JP2012239674A - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器 Download PDF

Info

Publication number
JP2012239674A
JP2012239674A JP2011113144A JP2011113144A JP2012239674A JP 2012239674 A JP2012239674 A JP 2012239674A JP 2011113144 A JP2011113144 A JP 2011113144A JP 2011113144 A JP2011113144 A JP 2011113144A JP 2012239674 A JP2012239674 A JP 2012239674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steam
water
rice
pan
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011113144A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroo Nitta
浩朗 新田
Shinsuke Sasaki
晋介 佐々木
Masato Sano
正人 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2011113144A priority Critical patent/JP2012239674A/ja
Publication of JP2012239674A publication Critical patent/JP2012239674A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cookers (AREA)

Abstract

【課題】従来の過熱蒸気を鍋内に投入する炊飯器では、水の沸点(100℃)以上の過熱蒸気を発生させるためには水タンクの水全てを加熱し高温にしなければならず、多量のエネルギー(電力)と時間を必要とする。また、温度の高い過熱蒸気(例えば200℃)を生成するためには、別途蒸気過熱手段を設ける必要あり炊飯器本体の大型化につながる恐れがあった。
【解決手段】蒸気発生手段は水タンク内の水の水面付近に浸漬された発熱する金属体からなり、金属体は蒸気過熱手段を兼ね備え、蒸気発生手段と蒸気過熱手段は蓋に着脱自在に一体構成で装着することで、コンパクトでありながらお手入れ性を犠牲にすることなく、素早く安定的に高温の過熱蒸気を生成し、特に蒸らし時にはご飯全体を100℃以上に維持して糊化を促進させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、過熱蒸気を用いた炊飯器、特に炊飯性能の向上に関するものである。
従来、一般的な家庭用の炊飯器においては、鍋底部に配置した、鍋内の米と水を加熱するための鍋加熱手段が主な加熱手段である。ご飯をおいしく炊くためには、米の澱粉を十分に糊化させることが重要である。特に、蒸らし時に高温で米を加熱することで澱粉の糊化が進み、ご飯の甘み及び香りが増す。しかし、蒸らし時には水がほぼ無くなった状態であるため、鍋加熱手段による追い炊き加熱を継続すると、鍋底付近のご飯が焦げてしまうため、加熱を弱めざるを得なかった。
例えば、図6に示すように、鍋加熱手段による加熱に加えて、鍋上方から高温の蒸気を鍋内に噴射し米飯及び水の加熱を行う炊飯器がある(特開2003−144308号公報)。
図6において、91は炊飯器本体、92は炊飯器本体91に着脱自在に内装される鍋、93は鍋92の上面を開閉自在に覆う蓋である。94は鍋を加熱する鍋加熱手段である。95は本体91に内装される蒸気発生手段であり、水タンク96と水タンク加熱手段97とを有する。水タンク96内の水は水タンク加熱手段97によって加熱され、沸騰する。水タンク96で発生した水蒸気は、蒸気管98を通って蒸気孔99から鍋92に供給される。以上のように、上層のご飯を乾燥させることなく、鍋92内に温度の高い蒸気を蒸らし時に供給して糊化を促進させるので、鍋内全体にわたってご飯の食味を向上することができる。
