JP2012240276A - 繊維強化樹脂材とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な製法改良にて、連続繊維補強材の位置ずれや連続繊維補強材を構成する連続繊維の配向乱れを解消しながら、連続繊維補強材によって部分的に補強された繊維強化樹脂材を製造することのできる繊維強化樹脂材の製造方法を提供する。
【解決手段】下型D1と上型D2を型閉めしてできるキャビティC1内に連続繊維補強材1’を収容し、該連続繊維補強材1’を上型D2および下型D1で仮に固定してキャビティC1内に軟化もしくは溶融した第1のマトリックス樹脂2’をチャージして中間成形品3を製造するステップ、上型D2もしくは下型D1を昇降し、それらの間にスペーサSを介在させて中間成形品3の上方に第2のキャビティC2を形成し、ここに軟化もしくは溶融した第2のマトリックス樹脂4’をチャージし、第1、第2のマトリックス樹脂2’、4’が硬化することよって繊維強化樹脂材10を製造するステップからなる。
【選択図】図5

Description

本発明は、連続繊維補強材にて部分的に補強されてなる繊維強化樹脂材の製造方法に関するものである。
樹脂に強化用繊維材が混入されてなる繊維強化樹脂材(繊維強化プラスチック(FRP))は、軽量かつ高強度であることから、自動車産業や建設産業、航空産業など、様々な産業分野で使用されている。
たとえば自動車産業においては、ピラーやロッカー、床下フロアなどの車両の骨格構造部材や、ドアアウターパネルやフードなどの意匠性が要求される非構造部材に上記繊維強化樹脂材が適用され、車両の強度保証を図りながらその軽量化を実現し、低燃費で環境フレンドリーな車両を製造する試みがおこなわれている。
この繊維強化樹脂材の成形法は多岐に亘るが、たとえばシートモールディングコンパウンド法(SMC法)を適用した方法をその一例として挙げることができる。
このSMC法を適用し、繊維強化樹脂材の中でも特に強度が要求される部材箇所の表面にたとえば一方向の連続繊維補強材(UD材)を配設するために、このUD材を上下の型のキャビティ面に仮に取り付け、キャビティ内に溶融樹脂を射出することにより、あるいはプレヒートによって予備腑形された溶融樹脂の塊やシートをキャビティ内に配してプレスすることにより、その表面にUD材が埋設された繊維強化樹脂材を製造することができる。
しかしながら、このようにキャビティ面にUD材を仮に取り付けてキャビティ内で成形した際には、この成形時にUD材を構成する連続繊維がばらばらになってその配向が乱され、所望の強度が期待できないといった課題や、UD材の位置がずれて当該UD材によって補強されるべき部位に存在しないといった課題がある。そしてある知見によれば、連続繊維が蛇行してその角度が3度ずれるとUD材の物性(引張強度)が10%程度、12度ずれると50%程度低下することも分かっている。
そこで、特許文献1では、UD材が表面に設けられる箇所とそれ以外の箇所の境界に凹部を設け(この凹部形成のためにキャビティ面には凸部がある)、これによってUD材を構成する連続繊維の配向ずれを抑制せんとする発明が開示されている。
しかしながら、特許文献1で開示される成形品は上記境界がキャビティの凹部の分だけ薄厚となってしまい、これが外力作用時の応力集中箇所となって破壊起点となり易いという課題を有している。
さらに、その成形過程で、上型のキャビティ面に仮に設置されたUD材が型閉めの際に落下し易く、表面にUD材が埋設された成形品が得られ難いという課題も有している。
特開平5−85179号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、連続繊維補強材の位置ずれや連続繊維補強材を構成する連続繊維の配向乱れを解消しながら、これが埋設される箇所とそれ以外の箇所の境界に構造弱部となる凹部を設ける必要がなく、所望部位に所期の物性(引張強度等)が保証された連続繊維補強材を有する繊維強化樹脂材を製造することのできる繊維強化樹脂材の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による繊維強化樹脂材の製造方法は、成形型を構成する下型と上型を型閉めしてできる第1のキャビティ内に連続繊維補強材を収容し、型閉めによって該連続繊維補強材を上型および下型で仮に固定し、第1のキャビティ内に軟化もしくは溶融した第1のマトリックス樹脂をチャージし、第1のマトリックス樹脂が未硬化状態の中間成形品を製造する第1のステップ、前記第1のキャビティよりも大きな寸法の第2のキャビティ内に載置された前記中間成形品に対して、軟化もしくは溶融した第2のマトリックス樹脂をチャージして第1、第2のマトリックス樹脂が硬化することにより、連続繊維補強材を部分的に含む繊維強化樹脂材を製造する第2のステップからなるものである。
