JP2012237590A - 光線路識別システム及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】設備ビル1内に試験装置10を設け、この試験装置10から試験光を識別対象の光線路に光カプラ7を介して入射し、この試験光のONUによる反射光(戻り試験光)を上記光カプラ7を介して試験装置10で受光する。そして、この試験装置10による上記戻り試験光の受光波形データを情報処理装置14に転送し、情報処理装置14において当該受光波形データと波形データベース12に予め記憶してあるデフォルト波形データとの時間軸上における相関を求め、相関値がしきい値以下となるデフォルト波形データに対応する心線番号を上記試験装置10に返送して表示デバイス10−10に表示するようにしたものである。
【選択図】図1
Description
第1の態様は、前記相関の度合いを計算する際に、前記時系列上で計測された戻り試験光の波形データと予め記憶手段に記憶しておいたデフォルト波形データとの時系列上における相関の度合いを計算すると共に、前記時系列上で計測された戻り試験光の波形データと予め記憶手段に記憶しておいたデフォルト波形データとの受光パワーの相関の度合いを計算する。そして、上記計算された時系列上の相関の度合いと、上記計算された受光パワーの相関の度合いをもとに、前記光線路を識別するものである。
このようにすると、時系列上の相関の度合いと受光パワーの相関の度合いの両方を考慮して光線路が識別されることになるので、時系列上の相関の度合いのみに基づいて光線路を識別する場合に比べ、識別精度を高めることが可能となる。
このようにすると、光線路の敷設後に、例えば加入者宅設備でONUの追加又は取り外しが行われた場合に、その旨の情報が報知されることになる。この結果保守作業者は、この報知情報をもとに光線路の識別だけでなく、光線路ごとに当該光線路に接続された加入者宅設備の変更を確認することが可能となる。
このようにすると、ターミネーションフィルタにより反射された、より光パワー強度の高い戻り試験光の受光波形データをもとに光線路を識別することができ、これにより既存のONUにより反射される戻り試験光の受光波形データを用いる場合に比べ識別精度を高めることが可能となる。
[第1の実施形態]
図1は、この発明の第1の実施形態に係る光線路識別システムを備えた光通信ネットワークシステムの構成を示す図である。
図1において、通信事業者が運用する設備ビル1内には複数のOLT(Optical Line Terminal)4,4,…が設置され、これらのOLT4,4,…にはそれぞれ屋内光ファイバ心線5′,5′,…が接続される。これらの屋内光ファイバ心線5′,5′,…は束ねられて屋内光ファイバケーブル5を構成する。また、設備ビル1内には接続盤8が設置され、この接続盤8の屋内側の端子群に上記屋内光ファイバ心線5′,5′,…がコネクタにより接続される。
すなわち、設備ビル1内には試験光を送受信するための試験装置10が設置されている。また接続盤8内には、上記光線路に介挿される状態で光カプラ7,7,…が設置されている。光カプラ7,7,…にはそれぞれ上記試験光を合分波するためのポートが設けられており、この合分波ポートに上記試験装置10が接続される。
(1) 上記A/D変換器10−4から受光波形のディジタル信号を取り込み、この取り込んだ受光波形のディジタル信号、つまり戻り試験光の受光波形データを、通信ユニット10−7から通信ネットワーク13を介して情報処理装置14へ送信する処理。
(2) 情報処理装置14から通信ネットワーク13を介して返送された光線路の識別結果を表す情報を通信ユニット10−7から受け取り、この光線路識別結果を表す情報を表示するための表示データを生成して、この表示データを入出力インタフェースユニット10−8へ出力する処理。
(1) 上記試験装置10により受光された、ONU2−1〜2−mによる戻り試験光の受光波形データを、試験装置10から通信ネットワーク13を介して受け取る機能。
