハWの露光が終了する。この時点では、ウエハWの各ダイSA1〜SANには、例えば露光パターンデータに応じた同一の回路パターンが露光されている。露光済みのウエハWは、コータ・デベロッパ(不図示)に搬送されて現像され、ウエハWの各ダイSA1〜SANにその回路パターンに対応するレジストパターンが形成される。
このようにして、本実施形態によれば、マスクレス露光方式でウエハWの全面に効率的に目標とするパターンを露光できる。
次に、本実施形態の電子ビーム露光装置EXの処理能力等を評価する。この場合、BAA部材14のアパーチャ15によって、ウエハ面で、ほぼ12.5μmピッチで20行×20列の露光可能点35が形成されるものとする。また、変調部13によってオンにされるビームスポット35Aの幅を40nm、副偏向系28によるビームスポット35Aの位置の設定精度(アドレッシングの分解能)は、各ビームスポット35Aの大きさのほぼ1/20の2nmであるとする。
次に、本実施形態の電子ビーム露光装置EXの処理能力等を評価する。この場合、BAA部材14のアパーチャ15によって、ウエハ面で、ほぼ12.5μmピッチで20行×20列の露光可能点35が形成されるものとする。また、変調部13によってオンにされるビームスポット35Aの幅を40nm、副偏向系28によるビームスポット35Aの位置の設定精度(アドレッシングの分解能)は、各ビームスポット35Aの大きさのほぼ1/20の2nmであるとする。
また、ウエハWの走査時のウエハステージWSTのY方向の速度をvとすると、その速度v(cm/sec)は、レジスト感度S(μC/cm2)、 ウエハ面での平均電子ビーム強度(20×20のビーム群の総ビーム強度(μA)を250μm×250μmの面積で除算したもの)I(μA/cm2)、 Y方向のビーム間隔Ly(cm)(=12.5μm)から、次式で与えられる。
v=Ly×I/S …(10)
仮に、レジスト感度Sを10μC/cm2、平均電子ビーム強度Iを5μA/(250μm×250μm)とすると、速度vは次のように10mm/secとなる。
v=12.5×5/(250×250×10-4×10)=1(cm/sec) …(11)
この間、副偏向系28によって電子ビームをX方向に偏向しながら、X方向のビーム間隔Lx(cm)(=12.5μm)を分解能2nmで除算して得られる回数である6250回だけ、変調部13によって電子ビームのオン/オフ制御が行われる。そして、副偏向系28による1回のX方向への偏向終了時に、副偏向系28によって電子ビームがY方向にLy/6250(=2nm)だけ偏向しているという動作(Y偏向)を併用することによって、ウエハ面ではX方向に平行にパターンが露光される。その後、副偏向系28によって、電子ビームをY方向に分解能である2nm分だけずらした後、同様に電子ビームをX方向に偏向しながら露光を行う。以上のような電子ビームのX方向の偏向制御と、電子ビームのオン/オフ制御とを6250回繰り返すことにより、1つの電子ビームによる12.5μm角の領域内の露光が終了する。そして、20行×20列の電子ビームの全体では、ウエハ面で250μm角の領域の露光、即ち一つのサブ・フィールド23A,24A等(主偏向系20で選択された一つのサブ・フィールド)の露光が完了する。このとき、12.5μm角の面積の露光時間である1.25msec{=(10μC/cm2)/(5μA/(250μm×250μm))}の間にX方向、Y方向に6250×6250回の制御を行うため、この制御に必要な変調部13及び副偏向系28におけるデータ転送レートは、31.25GHzとなる。これは実現可能な値である。
仮に、レジスト感度Sを10μC/cm2、平均電子ビーム強度Iを5μA/(250μm×250μm)とすると、速度vは次のように10mm/secとなる。
v=12.5×5/(250×250×10-4×10)=1(cm/sec) …(11)
この間、副偏向系28によって電子ビームをX方向に偏向しながら、X方向のビーム間隔Lx(cm)(=12.5μm)を分解能2nmで除算して得られる回数である6250回だけ、変調部13によって電子ビームのオン/オフ制御が行われる。そして、副偏向系28による1回のX方向への偏向終了時に、副偏向系28によって電子ビームがY方向にLy/6250(=2nm)だけ偏向しているという動作(Y偏向)を併用することによって、ウエハ面ではX方向に平行にパターンが露光される。その後、副偏向系28によって、電子ビームをY方向に分解能である2nm分だけずらした後、同様に電子ビームをX方向に偏向しながら露光を行う。以上のような電子ビームのX方向の偏向制御と、電子ビームのオン/オフ制御とを6250回繰り返すことにより、1つの電子ビームによる12.5μm角の領域内の露光が終了する。そして、20行×20列の電子ビームの全体では、ウエハ面で250μm角の領域の露光、即ち一つのサブ・フィールド23A,24A等(主偏向系20で選択された一つのサブ・フィールド)の露光が完了する。このとき、12.5μm角の面積の露光時間である1.25msec{=(10μC/cm2)/(5μA/(250μm×250μm))}の間にX方向、Y方向に6250×6250回の制御を行うため、この制御に必要な変調部13及び副偏向系28におけるデータ転送レートは、31.25GHzとなる。これは実現可能な値である。
