JP2012240652A - アクセル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アクセルペダルのヒステリシス特性を変更可能なアクセル装置を提供する。
【解決手段】 アクセル装置は、戻し回転軸31に接続するペダルアーム51、ヒステリシス回転軸41に接続するレバー55、およびレバー55に支持され、ペダルアーム51に当接するローラ部55から構成されるリンク機構部を備えている。リンク機構部は、戻し回転軸31の回転角とヒステリシス回転軸41の回転角とを一対一対応に決めるように戻し回転軸31とヒステリシス回転軸41とを連結する。ローラ部55は、レバー55上においてヒステリシス回転軸41の中心41aまでの距離を変更する。ローラ53とペダルアーム51とが当接する位置からヒステリシス回転軸41の中心41aまでの距離を変更することで、ペダルアーム51とレバー55とが形成する角度を変更可能である。これにより、アクセル装置は、ヒステリシス特性を変更することができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、アクセル装置に関する。
従来、運転者によるアクセルペダルの踏込量に応じて車両の加速状態を制御するアクセル装置が知られている。アクセル装置は、アクセルペダルの回転と連動するロータに対する摩擦力がアクセルペダルの回転角度によって変化するヒステリシス機構を備えている。アクセル装置では、ヒステリシス機構によってアクセルペダルの踏込時に必要な踏力と戻し時に必要な踏力との間に踏力差を発生させる。特許文献1には、ロータに付勢力を与えるスプリングのセット長さを変更可能なアクセル装置が記載されている。これにより、特許文献1に記載のアクセル装置では、使用初期時の踏力差に対する耐久後の踏力差の変化を防止することができる。
特開2007−253869号公報
しかしながら、特許文献1に記載のアクセル装置では、多数の部品を使用してヒステリシス機構を構成している。したがって、構成する部品の寸法がばらつくことによってヒステリシス機構で発生するヒステリシス特性に個体差が発生する。
本発明の目的は、アクセルペダルの踏込時と戻し時との間での踏力差を発生するヒステリシス特性を変更可能なアクセル装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によると、アクセル装置は、車体に取り付け可能な支持部材、一端を支持部材に回転可能に支持されるペダル部、ヒステリシス機構部、リンク機構部、回転角検出手段、有効径変更手段、およびヒステリシス特性変更手段を備える。支持部材には、第1回転軸および第2回転軸の2つの回転軸が軸心間距離を一定にして回動可能に設けられる。第1回転軸は、ペダル部の一端に接続する。第1戻しばねは、運転者の踏込による回転力が伝達されるとアクセル開方向に第1回転軸の回動を許容し、回転力が解除されると第1回転軸の回動をアクセル閉方向に戻す第1付勢力を作用させる。回転角検出手段は、支持部材に対する第1回転軸の相対回転角を検出する。
ヒステリシス機構部は、第2回転軸、および第2戻しばねを有する。第2回転軸は、支持部材に回動可能に第1回転軸に軸平行に設けられる。第2戻しばねは、運転者の踏込による回転力が伝達されるとアクセル開方向に第2回転軸の回動を許容し、回転力が解除されると第2回転軸の回動をアクセル閉方向に戻す第2付勢力が作用する。ヒステリシス機構部は、第2回転軸に作用する回転力が増大するとき第1回転軸の直前の回転角に対応するアクセル開度を維持するように付勢力を発生する。また、ヒステリシス機構部は、第2回転軸に作用する回転力を解除するとき第1回転軸の回転角に対応するアクセル開度を維持するよう付勢力を発生する。リンク機構部は、一端が第1回転軸に接続されるペダルアーム、一端が第2回転軸に接続されるレバー、およびレバーの他端に設けられペダルアームの他端と当接するローラ部から構成されている。リンク機構部は、第1回転軸の回転角と第2回転軸の回転角とが一対一対応に決まるように連動する。有効径変更手段は、第2回転軸の軸心からペダルアームとローラ部とが当接する位置までの距離を変更することができる。アクセル装置のヒステリシス特性変更手段は、有効径変更手段により第1回転軸の回転角に対する第2回転軸の回転角を変更することでヒステリシス特性を変更する。
アクセル装置は、ヒステリシス機構部によって、第2回転軸の回転力が増大するとき第1回転軸の直前の回転角に対応するアクセル開度を維持しようとする。これによって、アクセルペダルの踏込時に車両が急加速することを防止する。一方、ヒステリシス機構部は、第2回転軸の回転力が解除されるとき第1回転軸の直前の回転角に対応するアクセル開度を維持しようとする。これによって、アクセルペダルの戻し時に車両が急減速することを防止する。
ヒステリシス機構部では、第1回転軸の回転角およびその回転角の増減の状態に応じてアクセル開度を維持するように付勢力を発生する。アクセル装置では、第1回転軸の回転角と第2回転軸の回転角とは、リンク機構部によって一対一対応に決まるように連動する。したがって、アクセル装置では、リンク機構部における第1回転軸の回転角と第2回転軸の回転角との対応を変更することにより、ヒステリシス特性を変更することが可能である。
そこで、請求項1に記載のアクセル装置は、有効径変更手段により第1回転軸の回転角と第2回転軸の回転角との対応を変更する。有効径変更手段は、第2回転軸の軸心からペダルアームとローラ部とが当接する位置までの距離を変更する。ペダルアームはアクセルの開度を決定する第1回転軸と接続しているため、回転可能な角度は固定されている。一方、第2回転軸は、ペダルアームに対してローラを介して当接している。ここで、第2回転軸の軸心からペダルアームとローラ部とが当接する位置までの距離を変更することにより、レバーがペダルアームに当接する角度を変更することができる。レバーは第2回転軸と接続しているため、レバーとペダルアームとの当接する角度を変更することにより、第1回転軸の回転角と第2回転軸の回転角との対応を変更することができる。これにより、アクセル装置のヒステリシス特性を変更することができる。