特開2003−144308号公報
しかしながら、前記従来の炊飯器の構成では、水タンク及び水タンク加熱手段を鍋と別個に設け、水タンクで発生させた蒸気を加熱板で100℃以上に過熱し鍋内に投入する炊飯器は、蒸気発生手段に蒸気となる水を貯蔵する水タンクを設けなければならないため、水の沸点(100℃)以上の過熱蒸気を発生させるためには水タンクの水全てを加熱し高温にしなければならず、多量のエネルギー(電力)と時間を必要とする。また、加熱源である蒸気発生手段と水タンクを炊飯器本体に構成している場合などは水タンクを炊飯器本体から取り外すことができないため、水タンクをお手入れすることができない。また、温度の高い過熱蒸気(例えば200℃)を生成するためには、前記従来のように加熱板で蒸気を過熱する構成では加熱不足となるため、別途蒸気過熱手段を設ける必要あり炊飯器本体の大型化につながる恐れがあった。
本発明は、上記課題を解決するもので、蒸気発生手段と蒸気過熱手段は蓋に着脱自在に一体構成で装着されるようにしたものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、炊飯器本体と、鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋の開口部を覆う蓋と、蒸気を発生する蒸気発生手段と、前
記蒸気発生手段が発生する蒸気を加熱して水の沸点以上の過熱蒸気とする蒸気過熱手段とを備え、前記蒸気発生手段は水タンクと前記水タンク内の水の水面付近に浸漬された発熱する金属体からなり、前記金属体は蒸気過熱手段を兼ね備え、前記蒸気発生手段と前記蒸気過熱手段は前記蓋に着脱自在に内装される構成とし、前記鍋の上面から過熱蒸気による加熱を行う炊飯器とする。
これによれば、蒸気発生手段は水タンク内の水と発熱する金属体が接触している部分から水が優先的に蒸気化するため、水タンクにセットされた水全てを蒸気化する場合に比べ少ないエネルギーで水を蒸発させることが可能となる。また、蒸発した蒸気は蒸気過熱手段でもある金属体によって沸点以上の過熱蒸気とすることができる。よって、蒸気投入に必要なタイミングで素早くに蒸気を発生することができるものである。
また、加熱源である金属体と水タンクを蓋に着脱自在に内装しているため、水タンクおよび金属体をお手入れすることができ清潔に使用することができる。
また、蒸気発生手段が蒸気過熱手段を兼ねているため、距離を離してそれぞれを構成する場合よりも過熱蒸気を生成する際の熱効率が高く省エネである。
よって、素早く安定的に高温の過熱蒸気を生成し、炊飯工程において過熱蒸気を必要とするタイミング毎に鍋内に投入することができ、ご飯の糊化を促進させ、鍋全体のご飯を美味しく炊き上げる炊飯器を提供することができる。
本発明の炊飯器は、蒸気発生手段は水タンク内の水の水面付近に浸漬された発熱する金属体からなり、金属体は蒸気過熱手段を兼ね備え、蒸気発生手段と蒸気過熱手段は蓋に着脱自在に一体構成で装着することで、コンパクトでありながらお手入れ性を犠牲にすることなく、素早く安定的に高温の過熱蒸気を生成し、特に蒸らし時にはご飯全体を100℃以上に維持して糊化を促進させることができ、鍋全体のご飯を美味しく炊き上げる炊飯器を提供することができる。
本発明の実施の形態1における炊飯器の断面図 本実施の形態1の蒸気発生部および蒸気過熱部の拡大断面図 200℃の過熱蒸気が鍋内に投入されるまでの過熱蒸気温度の経時変化を従来の炊飯器と比較したグラフ 蒸らし工程における表層付近のご飯の温度を従来の炊飯器と比較したグラフ 蒸らし工程における表層付近のご飯の水分率を示したグラフ 従来の炊飯器の断面図
第1の発明は、炊飯器本体と、鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋の開口部を覆う蓋と、蒸気を発生する蒸気発生手段と、前記蒸気発生手段が発生する蒸気を加熱して水の沸点以上の過熱蒸気とする蒸気過熱手段とを備え、前記蒸気発生手段は水タンクと前記水タンク内の水の水面付近に浸漬された発熱する金属体からなり、前記金属体は蒸気過熱手段を兼ね備え、前記蒸気発生手段と前記蒸気過熱手段は前記蓋に着脱自在に内装される構成とし、前記鍋の上面から過熱蒸気による加熱を行う炊飯器とすることで、コンパクトでありながらお手入れ性を犠牲にすることなく、素早く安定的に高温の過熱蒸気を生成し、鍋内のご飯に供給することができる。