次に、電子ビーム露光装置EXのウエハ処理能力である、1枚のウエハの総露光時間Texpは、平均電子ビーム強度I、レジスト感度S、サブ・フィールド23A等の像のウエハ面でのX方向及びY方向の幅Wx,Wy、ウエハW(直径300mmとする)の露光面積A300、及びサブ・フィールド23Aの像が目標位置に整定する時間tEB,settleを用いて、次のように表される。
この場合、時間tEB,settleは小さいため、総露光時間TexpはほぼS・A300/Iとなる。ここで、レジスト感度Sを10μC/cm2、平均電子ビーム強度Iを5μA、直径300mmのウエハの露光面積Aを約650cm2とすると、総露光時間Texpは次のようにほぼ1300secとなり、約2.7wph(1時間当たり2.7枚のウエハ)の処理能力が得られると予測される。
Texp=S・A300/I=10・650/5=1300(sec) …(12)
この総露光時間Texpの値は、40nm未満の高解像度用のマスクレス方式の露光装置としては、非常に高い値である。
また、本実施形態の電子ビーム露光装置EXの電子ビームの像のぼけ(Image blur)を解像度R(nm)とみなした場合、ウエハ面での平均電子ビーム強度I(μA)と、解像度Rと平均電子ビーム強度Iとの関係は、Iが5μAのときRを40nmと仮定して来たが、サブ・フィールドサイズを拡大すると図7の曲線61A,61Bに示すようになる。図7において、曲線61Aは、固定アパーチャ部材22のサブ・フィールド23Aの大きさがウエハ面での値に換算して1mm角の場合の関係を示し、曲線61Bは、サブ・フィールド23Aの大きさがウエハ面での値に換算して1.5mm角の場合の関係を示す。図7より、平均電子ビーム強度Iが5μAの場合に、20nm程度以下の解像度Rが得られることが分かる。
この総露光時間Texpの値は、40nm未満の高解像度用のマスクレス方式の露光装置としては、非常に高い値である。
また、本実施形態の電子ビーム露光装置EXの電子ビームの像のぼけ(Image blur)を解像度R(nm)とみなした場合、ウエハ面での平均電子ビーム強度I(μA)と、解像度Rと平均電子ビーム強度Iとの関係は、Iが5μAのときRを40nmと仮定して来たが、サブ・フィールドサイズを拡大すると図7の曲線61A,61Bに示すようになる。図7において、曲線61Aは、固定アパーチャ部材22のサブ・フィールド23Aの大きさがウエハ面での値に換算して1mm角の場合の関係を示し、曲線61Bは、サブ・フィールド23Aの大きさがウエハ面での値に換算して1.5mm角の場合の関係を示す。図7より、平均電子ビーム強度Iが5μAの場合に、20nm程度以下の解像度Rが得られることが分かる。
上述のように、本実施形態の電子ビームEBでウエハWを露光する電子ビーム露光装置EXは、電子ビームEBを発生する電子ビーム源10と、電子ビームEBがそれぞれ照射される複数のアパーチャ15が形成されたBAA部材14と、複数のアパーチャ15から選択されたアパーチャ15を通過する電子ビームをウエハWに照射可能とする変調部13と、複数のアパーチャ15の配置と1:1で対応する配置の複数のアパーチャ25がそれぞれ形成された複数のサブ・フィールド23A,24A等を有する固定アパーチャ部材22と、を備える。さらに、電子ビーム露光装置EXは、変調部13で選択されたアパーチャ15を通過した電子ビームを、固定アパーチャ部材22の複数のサブ・フィールド23A,24A等から選択された一つのサブ・フィールドに偏向する主偏向系20と、主偏向系20で選択されたサブ・フィールドの複数のアパーチャ25を通過した電子ビームを集光して、ウエハWの表面に複数のアパーチャ25の像を形成する投影光学系27と、投影光学系27による電子ビームの露光領域に対してウエハWをY方向に移動するウエハステージWSTと、を備える。
また、露光装置EXによる露光方法は、電子ビームEBでウエハWを露光する露光方法であって、電子ビームEBを、BAA部材14に形成された複数のアパーチャ15に照射するステップ206と、複数のアパーチャ15から選択されたアパーチャ15を通過するビームをウエハWに照射可能とするように変調するステップ210と、を有する。さらに、その露光方法は、その変調によって選択されたアパーチャ15を通過した電子ビームを、固定アパーチャ部材22の複数のサブ・フィールド23A,24A等から選択された一つのサブ・フィールドに偏向するステップ212と、その選択されたサブ・フィールドの複数のアパーチャ25を通過した電子ビームを集光して、ウエハWの表面に複数のアパーチャ25の像を形成するステップ216と、電子ビームの露光領域に対してウエハWをY方向に移動するステップ208とを有する。