また、請求項1に記載のアクセル装置では、ヒステリシス機構部を構成する部品のばらつきによって発生するヒステリシス特性のばらつきを有効径変更手段により変更することができる。したがって、ヒステリシス機構部を構成する部品の設計公差を従来に比べて大きくとることができる。
また、これまでヒステリシス特性の検査において不適合であったアクセル装置は、組み直しを必要とすることから、製造工程が増えることとなる。しかしながら、請求項1に記載のアクセル装置では、製造工程の最終段階において有効径変更手段によりヒステリシス特性を変更することができる。これにより、組み直しの工程が不必要となり、製造コストを低減することができる。
請求項2に記載の発明によると、有効径変更手段は、レバーに対するローラ部の取り付け位置を変更するローラ部位置変更手段である
請求項3に記載の発明によると、ローラ部位置変更手段は、ペダルアームの他端と摺動可能に当接するローラ、ローラを回転可能に支持するローラ台、および他端がねじ部材によりローラ台と接続されるレバーから構成される。ローラ台とレバーとは、ねじ部材の軸方向に対して非平行かつ非垂直な斜面で当接する。ローラ台とレバーとを結合するねじ部材を締付、または締付解除することにより、当該斜面が摺動しながらローラ台はレバーに対する位置を変更する。これにより、ローラ台に回転可能に支持されるローラがペダルアームと当接する位置から第2回転軸の軸心までの距離を変更することができる。レバーとペダルアームとの当接する角度を変更されることにより、第1回転軸の回転角と第2回転軸の回転角との一対一対応を変更することができる。したがって、アクセル装置のヒステリシス特性を変更することができる。
請求項4に記載の発明によると、ねじ部材の軸方向は、第2回転軸に対して略平行である。また、請求項5に記載の発明によると、ねじ部材の軸方向は、第2回転軸に対して略垂直である。
ローラ台とレバーとを締付結合するねじ部材の軸方向を第2回転軸に対して、略平行または略垂直とすることにより、ねじ部材を締付、または締付解除しながらローラ台の第2回転軸の軸心に対する位置の変化を容易に確認することができる。
請求項6に記載の発明によると、有効径変更手段は、レバーに着脱可能なローラ部である。第2回転軸の中心からペダルアームとローラ部とが当接する位置までの距離を変更するとき、ローラ部を外径が異なる別のローラ部に変更する。
ローラ部を外径が異なる別のローラ部に変更することにより、第2回転軸の軸心からペダルアームとレバーとが当接する位置までの距離が変更される。これにより、レバーとペダルアームとが形成する角度が変化するため、第2回転軸の回転角も変更される。したがって、アクセル装置のヒステリシス特性を変更することができる。
本発明の第1実施形態によるアクセル装置の全体を示す部分断面図である。 本発明の第1実施形態によるアクセル装置の要部拡大断面図である。 本発明の第1実施形態によるアクセル装置の側面図である。 本発明の第1実施形態によるアクセル装置の側面図であって、カバーを外した場合の側面図である。 本発明の第1実施形態によるアクセル装置のローラ部とレバーとの当接箇所の拡大断面図であって、(a)パターン1における拡大断面図、(b)パターン2における拡大断面図、である。 本発明の第1実施形態によるアクセル装置の側面図であって、(a)パターン1におけるペダルアームとレバーとの角度を示す模式図、(b)パターン2におけるレバーとペダルアームとの角度を示す模式図、である。 本発明の第1実施形態によるアクセル装置のアクセルペダルの回転角度と荷重との関係を示す模式図であって、(a)ヒステリシス機構部でのアクセルペダルの回転角度と荷重との関係を示す模式図、(b)戻り機構部でのアクセルペダルの回転角度と荷重との関係を示す模式図、(c)アクセル装置でのアクセルペダルの回転角度と荷重との関係を示す模式図、である。 本発明の第1実施形態によるアクセル装置の荷重の変化を示す模式図であって、(a)ヒステリシス機構部でのスプリングセット角度と荷重との関係を示す模式図、(b)アクセル装置全体でのアクセルペダルの回転角度と荷重との関係を示す模式図、である。 本発明の第2実施形態によるアクセル装置のローラ部とレバーとの当接箇所の拡大断面図であって、(a)パターン3における拡大断面図、(b)パターン4における拡大断面図、である。 本発明の第3実施形態によるアクセル装置の側面図であって、(a)パターン5におけるペダルアームとレバーとの角度を示す模式図、(b)パターン6におけるレバーとペダルアームとの角度を示す模式図、である。
以下、本発明の実施形態によるアクセル装置について図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるアクセル装置を図1から図8に示す。
図1に示すようにアクセル装置1は、アクセルペダル10、アクセルペダルロッド15、支持部20を備える。アクセル装置1は、車両に搭載され、運転者によるアクセルペダル10の踏込量に応じて車両の加速状態を制御する。アクセル装置1は、アクセルペダル10の回転角度に関する情報を車両の電子制御装置(ECU)に伝達し、その回転角度情報に基づいてスロットル装置を制御する。これにより、車両の加速状態が制御される。以下、図1から図4の上側を「上」、図1から図4の下側を「下」、図1および図2の右側を「右」、図1および図2の左側を「左」として説明する。
アクセルペダル10は、アクセルペダルロッド15の一端に接続する。アクセルペダルロッド15の他端は図1に示すように支持部20のカバー25の左側側面から突出する連結部材26の一端にねじ27を用いて固定される。アクセルペダルロッド15は、特許請求の範囲に記載の「ペダル部」に相当する。
次に支持部20の構造について図2から図4までを用いて説明する。図2は、図4に示す支持部20のII−II断面図である。図3は、図2のIII−III矢視図である。図4は、図3において支持部20からカバー25を取り外した状態での側面図である。
支持部20は、戻り機構部30、ヒステリシス機構部40、リンク機構部50、「回転角検出手段」としての回転角検出センサ57、ターミナル部60、カバー25等を備えている。図2に示すように、支持部20の外郭は、第1ハウジング21,第2ハウジング22、第3ハウジング23、およびカバー25により形成されている。戻り機構部30は、第1ハウジング21および第3ハウジング23により形成される空間に収容されている。また、ヒステリシス機構部40は、第1ハウジング21および第2ハウジング22により形成される空間に収容されている。戻り機構部30およびヒステリシス機構部40の詳細は後述する。