すなわち、蒸気発生手段は水タンク内の水と発熱する金属体が接触している部分から水
が優先的に蒸気化するため、水タンクにセットされた水全てを蒸気化する場合に比べ少ないエネルギーで水を蒸発させることが可能となる。また、蒸発した蒸気は蒸気過熱手段でもある金属体によって沸点以上の過熱蒸気とすることができる。よって、蒸気投入に必要なタイミングで素早くに蒸気を発生することができるものである。
また、加熱源である金属体と水タンクを蓋に着脱自在に内装しているため、水タンクおよび金属体をお手入れすることができ清潔に使用することができる。
また、蒸気発生手段が蒸気過熱手段を兼ねているため、距離を離してそれぞれを構成する場合よりも過熱蒸気を生成する際の熱効率が高く省エネである。
よって、素早く安定的に高温の過熱蒸気を生成し、炊飯工程において過熱蒸気を必要とするタイミング毎に鍋内に投入することができ、ご飯の糊化を促進させ、鍋全体のご飯を美味しく炊き上げる炊飯器を提供することができる。
第2の発明は、特に第1の発明における炊飯工程は、時間順に前炊き工程、炊き上げ工程、沸騰維持工程、蒸らし工程からなり、前記蒸らし工程において前記鍋の上面から高い温度の過熱蒸気(例えば200℃)による加熱を行うようにした炊飯器とすることにより、ご飯の温度を100℃以上の高温に維持しつつご飯の余分な水分を蒸発させることができる。
すなわち、蒸らし工程において高い温度の過熱蒸気を鍋内に投入することで、過熱蒸気をご飯に接触させて蒸発潜熱をご飯から奪うことにより一時的にご飯の温度が低下する現象を抑制することができる。よって、蒸らし工程において高い温度の過熱蒸気を鍋内に投入することによって、ご飯全体を100℃以上に維持して糊化を促進させることができる。
第3の発明は、特に第1または2の発明における金属体は、誘導加熱することにより発熱するようにした炊飯器とすることにより、お手入れ性を犠牲にすることなく、素早く安定的に高温の過熱蒸気を生成し、鍋内のご飯に供給することができる。
すなわち、金属体を水タンク内に設けることでその発熱体が発熱して水を直接加熱するため加熱効率が高く、金属体を表面積が大きく熱容量の小さい箔などで形成した場合には、加熱速度が速いために素早く安定的に高温の過熱蒸気を生成することができる。
また、金属体に電力を供給する端子を必要としないために、金属体を着脱自在に蓋に設けることができお手入れ性を犠牲にすることが無い。
第4の発明は、特に第1〜3の発明における金属体は、発泡金属、パンチングメタル、エキスパンドメタル、金属箔のいずれか一種類の金属から形成された炊飯器とすることにより、素早く安定的に高温の過熱蒸気を生成し、鍋内のご飯に供給することができる。
すなわち、発泡金属、パンチングメタル、エキスパンドメタル、金属箔のいずれも表面積が大きく熱容量の小さい発熱体とすることができ、そのため発熱体の昇温速度が速く加熱対象を素早く昇温することができる。よって、素早く蒸気を発生させ、高温の過熱蒸気とすることができ、必要なときに必要な量と温度の過熱蒸気を鍋内のご飯に供給することができる。
第5の発明は、特に第1〜4の発明における金属体は、前記水タンク内の水に浮遊するように保持され、前記水タンク内の水位の高低にかかわらず所定部位のみ水に浸漬するよ
うにした炊飯器とすることにより、素早く安定的に高温の過熱蒸気を生成し、鍋内のご飯に供給することができる。
すなわち、蒸気発生手段は水タンク内の水と発熱する金属体が接触している部分から水が優先的に蒸気化するため、水タンクにセットされた水全てを蒸気化する場合に比べ少ないエネルギーで水を蒸発させることが可能となる。また、金属体は水タンク内の水位の高低にかかわらず特定の部位が水に浸漬しているため、金属体の発熱量が一定であれば蒸発量も常に一定となるため安定的に高温の過熱蒸気を生成し、鍋内のご飯に供給することができる。
また、金属体は特定の部位が水に浸漬しているため、スケールが付着した場合にもお手入れする部分は金属体の一部で良くお手入れ性に優れる。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における炊飯器の断面図を示したものである。図2は、本実施の形態1の蒸気発生部および蒸気過熱部の拡大断面図と蒸気の流れを示したものである。