本実施形態によれば、BAA部材14及び変調部13を用いたマルチビーム制御技術と、主偏向系20による電子ビームEBのサブ・フィールド23A,24A等に対する偏向技術とを組み合わせることができ、マスクレス露光方式であるにも関わらず、高解像度で、かつ高いウエハ処理能力でウエハWを露光できる。
また、BAA部材14の複数のアパーチャ15から変調によって選択されたアパーチャ15を通過した電子ビームをウエハWに照射可能とすることで、複数の電子ビームのオン/オフ制御が行われる。また、選択されたアパーチャ15を通過した電子ビームを偏向させて固定アパーチャ部材22の複数のサブ・フィールド23A,24A等を順次照明することで、その複数のサブ・フィールド23A,24A等の複数のアパーチャ25の像(オン/オフ制御される複数のビームスポット35A)がウエハWに露光される。さらに、そのアパーチャ25の像に対してウエハWを移動することで、マスクレス露光方式で効率的にウエハWが露光される。
また、BAA部材14の複数のアパーチャ15から変調によって選択されたアパーチャ15を通過した電子ビームをウエハWに照射可能とすることで、複数の電子ビームのオン/オフ制御が行われる。また、選択されたアパーチャ15を通過した電子ビームを偏向させて固定アパーチャ部材22の複数のサブ・フィールド23A,24A等を順次照明することで、その複数のサブ・フィールド23A,24A等の複数のアパーチャ25の像(オン/オフ制御される複数のビームスポット35A)がウエハWに露光される。さらに、そのアパーチャ25の像に対してウエハWを移動することで、マスクレス露光方式で効率的にウエハWが露光される。
また、BAA部材14は固定アパーチャ部材22よりも小型化できるため、BAA部材14の大型化を抑制でき、複数のビームのオン/オフ制御を行う変調部13の複雑化を抑制でき、そのオン/オフ制御のためのデータ転送量の増大を抑制できる。また、複数のサブ・フィールド23A,24A等が設けられた固定アパーチャ部材22を用いることにより、ウエハW上に露光されるパターンの一部又は全部のパターンに対応する原版パターンが形成されたレチクル(マスク)が不要となり、真空環境で動作するレチクルステージが不要となるため、露光装置の大型化を抑制できる。
また、本実施形態によれば、固定アパーチャ部材22において、サブ・フィールド23A〜23Jと、サブ・フィールド24A〜24Jとが交差するように配置されているため、主偏向系20で電子ビームを例えばサブ・フィールド23A〜23J、24J〜24A(又はこの逆回り)に順次移動することによって、Y方向に移動しているウエハWの表面にX方向に一行ずつの部分投影像を正確に、かつ容易に露光できる。
なお、例えばウエハWの移動速度を可変にする場合には、固定アパーチャ部材22において、サブ・フィールド23A〜23J、24J〜24Aを交差することなく平行に配置することも可能である。また、サブ・フィールド23A,24A等の個数は任意であり、サブ・フィールド23A,24A等の中のアパーチャ25の個数(即ち、BAA部材14のアパーチャ15の個数)も任意である。
また、本実施形態では、副偏向系28で各部分投影像31,32内のビームスポット35Aの位置をX方向、Y方向に偏向しているため、ウエハ面にビームスポット35Aの大きさ以上の任意のパターンを露光できる。なお、例えばサブ・フィールド23A,24A等のアパーチャ25の大きさに比べてBAA部材14のアパーチャ15の像を小さく設定し、主偏向系20を用いてアパーチャ25内で、アパーチャ15を通過してオンにされた電子ビームの位置をX方向、Y方向に僅かに偏向する制御を加える場合には、副偏向系28を省略することが可能である。
また、上記の実施形態の電子ビーム露光装置EX又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造する方法の一例につき図9のフローチャートを参照して説明する。この電子デバイスは、図9に示すように、デバイスの機能・性能設計を行って露光用のパターンデータを準備するステップ122、デバイスの基材であるウエハ(基板)を製造するステップ102、ウエハの薄膜形成等のプロセッシングを行うステップ104、ウエハにパターン形成を行うステップ106、ウエハから各チップを切り出して電子デバイスを組み立てるステップ108、完成した製品のチップを検査するステップ110によって製造される。検査済みの製品はステップ112で出荷される。
また、パターン形成を行うステップ106は、より詳細には、ステップ122で準備された露光用のパターンデータを用いて上記の実施形態の電子ビーム露光装置EX又は露光方法を用いてウエハに露光を行い、さらに現像を行うリソグラフィー工程124、現像後のウエハにCVD、スパッタリング、酸化、イオン注入、及び/又はドライエッチング等を行う薄膜処理工程128、及びウエハの洗浄工程126等を含んでいる。これらのリソグラフィー工程124、洗浄工程126、及び薄膜処理工程128等は、ウエハの表面に形成されるレイヤ数に応じて繰り返して実行される。