第1ハウジング21は、略平板状の基部211と図2の左方向に2つの開口をもつ収容部212から構成されている。第1ハウジング21は、内部に金属がインサートされた樹脂からなる。基部211には、支持部20を「車体」としての車体壁面100に取り付けられるためのボルト孔211aが支持部20の上部に2箇所、支持部20の下部に1箇所形成されている。これにより、図3に示すようにアクセル装置1は、3本のボルト11によって車体に取り付けられる。
第1ハウジング21の収容部212は、基部211に対して車体に取り付けられる側とは反対側、すなわち図2において紙面の手前に設けられる。収容部212は、2つの略有底円筒を上下方向に隣接した形状をなしている。図2に示すように、収容部212の底部212aは支持部20の右側に位置しており、底部212aのさらに右側にはターミナル部60が隣接する。収容部212は、左方向に向かって2つの開口を有している。収容部212の上部212bは、収容部212の上側の開口を形成する。上部212bの底部212aと接続する側とは反対側の端部212cは、第2ハウジング22の端部221と当接する。また、収容部212の下部212dは、収容部212の下側の開口を形成する。下部212dの底部212aと接続するとは反対側の端部212eは、第3ハウジング23の端部231と当接する。
第2ハウジング22は、図2の右方向に向かって開口を有する断面が略コの字状の有底円筒形状をなしている。第2ハウジング22の端部221は、前述したように上部212bの端部212cと当接する。これにより、第1ハウジング21および第2ハウジング22によって収容室213が形成される。収容室213には後述するヒステリシス機構部40が収容される。第2ハウジング22は、図4に示すように外縁に取付部222を3箇所有している。取付部222には図示しないボルト孔が形成されており、第2ハウジング22は、当該ボルト孔を介したボルトにより第1ハウジング21に締付固定される。
第3ハウジング23は、図2の右方向に向かって開口を有する断面が略コの字状の有底円筒形状をなしている。第3ハウジング23は、第2ハウジング22の下方に第2ハウジング22に隣接するように設けられる。第3ハウジング23の端部231は、前述したように下部212dの端部212eと当接する。これにより、第1ハウジング21および第3ハウジング23により収容室214が形成される。収容室214には後述する戻り機構部30が収容される。第3ハウジング23は、図4に示すように外縁に取付部232を2箇所有している。取付部232には図示しないボルト孔が形成されており、第3ハウジング23は当該ボルト孔を介したボルトにより第1ハウジング21に固定される。
次に、戻り機構部30について説明する。
戻り機構部30は、支持部20の下部に位置する。具体的には、第1ハウジング21および第3ハウジング23により形成される収容室214に収容されている。戻り機構部30は、戻し回転軸31、戻しばね32、軸受け33、ロータ34等を備える。戻り機構部30は、アクセルペダル10の踏込による回転角度に応じて踏込方向とは反対方向にアクセルペダル10に付勢力を作用する。これにより、アクセルペダル10は、運転者がアクセルペダル10を踏み込んでいない場合、所定の回転位置(全閉位置)に保持される。
「第1回転軸」としての戻し回転軸31は、支持部20に対して水平方向に設けられる。戻し回転軸31の左側の端部311は、第3ハウジング23に形成されている貫通孔233に挿通されている。貫通孔233の内壁には設けられる軸受け33は、戻し回転軸31の端部311を受ける。貫通孔233に挿通される端部311は、ペダルアーム51の一端を貫通し、アクセルペダルロッド15に接続する連結部材26の一端に固定される。また、戻し回転軸31の右側の端部312は、収容部212の下部212dに当接するロータ34に固定されている。これにより、運転者のアクセルペダル10の踏込によりアクセルペダル10が回転する場合、戻し回転軸31はアクセルペダル10の回転角度と同じ角度で回転する。また、戻し回転軸31が回転することにより、ロータ34もアクセルペダル10の回転角度と同じ角度で回転する。
「第1戻しばね」としての戻しばね32は、金属を螺旋状に形成したねじりばねである。ねじりばねは、ねじりばねの中心軸に対する両端部の角度(以下、「スプリングセット角度」という)によって付勢力を発生する。具体的には、付勢力を発生しない状態での両端部の角度(以下、「自由角度」という)と両端部を近づけることにより両端部とねじりばねの中心軸とにより形成される角度(以下、「付勢力発生角度」という)との差から当該ねじりばねの付勢力が算出される。第1実施形態の戻しばね32は、付勢力発生角度を有する状態で戻り機構部30に設けられる。
戻しばね32は、図2に示すように螺旋形状の内部に戻し回転軸31を軸方向に沿って収容する。戻しばね32の端部321は第3ハウジング23の内底壁234に形成されている嵌合孔234aに嵌合する。戻しばね32のもう一方の端部322は、ロータ34に接続される。
ロータ34は、略円筒状をなしている。図2に示すように、ロータ34には戻し回転軸31が接続する。ロータ34と接続する戻し回転軸31の外側には、戻しばね32の端部322がロータ34と接続される。ロータ34の端部341は、第1ハウジング21の収容部212の底部212aに当接する。ロータ34は、端部341の内壁にS極とN極のマグネット342をそれぞれ1つずつ対角線上に有している。マグネット342は、ロータ34の回転に合わせて回転する。
回転角検出センサ57は、ロータ34に隣接して設けられる。回転角検出センサ57は、ロータ34の内部に突出する突出部571を有している。突出部571には、図示しないホールICが突出部571の対角上に1個ずつ合計2個設けられる。回転角検出センサ57は、2つのホールICを用いてロータ34の回転角度を検出する。具体的には、運転者のアクセルペダル10の踏込によりアクセルペダル10が回転する場合、アクセルペダル10の回転角度と同じ角度ロータ34が回転する。このとき、ロータ34の内壁に設けられているマグネット342もあわせて回転する。これにより、突出部571周辺の磁界が変化する。回転角検出センサ57のホールICは、磁界の変化を電気信号に変換する。当該電気信号は、ターミナル部60のコネクタ61を経由して車両に搭載されている電子制御装置(以下、「ECU」という)に伝達される。これにより、ECUは、アクセルペダル10の回転位置を検出可能である。このように,回転角検出センサ57は、アクセルペダル10の回転位置を検出するのに用いられる。