本発明の製造方法は、成形型のキャビティ内にマトリックス樹脂がチャージされた際に該キャビティ内に収容された連続繊維補強材の位置がずれたり、あるいは連続繊維補強材を構成する連続繊維の配向が乱されることを抑止するべく、まず第1のステップにおいて、成形型のキャビティ内に連続繊維補強材を収容してこれを成形型を構成する上型と下型で仮に固定し、この状態でできる第1のキャビティ内に軟化もしくは溶融した第1のマトリックス樹脂をチャージして中間成形品を製造するものである。この中間成形品においては、連続繊維補強材を構成する連続繊維の配向が乱されることなく、かつ中間成形品における所望位置に精緻に連続繊維補強材が配された構成となっている。また、この中間成形品は、第2のステップでチャージされる第2のマトリックス樹脂と相互に一体化される必要があることから、未硬化状態となっている。
次に、第2のステップとして、第1のキャビティよりも大きな寸法の第2のキャビティ内に載置された前記中間成形品に対して軟化もしくは溶融した第2のマトリックス樹脂をチャージし、第1、第2のマトリックス樹脂の双方が硬化することによって、第1、第2のマトリックス樹脂の硬化体の所望位置に連続繊維補強材が配されてなる繊維強化樹脂材が製造される。
ここで、「チャージ」とは、繊維材が溶融樹脂内に含有された材料をキャビティ内に射出成形すること、繊維材を含まない溶融樹脂をキャビティ内にトランスファー成形すること、さらには、溶融樹脂の塊やシート(プレヒートによる予備腑形体)をキャビティ内に配することのいずれかの方法を示すものであり、溶融樹脂の塊等をキャビティ内に配する場合には、その後にたとえば上型を下型に押し込んでプレス成形することによってキャビティ形状の中間成形品が成形される。
なお、チャージされる熱可塑性樹脂内には、短繊維や長繊維が不連続に含有されていてもよく、製造される繊維強化樹脂材が車両の骨格構造部材の場合には、繊維材が含有された熱可塑性樹脂がチャージされるのが一般的である。
また、連続繊維補強材としては、連続繊維のみから形成される補強材や、連続繊維がマトリックス樹脂内に含有されてなる補強材(プリプレグ材)を挙げることができる。さらにこの連続繊維補強材は、たとえばJISで規定するように50mmを超える繊維材(連続繊維)がマトリックス樹脂内に一方向に配向された一方向材(UD材)であってもよいし、擬似等方材(多軸積層材や経糸および緯糸からなる織物など)であってもよい。この連続繊維としては、ボロンやアルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニアなどのセラミック繊維や、ガラス繊維や炭素繊維といった無機繊維、銅や鋼、アルミニウム、ステンレス等の金属繊維、ポリアミドやポリエステルなどの有機繊維のいずれか一種もしくは2種以上の混合材を挙げることができる。
なお、連続繊維補強材が連続繊維のみから形成される補強材の場合には、第1のステップにおける第1のマトリックス樹脂のチャージの際に、この第1のマトリックス樹脂が連続繊維補強材内に含浸される。
また、マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂の場合の「軟化もしくは溶融」とは、熱可塑性樹脂が非結晶性プラスチックからなる場合は、そのガラス転移点Tgを越えた状態に対して「軟化」が適用され、熱可塑性樹脂が結晶性プラスチックの場合はその融点Tmを超えた状態に対して「溶融」が適用されるものである。
結晶化度が極めて低いか、結晶化状態になり得ない非結晶性プラスチックとしては、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ABS樹脂、熱可塑性エポキシなどを挙げることができる。一方、分子鎖が規則正しく配列された結晶領域の量の比率が高いもの、すなわち結晶化度の高い結晶性プラスチックとしては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ナイロン(PA:ナイロン6、ナイロン66など)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などを挙げることができる。
ここで、第1、第2のマトリックス樹脂は同素材の樹脂であっても異なる素材の樹脂であってもよいが、同素材の樹脂からなる場合は、同じ温度条件で双方の樹脂が同時に硬化し、双方の界面での接合強度がより一層高いものとなる。
また、本発明による繊維強化樹脂材の製造方法の他の実施の形態は、成形型を構成する下型と上型を型閉めしてできる第1のキャビティ内に連続繊維補強材を収容し、型閉めによって該連続繊維補強材を上型および下型で仮に固定し、第1のキャビティ内に軟化もしくは溶融した第1のマトリックス樹脂をチャージし、第1のマトリックス樹脂が未硬化状態の中間成形品を製造する第1のステップ、上型もしくは下型のいずれか一方を前記第1のキャビティの寸法が大きくなる方向へ移動させ、上型と下型の間にスペーサを介在させて中間成形品の上方に第2のキャビティを形成し、該第2のキャビティ内に軟化もしくは溶融した第2のマトリックス樹脂をチャージして第1、第2のマトリックス樹脂が硬化することにより、連続繊維補強材を部分的に含む繊維強化樹脂材を製造する第2のステップからなるものである。