このように本実施形態のデバイス製造方法は、上記の実施形態の電子ビーム露光装置EX又は露光方法を用いて、基板(ウエハW)に感光層のパターンを形成(露光)する工程と、そのパターンが形成された基板を処理する工程(即ち、基板の電子線レジストを現像し、そのパターンに対応するマスク層をその基板の表面に形成する現像工程、及びそのマスク層を介してその基板の表面を加工(加熱及びエッチング等)する加工工程)と、を含んでいる。
このデバイス製造方法によれば、小型の露光装置を用いてマスクレス露光方式で効率的に基板を露光できるため、種々の電子デバイスを高いスループットで容易に量産できる。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、液晶表示素子、プラズマディスプレイ等の製造プロセスや、撮像素子(CMOS型、CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイス(電子デバイス)の製造プロセスにも広く適用できる。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、液晶表示素子、プラズマディスプレイ等の製造プロセスや、撮像素子(CMOS型、CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイス(電子デバイス)の製造プロセスにも広く適用できる。
なお、上述の実施形態では、荷電粒子線として電子ビームが使用されているが、露光用の荷電粒子線としてイオンビーム等を用いる場合にも本発明を適用することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
EX…電子ビーム露光装置、W…ウエハ、WST…ウエハステージ、10…電子ビーム源、11…コンデンサー光学系、13…変調部、14…BAA(ブランキング・アパーチャ・アレイ)部材、15…アパーチャ、19…ブランキング・プレート、20…主偏向系、22…固定アパーチャ部材、23A〜23J,24A〜24J…サブ・フィールド、25…アパーチャ、26…支持部材、27…投影光学系、28…副偏向系、30A〜30C…被露光領域、35A…ビームスポット、41…主制御系
Claims (14)
- 荷電粒子線でターゲットを露光する荷電粒子線露光装置であって、
前記荷電粒子線からなるビームを発生する荷電ビーム源と、
前記ビームがそれぞれ照射される複数の第1開口が形成された第1開口部材と、
前記複数の第1開口から選択された前記第1開口を通過するビームを前記ターゲットに照射可能とする変調系と、
前記複数の第1開口に対応する配置の複数の第2開口がそれぞれ形成された複数の部分領域を有する第2開口部材と、
前記変調装置で選択された前記第1開口を通過した前記ビームを、前記第2開口部材の前記複数の部分領域から選択された一つの前記部分領域に偏向する第1偏向系と、
前記第1偏向系で選択された前記部分領域の前記複数の第2開口を通過したビームを集光して、前記ターゲットの表面に前記複数の第2開口の像を形成する投影系と、
前記投影系による前記ビームの露光領域に対して前記ターゲットを第1方向に移動するステージと、
を備えることを特徴とする荷電粒子線露光装置。 - 前記投影系によって形成される前記複数の第2開口の像を前記ターゲットの表面で前記第1方向及び前記第1方向に直交する第2方向に、前記複数の第2開口の像の間隔の幅の範囲内で偏向する第2偏向系を備えることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子線露光装置。
- 前記荷電ビーム源と前記第1開口部材との間に配置されて、前記ビーム源から発生された前記ビームを前記第1開口部材の前記複数の第1開口に個別に集光する集光光学系を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷電粒子線露光装置。
- 前記第2開口部材の前記複数の部分領域は、前記第1方向に交差する方向に対応する方向に近接して配置された第1列の複数の部分領域を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の荷電粒子線露光装置。
- 前記第2開口部材の前記複数の部分領域は、前記第1列の複数の部分領域と交差するように配置された第2列の複数の部分領域を含み、
前記第1列の複数の部分領域と前記第2列の複数の部分領域とは、少なくとも一部で前記第2開口を共有していることを特徴とする請求項4に記載の荷電粒子線露光装置。 - 前記荷電ビーム源は電子ビーム源であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の荷電粒子線露光装置。
- 荷電粒子線でターゲットを露光する荷電粒子線露光方法であって、