次にヒステリシス機構部40について説明する。
ヒステリシス機構部40は、支持部20の上部に位置する。具体的には、第1ハウジング21および第2ハウジング22により形成される収容室213に収容されている。ヒステリシス機構部40は、ヒステリシス回転軸41、ペダルロータ42、ヒステリシスばね43、ロータ44、軸受け45等を備える。ヒステリシス機構部40は、運転者がアクセルペダル10を踏み込む場合に必要な踏力とアクセルペダル10の踏み込みを解除する場合に必要な踏力とに差を設ける。これにより、運転者におけるアクセルペダル10の操作性が向上する。
「第2回転軸」としてのヒステリシス回転軸41は、支持部20に対して水平方向に設けられる。ヒステリシス回転軸41の左側の端部411は、第2ハウジング22に形成されている貫通孔223に挿通され、後述するリンク機構部50のレバー55の一端に接続する。また、ヒステリシス回転軸41の右側の端部412は、第1ハウジング21の底部212aに形成されている凹部215に挿入されている。貫通孔223および凹部215のそれぞれ内壁にはヒステリシス回転軸41を受けるための軸受け45が設けられている。ヒステリシス回転軸41は、レバー55の回転に合わせて回転する。このとき、ヒステリシス回転軸41の外壁に当接しているペダルロータ42もヒステリシス回転軸41の回転角度と同じ角度で回転する。
ペダルロータ42は、2つの径が異なる中空円柱を軸方向に接続した形状をなしている。ペダルロータ42の内部にはヒステリシス回転軸41が挿通される。ペダルロータ42の大径部421は、ヒステリシス回転軸41の端部411側に設けられている。大径部421の第2ハウジング22側の壁面421aには、環状の第2摩擦板424が設けられている。第2摩擦板424は、第2ハウジング22の内底壁224に当接する。これにより、ペダルロータ42は、第2摩擦板424を介して第2ハウジング22と摺動可能である。また、大径部421の第1ハウジング21側の壁面421bには小径部422が接続する。また、壁面421bにおいて小径部422の径外方向には、傾斜面を有するはす歯425が周方向に複数形成されている。はす歯425は、ロータ44の第2ハウジング22側の壁面441に複数形成されているはす歯442と当接する。ペダルロータ42の小径部422は、ヒステリシス回転軸41の第1ハウジング21側に設けられている。小径部422の端部412側には、ロータ44が設けられている。
ロータ44は環状をなして、小径部422に外接している。前述したように、ロータ44の第2ハウジング22側の壁面441にははす歯442が複数形されている。一方、ロータ44の第1ハウジング21側の壁面443には、環状の第1摩擦板423が設けられている。第1摩擦板423は、第1ハウジング21の内底壁216に当接している。これにより、ロータ44は、第1摩擦板423を介して第1ハウジング22と摺動可能である。
「第2戻しばね」としてのヒステリシスばね43は、ペダルロータ42の径外方向に設けられている。ヒステリシスばね43は、戻しばね32と同じくねじりばねである。ヒステリシスばね43を形成する金属線の線径は、戻しばね32により大きい。また、本実施形態のヒステリシスばね43は、付勢力が発生する付勢力発生角度を有している状態でヒステリシス機構部40に設けられる。
ヒステリシスばね43の端部431は、第2ハウジング22の内底壁224に形成されている嵌合孔224aに嵌合する。ヒステリシスばね43のもう一方の端部432は、ロータ44に形成されている貫通孔444に挿通されている。
次にリンク機構部50について説明する。リンク機構部50は、図4に示すようにペダルアーム51、ローラ部52、レバー55などから構成される。リンク機構部50は、アクセルペダル10の回転運動をうけて回転する戻し回転軸31の回転運動をヒステリシス回転軸41に伝達する。
ペダルアーム51は、金属から形成されている。図4に示すように、ペダルアーム51の端部511は戻し回転軸31に固定されている。ペダルアーム51の端部512は、ローラ部52に摺動可能に当接している。また、ペダルアーム51は、アクセルペダル10の回転角度を規制する。具体的には、ペダルアーム51の戻し回転軸31を中心とする回転方向には全閉ストッパ225および全開ストッパ226が第2ハウジング22から突出して形成されている。アクセルペダル10が踏み込まれておらず全閉位置である場合、ペダルアーム51は全閉ストッパ225に当接する(図4の実線参照)。このとき、戻り機構部30の戻しばね32は、前述したように自由角度ではなく、ペダルアーム51を戻し回転軸31を中心として図4の反時計回りに回転させる付勢力を有している。しかしながら、ペダルアーム51は全閉ストッパ225に当接しているため、これ以上回転しない。また、図4の点線で示したようにアクセルペダル10が踏み込まれて全開位置である場合、ペダルアーム51は全開ストッパ226に当接する。これにより、ペダルアーム51はこれ以上戻し回転軸31を中心とする時計回りに回転しない。なお、全閉ストッパ225および全開ストッパ226は、第2ハウジング22にインサートされている金属部材を含む樹脂により形成されている。
ローラ部52は、レバー55の一端に設けられている。ローラ部52は、ペダルアーム51の戻し回転軸31を中心とした動きに合わせてペダルアーム51に摺動する。ローラ部52の構造については後述する。
レバー55は、ローラ部52が設けられている側とは反対側の他端をヒステリシス機構部40のヒステリシス回転軸41に固定されている。これにより、戻し回転軸31の回転角度およびヒステリシス回転軸41の回転角度は、リンク機構部50を介してアクセルペダル10の回転角度と同じになる。