実施の形態1の炊飯器は、大気圧でご飯を炊く炊飯器である。図1において、1は炊飯器の本体を示し、着脱自在の鍋2を内装する。本体1には、その上面を覆う蓋3が開閉自在に設置されている。
本体1は、鍋2を誘導加熱する鍋加熱手段4(誘導加熱コイルである)、鍋2の温度を検知する鍋温度検知手段5、制御手段6を有する。
蓋3は、蓋カバー7、蒸気を発生する蒸気発生手段8、蒸気発生手段8が発生した蒸気を鍋2の内部に供給するための蒸気経路9、加熱板10、加熱板加熱手段11、加熱板温度検知手段12、蒸気筒13及び蒸気過熱手段14を有する。
加熱板10は、蓋3の下面を構成する蓋カバー7に着脱可能に取り付けられる。蓋3を閉めた状態において、鍋2と加熱板10との隙間は、加熱板10に取り付けられたループ状のパッキン15(第1のパッキン)で封止される。加熱板加熱手段11は、蓋カバー7に取り付けられ、加熱板10を誘導加熱する誘導加熱コイルである。加熱板温度検知手段12は、加熱板10の温度を検知する。蒸気筒13は、鍋2内の不要な蒸気を排出する。
蒸気発生手段8は、蓋3に着脱自在に構成され、水タンク16と金属体17と金属体加熱手段18とを有する。金属体加熱手段18は、水タンク16を誘導加熱する誘導加熱コイルである。水タンク16の外側に、水タンク16の温度を検知する水タンク温度検知手段19が圧接される。
蓋3を閉めた状態において、発生した蒸気を鍋2に供給する蒸気経路9が水タンク16の上方に位置する。水タンク16上方の蓋3の内部には、蒸気過熱手段14を有し、蒸気過熱手段14は金属体17と一体に構成されており金属体加熱手段18により誘導加熱される。水タンク16の上部には過熱蒸気温度を検知する過熱蒸気温度検知手段20が設けられる。
金属体17は、高耐食性フェライト系ステンレス箔をハニカム状に形成したものを用いることで、表面積は大きいが熱容量は小さく昇温速度が速くて耐久性の高い発熱体とした。また、金属体17は、水位線aを境界として下部は蒸気発生手段8であり、上部は蒸気過熱手段14からなる構成とした。また、金属体17は、一部に空気層を有する構成とな
っており、水タンク16内の水に浮遊するように保持され、水タンク16内の水位の高低にかかわらず所定部位のみ水に浸漬するようになっている。
蓋を閉めた状態において水タンク16と鍋2とは蒸気経路9を通じてのみ連通する。水タンク16で発生した蒸気は、蒸気経路9を通って鍋2内に投入され、余分な蒸気は蒸気筒13を通じて外部に排出される。蒸気経路9を加熱する加熱手段(例えば誘導加熱コイル)を更に設けても良い。
蒸気筒13には蒸気口21と蒸気排出経路22とを有し、蓋3の天面には蓋蒸気口23が設けられている。
制御手段6は、回路基板(図示しない)に搭載されたマイクロコンピュータを有する。制御手段6(マイクロコンピュータ)はソフトウエアにより、ユーザが操作パネル(図示しない)を介して入力する操作指令、鍋温度検知手段5、水タンク温度検知手段19、加熱板温度検知手段12および過熱蒸気温度検知手段20から入力される信号に基づき、あらかじめマイクロコンピュータに記憶された炊飯プログラムにより、鍋2、加熱板10、水タンク16、金属体17の加熱制御を行う。制御手段6は、鍋加熱手段4、金属体加熱手段18の加熱量を、各加熱手段の通電率及び/又は通電量によって制御する。
以上のように構成された本発明の実施の形態1の炊飯器の炊飯工程における動作を、蒸気発生手段8と蒸気過熱手段14の動作に着目して説明する。
ユーザが、炊飯を行う米とその米量に対応する水とを鍋2に入れ、本体1に内装する。更に、水タンク16に所定量の水を入れ、本体1に内装する。ユーザが炊飯開始スイッチ(図示しない)を操作すると炊飯工程が実施される。
炊飯工程は、時間順に前炊き、炊き上げ、沸騰維持、蒸らしに大分される。前炊き工程において、鍋2の温度が米の吸水に適した温度になるように鍋加熱手段4を制御し、鍋内の米と水とを加熱する。次に、炊き上げ工程において、鍋2の温度が所定値(100℃)になるまで鍋加熱手段4によって鍋2を所定の熱量で加熱する。この時の温度上昇速度によって、炊飯量を判定する。沸騰維持工程において、鍋2の水が無くなり、鍋2の温度が100℃を超えた所定値になるまで、鍋加熱手段4及び加熱板加熱手段11に通電し、米と水を加熱する。最後に蒸らし工程において、一定時間の間に複数回、炊飯量に応じた鍋加熱手段4及び加熱板加熱手段11による加熱(追い炊き)と加熱の停止(休止)を繰り返す。蒸らし工程(追い炊き時と休止時)において、蒸気発生手段8から発生した蒸気を蒸気過熱手段14で過熱し鍋2内へ過熱蒸気を供給する。
