JP2012240360A - ノートブック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複数冊の折丁5を重ね合わせて中身2が構成される。折丁5の頁には、折丁5を単位として完結する規則性を有した改竄識別標識群が、当該規則性を保持する形態で付してある。記録内容の改竄の有無は、頁に付された改竄識別標識群の規則性が保持されているか否かで容易に識別することができる。例えば、ノートブック1の中身2を1枚を破り取ったり、中身2に別の用紙5を差し込んだ場合は、改竄識別標識群の規則性が失われるため、これをもってその種の改竄を識別することができる。
【選択図】 図5
Description
近年では、グローバル化した産業発展に伴い、我が国においても、ラボノートを利用し研究開発や実験等の過程を記録しておくことを研究開発者に習慣化させる企業が増えている。
ラボノートは、証拠としての価値を保持するため、容易に改竄できないことが要求される。逆に言うと、記録内容が改竄された場合にはその痕跡を容易に識別できる機能を有していることが必要とされる。このため、従来のラボノートは、最初の頁から最後の頁まで連続した頁番号(ノンブル)が付され、途中の1枚を破り取ったり、途中に別の用紙を差し込んだ場合は、頁番号が不連続となってその種の改竄が識別できるように構成されていた。
なお、この種のラボノートの構成は、すでに周知となっており、出願人の調査した範囲でかかる構成を開示する特許文献は見当たらなかった。
すなわち、ノートブックの製作は、通常の印刷・製本技術をもって行われており、「折丁」と称する構成要素を複数冊重ね合わせて中身の頁が構成されている。折丁は、表裏に複数頁分の印刷が施され、且つ頁サイズに折りたたまれた構成要素である。複数冊の折丁を重ね合わせ、背を綴じて、且つ天地と小口を裁断してノートブックが製作される。ここで、ノートブックの最初の頁から最後の頁まで連続した頁番号(ノンブル)を付すには、頁番号を複数の折丁に区分けして印刷し、それらの折丁を順番に重ね合わせて綴らなければならない。したがって、複数に区分けされた頁番号を複数の用紙にそれぞれ印刷するために、刷版(印刷用の版)がその区分けされた数だけ必要となり、印刷コストが高価格となる。さらに、複数種類の折丁を頁番号順に並べて重ね合わせる作業が必要となるため作業効率が低下する。これらがラボノートの製作費を高価格化させる要因となっていた。
折丁を単位として完結する規則性を有した改竄識別標識群を、折丁の頁に当該規則性が保持される形態で付してあることを特徴とする。
〔全体構成〕
まず、図1〜図4を参照して、本発明の実施形態に係るノートブックの全体構成を説明する。以下に示す各実施形態では、本発明を研究開発や実験等の過程を記録しておくために用いられるラボノートに適用した構成例を示す。
ノートブック1は、記録用の用紙が綴じられた中身2と、その表面を被覆する表紙3とを備えている。表紙3と中身2は、一端縁が接着剤等を使用して綴じられている。この綴じられた一端縁部分Aを「背」と称する。また背Aの反対側の縁部Bを「小口」と称し、正面から見て上端縁部分Cを「天」、下端縁部分Dを「地」と称している。
中身2は、複数枚の用紙5からなり、用紙5の表裏にそれぞれ同様の記載頁4が印刷されている。
中身2の頁は、後述する図3に示すように用紙5を折り込んだ際、最初の頁(1頁)から最後の頁(16頁)まで順番に並ぶように考慮して配置されている。図2に表示された数字の配置は、用紙5に印刷される1頁〜16頁までの配置を示している。ちなみに、図2(a)に示す1頁が配置された部分の裏面には、同図(b)に示す2頁が印刷され、同様に8頁が配置された部分の裏面には7頁が、4頁が配置された部分の裏面には3頁が、5頁が配置された部分の裏面には6頁が、それぞれ印刷されている。
この折り込み状態では、図4(a)に示すように、用紙5に印刷された記載頁4が、1頁から順番に並んで折り重ねられている。なお、1頁の裏面に次の2頁が、3頁の裏面に次の4頁がそれぞれ配置され、以下の奇数頁も同様の順序で偶数頁の裏面に配置されている。
このように、複数頁分の記載頁4が印刷され、それらの各記載頁4が頁順に並ぶように折り込まれた状態の用紙5を「折丁」と称する。
その後、同図(b)に破線で示すように、天C、地D、小口Bをそれぞれ裁断してノートブック1が完成する。
次に、上述した基本構成を前提として、本発明の第1実施形態に係るノートブック1の特徴的構成について、図5〜図7を主に参照して説明する。
本実施形態では、同じ頁数の複数冊の折丁5を重ね合わせて中身2が構成されている。例えば、記載頁4が1頁から16頁まである折丁5を用い、それを複数冊重ね合わせて中身2が構成されているものとする。
ここで、改竄識別標識群は、折丁5の最初の頁(1頁)から最後の頁(16頁)までに付された個々の改竄識別標識10からなり、それら個々の改竄識別標識10が、各頁毎にあらかじめ定めた規則性をもって変化する形態となっている。