前記荷電粒子線からなるビームを、第1開口部材に形成された複数の第1開口に照射することと、
前記複数の第1開口から選択された前記第1開口を通過するビームを前記ターゲットに照射可能とするように変調することと、
前記変調によって選択された前記第1開口を通過した前記ビームを、第2開口部材の前記複数の第1開口に対応する配置の複数の第2開口がそれぞれ形成された複数の部分領域から選択された一つの部分領域に偏向することと、
前記選択された部分領域の前記複数の第2開口を通過したビームを集光して、前記ターゲットの表面に前記複数の第2開口の像を形成することと、
前記ビームの露光領域に対して前記ターゲットを第1方向に移動することと、
を含む荷電粒子線露光方法。 - 前記複数の第2開口の像を前記ターゲットの表面で前記第1方向及び前記第1方向に直交する第2方向に、前記複数の第2開口の像の間隔の幅の範囲内で偏向することを含む請求項7に記載の荷電粒子線露光方法。
- 前記ビームを、前記複数の第1開口に照射することは、前記ビームを前記複数の第1開口に個別に集光することを含む請求項7又は8に記載の荷電粒子線露光方法。
- 前記第2開口部材の前記複数の部分領域は、前記第1方向に交差する方向に対応する方向に近接して配置された第1列の複数の部分領域を含み、
前記ビームを、前記第2開口部材の前記複数の部分領域から選択された一つの部分領域に偏向することは、前記ビームを次第に前記第1列の複数の部分領域に偏向することを含む請求項7〜9のいずれか一項に記載の荷電粒子線露光方法。 - 前記第2開口部材の前記複数の部分領域は、前記第1列の複数の部分領域と交差するように配置された第2列の複数の部分領域を含み、
前記ビームを、前記第2開口部材の前記複数の部分領域から選択された一つの部分領域に偏向することは、前記ビームを次第に前記第1列及び第2列の複数の部分領域に交差するように偏向することを含む請求項7〜10のいずれか一項に記載の荷電粒子線露光方法。 - 前記荷電ビーム源は電子ビーム源であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載の荷電粒子線露光方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の荷電粒子線露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
を含むデバイス製造方法。 - 請求項7〜12のいずれか一項に記載の荷電粒子線露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
を含むデバイス製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011111875A JP2012243917A (ja) | 2011-05-18 | 2011-05-18 | 荷電粒子線露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011111875A JP2012243917A (ja) | 2011-05-18 | 2011-05-18 | 荷電粒子線露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法 |
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JP2012243917A true JP2012243917A (ja) | 2012-12-10 |
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ID=47465304
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JP2011111875A Withdrawn JP2012243917A (ja) | 2011-05-18 | 2011-05-18 | 荷電粒子線露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法 |
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JP (1) | JP2012243917A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9594307B2 (en) | 2013-08-19 | 2017-03-14 | Samsung Display Co., Ltd. | Exposure apparatus and method thereof |
-
2011
- 2011-05-18 JP JP2011111875A patent/JP2012243917A/ja not_active Withdrawn
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