カバー25は、図2および図3に示すように支持部20の左側に取り付けられる。カバー25の内部には、リンク機構部50が収容される。また、カバー25には連結部材26が突出するための貫通孔251が形成されている。戻し回転軸31に接続する連結部材26は、貫通孔251に挿通され、図2に示すようにカバー25の外部に突出する。カバー25は、リンク機構部50、戻り機構部30、ヒステリシス機構部40に異物が侵入することを防ぐ。
図5にローラ部52とレバー55との当接箇所の拡大断面図を示す。
ローラ部52は、ローラ53、ローラ台54、ボルト523、ナット524から構成される。ボルト523およびナット524は、特許請求の範囲に記載の「ねじ部材」に相当する。
ローラ53は、中空の円筒形状をなす金属から形成されている。ローラ53は、円筒形状の摺動部531がペダルアーム51(図5の点線部分)に摺動する。ローラ53のローラ台54側の端部には、ローラ53の中心軸から径外方向にむかって鈎状に形成されている係合部532が形成されている。係合部532は、ローラ台54に形成されている係合溝541と係合する。これにより、ローラ53の中心軸533を中心として回転可能にローラ台54に接続される。
ローラ台54は、略平板状をなしている。ローラ台54には平板形状の厚み方向に貫通するボルト孔542が形成されている。ボルト孔542の内壁には図示しないねじ山が形成されている。ボルト孔542に挿通されるボルト523は、例えばスタッドボルトであり、ボルト523の側壁に形成されているねじ山によりローラ台54に締付固定されている。ボルト523は、レバー55の厚み方向に形成されている貫通孔551にも挿通されており、レバー55のローラ台54が設けられる側とは反対側に突出する。突出するボルト523がナット524と嵌合することにより、ローラ台54はレバー55に取り付けられる。
ローラ台54において、ヒステリシス機構部40の中心(図5の下方)からみて径外方向側の端部543の面544は、レバー55と当接する。図5に示すように、面544はボルト523の軸方向に対して非平行かつ非垂直な斜面となっている。一方、面544と当接するレバー55側の面552もボルト523の軸方向に対して非平行かつ非垂直な斜面となっている。これにより、ボルト523にナット524を締め込むと、面544と面552が摺動しながらローラ台54とレバー55とは接近し、図5(b)の状態になる。これにより、ローラ53の中心軸533とレバー55の先端面553との距離は、図5(a)の場合の距離Laに比べて図5(b)の場合の距離Lbの方が長くなる。したがって、ボルト523にナット524を締め込むことにより、ローラ53とレバー55との相対位置が変化する。
ボルト523とナット524との締め込み状態により、ローラ53とレバー55との相対位置が変化すると、ペダルアーム51とレバー555とがなす角度が変化する。これにより、アクセルペダル10の全閉状態および全開状態でのヒステリシスねじ43のスプリングセット角度が変化する。以下、詳細を説明する。
図6にアクセル装置10においてアクセルペダル10が全閉状態および全開状態でのペダルアーム51とレバー55とがなす角度の比較を示す。図6(a)には、ローラ台54とレバー55との関係が図5(a)の場合(以下、「パターン1」という)の模式図を示す。図6(b)には、ローラ台54とレバー55との関係が図5(b)の場合(以下、「パターン2」という)の模式図を示す。
図6(a)と(b)では、ローラ台53とヒステリシス回転軸41との距離が変化している。具体的には、図6(a)の状態に比べて図6(b)の方がローラ53はヒステリシス回転軸41に近くなっている。なお、図6(a)および(b)では、ヒステリシスばね43が付勢力を発生しない自由角度にした場合におけるレバー55の位置をヒステリシス回転軸41の中心41aから直線L10、L20で示す位置とする。中心41aは、特許請求の範囲に記載の「第2回転軸の軸心」に相当する。
パターン1の図6(a)では、アクセルペダル10の全閉位置ではレバー55は中心41aからみて直線L11に位置する。このとき、レバー55とアクセルペダル51とが形成する角度θ1は、直線Lpと直線L11が形成する角度となる。これにより、パターン1のアクセルペダル10には、全閉状態において角度θ10のスプリングセット角度に応じて発生する反時計回りの付勢力がかかる。なお、角度θ10は、直線L10と直線L11がなす角度である。一方、アクセルペダル10の全開位置では、レバー55は中心41aからみて直線L12に位置する。これにより、パターン1のアクセルペダル10には、角度(θ10+θ11)のスプリングセット角度に応じて発生する反時計回りの付勢力がかかる。なお、角度θ11は、直線L11と直線L12とが形成する角度である。したがって、パターン1では、レバー55が回転可能な角度θは、角度θ11となる。
一方、パターン2の図6(b)では、アクセルペダル10の全閉位置ではレバー55は中心41aからみて直線L21に位置する。このとき、レバー55とアクセルペダル51とが形成する角度θ2は、直線Lpと直線L21が形成する角度となる。角度θ2は、前述のパターン1の角度θ1より大きい。これは、図5において説明したように、ボルト523にナット524を締め込むことにより、ローラ53とレバー55との相対位置が変化し、ペダルアーム51に当接するローラ53の位置が変化しているためである。ローラ53は、レバー55の先端面553より離れて、ヒステリシス機構部40の中心41aに接近しているため、ペダルアーム51との当接位置もヒステリシス機構部40の中心41aに接近している。これにより、パターン2でのレバー55とアクセルペダル51とが形成する角度θ2は、前述のパターン1の角度θ1より大きくなる。
パターン2のアクセルペダル10には、角度θ20のスプリングセット角度に応じて発生する反時計回りの付勢力がかかる。なお、角度θ20は、直線L10と直線L11がなす角度である。このとき、角度θ20は、前述の角度θ10より小さい。すなわち、全閉状態のアクセルペダル10にかかる付勢力は、パターン1よりパターン2の方が小さい。
また、アクセルペダル10の全開位置では、レバー55は中心41aからみて直線L22に位置する。これにより、パターン2のアクセルペダル10には、角度(θ20+θ21)のスプリングセット角度に応じて発生する反時計回りの付勢力がかかる。なお、角度θ21は、直線L21と直線L22とがなす角度である。したがって、パターン2では、レバー55の回転可能な角度は、角度θ21となる。このとき、角度θ21は、パターン1の角度θ11より大きい。すなわち、レバー55が回転可能な角度θはパターン1よりパターン2の方が大きい。