前炊き工程では、炊き上げ工程及び沸騰維持工程に比べ各加熱手段への通電量が少なく、炊飯器全体の消費電力が小さい。実施の形態1の炊飯器は、前炊き工程において金属体加熱手段18に通電し、水タンク温度検知手段19から得られる値をもとに水タンク16内の水を所定の温度に予熱する。予熱および沸騰維持工程中の鍋の発熱によって水タンク16内の水は高温に維持される。
実施の形態1の炊飯器の、蒸らし工程における動作を説明する。
むらし工程においては、ご飯が中心まで糊化するように、ご飯が乾燥したりこげたりしない温度で、ご飯を高温の状態に保つことが大切である。よって、より短時間で鍋2内を過熱蒸気で満たすことが、ご飯の糊化を促進する上で重要であり、いかにすばやくかつ長時間高温の蒸気中にご飯をさらすかがご飯の糊化に影響する。
沸騰維持工程終了後、鍋加熱手段4及び加熱板加熱手段11による加熱を停止し、金属体加熱手段18に通電する。水タンク16内の水は高温に維持されており、しかも金属体17は水タンク16内の水面付近に浸漬されているため、素早く沸騰して蒸気過熱手段14に蒸気が導入される。蒸気過熱手段14は、金属体加熱手段18によって金属体17が高温に維持されており導入された蒸気は温度上昇する。導入された蒸気は蒸気過熱手段14を通過する際に100℃以上に上昇する。過熱蒸気温度検知手段20から得られる値をもとに金属体17への加熱量を加減し、所定温度の過熱蒸気を安定的に生成する。
本実施の形態1では、過熱蒸気温度を200℃とした。この温度は、蒸らし工程においてご飯の余分な水分を素早く蒸発させながら糊化を促進させるために最適な温度であり、官能評価結果においても味・食感ともに優れるものであった。
本実施の形態1の構成では、蒸気発生手段は水タンク16内の水と発熱する金属体17が接触している部分から水が優先的に蒸気化するため、水タンク16にセットされた水全てを蒸気化する場合に比べ少ないエネルギーで水を蒸発させることが可能となる。また、蒸発した蒸気は蒸気過熱手段14でもある金属体17によって沸点以上の過熱蒸気とすることができる。よって、蒸気投入に必要なタイミングで素早くに蒸気を発生することができるものである。
図3は蒸らし工程において200℃の過熱蒸気が鍋内に投入されるまでの過熱蒸気温度の経時変化を、本体に水タンクを設けた従来の炊飯器と比較したグラフである。
図3に示すように、本実施の形態1の炊飯器では200℃の過熱蒸気が鍋内に投入されるまでの時間は、従来の炊飯器の半分以下の時間になっており、素早く高い温度の過熱蒸気を鍋内に投入することができることが分かる。
図4は蒸らし工程における表層付近のご飯の温度を従来の炊飯器と比較したグラフである。本実施の形態1の炊飯器では過熱蒸気の温度は200℃であり、蒸気量は10gとした。従来の炊飯器では過熱蒸気の温度は130℃であり、蒸気量は20gとした。図4に示すように、本実施の形態1の炊飯器では表層付近のご飯の温度は100℃以上を維持しているのに対し、従来の炊飯器では徐々に温度が低下し100℃を下回っていることが分かる。
また、図5は蒸らし工程における表層付近のご飯の含水率を示したグラフである。図5に示すように、本実施の形態1の炊飯器では表層付近のご飯の含水率は63%付近で推移していることが分かる。
よって、蒸らし工程において過熱蒸気を鍋内に投入することによりご飯全体を100℃以上に維持して糊化を促進させることができるとともに、ご飯の余分な水分を蒸発させることができる。
ユーザは、炊飯開始前に炊飯器の操作パネル(図示しない)を操作し、炊飯する米の銘柄を制御手段6に指定できる。制御手段6は指定された銘柄が、柔らかく炊ける性質の米(魚沼産コシヒカリ、宮城産ササニシキなど)か、標準的な性質の米(一般のコシヒカリ、ササニシキ、夏場の魚沼産コシヒカリ、新米のきらら397など)か、硬く炊ける性質の米(きらら397、夏場のコシヒカリ、ササニシキなど)か判断し、蒸らし工程における高温蒸気の投入時間と温度とを制御する。高温蒸気の投入時間は、金属体加熱手段18の通電率及び/又は通電量によって制御する。高温蒸気の温度は、蒸気過熱手段14の通電率及び/又は通電量によって制御する。