改竄識別標識10は、折丁5の最初の頁(1頁)から最後の頁(16頁)まで各頁毎にあらかじめ定めた規則性をもって変化する文字、図形、記号またはこれらの結合で構成されている。
すなわち、図5に示す具体例では、1頁から16頁までの頁番号の連続が「規則性」となっており、かかる頁番号の連続が折丁5を単位として完結している。したがって、複数冊の折丁5を重ね合わせて構成された中身2にあっては、折丁5単位で完結する頁番号の連続が、繰り返して記載頁4に表示される。
頁番号は、例えば、図1(b)に示す小口Bの上隅部の欄外スペース4dなどに付すことができる。
また、中身2に別の1枚の記載頁4が差し込まれた場合にも、同様に、連続する頁番号の規則性が失われたり、16頁から1頁に戻って、再び1頁から繰り返される頁番号の規則性が失われてしまう。
このような規則性の喪失は、容易に認識することができるため、これにより容易に中身2の改竄の有無を認識することが可能となる。
すなわち、図6に示す具体例では、1頁から16頁までの黒塗りブロック10aの位置の変化が「規則性」となっており、かかる黒塗りブロック10aの位置の変化が折丁5を単位として上端から下端までで完結している。したがって、複数冊の折丁5を重ね合わせて構成された中身2にあっては、折丁5単位で完結する黒塗りブロック10aの位置の変化が、繰り返して記載頁4に表示される。
また、中身2に別の1枚の記載頁4が差し込まれた場合にも、同様に、黒塗りブロック10aの位置変化の規則性が失われたり、16頁から1頁に戻って、再び1頁から繰り返される黒塗りブロック10aの位置変化の規則性が失われてしまう。
このような規則性の喪失は、容易に認識することができるため、これにより容易に中身2の改竄の有無を認識することが可能となる。
これらの円形図形は、例えば、図1(b)に示す小口Bの上隅部の欄外スペースなどに付すことができる。
したがって、図6に示した先の具体例と同様に、中身2の改竄に伴い黒塗りブロック10aの位置変化の規則性が喪失し、これを容易に認識することができるため、これにより容易に中身2の改竄の有無を認識することが可能となる。
〔第2実施形態〕
次に、既述した基本構成を前提として、本発明の第2実施形態に係るノートブック1の特徴的構成について、図8を主に参照して説明する。
本実施形態では、頁数が同じ第1の折丁5を複数冊重ね合わせ、且つその後ろに頁数の少ない第2の折丁6を1冊重ね合わせて中身2が構成されている。例えば、記載頁4が1頁から16頁まである折丁5を第1の折丁5としてそれを複数冊重ね合わせるとともに、その後ろに記載頁4が1頁から8頁まである第2の折丁6を重ね合わせて中身2が構成されているものとする。
ここで、本実施形態では、改竄識別標識群が、頁数の多い第1の折丁5を単位として完結する規則性を有するように設定してある。
この改竄識別標識群は、折丁5の最初の頁から最後の頁までに付された個々の改竄識別標識10からなり、それら個々の改竄識別標識10が、各頁毎にあらかじめ定めた規則性をもって変化する形態となっていることは、第1実施形態と同じである。また、改竄識別標識10は、折丁5の最初の頁から最後の頁まで各頁毎にあらかじめ定めた規則性をもって変化する文字、図形、記号またはこれらの結合で構成されている点も、第1実施形態と同じである。
一方、第2の折丁6に対しては、図8(a)(b)に示すように、最初の頁(1頁)から最後の頁(8頁)まで連続する頁番号(ノンブル)を付した構成となっている。図8(a)は第2の折丁6の表の頁を示しており、同図(b)は第2の折丁6の裏の頁を示している。
また、第2の折丁6に含まれる記載頁4にあっては、1頁から8頁までの頁番号の連続が表示される。この第2の折丁6に含まれる記載頁4については頁番号が途中で途切れ完結していないが、1頁から8頁までの頁番号の連続が「規則性」となっていることに変わりはない。
一方、第2の折丁6に相当する部分で中身2の1枚が破り取られたり、別の1枚の記載頁4が差し込まれた場合にも、連続する頁番号の規則性が失われてしまう点は変わりがない。
このような規則性の喪失は、容易に認識することができるため、これにより容易に中身2の改竄の有無を認識することが可能となる。
次に、既述した基本構成を前提として、本発明の第3実施形態に係るノートブック1の特徴的構成について、図9および図10を主に参照して説明する。
本実施形態では、頁数が4の倍数である複数種類の折丁5を複数冊重ね合わせて中身2が構成されている。例えば、記載頁4が1頁から16頁まである折丁5を第1の折丁5と、記載頁4が1頁から8頁まである第2の折丁6とで、中身2が構成されているものとする。第1の折丁5の冊数と第2の折丁6の冊数は任意に決めることができ、また配列も任意に設定することができる。
ここでは、第1の折丁5を複数冊重ね合わせ、その前または後ろに第2の折丁6を重ね合わせて中身2を構成するものとして説明を進めていく。