(作用)
次にアクセル装置1の作用について図7を用いて説明する。図7(a)は、ヒステリシス機構部40におけるアクセルペダル10の回転角度θに対する回転角度θを維持するために必要な荷重Fを示したグラフである。加重Fはそのまま運転者がアクセルペダル10の回転角度θを維持するために必要な踏力となる。また、図7(b)は、戻り機構部30におけるアクセルペダル10の回転角度θに対する回転角度θを維持するために必要な荷重Fを示したグラフである。また、図7(c)は、図7(a)および(b)で示した荷重Fの合計を表したグラフである。
運転者がアクセルペダル10を踏み込んでいない場合、アクセルペダル10は所定の位置にある。すなわち、アクセルペダル10は、ペダルアーム51が当接している全閉ストッパ225により回転が規制される。この位置をアクセルペダル10の回転角度θ=0度とする(図7(a)〜(c)の横軸における原点に相当)。
次に運転者がアクセルペダル10を踏み込むと、アクセルペダル10の回転角度θは大きくなる、すなわち、図7のグラフにおいて横軸の値が大きくなる。このとき、ヒステリシス機構部40では、アクセルペダル10の回転角度θxを維持するために、ヒステリシスばね43のばね定数とアクセルペダル10の回転角度θxとから算出される荷重に、第1摩擦板423と第1ハウジング21との摩擦力、および第2摩擦板424と第2ハウジング22との摩擦力が加わった荷重Fxが必要となる。これは、ヒステリシス機構部40において、ペダルロータ42に形成されているはす歯425とロータ44に形成されているはす歯442とが傾斜面同士で当接しながら噛み合っており、運転者がアクセルペダル10を踏み込むことで、ペダルロータ42とロータ44との間隔が大きくなり、第1摩擦板423と第1ハウジング21との摩擦力および第2摩擦板424と第2ハウジング22との摩擦力が増加するためである。これにより、第1摩擦板423の第1ハウジング21側の面、および第2摩擦板424の第2ハウジング22側の面には、アクセルペダル10の回転角度θに応じた大きさの摩擦力が作用することとなる。したがって、ヒステリシス機構部40においては、アクセルペダル10を踏み込む場合、ヒステリシスばね43単体の付勢力より大きい荷重Fxが必要となる(図7(a)参照)。一方、戻り機構部30において、アクセルペダル10の回転角度θxに対応した付勢力が必要となる(図7(b)参照)。
次に運転者がアクセルペダル10の踏み込みを解除すると、アクセルペダル10の回転角度θは小さくなる。このとき、図7(a)に示すように、ヒステリシス機構部40では、アクセルペダル10の回転角度θが小さくなる場合、アクセルペダル10の回転角度が大きくなる場合に比べて、アクセルペダル10の回転角度θxを維持するために必要な荷重Fは小さくなる。これは、前述の第1摩擦板423と第1ハウジング21との摩擦力および第2摩擦板424と第2ハウジング22との摩擦力により、ヒステリシスばね43の復元力が相対的に弱められるためである。一方、戻り機構部30において、アクセルペダル10の回転角度θxに対応した付勢力が必要となる(図7(b)参照)。
上述したヒステリシス機構部40および戻り機構部30におけるアクセルペダル10の回転角度θに対応する荷重Fを合計したグラフが図7(c)である。運転者によるアクセルペダル10の踏み込みによりアクセルペダル10の回転角度θが増加する場合、回転角度θxの大きさに応じてアクセルペダル10の回転角度θxを維持するための荷重Fは増加する。また、運転者がアクセルペダル10の踏み込みを解除する場合、同様に回転角度θxの大きさに応じてアクセルペダル10の回転角度θxを維持するための荷重Fは必要となる。しかしながら、アクセルペダル10の回転角度θが増加する場合と減少する場合では、同じ回転角度θxであっても回転角度θxを維持するために必要とする荷重Fは異なる。具体的には、回転角度θxにおいて、加重Fは回転角度θが増加する場合に比べて回転角度θが減少する場合の方が小さい。これにより、運転者がアクセルペダル10を踏み込んだとき、急激にアクセルペダル10の回転角度θが大きくならないため、車両が急激に加速することを防止する。また、運転者がアクセルペダル10の踏み込みを解除した場合、急激にアクセルペダル10の回転角度θが小さくなることはなくなるため、車両が急激に減速することを防止する。
本実施形態でのアクセル装置1では、アクセルペダル10の回転角度θに対する荷重Fの大きさをローラ53とヒステリシス回転軸41との距離を変更することにより調整する。アクセル装置1を製作する段階において、製品1ロットの中からアクセル装置1を抜き取り、アクセルペダル10の回転角度θに対する荷重Fの大きさの関係を測定する。このとき、測定された荷重Fの値によってローラ部52のボルト523とナット524との締付状態を変更する。これにより、ローラ53とヒステリシス回転軸41との距離が変更され、ヒステリシスばね43のスプリングセット角度が変更される。具体的には、パターン1の図6(a)では、ヒステリシスばね43がアクセルペダル10の回転によって使用されるスプリングセット角度は、図8(a)に示す領域になる。一方、パターン2の図6(b)では、ローラ53がヒステリシス回転軸41に近づくため、アクセルペダル10が全閉状態のとき、ヒステリシスばね43のスプリングセット角度は自由角度に近くなる。一方、アクセルペダル10が全開状態のとき、ヒステリシスばね43のスプリングセット角度はパターン1における全開状態でのスプリングセット角度より大きくなる。したがって、図8(a)に示すようにパターン2で使用されるスプリングセット角度は、パターン1に比べてスプリングセット角度の最小値は小さくなり、最大値は大きくなる。すなわち、使用されるスプリングセット角度の領域は大きくなる。
図8(a)に示したヒステリシスばね43のスプリングセット角度と荷重Fの関係から、図8(b)にはアクセルペダル10の回転角度θに対するアクセルペダル10のそれぞれの回転角度θを維持するために必要な荷重Fとの関係を示した。