制御手段6は蒸らし工程において、米が、柔らかく炊ける性質の米の場合180℃の高温蒸気を1分間鍋2に供給し、標準的な性質の米の場合200℃の高温蒸気を2分間鍋2に供給し、硬く炊ける性質の米の場合220℃の高温蒸気を3分間鍋2に供給する。実施の形態1の炊飯器は、米の性質に合わせて最適な炊飯を行うことができる。
炊飯工程終了後は、保温工程に移行し、鍋内の温度を70℃に近づけるように鍋加熱手段4及び加熱板加熱手段11への通電を制御する。ユーザが再加熱スイッチ(図示しない)を操作すると、制御手段6は金属体加熱手段18を駆動し、蒸らし工程と同様に過熱蒸気を発生させる。そして、過熱蒸気が鍋2内に供給される。炊飯工程終了後、再加熱スイッチが操作されるまではご飯は乾燥していくが、過熱蒸気による再加熱を行うことで、ご飯の水分量は炊飯工程終了時と同程度まで増加する。更に、保温中に発生する不快なにおいが過熱蒸気による加熱で低減する。
実施の形態1の炊飯器は、蒸らし工程及び保温工程において高温蒸気を鍋2内に供給したが、他の工程で高温蒸気を鍋2内に供給しても良い。前炊き工程及び炊き上げ工程において高温蒸気を鍋2内に供給すれば、鍋2内の温度を短時間で上げることができる。沸騰維持工程において高温蒸気を鍋2内に供給すれば、おねばに蒸気が当たるので、吹きこぼれを防止できる。
また、金属体17は、発泡金属、パンチングメタル、エキスパンドメタル、金属箔のいずれか一種類の金属から形成することにより、素早く安定的に高温の過熱蒸気を生成し、鍋内のご飯に供給することができる。
すなわち、発泡金属、パンチングメタル、エキスパンドメタル、金属箔のいずれも表面積が大きく熱容量の小さい発熱体とすることができ、そのため発熱体の昇温速度が速く加熱対象を素早く昇温することができる。よって、素早く蒸気を発生させ、高温の過熱蒸気とすることができ、必要なときに必要な量と温度の過熱蒸気を鍋内のご飯に供給することができる。
また、加熱源である金属体17と水タンク16を蓋3に着脱自在に内装しているため、水タンク16および金属体17をお手入れすることができ清潔に使用することができる。
また、蒸気発生手段8が蒸気過熱手段14を兼ねているため、距離を離してそれぞれを構成する場合よりも過熱蒸気を生成する際の熱効率が高く省エネである。
よって、素早く安定的に高温の過熱蒸気を生成し、炊飯工程において過熱蒸気を必要とするタイミング毎に鍋2内に投入することができ、ご飯の糊化を促進させ、鍋2全体のご飯を美味しく炊き上げる炊飯器を提供することができる。
以上のように、本発明の炊飯器は、蒸気発生手段は水タンク内の水の水面付近に浸漬された発熱する金属体からなり、金属体は蒸気過熱手段を兼ね備え、蒸気発生手段と蒸気過熱手段は蓋に着脱自在に一体構成で装着することで、コンパクトでありながらお手入れ性を犠牲にすることなく、素早く安定的に高温の過熱蒸気を生成し、特に蒸らし時にはご飯全体を100℃以上に維持して糊化を促進させることができ、鍋全体のご飯を美味しく炊き上げる炊飯器を提供することができる。よって米を調理する加熱調理機器として有用である。
1 本体
2 鍋
3 蓋
4 鍋加熱手段
5 鍋温度検知手段
6 制御手段
7 蓋カバー
8 蒸気発生手段
9 蒸気経路
10 加熱板
11 加熱板加熱手段
12 加熱板温度検知手段
13 蒸気筒
14 蒸気過熱手段
15 パッキン
16 水タンク
17 金属体
18 金属体加熱手段
19 水タンク温度検知手段
20 過熱蒸気温度検知手段
21 蒸気口
22 蒸気排出経路
23 蓋蒸気口

Claims (5)

  1. 炊飯器本体と、鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋の開口部を覆う蓋と、蒸気を発生する蒸気発生手段と、前記蒸気発生手段が発生する蒸気を加熱して水の沸点以上の過熱蒸気とする蒸気過熱手段とを備え、
    前記蒸気発生手段は水タンクと前記水タンク内の水の水面付近に浸漬された発熱する金属体からなり、前記金属体は蒸気過熱手段を兼ね備え、前記蒸気発生手段と前記蒸気過熱手段は前記蓋に着脱自在に内装される構成とし、前記鍋の上面から過熱蒸気による加熱を行う炊飯器。