(2) 上記受け取った戻り試験光の受光波形データと、波形データベース12に予め記憶されているデフォルトの波形データとの時間軸上の相関を計算する処理。
(3) 上記相関度の計算結果をもとに光線路を識別し、その識別結果を表す情報を通信ネットワーク13を介して試験装置10へ返送する処理。
次に、以上のように構成されたシステムによる光線路識別動作を説明する。
(1)準備
オペレータは、光カプラ7,7,…の一つに試験装置10の試験光線路10−6を接続し、実際に試験光を送信してONU2−1〜2−mによる戻り試験光を受光する。そして、この戻り試験光の受光波形データを通信ネットワーク13を介して情報処理装置14に送り、対応する光線路の識別情報(心線番号)と関連付けて、これをデフォルトデータとして波形データベース12に記憶させる。
作業者は、識別対象の光線路を含む屋外光ファイバケーブル6が接続された光カプラ7の試験用合分波ポートに対し、試験装置10の試験光線路10−6を接続する。そして、入力デバイス10−9において試験開始コマンドを入力する。
そうすると、制御ユニット10−5の制御の下で光源10−1から試験光が発生され、この試験光が光カプラ10−2及び試験光線路10−6を介して上記光カプラ7の試験用合分波ポートに入射される。この試験光は、屋外光ファイバ心線6′を介して屋外光スプリッタ9に伝送され、この屋外光スプリッタ9により等分岐されたのち、加入者宅用の光ファイバ心線11−1〜11−mを介して各加入者宅のONU2−1〜2−mに伝送される。
すなわち、レイリー散乱光の反射率R_rsは、αr をレイリー散乱による光損失、Sをレイリー散乱による後方に戻る光の割合、Wを入力パルスの半値全幅、vo を光ファイバ中の光速とすると、以下の式で表される。
ただし、Pは屋外光スプリッタ9の直前の試験光ピークパワー、r_o は開放端における反射率、r_c はコネクタにおける反射率、r_t は分岐線路遠端における反射率、mは0以上n以下の整数であり屋外光スプリッタ9より下流の光線路の数、lは線路損失である。また、nは屋外光スプリッタ9における分岐回数であり、例えば8分岐スプリッタではn=3である。
図3では、屋外光スプリッタ9による反射光は時刻ts に発生し、各ONU2−1〜2−mによる各反射光はそれぞれ時刻ts+t1,ts+t2,…ts+tmに発生した場合を例示している。
戻り試験光の受光波形とデフォルト波形との相関度を求める方法としては、例えば波形データベース12に予め記憶されたデフォルト波形f_s(t)と、計測された時系列上の受光波形f_m(t)との受光パワーの差分
Σ|f_s(t)-f_m(t)|
を算出し、その差がしきい値より小さい場合に相関度が高いと判定する。このとき、一定の信号レベル以上のデータのみを用いて相関度を求めることで、戻り試験光の最低受信感度よりも低い雑音信号の影響を除いて、相関値の精度を高めることができる。
この発明の第2の実施形態は、各ONU2―1〜2−mの入力端に、通信信号とは異なる波長帯域を使用する試験信号のみを反射しかつ遮断するように設計されたターミネーションフィルタをそれぞれ設置するようにしたものである。
前記第1の実施形態で述べたように波形データ間の時間相関を計算するには、波形データベース12に大容量の記憶領域を設け、かつ情報処理装置14において膨大な計算を行う必要がある。そこで、この発明の第3の実施形態では、光パルス(OTDR)波形の特徴点を抽出し、特徴点同士の相関度を計算することで検出時間を短縮するようにしたものである。
r_c [dB]− Rs [dB]
のピーク反射が発生する。この点に着目し、このピーク反射をさらに特徴点として加えることで、検出精度をさらに高めることもできる。
この発明の第4の実施形態は、計測された戻り試験光の受光波形データと予め記憶されたデフォルト波形データとの相関演算の結果から、ONUの増設及び削除の有無を判定し、この判定結果を表す情報を試験装置10の表示デバイス10−10に表示するようにしたものである。