図8(b)において、実線はパターン1の場合のアクセルペダル10の回転角度θと荷重Fとの関係、破線はパターン2の場合のアクセルペダル10の回転角度θと荷重Fとの関係を示す。パターン2では、アクセルペダル10の踏み始め(図8(b)の角度θa)では、パターン1に比べて踏力が少ない。アクセルペダル10の回転角度θが増加するにつれて、パターン2はパターン1に比べて踏力は大きくなる(図8(b)の角度θb)。また、アクセルペダル10の踏み込みを解除する場合も同様である。
(効果)
次に第1実施形態のアクセル装置1の効果について説明する。
(ア)ヒステリシス機構部40は、ヒステリシス回転軸41の回転角度に応じて、図7(a)に示すようなヒステリシス特性を発生する。このとき、所望のヒステリシス特性を発生させたい場合、ローラ部52のボルト523にナット524を締付、または締付解除することによりローラ53はヒステリシス回転軸41の中心41cとの距離を変更する。これによって、図6に示したようにペダルアーム51とレバー55とが形成する角度を変更することができる。ペダルアーム51は、全閉ストッパ225および全開ストッパ226によって戻し回転軸31を中心に回転可能な角度は制限されている。一方、ローラ53を介してペダルアーム51に当接するレバー55は、ペダルアーム51との当接位置を変更可能である。レバー55は、ヒステリシス回転軸41を介してヒステリシスばね43に接続している。したがって、レバー55の角度が変化するとヒステリシスばね43のスプリングセット角度が変更される。これによって、ヒステリシス機構部40で発生するヒステリシス特性を変更することができる。
(イ)従来、アクセル装置のヒステリシス機構は複数の部品から構成されている。これらの部品が組み合わされることによりヒステリシス特性は決定される。しかしながら、部品の設計公差により組み合わされたときのヒステリシス特性に個体差が発生する。第1実施形態のアクセル装置1では、装置として組み立てた後、検査によってヒステリシス特性が,所定の範囲内にない場合、ローラ53とヒステリシス回転軸41の中心41cとの距離の変更によってヒステリシス特性を変更することができる。したがって、ヒステリシス機構部40を構成する部品の設計公差を従来に比べて大きくとることができる。
(ウ)また、ヒステリシス特性の検査において不適合であったアクセル装置は、組み直しにより製造工程が増えることとなる。しかしながら、第1実施形態のアクセル装置1では、製造工程の最終段階においてヒステリシス特性を変更することができる。これにより、組み直しのための工程が不必要となり、製造コストを低減することができる。
(エ)ローラ台54とレバー55とを締付結合するボルト523は、その軸方向をヒステリシス回転軸41に対して略平行に設けている。これにより、ローラ53とヒステリシス回転軸41の中心41cとの距離を変更する際、距離の変化を見やすいため、ローラ53のヒステリシス回転軸41に対する位置を容易に変更することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図9に基づいて説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して、ローラ部およびレバーの形状が一部異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態では、ローラ台54Bは、レバー55Bの先端面553B側に位置している。図9に示すように、ローラ53を回転可能に支持するローラ台54Bは、斜面544Bおよびスペーサ525を介してレバー55Bの先端面553Bに設けられている。ローラ台54Bは、厚み方向にボルト孔542Bが形成されている。ボルト孔542Bは、第1実施形態のボルト孔542と異なり、ボルト523に固定されていない。一方、ボルト523は、レバー55Bの先端面553Bに形成されているボルト孔551Bに締付結合されている。
ローラ台54Bのレバー55Bと当接する面544Bは、ローラ台54Bのヒステリシス回転軸41側に形成されている。面544Bはヒステリシス回転軸41に対して非平行かつ非垂直な斜面をなしている。一方、レバー55Bのローラ台54Bと当接する面552Bは、先端面553Bの縁部に形成されている。また、ローラ台54Bとレバー55Bとの間にはスペーサ525が設けられており、ローラ台54Bとレバー55Bとの位置関係を保持する。
ボルト523を図9(a)の状態(以下、「パターン3」という)よりボルト孔551Bに挿入していくと、ローラ台54Bはレバー55Bに近づく。すなわち、図9(b)の状態(以下、「パターン4」という)になる。なお、このときスペーサ525は厚みが異なる別のスペーサに変更している。これにより、ローラ53の中心533とレバー55Bの先端面553Bとの距離は、パターン3の場合に比べてパターン4の方が短くなる。すなわち、ボルト523を締付、または締付解除することにより、ローラ53とレバー55Bとの相対位置を変更することができる。これにより、ローラ53とヒステリシス回転軸41の中心41cとの距離を変更することができる。したがって、レバー55Bとペダルアーム51とが形成する角度が変化し、ヒステリシスばね43のスプリングセット角度が変更される。これによって、ヒステリシス機構部40で発生するヒステリシス特性を変更することができる。
また、ローラ台54Bとレバー55Bとを締付結合するボルト523は、その軸方向をヒステリシス回転軸41に対して略垂直に設けている。これにより、ローラ53とヒステリシス回転軸41の中心41cとの距離を変更する際、距離の変化を見やすいため、ローラ53のヒステリシス回転軸41に対する位置を容易に変更することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図10に基づいて説明する。第3実施形態は、第1実施形態に対して、ローラ部の形状が一部異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態では、ヒステリシス特性を変更するためにペダルアーム51に摺動するローラの外径を変更する。図10にローラ径を変更した場合のペダルアーム51とレバー55Cとが形成する角度を示す。なお、図10(a)のパターン5におけるローラ53Cに比べて図10(b)のパターン6におけるローラ53Dは外径が大きい。