この実施の形態の製造方法では、一種の成形型を使用し、第1のステップから第2のステップへ移行した際に上型と下型の間にスペーサを介在させて第1のキャビティを大きな寸法とし、中間成形品の上方に第2のキャビティを形成するものである。本実施の形態によれば、一種の成形型のみで繊維強化樹脂材を製造できることから設備コストの高騰を抑制できる。
また、本発明による繊維強化樹脂材の製造方法の他の実施の形態は、成形型を構成する下型と上型を型閉めしてできるキャビティ内に連続繊維補強材を収容し、型閉めによって該連続繊維補強材を上型および下型で仮に固定し、キャビティ内に軟化もしくは溶融した第1のマトリックス樹脂をチャージし、第1のマトリックス樹脂が未硬化状態の中間成形品を製造する第1のステップ、中間成形品を別途の成形型のキャビティであって該中間成形品よりも大きな寸法のキャビティ内に収容し、該キャビティ内に軟化もしくは溶融した第2のマトリックス樹脂をチャージして第1、第2のマトリックス樹脂が硬化することにより、連続繊維補強材を部分的に含む繊維強化樹脂材を製造する第2のステップからなるものである。
この実施の形態の製造方法は、第1、第2のステップで異なる成形型を用いるものであり、第2のステップで使用される成形型のキャビティの寸法は、第1のステップで成形される未硬化状態の中間成形品を完全に収容し、かつさらに第2のキャビティが形成されるように中間成形品よりも大きな寸法を備えたものである。なお、中間成形品は未硬化状態であるが、成形型から取り出して別途の成形型へ載置される際に大きく型崩れしない程度の強度を有しているものに本実施の形態の製造方法が適用される。
この製造方法によっても、第1のステップにおいて連続繊維補強材が成形型の上型および下型で仮に固定されることから、繊維強化樹脂材の所望部位を部分的に補強する連続繊維補強材の位置ずれが抑止され、かつ連続繊維補強材を構成する連続繊維の配向が乱されることはない。
上記する本発明の製造方法を適用することにより、繊維強化樹脂材の所望する一箇所もしくは複数箇所に精緻に連続繊維補強材を埋設することができ、連続繊維補強材を形成する連続繊維は所期の配向を維持することができ、もって連続繊維補強材の所期の物性(引張強度等)が保証された高強度の繊維強化樹脂材となる。この繊維強化樹脂材は、ピラーやロッカー、床下フロアなどの強度が要求される車両の骨格構造部材は勿論のこと、ドアアウターパネルやフードなどの意匠性が要求される非構造部材などに適用することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の繊維強化樹脂材の製造方法によれば、成形型を構成する上型と下型で連続繊維補強材を仮に固定した状態でその周囲にマトリックス樹脂をチャージして中間成形品を製造し、次いで形成された別途のキャビティに別途のマトリックス樹脂をチャージして連続繊維補強材にて部分的に補強されてなる繊維強化樹脂材を製造することにより、連続繊維補強材が位置ずれすることなく、しかもその連続繊維の所期の配向が維持された高強度の繊維強化樹脂材を得ることができる。
本発明の繊維強化樹脂材の製造方法の一実施の形態の第1のステップを説明した模式図である。 図1のII−II矢視図である。 図1に続いて第1のステップを説明した模式図である。 第1のステップで製造される中間成形品を斜め下から見た斜視図である。 図1,3に続いて第2のステップを説明した模式図である。 図5に続いて第2のステップを説明した模式図である。 製造された繊維強化樹脂材を斜め上から見た斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図示する繊維強化樹脂材はその底面が連続繊維補強材で補強された形態であるが、繊維強化樹脂材の形状形態や連続繊維補強材による補強部位やその数などは図示例以外にも多様に存在する。
(繊維強化樹脂材の製造方法の実施の形態1)
図1,3,5,6はこの順で、本発明の繊維強化樹脂材の製造方法の一実施の形態を説明するフロー図となっており、具体的には、図1,3は本発明の繊維強化樹脂材の製造方法の実施の形態1の第1のステップを説明した模式図であり、図5,6は第2のステップを説明した模式図である。
まず、第1のステップとして、図1で示すように、下型D1と上型D2からなる成形型Dが型閉めされた際にできるキャビティ内に連続繊維が一方向に配向してなる、もしくは連続繊維が編み込まれてなる連続繊維補強材1’を収容し、その周囲に第1のキャビティC1を形成する。このキャビティC1は、図2の平面図で示すように、連続繊維補強材1’の周囲に形成されている。