前記各実施形態では、試験光の送受信及び受光波形の検出処理を試験装置10で行い、波形データ間の相関演算と心線番号の判定処理を情報処理装置14で行うようにしたが、これらの処理をすべて試験装置10内で行うようにしてもよい。また、試験装置10と情報処理装置14との間は、通信ネットワーク13ではなくUSBケーブル等の信号ケーブルを用いて1対1に接続するようにしてもよい。
Claims (7)
- 局側設備と複数の加入者宅設備との間に複数の光線路を敷設した光通信網で使用され、前記複数の光線路を前記局側設備で識別する光線路識別システムであって、
前記局側設備から前記複数の光線路の各々に対し波長及びパルス幅が予め定めた試験光を送信し、当該試験光が前記複数の加入者宅設備により反射して前記局側設備に戻ったときの戻り試験光の波形を時系列上で計測する手段と、
前記時系列上で計測された戻り試験光の波形データと、予め記憶手段に記憶しておいたデフォルト波形データとの、時系列上における相関の度合いを計算する相関計算手段と、
前記計算された相関の度合いをもとに前記光線路を識別する識別手段と
を具備することを特徴とする光線路識別システム。 - 前記相関計算手段は、
前記時系列上で計測された戻り試験光の波形データと、予め記憶手段に記憶しておいたデフォルト波形データとの、時系列上における相関の度合いを計算する第1の計算手段と、
前記時系列上で計測された戻り試験光の波形データと、予め記憶手段に記憶しておいたデフォルト波形データとの、受光パワーの相関の度合いを計算する第2の計算手段と
を備え、
前記識別手段は、前記第1の計算手段により計算された時系列上の相関の度合いと、前記第2の計算手段により計算された受光パワーの相関の度合いをもとに、前記光線路を識別することを特徴とする請求項1記載の光線路識別システム。 - 前記識別手段は、前記計算された相関の度合いを予め設定されたしきい値と比較し、相関の度合いがしきい値に満たない場合には、該当する光線路に接続された加入者宅設備が追加又は削除されたと判断してその旨の情報を出力する手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の光線路識別システム。
- 前記複数の加入者宅設備の各々は、前記試験光の波長成分を反射するターミネーションフィルタを、さらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光線路識別システム。
- 局側設備と複数の加入者宅設備との間に複数の光線路を敷設した光通信網で使用され、前記複数の光線路を前記局側設備で識別する光線路識別方法であって、
前記局側設備から前記複数の光線路の各々に対し波長及びパルス幅が予め定めた試験光を送信し、当該試験光が前記複数の加入者宅設備により反射して前記局側設備に戻ったときの戻り試験光の波形を時系列上で計測する過程と、
前記時系列上で計測された戻り試験光の波形データと、予め記憶手段に記憶しておいたデフォルト波形データとの、時系列上における相関の度合いを計算する相関計算過程と、
前記計算された相関の度合いをもとに前記光線路を識別する識別過程と
を具備することを特徴とする光線路識別方法。 - 前記相関計算過程は、
前記時系列上で計測された戻り試験光の波形データと、予め記憶手段に記憶しておいたデフォルト波形データとの、時系列上における相関の度合いを計算する第1の計算過程と、
前記時系列上で計測された戻り試験光の波形データと、予め記憶手段に記憶しておいたデフォルト波形データとの、受光パワーの相関の度合いを計算する第2の計算過程と
を備え、
前記識別過程は、前記第1の計算過程により計算された時系列上の相関の度合いと、前記第2の計算過程により計算された受光パワーの相関の度合いをもとに、前記光線路を識別することを特徴とする請求項5記載の光線路識別方法。 - 前記識別過程は、前記計算された相関の度合いを予め設定されたしきい値と比較し、相関の度合いがしきい値に満たない場合には、該当する光線路に接続された加入者宅設備が追加又は削除されたと判断してその旨の情報を出力する過程を、さらに備えることを特徴とする請求項5又は6記載の光線路識別方法。
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