パターン5およびパターン6において、ヒステリシスばね43が付勢力を発生しないレバー55の位置をヒステリシス回転軸41の中心41aからみて直線L30および直線L40で示す位置とする。パターン6では、アクセルペダル10の全閉位置ではレバー55は中心41aからみて直線L41に位置する。直線L41と直線L40とがなす角度θ40は、パターン5の図10(a)に示す直線L31と直線L30とがなす角度θ30より大きい。すなわち、アクセルペダル10の全閉状態では、パターン6のアクセルペダル10にはパターン5のアクセルペダル10に比べて大きな付勢力がかかる。
パターン6において、アクセルペダル10の全開位置ではレバー55は中心41aからみて直線L42に位置する。直線L42と直線L41とがなす角度θ41は、パターン5の直線L32と直線L31とがなす角度θ31と同じ大きさである。しかしながら、アクセルペダル10の全閉位置での角度θ40が角度θ30より大きいため、角度(θ40+θ41)は、角度(θ30+θ31)より大きい。これにより、全開状態でのアクセルペダル10にかかる付勢力は、パターン5に比べてパターン6の方が大きい。
このように、ローラの外径を変えることによってもヒステリシス特性の変更は可能である。
(他の実施形態)
(ア)上述の実施形態では、アクセルペダルロッドは、支持部の左側に設けられていた。しかしながら、アクセルペダルロッドが設けられる位置はこれに限定されない。支持部の右側であってもよい。
(イ)上述の第1実施形態では、ローラ台をレバーに締付接続するボルトは、ヒステリシス回転軸に略平行に設けられている。また、上述の第2実施形態では、ローラ台をレバーに締付接続するボルトは、ヒステリシス回転軸に略垂直、かつ径外方向からレバーに締め付けられている。しかしながら、ボルトの設置方向はこれに限定されない。ヒステリシス回転軸に略垂直、かつ径内方向から締め付けてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1 ・・・アクセル装置、
15 ・・・アクセルペダルロッド(ペダル部)、
20 ・・・支持部(支持部材)、
31 ・・・戻し回転軸(第1回転軸)、
32 ・・・戻しばね(第1戻しばね)、
40 ・・・ヒステリシス機構部、
41 ・・・ヒステリシス回転軸(第2回転軸)、
41a ・・・中心(第2回転軸の軸心)、
42 ・・・ヒステリシスばね(第2戻しばね)、
50 ・・・リンク機構部、
51 ・・・ペダルアーム(リンク機構部)、
52 ・・・ローラ部(リンク機構部、有効径変更手段、ローラ部位置変更手段)、
523 ・・・ボルト(ねじ部材)、
524 ・・・ナット(ねじ部材)
53 ・・・ローラ(リンク機構部、ローラ部位置変更手段)、
53C、53D ・・・ローラ(リンク機構部、有効径変更手段、ローラ部)、
54、54B ・・・ローラ台(リンク機構部、ローラ部位置変更手段)、
55、55B、55C・・・レバー(リンク機構部、有効径変更手段、ローラ部位置変更手段)、
57 ・・・回転角検出センサ(回転角検出手段)、
100 ・・・車体壁面(車体)。

Claims (6)

  1. 車体に取り付け可能な支持部材と、
    前記支持部材に回転可能に支持されるペダル部と、
    前記支持部材に回動可能に取り付けられ、前記ペダル部の回転に連動する第1回転軸と、
    運転者の踏込による回転力が伝達されるとアクセル開方向に前記第1回転軸の回動を許容し、前記回転力が解除されると前記第1回転軸の回動をアクセル閉方向に戻す第1付勢力が作用する第1戻しばねと、
    前記支持部材に対する前記第1回転軸の相対回転角を検出する回転角検出手段と、
    前記支持部材に回動可能に前記第1回転軸に軸平行に設けられる第2回転軸、および、運転者の踏込による回転力が伝達されるとアクセル開方向に前記第2回転軸の回動を許容し、前記回転力が解除されると前記第2回転軸の回動をアクセル閉方向に戻す第2付勢力が作用する第2戻しばねを有し、前記第2回転軸に作用する回転力が増大するとき前記第1回転軸の直前の回転角に対応するアクセル開度を維持するように作用し、前記第2回転軸に作用する回転力が解除されるとき前記第1回転軸の直前の回転角に対応するアクセル開度を維持するように作用するヒステリシス特性を発生するヒステリシス機構部と、
    一端が前記第1回転軸に接続されるペダルアーム、一端が前記第2回転軸に接続されるレバー、および前記レバーの他端に設けられ、前記ペダルアームの他端と当接するローラ部から構成され、前記第1回転軸の回転角と前記第2回転軸の回転角とが一対一対応に決まるように連動するリンク機構部と、
    前記第2回転軸の軸心から前記ペダルアームと前記ローラ部とが当接する位置までの距離を変更可能な有効径変更手段と、
    前記有効径変更手段により前記第1回転軸の回転角に対する前記第2回転軸の回転角を変更し、前記ヒステリシス特性を変更するヒステリシス特性変更手段と、
    を備えることを特徴とするアクセル装置。
  2. 前記有効径変更手段は、前記レバーに対する前記ローラ部の取り付け位置を変更するローラ部位置変更手段であることを特徴とする請求項1に記載のアクセル装置。
  3. 前記ローラ部位置変更手段は、前記ペダルアームの他端と当接するローラ、前記ローラを回転可能に支持するローラ台、および他端がねじ部材により前記ローラ台と接続されるレバーから構成され、
    前記ローラ台と前記レバーとは前記ねじ部材の軸方向に対して非平行かつ非垂直な斜面で当接し、前記ねじ部材を締付、または締付解除することで前記ローラ台は前記レバーに対する位置を変更可能であることを特徴とする請求項2に記載のアクセル装置。
  4. 前記ねじ部材の軸方向は、前記第2回転軸に対して略平行であることを特徴とする請求項3に記載のアクセル装置。
  5. 前記ねじ部材の軸方向は、前記第2回転軸に対して略垂直であることを特徴とする請求項3に記載のアクセル装置。
  6. 前記有効径変更手段は、前記レバーに着脱可能なローラ部であって、
    前記第2回転軸の中心から前記ペダルアームと前記ローラ部とが当接する位置までの距離を変更するとき、外径が異なるローラ部に変更することを特徴とする請求項1に記載のアクセル装置。
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