ここで、本実施形態では、改竄識別標識群が、頁数のもっとも少ない折丁5(上述した具体例では、第2の折丁6)を単位として完結する規則性を有するように設定してある。
この改竄識別標識群は、折丁5の最初の頁から最後の頁までに付された個々の改竄識別標識10からなり、それら個々の改竄識別標識10が、各頁毎にあらかじめ定めた規則性をもって変化する形態となっていることは、第1の実施形態と同じである。また、改竄識別標識10は、折丁5の最初の頁から最後の頁まで各頁毎にあらかじめ定めた規則性をもって変化する文字、図形、記号またはこれらの結合で構成されている点も、第1の実施形態と同じである。
一方、第1の折丁5に対しては、図9(a)(b)に示すように、最初の頁(1頁)から中間の8頁まで、第2の折丁6に付した1頁から8頁まで連続する頁番号(ノンブル)を付し、さらに次の9頁から最後の頁(16頁)まで、再び第2の折丁6に付した1頁から8頁まで連続する頁番号(ノンブル)を繰り返し付した構成となっている。なお、図9(a)は第1の折丁5の表の頁を示しており、同図(b)は第1の折丁5の裏の頁を示している。
また、第1の折丁5に含まれる記載頁4にあっては、1頁から8頁までの頁番号の連続が繰り返し表示されるため、この頁番号の連続という「規則性」は保持されている。そして、第1の折丁5に含まれる最後の記載頁4には、最後の頁番号(8頁)が付されるため、次に重なり合った折丁5の最初の記載頁4に付された頁番号(1頁)との間の繰り返しの規則性も保持されている。
このような規則性の喪失は、容易に認識することができるため、これにより容易に中身2の改竄の有無を認識することが可能となる。
特許請求の範囲に記載された本発明は、上述した実施形態の構成に限定されないことは勿論である。
例えば、中身2を構成する折丁5として、第1実施形態では16頁の記載頁4を有する折丁5を用いたが、これに限らず必要に応じて任意の数の記載頁4を有する折丁5を用いることができる。例えば、200頁の中身2を構成するために、8頁の記載頁4を有する折丁5を25冊重ね合わせることもできる。
さらに、一枚の用紙の表と裏の各記載頁4に同じ改竄識別標識10を付すこともできる。
例えば、図5の具体例において、頁番号を示す数字を自然数の順序ではなく、例えば、1から16までの数字を、3−6−1−16−2−11−4−15−・・・のように、ランダムに最初の頁から最後の頁にかけて付してあっても、そのランダムな数字の並びを規則性と捉えて、改竄の有無を認識することも可能である。
同様に、図6に示した具体例において、黒塗りブロック10aを重複しないランダムな位置に配置して、その配置変化を規則性と捉えて、改竄の有無を認識することも可能である。
A:背、B:小口、C:天、D:地
Claims (5)
- 複数冊の折丁を重ね合わせて中身が構成されるノートブックであって、
前記折丁を単位として完結する規則性を有した改竄識別標識群を、前記折丁の頁に当該規則性が保持される形態で付してあるノートブック。 - 前記改竄識別標識群は、前記折丁の最初の頁から最後の頁までに付された個々の改竄識別標識からなり、当該個々の改竄識別標識が、各頁毎にあらかじめ定めた規則性をもって変化する形態としてある請求項1のノートブック。
- 前記改竄識別標識は、前記折丁の最初の頁から最後の頁まで各頁毎にあらかじめ定めた規則性をもって変化する文字、図形、記号またはこれらの結合で構成されている請求項2のノートブック。
- 頁数が同じ第1の折丁を複数冊重ね合わせ、且つその後ろに頁数の少ない第2の折丁を1冊重ね合わせて中身が構成される請求項1のノートブックであって、
前記改竄識別標識群は、前記第1の折丁を単位として完結する規則性を有しており、
前記第1の折丁は、最初の頁から最後の頁までの各頁に前記改竄識別標識群が付してあり、
前記第2の折丁は、最初の頁から最後の頁までの各頁に、前記改竄識別標識群が途中まで付してあるノートブック。 - 頁数が4の倍数である複数種類の折丁を複数冊重ね合わせて中身が構成される請求項1のノートブックであって、
前記改竄識別標識群は、頁数がもっとも少ない折丁を単位として完結する規則性を有しており、
前記頁数がもっとも少ない折丁は、最初の頁から最後の頁までの各頁に前記改竄識別標識群が付してあり、
頁数が多い他の折丁は、最初の頁から最後の頁までの各頁に、前記改竄識別標識群が繰り返し付してあるノートブック。
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JPH0768970A (ja) * | 1993-09-01 | 1995-03-14 | Bunpei Kajimura | ページの順序を示す記号 |
JP2004291422A (ja) * | 2003-03-27 | 2004-10-21 | Hiroshi Takahashi | 複写式ノート集合体及びそれに含まれる複写式ノート |
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