ここで、連続繊維補強材1’としては、図示する連続繊維のみから形成される補強材以外にも、連続繊維がマトリックス樹脂内に含有されてなる補強材(プリプレグ材)であってもよい。さらにプリプレグ材の場合には、たとえばJISで規定するように50mmを超える繊維材(連続繊維)がマトリックス樹脂内に一方向に配向された一方向材(UD材)であってもよいし、擬似等方材(多軸積層材や経糸および緯糸からなる織物など)であってもよい。この連続繊維としては、ボロンやアルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニアなどのセラミック繊維や、ガラス繊維や炭素繊維といった無機繊維、銅や鋼、アルミニウム、ステンレス等の金属繊維、ポリアミドやポリエステルなどの有機繊維のいずれか一種もしくは2種以上の混合材を挙げることができる。
図1で示すように、キャビティ内に連続繊維補強材1’を収容して型閉めすることにより、連続繊維補強材1’は上型D2と下型D1の双方から押圧力Qを受けて仮に固定される。
連続繊維補強材1’を型閉めされた上型D2と下型D1で仮に固定した状態で、図3で示すようにキャビティC1内に軟化もしくは溶融した第1のマトリックス樹脂2’をチャージする。ここで、チャージされるマトリックス樹脂2’は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれであってもよく、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂やフェノール樹脂、メラミン樹脂などを使用でき、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ナイロン(PA:ナイロン6、ナイロン66など)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの結晶性プラスチック、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ABS樹脂、熱可塑性エポキシなどの非結晶性プラスチックを使用できる。
第1のマトリックス樹脂2’のチャージの形態としては、キャビティC1内に短繊維や長繊維の繊維材が溶融樹脂内に含有された材料を射出成形すること、繊維材を含まない溶融樹脂をトランスファー成形すること、さらには、溶融樹脂の塊やシート(プレヒートによる予備腑形体)をキャビティC1内に配すること、といった方法があり、この溶融樹脂の塊等をキャビティ内に配する場合には、その後にたとえば上型D2を下型D1に押し込んでプレス成形がおこなわれる。
キャビティC1内にチャージされた第1のマトリックス樹脂2’は、キャビティC1を閉塞するとともにキャビティ内の連続繊維補強材1’内に含浸されることにより、図4で示すように、未硬化状態のマトリックス樹脂2’の一部にマトリックス樹脂2’が含浸された連続繊維補強材1が埋設されてなる中間成形品3が製造される。
なお、図4は、中間成形品3の理解を容易とするために成形型から取り出した状態を示しているが、本実施の形態の製造方法では成形型Dから中間成形品3が取り出されることはない。また、第1のステップで成形される中間成形品3においては、第1のマトリックス樹脂2’は未硬化状態である。
この第1のマトリックス樹脂2’のチャージの際に、キャビティ内の連続繊維補強材1’は圧力を受けて移動しようとするが、上型D2と下型D1にて押圧力Qで仮に固定されていることから、初期の位置からずれることがない。
さらに、上型D2と下型D1で連続繊維補強材1’の全面が押さえられていることから、連続繊維補強材1’を構成する連続繊維の初期の配向が乱されることもない。
次に、第2のステップとして、図5で示すように、上型D2を上昇させ(X方向)、未硬化状態の中間成形品3の上方に第2のキャビティC2を形成し、上型D2と下型D1の間の端部に環状のスペーサSを介層し、実質的に新たなキャビティC2を形成しながら上型D2と下型D1の型閉め状態を形成する。なお、スペーサSの形態は、環状のものに何等限定されるものではない。
第2のキャビティC2が形成されたら、図6で示すようにキャビティC2内に軟化もしくは溶融した第2のマトリックス樹脂4’をチャージする。
この第2のマトリックス樹脂は、第1のマトリックス樹脂と同素材の樹脂であってもよいし、異なる素材の樹脂であってもよい。
そして、第1のマトリックス樹脂2’と第2のマトリックス樹脂4’が共に硬化することにより、図7で示す繊維強化樹脂材10が製造される。
図示する繊維強化樹脂材10は、所望部位に連続繊維の所期の配向が維持されてなる連続繊維補強材1が埋設され、これで部分的に補強された高強度の繊維強化樹脂材となっている。