  2. 炊飯工程は、時間順に前炊き工程、炊き上げ工程、沸騰維持工程、蒸らし工程からなり、前記蒸らし工程において前記鍋の上面から過熱蒸気による加熱を行うようにした請求項1に記載の炊飯器。
  3. 前記金属体は、誘導加熱することにより発熱するようにした請求項1または2に記載の炊飯器。
  4. 前記金属体は、発泡金属、パンチングメタル、エキスパンドメタル、金属箔のいずれか一種類の金属から形成された請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。
  5. 前記金属体は、前記水タンク内の水に浮遊するように保持され、前記水タンク内の水位の高低にかかわらず所定部位のみ水に浸漬するようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。
JP2011113144A 2011-05-20 2011-05-20 炊飯器 Withdrawn JP2012239674A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011113144A JP2012239674A (ja) 2011-05-20 2011-05-20 炊飯器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011113144A JP2012239674A (ja) 2011-05-20 2011-05-20 炊飯器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012239674A true JP2012239674A (ja) 2012-12-10

Family

ID=47462026

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011113144A Withdrawn JP2012239674A (ja) 2011-05-20 2011-05-20 炊飯器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012239674A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114601346A (zh) * 2020-12-09 2022-06-10 惠而浦公司 自清洁烤箱

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114601346A (zh) * 2020-12-09 2022-06-10 惠而浦公司 自清洁烤箱

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5861050B2 (ja) 炊飯器
JP2012239671A (ja) 炊飯器
KR101083993B1 (ko) 전열 증기 취사기
JP5887477B2 (ja) 炊飯器
JP4639873B2 (ja) 加熱調理装置
JP2012187295A (ja) 炊飯器
JP3858832B2 (ja) 炊飯器
JP2003144308A5 (ja)
JP3757954B2 (ja) 炊飯器
JP2012239674A (ja) 炊飯器
JP2011087615A (ja) 炊飯器
JP2007029142A (ja) 炊飯器
JP2006230433A (ja) 炊飯器
JP2006075315A (ja) 炊飯器
JP2013085916A (ja) 炊飯器
JP3757951B2 (ja) 炊飯器
JP5934899B2 (ja) 蒸気過熱装置および炊飯器
JP4186821B2 (ja) 炊飯器
JP3928567B2 (ja) 炊飯器
JP2008054719A (ja) 炊飯器
JP5292933B2 (ja) 炊飯器
JP4265495B2 (ja) 炊飯器
JP3855959B2 (ja) 炊飯器
JP2013202071A (ja) 炊飯器
JP2012239670A (ja) 炊飯器

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140805