しかも、図示する製造方法は、一つの成形型Dを使用し、マトリックス樹脂を2度に分けてチャージするだけの極めて簡易な製法改良によって連続繊維補強材の精緻な位置決めと連続繊維の配向乱れの防止を図ることができるものである。
(繊維強化樹脂材の製造方法の実施の形態2)
繊維強化樹脂材の製造方法の他の実施の形態として、図示を省略するが、第1、第2のステップで異なる成形型を用いる方法がある。具体的には、第2のステップで使用される成形型のキャビティの寸法は、第1のステップで成形される未硬化状態の中間成形品を完全に収容し、かつさらに別途の第2のキャビティが形成されるように中間成形品よりも大きな寸法を備えたものを使用する。なお、この場合には、中間成形品は未硬化状態であっても、成形型から取り出して別途の成形型へ載置される際に大きく型崩れしない程度の強度を有しているものが適用対象である。
この製造方法によっても、第1のステップにおいて連続繊維補強材が成形型の上型および下型で仮に固定されることから、繊維強化樹脂材の所望部位を部分的に補強する連続繊維補強材の位置ずれが抑止され、かつ連続繊維補強材を構成する連続繊維の配向が乱されることはない。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…マトリックス樹脂が含浸された連続繊維補強材、1’…連続繊維補強材、2…第1のマトリックス樹脂の硬化体、2’…第1のマトリックス樹脂、3…中間成形品、4…第2のマトリックス樹脂の硬化体、4’…第2のマトリックス樹脂、10…繊維強化樹脂材、D,D’…成形型、D1…下型、D2…上型、C1…第1のキャビティ(キャビティ)、C2…第2のキャビティ(キャビティ)、S…スペーサ

Claims (6)

  1. 成形型を構成する下型と上型を型閉めしてできる第1のキャビティ内に連続繊維補強材を収容し、型閉めによって該連続繊維補強材を上型および下型で仮に固定し、第1のキャビティ内に軟化もしくは溶融した第1のマトリックス樹脂をチャージし、第1のマトリックス樹脂が未硬化状態の中間成形品を製造する第1のステップ、
    前記第1のキャビティよりも大きな寸法の第2のキャビティ内に載置された前記中間成形品に対して、軟化もしくは溶融した第2のマトリックス樹脂をチャージして第1、第2のマトリックス樹脂が硬化することにより、連続繊維補強材を部分的に含む繊維強化樹脂材を製造する第2のステップからなる繊維強化樹脂材の製造方法。
  2. 成形型を構成する下型と上型を型閉めしてできる第1のキャビティ内に連続繊維補強材を収容し、型閉めによって該連続繊維補強材を上型および下型で仮に固定し、第1のキャビティ内に軟化もしくは溶融した第1のマトリックス樹脂をチャージし、第1のマトリックス樹脂が未硬化状態の中間成形品を製造する第1のステップ、
    上型もしくは下型のいずれか一方を前記第1のキャビティの寸法が大きくなる方向へ移動させ、上型と下型の間にスペーサを介在させて中間成形品の上方に第2のキャビティを形成し、該第2のキャビティ内に軟化もしくは溶融した第2のマトリックス樹脂をチャージして第1、第2のマトリックス樹脂が硬化することにより、連続繊維補強材を部分的に含む繊維強化樹脂材を製造する第2のステップからなる繊維強化樹脂材の製造方法。
  3. 成形型を構成する下型と上型を型閉めしてできるキャビティ内に連続繊維補強材を収容し、型閉めによって該連続繊維補強材を上型および下型で仮に固定し、キャビティ内に軟化もしくは溶融した第1のマトリックス樹脂をチャージし、第1のマトリックス樹脂が未硬化状態の中間成形品を製造する第1のステップ、
    中間成形品を別途の成形型のキャビティであって該中間成形品よりも大きな寸法のキャビティ内に収容し、該キャビティ内に軟化もしくは溶融した第2のマトリックス樹脂をチャージして第1、第2のマトリックス樹脂が硬化することにより、連続繊維補強材を部分的に含む繊維強化樹脂材を製造する第2のステップからなる繊維強化樹脂材の製造方法。
  4. 前記連続繊維補強材は、連続繊維のみから形成された補強材、もしくは連続繊維がマトリックス樹脂内に含有されてなる補強材のいずれか一種からなる請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化樹脂材の製造方法。
  5. 前記第1、第2のマトリックス樹脂の双方もしくはいずれか一方に、短繊維もしくは長繊維が含有されている請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化樹脂材の製造方法。
  6. 前記第1、第2のマトリックス樹脂が同素材の熱可塑性樹脂、もしくは異なる素材の熱可塑性樹脂のいずれかからなる請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化樹脂材の製造方法。
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